JPH10147597A - 可溶性ポリペプチド - Google Patents

可溶性ポリペプチド

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JPH10147597A
JPH10147597A JP8306056A JP30605696A JPH10147597A JP H10147597 A JPH10147597 A JP H10147597A JP 8306056 A JP8306056 A JP 8306056A JP 30605696 A JP30605696 A JP 30605696A JP H10147597 A JPH10147597 A JP H10147597A
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 上皮細胞に対して形態形成促進作用や細
胞増殖作用を有するポリペプチドであって、ヒト・エピ
モルフィンのN末端の1番目から103 番目のアミノ酸に
より特定されるポリペプチド、及びマウス・エピモルフ
ィンのN末端の1番目から104 番目のアミノ酸により特
定されるポリペプチド、並びに該ポリペプチドを有効成
分として含む医薬。 【効果】 水に可溶であり、形態形成異常を伴う疾患、
例えば炎症性疾患、火傷、創傷などの治療や予防のため
の医薬や、毛成長促進に用いる医薬などの有効成分とし
て有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、上皮細胞に対して
形態形成促進作用や細胞増殖作用を有し、医薬の有効成
分として有用なポリペプチドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】上皮組織の正常な形態形成は上皮組織の
周りに存在する間充織細胞由来の因子による制御を受け
ていることが示唆されており、また、上皮組織の形態形
成異常に起因する疾患の多くが間充織細胞の異常を原因
としていることから、間充織細胞が上皮組織の形態形成
を制御するメカニズムの解明に興味がもたれている。し
かしながら、上皮組織の形態形成の制御に関与する物質
群は複雑な系の中で時間的及び空間的な制御を受けて発
現されており、それらの物質を単離して機能を解析する
ことは極めて困難であること、また、上皮組織の形態形
成を単純化したモデル実験系の構築も難しいことなどの
理由から、この分野の研究には今日まで大きな進展が見
られていない。上皮組織の形態形成に起因する疾患の発
症機序の解明やそれらの疾患の治療方法の確立などのた
めに、上皮組織における形態形成の制御メカニズムの解
析が切望されていた。
【0003】このような状況下にあって、上皮組織の形
態形成の制御に関与するエピモルフィン (epimorphin)
が分離・精製された(特開平6-25295 号公報)。この物
質は277 ないし 289個のアミノ酸からなる蛋白質をコア
・蛋白質とする生理活性物質であり、主として間充織細
胞により生合成されていることが明らかにされた。ま
た、エピモルフィンは、上皮細胞に作用して上皮組織の
形態形成を促進する作用を有していること、並びにエピ
モルフィンが機能しない場合には正常な組織形成が行わ
れないことも明らかにされた。
【0004】エピモルフィンの構造については、エピモ
ルフィン分子が構造上大きく4個のフラグメントに分け
られることが見いだされている(特願平7-175539号明細
書及び特願平8-99684 号明細書:欧州特許公開第069866
6 号)。すなわち、エピモルフィンの全長を構成するポ
リペプチドは、N末端側より、コイルドコイル領域(1)
、機能ドメイン(2) 、コイルドコイル領域(3) 、及び
C末端の疎水性領域に分けることができる。これらのフ
ラグメントのうち、機能ドメイン(ヒト・エピモルフィ
ンではN末端より104 番目から187 番目のアミノ酸によ
り特定される領域)については、この領域が細胞接着に
関与しており、エピモルフィンの生理活性の発現に密接
にかかわっていることが示唆されている(上掲欧州特許
公開)。
【0005】エピモルフィンが正常な形態形成を促進す
る作用を有することから、この物質は、形態形成の異常
に起因する疾患などの予防や治療のための医薬や、又は
育毛剤などの医薬の有効成分として有用であることが期
待される。しかしながら、哺乳類動物から得られた天然
型エピモルフィンは生理食塩水などの水性媒体に難溶で
あり、医薬として実用に供することが困難であった。こ
のため、天然型エピモルフィンの形態形成促進作用を実
質的に保持しつつ、溶解性に優れたエピモルフィン誘導
体を創製する試みがなされている。例えば、C末端部の
疎水性領域を除去した改変体(フラグメント123)などが
知られている(特開平6-25295 号公報)。
【0006】エピモルフィンの部分構造であるコイルド
コイル領域(1) については、従来、この領域がエピモル
フィンを可溶化させる作用を有することが明らかにされ
ている。しかしながら、エピモルフィンのN末端側から
アミノ酸を除去してコイルドコイル領域(1) の一部を除
去すると、得られた改変体の細胞接着活性が低下してし
まうことも同時に明らかにされた(欧州特許公開第0698
666 号)。すなわち、この領域の作用については、可溶
性の面ではフラグメント(23)の高次構造を変化させる等
の作用によりポジティブに働くが、細胞接着活性につい
ては機能ドメイン(2) をマスクする等の作用によりネガ
ティブに働くと開示されており、医薬としての適用可能
性について否定的な示唆がある。なお、エピモルフィン
の上記各領域 [コイルドコイル領域(1) 、機能ドメイン
(2) 、又はコイルドコイル領域(3)]のそれぞれの生理作
用については、細胞接着活性についての報告はあるもの
の、エピモルフィンに類似の形態形成促進作用について
は従来報告がない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上皮
細胞に対して形態形成促進作用を有する可溶性ポリペプ
チドを提供することにある。より具体的には、上皮細胞
に作用して上皮組織の形態形成を促進し、かつ生理食塩
水などの水性媒体に溶解可能なポリペプチドを提供する
ことが本発明の課題である。また本発明の別の課題は、
上記の特徴を有するポリペプチドを有効成分として含
み、形態形成因子、例えばエピモルフィンの過少発現に
起因する、又は組織又は器官の破壊を伴う疾患の予防及
び/又は治療に有用な医薬を提供することにある。さら
に本発明の別の課題は、上記の可溶性ポリペプチドを有
効成分として含む毛成長促進剤を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記の課題を
解決すべく鋭意努力した結果、エピモルフィンを構成す
るコイルドコイル領域(1) からなるポリペプチドが、水
性媒体に溶解可能であり、かつ、上皮細胞に作用して上
皮組織の形態形成を促進すること、並びに上皮細胞に対
して顕著な細胞増殖促進作用を有することを見いだし
た。本発明は上記の知見を基にして完成されたものであ
る。
【0009】すなわち本発明は、形態形成促進作用を有
するポリペプチドであって、下記のアミノ酸配列(I): Met Arg Asp Arg Leu Pro Asp Leu Thr Ala Cys Arg Lys Asn Asp Asp Gly Asp Thr Val Val Val Val Glu Lys Asp His Phe Met Asp Asp Phe Phe His Gln Val Glu Glu Ile Arg Asn Ser Ile Asp Lys Ile Thr Gln Tyr Val Glu Glu Val Lys Lys Asn His Ser Ile Ile Leu Ser Ala Pro Asn Pro Glu Gly Lys Ile Lys Glu Glu Leu Glu Asp Leu Asn Lys Glu Ile Lys Lys Thr Ala Asn Lys Ile Arg Ala Lys Leu Lys Ala Ile Glu Gln Ser Phe Asp Gln Asp Glu により特定されるポリペプチド(本明細書においてこの
ポリペプチドを「ポリペプチド(I) 」という場合があ
る)を提供するものである。
【0010】また、本発明により、形態形成促進作用を
有するポリペプチドであって、下記のアミノ酸配列(I
I): Met Arg Asp Arg Leu Pro Asp Leu Thr Ala Cys Arg Thr Asn Asp Asp Gly Asp Thr Ala Val Val Ile Val Glu Lys Asp His Phe Met Asp Gly Phe Phe His Gln Val Glu Glu Ile Arg Ser Ser Ile Ala Arg Ile Ala Gln His Val Glu Asp Val Lys Lys Asn His Ser Ile Ile Leu Ser Ala Pro Asn Pro Glu Gly Lys Ile Lys Glu Glu Leu Glu Asp Leu Asn Lys Glu Ile Lys Lys Thr Ala Asn Arg Ile Arg Gly Lys Leu Lys Ser Ile Glu Gln Ser Cys Asp Gln Asp Glu により特定されるポリペプチド(本明細書においてこの
ポリペプチドを「ポリペプチド(II)」という場合があ
る)が提供される。
【0011】さらに、本発明によれば、上記アミノ酸配
列(I) 若しくは(II)において1又は2以上のアミノ酸が
置換、挿入、及び/又は欠失されたことを特徴とするポ
リペプチド;天然型エピモルフィンの形態形成促進作用
と実質的に同様の形態形成促進作用を有する上記の各ポ
リペプチド;並びに、さらに細胞増殖促進作用を有する
上記の各ポリペプチドも提供される。
【0012】本発明の別の態様によれば、上記のポリペ
プチドを有効成分として含む医薬が提供される。この医
薬の好ましい態様として、形態形成因子の過少発現に起
因する、又は組織若しくは器官の破壊を伴う疾患の治療
及び/又は予防のために用いる医薬;並びに、毛成長促
進剤として用いる医薬が提供される。これらに加えて、
上記のポリペプチドをヒトを含む哺乳類に投与する工程
を含む、形態形成因子の過少発現に起因する、又は組織
若しくは器官の破壊を伴う疾患の治療及び/又は予防方
法;上記のポリペプチドをヒトを含む哺乳類に投与する
工程を含む、エピモルフィンの発現過少に起因する疾患
の診断方法;並びに、上記のポリペプチドをヒトを含む
哺乳類に投与する工程を含む毛の成長促進方法が提供さ
れる。
【0013】本発明のさらに別の態様によれば、本発明
の上記ポリペプチドを特異的に認識する抗体、好ましく
はモノクローナル抗体が提供される。上記抗体の好まし
い態様として、上記ポリペプチドに特異的に結合し、上
皮細胞に対する上記ポリペプチドの形態形成促進作用を
阻害する抗体;並びに、コイルドコイル領域(1) を有す
るエピモルフィン類に特異的に結合し、上皮細胞に対す
る上記エピモルフィン類の形態形成促進作用を阻害する
抗体が提供される。また、上記抗体を有効成分として含
む医薬、好ましくはエピモルフィンの発現過多に起因す
る疾患の予防及び/又は治療に有用な医薬、並びに、毛
成長阻害剤として用いる医薬が提供される。これらに加
えて、上記の抗体をヒトを含む哺乳類に投与する工程を
含む、エピモルフィンの発現過多に起因する疾患の治療
及び/又は予防方法;上記の抗体をヒトを含む哺乳類に
投与する工程を含む、エピモルフィンの発現過多に起因
する疾患の診断方法;並びに、上記の抗体をヒトを含む
哺乳類に投与する工程を含む毛の成長阻害方法が提供さ
れる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明により提供される上記のポ
リペプチド(I) は、ヒト・エピモルフィンのN末端の1
番目から103 番目のアミノ酸により特定されるコイルド
コイル領域(1) (欧州特許公開第0698666 号)に相当す
るものである。また、上記ポリペプチド(II)は、マウス
・エピモルフィンのN末端の1番目から104 番目のアミ
ノ酸により特定されるコイルドコイル領域(1)(上掲欧州
特許公開)に相当している。これらのポリペプチドは、
天然型エピモルフィンに比べて水溶性に優れており、蒸
留水、生理食塩水、リン酸緩衝生理食塩水などの水性媒
体に可溶であることを特徴としている。例えば、このポ
リペプチドを水性媒体に溶解して 100,000×g で1〜2
時間遠心処理しても0.2 mg/ml 以下の濃度であれば実質
的に沈殿の生成が認められない。もっとも、本明細書に
おいて用いられる「可溶」という用語を上記の特定の溶
解性に限定して解釈すべきではない。
【0015】また、上記ポリペプチド(I) 又はポリペプ
チド(II) は、天然型エピモルフィンの上皮細胞に対す
る形態形成促進作用と実質的に同様の作用を有すること
を特徴としている。天然型エピモルフィンとは、例えば
哺乳類などの間充織細胞によって生合成されるエピモル
フィンのことを意味する。天然型エピモルフィンとして
は、例えば、ヒト、サル、ウシ、ウマ、ヒツジ、イヌ、
ネコ、ウサギ、ラット、マウスなどに由来するエピモル
フィン、好ましくはヒト由来のエピモルフィンなどを挙
げることができる。
【0016】天然型のエピモルフィンには、遺伝子のス
プライシングにより複数のアイソフォームが存在する場
合がある。例えば、ヒト・エピモルフィンについては、
特開平6-25295 号公報に示されているように 288個のア
ミノ酸からなるヒト・エピモルフィン、並びにそれぞれ
287 個及び277 個のアミノ酸からなるヒト・エピモルフ
ィンのアイソフォームA及びBが存在しており、マウス
・エピモルフィンについては、 289個のアミノ酸からな
るマウス・エピモルフィン、並びにそれぞれ 288個及び
279個のアミノ酸からなるマウス・エピモルフィンのア
イソフォームA及びBが存在している。本明細書におい
て天然型エピモルフィンという場合には、これらのアイ
ソフォーム類をすべて含む概念として用いる。
【0017】本発明のポリペプチドには、上記のポリペ
プチド(I) 及びポリペプチド(II)のほか、上記ポリペプ
チド(I) 又はポリペプチド(II)の構成アミノ酸のうちの
1個または2個以上のアミノ酸が他のアミノ酸によって
置換されており、これらの構成アミノ酸のうちの1個ま
たは2個以上のアミノ酸が欠失しており、及び/又は上
記ポリペプチド鎖中に1個若しくは2個以上の任意のア
ミノ酸が挿入された上記ポリペプチド(I) 又はポリペプ
チド(II)のアミノ酸変異体であって、実質的に上皮細胞
に対して形態形成促進作用や細胞増殖作用を有するポリ
ペプチドが包含される。置換及び/又は挿入される1又
は2以上のアミノ酸の種類は特に限定されないが、L-ア
ミノ酸であることが好ましい。
【0018】本発明のポリペプチドには、上記のポリペ
プチド(I) 若しくはポリペプチド(II)、又はそのアミノ
酸変異体をその部分配列として含み、実質的に形態形成
促進作用や細胞増殖作用を有するポリペプチドが包含さ
れる。例えば、上記のポリペプチド(I) 又はポリペプチ
ド(II) のN末端及び/又はC末端には1個又は2個以
上のアミノ酸が結合していてもよく、好ましくは、2個
以上の任意のアミノ酸から構成される任意のオリゴペプ
チドが結合していてもよい。このようなアミノ酸の種類
は特に限定されないが、L-アミノ酸から選択されること
が好ましい。例えば、上記ポリペプチド(I) 又はポリペ
プチド(II)のN末端に 1〜10個程度、好ましくは 5〜7
個、特に好ましくは6個のL-ヒスチジンをタグ配列とし
て結合したものは、付加したタグ配列に特異的に結合す
る抗体やニッケル等の物質を用いて簡便に精製、検出で
きるので、生産効率などの観点から好ましいポリペプチ
ドである。また、親水性や体内安定性を高めるなどの機
能性の改善や、形態形成促進作用を高めるなどの目的で
特定のタグ配列をポリペプチドに付加することも可能で
ある。その他、特定分子に結合可能なタグ配列を付加す
ることにより、特定の組織又は器官に対するドラッグデ
リバリー効率を改善した融合蛋白質などを製造すること
もできる。
【0019】上記のポリペプチドは遊離形態であっても
よいが、塩酸塩、酢酸塩、若しくはパラトルエンスルホ
ン酸などの酸付加塩、又はアンモニウム塩若しくは有機
アミン塩などの塩基付加塩として提供されてもよい。従
って、本明細書においてポリペプチドという場合には、
上記のような塩の形態のポリペプチドを包含する意味に
解釈されるべきである。また、上記の各ポリペプチドに
任意の糖類(単糖、二糖、オリゴ糖、若しくは多糖)が
結合したものや脂質類などが結合したもののほか、リン
酸化されたものも本発明のポリペプチドの範囲に包含さ
れる。
【0020】本明細書の実施例には、上記可溶性ポリペ
プチドの好ましい態様であるポリペプチド(I) につい
て、腎臓由来 MDCKII 細胞に対する形態形成促進作用の
試験方法が具体的に説明されている。従って、当業者は
これらの試験例を参照しつつ、あるいはこれらの方法に
適宜の改変や修飾を加えることにより、上記に定義され
た各ポリペプチドが所望の形態形成促進作用を有してい
ることを容易に確認することができる。なお、上皮組織
に対するエピモルフィンの形態形成の促進作用は、例え
ば、特開平6-25295 号公報の実施例にも詳細に記載され
ているので、このような試験系を応用することによって
も形態形成促進作用を確認することが可能である。
【0021】いかなる特定の理論に拘泥するわけではな
いが、天然型ヒト・エピモルフィンは、中央フラグメン
ト(機能ドメイン:N末端より104 番目から187 番目の
アミノ酸残基により特定されるフラグメント)に存在す
る細胞接着性領域が上皮細胞の細胞外表面に存在するエ
ピモルフィン・レセプターに結合することによって上皮
細胞表面に固定されるとともに、ポリペプチド(I) を含
む領域(天然型のヒト・エピモルフィンのコイルドコイ
ル領域:エピモルフィンのN末端から103 番目のアミノ
酸残基までの部分)が形態形成に関与するレセプターに
結合ないし作用して形態形成作用を発現している可能性
がある。
【0022】なお、本発明の上記ポリペプチドは、上皮
組織に対して天然型エピモルフィンと実質的に同様の形
態形成促進作用を有しているが、その作用の強弱は特に
限定されない。例えば、天然型のヒト・エピモルフィン
と同程度又はそれ以下の濃度で形態形成促進作用を発揮
できることが好ましい。なお、本明細書の実施例には形
態形成促進作用の代表的試験方法(腎由来細胞に対する
管構造形成作用の試験方法)を具体的に記載したが、上
記ポリペプチドの形態形成促進作用はこの作用に限定さ
れることはない。また、本発明のポリペプチドは上皮細
胞に対して強力な細胞増殖促進作用を有している。従っ
て、本発明のポリペプチドによる達成される形態形成
は、細胞の増殖(細胞数の増加)を伴う形態形成である
ことを特徴としている。本明細書の実施例には本発明の
ポリペプチドによる細胞増殖促進活性の試験例が開示さ
れているが、本発明のポリペプチドの細胞増殖促進作用
はこの試験例により明らかにされた特定の作用に限定さ
れることはない。
【0023】なお、天然型エピモルフィンについて数種
の形態形成促進作用が報告されているが、それらは天然
型エピモルフィンの奏する多様な形態形成促進作用の一
部である可能性があることを理解すべきである。従っ
て、形態形成促進作用という用語は、従来報告又は確認
されている形態形成促進作用に限定されず、最も広義に
解釈する必要がある。また、例えば、形態形成誘導活
性、器官・形態形成支持作用などの概念も形態形成促進
作用に包含される概念である。さらに、実質的に同様と
いう用語も限定的に解釈すべきではない。本発明のポリ
ペプチドが天然型エピモルフィンの形態形成促進作用に
加えて、その作用とは異なる他の形態形成作用を有して
いる場合も本発明の範囲に包含される。
【0024】上記ポリペプチドは、ペプチド合成に通常
用いられる固相法および液相法などの化学的手法により
合成することができる。ペプチド合成におけるアミノ基
等の保護基および縮合反応の縮合剤としては、例えば:
鈴木紘一編「タンパク質工学−基礎と応用」(1992年,
丸善株式会社);ボンダンスキーら著「ペプタイド・シ
ンセシス」(1976 年, John Wiley & Sons, N.Y.);及び
スチュワートら著「ソリッド・フェーズ・ペプタイド・
シンセシス」(1969 年, W.H. Freeman and Co., San Fr
ancisco)等に記載されたものを用いることができる。固
相法では市販の各種ペプチド合成装置を利用することが
できる。また、通常の遺伝子発現操作等の生物学的手法
に従って、上記ポリペプチドをコードするDNA 配列を含
む組み換えベクターを製造した後、該ベクターにより形
質転換された微生物(形質転換体)を調製し、該形質転
換体を培養した培養物から所望の上記可溶性ポリペプチ
ドを分離・精製することができる。もっとも、上記可溶
性ポリペプチドの製造方法はこれらの化学的方法及び生
物学的方法に限定されることはない。
【0025】遺伝子発現による製造方法に利用可能なDN
A としては、下記塩基配列: ATG CGG GAC CGG CTG CCA GAC CTG ACG GCG TGT AGG AAG AAT GAT GAT GGA GAC ACA GTT GTT GTG GTT GAG AAA GAT CAT TTC ATG GAT GAT TTC TTC CAT CAG GTG GAG GAG ATT AGA AAC AGT ATT GAT AAA ATA ACT CAA TAT GTT GAA GAA GTA AAG AAA AAC CAC AGC ATC ATT CTT TCT GCA CCA AAC CCG GAA GGA AAA ATA AAA GAA GAG CTT GAA GAT CTG AAC AAA GAA ATC AAG AAA ACT GCG AAT AAA ATT CGA GCC AAG TTA AAG GCT ATT GAA CAA AGT TTT GAT CAG GAT GAG などを挙げることができる(相補的な塩基配列を省略し
てセンス鎖のみを示し、配列中、始点が5'末端であり、
終点が3'末端である)。
【0026】このDNA は、天然型ヒト・エピモルフィン
の全長をコードする DNA(特開平6-25295 号公報に開示
された式(6) で表される核酸配列)のうち、第1番目か
ら第309 番目のヌクレオチドまでに相当しており、上記
ポリペプチド(I) をコードするDNA である。上記ポリペ
プチド(II)の製造には、例えば、天然型マウス・エピモ
ルフィンの全長をコードする DNA(特開平6-25295 号公
報に開示された式(12)で表される核酸配列)のうち、第
1番目から第312 番目のヌクレオチドにより特定される
DNA を用いることができる。
【0027】また、上記のヒト由来のDNA 又はマウス由
来のDNA を用いて常法によりアミノ酸変異体を容易に製
造することが可能である。このような方法としては、例
えば、「PCR実験マニュアル」(1991年, HJB 出版
局)第155 〜160 頁に記載されているリコンビナントPC
R 法や「実験医学増刊 Vol.8, No.9」(1990 年, 羊土
社)第63〜67頁に記載されたPCR を用いた変異遺伝子の
作成法などを利用することができる。所望のポリペプチ
ドを製造するために利用可能な遺伝子発現方法として
は、例えば、特願平7-175540号明細書の実施例に詳細に
記載された方法を利用することができるが、これらの方
法に限定されることはない。
【0028】本発明の上記ポリペプチドは、上皮細胞に
作用して、上皮性の組織又は器官等の形態形成を促進す
る作用を有している。従って、本発明のポリペプチド
は、内因性の形態形成因子の過少発現などに起因する組
織や器官の形態形成の異常を伴う疾患、又は組織又は器
官の破壊を伴う疾患の治療及び/又は予防のための医
薬、あるいは上記疾患の診断のための医薬の有効成分と
して有用である。また、上記ポリペプチドは、毛成長促
進剤として用いる医薬の有効成分としても有用である。
本明細書における医薬という用語は、ヒトを含む哺乳類
の病気の予防、治療、及び診断に用いるもののほか、通
常は医薬部外品として分類される毛成長促進剤や毛成長
阻害剤などを含めて最も広義に用いる。
【0029】形態形成因子としては天然型エピモルフィ
ンを含めて種々のものが知られている。本発明の医薬
は、上記の形態形成因子、特にエピモルフィンの過少発
現に起因する組織や器官の形態形成異常を伴う疾患の予
防及び/又は治療に有用である。また、炎症性疾患、
癌、火傷、手術、又は創傷、並びにそれらの治癒過程な
ど、上皮性の組織や器官の破壊を伴う疾患(傷害を含む
概念として用いる)に対して、上皮組織や器官の再生を
促進する目的で本発明の医薬を用いることが可能であ
る。より具体的には、例えば、慢性腎炎などの腎疾患;
肺炎、肺気腫、肺結核、慢性閉塞性肺疾患、塵肺、嚥下
性肺炎などの慢性及び急性肺疾患;慢性気管支炎などの
気管及び気管支疾患;急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変、劇
症肝炎などの肝疾患;癌;良性前立腺肥大;消化性潰
瘍;創傷;皮膚潰瘍などの疾患は、形態形成促進作用を
有する他の生理活性物質(例えばHGF やEGF など)によ
って治療が可能であることが示唆されているので、本発
明の医薬はこれらの疾患に対して有効であることが期待
される。
【0030】さらに、本発明の医薬をエピモルフィンの
過少発現に起因する疾患の患者に投与した場合、一般的
には該疾患の症状の軽減が認められるので、該疾患を確
定診断することができる。本明細書の実施例に具体的に
示したように、本発明のポリペプチドは、特に腎細胞に
対して強力な細胞増殖作用及び形態形成促進作用を有し
ている。従って、治療に際して腎臓組織、例えば腎尿細
管上皮細胞の再生や保護が必要な腎疾患に対して、本発
明の医薬を特に好適に用いることができる。例えば、本
発明の医薬を、急性糸球体腎炎、急速進行性腎炎、慢性
糸球体腎炎などの慢性腎炎、ネフローゼ症候群、慢性腎
不全、腎臓ガンなどの腎疾患に適用することが可能であ
る。
【0031】本発明の医薬の適用対象は上記に例示した
疾患に限定されることはなく、1又は2以上の形態形成
因子の発現過少、特にエピモルフィンの発現過少が関与
していると考えられる疾患、及び組織や器官の実質的な
破壊を伴う疾患に対して適用可能であることを理解すべ
きである。また、本発明のポリペプチドを有効成分とし
て含む毛成長促進剤の用途は、育毛促進及び発毛促進な
どを含めて最も広義に解釈すべきである。
【0032】本発明の医薬としては、上記のポリペプチ
ドから選ばれる1又は2種以上の物質をそのまま用いて
もよいが、通常は、製剤学的に許容しうる1又は2種以
上の製剤用添加物を用いて上記物質の1又は2種以上を
有効成分として含む医薬組成物を製造し、上記の疾患の
治療及び/又は予防のために用いることが好ましい。溶
解度、吸収及び排泄などの体内動態、及び/又は製造方
法などの観点から、上記のポリペプチドは生理学的に許
容される塩の形態であってもよい。上記の医薬組成物の
投与経路としては、例えば、静脈内投与、直腸内投与、
経口投与などの全身投与の他、外用、点眼、点鼻、点
耳、局所注射などの局所投与を挙げることができる。
【0033】例えば、静脈内投与用注射剤若しくは点滴
剤などの全身投与剤、又は、軟膏、クリーム剤、貼付
剤、若しくは局所注射剤などの局所投与剤は本発明の医
薬組成物の好ましい形態である。有効成分をリポソーム
などに封入した医薬組成物や抗体などを結合した医薬組
成物を用いることにより、標的器官に対する親和性や選
択性を改善することができる場合がある。もっとも、投
与経路は適用対象となる疾患の種類、治療又は予防の目
的、患部の種類、患者の状態などに応じて適宜選択可能
であり、それぞれの投与経路に好適な製剤形態も適宜選
択できることはいうまでもない。診断薬として用いる場
合の形態も特に限定されないが、診断方法には本発明の
医薬を患者に投与する場合のほか、患者から分離・採取
した生体試料を用いて行う場合も包含される。
【0034】また、上記のポリペプチドの1種又は2種
以上を有効成分として含む毛成長促進剤は、クリーム
剤、噴霧剤、塗布用の溶液剤、又は貼付剤など、毛成長
促進剤としての使用目的に好適な形態の製剤として提供
されることが好ましい。上記可溶性ポリペプチドは生理
学的に許容される塩の形態であってもよく、皮膚のケラ
チン層を通して有効成分である上記可溶性ポリペプチド
を効率的に経皮吸収させるために、適宜の界面活性剤や
脂溶性物質などをクリーム剤などに配合することも好適
である。なお、本発明のポリペプチドの用途は上記の医
薬に限定されることはなく、例えば、細胞培養用の培地
に対する添加剤として用いることも可能である。
【0035】本発明の第二の態様によれば、本発明のポ
リペプチド、好ましくは上記ポリペプチド(I) 又は(II)
を特異的に認識する抗体、好ましくはモノクローナル抗
体が提供される。本発明の抗体は、本発明のポリペプチ
ド(好ましくは上記ポリペプチド(I) 若しくは(II))、
又はコイルドコイル領域(1) を有するエピモルフィン類
(好ましくはヒト又はマウス由来の天然型エピモルフィ
ン)に対して特異的に結合することができ、それらの物
質の上皮細胞に対する形態形成促進作用を阻害する作用
を有している。本明細書においてエピモルフィン類とい
う用語は、天然型エピモルフィン及び天然型エピモルフ
ィンと実質的に同様な生理作用を有する天然型エピモル
フィンの改変体(エピモルフィン改変体)、並びに天然
型エピモルフィンと実質的に同様な生理作用を有するそ
れらのアミノ酸変異体を包含する概念で用いる。
【0036】本明細書において、エピモルフィン改変体
とは、天然型のエピモルフィンと実質的に同様の生理作
用(例えば、上皮細胞に対する細胞接着作用と上皮細胞
に対する形態形成促進作用)を有するポリペプチドであ
って、上記の天然型エピモルフィンのポリペプチド配列
(通常は277 ないし 289個のアミノ酸からなるポリペプ
チドである)に由来する部分ポリペプチド配列である
か、又は、天然型エピモルフィンのポリペプチド配列に
由来する上記部分ポリペプチド配列をその部分配列とし
て含むポリペプチドのことを意味する。例えば、天然型
エピモルフィンのC末端疎水性領域を除去したポリペプ
チド(特開平6-25295 号公報)はエピモルフィン改変体
の代表的化合物である。また、本明細書において、天然
型エピモルフィン又はエピモルフィン改変体のアミノ酸
変異体とは、天然型のエピモルフィンと実質的に同様の
上記生理作用を有するポリペプチドであって、上記天然
型エピモルフィン又はエピモルフィン改変体のポリペプ
チド鎖を構成するアミノ酸のうちの1個または2個以上
のアミノ酸が他のアミノ酸によって置換されており、こ
れらの構成アミノ酸のうちの1個または2個以上のアミ
ノ酸が欠失しており、及び/又は上記ポリペプチド鎖中
に1個若しくは2個以上の任意のアミノ酸が挿入された
ものを意味している。
【0037】上記公報などに開示されたエピモルフィン
改変体のほか、開示された方法に従って、またはそれら
に改変ないし修飾を加えた方法によって製造可能なエピ
モルフィン改変体は、いずれも上記の定義を満足する限
り本明細書におけるエピモルフィン改変体に含まれるこ
とを理解すべきである。また、天然型エピモルフィン又
はエピモルフィン改変体のアミノ酸変異体の製造方法に
ついては、例えば、特願平7-175539号明細書及び特願平
8-99684 号明細書に具体的に説明されているが、これら
の方法に限定されることはなく、いかなる方法により製
造されたアミノ酸変異体であってもよい。なお、これら
のエピモルフィン改変体又はそのアミノ酸変異体の生理
活性の検定方法については、特開平6-25295 号公報又は
特願平8-102553号明細書において詳細に説明された天然
型エピモルフィンの生理活性の検定方法に準じて行うこ
とが可能である。例えば、特願平8-102553号明細書の実
施例に記載されたマウス胎児肺の気管支の形態形成促進
作用や、マウス胎児上顎皮膚の形態形成促進作用などを
確認すればよい。
【0038】エピモルフィン類に結合してそれらの作用
を阻害する抗体として、従来 MC-1が知られている(特
開平6-25295 号公報; CELL, 69, pp.471-481, 1992) 。
本発明の抗体は、上記 MC-1 と同様に、エピモルフィン
類による上皮組織の正常な形態形成のメカニズムを明ら
かにするために有用であり、また、天然型エピモルフィ
ンの発現異常(発現過多)に起因する疾患の発症機序の
解明、並びにそれらの疾患の予防及び/又は治療に有用
な医薬の有効成分として用いることができる。さらに、
本発明の抗体を毛成長阻害剤として用いる医薬の有効成
分としても有用である。
【0039】本発明の抗体の製造方法の一例として、上
記ポリペプチド(II)を用いたポリクローナル抗体の製造
方法の詳細を実施例に記載した。従って、本発明のポリ
ペプチドが適宜の条件下においては哺乳類動物に対して
抗原として作用することができ、通常の方法に従って哺
乳類動物を免疫することができること、及び周知かつ慣
用の方法に従って、本発明のポリペプチドに包含される
任意のポリペプチドを特異的に認識するポリクローナル
抗体又はモノクローナル抗体を容易に製造できることは
当業者に容易に理解されよう。
【0040】形態形成因子の1又は2以上の因子の発現
過多に起因する疾患としては、例えば、慢性間接リウマ
チ、腎細胞癌や皮膚癌などの癌、動脈硬化症、膠原病、
造血器疾患、腎疾患、筋ジストロフィー、骨粗鬆症、神
経線維腫症、Sturge-Weber症候群、結節性硬化症、神経
管閉塞障害、分節異常、迷走障害、脳梁形成、脳孔症、
及び水頭症などを挙げることができるが、本発明の抗体
を有効成分として含む医薬はこれらの疾患の治療及び/
又は予防、並びに診断に有用であることが期待できる。
【0041】もっとも、本発明の医薬の適用対象はこれ
らの疾患に限定されることはなく、1又は2以上の形態
形成因子の発現過多、特に天然型エピモルフィンの発現
過多が関与していると考えられる疾患は全て適用対象と
なることを理解すべきである。また、上記の抗体を有効
成分として含む毛成長阻害剤の用途は、脱毛、育毛阻
害、及び発毛阻害などを含めて最も広義に解釈すべきで
ある。なお、本発明の抗体を有効成分として含む医薬
は、通常は、製剤学的に許容しうる1又は2種以上の製
剤用添加物を用いて医薬組成物として調製されるが、そ
の形態、調製方法、及び医薬組成物の投与経路などは上
記の説明したものを応用可能である。
【0042】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明の範囲は以下の実施例に限定される
ことはない。 例1:本発明のポリペプチドの製造 マウス由来の天然型エピモルフィンのN末端アミノ酸よ
り 1〜104 番目のアミノ酸をコードするDNA 配列(特開
平6-25295 号公報に開示された式(12)で表される核酸配
列のうち、第1番目から第312 番目のヌクレオチドによ
り特定されるDNA)の5'側にメチオニン及び6個のヒスチ
ジンとをコードするATGCATCATCATCATCATCAT が付加され
ており(合計111 個のアミノ酸をコード)、3'末端にス
トップコドンが付加されたcDNAをPCR により調製した。
該cDNAを2つのEcoRV サイトの間の領域が欠失したpET3
C ベクターのNdeI, NhelI サイトに組み込み、発現用ベ
クターを作製した。その後、作製した発現ベクターをHa
nahan 法(「ラボマニュアル遺伝子工学」、丸善株式会
社発行)によりコンピテントセル化した大腸菌BL21株に
導入した。導入法としては、氷上でコンピテントセルを
溶解し、その溶液100 μl に発現ベクターを適量(1 mg
/ml のDNA 溶液を1 μl)添加し、氷上で10分放置した。
その後、42℃のインキュベーター中で2分放置し、最後
に氷上で30分放置することにより導入を完了した。
【0043】次に、上記の形質転換体を、アンピシリン
(50μg/ml) を含むLBプレート(1%Bacto-tryptone, 0.5
% Bacto-yeast extract, 1% NaCl, 1.5% Bacto-agar)
にまきこみ、生育してくるコロニーを選択して形質転換
体を1次スクリーニングした。さらに発現ベクターを有
する形質転換体の最終確認として、PCR により目的のポ
リペプチドをコードするDNA の有無を確認し(この時点
で10ケ中9ケのクローンにDNA が保持されていた)、発
現ベクターを有する形質転換体を得た。得られた形質転
換体は、アンピシリン (50μg/ml) を含む液体LB培地
(1% Bacto-tryptone, 0.5% Bacto-yeast extract, 1% N
aCl) を用いて、37℃でのしんとう培養により大量に増
殖させた後、発現を誘導するための物質IPTGを培地中に
終濃度 1 mM になるように添加した。その後、37℃で2
時間しんとう培養を続け、目的のポリペプチドを大腸菌
内で発現させた。得られたポリペプチドの精製は、QIAG
EN社のNi2+-NTA-Agarose (Cat. No.30230)を用いて添付
のプロトコールに従って行った。精製したポリペプチド
はSDS-PAGE (CBB 染色)により95% 以上の純度を有して
いることが確認された。また。精製後のポリペプチドの
リン酸緩衝生理食塩水(PBS)に対する溶解度は0.15 mg/
mlであった。
【0044】例2:本発明のポリペプチドのMDCKII細胞
(腎臓由来細胞株)に対する形態形成促進作用 例1で調製したポリペプチドの器官・形態形成支持作用
を以下のようにして評価した。滅菌したトレフチューブ
を氷中に立て、トレフチューブに1/10容の10×DH-mediu
m (ダルベッコ変法MEM 培地とハムF12 培地の等量混合
培地)、1/10容量の再構成用緩衝液 (260 mM NaHCO3, 2
00 mM HEPES, 50 mM NaOH)を添加した。さらに、トレフ
チューブ内に新田ゼラチン製コラーゲン溶液I-P を8/10
容量添加し、ピペッティングにより混合した。例1で製
造したポリペプチドをDH-mediumに対して透析した後、
終濃度が15μg/mlとなるようにトレフチューブに添加し
た。コントロールに対しては、DH-medium を同量添加し
た。その後、腎臓由来細胞株 MDCKII 細胞 (104cells/w
ell)を添加して、ピペッティングにより混合した。
【0045】48ウェルのマルチウェルディッシュに上記
混合物を200 μl/wellずつ添加し、37℃のインキュベー
ター中で1時間保温して混合物をゲル化させた。無血清
のDH-medium を800 μl/wellずつ添加して37℃で1時間
平衡化させた後、ゲルを傷つけないように注意して培地
を除いた。続いて、無血清のDH-medium を500 μl/well
ずつ添加し、37℃の 5% 炭酸ガスインキュベーター中で
1〜2 週間培養して形態を観察した。図1ないし図3は
2週間培養を行った後の細胞及びその細胞から発生した
組織を顕微鏡下に撮影した結果を示した写真である。図
1はコントロール( DH-medium のみ)の結果を示し、図
2はゲル中に本発明のポリペプチド (15μg/ml) を添加
して培養した結果を示す。図1及び図2の写真は同倍率
で撮影した結果を示しており、図3はゲル中に本発明の
ポリペプチド (15μg/ml) を添加して培養したものにつ
いて高倍率で撮影を行った結果を示している。本発明の
ポリペプチドをコラーゲンゲル中に添加した場合には細
胞(MDCKII)が三次元的に管構造を形成していた。この結
果は、本発明のポリペプチドが形態形成促進作用(器官
・形態形成支持作用)を有していることを示している。
【0046】例3:本発明のポリペプチドの調製 マウス由来の天然型エピモルフィンのN末端アミノ酸よ
り 1〜104 番目のアミノ酸をコードするDNA 配列に換え
て、ヒト由来の天然型エピモルフィンのN末端より 1〜
103 番目のアミノ酸をコードするDNA 配列(特開平6-25
295 号公報に開示された式(6) で表される核酸配列のう
ち、第1番目から第309 番目のヌクレオチドにより特定
されるDNA)を用いて、例1と同様にして本発明のポリペ
プチドを製造した。このポリペプチドについて例2と同
様の試験を行ったところ、このポリペプチドが腎臓由来
細胞株 MDCKII 細胞に対して例1のポリペプチドと同様
の器官・形態形成支持作用を有することが確認された。
【0047】例4:本発明のポリペプチドに特異的に結
合する抗体の作成及び該抗体による形態形成の阻害 例1で得たポリペプチド(H1)、及びコントロールとして
形態形成促進作用を有しないマウス由来天然型エピモル
フィンの部分ポリペプチド(N末端より189 番目から26
3 番目のアミノ酸配列により特定されるポリペプチド)
のN末にメチオニンと6個のヒスチジンを付加したポリ
ペプチド(H3)をそれぞれ用いて、通常の方法に従って
(講談社サイエンティフィク、単クローン抗体実験マニ
ュアル、pp.184〜188))ラットを免疫し、各々のポリペ
プチドに対する抗血清を得た。それぞれの血清から、フ
ァルマシア製 HiTrap Protein G (code No.17-0404-01)
を用いてIgG 画分を精製してポリクローナル抗体を得
た。精製操作は添付のプロトコールに従って行った。得
られたポリクローナル抗体をウエスタンブロッティング
に付し、各々特異性をチェックした後、タイターを合わ
せて以下の実験に用いた。
【0048】本発明のポリペプチドにより腎臓由来細胞
株 MDCKII 細胞に管構造が形成される例2の実験条件を
用いて、最終のインキュベーション直前にそれぞれのポ
リクローナル抗体を無血清のDH-medium (500μl/well)
中に添加し、本発明のポリペプチドの形態形成促進作用
に及ぼす上記各抗体の影響を調べた。結果を表1及び図
4ないし図11に示す。表中、○は形態形成が進行したこ
とを示し、△は形態形成が80%阻害されたことを示し、
×は形態形成が100 %阻害されたことを示す。図4ない
し図11は、培養11日の細胞及びその細胞から発生した組
織を顕微鏡下に撮影した結果を示す写真である。図4は
コントロール (DH-medium のみ)の結果を示し、図5は
ゲル中に本発明のポリペプチド(H1, 3μg/ml) を添加し
て培養した結果を示す。図6、図7、及び図8は抗H1抗
体をそれぞれ 5.2μg/ml, 26μg/ml, 及び 130μg/mlの
濃度で添加した場合の結果を示しており、図9、図10、
及び図11は抗H3抗体をそれぞれ 5.2μg/ml, 26μg/ml,
及び 130μg/mlの濃度で添加した場合の結果を示してい
る。写真はいずれも等倍率で撮影した。
【0049】
【表1】
【0050】これらの結果から明らかなように、抗H1抗
体は本発明のポリペプチド(H1)のMDCKII細胞に対する形
態形成誘導活性を濃度依存的に阻害するが、抗H3抗体は
上記形態形成誘導活性に対する阻害作用を有しない。こ
の事実から、例2の実験において観察された形態形成促
進作用は、例えば大腸菌の不純物等に由来するものでは
なく、本発明のポリペプチド(H1)自体の作用に基づくも
のであることが証明された。さらに、本発明の抗H1抗体
がポリペプチドH1のエピモルフィン様形態形成促進作用
を効率的に阻害することから、この抗体がエピモルフィ
ンの過剰発現に起因する疾患の治療及び/又は予防のた
めの医薬として有用であることも証明された。
【0051】例5:細胞増殖に対する本発明のポリペプ
チドの作用 例1で製造した本発明のポリペプチドの細胞増殖に対す
る効果を評価した。培地として無血清のDH-medium 又は
0.003〜0.15 mg/mlの本発明ポリペプチドを溶解させた
無血清のDH-medium を用い、組織培養用の24ウェルディ
ッシュに12,000cells/ml となるようにMDCKII細胞をま
きんだ。37℃の 5% 炭酸ガスインキュベーター中で5日
間培養した後、培地を除いてPBS(-)で2回洗浄した。ト
リプシン-EDTA で細胞をウェル底から剥がした後、トリ
パンブルーで染色して生細胞をカウントした。表2に示
したように、MDCKII細胞を無血清培地で単層培養した場
合には、培養液に本発明のポリペプチドを添加しないと
5日後には約1/10に生細胞は減少した(コントロー
ル)。一方、培養液に本発明のポリペプチドを添加した
場合は、無血清培養にもかかわらず、添加した本発明ポ
リペプチドの濃度に依存してMDCKII細胞の増殖が誘導さ
れた。本発明のポリペプチド 0.075 mg/mlを培養液に添
加した場合、5日間培養後には培養開始時に比べて10倍
以上の生細胞が存在することが確認されたが、この結果
は 10%牛胎児血清添加の効果に匹敵するものであり、本
発明のポリペプチドが極めて強い細胞増殖活性を有して
いることが明らかになった。
【0052】
【表2】
【0053】
【発明の効果】本発明のポリペプチドは生理食塩水など
の水性媒体に可溶であり、上皮組織に対する形態形成促
進作用を有しているので、形態形成の異常に起因する疾
患の予防及び/又は治療に用いる医薬の有効成分などに
有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 例2の試験のコントロールとして、MDCKII細
胞(腎臓由来細胞株)をDH-medium のみで培養した細胞
の形態を顕微鏡下に撮影した写真である。
【図2】 本発明のポリペプチド (15μg/ml) の存在下
でMDCKII細胞(腎臓由来細胞株)を培養した細胞及び該
細胞由来の組織の形態を顕微鏡下に撮影した写真であ
る。写真は図1のものと等倍率で撮影した。
【図3】 本発明のポリペプチド (15μg/ml) の存在下
でMDCKII細胞(腎臓由来細胞株)を培養した細胞及び該
細胞由来の組織の形態を、1図及び図2の場合よりもさ
らに高倍率で顕微鏡撮影した結果を示す写真である。
【図4】 例4の試験のコントロールとして、MDCKII細
胞(腎臓由来細胞株)をDH-medium のみで培養した細胞
の形態を顕微鏡下に撮影した写真である。
【図5】 例4の試験のコントロール(陽性対照)とし
て、ゲル中に本発明のポリペプチド(H1, 3μg/ml) を添
加してMDCKII細胞(腎臓由来細胞株)を培養した場合の
細胞及び該細胞由来の組織の形態を示す写真である。
【図6】 ゲル中に本発明のポリペプチド(H1, 3μg/m
l) 及び抗H1抗体(5.2μg/ml) を添加してMDCKII細胞
(腎臓由来細胞株)を培養した場合の細胞及び該細胞由
来の組織の形態を示す写真である。
【図7】 ゲル中に本発明のポリペプチド(H1, 3μg/m
l) 及び抗H1抗体(26μg/ml) を添加してMDCKII細胞(腎
臓由来細胞株)を培養した場合の細胞及び該細胞由来の
組織の形態を示す写真である。
【図8】 ゲル中に本発明のポリペプチド(H1, 3μg/m
l) 及び抗H1抗体(130μg/ml) を添加してMDCKII細胞
(腎臓由来細胞株)を培養した場合の細胞の形態を示す
写真である。
【図9】 ゲル中に本発明のポリペプチド(H1, 3μg/m
l) 及び抗H3抗体(5.2μg/ml) を添加してMDCKII細胞
(腎臓由来細胞株)を培養した場合の細胞及び該細胞由
来の組織の形態を示す写真である。
【図10】 ゲル中に本発明のポリペプチド(H1, 3μg/
ml) 及び抗H3抗体(26 μg/ml) を添加してMDCKII細胞
(腎臓由来細胞株)を培養した場合の細胞及び該細胞由
来の組織の形態を示す写真である。
【図11】 ゲル中に本発明のポリペプチド(H1, 3μg/
ml) 及び抗H3抗体(130μg/ml) を添加してMDCKII細胞
(腎臓由来細胞株)を培養した場合の細胞及び該細胞由
来の組織の形態を示す写真である。なお、図4ないし図
11の写真はいずれも等倍率で撮影した。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年11月21日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07K 16/18 A61K 37/02 ADD C12N 5/06 37/36 ACV // C12N 15/09 ZNA C12N 5/00 E C12P 21/02 15/00 ZNAA (C12P 21/02 C12R 1:19)

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上皮細胞に対する形態形成促進作用を有
    するポリペプチドであって、下記のアミノ酸配列(I) : Met Arg Asp Arg Leu Pro Asp Leu Thr Ala Cys Arg Lys Asn Asp Asp Gly Asp Thr Val Val Val Val Glu Lys Asp His Phe Met Asp Asp Phe Phe His Gln Val Glu Glu Ile Arg Asn Ser Ile Asp Lys Ile Thr Gln Tyr Val Glu Glu Val Lys Lys Asn His Ser Ile Ile Leu Ser Ala Pro Asn Pro Glu Gly Lys Ile Lys Glu Glu Leu Glu Asp Leu Asn Lys Glu Ile Lys Lys Thr Ala Asn Lys Ile Arg Ala Lys Leu Lys Ala Ile Glu Gln Ser Phe Asp Gln Asp Glu により特定されるポリペプチド、又は該アミノ酸配列に
    おいて1又は2以上のアミノ酸が置換、挿入、及び/又
    は欠失されたことを特徴とするポリペプチド。
  2. 【請求項2】 上皮細胞に対する形態形成促進作用を有
    するポリペプチドであって、下記のアミノ酸配列(II): Met Arg Asp Arg Leu Pro Asp Leu Thr Ala Cys Arg Thr Asn Asp Asp Gly Asp Thr Ala Val Val Ile Val Glu Lys Asp His Phe Met Asp Gly Phe Phe His Gln Val Glu Glu Ile Arg Ser Ser Ile Ala Arg Ile Ala Gln His Val Glu Asp Val Lys Lys Asn His Ser Ile Ile Leu Ser Ala Pro Asn Pro Glu Gly Lys Ile Lys Glu Glu Leu Glu Asp Leu Asn Lys Glu Ile Lys Lys Thr Ala Asn Arg Ile Arg Gly Lys Leu Lys Ser Ile Glu Gln Ser Cys Asp Gln Asp Glu により特定されるポリペプチド、又は該アミノ酸配列に
    おいて1又は2以上のアミノ酸が置換、挿入、及び/又
    は欠失されたことを特徴とするポリペプチド。
  3. 【請求項3】 上皮細胞に対する天然型エピモルフィン
    の形態形成促進作用と実質的に同様の作用を有する請求
    項1又は2に記載のポリペプチド。
  4. 【請求項4】 さらに細胞増殖促進作用を有する請求項
    1ないし3のいずれか1項に記載のポリペプチド。
  5. 【請求項5】 糖類及び/又は脂質類で修飾された、及
    び/又はリン酸化された請求項1ないし4のいずれか1
    項に記載のポリペプチド。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれか1項に記載
    のポリペプチドを有効成分として含む医薬。
  7. 【請求項7】 形態形成因子の過少発現に起因する疾患
    の治療及び/又は予防に用いる請求項6に記載の医薬。
  8. 【請求項8】 該疾患がエピモルフィンの過少発現に起
    因する疾患である請求項7に記載の医薬。
  9. 【請求項9】 組織若しくは器官の破壊を伴う疾患の治
    療及び/又は予防に用いる請求項6に記載の医薬。
  10. 【請求項10】 該疾患が腎疾患である請求項9に記載
    の医薬。
  11. 【請求項11】 毛成長促進剤として用いる請求項6に
    記載の医薬。
  12. 【請求項12】 請求項4に記載のポリペプチドを含む
    細胞培養用培地。
  13. 【請求項13】 請求項1ないし5のいずれか1項に記
    載のポリペプチドを特異的に認識可能な抗体。
  14. 【請求項14】 請求項1ないし5のいずれか1項に記
    載のポリペプチドに特異的に結合し、上皮細胞に対する
    該ポリペプチドの形態形成促進作用又は細胞増殖作用を
    阻害する請求項13に記載の抗体。
  15. 【請求項15】 コイルドコイル領域(1) を有するエピ
    モルフィン類に特異的に結合し、上皮細胞に対する該エ
    ピモルフィン類の形態形成促進作用又は細胞増殖作用を
    阻害する請求項13に記載の抗体。
  16. 【請求項16】 請求項13ないし15のいずれか1項に記
    載の抗体を有効成分として含む医薬。
  17. 【請求項17】 エピモルフィンの発現過多に起因する
    疾患の予防及び/又は治療に用いる請求項16に記載の医
    薬。
  18. 【請求項18】 毛成長阻害剤として用いる請求項16に
    記載の医薬。
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