JP2019056457A - 無段変速機 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来品よりも部品点数を少なくしてコンパクト化を達成し、しかも、騒音や振動を低減できる無段変速機を提供する。【解決手段】入力ディスクと出力ディスクとこれらのディスク間に挟持される複数のパワーローラとを有するバリエータと、パワーローラ駆動機構を有するトロイダル変速機部を備えた無段変速機において、入力軸に固定される平板リング状の第1軌道盤と、出力ディスクに固定される平板リング状の第2軌道盤と、この第1軌道盤と第2軌道盤との間に配設される複数個の転動体と、複数個の転動体を周方向に沿って所定ピッチで保持する歯車付き保持器とを有するスラスト軸受型のトラクションドライブ変速機部を介して出力軸に動力を出力する。【選択図】図1
Description
本発明は、回転速度を連続的に変速することができる無段変速機に関する。
出力軸のギヤードニュートラルおよび正逆転が可能なIVT(変速比無段変速機)が従来から知られている。従来には、エンジンからの回転を連続的に変速することが可能なトロイダル変速機(バリエータユニット)と、エンジンからの回転およびバリエータユニットで変速された回転との2つが入力される遊星歯車機構とを備えたものがある(特許文献1及び特許文献2)。
この場合、遊星歯車機構では、2入力の内、1つの回転速度を変えることで、出力軸の回転方向および回転速度を変えることができる。このため、バリエータユニットの変速比を変更することにより、遊星歯車機構の出力軸の正逆転およびニュートラル(無回転)状態を実現することができる。
前記無段変速機では、トロイダル変速機とは別に遊星歯車機構が必要である。しかも、遊星歯車機構へ入力される回転速度を最適なものにするために、トロイダル変速機と遊星歯車機構との間に、複数の歯車機構を介在させる必要があった。このため、構造が複雑で大型化するとともに、騒音や振動が生じるという問題点があった。
そこで、本発明は、上記課題に鑑みて、従来品よりも部品点数を少なくしてコンパクト化を達成し、しかも、騒音や振動を低減できる無段変速機を提供するものである。
本発明の無段変速機は、入力軸の回転にて回転する入力ディスクと出力軸に動力を出力する出力ディスクとこれらのディスク間に挟持される複数のパワーローラとを有するバリエータと、パワーローラの回転中心のディスクの移動及びパワーローラの傾転を可能とするパワーローラ駆動機構とを有するトロイダル減速機部を備えた無段変速機であって、前記入力軸に固定される平板リング状の第1軌道盤と、前記出力ディスクに固定される平板リング状の第2軌道盤と、この第1軌道盤と第2軌道盤との間に配設される複数個の転動体と、複数個の転動体を周方向に沿って所定ピッチで保持するとともに、外周部に歯車部が形成された歯車付き保持器とを有するスラスト軸受型のトラクションドライブ変速機部を備え、前記トラクションドライブ変速機部を介して前記出力軸に動力を出力するものである。
本発明の無段変速機によれば、トラクションドライブ変速機部は、第1軌道盤が入力軸に一体に回転するように固定され、第2軌道盤が出力ディスクに一体に回転するように固定されている。また、出力ディスクは入力軸の回転方向に対して逆方向に回転することになる。
このため、2つの軌道盤が逆方向に回転しているとき、トロイダル変速機部の変速比が1では、入力ディスクと出力ディスクとが同じ回転速度になり、軌道盤間に介在される転動体は、その場で回転しているだけ、すなわち、公転することなく自転のみしている。これに対して、トロイダル変速機部の変速比を変えて、2つの軌道盤の回転速度を異ならせた場合、回転速度が速い方の軌道盤と同方向に転動体が公転する。このように、転動体が公転すれば、この転動体を保持している歯車付き保持器も転動体の公転に伴って回転し、この歯車付き保持器から動力を取り出すことができる。
このため、トロイダル変速機部の変速比を変えることで、入力軸と一体になって回転している軌道盤に対して、出力ディスクと一体となって回転している軌道盤の回転速度を早くしたり、遅くしたりすることができる。したがって、歯車付き保持器からの出力の回転方向および回転速度を連続的に変化させることが可能となる。
また、スラスト軸受型のトラクションドライブ変速機部を利用することになって、遊星歯車を省略することができる。
パワーローラをその軸心廻りに回転可能に支持する支持部と、この支持部から延びる支持ロッドとを有する支持部材を備え、支持部材の支持ロッドを、両ディスクの軸心に直交する軸に対して角度を持つキャスタ配置とするものとできる。このように設定することによって、安定してパワーローラを傾動させることができる。
パワーローラ駆動機構は、3自由度回転可能継手部と、モータ部と、モータ部の回転を直動に変換して3自由度回転可能継手部に伝達する直動機構部とを備えたものであってもよい。このように設定することによって、パワーローラの傾動を滑らかにかつ正確に行うことができる。
本発明の無段変速機では、遊星歯車を省略することができるので、少ない部品点数で構成でき、コンパクト化を達成できる。また、トラクションドライブ変速機部を用いたことによって、騒音や振動を低減できる。
以下本発明の実施の形態を図1〜図9に基づいて説明する。本発明に係る無段変速機は、図1に示すように、トロイダル変速機部M1と、スラスト軸受型のトラクションドライブ変速機部M2とを備える。
トロイダル変速機部は、入力軸11の回転にて回転する入力ディスク1と出力軸12に動力を出力する出力ディスク2とこれらのディスク1,2間に挟持される複数のパワーローラ3とを有するバリエータ4と、パワーローラ3の回転中心Oのディスク1,2の半径方向への移動及びパワーローラ3の傾転を可能とするパワーローラ駆動機構5(図2参照)とを備える。入力ディスク1は押圧構造部14を介して出力ディスク2側へ押圧されている。
入力軸11は、軸中央の軸本体部11aと、この軸本体部11aから先端側へ突出される小径の先端軸部11bと、軸本体部11aの基端側も設けられるボス部11cと、ボス部11cから基端側へ突出する小径軸部11dからなる。軸本体部11aの先端軸部11b側には、雄スプライン15及び雄ねじ部16が形成されている。
また、押圧構造部14は、テーパリング17と、楔部材18と、楔部材18と入力ディスク1との間に介在される弾性部材としての皿ばね19とを有するものである。この場合、テーパリング17は、入力ディスク1の側面が、外径側から中心側に向かって入力ディスク1に接近するテーパ面17aを有するものであって、入力軸11の雄ねじ部16にねじ孔が螺着している。
また、楔部材18は、そのテーパリング対応面にテーパリング17のテーパ面17aに対抗するテーパ面18aが形成されている。このため、楔部材18をテーパリング17と皿ばね19との間に打ち込めば、皿ばね19を介して入力ディスク1を出力ディスク側へ押圧することができる。なお、先端軸部11bの軸本体部11a側に軸受20が装着されている。
また、入力ディスク1の内径面に雌スプライン1cが形成され、これに対向して、入力ディスク1が外嵌される入力軸11の対応部位に雄スプライン15が形成されている。そして、入力軸11の雄スプライン15に入力ディスク1の雌スプライン1cが嵌合している。このため、入力ディスク1は、入力軸11の軸線方向に沿ってスライドすることができる。また、入力ディスク1の表面(出力ディスク対向面)に環状円弧面1aが設けられ、入力ディスク1の裏面(反出力ディスク対向面)は平坦面1bとされている。なお、平坦面1bは、ディスク1,2が対向する方向に垂直な面である。
また、出力ディスク2の表面(入力ディスク対向面)に環状円弧面2aが設けられ、出力ディスク2の裏面(反出力ディスク対向面)は平坦面2bとされている。出力ディスク2の中心孔2cは、反入力ディスク側の大径部2c1と、入力ディスク側の小径部2c2とを有し、大径部2c1に、入力軸11の軸本体部11aに装着された軸受21が嵌合している。このため、この出力ディスク2は、入力軸11に対して回転自在に装着されている。
ところで、パワーローラ3は、図3に示すように、周方向に沿って所定ピッチで配設される3個を有するものであり、各パワーローラ3は、支持部材35にて支持されている。支持部材35は、パワーローラ3をその軸心O廻りに回転可能に支持する支持部35aと、この支持部35aから延びる支持ロッド35bとを有する。支持部35aは、一対の側板36,36と、この側板36,36を支持ロッド側で連結する連結部37とを有し、側板36,36にパワーローラ3を介在させて、軸部材38で回転自在に支持している。
パワーローラ駆動機構5は、図2に示すように、支持部材35の支持ロッド35bに連結される3自由度回転可能継手部40と、これに連結される直動機構部41と、この直動機構部41に回転力を伝達するモータ部42とを備える。継手部40は例えば球面継手にて構成できる。また、直動機構部41は、ボールねじやすべりねじ等のねじ機構、又はラック・ピニオン機構等の回転直動変換機構と、減速機等を組み合わせたもの等で構成できる。なお、このパワーローラ駆動機構5にはこれを支持するリンク機構(図示省略)が連結されている。
入力ディスク1の環状円弧面1aと出力ディスク2の環状円弧面2aと対向(対面)し、断面円形のキャビティ44が形成され、各パワーローラ3は、その中心Oがこのキャビティ44の中心にあって、かつ、この中心を通るセンタ軸LSを中心に回転する。
また、図4に示すように、支持部材35の軸線L5は、入力ディスク1の軸心L1に対して垂直な(直交する)軸線L3に対して角度αをもつキャスタ角配置としている。このため、パワーローラ3が、両ディスク1,2の半径方向にシフトすることにより、パワーローラ3とディスク1,2との接触面に作用するトラクション力とパワーローラ駆動機構5からの押付け力との関係に基づき、パワーローラ3が自律的に傾斜して入力ディスク1と出力ディスク2との接触半径を変更することにより、無段に連続して変速する。このように、パワーローラ3の外周面3aは、両ディスク1,2の環状円弧面1a,2aに摺接するので、パワーローラ3の外周面3aの曲率半径を、ディスク1,2の環状円弧面1a,2aの曲率半径よりも小さく設定するのが好ましい。
パワーローラ3は、具体的には、パワーローラ駆動機構5の3自由度回転可能継手部40に連結固定されたフォーク(支持部材35の支持部35a)に組込まれた軸受51、52に回転支持される(図1参照)。すなわち、軸部材38に軸受51、52に嵌挿され回転自在に支持される。
スラスト軸受型のトラクションドライブ変速機部M2は、図5に示すように、入力軸11に固定される平板リング状の第1軌道盤55と、前記出力ディスク2に固定される平板リング状の第2軌道盤56と、この第1軌道盤55と第2軌道盤56との間に配設される複数個の転動体57と、複数個の転動体57を周方向に沿って所定ピッチで保持する歯車付き保持器58とを有するものでる。
ところで、入力軸11のボス部11cは、出力ディスク2側の端面に切欠部54aが形成された外鍔部54を有するものであり、この切欠部54aに第1軌道盤55が嵌合されて、入力軸11と第1軌道盤55とが一体化されている。また、出力ディスク2の裏面(反出力ディスク対向面)の平坦面2bの中央部に凹部2dが設けられ、この凹部2dに第2軌道盤56が嵌合され、出力ディスク2と第2軌道盤56とが一体化されている。第1軌道盤55の第2軌道盤対応面には軌道面55aが形成され、第2軌道盤56の第1軌道盤対応面には軌道面56aが形成されている。
歯車付き保持器58は、軸心孔59を有する円盤体からなり、その外周部に歯車60を構成する凹凸歯61が形成されている。また、軸心孔59の外周側は、薄肉部58aとされ、図6に示すように、この薄肉部58aに周方向に沿って所定ピッチで複数個(この場合、30°ピッチで12個)のポケット62が設けられている。そして、各ポケット62の転動体57としてのボールが嵌合されている。
また、入力軸11の軸本体部11aのボス部側端部に軸受63が装着され、この軸受63に歯車付き保持器58が外嵌固定されている。このため、歯車付き保持器58は、入力軸11に対して回転自在に装着される。この場合、軸受63は、その内輪63aが入力軸11の軸本体部11aとボス部11cとの間の段差に当接するように外嵌され、その外輪63bが歯車付き保持器59の軸心孔59に嵌合している。なお、入力軸11の小径軸部11cには軸受64が装着されている。また、出力ディスク2の大径部2c1に内嵌された軸受21は、その内輪21aが入力軸11の軸本体部11aに外嵌され、その外輪21bが出力ディスク2の大径部2c1に嵌合している。
また、この歯車付き保持器58の歯車60の凹凸歯61は、出力軸12に装着された歯車65の凹凸歯66が噛合している。また、出力軸12は、一対の軸受67、68を有する軸受構造部69にて回転自在に枢支されている。このため、歯車付き保持器58がその軸心廻りに回転すれば、歯車65が回転することになって、出力軸12がその軸心廻りに回転する。
出力軸12は、中間部位の大径部12cと、この大径部12cから相反する方向に突出する第1・第2軸部12a、12bを有し、第2軸部12bの端部には雄ねじ部12dが設けられている。歯車65は、短円筒形状からなる本体部65aと、この本体部65aから突設される円盤部65bとからなり、円盤部65bの外周部に凹凸歯66が形成されている。軸受67、68でスペーサ70a、70bを介して本体部65aを挟持している。すなわち、一方の軸受67は、その内輪67aが大径部12c側の第2軸部12bに外嵌されるとともに大径部12cと歯車65の本体部65aとの間に介在され、他方の軸受68は、その内輪68aが雄ねじ部12d側の第2軸部12bに外嵌されるとともに雄ねじ部12dに螺着されたナット部材73と歯車65の本体部65aとの間に介在される。なお、軸受67の内輪67aと歯車65の本体部65aとの間にはスペーサ70aが介在され、軸受68の内輪68aと歯車65の本体部65aとの間にはスペーサ70bが介在されている。
ところで、図7から図10は、スラスト軸受型のトラクションドライブ変速機部の変速原理を示している。この場合のスラスト軸受としては、一対(上下一対)の板71,72と、この板71,72の間に介在される転動体としてのボール73とで構成されている。
図7では、下の板72を固定とし、上の板71のみ移動した場合を示している。この場合、ボール73の移動量は上の板71の半分となる。すなわち、実線で示すように、まず、ボール73のY点が下の板72の一方(図面上左側)の端部に位置するとともに、上の板71の他方(図面上右側)の端部がボール73のX点に対応した状態とする。この状態から、下の板72を固定として、上の板71を矢印A方向へ移動させれば、この移動に伴って、ボール73は矢印C方向に回転しながら矢印A方向へ移動し、ボール73のY点が、下の板72の他方(図面上右側)の端部に位置すれば、上の板71は、その一方(図面上左側)の端部がこのボール73のX点に対応する状態まで、矢印A方向に移動する。この場合、ボール73が下の板72の一方(図面上左側)の端部に位置する状態から下の板72の他方(図面上右側)の端部に位置する状態まで移動するので、ボールの移動距離は、ボール73が360°回転するので、ボール73の半径をrとした場合、2πrとなり、また、上の板71の移動距離は4πrとなる。
図8では、下の板72と上の板71の速度を同じとした場合を示している。まず、図8(a)に示すように、ボール73のY点が下の板72の一方(図面上左側)の端部に位置するとともに、上の板71の他方(図面上右側)の端部がボール73のX点に対応した状態とする。
図8(a)に示す状態から、上の板71を矢印A方向に移動させるとともに、下の板72を矢印B方向(矢印Aと相反する方向)に移動させて、図8(b)に示す状態とする。すなわち、上の板71を矢印A方向に移動させるとともに、下の板72を矢印B方向に移動させれば、ボール73は、矢印A及び矢印B方向に移動することなく、矢印C方向に自転するのみである。このため、図8(b)に示す状態では、上の板71は図8(a)に示す状態からπrだけ矢印A方向へ移動し、下の板72は図8(a)に示す状態からπrだけ矢印B方向へ移動する。
図8(b)に示す状態から、上の板71を矢印A方向に移動させるとともに、下の板72を矢印B方向に移動させて、図8(c)に示す状態とする。すなわち、上の板71を矢印A方向に移動させるとともに、下の板72を矢印B方向に移動させれば、ボール73は、矢印C方向に自転し、このため、図8(b)に示す状態では、上の板71は図8(a)に示す状態から2πrだけ矢印A方向へ移動し、下の板72は図8(a)に示す状態から2πrだけ矢印B方向へ移動する。
図9では、下の板72より上の板71が2倍速い場合を示している。まず、図9(a)に示すように、ボール73のY点が下の板72の一方(図面上左側)の端部に位置するとともに、上の板71の他方(図面上右側)の端部がボール73のX点に対応した状態とする。
図9(a)に示す状態から、上の板71を矢印A方向に移動させるとともに、下の板72を矢印B方向に移動させる。この際、上の板71の移動速度を下の板72の移動速度の2倍とする。このため、図9(b)に示すように、上の板71がπrだけ矢印A方向に移動し、下の板72が(1/2)πrだけ矢印B方向に移動する。この際、ボール73が(1/4)πrだけ矢印A方向に移動する。
図9(b)に示す状態から図9(c)に示すように、上の板71をさらに矢印A方向にπrだけ移動させれば、下の板72は(1/2)πrだけ矢印B方向に移動する。この際、ボール73が(1/4)πrだけさらに矢印A方向に移動する。このため、図9(c)に示す状態では、図9(a)の状態に比べ、上の板71は2πrだけ矢印A方向へ移動し、下の板72はπrだけ矢印B方向に移動する。
図10では、下の板72が上の板71より2倍速い場合を示している。まず、図10(a)に示すように、ボール73のY点が下の板72の一方(図面上左側)の端部に位置するとともに、上の板71の他方(図面上右側)の端部がボール73のX点に対応した状態とする。
図10(a)に示す状態から、上の板71を矢印A方向に移動させるとともに、下の板72を矢印B方向に移動させる。この際、下の板72の移動速度を上の板71の移動速度の2倍とする。このため、図10(b)に示すように、下の板72がπrだけ矢印B方向に移動し、上の板71が(1/2)πrだけ矢印A方向に移動する。この際、ボール73が(1/4)πrだけ矢印B方向に移動する。
図10(b)に示す状態から図10(c)に示すように、下の板72をさらに矢印B方向にπrだけ移動させれば、上の板71は(1/2)πrだけ矢印A方向に移動する。この際、ボール73が(1/4)πrだけさらに矢印B方向に移動する。このため、図10(c)に示す状態では、図10(a)の状態に比べ、上の板71はπrだけ矢印A方向へ移動し、下の板72は2πrだけ矢印B方向に移動する。
このため、下の板72が固定で上の板71のみ移動する場合では、転動体73の移動量は上の板71の移動量の半分となる。上の板71と下の板72が反対方向に同じ速度で移動する場合では、転動体73はその場で回転するのみで移動はしない。下の板72より上の板71が2倍速い場合では、転動体72は上の板の移動方向に両者の速度差の半分だけ移動する。下の板72が上の板71より2倍速い場合では、転動体73は下の板72の移動方向に両者の速度差の半分だけ移動する。すなわち、転動体73は両者の速度差の半分だけ、速度の速い方へ移動することになる。
ところで、スラスト軸受転用型のトラクションドライブ変速機部M2の2個の軌道盤55,56は、それぞれ入力軸11と出力ディスク2に一体となって回転するように固定されている。また出力ディスク2は入力軸11の回転方向に対して逆方向の回転となる。
従って、2つの軌道盤55,56が逆方向に回転している時、トロイダル変速機部M1の変速比が1では、両者が同じ回転速度になるので、転動体57はその場で回転しているだけである。トロイダル変速機部M1の変速比を変えて、2つの軌道盤55,56の回転速度が異なる場合は回転速度の速い方の軌道盤55(56)と同方向に転動体57は公転する。この時、保持器58も転動体57の公転と同様に回転するのでこの保持器58から動力を出力軸12側へ取り出すことができる。
なお、トロイダル変速機部M1の変速比が1では、保持器58から出力する回転速度が0となるので、入力軸11の回転速度に対して減速比は無限大となる。これは遊星歯車を使用した場合でも同様である。
以上のことから、トロイダル変速機部M1の変速比を変えることで、入力軸11と一体となって回転している軌道盤55に対して、出力ディスク2と一体となって回転している軌道盤56の回転速度を速くしたり、遅くしたりすることができる。このため、保持器58からの出力の回転方向および回転速度を連続的に変化させることが可能となる。
このように、本発明の無段変速機では、遊星歯車を省略することができるので、少ない部品点数で構成でき、コンパクト化を達成できる。また、トラクションドライブ変速機部M2を用いたことによって、騒音や振動を低減できる。
また、前記実施形態では、パワーローラ3をその軸心廻りに回転可能に支持する支持部35aと、この支持部35aから延びる支持ロッド35bとを有する支持部材35を備え、支持部材35の支持ロッド35bを、両ディスク1,2の軸心に直交する軸に対して角度を持つキャスタ配置としている。このように設定することよって、安定してパワーローラ3を傾動させることができる。
パワーローラ駆動機構5は、3自由度回転可能継手部40と、モータ部42と、モータ部42の回転を直動に変換して3自由度回転可能継手部40に伝達する直動機構部41とを備えたものであるので、パワーローラ3の傾動を滑らかにかつ正確に行うことができる。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、一のキャビティ44内のパワーローラ数の増減は任意であり、直動機構部とモータとを組み合わせたリニアモータと、継手部材とで、パワーローラ駆動機構5を構成してもよい。また、トロイダル変速機部M1として、前記実施形態では、フルトロイダル型であったが、ハーフトロイダル型であってもよい。
1 入力ディスク
2 出力ディスク
3 パワーローラ
4 バリエータ
5 パワーローラ駆動機構
11 入力軸
12 出力軸
35 支持部材
35a 支持部
35b 支持ロッド
40 自由度回転可能継手部
41 直動機構部
42 モータ部
55 第1軌道盤
56 第2軌道盤
57 転動体
58 保持器
M1 トロイダル変速機部
M2 トラクションドライブ変速機部
2 出力ディスク
3 パワーローラ
4 バリエータ
5 パワーローラ駆動機構
11 入力軸
12 出力軸
35 支持部材
35a 支持部
35b 支持ロッド
40 自由度回転可能継手部
41 直動機構部
42 モータ部
55 第1軌道盤
56 第2軌道盤
57 転動体
58 保持器
M1 トロイダル変速機部
M2 トラクションドライブ変速機部
Claims (3)
- 入力軸の回転にて回転する入力ディスクと出力軸に動力を出力する出力ディスクとこれらのディスク間に挟持される複数のパワーローラとを有するバリエータと、パワーローラの回転中心のディスクの移動及びパワーローラの傾転を可能とするパワーローラ駆動機構を有するトロイダル変速機部を備えた無段変速機であって、
前記入力軸に固定される平板リング状の第1軌道盤と、前記出力ディスクに固定される平板リング状の第2軌道盤と、この第1軌道盤と第2軌道盤との間に配設される複数個の転動体と、複数個の転動体を周方向に沿って所定ピッチで保持するとともに、外周部に歯車部が形成された歯車付き保持器とを有するスラスト軸受型のトラクションドライブ変速機部を備え、
前記トラクションドライブ変速機部を介して前記出力軸に動力を出力することを特徴とする無段変速機。 - パワーローラをその軸心廻りに回転可能に支持する支持部と、この支持部から延びる支持ロッドとを有する支持部材を備え、支持部材の支持ロッドを、両ディスクの軸心に直交する軸に対して角度を持つキャスタ配置とすることを特徴とする請求項1に記載の無段変速機。
- パワーローラ駆動機構は、3自由度回転可能継手部と、モータ部と、モータ部の回転を直動に変換して3自由度回転可能継手部に伝達する直動機構部とを備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の無段変速機。
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JP2017182320A JP2019056457A (ja) | 2017-09-22 | 2017-09-22 | 無段変速機 |
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JP2017182320A JP2019056457A (ja) | 2017-09-22 | 2017-09-22 | 無段変速機 |
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Cited By (1)
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CN113090726A (zh) * | 2019-06-20 | 2021-07-09 | 成都中良川工科技有限公司 | 一种低损耗回转装置 |
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2017
- 2017-09-22 JP JP2017182320A patent/JP2019056457A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN113090726A (zh) * | 2019-06-20 | 2021-07-09 | 成都中良川工科技有限公司 | 一种低损耗回转装置 |
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