JP5975750B2 - 動力伝達装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両に適用される動力伝達装置に関する。
従来、動力伝達装置としては、駆動力が入力される入力ギヤとしてのドライブピニオンとこのドライブピニオンと噛み合う出力ギヤとしてのリングギヤとからなる変速ギヤ組と、リングギヤから出力される駆動力をそれぞれ断続する一対のクラッチとを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
このような動力伝達装置は、車両の前後輪のうちいずれか一方の車輪が駆動源の駆動力によって常時駆動される主駆動系に対して、他方の車輪が駆動源の駆動力によって発進時や旋回時に駆動される副駆動系に適用されている。
特許文献1の動力伝達装置では、駆動源からの駆動力が変速ギヤ組によって減速され、一対のクラッチにそれぞれ伝達される。この一対のクラッチに伝達された駆動力は、接続状態であると、左右輪にそれぞれ接続された一対の出力軸に伝達され、左右輪に出力される。このような一対のクラッチの断続を制御することにより、左右輪に伝達される駆動力を独立して制御することができる。
特開2009−269605号公報
しかしながら、上記特許文献1のような動力伝達装置では、一対のクラッチに対して駆動力を変速ギヤ組で減速して入力させているので、一対のクラッチのトルク容量を大きくする必要があり、一対のクラッチが大型化してしまう。このため、装置が大型化していた。
また、上記特許文献1のような動力伝達装置では、主駆動系の車輪に対して副駆動系の車輪で必要な増速比が変速ギヤ組のギヤ比で決定される。このため、仕様が異なる各車両に動力伝達装置を搭載させる場合には、変速ギヤ組のギヤ比を変更するため、駆動力が入力される非常に大きな変速ギヤ組を各車両毎に変更しなければならず、動力伝達装置の汎用性が低下していた。
そこで、この発明は、大型化を抑制することができると共に、汎用性を向上することができる動力伝達装置の提供を目的としている。
本発明の動力伝達装置は、駆動力が入力される入力ギヤとこの入力ギヤと噛み合う出力ギヤとからなる第1変速ギヤ組と、前記出力ギヤから出力される駆動力をそれぞれ断続する一対のクラッチと、前記一対のクラッチから出力された駆動力をそれぞれ出力する一対の第2変速ギヤ組とを有し、前記一対のクラッチは、前記出力ギヤが固定された入力部材と、この入力部材と相対回転可能で前記第2変速ギヤ組へ出力する出力部材との間に配置され、前記入力部材は、一対のベアリングを介してケーシングに回転可能に支持され、前記一対のクラッチの断続を制御する制御手段を備え、前記制御手段は、前記一対のクラッチと前記一対のベアリングとの軸方向間に配置されていることを特徴とする。
この動力伝達装置では、一対のクラッチから出力された駆動力をそれぞれ出力する一対の第2変速ギヤ組を有するので、第1変速ギヤ組のみで減速させる必要がなく、一対のクラッチのトルク容量を小さくすることができ、一対のクラッチを径方向に小型化することができる。
また、一対の第2変速ギヤ組は、一対のクラッチから出力された駆動力をそれぞれ出力するので、第1変速ギヤ組を変更させなくとも、一対の第2変速ギヤ組のギヤ比を変更することによって必要な増速比を調整でき、動力伝達装置の汎用性を向上することができる。
従って、このような動力伝達装置では、第1変速ギヤ組と共に一対のクラッチから出力された駆動力をそれぞれ出力する一対の第2変速ギヤ組を有するので、大型化を抑制することができると共に、汎用性を向上することができる。
本発明によれば、大型化を抑制することができると共に、汎用性を向上することができる動力伝達装置を提供することができるという効果を奏する。
本発明の実施の形態に係る動力伝達装置が適用された車両の動力系を示す概略図である。 本発明の実施の形態に係る動力伝達装置の断面図である。
まず、図1を用いて本発明の実施の形態に係る動力伝達装置が適用された車両の動力系について説明する。
図1に示すように、車両には、主駆動源としてのエンジン101及び第1モータ/ジェネレータ103と、副駆動源としての第2モータ/ジェネレータ105とが搭載されている。このような車両は、主駆動源において、主に第1モータ/ジェネレータ103によって駆動され、バッテリや蓄電池などの電源(不図示)の容量が少ないとき、或いは高速走行時などに、エンジン101によって駆動される。また、第2モータ/ジェネレータ105は、主駆動源が作動しているとき、主にジェネレータとして機能して電源に充電させ、悪路走行時などに、駆動源として機能して車両の走行をアシストする。なお、第1モータ/ジェネレータ103のみが駆動源として機能している場合には、車両の減速時などの車両のブレーキエネルギーに対して第1モータ/ジェネレータ103がジェネレータとして機能して電力の回生を行う。これら主駆動源及び副駆動源によって駆動される車両の動力系は、主駆動系107と副駆動系109とに大別される。
主駆動系107は、変速機構としてのトランスミッション111と、前輪側の左右輪の差動を許容するフロントデフ113と、前車軸115,117と、前輪119,121と、主駆動側変速機構としての方向変換ギヤ組123を有するトランスファ125などから構成されている。
このように構成された主駆動系107では、主駆動源及び副駆動源の駆動力がトランスミッション111を介してフロントデフ113のデフケース127に伝達される。このデフケース127に伝達された駆動力は、ピニオン129を介して一対のサイドギヤ131,133に伝達され、一対のサイドギヤ131,133に連結された前車軸115,117を介して前輪119,121に配分される。このように主駆動系107は、主駆動源及び副駆動源の駆動力が常時入力され、車両の前輪側を駆動する。このような主駆動系107には、副駆動系109側に駆動力を伝達させるトランスファ125が設けられている。
トランスファ125は、フロントデフ113のデフケース127と一体回転可能に連結された中空軸135と、中空軸135と一体回転可能に設けられた大径のリングギヤ137と、中空軸135と回転軸心が直交方向に配置された出力軸139に一体回転可能に形成された小径のピニオン141とを備えている。
このトランスファ125は、フロントデフ113から中空軸135を介して駆動力が入力され、大径のリングギヤ137と小径のピニオン141とからなる方向変換ギヤ組123で増速しつつ方向変換して出力軸139から駆動力が出力される。この出力軸139から出力される駆動力は、プロペラシャフト143を介して副駆動系109に伝達される。
副駆動系109は、動力伝達装置1と、後車軸145,147と、後輪149,151などから構成されている。この副駆動系109は、プロペラシャフト143と一体回転可能に接続された入力軸17から駆動力が入力され、第1変速ギヤ組3で等速、或いは減速しつつ方向変換して入力部材11を介して一対のクラッチ5,7に伝達される。
この一対のクラッチ5,7は、複数のクラッチ板で構成された多板クラッチであり、滑り摩擦を伴い伝達トルクを中間制御可能な制御型の摩擦クラッチとなっている。また、一対のクラッチ5,7は、車速センサ、加速度センサ、ブレーキセンサ、スロットル開度センサ、左右輪差回転センサ、前後輪差回転センサ、操舵角センサ、ヨーモーメントセンサ、油温センサ、外気温センサなどの各種センサの情報が受信可能で、必要なセンサ情報を選択、演算又は記録チャートとの対比が可能なコントローラ(不図示)による出力制御によって作動されるアクチュエータ65,65によってそれぞれ独立して断続操作される。
このような一対のクラッチ5,7に伝達された駆動力は、それぞれ出力部材19,19を介して一対の第2変速ギヤ組9,9に伝達される。この一対の第2変速ギヤ組9は、プラネタリギヤ機構からなり、一対のクラッチ5,7を介して入力された駆動力を減速して出力する。このような一対の第2変速ギヤ組9,9から出力される駆動力は、それぞれ第2変速ギヤ組9,9に連結された後車軸145,147を介して後輪149,151に配分される。
このような主駆動系107と副駆動系109とを有する車両は、所定の速度で直進している場合、副駆動系109の動力伝達装置1の一対のクラッチ5,7を接続解除状態とし、主駆動系107側である前輪駆動の二輪駆動状態となる。また、車両は、発進時や直進加速時などの場合、一対のクラッチ5,7を接続状態とし、副駆動系109側である後輪駆動を加えた前後輪駆動の四輪駆動状態となる。
一方、車両は、旋回時などに車両にヨーモーメントを発生させる場合、前輪119,121よりも後輪149,151の方が回転数を多く必要とする。このため、副駆動系109には、方向変換ギヤ組123、第1変速ギヤ組3及び一対の第2変速ギヤ組9,9の各ギヤ比の設定により前輪119,121と後輪149,151との間に回転差を発生させ、車両の旋回安定性が保持されている。また、後輪149,151においては、車両の旋回時における内輪と外輪とで必要な駆動力が異なる。このため、一対のクラッチ5,7は、それぞれが独立制御可能となっており、一対のクラッチ5,7の締結力を制御することによって後輪149,151に必要な駆動力を配分することができ、車両の旋回安定性を向上することができる。以下、図1,図2を用いて本発明の実施の形態に係る動力伝達装置について説明する。
本実施の形態に係る動力伝達装置1は、駆動力が入力される入力ギヤとしてのピニオン29とこのピニオン29と噛み合う出力ギヤとしてのリングギヤ31とからなる第1変速ギヤ組3と、リングギヤ31から出力される駆動力をそれぞれ断続する一対のクラッチ5,7と、一対のクラッチ5,7から出力された駆動力をそれぞれ出力する一対の第2変速ギヤ組9,9とを有する。
また、第1変速ギヤ組3のギヤ比は、一対の第2変速ギヤ組9,9それぞれのギヤ比より小さく設定されている。
さらに、一対の第2変速ギヤ組9,9は、一対のクラッチ5,7を軸方向に挟んで分離配置されている。
また、動力伝達装置1は、一対のクラッチ5,7の断続を制御する制御手段としてのアクチュエータ65,65を備え、アクチュエータ65,65は、一対のクラッチ5,7と一対の第2変速ギヤ組9,9との軸方向間に配置されている。
さらに、リングギヤ31は、中空の回転部材としての入力部材11に固定され、一対のクラッチ5,7は、入力部材11の内部に配置されている。
また、クラッチ5は、リングギヤ31の内周側に配置されている。
さらに、第1変速ギヤ組3は、ピニオン29とリングギヤ31の回転軸心が互いに直交して配置されている。
また、一対の第2変速ギヤ組9,9は、それぞれプラネタリギヤを用いた変速機構で構成されている。
図1,図2に示すように、動力伝達装置1は、入力軸17と、第1変速ギヤ組3と、入力部材11と、一対のクラッチ5,7と、出力部材19,19と、一対の第2変速ギヤ組9,9とから構成されている。
入力軸17は、軸方向に配置された2つのベアリング21,23を介してケーシング25に回転可能に支持されている。この入力軸17は、一端側が等速ジョイント27を介してプロペラシャフト143に連結され、プロペラシャフト143から駆動力が入力される。このような入力軸17の他端側には、ピニオン29が連続する一部材で形成され、このピニオン29がリングギヤ31と噛み合い第1変速ギヤ組3を構成している。
第1変速ギヤ組3は、ピニオン29と、リングギヤ31とからなるベベルギヤ組で等速駆動されるように構成され、プロペラシャフト143に伝達された駆動力を方向変換する。このように第1変速ギヤ組3を等速駆動するように構成することにより、安価な構造のベベルギヤ組を適用することができ、第1変速ギヤ組3のコストを低減することができる。
なお、このような直交ギヤ組としては、安価なスパイラルベベルギヤ組、ゼロールベベルギヤ組、スパーベベルギヤ組などが採用可能である。また、ピニオン29を小径とし、リングギヤ31を大径として減速駆動するように構成してもよい。この場合には、ギヤ比を2.5以下に設定することが好ましい。
この第1変速ギヤ組3を構成するリングギヤ31は、入力部材11に形成されたフランジ部にボルトによって一体回転可能に固定され、入力軸17から入力された駆動力が第1変速ギヤ組3を介して入力部材11に伝達される。しかしながら、ベベルギヤに限らず、簡易なギヤ形状を採ることができれば、鍛造や転造などにより入力部材11の一部と一体形成してもよい。
入力部材11は、中空状に形成されリングギヤ31を固定するボルトによって共締めされる2部材からなり、軸心が入力軸17の回転軸心と直交する方向に配置され、軸方向両端側外周がそれぞれ一対のベアリング13,15を介してケーシング25に回転可能に支持されている。この入力部材11の内径側には、一対のベアリング13,15の軸方向間に一対のクラッチ5,7が軸方向にコンパクト化して配置されている。
一対のクラッチ5,7は、それぞれ複数の外側クラッチ板と、複数の内側クラッチ板とを備えている。複数の外側クラッチ板は、入力部材11の内周に形成されたスプライン形状の係合部33に軸方向移動可能で入力部材11と一体回転可能に係合されている。複数の内側クラッチ板は、複数の外側クラッチ板に対して軸方向に交互に配置され、出力部材19,19の外周にそれぞれ形成されたスプライン形状の係合部35,35に軸方向移動可能で出力部材19,19と一体回転可能に係合されている。
これら一対のクラッチ5,7は、滑り摩擦を伴い伝達トルクを中間制御可能な制御型の複数のクラッチ板からなる多板クラッチとなっている。なお、一対のクラッチ5,7の軸方向間には、一対のクラッチ5,7の複数のクラッチ板の軸方向移動を受ける受圧部材37が配置されている。
これら一対のクラッチ5,7のうちクラッチ5は、リングギヤ31の内周側に配置されている。このため、クラッチ5が第1変速ギヤ組3の噛み合い部から軸方向外側に張り出すことがなく、装置の軸方向の大型化を抑制することができる。このような一対のクラッチ5,7は、入力部材11と出力部材19,19との間に伝達される駆動力を断続する。
出力部材19,19は、それぞれ中空状に形成されて入力部材11の内径側で入力部材11の回転軸心と同心上に配置され、外周で摺動ブッシュ39,39を介して入力部材11と相対回転可能に配置されると共に、出力部材19,19同士も相対回転可能に配置されている。これら出力部材19,19の軸方向外側の内周には、スプライン形状の連結部41,41が形成され、一対の第2変速ギヤ組9,9の連結部材51,51が一体回転可能に連結されている。なお、一対の第2変速ギヤ組9,9については、両方が同じ構成であるので、一方の第2変速ギヤ組9について説明し、他方の第2変速ギヤ組9については同符号を付して説明を省略する。
第2変速ギヤ組9は、太陽歯車43と、互いに噛み合う遊星歯車45,47と、内歯車49とを備えたプラネタリギヤ機構からなる。太陽歯車43は、連結部材51の軸方向の連結部41と反対側の外周に形成されている。この太陽歯車43は、遊星歯車45,47のうち一方の遊星歯車45と噛み合っている。
遊星歯車45,47は、それぞれケーシング25に固定された固定軸53,55上にニードルベアリングを介して自転可能に軸支されている。この遊星歯車45,47は、互いに噛み合い、複数組が太陽歯車43の外周側に周方向等間隔に配置され、一方の遊星歯車45が太陽歯車43に噛み合い、他方の遊星歯車47が内歯車49と噛み合う。
内歯車49は、ベアリング57,59を介してケーシング25に回転可能に支持された中空状の出力軸61の外周に形成されたフランジ部の内周に形成されている。この内歯車49は、他方の遊星歯車47と噛み合い、出力部材19から太陽歯車43と一方の遊星歯車45と他方の遊星歯車47とを介して伝達される駆動力を減速して出力軸61を回転させる。この出力軸61の内周には、スプライン形状の連結部63が形成され、後車軸145,147が一体回転可能に連結されている。
この一対の第2変速ギヤ組9,9は、ギヤ比が第1変速ギヤ組3のギヤ比より大きく設定されている。このため、第1変速ギヤ組3において、減速させる必要がない、或いは大きな減速を必要とせず、一対のクラッチ5,7のトルク容量を小さくすることができる。
このような一対の第2変速ギヤ組9は、一対のクラッチ5,7を軸方向に挟んで分離配置され、遊星歯車45,47を変更することによってギヤ比が変更可能であり、設定されたギヤ比で一対のクラッチ5,7から出力された駆動力を減速して後輪149,151側に出力する。
このような第1変速ギヤ組3と一対の第2変速ギヤ組9,9との間に伝達される駆動力を断続する一対のクラッチ5,7は、一対のクラッチ5,7と一対の第2変速ギヤ組9,9との軸方向間に配置されたアクチュエータ65,65によって断続される。なお、アクチュエータ65,65については、両方が同じ構成であるので、一方のアクチュエータ65について説明し、他方のアクチュエータ65については同符号を付して説明を省略する。
アクチュエータ65は、押圧部材67と、電動モータ69と、変換機構71とを備えている。押圧部材67は、入力部材11の外周上で一対のクラッチ5,7に軸方向に隣接配置され、移動部73と、押圧部75とを備えている。移動部73は、環状に形成され、入力部材11の外周に軸方向移動可能に配置されている。この移動部73と一対のクラッチ5,7との軸方向間には、押圧部75が配置されている。
押圧部75は、環状に形成され、移動部73との軸方向間に移動部73との相対回転を許容させると共に移動部73の軸方向移動を押圧部75に伝達させるスラストベアリングを介して入力部材11の外周側に配置されている。この押圧部75は、入力部材11の壁部に形成された孔部77に挿通される複数の突部79が周方向等間隔に突設され、この突部79が移動部73の軸方向移動により一対のクラッチ5,7を押圧して一対のクラッチ5,7を接続させる。このような押圧部材67は、電動モータ69の作動によって軸方向移動される。
電動モータ69は、ケーシング25の外側に組付けられ、ケーシング25の内部にモータ軸81が配置されている。この電動モータ69は、制御手段としてのコントローラ(不図示のECU)に接続され、コントローラによって制御可能に作動される。この電動モータ69のモータ軸81から出力される回転は、モータ軸81と一体回転可能に設けられた小径のモータギヤ83と噛み合う大径の押圧部材67の移動部73に伝達され、移動部73の回転が変換機構71によって軸方向操作力に変換される。
変換機構71は、ボールカム機構であり、押圧部材67の移動部73とカムリング85とに周方向に形成された複数のカム面を対向させ、これらのカム面間に介在されたカムボール87からなる。
カムリング85は、入力部材11の外周に配置され、凹凸形状の係合部89を介してケーシング25に回転不能に係合されている。また、カムリング85は、スラスト反力によるベアリング13,15側への軸方向移動がスラストベアリングを介して入力部材11の外周に固定された規制部材91によって規制されている。このカムリング85と押圧部材67の移動部73との軸方向の対向面には、それぞれ周方向に形成された複数のカム面が形成され、これらのカム面間にはカムボール87が介在されている。
カムボール87は、押圧部材67の移動部73の回転によってカムリング85と移動部73との間に差回転が生じることにより、押圧部材67を一対のクラッチ5,7側へ軸方向押圧移動させるカムスラスト力を発生させる。
このように構成された動力伝達装置1では、電動モータ69の作動により電動モータ69の回転が押圧部材67の移動部73に伝達され、変換機構71に伝達される。この変換機構71に伝達された回転は、軸方向操作力に変換され、押圧部材67を一対のクラッチ5,7の接続方向に軸方向移動させる。この押圧部材67の軸方向移動により押圧部75が一対のクラッチ5,7の複数のクラッチ板を押圧して一対のクラッチ5,7が接続される。この一対のクラッチ5,7の接続により入力部材11と出力部材19,19との間、すなわち第1変速ギヤ組3と第2変速ギヤ組9,9との動力伝達が可能となり、第2変速ギヤ組9,9で減速された駆動力が後車軸145,147を介して後輪149,151に出力される。
このような後輪149,151にそれぞれ駆動力を出力する一対のクラッチ5,7の締結力をそれぞれ独立して制御することにより、後輪149,151に必要な駆動力を適切に配分させることができ、車両の発進性、旋回安定性を向上することができる。
このような動力伝達装置1では、一対のクラッチ5,7から出力された駆動力をそれぞれ出力する一対の第2変速ギヤ組9,9を有するので、第1変速ギヤ組3のみで駆動力を減速させる必要がなく、一対のクラッチ5,7のトルク容量を小さくすることができ、一対のクラッチ5,7を径方向に小型化することができる。
また、一対の第2変速ギヤ組9,9は、一対のクラッチ5,7から出力された駆動力をそれぞれ出力するので、第1変速ギヤ組3を変更させなくとも、一対の第2変速ギヤ組9,9のギヤ比を変更することによって必要な増速比を調整でき、動力伝達装置1の汎用性を向上することができる。
従って、このような動力伝達装置1では、第1変速ギヤ組3と共に一対のクラッチ5,7から出力された駆動力をそれぞれ出力する一対の第2変速ギヤ組9,9を有するので、大型化を抑制することができると共に、汎用性を向上することができる。
また、第1変速ギヤ組3のギヤ比は、一対の第2変速ギヤ組9,9それぞれのギヤ比より小さく設定されているので、第1変速ギヤ組3で減速させなくても、第2変速ギヤ組9によって必要な駆動力となるように十分に減速させることができる。
さらに、一対の第2変速ギヤ組9,9は、一対のクラッチ5,7を軸方向に挟んで分離配置されているので、一対のクラッチ5,7が軸方向に張り出すことがなく、動力伝達装置1を軸方向に小型化することができる。
また、アクチュエータ65,65は、一対のクラッチ5,7と一対の第2変速ギヤ組9,9との軸方向間に配置されているので、アクチュエータ65,65を軸方向にコンパクト化して配置させることができる。
さらに、リングギヤ31は、中空の入力部材11に固定され、一対のクラッチ5,7は、入力部材11の内部に配置されているので、第1変速ギヤ組3と一対のクラッチ5,7とを径方向にオーバーラップして配置させることができ、動力伝達装置1を軸方向に小型化することができる。
また、クラッチ5は、リングギヤ31の内周側に配置されているので、クラッチ5が第1変速ギヤ組3の噛み合い部から軸方向外側に張り出すことがなく、動力伝達装置1の軸方向の大型化を抑制することができる。
さらに、第1変速ギヤ組3は、減速比を小さく設定してピニオン29とリングギヤ31の回転軸心が互いに直交して配置されているので、安価なベベルギヤ組を適用することができ、低コスト化することができる。
また、一対の第2変速ギヤ組9,9は、それぞれプラネタリギヤを用いた変速機構で構成されているので、様々な変速比に対応することができると共に、動力伝達装置1の大型化を抑制することができる。
なお、本発明の実施の形態に係る動力伝達装置では、制御手段がモータ・ギヤ・カム機構となっているが、これに限らず、モータ・ギヤ・ネジ機構、電磁吸引,電磁力,電磁ソレノイドなどを適用した電磁式アクチュエータ、油圧シリンダ・ピストン機構、モータ・シフトロッド機構、エアダイアフラム、流体流路ON−OFFバルブなど、種々の制御手段を採用可能である。
また、クラッチは、制御手段を用いた多板クラッチに限らず、単板クラッチ、1又は2ウェイクラッチ、粘性流体クラッチ、磁性流体クラッチ、プランジャ,トロコイド,ベーンなどのポンプの吐出抵抗を用いたクラッチなど、種々のクラッチを採用可能である。
さらに、第1変速ギヤ組は、必要に応じて、増速ギヤ組を用いてもよい。例えば、第1変速ギヤ組と方向変換ギヤ組とをセットで変速比を設定すれば、方向変換ギヤ組の増速比の抑制によりトランスファ側の大型化の抑制も可能になる。
また、第2変速ギヤ組は、プラネタリギヤ機構を用いたギヤ組の他に、種々のギヤ組としての構成要素を必要な変速機能に合わせて採用することができる。
1…動力伝達装置
3…第1変速ギヤ組
5,7…一対のクラッチ
9…一対の第2変速ギヤ組
11…入力部材(中空の回転部材)
13,15…ベアリング
29…ピニオン(入力ギヤ)
31…リングギヤ(出力ギヤ)
65…アクチュエータ(制御手段)

Claims (8)

  1. 駆動力が入力される入力ギヤとこの入力ギヤと噛み合う出力ギヤとからなる第1変速ギヤ組と、
    前記出力ギヤから出力される駆動力をそれぞれ断続する一対のクラッチと、
    前記一対のクラッチから出力された駆動力をそれぞれ出力する一対の第2変速ギヤ組とを有し、
    前記一対のクラッチは、前記出力ギヤが固定された入力部材と、この入力部材と相対回転可能で前記第2変速ギヤ組へ出力する出力部材との間に配置され、
    前記入力部材は、一対のベアリングを介してケーシングに回転可能に支持され、
    前記一対のクラッチの断続を制御する制御手段を備え、
    前記制御手段は、前記一対のクラッチと前記一対のベアリングとの軸方向間に配置されていることを特徴とする動力伝達装置。
  2. 請求項1記載の動力伝達装置であって、
    前記第1変速ギヤ組のギヤ比は、前記一対の第2変速ギヤ組それぞれのギヤ比より小さく設定されていることを特徴とする動力伝達装置。
  3. 請求項1又は2記載の動力伝達装置であって、
    前記一対の第2変速ギヤ組は、前記一対のクラッチを軸方向に挟んで分離配置されていることを特徴とする動力伝達装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の動力伝達装置であって
    記制御手段は、少なくとも前記一対のクラッチの一方と前記一対の第2変速ギヤ組の一方との軸方向間に配置されていることを特徴とする動力伝達装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の動力伝達装置であって、
    前記入力部材は、中空状に形成され、
    前記一対のクラッチは、前記入力部材の内部に配置されていることを特徴とする動力伝達装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の動力伝達装置であって、
    前記一対のクラッチのうち少なくとも一方のクラッチは、前記出力ギヤの内周側に配置されていることを特徴とする動力伝達装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の動力伝達装置であって、
    前記第1変速ギヤ組は、前記入力ギヤと前記出力ギヤの回転軸心が互いに直交して配置されていることを特徴とする動力伝達装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の動力伝達装置であって、
    前記一対の第2変速ギヤ組は、それぞれプラネタリギヤを用いた変速機構で構成されていることを特徴とする動力伝達装置。
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