JP3745708B2 - 無段変速装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、変速装置に関し、特に、変速比を無段階的に変更可能な摩擦式変速装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、無段変速装置として、種々の形式の摩擦式変速装置が開発されている。
例えば、特許第2664097号公報には、モータで駆動される入力軸と同軸状に出力軸を配置し、入力軸に一体に形成した太陽歯車と出力軸に一体的に形成したリングギヤとに噛合する複数の遊星歯車をキャリアに回転自在に装架し、このキャリアの回転速度を無段階的に変速することにより、出力軸の回転速度を無段階的に変速する無段変速機が記載されている。この無段変速機は、キャリアを挟んで遊星歯車と反対側に遊星摩擦車を回転自在にかつこのキャリア上を半径方向に移動可能に装架してあり、この遊星摩擦車を、入力軸と共に回転する一対の太陽摩擦車で自転させつつ、これらの太陽摩擦車と同心状の一対の固設リング摩擦車に沿って公転させる。変速する場合は、遊星摩擦車をキャリア上で半径方向に移動し、太陽摩擦車とリング摩擦車とにそれぞれ係合する位置を変更することにより、遊星摩擦車の公転速度すなわちキャリアの回転速度を変更する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような無段変速機は、キャリアを回転させる遊星摩擦車が入力軸に近い位置すなわち摩擦車が公転するときの半径方向の内方位置で太陽摩擦車と係合し、遊星摩擦車に作用するトルクが小さい。また、この無段変速装置では、入力軸の回転は遊星歯車を介して出力軸に伝達する動力よりも、遊星摩擦車を介して伝達する動力の方が大きく、特に、入力軸に対する出力軸の回転数比すなわち減速比が大きいときの合成トルクが小さい。このため、この無段変速機の重量及び体積に比して出力が小さい。
本発明は、このような事情に基づいてなされたもので、体積および重量の増大を抑制しつつ、摩擦係合部の伝達効率を向上させ、より大きなトルクを出力することのできる無段変速装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の無段変速装置は、先端部に対向させて設けた円形状係合部を互いに近接する方向に付勢されつつ軸方向に可動の第1,第2ホイールと、これらの第1,第2ホイール間に配置されたキャリアにより、円形状係合部に沿って所定間隔に保持され、それぞれがテーパ状の端部に形成されて前記第1,第2ホイールの円形状係合部に摩擦係合する第1,第2転動面を持ち、これらの第1,第2転動面の中心を通る回転軸が前記円形状係合部の半径方向内方に位置する複数の転動体と、これらの回転軸に直交する方向に延設させて前記キャリアに枢着され、これらの転動体をそれぞれの回転軸を中心として回転自在に、かつ、前記円形状係合部の中心軸に対して回転軸を揺動自在に支える複数の揺動軸とを備え、前記各転動体は、前記第1,第2ホイールの軸方向位置に応じて、第1,第2転動面上における係合部の係合位置と回転軸との間の距離を設定され、第1ホイールとキャリアとの少なくとも一方を介して回転されたときに、第2転動面を介して第2ホイールを回転することに特徴がある。
【0005】
この無段変速装置では、キャリアに装架された転動体は、両側から第1,第2転動面を付勢する第1,第2ホイールの円形状係合部の半径方向内側に、その回転軸が配置される。例えばキャリアを固定した状態で第1ホイールを回転すると、この第1ホイールの回転トルクが円形状係合部を介して転動体の第1転動面に作用し、回転軸を中心として転動体が回転する。これにより、第2ホイールがその円形状係合部を介して第2転動面から回転トルクを受け、回転される。一方、第1ホイールの回転を抑制してキャリアを回転した場合も、転動体が第1ホイールの円形状係合面に沿って自転しつつ公転し、このときの回転トルクで第2ホイールを回転する。更に、これらの第1ホイールとキャリアとの双方を回転した場合も同様である。いずれの場合も、変速比は、第1,第2転動面上における係合部の係合位置と回転軸との間の距離で設定される。この第1,第2転動面上における係合部の係合位置と回転軸との間の距離は、第1,第2ホイールの軸方向位置に応じて変化し、したがって、これらの転動体を付勢しつつ第1,第2ホイールを軸方向に移動することにより、変速比が無段階的に変化する。転動体の回転軸が、円形状係合部の半径方向内側に位置するため、特に、転動体の第1転動面に、第1ホイールの円形状係合部から大きなトルクが作用する。
【0006】
上記転動体のそれぞれは、第1転動面を形成する第1ディスクと第2転動面を形成する第2ディスクとを有し、これらのディスクは、互いに対向する側に形成された環状面と、これらの環状面の反対側に位置して上記転動面を形成する球状面とを有し、これらの球状面に形成された上記第1,第2転動面を介して上記第1,第2ホイールの付勢力が作用したときに、上記環状面が摩擦係合し、これらの2つのディスク間で駆動力を伝達することもできる。これらの軽量構造のディスクは、転動体を軽量構造とすると共に、それぞれの回転軸を互いに交差する状態に配置することも可能である。
【0007】
このように転動体が2つのディスクを有する場合、第2ディスクの転動面は、その回転軸と周縁部との間の中間部に曲率の大きな突部を有し、この第2転動面上における係合部の係合位置と回転軸との間の距離は、回転軸の揺動角に対して、この突部よりも半径方向内側でより大きく変化させることも可能である。このように突部の外周側と内周側とで、変速比の変化量に差を設けることにより、例えば自動車のように前進領域と後進領域との変速比の範囲が異なる場合でも、転動体の各転動面を効率的に用いることができる。
【0008】
遠心クラッチ装置を上記第1ホイールとキャリアとの一方を回転する入力軸とエンジンの駆動軸との間に介挿し、エンジンの回転が上昇したときにこれらの入力軸と駆動軸とを接続することも可能である。この場合には、例えば第2ホイールの回転を停止する際、第1,第2ホイールの軸方向位置が所要位置から僅かにずれた状態であっても、アクセルペダルを解放してエンジンの回転数を低下させるだけで、エンジンの駆動軸から分離することができる。
【0009】
一方、上記第1ホイールとキャリアとの一方を駆動する入力軸と、この入力軸をエンジンの駆動軸に連結するクラッチ装置と、バッテリからの電力で回転駆動されるモータジェネレータ装置とを設けてもよく、このモータジェネレータ装置は、ロータが前記入力軸に固定される第1モータジェネレータとロータが前記第1ホイールに連結される第2モータジェネレータとを有し、これらの第1,第2モータジェネレータのそれぞれのステータを、ロータの周部で互いに固定することもできる。この場合には、例えば自動車の負荷に応じて2つのモータージェネレータを適宜に選択して作動させることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1および図2は、本発明の好ましい実施形態による無段変速装置を示す。
この無段変速装置は、例えば自動車を含む広範囲の産業用無段変速装置として形成してあり、全体をハウジング10内に収容したコンパクトな構造に形成してある。
【0011】
図1に示すように、このハウジング10は両端を開口させた円筒状の胴部10aと、この両端部を閉塞する蓋部10bとを備え、この変速装置の入力軸12と出力軸14とが双方の軸に共通の中心軸Cに沿ってこれらの蓋部10bを貫通し、例えば玉軸受等の適宜の軸受を介して回転自在に支持される。本実施形態の入力軸は、ハウジング10をほぼ貫通し、出力軸14の内側端部に形成された内孔内にローラ軸受を介して回転自在に支えられている。また、入力軸12および出力軸14のハウジング10から突出するそれぞれの端部には、内周面に沿って多数の軸方向溝等を設けた凹部を形成し、これらの凹部を介して、例えばエンジンの駆動軸および車輪を回転するプロペラ軸を連結することができる。このような凹部に代えて、例えばフランジ継手等の適宜手段を用いて連結することも可能である。
【0012】
これらの入力軸12および出力軸14がハウジング10を貫通する部位には好適なシール部材を配置し、潤滑剤等の漏洩を防止すると共に、ハウジング10内に異物が入り込むのを防止する。また、本実施形態では、入力軸12が貫通する蓋部10bを内方に凹設してあり、後述するエンジンの駆動軸に連結する際に、カップリング部等を収容し、動力伝達系統の全体の軸方向長さを短くすることができる。なお、本明細書中における「入力」および「出力」は説明の便宜上の用語であり、この無段変速装置の使用態様によっては「入力」と「出力」とが逆となる場合もある。
【0013】
ハウジング10の内部には、入力軸12に結合される入力側ドラム16と、出力軸14に結合される出力側ドラム18とが配置されている。入力側ドラム16はスポーク状あるいは円板状のディスク部16aを介して入力軸12と一体構造に形成され、この入力軸12の出力軸14に近接した端部に、ねじ20で固定されたスラスト軸受22を介して、出力側ドラム18のスポーク状あるいは円板状のディスク部18aが回転自在に支えられる。そして、この出力側ドラム18に、例えばボルト止めされた複数のスポーク状あるいは円板状のディスク部14aを介して出力軸14の内側端部が一体的に連結される。
【0014】
入力側及び出力側の各ドラム16,18は、互いに対向する環状内孔26,28を形成されており、これらの環状内孔内に第1,第2ホイール30,32が例えば図示しないスプライン等により中心軸Cに沿う軸方向にのみ移動可能に収容される。これらのホイール30,32の先端部には、後述する転動体と摩擦係合する円形状の第1,第2係合部30a,32aを互いに対向させて形成してあり、後端部はそれぞれの環状内孔26,28内に圧力室26a,28aを区画する。これらの圧力室26a,28aは、それぞれ適宜の管路36,38を介して図示しない圧力流体制御装置に接続され、これから供給された流体圧力により、ホイール30,32を互いに対向する方向に付勢しつつ、軸方向に沿って移動することができる。なお、本実施形態では、第1,第2ホイール30,32は軽量の中空構造に形成してあるが、環状内孔26,28内に圧力室26a,26bを区画しかつこの内部を軸方向に移動可能なものであれば中実構造であってもよい。また、環状内孔26,28は、第1,第2ホイール30,32の円形状の係合部30a,32aを突出させあるいは引込むことができるものであれば、適宜の軸方向長さとすることができる。
【0015】
これらのホイール30,32間には、図2に示すように、本実施形態では3つの転動体40が配置されている。これらの転動体40は、第1,第2ホイール30,32間に位置するキャリア42により、入力軸12の周部に沿って等間隔に保持される。本実施形態のキャリア42は、ハウジングの胴部10aと一体的に形成した固定構造としてあり、この胴部の内面から突出した3対の保持腕42aを備える。各対の保持腕42aには、転動体40の回転軸rに直交する方向に延びる揺動軸44がその端部に形成した短軸44aを介して枢着されている。この揺動軸44は、枠状に形成した中央部のスペース内に、転動体40を支える支持軸46を配置し、この支持軸の両端部をねじで固定してある。上述の回転軸rはこの支持軸46と同軸状に延在しており、転動体40は両端部に固定された玉軸受を介して、この支持軸46上を自在に回転する。揺動軸44が、短軸44aを中心として回動すると、支持軸46したがって転動体40の回転軸rが、入力軸12の中心軸Cに対して揺動する。
【0016】
このようにキャリア42で支えられた各転動体40は、両端部を先細のテーパ状あるいは半球状に形成された滑らかな球状面を有し、これらの球状面に形成された第1転動面40a,40bが、第1,第2ホイールの係合部30a,32aに係合位置Ka,Kbで内接する。図2には、これらの第1転動面40aと第1ホイールの係合部30aとの係合位置Kaを示してある。このような転動体40の回転軸rは、各係合位置Ka,Kbの半径方向内方に位置しており、したがって、各転動体40の第1,第2転動面40a,40bは、回転軸rよりも中心軸Cから半径方向外方に離隔した位置で、第1,第2ホイール30,32の係合部30a,32aと摩擦係合する。なお、転動体40の外周部に形成した周方向溝は、軽量構造とするためのものである。
【0017】
この無段変速装置では、好適な圧力流体制御装置から管路36,38を介して供給された圧力室26a,28a内の流体圧力により、第1,第2ホイール30,32が先端部に設けた円形状係合部30a,32aを互いに近接する方向に向けて付勢される。これらの第1,第2ホイールの係合部30a,32aは、回転軸rよりも中心軸Cから半径方向外方に離隔した係合位置Ka,Kbで転動体40の第1,第2転動面40a,40bに摩擦係合し、この転動体40を軸方向の両端側から押圧する。このとき、出力側ドラム18に作用する軸方向の力は、ディスク部18aおよびスラスト軸受22を介して入力軸12に作用し、入力側ドラム16に作用する軸方向の力と平衡される。また、転動体40が互いに周方向に等間隔に配置されていることにより、第1,第2ホイール30,32から受ける半径方向の力は、これらの第1,第2ホイール30,32あるいは入力側及び出力側のドラム16,18で平衡される。
【0018】
これらの転動体40の回転軸rは、各圧力室26a,28aの圧力を調整して第1,第2ホイール30,32の突出量すなわち軸方向位置を調整することにより、一斉に移動し、中心軸Cに対する傾斜角あるいは揺動角を変更することができる。
図1に示すように、第1,第2ホイール30,32の突出量が等しい状態では、回転軸rが中心軸Cとほぼ平行に配置される。この状態では、第1転動面40a上における第1ホイール30の係合位置Kaと、第2転動面40b上における第2ホイール32の係合位置Kbとは、それぞれ回転軸rから等しい距離にあり、したがって、これらの係合位置では周速度が等しい。
【0019】
また、第1,第2ホイール30,32が図の左方に軸方向に沿って移動した状態、すなわち第1ホイール30がドラム16の環状内孔26内に引込まれかつ第2ホイール32が環状内孔28から突出した状態では、第1転動面40a上における係合部30aの係合位置Kaは、回転軸rから離隔し、第2転動面40b上における係合部32aの係合位置Kbは、逆に回転軸rに近接する。したがって、第1ホイール30の係合位置Kaでは、第2ホイール32の係合位置Kbよりも周速度が速い。
【0020】
逆に、第1,第2ホイール30,32が図の右方に軸方向に沿って移動した状態、すなわち第1ホイール30がドラム16の環状内孔26から突出しかつ第2ホイール32が環状内孔28内に引込まれた状態では、第1転動面40a上における係合部30aの係合位置Kaは、回転軸rに近接し、第2転動面40b上における係合部32aの係合位置Kbは、逆に回転軸rから離隔する。したがって、第1ホイール30の係合位置Kaでは、第2ホイール32の係合位置Kbよりも周速度が遅い。いずれの状態にあっても、第1,第2転動面40a,40b上における第1,第2ホイールの係合位置Ka,Kbの周速度は、回転軸rからの距離に比例する。
【0021】
したがって、この無段変速装置の入力軸12を図示しないエンジンあるいはモータで回転すると、入力側ドラム16の環状内孔26内に例えばスプライン結合された第1ホイール30が回転する。転動体40は、第1係合面40aに摩擦係合する第1ホイール30の係合部30aにより、回転軸rを中心として回転され、第2係合面40bにその係合部32aが摩擦係合する第2ホイール32を回転する。これにより、その環状内孔28内に第2ホイール32を例えばスプライン結合した出力側ドラム18が回転し、この回転がディスク部14aを介して出力軸14に伝達される。このときの出力軸14の回転速度は、第1,第2転動面40a,40b上における第1,第2ホイールの係合位置Ka,Kbが回転軸rから離隔した距離したがって入力軸Cに対する回転軸rの傾斜角度に比例する。
【0022】
出力軸14の回転速度を変更する場合は、適宜の圧力流体制御装置により圧力室26a,28a内の圧力を調整して第1,第2ホイール30,32の突出量を制御する。転動体40を支える揺動軸44が両端の短軸44aを介してキャリア42の腕部42aで回動自在に支えられているため、第1,第2ホイールしたがってその係合部30a,32aの軸方向位置に応じて、中心軸Cに対する転動体40の回転軸rの揺動角が設定される。これにより、回転軸rは図3に示す低速位置と図4に示す高速位置との間で無段階的に変更することができる。転動体40の回転軸rがどのような状態に傾斜した場合であっても、第1ホイール30の係合部30aが、回転軸rよりも入力軸12の中心軸Cから離隔した位置で転動体40の第1転動面40aを内接状態に係合させるため、伝達トルクおよび伝達効率が向上する。
【0023】
図3から図6は、舶用として好適な第2の実施形態による無段変速装置を示す。なお、以下の実施形態は、基本的には上述の実施形態と同様な原理によるものであるため、同様な部位には同様な符号を付してその詳細な説明を省略し、主として相違する部分について説明する。
【0024】
図3に示すように、本実施形態の変速装置は、入力軸12側の端部でハウジング10の胴部10aを例えば船体構造部Bにボルト止めし、図示しない例えばディーゼルエンジンから延びる駆動軸Aに、フランジ付カップリングを介して入力軸12を連結してある。
【0025】
この無段変速装置では、第1ホイール30を収容する圧力室26aがハウジング10に直接形成されており、したがって、第1ホイール30は回転不能に形成される。また、第2ホイール32を支える出力側ドラム18は、ディスク部18aのハブ部にスラスト軸受22を取付け、このスラスト軸受を介して出力側の蓋部10bに回転自在に支えられている。このディスク部18aのハブ部には、出力軸14が一体的に形成してあり、この出力軸は蓋部10bからシールされた状態で突出し、プロペラPLを回転して船舶に推進力を形成する。また、このディスク部18aのハブ部には、入力軸12の後端部が回転自在に支えられている。
【0026】
図4に示すように、この入力軸12には、キャリア42を一体に形成してある。このキャリア42にボルト止めされた保持腕42aに揺動軸44枢着され、この揺動軸44により、本実施形態では3つの転動体40が回転自在に支えられている。各転動体40は、支持軸46を中心として回転自在でかつ中心軸Cを中心として入力軸12と共に公転することができる。他の点は上述の第1の実施形態と同様である。
【0027】
この無段変速装置では、第1ホイール30が固定されているため、入力軸12が回転されると、転動体40はその第1転動面40aを第1ホイール30の係合部30aに摩擦係合させつつこの係合部30aに沿って転動する。これにより、第2転動面40bに摩擦係合する第2ホイール32が回転し、ディスク部18aを介して出力側ドラム18に連結された出力軸14を介してプロペラPLが回転される。この出力軸14の回転数Nの入力軸12の回転数nに対する速比HA は次の関係式(1)から得られる。すなわち、関係式(1)は、
HA =N/n={1−(P2 /P1 )}、と表わされる。
但し、P1 は、第1転動面40a上で係合位置Kaが描く軌跡の径、P2 は、第2転動面上で係合位置Kbが描く軌跡の径を示す。なお、本実施形態では、説明を簡略化するために係合部30a,32aを同径としたが、互いに異なる径に形成可能なことは明らかである。
【0028】
この関係式(1)からも明らかなように、第1,第2ホイール30,32の突出量が等しい図3に示す状態ではP2 とP1 とが等しくなり、HA =0のニュートラル位置となる。プロペラPLは回転しない。そして、図5に示すように、第1,第2ホイール30,32を図の左方に移動すると、P2 /P1 の値が小さくなり、速比HA が増大する。これにより、出力軸14は、駆動軸Aと同じ方向に回転する。第1,第2ホイールが左方に移動するほど速比HA が増大する。図5は、速比HA が最大のときすなわち出力軸14が駆動軸Aと同方向に最大速度で回転するときの状態を示す。逆に、図6に示すように、第1,第2ホイール30,32を図の右方に移動すると、P2 /P1 の値が大きくなり、速比HA の符号が負となり、駆動軸Aと逆方向に回転する。図6は、速比HA が最小のときすなわち出力軸14が駆動軸Aと逆方向に最大速度で回転するときの状態を示す。
【0029】
この無段変速装置では、図3に示すニュートラル位置から第1,第2ホイール30,32を軸方向に移動するだけで、入力軸12の回転数および回転方向を一定に保ったまま出力軸14したがってプロペラPLの回転数および回転方向をきめ細かに制御することが可能である。更に、出力軸14を正回転から逆回転あるいは逆回転から正回転に切換える際は、必ずニュートラル位置を経由する。しかも、出力軸14を中立状態とする位置からホイール30,32が離隔するほど出力軸14の回転数が増大し、中立状態とする位置の近部では出力軸14は微速度で回転する。このため、出力軸14の回転方向の切換えおよび変速が滑らかに行われる。このため、操船性を向上させ、特に船舶の離岸あるいは接岸時における操船の効率化と安全性とを向上させることができる。
【0030】
プロペラPLが前進あるいは後進回転のいずれの状態であっても、プロペラPLに作用するスラスト荷重は、出力軸14から出力側ドラム18およびハウジング10を介して船体構造部Bに伝達される。このため、スラスト軸受を別途に設けることを要しない。特に前進時のスラスト荷重は、出力側ドラム18および圧力室28aを介して第2ホイール32に伝達される。このため、このスラスト荷重を第2ホイール32を介して第2転動面40bに作用させることにより、プロペラPLが必要としているトルクに応じて常に過不足のない最適の力で転動体40を押圧することが可能となり、このような前進時の押圧力を調節するための装置を簡略化することができる。
【0031】
また、転動体40および揺動軸44が入力軸12と共に回転する際に作用する遠心力は、第1,第2ホイール30,32が第1,第2転動面40a,40bを軸方向に付勢する際に形成される半径方向内方に向く力と逆方向に作用する。このため、偏荷重による応力が軽減され、キャリア42、揺動軸44および支持軸46だけでなく、これらを支える軸受も小型化が可能となる。更に、キャリア42が入力軸12と一体形成されることにより、偏荷重対応性に優れる大型の入力軸12を中心部に配置することにより、この無段変速装置の構造が堅固なものとなる。
【0032】
更に、図4および図5に示すように、前進あるいは後進回転時には、転動体40を支持軸46上に回転自在に支える軸受中の極僅かな隙間により、中心線Cに対して傾斜した支持軸46の軸方向に沿いかつ中心線Cから半径方向外方に向く遠心力が転動体に作用する。このような転動体40に作用する力は、中心線Cから離隔した側すなわち係合位置Ka,Kbが第1,第2転動面40a,40b上に描く軌跡の径P1 ,P2 が小さくかつ大きなトルクを伝達している側に作用する。これにより、第1,第2転動面と第1,第2ホイールとの間の大きなトルクを伝達している側に、大きな押圧力が作用することになり、伝達効率を向上させることができる。
【0033】
そして、このように第1,第2ホイール30,32の間に大きなトルクを伝達し、更にその方向を切換えるする転動体40の第1,第2転動面40a,40bが、滑らかな曲面形状であるため、従来の歯車変速装置、あるいは、前進、中立および後退切換え装置に比して、振動および騒音が大きく低減する。
【0034】
図7は、第3の実施形態による無段変速装置を示す。この無段変速装置は、第2実施形態の無段変速装置の体積および重量増加を抑制しつつ出力を増大したものである。
【0035】
この実施形態では、入力軸12側の蓋部10bと船体構造部Bとの間に形成される空間部に増速機構50を配置し、この無段変速装置の仕事量を増大させてある。本実施形態の増速機構50は、例えばディーゼルエンジンの駆動軸に連結される内歯ギア52と、入力軸12の先端部に形成した入力軸ピニオン12aとを、中間ギア54で連結しており、この中間ギア54は蓋部10bに立設した支柱53上で自在に回転する。この中間ギア54を駆動する内歯ギア52は、中央部から小径軸部52aを入力軸12内に差込んだ状態で回転自在に支えられ、反対側に突出する中空の短軸部52bを、ハウジング10に固定した支持壁56で回転自在に支えられている。この短軸部52bの内面にエンジンの駆動軸と噛合い可能な内歯ギアが形成されている。
【0036】
一方、出力軸14側の蓋部10bには、出力トルクを増大する減速機構58を配置してある。本実施形態の減速機構58は、蓋部10bとこれに固定されたカバー部60とで回転自在に支えられた減速ギヤ62を有し、この減速ギヤ62が出力軸14の後端部に形成した出力軸ピニオン14aと噛合う。必要な場合には、減速ギヤ62をスラスト軸受けを介して支えるようにしてもよい。
【0037】
次に、図8から図12をを参照して第4実施形態による自動車用の無段変速装置を説明する。
この無段変速装置では、第2実施形態と同様にキャリア42を入力軸12に一体的に形成したものであるが、第1ホイール30を第2ホイール32よりも大径に形成してある。また、これらの第1,第2ホイールは、上述のように圧力流体を利用することに代え、第1ホイール30を軸方向に移動するカム部64を形成したカムリング66を環状内孔26内に配置し、このカムリング66を例えば電動モータ68で駆動されるウォームギヤ70で軸方向に移動する。この場合には、ウォームギヤ70と噛合うウォームホイールをカムリング66に形成しておくのが好ましい。この電動モータ68を制御することで、第1ホイール30の伸長および収縮を制御することができる。一方、出力側ドラム18の環状内孔28内にはコイルばね72を収容し、第1ホイール30の伸縮に応じて、第2ホイール32を軸方向に移動することができる。
【0038】
また、入力軸12側の蓋部10bに形成した凹部内には、遠心クラッチ74が収容され、図示しない駆動モータあるいはエンジンの回転数が上昇したときにこの駆動軸を入力軸12に接続することができる。本実施形態の遠心クラッチ74は、入力軸12に固定のディスク76対して回転不能でかつ軸方向に移動可能のクラッチ板と、図示しない駆動軸で駆動されるディスク78に対して回転不能でかつ軸方向に移動可能のクラッチ板とを交互に配置し、これらの多数のクラッチ板を、駆動軸側ディスク78上を半径方向に摺動可能なウェイト80により、押圧板82を介して互いに圧接可能とした多板形式に形成してある。この遠心クラッチ74では、駆動側ディスク78の回転数が上昇すると、ウェイト80が遠心力の作用でばね81の付勢力に抗して半径方向外方に移動し、押圧板82に対して楔状に作用する。これにより、押圧板82が軸方向に移動し、クラッチ板を圧接して入力軸12側ディスク76と駆動軸側ディスク78とを結合する。
【0039】
更に、出力軸14側の蓋部10には、出力軸14とプロペラ軸84とを連結あるいは分離する噛合クラッチ機構86を収容する制御ハウジング88を取付けてある。本実施形態の噛合クラッチ機構86は、出力軸14上に例えばねじ止め等の好適な手段で回転不能に結合されたカムブロック90と、プロペラ軸84上に回転不能に装着されかつシフトレバー92により軸方向に移動可能なシフター94とを備える。このシフター94の両端面には、半径方向に延びる歯あるいは突条を形成してあり、カムブロック90および制御ハウジング88に形成された歯あるいは突条と噛合うことができる。
【0040】
シフトレバー92が実線で示すD位置に配置されると、シフター94がカムブロック90と噛合い、これにより、入力軸14とプロペラ軸84とが連結される。一方、シフトレバー92が点線で示すP位置に配置されると、シフター94が制御ハウジング88と噛合い、これにより、プロペラ軸84は入力軸14から分離され、このプロペラ軸84が制御ハウジング88に固定され、プロペラ軸の回転が防止される。また、シフトレバー92が中間のN位置に配置されると、プロペラ軸84は入力軸14と制御ハウジング88との双方から分離される。
【0041】
これらの入力軸12と出力軸14との間で駆動力を伝達する本実施形態の転動体40は、揺動軸44の短軸44a間を通る軸線を中心として、中心軸C側に凸状態に屈曲された支持軸46上でそれぞれ2つの玉軸受を介して回転自在に装架された第1ディスク100と第2ディスク102とを有する。これらの第1,第2ディスク100,102は、互いに対向する側に環状面を有し、離隔する側に第1,第2転動面40aを形成する球状面を有する略椀状の構造を備える。これらの球状面に形成された第1,第2転動面40a,40bを介して第1,第2ホイール30,32の付勢力が作用すると、互いに対向する環状面が摩擦係合する。上述のように支持軸46が半径方向外方に屈曲されているため、第1,第2ディスク100,102の環状面は中心軸Cから最も離隔した位置で摩擦係合し、第1ディスク100の回転を第2ディスク102に伝達する。これらのディスク100,102の環状面が摩擦係合する位置と、第1,第2ホイール30,32が第1,第2転動面40a,40bに摩擦係合する係合位置Ka,Kbとは、中心軸Cを通る同一の平面内に配置される。
【0042】
更に、第2転動面40bすなわち出力側の第2ホイール32が摩擦係合する第2ディスク102の球状面には、支持軸46の中心を通る回転軸rと、周縁部との間の中間部に曲率の大きな突部104を形成し、第2転動面40b上における係合部の係合位置Kbと回転軸rとの間の距離は、回転軸rの揺動角に対して、この突部104よりも半径方向内側でより大きく変化する。これにより、第2転動面40bの半径方向内側が前進領域を形成した場合に、後進領域よりも前進領域における変速比をより大きな範囲で変化させることができる。
【0043】
すなわち、図8に示すように、この無段変速装置の出力軸14の回転がゼロであるニュートラル位置を、第2ホイール32の係合部32bの係合位置Kbが突部104と一致した位置とする。これにより、上述の関係式(1)から明らかなように、後進位置では、第1,第2ホイール30,32を図の右方に移動した図10に示す状態となり、係合位置Kbは突部104よりも半径方向外方の領域を移動する。したがって、後進位置における係合位置Kbの移動範囲すなわち回転軸rの揺動角に対する回転軸rからの距離の変動が比較的小さい。一方、前進位置では、第1,第2ホイール30,32を図の左方に移動することにより、図11に示す低速位置から図12に示す高速位置まで変速比が無段階的に大きな範囲で変化する。したがって、前進位置における係合位置Kbの移動範囲すなわち回転軸rの揺動角に対する回転軸rからの距離の変動は比較的小さい。このように、前進位置における変速比の変動を後進位置よりも大きくすることにより、特に自動車用として適した無段変速装置を形成することができる。
【0044】
この実施形態による自動車用無段変速装置では、第1,第2ホイール30,32を、電動モータ68により、ウォームギア70およびカムリング66を介して軸方向に移動することにより、複雑で高価な液圧制御が不要となり、コストおよび重量を大幅に軽減することができる。また、出力軸14を噛合いクラッチ機構86を介してプロペラ軸84に連結することにより、第1,第2ホイール30,32が正確にニュートラル位置に配置されない場合でも、噛合いクラッチ機構86により、プロペラ軸84への駆動力の伝達を確実に遮断することができる。このような機能により、例えば自動車が信号待ち等による停車時にアクセルペダルを解放した際に、自動車が僅かに前進あるいは後退する危険を確実に回避することができる。
【0045】
更に、入力軸12とエンジンの駆動軸との間に遠心クラッチ74を介挿することにより、ウェイト80を半径方向内方に付勢するばね81の付勢力を適宜に選定し、ウェイト80とクラッチ板とのつれ回り現象を利用して自動車の高速走行中あるいは降坂中にエンジンブレーキを活用することができる。また、この遠心クラッチ74により、エンジンの出力が自動車の負荷に対応する大きさに達した後に、エンジンの駆動軸を入力軸12に連結可能となり、逆に、過負荷によりエンジンの出力が低下すると、エンジンの駆動軸が入力軸12から分離され、これにより、過負荷によるエンジンの停止(エンスト)を防止することができる。
【0046】
更に、上述の関係式(1)から明らかなように、速比HA が増大するにつれて出力軸14の回転数が増大し、最も大きな速比では出力軸14の回転が入力軸12の回転数と同じとなる。これは、入力軸12と出力軸14とが直結された状態と同じであり、換言すると、その間に位置する第1,第2ホイール30,32、転動体40およびキャリア42等の可動部材の相対的な回転数が低下することになる。これにより、自動車の主たる走行領域である高速走行時の燃費を大幅に改善することができる。
【0047】
図13から図16は、第5実施形態による無段変速装置を示す。
この無段変速装置は、転動体40の第1ディスク100を第2ディスク102よりも深い椀状形状に形成し、第1転動面40a上の前進領域を大きくかつ後進領域を小さく形成したものである。すなわち第1転動面40aの曲率を第2転動面40bの曲率よりも大きく形成し、第4実施形態における突部104は省略してある。
【0048】
また、入力側ドラム16は、可動部材として形成してあり、ディスク部16aを介して入力軸12に対して回転自在に支えられ、外周部に固定した支持ドラム15およびスラスト軸受22を介して出力側ドラム18のディスク部18aおよび出力軸14に対して回転自在に支えられている。この入力側ドラム16のディスク部16aには駆動用ピニオン17を形成してあり、入力軸ピニオン12aから本実施形態では2段歯車106を有する変速機構を介して分岐した駆動力により、入力側ドラム16を駆動することができる。このように入力軸12と入力側ドラム16とを回転駆動することにより、差動摩擦車装置として作用し、入力軸12の回転数nに対する出力軸14の回転数Nの速比HB は、次の関係式(2)から得られる。すなわち、関係式(2)は、
HB =N/n=1+(k−1)(R1 ・P2 /R2 ・P1 )、と表わされる。
但し、P1 は、第1転動面40a上で係合位置Kaが描く軌跡の径、P2 は、第2転動面上で係合位置Kbが描く軌跡の径を示す。また、R1 は、係合位置Kaで第1転動面40aに係合する係合部30aの径、R2 は、係合位置Kbで第2転動面40bに係合する係合部32aの径を示す。そして、kは、入力軸ピニオン12aと2段歯車106と駆動用ピニオン17とのそれぞれの歯数で定まる定数で、入力側ドラム16の回転数を入力軸12の回転数で除した値である。本実施形態では、k<1、に設定してあり、したがって、入力側ドラム16は入力軸12よりも低速で回転する。
【0049】
この実施形態では、圧力流体制御装置から管路36,38を介して圧力室26a,28a内に供給される流体圧力により、HB =0、となる位置に第1,第2ホイール30,32が配置されたときに、出力軸14は回転せず、図13に示すニュートラル位置となる。また、第1,第2ホイール30,32を図14に示すように、図の右方に移動し、上述の関係式(2)がHB <0、となる位置に配置したときに、後退位置となる。逆に、第1,第2ホイール30,32を図15に示すように、図の左方に移動し、HB >0、となる位置に配置したときに、低速位置となる。更に、図15に示す低速位置から、第1,第2ホイール30,32を図の左方に移動することにより、速比HB が増大し、図16に示すトップ位置で最大となる。
【0050】
この実施形態による無段変速装置では、第1ディスク100を第2ディスク102よりも深く形成し、第2転動面40bよりも第1転動面40aの曲率を大きく形成したことにより、コンパクトで軽量な構造でありながら、図13に示すニュートラル位置から図16に示すトップ位置まで、図14に示す後進領域よりも大きな前進領域を利用することができる。
【0051】
更に、この入力軸12から分岐した駆動力を入力側ドラム16したがって第1ホイール30にも入力するため、無段変速装置の仕事量が大きくなり、出力を増大することができる。また、第1ホイール30の回転により、入力軸12との回転数の差が縮小するため、転動体40の自転速度が抑制される。これにより、転動体40の自転に伴う動力損失が減少し、この無段変速装置の効率を向上させることができる。
【0052】
図17および図18は、第6実施形態による無段変速装置を示す。
本実施形態の無段変速装置は、第5実施形態による無段変速装置とほぼ同様であるが、上述の関係式(2)中で、k>1に形成したものである。すなわち、本実施形態では、入力軸側ピニオン12aから駆動用ピニオン17に、2段歯車106を有する変速機構を介して分岐した駆動力を入力しており、入力側ドラム16は、入力軸12よりも高速で回転する。本実施形態では、2段歯車106は上述の第5実施形態とは逆方向に配置したものである。
【0053】
このため、第5実施形態とは逆に、第1,第2ホイール30,32が図17に示すように左方に移動したときに、低速位置となり、図18に示すように図の右方に移動したときに、高速位置となる。この実施形態では、第1,第2ホイール30,32および転動体40が同じ方向につれ回りながら回転する。このため、常に、HB >0となり、出力軸14は、入力軸12と同じ方向に回転する。なお、変速機構は、入力軸12と入力側ドラム16とを同じ方向に回転することに代え、逆方向に回転させあるいは変速比を変更可能なものであってもよい。
【0054】
図19から図22は、本発明の第7実施形態による無段変速装置を示す。
本実施形態の無段変速装置は、例えば大型のバスあるいはトラック等の特に車両の総重量が著しく変化する大型自動車用として適したハイブリッド自動車用無段変速装置として形成したものである。この無段変速装置は、自動車の駆動力源として作用可能なモータジェネレータ装置を備えており、本実施形態のモータジェネレータ装置は、ハウジング10内に収容した例えば出力の大きな第1モータジェネレータ110と、これよりも出力の小さな第2モータジェネレータ120とで形成してある。
【0055】
第1モータジェネレータ110は、ハウジングの胴部10aに固定したステータ112と、永久磁石114を周部に沿って所定間隔に固定したロータ116とを備え、このロータ116の内側端部が入力側ドラム16内に突出し、ボルト118で入力軸12に固定されている。また、第2モータジェネレータ120は、ハウジングの胴部10aに固定したステータ122を有し、このステータに対向する永久磁石124を入力側ドラム16の周部に所定間隔で固定することにより、入力側ドラム16でロータを形成する。更に、入力軸12側蓋部10bを通してハウジング10内に延びる駆動軸Aは、この胴部10bおよび入力軸12に対して回転自在に支えられ、電磁クラッチ130を介して第1モータジェネレータ110のロータ116と連結することができる。
【0056】
これらの第1,第2モータジェネレータ110,120は、第1,第2モータジェネレータ制御装置132,134により、バッテリ136からの電力で回転駆動される駆動モータとして作用し、あるいは、バッテリに電力を供給する発電機として作用する。符号138は、電磁クラッチのオン・オフを制御する電磁クラッチ制御装置を示す。
【0057】
更に、本実施形態の無段変速装置は、転動体40が互いに一体的に固定された第1,第2ディスク140,142から形成してあり、第1ディスク140の中央から支持軸46を突出させ、この支持軸上に第2ディスク142を装着してボルト止めしてある。揺動軸44はこれらの第1,第2ディスク140,142間に介挿され、ボール軸受を介して回転自在に支える。第1,第2転動面40a,40bはそれぞれ同じ曲率に形成してある。この場合の速比は上述の関係式(2)にしたがって変化する。但し、本実施形態では入力軸12と第1ホイール30とは個々に回転されるため、関係式(2)におけるkの値は変化する。
【0058】
このように2つのモータジェネレータ110,120を備えた無段変速装置では、自動車の状況に応じて様々の態様で作動させることが可能であり、以下にその代表的な作動例を説明する。
図19は、第1,第2ホイール30,32を最も左方の位置に配置した状態である。
バッテリ136の残量が不足している場合には、予め、自動車を制動状態とし、シフトレバー94をD位置に配置しておく。この状態で電磁クラッチ130を作動し、駆動軸Aと第1モータジェネレータのロータ116とを連結する。また、第1,第2モータジェネレータ制御装置132,134を通じて第1,第2モータジェネレータ110,120を発電状態とする。この状態で図示しないエンジンが駆動軸Aを回転すると、第1モータジェネレータ110が駆動軸Aと同じ方向に同じ速度で回転され、バッテリ132を充電する。プロペラ軸84が制動されているため、出力側ドラム18および第2ホイール32が静止状態を維持しており、転動体40はその第2転動面40bを係合部32aに摩擦係合させ、第2ホイール32に沿って自転しつつ公転する。これにより、第1ホイール30および入力側ドラム16したがって第2モータジェネレータ120のロータが第1転動面40aで回転され、バッテリ132を充電する。
【0059】
バッテリ136が充電された状態で、電磁クラッチ130をオフにし、第1モータジェネレータ110のロータ116を制動すると、入力軸12およびキャリア42がハウジング10に固定された状態となり、回転しない。自動車の制動を解除し、第2モータジェネレータ120を駆動すると、転動体40が第1ホイール30の係合部30aに沿って転動され、これにより、第2ホイール32が第1ホイール30よりも減速されて回転され、出力側ドラム18、出力軸14およびプロペラ軸が回転する。このような第2モータジェネレータ120による駆動は、自動車の走行抵抗が最も小さいときに、この第2モータジェネレータ120の回転を制御することにより、前方または後方に発進させた状態から巡航速度に至るまで変速することができ、したがって、出力の小さな第2モータジェネレータ120による最小の電力で走行することが可能となる。必要な場合には、第1,第2ホイール30,32を軸方向に移動することも可能なことは明らかである。
【0060】
また、第2モータジェネレータ120のロータすなわち入力側ドラム16を制動し、第1モータジェネレータ110を駆動すると、この出力軸14は、上述の第2実施形態から第4実施形態の出力軸14と同様に回転する。更に、第1,第2モータジェネレータ110,120を同期回転させると、転動体40は自転せず、したがって、出力軸14は入力軸12と同じ速度で回転し、速比は1:1となる。この無段変速装置の可動部材は相対回転することなく、入力軸12の回転を出力軸14およびプロペラ軸84に伝達するため、伝達効率が最も高くなる。
【0061】
図20および図21は、第1,第2ホイール30,32をほぼ中央部に配置した状態すなわち転動体40の支持軸46を中心軸Cと平行に配置した状態である。この場合、HB =kとなり、出力軸14の回転数は、第1ホイール30の回転数と同じとなる。そして、第1,第2モータジェネレータ110,120の回転を同期させると、HB =1となり、転動体40が自転することなく一体的に回転する。これにより、入力軸12と出力軸14とが直結された状態となり、図19に示す状態で説明した場合と同様に、伝達効率が最も高くなる。このように伝達効率の最も高い状態のときに、例えば50km/hrである自動車の平均走行速度の近傍の速度に設定することにより、燃費を向上させることができる。
【0062】
図22は、第1,第2ホイール30,32を最も右方に移動した状態である。
この状態で、第2モータジェネレータ120を制御して入力側ドラム16したがって第1ホイール30の回転を阻止し、電磁クラッチ130により、駆動軸Aあるいは第1モータジェネレータ110で入力軸12を駆動すると、この無段変速装置の減速比が最大となり、プロペラ軸84は低速かつ大トルクで回転する。更に、この状態から第2モータジェネレータ120の回転を次第に上昇させると、上述の関係式(2)におけるkの値が上昇する。これにより、出力軸14は、入力軸12の回転速度に対する低速から、中速、等速、増速、そして倍速に上昇する。速比HB の変化が極めて大きいため、小型でありながら極めて大きな出力を形成することができる。そして、高速回転するプロペラ軸84の回転は、例えばディファレンシャルギアの終減速機構で大きく減速可能であるため、この無段変速装置の各部材およびプロペラ軸を含む動力伝達部材の重量およびコストを低減しつつ、小型かつ大出力の電気自動車用無段変速装置を形成することができる。
【0063】
この無段変速装置によると、エンジンと組合せることにより、自動車用として好適なハイブリッド駆動装置を形成する。自動車に組込む場合には、好適な第1,第2モータジェネレータ制御装置132,134および電磁クラッチ制御装置138を通じて以下のように作動させることができる。
自動車の発進時あるいは低速走行時は、電磁クラッチ130をオフにし、入力軸12に第1モータジェネレータ110のロータ112を接続する。これにより、エンジンの駆動軸Aは入力軸12から分離される。そして、入力側ドラム16の回転を阻止し、第1モータジェネレータ110に電力を供給し、入力軸12を回転駆動する。第1,第2モータジェネレータ制御装置132,134は、例えば図示しないアクセルペダルの踏込み量に基づいて送られる運転者の要求する信号に応じた出力で第1モータジェネレータ110を回転駆動する。そして、第1モータジェネレータ110の出力が不足している場合は、更に第2モータジェネレータ120を回転駆動し、出力軸14を運転者の要求する駆動力で回転させる。
【0064】
エンジンによる走行に効率的な車速に達すると、第1,第2モータジェネレータ制御装置132,134は第1,第2モータジェネレータ110,120に供給する電力を減じ、電磁クラッチ130をオンし、主駆動力源であるエンジンで回転駆動される駆動軸Aにより、出力軸12を回転する。また、自動車を減速する際、運転者がアクセルペダルを緩めると、この信号が第1,第2モータジェネレータ制御装置132,134に送られ、電磁クラッチ制御装置138は電磁クラッチ130をオフにする。そして、第1モータジェネレータ110は発電機として作動され、自動車の減速に伴う運動エネルギを電気エネルギとして回収し、バッテリ136に蓄える。更に、自動車の減速に伴う運動エネルギが第1モータジェネレータ110のみでは回収できない場合は、第2モータジェネレータ120も発電機として作用させると共に、第1,第2ホイール30,32の軸方向位置を変更することにより、この無段変速装置の速比を大きくし、制動力を増大させ、これにより第1,第2モータジェネレータの発電量したがって制動力を増大させる。
【0065】
第1,第2モータジェネレータ110,120による制動力では自動車を減速しきれない場合、すなわち第1,第2モータジェネレータの発電能力を超える運動エネルギが自動車に形成されている場合には、電磁クラッチ130をオンにし、入力軸12を駆動軸Aに連結し、エンジンブレーキを用いる。これにより、車輪を制動する主制動装置の磨耗を軽減すると共に、発熱によるベーパロックを防止することができる。
【0066】
したがって、この無段変速装置によると、例えば乗客数の変動あるいは積荷の変動により、自動車重量が大きく変動する大型バスあるいは大型トラック等に用いることにより、特に自動車の発進時に必要な駆動力と、降坂時あるいは減速時に要する制動力が大きく変動する場合であっても、このような大きな負荷変動に対してきめ細かに調整可能な駆動力および制動力を形成するハイブリッド自動車用変速装置を形成することができる。しかも、モータジェネレータ110,120の制動力が不足する場合には、主駆動源たるエンジンによるエンジンブレーキも活用することができるため、小型でコンパクトな構造でありながら、極めて安全性が高い無段変速装置を提供することができる。
【0067】
なお、上述の実施形態ではエンジンと組合せた例について説明したが、エンジンに代えて他の電動モータと組合せてもよく、あるいは、第1,第2モータジェネレータ110,120のみで駆動する電気自動車の無段変速機能を備えた動力源として用いることも可能である。
また、上述の各実施形態はそれぞれの各部材を適宜に組合せて用いることも可能である。
【0068】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の無段変速装置によれば、体積および重量の増大を抑制しつつ、摩擦係合部の伝達効率を向上させ、より大きなトルクを出力することができ、極めて広範囲の用途に対応させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による無段変速装置の中速位置の概略的な縦断面図。
【図2】図1のII−II線に沿う断面図。
【図3】第2実施形態による無段変速装置のニュートラル位置における図1と同様な断面図。
【図4】図4のIV−IV線に沿う断面図。
【図5】第2実施形態による無段変速装置の高速位置の概略的な断面図。
【図6】第2実施形態による無段変速装置の後進高速位置の概略的な縦断面図。
【図7】第3実施形態による無段変速装置の概略的な断面図。
【図8】第4実施形態による無段変速装置のニュートラル位置における概略的な縦断面図。
【図9】図9の無段変速装置のIX−IX線に沿う断面図。
【図10】図9の無段変速装置の逆転位置における概略的な縦断面図。
【図11】図9の無段変速装置の低速位置における概略的な縦断面図。
【図12】図9の無段変速装置の高速位置における概略的な縦断面図。
【図13】第5実施形態による無段変速装置のニュートラル位置における概略的な縦断面図。
【図14】図13の無段変速装置の逆転位置における概略的な縦断面図。
【図15】図13の無段変速装置の低速位置における概略的な縦断面図。
【図16】図13の無段変速装置の高速位置における概略的な縦断面図。
【図17】第6実施形態による無段変速装置の低速位置における概略的な縦断面図。
【図18】図17に示す無段変速装置の高速位置における概略的な縦断面図。
【図19】第7実施形態による無段変速装置を、その転動体を一方に傾けた状態で示す概略的な縦断面図。
【図20】図19に示す無段変速装置を、その転動体を中心軸に対して直立させた状態で示す縦断面図。
【図21】図20のXXI−XXI線に沿う断面図。
【図22】図19に示す無段変速装置を、その転動体を図19と逆方向に傾けた状態で示す概略的な縦断面図。
【符号の説明】
12…入力軸
14…出力軸
16,18…ドラム
30,32…ホイール
30a,32a…係合部
40…転動体
42…キャリア
40a,40b…傾斜面
44…揺動軸
46…支持軸
134…中央ホイール
146…周方向溝
C…中心軸
Ka,Kb…係合位置
r…回転軸

Claims (5)

  1. 先端部に対向させて設けた円形状係合部を互いに近接する方向に付勢されつつ軸方向に可動の第1,第2ホイールと、
    これらの第1,第2ホイール間に位置するキャリアにより、円形状係合部に沿って所定間隔に配置され、それぞれがテーパ状の端部に形成されて前記第1,第2ホイールの円形状係合部に摩擦係合する第1,第2転動面を持ち、これらの第1,第2転動面の中心を通る回転軸が前記円形状係合部の半径方向内方に位置する複数の転動体と、
    これらの回転軸に直交する方向に延設させて前記キャリアに枢着され、これらの転動体をそれぞれの回転軸を中心として回転自在に、かつ、前記円形状係合部の中心軸に対して回転軸を揺動自在に支える複数の揺動軸とを備え、
    前記各転動体は、前記第1,第2ホイールの軸方向位置に応じて、第1,第2転動面上における係合部の係合位置と回転軸との間の距離を設定され、第1ホイールとキャリアとの少なくとも一方を介して回転されたときに、第2転動面を介して第2ホイールを回転する無段変速装置。
  2. 前記転動体のそれぞれは、第1転動面を形成する第1ディスクと第2転動面を形成する第2ディスクとを有し、これらのディスクは、互いに対向する側に形成された環状面と、これらの環状面の反対側に位置して前記転動面を形成する球状面とを有し、これらの球状面に形成された前記第1,第2転動面を介して前記第1,第2ホイールの付勢力が作用したときに、前記環状面が摩擦係合し、これらの2つのディスク間で駆動力を伝達する請求項1に記載の無段変速装置。
  3. 前記第2ディスクの転動面は、その回転軸と周縁部との間の中間部に曲率の大きな突部を有し、この第2転動面上における係合部の係合位置と回転軸との間の距離は、回転軸の揺動角に対して、この突部よりも半径方向内側でより大きく変化する請求項2に記載の無段変速装置。
  4. 前記第1ホイールとキャリアとの一方を回転する入力軸とエンジンの駆動軸との間に介挿され、エンジンの回転が上昇したときにこれらの入力軸と駆動軸とを接続する遠心クラッチ装置を備える請求項1から3のいずれか1つに記載の無段変速装置。
  5. 前記第1ホイールとキャリアとの一方を駆動する入力軸と、この入力軸をエンジンの駆動軸に連結するクラッチ装置と、バッテリからの電力で回転駆動されるモータジェネレータ装置とを備え、このモータジェネレータ装置は、ロータが前記入力軸に固定される第1モータジェネレータとロータが前記第1ホイールに連結される第2モータジェネレータとを有し、これらの第1,第2モータジェネレータのそれぞれのステータは、ロータの周部で互いに固定される請求項1から3のいずれか1つに記載の無段変速装置。
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