JP2002054705A - 無段変速機 - Google Patents

無段変速機

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JP2002054705A
JP2002054705A JP2000241604A JP2000241604A JP2002054705A JP 2002054705 A JP2002054705 A JP 2002054705A JP 2000241604 A JP2000241604 A JP 2000241604A JP 2000241604 A JP2000241604 A JP 2000241604A JP 2002054705 A JP2002054705 A JP 2002054705A
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pulley
continuously variable
variable transmission
force
reduction gear
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Masaki Kobayashi
昌樹 小林
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Asmo Co Ltd
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Asmo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単かつ小型な構成で駆動出力比を維持可能
で、コストを低減できる無段変速機を得る。 【解決手段】 無段変速機10では、ベルト38の側圧
により入力プーリ16の間隔を拡大する方向の力が作用
し、この力が減速歯車列76の回転力として作用する。
この回転力により従動ヘリカルギヤ72にはスラスト荷
重が作用し、従動ヘリカルギヤ72は抵抗部材82を介
してハウジング14の内壁面に押圧される。このとき、
従動ヘリカルギヤ72に作用するスラスト支持力及び回
転方向の摩擦力が減速歯車列76の回転係止力となり、
入力プーリ16の入力固定シーブ18と入力可動シーブ
20との間隔の拡大が抑止される。これにより、無段変
速機10では、駆動出力比が維持される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無段変速機に係
り、特に、プーリを構成する一対のシーブがモータの駆
動力により軸方向に相対移動されることで駆動出力比が
変化する無段変速機に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、車両に搭載される変速機として
無段階に変速比(駆動出力比)を変化できる無段変速機
が採用されている。このような無段変速機としては、そ
れぞれ固定シーブと可動シーブとを有する2つのプーリ
の一方が駆動軸に連結されると共に他方が出力軸にそれ
ぞれ連結され、これら2つのプーリにベルトが巻き掛け
られたベルト式無段変速機が考案されている。
【0003】ベルト式無段変速機では、可動シーブを固
定シーブに対して接離する方向へ移動させることでシー
ブ間においてベルトが接触する位置(半径)を変化さ
せ、駆動出力比を変化させるようになっている。そし
て、この可動プーリを固定プーリに対して接離する方向
へ移動させる機構として、モータと、これに連結された
歯車列と、回転運動を直線運動に変換して可動プーリを
軸方向へ移動させるスクリュースライダとを備えた変速
機構が考案されている。このような変速機構では、モー
タの駆動力により確実かつ応答性良く無段階に駆動出力
比を変化させることができる。
【0004】ところで、上記のようなベルト式無段変速
機では、ベルトにより可動シーブが固定シーブに対して
離反される方向の力が常に作用するため、一定の駆動出
力比(変速比)を維持する際に可動シーブの移動を阻止
するためのロック手段(例えば、モータやスクリュース
ライダに接続された電磁ブレーキ等)を備える必要があ
った。
【0005】このため、上記のような従来のベルト式無
段変速機では、部品点数が多く、上記のロック手段を収
容するスペースが必要であり、コストも高いという問題
があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事実を
考慮して、簡単かつ小型な構成で駆動出力比を維持可能
で、コストを低減できる無段変速機を得ることが目的で
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1記載の発明に係る無段変速機は、軸方向に相
対移動可能な一対のシーブから成り、駆動軸と同軸的に
設けられると共に当該駆動軸と一体に回転する第1プー
リと、軸方向に相対移動可能な一対のシーブから成り、
出力軸と同軸的に設けられると共に当該出力軸と一体に
回転する第2プーリと、前記第1プーリ及び前記第2プ
ーリに巻き掛けられ、前記駆動軸から前記出力軸へ動力
を伝達するベルトと、正逆回転可能な変速用モータと、
前記変速用モータの回転軸に連結された減速歯車列と、
前記減速歯車列に連結されると共に前記第1プーリ及び
前記第2プーリの一方または双方と連結され、前記減速
歯車列の回転運動を直線運動に変換することで前記第1
プーリを構成する一対のシーブ及び前記第2プーリを構
成する一対のシーブの一方または双方を軸方向に相対移
動させる直動機構と、を備えた無段変速機において、前
記減速歯車列は、互いに噛合う少なくとも一対のはすば
歯車を有し、前記はすば歯車のうち少なくとも一つは、
端面がハウジングの内壁面と対向した状態で当該ハウジ
ングに軸方向の移動可能に軸支された、ことを特徴とし
ている。
【0008】請求項1記載の無段変速機では、変速時に
は正逆回転可能な変速用モータが駆動され、この変速用
モータの回転が減速歯車列に伝達される。減速歯車列が
回転されるとその回転運動が直動機構により直線運動に
変換され、この直線運動により駆動軸に連結された第1
プーリを構成する一対のシーブ及び出力軸に連結された
第2プーリを構成する一対のシーブの一方または双方を
軸方向に相対移動させる。これにより、各プーリのシー
ブ間においてベルトが接触する位置(半径)が変化さ
れ、駆動出力比が変化される(変速が果たされる)。
【0009】一方、この駆動出力比を維持する際には、
各プーリのシーブ間距離を保持する必要がある。軸方向
に相対移動可能な一対のシーブには、シーブ間(プー
リ)に巻き掛けられたベルトにより互いに離反される方
向の力が常に作用しているため、この力が直動機構を介
して減速歯車列の回転力として作用する。
【0010】ここで、減速歯車列は互いに噛合う少なく
とも一対のはすば歯車を有し、このはすば歯車のうち少
なくとも一つは端面がハウジングの内壁面と対向した状
態でハウジングに軸方向の移動可能に軸支されているた
め、この軸方向に移動可能に支持されたはすば歯車が上
記の減速歯車列の回転力に伴うスラスト荷重により軸方
向に移動されハウジング内壁面に押圧される。これによ
り、はすば歯車の軸方向の移動が制限される(はすば歯
車にスラスト支持力が作用する)と共にはすば歯車の端
面とハウジング内壁面との間に上記のスラスト荷重を抗
力とする摩擦力が発生する。このスラスト支持力及び摩
擦力が減速歯車列の回転力に抗する回転係止力として作
用し、直動手段を介して連結されたプーリのシーブ間隔
の拡大が抑止される。
【0011】このため、従来、上記のスラスト荷重を支
持するために備えていた電磁ブレーキ等のロック手段を
不要とすることができ、構造の簡単化及び小型化が図ら
れると共にコストが低減される。
【0012】なお、通常の変速動作によりプーリを構成
するシーブ間隔を広げる(各シーブを互いに離反させる
方向へ相対移動させる)際には、変速用モータにより上
記の回転係止力を超える駆動力が減速歯車列(はすば歯
車)に作用することで変速が果たされる。
【0013】このように、請求項1記載の無段変速機で
は、簡単かつ小型な構成で駆動出力比を維持可能で、コ
ストを低減できる。
【0014】請求項2記載の発明に係る無段変速機は、
請求項1記載の無段変速機において、高摩擦係数材より
成り、前記少なくとも一つのはすば歯車の端面と前記ハ
ウジング内壁面との間に配置された抵抗部材を備えた、
ことを特徴としている。
【0015】請求項2記載の無段変速機では、軸方向に
移動可能に支持されたはすば歯車の端面とハウジング内
壁面との間に抵抗部材を配置したため、上記の減速歯車
列の回転力に伴うスラスト荷重が作用するはすば歯車は
抵抗部材を介してハウジング内壁面に押圧される。
【0016】ここで、抵抗部材が高摩擦係数材より成る
ため、上記の回転係止力の一部としての摩擦力(例え
ば、はすば歯車端面と抵抗部材との摩擦力、抵抗部材と
ハウジング内壁面との摩擦力、及び抵抗部材の内部抵抗
の一部または全部)が増大し、確実にプーリのシーブ間
隔の拡大が抑止される。
【0017】このように、請求項2記載の無段変速機で
は、簡単かつ小型な構成で確実に駆動出力比を維持可能
で、コストを低減できる。
【0018】請求項3記載の発明に係る無段変速機は、
請求項1または請求項2記載の無段変速機において、前
記はすば歯車の一つは、前記変速用モータの回転軸に設
けられた、ことを特徴としている。
【0019】請求項3記載の無段変速機では、減速歯車
列を構成するはすば歯車のうち一つのはすば歯車が変速
用モータの回転軸に設けられたため、すなわち、プーリ
側から見た場合に最も増速された減速歯車列の入力端部
にはすば歯車が配置されたため、上記の回転係止力は減
速歯車に作用する回転力に対して相対的に増大し、一層
確実にプーリのシーブ間隔の拡大が抑止される。
【0020】逆に、通常の変速動作によりプーリのシー
ブ間隔を広げる際の変速用モータによる駆動力(トル
ク)は減少され、変速用モータの負荷が軽減される。
【0021】このように、請求項3記載の無段変速機で
は、簡単かつ小型な構成で一層確実に駆動出力比を維持
可能で、コストを低減できる。
【0022】請求項4記載の発明に係る無段変速機は、
請求項1乃至請求項3の何れか1項記載の無段変速機に
おいて、前記直動機構は、前記減速歯車列との連結軸に
形成された雄ねじと前記雄ねじに螺合され前記雄ねじが
回転されることで直動するスライダとを有し、前記はす
ば歯車は、前記雄ねじのリード角より大きいねじれ角を
有する、ことを特徴としている。
【0023】請求項4記載の無段変速機では、変速時に
は減速歯車列に連結された雄ねじが回転され、この回転
運動により雄ねじに螺合されたスライダが軸方向に送ら
れる(直動される)ことで一対のシーブが軸方向に相対
移動される。
【0024】一方、駆動出力比を維持する際には、軸方
向に相対移動可能な一対のシーブには、シーブ間(プー
リ)に巻き掛けられたベルトにより互いに離反される方
向の力が常に作用しているため、この力がスライダ及び
雄ねじを介して減速歯車列の回転力として作用する。
【0025】ここで、減速歯車列を構成する少なくとも
一対のはすば歯車は雄ねじのリード角より大きいねじれ
角を有すると共に雄ねじに対して等速または増速される
構成であるため、雄ねじのリード角(このリード角に比
例する減速歯車列の回転力)に拘わらず、はすば歯車に
作用するスラスト荷重(上記のスラスト支持力及び摩擦
力の抗力)が減速歯車列の回転力に抗するのに十分大き
くされ、より一層確実にプーリのシーブ間隔の拡大が抑
止される。
【0026】このように、請求項4記載の無段変速機で
は、簡単かつ小型な構成でより一層確実に駆動出力比を
維持可能で、コストを低減できる。
【0027】
【発明の実施の形態】本実施の形態に係る無段変速機1
0について図1乃至図3に基づいて説明する。図1に
は、本発明の実施の形態に係る無段変速機10の概略構
成が断面図によって示されている。
【0028】無段変速機10は駆動軸12を備えてい
る。駆動軸12は、ハウジング14に設けられた図示し
ない軸受により支持され、例えば、自動車用エンジン等
の原動機に接続されている。この駆動軸12のハウジン
グ14内の端部には、第1プーリとしての入力プーリ1
6が設けられている。
【0029】入力プーリ16は、入力固定シーブ18と
入力可動シーブ20とを備えて構成されている。入力固
定シーブ18は、略円錐台状に形成され、駆動軸12に
固定されている。一方、入力可動シーブ20は、略円錐
台状に形成され、リニアベアリング22を介して駆動軸
12に嵌合されると共に小径側が入力固定シーブ18の
小径側と対向配置されている。これにより、入力可動シ
ーブ20は、駆動軸12に沿って入力固定シーブ18と
接離する方向に移動可能となっている。また、駆動軸1
2の軸端には、ストッパ24が入力可動シーブ20と当
接可能に固定配置されており、所定量以上の入力可動シ
ーブ20の移動を制限するようになっている。
【0030】また、無段変速機10は出力軸26を備え
ている。出力軸26は、ハウジング14に設けられた図
示しない軸受により支持され、例えば、自動車用ディフ
ァレンシャルギヤに接続されている。この出力軸26の
ハウジング14内の端部には、第2プーリとしての出力
プーリ28が設けられている。
【0031】出力プーリ28は、出力固定シーブ30と
出力可動シーブ32とを備えて構成されている。出力固
定シーブ30は、略円錐台状に形成され、出力軸26に
固定されている。一方、出力可動シーブ32は、略円錐
台状に形成され、リニアベアリング34を介して出力軸
26に嵌合されると共に小径側が出力固定シーブ30の
小径側と対向配置されている。これにより、出力可動シ
ーブ32は、出力軸26に沿って出力固定シーブ30と
接離する方向に移動可能となっている。また、出力軸2
6の軸端には、ストッパ36が出力可動シーブ32と当
接可能に固定配置されており、所定量以上の出力可動シ
ーブ32の移動を制限するようになっている。
【0032】入力プーリ16及び出力プーリ28には、
ベルト38が巻き掛けられている。このベルト38が入
力固定シーブ18と入力可動シーブ20との間及び出力
固定シーブ30と出力可動シーブ32との間で挟持され
ながら入力プーリ16に駆動されると共に出力プーリ2
8を駆動することで駆動軸12の動力を出力軸26へ伝
達する構成となっている。
【0033】さらに、入力可動シーブ20及び出力可動
シーブ32の軸方向端部にはそれぞれベアリング40、
50の外輪が接続され、このベアリング40、50の内
輪には直動機構としてのスクリュースライダ42、52
がそれぞれ接続されている。
【0034】スクリュースライダ42は、スライダ44
を備えている。スライダ44は、駆動軸12の軸線に沿
った円筒状とされ、外周部がベアリング40の内輪に接
続されると共に内周部に雌ねじが形成されている。この
スライダ44の雌ねじには、外周部に雄ねじが形成され
たスクリューシャフト46が複数のボール48を介して
螺合されている。すなわち、スクリュースライダ42
は、所謂ボールスクリュー構造とされている。この構造
によりスクリューシャフト46の回転とスライダ44の
直動との間における摩擦抵抗が非常に小さい構成となっ
ている。
【0035】また、スライダ44には図示しない回り止
めが接続されスクリューシャフト46の回転に伴うスラ
イダ44の回転が防止されると共に、ベアリング40に
より入力可動シーブ20の駆動軸12周りの回転が絶縁
されるようになっている。これにより、スクリュースラ
イダ42は、スクリューシャフト46を回転させること
でその回転方向に応じて入力可動シーブ20を入力固定
シーブ18に対して接離させる(入力プーリ16の間隔
を変える)構成となっている。
【0036】一方、スクリュースライダ52は、スクリ
ュースライダ42と同様の構成(寸法)とされている。
このスクリュースライダ52は、スライダ54を備えて
いる。スライダ54は、出力軸26の軸線に沿った円筒
状とされ、外周部がベアリング50の内輪に接続される
と共に内周部に雌ねじが形成されている。このスライダ
54の雌ねじには、外周部に雄ねじが形成されたスクリ
ューシャフト56が複数のボール58を介して螺合され
ている。すなわち、スクリュースライダ52は、所謂ボ
ールスクリューと構成されている。この構造によりスク
リューシャフト56の回転とスライダ54の直動との間
における摩擦抵抗が非常に小さい構成となっている。
【0037】また、スライダ54には図示しない回り止
めが接続されスクリューシャフト56の回転に伴うスラ
イダ54の回転が防止されると共に、ベアリング50に
より出力可動シーブ32の出力軸26周りの回転が絶縁
されるようになっている。これにより、スクリュースラ
イダ52は、スクリューシャフト56を回転させること
でその回転方向に応じて出力可動シーブ32を入力固定
シーブ30に対して接離させる(出力プーリ28の間隔
を変える)構成となっている。
【0038】さらに、出力プーリ28及びスクリュース
ライダ52は、それぞれ入力プーリ16及びスクリュー
スライダ42に対して反対向きに配置されている。これ
により、スクリューシャフト46、56が同一方向から
見て同方向に回転する場合の入力可動シーブ20の入力
固定シーブ18に対する接離方向と出力可動シーブ32
の出力固定シーブ30に対する接離方向とが逆になるよ
うに構成されている。すなわち、入力プーリ16の間隔
が拡大される際には出力プーリ28の間隔が縮小され、
入力プーリ16の間隔が縮小される際には出力プーリ2
8の間隔が拡大される構成となっている。このため、幅
広い駆動出力比が得られると共にベルト38の伸縮が防
止される(ベルト38に作用する圧縮力または張力が一
定となる)ようになっている。
【0039】上記のスクリューシャフト46、56の一
端部には、それぞれ大ギヤ60、62が固定して接続さ
れている。大ギヤ60と大ギヤ62とは、それぞれ外周
部に同数の平行歯を有し、連結シャフト64の両端部に
設けられた連結ギヤ66、68とそれぞれ噛み合うこと
で等速で同一方向から見て同方向に回転するようになっ
ている。
【0040】また、大ギヤ62には、小ギヤ70が噛合
っている。この小ギヤ70は従動ヘリカルギヤ72と同
軸的に一体に形成されている。さらに、従動ヘリカルギ
ヤ72には、駆動ヘリカルギヤ74が噛み合っている。
これらの大ギヤ60、小ギヤ70、従動ヘリカルギヤ7
2、駆動ヘリカルギヤ74が減速歯車列76を構成して
いる。
【0041】図2に詳細に示される如く、小ギヤ70と
従動ヘリカルギヤ72とは共通の軸孔78を備えてい
る。この軸孔78には、両端部をハウジング14に固定
された支持軸80が挿通され、小ギヤ70と従動ヘリカ
ルギヤ72とは支持軸80により摺動回転自在かつ軸方
向への移動可能に支持されている。
【0042】また、小ギヤ70及び従動ヘリカルギヤ7
2のそれぞれハウジング14と対向する端面には、抵抗
部材82、84が設けられている。抵抗部材82、84
は、それぞれ高摩擦係数材により有孔の円板状に形成さ
れ、支持軸80を挿通した状態で小ギヤ70の端面、従
動ヘリカルギヤ72の端面にそれぞれ固定されている。
さらに、この状態では、抵抗部材82、84とハウジン
グ14の内壁面との隙間が微小となっている。
【0043】さらに、図3に示される如く、従動ヘリカ
ルギヤ72及び駆動ヘリカルギヤ74のねじれ角θ2
は、スクリューシャフト46、56のリード角θ1より
大きく設定されている。
【0044】また、図1に示される如く、駆動ヘリカル
ギヤ74は、変速用モータ86の回転軸に固定されてい
る。この変速用モータ86は、ハウジング14に固定さ
れると共に駆動回路88と電気的に接続され、駆動回路
88から入力される駆動信号に基づいて正逆回転可能と
されている。
【0045】これにより、変速用モータ86の回転は、
減速歯車列76を介してスクリュースライダ42へ伝達
されると共に、さらに連結シャフト64及び大ギヤ62
を介してスクリュースライダ52へ伝達される構成とな
っている。なお、本実施の形態では、変速用モータ86
が正回転した際には、入力可動シーブ20が入力固定シ
ーブ18に対して近接すると共に出力可動シーブ32が
出力固定シーブ30に対して離反するようになってい
る。また、変速用モータ86が逆回転した際には入力可
動シーブ20が入力固定シーブ18に対して離反すると
共に出力可動シーブ32が出力固定シーブ30に対して
近接するようになっている。
【0046】次に、本実施の形態の作用について説明す
る。
【0047】上記の実施の形態に係る無段変速機10で
は、変速時には正逆回転可能な変速用モータ86が駆動
回路88により駆動される。変速用モータ86が正回転
されると、この回転が減速歯車列76へ伝達される。減
速歯車列76が回転されると、その回転運動がスクリュ
ースライダ42により直線運動に変換され入力可動シー
ブ20が入力固定シーブ18に対して近接される。ま
た、減速歯車列76の回転は、この回転が連結シャフト
64及び大ギヤ62を介して伝達されたスクリュースラ
イダ52により直線運動に変換され出力可動シーブ32
が出力固定シーブ30に対して離反される。これによ
り、入力プーリ16ではその間隔が縮小されベルト38
を半径方向外側で狭持すると共に出力プーリ28ではそ
の間隔が拡大されベルト38を半径方向内側で狭持し、
出力軸26は駆動軸12に対して増速(変速前と比し
て)される。
【0048】また、変速用モータ86が逆回転される
と、上記の正回転の場合とは反対に、入力プーリ16で
はその間隔が拡大されベルト38を半径方向内側で狭持
すると共に出力プーリ28ではその間隔が縮小されベル
ト38を半径方向外側で狭持し、出力軸26は駆動軸1
2に対して減速(変速前と比して)される。
【0049】一方、無段変速機10の駆動出力比を維持
する際には、入力プーリ16及び出力プーリ28の間隔
を保持する必要がある。入力プーリ16及び出力プーリ
28にはベルト38の側圧が常に作用しており、この側
圧が入力プーリ16及び出力プーリ28の間隔を拡大す
る方向の力(側圧とベルト38が接触する面積との積)
として作用している。さらに、この力はスクリュースラ
イダ42、52を介して減速歯車列76の回転力として
作用するが、入力プーリ16の間隔を拡大する方向に対
応する減速歯車列76の回転方向(変速用モータ86の
逆回転に対応する方向)と出力プーリ28の間隔を拡大
する方向に対応する減速歯車列76の回転方向(変速用
モータ86の正回転に対応する方向)とは反対方向であ
るため、減速歯車列76には、ベルト38との接触面積
が大きい方のプーリ(入力プーリ16及び出力プーリ2
8のうち、ベルト38を径方向外側に狭持している方の
プーリ)の間隔を拡大する方向に対応する回転方向の回
転力が作用する。すなわち、無段変速機10が増速状態
の際には減速歯車列76には変速用モータ86の逆回転
に対応する方向の回転力が作用し、無段変速機10が減
速状態の際には減速歯車列76には変速用モータ86の
正回転に対応する方向の回転力が作用する。
【0050】ここで、減速歯車列76を構成する従動ヘ
リカルギヤ72は、支持軸80により軸方向の移動可能
に支持されているため、上記の減速歯車列76の回転力
に伴うスラスト荷重により軸方向に移動され、ハウジン
グ14の内壁面に押圧される。すなわち、無段変速機1
0が増速状態の際には従動ヘリカルギヤ72は抵抗部材
82(小ギヤ70)を介してハウジング14の内壁面に
押圧され、無段変速機10が減速状態の際には従動ヘリ
カルギヤ72は抵抗部材84を介してハウジング14の
内壁面に押圧される。
【0051】これにより、例えば、無段変速機10が増
速状態の場合には、従動ヘリカルギヤ72の軸方向(図
2の右方向)の移動が制限され従動ヘリカルギヤ72に
スラスト支持力が作用すると共に、従動ヘリカルギヤ7
2の端面に固定された抵抗部材82とハウジング14の
内壁面との間に上記のスラスト荷重を抗力とする摩擦力
が発生する。このスラスト支持力及び摩擦力が減速歯車
列76の回転力に抗する回転係止力として作用する。
【0052】また、抵抗部材82、84は、高摩擦係数
材により形成されているため、上記の回転係止力の一部
としての摩擦力は増大する。
【0053】さらに、駆動ヘリカルギヤ74が変速用モ
ータ86の回転軸に接続されているため、すなわち、入
力プーリ16及び出力プーリ28側から見た場合に最も
増速された減速歯車列76の入力端部に従動ヘリカルギ
ヤ72及び駆動ヘリカルギヤ74が配置されたため、上
記の回転係止力は減速歯車76に作用する回転力に対し
て相対的に増大する。
【0054】さらにまた、従動ヘリカルギヤ72及び駆
動ヘリカルギヤ74のねじれ角θ2がスクリューシャフ
ト46、56の外周部に形成された雄ねじのリード角θ
1より大きく設定されると共に従動ヘリカルギヤ72が
スクリューシャフト46、56に対して増速される構成
であるため、従動ヘリカルギヤ72に作用するスラスト
荷重(上記のスラスト支持力及び摩擦力の抗力)が大き
くされ、雄ねじのリード角θ1の大きさ(θ1に比例す
る減速歯車列76の回転力)に拘わらず上記の回転係止
力が減速歯車列76の回転力に抗するのに十分大きくさ
れる。
【0055】以上の回転係止力により、無段変速機10
では、駆動出力比を維持する際の減速歯車列76の回転
が抑止され、スクリュースライダ42、52に連結され
た入力プーリ16、出力プーリ28の間隔の拡大が確実
に抑止される。すなわち、入力可動シーブ20の入力固
定シーブ18に対する距離(位置)及び出力可動シーブ
32の出力固定シーブ30に対する距離が保持され、所
定の駆動出力比が維持される。
【0056】このため、従来、上記の減速歯車列76の
回転力を支持するために備えていた電磁ブレーキ等のロ
ック手段を不要とすることができ、構造の簡単化及び小
型化が図られると共にコストが低減される。
【0057】なお、通常の変速の際にも、従動ヘリカル
ギヤ72はスラスト荷重により抵抗部材82または抵抗
部材84を介してハウジング14の内壁面に押圧される
が、変速用モータ86により上記の回転係止力を超える
駆動力が減速歯車列76(従動ヘリカルギヤ72)に作
用することで変速が果たされる。また、従動ヘリカルギ
ヤ72が減速歯車列76の入力端側に配置されているた
め、変速用モータ86に作用する上記の回転係止力は相
対的に小さく、変速用モータ86の負荷が軽減される。
【0058】このように、本実施の形態に係る無段変速
機10では、簡単かつ小型な構成で駆動出力比を維持可
能で、コストを低減できる。
【0059】なお、上記の実施の形態では、入力プーリ
16及び出力プーリ28の双方に直動機構としてのスク
リュースライダ42、52を接続する構成としたが、本
発明はこれに限定されず、例えば、入力プーリ16及び
出力プーリ28の一方にスクリュースライダ42を接続
すると共に他方にはプーリ間隔を縮小する方向に可動シ
ーブ(入力可動シーブ20または出力可動シーブ32)
を付勢するばね等を接続した構成としても良い。また、
スクリュースライダ42、52は、ボールスクリュー構
造に限定されることはなく、例えば、スライダ44の雌
ねじとスクリューシャフト46の雄ねじとが直接噛合う
構成としてもよい。
【0060】また、上記の実施の形態では、変速用モー
タ86の回転軸に駆動ヘリカルギヤ74を固定した構成
としたが、本発明はこれに限定されず、駆動ヘリカルギ
ヤ74及び従動ヘリカルギヤ72は減速歯車列76の適
宜位置に配置することができる。さらに、ヘリカルギヤ
の枚数にも制限はなく、減速歯車列76を全てヘリカル
ギヤで構成しても良い。さらにまた、上記の実施の形態
では、減速歯車列76が2段減速する構成としたが、本
発明はこれに限定されず、例えば、1段減速であっても
3段以上の減速であっても良い。
【0061】さらに、上記の実施の形態では、抵抗部材
84、82は従動ヘリカルギヤ72、小ギヤ70の端面
に固定配置する構成としたが、本発明はこれに限定され
ず、例えば、抵抗部材84、82はハウジング14内壁
面に固定配置されても良く、従動ヘリカルギヤ72の端
面とハウジング14内壁面との間に支持軸80周りの回
転自在に配置されても良い。
【0062】さらにまた、上記の実施の形態では、従動
ヘリカルギヤ72及び駆動ヘリカルギヤ74のねじれ角
θ2がスクリューシャフト46、56の外周部に形成さ
れた雄ねじのリード角θ1より大きく設定された構成と
したが、本発明はこれに限定されず、例えば、減速歯車
列76の減速比を考慮してねじれ角θ2を適宜設定する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る無段変速機10の全体構成
を示す概略断面図である。
【図2】本実施の形態に係る無段変速機10を構成する
ヘリカルギヤの支持部を示す概略断面図である。
【図3】(A)は本実施の形態に係る無段変速機10を
構成するスクリューシャフトのリード角を示す正面図、
(B)は本実施の形態に係る無段変速機10を構成する
一対のヘリカルギヤのねじれ角を示す正面図である。
【符号の説明】
10 無段変速機 12 駆動軸 14 ハウジング 16 入力プーリ(第1プーリ) 18 入力固定シーブ(一対のシーブ) 20 入力可動シーブ(一対のシーブ) 26 出力軸 28 出力プーリ(第2プーリ) 30 出力固定シーブ(一対のシーブ) 32 出力可動シーブ(一対のシーブ) 38 ベルト 42 スクリュースライダ(直動機構) 44 スライダ 46 スクリューシャフト(雄ねじ) 52 スクリュースライダ(直動機構) 54 スライダ 56 スクリューシャフト(雄ねじ) 72 従動ヘリカルギヤ(はすば歯車) 74 駆動ヘリカルギヤ(はすば歯車) 76 減速歯車列 82 抵抗部材 84 抵抗部材 86 変速用モータ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸方向に相対移動可能な一対のシーブか
    ら成り、駆動軸と同軸的に設けられると共に当該駆動軸
    と一体に回転する第1プーリと、 軸方向に相対移動可能な一対のシーブから成り、出力軸
    と同軸的に設けられると共に当該出力軸と一体に回転す
    る第2プーリと、 前記第1プーリ及び前記第2プーリに巻き掛けられ、前
    記駆動軸から前記出力軸へ動力を伝達するベルトと、 正逆回転可能な変速用モータと、 前記変速用モータの回転軸に連結された減速歯車列と、 前記減速歯車列に連結されると共に前記第1プーリ及び
    前記第2プーリの一方または双方と連結され、前記減速
    歯車列の回転運動を直線運動に変換することで前記第1
    プーリを構成する一対のシーブ及び前記第2プーリを構
    成する一対のシーブの一方または双方を軸方向に相対移
    動させる直動機構と、 を備えた無段変速機において、 前記減速歯車列は、互いに噛合う少なくとも一対のはす
    ば歯車を有し、 前記はすば歯車のうち少なくとも一つは、端面がハウジ
    ングの内壁面と対向した状態で当該ハウジングに軸方向
    の移動可能に軸支された、 ことを特徴とする無段変速機。
  2. 【請求項2】 高摩擦係数材より成り、前記少なくとも
    一つのはすば歯車の端面と前記ハウジング内壁面との間
    に配置された抵抗部材を備えた、ことを特徴とする請求
    項1記載の無段変速機。
  3. 【請求項3】 前記はすば歯車の一つは、前記変速用モ
    ータの回転軸に設けられた、ことを特徴とする請求項1
    または請求項2記載の無段変速機。
  4. 【請求項4】 前記直動機構は、前記減速歯車列との連
    結軸に形成された雄ねじと前記雄ねじに螺合され前記雄
    ねじが回転されることで直動するスライダとを有し、 前記はすば歯車は、前記雄ねじのリード角より大きいね
    じれ角を有する、 ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項記
    載の無段変速機。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1840417A1 (en) * 2006-03-28 2007-10-03 HONDA MOTOR CO., Ltd. Power Unit
WO2020020136A1 (zh) * 2018-07-25 2020-01-30 重庆宗申无级变速传动有限公司 一种三轴调速的锥盘式无级变速器

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