JP2003065413A - 無段変速装置 - Google Patents

無段変速装置

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JP2003065413A
JP2003065413A JP2001253220A JP2001253220A JP2003065413A JP 2003065413 A JP2003065413 A JP 2003065413A JP 2001253220 A JP2001253220 A JP 2001253220A JP 2001253220 A JP2001253220 A JP 2001253220A JP 2003065413 A JP2003065413 A JP 2003065413A
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H15/00Gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio, or for reversing rotary motion, by friction between rotary members
    • F16H15/48Gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio, or for reversing rotary motion, by friction between rotary members with members having orbital motion
    • F16H15/50Gearings providing a continuous range of gear ratios
    • F16H15/503Gearings providing a continuous range of gear ratios in which two members co-operate by means of balls or rollers of uniform effective diameter, not mounted on shafts

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  • General Engineering & Computer Science (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】簡単な構造で大きな減速比が得られ、超高速回
転の出力にも対応でき、軽量化を図ることができる低コ
ストの無段変速装置を提供すること 【解決手段】中央ホイール34で回転駆動される複数の
ボール36と同数で、隣接する2つのボールで支えられ
かつ回転駆動されるパワーローラ40と、このローラの
回転軸40aの軌道よりも大径の係合部を有しかつロー
ラ40を挟んで配置され、それぞれの係合部で、各ロー
ラの傾斜面44を押圧し、ローラとボールとを中央ホイ
ールの回りに等間隔に保持する一対のパワーホイール4
8,50と、これらのパワーホイールを軸方向に移動し
てローラ40の傾きを変更することにより、ローラの回
転軸40aと係合部の係合位置43,45との間の距離
が変更され、一方のパワーホイール48を回転不能とす
ることにより、中央ホイール34に入力された回転を、
ボール36とパワーローラ40とを介して他方のパワー
ホイール50から出力する無段変速装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は無段変速装置に関
し、特に、減速比の大きな摩擦式無段変速装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、船舶に搭載されるガスタービン
エンジンは、小型かつ軽量でありながら燃焼効率に優
れ、毎分当りの回転数が数千から数万のオーダーの超高
速で回転して大きな出力を実現する。一方、船舶に推力
を与えるプロペラはキャビテーションを防止するため
に、大きな推力を発生する大型プロペラほど低速(例え
ば毎分当りの回転数が数十から数百のオーダー)で回転
する必要がある。このため、ガスタービンエンジンの駆
動軸とプロペラ軸との間には回転数に大きな差があり、
このようなガスタービンエンジンを搭載する船舶には大
減速比(例えば1/30〜1/50)の減速機が必要で
ある。このような減速機としては、流体式あるいは歯車
式の変速機が知られており、更に、ガスタービンで発電
機を駆動し、その電力でプロペラの駆動モータを回転し
て所要のプロペラ回転数を得るシステムが知られてい
る。
【0003】この流体式変速機は、入力軸と出力軸との
間の速比が1:1に近い減速比の小さい領域では効率が
高く、軽量、振動、騒音、コストの面で有利であるが、
減速比が大きくなるに従って伝動効率が悪化し、超高速
回転で回転するガスタービンエンジンの減速用としては
不向きである。
【0004】また、歯車式変速機は、大きな動力を伝達
することができるものの、歯車が高速回転すると、歯当
たり面の滑りによる発熱で伝動効率が低下するととも
に、歯車相互間のバックラッシュに伴う騒音が大きく、
船内環境に悪影響を及ぼすという問題がある。さらに、
正転・逆転の切換用の歯車装置とクラッチとが必要であ
り、構造的に複雑で、コスト、重量が嵩むという問題が
ある。
【0005】更に、ガスタービンで発電機を駆動し、そ
の電力でモータを回転することにより、プロペラの回転
数を減速するシステムは、小振動、低騒音であり、減速
比及び回転方向の切り換えを高精度で行うことができ、
特に船舶においては、離接岸の際の操船作業の効率化と
安全性の向上とを図ることが可能であるものの、伝達効
率を向上させることが困難であると共に、コストが高
く、重量が増大するという不都合がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述のように流体式あ
るいは歯車式の変速機は、例えばガスタービンエンジン
のような超高速の回転を大きく減速する用途には不向き
であり、また、ガスタービンエンジンの出力を発電機と
プロペラ駆動モータとを介して減速するシステムは伝達
効率の向上が困難なことに加え、構造が複雑化し、コス
ト高および重量増が避けられないという問題を有してい
た。
【0007】本発明は、このような事情に基づいてなさ
れたもので、簡単な構造で大きな減速比が得られ、超高
速回転の出力にも対応でき、しかも、軽量化を図ること
ができる低コストの無段変速装置を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の無段変速装置は、中央ホイールの周方向溝に配置さ
れ、この中央ホイールで回転駆動される複数の第1転動
体と、これらの第1転動体と同数設けられ、それぞれが
互いに隣接する2つの第1転動体で外周部を支えられか
つこれらの2つの第1転動体で回転駆動される第2転動
体と、これらの第2転動体の回転軸が中央ホイールの周
部に形成する円形軌道よりも大径の係合部をそれぞれの
先端部に有しかつこれらの第2転動体を挟んで軸方向に
対向配置され、それぞれの係合部で、各第2転動体のテ
ーパ状端部に形成された傾斜面を押圧し、これらの第2
転動体と前記第1転動体とを中央ホイールの回りに等間
隔に保持する一対のパワーホイールと、これらの一対の
パワーホイールを軸方向に移動して前記中央ホイールの
回転軸に対する第2転動体の傾きを変更し、第2転動体
の回転軸と前記傾斜面上における前記係合部の係合位置
との間の距離を変更する速比変更手段とを備え、一方の
パワーホイールを回転不能とすることにより、前記中央
ホイールに入力された回転を、前記第1転動体と第2転
動体とを介して他方のパワーホイールから出力すること
を特徴とする。
【0009】この無段変速装置によると、各第2転動体
は、外周部が2つの第1転動体で支えられ、テーパ状端
部に形成された傾斜面のそれぞれがパワーホイールの係
合部で軸方向に押圧されることにより、中央ホイールの
周部で第1転動体と共に等間隔に保持される。これらの
パワーホイールの一方が回転しないように固定されてい
るため、中央ホイールが回転されると、第2転動体は2
つの第1転動体を介して回転駆動され、中央ホイールの
周部を自転しつつ公転する。これにより、他方のパワー
ホイールから回転出力を取出すことができる。このとき
の速比すなわち中央ホイールの回転速度に対する他方の
パワーホイールの回転速度は、双方のパワーホイールの
係合部の係合位置すなわちパワーホイールの回転軸と係
合部との間の距離の差に応じて変化する。この速比の変
更は、速比変更手段を通じて一対のパワーホイールを軸
方向に移動することにより行うことができる。
【0010】上記第2転動体は、上記2つの第1転動体
が転動する周方向溝を外周部に有してもよい。
【0011】また、本発明の無段変速装置は、上記一方
のパワーホイールを進退自在に収容する内孔を有する固
定ドラムと、上記他方のパワーホイールを進退自在に収
容する内孔を有しかつこのパワーホイールと共に回転す
る可動ドラムとを備え、上記パワーホイールは、内孔内
でそれぞれの係合部を突出させる方向に付勢されること
が好ましい。
【0012】上記速比変更手段は、上記パワーホイール
が内孔内に区画した圧力室と、この圧力室に供給する圧
力流体を制御して係合部の突出量を調整する圧力流体制
御装置とを有してもよく、これに代えて、固定ドラムの
内孔内に配置され、上記一方のパワーホイールを軸方向
に移動するカムと、固定ドラムに取付けられこのカムの
移動量を制御するカム駆動部材と、上記可動ドラムの内
孔内に配置されて上記他方のパワーホイールを固定ドラ
ムに向けて付勢するばねとを有してもよい。
【0013】更に、本発明の無段変速装置は、上記可動
ドラムを収容し、この可動ドラムに固定された出力軸を
貫通させるハウジングを備え、このハウジングは、可動
ドラムが固定ドラムから離隔する方向のスラスト荷重を
受けるスラスト軸受を介して出力軸を回転自在に支え、
出力軸に作用する逆方向のスラスト荷重を、可動ドラム
から第2転動体を介して固定ドラムに伝達することもで
きる。
【0014】
【発明の実施の形態】図1から図5は、本発明の好まし
い実施形態による無段変速装置を示す。この無段変速装
置は、例えば舶用ガスタービンエンジンの回転を減速し
てプロペラに伝達する舶用無段変速装置として形成して
あり、全体をハウジング10内に収容したコンパクトな
構造に形成してある。
【0015】このハウジング10は両端を開口させた円
筒状の胴部10aと、この右端部を閉塞する蓋部10b
とを備え、この胴部10aの左端部に一体に形成したフ
ランジ部12を介して、例えば船体構造部の一部を形成
するブラケット14にボルト止めされる。エンジンの駆
動軸Dは、ブラケット14の開口部から胴部10a内に
導かれ、無段変速装置の入力軸16に例えばフランジ付
カップリング等の好適な手段を介して連結される。
【0016】ハウジング10の内部には、後述する固定
ドラム18と可動ドラム20とが配置されており、固定
ドラム18は胴部10aと一体構造に形成され、半径方
向内方に延びるディスク状部18aが、軸方向内方に位
置した部位でブラケット14側の端部を閉じている。こ
れにより、駆動軸Dと入力軸16との連結部をハウジン
グ10内に配置し、この無段変速装置の軸方向長さを短
くすることができる。
【0017】また、可動ドラム20は、この可動ドラム
20の半径方向内方に延びるディスク状部20aを介し
て出力軸22と一体的に形成されており、この出力軸2
2を介してハウジング10の蓋部10bで回転自在に支
えられている。出力軸22は、後進方向のスラスト荷重
を受けるスラスト軸受24を介してハウジング10の蓋
部10bで回転自在に支えられ、軸方向外端部がプロペ
ラ軸26のフランジ部にボルト止めされている。スラス
ト軸受24は船舶後進時のスラスト荷重を支えると共に
アキシャル方向の荷重も支えることができる。
【0018】これらの固定ドラム18と可動ドラム20
とのそれぞれディスク状部18a,20aには、その中
央部を軸方向に向けて入力軸16が貫通する。この入力
軸16は、ボール軸受28を介してこれらのディスク状
部で回転自在に支えられている。更に、入力軸16は、
プロペラ軸26の方向に向けて、ディスク状部20aか
ら出力軸22にわたって形成された内孔30内に延び、
先端部を例えば平軸受あるいはローラ軸受等の好適な軸
受32を介してこの出力軸22内に回転自在に支えられ
ている。この軸受32は蓋部10bに近接した位置に配
置するのが好ましい。
【0019】このように回転自在に支えられた入力軸1
6は、ディスク状部18a,20aの間すなわち2つの
ボール軸受28で挟まれた部位に、中央ホイール34を
一体形成してある。この中央ホイール34の外周部に
は、第1転動体としてのボール36(本実施形態では5
つ)を案内する周方向溝38が形成されている。本実施
形態の第1転動体は、中央ホイール34の径すなわち周
方向溝36の溝底の径よりも小径のボール36で形成し
てあるが、後述する第2転動体をこの中央ホイール34
の周部に均等な間隔で保持できるものであれば、適宜の
寸法のローラ状あるいはディスク状に形成することもで
きる。
【0020】図2に示すように、本実施形態の第2転動
体は、中空環状構造のパワーローラ40で形成してあ
り、ボール36と同数すなわち本実施形態では5つ設け
られている。各パワーローラ40は、ボール34を案内
する周方向溝42を外周部に有し、中央ホイール34の
周部で、互いに隣接する2つのボール34で支えられ
る。また、各パワーローラ40の軸方向の両端部は、テ
ーパ状端部として形成してあり、内周側を外周側よりも
軸方向外方に突出させた環状の傾斜面44を有する。こ
れらの傾斜面44に、後述するパワーホイールが摩擦係
合する。
【0021】図1に示すように、パワーローラ40の傾
斜面44は、ドラム18,20から突出するパワーホイ
ール48,50の先端部に形成された係合部49,51
に摩擦係合し、これらの係合部を介してパワーホイール
48,50で押圧される。これらの係合部49,51
は、パワーローラ40の回転軸40aが中央ホイール3
4の周部に形成する円形軌道T(図2参照)よりも大径
に形成されており、各パワーローラ40の傾斜面44と
は、中央ホイール34の回転軸34aとパワーローラ4
0の回転軸40aとを結ぶ仮想線I(図2参照)上で接
触する。これにより、パワーホイール48,50が係合
部49,51を介してパワーローラ40を押圧すると、
各パワーローラ40には、中央ホイール34の回転軸3
4aに向く力が作用する。各パワーローラ40はそれぞ
れ2つのボール36を中央ホイール34上に押圧する。
【0022】パワーローラ40とボール36とが同数設
けられ、各パワーローラ40が互いに隣接する2つのボ
ール36で支えられているため、各ボール36は隣接す
る2つのパワーローラ40から等しい力で押圧される。
これにより、各ボール36は中央ホイール34の周方向
溝38内に摩擦係合した状態で周方向に等間隔に保持さ
れ、したがって、各パワーローラ40も中央ホイール3
4の周部でボール36と摩擦係合した状態で等間隔に保
持される。本実施形態ではパワーローラ40およびボー
ル36はいずれも5つとしてあるが、これに限るもので
はなく、中央ホイール34の周部に均等に配置すること
ができるものであれば、各部材の寸法および比率を変更
することにより、適宜の数とすることが可能である。
【0023】このようにパワーローラ40を押圧するパ
ワーホイール48,50は、それぞれ固定ドラム18お
よび可動ドラム20に形成された環状内孔52,54内
に配置され、例えば図示しないスプライン等により、軸
方向にのみ移動することができる。各パワーホイール4
8,50は、それぞれ環状内孔52,54内に圧力室5
2a,54aを区画しており、これらの圧力室は、それ
ぞれ適宜の管路56,58を介して図示しない圧力流体
制御装置に接続されている。
【0024】このようなパワーホイール48,50は、
パワーローラ40を挟んで軸方向に対向配置されてお
り、これらのパワーホイール48,50の係合部49,
51を介して各パワーローラ40の傾き、すなわち中央
ホイール34の回転軸34aとパワーローラ40の回転
軸40aとを通る仮想線Iの回転軸34aに対する傾き
を図3に示す位置と図4に示す位置との間の任意の位置
に、一斉に変更することができる。
【0025】本実施形態では、パワーホイール48,5
0が環状内孔52,54内に区画した圧力室52a,5
4aと、管路56,58を介して供給する圧力流体制御
装置(図示しない)とで速比変更手段を形成しており、
この圧力流体制御装置を介して、図示しない圧力流体源
から圧力室52a,54a内に供給する圧力流体の圧力
および量を制御することにより、パワーホイール48,
50が内孔52,54から突出する量すなわち係合部4
9,51の軸方向位置を調整することができる。これに
より、パワーローラ40の回転軸40aと、傾斜面44
上における係合部49,51の係合位置43,45との
間の距離を変更し、これらのパワーローラ40による速
比を変更することができる。
【0026】図5は、上述の無段変速装置における互い
に摩擦係合する中央ホイール34とボール36とパワー
ローラ40とパワーホイール48,50との関係を遊星
歯車装置に摸して簡略化して示す。このような機構で
は、入力軸16の回転数nに対する出力軸26回転数N
の速比Hは次の関係にある。
【0027】H=N/n={D(P2 −P1 )}/{P
1 (R−D)} 但し、Dは中央ホイール34の周方向溝38の溝底の
径、Rは係合部49,51の径、P1 は傾斜面44上で
係合位置43が描く軌跡の径、P2 は傾斜面44上で係
合位置45が描く軌跡の径を表す。なお、本実施形態で
は、係合部49,51を同径に形成したが、互いに異な
る径に形成することも可能なことは明らかである。ま
た、各部の寸法を好適に選定することにより、例えば舶
用ガスタービンエンジンの減速装置として用いる場合に
は、速比Hを例えば1/30から1/50程度に形成す
ることが好ましい。
【0028】上記の関係式から、R>Dすなわち係合部
49,51の径は中央ホイール34の径よりも大きいこ
とは明らかであるから、P2 =P1 のとき、すなわち図
1に示すようにパワーローラ40が中央ホイール34の
回転軸34aに対して垂直に配置されているときは、中
立状態となる。これは、係合部49,51がそれぞれの
対応した傾斜面44上で描く係合位置43,45の軌跡
が同径となるからである。
【0029】一方、P2 >P1 のとき、すなわち図3に
示すように仮想線Iが回転軸34aに対して出力軸22
側に傾斜したときは、出力軸22は入力軸16と同じ方
向に上述の関係式で定まる速比Hに従って回転する。逆
に、P2 <P1 のとき、すなわち図4に示すように仮想
線Iが回転軸34aに対して入力軸16側に傾斜したと
きは、出力軸22は入力軸16と反対方向に上述の関係
式で定まる速比Hに従って回転する。そして、P1 ,P
2 の関係すなわち係合位置43,45が傾斜面44上に
描く軌跡は、上述の速比変更手段を通じて無段開的に変
化させることができるため、速比Hも無段階的に変更す
ることができる。そして、その速比Hは、P1 ,P2 の
差が最大となったときすなわち係合位置43,45が傾
斜面44上に描くそれぞれの軌跡の径の差が最大となっ
たときに最大となる。すなわち、パワーローラ40が図
1に示す位置から図3あるいは図4に示す位置に移動す
るにつれて出力軸22の回転数が無段階的に増大する。
【0030】次に、上述の無段変速装置の作用について
説明する。ガスタービンエンジンの駆動軸Dが回転する
と、その回転はカップリングを介して連結された入力軸
16に伝達される。入力軸16の回転によってボール3
6は中央ホイール34の周方向溝38に沿って転動し、
摩擦係合しているパワーローラ40を回転する。パワー
ローラ40は、一方の係合面44に摩擦係合するパワー
ホイール48が固定ドラム18により回転しないように
固定されているため、係合部49に内接した状態で自転
し、ボール36と共に中央ホイール34の周部に沿って
転動する。
【0031】図1に示すように、パワーローラ40が中
央ホイール34の回転軸34aに対して垂直に配置され
ている状態では、係合部49の係合位置43と係合部5
0の係合位置45とが回転軸40aから同じ距離にあ
り、したがって係合位置43の描く円と係合位置45の
描く円とが同径となり、パワーホイール50は回転しな
い。可動ドラム20および出力軸22も回転せず、した
がってプロペラ軸26は回転しない。
【0032】そして、速比変更手段により、図示しない
流体圧力源から管路56,58を介して固定ドラム18
および可動ドラム20の圧力室52a,54a内の圧力
流体量を制御し、図3に示すようにパワーホイール48
を伸長させ、かつ、パワーホイール50を引込み、パワ
ーローラ40の仮想線Iを出力軸22側に傾動すると、
係合部51の係合位置45が描く円の方が係合部49の
係合位置43の描く円よりも大径となる。仮想線Iと回
転軸34aとの間の角度が小さくなるほど速比が増大
し、出力軸22の回転数が増大する。これにより、出力
軸22したがってプロペラ軸26は駆動軸Dと同じ方向
に向け、仮想線Iの位置で定まる減速比で回転する。逆
に、速比変更手段により、図4に示すようにパワーホイ
ール48を引込み、かつ、パワーホイール50を伸長さ
せ、パワーローラ40の仮想線Iを入力軸16側に傾動
すると、係合部51の係合位置45が描く円の方が係合
部49の係合位置43の描く円よりも小径となる。仮想
線Iと回転軸34aとの間の角度が小さくなるほど速比
が増大し、出力軸22の回転数が増大する。これによ
り、出力軸22したがってプロペラ軸26は駆動軸Dと
反対方向に減速されて回転する。このときの減速比は仮
想線Iの傾斜角度で定まる。
【0033】プロペラ軸26の回転によって、プロペラ
軸26に前進方向のスラスト荷重が作用すると、可動ド
ラム20、パワーホイール50、パワーローラ40およ
びパワーホイール48を介して固定ドラム18に伝達さ
れる。また、後進方向のスラスト荷重はスラスト軸受2
4で支えられるプロペラ軸26がいずれの方向に回転さ
れる場合でも、この無段変速装置内でスラスト荷重を支
えることができ、プロペラ軸26上に別途スラスト軸受
けを設けることを要しない。
【0034】以上のように、本実施形態の無段変速装置
によると、複数のボール36およびパワーローラ40を
個別に支えることなく、軸方向に対向配置した2つのパ
ワーホイール48,50だけでこれらのボール36およ
びパワーローラ40を中央ホイール34の周部に均等に
配置した状態で摩擦係合を維持することができ、したが
って、超高速回転される場合であっても、ボール36お
よびパワーローラ40の軸受が不要で、転がり運動によ
り動力を伝達するため、熱あるいは騒音等の発生要因と
なる動力伝達損失をほとんど生じることのない滑らかで
かつ極めて高い効率を維しつつ大きな減速比を形成する
ことができる。
【0035】また、複数のボール36およびパワーロー
ラ40を介して動力を伝達できるため、これらのボール
36およびパワーローラ40の数を適宜に調整すること
により、大きな動力でも極めて効率よく伝達することが
できると共に、その数の調整も容易に行うことができ
る。
【0036】そして、圧力流体で押圧されるパワーホイ
ール48,50が係合部49,51を介してパワーロー
ラ40の傾斜面44を押圧することにより、パワーホイ
ール48,50に作用する力がパワーローラ40および
ボール36を介して中央ホイール34に集中し、これに
より各部材間の摩擦係合力が大きくなる。そして、出力
が増大し、回転数が増大しても、中央ホイール34に作
用する力が中心部分で互いに打消され、無理な力が作用
することもない。
【0037】更に、構造的にも、2つのパワーホイール
48,50を介して複数のボール36とパワーローラ4
0とを支えるため、部品点数の少ない極めて簡単かつコ
ンパクトな軽量構造に形成することもできる。
【0038】図6は、速比変更手段の変形例を示す。こ
の変形例では、上述のように圧力流体を利用することに
代え、パワーホイール48を軸方向に移動するカム60
を形成したカムリング62を環状内孔52内に配置し、
このカムリング62を例えば電動モータ64で駆動され
るウォームギヤ66で軸方向に移動する。この場合に
は、ウォームギヤ66と噛合うウォームホイールをカム
リング62に形成しておくのが好ましい。この電動モー
タ64を制御することで、パワーホイール48の伸長お
よび収縮を制御することができる。一方、可動ドラム2
0の環状内孔54内にはコイルばね68を収容し、パワ
ーホイール48の伸縮に応じて、パワーホイール50を
軸方向に移動させるようにしてもよい。
【0039】なお、第2転動体は、上述の実施形態にお
けるパワーローラ40のように中空の軽量構造に形成す
ることに代えて、中実構造のローラ状あるいはディスク
状に形成してもよよい。また、上述の実施形態では、舶
用無段変速装置として説明したが、これに限らず、車両
あるいは産業用機械等の大きな減速比を必要とする用途
にも適用可能なことは明らかである。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の無段変速
装置によれば、簡単な構造で大きな減速比が得られ、超
高速回転の出力にも対応でき、しかも、軽量化および低
コスト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい実施形態による無段変速装置
の中立時の縦断側面図。
【図2】図1のII−II線に沿う断面図。
【図3】図1の無段変速装置の前進時における図1と同
様な図。
【図4】後進時における図1と同様な図。
【図5】図1の無段変速装置を遊星歯車装置に摸して簡
略化した説明図。
【図6】変形例による無段変速装置の概略図。
【符号の説明】
16…入力軸 18,20…ドラム 22…出力軸 34…中央ホイール 36…ボール 38…周方向溝 40…パワーローラ 48,50…パワーホイール

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中央ホイールの周方向溝に配置され、こ
    の中央ホイールで回転駆動される複数の第1転動体と、 これらの第1転動体と同数設けられ、それぞれが互いに
    隣接する2つの第1転動体で外周部を支えられかつこれ
    らの2つの第1転動体で回転駆動される第2転動体と、 これらの第2転動体の回転軸が中央ホイールの周部に形
    成する円形軌道よりも大径の係合部をそれぞれの先端部
    に有しかつこれらの第2転動体を挟んで軸方向に対向配
    置され、それぞれの係合部で、各第2転動体のテーパ状
    端部に形成された傾斜面を押圧し、これらの第2転動体
    と前記第1転動体とを中央ホイールの回りに等間隔に保
    持する一対のパワーホイールと、 これらの一対のパワーホイールを軸方向に移動して前記
    中央ホイールの回転軸に対する第2転動体の傾きを変更
    し、第2転動体の回転軸と前記傾斜面上における前記係
    合部の係合位置との間の距離を変更する速比変更手段と
    を備え、 一方のパワーホイールを回転不能とすることにより、前
    記中央ホイールに入力された回転を、前記第1転動体と
    第2転動体とを介して他方のパワーホイールから出力す
    ることを特徴とする無段変速装置。
  2. 【請求項2】 前記第2転動体は、前記2つの第1転動
    体が転動する周方向溝を外周部に有することを特徴とす
    る請求項1に記載の無段変速装置。
  3. 【請求項3】 前記一方のパワーホイールを進退自在に
    収容する内孔を有する固定ドラムと、前記他方のパワー
    ホイールを進退自在に収容する内孔を有しかつこのパワ
    ーホイールと共に回転する可動ドラムとを備え、前記パ
    ワーホイールは、内孔内でそれぞれの係合部を突出させ
    る方向に付勢されることを特徴とする請求項1又は2に
    記載の無段変速装置。
  4. 【請求項4】 前記速比変更手段は、前記パワーホイー
    ルが内孔内に区画した圧力室と、この圧力室に供給する
    圧力流体を制御して係合部の突出量を調整する圧力流体
    制御装置とを有することを特徴とする請求項3に記載の
    無段変速装置。
  5. 【請求項5】 前記速比変更手段は、固定ドラムの内孔
    内に配置され、前記一方のパワーホイールを軸方向に移
    動するカムと、固定ドラムに取付けられこのカムの移動
    量を制御するカム駆動部材と、前記可動ドラムの内孔内
    に配置されて前記他方のパワーホイールを固定ドラムに
    向けて付勢するばねとを有することを特徴とする請求項
    4に記載の無段変速装置。
  6. 【請求項6】 前記可動ドラムを収容し、この可動ドラ
    ムに固定された出力軸を貫通させるハウジングを備え、
    このハウジングは、可動ドラムが固定ドラムから離隔す
    る方向のスラスト荷重を受けるスラスト軸受を介して出
    力軸を回転自在に支え、出力軸に作用する逆方向のスラ
    スト荷重を、可動ドラムから第2転動体を介して固定ド
    ラムに伝達することを特徴とする請求項1から5のいず
    れか1に記載の無段変速装置。
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