JP3670603B2 - 無段変速装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は無段変速装置に関し、特に、減速比の大きな摩擦式無段変速装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、船舶に搭載されるガスタービンエンジンは、小型かつ軽量でありながら燃焼効率に優れ、毎分当りの回転数が数千から数万のオーダーの超高速で回転して大きな出力を実現する。一方、船舶に推力を与えるプロペラはキャビテーションを防止するために、大きな推力を発生する大型プロペラほど低速(例えば毎分当りの回転数が数十から数百のオーダー)で回転する必要がある。このため、ガスタービンエンジンの駆動軸とプロペラ軸との間には回転数に大きな差があり、このようなガスタービンエンジンを搭載する船舶には大減速比(例えば1/30〜1/50)の減速機が必要である。このような減速機としては、流体式あるいは歯車式の変速機が知られており、更に、ガスタービンで発電機を駆動し、その電力でプロペラの駆動モータを回転して所要のプロペラ回転数を得るシステムが知られている。
【0003】
この流体式変速機は、入力軸と出力軸との間の速比が1:1に近い減速比の小さい領域では効率が高く、軽量、振動、騒音、コストの面で有利であるが、減速比が大きくなるに従って伝動効率が悪化し、超高速回転で回転するガスタービンエンジンの減速用としては不向きである。
【0004】
また、歯車式変速機は、大きな動力を伝達することができるものの、歯車が高速回転すると、歯当たり面の滑りによる発熱で伝動効率が低下するとともに、歯車相互間のバックラッシュに伴う騒音が大きく、船内環境に悪影響を及ぼすという問題がある。さらに、正転・逆転の切換用の歯車装置とクラッチとが必要であり、構造的に複雑で、コスト、重量が嵩むという問題がある。
【0005】
更に、ガスタービンで発電機を駆動し、その電力でモータを回転することにより、プロペラの回転数を減速するシステムは、小振動、低騒音であり、減速比及び回転方向の切り換えを高精度で行うことができ、特に船舶においては、離接岸の際の操船作業の効率化と安全性の向上とを図ることが可能であるものの、伝達効率を向上させることが困難であると共に、コストが高く、重量が増大するという不都合がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように流体式あるいは歯車式の変速機は、例えばガスタービンエンジンのような超高速の回転を大きく減速する用途には不向きであり、また、ガスタービンエンジンの出力を発電機とプロペラ駆動モータとを介して減速するシステムは伝達効率の向上が困難なことに加え、構造が複雑化し、コスト高および重量増が避けられないという問題を有していた。
【0007】
本発明は、このような事情に基づいてなされたもので、簡単な構造で大きな減速比が得られ、超高速回転の出力にも対応でき、しかも、軽量化を図ることができる低コストの無段変速装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の無段変速装置は、中央ホイールの周方向溝に配置され、この中央ホイールで回転駆動される複数の第1転動体と、これらの第1転動体と同数設けられ、それぞれが互いに隣接する2つの第1転動体で外周部を支えられかつこれらの2つの第1転動体で回転駆動される第2転動体と、これらの第2転動体の回転軸が中央ホイールの周部に形成する円形軌道よりも大径の係合部をそれぞれの先端部に有しかつこれらの第2転動体を挟んで軸方向に対向配置され、それぞれの係合部で、各第2転動体のテーパ状端部に形成された傾斜面を押圧し、これらの第2転動体と前記第1転動体とを中央ホイールの回りに等間隔に保持する一対のパワーホイールと、これらの一対のパワーホイールを軸方向に移動して前記中央ホイールの回転軸に対する第2転動体の傾きを変更し、第2転動体の回転軸と前記傾斜面上における前記係合部の係合位置との間の距離を変更する速比変更手段とを備え、一方のパワーホイールを回転不能とすることにより、前記中央ホイールに入力された回転を、前記第1転動体と第2転動体とを介して他方のパワーホイールから出力することを特徴とする。
【0009】
この無段変速装置によると、各第2転動体は、外周部が2つの第1転動体で支えられ、テーパ状端部に形成された傾斜面のそれぞれがパワーホイールの係合部で軸方向に押圧されることにより、中央ホイールの周部で第1転動体と共に等間隔に保持される。これらのパワーホイールの一方が回転しないように固定されているため、中央ホイールが回転されると、第2転動体は2つの第1転動体を介して回転駆動され、中央ホイールの周部を自転しつつ公転する。これにより、他方のパワーホイールから回転出力を取出すことができる。このときの速比すなわち中央ホイールの回転速度に対する他方のパワーホイールの回転速度は、双方のパワーホイールの係合部の係合位置すなわちパワーホイールの回転軸と係合部との間の距離の差に応じて変化する。この速比の変更は、速比変更手段を通じて一対のパワーホイールを軸方向に移動することにより行うことができる。
【0010】
上記第2転動体は、上記2つの第1転動体が転動する周方向溝を外周部に有してもよい。
【0011】
また、本発明の無段変速装置は、上記一方のパワーホイールを進退自在に収容する内孔を有する固定ドラムと、上記他方のパワーホイールを進退自在に収容する内孔を有しかつこのパワーホイールと共に回転する可動ドラムとを備え、上記パワーホイールは、内孔内でそれぞれの係合部を突出させる方向に付勢されることが好ましい。
【0012】
上記速比変更手段は、上記パワーホイールが内孔内に区画した圧力室と、この圧力室に供給する圧力流体を制御して係合部の突出量を調整する圧力流体制御装置とを有してもよい
【0014】
【発明の実施の形態】
図1から図5は、本発明の好ましい実施形態による無段変速装置を示す。
この無段変速装置は、例えば舶用ガスタービンエンジンの回転を減速してプロペラに伝達する舶用無段変速装置として形成してあり、全体をハウジング10内に収容したコンパクトな構造に形成してある。
【0015】
このハウジング10は両端を開口させた円筒状の胴部10aと、この右端部を閉塞する蓋部10bとを備え、この胴部10aの左端部に一体に形成したフランジ部12を介して、例えば船体構造部の一部を形成するブラケット14にボルト止めされる。エンジンの駆動軸Dは、ブラケット14の開口部から胴部10a内に導かれ、無段変速装置の入力軸16に例えばフランジ付カップリング等の好適な手段を介して連結される。
【0016】
ハウジング10の内部には、後述する固定ドラム18と可動ドラム20とが配置されており、固定ドラム18は胴部10aと一体構造に形成され、半径方向内方に延びるディスク状部18aが、軸方向内方に位置した部位でブラケット14側の端部を閉じている。これにより、駆動軸Dと入力軸16との連結部をハウジング10内に配置し、この無段変速装置の軸方向長さを短くすることができる。
【0017】
また、可動ドラム20は、この可動ドラム20の半径方向内方に延びるディスク状部20aを介して出力軸22と一体的に形成されており、この出力軸22を介してハウジング10の蓋部10bで回転自在に支えられている。出力軸22は、後進方向のスラスト荷重を受けるスラスト軸受24を介してハウジング10の蓋部10bで回転自在に支えられ、軸方向外端部がプロペラ軸26のフランジ部にボルト止めされている。スラスト軸受24は船舶後進時のスラスト荷重を支えると共にアキシャル方向の荷重も支えることができる。
【0018】
これらの固定ドラム18と可動ドラム20とのそれぞれディスク状部18a,20aには、その中央部を軸方向に向けて入力軸16が貫通する。この入力軸16は、ボール軸受28を介してこれらのディスク状部で回転自在に支えられている。更に、入力軸16は、プロペラ軸26の方向に向けて、ディスク状部20aから出力軸22にわたって形成された内孔30内に延び、先端部を例えば平軸受あるいはローラ軸受等の好適な軸受32を介してこの出力軸22内に回転自在に支えられている。この軸受32は蓋部10bに近接した位置に配置するのが好ましい。
【0019】
このように回転自在に支えられた入力軸16は、ディスク状部18a,20aの間すなわち2つのボール軸受28で挟まれた部位に、中央ホイール34を一体形成してある。この中央ホイール34の外周部には、第1転動体としてのボール36(本実施形態では5つ)を案内する周方向溝38が形成されている。本実施形態の第1転動体は、中央ホイール34の径すなわち周方向溝36の溝底の径よりも小径のボール36で形成してあるが、後述する第2転動体をこの中央ホイール34の周部に均等な間隔で保持できるものであれば、適宜の寸法のローラ状あるいはディスク状に形成することもできる。
【0020】
図2に示すように、本実施形態の第2転動体は、中空環状構造のパワーローラ40で形成してあり、ボール36と同数すなわち本実施形態では5つ設けられている。各パワーローラ40は、ボール34を案内する周方向溝42を外周部に有し、中央ホイール34の周部で、互いに隣接する2つのボール34で支えられる。また、各パワーローラ40の軸方向の両端部は、テーパ状端部として形成してあり、内周側を外周側よりも軸方向外方に突出させた環状の傾斜面44を有する。これらの傾斜面44に、後述するパワーホイールが摩擦係合する。
【0021】
図1に示すように、パワーローラ40の傾斜面44は、ドラム18,20から突出するパワーホイール48,50の先端部に形成された係合部49,51に摩擦係合し、これらの係合部を介してパワーホイール48,50で押圧される。これらの係合部49,51は、パワーローラ40の回転軸40aが中央ホイール34の周部に形成する円形軌道T(図2参照)よりも大径に形成されており、各パワーローラ40の傾斜面44とは、中央ホイール34の回転軸34aとパワーローラ40の回転軸40aとを結ぶ仮想線I(図2参照)上で接触する。これにより、パワーホイール48,50が係合部49,51を介してパワーローラ40を押圧すると、各パワーローラ40には、中央ホイール34の回転軸34aに向く力が作用する。各パワーローラ40はそれぞれ2つのボール36を中央ホイール34上に押圧する。
【0022】
パワーローラ40とボール36とが同数設けられ、各パワーローラ40が互いに隣接する2つのボール36で支えられているため、各ボール36は隣接する2つのパワーローラ40から等しい力で押圧される。これにより、各ボール36は中央ホイール34の周方向溝38内に摩擦係合した状態で周方向に等間隔に保持され、したがって、各パワーローラ40も中央ホイール34の周部でボール36と摩擦係合した状態で等間隔に保持される。本実施形態ではパワーローラ40およびボール36はいずれも5つとしてあるが、これに限るものではなく、中央ホイール34の周部に均等に配置することができるものであれば、各部材の寸法および比率を変更することにより、適宜の数とすることが可能である。
【0023】
このようにパワーローラ40を押圧するパワーホイール48,50は、それぞれ固定ドラム18および可動ドラム20に形成された環状内孔52,54内に配置され、例えば図示しないスプライン等により、軸方向にのみ移動することができる。各パワーホイール48,50は、それぞれ環状内孔52,54内に圧力室52a,54aを区画しており、これらの圧力室は、それぞれ適宜の管路56,58を介して図示しない圧力流体制御装置に接続されている。
【0024】
このようなパワーホイール48,50は、パワーローラ40を挟んで軸方向に対向配置されており、これらのパワーホイール48,50の係合部49,51を介して各パワーローラ40の傾き、すなわち中央ホイール34の回転軸34aとパワーローラ40の回転軸40aとを通る仮想線Iの回転軸34aに対する傾きを図3に示す位置と図4に示す位置との間の任意の位置に、一斉に変更することができる。
【0025】
本実施形態では、パワーホイール48,50が環状内孔52,54内に区画した圧力室52a,54aと、管路56,58を介して供給する圧力流体制御装置(図示しない)とで速比変更手段を形成しており、この圧力流体制御装置を介して、図示しない圧力流体源から圧力室52a,54a内に供給する圧力流体の圧力および量を制御することにより、パワーホイール48,50が内孔52,54から突出する量すなわち係合部49,51の軸方向位置を調整することができる。これにより、パワーローラ40の回転軸40aと、傾斜面44上における係合部49,51の係合位置43,45との間の距離を変更し、これらのパワーローラ40による速比を変更することができる。
【0026】
図5は、上述の無段変速装置における互いに摩擦係合する中央ホイール34とボール36とパワーローラ40とパワーホイール48,50との関係を遊星歯車装置に摸して簡略化して示す。このような機構では、入力軸16の回転数nに対する出力軸26回転数Nの速比Hは次の関係にある。
【0027】
H=N/n={D(P2 −P1 )}/{P1 (R−D)}
但し、Dは中央ホイール34の周方向溝38の溝底の径、Rは係合部49,51の径、P1 は傾斜面44上で係合位置43が描く軌跡の径、P2 は傾斜面44上で係合位置45が描く軌跡の径を表す。なお、本実施形態では、係合部49,51を同径に形成したが、互いに異なる径に形成することも可能なことは明らかである。また、各部の寸法を好適に選定することにより、例えば舶用ガスタービンエンジンの減速装置として用いる場合には、速比Hを例えば1/30から1/50程度に形成することが好ましい。
【0028】
上記の関係式から、R>Dすなわち係合部49,51の径は中央ホイール34の径よりも大きいことは明らかであるから、P2 =P1 のとき、すなわち図1に示すようにパワーローラ40が中央ホイール34の回転軸34aに対して垂直に配置されているときは、中立状態となる。これは、係合部49,51がそれぞれの対応した傾斜面44上で描く係合位置43,45の軌跡が同径となるからである。
【0029】
一方、P2 >P1 のとき、すなわち図3に示すように仮想線Iが回転軸34aに対して出力軸22側に傾斜したときは、出力軸22は入力軸16と同じ方向に上述の関係式で定まる速比Hに従って回転する。逆に、P2 <P1 のとき、すなわち図4に示すように仮想線Iが回転軸34aに対して入力軸16側に傾斜したときは、出力軸22は入力軸16と反対方向に上述の関係式で定まる速比Hに従って回転する。そして、P1 ,P2 の関係すなわち係合位置43,45が傾斜面44上に描く軌跡は、上述の速比変更手段を通じて無段開的に変化させることができるため、速比Hも無段階的に変更することができる。そして、その速比Hは、P1 ,P2 の差が最大となったときすなわち係合位置43,45が傾斜面44上に描くそれぞれの軌跡の径の差が最大となったときに最大となる。すなわち、パワーローラ40が図1に示す位置から図3あるいは図4に示す位置に移動するにつれて出力軸22の回転数が無段階的に増大する。
【0030】
次に、上述の無段変速装置の作用について説明する。
ガスタービンエンジンの駆動軸Dが回転すると、その回転はカップリングを介して連結された入力軸16に伝達される。入力軸16の回転によってボール36は中央ホイール34の周方向溝38に沿って転動し、摩擦係合しているパワーローラ40を回転する。パワーローラ40は、一方の係合面44に摩擦係合するパワーホイール48が固定ドラム18により回転しないように固定されているため、係合部49に内接した状態で自転し、ボール36と共に中央ホイール34の周部に沿って転動する。
【0031】
図1に示すように、パワーローラ40が中央ホイール34の回転軸34aに対して垂直に配置されている状態では、係合部49の係合位置43と係合部50の係合位置45とが回転軸40aから同じ距離にあり、したがって係合位置43の描く円と係合位置45の描く円とが同径となり、パワーホイール50は回転しない。可動ドラム20および出力軸22も回転せず、したがってプロペラ軸26は回転しない。
【0032】
そして、速比変更手段により、図示しない流体圧力源から管路56,58を介して固定ドラム18および可動ドラム20の圧力室52a,54a内の圧力流体量を制御し、図3に示すようにパワーホイール48を伸長させ、かつ、パワーホイール50を引込み、パワーローラ40の仮想線Iを出力軸22側に傾動すると、係合部51の係合位置45が描く円の方が係合部49の係合位置43の描く円よりも大径となる。仮想線Iと回転軸34aとの間の角度が小さくなるほど速比が増大し、出力軸22の回転数が増大する。これにより、出力軸22したがってプロペラ軸26は駆動軸Dと同じ方向に向け、仮想線Iの位置で定まる減速比で回転する。逆に、速比変更手段により、図4に示すようにパワーホイール48を引込み、かつ、パワーホイール50を伸長させ、パワーローラ40の仮想線Iを入力軸16側に傾動すると、係合部51の係合位置45が描く円の方が係合部49の係合位置43の描く円よりも小径となる。仮想線Iと回転軸34aとの間の角度が小さくなるほど速比が増大し、出力軸22の回転数が増大する。これにより、出力軸22したがってプロペラ軸26は駆動軸Dと反対方向に減速されて回転する。このときの減速比は仮想線Iの傾斜角度で定まる。
【0033】
プロペラ軸26の回転によって、プロペラ軸26に前進方向のスラスト荷重が作用すると、可動ドラム20、パワーホイール50、パワーローラ40およびパワーホイール48を介して固定ドラム18に伝達される。また、後進方向のスラスト荷重はスラスト軸受24で支えられるプロペラ軸26がいずれの方向に回転される場合でも、この無段変速装置内でスラスト荷重を支えることができ、プロペラ軸26上に別途スラスト軸受けを設けることを要しない。
【0034】
以上のように、本実施形態の無段変速装置によると、複数のボール36およびパワーローラ40を個別に支えることなく、軸方向に対向配置した2つのパワーホイール48,50だけでこれらのボール36およびパワーローラ40を中央ホイール34の周部に均等に配置した状態で摩擦係合を維持することができ、したがって、超高速回転される場合であっても、ボール36およびパワーローラ40の軸受が不要で、転がり運動により動力を伝達するため、熱あるいは騒音等の発生要因となる動力伝達損失をほとんど生じることのない滑らかでかつ極めて高い効率を維しつつ大きな減速比を形成することができる。
【0035】
また、複数のボール36およびパワーローラ40を介して動力を伝達できるため、これらのボール36およびパワーローラ40の数を適宜に調整することにより、大きな動力でも極めて効率よく伝達することができると共に、その数の調整も容易に行うことができる。
【0036】
そして、圧力流体で押圧されるパワーホイール48,50が係合部49,51を介してパワーローラ40の傾斜面44を押圧することにより、パワーホイール48,50に作用する力がパワーローラ40およびボール36を介して中央ホイール34に集中し、これにより各部材間の摩擦係合力が大きくなる。そして、出力が増大し、回転数が増大しても、中央ホイール34に作用する力が中心部分で互いに打消され、無理な力が作用することもない。
【0037】
更に、構造的にも、2つのパワーホイール48,50を介して複数のボール36とパワーローラ40とを支えるため、部品点数の少ない極めて簡単かつコンパクトな軽量構造に形成することもできる。
【0039】
なお、第2転動体は、上述の実施形態におけるパワーローラ40のように中空の軽量構造に形成することに代えて、中実構造のローラ状あるいはディスク状に形成してもよよい。
また、上述の実施形態では、舶用無段変速装置として説明したが、これに限らず、車両あるいは産業用機械等の大きな減速比を必要とする用途にも適用可能なことは明らかである。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の無段変速装置によれば、簡単な構造で大きな減速比が得られ、超高速回転の出力にも対応でき、しかも、軽量化および低コスト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい実施形態による無段変速装置の中立時の縦断側面図。
【図2】図1のII−II線に沿う断面図。
【図3】図1の無段変速装置の前進時における図1と同様な図。
【図4】後進時における図1と同様な図。
【図5】図1の無段変速装置を遊星歯車装置に摸して簡略化した説明図。
【符号の説明】
16…入力軸
18,20…ドラム
22…出力軸
34…中央ホイール
36…ボール
38…周方向溝
40…パワーローラ
48,50…パワーホイール

Claims (4)

  1. 中央ホイールの周方向溝に配置され、この中央ホイールで回転駆動される複数の第1転動体と、
    これらの第1転動体と同数設けられ、それぞれが互いに隣接する2つの第1転動体で外周部を支えられかつこれらの2つの第1転動体で回転駆動される第2転動体と、
    これらの第2転動体の回転軸が中央ホイールの周部に形成する円形軌道よりも大径の係合部をそれぞれの先端部に有しかつこれらの第2転動体を挟んで軸方向に対向配置され、それぞれの係合部で、各第2転動体のテーパ状端部に形成された傾斜面を押圧し、これらの第2転動体と前記第1転動体とを中央ホイールの回りに等間隔に保持する一対のパワーホイールと、
    これらの一対のパワーホイールを軸方向に移動して前記中央ホイールの回転軸に対する第2転動体の傾きを変更し、第2転動体の回転軸と前記傾斜面上における前記係合部の係合位置との間の距離を変更する速比変更手段とを備え、
    一方のパワーホイールを回転不能とすることにより、前記中央ホイールに入力された回転を、前記第1転動体と第2転動体とを介して他方のパワーホイールから出力することを特徴とする無段変速装置。
  2. 前記第2転動体は、前記2つの第1転動体が転動する周方向溝を外周部に有することを特徴とする請求項1に記載の無段変速装置。
  3. 前記一方のパワーホイールを進退自在に収容する内孔を有する固定ドラムと、前記他方のパワーホイールを進退自在に収容する内孔を有しかつこのパワーホイールと共に回転する可動ドラムとを備え、前記パワーホイールは、内孔内でそれぞれの係合部を突出させる方向に付勢されることを特徴とする請求項1又は2に記載の無段変速装置。
  4. 前記速比変更手段は、前記パワーホイールが内孔内に区画した圧力室と、この圧力室に供給する圧力流体を制御して係合部の突出量を調整する圧力流体制御装置とを有することを特徴とする請求項3に記載の無段変速装置。
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