JP2020128777A - 無段変速機 - Google Patents

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Hiroaki Tokunaga
寛哲 徳永
幸宏 西尾
Yukihiro Nishio
幸宏 西尾
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Abstract

【課題】軽量・コンパクトで低コストのフルトロイダル型無段変速機を提供する。【解決手段】互いに独立して回転する入力ディスク3と出力ディスク4の間に配置された複数のパワーローラ5が傾動するのに伴って両ディスク3,4の回転速度比が変化する無段変速機1である。この変速機1は、全てのパワーローラ5を傾動可能に支持した状態で入力軸2に対して回転自在に支持された環状支持体30と、この環状支持体30を入力軸2の軸線X1回りに回転駆動させる単一の駆動装置40とを備える。環状支持体30が回転駆動された時にパワーローラ5を所定の軌道に沿って案内移動させるガイド機構50を、パワーローラ5を回転自在に支持したキャリッジ8に連結する。【選択図】図2

Description

本発明は、変速比を連続的に変化させることのできる無段変速機に関し、特にフルトロイダル型の無段変速機に関する。
変速比を連続的に変化させることのできる変速機(無段変速機)として、図8に模式的に示すようなフルトロイダル型が公知である。同図に示す無段変速機100は、軸方向に離間して同軸配置された入力ディスク101および出力ディスク102と、互いに対向する入力ディスク101の環状軌道面101aと出力ディスク102の環状軌道面102aとで画成されるキャビティ106内に配置された複数(例えば3つ)のパワーローラ103と、入力ディスク101を出力ディスク102側に押圧する押圧装置104と、エンジン等の回転駆動源の出力を受けて回転する入力軸105とを備える。
入力ディスク101は、スプライン嵌合等により、軸方向にスライド移動可能な状態で入力軸105と一体回転可能に連結されている。そのため、押圧装置104によって入力ディスク101が出力ディスク102側に押圧された状態で入力軸105が回転すると、そのトルクが入力ディスク101およびパワーローラ103を介して出力ディスク102に伝達される。出力ディスク102は、入力ディスク101とは独立して回転可能であり、パワーローラ103を介して入力されたトルクを出力機構部107に出力する。図示例の出力機構部107は、出力ディスク102と一体回転可能に設けられた第1ギヤ108aと、出力軸109と一体回転可能に設けられ、第1ギヤ108aと噛み合った第2ギヤ108bとを備える。
図8のC−C線矢視断面図である図9に示すように、各パワーローラ103は、その中心孔に嵌合された支持軸111の両端に設けられた軸受112,112を介してキャリッジ113の一端に回転自在に支持されている。キャリッジ113の他端は、ロッド114および球面継手115を介して油圧シリンダ等の駆動装置(パワーローラ駆動装置)110の出力端に三自由度の傾動が可能な状態で接続されている。
図10に示すように、パワーローラ駆動装置110は、通常、キャリッジ113(キャリッジ113に支持されたパワーローラ103)の傾動の向きを規制するために、入力軸105の軸線に直交する直交面Pに対して所定のキャスタ角αをなすように配置される。そして、パワーローラ103を支持したキャリッジ113がパワーローラ駆動装置110の出力を受けて所定の位置に移動すると、パワーローラ103が傾動し、パワーローラ103と入力ディスク101の接触半径に対するパワーローラ103と出力ディスク102の接触半径の比が変化する。この接触半径比の変化により、所望の変速比が得られる。
以上で説明した無段変速機100は、キャビティ106を画成する入力ディスク101および出力ディスク102の組が一つ設けられたいわゆるシングルキャビティ型であるが、入力ディスク101および出力ディスク102の組(キャビティ106)が二つ設けられたいわゆるダブルキャビティ型もある。上記同様の構成を有するダブルキャビティ型の無段変速機は、例えば特表2011−517483号公報(特許文献1)に概念的に開示されている。
特表2011−517483号公報
図8に示す無段変速機100では、パワーローラ103を回転自在に支持したキャリッジ113のそれぞれにパワーローラ駆動装置110が接続されているため、変速機全体の大型化・重量化が避けられない。変速機が大型化・重量化すると、取り扱い性が低下する、車両への搭載性が低下する(搭載可能な車両が限定的になる)、車両の燃費が悪化する、などといった問題が生じる。また、パワーローラ駆動装置110を駆動するには、パワーローラ駆動装置110とその駆動源とを配管や配線を介して接続する必要がある。そのため、キャリッジ113のそれぞれにパワーローラ駆動装置110を接続した従来構成では、多大な部品点数や組立工数が必要であることによる高コスト化も懸念される。
そこで、本発明は、複数のパワーローラを介して入力ディスクと出力ディスクの間でトルク伝達が行われる無段変速機(フルトロイダル型の無段変速機)において、その軽量・コンパクト化および低コスト化を実現することを目的とする。
上記の目的を達成するために創案された本発明は、入力軸とともに回転する入力ディスクと、入力ディスクとは独立して回転する出力ディスクと、互いに対向する入力ディスクの環状軌道面と出力ディスクの環状軌道面の間のキャビティ内に配置されて両ディスク間でトルクを伝達する複数のパワーローラと、それぞれがパワーローラを回転自在に支持した複数のキャリッジとを備え、パワーローラが傾動するのに伴って入力ディスクと出力ディスクの回転速度比が変化する無段変速機において、入力ディスクと出力ディスクの間に配置され、全てのパワーローラを傾動可能に支持した状態で入力軸に対して回転自在に支持された環状支持体と、この環状支持体を入力軸の軸線回りに回転駆動させる単一の駆動装置と、をさらに備え、環状支持体が回転駆動された時に、パワーローラを所定の軌道に沿って案内移動させるガイド機構を各キャリッジに連結したことを特徴とする。
上記構成を有する本発明に係る無段変速機は、図8〜10を参照して説明した従来の変速機100におけるパワーローラ駆動装置110の全てを、パワーローラを所定の軌道に沿って案内移動させるためのガイド機構に置換すると共に、全てのパワーローラを一体的に移動させ得る駆動機構(環状支持体およびこれを回転駆動させる単一の駆動装置)を別途設けた構成に相当する。各ガイド機構は、パワーローラ(およびこれを回転自在に支持したキャリッジ)を所定の軌道に沿って案内移動させる機能を有していれば足り、また、環状支持体は、全てのパワーローラを傾動可能に支持した状態で入力軸の軸線回りに回転自在であれば足りるので、パワーローラ103を回転自在に支持したキャリッジ113のそれぞれにロッド114および球面継手115を介してパワーローラ駆動装置110を連結していた従来構成(図8,9参照)に比べ、変速機全体を軽量・コンパクト化することができる。また、駆動装置を一つにすれば、駆動装置を駆動するための駆動源に対する配管や配線等を簡略化できることに加え、無段変速機の駆動制御を容易化することもできるので、無段変速機を大幅に低コスト化することができる。
ガイド機構は、キャリッジを回転自在に支持した状態で上記所定の軌道に沿って移動するキャリッジ支持部材と、キャリッジ支持部材の移動を案内するガイドピンとを有するものとすることができる。このとき、キャリッジおよびこれを回転自在に支持したキャリッジ支持部材を入力軸の軸線と直交する面に対して所定のキャスタ角をなす傾斜軸方向に沿って配置しておけば、キャリッジおよびキャリッジ支持部材の傾動の向きを規制することができるので、所望の変速動作を正確に実現することができる。また、ガイドピンが、上記傾斜軸に対して直交する方向に沿って延び、入力ディスク又は出力ディスクの外径側に隣接配置されていれば、入力ディスク又は出力ディスクの外径側へのガイド機構の突出量を抑えることができるので、ガイド機構、ひいては無段変速機のコンパクト化に寄与することができる。
パワーローラの移動時におけるガイド機構のスムーズな作動性を担保するため、ガイドピンに沿って案内移動するキャリッジ支持部材は、ガイドピンに対して上記傾斜軸とガイドピンの軸線の交点を中心として揺動可能であるのが好ましい。係る構成は、例えば、ガイドピンの軸方向に離間した二箇所に固定した弾性部材でキャリッジ支持部材を挟持することにより、あるいは、ガイドピンの軸方向に離間した二箇所に凸球面を有する揺動支持部材を固定し、二つの上記凸球面でキャリッジ支持部材を挟持することにより実現することができる。
以上の構成において、環状支持体は、例えば、入力軸と同軸に配置された環状部材と、パワーローラを傾動可能に支持した状態で環状部材と一体回転する傾動支持部とを備え、環状部材に駆動装置の出力が入力されることで回転駆動されるものとすることができる。環状部材としては、パワーローラの内径側および外径側にそれぞれ配置された内環状部材および外環状部材を設けることができ、このとき、駆動装置の出力は外環状部材に入力されるように構成することができる。
以上から、本発明によれば、軽量・コンパクトで、しかも低コストでありながら、動作精度に優れた無段変速機(フルトロイダル型の無段変速機)を実現することができる。
本発明の一実施形態に係る無段変速機の概略縦断面図である。 図1のA−A線矢視断面図である。 図2のB−B線矢視断面図である。 ガイド機構に連結されたローラアセンブリの斜視図である。 キャリッジ支持部材に設けられる長孔の形状を説明するための図である。 本発明の他の実施形態に係る無段変速機の断面図である。 本発明の他の実施形態に係る無段変速機の斜視図であって、ダブルキャビティ型の無段変速機の斜視図である。 従来の無段変速機の概略縦断面図である。 図8のC−C線矢視断面図である。 入力ディスクおよび出力ディスクとパワーローラの配置態様を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る無段変速機1の概略縦断面図であり、図2は、図1のA−A線矢視断面図であり、図3は、図2のB−B線矢視断面図である。図1〜図3に示す無段変速機1はいわゆるフルトロイダル型であり、基本的な構成として、図示しないエンジン等の回転駆動源の出力を受けて回転する入力軸2と、入力軸2に外嵌された穴開き円盤状の入力ディスク3および出力ディスク4と、両ディスク3,4間に配置され、両ディスク3,4間でトルクを伝達する複数(ここでは三つ。図2参照)のパワーローラ5と、出力ディスク4の出力を変速機1外部に出力する出力軸7とを備える。詳細は後述するが、パワーローラ5は、これを回転自在に支持したキャリッジ8などと共にローラアセンブリ9(図4参照)を構成する。
無段変速機1は、さらに、入力ディスク3と出力ディスク4を相対的に接近移動させる押圧装置13と、出力ディスク4の出力を入力軸2と平行に配置された出力軸7に伝達する動力伝達機構20と、全てのパワーローラ5(ローラアセンブリ9)を傾動可能に支持した状態で入力軸2に対して回転自在に支持された環状支持体30と、環状支持体30を入力軸2の軸線X1回りに回転駆動させる単一の駆動装置40(図2参照)と、パワーロ
ーラ5を回転自在に支持したキャリッジ8のそれぞれに連結されたガイド機構50(図2,3参照)とを備える。
入力軸2は、その軸方向一方側(図1の紙面右側。以下同様。)および他方側(図1の紙面左側。以下同様。)の端部付近にそれぞれ配置された転がり軸受11,12によって図示しない無段変速機1の筐体に対して回転自在に支持されている。
入力ディスク3の軸方向他方側の端面には、軸方向一方側に凹んだ断面円弧状の環状軌道面3aが設けられ、出力ディスク4の軸方向一方側の端面には、軸方向他方側に凹んだ断面円弧状の環状軌道面4aが設けられている。両軌道面3a,4aは互いに対向し、計三つのパワーローラ5を収容したキャビティ6を画成している。入力ディスク3の内径面には、入力軸2の外径面に設けられた雄スプライン2aと嵌合した雌スプライン3bが形成されている。そのため、入力ディスク3は、入力軸2に沿ってスライド移動可能な状態で入力軸2と一体回転可能に連結されている。一方、出力ディスク4は、入力軸2と一体回転可能に連結されておらず、入力ディスク3とは独立して回転する。
押圧装置13は、転がり軸受11と入力ディスク3の間に配設されており、軸方向一方側から他方側に向けて順に配設されたテーパリング14、楔部材15および皿ばね16を備える。テーパリング14は、適宜の手段(例えばねじ締結)で入力軸2に固定されており、その軸方向他方側の端面は外径側から内径側に向かうにつれて入力ディスク3に接近したテーパ面14aに形成されている。楔部材15は、上記テーパ面14aと係合するテーパ面15aを有する。そのため、図示例のように、テーパリング14と皿ばね16との間に楔部材15を打ち込むと、皿ばね16が入力ディスク3を出力ディスク4側に押圧する。これにより、キャビティ6内に配置されたパワーローラ5は、入力ディスク3と出力ディスク4とで挟持される。このように、パワーローラ5が両ディスク3,4に挟持された状態で入力軸2が回転すると、そのトルクが入力ディスク3およびパワーローラ5を介して出力ディスク4に伝達され、出力ディスク4が回転する。出力ディスク4が回転すると、そのトルクが動力伝達機構20を介して出力軸7に伝達される。パワーローラ5は、作動油としてのトラクションオイルの油膜を介して両軌道面3a,4aと接触し、両ディスク3,4間でトルクを伝達する。
上記の押圧装置13はあくまでも一例であり、これに替えて、例えば、油圧アクチュエータ、エアアクチュエータ又は電動アクチュエータなどの直動アクチュエータやカム機構等、押圧力を随時調整可能なものを採用することもできる。また、押圧装置13は、入力ディスク3ではなく、出力ディスク4を押圧するように配置することもできる。
動力伝達機構20は、出力ディスク4と一体回転する第1ギヤ21と、第1ギヤ21を入力軸2に対して回転自在に支持する転がり軸受22と、無段変速機1の駆動時に出力ディスク3に作用する軸方向荷重を支持するスラスト軸受23と、出力軸7の外周に固定され、第1ギヤ21と噛み合った第2ギヤ24とを備える。出力軸7は、第2ギヤ24の軸方向両側に配置された転がり軸受25,26により無段変速機1の筐体に対して回転自在に支持されている。
図1および図2に示すように、環状支持体30は、入力ディスク3と出力ディスク4の間に入力軸2と同軸に配置された環状部材としての内環状部材31および外環状部材32と、パワーローラ5(ローラアセンブリ9)を傾動可能に支持した状態で内環状部材31および外環状部材32と一体回転する(両環状部材31,32を一体回転可能に連結した)傾動支持部34とを備える。内環状部材31および外環状部材32は、何れも短円筒状をなし、パワーローラ5の内径側および外径側にそれぞれ配置されている。この環状支持体30は、内環状部材31と入力軸2との間に設けた一対の転がり軸受33,33により、入力軸2に対して回転自在に支持されている。
傾動支持部34は、パワーローラ5の中心孔に挿通され、両環状部材31,32を連結した内支持軸35と、球面継手36を介して内支持軸35に対して三自由度の傾動が可能に設けられた外支持軸37とを備える。内支持軸35は、内環状部材31又は外環状部材32と一体的に設けても良いが、本実施形態では両環状部材31,32とは別部材とし、適宜の手段で両環状部材31,32に固定されている。外支持軸37には転がり軸受38の内輪が装着され、転がり軸受38の外輪はパワーローラ5の中心孔に装着されている。また、外支持軸37は、キャリッジ8の一端に固定されている。係る構成により、ローラアセンブリ9は、キャリッジ8と、外支持軸37および転がり軸受38を介してキャリッジ8の一端に回転自在に支持されたパワーローラ5とを有する。
球面継手36は、その凸球面(凹球面)の曲率中心が、パワーローラ5の回転中心Oに一致するように配置され、また、断面円弧状をなした入力ディスク3の環状軌道面3aおよび出力ディスク4の環状軌道面4aの曲率中心はパワーローラ5の回転中心Oに一致している。以上の構成により、パワーローラ5(を含むローラアセンブリ9)は、両軌道面3a,4aに挟持された状態でその回転中心Oを支点として傾動可能となっている。
図2に示すように、環状支持体30には、これを入力軸2の軸線X1回り(図1参照)に回転駆動させる駆動装置40が接続される。具体的には、環状支持体30を構成する外環状部材32に球面継手41を介してロッド42が接続され、このロッド42に球面継手43を介して駆動装置40の出力部材が接続される。駆動装置40としては、例えば、油圧シリンダおよびオイルポンプ等を組み合わせた油圧アクチュエータや、電動モータおよびその回転運動を直線運動に変換する運動変換機構等を組み合わせた電動アクチュエータを使用することができる。
図2〜図4に示すように、各キャリッジ8の他端には、駆動装置40の出力を受けて環状支持体30が入力軸2の軸線X1回り回転駆動された時に、パワーローラ5をキャビティ6内で所定の軌道に沿って案内移動させるためのガイド機構50が連結される。
ガイド機構50は、転がり軸受51を介してキャリッジ8を回転自在に支持したキャリッジ支持部材52と、ガイドピン54と、ガイドベース55とを備える。
図3に示すように、キャリッジ8は、環状支持体30の回転駆動時にパワーローラ5(ローラアセンブリ9)の傾動方向を規制するために、入力軸2の軸線X1に直交する直交面Pに対して所定のキャスタ角αをなす方向に沿って配置されている。また、キャリッジ支持部材52は、キャリッジ8と同様に、上記直交面Pに対して所定のキャスタ角αをなす方向に沿って配置されている。従って、キャリッジ8は、キャスタ角方向に延びる傾斜軸X2回りに回転自在である。
ガイドベース55は、ガイドピン54の支持部材であり、本実施形態では、出力ディスク4の外径側に隣接配置され、出力ディスク4を回転可能に収容した板状部材(より詳細には、出力ディスク4と略等しい厚みを有する板状部材)で構成される。ガイドピン54は、上記傾斜軸X2に対して直交する方向に沿って配置され、その基端がガイドベース55に固定されている。本実施形態のガイドピン54は、その外径面に嵌合した2つの軸受(ラジアル軸受)56,57を介してガイドベース55に固定されている。従って、ガイドピン54は、その軸線(上記傾斜軸X2に対して直交する軸)X3回りに回転可能な状態でガイドベース55に支持されている。
キャリッジ支持部材52には、ガイドピン54が挿通された長穴53が設けられている。この長穴53は、環状支持体30が回転駆動されるのに伴ってパワーローラ5がキャビティ6内で移動したときに、パワーローラ5の傾動がスムーズに生じる形状を有する。具体的には、ガイドピン54に対するキャリッジ支持部材52の任意の長穴位置に対して、パワーローラ5の傾動角が一対一で対応しており、キャリッジ支持部材52が移動するのに伴って、パワーローラ5が所望の傾動角をとる形状を有する。図示例の長穴53は、図5に示すように、パワーローラ5の内径側(入力軸2側)に中心がある円弧形状をなし、その長手方向の一端にガイドピン54が位置したときにパワーローラ5の傾動角が最大になる一方、その長手方向の他端にガイドピン54が位置したときにパワーローラ5の傾動角が最小になるように円弧半径を決めている。
以上の構成を有するガイド機構50の存在により、環状支持体30が回転駆動されると、キャリッジ8およびこれに回転自在に支持されたパワーローラ5(ローラアセンブリ9)はキャリッジ支持部材52とともに所定の軌道に沿って移動し、傾動する。
上記のとおり、本実施形態では、ガイドピン54を軸受56,57を介してガイドベース55に固定しているが、軸受56,57を省略し、ガイドピン54をガイドベース55に対して直接固定(回転不能に固定)しても構わない。但し、環状支持体30が回転駆動されるのに伴ってパワーローラ5がキャビティ6内で移動・傾動するとき、パワーローラ5をスムーズに移動・傾動させるには、パワーローラ5とともに移動するキャリッジ8およびキャリッジ支持部材52がガイドピン54に沿ってスムーズに移動できることが好ましい。そのためには、ガイドピン54がガイドベース55に対して回転自在であると共に、キャリッジ支持部材52がガイドピン54に対して揺動可能であることが好ましい。
そこで、本実施形態では、図3に示すように、ガイドピン54の軸方向に離間した二箇所に弾性部材としてのOリング58を固定し、二つのOリング58でキャリッジ支持部材52を挟持している。但し、キャリッジ支持部材52の挟持力は、ガイドピン54に対してキャリッジ支持部材52が円滑にスライド移動することができる程度に調整される。これにより、環状支持体30の回転駆動時(パワーローラ5の移動時)、キャリッジ8を回転自在に支持したキャリッジ支持部材52は、上記の軸X2,X3の交点Yを揺動中心として僅かに揺動しながらガイドピン54に対してスライド移動する。なお、本実施形態では、Oリング58の軸方向両側にOリングよりも大径のワッシャ59を配設することにより、Oリング58が適切に弾性変形するようにしている。
以上の構成から、環状支持体30に駆動装置40の出力が入力され、環状支持体30が入力軸2の軸線X1回りに回転駆動されると、これと同時に環状支持体30に支持された
全てのパワーローラ5(ローラアセンブリ9)も移動する。パワーローラ5を回転自在に支持したキャリッジ8のそれぞれには、環状支持体30が回転駆動された時に、ローラアセンブリ9を所定の軌道に沿って案内移動させるガイド機構50が連結されているので、環状支持体30が回転駆動されるのと同時に全てのパワーローラ5がキャビティ6内の所定位置に移動する。そして、パワーローラ5は、キャリッジ8およびキャリッジ支持部材52によって傾動方向が規制されているため、所定位置に移動したパワーローラ5には自律的に傾動が生じ、変速動作が実現する。
以上で説明した本発明に係る無段変速機1は、図8〜10を参照して説明した従来の変速機100におけるパワーローラ駆動装置110の全てを、パワーローラ5(ローラアセンブリ9)を所定の軌道に沿って案内移動させるためのガイド機構50に置換すると共に、全てのパワーローラ5を一体的に移動させ得る駆動機構(環状支持体30およびこれを回転駆動させる単一の駆動装置40)を別途設けた構成に相当する。ガイド機構50は、パワーローラ5を所定の軌道に沿って案内移動させる機能を有していれば足り、また、環状支持体30は、全てのパワーローラ5を傾動可能に支持した状態で入力軸2の軸線X1回りに回転自在であれば足りるので、パワーローラ103を回転自在に支持したキャリッジ113のそれぞれにロッド114および球面継手115を介してパワーローラ駆動装置110を連結していた従来構成に比べ、無段変速機1全体を大幅に軽量・コンパクト化することができる。
特に、以上で説明した無段変速機1に設けたガイド機構50は、出力ディスク4(入力ディスク3)の外径方向への突出量を小さく抑えることができることに加え、軸方向の突出量も出力ディスク4の厚みの範囲内に抑えることができるため、無段変速機1のコンパクト化を実現する上で極めて有利である。
また、駆動装置40を一つにすれば、駆動装置40を駆動するための駆動源に対する配管や配線等を簡略化することができるので、無段変速機1を低コスト化することができる。また、駆動装置40を一つにすれば、無段変速機1の駆動制御を容易化することもできる。
以上、本発明の一実施形態に係る無段変速機1について説明したが、無段変速機1には、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜の変更を施すことが可能である。
例えば、ガイド機構50において、キャリッジ支持部材52をガイドピン54に対して揺動可能とするためには、図6に示すような構造を採用することもできる。具体的には、凸球面61を有する揺動支持部材60をガイドピン54の軸方向に離間した二箇所に固定し、二つの凸球面61でキャリッジ支持部材52を挟持している。各揺動支持部材60は、その軸方向外側に固定された止め輪63によって軸方向外側への移動を規制されており、揺動支持部材60と止め輪63の間には、環状の弾性部材(例えばOリング)62が圧縮状態で配設されている。弾性部材62は、必ずしも設ける必要はなく省略しても構わないが、図示例のように揺動支持部材60の軸方向外側に隣接配置しておけば、揺動支持部材60を弾性的に支持することができるので、キャリッジ支持部材52のスムーズな揺動を実現する上で有利となる。
また、以上で説明した実施形態では、ガイドピン54の支持部材であるガイドベース55を出力ディスク4の外径側に隣接配置したが、ガイドベース55は、入力ディスク3の外径側に隣接配置しても良い。また、以上で説明した実施形態では、環状軌道面3a,4aの間に画成されるキャビティ6内にパワーローラ5を三つ配置したが、パワーローラ5の配置個数は二つ又は四つとすることも可能である。
また、以上で説明した実施形態では、環状支持体30を、内環状部材31および外環状部材32と、両環状部材31,32を一体回転可能に連結した傾動支持部34(内支持軸35)とで構成したが、外環状部材32は省略することも可能である。すなわち、環状支持体30は、入力軸2と同軸に配置された内環状部材31と、全てのパワーローラ5を傾動可能に支持した状態で内環状部材31と一体回転する(内環状部材31に連結された)傾動支持部34とで構成することもできる。この場合、環状支持体30を入力軸2の軸線X1回りに回転させるには、駆動装置40の出力が内環状部材31に入力されるようにす
れば良い。
また、以上では、相手側と協働してキャビティ6を画成する入力ディスク3および出力ディスク4の組が一つ設けられた、いわゆるシングルキャビティ型の無段変速機1に本発明を適用した場合について説明したが、本発明は、入力ディスク3および出力ディスク4の組(キャビティ6)が二つ設けられた、いわゆるダブルキャビティ型の無段変速機にも適用することができる。
図6に、本発明を適用したダブルキャビティ型の無段変速機70の斜視図を示す。この無段変速機70では、対をなす入力ディスク3および出力ディスク4が入力軸2の軸方向に沿って二組設けられ、出力ディスク4が入力軸2の軸方向中央側に配置され、入力ディスク3が出力ディスク4の軸方向外側(入力軸2の軸端側)に配置されている。これに伴い、出力ディスク4の出力を出力軸(図示省略)に伝達する動力伝達機構20は、二枚の出力ディスク4,4の間に配置される。この場合、図1等に示すシングルキャビティ型の無段変速機1に設けられたスラスト軸受23は不要となる。
その他の基本的な構成は、図1等を参照して説明したシングルキャビティ型の無段変速機1と同様である。すなわち、入力ディスク3の環状軌道面3aと出力ディスク4の環状軌道面4aとの間に画成されるキャビティ6のそれぞれには、複数(三つ)のパワーローラ5が配置され、パワーローラ5を回転自在に支持したキャリッジ8のそれぞれにはガイド機構50が連結されている。また、全てのパワーローラ5は、入力軸2に対して回転自在に支持された環状支持体30によって傾動可能に支持されており、環状支持体30を構成する外環状部材32には、図示しない単一の駆動装置の出力が入力されるようになっている。従って、このダブルキャビティ型の無段変速機70も、図1等を参照して説明した無段変速機1と同様の作用効果を奏し得る。
本発明は前述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得る。すなわち、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
1 無段変速機
2 入力軸
3 入力ディスク
3a 環状軌道面
4 出力ディスク
4a 環状軌道面
5 パワーローラ
6 キャビティ
7 出力軸
8 キャリッジ
9 ローラアセンブリ
30 環状支持体
31 内環状部材
32 外環状部材
34 傾動支持部
35 内支持軸
36 球面継手
37 外支持軸
40 駆動装置
50 ガイド機構
52 キャリッジ支持部材
53 長穴
54 ガイドピン
58 Oリング(弾性部材)
60 揺動支持部材
61 凸球面
70 無段変速機
P 直交面
α キャスタ角
1 入力軸の軸線
2 傾斜軸
3 ガイドピンの軸線

Claims (7)

  1. 入力軸とともに回転する入力ディスクと、該入力ディスクとは独立して回転する出力ディスクと、互いに対向する前記入力ディスクの環状軌道面と前記出力ディスクの環状軌道面の間のキャビティ内に配置されて両ディスク間でトルクを伝達する複数のパワーローラと、それぞれがパワーローラを回転自在に支持した複数のキャリッジとを備え、パワーローラが傾動するのに伴って前記入力ディスクと前記出力ディスクの回転速度比が変化する無段変速機において、
    全てのパワーローラを傾動可能に支持した状態で前記入力軸に対して回転自在に支持された環状支持体と、該環状支持体を前記入力軸の軸線回りに回転駆動させる単一の駆動装置と、をさらに備え、
    前記環状支持体が回転駆動された時に、パワーローラを所定の軌道に沿って案内移動させるガイド機構を各キャリッジに連結したことを特徴とする無段変速機。
  2. 前記ガイド機構は、キャリッジを回転自在に支持した状態で前記所定の軌道に沿って移動するキャリッジ支持部材と、該キャリッジ支持部材の移動を案内するガイドピンとを有する請求項1に記載の無段変速機。
  3. キャリッジおよび前記キャリッジ支持部材は、前記入力軸の軸線と直交する面に対して所定のキャスタ角をなす傾斜軸方向に沿って配置されており、
    前記ガイドピンは、前記傾斜軸に対して直交する方向に沿って延び、前記入力ディスク又は前記出力ディスクの外径側に隣接配置されている請求項2に記載の無段変速機。
  4. 前記ガイドピンの軸方向に離間した二箇所に固定した弾性部材で前記キャリッジ支持部材を挟持することにより、前記傾斜軸と前記ガイドピンの軸線の交点を中心とした前記キャリッジ支持部材の揺動を許容した請求項3に記載の無段変速機。
  5. 前記ガイドピンの軸方向に離間した二箇所に凸球面を有する揺動支持部材を固定し、二つの前記凸球面で前記キャリッジ支持部材を挟持することにより、前記傾斜軸と前記ガイドピンの軸線の交点を中心とした前記キャリッジ支持部材の揺動を許容した請求項3に記載の無段変速機。
  6. 前記環状支持体は、前記入力軸と同軸に配置された環状部材と、全てのパワーローラを傾動可能に支持した状態で前記環状部材と一体回転する傾動支持部とを備え、前記環状部材に前記駆動装置の出力が入力されることで回転駆動される請求項1〜5の何れか一項に記載の無段変速機。
  7. 前記環状部材として、パワーローラの内径側および外径側にそれぞれ配置された内環状部材および外環状部材が設けられ、前記外環状部材に前記駆動装置の出力が入力される請求項6に記載の無段変速機。
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