JP2003116587A - ポリペプチド及び同じものをコードしている核酸 - Google Patents

ポリペプチド及び同じものをコードしている核酸

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JP2003116587A JP2002303638A JP2002303638A JP2003116587A JP 2003116587 A JP2003116587 A JP 2003116587A JP 2002303638 A JP2002303638 A JP 2002303638A JP 2002303638 A JP2002303638 A JP 2002303638A JP 2003116587 A JP2003116587 A JP 2003116587A
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ジーン・ユアン
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    • C07KPEPTIDES
    • C07K2319/00Fusion polypeptide

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は概して、新規のDNAの同定及び
単離、並びに当該DNAによりコードされる新規のポリ
ペプチドの組換え体製造に関する。 【解決手段】 本発明は新規のポリペプチドとそれらポ
リペプチドをコードしている核酸分子に向けられる。ま
た、それらの核酸配列を含むベクターと宿主細胞、異種
ポリペプチド配列に融合した本発明のポリペプチドを含
むキメラポリペプチド分子、本発明のポリペプチドに結
合する抗体及び本発明のポリペプチドの製造方法もここ
に提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は概して、新規のDN
Aの同定及び単離、並びに当該DNAによりコードされ
る新規のポリペプチドの組換え体製造に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】細胞外タ
ンパク質は、多細胞生物の形成、分化、及び維持に重要
な役割を演じている。多くの個々の細胞の成り行き、た
とえば増殖、移行、分化又は他の細胞との相互作用は、
典型的には他の細胞及び/又は隣接した環境からの情報
によって決定されている。この情報は分泌されるポリペ
プチド(例えば分裂促進因子、生存因子(survival fac
tors)、細胞毒性因子、分化因子、神経ペプチド、ホル
モン)により伝達されることが多いが、これは次に多様
な細胞レセプター又は膜結合性タンパク質により受容さ
れて翻訳される。これら分泌されたポリペプチド又は信
号伝達分子は通常、細胞性の分泌経路を通って、細胞外
環境の自身の活性部位に到達する。
【0003】分泌されたタンパク質には種々の工業的適
用性があるが、これには薬剤、診断、バイオセンサー、
及びバイオリアクターが含まれる。現在入手可能なタン
パク質薬剤の多く、例えば血栓溶解薬、インターフェロ
ン、インターロイキン、エリスロポエチン、コロニー形
成活性化因子、及び他の種々のサイトカインは、分泌性
のタンパク質である。これらのレセプターは膜タンパク
質であるが、これは治療剤又は診断薬としての可能性を
有している。産業界及び学術界の双方ともに、新規の天
然の分泌性タンパク質を同定する努力を行っている。多
くの研究においては、哺乳動物の組換えDNAライブラ
リーをスクリーニングして、新規の分泌性タンパク質の
コード配列を同定することに焦点をあてている。スクリ
ーニングの方法及び技術の例は、文献に記載されている
(例えば、Kleinら, Proc.Natl.Acad,Sci.,93:7108-711
3(1996); 米国特許第5536637号を参照)。
【0004】膜に結合したタンパク質及びレセプター
は、多細胞生物の形成、分化、及び維持において重要な
役割を演じている。多くの個々の細胞の成り行き、たと
えば増殖、移行、分化又は他の細胞との相互作用は、典
型的には他の細胞及び/又は隣接した環境からの情報に
よって決定されている。この情報は分泌されるポリペプ
チド(例えば分裂促進因子、生存因子(survival facto
rs)、細胞毒性因子、分化因子、神経ペプチド、ホルモ
ン)により伝達されることが多いが、これは次に多様な
細胞レセプター又は膜結合性タンパク質により受容され
て解釈される。このような膜に結合したタンパク質及び
細胞レセプターには、サイトカインレセプター、レセプ
ターキナーゼ、レセプターホスファターゼ、細胞-細胞
相互作用に関与するレセプター、及びセレクチンやイン
テグリン等の細胞付着分子が含まれるが、これらには限
定されない。例えば、細胞の増殖及び分化を制御する信
号の変換は、一部には種々の細胞性タンパク質のリン酸
化により制御されている。プロテインチロシンキナーゼ
は、そのプロセスを触媒する酵素であるが、これはまた
増殖因子レセプターとしても作用する。実例には、線維
芽細胞増殖因子レセプター、及び神経増殖因子レセプタ
ーが含まれる。
【0005】膜に結合したタンパク質及びレセプター分
子には、種々の工業的適用性があり、これには薬剤及び
診断薬が含まれる。レセプター免疫付着因子は例えば、
レセプター−リガンド相互作用を阻止する治療薬として
使用することができる。膜に結合したタンパク質はま
た、関連したレセプター/リガンド相互作用の潜在的な
ペプチド性又は小分子性の阻害剤のスクリーニングに使
用することができる。産業界及び学術界の双方ともに、
新規の天然のレセプタータンパク質を同定する努力をし
ている。これらの研究の多くは、哺乳動物の組換えDN
Aライブラリーをスクリーニングして新規のレセプター
タンパク質のコード配列を同定することに焦点を当てて
いる。
【0006】本願では、新規の分泌性及びトランスメン
ブレンポリペプチド、並びに当該ポリペプチドをコード
する新規の核酸の同定及び特徴付けを記載する。
【0007】1.PRO241 軟骨組織は、コラーゲン繊維のネットワークが密であ
り、プロテオグリカンが高含量の大型の細胞外マトリッ
クスを有する特殊な結合組織である。軟骨組織中のプロ
テオグリカンの大部分は、アグリカン(aggrecan)であ
るが、これには多くの硫酸コンドロイチン及び硫酸ケラ
チンの鎖が含まれていて、連結タンパク質でヒアルロナ
ン(hyaluronan)に結合することにより多分子凝集物を
形成するが、一方、軟骨組織にはまた、数多くの小分子
量のプロテオグリカンが含まれている。これらの小分子
量プロテオグリカンのうちの一つは、ビグリカン(bigl
ycan)と呼ばれるタンパク質であるが、これは他の種々
の軟骨組織(腱、強膜、皮膚等が含まれる)の細胞外マ
トリックスに広く分布しているプロテオグリカンであ
る。ビグリカンは、ロイシン富反復配列と、二つの硫酸
コンドロイチン/硫酸デルマタン鎖であって、フィブロ
ネクチンの細胞結合性領域に結合してそれへの細胞付着
を阻害する機能があることが知られている。ビグリカン
等の小分子量プロテオグリカンが、軟骨組織の増殖及び
/又は修復、並びに関節炎等の縮退性疾患において重要
な役割を演じていることが推論されている。このように
して、ビグリカンに対しての相同性を有する新規のポリ
ペプチドを同定して特徴づけることに興味が持たれてい
る。
【0008】本願では、ビグリカンに対する相同性を有
する新規のポリペプチドを同定及び特徴付けすることを
記載するが、ここではそのポリペプチドをPRO241
ポリペプチドと呼ぶ。
【0009】2.PRO243 (アフリカツメガエルの)コルディン(chordin)(Xch
r)は、潜在的に背側化(dorsalizing)活性を有してい
るシュペーマン編成原(Spermann organizer)により分
泌される可溶性因子である(Sasaiら、Cell 79:779-90
(1994);Sasaiら、Nature 376:333-36(1995))。その編
成原により分泌される他の背側化因子には、ノギン(no
ggin)(SmithとHarlan,Cell 70:829-840(1992) Lamb
ら、Science 262:713-718(1993))及びフォリスタチン
(follistatin)(Hemmanti-Brivanlouら、Cell 77:283-
295(1994))がある。コルディンは、原始外胚葉を、神
経対非神経領域に細分化して、中胚葉の背側化により脊
索形成及び筋形成を誘導する。これは、腹側化性(vent
ralizing)BMP−4シグナルのアンタゴニストとして
機能することにより起こる。この阻害は、コルディンが
細胞外空間においてBMP−4に直接的に結合すること
により介在されるが、それによってBMP−4によるB
MP−4レセプターの活性化を阻止する(Piccoloら、D
evelop.Biol.182:5-20(1996))。
【0010】BMP−4は、胚の腹側から勾配がかかっ
て発現しているが、一方、コルディンは、BMP−4の
ものとは相補的な勾配で発現している。コルディンはB
MP−4を拮抗して、BMP−4勾配の低い側の末端を
確立する。従って、コルディンからのシグナル、及び他
の編成原により誘導される因子の間の釣り合いと、BM
Pシグナルとの対比によって、外胚葉性胚葉が、その腹
側−背側位置情報とともに提供される。コルディンはま
た、中枢神経系の腹側−背側パターン形成にも関与する
ことがある(Sasaiら、Cell 79:779-90(1994))。これ
は更に、前方神経組織(前脳タイプ)を排他的に誘導
し、これにより神経タイプを前方化(anteriorizing)
する(Sasaiら、Cell 79:779-90(1997))。ニューロン
の誘導とパターン形成において関与するので、コルディ
ンは神経退行性疾患、及び神経損傷、例えば外傷による
もの、又は化学療法後におけるものの治療に有益である
かもしれない。
【0011】本願では、コルディンに相同性のある新規
のポリペプチドの同定及び特徴付けを記載するが、ここ
では当該ポリペプチドをPRO243ポリペプチドと称
す。
【0012】3.PRO299 切痕(notch)タンパク質は、発生におけるシグナリン
グに関与する。このタンパク質は非対称な発生のポテン
シャルに影響し、発生に関与する他のタンパク質の発現
の引き金となる(Robey,E.,Curr.Opin.Genet.Dev.,7
(4):551(1997),Simpson,P.,Curr.Opin.Genet.Dev.7
(4):537(1997),Blobel,CP.,Cell 90(4):589(1997),Na
kayama, H.ら、Dev.Genet.,21(1):21(1997),Nakayama
H.ら、Dev.Genet.,21(1):21(1997),Sullivan,S.A.ら、
Dev. Genet., 20(3):208 (1997),及びHayashi, H.
ら、Int.J.Dev.Biol.,40(6):1089(1996)を参照)。切痕
のセラーテ(Serrate)介在性活性化が、ショウジョウ
バエの翅の成虫盤の背側区画において観察されている
(Flemingら、Development,124(15):2973(1997))。切
痕は、発生における役割、及びシグナリング能力の両方
において興味深い。発生及び/又はシグナリングにおい
て役割を有する新規のポリペプチドもまた、興味深い。
【0013】本願では、切痕タンパク質に相同性のある
新規のポリペプチドの同定及び特徴付けを記載するが、
ここではそのポリペプチドをPRO299ポリペプチド
と称す。
【0014】4. PRO323 ジペプチダーゼは、非常に多様な異なるジペプチドを開
裂する酵素性タンパク質であって、哺乳動物及び哺乳動
物以外の生物において非常に重要な数多くの生物学的プ
ロセスに関与するものである。多様な異なる哺乳動物及
び哺乳動物以外の生物から、数多くの異なるジペプチダ
ーゼが同定され、また特徴付けられている。哺乳動物の
ジペプチダーゼは、数多くの生物学的プロセスにおいて
重要な役割を有するが、これには例えば、タンパク質の
消化、活性化、不活化、又はジペプチドホルモン活性の
調節、並びにタンパク質及び酵素の物理的特徴の変化が
含まれる。
【0015】ジペプチダーゼ酵素が有する重要な生理学
的役割に鑑み、産業界及び学術界の双方は、新規の天然
のジペプチダーゼの相同物を同定する努力をしている。
多くの研究においては、哺乳動物の組換えDNAライブ
ラリーをスクリーニングして、新規の分泌性且つ膜結合
型のレセプタータンパク質のコード配列を同定すること
に焦点をあてている。スクリーニングの方法及び技術の
例が、文献に記載されている(例えばKleinら、Proc.Na
tl.Acad.Sci.,93:7108-7113(1996) ; 米国特許第553663
7号を参照)。
【0016】本願では、種々のジペプチダーゼ酵素に相
同性である新規のポリペプチドであるPRO323ポリ
ペプチドの同定及び特徴付けを記載する。
【0017】5.PRO327 下垂体前葉ホルモンプロラクチンは、数多くの成長ホル
モン/プロラクチン/胎盤性ラクトゲンの遺伝子ファミ
リーによりコードされている。哺乳動物においてはプロ
ラクチンは主として、乳汁分泌及び乳腺の発達の原因と
なっている。プロラクチンは、遺伝子転写及びmRNA
の半減期の双方を増大することにより乳タンパク質の遺
伝子発現を刺激するように機能する。
【0018】プロラクチンタンパク質の生理学的影響
は、プロラクチンが細胞表面のプロラクチンレセプター
に結合する能力を通じて介在される。プロラクチンレセ
プターは、種々の異なる細胞種において見られ、また約
40000の分子量を有し、ジスルフィド結合により、
それ自身又は他のサブユニットとは明らかに結合してい
ない。プロラクチンレセプターのレベルは、研究対象の
組織に応じて異なった制御のされかたをしている。
【0019】細胞表面レセプター分子は、インビボで重
要な生理学的役割を有するので、産業界及び学術界はと
もに新規の天然の膜結合性レセプタータンパク質を同定
することに現在注力しているが、この中にはプロラクチ
ンレセプターと相同性のある配列を有すものが含まれ
る。これらの研究の多くは、哺乳動物の組換えDNAラ
イブラリーをスクリーニングして、新規の膜結合性レセ
プタータンパク質のコード配列を同定することに焦点を
あてている。スクリーニングの方法及び技術の例は、文
献に記載されている(例えばKleinら、Proc.Natl.Acad.
Sci.,93:7108-7113(1996); 米国特許第5536637号を参
照)。
【0020】本願では、プロラクチンレセプタータンパ
ク質に高い相同性を示す新規のポリペプチドであるPR
O327ポリペプチドの同定及び特徴付けを記載する。
【0021】6.PRO233 細胞の酸化還元状態が細胞の成り行きに関しての重要な
決定要素であることが研究報告されている。更に、反応
性の酸素種が、細胞毒性であって炎症性疾患を引き起こ
すが、これには組織の壊死、器官不全、アテローム性動
脈硬化症、不妊症、出生時欠損、早期老化、突然変異及
び悪性腫瘍が含まれる。従って、酸化と還元の制御は、
数多くの理由により重要であるが、これには卒中、心臓
発作、酸化ストレス及び高血圧症を制御及び予防するこ
とが含まれる。
【0022】酸素のフリーラジカル及び抗酸化剤は、脳
虚血及び再潅流後の中枢神経系において重要な役割を有
することがわかっている。更に、心臓障害は、虚血及び
再潅流に関係付けられるが、これはフリーラジカルの作
用により引き起こされることが報告されている。この点
において、還元酵素、特にはオキシドレダクターゼは興
味深いものである。更に、転写因子、NF−カッパB及
びAP−1は酸化還元状態により制御され、AIDS、
癌、アテローム性動脈硬化症、及び糖尿病合併症の病原
性に関与すると考えられている多様な遺伝子の発現に影
響することが知られている。この主題について更に記載
している刊行物には、Kelseyら、Br.J.Cancer,76(6):85
2-854(1997); FriedrichとWeiss, J.Theor.Biol.,187
(4):529-540(1997); Pieulleら、J.Bacteriol.,179(1
8):5684-5692(1997)が含まれる。インビボでの酸化還元
反応の生理学的重要性に鑑み、酸化還元反応に関与する
新規の天然のタンパク質を同定する研究が現在進行中で
ある。本願では、酸化還元酵素に相同性である新規のポ
リペプチドであって、PRO233ポリペプチドと本願
で称するものの同定及び特徴付けを記載する。
【0023】7.PRO344 補体タンパク質は、血清タンパク質の大きな群を具備す
るが、その中のいくつかは酵素カスケードにおいて活性
であり、炎症に関与するエフェクター分子を産生する。
この補体タンパク質は、炎症に関与する細胞の移行と機
能を制御することにおいて生理学的に特に重要である。
炎症及びインビボでの関連した機構の生理学的重要性に
鑑み、炎症に関与する新規の天然のタンパク質を同定す
る研究が現在進行中である。本願では、補体タンパク質
に相同性がある新規のポリペプチドであって、本願でP
RO344ポリペプチドと称するものの同定及び特徴付
けについて記載する。
【0024】8.PRO347 システイン富タンパク質は一般には、複雑な三次元構造
を有し、及び/又はジスルフィド架橋を形成することが
可能な数多くのシステイン残基が存在することにより多
量体として存在するタンパク質である。
【0025】9.PRO354 インター-アルファ-トリプシンインヒビター(ITI)
は、多くの哺乳動物の種において見られる、大型(Mr
がほぼ240000)の循環性プロテアーゼインヒビタ
ーである。この無傷のインヒビターは糖タンパク質であ
り、強力なグリコサミノグリカン結合により相互作用す
る3つのグリコシル化サブユニットからなる。ITIの
抗-トリプシン活性は、複合体の最小のサブユニット
(即ち軽鎖)に位置するが、ここで軽鎖は現在、ビクニ
ン(bikunin)として知られている。成熟した軽鎖は、
21アミノ酸のN末端配列からなり、Ser-10でグ
リコシル化され、その後にタンデムなカニッツ(Kunit
z)タイプの領域が二つあって、そのうちの最初のもの
はAsn-45でグリコシル化されていて、そのうちの
第二のものはトリプシン、キモトリプシン、及びプラス
ミンを阻害することができる。ITI複合体の残りの二
つの鎖は、当該複合体の酵素的に活性な軽鎖と相互作用
するように機能する重鎖である。
【0026】産業界及び学術界はともに、新規の天然の
タンパク質を同定する研究を行っている。多くの研究
は、哺乳動物の組換えDNAライブラリーをスクリーニ
ングして、新規の分泌性、且つ膜結合型のレセプタータ
ンパク質のコード配列を同定することに焦点をあててい
る。スクリーニングの方法及び技術は、文献に記載され
いている(例えばKleinら、Proc.Natl.Acad.Sci.,93:71
08-7113(1996);米国特許第5536637号を参照)。本願で
は、ITI重鎖に高い相同性を有する新規のポリペプチ
ドであって、本願でPRO354ポリペプチドと称する
ものの同定及び特徴付けを記載する。
【0027】10.PRO355 細胞毒性又は制御性T細胞連結分子、又は「CRTA
M」タンパク質は、免疫グロブリンスーパーファミリー
と構造的に関連している。このCRTAMタンパク質は
種々の免疫反応を介在することができるはずである。抗
体は、概して高親和性でCRTAMに結合する(Zlotni
k,A.,Faseb,106(6):A1037,Abr.216,1996年6月)。T細
胞抗原、及びインビボでの免疫プロセスの生理学的重要
性に鑑み、免疫反応に関与する新規の天然のタンパク質
を同定する研究が現在進行中である。Kennedyら、米国
特許第5686257(1997)も参照。本願では、CRTAMに
相同性である新規のポリペプチドであって、本願ではP
RO355ポリペプチドと称すものの同定及び特徴付け
について記載する。
【0028】11.PRO357 タンパク質-タンパク質相互作用には、レセプターと抗
原との複合体、並びにシグナリング機構が含まれる。タ
ンパク質-タンパク質相互作用の基礎となる構造的及び
機能的機構がよりわかるにつれて、タンパク質-タンパ
ク質相互作用をより容易に操作してタンパク質-タンパ
ク質相互作用の特定の結果を制御することが容易にな
る。従って、タンパク質-タンパク質相互作用の基礎と
なる機構は、科学的にいっても、医学的にいっても興味
深い。
【0029】ロイシン富反復配列を含むタンパク質は全
て、タンパク質-タンパク質相互作用に関与すると考え
られる。ロイシン富反復配列は、機能と細胞の位置とが
ともに多様である数多くのタンパク質中に存在する短い
配列モチーフである。リボヌクレアーゼインヒビタータ
ンパク質の結晶構造は、ロイシン富反復配列がベータ-
アルファ構造単位に対応することを示している。これら
の単位は、一の表面が溶媒に露出して、平行なベータシ
ートを形成するようにして配列し、当該タンパク質が異
常な非球状形態を獲得する。これらの二つの特徴は、ロ
イシン富反復配列のタンパク質結合性機能の原因となっ
ていることが示されている。KobeとDeisenhofer,Trends
Biochem.Sci.,19(10):415-421(1994年10月)を参照。
【0030】組織編成機能を有し、個体発生中にコラー
ゲン繊維の方向付け及び配置を行うものであって、創傷
治癒、組織修復、及び腫瘍間質形成等の病理学的プロセ
スに関与するロイシン富プロテオグリカンについての研
究が報告されている(Iozzo,R.V.,Crit.Rev.Biochem.Mo
l.Biol.,32(2):141-174(1997))。ロイシン富タンパク
質が、創傷治癒や組織修復に関連するとした他の研究に
は、出血性疾患であるベルナール-スリエ症候群に関連
した複合体中のロイシン富モチーフ中に変異があること
が報告されているDe La Salle.C.ら、Vouv.Rev.Fr.Hema
tol.(ドイツ),37(4):215-222(1995)、血小板にはロイシ
ン富反復配列があることが報告されているChelemetson,
K.J.,Thromb.Haemost.(ドイツ),74(1):111-116 (1995年
7月)、形質転換増殖因子βへのデコリン(decorin)の
結合が、癌の治療、創傷治癒及び傷跡に影響を与えるこ
とが報告されているLa Jolla Cancer Reseach Foundati
onのRuoslahti, E.I.ら、WO9110727-Aがある。このグル
ープのタンパク質の機能により関連付けられるものに
は、インスリン様増殖因子(IGF)があるが、これは
創傷治癒に有益であり、結合組織、皮膚、及び骨等の組
織の再増殖に関する治療に関係し、また、ヒト及び動物
の体の成長を促進し、更には他の増殖関連プロセスを刺
激するからである。IGFの酸不安定サブユニット(A
LS)は、IGFの半減期を増大し、またインビボでの
IGF複合体の一部であることから興味が持たれる。
【0031】ロイシン富反復配列を有することが報告さ
れている別のタンパク質には、アルツハイマー病や、パ
ーキンソン病等における神経障害等の神経退行性疾患の
治療や、癌の診断に有益であることが報告されているS
LITタンパク質がある(Yale University,Artavanist
sakonas,S.とRothberg,J.M., WO9210518-A1を参照)。
膜糖タンパク質であってマウスの脳のグリア細胞内で特
異的に発現し、ロイシン富反復配列及び免疫グロブリン
様領域を有しているLIG−1もまた興味が持たれてい
る(Suzukiら、J.Biol.Chem.(U.S.),271(37):22522(199
6))。ロイシン富反復配列を有するタンパク質の生物学
的機能について報告している他の研究には以下のものが
含まれる:Tayar,N.ら、Mol.Cell Endocrinol.,(アイル
ランド),125(1-2):65-70(1996年12月)(精線刺激ホルモ
ンの関与);Miura,Y.ら、日本臨床 (日本),54(7):1784
-1789 (1996年7月)(アポトーシスの関与);Harris,P.
C.ら、J.Am.Soc.Nephrol.,6(4):1125-1113(Oct. 1995年
10月)(腎臓疾患の関与)。
【0032】従って、産業界及び学術界はともに、タン
パク質-タンパク質相互作用をより良く理解するため
に、ロイシン富反復配列を有する新規のタンパク質を同
定する研究を行っている。特に興味深いのは、ロイシン
富反復配列を有し、例えばインスリン様増殖因子の酸不
安定サブユニット等の、ロイシン富反復配列を有する既
知のタンパク質に相同的であるタンパク質である。多く
の研究が、哺乳動物の組換えDNAライブラリーのスク
リーニングを行って、ロイシン富反復配列を有する新規
の分泌性、且つ膜結合型のタンパク質のコード配列を同
定することに焦点をあてている。スクリーニングの方法
及び技術は、文献に記載されている(例えばKleinら、P
roc.Natl.Acad.Sci.,93:7108-7113(1996);米国特許第5
536637号を参照)。
【0033】本願では、インスリン様増殖因子の酸不安
定サブユニットと相同性が高い新規のポリペプチドであ
って、本願ではPRO357ポリペプチドと称するもの
の同定及び特徴付けを記載する。
【0034】12.PRO715 哺乳動物における細胞数の制御は、一部には細胞増殖と
細胞死との間のバランスにより決定されるものと考えら
れている。細胞死の一の形態は、時として壊死性細胞死
と呼ばれるものであって、ある種の外傷や細胞障害から
生じる細胞の病理学的形態により典型的に特徴付けられ
るものである。対照的に、別の「生理学上の」細胞死の
形態であって、通常は整然とした、又は制御された方法
で進行するものがある。この整然とした、又は制御され
た形態の細胞死は「アポトーシス」と呼ばれる(例え
ば、Barrら、Bio/Technology,12:487-493(1994);Stell
erら、Science,267:1445-1449(1995))。アポトーシス
性の細胞死は、多くの生理学的プロセスにおいて自然と
起こるものであるが、これには胚の発生、免疫系におけ
るクローン選択が含まれる(Itohら、Cell,66:233-243
(1991))。アポトーシス性細胞死のレベルの低下は、
癌、狼瘡、ヘルペスウイルス感染等の種々の病理学的状
態に関連している(Thompson,Science,267:1456-1462(1
995))。アポトーシス性細胞死のレベルの増大は、AI
DS、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側
索萎縮症、多発性硬化症、色素性網膜炎、小脳退縮、再
生不良性貧血、心筋梗塞症、卒中、再潅流障害、及び毒
素誘導性肝臓疾患等の種々の病理的状態に関連する可能
性がある(上記のThompsonを参照)。
【0035】アポトーシス性細胞死は、典型的には細胞
における一以上の形態学的又は生化学的変化を伴ってい
るが、これには例えば、原形質の凝結、細胞質膜微小絨
毛の喪失、核の分割、染色体DNAの分解、又はミトコ
ンドリア機能の喪失等がある。種々の外来性及び内因性
のシグナルが、このような形態学的及び生化学的細胞変
化を誘発、又は誘導すると考えられている(Raff,Natur
e,256:397-400(1992);Steller,上記; Sachsら、Blood,
82:15(1993))。例えば、これらは未成熟な胸腺細胞の
グルココルチコイドホルモン等のホルモン刺激により誘
発される(Watanabe-Fukunagaら、Nature,356:314-317
(1992))。また、myc、rel、及びE1A等の同定
した癌遺伝子のいくつか、p53等の腫瘍抑制因子は、
アポトーシスの誘導にかかわることが報告されている。
ある種の化学療法剤、及び放射線のある形態のものは、
同様にアポトーシス誘導活性があることが観察されてい
る(上記のThompson)。
【0036】種々の分子、例えば腫瘍壊死因子-α("TN
F-α")、腫瘍壊死因子−β("TNF-β"又は"リンホトキ
シン-α")、リンホトキシン-β("LT-β")、CD30
リガンド、CD27リガンド、CD40リガンド、OX
-40リガンド、4-1BBリガンド、Apo-1リガン
ド(Fasリガンド又はCD95リガンドとも呼ばれ
る)、及びApo-2リガンド(TRAILとも呼ばれ
る)は、サイトカインの腫瘍壊死因子("TNF")ファミ
リーのメンバーであることが同定された(GrussとDowe
r,Blood,85:3378-3404(1995);Pittiら、J.Biol.Chem.,2
71:12687-12690(1996); Wileyら、Immunity,3:673-682
(1995);Browningら、Cell,72:847-856(1993);Armitage
ら、Nature,357:80-82(1992))。これらの分子の中で
は、TNF-α、TNF-β、CD30リガンド、4-I
BBリガンド、Apo-1リガンド、及びApo-2リガ
ンド(TRAIL)が、アポトーシス性細胞死に関与す
ることが報告されている。TNF-αとTNF-βとはと
もに、感受性の腫瘍細胞においてアポトーシス性細胞死
を誘導することが報告されている(Schmidら、Proc.Nat
l.Acad.Sci.,83,1881(1986); Deltryら、Eur.J.Immuno
l.,17,:689(1987))。Zhengらは、TNF-αがCD8陽
性T細胞の刺激後アポトーシスに関与することを報告し
ている(Zhengら、Nature,377,348-351(1995))。CD
30リガンドが、胸腺における自己反応性T細胞の削除
に関与することが、他の研究者らにより報告されている
(Amakawaら、Cold Spring Habor Laboratory Symposiu
m on Programmed Cell Death,Abst.No.10,(1995))。
【0037】マウスのFas/Apo-1レセプター又
はリガンド遺伝子(それぞれlpr、gldと呼ばれる)にお
ける変異は、いくつかの自己免疫疾患に関連している
が、これはApo-1リガンドが、末梢における自己反
応性リンパ球のクローン的削除において役割を演じてい
る可能性を示している(Krammerら、Curr.Op.Immunol.,
6:279-289(1994); Nagataら、Science,267:1449-1456(1
995))。Apo-1リガンドはまた、CD4陽性Tリン
パ球及びBリンパ球における刺激後のアポトーシスを誘
導し、その機能がもはや必要とされない活性化リンパ球
の除去に関与することが報告されている(Krammerら、
上記、Nagataら、上記)。Apo-1レセプターに特異
的に結合する作動薬的マウスモノクローナル抗体は、細
胞殺傷活性を呈することが報告されているが、これはT
NF-αにおけるものに匹敵するか又は同等である(Yon
eharaら、J.Exp.Med.,169:1747-1756 (1989))。
【0038】このようなTNFファミリーのサイトカイ
ンにより介在される種々の細胞性反応の誘導は、その特
定の細胞レセプターへの結合により開始されると考えら
れている。約55kDa(TNFR1)、及び約75k
Da(TNFR2)の、二つの別個のTNFレセプター
が同定されている(Hohmanら、J.Biol.Chem.264,14927-
14934(1989); Brockhausら、Proc.Natl.Acad.Sci.,87:3
127-3131(1990);EP 417563、1991年3月20日発行)。こ
の両者のタイプのレセプターに対応するヒト及びマウス
のcDNAも同定・特徴付けされている(Loetscher
ら、Cell,61:351(1990); Schallら、Cell,61:361(199
0); Smithら、Science,248:1019-1023(1990);Lewisら、
Proc.Natl.Acad.Sci.,88:2830-2834(1991); Goodwin
ら、Mol.Cell.Biol.,11:3020-3026(1991))。これまで
に同定されているTNFファミリーのリガンドは、リン
ホトキシン-α以外は、II型のトランスメンブレンタ
ンパク質であり、そのC末端は細胞外にある。対照的
に、これまでに同定されたTNFレセプター(TNF
R)における多くのレセプターは、I型のトランスメン
ブレンタンパク質である。しかしながら、TNFリガン
ド及びそのレセプターファミリーの双方においては、フ
ァミリーメンバー間で同定された相同性は、主として細
胞外領域("ECD")において見いだされている。TN
Fファミリーサイトカインのいくつかには、TNF-
α、Apo-1リガンド、及びCD40リガンドが含ま
れるが、これらは細胞表面においてタンパク質的分解に
より開裂され、それぞれの場合に得られるタンパク質
は、典型的には可溶性のサイトカインとして機能するホ
モ三量体分子を形成する。TNFレセプターファミリー
タンパク質はまた、通常はタンパク分解的に開裂され
て、同起源のサイトカインの阻害剤として機能すること
が可能な、可溶性のレセプターECDを放出する。
【0039】最近になって、TNFRファミリーの他の
メンバーが同定された。このような、TNFRファミリ
ーの新規に同定されたメンバーには、CAR1、HVE
M、及びオステオプロテゲリン(osteoprotegerin;O
PG)が含まれる(Brojatschら、Cell,87:845-855(199
6); Montgomeryら、Cell,87:427-436(1996); Marsters
ら、J.Biol.Chem.,272:14029-14032(1997); Simonet
ら、Cell,89:309-319(1997))。他の既知のTNFR様
分子とは異なり、Simonetら(上記)は、OPGが疎水
性のトランスメンブレン-スパンニング配列を全く含ま
ないことを報告している。
【0040】TNFファミリーのサイトカイン及びその
レセプターについてのレビューは、上記のGrussとDower
を参照。
【0041】本明細書においては、腫瘍壊死因子ファミ
リーのメンバーのポリペプチドと相同性を有する新規の
ポリペプチドであって、本願でPRO715ポリペプチ
ドと称すものについての同定及び特徴付けについて記載
する。
【0042】13.PRO353 補体タンパク質は、その一部が酵素的カスケードで作用
して炎症に関与するエフェクター分子を産生する、一群
の血清タンパク質から構成されている。補体タンパク質
は、炎症に関与する細胞の移行及び機能を制御すること
において特に重要である。インビボにおける炎症及び関
連した機構の生理学的重要性に鑑み、炎症に関与する新
規の天然タンパク質を同定するために現在研究が進行中
である。本願では、補体タンパク質に相同性があり、本
願でPRO353ポリペプチドと称す新規の天然のタン
パク質を同定、及び特徴付けする。
【0043】14.PRO361 ムチンは、発癌に関与することが示唆されている糖タン
パク質のファミリーである。ムチン及びムチン様タンパ
ク質は、正常な細胞及び形質転換した細胞の双方により
分泌される。癌の医学的重要性に鑑み、癌を診断又は治
療するために有益となる新規の天然のタンパク質を同定
する研究が現在進行中である。
【0044】キチナーゼタンパク質は、植物における病
原性反応において関与が示唆されているファミリーを構
成する。キチナーゼタンパク質は、植物及び微生物によ
り産生され、植物の傷害に対する防御において役割を演
じる可能性がある。植物の防御機構の重要性に鑑み、植
物における病原性関連反応の調節に有益となりうる新規
の天然のタンパク質を同定する研究が現在進行中であ
る。本願では、ムチン及びキチナーゼに相同性の新規の
ポリペプチドであって、本願においてPRO361ポリ
ペプチドと称したものについての同定及び特徴付けを記
載する。
【0045】15.PRO365 ヒト2−19タンパク質等のポリペプチドは、サイトカ
インとして機能することが可能である。サイトカインと
は、免疫細胞の分化、増殖、又は機能を刺激若しくは阻
害する、低分子量タンパク質のことである。サイトカイ
ンは、細胞内メッセンジャーとして作用することがよく
あり、また多様な生理学的効果を有する。免疫機構のイ
ンビボでの生理学的重要性に鑑み、免疫系への影響に関
与する新規の天然タンパク質を同定する研究が現在進行
中である。本願においては、ヒト2-19タンパク質に
相同性があり、本願でPRO365ポリペプチドと称す
新規のポリペプチドの同定及び特徴付けを記載する。
【0046】
【課題を解決するための手段】発明の要約 1.PRO241 本願においては、ビグリカンタンパク質に相同性である
新規のポリペプチドをコードするcDNAクローンが同
定されているが、これは本願においてはPRO241と
呼ぶ。
【0047】一の態様において、本発明は、PRO24
1ポリペプチドをコードするDNAを具備する、単離さ
れた核酸分子を提供する。一の例においては、単離され
た核散分子は、図2(配列番号:2)に示されるPRO
241ポリペプチドのアミノ酸残基1乃至379をコー
ドしたDNAを具備するか、又はそのようなコードした
核酸配列に相補的であって、少なくとも中等度、そして
適宜高度なストリンジェンシー条件下で安定に結合した
ままであるものである。
【0048】別の態様において本発明は、単離されたP
RO241ポリペプチドを提供する。本発明は特に、単
離された天然のPRO241ポリペプチド配列を提供す
るが、一の態様においてこれは図2(配列番号:2)の
残基1乃至379を具備するアミノ酸配列を含んでい
る。本発明の別の態様は、N末端のシグナルペプチドを
欠失したPRO241ポリペプチドに関するが、ここで
PRO241ポリペプチドは、全長PRO241のアミ
ノ酸配列(配列番号:2)のアミノ酸のほぼ16位乃至
379位を具備している。
【0049】2.PRO243 本願では、新規のポリペプチドであって、本願ではPR
O243と称するものをコードしたcDNA(DNA35
917-1207)が同定されている。
【0050】一の態様において本発明は、(a)図4
(配列番号:7)に示されるアミノ酸24乃至954の
配列を具備するPRO243ポリペプチドをコードした
DNA分子、又は(b)(a)のDNA分子の補足物、
に少なくとも約80%の配列相同性を有する、単離され
た核酸分子を提供する。配列相同性は好ましくは、約8
5%であり、より好ましくは約90%、最も好ましくは
約95%である。一の例において、単離された核酸は、
図4(配列番号:7)に示されるアミノ酸残基1乃至9
54を有するポリペプチドと少なくとも約80%、好ま
しくは少なくとも約85%、より好ましくは少なくとも
約90%、最も好ましくは少なくとも約95%の配列相
同性を有する。好ましくは、最高の相同性は、図4(配
列番号:7)の4つの保存されたシステインクラスター
内(アミノ酸51乃至125;アミノ酸705乃至76
2;アミノ酸784乃至849;アミノ酸897乃至9
31)で起こる。別の態様においては、単離された核散
分子は、図4(配列番号:7)のアミノ酸残基24乃至
954を有するPRO243ポリペプチドをコードする
DNAを具備するか、又はそのようなコード性核酸配列
に相補的であって中等度、そして適宜高度なストリンジ
ェンシー条件下でそれに安定に結合したままのものであ
る。別の例において本発明は、ATCC受託番号がAT
CC209508でATCCに寄託されたクローンDNA3591
7-1207、或いはATCC受託番号がATCC209508で寄
託されたクローンDNA35917-1207の全長タンパク質の
核酸を提供する。
【0051】更に別の態様において本発明は、単離され
たPRO243ポリペプチドを提供する。本発明は特
に、単離された天然のPRO243ポリペプチドの配列
を提供するが、これはその一の態様において図4(配列
番号7)の残基24乃至954を具備するアミノ酸配列
を含んでいる。天然のシグナル配列(図4(配列番号:
7)のアミノ酸1乃至23)を有するか、又は有さず、
そして開始メチオニンを有するか、又は有しない、天然
のPRO243ポリペプチド配列が特に含まれる。或い
は本発明は、受託番号ATCC209508で寄託された核酸
によりコードされるPRO243ポリペプチドを提供す
る。
【0052】3.PRO299 本願では、新規のポリペプチドをコードするcDNAが
同定されているが、本願では当該ポリペプチドをPRO
299と称す。
【0053】一の態様において本発明は、PRO299
ポリペプチドをコードするDNAを具備する、単離され
た核酸分子を提供する。一の例において、当該単離され
た核酸は、図9(配列番号:15)のアミノ酸残基1乃
至737を有するPRO299ポリペプチドをコードし
たDNAを具備するか、又はこれはそのようなコード核
酸配列に対して相補的であり、少なくとも中等度、そし
て適宜高度なストリンジェンシー条件下ではそれに安定
に結合したままのものである。
【0054】別の態様において本発明は、単離されたP
RO299ポリペプチドを提供する。特に本発明は、単
離された天然のPRO299ポリペプチド配列を提供す
るが、一の態様においてこれは、図9(配列番号:1
5)の残基1乃至737を具備するアミノ酸配列を含
む。本発明の別の態様は、PRO299ポリペプチドの
単離された細胞外領域に関する。
【0055】4.PRO323 本願では、ミクロソームジペプチドタンパク質に相同性
を有する新規のポリペプチドをコードするcDNAクロ
ーンが同定されたが、本願では当該ポリペプチドをPR
O323と称す。
【0056】一の態様において本発明は、PRO323
ポリペプチドをコードするDNAを具備する、単離され
た核酸分子を提供する。一の例において当該単離された
核散分子は、図13(配列番号:24)のアミノ酸残基
1乃至433を有するPRO323ポリペプチドをコー
ドしたDNAを具備しているか、又はこれはそのような
コード核酸配列に対して相補的であって、少なくとも中
等度、そして適宜高度なストリンジェンシー条件下でそ
れに安定に結合したままのものである。
【0057】別の態様において本発明は、単離されたP
RO323ポリペプチドを提供する。特に本発明は、単
離された天然のPROポリペプチド配列を提供するが、
一の態様においてこれは、図13(配列番号:24)の
残基1乃至433を具備したアミノ酸配列を含む。
【0058】5.PRO327 本願では、プロラクチンレセプターに相同性である新規
のポリペプチドをコードするcDNAクローンが同定さ
れたが、本願ではこれをPRO327と称す。
【0059】一の態様において本発明は、PRO327
ポリペプチドをコードするDNAを具備する、単離され
た核散分子が提供される。一の例において、当該単離さ
れた核酸は、図17(配列番号:32)のアミノ酸残基
1乃至422を有するPRO327ポリペプチドをコー
ドするDNAを具備しているか、又はそのようなコード
核酸配列に対して相補的であって、少なくとも中等度、
そして適宜高度なストリンジェンシー条件下でそれに安
定に結合したままのものである。
【0060】別の態様において本発明は、PRO327
ポリペプチドを提供する。特に本発明は、単離された天
然のPRO327ポリペプチド配列を提供するが、一の
態様においてこれは、図17(配列番号:32)の残基
1乃至422を具備するアミノ酸配列を含む。
【0061】6.PRO233 本願では、新規のポリペプチドをコードするcDNAク
ローンが同定されたが、本願では当該ポリペプチドをP
RO233と称す。
【0062】一の態様において本発明は、PRO233
ポリペプチドをコードするDNAを具備する、単離され
た核酸分子を提供する。一の例においては、当該単離さ
れた核酸は、図19(配列番号:37)のアミノ酸残基
1乃至300を有するPRO233ポリペプチドをコー
ドするDNAを具備するか、又はこれはそのようなコー
ド核酸配列に対して相補的であって、少なくとも中等
度、そして適宜高度なストリンジェンシー条件下でそれ
に安定に結合したままのものである。
【0063】別の態様において、本発明は単離されたP
RO233ポリペプチドを提供する。特に本発明は、単
離された天然のPRO233ポリペプチド配列を提供す
るが、一の態様においてこれは、図19(配列番号:3
7)の残基1乃至300を具備するアミノ酸配列を含
む。
【0064】7.PRO344 本願では、新規のポリペプチドをコードするcDNAが
同定されたが、本願では当該ポリペプチドをPRO34
4と称す。
【0065】一の態様において本発明は、PRO344
ポリペプチドをコードするDNAを具備する、単離され
た核酸分子を提供する。一の例においては、当該単離さ
れた核酸は、図21(配列番号:42)のアミノ酸残基
1乃至243を有するPRO344ポリペプチドをコー
ドするDNAを具備するか、又はこれはそのようなコー
ド核酸配列に対して相補的であって、少なくとも中等
度、そして適宜高度なストリンジェンシー条件下でそれ
に安定に結合したままのものである。
【0066】別の態様において、本発明は単離されたP
RO344ポリペプチドを提供する。特に本発明は、単
離された天然のPRO344ポリペプチド配列を提供す
るが、一の態様においてこれは、図21(配列番号:4
2)の残基1乃至243を具備するアミノ酸配列を含
む。
【0067】8.PRO347 本願では、システイン富分泌タンパク質−3に相同性で
ある新規のポリペプチドをコードするcDNAが同定さ
れたが、本願では当該ポリペプチドをPRO347と称
す。
【0068】一の態様において本発明は、PRO347
ポリペプチドをコードするDNAを具備する、単離され
た核酸分子を提供する。一の例においては、当該単離さ
れた核酸は、図23(配列番号:50)のアミノ酸残基
1乃至455を有するPRO347ポリペプチドをコー
ドするDNAを具備するか、又はこれはそのようなコー
ド核酸配列に対して相補的であって、少なくとも中等
度、そして適宜高度なストリンジェンシー条件下でそれ
に安定に結合したままのものである。
【0069】別の態様において、本発明は単離されたP
RO347ポリペプチドを提供する。特に本発明は、単
離された天然のPRO347ポリペプチド配列を提供す
るが、一の態様においてこれは、図23(配列番号:5
0)の残基1乃至455を具備するアミノ酸配列を含
む。
【0070】9.PRO354 本願では、インター-アルファ-トリプシンインヒビター
(ITI)の重鎖に相同性である新規のポリペプチドを
コードするcDNAが同定されたが、本願では当該ポリ
ペプチドをPRO354と称す。
【0071】一の態様において本発明は、PRO354
ポリペプチドをコードするDNAを具備する、単離され
た核酸分子を提供する。一の例においては、当該単離さ
れた核酸は、図25(配列番号:55)のアミノ酸残基
1乃至694を有するPRO354ポリペプチドをコー
ドするDNAを具備するか、又はこれはそのようなコー
ド核酸配列に対して相補的であって、少なくとも中等
度、そして適宜高度なストリンジェンシー条件下でそれ
に安定に結合したままのものである。
【0072】別の態様において、本発明は単離されたP
RO354ポリペプチドを提供する。特に本発明は、単
離された天然のPRO354ポリペプチド配列を提供す
るが、一の態様においてこれは、図25(配列番号:5
5)の残基1乃至694を具備するアミノ酸配列を含
む。
【0073】10.PRO355 本願では、新規のポリペプチドをコードするcDNAが
同定されたが、本願では当該ポリペプチドをPRO35
5と称す。
【0074】一の態様において本発明は、PRO355
ポリペプチドをコードするDNAを具備する、単離され
た核酸分子を提供する。一の例においては、当該単離さ
れた核酸は、図27(配列番号:61)のアミノ酸残基
1乃至440を有するPRO355ポリペプチドをコー
ドするDNAを具備するか、又はこれはそのようなコー
ド核酸配列に対して相補的であって、少なくとも中等
度、そして適宜高度なストリンジェンシー条件下でそれ
に安定に結合したままのものである。
【0075】別の態様において、本発明は単離されたP
RO355ポリペプチドを提供する。特に本発明は、単
離された天然のPRO355ポリペプチド配列を提供す
るが、一の態様においてこれは、図27(配列番号:6
1)の残基1乃至440を具備するアミノ酸配列を含
む。
【0076】11.PRO357 本願では、インスリン様増殖因子(IGF)の酸不安定
サブユニット(ALS)に相同性である新規のポリペプ
チドをコードするcDNAが同定されたが、本願では当
該ポリペプチドをPRO357と称す。
【0077】一の態様において本発明は、PRO357
ポリペプチドをコードするDNAを具備する、単離され
た核酸分子を提供する。一の例においては、当該単離さ
れた核酸は、図29(配列番号:69)のアミノ酸残基
1乃至598を有するPRO357ポリペプチドをコー
ドするDNAを具備するか、又はこれはそのようなコー
ド核酸配列に対して相補的であって、少なくとも中等
度、そして適宜高度なストリンジェンシー条件下でそれ
に安定に結合したままのものである。
【0078】別の態様において、本発明は単離されたP
RO357ポリペプチドを提供する。特に本発明は、単
離された天然のPRO357ポリペプチド配列を提供す
るが、一の態様においてこれは、図29(配列番号:6
9)の残基1乃至598を具備するアミノ酸配列を含
む。
【0079】12.PRO715 本願では、腫瘍壊死因子ファミリーポリペプチドに相同
性である新規のポリペプチドをコードするcDNAが同
定されたが、本願では当該ポリペプチドをPRO715
と称す。
【0080】一の態様において本発明は、PRO715
ポリペプチドをコードするDNAを具備する、単離され
た核酸分子を提供する。一の例においては、当該単離さ
れた核酸は、図31(配列番号:76)のアミノ酸残基
1乃至250を有するPRO715ポリペプチドをコー
ドするDNAを具備するか、又はこれはそのようなコー
ド核酸配列に対して相補的であって、少なくとも中等
度、そして適宜高度なストリンジェンシー条件下でそれ
に安定に結合したままのものである。
【0081】別の態様において、本発明は単離されたP
RO715ポリペプチドを提供する。特に本発明は、単
離された天然のPRO715ポリペプチド配列を提供す
るが、一の態様においてこれは、図31(配列番号:7
6)の残基1乃至250を具備するアミノ酸配列を含
む。
【0082】13.PRO353 本願では、新規のポリペプチドをコードするcDNAが
同定されたが、本願では当該ポリペプチドをPRO35
3と称す。
【0083】一の態様において本発明は、PRO353
ポリペプチドをコードするDNAを具備する、単離され
た核酸分子を提供する。一の例においては、当該単離さ
れた核酸は、図35(配列番号:86)のアミノ酸残基
1乃至281を有するPRO353ポリペプチドをコー
ドするDNAを具備するか、又はこれはそのようなコー
ド核酸配列に対して相補的であって、少なくとも中等
度、そして適宜高度なストリンジェンシー条件下でそれ
に安定に結合したままのものである。
【0084】別の態様において、本発明は単離されたP
RO353ポリペプチドを提供する。特に本発明は、単
離された天然のPRO353ポリペプチド配列を提供す
るが、一の態様においてこれは、図35(配列番号:8
6)の残基1乃至281を具備するアミノ酸配列を含
む。
【0085】14.PRO361 本願では、新規のポリペプチドをコードするcDNAが
同定されたが、本願では当該ポリペプチドをPRO36
1と称す。
【0086】一の態様において本発明は、PRO361
ポリペプチドをコードするDNAを具備する、単離され
た核酸分子を提供する。一の例においては、当該単離さ
れた核酸は、図37(配列番号:91)のアミノ酸残基
1乃至431を有するPRO361ポリペプチドをコー
ドするDNAを具備するか、又はこれはそのようなコー
ド核酸配列に対して相補的であって、少なくとも中等
度、そして適宜高度なストリンジェンシー条件下でそれ
に安定に結合したままのものである。当該単離された核
酸配列は、1998年2月5日にATCC209621として
寄託されたベクターのcDNA挿入物を具備していても
よいが、これはPRO361をコードするヌクレオチド
配列を含む。
【0087】別の態様において、本発明は単離されたP
RO361ポリペプチドを提供する。特に本発明は、単
離された天然のPRO361ポリペプチド配列を提供す
るが、一の態様においてこれは、図37(配列番号:9
1)の残基1乃至431を具備するアミノ酸配列を含
む。本発明の別の態様は、図37(配列番号:91)に
示されるアミノ酸配列のアミノ酸1乃至379を有する
PRO361ポリペプチドの、単離された細胞外領域に
関する。PRO361ポリペプチドは適宜、入手する
か、又は1998年2月5日にATCC209621として寄託され
たベクター中のcDNA挿入物によりコードされるポリ
ペプチドを発現することにより手に入れることができ
る。
【0088】15.PRO365 本願では、新規のポリペプチドをコードするcDNAが
同定されたが、本願では当該ポリペプチドをPRO36
5と称す。
【0089】一の態様において本発明は、PRO365
ポリペプチドをコードするDNAを具備する、単離され
た核酸分子を提供する。一の例においては、当該単離さ
れた核酸は、図39(配列番号:99)のアミノ酸残基
1乃至235を有するPRO365ポリペプチドをコー
ドするDNAを具備するか、又はこれはそのようなコー
ド核酸配列に対して相補的であって、少なくとも中等
度、そして適宜高度なストリンジェンシー条件下でそれ
に安定に結合したままのものである。別の例において
は、単利された核酸は、図39(配列番号:99)のア
ミノ酸残基21乃至235を有するPROポリペプチド
をコードするDNAを具備するか、又はそのようなコー
ド核酸配列に相補的であって、少なくとも中等度、そし
て適宜高度なストリンジェンシー条件下でそれに安定に
結合したままのものである。
【0090】別の態様において、本発明は単離されたP
RO365ポリペプチドを提供する。特に本発明は、単
離された天然のPRO365ポリペプチド配列を提供す
るが、一の態様においてこれは、図39(配列番号:9
9)の残基1乃至235を具備するアミノ酸配列を含
む。本発明の別の態様は、図39(配列番号:99)の
アミノ酸21乃至235を具備するアミノ酸配列に関す
る。
【0091】16.別の態様 本発明の別の態様においては、上記又は下記の何れかの
ポリペプチをコードするDNAを具備したベクターが提
供される。そのような何れかのベクターを具備した宿主
細胞も提供される。例示としては、宿主細胞はCHO細
胞、大腸菌(E.coli)、又は酵母とすることができる。
上記又は下記のポリペプチドを産生する方法が提供され
るが、これは更に、宿主細胞を所望ポリペプチドの発現
に適した条件下で培養し、細胞培養物より所望のポリペ
プチドを回収することを具備している。
【0092】別の態様において本発明は、上記又は下記
の何れかのポリペプチドであって異種のポリペプチド又
はアミノ酸配列に融合したものを具備したキメラ分子を
提供する。そのようなキメラ分子の例は、上記又は下記
のいずれかのポリペプチドであって、エピトープ標識配
列又は免疫グロブリンのFc領域に融合したものであ
る。別の態様において、本発明は、上記又は以下に記載
したポリペプチドの何れかに特異的に結合する抗体を提
供する。任意に、該抗体はモノクローナル抗体である。
【0093】別の態様において本発明は、ゲノム及びc
DNAのヌクレオチド配列を単離するのに有益なオリゴ
ヌクレオチドのプローブを提供するが、ここで、そのプ
ローブは上記又は下記の何れかのヌクレオチド配列に由
来するものとすることができる。
【0094】
【発明の実施の形態】好適な実施態様の詳細な説明 I. 定義 ここで用い且つ数字の表記に直接続けられる場合に用語
「PROポリペプチド」と「PRO」は、各種のポリペ
プチドに関し、ここでの完全な表記(即ち、PRO/数
字)は、ここに記載した特有のポリペプチド配列に関す
る。ここで用いる場合に用語「PRO/数字ポリペプチ
ド」及び「PRO/数字」は、天然配列ポリペプチドと
ポリペプチド変異体(ここで更に定義される)を包含す
る。ここに記載したPROポリペプチドは、ヒト組織タ
イプから或いは別な供給源からのような各種の供給源か
ら単離され、又は組換え或いは合成方法によって製造さ
れ得る。
【0095】「天然配列PROポリペプチド」は、相当
する天然から得られたPROポリペプチドと同じアミノ
酸配列を有するポリペプチドを含む。そのような天然配
列PROポリペプチドは、天然物から単離することがで
き、又は組換え或いは合成によって製造することができ
る。用語「天然配列PROポリペプチド」は、特異的P
ROポリペプチドの自然発生端切り又は分泌形態(例え
ば、細胞外ドメイン配列)、自然発生変異形(例えば、
代替スプライス形)及びポリペプチドの自然発生アレル
変異体を特に包含する。本発明の各種の実施態様におい
て、天然配列PRO241ポリペプチドは、図2(配列
番号:2)のアミノ酸1から379を含む成熟又は全長
天然配列PRO241ポリペプチドであり、天然配列P
RO243は、N末端シグナル配列(残基1乃至約2
3)を持つ或いは無しの、及び位置1で開始メチオニン
を持つ或いは無しの、図4(配列番号:7)のアミノ酸
24乃至954を含む成熟又は全長天然配列ポリペプチ
ドであり、天然配列PRO299ポリペプチドは、図9
(配列番号:15)のアミノ酸1乃至737を含む成熟
或いは全長天然配列PRO299ポリペプチドである
か、又は天然配列PRO299ポリペプチドは、全長P
RO299タンパク質の細胞外ドメインであり、但し全
長PRO299タンパク質の予測トランスメンブレンド
メインは、図8に示したヌクレオチド2022で始まる
ヌクレオチドによってコードされ、天然配列PRO32
3ポリペプチドは、図13(配列番号:24)のアミノ
酸1乃至433を含む成熟或いは全長天然配列PRO3
23ポリペプチドであり、天然配列PRO327ポリペ
プチドは、図17(配列番号:32)のアミノ酸1乃至
422を含む成熟或いは全長天然配列PRO327ポリ
ペプチドであり、天然配列PRO233ポリペプチド
は、図19(配列番号:37)のアミノ酸1乃至300
を含む成熟或いは全長天然配列PRO233ポリペプチ
ドであり、天然配列PRO344ポリペプチドは、図2
1(配列番号:42)のアミノ酸1乃至243を含む成
熟或いは全長天然配列PRO344ポリペプチドであ
り、天然配列PRO347ポリペプチドは、図23(配
列番号:50)のアミノ酸1乃至455を含む成熟或い
は全長天然配列PRO347ポリペプチドであり、天然
配列PRO354ポリペプチドは、図25(配列番号:
55)のアミノ酸1乃至694を含む成熟或いは全長天
然配列PRO354ポリペプチドであり、天然配列PR
O355ポリペプチドは、図27(配列番号:61)の
アミノ酸1乃至440を含む成熟或いは全長天然配列P
RO355ポリペプチドであり、又は天然配列PRO3
55は、全長PRO355タンパク質の細胞外ドメイン
であり、但し全長PRO355タンパク質の予測トラン
スメンブレンドメインは、図26に示したヌクレオチド
1138で始まるヌクレオチドによってコードされ、天
然配列PRO357ポリペプチドは、図29(配列番
号:69)のアミノ酸1乃至598を含む成熟或いは全
長天然配列PRO357ポリペプチドであり、又は天然
配列PRO357ポリペプチドは、全長PRO357タ
ンパク質の細胞外ドメインであり、但し全長PRO35
5タンパク質の予測トランスメンブレンドメインは、配
列番号:68のヌクレオチド1518−1572、或い
は配列番号:68の1491−1572によってコード
され、天然配列PRO715ポリペプチドは、図31
(配列番号:76)のアミノ酸1乃至250を含む成熟
或いは全長天然配列PRO715ポリペプチドであり、
天然配列PRO353ポリペプチドは、図35(配列番
号:86)のアミノ酸1乃至281を含む成熟或いは全
長天然配列PRO353ポリペプチドであり、又は天然
配列PRO353ポリペプチドは、全長PRO353タ
ンパク質の細胞外ドメインであり、天然配列PRO36
1ポリペプチドは、図37(配列番号:91)のアミノ
酸1乃至431を含む成熟或いは全長天然配列PRO3
61ポリペプチドであり、又は天然配列PRO361ポ
リペプチドは、全長PRO361タンパク質の細胞外ド
メインであり、但し全長PRO361タンパク質の予測
トランスメンブレンドメインは、図36に示したヌクレ
オチド1363で始まるヌクレオチドによってコードさ
れ、及び天然配列PRO365ポリペプチドは、図39
(配列番号:99)のアミノ酸1乃至235を含む成熟
或いは全長天然配列PRO365ポリペプチドである。
【0096】PROポリペプチド「細胞外ドメイン」又
は「ECD」は、トランスメンブレン及び細胞質ドメイ
ンの本質的にないPROポリペプチドの形態に関する。
通例、PROポリペプチドECDは、そのようなトラン
スメンブレン及び/又は細胞質ドメインの1%以内を有
するであろうし、好ましくはそのようなドメインの0.
5%以内を有するであろう。本発明のPROポリペプチ
ド用に同定した何れかのドメインが疎水性ドメインのそ
のタイプを同定するために当該分野で通常利用される基
準に従って同定されることが理解されるであろう。トラ
ンスメンブレンドメインの正確な境界は、変化し得る
が、しかし初めに同定したようなドメインのいずれか一
方の末端で約5アミノ酸以下が最もありそうに思われ
る。
【0097】「PROポリペプチド変異体」は、ここに
記載した全長天然配列PROポリペプチド配列と少なく
とも約80%アミノ酸配列同一性を有する上述の或いは
後述の活性PROポリペプチドを意味する。そのような
PROポリペプチド変異体は、例えば、1以上のアミノ
酸残基がその全長天然アミノ酸配列のPROポリペプチ
ドのN又はC末端で付加され、或いは欠失されるPRO
ポリペプチドを含む。通例、PROポリペプチド変異体
は、ここに記載した全長天然アミノ酸配列のアミノ酸配
列と少なくとも約80%アミノ酸配列同一性、より好ま
しくは少なくとも約85%アミノ酸配列同一性、更によ
り好ましくは少なくとも約90%アミノ酸配列同一性、
更により好ましくは少なくとも約95%アミノ酸配列同
一性、最も好ましくは少なくとも約99%配列同一性を
有するであろう。
【0098】PRO243変異体に関して、語句「PR
O243変異体」は、(a)その天然シグナル配列を持
つ又は無しのPRO243ポリペプチドをコードしてい
るDNA分子、又は(b)(a)のDNA分子の相補体
に対して少なくとも約80%アミノ酸配列同一性を有す
る後述した活性PRO243を意味する。特有な実施態
様において、PRO243変異体は、全長天然配列PR
O243についての図4(配列番号:7)に示した推定
アミノ酸配列を有するPRO243と少なくとも約80
%アミノ酸配列相同性を有する。そのようなPRO24
3変異体は、例えば、図4(配列番号:7)の配列のN
或いはC末端で1以上のアミノ酸残基が付加、又は欠失
されるPRO243ポリペプチドを含む。好ましくは、
核酸或いはアミノ酸配列同一性は、少なくとも約85
%、より好ましくは少なくとも約90%、さらにより好
ましくは少なくとも95%である。
【0099】ここで同定したPROポリペプチド配列に
関して「パーセント(%)アミノ酸配列同一性」は、必
要であれば、最大パーセント配列同一性を達成するため
に、その配列のアライニング及びギャップ導入後、特異
的PROポリペプチド配列中のアミノ酸残基と同一であ
る候補配列中のアミノ酸残基のパーセンテージとして定
義され、且つ配列同一性の一部としていずれの保存的置
換も考慮しない。パーセントアミノ酸配列同一性を決定
する目的のためのアライメントは、例えば、BLAS
T,BLAST-2,ALIGN又はMegalign
(DNASTAR)ソフトウェアのような公的に利用可
能なコンピューターソフトウェアを用いて、当業者の範
囲内である各種の手法で達成することができる。好適な
ソフトウェアアライメントプログラムは、BLASTで
ある。当業者であれば、比較するべき配列の全長にわた
り最大のアライメントを達成するために必要とされるい
ずれのアルゴリズムをも含む、アライメントを測定する
ための適切なパラメーターを決定することができる。
【0100】ここで同定した、PRO-コード核酸配列
に関して「パーセント(%)核酸配列同一性」は、必要
であれば、最大パーセント配列同一性を達成するため
に、その配列のアライニング及びギャップ導入後、興味
あるPRO核酸配列中のヌクレオチドと同じである候補
配列中のヌクレオチドのパーセンテージとして定義され
る。パーセント核酸配列同一性を決定する目的のための
アライメントは、例えば、BLAST,BLAST-
2,ALIGN又はMegalign(DNASTA
R)ソフトウェアのような公的に利用可能なコンピュー
ターソフトウェアを用いて、当業者の範囲内である各種
の手法で達成することができる。当業者であれば、比較
するべき配列の全長にわたり最大のアライメントを達成
するために必要とされるいずれのアルゴリズムをも含
む、アライメントを測定するための適切なパラメーター
を決定することができる。
【0101】ここに開示した各種ポリペプチドを記述す
るために用いる場合、「単離した」とは、その天然環境
の成分から同定及び分離及び/又は回収されているポリ
ペプチドを意味する。その天然環境の不純成分は、その
ペプチドの診断的又は治療的な使用を典型的に妨害する
であろう材料であり、酵素、ホルモン、及び他のタンパ
ク様又は非タンパク様溶質を含む。好適な実施態様にお
いて、該ポリペプチドは、(1)スピニングカップ配列
決定装置の使用によってN末端の少なくとも15残基或
いは内部アミノ酸配列を得るために十分な度合まで、又
は(2)クマシーブルー又は、好ましくは銀染色を用い
た非還元又は還元条件下でSDS-PAGEによって均
質となるまで、精製されるであろう。単離したポリペプ
チドは、PROポリペプチド天然環境の成分の少なくと
も一つが存在しないであろうことから、組換え細胞内の
原位置のポリペプチドを含む。通常、しかしながら、単
離したポリペプチドは、少なくとも一の精製工程によっ
て作製されるだろう。
【0102】「単離した」PROポリペプチド-コード
核酸分子は、PROポリペプチド核酸の天然供給源に普
通に結合されることによって少なくとも一の不純核酸分
子から同定され且つ分離される核酸分子である。単離し
たPROポリペプチド核酸分子は、天然で見出される形
態又はセッティング以外のものである。単離したPRO
ポリペプチド核酸分子は、従って、それが天然細胞に存
在するような特異的PROポリペプチド核酸分子と区別
される。しかしながら、単離したPROポリペプチド核
酸分子は、例えばその核酸分子が天然細胞のそれと異な
る染色体配置中にある場合、PROポリペプチドを普通
に発現する細胞中に含んだPROポリペプチド核酸分子
を含む。
【0103】用語「制御配列」は、特有な宿主生体中の
操作可能に結合したコード配列の発現のために必要なD
NA配列に関する。原核生物のために好適な制御配列
は、例えば、プロモーター、任意にオペレーター配列、
及びリボソーム結合部位を含む。真核生物細胞は、プロ
モーター、ポリアデニル化シグナル、及びエンハンサー
を用いることが知られる。
【0104】核酸は、それが別の核酸配列との機能的関
係に置かれる場合「操作可能に結合(operably linke
d)」される。例えば、予備配列決定又は分泌リーダーの
ためのDNAは、もしそれが該ポリペプチドの分泌に参
与するプレタンパク質として発現されるならば、ポリペ
プチド用のDNAに操作可能に結合される;プロモータ
ーとエンハンサーは、もしそれが該配列の転写に影響を
及ぼすならば、コード化配列に操作可能に結合される;
又はリボソーム結合部位は、もしそれが翻訳を促進する
ように配置されるならば、コード配列に操作可能に結合
される。一般に「操作可能に結合」は、結合されるその
DNA配列が隣接され、且つ分泌リーダーのケースにお
いては隣接し且つリーディング相中にあることを意味す
る。しかしながら、エンハンサーは隣接されない。結合
は、利便的な制限部位での結紮によって達成される。も
しそのような部位が存在しないならば、合成オリゴヌク
レオチドアダプター又はリンカーが通常の実施に従って
使用される。
【0105】用語「抗体」は、最も広い認識で用いら
れ、単純な抗-PROポリペプチド、モノクローナル抗
体(アゴニスト、アンタゴニスト、及び中和抗体を含
む)、及びポリエピトピック特異性を持つ抗-PROポ
リペプチド抗体組成物を明確にカバーする。ここで用い
た用語「モノクローナル抗体」は、実質上均一な抗体の
集団から得られた抗体、即ちその集団に含まれる個別の
抗体が少量で存在し得る自然発生変異の可能性を除いて
同一であることに関する。
【0106】ここで意図する「活性な」又は「活性」
は、特異的な天然又は天然発生PROポリペプチドの生
物学的及び/又は免疫学的活性を保持するPROポリペ
プチドの形態に関する。PRO243によって示された
通り、好適な活性は、コルディン(chordin)の活性に結
合する及び影響を及ぼす、例えば阻止する又はその他の
調整をするための能力であり、その活性は、好ましくは
脊索(notochord)の調節と筋肉形成を含む。
【0107】「治療」又は「治療する」は、治療的処置
及び予防又は予防的手段の両方に関する。治療の必要な
それらは、疾患に既にかかっている、同じくその疾患が
予防するべきものであるそれらの疾患を有する傾向にあ
るそれらを含む。
【0108】治療の目的のための「哺乳動物」は、ヒ
ト、家畜及び農業用動物、及び動物園の、スポーツの又
は愛玩用動物を含み、例えばヒツジ、イヌ、ウマ、ネ
コ、ウシなどの、哺乳動物として分類される何れかの動
物に関する。好ましくは、ここでの哺乳動物はヒトであ
る。
【0109】ここで用いたような「担体」は、用いる用
量と濃度でそれにさらされる細胞又は哺乳動物に無毒で
ある、薬学上許容される担体、賦形剤、又は安定化剤を
含む。しばしば生理学上許容される担体は、pH緩衝化
水溶液である。生理学上許容される担体の例は、リン酸
塩、クエン酸塩及び他の有機酸のような緩衝液;アスコ
ルビン酸を含む酸化防止剤;低分子量(約10分子以
下)ポリペプチド;血清アルブミン、ゼラチン、又は免
疫グロブリンのようなタンパク質;ポリビニルピロリド
ンのような親水性ポリマー;グリシン、グルタミン、ア
スパラギン、アルギニン又はリシンのようなアミノ酸;
グルコース、マンノース、又はデキストリンを含むモノ
サッカリド、ジサッカリド、及び他の炭水化物;EDT
Aのようなキレート化剤;マンニトール又はソルビトー
ルのような糖アルコール;ナトリウムのような塩形成カ
ウンターイオン;及び/又はTWEENTM、ポリエチレング
リコール(PEG)、およびPLURONICSTMのような非イ
オン性界面活性剤を含む。
【0110】用語「アゴニスト」は、本発明の天然PR
Oポリペプチドのペプチド及び非-ペプチド類似物(天
然PROポリペプチドは、pro-PROポリペプチド、pr
e-PROポリペプチド、prepro-PROポリペプチド、
又は成熟PROポリペプチドに関する)に関するとして
及びそれが天然PROポリペプチドの少なくとも1の生
物学的活性を保持するという条件で、そのようなPRO
ポリペプチドに特異的に結合する抗体に関して用いられ
る。好ましくは、本発明のアゴニストは、天然PROポ
リペプチドの少なくとも1の性質上の結合認識特性及び
レセプター活性化特性を保持する。
【0111】用語「アンタゴニスト」は、本発明の天然
PROポリペプチドの生物学的活性を阻害する分子に関
し、ここでの天然PROポリペプチドは、pro-PROポ
リペプチド、pre-PROポリペプチド、prepro-PRO
ポリペプチド、又は成熟PROポリペプチドに関する。
好ましくは、ここでのアンタゴニストは、結合パートナ
ーに対する本発明の天然PROポリペプチドの結合を阻
害する。PROポリペプチド「アンタゴニスト」は、P
ROアンタゴニストエフェクター機能を妨害する又は干
渉する分子である(例えば、PROポリペプチドによる
PROポリペプチドレセプターの結合及び/又は活性化
を妨害又は干渉する分子)。そのような分子は、例え
ば、試験アンタゴニスト分子の存在及び不在において天
然PROポリペプチドの結合をモニタリングすることに
よってPROポリペプチドレセプター活性化を競合的に
阻害するその能力によってスクリーンすることができ
る。本発明のアンタゴニストはまた、PROポリペプチ
ド遺伝子に対するアンチセンスポリヌクレオチドも包含
し、アンチセンスポリヌクレオチドがPROポリペプチ
ド遺伝子の転写又は翻訳を阻止し、それによってその発
現と生物学的活性を阻害する。
【0112】「ストリンジェント条件」は、(1)洗浄
のための低いイオン強度と高温を使う、例えば50℃で
0.015Mの塩化ナトリウム/0.0015Mのクエン酸ナトリウ
ム/0.1%ドデシル硫酸ナトリウム;(2)ハイブリダイ
ゼーションの間にホルムアミドのような変性剤を使う、
例えば42℃で、0.1%ウシ血清アルブミンとともに50%
(vol/vol)ホルムアミド/0.1%のFicoll/0.1%ポリビニ
ルピロリドン/750mMの塩化ナトリウム、75mMのクエン
酸ナトリウムを伴う50mMのリン酸ナトリウム緩衝液、pH
6.5を用いることを意味する。別な実例は、0.2xSSCと0.
1%のSDS中42℃での洗浄と共に、42℃で50%ホルムア
ミド、5xSSC(0.75MのNaCl、0.075Mクエン酸ナトリ
ウム)、50mMのリン酸ナトリウム(pH6/8)、0.1%ピロリ
ン酸ナトリウム、5xデンハード溶液、音波処理したサ
ケ精子DNA(50μg/ml)、0.1%SDS、及び10%デキス
トラン硫酸の使用である。更に別な実例は、55℃で10
%デキストリン硫酸の緩衝液、2xSSC(塩化ナトリウム/
クエン酸ナトリウム)と50%ホルムアミドを用いたハイ
ブリダイゼーション、続いて55℃でEDTA含有0.1x
SSCからなる高ストリンジェント洗浄である。
【0113】「中等度にストリンジェントな条件」は、
Sambrookら、上記、に記載され、且つ上述したよりも、
より劣る洗浄液とハイブリダイゼーション条件(例え
ば、温度、イオン強度、及び%SDS)の使用を含む。
中等度にストリンジェントな条件の実例は、20%ホルム
アミド、5xSSC(150mMのNaCl、15mMのクエン酸三ナ
トリウム)、50mMのリン酸ナトリウム(pH7.6)、5xデン
ハード溶液、10%デキストラン硫酸、及び20mg/mLの変性
し切断したサケ精子DNAを含む溶液中37℃で一晩の
インキュベーション、続いて約37-50℃で1xSSC中で該フ
ィルターの洗浄、のような条件である。熟達した研究者
であれば、プローブ長などのようなファクターを調整す
るために必要な、温度、イオン強度などをどのように調
節するかを認識するであろう。
【0114】「サザン分析」又は「サザンブロッティン
グ」は、DNA又はDNA含有組成物の制限エンドヌク
レアーゼ消化においてDNA配列の存在が、既知の標識
したオリゴヌクレオチド又はDNAフラグメントへのハ
イブリダイゼーションによって確認される方法である。
サザン分析は、典型的に、アガロースゲル上でのDNA
消化物の電気泳動分離、電気泳動分離後のDNAの変
性、及びSambrookら、Molecular Cloning: A Laborator
y Manual(New York: Cold Spring Harbor Laboratory P
ress, 1989)のセクション9.37-9.52に記載されたよう
な、放射性標識した、ビオチン化した、又は酵素標識し
たプローブによる、ニトロセルロース、ナイロン又は分
析用に好適な別の膜への該DNAの転移を含む。
【0115】「ノーザン分析」又は「ノーザンブロッテ
ィング」は、オリゴヌクレオチド、DNAフラグメン
ト、cDNA又はそのフラグメント、又はRNAフラグ
メントのような既知のプローブにハイブリダイズするR
NA配列を同定するために用いる方法である。そのプロ
ーブは、32Pのような放射性同位体、又はビオチン化に
よって、又は酵素によって標識される。分析するべきR
NAは、アガロース又はポリアクリルアミドゲル上で普
通に電気泳動的に分離され、ニトロセルロース、ナイロ
ン、又は他の適当な膜に転移し、さらにSambrookら、上
記、のセクション7.39-7.52中に記載されたそれらのよ
うな当該分野で周知の標準技術を用いて、該プローブと
ハイブリダイズされる。
【0116】II.本発明の組成物と方法 1.全長PRO241ポリペプチド 本発明は、PRO241と本出願中で称したポリペプチ
ドをコードしている新たに同定及び単離したヌクレオチ
ド配列を提供する。特に、本出願人は、後述する実施例
で更に詳細に記載したように、PRO241ポリペプチ
ドをコードしているcDNAを同定及び単離している。
BLAST及びFastA配列アライメントコンピュー
タプログラムを用いて、本出願人は、PRO241ポリ
ペプチドの部分が各種のビグリカンタンパク質と顕著な
相同性を有することを知見した。従って、本出願中に開
示したPRO241ポリペプチドは、新たに同定された
ビグリカン同族体ポリペプチドであり、且つビグリカン
タンパク質の典型的な活性を所有し得るということをこ
こに確信した。
【0117】2.全長PRO243ポリペプチド 本発明は、PRO243と本出願中で称したポリペプチ
ドをコードしている新たに同定及び単離したヌクレオチ
ド配列を提供する。特に、本出願人は、後述する実施例
で更に詳細に記載したように、PRO243ポリペプチ
ドをコードしているcDNAを同定及び単離している。
BLAST及びFastA配列アライメントコンピュー
タプログラムを用いて、本出願人は、全長天然配列PR
O243(図4及び配列番号:7に示した)が、アフリ
カツメガエル及びXenopusコルディン(chordin)と50%
アミノ酸配列同一性を、及びラットコルディン(chordi
n)と77%相同性を有することを知見した。従って、本
出願中に開示したPRO243ポリペプチドは、コルデ
ィン(chordin)タンパク質ファミリーの新たに同定され
たメンバーであり、且つ脊索に影響を及ぼすとともに中
胚葉の背方化(dorsalization)による筋肉形成の能力を
所有し得るということをここに確信した。
【0118】3.全長PRO299ポリペプチド 本発明は、PRO299と本出願中で称したポリペプチ
ドをコードしている新たに同定及び単離したヌクレオチ
ド配列を提供する。特に、本出願人は、後述する実施例
で更に詳細に記載したように、PRO299ポリペプチ
ドをコードしているcDNAを同定及び単離している。
BLAST及びFastA配列アライメントコンピュー
タプログラムを用いて、本出願人は、PRO299ポリ
ペプチドの各部が、切痕(notch)タンパク質と顕著な相
同性を有することを知見した。従って、本出願中に開示
したPRO299ポリペプチドは、切痕タンパク質の新
たに同定されたメンバーであり、且つ切痕タンパク質フ
ァミリーの典型的なシグナリング特性を所有し得るとい
うことをここに確信した。
【0119】4.全長PRO323ポリペプチド 本発明は、PRO323と本出願中で称したポリペプチ
ドをコードしている新たに同定及び単離したヌクレオチ
ド配列を提供する。特に、本出願人は、後述する実施例
で更に詳細に記載したように、PRO323ポリペプチ
ドをコードしているcDNAを同定及び単離している。
BLAST及びFastA配列アライメントコンピュー
タプログラムを用いて、本出願人は、PRO323ポリ
ペプチドの各部が、各種のジペプチダーゼタンパク質と
顕著な相同性を有することを知見した。従って、本出願
中に開示したPRO323ポリペプチドは、ジペプチダ
ーゼ活性を有する新たに同定されたジペプチダーゼ同族
体であるということをここに確信した。
【0120】5.全長PRO327ポリペプチド 本発明は、PRO327と本出願中で称したポリペプチ
ドをコードしている新たに同定及び単離したヌクレオチ
ド配列を提供する。特に、本出願人は、後述する実施例
で更に詳細に記載したように、PRO327ポリペプチ
ドをコードしているcDNAを同定及び単離している。
BLAST及びFastA配列アライメントコンピュー
タプログラムを用いて、本出願人は、PRO327ポリ
ペプチドの部分が、各種のプロラクチンレセプタータン
パク質と顕著な相同性を有することを知見した。従っ
て、本出願中に開示したPRO327ポリペプチドは、
新たに同定されたプロラクチンレセプター同族体であ
り、且つプロラクチンレセプタータンパク質の典型的な
活性を有するということをここに確信した。
【0121】6.全長PRO233ポリペプチド 本発明は、PRO233と本出願中で称したポリペプチ
ドをコードしている新たに同定及び単離したヌクレオチ
ド配列を提供する。特に、本出願人は、後述する実施例
で更に詳細に記載したように、PRO233ポリペプチ
ドをコードしているcDNAを同定及び単離している。
BLAST及びFastA配列アライメントコンピュー
タプログラムを用いて、本出願人は、PRO233ポリ
ペプチドの部分が、各種の還元酵素タンパク質と顕著な
相同性を有することを知見した。本出願人はまた、PR
O233をコードしているDNAが、線虫(Caenorhabdi
tis elegans)からのタンパク質と顕著な相同性を有する
ことも見出した。従って、本出願中に開示したPRO2
33ポリペプチドは、還元酵素ファミリーの新たに同定
されたメンバーであり、且つ還元酵素ファミリーの典型
的な細胞の酸化還元状態に影響を及ぼす能力を所有する
ということをここに確信した。
【0122】7.全長PRO344ポリペプチド 本発明は、PRO344と本出願中で称したポリペプチ
ドをコードしている新たに同定及び単離したヌクレオチ
ド配列を提供する。特に、本出願人は、後述する実施例
で更に詳細に記載したように、PRO344ポリペプチ
ドをコードしているcDNAを同定及び単離している。
BLAST及びFastA配列アライメントコンピュー
タプログラムを用いて、本出願人は、PRO344ポリ
ペプチドの部分が、ヒトとマウスの補体タンパク質(com
plement proteins)と顕著な相同性を有することを知見
した。従って、本出願中に開示したPRO344ポリペ
プチドは、補体ファミリーの新たに同定されたメンバー
であり、且つタンパク質の補体ファミリーに典型的な炎
症プロセスに影響を及ぼす能力を所有するということを
ここに確信した。
【0123】8.全長PRO347ポリペプチド 本発明は、PRO347と本出願中で称したポリペプチ
ドをコードしている新たに同定及び単離したヌクレオチ
ド配列を提供する。特に、本出願人は、後述する実施例
で更に詳細に記載したように、PRO347ポリペプチ
ドをコードしているcDNAを同定及び単離している。
BLAST及びFastA配列アライメントコンピュー
タプログラムを用いて、本出願人は、PRO347ポリ
ペプチドの部分が、各種のシステイン-富分泌タンパク
質(cysteine-rich secretory proteins)と顕著な相同性
を有することを知見した。従って、本出願中に開示した
PRO347ポリペプチドは、新たに同定されたシステ
イン-富分泌タンパク質であり、且つシステイン-富分泌
タンパク質ファミリーの典型的な活性を所有し得るとい
うことをここに確信した。
【0124】9.全長PRO354ポリペプチド 本発明は、PRO354と本出願中で称したポリペプチ
ドをコードしている新たに同定及び単離したヌクレオチ
ド配列を提供する。特に、本出願人は、後述する実施例
で更に詳細に記載したように、PRO354ポリペプチ
ドをコードしているcDNAを同定及び単離している。
BLAST及びFastA配列アライメントコンピュー
タプログラムを用いて、本出願人は、PRO354ポリ
ペプチドの部分が、インター-アルファ-トリプシンイン
ヒビター重鎖タンパク質と顕著な相同性を有することを
知見した。従って、本出願中に開示したPRO354ポ
リペプチドは、新たに同定されたインター-アルファ-ト
リプシンインヒビター重鎖タンパク質ということをここ
に確信した。
【0125】10.全長PRO355ポリペプチド 本発明は、PRO355と本出願中で称したポリペプチ
ドをコードしている新たに同定及び単離したヌクレオチ
ド配列を提供する。特に、本出願人は、後述する実施例
で更に詳細に記載したように、PRO355ポリペプチ
ドをコードしているcDNAを同定及び単離している。
BLAST及びFastA配列アライメントコンピュー
タプログラムを用いて、本出願人は、PRO355ポリ
ペプチドの各部が、CRTAMタンパク質と顕著な相同
性を有することを知見した。本出願人はまた、PRO3
55ポリペプチドをコードしているDNAが、胸腺細胞
活性化及び発育タンパク質、H20Aレセプター、H2
0Bレセプター、ポリオウイルスレセプター及びオナガ
ザル(Cercopithecus aethiops)AGMデルタ1タンパク
質との相同性を有することも見出している。従って、本
出願中に開示したPRO355ポリペプチドは、CRT
AMタンパク質ファミリーの新たに同定されたメンバー
であるということをここに確信した。
【0126】11.全長PRO357ポリペプチド 本発明は、PRO357と本出願中で称したポリペプチ
ドをコードしている新たに同定及び単離したヌクレオチ
ド配列を提供する。特に、本出願人は、後述する実施例
で更に詳細に記載したように、PRO357ポリペプチ
ドをコードしているcDNAを同定及び単離している。
BLAST及びFastA配列アライメントコンピュー
タプログラムを用いて、本出願人は、PRO357ポリ
ペプチドの各部が、インスリン様成長因子の酸不安定サ
ブユニットと顕著な相同性を有することを知見した。本
出願人はまた、DNA44804-1248の非コード
領域が、WO95/14772中に記載されたヒト遺伝
子サイン(human gene signature)と整列(align)するこ
とも見出している。本出願人はさらに、DNA4480
4-1248の非コード領域が、DeuringとDoerfler,Gen
e,26:283-289(1983)中に記載されたアデノウイルス型1/
2一組換えウイルスDNAと整列することを見出してい
る。コード領域相同性に基づいて、本出願中に開示した
PRO357ポリペプチドは、タンパク質のロイシン富
繰り返しファミリー(leucine rich repeat family)の新
たに同定されたメンバーであり、且つ特に、インスリン
様成長因子の酸不安定サブユニットに関連付けられると
いうことをここに確信した。それだけでPRO357
は、結合メカニズムに含まれ、且つ複合体の一部であろ
うと思われる。
【0127】12.全長PRO715ポリペプチド 本発明は、PRO715と本出願中で称したポリペプチ
ドをコードしている新たに同定及び単離したヌクレオチ
ド配列を提供する。特に、本出願人は、後述する実施例
で更に詳細に記載したように、PRO715ポリペプチ
ドをコードしているcDNAを同定及び単離している。
BLAST及びFastA配列アライメントコンピュー
タプログラムを用いて、本出願人は、PRO715ポリ
ペプチドの各部が、タンパク質の腫瘍壊死ファミリーの
各種のメンバーと顕著な相同性を有することを知見し
た。従って、本出願中に開示したPRO715ポリペプ
チドは、タンパク質の腫瘍壊死因子の新たに同定された
メンバーであるということをここに確信した。
【0128】13.全長PRO353ポリペプチド 本発明は、PRO353と本出願中で称したポリペプチ
ドをコードしている新たに同定及び単離したヌクレオチ
ド配列を提供する。特に、本出願人は、後述する実施例
で更に詳細に記載したように、PRO353ポリペプチ
ドをコードしているcDNAを同定及び単離している。
BLAST及びFastA配列アライメントコンピュー
タプログラムを用いて、本出願人は、PRO353ポリ
ペプチドの各部が、ヒトとマウスの補体タンパク質(com
plement proteins)と顕著な相同性を有することを知見
した。従って、本出願中に開示したPRO353ポリペ
プチドは、補体ファミリーの新たに同定されたメンバー
であり、且つタンパク質の補体ファミリーに典型的な炎
症プロセスに影響を及ぼす能力を所有するということを
ここに確信した。
【0129】14.全長PRO361ポリペプチド 本発明は、PRO361と本出願中で称したポリペプチ
ドをコードしている新たに同定及び単離したヌクレオチ
ド配列を提供する。特に、本出願人は、後述する実施例
で更に詳細に記載したように、PRO361ポリペプチ
ドをコードしているcDNAを同定及び単離している。
BLAST及びFastA配列アライメントコンピュー
タプログラムを用いて、本出願人は、PRO361ポリ
ペプチドの各部が、ムチンとキチナーゼタンパク質と顕
著な相同性を有することを知見した。従って、本出願中
に開示したPRO361ポリペプチドは、ムチン及び/
又はキチナーゼタンパク質の新たに同定されたメンバー
であり、且つムチンとキチナーゼタンパク質のそれぞれ
に典型的な癌、植物病原性又はレセプター機能と関係付
けできるということをここに確信した。
【0130】15.全長PRO365ポリペプチド 本発明は、PRO365と本出願中で称したポリペプチ
ドをコードしている新たに同定及び単離したヌクレオチ
ド配列を提供する。特に、本出願人は、後述する実施例
で更に詳細に記載したように、PRO365ポリペプチ
ドをコードしているcDNAを同定及び単離している。
BLAST及びFastA配列アライメントコンピュー
タプログラムを用いて、本出願人は、PRO365ポリ
ペプチドの各部が、ヒト2−19タンパク質と顕著な相
同性を有することを知見した。従って、本出願中に開示
したPRO365ポリペプチドは、ヒト2−19タンパ
ク質ファミリーの新たに同定されたメンバーであるとい
うことをここに確信した。
【0131】16.PROポリペプチド変異体 ここに記載した全長天然配列PROポリペプチドに加え
て、PROポリペプチド変異体を調製できることが意図
される。PROポリペプチド変異体は、PROポリペプ
チドDNAに変えられる適切なヌクレオチドを導入する
ことによって、或いは望まれるPROポリペプチドの合
成によって調製することができる。当業者であれば、ア
ミノ酸変更が、グリコシル化部位の数或いは位置を変更
すること、又は膜固定(membrane anchoring)特性を変更
することのような、PROポリペプチドの後翻訳処理を
変更し得ることを予期するであろう。
【0132】天然全長配列PROポリペプチドにおける
又はここに記載したPROポリペプチドの各種ドメイン
における変異は、例えば米国特許第5364934号中
に記載された保存的及び非保存的変異のための何れかの
技術とガイドラインとを用いて行うことができる。変異
は、天然配列PROポリペプチドとの比較としてPRO
ポリペプチドのアミノ酸配列における変化に帰結するP
ROポリペプチドをコードしている1以上のコドンの置
換、欠失又は挿入とし得る。任意に、変異は、PROポ
リペプチドの1以上のドメインにおいて少なくとも1の
アミノ酸と何れかの他のアミノ酸との置換によるもので
ある。望まれる活性に不利な影響を与えることなしに、
アミノ酸残基が挿入され、置換され或いは欠失され得る
ことの測定におけるガイダンスは、知られたタンパク質
分子に相同なそれと該PROポリペプチドの配列とを比
較すること及び高度に相同な領域で作られるアミノ酸配
列変化の数を最小にすることによって見出すことができ
る。アミノ酸置換は、セリンによるロイシンの置換、即
ち保存的アミノ酸置換のような、類似の構造及び/又は
化学特性を有する別なアミノ酸によって1のアミノ酸を
置換することの結果とすることができる。挿入又は欠失
は、任意に、1乃至5アミノ酸の範囲内として良い。許
容される変異は、該配列中のアミノ酸の挿入、欠失又は
置換を系統的に行うこと及び後述の実施例中に記載した
インビトロアッセイにおいて活性について得られた変異
体を試験することによって測定し得る。
【0133】特有な実施態様において、重要な保存的置
換が、好適な置換体の表題の下に表1中に示される。も
しそのような置換が生物学的活性における変化に帰結す
るのであれば、より現実的な変化、表1中に示した典型
的な置換体、又はアミノ酸分類に参照して更に後で記載
したように導入され且つ生生成物がスクリーンされる。
【0134】
【表1】
【0135】PROポリペプチドの機能或いは免疫学的
同一性における実質上の改変は、(a)その置換の領域
中のポリペプチドバックボーンの構造、例えばシート或
いはヘリックスの立体配座としての、(b)標的部位で
の該分子の電荷又は疎水性、又は(c)側鎖の嵩、を維
持することについてのその作用において有意に異なる置
換体を選択することによって達成される。自然発生残基
は、共通の側鎖特性に基づいてグループに分けられる: (1)疎水性:ノルロイシン,met,ala,va
l,leu,ile; (2)中性親水性:cys,ser,thr; (3)酸性:asp,glu; (4)塩基性:asn,gln,his,lys,ar
g; (5)鎖の方位に影響する残基:gly,pro;及び (6)芳香族性:trp,tyr,phe。
【0136】非保存性置換は、別なクラスによってこれ
らのクラスの1のメンバーを交換することを必要とする
だろう。そのように置換した残基はまた、保存的置換部
位に、又は、より好ましくは、保持されている(非-保
存的)部位にも導入し得る。
【0137】該変異は、オリゴヌクレオチド介在(部位
特異的)変異誘発、アラニンスキャニング、及びPCR
変異誘発のような当該分野で周知の方法を用いて作製で
きる。部位特異的変異誘発[Carterら、Nucl. Acids Re
s.,13:4331(1986);Zollerら、Nucl. Acids Res.,10:64
87(1987)]、カセット変異誘導[Wellsら、Gene,34:315(1
985)]、制限選択変異誘導[Wellsら、Philos.Trans.R.So
c.London SerA,317:415(1986)]、又は他の周知の技術
は、望まれるPROポリペプチド変異体DNAを製造す
るためのクローン化DNAで実行できる。
【0138】スキャニングアミノ酸分析はまた、隣接配
列に従って1以上のアミノ酸を同定するために利用する
ことができる。スキャニングアミノ酸の中で好適なもの
は、相対的に小さい、中性アミノ酸である。そのような
アミノ酸は、アラニン、グリシン、セリン、及びシステ
インを含む。アラニンは、それがベータ炭素以外の側鎖
がなく、しかもその変異体の主鎖構造を変更する可能性
が少ないため、このグループの中で典型的に好ましいス
キャニングアミノ酸である[CunninghamとWells、Scienc
e,244:1081-1085(1989)]。アラニンはまた、それが最も
普通のアミノ酸であるため、典型的に好ましい。さら
に、それは埋もれた及び露出した位置の両方で頻繁に見
出される[Creighton,The Proteins(W.H.Freeman & Co.,
N.Y.);Chothia,J.Mol.Biol.,150:1(1976)]。もしアラニ
ン置換が変異体の要求量を生じないならば、アイソテリ
ックアミノ酸を使用することができる。
【0139】17.PROポリペプチドの修飾 PROポリペプチドの共有結合修飾物は、本発明の範囲
内に含まれる。共有結合修飾の一つのタイプは、選択し
た側鎖又はNかC末端残基と反応することができる有機
誘導化剤によって、PROポリペプチドの標的としたア
ミノ酸残基を反応させることを含む。二官能剤による誘
導体化は、例えば抗-PROポリペプチド抗体を精製す
るための方法において使用するために水不溶性支持体マ
トリックスに又は表面にPROポリペプチドを、及びそ
の反対を架橋するために有用である。普通に使用される
架橋剤は、例えば、1,1-ビス(ジアゾアセチル)-2-フェ
ニルエタン、グルタルアルデヒド、N-ヒドロキシスク
シンイミドエステル、例えば4-アジドサリチル酸とのエ
ステル、3,3'-ジチオビス(スクシンイミジルプロピオナ
ート)のようなジスクシンイミジルエステルを含むホモ
二官能イミドエステル、ビス-N-マレイミド-1,8-オク
タンのような二官能マレイミド、及びメチル-3-[(p-ア
ジドフェニル)ジチオ]プロピオイミダートのような剤を
含む。
【0140】他の修飾は、グルタミニルとアスパラギニ
ル残基をそれぞれ相当するグルタミルとアスパルチル残
基への脱アミド化、プロリンとリシンのヒドロキシル
化、セリル又はトレオニル残基の水酸基のリン酸化、リ
シン、アルギニン、及びヒスチジン側鎖のα-アミノ基
のメチル化[T.E.Creighton,Proteins: Structure and M
olecular Properties,W.H.Freeman & Co.,San Francisc
o,pp.79-86(1983)]、N末端アミンのアセチル化、及び
何れかのC末端カルボキシル基のアミド化を含む。
【0141】本発明の範囲内に含まれるPROポリペプ
チドの共有結合修飾の別なタイプは、該ポリペプチドの
天然グリコシル化パターンを変えることを含む。「天然
グリコシル化パターンを変える」とは、天然配列PRO
ポリペプチド中で見出される1以上の炭水化物部分を欠
失すること、及び/又は天然配列PROポリペプチド中
に存在しない1以上のグリコシル化部位を加えること、
及び/又はグリコシル化部位に付着した糖残基の比率及
び/又は組成を変えることを意味すると、ここでの目的
のために意図される。
【0142】PROポリペプチドへのグリコシル化部位
の付加は、アミノ酸配列を変えることによって達成し得
る。その変更は、例えば、天然配列PROポリペプチド
への1以上のセリン又はトレオニン残基の付加、又はそ
れによる置換によって作製し得る(O-結合したグリコ
シル化部位の場合)。該PROポリペプチドのアミノ酸
配列は、特にコドンが望まれるアミノ酸に翻訳されるで
あろうようにそれが生成されるよう、予備選択した塩基
で該PROポリペプチドをコードしているDNAを変異
することによって、DNAレベルでの変更を通して任意
に変更し得る。
【0143】PROポリペプチドポリペプチド上の炭水
化物部分の数を増加するための別の手段は、ポリペプチ
ドへのグリコシドの化学的又は酵素的カップリングによ
るものである。そのような方法は、当該分野において、
例えば、1987年9月11日公開のWO87/05330中
に、及びAplinとWriston,CRC Crit.Rev.Biochem.,259-3
06頁(1981)中に記載されている。
【0144】PROポリペプチド上にある炭水化物部分
の除去は、化学的又は酵素的に、又はグリコシル化のた
めの標識として利用されるアミノ酸残基をコードしてい
るコドンの突然変異的置換によって達成し得る。化学的
な脱グリコシル化は、当該分野で周知であるとともに、
例えば、Hakimuddinら、Arch.Biochem.Biophys.,259:52
(1987)によって、及びEdgeら、Anal.Biochem.,118:131
(1981)によって記載される。ポリペプチド上の炭水化物
部分の酵素的な切断は、Thotakuraら、Meth. Enzymol.,
138:350(1987)により記載されたようなエンド-及びエキ
ソ-グリコシダーゼの使用によって達成することができ
る。
【0145】本発明のPROポリペプチドの共有結合修
飾の別なタイプは、米国特許第4640835;449
6689:4301144;4670417;4791
192又は4179337号中に記載される手法におい
て、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレング
リコール、又はポリオキシアルキレンのような各種の非
タンパク様ポリマーの一つにPROポリペプチドを結合
することを含む。
【0146】本発明のPROポリペプチドはまた、別
な、非相同ポリペプチド又はアミノ酸配列に融合したP
ROポリペプチドを含むキメラ分子を形成する手法にお
いても修飾され得る。一つの実施態様において、そのよ
うなキメラ分子は、PROポリペプチドと、抗-標識抗
体(anti-tag antibody)が選択的に結合できるエピトー
プを提供する標識ポリペプチドとの融合体を含む。該エ
ピトープ標識は一般に、PROポリペプチドのアミノ又
はカルボキシ末端に配される。そのようなエピトープ-
標識形(epitope-tagged forms)の存在は、該標識ポリペ
プチドに対する抗体を用いて検出することができる。ま
た、エピトープ標識の提供は、エピトープ標識に結合す
る抗-標識抗体又は別なタイプのアフィニティーマトリ
ックスを用いるアフィニティー精製によって容易に精製
されるPROポリペプチドを可能にする。代わりの実施
態様において、該キメラ分子は、PROポリペプチド
と、免疫グロブリンとの又は免疫グロブリンの特有な領
域との融合を含み得る。キメラ分子の二価の形態のため
に、そのような融合はIgG分子のFc領域までとする
ことができる。
【0147】各種の標識ポリペプチドとそのそれぞれの
抗体は、当該分野で良く知られる。実例は、ポリヒスチ
ジン(ポリ-his)又はポリヒスチジングリシン(ポリ-hi
s-gly)標識;flu HA標識ポリペプチドとその抗体
12CA5[Fieldら、Mol.Cell.Biol.,8:2159-2165(198
8)];c-myc標識とそれの8F9,3C7,6E1
0,G4,B7,及び9E10抗体[Evanら、Molecular
and Cellular Biology,5:3610-3616(1985)];及び単純
ヘルペスウイルス糖タンパク質D(gD)標識及びその
抗体[Paborskyら、Protein Engineering,3(6):547-553
(1990)]を含む。他の標識ポリペプチドは、Flag-ペ
プチド[Hoppら、BioTechnology,6:1204-1210(1988)];
KT3エピトープペプチド[Martinら、Science,255:192
-194(1992)];α-チューブリンエピトープペプチド[Ski
nnerら、J.Biol.Chem.,266:15163-15166(1991)];及び
T7遺伝子10タンパク質ペプチド標識[Lutz-Freyermu
thら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,87:6393-6397(1990)]を
含む。
【0148】18.PROポリペプチドの調製 以下の記載は、PROポリペプチド核酸を含むベクター
によって形質転換した又はトランスフェクションした細
胞を培養することによるPROポリペプチドの調製に本
質的に関する。勿論、それはPROポリペプチドを製造
するために利用し得る、当該分野で周知の方法で代替す
ることが意図される。例えば、PROポリペプチド配
列、又はその一部は、固相技術を用いて直接ペプチド合
成によって製造して良い[例えば、Stewartら、Solid-Ph
ase Peptide Synthesis,W.H.Freeman Co.,San Francisc
o,CA,(1969); Merrifield,J.Am.Chem.Soc.,85:2149-215
4(1963)を参照]。インビトロタンパク質合成は、手動技
術を用いて又は自動によって実施して良い。自動化合成
は、例えば、製造者の指示に従ってApplied Biosystems
ペプチドシンセサイザー(Foster City,CA)を用いて達成
し得る。PROポリペプチドの各部は、別々に化学合成
し、全長PROポリペプチドを製造するための化学的又
は酵素的方法を用いて結合して良い。
【0149】A.PROポリペプチドをコードしている
DNAの単離 PROポリペプチドをコードしているDNAは、PRO
ポリペプチドmRNAを持つとともに、それを検出可能
なレベルで発現すると思われる組織から調製したcDN
Aライブラリーから得られる。従って、ヒトPROポリ
ペプチドDNAは、実施例中に記載したようなヒト組織
から調製したcDNAライブラリーから利便的に得るこ
とができる。PROポリペプチド-コード化遺伝子は、
ゲノムライブラリーから、或いはオリゴヌクレオチド合
成によって得ることもできる。
【0150】ライブラリーは、興味ある遺伝子又はそれ
によってコードしたタンパク質を同定するために設計し
たプローブ(PROポリペプチドに対する抗体又は少な
くとも約20−80塩基のオリゴヌクレオチドのよう
な)によってスクリーンすることができる。その選択し
たプローブによるcDNA又はゲノムライブラリーのス
クリーニングは、Sambrookら、Molecular Cloning:A La
boratory Manual(New York:Cold Spring Harbor Labora
tory Press,1989)中に記載されるような標準手法を用い
て処理し得る。望まれるPROポリペプチドをコードし
ている遺伝子を単離するための代替手段は、PCR方法
論を使用することである[Sambrookら、上記;Dieffenba
chら、PCR Primer:A Laboratory Manual(Cold Spring H
arbor Laboratory Press,1995)]。
【0151】後述の実施例は、cDNAライブラリーを
スクリーニングするための技術を記載する。プローブと
して選択したオリゴヌクレオチド配列は、擬陽性が最少
化されるように十分な長さにすると共に十分に明白なも
のにすべきである。そのオリゴヌクレオチドは、それが
スクリーンするべきライブラリー中のDNAへのハイブ
リダイゼーションを検出できるように好ましくは標識さ
れる。標識化(labeling)の方法は、当該分野で周知であ
り、32P-標識したATPのような放射性標識、ビオチ
ン化、又は酵素標識を含む。中等度ストリンジェンシー
及び高度なストリンジェンシーを含むハイブリダイゼー
ション条件は、Sambrookら、上記、中に提供される。
【0152】そのようなライブラリースクリーニング法
で同定される配列は、寄託された及びGenBankの
ような公共のデータベース又は他のプライベートな配列
データベースで利用可能な他の周知の配列と比較し且つ
アライメントすることができる。その分子の定められた
領域内の又は全長配列にわたる配列同一性(アミノ酸又
はヌクレオチドレベルでの何れか一方)は、相同性を測
定するため各種アルゴリズムを利用する、BLAST,
ALIGN,DNAstar,及びINHERITのよ
うなコンピューターソフトウェアプログラムを用いた配
列アラインメントを経て決定することができる。
【0153】タンパク質コード配列を有する核酸は、初
めてここに記載した推定アミノ酸配列を用いて、もし必
要なら、プレカーサーを検出する及びcDNAに逆転写
されていないmRNAの中間体を加工するために、Samb
rookら、上記、中に記載したような通常のプライマー伸
長法を用いて、選択したcDNA又はゲノムライブラリ
ーをスクリーニングすることによって得ることができ
る。
【0154】B.宿主細胞の選択と形質転換 宿主細胞は、PROポリペプチド作製用にここに記載し
た発現又はクローニングベクターによって形質転換さ
れ、そしてプロモーターの誘導、形質転換体の選択、又
は望まれる配列をコードしている遺伝子の増幅のために
適切なように修正した通常の栄養培地中で培養される。
培地、温度、pHなどのような培養条件は、過度の実験
なしに熟達した研究者であれば選択することができる。
一般に、細胞培養の生産性を最大化するための原理、プ
ロトコール、及び実践技術は、Mammalian Cell Biotech
nology: A Practical Approach,M.Butler,ed.(IRL Pres
s,1991)及びSambrookら、上記、中に見出すことができ
る。
【0155】トランスフェクションの方法は、例えば、
CaPO4とエレクトロポレーションのように、当業者
に周知である。使用される宿主細胞に基づいて、形質転
換は、そのような細胞に対して適切な標準技術を用いて
実行される。Sambrookら、上記、に記載される塩化カル
シウムを用いるカルシウム処理、又はエレクトロポレー
ションは、一般に原核生物又は本質的に細胞壁バリアを
含む他の細胞用に使用される。アグロバクテリウム・チ
ュメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)による
感染は、Shawら、Gene,23:315(1983)と1989年6月29日に
公開されたWO89/05859によって記載されるよ
うなある種の植物細胞の形質転換のために使用される。
そのような細胞壁を持たない哺乳動物細胞のためには、
Grahamとvan der Eb,Virology,52:456-457(1978)のリン
酸カルシウム沈殿法が利用できる。哺乳動物細胞宿主系
形質転換の一般態様は、米国特許第4399216号中
に記載されている。酵母における形質転換は典型的に、
Van Solingenら、J.Bact.,130:946(1977)とHsiaoら、Pr
oc.Natl.Acad.Sci.(USA),76:3829(1979)の方法に従って
行われる。しかしながら、核ミクロ注入、エレクトロポ
レーション、完全な細胞と細菌のプロトプラスト融合、
ポリカチオン、例えばポリブレン又はポリオルニチン、
のような細胞にDNAを導入するための他の方法も使用
し得る。哺乳動物細胞を形質転換するための各種の技術
については、Keownら、Methods in Enzymology,185:527
-537(1990)とMansourら、Nature,336:348-352(1988)を
参照。
【0156】ここでのベクターにおいてDNAをクロー
ニング又は発現するために好適な宿主細胞は、原核生
物、酵母、又は高等な真核生物を含む。適当な原核生物
は、真性細菌属に制限されることなく、グラム陰性又は
グラム陽性生物、例えば大腸菌のようなエシェリキア属
を含む。大腸菌K12株MM294(ATCC 31446);大腸
菌X1776(ATCC 31537);大腸菌W3110株(ATCC
27325);及びK5 772(ATCC 53635)のような各種の
大腸菌株が公的に利用可能である。他の好適な原核生物
宿主細胞は、例えば大腸菌のようなエシェリキア属、エ
ンテロバクター属、エルウイニア属、クレブシエラ属、
プロテウス属、サルモネラ属、例えばネズミチフス菌、
セラティア属、例えば霊菌、及びシゲラ属のような腸内
細菌科、同じくB.スブチリス、B.リケニホルミス
(例えば、B.リケニホルミス41Pは1989年4月12日
に公開されたDD266710中に開示される)のよう
なバチルス属、緑膿菌のようなシュードモナス属、及び
ストレプトマイセス属を含む。大腸菌K12株MM29
4(ATCC 31446);大腸菌X1776(ATCC 31537);大腸
菌W3110株(ATCC 27325);及びK5 772(ATCC 5
3635)のような各種の大腸菌株が公的に利用可能であ
る。これらの例示は、制限のためではなく説明のためで
ある。W3110株は、それが組み換えDNA製品発酵
のために普通の宿主株であるために特に好ましい宿主又
は親の一つである。好ましくは、該宿主細胞は、最少量
の蛋白分解酵素を分泌する。例えば、W3110株は、
完全な遺伝子型tonAを有する大腸菌W3110株1A
2;完全な遺伝子型tonA ptr3を有する大腸菌W311
0株9E4;完全な遺伝子型tonA ptr3 phoA E15 (argF
-lac)169degP ompT kanrを有する大腸菌W3110株2
7C7(ATCC 55244);完全な遺伝子型tonA ptr3 phoA E
15 (argF-lac)169 degP ompT rbs7 ilvG kanrを有する
大腸菌W3110株37D6;非カナマイシン耐性degT
欠失変異を持つ37D6株である大腸菌W3110株4
0B4;及び1990年8月7日発行の米国特許第49467
83号中に開示される変異ペリプラズミックプロテアー
ゼを有する大腸菌株を含むそのような宿主の実例ととも
に、該宿主に内因性のタンパク質をコードしている遺伝
子中の遺伝的変異をもたらすように修正し得る。或い
は、クローニングのインビトロ法、例えばPCR又は他
の核酸ポリメラーゼ反応が好適である。
【0157】原核生物に加えて、糸状真菌又は酵母のよ
うな真核微生物が、PROポリペプチドをコードしてい
る核酸を含むベクターのための適当なクローニング又は
発現宿主である。サッカロミセス・セレビシエは、普通
に用いられる下等な真核宿主微生物である。しかしなが
ら、多数の他の属、種、及び株が普通に利用でき且つこ
こで有用である、例えばシゾサッカロミセス・ポンベ(B
eachとNurse, Nature,290: 140(1981); 1985年5月2日公
開のEP139383);クリベロマイセス宿主(米国特
許第4943529号;Fleerら、Bio/Technology, 9:9
68-975(1991))例えばK.ラクチス(MW98-8C, CBS683, C
BS4574; Louvencourtら、J. Bacteriol., 737(1983))、
K.フラジリス(ATCC 12424)、K.ブルガリクス(ATCC
16045)、K.ウイッケラミイ(ATCC 24178)、K.ワルチ
(ATCC 56500)、K.ドロソフィラルム(ATCC 36906; Van
den Bergら、Bio/Technology, 8:135(1990)、K.サー
モトレランス及びK.マキシアヌス;ヤロウィア(EP402
226);ピシア・パストリス(EP183070;Sreekrishnaら、
J. Basic Microbiol., 28:265-278(1988));カンジダ
属;トリコデルマ・リーシア(EP244,234);ニューロス
ポラ・クラシア(Caseら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA,
76: 5259-5263(1979));シュヴァニオミセス属、例え
ばシュヴァニオミセス・オクシデンタリス(1990年10月3
1日公開のEP394538);及び糸状真菌、例えば、ニューロ
スポラ属、ペニシリウム属、トリポクラディウム属(199
1年1月10日公開のWO91/00357)のような、及びアスペル
ギルス属宿主、A.ニドランス(Ballanceら、Biochem.
Biophys. Res. Commun., 112: 284-289(1983); Tilburn
ら、Gene, 26:205-221(1983); Yeltonら、Proc. Natl.
Acad. Sci. USA, 81:1470-1474(1984))及びA.ニガー
KellyとHynes, EMBO J., 4:475-479(1985)。メチロトロ
ピック酵母がここでは好適であり、制限されることなし
に、ハンセヌラ属、カンジダ属、クロエケラ属、ピシア
属、サッカロミセス属、トルロプシス属及びロドトルラ
属からなる属から選択されるメタノールで増殖可能な酵
母を含む。酵母のこのクラスの例示である特有の種のリ
ストは、C.Anthony, The Biochemistry of Methylotrop
hs, 269(1982)中に見出される。
【0158】グリコシル化PROポリペプチドの発現用
に好適な宿主細胞は、多細胞生体から得られる。無脊椎
動物細胞の実例は、ショウジョウバエS2とスポドプテ
ラSf9のような昆虫細胞、同じく植物細胞を含む。有
用な哺乳動物宿主細胞系の実例は、チャイニーズハムス
ター卵巣(CHO)とCOS細胞を含む。より特有な例
は、SV40によって形質転換したサル腎臓CV1系
(COS-7,ATCC CRL 1651);ヒト胚腎臓系(293又は
懸濁培養での増殖用にサブクローンした293細胞、Gr
ahamら、J.Gen Virol.,36:59(1977));チャイニーズハ
ムスター卵巣細胞/-DHFR(CHO、UrlaubとChasin,
Proc.Natl.Acad.Sci.USA,77:4216(1980));マウスセル
トーリ細胞(TM4,Mather,Biol.Reprod.,23:243-251
(1980));ヒト肺細胞(W138,ATCC CCL 75);ヒト肝
臓細胞(Hep G2, HB 8065);及びマウス乳癌(MMT 06056
2, ATCC CCL51)を含む。適切な宿主細胞の選択は、当業
者の範囲内と思われる。
【0159】C.複製可能ベクターの選択と使用 PROポリペプチドをコードしている核酸(例えば、c
DNA又はゲノムDNA)は、クローニングのため(そ
のDNAの増幅)又は発現のために複製可能ベクターに
挿入し得る。各種のベクターが、公的に利用可能であ
る。該ベクターは、例えば、プラスミド、コスミド、ウ
イルス粒子、又はファージの形態とし得る。その適切な
核酸配列は、各種の手法によって該ベクター内に挿入し
得る。一般に、DNAは、当該分野で周知の技術を用い
て適当な制限エンドヌクレアーゼ部位に挿入される。ベ
クター構成要素は、一般に、制限されることなしに、1
以上のシグナル配列、複製の起点、1以上のマーカー遺
伝子、エンハンサー要素、プロモーター、及び転写終止
配列を含む。これらの1以上の構成要素を含む適当なベ
クターの構築は、熟達した研究者に周知である標準的な
結紮技術を利用する。
【0160】興味あるPROポリペプチドは、直接的に
のみならず、シグナル配列又は成熟タンパク質又はポリ
ペプチドのN末端で特異的切断部位を有する他のポリペ
プチドとし得る非相同ポリペプチドとの融合ポリペプチ
ドとして組み換えによって製造し得る。一般に、該シグ
ナル配列は、ベクターの構成要素として良く、又はそれ
はベクターに挿入されるPROポリペプチド-コード化
DNAの一部とし得る。該シグナル配列は、例えばアル
カリホスファターゼ、ペニシリナーゼ、lpp、又は心
臓-安定エンテロトキシンIIリーダーのような原核生物
のシグナル配列とし得る。酵母分泌用のシグナル配列
は、例えば、酵母インベルターゼリーダー、アルファ因
子リーダー(サッカロミセスとクリベロミセスα因子リ
ーダーを含む、後者は米国特許第5010182号中に
記載される)、又は酸性ホスファターゼリーダー、C.
アルビカンスグルコアミラーゼリーダー(1990年4月4日
公開のEP362179)、又は1990年11月15日公開のWO90
/13646に記載されたシグナルとして良い。哺乳動
物細胞発現において、哺乳動物シグナル配列は、同じ又
は関連する種の分泌されたポリペプチドからのシグナル
配列のようなタンパク質の直接分泌、同じくウイルス分
泌リーダーに使用し得る。
【0161】発現及びクローニングベクターの両方は、
選択した宿主細胞の1以上の中でそのベクターの複製を
可能にする核酸配列を含む。そのような配列は、各種の
細菌、酵母、及びウイルスについて良く知られている。
プラスミドpBR322からの複製の起点は、大部分の
グラム陰性細菌用に好適であり、2μプラスミド起点
は、酵母用に好適であり、且つ各種のウイルス起点(S
V40、ポリオーマ、アデノウイルス、VSV、又はB
PV)は、哺乳動物細胞中のクローニングベクターに有
用である。
【0162】発現及びクローニングベクターは、典型的
に選択遺伝子、選択可能マーカーとも言われる、を含む
であろう。典型的な選択遺伝子は、(a)抗生物質又は
他の毒素、例えばアンピシリン、ネオマイシン、メトト
レキサート、又はテトラサイクリンに対する耐性を与え
る、(b)補充栄養要求性欠如、又は(c)例えばバチ
ルス属のD-アラニンラセマーゼをコードしている遺伝
子のような、複合培地から利用可能でない臨界栄養源の
供給、のタンパク質をコードする。
【0163】哺乳動物細胞用の適当な選択マーカーの実
例は、DHFR又はチミジンキナーゼのような、PRO
ポリペプチド-コード核酸を取り込むための感応細胞の
同定を可能にするそれらである。野生型DHFRが用い
られる場合に適当な宿主細胞は、Urlaubら、Proc.Natl.
Acad.Sci.USA,77:4216(1980)によって記載されるように
製造され且つ増殖された、DHFR活性が不足したCH
O細胞系である。酵母において使用するために適当な選
択遺伝子は、酵母プラスミドYRp7に存在するtrp
1遺伝子である[Stinchcombら、Nature,282:39(1979);
Kingsmanら、Gene, 7:141(1979);Tschemperら、Gene,1
0:157(1980)]。該trp1遺伝子は、トリプトファン中
で増殖する能力を欠いた酵母の変異株、例えば、ATCC N
o.44076又はPEP4-1用の選択マーカーを提供する[Jones,
Genetics,85:12(1977)]。
【0164】発現及びクローニングベクターは、mRN
A合成を導くためのPROポリペプチドコード核酸配列
に操作可能に結合したプロモーターを通例は含む。各種
の可能性のある宿主細胞によって認識されるプロモータ
ーは周知である。原核生物宿主で使用するために好適な
プロモーターは、β-ラクタマーゼとラクトースプロモ
ーター系[Changら、Nature,275:615(1978);Goeddel
ら、Nature,281:544(1979)]、アルカリホスファター
ゼ、トリプトファン(trp)プロモーター系[Goeddel, Nuc
leic Acids Res.,8:4057(1980); EP36776]、及びtac
プロモーターのようなハイブリッドプロモーター[deBoe
rら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,80:21-25(1983)]を含
む。細菌系において使用するためのプロモーターは、P
ROポリペプチドをコードしているDNAに操作可能に
結合したShine-Dalgarno(S.D.)配列をも含むであろう。
【0165】酵母宿主で使用するために適当なプロモー
ター配列の実例は、3-ホスホグリセラートキナーゼ[Hi
tzemanら、J.Biol.Chem.,255:2073(1980)]又はエノラー
ゼ、グリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ、
ヘキソキナーゼ、ピルビン酸デカルボキシラーゼ、ホス
ホフルクトキナーゼ、グルコース-6-リン酸イソメラー
ゼ、3-ホスホグリセラートムターゼ、ピルビン酸キナー
ゼ、トリオースホスフェートイソメラーゼ、ホスホグル
コースイソメラーゼ、及びグルコキナーゼのような他の
解糖酵素[Hessら、J.Adv.Enzyme Reg.,7:149(1968);Hol
land,Biochemistry,17:4900(1978)]を含む。
【0166】増殖状態によって制御される転写の更なる
効果を有する誘導可能なプロモーターである、他の酵素
プロモーターは、アルコールデヒドロゲナーゼ2、イソ
シトクロムC、酸性ホスファターゼ、窒素代謝に関係す
る分解酵素、メタロチオネイン、グリセルアルデヒド-3
-リン酸デヒドロゲナーゼ、及びマルトースとガラクト
ース利用のための応答可能な酵素のプロモーター領域で
ある。酵母発現における使用のための適当なベクターと
プロモーターは、EP73657中に更に記載される。
【0167】哺乳動物宿主細胞中のベクターからのPR
Oポリペプチド転写は、例えばポリオーマウイルス、鶏
痘ウイルス(1989年7月5日公開のUK2211504)、
アデノウイルス(アデノウイルス2のような)、ウシパピ
ローマウイルス、鳥類肉腫ウイルス、サイトメガロウイ
ルス、レトロウイルス、B型肝炎ウイルス及びシミアン
ウイルス40(SV40)のようなウイルスのゲノムから;非
相同哺乳動物プロモーター、例えばアクチンプロモータ
ー又は免疫グロブリンプロモーター;及び宿主細胞系と
和合されるそのようなプロモーターを提供する、熱ショ
ックプロモーター、から得られたプロモーターによって
制御される。
【0168】より高等な真核生物によるPROポリペプ
チドをコードしているDNAの転写は、ベクターへのエ
ンハンサー配列の挿入によって増加し得る。エンハンサ
ーは、通常約10から300bpまでのDNAのシス-
作用要素であり、その転写を増加するプロモーターに作
用する。多くのエンハンサー配列が哺乳動物から現在知
られている(グロブリン、エラスターゼ、アルブミン、
α-フェトタンパク質、及びインスリン)。典型的に、
しかしながら、それは真核生物細胞ウイルスからのエン
ハンサーが使用されるだろう。実例は、複製起点の後の
側上のSV40エンハンサー(bp100−270)、
サイトメガロウイルス初期プロモーターエンハンサー、
複製起点の後方上のポリオーマエンハンサー、及びアデ
ノウイルスエンハンサーを含む。該エンハンサーは、P
ROポリペプチドコード配列の位置5’又は3’でベク
ター内にスプライスされるが、しかし好ましくは該プロ
モーターから部位5’に配される。
【0169】真核生物細胞(酵母、カビ、昆虫、植物、
動物、ヒト、又は他の多細胞生物からの有核細胞)にお
いて使用される発現は、転写の終止のため及びmRNA
を安定化するために必要な配列をも含むであろう。その
ような配列は普通、真核生物又はウイルスDNAs又は
cDNAsの5’及び時折3’非翻訳領域から利用可能
である。これらの領域は、PROポリペプチドをコード
しているmRNAの非翻訳部分中のポリアデニル化フラ
グメントとして転写したヌクレオチドセグメントを含
む。
【0170】組換え脊椎動物細胞培養におけるPROポ
リペプチドの合成への適合のために好適な更に他の方
法、ベクター、及び宿主細胞は、Gethingら、Nature,29
3:620-625(1981); Manteiら、Nature,281:40-46(1979);
EP117060;とEP117058中に記載される。
【0171】D.遺伝子増幅/発現の検出 遺伝子増幅/発現は、直接試料で、例えば、ここに提供
した配列に基づいて、適切に標識したプローブを用い
て、通常のサザンブロット法、mRNAの転写を定量す
るためのノーザンブロット法[Thomas, Proc.Natl.Acad.
Sci.USA,77:5201-5205(1980)]、ドットブロッティング
(DNA分析)、又はin situハイブリダイゼーション
で測定し得る。あるいは、抗体は、DNA二本鎖、RN
A二本鎖、及びDNA-RNAハイブリッド二本鎖又は
DNA-タンパク質二本鎖を含む特異的二本鎖を認識で
きるそれを利用し得る。その結果抗体は、標識されて良
く、且つ該アッセイは、その二本鎖がその表面上に二本
鎖の形成において、該二本鎖に結合した抗体の存在が検
出できるように表面に結合される場合、実行し得る。
【0172】あるいは遺伝子発現は、細胞の免疫組織学
的染色又は組織切片のような免疫学的方法及び遺伝子生
成物の発現を直接定量するため、細胞培養又は体液のア
ッセイによって測定し得る。流体試料の免疫組織学的染
色のために有用な抗体は、モノクローナル又はポリクロ
ーナルのいずれかとして良く、また何れの哺乳動物にお
いても作製し得る。利便的に、該抗体は、天然配列PR
Oポリペプチドに対して、又はここに提供したDNA配
列に基づく合成ペプチドに対して又はPROポリペプチ
ドDNAと特異的抗体エピトープをコードしているもの
と融合した外因性配列に対して製造し得る。
【0173】E.ポリペプチドの精製 PROポリペプチドの形成物は、培地又は宿主細胞溶解
物から回収し得る。もし膜に結合しているならば、それ
は適当な洗剤溶液(例えばTriton-X100)を用いて又は酵
素的な切断によってその膜から離すことができる。PR
Oポリペプチドの発現において用いた細胞は、凍結-融
解サイクル、音波処理、機械的粉砕、又は細胞溶解剤の
ような各種の物理的化学的手段によって破砕することが
できる。
【0174】それは組換え細胞タンパク質又はポリペプ
チドからPROポリペプチドを精製するために望まれる
であろう。以下の手法は、好適な精製手法の例示であ
る:イオン交換カラムでの分画によって;エタノール沈
殿;逆相HPLC;シリカでの又はDEAEのようなカ
チオン交換樹脂でのクロマトグラフィー;クロマトフォ
ーカシング;SDS-PAGE;硫安沈殿;例えばSEPHA
DEXTMG-75を用いたゲル濾過;IgGのような不純物を
除去するためのプロテインASEPHAROSETMカラム;及び
PROポリペプチドのエピトープ-標識化形を結合する
金属キレート化カラム。タンパク質精製の各種の方法を
用いて良く、さらにそのような方法は当該分野で周知で
あり、且つ、例えば、Deutscher,Methods in Enzymolog
y,182(1990);及びScopes, Protein Purification: Prin
ciples and Practice (Springer-Verlag: New York,198
2)中に記載される。選択した精製工程は、例えば使用し
た生生成物の及び生産した特有のPROポリペプチドの
本質に基づくであろう。
【0175】19.PROポリペプチドの使用 本発明のPROポリペプチドをコードしているヌクレオ
チド配列(又はその相補体)は、染色体及び遺伝子マッ
ピングにおいて、及びアンチセンスRNAとDNAの生
成においてハイブリダイゼーションプローブとしての使
用を含む、当該分野及び分子生物学の分野における各種
の適用を有する。PROポリペプチド-コード核酸は、
ここに記載した組換え技術によってPROポリペプチド
の製造用にも有用であろう。
【0176】全長天然配列PROポリペプチド-コード
核酸又はその一部は、全長PROポリペプチド遺伝子を
単離するための、或いはPROポリペプチド核酸配列と
同一の望まれる配列を有する、更に他の遺伝子(例え
ば、PROポリペプチドの天然発生変異体又は他の種か
らのPROポリペプチド)を単離するためのcDNAラ
イブラリー用のハイブリダイゼーションプローブとして
使用し得る。任意に、該プローブの長さは、約20乃至
約50塩基とされるであろう。該ハイブリダイゼーショ
ンプローブは、ここに開示した何れかのDNA分子のヌ
クレオチド配列から、或いは天然配列PROポリペプチ
ドコード化DNAのプロモーター、エンハンサー要素及
びイントロンを含むゲノム配列から得ることができる。
例えば、スクリーニング法は、約40塩基の選択したプ
ローブを合成するための周知のDNA配列を用いてPR
Oポリペプチド遺伝子のコード化領域を単離することを
含むであろう。ハイブリダイゼーションプローブは、32
P又は35Sのような放射性ヌクレオチド、又はアビジン
/ビオチン結合系に結合したアルカリホスファターゼの
ような酵素標識を含む、各種の標識によって標識し得
る。本発明のPROポリペプチド遺伝子のそれに相補な
配列を有する標識化プローブは、プローブをハイブリダ
イズするそのようなライブラリーのメンバーを決定する
ためヒトcDNA、ゲノムDNA、又はmRNAのライ
ブラリーをスクリーンするために使用することができ
る。ハイブリダイゼーション技術は、後述の実施例中に
更に詳細に記載される。
【0177】本出願中に開示したESTsは、ここに開
示した方法を用いて、プローブと同様に利用し得る。
【0178】該プローブはまた、密接に関係したPRO
ポリペプチド配列の同定のための配列のプールを生成す
るためのPCR技術においても利用し得る。
【0179】PROポリペプチドをコードしているヌク
レオチド配列はまた、PROポリペプチドをコードする
その遺伝子のマッピングのため及び遺伝的疾患を持つ個
人の遺伝的分析のためのハイブリダイゼーションプロー
ブを構築するためにも使用できる。ここに提供されたヌ
クレオチド配列は、in situハイブリダイゼーション、
周知の染色体マーカーに対する結合分析、及びライブラ
リーによるハイブリダイゼーションスクリーニングのよ
うな周知技術を用い、染色体及び染色体の特有の領域に
マッピングし得る。
【0180】PROポリペプチド用のコード配列が別な
タンパク質に結合するタンパク質をコードする場合に、
該PROポリペプチドは、そのリガンドを同定するため
のアッセイにおいて使用することができる。同様に、レ
セプター/リガンド結合相互作用のインヒビターを同定
することができる。そのような結合相互作用に含まれた
タンパク質はまた、ペプチド又は小分子インヒビター又
は結合相互作用のアゴニストをスクリーンするために使
用することもできる。スクリーニングアッセイは、天然
PROポリペプチド又はPROポリペプチド用レセプタ
ーの生物学的活性を模倣するリード化合物を見出すため
に設計することができる。そのようなスクリーニングア
ッセイは、小分子薬剤候補を同定するために特に好適な
それらを作る、化合物ライブラリーの高スループットス
クリーニングに服しやすいアッセイを含むであろう。意
図される小分子は、合成有機又は無機化合物を含む。該
アッセイは、タンパク質-タンパク質結合アッセイ、生
化学スクリーニングアッセイ、免疫アッセイ及び当該分
野において十分に特徴付けされる細胞ベースのアッセイ
を含む、各種の方式において実行することができる。
【0181】PROポリペプチド又は何れかのその修正
された形態をコードしている核酸は、治療的に有効な試
薬の開発又はスクリーニングにおいて、その結果有用で
あるトランスジェニック動物又は「ノックアウト」動物
の何れか一方を生産するためにも使用できる。トランス
ジェニック動物(例えばマウス又はラット)は、出生前
の、例えば胎児段階で、トランスジーンがその動物に、
又はその動物の親に導入された、トランスジーンを含む
細胞を有する動物である。トランスジーンは、開発する
トランスジェニック動物からの細胞のゲノム内に導入さ
れるDNAである。一つの実施態様において、PROポ
リペプチドをコードしているcDNAは、PROポリペ
プチドをコードしているDNAを発現する細胞を含むト
ランスジェニック動物を生成するために用いた確立した
技術及びゲノムの配列に従いPROポリペプチドをコー
ドしているゲノムDNAをクローンするため使用するこ
とができる。トランスジェニック動物、特にマウス又は
ラットのような動物を作製するための方法は、当該分野
において通常的になされており、例えば米国特許第47
36866と4870009号中に記載される。典型的
に、個々の細胞は、組織特異的エンハンサーによるPR
Oポリペプチドトランスジーン組み込みのための標的と
されるであろう。胎児段階でその動物の生殖細胞系に導
入したPROポリペプチドをコードしているトランスジ
ーンのコピーを含むトランスジェニック動物は、PRO
ポリペプチドをコードしているDNAの増加した発現の
作用を実験するために用いることができる。そのような
動物は、例えば、それの過剰発現と関連した病的状態か
らの保護を与えることを通して試薬のためのテスター動
物として使用することができる。本発明のこの態様に従
い、動物はその試薬で治療され、その病的状態の可能性
のある治療的な介入を示すであろう、該トランスジーン
を持つ治療しない動物と比べて、病的状態の発生が減じ
られる。
【0182】あるいは、「ノックアウト」動物は、該ポ
リペプチドをコードしている内因性遺伝子と、該動物の
胚細胞に導入した同じポリペプチドをコードしている変
更したゲノムDNAとの間の相同組換えの結果として、
興味あるPROポリペプチドをコードしている欠陥のあ
る又は変更された遺伝子を有するものを構築することが
できる。例えば、PROポリペプチドをコードしている
cDNAは、確立された技術に従い、PROポリペプチ
ドをコードしているゲノムDNAをクローンするために
用いることができる。PROポリペプチドをコードして
いるゲノムDNAの一部は、欠失されるか、或いはモニ
ター組込みに用いることができる選択可能なマーカーを
コードしている遺伝子のような、別な遺伝子と置換する
ことができる。典型的に、変更していない隣接DNAの
数キロ塩基(5’と3’での両方)は、ベクター中に含
まれる[例えば、相同組換えベクターの記載についてのT
homasとCapecchi,Cell,51:503(1987)を参照]。該ベクタ
ーは、胚の幹細胞系内に導入され(例えばエレクトロポ
レーションで)、内因性DNAで相同的に組み換えられ
ている導入されたDNAで細胞が選択される[例えば、L
iら、Cell,69:915(1992)を参照]。選択した細胞は、次
いで凝集キメラを形成するために動物(例えばマウス又
はラット)の芽細胞に注入される[例えば、Bradley,Ter
atocarcinomas and Embryonic Stem Cells: A Practica
l Approach,E.J.Robertson,ed.(IRL,Oxford,1987),113-
152頁中を参照]。キメラの胚は、適当な偽妊娠メス里親
動物に移植することができ、その胚は「ノックアウト」
動物が生成するまで成長させる。それの生殖細胞におけ
る相同的に組換えたDNAを持った子孫は、標準的な技
術によって同定することができ、相同的に組み換えたD
NAを含むその動物の全ての全ての細胞が動物繁殖に使
用できる。ノックアウト動物は、例えば、ある種の病的
状態に対して防御するその能力によって及びPROポリ
ペプチドの不在のための病的状態のその進行によって特
徴付けできる。
【0183】PROポリペプチドのインビトロ投与が利
用される場合、正常な用量は、投薬のルートに基づい
て、約10ng/kgから100mg/kg動物体重又
は1日当たりまで、好ましくは約1μg/kg/日乃至
10mg/kg/日に変更し得る。特有な用量とデリバ
リーの方法のためのガイダンスは、文献中に提供されて
いる;例えば米国特許第4657760;520634
4;又は5225212号を参照。異なる処方は、一つ
の器官又は組織を標的化する投与が、例えば別の器官又
は組織のそれとは異なる手法でデリバリーを必要とする
であろう異なる治療用化合物と異なる疾患のために有効
となるであろう。
【0184】PROポリペプチドの徐放性投与がPRO
ポリペプチドの必要とされる何れかの疾患或いは疾病の
治療に好適な放出特性を持つ処方に望まれる場合、PR
Oポリペプチドのミクロカプセル化が企図される。遅延
した放出用の組換えタンパク質のミクロカプセル化は、
ヒト成長ホルモン(rhGH)、インターフェロン-
(rhIFN-)、インターロイキン-2、及びMNrg
p120で成功裏に行われている。Johnsonら、Nat.Me
d.,2:795-799(1996);Yasuda,Biomed.Ther.,27:1221-122
3(1993);Horaら、Bio/Technology,8:755-758(1990);Cle
land,"Design andProduction of Single Immunization
Vaccines Using Polylactide Polyglycolide Microsphe
re Systems,"in Vaccine Design:The Subunit and Adju
vant Approach,Powell and Newman,eds,(Plenum Press:
New York,1995)439-462頁;WO97/03692,W
O96/40072,WO96/07399;及び米国
特許第5654010号。
【0185】これらのタンパク質の徐放性処方は、その
生物和合性及び広範な生物分解特性のため、ポリ-乳酸-
共グリコール酸(PLGA)を用いて開発された。PL
GA、乳酸及びグリコール酸の分解生成物は、ヒトの体
内で迅速に分解できる。その上、このポリマーの分解
は、その分子量と組成に基づいて、数ヶ月から数年まで
調節することができる。Lewis,"Controlled release of
bioactive agents fromlactide/glycolide polymer,"i
n:M.ChasinとR.Langer(Eds.),Biodegradable Polymers
as Drug Delivery Systems(Marcel Dekker:New York,19
90)1-41頁。
【0186】例えば、85kgの最大体重を持った哺乳
動物においてほぼ80g/kg/日の用量を提供することが
できる処方のためには、最も多い用量は、1日当たりP
ROポリペプチドのほぼ6.8mgとされるであろう。
この用量レベルを達成するために、最も低いと思われる
最初のバースト(<20%)とともに最大と思われる負
荷タンパク質(15-20%w/wPROポリペプチド)を含む徐
放性処方が必要である。1−2週間ミクロ粒子からのP
ROポリペプチドの継続(ゼロ-オーダー)放出もまた
望まれる。加えて、放出すべき被包化タンパク質は、望
まれる放出期間にわたりその形状及び安定性を維持すべ
きである。
【0187】内因性ビグリカンタンパク質のそれに放出
される生物学的活性を所有する本発明のPRO241ポ
リペプチドは、治療目的のインビボ及びインビトロの両
方で利用し得る。当業者であれば、そのような目的のた
めに本発明のPRO241ポリペプチドをどのように利
用するかを十分に承知しているであろう。
【0188】コルディン(chordin)(CHD)は、示差
的な顔の特徴(低い前毛髪線、眉毛叢生症、前傾の外鼻
孔、上顎前突症、長い人中、こい口(carp mouth))、出
生前又は出生後の成長遅延、精神遅延及び、しばしば、
しかし常時ではない上肢奇形によって特徴付けられるコ
ルネリア・ド・ランゲ症候群として知られる異形症候群
のための候補遺伝子である。また、CDLが血小板減少
症との関連において存在するレアケースもある。CDL
の遺伝子は、3q26.3(OMIM#122470)への結合によってマ
ップされている。初期アフリカツメガエル(early Xenop
us)パターン化におけるXchd(アフリカツメガエル
コルディン(Xenopus chordin))包含及び神経系統発育
は、興味のある候補遺伝子中にCHDを作る。CHD
は、染色体3上の適切な領域にマップされる。それはT
HPOに非常に密接し、THPOとCHDの両方を包含
する欠失は、血小板減少症と発育異形症のレアケースに
帰結できる。全成人組織の大部分がCHD発現に対して
陰性である顕現したCDのin situ分析において、僅か
に陽性のシグナルが、長い骨の発育と推定上の成長にお
いてCHDを関連させる大腿骨頭と寛骨臼(股関節)と
の間に形成される発育中の滑膜性の連結の割線において
観測された。そのような機能は、もし混乱したならば、
成長遅延をもたらすことができる。
【0189】cDNAから予測したヒトCHDアミノ酸
配列は、Xchdに50%同一性(及び66%保存され
た)である。4システイン-富ドメイン中の全ての40
システインが保存される。これらのシステイン富ドメイ
ンは、トロンボスポンジン、プロコラーゲン及びフォン
・ビルブラント因子中で観測されたそれらに類似してい
る。Bornstein,P.FASEB J 6:3290-3299(1992);Hunt,L.&
Barker,W.Biochem.Biophys.Res.Commun.144:876-882(1
987)。
【0190】ヒトCHD座(ゲノムPRO243)は、
ゲノムDNAの9.6kb中に23エキソンを含む。C
pG島は、5’及びエキソン1のほぼ100bp5’で
始まる5’で配置され、且つ該遺伝子の第1のイントロ
ン内に第1のエキソンと末端を通して延長される。TH
POとCHD配座は、その転写開始部位を分離するほぼ
2.2kbの頭−頭(head-to-head)形態で構成される。
タンパク質レベルで、PRO243は、アフリカツメガ
エルコルディン(Xchd)に51%同一性である。1のアミ
ノ末端と3のカルボキシ末端システイン-富クラスター
中の40システインの全てが保存される。
【0191】PRO243は、残基1乃至約23でシグ
ナル配列を有する954アミノ酸ポリペプチドである。
4のシステインクラスター:(1)残基約51乃至約1
25;(2)残基約705乃至約761;(3)残基約
784乃至約849;及び(4)残基約897乃至約9
31、がある。残基約315乃至約396で潜在ロイシ
ンジッパーと、残基217,351,365と434で
N-グリコシル化部位がある。
【0192】PRO299ポリペプチドと切痕タンパク
質に相同性を有するその部分は、インビボでの治療目的
のために、同じく各種の他の適用のために有用となり得
る。新規の切痕タンパク質と関連した分子の同定は、発
育に作用するそれらのような多数のヒトの疾患に関連付
けできる。かくして、新規切痕タンパク質と切痕様分子
の同定は、そのようなタンパク質が、各種の異なるヒト
の疾患のための潜在的な治療として奉仕し得るそれにお
いて特に重要である。そのようなポリペプチドはまた、
バイオテクノロジーと医学リサーチ同じく各種の工業的
な適用において重要な役割を演じ得る。結果として、P
RO299のような新規の分子において特有な科学的及
び医学的な興味がある。
【0193】1以上の内因性ジペプチダーゼタンパク質
のそれに関連した生物学的活性を所有する本発明のPR
O323ポリペプチドは、治療的目的のためにインビボ
とインビトロの両方で利用し得る。当業者であれば、そ
のような目的のために本発明のPRO323ポリペプチ
ドをどのように利用するか十分に承知しているだろう。
【0194】内因性プロラクチンレセプタータンパク質
のそれに関連した生物学的活性を所有する本発明のPR
O327ポリペプチドは、治療的目的のためにインビボ
とインビトロの両方で利用し得る。当業者であれば、そ
のような目的のために本発明のPRO327ポリペプチ
ドをどのように利用するか十分に承知しているだろう。
プロラクチンに結合する能力を所有するPRO327ポ
リペプチドは、プロラクチンアンタゴニストとしてイン
ビボとインビトロの両方で機能し得る。
【0195】PRO233ポリペプチドと還元酵素に相
同性を有するその部分はまた、インビボでの治療目的の
ために、同じく各種の他の適用のために有用となり得
る。新規の還元酵素タンパク質と関連した分子の同定
は、炎症性疾患、器官不全、アテローム性動脈硬化症、
心臓損傷、不妊症、出生時欠損、成熟前老化、AID
S、癌、糖尿病合併症及び一般の変異のような多数のヒ
トの疾患に関連付けできる。多数の疾患プロセスにおい
て重要な役割を演じるように思える酸素フリーラジカル
と抗酸化剤を与える新規還元酵素タンパク質と還元酵素
様分子の同定は、そのようなタンパク質が、各種の異な
るヒトの疾患のための潜在的な治療として奉仕し得るそ
れにおいて特に重要である。そのようなポリペプチドは
また、バイオテクノロジーと医学リサーチ同じく各種の
工業的な適用において重要な役割を演じ得る。結果とし
て、PRO233のような新規の分子において特有な科
学的及び医学的な興味がある。
【0196】PRO344ポリペプチドと補体(complem
ent)タンパク質に相同性を有するその部分はまた、イン
ビボでの治療目的のために、同じく各種の他の適用のた
めに有用となり得る。新規補体タンパク質と関連分子の
同定は、免疫系の細胞の炎症応答に作用するような多数
のヒトの疾患に関連付けされる。かくして、新規補体タ
ンパク質と補体様分子の同定は、そのようなタンパク質
が、各種の異なるヒトの疾患のための潜在的な治療とし
て奉仕し得るそれにおいて特に重要である。そのような
ポリペプチドはまた、バイオテクノロジーと医学リサー
チ同じく各種の工業的な適用において重要な役割を演じ
得る。結果として、PRO344のような新規の分子に
おいて特有な科学的及び医学的な興味がある。
【0197】システイン-富分泌タンパク質のそれに関
連した生物学的活性を所有する本発明のPRO347ポ
リペプチドは、治療的目的のためにインビボとインビト
ロの両方で利用し得る。当業者であれば、そのような目
的のために本発明のPRO347ポリペプチドをどのよ
うに利用するか十分に承知しているだろう。
【0198】インター-アルファ-トリプシンインヒビタ
ータンパク質の重鎖のそれに関連した生物学的活性を所
有する本発明のPRO354ポリペプチドは、治療的目
的のためにインビボとインビトロの両方で利用し得る。
当業者であれば、そのような目的のために本発明のPR
O354ポリペプチドをどのように利用するか十分に承
知しているだろう。
【0199】PRO355ポリペプチドとCRTAMに
相同性を有するその部分はまた、インビボでの治療目的
のために、同じく各種の他の適用のために有用となり得
る。T細胞に関連付けられる新規分子の同定は、一般に
免疫系に含まれる病状のような多数のヒトの疾患に関連
付けられる。多数の疾患プロセスにおいて重要な役割を
演じるCRTAMタンパク質結合抗体を与える、新規C
RTAMタンパク質とCRTAM様分子の同定は、その
ようなタンパク質が、各種の異なるヒトの疾患のための
潜在的な治療として奉仕し得るそれにおいて特に重要で
ある。そのようなポリペプチドはまた、バイオテクノロ
ジーと医学リサーチ同じく各種の工業的な適用において
重要な役割を演じ得る。結果として、PRO355のよ
うな新規の分子において特有な科学的及び医学的な興味
がある。
【0200】PRO357は、ALSに関してその活性
を測定するためにALSとの競合結合アッセイにおいて
使用することができる。その上、PRO357は、より
長いインビボでの半減期を有するものに複合化し得るポ
リペプチドを延長するかを測定するためのアッセイにお
いて使用することができる。PRO357は、又それが
相同性を有するカルボキシペプチダーゼとのアッセイに
おいて同様に使用することができる。その結果は、それ
相応に適用することができる。
【0201】タンパク質の腫瘍壊死因子ファミリーのそ
れに関連した生物学的活性を所有する本発明のPRO7
15ポリペプチドは、治療的目的のためにインビボとイ
ンビトロの両方で利用し得る。当業者であれば、そのよ
うな目的のために本発明のPRO715ポリペプチドを
どのように利用するか十分に承知しているだろう。PR
O715ポリペプチドは、それに特異的なレセプターに
結合し、それによってそのようなレセプターを活性化す
ることが予期される。本発明のPRO715ポリペプチ
ドの変異体は、その特異的レセプター活性のアゴニスト
或いはアンタゴニストとして機能し得る。
【0202】PRO353ポリペプチドと補体(complem
ent)タンパク質に相同性を有するその部分はまた、イン
ビボでの治療目的のために、同じく各種の他の適用のた
めに有用となり得る。新規補体タンパク質と関連分子の
同定は、免疫系の細胞の炎症応答に作用するような多数
のヒトの疾患に関連付けされる。かくして、新規補体タ
ンパク質と補体様分子の同定は、そのようなタンパク質
が、各種の異なるヒトの疾患のための潜在的な治療とし
て奉仕し得るそれにおいて特に重要である。そのような
ポリペプチドはまた、バイオテクノロジーと医学リサー
チ同じく各種の工業的な適用において重要な役割を演じ
得る。結果として、PRO353のような新規の分子に
おいて特有な科学的及び医学的な興味がある。
【0203】PRO361ポリペプチドと、ムチン及び
キチナーゼタンパク質に相同性を有するその部分はま
た、インビボでの治療目的のために、同じく各種の他の
適用のために有用となり得る。新規ムチン及びキチナー
ゼタンパク質と関連分子の同定は、癌或いは細胞表面分
子又はレセプターに含まれるそれらのような多数のヒト
の疾患に関連付けされる。かくして、新規ムチン及びキ
チナーゼタンパク質の同定は、そのようなタンパク質
が、各種の異なるヒトの疾患のための潜在的な治療とし
て奉仕し得るそれにおいて特に重要である。そのような
ポリペプチドはまた、バイオテクノロジーと医学リサー
チ同じく各種の工業的な適用において重要な役割を演じ
得る。結果として、PRO361のような新規の分子に
おいて特有な科学的及び医学的な興味がある。
【0204】PRO365ポリペプチドと、ヒト2−1
9タンパク質に相同性を有するその部分はまた、インビ
ボでの治療目的のために、同じく各種の他の適用のため
に有用となり得る。新規ヒト2−19タンパク質と関連
分子の同定は、免疫系の細胞の結合或いは活性を調節す
るような多数のヒト疾患に関連付けられる。かくして、
新規ヒト2−19タンパク質とヒト2−19タンパク質
様分子の同定は、そのようなタンパク質が、各種の異な
るヒトの疾患のための潜在的な治療として奉仕し得るそ
れにおいて特に重要である。そのようなポリペプチドは
また、バイオテクノロジーと医学リサーチ同じく各種の
工業的な適用において重要な役割を演じ得る。結果とし
て、PRO365のような新規の分子において特有な科
学的及び医学的な興味がある。
【0205】20.抗-PROポリペプチド抗体 本発明は、さらに抗-PROポリペプチド抗体を提供す
る。典型的な抗体は、ポリクローナル、モノクローナ
ル、ヒト化、二重特異的、及びヘテロ接合抗体を含む。
【0206】A.ポリクローナル抗体 本発明の抗-PROポリペプチド抗体は、ポリクローナ
ル抗体を含み得る。ポリクローナル抗体の製造方法は、
熟達した研究者に周知である。ポリクローナル抗体は、
例えば、免疫化剤の、及び望まれるなら、アジュバント
とともに1回以上の注射によって哺乳動物中に生じさせ
ることができる。典型的に、該免疫化剤及び/又はアジ
ュバントは、多重皮下又は腹腔内注射によって該哺乳動
物に注射されるであろう。該免疫化剤は、PROポリペ
プチド又はその融合タンパク質を含み得る。それは、免
疫化される哺乳動物において免疫原であることが知られ
たタンパク質に対する免疫化剤を接合するために有用と
なり得る。そのような免疫原性タンパク質の実例は、制
限されることなしに、キーホールリンペットヘモシアニ
ン、血清アルブミン、ウシチログロブリン、及びダイズ
トリプシンインヒビターを含む。利用し得るアジュバン
トの実例は、フロイント完全アジュバントとMPL-T
DMアジュバント(モノホスホリルリピドA、合成トレ
ハロースジコリノマイコラート)を含む。該免疫化プロ
トコールは、過度の実験なしに当業者によって選択され
得る。
【0207】B.モノクローナル抗体 抗-PROポリペプチド抗体は、それに代えてモノクロ
ーナル抗体とし得る。モノクローナル抗体は、Kohlerと
Milstein,Nature,256:495(1975)によって記載されたそ
れらのようなハイブリドーマ法を用いて作製し得る。ハ
イブリドーマ法において、マウス、ハムスター、又は他
の適当な宿主動物が、免疫化剤に特異的に結合するであ
ろう抗体を生成する又は精製することができるリンパ球
を引き出すための免疫化剤によって典型的に免疫化され
る。あるいは、該リンパ球はインビトロで免疫化し得
る。
【0208】該免疫化剤は、興味あるPROポリペプチ
ド又はその融合タンパク質を典型的に含むであろう。一
般に、もしヒト起源の細胞が望まれるなら末梢血液リン
パ球("PBLs")が使用され、或いは非ヒト哺乳動物源
が望まれるなら脾臓細胞又はリンパ節細胞が用いられ
る。該リンパ球は、次いでハイブリドーマ細胞を形成す
るために、PEGのような適当な融合化剤を用いて、不
朽化細胞系に融合される[Goding,Monoclonal Antibodie
s: Principles and Practice,Academic Press,(1986)59
-103頁]。不朽化細胞系は、哺乳類細胞、特に齧歯類の
骨髄腫細胞、ウシ、及びヒト起源が通例形質転換され
る。通例、ラット又はマウス骨髄腫細胞系が利用され
る。該ハイブリドーマ細胞は、融合していない不朽化細
胞の増殖又は生存を阻害する1以上の物質を好ましくは
含む適当な培養培地中で培養し得る。例えば、もしその
親細胞が酵素ヒポキサンチン・グアニン・ホスホリボシ
ルトランスフェラーゼ(HGPRT又はHPRT)を欠く
ならば、そのハイブリドーマ用の培養培地は、HGPR
T欠損細胞の増殖を阻害する物質、ヒポキサンチン、ア
ミノプテリン、及びチミジンを典型的に含むであろう
(「HAT培地」)。
【0209】好ましい不朽化細胞系は、十分に融合す
る、選択した抗体生産細胞によって抗体の安定な抗レベ
ル発現を支持する、且つそのようなHAT培地のような
培地に感受性であるそれらである。より好ましい不朽化
細胞系は、例えば、Salk Insitute Cell Distribution
Center,San Diego,California,及びAmerican Type Cult
ure Collection,Rockville,Marylandから得ることがで
きるネズミ骨髄腫系である。ヒト骨髄腫及びマウス-ヒ
トヘテロ骨髄腫細胞系はまた、ヒトモノクローナル抗体
の生産のために記載されている[Kozbor, J.Immunol.,13
3:3001(1984);Brodeurら、Monoclonal Antibody Produc
tion Techniques and Applications (Marcel Dekker,In
c.,New York,(1987)51-63頁]。
【0210】ハイブリドーマが培養される培養培地は、
次いで興味あるPROポリペプチドに対するモノクロー
ナル抗体の存在について測定することができる。好まし
くは、該ハイブリドーマ細胞によって製造されたモノク
ローナル抗体の結合特異性は、免疫沈降によって又はラ
ジオイムノアッセイ(RIA)又は酵素免疫吸着測定法
(ELISA)のようなインビトロ結合アッセイによって
測定される。そのような技術と測定法は、当該分野で周
知である。該モノクローナル抗体の結合親和性は、例え
ば、MunsonとPollard,Anal.Biochem.,107:220(1980)の
スキャッチャード分析によって測定することができる。
【0211】望まれるハイブリドーマが同定された後、
そのクローンは、制限希釈法と標準法による増殖によっ
てサブクローンし得る[Goding,上記]。この目的のため
の適当な培養培地は、例えば、Dulbecco's修正イーグル
培地とRPMI-1640培地を含む。あるいは、該ハ
イブリドーマ細胞は、哺乳動物中の腹水としてインビボ
で増殖し得る。
【0212】サブクローンによって分泌されるモノクロ
ーナル抗体は、例えばプロテインA-Sepharose、ヒドロ
キシアパタイトクロマトグラフィー、ゲル電気泳動、透
析、又はアフィニティークロマトグラフィーのような通
常の免疫グロブリン精製法によって培地又は腹水液から
単離又は精製し得る。
【0213】モノクローナル抗体はまた、米国特許第4
816567号中に記載されるそれらのような組換えD
NA法によっても作製し得る。本発明のモノクローナル
抗体をコードしているDNAは、通常の手法(例えば、
ネズミ抗体の重鎖及び軽鎖をコードしている遺伝子に特
異的に結合できるオリゴヌクレオチドプローブを用いる
ことによって)を用いて容易に単離及び配列決定するこ
とができる。本発明のハイブリドーマ細胞は、そのよう
なDNAの好ましい供給源として利用される。一度単離
した該DNAは、発現ベクターの中に組み込むことがで
き、次いで組換え宿主細胞においてモノクローナル抗体
の合成を得るため、他の免疫グロブリンタンパク質を生
産しない類人猿COS細胞、チャイニーズハムスター卵
巣(CHO)細胞、または骨髄腫細胞のような宿主細胞
内にトランスフェクトされる。そのDNAはまた、例え
ば相同ネズミ配列[米国特許第4816567号;Morri
sonら、上記]の代わりにヒト重鎖及び軽鎖定常ドメイン
のコード化配列で置換することにより、又は非免疫グロ
ブリンポリペプチドのコード化配列の全部又は一部を免
疫グロブリンコード化配列に共有結合接続することによ
って修正され得る。そのような非免疫グロブリンポリペ
プチドは、本発明の抗体の定常ドメインを置換すること
ができ、又はキメラ二価抗体を創造するように本発明の
抗体の1の抗原結合部位の可変領域と置換することがで
きる。
【0214】該抗体は、一価抗体とし得る。一価抗体を
製造するための方法は、当該分野で周知である。例え
ば、一つの方法は、免疫グロブリン軽鎖と修正した重鎖
との組換え発現を含む。該重鎖は、重鎖架橋化を防ぐた
め、Fc領域中の何れかのポイントで一般に端切りされ
る。あるいは、関係のあるシステイン残基は、他のアミ
ノ酸残基で置換され又は架橋を防ぐために欠失される。
【0215】インビトロでの方法はまた、一価抗体を調
製するためにも適当である。そのフラグメント、特にF
abフラグメントを生産するための抗体の消化は、当該
分野において知られたルーチンの技術を用いて達成する
ことができる。
【0216】C.ヒト化抗体 本発明の抗-PROポリペプチド抗体は、ヒト化抗体又
はヒト抗体をさらに含む。非ヒト(例えばネズミ)抗体の
ヒト化形は、キメラ免疫グロブリン、免疫グロブリン
鎖、又は非-ヒト免疫グロブリンから得られる最小配列
を含むそのフラグメント(Fv,Fab,Fab',F(ab')2、又は抗
体の他の抗原結合配列のような)である。ヒト化抗体
は、レセプターの相補性決定領域(CDR)からの残基
が、望まれる特異性、親和性、及び用量を有する、マウ
ス、ラット、又はウサギのような非-ヒト種(ドナー抗
体)のCDRからの残基によって置換されるヒト免疫グ
ロブリン(レセプター抗体)を含む。いずれかの場合、
ヒト免疫グロブリンのFvフレームワーク残基は、相当
する非ヒト残基と置換される。ヒト化抗体はまた、該レ
セプター抗体中にも、或いは移入したCDR又はフレー
ムワーク配列中にも見出されない残基を含み得る。一般
に、該ヒト化抗体は、非ヒト免疫グロブリンのそれに相
当するCDR領域の全て又は実質上全て、及びFR領域
の全て又は実質上全てがヒト免疫グロブリン共通配列の
それである可変領域の少なくとも1,及び典型的には2
の実質上全てを含むであろう。ヒト化抗体は、好ましく
は免疫グロブリン定常領域(Fc)、典型的にはヒト免疫グ
ロブリンのそれの少なくとも部分をも含むであろう[Jon
esら、Nature,321:522-525(1986);Riechmannら、Natur
e,332:323-329(1988);及びPresta, Curr.Op.Struct.Bi
ol.,2:593-596(1992)]。
【0217】非ヒト抗体をヒト化するための方法は、当
該分野において周知である。一般に、ヒト化抗体は、ヒ
トでない供給源からそれに導入した1以上のアミノ酸残
基を有する。これらの非ヒトアミノ酸残基は、しばし
ば、「移入」可変領域から典型的に取られる「移入」残
基として関係する。ヒト化は、ヒト抗体の相当する配列
で齧歯類CDRs又はCDR配列を置換することによっ
て、Winterと共同研究者の方法[Jonesら、Nature 321,5
22-525(1986);Riechmannら、Nature,332,323-327(198
8);Verhoeyenら、Science 239,1534-1536(1988)]に従い
本質的に実行される。従って、そのような「ヒト化し
た」抗体は、キメラ抗体であり(米国特許第48165
67号)、完全なヒト可変領域よりも実質上劣るものが
非ヒト種からの相当する配列により置換されている。実
際、ヒト化した抗体は幾つかのCDR残基と可能性のあ
る幾つかのFR残基が齧歯類中の類似部位からの残基に
よって置換されたヒト抗体である。
【0218】ヒト化抗体はまた、ファージディスプレー
ライブラリーを含む、当該分野で周知の各種の技術を用
いて製造することもできる[HoogenboomとWinter,J.Mol.
Biol.,227:381(1991);Marksら、J.Mol.Biol.,222:581
(1991)]。Coleら及びBoernerらの技術はまた、ヒトモノ
クローナル抗体の調製のためにも利用可能である(Cole
ら、Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy,Alan
R.Liss,p.77(1985)及びBoernerら、J.Immunol.,147(1):
86-95(1991)]。
【0219】D.二重特異性抗体 二重特異性抗体は、少なくとも2の異なる抗原に特異的
結合性を有する、好ましくはヒト又はヒト化したモノク
ローナル抗体である。本ケースにおいて、特異的結合性
の一つは、PROポリペプチドのためのものであり、他
方は、何れかの他の抗原のためのものであり、好ましく
は細胞表面タンパク質又はレセプター又はレセプターサ
ブユニットのためのものである。
【0220】二重特異性抗体の製造方法は、当該分野で
周知である。従来、二重特異性抗体の組み換え体生産
は、二つの重鎖が異なる特異性を有する場合、二つの免
疫グロブリン重鎖/軽鎖ペアの共発現に基づいている[M
ilsteinとCuello, Nature 305,537-539(1983)]。免疫グ
ロブリン重鎖と軽鎖の取り合わせがランダムであるため
に、これらのハイブリドーマ(クアドローマ)は、一つ
のみが正しい二重特異性構造を有する10の異なる抗体
分子の可能性のある混合物が生産される。正しい分子の
精製は、アフィニティークロマトグラフィー工程によっ
て通例は達成される。類似の手法は、1993年5月13日公
開のWO93/08829中に、及びTrauneckerら、EM
BO J.,10:3655-3659(1991)中に開示される。
【0221】望まれる結合特異性を持つ抗体可変ドメイ
ン(抗体-抗原結合部位)は、免疫グロブリン定常ドメイ
ン配列に融合することができる。その融合は、好ましく
はヒンジ、CH2、及びCH3領域の少なくとも一部を
含む免疫グロブリン重鎖定常ドメインを伴う。その融合
体の少なくとも一つにおいて存在する軽鎖結合のために
必要な部位を含む第1の重鎖定常領域(CH1)を有する
ことが好ましい。免疫グロブリン重鎖融合体、及びもし
望むなら、免疫グロブリン軽鎖、をコードしているDN
Aは、別個の発現ベクターに挿入され、且つ適当な宿主
生物に共トランスフェクトされる。二重特異性抗体を生
成するための更なる詳細のために、例えば、Sureshら、
Methods in Enzymology,121:210(1986)を参照。
【0222】E.ヘテロ接合抗体 ヘテロ接合抗体もまた、本発明の範囲内である。ヘテロ
接合抗体は、共有結合した二つの抗体から構成される。
そのような抗体は、例えば、希望しない細胞に免疫系細
胞を標的化する[米国特許第4676980号]、及びH
IV感染の治療のために提案されている[WO91/0
0360;WO92/200373;EP0308
9]。該抗体は、架橋剤が含まれるそれらを含む、合成
タンパク質化学において周知の方法を用いてインビトロ
で製造し得る。例えば、イムノトキシンは、ジスルフィ
ド交換反応を用いて又はチオエーテル結合を形成するこ
とによって構築し得る。この目的のための好適な試薬の
実例は、イミノチオラートとメチル-4-メルカプトブチ
ルイミダート及び米国特許第4676980号中に記載
されるそれらを含む。
【0223】21.抗-PROポリペプチド抗体の使用 本発明の抗-PROポリペプチド抗体は、各種の有用性
を有する。例えば、抗-PROポリペプチド抗体は、例
えば特有の細胞、組織、又は血清におけるその発現を検
出するための、PROポリペプチド用の診断アッセイに
おいて使用し得る。競合結合アッセイ、直接又は間接サ
ンドウィッチアッセイ及び異種又は同種相で実施される
免疫沈降アッセイ[Zola,Monoclonal Antibodies: A Man
ual of Techniques,CRC Press,Inc.(1987)147-158頁]の
ような当該分野で周知の各種診断アッセイ技術が使用し
得る。診断アッセイにおいて使用した抗体は、検出可能
な部分で標識することができる。該検出可能な部分は、
直接又は間接的のいずれか一方で、検出可能なシグナル
をもたらすことができるべきである。例えば、検出可能
な部分は、3H,14C,32P,35S,又は125Iのような
放射性同位体、イソチオシアン酸フルオレセイン、ロー
ダミン、又はルシフェリンのような蛍光又は化学発光化
合物、又はアルカリホスファターゼ、ベータ-ガラクト
シダーゼ又はホースラディッシュペルオキシダーゼのよ
うな酵素とし得る。該検出可能部分への抗体の接合のた
めの当該分野で周知のいずれかの方法は、Hunterら、Na
ture,144:945(1962);Davidら、Biochemistry,13:1014(1
974);Painら、J.Immunol.Meth.,40:219(1981);及びNygr
en,J.Histochem.and Cytochem.,30:407(1982)によって
記載されたそれらの方法を含み、利用し得る。
【0224】抗-PROポリペプチド抗体はまた、組換
え細胞培養又は天然供給源からのPROポリペプチドの
アフィニティー精製に有用である。この方法において、
PROポリペプチドに対する抗体は、当該分野で周知の
方法を用いて、Sephadex樹脂又は濾紙のような適当な支
持体上に固定化される。固定化した抗体は、次いで精製
するべきPROポリペプチドを含む試料に接触させ、そ
の後該支持体は、PROポリペプチド以外の試料中の実
質上全ての材料を除去するであろう適当な溶媒で洗浄さ
れる。最後に、該支持体は、該抗体からPROポリペプ
チドを放出するであろう別の適当な溶媒で洗浄される。
【0225】コルディン(chordin)(CHD)は、示差
的な顔の特徴(低い前毛髪線、眉毛叢生症、前傾の外鼻
孔、上顎前突症、長い人中、こい口(carp mouth))、出
生前又は出生後の成長遅延、精神遅延及び、しばしば、
しかし常時ではない上肢奇形によって特徴付けられるコ
ルネリア・ド・ランゲ症候群として知られる異形症候群
のための候補遺伝子である。また、CDLが血小板減少
症との関連において存在するレアケースもある。CDL
の遺伝子は、3q26.3(OMIM#122470)への結合によってマ
ップされている。初期アフリカツメガエル(early Xenop
us)パターン化におけるXchd(アフリカツメガエル
コルディン(Xenopus chordin))包含及び神経系統発育
は、興味のある候補遺伝子中にCHDを作る。CHD
は、染色体3上の適切な領域にマップされる。それはT
HPOに非常に密接し、THPOとCHDの両方を包含
する欠失は、血小板減少症と発育異形症のレアケースに
帰結できる。全成人組織の大部分がCHD発現に対して
陰性である顕現したCDのin situ分析において、僅か
に陽性のシグナルが、長い骨の発育と推定上の成長にお
いてCHDを関連させる大腿骨頭と寛骨臼(股関節)と
の間に形成される発育中の滑膜性の連結の割線において
観測された。そのような機能は、もし混乱したならば、
成長遅延をもたらすことができる。
【0226】cDNAから予測したヒトCHDアミノ酸
配列は、Xchdに50%同一性(及び66%保存され
た)である。4システイン-富ドメイン中の全ての40
システインが保存される。これらのシステイン富ドメイ
ンは、トロンボスポンジン、プロコラーゲン及びフォン
・ビルブラント因子中で観測されたそれらに類似してい
る。Bornstein,P.FASEB J 6:3290-3299(1992);Hunt,L.&
Barker,W.Biochem.Biophys.Res.Commun.144:876-882(1
987)。
【0227】PRO243コルディン(chordin)に対す
る抗体は、PRO243の過剰発現によって特徴付けさ
れる条件でポリペプチドを結合するものを作ることがで
きる。
【0228】以下の実施例は、説明の目的のためにのみ
提供され、且ついずれの手法も本発明の範囲を制限する
ことを意図していない。
【0229】本明細書中に引用した全ての特許と参考文
献は、それらの全体が参照によりここに組み込まれる。
【0230】
【実施例】本実施例に関する商業的に利用できる試薬
は、特に示さない限り、製造元の指示書に従って用い
た。以下の実施例、および明細書を通して、ATCC受
託番号によって同定される細胞源は、Ameirica
n Type CultureCollection,
Rockville, Marylandである。
【0231】実施例1:新規なポリペプチドおよびこれ
らをコードするcDNAを同定するための細胞外ドメイ
ン相同性スクリーニング ESTデータベースを検索するために、公的Swis−
Protデータベースからの約950個の既知分泌タン
パク質から、細胞外ドメイン(ECD)配列(もしもあ
るならば、分泌シグナル配列を含む)を用いた。EST
データベースは、公的データベース(例えば、Dath
off、Genebank)と私的データベース(例え
ば、LIFESEQTM、Incyte Pharmac
euticals.Palo Alto.CA)を含
む。ECDタンパク質配列をEST配列の6フレーム翻
訳と比較するため、コンピュータープログラムBLAS
TもしくはBLAST2(AltschulとGis
h、Methods in Enzymology 26
6:460−480(1996))を用いて検索を行っ
た。既知のタンパク質をコードしていない70(いくつ
かの事例においては、90)以上のBlastスコアー
とのそれらの比較を、プログラム「pharp」[Ph
il Green,University of Was
hington,Seattle,WA;(http:
//bozeman.mbt.washington.
edu/phrap.docs/phrap.htm
l]を用いてまとめ、コンセンサスDNA配列に集め
た。
【0232】この細胞外ドメイン相同性スクリーニング
を用い、コンセンサスDNA配列を、phrapを用
い、その他の同定されているEST配列に対応してまと
めた。さらに、上記EST配列の供給源を用い、得られ
たコンセンサス配列をできる限り伸長させるために、し
ばしば(いつもではないが)BLASTとphrapの
反復サイクルを用いて、該コンセンサス配列を伸長し
た。
【0233】次いで、上記のように得られたコンセンサ
ス配列に基づいて、オリゴヌクレオチドを合成し、PC
Rによって興味ある配列を含むcDNAライブラリーを
同定するため、およびPROポリペプチドをコードする
全長配列のクローンを単離するためのプローブとして用
いるために使用した。前進(.f)と逆進(.r)PC
Rプライマーは、一般的に、20から30ヌクレオチド
までの範囲とし、しばしば、長さ約100−1000b
pのPCR生成物を与えるように設計される。いくつか
の事例において、コンセンサス配列が約1−1.5kb
よりも大きい時に、付加的なオリゴヌクレオチドが合成
される。全長クローンのためのいくつかのライブラリー
をスクリーニングするために、ライブラリーからDNA
を、Ausubelら、Current Protoc
ols in MolecularBiologyに従っ
て、PCRプライマー対を用い、PCR増幅によってス
クリーニングした。次いで、興味ある遺伝子をコードす
るクローンを、オリゴヌクレオチドプローブもしくはプ
ライマー対の一つを用いて単離するために、陽性のライ
ブラリーを用いた。
【0234】cDNAクローンを単離するために用いた
cDNAライブラリーは、Invitrogen,Sa
n Diego,CAなどから商業的に利用できる試薬
を用いた標準的な方法によって構築した。cDNAは、
NotI部位を含むオリゴdTプライマーで合成し、S
alIヘミキナーゼアダプターに平滑端で連結し、No
tI部位で切断し、ゲル電気泳動により適切にサイズ分
画し、好適なクローニングベクター[例えば、pRKB
もしくはpRKD;pRK5Bは、SfiI部位を含ま
ないpRK5Dの前駆体である;Holmesら、Sc
ience,253:1278−1280(1991)
参照]に、特有のXhoIおよびNotI部位で、定め
られた方向でクローニングした。
【0235】実施例2:アミラーゼスクリーニングによ
るcDNAクローンの単離 1.オリゴdTプライマーで合成されたcDNAライブ
ラリーの調製 mRNAは、Invitrogen,San Dieg
o,CAからの試薬とプロトコール(Fast Tra
ck2)を用い、興味のあるヒト組織から単離した。こ
のRNAは、Life Technologies,G
aithersburg,MD(Super Scri
pt Plasmid System)の試薬とプロトコ
ールを用い、ベクターpRK5D中、オリゴdTプライ
マーで合成したcDNAライブラリーを作製するために
用いた。この操作で、二本鎖cDNAは、1000bp
よりも大きなサイズとなり、SalI/NotIリンカ
ー化cDNAを、XhoI/NotIで切断したベクタ
ーにクローニングした。pRK5Dは、XhoI/No
tI cDNAクローニング部位に先立つSfiI制限
酵素部位が続くsp6転写開始部位を有するクローニン
グベクターである。
【0236】2.ランダムプライマーで合成されたcD
NAライブラリーの調製 第2のcDNAライブラリーは、第1のcDNAクロー
ンの5’末端を優先的に発現させるために産出した。S
p6 RNAは、第1のライブラリー(上記)から産出
し、このRNAを、Life Technologie
s (SuperScript Plasmid Sys
tem、上記)からの試薬とプロトコールを用い、ベク
ターpSST−AMY.0中、ランダムプライマーで合
成したcDNAライブラリーを産出するために用いた。
この操作で、二本鎖cDNAは、500−1000bp
のサイズとなり、NotIアダプターに平滑端で連結
し、SfiIで切断し、SfiI/NotIで切断した
ベクターにクローニングした。pSST−AMY.0
は、cDNAクローニング部位に先立つ酵母アルコール
デヒドロゲナーゼプロモーターと、クローニングサイト
の後であって、酵母アルコールデヒドロゲナーゼターミ
ネーターが続くマウスアミラーゼ配列(分泌シグナルを
有さない成熟配列)を有するクローニングベクターであ
る。このようにアミラーゼ配列とフレーム内で融合した
ベクター中にクローニングされたcDNAは、適切にト
ランスフェクションした酵母コロニーからアミラーゼを
分泌するようになる。
【0237】3.形質転換と検出 上記段落2に記載したライブラリーからのDNAは、電
気受容能のあるDH108細菌(Life Techn
ologies、20ml)を加えるために、氷上で冷
却した。次いで、細菌とベクターの混合物を、製造元に
よって推奨される方法によってエレクトロポレーション
した。続いて、SOC培地(LifeTechnolo
gies、1ml)を加え、混合物を37℃で30分間
インキュベーションした。次いで、形質転換体を、アン
ピシリンを含有する標準的な150mmLBプレート2
0枚に播き、16時間(37℃)インキュベーションし
た。陽性コロニーを、プレートからこすり取り、CsC
l−密度勾配などの標準的なプロトコールを用い、細菌
ペレットからDNAを単離した。次いで、精製したDN
Aを用いて、以下の酵母のプロトコールを行った。
【0238】酵母の方法は3種類に分けられる:(1)
プラスミド/cDNA結合ベクターによる酵母の形質転
換;(2)アミラーゼを分泌している酵母クローンの検
出と単離;および(3)酵母コロニーからの直接的な挿
入物のPCR増幅、および配列決定と、更なる分析のた
めのDNAの精製。
【0239】用いられた酵母株は、HD56−5A(A
TCC−90785)であった。この株は、以下の遺伝
子型を有する:MATアルファ、ura3−52、le
u2−3、leu2−112、his3−11、his
3−15、MAL+、SUC+、GAL+。好ましくは、
翻訳後経路を欠失している酵母変異株を用いることがで
きる。そのような変異株は、sec71、sec72、
sec62において、転座欠失アレルを有しており、端
切りしたsec71が最も好ましい。もしくは、これら
の遺伝子の正常な作用を阻害するアンタゴニスト(アン
チセンスヌクレオチドおよび/またはリガンドを含
む)、この翻訳後経路に関連するその他のタンパク質
(例えば、SEC61p、SEC72p、SEC62
p、SEC63p、TDJ1p、もしくはSSA1p−
4p)、もしくはこれらのタンパク質の混合体も、アミ
ラーゼ発現酵母と組み合わせて好適に用いられる。
【0240】形質転換は、Gietzら、Nucl.A
cid.Res.,20:1425(1992)によっ
て略述されたプロトコールに基づいて行った。次いで、
形質転換細胞を、寒天からYEPD混合培地(100m
l)に播種し、30℃で一晩培養した。YEPD培地
は、Kaiserら、Methods in Yeast
Genetics,Cold Spring Harbo
r Press,Cold Spring Harbo
r,NY,p.207(1994)に記載されたように
調製した。次いで、一晩培養物を、新鮮なYEPD培地
(500ml)で、約2x106細胞/ml(約OD600
=0.1)に希釈し、1x107細胞/ml(約OD600
=0.4−0.5)となるまで再度培養した。
【0241】次いで、細胞を回収し、SorvalGS
3ローターで、5000rpm、5分間で、GS3ロー
ターボトルに移し、上清を除去し、次いで、滅菌水に再
度懸濁し、再び50mlファルコンチューブ中、Bec
kman GS−6KR遠心分離機3500rpmで遠
心分離することにより、形質転換用に調製した。上清を
除去し、続けて細胞をLiAc/TE(10ml、10
mMTris−HCl、1m MEDTA pH7.5、
100mMのLi2OOCCH3)で洗浄し、LiAc/
TE(2.5ml)中に再度懸濁した。
【0242】形質転換は、調製した細胞(100μl)
に、新たに変性させた一本鎖サケ精子DNA(Lofs
trand Labs,Gaithersburg,M
D)と形質転換させるDNA(1μg、容量<10μ
l)とを、マイクロ遠心分離チューブ内で混合すること
によって行った。混合液を、渦動撹拌により簡単に混合
し、次いで、40%PEG/TE(600μlポリエチ
レングリコール−4000、10mM Tris−HC
l、1mMEDTA、100mMLi2OOCCH 3pH
7.5)を添加した。この混合液を、穏やかに混合し、
30分間凝集させながら30℃でインキュベーションし
た。この細胞を、次いで、42℃で15分間、熱刺激
し、この反応チューブを、マイクロ遠心分離機で、12
000rpm、5−10秒間遠心し、デカンテーション
し、TE(500μl、10mM Tris−HCl、
1mMEDTA pH7.5)で再度懸濁し、続けて再
度遠心分離した。次いで、細胞をTE(1ml)中に希
釈し、予め150mm培養プレート(VWR)に調製し
た選択培地上に、20μlずつ分注した。
【0243】もしくは、多数の小さな反応の代わりに、
形質転換を、単一、大規模の反応で、試薬量もそれに応
じて増やして行った。
【0244】用いた選択培地は、Kaiserら、Me
thods in Yeast Genetics,Co
ld Spring Harbor Press,Col
d Spring Harbor,NY,p.208−2
10(1994)によって記載されたように調製された
ウラシル欠失合成完全デキストロース(SCD−Ur
a)寒天とした。形質転換体は、30℃で2−3日間培
養した。
【0245】アミラーゼを分泌しているコロニーの検出
は、選択増殖培地中に赤色澱粉を含ませることによって
行った。澱粉を、Bielyら、Anal.Bioch
em.,172:176−179(1988)によって
記載された手順に従って、赤色染料(Reactive
Red−120、Sigma)と結合させた。結合さ
せた澱粉を、SCD−Ura寒天プレート中、最終濃度
0.15%(w/v)で取り込ませ、リン酸カリウムで
pH7.0に緩衝化した(最終濃度50−100m
M)。
【0246】十分に単離、同定できる単一コロニーを得
るために、陽性コロニーを拾い、新鮮な選択培地(15
0mmプレート上)に塗布した。アミラーゼの分泌が陽
性である十分に単離された単一コロニーは、緩衝化した
SCD−Ura寒天への赤色澱粉の直接的な取り込みに
よって検出した。陽性コロニーは、直接目視可能な陽性
コロニー周囲の透明な輪を生じさせる澱粉分解能によっ
て決定した。
【0247】4.PCR増幅によるDNAの単離 陽性コロニーを単離する時、その部位を楊枝で拾い上
げ、96ウェルプレート中の滅菌水(30μl)に希釈
した。この時、陽性コロニーを、続く分析用に凍結保存
するか、直ちに増幅する。分注した細胞(5μl)を、
25μl容量:0.5μlのKlentaq(Clon
tech,Palo Alto,CA);4.0μl1
0mMdNTP's(Perkin Elmer−Cet
us);2.5μlKlentaq緩衝液(Clont
ech,Palo Alto,CA);0.25μl前
進オリゴ1;0.25μl逆進オリゴ;12.5μl滅
菌水を含む、でのPCR反応の鋳型として用いた。前進
オリゴヌクレオチド1の配列は: 5’−TGTAAA
ACGACGGCCAGTTAAATAGACCTGC
AATTATTAATCT−3’(配列番号:16)。
逆進オリゴヌクレオチド2び配列は: 5’−CAGG
AAACAGCTATGACCACCTGCACACC
TGCAAATCCATT−3’(配列番号:17)。
【0248】次いで、PCRを以下のように行った: a. 変性 92℃、5分 b. 3サイクル: 変性 92℃、30秒 アニーリン
グ 59℃、30秒 伸長72℃、60秒 c. 3サイクル: 変性 92℃、30秒 アニーリン
グ 57℃、30秒 伸長72℃、60秒 d. 25サイクル:変性 92℃、30秒 アニーリン
グ 55℃、30秒 伸長72℃、60秒 e. 保持 4℃
【0249】オリゴヌクレオチドの下線部位は、ADH
プロモーター領域とアミラーゼ領域に各々アニーリング
し、挿入が無い場合は、ベクターpSST−AMY.0
から307bp領域を増幅した。典型的には、これらの
オリゴヌクレオチドの5’末端の最初の18ヌクレオチ
ドに、配列決定用プライマーのアニーリング部位を含ま
せた。このように、空ベクターからのPCR反応の生成
物は、343bpであった。一方、シグナル配列を融合
させたcDNAは、かなり長いヌクレオチド配列となっ
た。
【0250】PCRに続けて、分注した反応生成物(5
μl)を、上記Sambrookらに記載されたよう
に、Tris−Borate−EDTA(TBE)緩衝
系を用いた1%アガロースゲルのアガロースゲル電気泳
動によって調べた。400bpよりも大きい単一で強い
PCR生成物が得られたクローンを、96Qiaqui
ck PCR clean−up colum (Qiag
en社、Chatsworth,CA)で精製した後、
さらにDNA配列決定によって分析した。
【0251】実施例3:ヒトPRO241をコードして
いるcDNAの単離 コンセンサスDNA配列は、上記実施例1に記載した他
のEST配列に対応してまとめた。このコンセンサス配
列を、ここにDNA30876と称する。DNA308
76のコンセンサス配列に基づいて、1)PCRによる
興味ある配列を含むcDNAライブラリーの同定、およ
び2)PRO241をコードする全長配列のクローンを
単離するためのプローブとしての使用、のために、オリ
ゴヌクレオチドを合成した。
【0252】PCRプライマー(前進および逆進)を合
成した: 前進PCRプライマー 5’−GGAAATGAGTG
CAAACCCTC−3’ (配列番号:3) 逆進PCRプライマー 5’−TCCCAAGCTGA
ACACTCATTCTGC−3’ (配列番号:4) さらに、合成オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーショ
ンプローブを、以下のヌクレオチド配列を有するコンセ
ンサスDNA30876配列から構築した。ハイブリダ
イゼーションプローブ5’−GGGTGACGGTGT
TCCATATCAGAATTGCAGAAGCAAA
ACTGACCTCAGTT−3’(配列番号:5)
【0253】全長クローンの供給源としてのいくつかの
ライブラリーをスクリーニングするために、ライブラリ
ーからDNAを、上記同定されたPCRプライマー対を
用いたPCR増幅によって、スクリーニングした。次い
で、陽性のライブラリーを、オリゴヌクレオチドプロー
ブおよび該PCRプライマーの一つを用いて、PRO2
41をコードするクローンを単離するために用いた。c
DNAライブラリーを構築するためのRNAを、ヒト胎
児腎臓組織(LIB29)から単離した。
【0254】上記のように単離したクローンのDNA配
列から、PRO241の全長DNA配列[ここに、UN
Q215(DNA34392−1170)と称する]
(配列番号:1)と、PRO241のタンパク質配列を
得た。
【0255】UNQ215(DNA34392−117
0)の全ヌクレオチド配列を図1に示す(配列番号:
1)。クローンUNQ215(DNA34392−11
70)は、ヌクレオチド部位234−236に見かけ上
の翻訳開始部位と、ヌクレオチド部位1371−137
3に終止コドンでの終止を有する単一のオープンリーデ
ィングフレームを含む(図1)。推定されるポリペプチ
ドプレカーサーは379アミノ酸長(図2)である。図
2に示した全長のPRO241タンパク質は、推定上、
約43302ダルトンの分子量と、約7.30のpIを
有する。クローンUNQ215(DNA34392−1
170)は、ATCCに寄託し、ATCC寄託番号AT
CC 209526が付与されている。
【0256】全長PRO241ポリペプチドアミノ酸配
列の分析により、様々なビグリカンプロテオグリカンタ
ンパク質と有意な相同性を有することが提示されてお
り、これによってPRO241が新規のビグリカン相同
ポリペプチドであることが示されている。
【0257】実施例4: 染色体ウォーキングによるヒ
トPRO243をコードするcDNAクローンの単離 概論: ヒトトロンボポエチン(THPO)は、2つの
ドメインからなる352アミノ酸のグリコシル化された
ホルモンである。エリスロポエチンと50%の類似性を
共有するN末端ドメインは、生物活性を発現する。C末
端領域は、分泌に必要とされる。トロンボポエチン(T
HPO)遺伝子は、ヒト染色体3q27−q28に位置
し、ここで、この遺伝子の6つのエキソンは、染色体D
NA7キロ塩基対に及ぶ(Gurneyら、Blood
85:981−988(1995))。THPOに近
接して位置するTHPO相同体をコードする遺伝子が存
在するかを調べるために、この領域の染色体DNAフラ
グメントを同定し、配列決定した。THPO遺伝子座を
包囲している3つのP1クローンと1つのPACクロー
ン(Genome Systems社、St Loui
s,MO;カタログ番号、P1−2535とPAC−6
359)を単離し、140kb領域を、定序ショットガ
ン方法(orderd shotgun strategy)(Chenら、G
enomics 17:651−656(1993))
を用い、PCRに基づくギャップ充填方法(gap fillin
g approach)と組み合わせて配列決定した。分析によ
り、該領域は、THPOに非常に隣接して位置する4つ
の付加遺伝子:腫瘍壊死因子−受容体1型付随タンパク
2(TRAP2)、伸長開始因子γ(elf4g)、塩
素チャネル2(CLCN2)およびRNAポリメラーゼ
IIサブユニットhRPB17、と共に遺伝子が豊富で
あることが明らかとなった。その領域でTHPO相同体
が見い出されなかったものの、4つの新規な遺伝子が、
コンピューター補助遺伝子検出器(GRAIL)[Xu
ら、Gen.Engin.16:241−253(19
94)]、CpG島の存在[Cross,S.とBir
d,A.、Curr.Opin.Genet.と De
vel.5:109−314(1995)]、および既
知の遺伝子との相同性(WU−BLAST2.0によっ
て検出)(AltschulとGish、Method
s Enzymol.266:460−480(199
6)(http://blast.wustl.edu
/blast/README.html)によって推測
されている。
【0258】P1クローンとPACクローン: THP
O染色体配列[A.L.Gurrneyら、Blood
85:981−88(1995)]から設計されたP
CRプライマーでスクリーニングされた染色体P1ライ
ブラリー(Genome Systems社、St.L
ouis, MO:カタログ番号:P1−2535)か
ら最初のヒトP1クローンを単離した。PCRプライマ
ーは、このP1クローンから得られた末端配列から設計
し、次いで、重複するクローンを同定するため、PIと
PACライブラリー(Genome Systems
社、カタログ番号:P1−2535&PAC−653
9)をスクリーニングするために用いた。
【0259】定序ショットガン方法: 定序ショットガ
ン方法(OSS)(Chenら、Genomics1
7:651−656(1993))は、段階的アプロー
チによる、巨大な染色体DNAクローンの位置決定や配
列決定を含む。P1クローンまたはPACクローンは、
音波処理し、断片をラムダベクター(λBluesta
r)(Novagen社、Madison、WI;カタ
ログ番号69242−3)にサブクローニングした。該
ラムダサブクローン挿入物は、長距離PCR(Barn
es,W.Proc.Natl.Acad.Sci.U
SA91:2216−2220(1994))によって
単離し、末端を配列決定した。本来のクローンの部分的
な地図を作製するために、ラムダ−末端配列を重複させ
た。重複する末端配列を含むラムダクローンを同定し、
プラスミドベクター(pUC9もしくはpUC18)に
サブクローニングした挿入物とプラスミドサブクローン
の末端を配列決定し、隣接している配列を産出するため
に、まとめた。この直接的な配列決定法により、興味の
ある領域を読み取り、まとめるために要求される重複が
最小になる。
【0260】THPO遺伝子座をより良好に定め、ヘマ
トポエチンファミリーに関連するその他の遺伝子を検索
するため、4つの染色体クローンを、ヒトPIとPAC
ライブラリー(Genome Systems社、カタ
ログ番号:P1−2535とPAC−6539)のPC
Rスクリーニングによってこの領域から単離した。染色
体フラグメントのサイズは以下の通りである:P1.t
は40kb;P1.gは70kb;P1.uは70k
b;およびPAC.zは200kb。これらの4つの染
色体クローン間の関係を図5に図示する。200kb染
色体DNA領域の約80%を、定序ショットガン方法
(OSS)(Chenら、Genomics17:65
1−656(1993))によって配列決定し、Aut
o AssemblerTM(Applied Biosy
stems,Perkin Elmer,Foster
City,CA、カタログ番号903227)を用い、
コンティグにまとめた。これらのコンティグの予備的な
順序は、手動分析によって決定した。46コンティグが
あり、ギャップ充填を用いた。表2にギャップの数とサ
イズを要約した。
【0261】表2 140kb領域におけるギャップの要約 ギャップのサイズ 数 <50bp 13 50−150bp 7 150−300bp 7 300−1000bp 10 1000−5000bp 7 >5000bp 2 (15000bp)
【0262】DNA配列決定: ABI DYE−pri
merTM chemistry(PEApplied B
iosystems,Foster City;カタロ
グ番号402112)を、ラムダとプラスミドサブクロ
ーンの末端を配列決定するために用いた。ABI DY
E−terminaterTM chemistry(P
EApplied Biosystems,Foste
r City;カタログ番号403044)を、各々の
PCRプライマーを用いたPCR生成物の配列決定に用
いた。配列は、ABI377機器でまとめた。1kbよ
りも大きなPCR生成物のために、ウォーキングプライ
マーを用いた。コンティグ配列を、AutoAssem
blerTM(PE Applied Biosystem
s,Foster City,CA、カタログ番号90
3227)におけるOOS方法によって産出し、ギャッ
プ充填配列を記録したファイルを、Sequenche
TM(Gene Codes社、Ann Arbor,M
I)に、重複と編集のために組み込ませた。
【0263】PCRに基づくギャップ充填方法:プライ
マーは、各コンティグの5’−と3’−末端配列に基づ
き、反復と低い精度の配列領域を除くように設計した。
全てのプライマーは、19−24merで、50−70
%のG/C含有量となるように設計した。オリゴを標準
的な方法で合成し、ゲル−精製した。
【0264】コンティグの方向と順序が未知なので、プ
ライマーの過変異を増幅反応において用いた。2つのP
CRキットを用いた:第1に、XL PCRキット(P
erkin Elmer,Norwalk,CT;カタ
ログ番号N8080205)、伸長時間約10分;およ
び第2に、もしXL PCRキットでスメアーが生じる
(smeared)もしくは多重生成物が観察されたならば、
Taq Polymerase PCRキット(Qiag
en社、Valencia,CA;カタログ番号:20
1223)を、高ストリンジェント条件下で用いた。成
功した各反応から主なPCR生成物を、0.9%低融点
アガロースゲルから抽出し、Geneclean DN
A Purificationキットで、配列決定の前
に精製した。
【0265】分析: コード化領域の同定と特徴付けを
以下のように行った:最初に、反復する配列を、反復エ
レメントのライブラリーに対するFastAフォーマッ
トで、DNA配列をスクリーニングし、マスクされた疑
わしい配列に戻るRepeatMasker(A.F.
A Smit & P.Green, http://ft
p.genome.washington.edu/R
M/RM details.heml)を用いてマスク
した。マスクされていない反復は、WUBLAST[A
ltschul, S & Gish, W., Meth
ods Enzymol.266:460−480(1
996)]を用い、GenBankデーターベースと配
列を比較することによって同定し、手動でマスクした。
【0266】次に、WUBLAST2.0アルゴリズム
を用いた、染色体領域とGenentechのタンパク
質データベースとの比較によって、既知遺伝子を明らか
にし、次いで、他で大きく異なる配列間で局所的に同定
された領域を見出すために、Needleman−Wu
nch(NeedlemanとWunsch、J.Mo
l.Biol.48:443−453(1970)アル
ゴリズムを用い、各遺伝子の染色体およびcDNA配列
を整列することによって注釈付けた。この方法により、
この領域における5つの既知遺伝子、THPO、TRA
P2、elF4g、CLCN2およびhRPB17の全
てのエキソンを検出した(表3)。
【0267】 表3 分析された140kb領域に局在する既知遺伝子の要約 既知遺伝子 遺伝子座 真核生物翻訳開始因子4γ 3q27−qter トロンボポエチン 3q26−q27 塩素チャネル2 3q26−qter TNFレセプター付随タンパク2 予めマップされていない RNAポリメラーゼIIサブユニットhRPB17 予めマップされていない
【0268】最後に、新規な転写単位を多くの方法を用
いて推測した。CpG島(S.Cross & Bir
d,A.,Curr.Opin.Genet.Dev.
5:109−314(1995))はプロモーター領域
を定めるために用い、GC富、6または8−merパリ
ンドローム配列を認識する酵素によって切断されるクラ
スター部位として同定した。CpG島には、通常、遺伝
子のプロモーター領域が付随している。GenBank
に対して、短い染色体領域(10−20kb)のWUB
LAST2.0分析により、ESTとの一致を明らかに
した。個別のEST配列(もしくは、可能ならば、それ
らの配列のクロマトグラムのファイル)を検索し、理論
上のcDNA配列(ここにDNA34415として称さ
れる)を提供するため、シークエンサーにまとめた。G
RAIL2(ApoCom社、Knoxville,T
N,DECαに対する指揮系統)は、新規なエキソンを
推測するために用いた。この領域における5つの既知遺
伝子は、GRAILアルゴリズムの成功裏の内部対照と
して機能した。
【0269】単離: Chordin cDNAクローン
は、オリゴdTプライマーで合成されたヒト胎児肺ライ
ブラリーから単離した。ヒト胎児肺ポリA+ RNAを、
Clontech(カタログ番号6528−1、ロット
番号43777)から購入し、5mgを、pKR5B
(Genentech, LIB26)のcDNAライ
ブラリーを構築するために用いた。3’−プライマー
(pGACTAGTTCTAGATCGCGAGCGG
CCGCCCTTTTTTTTTTTTTTT)(配列
番号:8)と、5’−リンカー(pCGGACGCGT
GGGGCCTGCGCACCCAGCT)(配列番
号:9)を、SalIとNotI制限酵素部位を導入す
るように設計した。提示された染色体遺伝子のエキソン
を手動で「スプライシング」して導き出された推定上の
ヒトコルディンcDNA配列(DNA34415)から
設計したオリゴヌクレオチドプローブで、クローンをス
クリーニングした。配列決定する前にcDNAクローン
の同一性を確認するため、PCRプライマーの側腹に位
置するプローブを用いた。
【0270】オリゴヌクレオチドプローブのスクリーニ
ングを以下のように行った:OLI5640 3441
5.p1 5’−GCCGCTCCCCGAACGGG
CAGCGGCTCCTTCTCAGAA−3’(配列
番号:10)とOLI5640 34415.p2 5’
−GGCGCACAGCACGCAGCGCATCAC
CCCGAATGGCTC−3’(配列番号:11);
と、用いた側腹に位置するプローブは以下のものであっ
た:OLI5639 34415. f1 5’−GTG
CTGCCCATCCGTTCTGAGAAGGA−
3’(配列番号:12)と、OLI5643 3441
5.r 5’−GCAGGGTGCTCAAACAGG
ACAC−3’(配列番号:13)。
【0271】実施例5:PRO243のノーザンブロッ
トおよびin situ RNAハイブリダイゼーション
分析 ヒト組織におけるPRO243 mRNAの発現を、ノ
ーザンブロットによって試験した。ヒト胎児および成人
組織から得られたヒトポリA+RNAブロット(Clo
ntech,Palo Alto,CA;カタログ番号
7760−1と7756−1)を、全長PRO243
cDNAに基づいた32P−標識cDNAフラグメントプ
ローブとハイブリダイズさせた。ブロットは、プローブ
と共に、ハイブリダイゼーション緩衝液(5xSSP
E;2xデンハート溶液;100mg/ml変性切断サ
ケ精子DNA;50%ホルムアミド;2%SDS)中、
60時間、42℃でインキュベーションした。ブロット
を、2xSSCで複数回;0.05%SDSで室温1時
間洗浄し、続けて、高ストリンジェントな洗浄を、30
分間、0.1xSSC;0.1%SDS中、50℃で行
い、オートラジオグラフィーに供した。ブロットを一晩
露光させた後、フォスフォイメージャ(phospho
rimager)分析機(Fuji)によって現像し
た。
【0272】図6に示すように、PRO243 mRN
A転写生成物を検出した。発現パターンの分析により、
予想される4.0kb転写物の強いシグナルが、成熟お
よび胎児の肝臓において、および、非常に弱いシグナル
が成熟腎臓において示された。胎児の脳、肺および腎臓
は陰性であり、成熟心臓、脳、肺および脾臓は陰性であ
った。より小さな転写生成物が、胎盤(2.0kb)、
成熟骨格筋(1.8kb)および胎児肝臓(2.0k
b)において観察された。
【0273】PRO243の成人組織のIn situ
ハイブリダイゼーションにより、陽性シグナルが、大腿
骨頭と寛骨臼との間に形成される発育中の滑膜性連結の
割線において得られた。他の全組織は陰性であった。ヒ
ト胎児の顔、頭、四肢とマウス胚子のさらなる切片標本
についても試験した。ヒト胎児組織における発現は、発
育している四肢および骨膜傍の間葉における顔骨に隣接
して観察された。発現は高く特異的であり、しばしば血
管新生している領域に隣接していた。また、発現は、発
育時の一時的に胎児脳の後頭葉に観察されるが、脳にお
いてそれ以外では観察されなかった。さらに、発現は、
発育中の内耳の神経節において認められた。マウスの組
織において、ヒトプローブにより、発現を認めることは
できなかった(図7参照)。
【0274】In situハイブリダイゼーション
は、最適化されたプロトコールで、PCR産出33P標識
リボプローブ[LuとGillett,Cell Vi
sion 1:169−176(1994)]を用いて
行った。ホルマリン固定、パラフィン包埋したヒト胎児
および成人組織を薄切し、脱パラフィン化し、プロテア
ーゼK(20g/ml)で15分間、37℃で除タンパ
クし、さらに、LuとGillett(1994)によ
って記載されたように、in situハイブリダイゼ
ーション用に処理した。[33P]−UTP標識アンチセ
ンスリボプローブをPCR生成物から産出し、55℃で
一晩ハイブリダイズさせた。スライドを、Kodak
NTB2 nuclear track感光紙に浸し、4
週間露光させた。
【0275】実施例6:ヒトPRO299をコードする
cDNAクローンの単離 ここでDNA28847として称するcDNA配列(図
10;配列番号:18)を、上記実施例2に記載したよ
うに単離した。さらなる分析後、DNA28847の
3’端切り型が見出され、これをここにDNA3587
7(図11;配列番号:19)と称する。DNA358
77配列に基づいて、オリゴヌクレオチドを、1)PC
Rによって、興味のある配列を含むcDNAライブラリ
ーを同定するため、および2)PRO299をコードす
る全長の配列のクローンを単離するためのプローブとし
て使用するため、合成した。前進および逆進PCRプラ
イマーは、一般的に、20から30ヌクレオチドの範囲
であり、しばしば、長さ約100−1000bpのPC
R生成物を得るように設計する。プローブの配列は、典
型的には、長さ40−55bpである。いくつかの事例
において、コンセンサス配列が約1−1.5kbpより
も大きくなる時、付加的オリゴヌクレオチドを合成す
る。全長のクローンのための複数個のライブラリーをス
クリーニングするために、Ausubelら、Curr
ent Protocols in Molecular
Biologyに従って、PCRプライマー対を用い、
ライブラリーからDNAをPCR増幅によってスクリー
ニングした。次いで、オリゴヌクレオチドプローブと該
プライマー対の一つを用い、興味のある遺伝子をコード
するクローンを単離するために、陽性のライブラリーを
用いた。
【0276】前進と逆進PCRプライマーを合成した: 前進PCRプライマー(35877.f1) 5’−C
TCTGGAAGGTCACGGCCACAGG−3’
(配列番号:20) 逆進PCRプライマー(35877.r1) 5’−C
TCAGTTCGGTTGGCAAAGCTCTC−
3’(配列番号:21) さらに、合成オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーショ
ンプローブを、以下のヌクレオチド配列を有するDNA
35877配列から構築した。 ハイブリダイゼーションプローブ(35877.p1) 5’−CAGTGCTCCCTCATAGATGGAC
GAAAGTGTGACCCCCCTTTCAGGCG
AGAGCTTTGCCAACCGAACTGA−3’
(配列番号:22)
【0277】全長クローンの供給源として複数個のライ
ブラリーをスクリーニングするために、ライブラリーか
らDNAを、上記同定されたPCRプライマー対の一つ
を用い、PCR増幅によってスクリーニングした。次い
で、オリゴヌクレオチドプローブを用い、PRO299
配列をコードするクローンを単離するために、陽性ライ
ブラリーを用いた。
【0278】cDNAライブラリーを構築するためのR
NAを、ヒト胎児脳組織から単離した。cDNAクロー
ンを単離するために用いたcDNAライブラリーを、例
えば、Invitrogen,San Diego,C
Aなどから商業的に利用できる試薬を用いた標準的な方
法により構築した。cDNAは、NotI部位を含むオ
リゴdTプライマーで合成し、SalIヘミキナーゼア
ダプターに平滑端で連結し、NotIで切断し、ゲル電
気泳動でおおよそのサイズに分画し、定められた方向で
適切なクローニングベクター[例えば、pRKBもしく
はpRKD;pRK5BはSfiI部位を含まないpR
K5Dの前駆体である;Holmesら、Scienc
e,253:1278−1280(1991)参照]
に、特有のXhoIとNotI部位で、クローニングし
た。
【0279】上記のように単離したクローンのDNA配
列決定により、PRO299の全長のDNA配列[ここ
にUNQ262(DNA39976−1215)と称す
る]を得て、PRO299のタンパク質配列を推定し
た。
【0280】UNQ262(DNA39976−121
5)の全ヌクレオチド配列を図8に示す(配列番号:1
4)。クローンUNQ262(DNA39976−12
15)は、ヌクレオチド部位111−113に見かけ上
の翻訳開始部位と、ヌクレオチド部位2322−232
4に終止コドンでの終止を有する単一のオープンリーデ
ィングフレームを含む(図8)。この推定されるポリペ
プチドプレカーサーは、737アミノ酸長である(図
9)。クローンUNQ262(DNA39976−12
15)によってコードされるポリペプチド配列の重要な
領域が同定され、以下のものを含む:アミノ酸1−28
に相当する単一ペプチド、アミノ酸638−662に相
当する推定トランスメンブレン領域、アミノ酸80−1
06、121−203、336−360、378−41
5、416−441、454−490、491−52
8、529−548、567−604および605−6
22に相当する10個のEGFの反復、アミノ酸10−
120,204−207,208−222,223−2
85,286−304,361−374,375−37
7,442−453,549−563,および564−
566に相当する、潜在的な10個のN−グリコシル化
部位。クローンUNQ262(DNA39976−12
15)が、ATCCに寄託され、ATCC寄託番号がA
TCC209524と付与されている。
【0281】全長のPRO299ポリペプチドのアミノ
酸配列の分析から、それの一部が、切痕タンパク質(not
ch protein)と有意な相同性を有することが提示され、
それによって、PRO299が新規な切痕タンパク相同
体であり、典型的な切痕タンパク質の活性を有すること
が示唆されている。
【0282】実施例7: ヒトPRO323をコードす
るcDNAクローンの単離 コンセンサスDNA配列を、上記実施例1に記載された
ように、他のEST配列に対応してまとめた。このコン
センサス配列を、ここに、DNA30875と称する。
DNA30875コンセンサス配列に基づいて、オリゴ
ヌクレオチドを、1)PCRによって、興味のある配列
を含むcDNAライブラリーを同定するため、および
2)PRO323の全長をコードする配列のクローンを
単離するためのプローブとして使用するため、合成し
た。
【0283】PCRプライマー(2個の前進と1個の逆
進)を合成した: 前進PCRプライマー1 5’−AGTTCTGGTC
AGCCTATGTGCC−3’(配列番号:25) 前進PCRプライマー2 5’−CGTGATGGTG
TCTTTGTCCATGGG−3’(配列番号:2
6) 逆進PCRプライマー 5’−CTCCACCAATC
CCGATGAACTTGG−3’(配列番号:27) さらに、合成オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーショ
ンプローブを、以下のヌクレオチド配列を有するコンセ
ンサスDNA30875配列から構築した。ハイブリダ
イゼーションプローブ5’−GAGCAGATTGAC
CTCATACGCCGCATGTGTGCCTCCT
ATTCTGAGCTGGA−3’(配列番号:28)
【0284】全長クローンの供給源としての複数個のラ
イブラリーをスクリーニングするため、ライブラリーか
らDNAを、上記同定されたPCRプライマー対を用い
たPCR増幅によってスクリーニングした。次いで、P
RO323遺伝子をコードするクローンを、オリゴヌク
レオチドプローブと該PCRプライマー対の一つを用い
て単離するため、陽性ライブラリーを用いた。cDNA
ライブラリーの構築のためのRNAを、ヒト胎児肝組織
(LIB6)から単離した。
【0285】上記のように単離したクローンのDNA配
列決定によって、PRO323[ここに、UNQ284
(DNA35595−1228)と称する](配列番
号:23)が得られ、PRO323のタンパク質配列が
推定された。
【0286】UNQ284(DNA35595−122
8)の全ヌクレオチド配列を図12(配列番号:23)
に示す。クローンUNQ284(DNA35595−1
228)は、ヌクレオチド部位110−112に見かけ
上の翻訳開始部位と、ヌクレオチド部位1409−14
11に終止コドンでの終止を有する単一のオープンリー
ディングフレームを含む(図12)。推測されるポリペ
プチドプレカーサーは、433アミノ酸長である(図1
3)。図13に示された全長PRO323タンパク質
は、分子量約47787ダルトンで、PI約6.11で
あると推測される。クローンUNQ284(DNA35
595−1228)は、ATCCに寄託しており、AT
CC寄託番号209528が付与される。
【0287】全長PRO323ポリペプチドのアミノ酸
配列の分析により、それの一部が、様々なジペプチダー
ゼタンパク質と有意な相同性を有することが示され、そ
れによって、PRO323が、新規なジペプチダーゼタ
ンパク質であることが示唆されている。
【0288】実施例8: ヒトPRO327をコードす
るcDNAクローンの単離 発現配列標識(expressed sequence tag)(EST)D
NAデータベース(LIFESEQTM,Incyte
Pharmaceuticals,Palo Alt
o,CA)を検索し、様々なEST配列が、ヒトプロラ
クチン受容体タンパク質とのある程度の相同性を示すこ
とを確認した。これらのEST配列を、phrapを用
いて整列し、コンセンサス配列を得た。次いで、上記E
ST配列の供給源を用いて、コンセンサス配列をできる
かぎり伸長するため、このコンセンサスDNA配列を、
BLASとphrapの反復サイクルを用いて伸長し
た。伸長し、まとめた配列を、ここにDNA38110
と称する。上記検索は、コンピュータープログラムBL
ASTもしくはBLAST2を用いて行った(Alts
hulら、Method in Enzymology
266:460−480(1996))。既知のタンパ
ク質をコードしないBLASTスコアー70(もしく
は、いくつかの事例において90)以上となるこれらの
比較結果を、グループ化し、プログラム「pharp」
(Phil Green,University of
Washington,Seattle,Washin
gton;http://bozeman.mbt.w
ashington.edu/phrap.docs/
phrap.html)により、コンセンサスDNA配
列にまとめた。
【0289】上記のように得られたDNA38110コ
ンセンサス配列に基づいて、オリゴヌクレオチドを、
1)興味のある配列を含むcDNAライブラリーを、P
CRによって同定するため、および2)PRO327を
コードする全長の配列のクローンを単離するためのプロ
ーブとしての使用のため、合成した。
【0290】PCRプライマー(前進と逆進)を以下の
ように合成した: 前進プライマー 5’−CCCGCCCGACGTGC
ACGTGAGCC−3’(配列番号:33) 逆進プライマー 5’−TGAGCCAGCCCAGG
AACTGCTTG−3’(配列番号:34) さらに、合成オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーショ
ンプローブを、以下のヌクレオチド配列を有するコンセ
ンサスDNA38110コンセンサス配列から構築し
た。 ハイブリダイゼーションプローブ5’−CAAGTGC
GCTGCAACCCCTTTGGCATCTATGG
CTCCAAGAAAGCCGGGAT−3’(配列番
号:35)
【0291】全長クローンの供給源としての複数個のラ
イブラリーをスクリーニングするために、ライブラリー
からDNAを、上記PCRプライマー対を用いたPCR
増幅によってスクリーニングした。次いで、陽性ライブ
ラリーを、オリゴヌクレオチドプローブと上記PCRプ
ライマーの一つを用い、PRO327遺伝子をコードす
るクローンを単離するために用いた。cDNAライブラ
リーの構築のためのRNAを、ヒト胎児肺組織(LIB
26)から単離した。
【0292】上記単離したクローンのDNA配列決定に
より、PRO327の全長DNA配列[ここに、UNQ
288(DNA38113−1230)として称する]
(配列番号:16)を得て、PRO327のタンパク質
配列を推定した。
【0293】UNQ288(DNA38113−123
0)の全ヌクレオチド配列を、図16(配列番号:3
1)に示す。クローンUNQ288(DNA38113
−1230)は、ヌクレオチド部位119−121に見
かけ上の翻訳開始部位と、ヌクレオチド部位1385−
1387に終止コドンでの終止を有する単一のオープン
リーディングフレームを含む(図16)。推測されるポ
リペプチドプレカーサーは、422アミノ酸長である
(図17)。図17に示された全長PRO327タンパ
ク質は、分子量約46302ダルトンで、PI約9.4
2であると推測される。クローンUNQ288(DNA
38113−1230)は、ATCCに寄託しており、
ATCC寄託番号209530が付与されている。
【0294】全長PRO327ポリペプチドのアミノ酸
配列の分析により、それの一部が、ヒトプロラクチン受
容体タンパク質と有意な相同性を有することが提示さ
れ、それによって、PRO327が、新規なプロラクチ
ン結合タンパク質であることが示唆されている。
【0295】実施例9: ヒトPRO233をコードす
るcDNAクローンの単離 コンセンサスDNA配列を、上記実施例1に記載された
ように、他のEST配列と対応してまとめた。このコン
センサス配列を、ここに、DNA30945と称する。
DNA30945コンセンサス配列に基づいて、オリゴ
ヌクレオチドを、1)PCRによって、興味のある配列
を含むcDNAライブラリーを同定するため、および
2)PRO233の全長をコードする配列のクローンを
単離するためのプローブとして使用するため、合成し
た。
【0296】PCRプライマーを以下のように合成し
た: 前進PCRプライマー1 5’−GGTGAAGGCA
GAAATTGGAGATG−3’(配列番号:38) 逆進PCRプライマー 5’−ATCCCATGCAT
CAGCCTGTTTACC−3’(配列番号:39) さらに、合成オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーショ
ンプローブを、以下のヌクレオチド配列を有するコンセ
ンサスDNA30945配列から構築した。 ハイブリダイゼーションプローブ5’−GCTGGTG
TAGTCTATACATCAGATTTGTTTGC
TACACAAGATCCTCAG−3’(配列番号:
40)
【0297】全長クローンの供給源としての複数個のラ
イブラリーをスクリーニングするために、ライブラリー
からDNAを、上記同定されたPCRプライマー対を用
いたPCR増幅によってスクリーニングした。次いで、
PRO233遺伝子をコードするクローンをオリゴヌク
レオチドプローブを用いて単離するために、陽性ライブ
ラリーを用いた。cDNAライブラリーの構築のための
RNAを、ヒト胎児脳組織から単離した。
【0298】上記のように単離したクローンのDNA配
列決定によって、PRO233[ここに、UNQ207
(DNA34436−1238)と称する](配列番
号:36)が得られ、PRO233のタンパク質配列が
推定された。
【0299】UNQ207(DNA34436−123
8)の全ヌクレオチド配列を図18(配列番号:36)
に示す。クローンUNQ207(DNA34436−1
238)は、ヌクレオチド部位101−103に見かけ
上の翻訳開始部位と、ヌクレオチド部位1001−10
03に終止コドンでの終止を有する単一のオープンリー
ディングフレームを含む(図18)。推測されるポリペ
プチドプレカーサーは、300アミノ酸長である(図1
9)。図19に示された全長PRO233タンパク質
は、分子量約32964ダルトンで、PI約9.52で
あると推測される。さらに、単一ペプチドと推定上の酸
化還元酵素活性部位を含む興味のある領域を、図19に
示す。クローンUNQ207(DNA34436−12
38)は、ATCCに寄託しており、ATCC寄託番号
209523が付与されている。
【0300】全長PRO233ポリペプチドのアミノ酸
配列の分析により、それの一部が、様々な還元酵素タン
パク質と有意な相同性を有することが提示され、それに
よって、PRO233が、新規な還元酵素タンパク質で
あることが示唆されている。
【0301】実施例10: ヒトPRO344をコード
するcDNAクローンの単離 コンセンサスDNA配列を、上記実施例1に記載された
ように、他のEST配列に対応してまとめた。このコン
センサス配列を、ここに、DNA34398と称する。
DNA34398コンセンサス配列に基づいて、オリゴ
ヌクレオチドを、1)PCRによって、興味のある配列
を含むcDNAライブラリーを同定するため、および
2)PRO344の全長をコードする配列のクローンを
単離するためのプローブとして使用するため、合成し
た。
【0302】DNA34398コンセンサス配列に基づ
いて、前進と逆進PCRプライマーを合成した: 前進PCRプライマー(34398.f1) 5’−T
ACAGGCCCAGTCAGGACCAGGGG−
3’(配列番号:43) 前進PCRプライマー(34398.f2) 5’−A
GCCAGCCTCGCTCTCGG−3’(配列番
号:44) 前進PCRプライマー(34398.f3) 5’−G
TCTGCGATCAGGTCTGG−3’(配列番
号:45) 逆進PCRプライマー(34398.r1) 5’−G
AAAGAGGCAATGGATTCGC−3’(配列
番号:46) 逆進PCRプライマー(34398.r2) 5’−G
ACTTACACTTGCCAGCACAGCAC−
3’(配列番号:47) さらに、合成オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーショ
ンプローブを、以下のヌクレオチド配列を有するDNA
34398コンセンサス配列から構築した。 ハイブリダイゼーションプローブ5’−GGAGCAC
CACCAACTGGAGGGTCCGGAGTAGC
GAGCGCCCCGAAG−3’(配列番号:48)
【0303】全長クローンの供給源としての複数個のラ
イブラリーをスクリーニングするために、ライブラリー
からDNAを、上記同定されたPCRプライマー対を用
いたPCR増幅によってスクリーニングした。次いで、
オリゴヌクレオチドプローブと該PCRプライマーの一
つを用いて、PRO344遺伝子をコードするクローン
を単離するために、陽性ライブラリーを用いた。cDN
Aライブラリーの構築のためのRNAを、ヒト胎児腎組
織から単離した。
【0304】上記のように単離されたクローンのDNA
配列決定によって、PRO344の全長のDNA配列
[ここに、UNQ303(DNA40592−124
2)と称する](配列番号:41)を得て、PRO34
4のタンパク質配列を推定した。
【0305】UNQ303(DNA40592−124
2)の全ヌクレオチド配列を図20(配列番号:41)
に示す。クローンUNQ303(DNA40592−1
242)は、ヌクレオチド部位227−229に見かけ
上の翻訳開始部位と、ヌクレオチド部位956−958
に終止コドンでの終止を有する単一のオープンリーディ
ングフレームを含む(図20)。推測ポリペプチドプレ
カーサーは、243アミノ酸長である(図21)。PR
O344のヌクレオチド1から729によってコードさ
れたアミノ酸配列の重要な領域は、図21に示されてい
るように、単一ペプチド、成熟タンパク質の開始、およ
び潜在的な2個のN−ミリストイル化部位を含む。クロ
ーンUNQ303(DNA40592−1242)は、
ATCCに寄託しており、ATCC寄託番号ATCC2
09492が付与されている。
【0306】全長PRO344ポリペプチドのアミノ酸
配列の分析により、それらの一部が、様々なヒトおよび
齧歯動物の補体タンパク質と有意な相同性を有すること
が提示され、それによって、PRO344が、新規な補
体タンパク質であることが示唆されている。
【0307】実施例11: ヒトPRO347をコード
するcDNAクローンの単離 コンセンサスDNA配列を、上記実施例1に記載された
ように、他のEST配列に対応してまとめた。このコン
センサス配列を、ここに、DNA39499と称する。
DNA39499コンセンサス配列に基づいて、オリゴ
ヌクレオチドが、1)PCRによって、興味のある配列
を含むcDNAライブラリーを同定するため、および
2)PRO347の全長をコードする配列のクローンを
単離するためのプローブとして使用するため、合成し
た。
【0308】PCRプライマー(前進と逆進)を以下の
ように合成した: 前進PCRプライマー 5’−AGGAACTTCTG
GATCGGGCTCACC−3’(配列番号:51) 逆進PCRプライマー 5’−GGGTCTGGGCC
AGGTGGAAGAGAG−3’(配列番号:52) さらに、合成オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーショ
ンプローブを、以下のヌクレオチド配列を有するコンセ
ンサスDNA39499配列から構築した。 ハイブリダイゼーションプローブ5’−GCCAAGG
ACTCCTTCCGCTGGGCCACAGGGGA
GCACCAGGCCTTC−3’(配列番号:53)
【0309】全長クローンの供給源としての複数個のラ
イブラリーをスクリーニングするために、ライブラリー
からDNAを、上記同定したPCRプライマー対を用い
たPCR増幅によってスクリーニングした。次いで、オ
リゴヌクレオチドプローブと該PCRプライマーの一つ
を用いて、PRO347遺伝子をコードするクローンを
単離するために、陽性ライブラリーを用いた。cDNA
ライブラリーの構築のためのRNAを、ヒト胎児腎組織
(LIB228)から単離した。
【0310】上記のように単離したクローンのDNA配
列決定によって、PRO347の全長のDNA配列[こ
こに、UNQ306(DNA44176−1244)と
称する](配列番号:49)を得て、PRO347のタ
ンパク質配列を推定した。
【0311】UNQ306(DNA44176−124
4)の全ヌクレオチド配列を図22(配列番号:49)
に示す。クローンUNQ306(DNA44176−1
244)は、ヌクレオチド部位123−125に見かけ
上の翻訳開始部位と、ヌクレオチド部位1488−14
90に終止コドンでの終止を有する単一のオープンリー
ディングフレームを含む(図22)。推測されるポリペ
プチドプレカーサーは、455アミノ酸長である(図2
3)。図23に示された全長PRO347タンパク質
は、分子量約50478ダルトンで、PI約8.44で
あると推測される。クローンUNQ306(DNA44
176−1244)は、ATCCに寄託しており、AT
CC寄託番号209532が付与されている。
【0312】全長PRO347ポリペプチドのアミノ酸
配列の分析により、それの一部が、様々なシステインに
富む分泌タンパク質と有意な相同性を有することが提示
され、それによって、PRO347が、新規なシステイ
ンに富む分泌タンパク質であることが示唆されている。
【0313】実施例12: ヒトPRO354をコード
するcDNAクローンの単離 発現配列標識(expression sequenc
e tag)(EST)DNAデータベース(LIFE
SEQTM, Incyte Pharmaceutica
ls, Palo Alto, CA)を検索し、インタ
ー-アルファ-トリプシンインヒビター重鎖と、およびお
互いに、ある程度の相同性を有する様々なEST配列を
同定した。次いで、相同のEST配列を整列し、コンセ
ンサス配列を得た。次いで、公的ESTデータベース
(例えば、GenBank)と私的EST DNAデー
タベース(LIFESEQTM,Incyte Phar
maceuticals,Palo Alto,CA)
の両方から得られた相同EST配列を用い、コンセンサ
ス配列をできるかぎり伸長するために、BLASとph
rapの反復サイクルを用い、得られたコンセンサスD
NA配列を伸長した。伸長し、まとめた配列を、ここに
DNA39633と称する。上記検索を、コンピュータ
ープログラムBLASTもしくはBLAST2を用いて
実行した(Altshulら、Method in En
zymology 266:460−480(199
6))。既知のタンパク質をコードしないBLASTス
コアー70(もしくは、いくつかの事例において90)
以上となるこれらの比較結果を、プログラム「phar
p」(Phil Green,University o
f Washington,Seattle,Wash
ington; http://bozeman.mb
t.washington.edu/phrap.do
cs/phrap.html)を用い、グループ化し、
コンセンサスDNA配列にまとめた。
【0314】DNA39633コンセンサス配列に基づ
いて、オリゴヌクレオチドを、1)興味のある配列を含
むcDNAライブラリーを、PCRによって同定するた
め、および2)PRO354をコードする全長配列のク
ローンを単離するためのプローブとしての使用のため、
合成した。前進と逆進PCRプライマーは、一般的に、
20から30ヌクレオチドの範囲であり、しばしば、長
さ約100−1000bpのPCR生成物を与えるよう
に設計する。プローブの配列は、典型的には、長さ40
−55bpである。いくつかの事例において、コンセン
サス配列が約1−1.5kbを超える時、付加的なオリ
ゴヌクレオチドを合成する。全長クローンのためのいく
つかのライブラリーをスクリーニングするために、ライ
ブラリーからDNAを、Ausubelら、Curre
ne Protocols inMolecular B
iologyに従って、PCRプライマー対を用い、P
CR増幅によってスクリーニングした。次いで、オリゴ
ヌクレオチドプローブもしくはプライマー対の一つを用
い、興味のある遺伝子をコードするクローンを単離する
ために、陽性のライブラリーを用いた。
【0315】PCRプライマー(前進と逆進)を以下の
ように合成した: 前進プライマー1(39633.f1) 5’−GTG
GGAACCAAACTCCGGCAGACC−3’
(配列番号:56) 前進プライマー2(39633.f2) 5’−CAC
ATCGAGCGTCTCTGG−3’(配列番号:5
7) 逆進プライマー(39633.r1) 5’−AGCC
GCTCCTTCTCCGGTTCATCG−3’(配
列番号:58) さらに、合成オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーショ
ンプローブを、以下のヌクレオチド配列を有するコンセ
ンサスDNA39633配列から構築した。 ハイブリダイゼーションプローブ5’−TGGAAGG
ACCACTTGATATCAGTCACTCCAGA
CAGCATCAGGGATGGG−3’(配列番号:
59)
【0316】全長クローンの供給源としての複数個のラ
イブラリーをスクリーニングするために、ライブラリー
からDNAを、上記PCRプライマー対を用いたPCR
増幅によってスクリーニングした。次いで、オリゴヌク
レオチドプローブと上記PCRプライマーの一つを用い
て、PRO354遺伝子をコードするクローンを単離す
るために、陽性のライブラリーを用いた。
【0317】cDNAライブラリーの構築のためのRN
Aを、ヒト胎児腎組織(LIB227)から単離した。
cDNAクローンを単離するために用いたcDNAライ
ブラリーを、Invitrogen,San Dieg
o,CAなどから商業的に利用できる試薬を用いた標準
的な方法によって構築した。cDNAを、NotI部位
を含むオリゴdTプライマーで合成し、SalIヘミキ
ナーゼアダプターに平滑端で連結し、NotI部位で切
断し、適切にゲル電気泳動によりサイズ分画し、好適な
クローニングベクター[例えば、pRKBもしくはpR
KD;pRK5Bは、SfiI部位を含まないpRK5
Dの前駆体である;Holmesら、Science,
253:1278−1280(1991)参照]に、特
有のXhoIおよびNotI部位で、定められた方向で
クローニングした。
【0318】上記のように単離したクローンのDNA配
列により、PRO354の全長のDNA配列[ここに、
UNQ311(DNA44192−1246)として称
する](配列番号:54)を得て、PRO354のタン
パク質配列を推定した。
【0319】UNQ311(DNA44192−124
6)の全ヌクレオチド配列を図24(配列番号:54)
に示す。クローンUNQ311(DNA44192−1
246)は、ヌクレオチド部位72−74に見かけ上の
翻訳開始部位と、ヌクレオチド部位2154−2156
に終止コドンでの終止とを有する単一のオープンリーデ
ィングフレームを含む(図24)。推測されるポリペプ
チドプレカーサーは、694アミノ酸長である(図2
5)。図25に示した全長PRO354タンパク質は、
分子量約77400ダルトンで、PI約9.54である
と推測される。クローンUNQ311(DNA4419
2−1246)は、ATCCに寄託しており、ATCC
寄託番号ATCC209531が付与されている。
【0320】全長PRO354ポリペプチドのアミノ酸
配列の分析により、それの一部が、インター-アルファ-
トリプシンインヒビター重鎖タンパク質と有意な相同性
を有することが提示され、それによって、PRO354
が、新規なインター-アルファ-トリプシンインヒビター
重鎖タンパク相同体であることが示唆されている。
【0321】実施例13: ヒトPRO355をコード
するcDNAクローンの単離 コンセンサスDNA配列を、上記実施例1に記載された
ように、BLASTとphrapを用いて、他のEST
配列に対応してまとめた。このコンセンサス配列を、こ
こに、DNA35702と称する。DNA35702コ
ンセンサス配列に基づいて、オリゴヌクレオチドを、
1)PCRによって、興味ある配列を含むcDNAライ
ブラリーを同定するため、および2)PRO355の全
長をコードする配列のクローンを単離するためのプロー
ブとして使用するため、合成した。
【0322】前進と逆進のPCRプライマーを以下のよ
うに合成した: 前進PCRプライマー(.f1) 5’−GGCTTC
TGCTGTTGCTCTTCTCCG−3’(配列番
号:62) 前進PCRプライマー(.f2) 5’−GTACAC
TGTGACCAGTCAGC−3’(配列番号:6
3) 前進PCRプライマー(.f3) 5’−ATCATC
ACAGATTCCCGAGC−3’(配列番号:6
4) 逆進PCRプライマー(.r1) 5’−TTCAAT
CTCCTCACCTTCCACCGC−3’(配列番
号:65) 逆進PCRプライマー(.r2) 5’−ATAGCT
GTGTCTGCGTCTGCTGCG−3’(配列番
号:66) さらに、合成オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーショ
ンプローブを、以下のヌクレオチド配列を有するコンセ
ンサスDNA35702配列から構築した。 ハイブリダイゼーションプローブ5’−CGCGGCA
CTGATCCCCACAGGTGATGGGCAGA
ATCTGTTTACGAAAGACG−3’(配列番
号:67)
【0323】全長のクローンの供給源としての複数個の
ライブラリーをスクリーニングするために、ライブラリ
ーからDNAを、上記同定されたPCRプライマー対の
一つを用いたPCR増幅によってスクリーニングした。
次いで、陽性ライブラリーを、オリゴヌクレオチドプロ
ーブを用いて、PRO355遺伝子をコードするクロー
ンを単離するために用いた。cDNAライブラリーの構
築のためのRNAを、ヒト胎児肝組織から単離した。
【0324】上記のように単離したクローンのDNA配
列決定によって、PRO355の全長のDNA配列[こ
こに、UNQ312(DNA39518−1247)と
称する](配列番号:60)を得て、PRO355のタ
ンパク質配列を推定した。
【0325】UNQ312(DNA39518−124
7)の全ヌクレオチド配列を図26(配列番号:60)
に示す。クローンUNQ312(DNA39518−1
247)は、ヌクレオチド部位22−24に見かけ上の
翻訳開始部位と、ヌクレオチド部位1342−1344
に終止コドンでの終止を有する単一のオープンリーディ
ングフレームを含む(図26)。推測されるポリペプチ
ドプレカーサーは、440アミノ酸長である(図2
7)。図27に示された全長PRO355タンパク質
は、分子量約48240ダルトンで、PI約4.93で
あると推測される。さらに、単一ペプチド、細胞外ドメ
インにおけるIg反復、潜在的なN−グリコシル化部
位、および潜在的なトランスメンブランドメインを含む
興味ある領域が、図27に示されている。クローンUN
Q312(DNA39518−1247)は、ATCC
に寄託しており、ATCC寄託番号ATCC20952
9が付与されている。
【0326】全長PRO355ポリペプチドのアミノ酸
配列の分析により、それの一部が、CRTAMタンパク
質と有意な相同性を有することが提示され、それによっ
て、PRO355が、CRTAMタンパク質であること
が示唆されている。
【0327】実施例14: ヒトPRO357をコード
するcDNAクローンの単離 Incyte Pharmaceuticals,Pa
lo Alto,CAによるsequence expr
ession tagクローン番号「2452972」
を、データベース検索を始めるために用いた。Swis
s−Prot公的タンパク質データベースからの約95
0個の既知分泌タンパク質から、細胞外ドメイン(EC
D)配列(もしあるならば、分泌シグナルを含む)を、
Incyte ESTクローン番号「2452972」
の一部と重複した発現配列標識(EST)データベース
を検索するために用いた。ESTデータベースは、公的
ESTデータベース(例えば、GenBank)と、私
的EST DNAデータベース(LIFESEQTM,I
ncyte Pharmaceuticals,Pal
o Alto,CA)を含む。上記検索を、コンピュー
タープログラムBLASTもしくはBLAST2を用い
[Altshulら、Method in Enzymo
logy 266:460−480(1996)]、E
CDタンパク質配列をEST配列の6フレーム翻訳と比
較して実行した。既知のタンパク質をコードしないBL
ASTスコアー70(もしくは、いくつかの事例におい
て90)以上となるこれらの比較結果を、プログラム
「pharp」(Phil Green,Univer
sity of Washington,Seattl
e,Washington;http://bozem
an.mbt.washington.edu/phr
ap.docs/phrap.html)を用い、グル
ープ化し、コンセンサスDNA配列にまとめた。
【0328】次いで、コンセンサスDNA配列を、ph
rapを用い、他のEST配列に対応してまとめた。こ
のコンセンサス配列を、ここではDNA37162と称
する。この事例において、上記EST配列の供給源を用
い、コンセンサス配列をできるかぎり伸長させるため
に、コンセンサスDNA配列を、BLASとphrap
の反復サイクルを用いて伸長した。
【0329】DNA37162コンセンサス配列に基づ
いて、オリゴヌクレオチドを、1)興味のある配列を含
むcDNAライブラリーを、PCRによって同定するた
め、および2)PRO357をコードする全長配列のク
ローンを単離するためのプローブとしての使用のため、
合成した。前進と逆進PCRプライマーは、一般的に、
20から30ヌクレオチドの範囲であり、しばしば、長
さ約100−1000bpのPCR生成物を得るために
設計される。プローブの配列は、典型的には、長さ40
−55bpである。いくつかの事例において、コンセン
サス配列が約1−1.5kbを超える時、付加的なオリ
ゴヌクレオチドを合成する。全長のクローンのためのい
くつかのライブラリーをスクリーニングするために、ラ
イブラリーからDNAを、Ausubelら、Curr
ene Prorocols inMolecular
Biologyに従って、PCRプライマー対を用いた
PCR増幅によってスクリーニングした。次いで、陽性
のライブラリーを、オリゴヌクレオチドプローブとプラ
イマー対の一つを用い、興味のある遺伝子をコードする
クローンを単離するために用いた。
【0330】PCRプライマーを以下のように合成し
た: 前進プライマー1 5’−CCCTCCACTGCCC
CACCGACT−3’(配列番号:70); 逆進プライマー1 5’−CGGTTCTGGGGAC
GTTAGGGCTCG−3’(配列番号:71);お
よび前進プライマー2 5’−CTGCCCACCGT
CCACCTGCCTCAAT−3’(配列番号:7
2)。 さらに、2つの合成オリゴヌクレオチドハイブリダイゼ
ーションプローブを、以下のヌクレオチド配列を有する
コンセンサスDNA37162配列から構築した。 ハイブリダイゼーションプローブ1;5’−AGGAC
TGCCCACCGTCCACCTGCCTCAATG
GGGGCACATGCCACC−3’(配列番号:7
3);およびハイブリダイゼーションプローブ25’−
ACGCAAAGCCCTACATCTAAGCCAG
AGAGAGACAGGGCAGCTGGG−3’(配
列番号:74)。
【0331】全長クローンの供給源としての複数個のラ
イブラリーをスクリーニングするために、ライブラリー
からDNAを、上記PCRプライマー対を用いたPCR
増幅によってスクリーニングした。次いで、オリゴヌク
レオチドプローブとPCRプライマーの一つを用い、P
RO357遺伝子をコードするクローンを単離するた
め、陽性のライブラリーを用いた。
【0332】cDNAライブラリーを構築するためのR
NAを、ヒト胎児肝組織から単離した。cDNAクロー
ンを単離するために用いたcDNAライブラリーを、I
nvitrogen,San Diego,CAなどか
ら商業的に利用できる試薬を用いた標準的な方法によっ
て構築した。cDNAを、NotI部位を含むオリゴd
Tプライマーで合成し、SalIヘミキナーゼアダプタ
ーに平滑端で連結し、NotIで切断し、ゲル電気泳動
により適切にサイズ分画し、好適なクローニングベクタ
ー[例えば、pRKBもしくはpRKD;pRK5B
は、SfiI部位を含まないpRK5Dの前駆体であ
る;Holmesら、Science,253:127
8−1280(1991)参照]に、特有のXhoIお
よびNotI部位で、定められた方向でクローニングし
た。
【0333】上記のように単離したクローンのDNA配
列決定により、PRO357の全長のDNA配列[ここ
に、UNQ314(DNA44804−1248)とし
てする](配列番号:68)を得て、PRO357のタ
ンパク質配列を推定した。
【0334】UNQ314(DNA44804−124
8)の全ヌクレオチド配列を図28(配列番号:68)
に示す。クローンUNQ314(DNA44804−1
248)は、ヌクレオチド部位137−139に見かけ
上の翻訳開始部位と、ヌクレオチド部位1931−19
33に終止コドンでの終止を有する単一のオープンリー
ディングフレームを含む(図28)。推測されるポリペ
プチドプレカーサーは、598アミノ酸長である(図2
9)。クローンUNQ314(DNA44804−12
48)は、ATCCに寄託しており、ATCC寄託番号
ATCC209527が付与されている。
【0335】さらなる分析により、図29に示すような
様々な特性が示されている。図29には、配列番号:6
8のヌクレオチド137から1930まで得られたアミ
ノ酸配列(配列番号:69)を示す。分子量が6303
0ダルトン;pIが7.24;およびNT(S/T)が
3である。推定されるトランスメンブレンドメインは、
図29においてアミノ酸506から524までに示され
る。もしくは、トランスメンブレン領域はアミノ酸49
7の「G」で始まる。潜在的なN−グリコシル化部位
は、図29の下線部位である。EGF様ドメインのシス
テインパターンサインが、アミノ酸355から366ま
でに見られる。また、この領域は、ラットにおける乳脂
乳球タンパク質、切痕、もしくは肝細胞増殖因子変換酵
素においても認められる。また、このシグナルペプチド
は、図29のアミノ酸1−22にもある。ALSとの相
同の最初と、細胞外ドメインにおける他のロイシン反復
に富むタンパク質が、アミノ酸部位24から始まる。
【0336】これゆえ、全長PRO357のアミノ酸配
列の分析から、それの一部が、ALSとの有意な相同性
を有することが提示され、これによって、PRO357
がALSに関する新規のロイシン富反復タンパク質であ
ることが示唆される。
【0337】実施例15: ヒトPRO715をコード
するcDNAクローンの単離 私的EST DNAデータベース(LIFESEQTM
Incyte Pharmaceuticals,Pa
lo Alto,CA)を、ヒトTNF−αの相同性を
有するポリペプチドをコードするEST配列について検
索した。この検索により、Incyte Expres
sed Sequence Tag No.209985
5を同定した。
【0338】次いで、コンセンサスDNA配列を、se
qextと「phrap」(Phil Green,U
niversity of Washington,Se
attle,Washington; http://
bozeman.mbt.washington.ed
u/phrap.docs/phrap.html)を
用い、その他のEST配列に対応してまとめた。このコ
ンセンサス配列を、ここにDNA52092と称する。
この構成に同定された様々なESTクローンの定序に基
づいて、Merck/Washingtom Univ
ersity ESTセット(ESTクローン番号.7
25887、受託番号.AA292358)から単一の
ESTクローンを得て、その挿入物を配列決定した。次
いで、全長DNA52722−1229配列を、EST
クローン番号.725887からの挿入DNAの配列決
定によって得た。
【0339】UNQ383(DNA52722−122
9)の全ヌクレオチド配列を、図30(配列番号:7
5)において示す。クローンUNQ383(DNA52
722−1229)は、ヌクレオチド部位114−11
6に見かけ上の翻訳開始部位を含み、ヌクレオチド部位
864−866に終止コドンでの終止を有する単一のオ
ープンリ−ディングフレームを含む。推定されるポリペ
プチドは、250アミノ酸長(図31)である。図31
に示される全長のPRO715は、分子量約27433
ダルトン、pI約9.85であると推定される。
【0340】全長PRO715ポリペプチドのアミノ酸
配列の分析より、タンパク質の腫瘍壊死因子ファミリー
の一員と有意な相同性を有すことが提示され、それによ
って、PRO715が、新規な腫瘍壊死因子タンパク質
であることが示されている。
【0341】実施例16: ヒトPRO353をコード
するcDNAクローンの単離 コンセンサスDNA配列を、上記実施例1に記載された
ように、phrapを用い、他のEST配列に対応して
まとめた。このコンセンサス配列を、ここに、DNA3
6363と称する。上記EST配列の供給源を用い、コ
ンセンサス配列をできる限り伸長させるため、BLAS
Tおよびphrapの反復サイクルを用い、該コンセン
サスDNA配列を伸長した。DNA36363コンセン
サス配列に基づいて、オリゴヌクレオチドを、1)PC
Rによって、興味のある配列を含むcDNAライブラリ
ーを同定するため、および2)PRO353の全長をコ
ードする配列のクローンを単離するためのプローブとし
て使用するため、合成した。
【0342】DNA36363コンセンサス配列に基づ
いて、前進と逆進のPCRプライマーを以下のように合
成した: 前進PCRプライマー(36363.f1) 5’−T
ACAGGCCCAGTCAGGACCAGGGG−
3’(配列番号:87) 逆進PCRプライマー(36363.r1) 5’−C
TGAAGAAGTAGAGGCCGGGCACG−
3’(配列番号:88) さらに、合成オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーショ
ンプローブを、以下のヌクレオチド配列を有するコンセ
ンサスDNA36363配列から構築した。 ハイブリダイゼーションプローブ 36363.p1
5’−CCCGGTGCTTGCGCTGCTGTGA
CCCCGGTACCTCCATGTACCCGG−
3’(配列番号:89)
【0343】全長クローンの供給源としての複数個のラ
イブラリーをスクリーニングするため、ライブラリーか
らDNAを、上記同定されたPCRプライマー対の一つ
を用いたPCR増幅によってスクリーニングした。次い
で、オリゴヌクレオチドプローブとPCRプライマー対
の一つを用いて、PRO355遺伝子をコードするクロ
ーンを単離するため、陽性ライブラリーを用いた。cD
NAライブラリーの構築のためのRNAを、ヒト胎児腎
組織から単離した。
【0344】上記のように単離したクローンのDNA配
列決定によって、PRO353の全長のDNA配列[こ
こに、UNQ310(DNA41234−1242)と
称する](配列番号:85)を得て、PRO353のタ
ンパク質配列を推定した。
【0345】UNQ310(DNA41234−124
2)の全ヌクレオチド配列を図34(配列番号:85)
に示す。クローンUNQ310(DNA41234−1
242)は、ヌクレオチド部位305−307に見かけ
上の翻訳開始部位と、ヌクレオチド部位1148−11
50に終止コドンでの終止を有する単一のオープンリー
ディングフレームを含む(図34)。推測されるポリペ
プチドプレカーサーは、281アミノ酸長である(図3
5)。PRO353によってコードされるアミノ酸配列
の重要な領域には、アミノ酸1−26に相当する単一ペ
プチド、アミノ酸部位27に成熟タンパクの開始、アミ
ノ酸93−98に相当する潜在的なN−グリコシル化部
位、および、アミノ酸99−281に相当する、30k
dの脂肪細胞補体−関連タンパク質前駆体と相同性を有
する領域を含む。クローンUNQ310(DNA412
34−1242)は、ATCCに寄託しており、ATC
C寄託番号ATCC209618が付与されている。
【0346】全長PRO353ポリペプチドのアミノ酸
配列の分析により、それらの一部が、ヒトおよび齧歯動
物の補体タンパク質と有意な相同性を有することが示さ
れ、それによって、PRO355が、新規な補体タンパ
ク質であることが示唆されている。
【0347】実施例17: ヒトPRO361をコード
するcDNAクローンの単離 コンセンサスDNA配列
を、上記実施例1に記載されたように、phrapを用
い、他のEST配列に対応してまとめた。このコンセン
サス配列を、ここに、DNA40654と称する。DN
A40654コンセンサス配列に基づいて、オリゴヌク
レオチドを、1)PCRによって、興味のある配列を含
むcDNAライブラリーを同定するため、および2)P
RO361の全長をコードする配列のクローンを単離す
るためのプローブとして使用するため、合成した。
【0348】前進と逆進のPCRプライマーを以下のよ
うに合成した: 前進PCRプライマー(.f1) 5’−AGGGAG
GATTATCCTTGACCTTTGAAGACC−
3’(配列番号:92) 前進PCRプライマー(.f2) 5’−GAAGCA
AGTGCCCAGCTC−3’(配列番号:93) 前進PCRプライマー(.f3) 5’−CGGGTC
CCTGCTCTTTGG−3’(配列番号:94) 逆進PCRプライマー(.r1) 5’−CACCGT
AGCTGGGAGCGCACTCAC−3’(配列番
号:95) 逆進PCRプライマー(.r2) 5’−AGTGTA
AGTCAAGCTCCC−3’(配列番号:96) さらに、合成オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーショ
ンプローブを、以下のヌクレオチド配列を有するコンセ
ンサスDNA40654配列から構築した。 ハイブリダイゼーションプローブ 5’−GCTTCC
TGACACTAAGGCTGTCTGCTAGTCA
GAATTGCCTCAAAAAGAG−3’(配列番
号:97)
【0349】全長のクローンの供給源としての複数個の
ライブラリーをスクリーニングするために、ライブラリ
ーからDNAを、上記同定されたPCRプライマー対の
一つを用いたPCR増幅によってスクリーニングした。
次いで、オリゴヌクレオチドプローブを用い、PRO3
61遺伝子をコードするクローンを単離するため、陽性
ライブラリーを用いた。cDNAライブラリーの構築の
ためのRNAを、ヒト胎児腎組織から単離した。
【0350】上記のように単離したクローンのDNA配
列決定によって、PRO353の全長のDNA配列[こ
こに、UNQ316(DNA45140−1250)と
称する](配列番号:90)を得て、PRO353のタ
ンパク質配列を推定した。
【0351】UNQ316(DNA45410−125
0)の全ヌクレオチド配列を図36(配列番号:90)
に示す。クローンUNQ316(DNA45410−1
250)は、ヌクレオチド部位226−228に見かけ
上の翻訳開始部位と、ヌクレオチド部位1519−15
21に終止コドンでの終止を有する単一のオープンリー
ディングフレームを含む(図36)。推測されるポリペ
プチドプレカーサーは、431アミノ酸長である(図3
7)。図37に示されている全長のPRO361タンパ
ク質は、分子量約46810ダルトン、pI約6.45
であると推定される。さらに、トランスメンブレンドメ
イン(アミノ酸380−409)とアルギナーゼファミ
リーのタンパク質に典型的な配列(アミノ酸3−14と
39−57)を含む興味のある領域を、図37に示す。
クローンUNQ316(DNA45410−1250)
は、ATCCに寄託しており、ATCC寄託番号ATC
C209621が付与されている。
【0352】全長PRO361ポリペプチドのアミノ酸
配列の分析により、それの一部が、ムチンおよび/もし
くはキチナーゼタンパク質と有意な相同性を有すること
が示され、それによって、PRO355が、新規なムチ
ンおよび/もしくはキチナーゼタンパク質であることが
示唆されている。
【0353】実施例18: ヒトPRO365をコード
するcDNAクローンの単離 コンセンサスDNA配列を、上記実施例1に記載したよ
うに、phrapを用い、他のEST配列に対応してま
とめた。このコンセンサス配列を、ここに、DNA35
613と称する。DNA35613コンセンサス配列に
基づいて、オリゴヌクレオチドを、1)PCRによっ
て、興味のある配列を含むcDNAライブラリーを同定
するため、および2)PRO365の全長をコードする
配列のクローンを単離するためのプローブとして使用す
るため、合成した。
【0354】前進と逆進のPCRプライマーを以下のよ
うに合成した: 前進PCRプライマー(.f1−35613) 5’−
AATGTGACCACTGGACTCCC−3’(配
列番号:100) 前進PCRプライマー(.f2−35613) 5’−
AGGCTTGGAACTCCCTTC−3’(配列番
号:101) 逆進PCRプライマー(.r1−35613) 5’−
AAGATTCTTGAGCGATTCCAGCTG−
3’(配列番号:102) さらに、合成オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーショ
ンプローブを、以下のヌクレオチド配列を有するコンセ
ンサスDNA35613配列から構築した。 ハイブリダイゼーションプローブ 5’−AATCCC
TGCTCTTCATGGTGACCTATGACGA
CGGAAGCACAAGACTG−3’(配列番号:
103)
【0355】全長のクローンの供給源としての複数個の
ライブラリーをスクリーニングするため、ライブラリー
からDNAを、上記同定したPCRプライマー対の一つ
を用いたPCR増幅によってスクリーニングした。次い
で、オリゴヌクレオチドプローブを用いて、PRO36
5遺伝子をコードするクローンを単離するために、陽性
ライブラリーを用いた。cDNAライブラリーの構築の
ためのRNAを、ヒト胎児腎組織から単離した。
【0356】上記のように単離したクローンのDNA配
列決定によって、PRO365の全長のDNA配列[こ
こに、UNQ320(DNA46777−1253)と
称する](配列番号:98)を得て、PRO365のタ
ンパク質配列を推定した。
【0357】UNQ320(DNA46777−125
3)の全ヌクレオチド配列を図38(配列番号:98)
に示す。クローンUNQ320(DNA46777−1
253)は、ヌクレオチド部位15−17に見かけ上の
翻訳開始部位を有し、ヌクレオチド部位720−722
に終止コドンでの終止を有する単一のオープンリーディ
ングフレームを含む(図38)。推測されるポリペプチ
ドプレカーサーは、235アミノ酸長である(図3
9)。クローンUNQ320(DNA46777−12
53)によってコードされるポリペプチド配列の重要な
領域が、同定され、図39に示す以下のものを含む:ア
ミノ酸1−20に相当する単一ペプチド、アミノ酸21
に相当する成熟タンパクの開始、多数の潜在的なN−グ
リコシル化部位。クローンUNQ320(DNA467
77−1253)は、ATCCに寄託しており、ATC
C寄託番号ATCC209619が付与されている。
【0358】全長PRO365ポリペプチドのアミノ酸
配列の分析により、それの一部が、ヒト2−19タンパ
ク質と有意な相同性を有することが示され、それによっ
て、PRO365が、新規なヒト2−19タンパク相同
体であることが示唆されている。
【0359】実施例19:PROポリペプチドをコード
する核酸のハイブリダイゼーションプローブとしての使
用 以下の方法は、ハイブリダイゼーションプローブとし
て、PROポリペプチドをコードする核酸配列の使用に
ついて記載する。ここに開示された興味のあるPROポ
リペプチドのコード化配列を含むDNAを、ヒト組織c
DNAライブラリーもしくはヒト組織染色体ライブラリ
ーにおいて、相同DNA(例えば、PROポリペプチド
の天然の変種をコードするものなど)をスクリーニング
するためのプローブとして、もしくはプローブを調製す
るための塩基として用いることができる。
【0360】どちらかのライブラリーDNAを含むフィ
ルターのハイブリダイゼーションおよび洗浄は、以下の
高ストリンジェント条件下で行う。放射性同位元素標識
化PROポリペプチドをコードする核酸由来のプローブ
のフィルターへのハイブリダイゼーションを、50%ホ
ルムアミド溶液、5xSSC、0.1%SDS、0.1
%ピロリン酸ナトリウム、50mMリン酸ナトリウム、
pH6.8、2xデンハート溶液、および10%デキス
トラン硫酸中、42℃で20時間行う。フィルターの洗
浄は、0.1xSSCと0.1%SDSの水溶液中、4
2℃で行う。
【0361】次いで、全長の天然PROポリペプチド配
列をコードするDNAと同一の所望の配列を有するDN
Aを、当該分野において公知の標準的な方法を用いて同
定することができる。
【0362】実施例20: 大腸菌におけるPROポリ
ペプチドの発現 本実施例では、大腸菌における組み換え発現による所望
のPROポリペプチドのグリコシル化されていない型の
調製について説明する。
【0363】所望のPROポリペプチドをコードするD
NA配列を、最初に、選択したPCRプライマーを用い
て増幅する。該プライマーは、選択された発現ベクター
上の制限酵素部位に相当する制限酵素部位を含まなけれ
ばならない。様々な発現ベクターが用いられ得る。好適
なベクターの例は、アンピシリンおよびテトラサイクリ
ン耐性遺伝子を含むpBR322[大腸菌由来;Bol
ivarら、Gene、2:95(1997)参照]で
ある。ベクターは、制限酵素で消化し、脱リン酸化す
る。次いで、PCRで増幅した配列を、ベクター内に結
紮させる。ベクターは、好ましくは、抗生物質耐性遺伝
子、trpプロモーター、ポリhisリーダー(最初の
6STIIコドン、ポリhis配列およびエンテロキナ
ーゼ切断部位を含む)、特異的PROポリペプチドコー
ド化領域、ラムダ転写終結因子、argU遺伝子をコー
ドする配列を含む。
【0364】次いで、結紮混合物を、上記Sambro
okらに記載された方法を用いて、選択された大腸菌株
を形質転換するために用いた。形質転換体は、LBプレ
ート上での増殖能によって同定し、次いで、抗生物質耐
性コロニーを選択する。プラスミドDNAを単離し、制
限酵素分析およびDNA配列決定によって確認すること
ができる。
【0365】選択したクローンを、抗生物質を補充した
LB培地などの液体培養培地中で一晩培養することがで
きる。続いて、一晩培養物を、大規模培養に播種するた
めに用いる。次いで、発現プロモータが始動する所望の
光学密度まで、細胞を培養する。
【0366】さらに数時間培養後、細胞を遠心分離によ
って回収することができる。遠心分離によって得られた
細胞ペレットを、当該分野において公知の様々な試薬を
用いて可溶化し、次いで、可溶化PROポリペプチド
を、該タンパク質との強固な結合を許容する条件下で金
属錯体カラムを用い、精製することができる。
【0367】PRO241は、以下の操作により、ポリ
−His標識化形態で、大腸菌に発現させることができ
た。PRO241をコードするDNAは、最初に、選択
したPCRプライマーを用いて増幅した。該プライマー
は、選択された発現ベクター上の制限酵素部位に相当す
る制限酵素や、効果的かつ確かな翻訳の開始、金属錯体
カラム上での速やかな精製、およびエンテロキナーゼの
タンパク分解除去を提供するその他の有用な配列を含
む。PCR増幅、ポリ−His標識化配列を、次いで、
発現ベクターに結紮し、株52(W3110fuhA
(tonA) lon galE rpoHis(htp
Rts) cIpP(lacIq)に基づく大腸菌宿主
を形質転換させるために用いた。最初に、形質転換体
を、50mg/mlカルベニシリンを含むLB培地中、
30℃で、O.D.600が3−5になるまで、振とう
培養した。次いで、培養物を、CRAP培地[110m
M MPOS、pH7.3、0.55%(w/v)グル
コースおよび7mM MgSO4と同様に、3.57g
(NH42SO4、0.71gクエン酸ナトリウム・2
水和物、1.07gKCl、5.36g Difco酵
母エキス、5.36g Sheffield hycas
e SFを500mL水に混合することによって調製し
た]中、50−100倍に希釈し、おおよそ20−30
時間、30℃で振とう培養した。試料を、SDS−PA
GE分析によって発現を確かめるために除去し、大量の
培養物を遠心分離して細胞ペレットとした。細胞ペレッ
トは、精製および再生まで凍結させた。
【0368】0.5から1L培養物から得られた大腸菌
ペースト(6−10gペレト)を、7Mグアニジン、2
0mM Tris、pH8緩衝液中、10容量(w/
v)に懸濁させた。固形の亜硫酸ナトリウム塩と液体の
四チオン酸塩を、最終濃度が各々0.1Mおよび0.0
2Mとなるまで添加し、溶液を4℃で一晩攪拌させた。
このステップにより、全システイン残基が亜硫酸化によ
り保護された変性タンパク質となる。溶液を、Beck
man Ultracentifugeで30分間、4
0000回転で遠心分離した。上清を、金属錯体カラム
緩衝液(6Mグアニジン、20mM Tris、pH
7.4)の3−5容量で希釈し、0.22ミクロンフィ
ルターに濾過して透明化した。垂下する透明化した抽出
物を、金属錯体カラム緩衝液で平衡化した5ml Qi
agen Ni−NTA金属錯体カラム上に、負荷し
た。カラムを、50mMイミダゾール(Calbioc
hem,Utrol grade)、pH7.4を含む
付加用緩衝液で洗浄した。タンパク質を、250mMイ
ミダゾールを含む緩衝液で溶出した。所望のタンパク質
を含む画分を採取し、4℃で保存した。タンパク濃度
は、アミノ酸配列に基づいて算出した吸光係数を用い、
280nmにおける吸光度によって評価した。
【0369】タンパク質は、新鮮に調製した再生緩衝液
(20mM Tris、pH8.6、0.3MNaC
l、2.5M尿素、5mMシステイン、20mMグリシ
ンおよび1mMEDTAからなる)中、試料をゆっくり
と希釈させることにより、再生させた。再生容量は、最
終タンパク質濃度が、50から100マイクログラム/
mlの間となるように選択した。再生溶液は、緩やか
に、4℃で12−36時間攪拌した。TFAを最終濃度
0.4%(pHがおおよそ3)となるまで添加すること
によって、再生反応を終了させた。タンパク質をさらに
精製する前に、溶液を0.22ミクロンフィルターで濾
過し、アセトニトリルが2−10%の最終濃度となるよ
うに添加した。再生したタンパク質を、0.1%TFA
の泳動用緩衝液を用いたPoros R1/H逆相カラ
ム上、約10から80%までのアセトニトリル濃度勾配
で、クロマトグラフィーにかけた。A280吸光を有す
る分画溶液を、SDSポリアクリルアミドゲルで分析
し、再生相同タンパク質を含む分画を採取した。一般的
に、適切に再生した大部分のタンパク質は、最も凝縮し
て、逆相樹脂との相互作用から疎水性内部がシールされ
ているため、アセトニトリルの最低濃度で溶出される。
凝集している種は、たいてい、高いアセトニトリル濃度
で溶出される。逆相の過程で、所望の型からミスフォー
ルディングされた型を排除することに加えて、試料から
エンドトキシンをも除去する。
【0370】所望の折畳されたPRO241タンパク質
を含む分画を採取し、アセトニトリルを、溶液に導かれ
る緩やかな窒素の流れを用いて除去する。透析によっ
て、もしくは、フォーミュレーション緩衝液で平衡化し
たG25Superfine(Pharmacia)樹
脂を用いたゲル濾過によって、0.14M塩化ナトリウ
ムと、4%マンニトールを含む20mMHepes、p
H6.8中、タンパク質を形成し、滅菌濾過した。
【0371】実施例21: 哺乳動物細胞におけるPR
Oポリペプチドの発現 本実施例では、哺乳動物細胞での組み換え発現による所
望のPROポリペプチドのグリコシル化された型の調製
について説明する。
【0372】ベクター、pRK5(1989年3月15
日に出版されたEP307247参照)が、発現ベクタ
ーとして用いられる。任意で、PROポリペプチドをコ
ードするDNAを、上記Sambrookらに記載され
た結紮方法を用い、PROポリペプチドDNAの挿入を
許容する選択された制限酵素でpRK5に結紮する。得
られたベクターを、pRK5−PROポリペプチドと称
する。
【0373】一つの実施態様において、選択された宿主
細胞は、293細胞である。ヒト293細胞(ATCC
CCL 1573)は、組織培養プレートで、胎児ウシ
血清と、任意で栄養成分および/もしくは抗生物質で補
充したDMEMなどの培地中で、集密になるまで増殖さ
せる。約10μgのpRK5−PROポリペプチドDN
Aを、VA RNA遺伝子をコードするDNA[Thi
mmappayaら、Cell、31:543(198
2)]1μgと混合し、500μlの、0.1mMTr
is−HCl、0.1mMEDTA、0.227MCa
Cl2に溶解する。この混合物に、500μのl50m
MHEPES(pH7.35)、280mMNaCl、
1.5mMNaPO4を添加、滴下し、沈殿物を25
℃、10分間かけて形成させる。この沈殿物を懸濁し、
293細胞に添加し、37℃で約4時間静置する。培養
培地を、吸引除去し、PBS中20%グリセリン2ml
を30秒間添加する。次いで、293細胞を無血清培地
で洗浄し、新鮮な培地を添加し、細胞を約5日間インキ
ュベーションする。
【0374】トランスフェクション後、おおよそ24時
間で、培養培地を除去し、培養培地(のみ)もしくは2
00μCi/ml35S−システインおよび200μCi
/ml35S−メチオニンを含む培養培地に置換する。1
2時間のインキュベーション後、馴化培地を回収し、ス
ピンフィルター上で濃縮し、15%SDSゲルにかけ
る。工程にかけたゲルを、乾燥させ、PROポリペプチ
ドの存在が確認できるのに必要な時間だけ、フィルムに
露光する。形質転換細胞を含む培養物を、さらにインキ
ュベーション(無血清培地中)し、その培地を選択され
たバイオアッセイで試験した。
【0375】代替技術において、PROポリペプチド
を、Somparyracら、Proc.Natl.A
cad.Sci.,12:7575(1981)によっ
て記載されたようにデキストラン硫酸法を用い、一過的
に293細胞に導入させる。293細胞は、スピナーフ
ラスコ中で最大密度まで培養し、700μgのpRK5
−PROポリペプチドDNAを添加する。最初に細胞
を、遠心分離によって、スピナーフラスコから濃縮し、
PBSで洗浄する。DNA−デキストラン沈殿物を、細
胞ペレット上で4時間インキュベーションする。細胞
を、20%グリセリンで90秒間処理し、組織培養培地
で洗浄し、組織培養培地、5μg/mlウシインスリ
ン、および0.1μg/mlウシトランスフェリンを含
むスピナーフラスコに再度導入する。約4日後、細胞と
破片を除去するために、馴化培地を遠心分離し、濾過す
る。次いで、発現PROポリペプチドを含む試料を、透
析および/もしくはカラムクロマトグラフィーなどのあ
らゆる選択される方法によって、濃縮、および精製す
る。
【0376】他の実施態様において、PROポリペプチ
ドは、CHO細胞において発現させることができる。C
aPO4もしくはDEAE−デキストランなどの公知の
試薬を用いて、pRK5−PROポリペプチドは、CH
O細胞にトランスフェクションすることができる。上記
のように、細胞培養物をインキュベーションし、培地を
培養培地(のみ)もしくは、35S−メチオニンなどの放
射性ラベルを含む培地と置換する。PROポリペプチド
の存在を決定した後、培養培地を無血清培地に置換す
る。好ましくは、培養物は、約6日間インキュベーショ
ンし、次いで、馴化培地を回収する。次いで、発現PR
Oポリペプチドを含む培地は、選択されるいずれかの方
法によって濃縮、精製することができる。
【0377】また、エピトープ標識化PROポリペプチ
ドは、宿主CHO細胞に発現させることができる。PR
Oポリペプチドは、pRK5ベクターからサブクローニ
ングする。サブクローン挿入物は、バキュロウィルス発
現ベクター中、ポリ−his標識などの選択されたエピ
トープ標識とフレーム内で融合するために、PCRを行
うことができる。次いで、ポリ−his標識化PROポ
リペプチド挿入物は、安定株の選択のためのDHFRな
どの選択マーカを含むSV40駆動ベクター内にサブク
ローニングすることができる。最後に、CHO細胞は、
(上記のように)SV40駆動ベクターでトランスフェ
クションさせることができる。発現を確認するために、
上記のように標識することができる。次いで、発現した
ポリ−His標識化PROポリペプチドを含む培養培地
を、Ni2+−錯体アフィニティークロマトグラフィーな
ど、選択されるあらゆる方法によって、濃縮、精製する
ことができる。
【0378】PRO241を、一過的および安定発現方
法の両方によって、CHO細胞にうまく発現させること
ができた。さらに、PRO243、PRO323および
PRO233を、CHO細胞に一過的に発現させること
ができた。
【0379】CHO細胞における安定発現は、以下の方
法を用いて行った。タンパク質は、各タンパク質の可溶
型(例えば、細胞外ドメイン)のコード配列が、ヒン
ジ、CH2およびCH2ドメインを含むIgG1定常領
域配列に融合させたIgG構造物(免疫接合体)、およ
び/もしくはポリ−his標識化形態となるように発現
させた。
【0380】PCRの増幅に次いで、各DNAを、Au
sbelら、Current Protocols of
Molecular Biology, Unit3.
16, John WileyとSons(1997)に
おいて記載されているような標準的な技術を用いて、C
HO発現ベクターにサブクローニングした。cDNAの
便利な往復を許容するように、興味のあるDNAの5’
および3’と適合する制限酵素部位5’を有するよう
に、CHO発現ベクターを構築する。CHO細胞におけ
る発現に用いたベクターは、例えば、Lucasら、N
ucl. Acids Res.24:9(1774−1
779(1996)に記載されたものであり、興味のあ
るcDNAとジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)の発現
を駆動するためにSV40初期プロモーター/エンハン
サーを用いる。DHFRの発現により、トランスフェク
ションに続いて、プラスミドの安定維持株を選定するこ
とができる。
【0381】所望のプラスミドDNA12μgは、商業
的に利用できるトランスフェクション試薬Superf
ect(Quiagen)、DosperもしくはFu
gene(Boehringer Mannheim)
を用い、約1000万個のCHO細胞内に導入させた。
細胞を培養し、上記Lucasらにおいて記載した。お
およそ3x107個の細胞を、さらなる増殖と下記の産
生のために、アンプル中で凍結させる。
【0382】プラスミドDNAを含むアンプルを、水槽
中に置いて融解させ、渦動攪拌で混合した。内容物を、
10mLの培地を含む遠心分離用チューブにピペットで
移し、1000rpmで5分間遠心分離した。上清を吸
引除去し、細胞を10mLの選択培地(0.2μmフィ
ルターで濾過した5%胎児ウシ血清を含むPS20を
0.2μmフィルターで濾過したもの)に再度懸濁し
た。次いで、細胞を、90mL選択培地を含む100m
Lスピナーに分注した。1−2日後、細胞を、150m
L選択増殖培地で満たした250mLスピナーに移し、
37℃でインキュベーションした。さらに2−3日後、
250mL、500mL、および2000mLスピナー
に、3x105細胞/mLを播種した。細胞培地を、遠
心分離によって新鮮な培地に交換し、産生用培地に再度
懸濁した。好適なあらゆるCHO培地を用いることがで
きるが、1992年6月16日に発行された米国特許第
5122469号に記載されている産生培地を、実際に
は用いた。3L産生スピナーに、0.2x106細胞/
mLで播種した。0日目、細胞数、pHを測定した。1
日目、スピナーから標本を取り、濾過空気の散布を開始
した。2日目、スピナーから標本を取り、温度を33℃
に上げ、30mLの500g/Lグルコースと、0.6
mLの10%消泡剤(例えば、35%ポリジメチルシロ
キサン乳剤 、Dow Corning,365 医薬用
グレードエマルジョン)を加えた。産生時にpHを必要
な限り、約7.2に保った。10日目後、もしくは、生
存率が70%以下に落ち込む前に、細胞培養物を、遠心
分離と0.22μmフィルター濾過により、回収した。
濾過物は、4℃で保存、もしくは直ちに精製用のカラム
にかけた。
【0383】ポリ−his標識化構築物用に、タンパク
質を、Ni−NTAカラム(Qiage)を用いて精製
した。精製前に、イミダゾールを、馴化培地に5mM濃
度となるように添加した。馴化培地を、0.3MNaC
lと5mMイミダゾールを含む20mMHepes、p
H7.4、緩衝液で平衡化させた6mlNi−NTAカ
ラムに、流速4−5ml/min、4℃でポンプ注入し
た。負荷後、カラムをさらに平衡化用緩衝液で洗浄し、
0.25Mイミダゾールを含む平衡化用緩衝液でタンパ
ク質を溶出した。続けて、高純度に精製したタンパク質
を、10mMHepes、0.14MNaClおよび4
%マンニトール、pH6.8を含む保存用緩衝液中、2
5ml G25 Superfine(Pharmaci
a)で脱塩し、−80℃で保存した。
【0384】免疫接合体(Fc含有)構造物を、以下の
ように馴化培地から精製した。該馴化培地を、20mM
リン酸ナトリウム緩衝液、pH6.8で平衡化した5m
lプロテインAカラム上にポンプ注入した。注入後、1
00mMクエン酸、pH3.5での溶出の前に、カラム
を平衡化用緩衝液で十分に洗浄した。275μlの1M
Tris緩衝液、pH9中に、1ml画分を採取し
て、溶出したタンパク質を直ちに中和した。続けて、高
純度に精製したタンパク質を、ポリ−His標識化タン
パク質用に、保存用緩衝液中、上記の様に脱塩した。同
一性を、SDSポリアクリルアミドゲルおよびエドマン
分解によるN末端アミノ酸配列決定によって評価した。
【0385】PRO241、PRO243、PRO29
9、PRO323、PRO327、PRO233、PR
O344、PRO347、PRO354、PRO35
5、PRO357、PRO353、PRO361、およ
びPRO365も、また、COS細胞において、一過的
にうまく発現させることができた。
【0386】実施例22:酵母におけるPROポリペプ
チドの発現 以下の方法は、酵母における所望のPROポリペプチド
の組み換え発現について記載したものである。
【0387】最初に、酵母発現ベクターを、ADH2/
GAPDHプロモーターからPROポリペプチドの細胞
内産生もしくは分泌のために構築する。所望のPROポ
リペプチド、選択されたシグナルペプチド、およびプロ
モータをコードするDNAを、PROポリペプチドの細
胞内発現を導くために選択したプラスミドの適切な制限
酵素部位に挿入する。分泌の場合には、PROポリペプ
チドをコードするDNAを、ADH2/GAPDHプロ
モータ、酵母α因子分泌シグナル/リーダー配列、およ
び(必要ならば)PROポリペプチド発現用リンカー配
列をコードするDNAと共に、選択したプラスミドにク
ローニングする。
【0388】次いで、例えば、酵母株AB110のよう
な酵母細胞を、上記発現プラスミドと共に形質転換し、
選択した培養液中で培養することができる。形質転換し
た酵母の上清を、10%トリクロロ酢酸で沈殿させ、S
DS−PAGEで分離し、クマシーブルー染色によるゲ
ル染色により分析する。
【0389】続けて、酵母細胞を遠心分離により、培養
液から除去し、次いで、選択したカートリッジフィルタ
ーを用いて培地を濃縮することにより、組み換えPRO
ポリペプチドを、単離精製することができる。PROポ
リペプチドを含む濃縮物は、さらに、選択したカラムク
ロマトグラフィー樹脂を用いて精製する。
【0390】実施例23: バキュロウィルス−感染昆
虫細胞におけるPROポリペプチドの発現 以下の方法は、バキュロウィルス−感染昆虫細胞におけ
るPROポリペプチドの組み換え発現について記載す
る。
【0391】選択したPROポリペプチドを、バキュロ
ウィルス発現ベクターに含まれるエピトープ標識の上流
に融合させる。そのようなエピトープ標識は、ポリ−h
is標識およびイムノグロブリン標識(例えば、IgG
のFc領域)を含む。pVL1393(Novage
n)のような商業的に利用できるプラスミドを含み、様
々なプラスミドが用いられる。簡単には、PROポリペ
プチドもしくはPROポリペプチドの所望の部分(例え
ば、トランスメンブランタンパク質の細胞外ドメインを
コードする配列など)を、5’および3’領域に相補す
るプライマーを用いたPCRによって増幅する。5’プ
ライマーは、両端に(選択された)制限酵素部位を組み
込ませることができる。次いで、生成物を、前記の選択
した制限酵素で消化し、発現ベクター中にサブクローニ
ングする。
【0392】組み換えバキュロウィルスは、リポフェク
チン(GIBCO−BRLから商業的に利用できる)を
用い、スポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera frugi
perda)(Sf9)細胞(ATCC CRL1711)
に、上記プラスミドとBaculoGoldTMウィルス
DNA(Pharmingen)を、共−トランスフェ
クションさせることによって産出される。28℃で4−
5日間インキュベーション後、遊離されたウィルスを回
収し、さらなる増幅に用いる。ウィルス感染とタンパク
質発現を、O’Reilleyら、Baculovir
us expression vector:A lab
oratory Manual, Oxford Uni
versity Press(1994)によって記載
されたように行う。
【0393】次いで、発現したポリ−his標識化PR
Oポリポペプチドを、例えば、以下のようにNi2+−錯
体アフィニティークロマトグラフィーによって精製する
ことができる。抽出物を、Rupertら、Natur
e,362:175−179(1993)によって記載
されたように、組み換えウィルス感染Sf9細胞から調
製する。簡単には、Sf9細胞を洗浄し、音波処理用緩
衝液(25mL Hepes,pH7.9;12.5m
M MgCl2;0.1mM EDTA;10%グリセリ
ン;0.1% NP−40;0.4M KCl)に懸濁
し、氷上で20秒間、2回、音波処理する。音波処理物
を遠心分離によって透明化し、上清をローディング緩衝
液(50mMリン酸塩、300mM NaCl、10%
グリセリン、pH7.8)で50倍に希釈し、0.45
μmフィルターで濾過する。Ni2+−NTAアガロース
カラム(Qiagenから商業的に利用できる)を、基
底容量5mLで調製し、25mLの水で洗浄し、25m
Lのローディング緩衝液で平衡化する。濾過した細胞抽
出物を、0.5mL/分でカロムにかける。ローディン
グ緩衝液でA280のベースラインになるまでカラムを洗
浄し、そこで分画の採取を始める。次に、カラムを二次
洗浄用緩衝液(50mMリン酸塩;300mMNaC
l、10%グリセリン、pH6.0)で洗浄し、非特異
的に結合したタンパク質を溶出する。再度A280ベース
ラインに到達後、カラムを、二次洗浄用緩衝液中、0か
ら500mMイミダゾール濃度勾配で展開する。1mL
画分を採取し、SDS−PAGEと銀染色、もしくはN
2+−NTA−アルカリフォスファターゼ複合体(Qi
agen)を用いたウェスタンブロットにより分析す
る。溶出したHis10−標識化PROポリペプチドを含
む画分を収集し、ローディング緩衝液に対して透析す
る。
【0394】もしくは、IgG標識化(もしくはFc標
識化)PROポリペプチドの精製を、例えば、プロテイ
ンAもしくはプロテインGカラムクロマトグラフィーを
含む、公知のクロマトグラフィー技術を用いて行うこと
ができる。
【0395】PRO241、PRO327およびPRO
344を、バキュロウィスル感染Sf9昆虫細胞に発現
させることができる。実際には、発現を、0.5−2L
スケールで実行させたが、それはより大きな(例えば、
8L)調製用に容易にスケールアップすることができ
る。タンパク質は、細胞外領域が、ヒンジ、CH2およ
びCH3ドメインを含むIgG1定常領域配列に融合し
たIgG構造物(免疫接合体)として、および/もしく
はポリ−His標識化形態として発現した。
【0396】バキュロウィスル感染Sg9細胞における
発現のために、PCR増幅に次いで、各コード化配列を
バキュロウイスル発現ベクター(IgG融合体にはp
b.PH.IgG、ポリ−His標識化タンパク質には
pb.PH.His.c)にサブクローニングし、リポ
フェクチン(Gibco BRL)を用いて、105ス
ポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)
(Sf9)細胞(ATCC CRL1711)に、上記
ベクターとBaculoGoldTMウィルスDNA(P
harmingen)を、共−トランスフェクションし
た。pb.PH.IgGおよびpb.PH.Hisは、
商業的に利用できるバキュロウィルス発現ベクターpV
L1393(Pharmingen)に、Hisもしく
はFc標識配列を含むように修飾したポリリンカー領域
を有する修飾体である。細胞は、10%FBS(Hyc
lone)を補充したHink’s TNM−FH培地
で培養した。細胞を、28℃で5日間インキュベーショ
ンした。上清を回収し、続けて、10%FBS(Hyc
lone)を補充したHink’s TNM−FH培地
中で、おおよそ感染多重度(MOI)10で、Sf9細
胞を感染させることにより、第1のウィルス増幅のため
に用いた。細胞を、28℃で3日間インキュベーション
した。上清を回収し、バキュロウィルス発現ベクターに
おける構築物の発現を、ヒスチジン標識化タンパク質に
対するNi−NTAビーズ(QIAGEN)もしくはI
gG標識化タンパク質に対するプロテイン−Aセファロ
ースCL−4Bビーズ(Pharmacia)25mL
に、上清1mLをバッチ結合し、次いで、クマシーブル
ー染色によりタンパク質標準の既知濃度との比較を行う
SDS−PAGE分析によって測定した。
【0397】第1のウィルス増幅上清を、ESF−92
1培地(Expression Systems LL
C)中、約MOI0.1で培養したSf9細胞のスピナ
ー培養物(500mL)を感染するために用いた。細胞
を、28℃で3日間インキュベーションした。上清を回
収し、濾過した。バッチ結合と、SDS−PAGE分析
を、必要に応じて、スピナー培養の発現が確認されるま
で繰り返した。
【0398】形質転換細胞からの馴化培地(0.5から
3L)を、細胞を除去するための遠心分離によって回収
し、0.22ミクロンフィルターで濾過した。ポリ−H
is標識化構築物の場合、タンパク質をNi−NTAカ
ラム(Qiagen)を用いて精製した。精製前に、イ
ミダゾールを馴化培地に濃度5mMとなるように添加し
た。馴化培地は、0.3M NaClおよび5mMイミ
ダゾールを含む20mM Hepes、pH7.4緩衝
液で平衡化した6ml Ni−NTAカラムに、流速4
−5ml/分、4℃でポンプ注入した。注入後、カラム
をさらなる平衡化緩衝液で洗浄し、タンパク質を、0.
25Mイミダゾールを含む平衡化緩衝液で溶出した。続
いて、高純度に精製したタンパク質を、10mM He
pes、0.14M NaCl、4%マンニトール、p
H6.8を含む保存用緩衝液中、25ml G25 Su
perfine(Pharmacia)カラムで脱塩、
−80℃で保存した。
【0399】タンパク質の免疫接合体(Fc含有)構築
物を、馴化培地から、以下のように精製した。馴化培地
を、20mMリン酸ナトリウム緩衝液、pH6.8で平
衡化されている5mlプロテインAカラム(Pharm
acia)にポンプ注入した。注入後、カラムを、10
0mMクエン酸、pH3.5での溶出の前に、平衡化緩
衝液で十分に洗浄した。溶出したタンパク質を、275
mLの1M Tris緩衝液、pH9を含むチューブ中
に、1mL画分を採取することによって、直ちに中和し
た。続いて、高純度に精製したタンパク質を、ポリ−H
is標識化タンパク質用に、保存用緩衝液中、上記のよ
うに脱塩した。タンパク質の同一性を、SDSポリアク
リルアミドゲル(PEG)電気泳動およびエドマン分解
によるN末端アミノ酸配列決定によって確認した。
【0400】PRO243、PRO323、PRO34
4およびPRO355は、バキュロウィルス感染Hi5
昆虫細胞に発現させることができる。実際には、発現を
0.5−2Lスケールで行ったが、容易に、より大きな
(例えば、8L)調製用にスケールアップすることがで
きる。
【0401】バキュロウィルス感染Hi5昆虫細胞での
発現のために、PROポリペプチドをコードするDNA
は、例えば、Pfu(Strategene)などの好
適なシステムで増幅させる、もしくはバキュロウィルス
発現ベクターに含まれるエピトープ標識の上流(5’
−)に融合させることができる。そのようなエピトープ
標識は、ポリ−His標識およびイムノグロブリン標識
(例えば、IgGのFc領域のような)を含む。pVL
1393(Novagen)のような商業的に利用でき
るプラスミドを含み、様々なプラスミドが用いられる。
簡単には、PROポリペプチドもしくはPROポリペプ
チドの所望の部分(例えば、トランスメンブレンタンパ
ク質の細胞外ドメインをコードする配列など)を、5’
および3’領域に相補するプライマーを用いたPCRに
よって増幅する。5’プライマーは、両端に(選択され
た)制限酵素部位を組み込み得る。次いで、生成物を上
記選択した制限酵素で消化し、発現ベクターにサブクロ
ーニングする。例えば、pVL1393誘導体は、NA
ME配列の下流(3’−)に、ヒトIgGのFc領域
(pb.PH.IgG)もしくは8ヒスチジン標識(p
b.PH.His)を含む。
【0402】Hi5細胞は、27℃で、CO2とペニシ
リン/ストレプトマイシン(pen/strep)を加
えない条件下で、50%集密まで培養した。各150m
Mプレートに、PROポリペプチドを含むpIEに基づ
くベクター30μgを、1ml Ex−Cell培地
[培地:Ex−Cell401+1/100 L−Gl
uJRH Biosciences#14401−78
P(注解;この培地は光感受性である)]を混合し、各
チューブで、100μlCell Fectin[Ce
llFECTIN(GibcoBRL#10362−0
10)(混合のために渦動撹拌したもの)]を、1ml
のEx−Cell培地と混合した。2つの溶液を、混合
し、室温で15分間インキュベーションした。8mlの
Ex−Cell培地を2ml DNA/CellFEC
TIN混合物に添加し、これを一度Ex−Cell培地
で洗浄しているHi5細胞に重層した。次いで、プレー
トを、暗所で、室温、1時間インキュベーションした。
次いで、DNA/CellFECTIN混合物を吸引
し、過剰量のCellFECTINを除去するために、
細胞を、一度洗浄した。30mlの新鮮なEx−Cel
l培地を添加し、細胞を28℃で3日間インキュベート
した。上清を回収し、バキュロウィルス発現ベクターに
おけるPROポリペプチドの発現を、ヒスチジン標識化
タンパク質に対するNi−NTAビーズ(QIAGE
N)もしくはIgG標識化タンパク質に対するプロテイ
ンA−セファロースCL−4Bビーズ25mLに、上清
1mLをバッチ結合し、次いで、クマシーブルー染色に
よりタンパク質標準の既知濃度との比較を行うSDS−
PAGE分析によって測定した。
【0403】形質転換細胞から馴化培地(0.5から3
L)を、細胞を除去するための遠心分離によって回収
し、0.22ミクロンフィルターで濾過した。ポリ−H
is標識化構築物として、PROポリペプチドを含むタ
ンパク質を、Ni−NTAカラム(Qiagen)を用
いて精製した。精製前に、イミダゾールを、濃度5mM
になるまで、馴化培地に添加した。馴化培地を、0.3
M NaClおよび5mMイミダゾールを含む20mM
Hepes、pH7.4緩衝液で、平衡化した6ml
Ni−NTAカラムに、流速4−5ml/分、4℃でポ
ンプ注入した。注入後、カラムをさらなる平衡化緩衝液
で洗浄し、0.25Mイミダゾールを含む平衡化緩衝液
で、タンパク質を溶出した。続いて、高純度に精製した
タンパク質を、10mM Hepes、0.14M Na
Clおよび4%マンニトール、pH6.8を含む保存用
緩衝液中、25ml G25 Superfine(Ph
armacia)カラムで脱塩し、−80℃で保存し
た。
【0404】タンパク質の免疫接合体(Fc含有)は、
馴化培地から、以下のように精製した。馴化培地を、2
0mMリン酸ナトリウム緩衝液、pH6.8で平衡化し
た5mlプロテインAカラム(Pharmacia)上
にポンプ注入した。注入後、カラムを、100mMクエ
ン酸、pH3.5で溶出する前に、平衡化緩衝液で十分
に洗浄した。275mLの1MTris緩衝液、pH9
を含むチューブ中に、1mL画分を採取することによっ
て、溶出タンパク質を直ちに中和した。続けて、高純度
に精製したタンパク質を、上記のようにポリ−His標
識化タンパク質用に、保存用緩衝液中で脱塩した。タン
パク質の同一性を、SDSポリアクリルアミドゲル(P
EG)およびエドマン分解によるN末端アミノ酸配列決
定、および所望もしくは必要に応じてその他の分析方法
によって確認した。
【0405】実施例24:PROポリペプチドに結合す
る抗体の調製 この実施例では、PROポリペプチドと特異的に結合し
得るモノクローナル抗体の調製について説明する。
【0406】モノクローナル抗体の作製技術は、当該分
野において公知であり、例えば、上記Goding,に
記載されている。用いられる免疫原は、精製されたPR
Oポリペプチド、PROポリペプチドを含む融合タンパ
ク質、および細胞表面に組み換えPROポリペプチドを
発現している細胞を含む。免疫原の選択は、過度な実験
を行わずに、当該分野の技術者がなし得るものである。
【0407】PROポリペプチド免疫原をフロイント完
全アジュバントで乳化し、1−100μg量を、皮下も
しくは腹腔内注射して、Balb/cなどのマウスを免
疫化した。もしくは、免疫原は、MPI−TDMアジュ
バント(Ribi Immunochemical Re
search,Hamilton,MT)に乳化し、動
物の後足に注入した。次いで、10から12日後に、所
定のアジュバントに乳化させた追加免疫原を、免疫化さ
れたマウスに追加注射した。それから数週間後、再び、
マウスに追加免疫原を注射した。抗PROポリペプチド
抗体を検出するためのELISAアッセイ用に、血清試
料を、定期的にマウスから、後眼窩採血によって採取す
ることができる。
【0408】適切な抗体力価が検出された後、抗体に
「陽性」の動物に、PROポリペプチドの最後の静脈注
射を行うことができる。3から4日後、このマウスを屠
殺して、脾臓細胞を採取した。次いで、脾臓細胞を、例
えば、ATCC、No.CRL1597から利用できる
P3X63AgU.1などの選択された齧歯類の骨髄腫
細胞株に、(35%ポリエチレングリコールを用いて)
融合した。ハイブリドーマ細胞を融合により産出し、次
いで、非融合細胞、骨髄腫ハイブリッド、脾臓細胞ハイ
ブリッドの増殖を阻害するために、HAT(ヒポキサチ
ン、アミノプテリン、チミジン)培地を含む96ウェル
組織培養プレートに平板培養させることができる。
【0409】ハイブリドーマ細胞は、PROポリペプチ
ドに対する反応性についてELISAでスクリーニング
した。PROポリペプチドに対する所望のモノクローナ
ル抗体を分泌する「陽性」ハイブリドーマ細胞の確定
は、当該分野における技術範囲内である。
【0410】陽性ハイブリドーマ細胞は、抗PROポリ
ペプチドモノクローナル抗体を含む腹水を産生させるた
めに、同系のBalb/cマウスの腹腔内に注入させる
ことができる。あるいは、このハイブリドーマ細胞は、
組織培養フラスコもしくはローラーボトルで生育させる
こともできる。腹水中に産生されたモノクローナル抗体
の精製は、硫安沈殿、次いでゲル濾過クロマトグラフィ
ーを用いて行うことができる。あるいは、プロテインA
もしくはプロテインGに対する抗体の結合に基づいたア
フィニティークロマトグラフィーを用いることができ
る。
【0411】実施例25:キメラPROポリペプチド PROポリペプチドを、タンパク精製を容易にするため
に付加された1以上の付加ポリペプチドドメインを有す
るキメラタンパク質として発現させることができる。そ
のような精製を容易にするドメインは、限定されない
が、固相化された金属上での精製ができるヒスチジン−
トリプトファンモジュール、固相化されたイムノグロブ
リン上での精製ができるプロテインAドメイン、および
FLAGS TM伸長/アフィニティー精製システム(Im
munex Corp.,Seattle Wash)に
おいて利用されるドメインなどの金属錯体ペプチドを含
む。精製用ドメインとPROポリペプチド配列との間
に、Factor XAもしくはエンテロキナーゼ(I
nvitrogen)などの切断できるリンカー配列を
含むことは、PROポリペプチドをコードするDNAの
発現を促進するのに有用である。
【0412】実施例26: 特異抗体を用いたPROポ
リペプチドの精製 天然もしくはPROポリペプチドを、当該分野のタンパ
ク精製において標準的な様々な技術により精製すること
ができる。例えば、前駆PROポリペプチド、成熟PR
Oポリペプチドもしくは前PROポリペプチドを、興味
あるPROポリペプチドに対する特異抗体を用いたイム
ノアフィニティークロマトグラフィーによって精製す
る。一般に、イムノアフィニティーカラムは、抗PRO
ポリペプチド抗体の活性クロマトグラフィー樹脂との共
有結合によって構築される。
【0413】ポリクローナルイムノグロブリンは、免疫
された血清から、硫安沈殿もしくは固相化プロテインA
(Pharmacia LKB Biotechnolo
gy,Piscatway,N.J.)における精製の
どちらかによって調製した。同様に、モノクローナル抗
体は、マウス腹水液から、硫安沈殿もしくは固相化プロ
テインA上でのクロマトグラフィーによって調製した。
部分的に精製されたイムノグロブリンは、CnBr−活
性化SEPHAROSETM(Pharmacia LK
B Biotechnology)などのクロマトグラ
フィー樹脂に共有結合した。抗体を樹脂に結合させて樹
脂を保護し、修飾した樹脂を製造元の指示書に従って洗
浄した。
【0414】そのようなイムノアフィニティーカラム
は、PROポリペプチドを含む細胞から画分を可溶型で
調製することによって、PROポリペプチドの精製時に
使用し得る。この調製物は、全細胞もしくは界面活性剤
の添加によって遠心分離して得られた細胞画分の可溶
化、もしくは当該分野において公知の他の方法によって
得ることができる。もしくは、シグナル配列を含む可溶
性PROポリペプチドを、細胞が生育している培地中
に、有用量で分泌させることができる。
【0415】可溶性PROポリペプチド含有調製物は、
イムノアフィニティーカラムに通し、カラムは、PRO
ポリペプチドの好ましい吸光度となるような条件下(例
えば、界面活性剤含有高イオン強度緩衝液)で洗浄し
た。次いで、カラムは、抗体/PROポリペプチド結合
体が分離する条件下(例えば、約pH2−3などの低い
pH緩衝液、または尿素もしくはチオシアネートイオン
などの高濃度のカオトロープ)で溶出させ、PROポリ
ペプチドを回収した。
【0416】実施例27:薬剤スクリーニング 本発明は、様々な薬剤スクリーニング技術において、P
ROポリペプチドもしくはそれに結合するフラグメント
を用いた化合物のスクリーニングに一部有用である。そ
のような試験において用いられるPROポリペプチドも
しくはフラグメントは、溶液中に遊離、固形支持物に付
着、細胞表面上に産出、もしくは細胞内に局在させるこ
とができる。薬剤スクリーニングの一つの方法として、
PROポリペプチドもしくはフラグメントを発現する組
み換え核酸で安定的に形質転換した真核生物もしくは原
核生物の宿主細胞を用いる。そのような形質転換細胞に
対して、競合的結合アッセイにおいて、薬剤をスクリー
ニングする。そのような細胞は、生存もしくは固定され
た形態のどちらかで、標準的な結合アッセイに用いるこ
とができる。例えば、PROポリペプチドもしくはフラ
グメントと試薬との複合体形成を測定することができ
る。もしくは、試薬によって引き起こされる、PROポ
リペプチドと標的細胞もしくは標的受容体との複合体形
成の減少を測定することができる。
【0417】このように、本発明は、PROポリペプチ
ド−付随疾患もしくは障害に影響を及ぼし得る薬剤もし
くはその他の試薬のスクリーニング方法を提供するもの
である。これらの方法は、PROポリペプチドもしくは
そのフラグメントと、そのような試薬との接触、および
当該分野において公知の方法によって行う(I)試薬と
PROポリペプチドもしくはフラグメントとの複合体の
存在、もしくは(ii)PROポリペプチドもしくはフ
ラグメントと細胞との複合体の存在のアッセイを含む。
そのような競的合結合アッセイにおいて、典型的には、
PROポリペプチドもしくはフラグメントを標識する。
適切にインキュベーション後、遊離PROポリペプチド
もしくはフラグメントを、結合型から分離し、遊離もし
くは複合化していない標識量を、PROポリペプチドと
結合する、もしくはPROポリペプチド/細胞複合化を
妨げる試薬特有の性能の指標とする。
【0418】薬剤スクリーニングの他の技術は、ポリペ
プチドに対して好適な結合親和性を有する化合物の高ス
ループットスクリーニングを提供し、1984年、9月
13日に公開されたWO 84/03564に詳細に記
載されている。簡単に述べると、様々な小さいペプチド
試験化合物を大量に、固形支持物上、例えばプラスチッ
クピンなどの表面に合成させる。PROポリペプチドに
適用する時は、ペプチド試験化合物を、PROポリペプ
チドと反応させ、洗浄する。結合したPROポリペプチ
ドを、当該分野において公知の方法で検出する。また、
精製したPROポリペプチドを、前記薬剤スクリーニン
グ技術における使用のために、直接プレート上に被覆さ
せることができる。さらに、ペプチドを捕捉し、固形支
持物上に固相化するために、非中和抗体を使用すること
もできる。
【0419】また、本発明は、中和抗体が、PROポリ
ペプチド、もしくはそのフラグメントに結合する試験化
合物と競合して、特異的にPROポリペプチドと結合し
得る競合的薬剤スクリーニングアッセイの使用を意図す
る。この様式において、抗体は、PROポリペプチド
と、1以上の抗原決定基を共有するペプチドの存在を検
出するために使用することができる。
【0420】実施例28:合理的薬剤設計 合理的薬剤設計の目的は、生物学的に活性な興味あるポ
リペプチド(すなわち、PROポリペプチド)もしくは
それらと相互作用する低分子(例えば、アゴニスト、ア
ンタゴニスト、もしくはインヒビター)の構造類似体を
産出することである。これらの例は、PROポリペプチ
ドのより活性もしくは安定な形状、またはin viv
oでのPROポリペプチドの機能を増強する、もしくは
阻害する薬剤を作るために用いることができる(Hod
gson,Bio/Technology,9:19−
21(1991)参照)。
【0421】一つの方法において、PROポリペプチド
もしくはPROポリペプチド−インヒビター複合体の3
次元構造を、x線結晶学、コンピューターモデリング、
もしくはより典型的に、該2つの方法の組み合わせによ
って確定する。構造を解明し、分子の活性部位を決定す
るために、PROポリペプチドの形状と電荷を確定しな
ければならない。頻繁でないが、PROポリペプチドの
構造に関する有用な情報を、相同タンパク質の構造に基
づくモデリングによって得ることができる。両方の事例
において、関連する構造の情報が、類似するPROポリ
ペプチド様分子の設計もしくは効果的なインヒビターの
同定に用いられる。合理的薬剤設計の有用な実施例は、
BraxtonとWells、Biochemistr
y,31:7796−7801(1982)によって示
されているように、活性もしくは安定性が向上した、も
しくはAthaudaら、J.Biochem.,11
3:742−746(1993)によって示されている
ように、天然ペプチドのインヒビター、アゴニスト、も
しくはアンタゴニストとして作用する分子を含む。
【0422】また、上記のように選択した機能的アッセ
イによって、標的特異抗体を単離し、その結晶構造を解
明することができる。この方法は、おおむね、続く薬剤
設計の基礎となるファーマコアー(pharmacor
e)を産出する。機能的、薬学的に活性な抗体に対する
抗イディオタイプ抗体(anri−ids)を産出する
ことによって、タンパク質結晶学を完全に迂回すること
ができる。鏡像の鏡像なので、抗イディオタイプ抗体の
結合部位が、本来の受容体の類似体であると予想され
る。次いで、化学的もしくは生物学的に産出したペプチ
ドの貯蔵物から、ペプチドを同定および単離するため
に、抗イディオタイプ抗体を用いることができる。次い
で、単離したペプチドを、ファーマコアーとして作用さ
せる。
【0423】本発明によって、X線結晶学のような分析
的な研究を行うのに、十分量のPROポリペプチドを利
用することができるようになる。さらに、ここに提供さ
れるPROポリペプチドアミノ酸配列についての情報
は、X線構造学に代わる、もしくは加えて、コンピュー
ターモデリング技術を用いるための手引きを提供するも
のである。
【0424】実施例29: PRO241の軟骨からの
プロテオグリカンの遊離を刺激する性能 PRO241
の軟骨組織からのプロテオグリカンの遊離を刺激する性
能を、以下のように測定した。
【0425】生後4−6ヶ月のブタの中手指節関節を、
無菌的に切開し、関節軟骨を、注意深く下層の骨を除去
しながら、手で切り取った。軟骨を細かく刻み、95%
空気、5%CO2の湿潤環境下、0.1%BSAと10
0U/mlペニシリンと、100μgストレプトマイシ
ンを含む無血清(SF)培地(DMEM/F12 1:
1)中、24時間大量培養した。3回洗浄後、約100
mgの関節を、マイクロ遠心チューブに分注し、上記無
血清培地中、さらに24時間インキュベーションした。
次いで、PRO241ポリペプチドを、単独もしくは1
8ng/mlのインターロイキン−1α(公知の軟骨組
織からのプロテオグリカン遊離刺激因子)と組み合わせ
て、1%添加した。次いで、上清を回収し、1,9−ジ
メチルーメチレンブルー(DMB)比色定量アッセイ
(FarndaleとButtle、Biochem.
Biophys. Acta 883:173−177
(1985))を用いて、プロテオグリカン量をアッセ
イした。このアッセイにおける陽性結果は、測定したポ
リペプチドが、例えば、スポーツ関連関節損傷、関節軟
骨欠損、変形性関節症、もしくは慢性関節リウマチの治
療において用いられ得ることを示す。
【0426】PRO241ポリペプチドを上記アッセイ
で測定すると、ポリペプチドは、単独およびインターロ
イキン−1αと共に刺激後、および処置後24時間と7
2時間で、軟骨組織からのプロテオグリカンの遊離を顕
著に刺激し、このことから、PRO241ポリペプチド
が、軟骨組織からのプロテオグリカンの遊離を刺激する
ために有用であることが示された。
【0427】実施例30:In situ ハイブリダイ
ゼーション in situハイブリダイゼーションは、細胞もしく
は組織調製物内の核酸配列の検出と局在測定に強力かつ
用途の広い技術である。例えば、遺伝子の発現部位の同
定、転写の組織分布の分析、ウィルス感染の同定と局在
測定、特異的mRNA合成の変化の追跡および染色体マ
ップ作製を促進するのに有用である。
【0428】In situハイブリダイゼーション
は、LuとGillett、CellVision
1:169−176(1994)による以下の最適化さ
れた方法で、PCR−産生33P−標識化リボプローブを
用い行った。簡単には、ホルマリン固定し、パラフィン
包埋したヒト組織を、薄切し、脱パラフィン化し、プロ
テアーゼK(20g/ml)で15分間、37℃で除蛋
白し、さらに上記LuおよびGillettによって記
載されたように、In Situハイブリダイゼーショ
ンのためにさらに処理を行った。(33P)UTP−標識
化アンチセンスリボプローブを、PCR生成物から産生
し、55℃で一晩ハイブリダイズさせた。このスライド
を、Kodak NTB2核飛跡感光乳剤に浸し、4週
間露光させた。
【0429】33P−リボプローブの合成 6.0μl(125mCi)の33P−UTP(Amer
sham BF 1002, SA<2000Ci/mm
ol)を、急速真空乾燥させた。乾燥した33P−UTP
を含む各チューブに、下記成分を添加した: 2.0μl 5x転写緩衝液 1.0μl DTT(100mM) 2.0μl NTP 混合物(2.5mM:10μl:各
10mMGTP、CTP&ATP+10μl 水) 1.0μl UTP(50μM) 1.0μl Rnasin 1.0μl 鋳型DNA(1μg) 1.0μl 水 1.0μl RNAポリメラーゼ(通常、PCR生成物
T3=AS、T7=S)
【0430】該チューブを、37℃で1時間インキュベ
ーションした。1.0μl RQ1DNアーゼを添加
し、37℃で15分間インキュベーションした。90μ
lTE(10mM Tris pH 7.6 /1mM E
DTA pH8.0)を添加し、その混合液を、DE8
1紙上にピペットで移した。残った溶液をMicroc
on−50限外濾過ユニットに負荷し、プログラム10
(6分)を用いて遠心分離した。濾過ユニットを、第2
のチューブに入れ、プログラム2(3分)を用いて遠心
分離した。最終の回収遠心分離後、100μlTEを添
加した。次いで、1μlの最終生成物を、DE81紙上
にピペットで移し、6mlのBioflour IIで
カウントした。
【0431】プローブを、TBE/尿素ゲル上で泳動し
た。3μlのローディング緩衝液に、1−3μlのプロ
ーブもしくは5μlのRNA Mrk IIIを添加し
た。95℃のヒートブロック上で3分間加熱後、直ちに
ゲルを氷上に置いた。ゲルのウェルを平らにし、試料を
かけ、180−250ボルトで45分間泳動した。ゲル
をサランラップで包み、−70℃のフリーザー中、1時
間から一晩、増感紙を用いてXARフィルムに露光し
た。
【0432】33P−ハイブリダイゼーション A.凍結切片の調製 スライドを、フリーザーから取り出し、アルミニウムト
レイ上に置き、室温で5分間解凍させた。トレイを、凝
結を低減させるために、55℃のインキュベーター内に
5分間置いた。スライドを、ドラフト内の氷上の4%パ
ラホルムアルデヒド中で、10分間固定し、0.5xS
SCで5分間、室温で洗浄した(25ml 20xSS
C+975mlSQ H2O)。0.5μg/mlプロテ
アーゼK(10mg/ml保存液12.5μlを、予め
暖められたRNアーゼ−不含RNアーゼ緩衝液250m
lで希釈したもの)中で、10分間、37℃で除蛋白
後、切片を、室温で10分間、0.5xSSCで洗浄し
た。切片を、70%、95%、および100%エタノー
ル中で、各2分間ずつ脱水させた。
【0433】B.パラフィン包埋切片の前処理 スライドを、脱パラフィン化し、SQH2O中に置き、
2xSSCで、室温、各5分間ずつ、2回洗浄した。切
片を、ヒト胚芽組織の場合は、20μg/mlプロテア
ーゼK(10mg/ml保存液500μlをRNアーゼ
−不含RNアーゼ緩衝液250mlに希釈;37℃、1
5分)で、もしくはホルマリン組織切片の場合は、8x
プロテアーゼK(100μlをRnアーゼ緩衝液250
mlに希釈、37℃、30分)で除蛋白した。続けて
0.5xSSCでの洗浄、脱水を、上記のように行っ
た。
【0434】C.プレハイブリダイゼーション Box緩衝液(4xSSC、50%ホルムアミド)で飽
和させた濾紙を配列したプラスチック箱に、スライドを
配置した。組織を、50μlのハイブリダイゼーション
緩衝液(3.75g デキストラン硫酸+6mlSQH2
O)で覆い、渦動攪拌し、フタを緩めた状態で、マイク
ロ波で2分間加熱した。氷上で冷却した後、ホルムアミ
ド18.75ml、20xSSC3.75ml、および
SQH2O9mlを加え、組織を十分に渦動攪拌し、4
2℃で1−4時間インキュベーションした。
【0435】D.ハイブリダイゼーション 1スライド当たり、プローブ1.0x106cpmおよ
びtRNA(50mg/ml保存液)1.0μlを、9
5℃で3分間加熱した。スライドを氷上で冷却し、ハイ
ブリダイゼーション緩衝液48μlを1スライド当たり
加えた。渦動攪拌後、33P混合液50μlを、スライド
上のプレハイブリダイゼーション50μlに添加した。
該スライドを、55℃で一晩インキュベーションした。
【0436】E.洗浄 洗浄を、2xSSC、EDTAを用い、2x10分間、
室温で行い(20xSSC+0.25M EDTA16
ml、Vf=4L)、次いで、RNアーゼA処理を、3
7℃で30分間行った(10mg/ml保存液500μ
lをRnアーゼ緩衝液250mlで希釈=20μg/m
l)。スライドを、2x10分間、2xSSC、EDT
Aで、室温で洗浄した。ストリンジェントな洗浄条件
は、以下のようにした:55℃で2時間、0.1xSS
C、EDTA(20xSSC20ml+EDTA16m
l、Vf=4L)。
【0437】F.オリゴヌクレオチド In situ分析を、ここに示した様々なDNA配列
で行った。これらの分析に用いたオリゴヌクレオチド
は、以下の通りである。 (1)DNA44804−1248(PRO357) pl:5’−GGATTCTAATACGACTCAC
TATAGGGCTGCCCGCAACCCCTTCA
ACTG−3’(配列番号:104) p2:5’−CTATGAAATTAACCCTCAC
TAAAGGGACCGCAGCTGGGTGACCG
TGTA−3’(配列番号:105) (2)DNA52722−1229(PRO715) pl:5’−GGATTCTAATACGACTCAC
TATAGGGCCGCCCCGCCACCTCCT−
3’(配列番号:106) p2:5’−CTATGAAATTAACCCTCAC
TAAAGGGACTCGAGACACCACCTGA
CCCA−3’(配列番号:107) p3:5’−GGATTCTAATACGACTCAC
TATAGGGCCCAAGGAAGGCAGGAGA
CTCT−3’(配列番号:108) p4:5’−CTATGAAATTAACCCTCAC
TAAAGGGACTAGGGGGTGGGAATGA
AAAG−3’(配列番号:109) (3)DNA38113−1230(PRO327) pl:5’−GGATTCTAATACGACTCAC
TATAGGGCCCCCCTGAGCTCTCCCG
TGTA−3’(配列番号:110) p2:5’−CTATGAAATTAACCCTCAC
TAAAGGGAAGGCTCGCCACTGGTCG
TAGA−3’(配列番号:111) (4)DNA35917−1207(PRO243) pl:5’−GGATTCTAATACGACTCAC
TATAGGGCAAGGAGCCGGGACCCAG
GAGA−3’(配列番号:112) p2:5’−CTATGAAATTAACCCTCAC
TAAAGGGAGGGGGCCCTTGGTGCTG
AGT−3’(配列番号:113)
【0438】G.結果 In Situ分析を、ここに開示した様々なDNA配
列で行った。これらの分析結果は以下のようである。 (1)DNA44804−1248(PRO357) 胎児組織における骨形成部位と悪性骨肉腫細胞におい
て、低から中程度の発現。胎盤および腱においてかろう
じて検出できるシグナル。他の全組織は陰性。 試験した胎児の組織(E12−E16)は以下を含む:
肝臓、腎臓、副腎、肺、心臓、大脈管、食道、胃、脾
臓、性腺、脳、脊髄および体壁。 試験した成人の組織:肝臓、腎臓、胃、脾臓、副腎、膵
臓、肺、結腸腫瘍、腎細胞腫瘍および骨肉腫。アセトア
ミノフェン誘導肝障害、肝硬変。 試験したチンパンジーの組織は以下を含む:甲状腺、上
皮小体、リンパ節、神経、舌、胸腺、副腎、胃粘膜およ
び唾液腺。 アカゲザル:大脳と小脳。
【0439】(2)DNA52722−1229(PR
O715) 総合すると、高いシグナルが多くの組織に亘って認めら
れた−中でも高いシグナルが、胎盤、骨芽細胞、損傷し
た腎尿細管、損傷した肝臓、結腸直腸肝臓転移および胆
嚢で認められた。 試験した胎児の組織(E12−E16)は以下を含む:
胎盤、臍帯、肝臓、腎臓、副腎、甲状腺、肺、心臓、大
脈管、食道、胃、小腸、脾臓、胸腺、膵臓、脳、眼、脊
髄、体壁、骨盤および下肢。 試験した成人の組織:肝臓、腎臓、副腎、心筋層、大動
脈、肺、皮膚、軟骨肉腫、眼、胃、結腸、結腸腫瘍、前
立腺、膀胱粘膜および胆嚢。アセトアミノフェン誘導肝
障害、肝硬変。 試験したアカゲザル:大脳皮質(rm)、海馬(rm) 試験したチンパンジー:甲状腺、上皮小体、リンパ節、
神経、舌、胸腺、副腎、胃粘膜および唾液腺。
【0440】(3)DNA38113−1230(PR
O327) 高レベルの発現が、発育中のマウスとヒトの胎児の肺で
観察された。正常の成人の肺(気管支上皮を含む)は、
陰性であった。ヒト胎児気管の粘膜下組織で発現してお
り、筋肉細胞でかろうじて発現していた。また、ヒト胎
盤において組織発生が不確かである非栄養膜細胞におい
ても発現が認められた。マウスにおいては、発育中の鼻
および発育中の舌において観察された。他の全ての組織
は陰性であった。推定される機能:気管支発育において
の確かな機能。 試験した胎児の組織(E12−E16)は以下を含む:
胎盤、臍帯、肝臓、腎臓、副腎、甲状腺、肺、心臓、大
脈管、食道、胃、小腸、脾臓、胸腺、膵臓、脳、眼、脊
髄、骨盤および下肢。 試験した成体の組織は以下を含む:肝臓、腎臓、副腎、
心筋層、大動脈、脾臓、リンパ節、膵臓、肺、皮膚、大
脳(rm)、海馬(rm)、陰茎、眼、膀胱、胃、胃粘
膜、結腸、結腸腫瘍、甲状腺(チンパンジー)、上皮小
体(チンパンジー)、卵巣(チンパンジー)および軟骨
肉腫。 (4)DNA35917−1207(PRO243) コルネリア・ド・ランゲ症候群(Cornelia d
e Lange syndrome)(CdLS)は、先
天性の症候群である。それは、生まれた時から出現する
ことを意味する。CdLSは、身体、知能および言語の
発育遅延を引き起こす疾患である。CdLSを有する小
児の大多数は、軽度から重度におよぶ精神遅延の程度
で、精神的に遅延している。報告されたIQは、30か
ら85である。IQの平均値は53である。頭と顔の特
徴は、小さい頭、しばしば中央でつながっている薄い両
眉、長い睫毛、短い上唇、薄い下唇、低位置の耳と高い
弓なりの口蓋もしくは口蓋破裂を含む。他の特徴は、言
葉遅延(最も軽度な傷害においても)、遅延した発育と
低い身長、低い泣き声、小さい手足、内側に曲がった5
本の指、猿線、および多毛を含む。診断は、これらの特
徴の組み合わせの出現によって決まる。これらの特徴の
多くが、様々な程度で出現する。いくつかの事例におい
て、これらの特徴は、出現しないかもしれないし、とて
も軽度であるため、熟達した遺伝学者もしくはこの症候
群に習熟したその他の者によって観察された時のみ認識
されるかもしれない。CdLSについて多くのことが知
られているが、最近の報告では、より多くの研究される
べきことがあることが報告されている。
【0441】この研究において、ヒト胎児の顔、頭、四
肢およびマウス胎芽が試験された。マウス組織において
は、全く発現が認められなかった。発現は、アンチセン
スプローブでのみ認められた。
【0442】発現は、発育中の四肢および骨膜傍の間葉
細胞における顔骨に隣接して観察された。発現は、高特
異的であり、しばしば、血管新生している領域に隣接し
ていた。分布は、コルネリア・ド・ランゲ症候群におい
て観察された骨格異常と一致している。また、発現は、
発育時の一時的に胎児脳の後頭葉においても観察された
が、その他には観察されなかった。さらに、発現は、発
育中の内耳の神経節において認められた;この発見の有
意性は明らかではない。
【0443】これらのデータは、機能的な情報を提供す
るものではないが、分布は、この症候群に最も重篤な影
響を与えることが知られている部位に一致する。
【0444】さらに、わずかな発現が、大腿骨頭と寛骨
臼との間(股関節)に形成されている発育中の滑膜性連
結における割線に観察された。この発現パターンが、そ
の他の連結形成部位において観察されるのであれば、コ
ルネリア・ド・ランゲ症候群に観察される顔と四肢の異
常を説明できる。
【0445】実施例31: アフリカツメガエル卵母細
胞におけるPRO243 mRNAの活性 PRO243をコードするヒトchordinクローン
(DNA35917−1207)が、アフリカツメガエ
ルコルディン(chordin)とショウジョウバエsog遺伝
子によって推測されるように、機能し、作用することを
証明するために、DNA35917−1207から超ら
せん状のプラスミドDNAをQiagenによって調製
し、アフリカツメガエルの胚芽に注入するために用い
た。アフリカツメガエルのコルディンmRNAの腹側の
植物極割球へのマイクロインジェクションにより、第2
(2倍)軸を誘導し(Sasaiら、Cell 79:
779−790(1994))と、ショウジョウバエs
ogも、アフリカツメガエル胚芽の側腹位に異所的に発
現する時に、第2軸を誘導する(Holleyら、Na
ture 376:249−253(1995)と、S
chmidtら、Development 121:4
319−4328(1995))。アフリカツメガエル
卵母細胞において機能するsogの性能は、背腹軸 パ
ターン形成に含まれる過程が、進化時に保存されている
ことを示している。
【0446】方法 カエル胚芽の操作:成熟雌のカエルを、使用3日前に、
受胎している雌馬の血清2000I.U.を、および注
入前夜にヒトの絨毛性のゴナドトロピン800I.U.
をブースト(boost)した。翌朝、新鮮な卵母細胞を、
雌のカエルから搾取し、卵母細胞を、雄のカエルから切
開して取り出しミンチ状にした精巣と混合することによ
り、インビトロでの卵母細胞の受精を行った。Nieu
wkoopとFaber、Normal Table o
f Xenopus laevis,N.−H.P社監修
(Amsterdam,1967)に従って、胚芽の発
育を維持し、段階づけた。
【0447】受精した卵を、2%システイン(pH7.
8)で10分間脱ゼリー化させ、滅菌水で1回洗浄し、
5%Ficollを含む0.1xMBSに移した。受精
した卵を、インジェクショントレー上、5%Ficol
lを含む0.1xMBS中に配列した。2細胞期に発育
したアフリカツメガエル胚芽に、野生型chordin
(DNA35917−1207)を含むpRK5を20
0pg、もしくは対照として挿入物を含まないpRK5
を200pg注入した。注入した胚芽を、50mg/m
lゲンタマイシンを含む0.1xMBSに移した後、N
ieukwkoopki37−38に到達するまで、ト
レー上でさらに6時間保持した。
【0448】結果:ヒトchordin cDNAを単
一の割球に注入したところ、おたまじゃくしの側腹にな
った。おたまじゃくしの側腹は、尾が短くねじれ、セメ
ント腺が拡張して見える。ヒトchordinのアフリ
カツメガエルにおける側腹剤として機能する性能は、D
NA35917−1207によってコードされたタンパ
ク質が、カエルにおける背腹パターン形成に機能、かつ
影響を及ぼすことを示し、そして、腹側パターン形成に
おいて含まれる過程が、進化時に保存されていて、作用
機構がヒト、ハエおよびカエルの間で共通に保存されて
いることが提示するものである。
【0449】材料の寄託 以下の材料は、American Type Cultu
re Collection,12301 Parkla
wn Drive,Rockville,MD,USA
(ATCC)に寄託されている: 材料 ATCC寄託番号 寄託日 DNA34392−1170 ATCC209526 1997年12月10日 DNA35917−1207 ATCC209508 1997年12月 3日 DNA39976−1215 ATCC209524 1997年12月10日 DNA35595−1228 ATCC209528 1997年12月10日 DNA38113−1230 ATCC209530 1997年12月10日 DNA34436−1238 ATCC209523 1997年12月10日 DNA40592−1242 ATCC209492 1997年11月21日 DNA44176−1244 ATCC209532 1997年12月10日 DNA44192−1246 ATCC209531 1997年12月10日 DNA39518−1247 ATCC209529 1997年12月10日 DNA44804−1248 ATCC209527 1997年12月10日 DNA52722−1229 ATCC209570 1998年 1月 7日 DNA41234−1242 ATCC209618 1998年 2月 5日 DNA45410−1250 ATCC209621 1998年 2月 5日 DNA46777−1253 ATCC209619 1998年 2月 5日
【0450】これらの寄託物は、特許手続上の微生物の
寄託の国際的承認に関するブダペスト条約の規定および
それに基づく規則の下で行われた(ブダペスト条約)。
これは、寄託日から30年間、寄託物の生存可能な培養
物の維持を保証する。寄託物はブダペスト条約の下でA
TCCにより入手可能であり、Genentech社と
ATCCとの間の合意を得ることを条件として、直接関
係する米国特許の発行、もしくは米国またはその他の国
の早い方の特許出願の公開に基づいて、公衆に寄託物の
培養物の子孫の永久的かつ無制限の利用可能性を保証
し、そして、その子孫の入手を、米国特許法第122条
およびそれに準ずる長官規則(特に886OG638に
関して米国特許法施行規則§1.14を含む)に従って
付与される米国特許商標庁長官によって定められた者に
保証する。
【0451】本願の譲受人は、寄託物の培養物が適切な
条件下で培養された場合に死滅または損なわれた場合に
は、この材料を速やかに同一物で置き換えることに同意
した。寄託材料の利用可能性は、その国の特許法に従っ
て政府の権力の下に付与された権利に違反して本発明を
実施するライセンスとして解釈されない。
【0452】上記明細書は、当業者が本発明を十分に実
施できるものと解する。寄託された実施態様は、本発明
の一部の態様の単なる例示に過ぎないこと、並びに、機
能的に均等なあらゆる構成物が本発明の範囲に含まれる
ことから、本発明は、寄託された構築物により、範囲が
制限されるものではない。ここに言う材料の寄託は、上
記記述が、その最良の形態を含めた本発明のあらゆる態
様の実施を可能にするのに不適切であることの承認、あ
るいは、それが示す特定の例示に請求の範囲を限定する
と解釈されるとの承認を構成するものではない。実際
に、ここに記載または示されたものに加えて、本発明の
種々の変更が、上記記載から当業者にとって明白にな
り、添付された請求の範囲内に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、天然配列PRO241cDNAのヌ
クレオチド配列(配列番号:1)を示し、配列番号:1
は、「UNQ215」及び/又は「DNA34392-
1170」とここで称したクローンである。
【図2】 図2は、図1に示した配列番号:1のコード
配列から得られたアミノ酸配列(配列番号:2)を示
す。また図2中には、推定シグナルペプチド、潜在ロイ
シンジッパー領域及び潜在N-グリコシル化部位の位置
も提供される。
【図3】 図3は、天然配列PRO243cDNAのヌ
クレオチド配列(配列番号:6)を示し、配列番号:6
は、「UNQ217」及び/又は「DNA35917-
1207」とここで称したクローンである。
【図4】 図4は、図3中に示した配列番号:6のコー
ド配列から得られたアミノ酸配列(配列番号:7)を示
す。
【図5】 図5は、ヒト染色体3q27-q28のTHP
O領域中のゲノムクローンの形成を示す。
【図6】 図6は、ヒト成人及び胎児組織の発現を示
す。6Aは、ヒトコルディン(chordin)(PRO24
3)プローブにハイブリダイズした成人及び胎児組織の
ノーザンブロットである。下方パネルはアクチン対照を
示す。6Bは、示される保存システインブロックをコー
ドしているコドンの位置とともにヒトコルディン(PR
O243)cDNAの図である。用いたプローブの範囲
は、実線によって示される。
【図7】 図7は、大腿骨頭と寛骨臼との間に形成され
る発育途上の滑膜性の連結の割線において陽性シグナル
を与える成人組織のPRO243in situハイブリダイ
ゼーションを示す。
【図8】 図8は、天然配列PRO299cDNAのヌ
クレオチド配列(配列番号:14)を示し、配列番号:
14は「UNQ262」及び/又は「DNA39976
-1215」とここで称したクローンである。
【図9】 図9は、図8に示した配列番号:14のコー
ド配列から得られたアミノ酸配列(配列番号:15)を
示す。
【図10】 図10は、DNA28847(配列番号:
18)とここで称したヌクレオチド配列を示す。
【図11】 図11は、DNA35877(配列番号:
19)とここで称したヌクレオチド配列を示す。
【図12】 図12は、天然配列PRO323cDNA
のヌクレオチド配列(配列番号:23)を示し、配列番
号:23は、「UNQ284」及び/又は「DNA35
595-1228」とここで称したクローンである。
【図13】 図13は、図12に示した配列番号:23
のコード配列から得られたアミノ酸配列(配列番号:2
4)を示す。
【図14】 図14は、PRO323-融合ポリペプチド
とIgG定常ドメインの部分との間のキメラ融合タンパ
ク質のヌクレオチド配列(ヌクレオチド79−141
6)を含む一本鎖ヌクレオチド配列(配列番号:29)
を示し、該キメラ融合タンパク質は「PRO454」と
ここで称した。PRO323/IgG融合タンパク質
(PRO454)をコードしている一本鎖ヌクレオチド
配列(配列番号:29)は、「DNA35872」とこ
こで称した。
【図15】 図15は、図14に示したヌクレオチド配
列のヌクレオチド79−1416から得られたアミノ酸
配列(配列番号:30)を示す。PRO323-誘導配
列とIgG-誘導配列との間のPRO454アミノ酸配
列における連結は、該図中のアミノ酸415−416の
間と思われる。
【図16】 図16は、天然配列PRO327cDNA
のヌクレオチド配列(配列番号:31)を示し、配列番
号:31は、「UNQ327」及び/又は「DNA38
113-1230」とここで称したクローンである。
【図17】 図17は、図16に示した配列番号:31
のコード配列から得られたアミノ酸配列(配列番号:3
2)を示す。
【図18】 図18は、天然配列PRO233cDNA
のヌクレオチド配列(配列番号:36)を示し、配列番
号:36は「UNQ207」及び/又は「DNA344
36-1238」とここで称したクローンである。
【図19】 図19は、図18に示した配列番号:36
のコード配列から得られたアミノ酸配列(配列番号:3
7)を示す。
【図20】 図20は、天然配列PRO344cDNA
のヌクレオチド配列(配列番号:41)を示し、配列番
号:41は、「UNQ303」及び/又は「DNA40
592-1242」とここで称したクローンである。
【図21】 図21は、図20に示した配列番号:41
のコード配列から得られたアミノ酸配列(配列番号:4
2)を示す。
【図22】 図22は、天然配列PRO347cDNA
のヌクレオチド配列(配列番号:49)を示し、配列番
号:49は、「UNQ306」及び/又は「DNA44
176-1244」とここで称したクローンである。
【図23】 図23は、図22に示した配列番号:49
のコード配列から得られたアミノ酸配列(配列番号:5
0)を示す。
【図24】 図24は、天然配列PRO354cDNA
のヌクレオチド配列(配列番号:54)を示し、配列番
号:54は、「UNQ311」及び/又は「DNA44
192-1246」とここで称したクローンである。
【図25】 図25は、図24に示した配列番号:54
のコード配列から得られたアミノ酸配列(配列番号:5
5)を示す。
【図26】 図26は、天然配列PRO355cDNA
のヌクレオチド配列(配列番号:60)を示し、配列番
号:60は、「UNQ312」及び/又は「DNA39
518-1247」とここで称したクローンである。
【図27】 図27は、図26に示した配列番号:60
のコード配列から得られたアミノ酸配列(配列番号:6
1)を示す。
【図28】 図28は、天然配列PRO357cDNA
のヌクレオチド配列(配列番号:68)を示し、配列番
号:68は、「UNQ314」及び/又は「DNA44
804-1248」とここで称したクローンである。
【図29】 図29は、図28に示した配列番号:68
のコード配列から得られたアミノ酸配列(配列番号:6
9)を示す。
【図30】 図30は、天然配列PRO715cDNA
のヌクレオチド配列(配列番号:75)を示し、配列番
号:75は、「UNQ383」及び/又は「DNA52
722-1229」とここで称したクローンである。
【図31】 図31は、図30に示した配列番号:75
のコード配列から得られたアミノ酸配列(配列番号:7
6)を示す。
【図32】 図32は、ヒト腫瘍壊死因子-α(TNFA
_ヒト)(配列番号:77)と、DNA52722-1
229のヌクレオチド114−863から得られたアミ
ノ酸配列(配列番号:76)との比較を示す。同じアミ
ノ酸は箱で囲んだ。
【図33】 図33は、DNA52722-1229のヌ
クレオチド114−863から得られたアミノ酸配列
(配列番号:76)とタンパク質の腫瘍壊死ファミリー
の各種のメンバーの配列(配列番号:78−84)との
比較を示す。同じアミノ酸は箱で囲った。
【図34】 図34は、天然配列PRO353cDNA
のヌクレオチド配列(配列番号:85)を示し、配列番
号:85は、「UNQ310」及び/又は「DNA41
234-1242」とここで称したクローンである。
【図35】 図35は、図34に示した配列番号:85
のコード配列から得られたアミノ酸配列(配列番号:8
6)を示す。
【図36】 図36は、天然配列PRO361cDNA
のヌクレオチド配列(配列番号:90)を示し、配列番
号:90は、「UNQ316」及び/又は「DNA45
410-1251」とここで称したクローンである。
【図37】 図37は、図36に示した配列番号:90
のコード配列から得られたアミノ酸配列(配列番号:9
1)を示す。
【図38】 図38は、天然配列PRO365cDNA
のヌクレオチド配列(配列番号:98)を示し、配列番
号:98は、「UNQ320」及び/又は「DNA46
777-1253」とここで称したクローンである。
【図39】 図39は、図38に示した配列番号:98
のコード配列から得られたアミノ酸配列(配列番号:9
9)を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 1/21 C12P 21/02 C 5/10 C12N 15/00 ZNAA C12P 21/02 5/00 B (31)優先権主張番号 60/069,278 (32)優先日 平成9年12月11日(1997.12.11) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/069,425 (32)優先日 平成9年12月12日(1997.12.12) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/069,696 (32)優先日 平成9年12月16日(1997.12.16) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/069,694 (32)優先日 平成9年12月16日(1997.12.16) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/069,702 (32)優先日 平成9年12月16日(1997.12.16) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/069,870 (32)優先日 平成9年12月17日(1997.12.17) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/069,873 (32)優先日 平成9年12月17日(1997.12.17) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/068,017 (32)優先日 平成9年12月18日(1997.12.18) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/070,440 (32)優先日 平成10年1月5日(1998.1.5) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/074,086 (32)優先日 平成10年2月9日(1998.2.9) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/074,092 (32)優先日 平成10年2月9日(1998.2.9) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/075,945 (32)優先日 平成10年2月25日(1998.2.25) (33)優先権主張国 米国(US) (72)発明者 オードレイ・ゴッダード アメリカ合衆国・カリフォルニア・ 94131・サン・フランシスコ・コンゴ・ス トリート・110 (72)発明者 オースティン・エル・ガーニー アメリカ合衆国・カリフォルニア・ 94002・ベルモント・ワン・デビー・レー ン(番地なし) (72)発明者 ジーン・ユアン アメリカ合衆国・カリフォルニア・ 94403・サン・マテオ・ウエスト・サーテ ィーセヴンス・アヴェニュー・176 (72)発明者 ケヴィン・ピー・ベイカー アメリカ合衆国・メリーランド・20878・ ダーンスタウン・インディアン・ラン・ド ライブ・14006 (72)発明者 ジャン・チェン アメリカ合衆国・ニュー・ジャージー・ 08540・プリンストン・ヨーク・ドライ ブ・121 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA11 BA80 CA04 CA07 CA09 DA02 DA06 DA12 EA04 GA11 GA18 GA19 HA03 HA08 HA14 4B064 AG01 CA02 CA06 CA10 CA19 CC24 DA01 DA13 4B065 AA26X AA72X AA90X AA93Y AB01 AC14 BA02 CA24 CA44 CA46 4H045 AA10 AA20 BA10 BA41 CA40 DA75 EA20 EA50 FA72 FA74

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 図4(配列番号:7)に示したアミノ酸
    配列を含むポリペプチドをコードするヌクレオチド配列
    に少なくとも80%配列同一性を有している単離した核
    酸。
  2. 【請求項2】 上記ヌクレオチド配列が、図3(配列番
    号:6)又はその相補体からなる群から選択されるヌク
    レオチド配列を含む請求項1記載の核酸。
  3. 【請求項3】 上記ヌクレオチド配列が、図3(配列番
    号:6)に示した配列の全長コード配列、又はその相補
    体からなる群から選択されるヌクレオチド配列を含む請
    求項1記載の核酸。
  4. 【請求項4】 受託番号ATCC209508の下に寄
    託したDNAの全長コード配列を含む単離した核酸。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の核酸を含むベクター。
  6. 【請求項6】 該ベクターで形質転換した宿主細胞によ
    り認識される制御配列に操作可能に結合した請求項5記
    載のベクター。
  7. 【請求項7】 請求項5記載のベクターを含む宿主細
    胞。
  8. 【請求項8】 上記細胞がCHO細胞である請求項7記
    載の宿主細胞。
  9. 【請求項9】 上記細胞が大腸菌である請求項7記載の
    宿主細胞。
  10. 【請求項10】 上記細胞が酵母細胞である請求項7記
    載の宿主細胞。
  11. 【請求項11】 PROポリペプチドの製造方法であ
    り、上記PROポリペプチドの発現のために好適な条件
    下で請求項7記載の宿主細胞を培養すること及びその細
    胞培養物からPROポリペプチドを回収することを含む
    方法。
  12. 【請求項12】 図4(配列番号:7)に示したアミノ
    酸配列に少なくとも80%配列同一性を有している単離
    した天然配列PROポリペプチド。
  13. 【請求項13】 受託番号ATCC209508の下に
    寄託したヌクレオチドによってコードされたアミノ酸配
    列に少なくとも80%配列同一性を有する単離したPR
    Oポリペプチド。
  14. 【請求項14】 異種アミノ酸配列に融合した請求項1
    2記載のポリペプチドを含むキメラ分子。
  15. 【請求項15】 上記異種アミノ酸配列が、エピトープ
    標識配列である請求項14記載のキメラ分子。
  16. 【請求項16】 上記異種アミノ酸配列が、免疫グロブ
    リンのFc領域である請求項14記載のキメラ分子。
  17. 【請求項17】 図4(配列番号:7)に示したアミノ
    酸配列を含む、単離された天然PROポリペプチド24
    3。
  18. 【請求項18】 図4(配列番号:7)の残基24乃至
    954を含むアミノ酸配列を含む、天然シグナル配列を
    含まない単離された天然PROポリペプチド243。
  19. 【請求項19】 図4(配列番号:7)の残基2乃至9
    54を含むアミノ酸配列を含む、開始メチオニンを含ま
    ない単離された天然PROポリペプチド241。
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