JP2005221059A - 無段変速装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】無段変速装置の簡素化、小型化、低コスト化等を図る。
【解決手段】入力軸20と一体的に回転しかつその軸線方向に対して所定角度をなして伸長するように形成されたロータ支軸30、ロータ支軸30に対して回動及び往復動自在に支持されかつ第1円錐面41及び第2円錐面42をもつトラクションロータ40、出力軸50と一体的に回転しかつその軸線方向に往復動自在に形成されかつ第1円錐面と接触する環状の接触面72をもつ太陽リング70、太陽リング70を付勢するコイルバネ80、第2円錐面42が転がり接触する環状の接触面91を有しかつ回動不能に固定された固定リング90、固定リング90を付勢するコイルバネ100、トラクションロータ40をロータ支軸30に沿って移動させる駆動機構110等を備える。これにより、小型で安価な無段変速装置が得られる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、入力軸の回転速度を連続的に変化させて出力軸に伝達する無段変速装置に関し、特に、自動車、二輪車等に搭載され得る無段変速装置(CVT)に関する。
比較的小排気量の自動車等に搭載される従来の無段変速装置としては、金属ベルトで一対のプーリを連動させるベルト式CVTが知られている。このCVTは、入力軸に連結された入力プーリ、出力軸に連結された出力プーリ、両プーリ間に巻回された無端状のベルト等を備え、両プーリのV溝の幅寸法を可変制御することでベルトが接触する回転径を変化させて、入力軸から出力軸に伝達される回転速度を連続的に変化させるものである(例えば、非特許文献1参照)。
また、比較的大排気量の自動車等に搭載される従来の無段変速装置としては、球面状の接触面をもつパワーローラで一対のディスクを連動させるトロイダル式CVTが知られている。このCVTは、入力軸に連結された入力ディスク、出力軸に連結された出力ディスク、両ディスクの間に介在するパワーローラ等を備え、パワーローラの回転軸の傾きを可変制御することでパワーローラが接触する両ディスクの回転径を変化させて、入力軸から出力軸に伝達される回転速度を連続的に変化させるものである(例えば、非特許文献1、非特許文献2参照)。
日経メカニカル(1992年3月2日、P34〜P46) NSK Technical Journal No.671(2001年、P5〜P13)
ところで、上記従来のベルト式CVTにおいては、変速レンジ1を中心として増速及び減速するが、変速比が大きく(又は小さく)なると、一方側のプーリに巻回するベルトの曲率が大きくなり(曲率半径が小さくなり)、ベルトを形成する金属コマの滑りが多くなって駆動力の伝達効率が低下する。したがって、これを避ける範囲で駆動すると、変速レンジを広く設定することができない。
また、変速比を無限にできないので、停止状態を設定するにはクラッチ機構が必要になり、入力プーリと出力プーリとは同一方向にのみ回転するので、逆回転を行わせるには逆転ギヤ等が必要になり、プーリの溝幅を変化させるための油圧駆動機構等が必要になる。さらに、一対のプーリは比較的径が大きく、油圧駆動機構等も備えるため、装置全体が大きくなり、又、金属ベルトのコマがプーリに接触及び離脱する際に、高周波の金属音を生じる。
上記従来のトロイダル式CVTにおいては、変速レンジ1を中心として増速及び減速し、この中心付近ではパワーローラのディスクに対するスピンロスが多くなって駆動力の伝達効率が低下する。また、変速比を無限にできないので、停止状態を設定するにはクラッチ機構が必要になり、逆回転を行わせるには逆転ギヤ等が必要になる。さらに、パワーローラをディスクに押圧するために、1.5〜2.2GPaという超高圧の押付荷重を発生する機構及び構造が必要になる。
本発明は、上記従来の装置の事情に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、装置の簡素化、小型化、低コスト化等を図りつつ、変速レンジを比較的広く設定することができる無段変速装置を提供することにある。
本発明に係る無段変速装置は、入力軸と一体的に回転すると共に入力軸の軸線方向に対して所定の角度をなして伸長するように形成されたロータ支軸と、ロータ支軸に対して回動及び往復動自在に支持され,かつ,第1円錐面及び第2円錐面をもつトラクションロータと、出力軸と一体的に回転すると共に出力軸の軸線方向に往復動自在に形成され,かつ,その環状外縁において第1円錐面と接触する環状の接触面をもつ太陽リングと、太陽リングの接触面を第1円錐面に向けて付勢する第1付勢部材と、第2円錐面が転がり接触する環状の接触面を有し,かつ,回動不能に固定された固定リングと、固定リングの接触面を第2円錐面に向けて付勢する第2付勢部材と、トラクションロータをロータ支軸の軸線方向に移動させる駆動機構と、を有する、構成となっている。
この構成によれば、入力軸が回転すると、ロータ支軸も一体的に回転し、トラクションロータが固定リング(の接触面)上を転動して自転及び公転(遊星)運動を生じる。すると、第1円錐面に接触した太陽リングが、トラクションロータの回転に応じて回転し、その回転が出力軸に伝達される。ここで、駆動機構により、トラクションロータをロータ支軸に沿って移動させると、固定リングに接触する第2円錐面の位置が移動すると同時に、太陽リングに接触する第1円錐面の位置が連続的に変化するため、第1円錐面及び第2円錐面の傾斜角度を適宜選定することで、正回転、停止、逆回転を連続的に生じさせることができ、連続的な変速動作を得ることができる。
このように、クラッチ機構、逆転切替え機構等が不要で、入力軸と出力軸とを同軸上に配置することができるため構造が簡素化され、変速レンジを比較的広く設定でき、安価で小型の無段変速装置を提供することができる。
上記構成において、ロータ支軸及びトラクションロータは、入力軸に対して放射状に複数設けられている、構成を採用することができる。
この構成によれば、複数のトラクションロータがトルク伝達に寄与するため、入力軸周りにおいてバランスの取れたトラクション作用が得られ、安定した変速動作が行われる。
上記構成において、固定リングは、太陽リングと同軸上でかつその径方向外側に配置され、第1付勢部材及び第2付勢部材は、出力軸の軸線方向において付勢力を及ぼすように形成されている、構成を採用することができる。
この構成によれば、固定リングは出力軸の軸線方向(スラスト方向)からトラクションロータに接触するように配置され、又、固定リングと太陽リングとをトラクションロータに押し付ける付勢力は、出力軸の軸線方向からそれぞれ独立して印加されるため、トラクション荷重が確実に得られる。また、固定リングをラジアル方向から接触するように配置する場合に比べて、装置を小型化できる。
上記構成において、駆動機構は、入力軸に対してその軸線方向に往復動自在に支持され,かつ,トラクションロータの外周縁部に接触する円錐状の楔部材、を含む、構成を採用することができる。
この構成によれば、楔部材を入力軸に沿って適宜スライドさせるだけで、そのくさび作用により、トラクションロータをロータ支軸に沿って移動させることができる。このように、駆動機構を簡素化でき、装置を小型化できる。
上記構成において、楔部材は、入力軸に対して回動自在に支持されている、構成を採用することができる。
この構成によれば、楔部材は、太陽リング又は固定リングの押し付け荷重と対向(拮抗)する側からトラクションロータに押し付け荷重を及ぼすため、より確実なトラクション荷重が得られ、又、楔部材は入力軸回りに回転しつつくさび作用を生じるため、トラクションロータを円滑に移動させることができる。
上記構成において、トラクションロータは、外周縁部において,楔部材と接触する第3円錐面を有する、構成を採用することができる。
この構成によれば、トラクションロータは、その第3円錐面が楔部材の円錐面と接触しつつ回転するため、お互いのスライド動作が円滑に行われる。
上記構成において、第1円錐面は、入力軸から遠ざかる向きに頂点をもつように形成され、第2円錐面は、入力軸に近づく向きに頂点をもつように形成されている、構成を採用することができる。
この構成によれば、太陽リングが接触する第1円錐面上の接触点を、ロータ支軸(の軸線)と入力軸(の軸線)との交点と固定リングが接触する第2円錐面上の接触点とを結ぶ直線を母線とする仮想の円錐面の外側から内側に向けて交差するように連続的に変化させることができ、広い変速比を容易に設定することができる。
上記構成において、出力軸と一体的に回転すると共に出力軸の軸線方向に往復動自在に形成され,かつ,その外周に雄ネジをもつスライドスクリューを有し、太陽リングは、スライドスクリューに螺合した状態で出力軸に支持されている、構成を採用することができる。
この構成によれば、出力軸の負荷トルクが増加した場合に、太陽リングとスライドスクリュー(及び出力軸)に回転差を生じさせ、入力軸の駆動トルクとバランスする位置に太陽リングとトラクションロータとの接触位置を自動的に変化させることができる。
上記構成において、入力軸及び出力軸は、同軸上において,相対的に回動自在に連結されている、構成を採用することができる。
この構成によれば、入力軸と出力軸とが相対的に回動自在に連結されているため、お互いの軸振れ、軸ずれを防止でき、トラクションロータの動作を確実にし、安定したトラクション力を得ることができる。
上記の構成をなす無段変速装置によれば、従来のようなクラッチ機構、逆転ギヤ、油圧機構等を設けることなく、増減速を伴う正回転、停止、逆回転を連続的に生じるように、入力軸の回転を出力軸に伝達させることができ、しかも変速レンジを幅広く設定でき、騒音等を極力防止でき、小型化で安価な無段変速装置が得られる。
以下、本発明の最良の実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図1ないし図4は、本発明に係る無段変速装置の一実施形態を示すものであり、図1及び図2は装置の断面図、図3は装置の模式図、図4は装置の動作を説明する図である。
この無段変速装置は、図1及び図2に示すように、ハウジング10、ハウジング10に対して回動自在に支持された入力軸20、入力軸20に対して放射状に結合された複数(ここでは、3つ)のロータ支軸30、ロータ支軸30に対して回動自在にかつ往復動自在に支持された(ここでは、3つの)トラクションロータ40、ハウジング10に対して回動自在に支持された出力軸50、出力軸50に対して一体的に回転すると共にその軸線L方向に往復動自在に取り付けられたスライドスクリュー60、スライドスクリュー60に螺合した状態で支持された太陽リング70、スライドスクリュー60を入力軸20側に向けて付勢する第1付勢部材としてのコイルバネ80、太陽リング70の周りに配置された固定リング90、固定リング90を入力軸20側に向けて付勢する第2付勢部材としてのコイルバネ100、トラクションロータ40をロータ支軸30の軸線方向に移動させる駆動機構110等を備えている。
ハウジング10は、アルミニウム材料等を用いて型成形されたものであり、図1及び図2示すように、入力軸20を支持するための軸受11a等が取り付けられたハウジング半体11、出力軸50を支持するための軸受12a等が取り付けられたハウジング半体12等により構成されている。そして、ハウジング10は、ハウジング半体11とハウジング半体12とをボルト等により締結することにより画定され、入力軸20と出力軸50とを同一の軸線上に回動自在に支持している。
入力軸20は、図1及び図2に示すように、ハウジング10に回動自在に支持され、その端部において放射状に等間隔で形成された3つのネジ穴をもつフランジ部21を有し、フランジ部21よりもさらに先端側において円柱状の嵌合部22を有する。そして、フランジ部21には、軸線Sが軸線Lと所定の角度をなして伸長する3本(図中では1本を省略)のロータ支軸30が略120度の間隔で配置されて結合されている。ロータ支軸30の自由端部は、入力軸20から離隔して回動自在に配置されると共に湾曲して形成された支持プレート31に連結されて支持されている。尚、ロータ支軸30の軸線Sが軸線Lとなす角度は、トラクションロータ40の第1円錐面41及び第2円錐面42の傾斜角度との関係で、変速比の選定に応じて、直角を含め適宜選定される。
出力軸50は、図1及び図2に示すように、ハウジング10に回動自在に支持され、その大径部においてスライドスクリュー60の回転を規制する突条のキー部51を有し、その端部において入力軸20の嵌合部22を回動自在に支持する軸受が装着された嵌合穴52を有する。すなわち、入力軸20と出力軸50とは、同軸上において相対的に回動自在に連結されているため、お互いの軸振れ、軸ずれ等を防止でき、トラクションロータ40の自転及び公転動作を確実にし、安定したトラクション動作を得ることができる。
3つのトラクションロータ40は、それぞれ、軸線S上でかつ軸線Lと軸線Sとの交点Pから遠ざかる(すなわち、入力軸20から遠ざかる)向きに頂点をもつ第1円錐面41、軸線S上でかつ交点Pに近づく(すなわち、入力軸20に近づく)向きに頂点をもつ第2円錐面42、第1円錐面41の外周縁部に隣接して形成され軸線S上でかつ交点Pに近づく向きに頂点をもつ第3円錐面43を有し、それぞれのロータ支軸30に対して回動自在に、かつ、軸線S方向において図1に示す位置から図2に示す位置までの間を往復動自在に支持されており、入力軸20に対しては放射状に配置された状態となっている。
そして、第1円錐面41は、後述する太陽リング70の接触面72と接触し、第2円錐面42は、後述する固定リング90の接触面91と接触し、第3円錐面43は、後述する楔部材111の円錐面111aと接触する。
尚、トラクションロータ40の回転中心線(軸線S)の軸線Lに対する傾斜角度及び第1円錐面41及び第2円錐面42の傾斜角度は、設定する変速比の範囲に応じて適宜選定される。
上記のように、トラクションロータ40(及びロータ支軸30)は、入力軸20に対して放射状に配置されて複数設けられているため、入力軸20周りにおいてバランスの取れた(偏りの無い)トラクション作用が得られ、安定した変速動作が行われる。
スライドスクリュー60は、図1及び図2に示すように、出力軸50と一体的に回転すると共にその軸線L方向に往復動自在に出力軸50に外嵌されるべくキー部51を受け入れるキー溝61aをもつ嵌合孔61、その外周面に形成された例えば二条ネジ等の雄ネジ62、端部に形成されたフランジ部63等を有する。雄ネジ62には、後述する太陽リング70のネジ孔(雌ネジ)71が螺合されている。フランジ部63は、太陽リング70の端部が当接することで、スライドスクリュー60に対する太陽リング70の相対的な回転を規制する。
スライドスクリュー60は、出力軸50の負荷トルクが増加した場合に、太陽リング70を相対的に回転させて軸線L方向の右向き(トラクションロータ40に近づく向き)に移動させ、入力軸20の駆動トルクとバランスするように、第1円錐面41上の接触位置を自動的に変化させるように作用する。
太陽リング70は、図1及び図2に示すように、スライドスクリュー60の雄ネジ62に螺合されたネジ孔71、パラボラ状に形成されその環状外縁において第1円錐面41と接触する円錐環状の接触面72等を有する。そして、太陽リング70は、スライドスクリュー60を介して、出力軸50と一体的に回転すると共に軸線L方向に往復動自在に支持されており、又、前述のように所定の条件下で(出力軸50の負荷トルクが増加すると)スライドスクリュー60に対して相対的に回転して軸線L方向のトラクションロータ40側に向けて移動させられるようになっている。
第1付勢部材としてのコイルバネ80は、出力軸50の周りに配置されたキャップ部材81とハウジング半体12との間に圧縮した状態で収容されて、キャップ部材81を介して、スライドスクリュー60(及び太陽リング70)を軸線L方向の右向きに付勢するようになっている。すなわち、太陽リング70の接触面72が、トラクションロータ40の第1円錐面41に対して、常時接触するように押し付けられている。
固定リング90は、図1及び図2に示すように、トラクションロータ40の第2円錐面42が転がり接触し得る円錐環状の接触面91を有し、ハウジング半体12の壁面と筒状部材12bとにより画定された円筒状の案内溝12c内に収容されて、軸線L回りに回動不能に固定されると共に軸線L方向に移動自在に支持されている。そして、固定リング90は、その中心が太陽リング70及び出力軸40の軸線Lと同軸上に位置すると共に、太陽リング70の径方向外側に配置されている。
すなわち、固定リング90は、出力軸50の軸線L方向(スラスト方向)からトラクションロータ40に接触するように配置されているため、ラジアル方向から接触するように配置する場合に比べて、装置の外径寸法を小さくでき、その分だけ装置を小型化できる。
第2付勢部材としてのコイルバネ100は、案内溝12c内に圧縮した状態で収容され、固定リング90を軸線L方向の右向きに付勢するようになっている。すなわち、固定リング90の接触面91が、トラクションロータ40の第2円錐面42に対して、常時接触するように押し付けられている。
ここで、コイルバネ100の付勢力とコイルバネ80の付勢力とは、同一の軸線L方向から、それぞれ独立してトラクションロータ40に印加されるため、トラクション荷重が確実に得られる。
駆動機構110は、図1及び図2に示すように、入力軸20に外嵌された楔部材111、楔部材111をスライドさせるべく押圧する押圧部材112、その他の機構(不図示)等により形成されている。
楔部材111は、トラクションロータ40の第3円錐面43と接触してくさび作用をなす円錐面111aを有し、入力軸20に対して回動自在にかつその軸線L方向に往復動自在支持されている。
このように、楔部材111は、太陽リング70及び固定リング90と対向(押し付け荷重と拮抗)する反対側からトラクションロータ40に押し付け荷重を及ぼすため、より確実なトラクション荷重が得られる。また、楔部材111は、入力軸20の回りに回転しつつくさび作用を生じるため、トラクションロータ40をロータ支軸30に沿って円滑に移動させることができる。さらに、楔部材111の円錐面111aは、トラクションロータ40の第3円錐面43と接触するため、お互いの相対的な移動(スライド動作)が円滑に行われる。
尚、押圧部材112を駆動する機構としては、ウォームギヤ及びウォームホイール、ウォームホイールの内周に形成された送り雌ネジと噛合すると共に回転が規制されたスライドスクリュー、ウォームギヤを駆動するモータ等を採用し、操作者の操作信号に応じて駆動制御するようにしてもよく、あるいは、ハウジング10の外側に設けら操作者が直接操作するシフトレバー及びその連動機構等を採用してもよい。
次に、上記無段変速装置の動作及び原理について、図3及び図4を参照しつつ説明する。尚、ここでは、入力軸20の所定方向の回転に対して、車両等の前進方向に出力軸50が回転する場合を正回転、後退方向に回転する場合を逆回転として説明する。
先ず、入力軸20が所定の速度で回転すると、トラクションロータ40が固定リング90の接触面91上を転がって回転(自転)しつつ入力軸20と同一方向に同一速度で公転する。
そして、トラクションロータ40の回転トルクが、第1円錐面41と接触する太陽リング70に伝達され、さらに太陽リング70から出力軸50に伝達されるが、太陽リング70(の接触面72)とトラクションロータ40(の第1円錐面41)との接触位置を変化させることで、変速比が連続的に変化する。
そこで、駆動機構110により、トラクションロータ40をロータ支軸30に沿って適宜移動させることにより、トラクションロータ40の第1円錐面41及び第2円錐面42と太陽リング70の接触面72及び固定リング90の接触面91との接触位置が適宜変化し、トラクションロータ40の回転(自転)及び公転(遊星運動)に対する太陽リング70の回転速度及び回転方向が変化し、入力軸20から出力軸50に伝達される回転速度を連続的に変化させる(増減速を伴う正回転、停止、逆回転等を連続的に生じさせる)ことができる。
ここで、トラクションロータ40、太陽リング70、固定リング90の相互関係において、図3に示すように、太陽リング70(の接触面72)が接触する位置での第1円錐面41の回転半径をr、軸線L及び軸線Sの交点Pと固定リング90(の接触面91)と第2円錐面42とが接触する点を通る直線を母線(円錐を画定する直線)Mとし、母線Mと回転半径rを画定する直線Vとの交点における回転半径をRとすると、変速比Δは、Δ=(r−R)/Rで表され(減速比Δ´は、Δ´=R/(r−R)で表され)、このΔ値がプラスの値で出力軸50は正回転し、Δ値がゼロ(Δ´値が無限大)で出力軸50の回転は停止し、Δ値がマイナスの値で出力軸50は逆回転することになる。
例えば、図4(a)に示す状態では、r=r1、R=R1、r1>R1、Δ=R1/(r1−R1)はプラスの値である。このとき、変速比は大きく(減速比は小さく)、入力軸20の回転は正回転で出力軸50に伝達され、r値が小さくなる方向にすなわちトラクションロータ40が交点Pに近づく方向に移動するにしたがって変速比は小さく(減速比は大きく)なる。
そして、図4(b)に示す状態では、r=r2、R=R2、r2=R2、Δ=R2/(r2−R2)はゼロである。このとき、入力軸20の回転は出力軸50に伝達されず、出力軸50は停止した状態となる。すなわち、トラクションロータ40は、固定リング90の接触面91と太陽リング70の接触面72上を転がって、回転(自転)及び公転(遊星)運動を行うだけである。
さらに、図4(c)に示す状態では、r=r3、R=R3、r3<R3、Δ=R3/(r3−R3)はマイナスの値である。このとき、入力軸20の回転は逆回転として出力軸50に伝達される。
このように、トラクションロータ40の位置を適宜移動させるだけで、従来のようなクラッチ機構、逆転ギヤ等を設けることなく、正転、停止、逆転を連続的に生じるように、入力軸20の回転を出力軸50に伝達させることができる。
また、出力軸50の負荷トルクが増加した場合は、太陽リング70とスライドスクリュー60との間に回転差を生じ、太陽リング70に対してスライドスクリュー60が相対的に回転する。そして、スライドスクリュー60は、コイルバネ80を圧縮しつつ太陽リング70をトラクションロータ40に向けて押圧する。
これにより、太陽リング70とトラクションロータ40との接触位置が変化して変速する。この変速動作は、出力軸50に加わる負荷トルクと変速により変動した入力軸20からの駆動トルクとが等しくなる位置でバランスすることになる。このように、出力軸50の負荷トルクが変動しても、変速動作が自動的に行われる。
上記構成の無段変速装置によれば、トラクションドライブ方式に基づいて連続的に変速動作を行えるようにしたことにより、従来のCVTで必要とされたクラッチ機構、逆転切替えギヤ等が不要になり、又、入力軸20と出力軸50とを同軸に配置できるため、小型かつ安価で、騒音の発生がなく、変速レンジを幅広く設定できる無段変速装置が提供される。
上記実施形態においては、入力軸20に対して、3つのロータ支軸30及びトラクションロータ40を放射状に配置して設けたが、これに限定されるものではなく、2つあるいは4つ以上のロータ支軸30及びトラクションロータ40を放射状に配置してもよい。
上記実施形態においては、駆動機構110として、円錐状の楔部材111を採用したが、これに限定されるものではなく、トラクションロータ40をロータ支軸30に沿って移動させるものであれば、その他の駆動機構を採用することができる。
以上述べたように、本発明の無段変速装置は、構造が簡単で、小型かつ安価にでき、しかも騒音等の発生が極力防止され、変速レンジを幅広く設定できるため、二輪車、自動車等の変速装置として適用できるのは勿論のこと、レジャービール等のその他の車両、あるいは、変速装置を必要とする駆動機構等においても好ましく適用することができる。
本発明に係る無段変速装置の一実施形態を示す断面図である。 本発明に係る無段変速装置の一実施形態を示す断面図である。 図1及び図2に示す無段変速装置の模式図である。 (a),(b),(c)は図1及び図2に示す無段変速装置の動作を説明する模式図である。
符号の説明
L 入力軸及び出力軸の軸線
S ロータ支軸の軸線(トラクションロータの往復動方向)
P 軸線Lと軸線Sとの交点
10 ハウジング
12c 案内溝
20 入力軸
21 フランジ部
22 嵌合部
30 ロータ支軸
40 トラクションロータ
41 第1円錐面
42 第2円錐面
43 第3円錐面(外周縁部)
50 出力軸
51 キー部
52 嵌合穴
60 スライドスクリュー
61 嵌合孔
61a キー溝
62 雄ネジ
63 フランジ部
70 太陽リング
71 ネジ孔
72 円錐環状の接触面
80 コイルバネ(第1付勢部材)
81 キャップ部材
90 固定リング
91 円錐環状の接触面
100 コイルバネ(第2付勢部材)
110 駆動機構
111 楔部材
111a 円錐面
112 押圧部材

Claims (9)

  1. 入力軸と一体的に回転すると共に前記入力軸の軸線方向に対して所定の角度をなして伸長するように形成されたロータ支軸と、
    前記ロータ支軸に対して回動及び往復動自在に支持され,かつ,第1円錐面及び第2円錐面をもつトラクションロータと、
    出力軸と一体的に回転すると共に前記出力軸の軸線方向に往復動自在に形成され,かつ,その環状外縁において前記第1円錐面と接触する環状の接触面をもつ太陽リングと、
    前記太陽リングの接触面を前記第1円錐面に向けて付勢する第1付勢部材と、
    前記第2円錐面が転がり接触する環状の接触面を有し,かつ,回動不能に固定された固定リングと、
    前記固定リングの接触面を前記第2円錐面に向けて付勢する第2付勢部材と、
    前記トラクションロータを前記ロータ支軸の軸線方向に移動させる駆動機構と、
    を有する、ことを特徴とする無段変速装置。
  2. 前記ロータ支軸及び前記トラクションロータは、前記入力軸に対して放射状に複数設けられている、
    ことを特徴とする請求項1記載の無段変速装置。
  3. 前記固定リングは、前記太陽リングと同軸上でかつその径方向外側に配置され、
    前記第1付勢部材及び第2付勢部材は、前記出力軸の軸線方向において付勢力を及ぼすように形成されている、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の無段変速装置。
  4. 前記駆動機構は、前記入力軸に対してその軸線方向に往復動自在に支持され,かつ,前記トラクションロータの外周縁部に接触する円錐状の楔部材、を含む、
    ことを特徴とする請求項1ないし3いずれかに記載の無段変速装置。
  5. 前記楔部材は、前記入力軸に対して回動自在に支持されている、
    ことを特徴とする請求項4記載の無段変速装置。
  6. 前記トラクションロータは、前記外周縁部において,前記楔部材の円錐面と接触する第3円錐面を有する、
    ことを特徴とする請求項4又は5に記載に無段変速装置。
  7. 前記第1円錐面は、前記入力軸から遠ざかる向きに頂点をもつように形成され、前記第2円錐面は、前記入力軸に近づく向きに頂点をもつように形成されている、
    ことを特徴とする請求項1ないし6いずれかに記載の無段変速装置。
  8. 前記出力軸と一体的に回転すると共に前記出力軸の軸線方向に往復動自在に形成され,かつ,その外周に雄ネジをもつスライドスクリューを有し、
    前記太陽リングは、前記スライドスクリューに螺合した状態で前記出力軸に支持されている、
    ことを特徴とする請求項1ないし7いずれかに記載の無段変速装置。
  9. 前記入力軸及び出力軸は、同軸上において,相対的に回動自在に連結されている、
    ことを特徴とする請求項1ないし8に記載の無段変速装置。


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