JP3786909B2 - ポリペプチド及び同じものをコードしている核酸 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は概して、新規のDNAの同定及び単離、並びに当該DNAによりコードされる新規のポリペプチドの組換え体製造に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】
細胞外タンパク質は、多細胞生物の形成、分化、及び維持に重要な役割を演じている。多くの個々の細胞の成り行き、たとえば増殖、移行、分化又は他の細胞との相互作用は、典型的には他の細胞及び/又は隣接した環境からの情報によって決定されている。この情報は分泌されるポリペプチド(例えば分裂促進因子、生存因子(survival factors)、細胞毒性因子、分化因子、神経ペプチド、ホルモン)により伝達されることが多いが、これは次に多様な細胞レセプター又は膜結合性タンパク質により受容されて翻訳される。これら分泌されたポリペプチド又は信号伝達分子は通常、細胞性の分泌経路を通って、細胞外環境の自身の活性部位に到達する。
【0003】
分泌されたタンパク質には種々の工業的適用性があるが、これには薬剤、診断、バイオセンサー、及びバイオリアクターが含まれる。現在入手可能なタンパク質薬剤の多く、例えば血栓溶解薬、インターフェロン、インターロイキン、エリスロポエチン、コロニー形成活性化因子、及び他の種々のサイトカインは、分泌性のタンパク質である。これらのレセプターは膜タンパク質であるが、これは治療剤又は診断薬としての可能性を有している。産業界及び学術界の双方ともに、新規の天然の分泌性タンパク質を同定する努力を行っている。多くの研究においては、哺乳動物の組換えDNAライブラリーをスクリーニングして、新規の分泌性タンパク質のコード配列を同定することに焦点をあてている。スクリーニングの方法及び技術の例は、文献に記載されている(例えば、Kleinら, Proc.Natl.Acad,Sci.,93:7108-7113(1996); 米国特許第5536637号を参照)。
【0004】
膜に結合したタンパク質及びレセプターは、多細胞生物の形成、分化、及び維持において重要な役割を演じている。多くの個々の細胞の成り行き、たとえば増殖、移行、分化又は他の細胞との相互作用は、典型的には他の細胞及び/又は隣接した環境からの情報によって決定されている。この情報は分泌されるポリペプチド(例えば分裂促進因子、生存因子(survival factors)、細胞毒性因子、分化因子、神経ペプチド、ホルモン)により伝達されることが多いが、これは次に多様な細胞レセプター又は膜結合性タンパク質により受容されて解釈される。このような膜に結合したタンパク質及び細胞レセプターには、サイトカインレセプター、レセプターキナーゼ、レセプターホスファターゼ、細胞-細胞相互作用に関与するレセプター、及びセレクチンやインテグリン等の細胞付着分子が含まれるが、これらには限定されない。例えば、細胞の増殖及び分化を制御する信号の変換は、一部には種々の細胞性タンパク質のリン酸化により制御されている。プロテインチロシンキナーゼは、そのプロセスを触媒する酵素であるが、これはまた増殖因子レセプターとしても作用する。実例には、線維芽細胞増殖因子レセプター、及び神経増殖因子レセプターが含まれる。
【0005】
膜に結合したタンパク質及びレセプター分子には、種々の工業的適用性があり、これには薬剤及び診断薬が含まれる。レセプター免疫付着因子は例えば、レセプター−リガンド相互作用を阻止する治療薬として使用することができる。膜に結合したタンパク質はまた、関連したレセプター/リガンド相互作用の潜在的なペプチド性又は小分子性の阻害剤のスクリーニングに使用することができる。産業界及び学術界の双方ともに、新規の天然のレセプタータンパク質を同定する努力をしている。これらの研究の多くは、哺乳動物の組換えDNAライブラリーをスクリーニングして新規のレセプタータンパク質のコード配列を同定することに焦点を当てている。
【0006】
本願では、新規の分泌性及びトランスメンブレンポリペプチド、並びに当該ポリペプチドをコードする新規の核酸の同定及び特徴付けを記載する。
【0007】
1.PRO241
軟骨組織は、コラーゲン繊維のネットワークが密であり、プロテオグリカンが高含量の大型の細胞外マトリックスを有する特殊な結合組織である。軟骨組織中のプロテオグリカンの大部分は、アグリカン(aggrecan)であるが、これには多くの硫酸コンドロイチン及び硫酸ケラチンの鎖が含まれていて、連結タンパク質でヒアルロナン(hyaluronan)に結合することにより多分子凝集物を形成するが、一方、軟骨組織にはまた、数多くの小分子量のプロテオグリカンが含まれている。これらの小分子量プロテオグリカンのうちの一つは、ビグリカン(biglycan)と呼ばれるタンパク質であるが、これは他の種々の軟骨組織(腱、強膜、皮膚等が含まれる)の細胞外マトリックスに広く分布しているプロテオグリカンである。ビグリカンは、ロイシン富反復配列と、二つの硫酸コンドロイチン/硫酸デルマタン鎖であって、フィブロネクチンの細胞結合性領域に結合してそれへの細胞付着を阻害する機能があることが知られている。ビグリカン等の小分子量プロテオグリカンが、軟骨組織の増殖及び/又は修復、並びに関節炎等の縮退性疾患において重要な役割を演じていることが推論されている。このようにして、ビグリカンに対しての相同性を有する新規のポリペプチドを同定して特徴づけることに興味が持たれている。
【0008】
本願では、ビグリカンに対する相同性を有する新規のポリペプチドを同定及び特徴付けすることを記載するが、ここではそのポリペプチドをPRO241ポリペプチドと呼ぶ。
【0009】
2.PRO243
(アフリカツメガエルの)コルディン(chordin)(Xchr)は、潜在的に背側化(dorsalizing)活性を有しているシュペーマン編成原(Spermann organizer)により分泌される可溶性因子である(Sasaiら、Cell 79:779-90(1994);Sasaiら、Nature 376:333-36(1995))。その編成原により分泌される他の背側化因子には、ノギン(noggin)(SmithとHarlan,Cell 70:829-840(1992) Lambら、Science 262:713-718(1993))及びフォリスタチン(follistatin)(Hemmanti-Brivanlouら、Cell 77:283-295(1994))がある。コルディンは、原始外胚葉を、神経対非神経領域に細分化して、中胚葉の背側化により脊索形成及び筋形成を誘導する。これは、腹側化性(ventralizing)BMP−4シグナルのアンタゴニストとして機能することにより起こる。この阻害は、コルディンが細胞外空間においてBMP−4に直接的に結合することにより介在されるが、それによってBMP−4によるBMP−4レセプターの活性化を阻止する(Piccoloら、Develop.Biol.182:5-20(1996))。
【0010】
BMP−4は、胚の腹側から勾配がかかって発現しているが、一方、コルディンは、BMP−4のものとは相補的な勾配で発現している。コルディンはBMP−4を拮抗して、BMP−4勾配の低い側の末端を確立する。従って、コルディンからのシグナル、及び他の編成原により誘導される因子の間の釣り合いと、BMPシグナルとの対比によって、外胚葉性胚葉が、その腹側−背側位置情報とともに提供される。コルディンはまた、中枢神経系の腹側−背側パターン形成にも関与することがある(Sasaiら、Cell 79:779-90(1994))。これは更に、前方神経組織(前脳タイプ)を排他的に誘導し、これにより神経タイプを前方化(anteriorizing)する(Sasaiら、Cell 79:779-90(1997))。ニューロンの誘導とパターン形成において関与するので、コルディンは神経退行性疾患、及び神経損傷、例えば外傷によるもの、又は化学療法後におけるものの治療に有益であるかもしれない。
【0011】
本願では、コルディンに相同性のある新規のポリペプチドの同定及び特徴付けを記載するが、ここでは当該ポリペプチドをPRO243ポリペプチドと称す。
【0012】
3.PRO299
切痕(notch)タンパク質は、発生におけるシグナリングに関与する。このタンパク質は非対称な発生のポテンシャルに影響し、発生に関与する他のタンパク質の発現の引き金となる(Robey,E.,Curr.Opin.Genet.Dev.,7(4):551(1997),Simpson,P.,Curr.Opin.Genet.Dev.7(4):537(1997),Blobel,CP.,Cell 90(4):589(1997),Nakayama, H.ら、Dev.Genet.,21(1):21(1997),Nakayama H.ら、Dev.Genet.,21(1):21(1997),Sullivan,S.A.ら、 Dev. Genet., 20(3):208 (1997),及びHayashi, H.ら、Int.J.Dev.Biol.,40(6):1089(1996)を参照)。切痕のセラーテ(Serrate)介在性活性化が、ショウジョウバエの翅の成虫盤の背側区画において観察されている(Flemingら、Development,124(15):2973(1997))。切痕は、発生における役割、及びシグナリング能力の両方において興味深い。発生及び/又はシグナリングにおいて役割を有する新規のポリペプチドもまた、興味深い。
【0013】
本願では、切痕タンパク質に相同性のある新規のポリペプチドの同定及び特徴付けを記載するが、ここではそのポリペプチドをPRO299ポリペプチドと称す。
【0014】
4. PRO323
ジペプチダーゼは、非常に多様な異なるジペプチドを開裂する酵素性タンパク質であって、哺乳動物及び哺乳動物以外の生物において非常に重要な数多くの生物学的プロセスに関与するものである。多様な異なる哺乳動物及び哺乳動物以外の生物から、数多くの異なるジペプチダーゼが同定され、また特徴付けられている。哺乳動物のジペプチダーゼは、数多くの生物学的プロセスにおいて重要な役割を有するが、これには例えば、タンパク質の消化、活性化、不活化、又はジペプチドホルモン活性の調節、並びにタンパク質及び酵素の物理的特徴の変化が含まれる。
【0015】
ジペプチダーゼ酵素が有する重要な生理学的役割に鑑み、産業界及び学術界の双方は、新規の天然のジペプチダーゼの相同物を同定する努力をしている。多くの研究においては、哺乳動物の組換えDNAライブラリーをスクリーニングして、新規の分泌性且つ膜結合型のレセプタータンパク質のコード配列を同定することに焦点をあてている。スクリーニングの方法及び技術の例が、文献に記載されている(例えばKleinら、Proc.Natl.Acad.Sci.,93:7108-7113(1996) ; 米国特許第5536637号を参照)。
【0016】
本願では、種々のジペプチダーゼ酵素に相同性である新規のポリペプチドであるPRO323ポリペプチドの同定及び特徴付けを記載する。
【0017】
5.PRO327
下垂体前葉ホルモンプロラクチンは、数多くの成長ホルモン/プロラクチン/胎盤性ラクトゲンの遺伝子ファミリーによりコードされている。哺乳動物においてはプロラクチンは主として、乳汁分泌及び乳腺の発達の原因となっている。プロラクチンは、遺伝子転写及びmRNAの半減期の双方を増大することにより乳タンパク質の遺伝子発現を刺激するように機能する。
【0018】
プロラクチンタンパク質の生理学的影響は、プロラクチンが細胞表面のプロラクチンレセプターに結合する能力を通じて介在される。プロラクチンレセプターは、種々の異なる細胞種において見られ、また約40000の分子量を有し、ジスルフィド結合により、それ自身又は他のサブユニットとは明らかに結合していない。プロラクチンレセプターのレベルは、研究対象の組織に応じて異なった制御のされかたをしている。
【0019】
細胞表面レセプター分子は、インビボで重要な生理学的役割を有するので、産業界及び学術界はともに新規の天然の膜結合性レセプタータンパク質を同定することに現在注力しているが、この中にはプロラクチンレセプターと相同性のある配列を有すものが含まれる。これらの研究の多くは、哺乳動物の組換えDNAライブラリーをスクリーニングして、新規の膜結合性レセプタータンパク質のコード配列を同定することに焦点をあてている。スクリーニングの方法及び技術の例は、文献に記載されている(例えばKleinら、Proc.Natl.Acad.Sci.,93:7108-7113(1996); 米国特許第5536637号を参照)。
【0020】
本願では、プロラクチンレセプタータンパク質に高い相同性を示す新規のポリペプチドであるPRO327ポリペプチドの同定及び特徴付けを記載する。
【0021】
6.PRO233
細胞の酸化還元状態が細胞の成り行きに関しての重要な決定要素であることが研究報告されている。更に、反応性の酸素種が、細胞毒性であって炎症性疾患を引き起こすが、これには組織の壊死、器官不全、アテローム性動脈硬化症、不妊症、出生時欠損、早期老化、突然変異及び悪性腫瘍が含まれる。従って、酸化と還元の制御は、数多くの理由により重要であるが、これには卒中、心臓発作、酸化ストレス及び高血圧症を制御及び予防することが含まれる。
【0022】
酸素のフリーラジカル及び抗酸化剤は、脳虚血及び再潅流後の中枢神経系において重要な役割を有することがわかっている。更に、心臓障害は、虚血及び再潅流に関係付けられるが、これはフリーラジカルの作用により引き起こされることが報告されている。この点において、還元酵素、特にはオキシドレダクターゼは興味深いものである。更に、転写因子、NF−カッパB及びAP−1は酸化還元状態により制御され、AIDS、癌、アテローム性動脈硬化症、及び糖尿病合併症の病原性に関与すると考えられている多様な遺伝子の発現に影響することが知られている。この主題について更に記載している刊行物には、Kelseyら、Br.J.Cancer,76(6):852-854(1997); FriedrichとWeiss, J.Theor.Biol.,187(4):529-540(1997); Pieulleら、J.Bacteriol.,179(18):5684-5692(1997)が含まれる。インビボでの酸化還元反応の生理学的重要性に鑑み、酸化還元反応に関与する新規の天然のタンパク質を同定する研究が現在進行中である。本願では、酸化還元酵素に相同性である新規のポリペプチドであって、PRO233ポリペプチドと本願で称するものの同定及び特徴付けを記載する。
【0023】
7.PRO344
補体タンパク質は、血清タンパク質の大きな群を具備するが、その中のいくつかは酵素カスケードにおいて活性であり、炎症に関与するエフェクター分子を産生する。この補体タンパク質は、炎症に関与する細胞の移行と機能を制御することにおいて生理学的に特に重要である。炎症及びインビボでの関連した機構の生理学的重要性に鑑み、炎症に関与する新規の天然のタンパク質を同定する研究が現在進行中である。本願では、補体タンパク質に相同性がある新規のポリペプチドであって、本願でPRO344ポリペプチドと称するものの同定及び特徴付けについて記載する。
【0024】
8.PRO347
システイン富タンパク質は一般には、複雑な三次元構造を有し、及び/又はジスルフィド架橋を形成することが可能な数多くのシステイン残基が存在することにより多量体として存在するタンパク質である。
【0025】
9.PRO354
インター-アルファ-トリプシンインヒビター(ITI)は、多くの哺乳動物の種において見られる、大型(Mrがほぼ240000)の循環性プロテアーゼインヒビターである。この無傷のインヒビターは糖タンパク質であり、強力なグリコサミノグリカン結合により相互作用する3つのグリコシル化サブユニットからなる。ITIの抗-トリプシン活性は、複合体の最小のサブユニット(即ち軽鎖)に位置するが、ここで軽鎖は現在、ビクニン(bikunin)として知られている。成熟した軽鎖は、21アミノ酸のN末端配列からなり、Ser-10でグリコシル化され、その後にタンデムなカニッツ(Kunitz)タイプの領域が二つあって、そのうちの最初のものはAsn-45でグリコシル化されていて、そのうちの第二のものはトリプシン、キモトリプシン、及びプラスミンを阻害することができる。ITI複合体の残りの二つの鎖は、当該複合体の酵素的に活性な軽鎖と相互作用するように機能する重鎖である。
【0026】
産業界及び学術界はともに、新規の天然のタンパク質を同定する研究を行っている。多くの研究は、哺乳動物の組換えDNAライブラリーをスクリーニングして、新規の分泌性、且つ膜結合型のレセプタータンパク質のコード配列を同定することに焦点をあてている。スクリーニングの方法及び技術は、文献に記載されいている(例えばKleinら、Proc.Natl.Acad.Sci.,93:7108-7113(1996);米国特許第5536637号を参照)。本願では、ITI重鎖に高い相同性を有する新規のポリペプチドであって、本願でPRO354ポリペプチドと称するものの同定及び特徴付けを記載する。
【0027】
10.PRO355
細胞毒性又は制御性T細胞連結分子、又は「CRTAM」タンパク質は、免疫グロブリンスーパーファミリーと構造的に関連している。このCRTAMタンパク質は種々の免疫反応を介在することができるはずである。抗体は、概して高親和性でCRTAMに結合する(Zlotnik,A.,Faseb,106(6):A1037,Abr.216,1996年6月)。T細胞抗原、及びインビボでの免疫プロセスの生理学的重要性に鑑み、免疫反応に関与する新規の天然のタンパク質を同定する研究が現在進行中である。Kennedyら、米国特許第5686257(1997)も参照。本願では、CRTAMに相同性である新規のポリペプチドであって、本願ではPRO355ポリペプチドと称すものの同定及び特徴付けについて記載する。
【0028】
11.PRO357
タンパク質-タンパク質相互作用には、レセプターと抗原との複合体、並びにシグナリング機構が含まれる。タンパク質-タンパク質相互作用の基礎となる構造的及び機能的機構がよりわかるにつれて、タンパク質-タンパク質相互作用をより容易に操作してタンパク質-タンパク質相互作用の特定の結果を制御することが容易になる。従って、タンパク質-タンパク質相互作用の基礎となる機構は、科学的にいっても、医学的にいっても興味深い。
【0029】
ロイシン富反復配列を含むタンパク質は全て、タンパク質-タンパク質相互作用に関与すると考えられる。ロイシン富反復配列は、機能と細胞の位置とがともに多様である数多くのタンパク質中に存在する短い配列モチーフである。リボヌクレアーゼインヒビタータンパク質の結晶構造は、ロイシン富反復配列がベータ-アルファ構造単位に対応することを示している。これらの単位は、一の表面が溶媒に露出して、平行なベータシートを形成するようにして配列し、当該タンパク質が異常な非球状形態を獲得する。これらの二つの特徴は、ロイシン富反復配列のタンパク質結合性機能の原因となっていることが示されている。KobeとDeisenhofer,Trends Biochem.Sci.,19(10):415-421(1994年10月)を参照。
【0030】
組織編成機能を有し、個体発生中にコラーゲン繊維の方向付け及び配置を行うものであって、創傷治癒、組織修復、及び腫瘍間質形成等の病理学的プロセスに関与するロイシン富プロテオグリカンについての研究が報告されている(Iozzo,R.V.,Crit.Rev.Biochem.Mol.Biol.,32(2):141-174(1997))。ロイシン富タンパク質が、創傷治癒や組織修復に関連するとした他の研究には、出血性疾患であるベルナール-スリエ症候群に関連した複合体中のロイシン富モチーフ中に変異があることが報告されているDe La Salle.C.ら、Vouv.Rev.Fr.Hematol.(ドイツ),37(4):215-222(1995)、血小板にはロイシン富反復配列があることが報告されているChelemetson,K.J.,Thromb.Haemost.(ドイツ),74(1):111-116 (1995年7月)、形質転換増殖因子βへのデコリン(decorin)の結合が、癌の治療、創傷治癒及び傷跡に影響を与えることが報告されているLa Jolla Cancer Reseach FoundationのRuoslahti, E.I.ら、WO9110727-Aがある。このグループのタンパク質の機能により関連付けられるものには、インスリン様増殖因子(IGF)があるが、これは創傷治癒に有益であり、結合組織、皮膚、及び骨等の組織の再増殖に関する治療に関係し、また、ヒト及び動物の体の成長を促進し、更には他の増殖関連プロセスを刺激するからである。IGFの酸不安定サブユニット(ALS)は、IGFの半減期を増大し、またインビボでのIGF複合体の一部であることから興味が持たれる。
【0031】
ロイシン富反復配列を有することが報告されている別のタンパク質には、アルツハイマー病や、パーキンソン病等における神経障害等の神経退行性疾患の治療や、癌の診断に有益であることが報告されているSLITタンパク質がある(Yale University,Artavanistsakonas,S.とRothberg,J.M., WO9210518-A1を参照)。膜糖タンパク質であってマウスの脳のグリア細胞内で特異的に発現し、ロイシン富反復配列及び免疫グロブリン様領域を有しているLIG−1もまた興味が持たれている(Suzukiら、J.Biol.Chem.(U.S.),271(37):22522(1996))。ロイシン富反復配列を有するタンパク質の生物学的機能について報告している他の研究には以下のものが含まれる:Tayar,N.ら、Mol.Cell Endocrinol.,(アイルランド),125(1-2):65-70(1996年12月)(精線刺激ホルモンの関与);Miura,Y.ら、日本臨床 (日本),54(7):1784-1789 (1996年7月)(アポトーシスの関与);Harris,P.C.ら、J.Am.Soc.Nephrol.,6(4):1125-1113(Oct. 1995年10月)(腎臓疾患の関与)。
【0032】
従って、産業界及び学術界はともに、タンパク質-タンパク質相互作用をより良く理解するために、ロイシン富反復配列を有する新規のタンパク質を同定する研究を行っている。特に興味深いのは、ロイシン富反復配列を有し、例えばインスリン様増殖因子の酸不安定サブユニット等の、ロイシン富反復配列を有する既知のタンパク質に相同的であるタンパク質である。多くの研究が、哺乳動物の組換えDNAライブラリーのスクリーニングを行って、ロイシン富反復配列を有する新規の分泌性、且つ膜結合型のタンパク質のコード配列を同定することに焦点をあてている。スクリーニングの方法及び技術は、文献に記載されている(例えばKleinら、Proc.Natl.Acad.Sci.,93:7108-7113(1996);米国特許第5536637号を参照)。
【0033】
本願では、インスリン様増殖因子の酸不安定サブユニットと相同性が高い新規のポリペプチドであって、本願ではPRO357ポリペプチドと称するものの同定及び特徴付けを記載する。
【0034】
12.PRO715
哺乳動物における細胞数の制御は、一部には細胞増殖と細胞死との間のバランスにより決定されるものと考えられている。細胞死の一の形態は、時として壊死性細胞死と呼ばれるものであって、ある種の外傷や細胞障害から生じる細胞の病理学的形態により典型的に特徴付けられるものである。対照的に、別の「生理学上の」細胞死の形態であって、通常は整然とした、又は制御された方法で進行するものがある。この整然とした、又は制御された形態の細胞死は「アポトーシス」と呼ばれる(例えば、Barrら、Bio/Technology,12:487-493(1994);Stellerら、Science,267:1445-1449(1995))。アポトーシス性の細胞死は、多くの生理学的プロセスにおいて自然と起こるものであるが、これには胚の発生、免疫系におけるクローン選択が含まれる(Itohら、Cell,66:233-243(1991))。アポトーシス性細胞死のレベルの低下は、癌、狼瘡、ヘルペスウイルス感染等の種々の病理学的状態に関連している(Thompson,Science,267:1456-1462(1995))。アポトーシス性細胞死のレベルの増大は、AIDS、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索萎縮症、多発性硬化症、色素性網膜炎、小脳退縮、再生不良性貧血、心筋梗塞症、卒中、再潅流障害、及び毒素誘導性肝臓疾患等の種々の病理的状態に関連する可能性がある(上記のThompsonを参照)。
【0035】
アポトーシス性細胞死は、典型的には細胞における一以上の形態学的又は生化学的変化を伴っているが、これには例えば、原形質の凝結、細胞質膜微小絨毛の喪失、核の分割、染色体DNAの分解、又はミトコンドリア機能の喪失等がある。種々の外来性及び内因性のシグナルが、このような形態学的及び生化学的細胞変化を誘発、又は誘導すると考えられている(Raff,Nature,256:397-400(1992);Steller,上記; Sachsら、Blood,82:15(1993))。例えば、これらは未成熟な胸腺細胞のグルココルチコイドホルモン等のホルモン刺激により誘発される(Watanabe-Fukunagaら、Nature,356:314-317(1992))。また、myc、rel、及びE1A等の同定した癌遺伝子のいくつか、p53等の腫瘍抑制因子は、アポトーシスの誘導にかかわることが報告されている。ある種の化学療法剤、及び放射線のある形態のものは、同様にアポトーシス誘導活性があることが観察されている(上記のThompson)。
【0036】
種々の分子、例えば腫瘍壊死因子-α("TNF-α")、腫瘍壊死因子−β("TNF-β"又は"リンホトキシン-α")、リンホトキシン-β("LT-β")、CD30リガンド、CD27リガンド、CD40リガンド、OX-40リガンド、4-1BBリガンド、Apo-1リガンド(Fasリガンド又はCD95リガンドとも呼ばれる)、及びApo-2リガンド(TRAILとも呼ばれる)は、サイトカインの腫瘍壊死因子("TNF")ファミリーのメンバーであることが同定された(GrussとDower,Blood,85:3378-3404(1995);Pittiら、J.Biol.Chem.,271:12687-12690(1996); Wileyら、Immunity,3:673-682(1995);Browningら、Cell,72:847-856(1993);Armitageら、Nature,357:80-82(1992))。これらの分子の中では、TNF-α、TNF-β、CD30リガンド、4-IBBリガンド、Apo-1リガンド、及びApo-2リガンド(TRAIL)が、アポトーシス性細胞死に関与することが報告されている。TNF-αとTNF-βとはともに、感受性の腫瘍細胞においてアポトーシス性細胞死を誘導することが報告されている(Schmidら、Proc.Natl.Acad.Sci.,83,1881(1986); Deltryら、Eur.J.Immunol.,17,:689(1987))。Zhengらは、TNF-αがCD8陽性T細胞の刺激後アポトーシスに関与することを報告している(Zhengら、Nature,377,348-351(1995))。CD30リガンドが、胸腺における自己反応性T細胞の削除に関与することが、他の研究者らにより報告されている(Amakawaら、Cold Spring Habor Laboratory Symposium on Programmed Cell Death,Abst.No.10,(1995))。
【0037】
マウスのFas/Apo-1レセプター又はリガンド遺伝子(それぞれlpr、gldと呼ばれる)における変異は、いくつかの自己免疫疾患に関連しているが、これはApo-1リガンドが、末梢における自己反応性リンパ球のクローン的削除において役割を演じている可能性を示している(Krammerら、Curr.Op.Immunol.,6:279-289(1994); Nagataら、Science,267:1449-1456(1995))。Apo-1リガンドはまた、CD4陽性Tリンパ球及びBリンパ球における刺激後のアポトーシスを誘導し、その機能がもはや必要とされない活性化リンパ球の除去に関与することが報告されている(Krammerら、上記、Nagataら、上記)。Apo-1レセプターに特異的に結合する作動薬的マウスモノクローナル抗体は、細胞殺傷活性を呈することが報告されているが、これはTNF-αにおけるものに匹敵するか又は同等である(Yoneharaら、J.Exp.Med.,169:1747-1756 (1989))。
【0038】
このようなTNFファミリーのサイトカインにより介在される種々の細胞性反応の誘導は、その特定の細胞レセプターへの結合により開始されると考えられている。約55kDa(TNFR1)、及び約75kDa(TNFR2)の、二つの別個のTNFレセプターが同定されている(Hohmanら、J.Biol.Chem.264,14927-14934(1989); Brockhausら、Proc.Natl.Acad.Sci.,87:3127-3131(1990);EP 417563、1991年3月20日発行)。この両者のタイプのレセプターに対応するヒト及びマウスのcDNAも同定・特徴付けされている(Loetscherら、Cell,61:351(1990); Schallら、Cell,61:361(1990); Smithら、Science,248:1019-1023(1990); Lewisら、Proc.Natl.Acad.Sci.,88:2830-2834(1991); Goodwinら、Mol.Cell.Biol.,11:3020-3026(1991))。これまでに同定されているTNFファミリーのリガンドは、リンホトキシン-α以外は、II型のトランスメンブレンタンパク質であり、そのC末端は細胞外にある。対照的に、これまでに同定されたTNFレセプター(TNFR)における多くのレセプターは、I型のトランスメンブレンタンパク質である。しかしながら、TNFリガンド及びそのレセプターファミリーの双方においては、ファミリーメンバー間で同定された相同性は、主として細胞外領域("ECD")において見いだされている。TNFファミリーサイトカインのいくつかには、TNF-α、Apo-1リガンド、及びCD40リガンドが含まれるが、これらは細胞表面においてタンパク質的分解により開裂され、それぞれの場合に得られるタンパク質は、典型的には可溶性のサイトカインとして機能するホモ三量体分子を形成する。TNFレセプターファミリータンパク質はまた、通常はタンパク分解的に開裂されて、同起源のサイトカインの阻害剤として機能することが可能な、可溶性のレセプターECDを放出する。
【0039】
最近になって、TNFRファミリーの他のメンバーが同定された。このような、TNFRファミリーの新規に同定されたメンバーには、CAR1、HVEM、及びオステオプロテゲリン(osteoprotegerin;OPG)が含まれる(Brojatschら、Cell,87:845-855(1996); Montgomeryら、Cell,87:427-436(1996); Marstersら、J.Biol.Chem.,272:14029-14032(1997); Simonetら、Cell,89:309-319(1997))。他の既知のTNFR様分子とは異なり、Simonetら(上記)は、OPGが疎水性のトランスメンブレン-スパンニング配列を全く含まないことを報告している。
【0040】
TNFファミリーのサイトカイン及びそのレセプターについてのレビューは、上記のGrussとDowerを参照。
【0041】
本明細書においては、腫瘍壊死因子ファミリーのメンバーのポリペプチドと相同性を有する新規のポリペプチドであって、本願でPRO715ポリペプチドと称すものについての同定及び特徴付けについて記載する。
【0042】
13.PRO353
補体タンパク質は、その一部が酵素的カスケードで作用して炎症に関与するエフェクター分子を産生する、一群の血清タンパク質から構成されている。補体タンパク質は、炎症に関与する細胞の移行及び機能を制御することにおいて特に重要である。インビボにおける炎症及び関連した機構の生理学的重要性に鑑み、炎症に関与する新規の天然タンパク質を同定するために現在研究が進行中である。本願では、補体タンパク質に相同性があり、本願でPRO353ポリペプチドと称す新規の天然のタンパク質を同定、及び特徴付けする。
【0043】
14.PRO361
ムチンは、発癌に関与することが示唆されている糖タンパク質のファミリーである。ムチン及びムチン様タンパク質は、正常な細胞及び形質転換した細胞の双方により分泌される。癌の医学的重要性に鑑み、癌を診断又は治療するために有益となる新規の天然のタンパク質を同定する研究が現在進行中である。
【0044】
キチナーゼタンパク質は、植物における病原性反応において関与が示唆されているファミリーを構成する。キチナーゼタンパク質は、植物及び微生物により産生され、植物の傷害に対する防御において役割を演じる可能性がある。植物の防御機構の重要性に鑑み、植物における病原性関連反応の調節に有益となりうる新規の天然のタンパク質を同定する研究が現在進行中である。本願では、ムチン及びキチナーゼに相同性の新規のポリペプチドであって、本願においてPRO361ポリペプチドと称したものについての同定及び特徴付けを記載する。
【0045】
15.PRO365
ヒト2−19タンパク質等のポリペプチドは、サイトカインとして機能することが可能である。サイトカインとは、免疫細胞の分化、増殖、又は機能を刺激若しくは阻害する、低分子量タンパク質のことである。サイトカインは、細胞内メッセンジャーとして作用することがよくあり、また多様な生理学的効果を有する。免疫機構のインビボでの生理学的重要性に鑑み、免疫系への影響に関与する新規の天然タンパク質を同定する研究が現在進行中である。本願においては、ヒト2-19タンパク質に相同性があり、本願でPRO365ポリペプチドと称す新規のポリペプチドの同定及び特徴付けを記載する。
【0046】
【課題を解決するための手段】
発明の要約
1.PRO241
本願においては、ビグリカンタンパク質に相同性である新規のポリペプチドをコードするcDNAクローンが同定されているが、これは本願においてはPRO241と呼ぶ。
【0047】
一の態様において、本発明は、PRO241ポリペプチドをコードするDNAを具備する、単離された核酸分子を提供する。一の例においては、単離された核散分子は、図2(配列番号:2)に示されるPRO241ポリペプチドのアミノ酸残基1乃至379をコードしたDNAを具備するか、又はそのようなコードした核酸配列に相補的であって、少なくとも中等度、そして適宜高度なストリンジェンシー条件下で安定に結合したままであるものである。
【0048】
別の態様において本発明は、単離されたPRO241ポリペプチドを提供する。本発明は特に、単離された天然のPRO241ポリペプチド配列を提供するが、一の態様においてこれは図2(配列番号:2)の残基1乃至379を具備するアミノ酸配列を含んでいる。本発明の別の態様は、N末端のシグナルペプチドを欠失したPRO241ポリペプチドに関するが、ここでPRO241ポリペプチドは、全長PRO241のアミノ酸配列(配列番号:2)のアミノ酸のほぼ16位乃至379位を具備している。
【0049】
2.PRO243
本願では、新規のポリペプチドであって、本願ではPRO243と称するものをコードしたcDNA(DNA35917-1207)が同定されている。
【0050】
一の態様において本発明は、(a)図4(配列番号:7)に示されるアミノ酸24乃至954の配列を具備するPRO243ポリペプチドをコードしたDNA分子、又は(b)(a)のDNA分子の補足物、に少なくとも約80%の配列相同性を有する、単離された核酸分子を提供する。配列相同性は好ましくは、約85%であり、より好ましくは約90%、最も好ましくは約95%である。一の例において、単離された核酸は、図4(配列番号:7)に示されるアミノ酸残基1乃至954を有するポリペプチドと少なくとも約80%、好ましくは少なくとも約85%、より好ましくは少なくとも約90%、最も好ましくは少なくとも約95%の配列相同性を有する。好ましくは、最高の相同性は、図4(配列番号:7)の4つの保存されたシステインクラスター内(アミノ酸51乃至125;アミノ酸705乃至762;アミノ酸784乃至849;アミノ酸897乃至931)で起こる。別の態様においては、単離された核散分子は、図4(配列番号:7)のアミノ酸残基24乃至954を有するPRO243ポリペプチドをコードするDNAを具備するか、又はそのようなコード性核酸配列に相補的であって中等度、そして適宜高度なストリンジェンシー条件下でそれに安定に結合したままのものである。別の例において本発明は、ATCC受託番号がATCC209508でATCCに寄託されたクローンDNA35917-1207、或いはATCC受託番号がATCC209508で寄託されたクローンDNA35917-1207の全長タンパク質の核酸を提供する。
【0051】
更に別の態様において本発明は、単離されたPRO243ポリペプチドを提供する。本発明は特に、単離された天然のPRO243ポリペプチドの配列を提供するが、これはその一の態様において図4(配列番号7)の残基24乃至954を具備するアミノ酸配列を含んでいる。天然のシグナル配列(図4(配列番号:7)のアミノ酸1乃至23)を有するか、又は有さず、そして開始メチオニンを有するか、又は有しない、天然のPRO243ポリペプチド配列が特に含まれる。或いは本発明は、受託番号ATCC209508で寄託された核酸によりコードされるPRO243ポリペプチドを提供する。
【0052】
3.PRO299
本願では、新規のポリペプチドをコードするcDNAが同定されているが、本願では当該ポリペプチドをPRO299と称す。
【0053】
一の態様において本発明は、PRO299ポリペプチドをコードするDNAを具備する、単離された核酸分子を提供する。一の例において、当該単離された核酸は、図9(配列番号:15)のアミノ酸残基1乃至737を有するPRO299ポリペプチドをコードしたDNAを具備するか、又はこれはそのようなコード核酸配列に対して相補的であり、少なくとも中等度、そして適宜高度なストリンジェンシー条件下ではそれに安定に結合したままのものである。
【0054】
別の態様において本発明は、単離されたPRO299ポリペプチドを提供する。特に本発明は、単離された天然のPRO299ポリペプチド配列を提供するが、一の態様においてこれは、図9(配列番号:15)の残基1乃至737を具備するアミノ酸配列を含む。本発明の別の態様は、PRO299ポリペプチドの単離された細胞外領域に関する。
【0055】
4.PRO323
本願では、ミクロソームジペプチドタンパク質に相同性を有する新規のポリペプチドをコードするcDNAクローンが同定されたが、本願では当該ポリペプチドをPRO323と称す。
【0056】
一の態様において本発明は、PRO323ポリペプチドをコードするDNAを具備する、単離された核酸分子を提供する。一の例において当該単離された核散分子は、図13(配列番号:24)のアミノ酸残基1乃至433を有するPRO323ポリペプチドをコードしたDNAを具備しているか、又はこれはそのようなコード核酸配列に対して相補的であって、少なくとも中等度、そして適宜高度なストリンジェンシー条件下でそれに安定に結合したままのものである。
【0057】
別の態様において本発明は、単離されたPRO323ポリペプチドを提供する。特に本発明は、単離された天然のPROポリペプチド配列を提供するが、一の態様においてこれは、図13(配列番号:24)の残基1乃至433を具備したアミノ酸配列を含む。
【0058】
5.PRO327
本願では、プロラクチンレセプターに相同性である新規のポリペプチドをコードするcDNAクローンが同定されたが、本願ではこれをPRO327と称す。
【0059】
一の態様において本発明は、PRO327ポリペプチドをコードするDNAを具備する、単離された核散分子が提供される。一の例において、当該単離された核酸は、図17(配列番号:32)のアミノ酸残基1乃至422を有するPRO327ポリペプチドをコードするDNAを具備しているか、又はそのようなコード核酸配列に対して相補的であって、少なくとも中等度、そして適宜高度なストリンジェンシー条件下でそれに安定に結合したままのものである。
【0060】
別の態様において本発明は、PRO327ポリペプチドを提供する。特に本発明は、単離された天然のPRO327ポリペプチド配列を提供するが、一の態様においてこれは、図17(配列番号:32)の残基1乃至422を具備するアミノ酸配列を含む。
【0061】
6.PRO233
本願では、新規のポリペプチドをコードするcDNAクローンが同定されたが、本願では当該ポリペプチドをPRO233と称す。
【0062】
一の態様において本発明は、PRO233ポリペプチドをコードするDNAを具備する、単離された核酸分子を提供する。一の例においては、当該単離された核酸は、図19(配列番号:37)のアミノ酸残基1乃至300を有するPRO233ポリペプチドをコードするDNAを具備するか、又はこれはそのようなコード核酸配列に対して相補的であって、少なくとも中等度、そして適宜高度なストリンジェンシー条件下でそれに安定に結合したままのものである。
【0063】
別の態様において、本発明は単離されたPRO233ポリペプチドを提供する。特に本発明は、単離された天然のPRO233ポリペプチド配列を提供するが、一の態様においてこれは、図19(配列番号:37)の残基1乃至300を具備するアミノ酸配列を含む。
【0064】
7.PRO344
本願では、新規のポリペプチドをコードするcDNAが同定されたが、本願では当該ポリペプチドをPRO344と称す。
【0065】
一の態様において本発明は、PRO344ポリペプチドをコードするDNAを具備する、単離された核酸分子を提供する。一の例においては、当該単離された核酸は、図21(配列番号:42)のアミノ酸残基1乃至243を有するPRO344ポリペプチドをコードするDNAを具備するか、又はこれはそのようなコード核酸配列に対して相補的であって、少なくとも中等度、そして適宜高度なストリンジェンシー条件下でそれに安定に結合したままのものである。
【0066】
別の態様において、本発明は単離されたPRO344ポリペプチドを提供する。特に本発明は、単離された天然のPRO344ポリペプチド配列を提供するが、一の態様においてこれは、図21(配列番号:42)の残基1乃至243を具備するアミノ酸配列を含む。
【0067】
8.PRO347
本願では、システイン富分泌タンパク質−3に相同性である新規のポリペプチドをコードするcDNAが同定されたが、本願では当該ポリペプチドをPRO347と称す。
【0068】
一の態様において本発明は、PRO347ポリペプチドをコードするDNAを具備する、単離された核酸分子を提供する。一の例においては、当該単離された核酸は、図23(配列番号:50)のアミノ酸残基1乃至455を有するPRO347ポリペプチドをコードするDNAを具備するか、又はこれはそのようなコード核酸配列に対して相補的であって、少なくとも中等度、そして適宜高度なストリンジェンシー条件下でそれに安定に結合したままのものである。
【0069】
別の態様において、本発明は単離されたPRO347ポリペプチドを提供する。特に本発明は、単離された天然のPRO347ポリペプチド配列を提供するが、一の態様においてこれは、図23(配列番号:50)の残基1乃至455を具備するアミノ酸配列を含む。
【0070】
9.PRO354
本願では、インター-アルファ-トリプシンインヒビター(ITI)の重鎖に相同性である新規のポリペプチドをコードするcDNAが同定されたが、本願では当該ポリペプチドをPRO354と称す。
【0071】
一の態様において本発明は、PRO354ポリペプチドをコードするDNAを具備する、単離された核酸分子を提供する。一の例においては、当該単離された核酸は、図25(配列番号:55)のアミノ酸残基1乃至694を有するPRO354ポリペプチドをコードするDNAを具備するか、又はこれはそのようなコード核酸配列に対して相補的であって、少なくとも中等度、そして適宜高度なストリンジェンシー条件下でそれに安定に結合したままのものである。
【0072】
別の態様において、本発明は単離されたPRO354ポリペプチドを提供する。特に本発明は、単離された天然のPRO354ポリペプチド配列を提供するが、一の態様においてこれは、図25(配列番号:55)の残基1乃至694を具備するアミノ酸配列を含む。
【0073】
10.PRO355
本願では、新規のポリペプチドをコードするcDNAが同定されたが、本願では当該ポリペプチドをPRO355と称す。
【0074】
一の態様において本発明は、PRO355ポリペプチドをコードするDNAを具備する、単離された核酸分子を提供する。一の例においては、当該単離された核酸は、図27(配列番号:61)のアミノ酸残基1乃至440を有するPRO355ポリペプチドをコードするDNAを具備するか、又はこれはそのようなコード核酸配列に対して相補的であって、少なくとも中等度、そして適宜高度なストリンジェンシー条件下でそれに安定に結合したままのものである。
【0075】
別の態様において、本発明は単離されたPRO355ポリペプチドを提供する。特に本発明は、単離された天然のPRO355ポリペプチド配列を提供するが、一の態様においてこれは、図27(配列番号:61)の残基1乃至440を具備するアミノ酸配列を含む。
【0076】
11.PRO357
本願では、インスリン様増殖因子(IGF)の酸不安定サブユニット(ALS)に相同性である新規のポリペプチドをコードするcDNAが同定されたが、本願では当該ポリペプチドをPRO357と称す。
【0077】
一の態様において本発明は、PRO357ポリペプチドをコードするDNAを具備する、単離された核酸分子を提供する。一の例においては、当該単離された核酸は、図29(配列番号:69)のアミノ酸残基1乃至598を有するPRO357ポリペプチドをコードするDNAを具備するか、又はこれはそのようなコード核酸配列に対して相補的であって、少なくとも中等度、そして適宜高度なストリンジェンシー条件下でそれに安定に結合したままのものである。
【0078】
別の態様において、本発明は単離されたPRO357ポリペプチドを提供する。特に本発明は、単離された天然のPRO357ポリペプチド配列を提供するが、一の態様においてこれは、図29(配列番号:69)の残基1乃至598を具備するアミノ酸配列を含む。
【0079】
12.PRO715
本願では、腫瘍壊死因子ファミリーポリペプチドに相同性である新規のポリペプチドをコードするcDNAが同定されたが、本願では当該ポリペプチドをPRO715と称す。
【0080】
一の態様において本発明は、PRO715ポリペプチドをコードするDNAを具備する、単離された核酸分子を提供する。一の例においては、当該単離された核酸は、図31(配列番号:76)のアミノ酸残基1乃至250を有するPRO715ポリペプチドをコードするDNAを具備するか、又はこれはそのようなコード核酸配列に対して相補的であって、少なくとも中等度、そして適宜高度なストリンジェンシー条件下でそれに安定に結合したままのものである。
【0081】
別の態様において、本発明は単離されたPRO715ポリペプチドを提供する。特に本発明は、単離された天然のPRO715ポリペプチド配列を提供するが、一の態様においてこれは、図31(配列番号:76)の残基1乃至250を具備するアミノ酸配列を含む。
【0082】
13.PRO353
本願では、新規のポリペプチドをコードするcDNAが同定されたが、本願では当該ポリペプチドをPRO353と称す。
【0083】
一の態様において本発明は、PRO353ポリペプチドをコードするDNAを具備する、単離された核酸分子を提供する。一の例においては、当該単離された核酸は、図35(配列番号:86)のアミノ酸残基1乃至281を有するPRO353ポリペプチドをコードするDNAを具備するか、又はこれはそのようなコード核酸配列に対して相補的であって、少なくとも中等度、そして適宜高度なストリンジェンシー条件下でそれに安定に結合したままのものである。
【0084】
別の態様において、本発明は単離されたPRO353ポリペプチドを提供する。特に本発明は、単離された天然のPRO353ポリペプチド配列を提供するが、一の態様においてこれは、図35(配列番号:86)の残基1乃至281を具備するアミノ酸配列を含む。
【0085】
14.PRO361
本願では、新規のポリペプチドをコードするcDNAが同定されたが、本願では当該ポリペプチドをPRO361と称す。
【0086】
一の態様において本発明は、PRO361ポリペプチドをコードするDNAを具備する、単離された核酸分子を提供する。一の例においては、当該単離された核酸は、図37(配列番号:91)のアミノ酸残基1乃至431を有するPRO361ポリペプチドをコードするDNAを具備するか、又はこれはそのようなコード核酸配列に対して相補的であって、少なくとも中等度、そして適宜高度なストリンジェンシー条件下でそれに安定に結合したままのものである。当該単離された核酸配列は、1998年2月5日にATCC209621として寄託されたベクターのcDNA挿入物を具備していてもよいが、これはPRO361をコードするヌクレオチド配列を含む。
【0087】
別の態様において、本発明は単離されたPRO361ポリペプチドを提供する。特に本発明は、単離された天然のPRO361ポリペプチド配列を提供するが、一の態様においてこれは、図37(配列番号:91)の残基1乃至431を具備するアミノ酸配列を含む。本発明の別の態様は、図37(配列番号:91)に示されるアミノ酸配列のアミノ酸1乃至379を有するPRO361ポリペプチドの、単離された細胞外領域に関する。PRO361ポリペプチドは適宜、入手するか、又は1998年2月5日にATCC209621として寄託されたベクター中のcDNA挿入物によりコードされるポリペプチドを発現することにより手に入れることができる。
【0088】
15.PRO365
本願では、新規のポリペプチドをコードするcDNAが同定されたが、本願では当該ポリペプチドをPRO365と称す。
【0089】
一の態様において本発明は、PRO365ポリペプチドをコードするDNAを具備する、単離された核酸分子を提供する。一の例においては、当該単離された核酸は、図39(配列番号:99)のアミノ酸残基1乃至235を有するPRO365ポリペプチドをコードするDNAを具備するか、又はこれはそのようなコード核酸配列に対して相補的であって、少なくとも中等度、そして適宜高度なストリンジェンシー条件下でそれに安定に結合したままのものである。別の例においては、単利された核酸は、図39(配列番号:99)のアミノ酸残基21乃至235を有するPROポリペプチドをコードするDNAを具備するか、又はそのようなコード核酸配列に相補的であって、少なくとも中等度、そして適宜高度なストリンジェンシー条件下でそれに安定に結合したままのものである。
【0090】
別の態様において、本発明は単離されたPRO365ポリペプチドを提供する。特に本発明は、単離された天然のPRO365ポリペプチド配列を提供するが、一の態様においてこれは、図39(配列番号:99)の残基1乃至235を具備するアミノ酸配列を含む。本発明の別の態様は、図39(配列番号:99)のアミノ酸21乃至235を具備するアミノ酸配列に関する。
【0091】
16.別の態様
本発明の別の態様においては、上記又は下記の何れかのポリペプチをコードするDNAを具備したベクターが提供される。そのような何れかのベクターを具備した宿主細胞も提供される。例示としては、宿主細胞はCHO細胞、大腸菌(E.coli)、又は酵母とすることができる。上記又は下記のポリペプチドを産生する方法が提供されるが、これは更に、宿主細胞を所望ポリペプチドの発現に適した条件下で培養し、細胞培養物より所望のポリペプチドを回収することを具備している。
【0092】
別の態様において本発明は、上記又は下記の何れかのポリペプチドであって異種のポリペプチド又はアミノ酸配列に融合したものを具備したキメラ分子を提供する。そのようなキメラ分子の例は、上記又は下記のいずれかのポリペプチドであって、エピトープ標識配列又は免疫グロブリンのFc領域に融合したものである。
別の態様において、本発明は、上記又は以下に記載したポリペプチドの何れかに特異的に結合する抗体を提供する。任意に、該抗体はモノクローナル抗体である。
【0093】
別の態様において本発明は、ゲノム及びcDNAのヌクレオチド配列を単離するのに有益なオリゴヌクレオチドのプローブを提供するが、ここで、そのプローブは上記又は下記の何れかのヌクレオチド配列に由来するものとすることができる。
【0094】
【発明の実施の形態】
好適な実施態様の詳細な説明
I. 定義
ここで用い且つ数字の表記に直接続けられる場合に用語「PROポリペプチド」と「PRO」は、各種のポリペプチドに関し、ここでの完全な表記(即ち、PRO/数字)は、ここに記載した特有のポリペプチド配列に関する。ここで用いる場合に用語「PRO/数字ポリペプチド」及び「PRO/数字」は、天然配列ポリペプチドとポリペプチド変異体(ここで更に定義される)を包含する。ここに記載したPROポリペプチドは、ヒト組織タイプから或いは別な供給源からのような各種の供給源から単離され、又は組換え或いは合成方法によって製造され得る。
【0095】
「天然配列PROポリペプチド」は、相当する天然から得られたPROポリペプチドと同じアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む。そのような天然配列PROポリペプチドは、天然物から単離することができ、又は組換え或いは合成によって製造することができる。用語「天然配列PROポリペプチド」は、特異的PROポリペプチドの自然発生端切り又は分泌形態(例えば、細胞外ドメイン配列)、自然発生変異形(例えば、代替スプライス形)及びポリペプチドの自然発生アレル変異体を特に包含する。本発明の各種の実施態様において、天然配列PRO241ポリペプチドは、図2(配列番号:2)のアミノ酸1から379を含む成熟又は全長天然配列PRO241ポリペプチドであり、天然配列PRO243は、N末端シグナル配列(残基1乃至約23)を持つ或いは無しの、及び位置1で開始メチオニンを持つ或いは無しの、図4(配列番号:7)のアミノ酸24乃至954を含む成熟又は全長天然配列ポリペプチドであり、天然配列PRO299ポリペプチドは、図9(配列番号:15)のアミノ酸1乃至737を含む成熟或いは全長天然配列PRO299ポリペプチドであるか、又は天然配列PRO299ポリペプチドは、全長PRO299タンパク質の細胞外ドメインであり、但し全長PRO299タンパク質の予測トランスメンブレンドメインは、図8に示したヌクレオチド2022で始まるヌクレオチドによってコードされ、天然配列PRO323ポリペプチドは、図13(配列番号:24)のアミノ酸1乃至433を含む成熟或いは全長天然配列PRO323ポリペプチドであり、天然配列PRO327ポリペプチドは、図17(配列番号:32)のアミノ酸1乃至422を含む成熟或いは全長天然配列PRO327ポリペプチドであり、天然配列PRO233ポリペプチドは、図19(配列番号:37)のアミノ酸1乃至300を含む成熟或いは全長天然配列PRO233ポリペプチドであり、天然配列PRO344ポリペプチドは、図21(配列番号:42)のアミノ酸1乃至243を含む成熟或いは全長天然配列PRO344ポリペプチドであり、天然配列PRO347ポリペプチドは、図23(配列番号:50)のアミノ酸1乃至455を含む成熟或いは全長天然配列PRO347ポリペプチドであり、天然配列PRO354ポリペプチドは、図25(配列番号:55)のアミノ酸1乃至694を含む成熟或いは全長天然配列PRO354ポリペプチドであり、天然配列PRO355ポリペプチドは、図27(配列番号:61)のアミノ酸1乃至440を含む成熟或いは全長天然配列PRO355ポリペプチドであり、又は天然配列PRO355は、全長PRO355タンパク質の細胞外ドメインであり、但し全長PRO355タンパク質の予測トランスメンブレンドメインは、図26に示したヌクレオチド1138で始まるヌクレオチドによってコードされ、天然配列PRO357ポリペプチドは、図29(配列番号:69)のアミノ酸1乃至598を含む成熟或いは全長天然配列PRO357ポリペプチドであり、又は天然配列PRO357ポリペプチドは、全長PRO357タンパク質の細胞外ドメインであり、但し全長PRO355タンパク質の予測トランスメンブレンドメインは、配列番号:68のヌクレオチド1518−1572、或いは配列番号:68の1491−1572によってコードされ、天然配列PRO715ポリペプチドは、図31(配列番号:76)のアミノ酸1乃至250を含む成熟或いは全長天然配列PRO715ポリペプチドであり、天然配列PRO353ポリペプチドは、図35(配列番号:86)のアミノ酸1乃至281を含む成熟或いは全長天然配列PRO353ポリペプチドであり、又は天然配列PRO353ポリペプチドは、全長PRO353タンパク質の細胞外ドメインであり、天然配列PRO361ポリペプチドは、図37(配列番号:91)のアミノ酸1乃至431を含む成熟或いは全長天然配列PRO361ポリペプチドであり、又は天然配列PRO361ポリペプチドは、全長PRO361タンパク質の細胞外ドメインであり、但し全長PRO361タンパク質の予測トランスメンブレンドメインは、図36に示したヌクレオチド1363で始まるヌクレオチドによってコードされ、及び天然配列PRO365ポリペプチドは、図39(配列番号:99)のアミノ酸1乃至235を含む成熟或いは全長天然配列PRO365ポリペプチドである。
【0096】
PROポリペプチド「細胞外ドメイン」又は「ECD」は、トランスメンブレン及び細胞質ドメインの本質的にないPROポリペプチドの形態に関する。通例、PROポリペプチドECDは、そのようなトランスメンブレン及び/又は細胞質ドメインの1%以内を有するであろうし、好ましくはそのようなドメインの0.5%以内を有するであろう。本発明のPROポリペプチド用に同定した何れかのドメインが疎水性ドメインのそのタイプを同定するために当該分野で通常利用される基準に従って同定されることが理解されるであろう。トランスメンブレンドメインの正確な境界は、変化し得るが、しかし初めに同定したようなドメインのいずれか一方の末端で約5アミノ酸以下が最もありそうに思われる。
【0097】
「PROポリペプチド変異体」は、ここに記載した全長天然配列PROポリペプチド配列と少なくとも約80%アミノ酸配列同一性を有する上述の或いは後述の活性PROポリペプチドを意味する。そのようなPROポリペプチド変異体は、例えば、1以上のアミノ酸残基がその全長天然アミノ酸配列のPROポリペプチドのN又はC末端で付加され、或いは欠失されるPROポリペプチドを含む。通例、PROポリペプチド変異体は、ここに記載した全長天然アミノ酸配列のアミノ酸配列と少なくとも約80%アミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約85%アミノ酸配列同一性、更により好ましくは少なくとも約90%アミノ酸配列同一性、更により好ましくは少なくとも約95%アミノ酸配列同一性、最も好ましくは少なくとも約99%配列同一性を有するであろう。
【0098】
PRO243変異体に関して、語句「PRO243変異体」は、(a)その天然シグナル配列を持つ又は無しのPRO243ポリペプチドをコードしているDNA分子、又は(b)(a)のDNA分子の相補体に対して少なくとも約80%アミノ酸配列同一性を有する後述した活性PRO243を意味する。特有な実施態様において、PRO243変異体は、全長天然配列PRO243についての図4(配列番号:7)に示した推定アミノ酸配列を有するPRO243と少なくとも約80%アミノ酸配列相同性を有する。そのようなPRO243変異体は、例えば、図4(配列番号:7)の配列のN或いはC末端で1以上のアミノ酸残基が付加、又は欠失されるPRO243ポリペプチドを含む。好ましくは、核酸或いはアミノ酸配列同一性は、少なくとも約85%、より好ましくは少なくとも約90%、さらにより好ましくは少なくとも95%である。
【0099】
ここで同定したPROポリペプチド配列に関して「パーセント(%)アミノ酸配列同一性」は、必要であれば、最大パーセント配列同一性を達成するために、その配列のアライニング及びギャップ導入後、特異的PROポリペプチド配列中のアミノ酸残基と同一である候補配列中のアミノ酸残基のパーセンテージとして定義され、且つ配列同一性の一部としていずれの保存的置換も考慮しない。パーセントアミノ酸配列同一性を決定する目的のためのアライメントは、例えば、BLAST,BLAST-2,ALIGN又はMegalign(DNASTAR)ソフトウェアのような公的に利用可能なコンピューターソフトウェアを用いて、当業者の範囲内である各種の手法で達成することができる。好適なソフトウェアアライメントプログラムは、BLASTである。当業者であれば、比較するべき配列の全長にわたり最大のアライメントを達成するために必要とされるいずれのアルゴリズムをも含む、アライメントを測定するための適切なパラメーターを決定することができる。
【0100】
ここで同定した、PRO-コード核酸配列に関して「パーセント(%)核酸配列同一性」は、必要であれば、最大パーセント配列同一性を達成するために、その配列のアライニング及びギャップ導入後、興味あるPRO核酸配列中のヌクレオチドと同じである候補配列中のヌクレオチドのパーセンテージとして定義される。パーセント核酸配列同一性を決定する目的のためのアライメントは、例えば、BLAST,BLAST-2,ALIGN又はMegalign(DNASTAR)ソフトウェアのような公的に利用可能なコンピューターソフトウェアを用いて、当業者の範囲内である各種の手法で達成することができる。当業者であれば、比較するべき配列の全長にわたり最大のアライメントを達成するために必要とされるいずれのアルゴリズムをも含む、アライメントを測定するための適切なパラメーターを決定することができる。
【0101】
ここに開示した各種ポリペプチドを記述するために用いる場合、「単離した」とは、その天然環境の成分から同定及び分離及び/又は回収されているポリペプチドを意味する。その天然環境の不純成分は、そのペプチドの診断的又は治療的な使用を典型的に妨害するであろう材料であり、酵素、ホルモン、及び他のタンパク様又は非タンパク様溶質を含む。好適な実施態様において、該ポリペプチドは、(1)スピニングカップ配列決定装置の使用によってN末端の少なくとも15残基或いは内部アミノ酸配列を得るために十分な度合まで、又は(2)クマシーブルー又は、好ましくは銀染色を用いた非還元又は還元条件下でSDS-PAGEによって均質となるまで、精製されるであろう。単離したポリペプチドは、PROポリペプチド天然環境の成分の少なくとも一つが存在しないであろうことから、組換え細胞内の原位置のポリペプチドを含む。通常、しかしながら、単離したポリペプチドは、少なくとも一の精製工程によって作製されるだろう。
【0102】
「単離した」PROポリペプチド-コード核酸分子は、PROポリペプチド核酸の天然供給源に普通に結合されることによって少なくとも一の不純核酸分子から同定され且つ分離される核酸分子である。単離したPROポリペプチド核酸分子は、天然で見出される形態又はセッティング以外のものである。単離したPROポリペプチド核酸分子は、従って、それが天然細胞に存在するような特異的PROポリペプチド核酸分子と区別される。しかしながら、単離したPROポリペプチド核酸分子は、例えばその核酸分子が天然細胞のそれと異なる染色体配置中にある場合、PROポリペプチドを普通に発現する細胞中に含んだPROポリペプチド核酸分子を含む。
【0103】
用語「制御配列」は、特有な宿主生体中の操作可能に結合したコード配列の発現のために必要なDNA配列に関する。原核生物のために好適な制御配列は、例えば、プロモーター、任意にオペレーター配列、及びリボソーム結合部位を含む。真核生物細胞は、プロモーター、ポリアデニル化シグナル、及びエンハンサーを用いることが知られる。
【0104】
核酸は、それが別の核酸配列との機能的関係に置かれる場合「操作可能に結合(operably linked)」される。例えば、予備配列決定又は分泌リーダーのためのDNAは、もしそれが該ポリペプチドの分泌に参与するプレタンパク質として発現されるならば、ポリペプチド用のDNAに操作可能に結合される;プロモーターとエンハンサーは、もしそれが該配列の転写に影響を及ぼすならば、コード化配列に操作可能に結合される;又はリボソーム結合部位は、もしそれが翻訳を促進するように配置されるならば、コード配列に操作可能に結合される。一般に「操作可能に結合」は、結合されるそのDNA配列が隣接され、且つ分泌リーダーのケースにおいては隣接し且つリーディング相中にあることを意味する。しかしながら、エンハンサーは隣接されない。結合は、利便的な制限部位での結紮によって達成される。もしそのような部位が存在しないならば、合成オリゴヌクレオチドアダプター又はリンカーが通常の実施に従って使用される。
【0105】
用語「抗体」は、最も広い認識で用いられ、単純な抗-PROポリペプチド、モノクローナル抗体(アゴニスト、アンタゴニスト、及び中和抗体を含む)、及びポリエピトピック特異性を持つ抗-PROポリペプチド抗体組成物を明確にカバーする。ここで用いた用語「モノクローナル抗体」は、実質上均一な抗体の集団から得られた抗体、即ちその集団に含まれる個別の抗体が少量で存在し得る自然発生変異の可能性を除いて同一であることに関する。
【0106】
ここで意図する「活性な」又は「活性」は、特異的な天然又は天然発生PROポリペプチドの生物学的及び/又は免疫学的活性を保持するPROポリペプチドの形態に関する。PRO243によって示された通り、好適な活性は、コルディン(chordin)の活性に結合する及び影響を及ぼす、例えば阻止する又はその他の調整をするための能力であり、その活性は、好ましくは脊索(notochord)の調節と筋肉形成を含む。
【0107】
「治療」又は「治療する」は、治療的処置及び予防又は予防的手段の両方に関する。治療の必要なそれらは、疾患に既にかかっている、同じくその疾患が予防するべきものであるそれらの疾患を有する傾向にあるそれらを含む。
【0108】
治療の目的のための「哺乳動物」は、ヒト、家畜及び農業用動物、及び動物園の、スポーツの又は愛玩用動物を含み、例えばヒツジ、イヌ、ウマ、ネコ、ウシなどの、哺乳動物として分類される何れかの動物に関する。好ましくは、ここでの哺乳動物はヒトである。
【0109】
ここで用いたような「担体」は、用いる用量と濃度でそれにさらされる細胞又は哺乳動物に無毒である、薬学上許容される担体、賦形剤、又は安定化剤を含む。しばしば生理学上許容される担体は、pH緩衝化水溶液である。生理学上許容される担体の例は、リン酸塩、クエン酸塩及び他の有機酸のような緩衝液;アスコルビン酸を含む酸化防止剤;低分子量(約10分子以下)ポリペプチド;血清アルブミン、ゼラチン、又は免疫グロブリンのようなタンパク質;ポリビニルピロリドンのような親水性ポリマー;グリシン、グルタミン、アスパラギン、アルギニン又はリシンのようなアミノ酸;グルコース、マンノース、又はデキストリンを含むモノサッカリド、ジサッカリド、及び他の炭水化物;EDTAのようなキレート化剤;マンニトール又はソルビトールのような糖アルコール;ナトリウムのような塩形成カウンターイオン;及び/又はTWEENTM、ポリエチレングリコール(PEG)、およびPLURONICSTMのような非イオン性界面活性剤を含む。
【0110】
用語「アゴニスト」は、本発明の天然PROポリペプチドのペプチド及び非-ペプチド類似物(天然PROポリペプチドは、pro-PROポリペプチド、pre-PROポリペプチド、prepro-PROポリペプチド、又は成熟PROポリペプチドに関する)に関するとして及びそれが天然PROポリペプチドの少なくとも1の生物学的活性を保持するという条件で、そのようなPROポリペプチドに特異的に結合する抗体に関して用いられる。好ましくは、本発明のアゴニストは、天然PROポリペプチドの少なくとも1の性質上の結合認識特性及びレセプター活性化特性を保持する。
【0111】
用語「アンタゴニスト」は、本発明の天然PROポリペプチドの生物学的活性を阻害する分子に関し、ここでの天然PROポリペプチドは、pro-PROポリペプチド、pre-PROポリペプチド、prepro-PROポリペプチド、又は成熟PROポリペプチドに関する。好ましくは、ここでのアンタゴニストは、結合パートナーに対する本発明の天然PROポリペプチドの結合を阻害する。PROポリペプチド「アンタゴニスト」は、PROアンタゴニストエフェクター機能を妨害する又は干渉する分子である(例えば、PROポリペプチドによるPROポリペプチドレセプターの結合及び/又は活性化を妨害又は干渉する分子)。そのような分子は、例えば、試験アンタゴニスト分子の存在及び不在において天然PROポリペプチドの結合をモニタリングすることによってPROポリペプチドレセプター活性化を競合的に阻害するその能力によってスクリーンすることができる。本発明のアンタゴニストはまた、PROポリペプチド遺伝子に対するアンチセンスポリヌクレオチドも包含し、アンチセンスポリヌクレオチドがPROポリペプチド遺伝子の転写又は翻訳を阻止し、それによってその発現と生物学的活性を阻害する。
【0112】
「ストリンジェント条件」は、(1)洗浄のための低いイオン強度と高温を使う、例えば50℃で0.015Mの塩化ナトリウム/0.0015Mのクエン酸ナトリウム/0.1%ドデシル硫酸ナトリウム;(2)ハイブリダイゼーションの間にホルムアミドのような変性剤を使う、例えば42℃で、0.1%ウシ血清アルブミンとともに50%(vol/vol)ホルムアミド/0.1%のFicoll/0.1%ポリビニルピロリドン/750mMの塩化ナトリウム、75mMのクエン酸ナトリウムを伴う50mMのリン酸ナトリウム緩衝液、pH6.5を用いることを意味する。別な実例は、0.2xSSCと0.1%のSDS中42℃での洗浄と共に、42℃で50%ホルムアミド、5xSSC(0.75MのNaCl、0.075Mクエン酸ナトリウム)、50mMのリン酸ナトリウム(pH6/8)、0.1%ピロリン酸ナトリウム、5xデンハード溶液、音波処理したサケ精子DNA(50μg/ml)、0.1%SDS、及び10%デキストラン硫酸の使用である。更に別な実例は、55℃で10%デキストリン硫酸の緩衝液、2xSSC(塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム)と50%ホルムアミドを用いたハイブリダイゼーション、続いて55℃でEDTA含有0.1xSSCからなる高ストリンジェント洗浄である。
【0113】
「中等度にストリンジェントな条件」は、Sambrookら、上記、に記載され、且つ上述したよりも、より劣る洗浄液とハイブリダイゼーション条件(例えば、温度、イオン強度、及び%SDS)の使用を含む。中等度にストリンジェントな条件の実例は、20%ホルムアミド、5xSSC(150mMのNaCl、15mMのクエン酸三ナトリウム)、50mMのリン酸ナトリウム(pH7.6)、5xデンハード溶液、10%デキストラン硫酸、及び20mg/mLの変性し切断したサケ精子DNAを含む溶液中37℃で一晩のインキュベーション、続いて約37-50℃で1xSSC中で該フィルターの洗浄、のような条件である。熟達した研究者であれば、プローブ長などのようなファクターを調整するために必要な、温度、イオン強度などをどのように調節するかを認識するであろう。
【0114】
「サザン分析」又は「サザンブロッティング」は、DNA又はDNA含有組成物の制限エンドヌクレアーゼ消化においてDNA配列の存在が、既知の標識したオリゴヌクレオチド又はDNAフラグメントへのハイブリダイゼーションによって確認される方法である。サザン分析は、典型的に、アガロースゲル上でのDNA消化物の電気泳動分離、電気泳動分離後のDNAの変性、及びSambrookら、Molecular Cloning: A Laboratory Manual(New York: Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1989)のセクション9.37-9.52に記載されたような、放射性標識した、ビオチン化した、又は酵素標識したプローブによる、ニトロセルロース、ナイロン又は分析用に好適な別の膜への該DNAの転移を含む。
【0115】
「ノーザン分析」又は「ノーザンブロッティング」は、オリゴヌクレオチド、DNAフラグメント、cDNA又はそのフラグメント、又はRNAフラグメントのような既知のプローブにハイブリダイズするRNA配列を同定するために用いる方法である。そのプローブは、32Pのような放射性同位体、又はビオチン化によって、又は酵素によって標識される。分析するべきRNAは、アガロース又はポリアクリルアミドゲル上で普通に電気泳動的に分離され、ニトロセルロース、ナイロン、又は他の適当な膜に転移し、さらにSambrookら、上記、のセクション7.39-7.52中に記載されたそれらのような当該分野で周知の標準技術を用いて、該プローブとハイブリダイズされる。
【0116】
II.本発明の組成物と方法
1.全長PRO241ポリペプチド
本発明は、PRO241と本出願中で称したポリペプチドをコードしている新たに同定及び単離したヌクレオチド配列を提供する。特に、本出願人は、後述する実施例で更に詳細に記載したように、PRO241ポリペプチドをコードしているcDNAを同定及び単離している。BLAST及びFastA配列アライメントコンピュータプログラムを用いて、本出願人は、PRO241ポリペプチドの部分が各種のビグリカンタンパク質と顕著な相同性を有することを知見した。従って、本出願中に開示したPRO241ポリペプチドは、新たに同定されたビグリカン同族体ポリペプチドであり、且つビグリカンタンパク質の典型的な活性を所有し得るということをここに確信した。
【0117】
2.全長PRO243ポリペプチド
本発明は、PRO243と本出願中で称したポリペプチドをコードしている新たに同定及び単離したヌクレオチド配列を提供する。特に、本出願人は、後述する実施例で更に詳細に記載したように、PRO243ポリペプチドをコードしているcDNAを同定及び単離している。BLAST及びFastA配列アライメントコンピュータプログラムを用いて、本出願人は、全長天然配列PRO243(図4及び配列番号:7に示した)が、アフリカツメガエル及びXenopusコルディン(chordin)と50%アミノ酸配列同一性を、及びラットコルディン(chordin)と77%相同性を有することを知見した。従って、本出願中に開示したPRO243ポリペプチドは、コルディン(chordin)タンパク質ファミリーの新たに同定されたメンバーであり、且つ脊索に影響を及ぼすとともに中胚葉の背方化(dorsalization)による筋肉形成の能力を所有し得るということをここに確信した。
【0118】
3.全長PRO299ポリペプチド
本発明は、PRO299と本出願中で称したポリペプチドをコードしている新たに同定及び単離したヌクレオチド配列を提供する。特に、本出願人は、後述する実施例で更に詳細に記載したように、PRO299ポリペプチドをコードしているcDNAを同定及び単離している。BLAST及びFastA配列アライメントコンピュータプログラムを用いて、本出願人は、PRO299ポリペプチドの各部が、切痕(notch)タンパク質と顕著な相同性を有することを知見した。従って、本出願中に開示したPRO299ポリペプチドは、切痕タンパク質の新たに同定されたメンバーであり、且つ切痕タンパク質ファミリーの典型的なシグナリング特性を所有し得るということをここに確信した。
【0119】
4.全長PRO323ポリペプチド
本発明は、PRO323と本出願中で称したポリペプチドをコードしている新たに同定及び単離したヌクレオチド配列を提供する。特に、本出願人は、後述する実施例で更に詳細に記載したように、PRO323ポリペプチドをコードしているcDNAを同定及び単離している。BLAST及びFastA配列アライメントコンピュータプログラムを用いて、本出願人は、PRO323ポリペプチドの各部が、各種のジペプチダーゼタンパク質と顕著な相同性を有することを知見した。従って、本出願中に開示したPRO323ポリペプチドは、ジペプチダーゼ活性を有する新たに同定されたジペプチダーゼ同族体であるということをここに確信した。
【0120】
5.全長PRO327ポリペプチド
本発明は、PRO327と本出願中で称したポリペプチドをコードしている新たに同定及び単離したヌクレオチド配列を提供する。特に、本出願人は、後述する実施例で更に詳細に記載したように、PRO327ポリペプチドをコードしているcDNAを同定及び単離している。BLAST及びFastA配列アライメントコンピュータプログラムを用いて、本出願人は、PRO327ポリペプチドの部分が、各種のプロラクチンレセプタータンパク質と顕著な相同性を有することを知見した。従って、本出願中に開示したPRO327ポリペプチドは、新たに同定されたプロラクチンレセプター同族体であり、且つプロラクチンレセプタータンパク質の典型的な活性を有するということをここに確信した。
【0121】
6.全長PRO233ポリペプチド
本発明は、PRO233と本出願中で称したポリペプチドをコードしている新たに同定及び単離したヌクレオチド配列を提供する。特に、本出願人は、後述する実施例で更に詳細に記載したように、PRO233ポリペプチドをコードしているcDNAを同定及び単離している。BLAST及びFastA配列アライメントコンピュータプログラムを用いて、本出願人は、PRO233ポリペプチドの部分が、各種の還元酵素タンパク質と顕著な相同性を有することを知見した。本出願人はまた、PRO233をコードしているDNAが、線虫(Caenorhabditis elegans)からのタンパク質と顕著な相同性を有することも見出した。従って、本出願中に開示したPRO233ポリペプチドは、還元酵素ファミリーの新たに同定されたメンバーであり、且つ還元酵素ファミリーの典型的な細胞の酸化還元状態に影響を及ぼす能力を所有するということをここに確信した。
【0122】
7.全長PRO344ポリペプチド
本発明は、PRO344と本出願中で称したポリペプチドをコードしている新たに同定及び単離したヌクレオチド配列を提供する。特に、本出願人は、後述する実施例で更に詳細に記載したように、PRO344ポリペプチドをコードしているcDNAを同定及び単離している。BLAST及びFastA配列アライメントコンピュータプログラムを用いて、本出願人は、PRO344ポリペプチドの部分が、ヒトとマウスの補体タンパク質(complement proteins)と顕著な相同性を有することを知見した。従って、本出願中に開示したPRO344ポリペプチドは、補体ファミリーの新たに同定されたメンバーであり、且つタンパク質の補体ファミリーに典型的な炎症プロセスに影響を及ぼす能力を所有するということをここに確信した。
【0123】
8.全長PRO347ポリペプチド
本発明は、PRO347と本出願中で称したポリペプチドをコードしている新たに同定及び単離したヌクレオチド配列を提供する。特に、本出願人は、後述する実施例で更に詳細に記載したように、PRO347ポリペプチドをコードしているcDNAを同定及び単離している。BLAST及びFastA配列アライメントコンピュータプログラムを用いて、本出願人は、PRO347ポリペプチドの部分が、各種のシステイン-富分泌タンパク質(cysteine-rich secretory proteins)と顕著な相同性を有することを知見した。従って、本出願中に開示したPRO347ポリペプチドは、新たに同定されたシステイン-富分泌タンパク質であり、且つシステイン-富分泌タンパク質ファミリーの典型的な活性を所有し得るということをここに確信した。
【0124】
9.全長PRO354ポリペプチド
本発明は、PRO354と本出願中で称したポリペプチドをコードしている新たに同定及び単離したヌクレオチド配列を提供する。特に、本出願人は、後述する実施例で更に詳細に記載したように、PRO354ポリペプチドをコードしているcDNAを同定及び単離している。BLAST及びFastA配列アライメントコンピュータプログラムを用いて、本出願人は、PRO354ポリペプチドの部分が、インター-アルファ-トリプシンインヒビター重鎖タンパク質と顕著な相同性を有することを知見した。従って、本出願中に開示したPRO354ポリペプチドは、新たに同定されたインター-アルファ-トリプシンインヒビター重鎖タンパク質ということをここに確信した。
【0125】
10.全長PRO355ポリペプチド
本発明は、PRO355と本出願中で称したポリペプチドをコードしている新たに同定及び単離したヌクレオチド配列を提供する。特に、本出願人は、後述する実施例で更に詳細に記載したように、PRO355ポリペプチドをコードしているcDNAを同定及び単離している。BLAST及びFastA配列アライメントコンピュータプログラムを用いて、本出願人は、PRO355ポリペプチドの各部が、CRTAMタンパク質と顕著な相同性を有することを知見した。本出願人はまた、PRO355ポリペプチドをコードしているDNAが、胸腺細胞活性化及び発育タンパク質、H20Aレセプター、H20Bレセプター、ポリオウイルスレセプター及びオナガザル(Cercopithecus aethiops)AGMデルタ1タンパク質との相同性を有することも見出している。従って、本出願中に開示したPRO355ポリペプチドは、CRTAMタンパク質ファミリーの新たに同定されたメンバーであるということをここに確信した。
【0126】
11.全長PRO357ポリペプチド
本発明は、PRO357と本出願中で称したポリペプチドをコードしている新たに同定及び単離したヌクレオチド配列を提供する。特に、本出願人は、後述する実施例で更に詳細に記載したように、PRO357ポリペプチドをコードしているcDNAを同定及び単離している。BLAST及びFastA配列アライメントコンピュータプログラムを用いて、本出願人は、PRO357ポリペプチドの各部が、インスリン様成長因子の酸不安定サブユニットと顕著な相同性を有することを知見した。本出願人はまた、DNA44804-1248の非コード領域が、WO95/14772中に記載されたヒト遺伝子サイン(human gene signature)と整列(align)することも見出している。本出願人はさらに、DNA44804-1248の非コード領域が、DeuringとDoerfler,Gene,26:283-289(1983)中に記載されたアデノウイルス型1/2一組換えウイルスDNAと整列することを見出している。コード領域相同性に基づいて、本出願中に開示したPRO357ポリペプチドは、タンパク質のロイシン富繰り返しファミリー(leucine rich repeat family)の新たに同定されたメンバーであり、且つ特に、インスリン様成長因子の酸不安定サブユニットに関連付けられるということをここに確信した。それだけでPRO357は、結合メカニズムに含まれ、且つ複合体の一部であろうと思われる。
【0127】
12.全長PRO715ポリペプチド
本発明は、PRO715と本出願中で称したポリペプチドをコードしている新たに同定及び単離したヌクレオチド配列を提供する。特に、本出願人は、後述する実施例で更に詳細に記載したように、PRO715ポリペプチドをコードしているcDNAを同定及び単離している。BLAST及びFastA配列アライメントコンピュータプログラムを用いて、本出願人は、PRO715ポリペプチドの各部が、タンパク質の腫瘍壊死ファミリーの各種のメンバーと顕著な相同性を有することを知見した。従って、本出願中に開示したPRO715ポリペプチドは、タンパク質の腫瘍壊死因子の新たに同定されたメンバーであるということをここに確信した。
【0128】
13.全長PRO353ポリペプチド
本発明は、PRO353と本出願中で称したポリペプチドをコードしている新たに同定及び単離したヌクレオチド配列を提供する。特に、本出願人は、後述する実施例で更に詳細に記載したように、PRO353ポリペプチドをコードしているcDNAを同定及び単離している。BLAST及びFastA配列アライメントコンピュータプログラムを用いて、本出願人は、PRO353ポリペプチドの各部が、ヒトとマウスの補体タンパク質(complement proteins)と顕著な相同性を有することを知見した。従って、本出願中に開示したPRO353ポリペプチドは、補体ファミリーの新たに同定されたメンバーであり、且つタンパク質の補体ファミリーに典型的な炎症プロセスに影響を及ぼす能力を所有するということをここに確信した。
【0129】
14.全長PRO361ポリペプチド
本発明は、PRO361と本出願中で称したポリペプチドをコードしている新たに同定及び単離したヌクレオチド配列を提供する。特に、本出願人は、後述する実施例で更に詳細に記載したように、PRO361ポリペプチドをコードしているcDNAを同定及び単離している。BLAST及びFastA配列アライメントコンピュータプログラムを用いて、本出願人は、PRO361ポリペプチドの各部が、ムチンとキチナーゼタンパク質と顕著な相同性を有することを知見した。従って、本出願中に開示したPRO361ポリペプチドは、ムチン及び/又はキチナーゼタンパク質の新たに同定されたメンバーであり、且つムチンとキチナーゼタンパク質のそれぞれに典型的な癌、植物病原性又はレセプター機能と関係付けできるということをここに確信した。
【0130】
15.全長PRO365ポリペプチド
本発明は、PRO365と本出願中で称したポリペプチドをコードしている新たに同定及び単離したヌクレオチド配列を提供する。特に、本出願人は、後述する実施例で更に詳細に記載したように、PRO365ポリペプチドをコードしているcDNAを同定及び単離している。BLAST及びFastA配列アライメントコンピュータプログラムを用いて、本出願人は、PRO365ポリペプチドの各部が、ヒト2−19タンパク質と顕著な相同性を有することを知見した。従って、本出願中に開示したPRO365ポリペプチドは、ヒト2−19タンパク質ファミリーの新たに同定されたメンバーであるということをここに確信した。
【0131】
16.PROポリペプチド変異体
ここに記載した全長天然配列PROポリペプチドに加えて、PROポリペプチド変異体を調製できることが意図される。PROポリペプチド変異体は、PROポリペプチドDNAに変えられる適切なヌクレオチドを導入することによって、或いは望まれるPROポリペプチドの合成によって調製することができる。当業者であれば、アミノ酸変更が、グリコシル化部位の数或いは位置を変更すること、又は膜固定(membrane anchoring)特性を変更することのような、PROポリペプチドの後翻訳処理を変更し得ることを予期するであろう。
【0132】
天然全長配列PROポリペプチドにおける又はここに記載したPROポリペプチドの各種ドメインにおける変異は、例えば米国特許第5364934号中に記載された保存的及び非保存的変異のための何れかの技術とガイドラインとを用いて行うことができる。変異は、天然配列PROポリペプチドとの比較としてPROポリペプチドのアミノ酸配列における変化に帰結するPROポリペプチドをコードしている1以上のコドンの置換、欠失又は挿入とし得る。任意に、変異は、PROポリペプチドの1以上のドメインにおいて少なくとも1のアミノ酸と何れかの他のアミノ酸との置換によるものである。望まれる活性に不利な影響を与えることなしに、アミノ酸残基が挿入され、置換され或いは欠失され得ることの測定におけるガイダンスは、知られたタンパク質分子に相同なそれと該PROポリペプチドの配列とを比較すること及び高度に相同な領域で作られるアミノ酸配列変化の数を最小にすることによって見出すことができる。アミノ酸置換は、セリンによるロイシンの置換、即ち保存的アミノ酸置換のような、類似の構造及び/又は化学特性を有する別なアミノ酸によって1のアミノ酸を置換することの結果とすることができる。挿入又は欠失は、任意に、1乃至5アミノ酸の範囲内として良い。許容される変異は、該配列中のアミノ酸の挿入、欠失又は置換を系統的に行うこと及び後述の実施例中に記載したインビトロアッセイにおいて活性について得られた変異体を試験することによって測定し得る。
【0133】
特有な実施態様において、重要な保存的置換が、好適な置換体の表題の下に表1中に示される。もしそのような置換が生物学的活性における変化に帰結するのであれば、より現実的な変化、表1中に示した典型的な置換体、又はアミノ酸分類に参照して更に後で記載したように導入され且つ生生成物がスクリーンされる。
【0134】
【表1】
【0135】
PROポリペプチドの機能或いは免疫学的同一性における実質上の改変は、(a)その置換の領域中のポリペプチドバックボーンの構造、例えばシート或いはヘリックスの立体配座としての、(b)標的部位での該分子の電荷又は疎水性、又は(c)側鎖の嵩、を維持することについてのその作用において有意に異なる置換体を選択することによって達成される。自然発生残基は、共通の側鎖特性に基づいてグループに分けられる:
(1)疎水性:ノルロイシン,met,ala,val,leu,ile;
(2)中性親水性:cys,ser,thr;
(3)酸性:asp,glu;
(4)塩基性:asn,gln,his,lys,arg;
(5)鎖の方位に影響する残基:gly,pro;及び
(6)芳香族性:trp,tyr,phe。
【0136】
非保存性置換は、別なクラスによってこれらのクラスの1のメンバーを交換することを必要とするだろう。そのように置換した残基はまた、保存的置換部位に、又は、より好ましくは、保持されている(非-保存的)部位にも導入し得る。
【0137】
該変異は、オリゴヌクレオチド介在(部位特異的)変異誘発、アラニンスキャニング、及びPCR変異誘発のような当該分野で周知の方法を用いて作製できる。部位特異的変異誘発[Carterら、Nucl. Acids Res.,13:4331(1986);Zollerら、Nucl. Acids Res.,10:6487(1987)]、カセット変異誘導[Wellsら、Gene,34:315(1985)]、制限選択変異誘導[Wellsら、Philos.Trans.R.Soc.London SerA,317:415(1986)]、又は他の周知の技術は、望まれるPROポリペプチド変異体DNAを製造するためのクローン化DNAで実行できる。
【0138】
スキャニングアミノ酸分析はまた、隣接配列に従って1以上のアミノ酸を同定するために利用することができる。スキャニングアミノ酸の中で好適なものは、相対的に小さい、中性アミノ酸である。そのようなアミノ酸は、アラニン、グリシン、セリン、及びシステインを含む。アラニンは、それがベータ炭素以外の側鎖がなく、しかもその変異体の主鎖構造を変更する可能性が少ないため、このグループの中で典型的に好ましいスキャニングアミノ酸である[CunninghamとWells、Science,244:1081-1085(1989)]。アラニンはまた、それが最も普通のアミノ酸であるため、典型的に好ましい。さらに、それは埋もれた及び露出した位置の両方で頻繁に見出される[Creighton,The Proteins(W.H.Freeman & Co.,N.Y.);Chothia,J.Mol.Biol.,150:1(1976)]。もしアラニン置換が変異体の要求量を生じないならば、アイソテリックアミノ酸を使用することができる。
【0139】
17.PROポリペプチドの修飾
PROポリペプチドの共有結合修飾物は、本発明の範囲内に含まれる。共有結合修飾の一つのタイプは、選択した側鎖又はNかC末端残基と反応することができる有機誘導化剤によって、PROポリペプチドの標的としたアミノ酸残基を反応させることを含む。二官能剤による誘導体化は、例えば抗-PROポリペプチド抗体を精製するための方法において使用するために水不溶性支持体マトリックスに又は表面にPROポリペプチドを、及びその反対を架橋するために有用である。普通に使用される架橋剤は、例えば、1,1-ビス(ジアゾアセチル)-2-フェニルエタン、グルタルアルデヒド、N-ヒドロキシスクシンイミドエステル、例えば4-アジドサリチル酸とのエステル、3,3'-ジチオビス(スクシンイミジルプロピオナート)のようなジスクシンイミジルエステルを含むホモ二官能イミドエステル、ビス-N-マレイミド-1,8-オクタンのような二官能マレイミド、及びメチル-3-[(p-アジドフェニル)ジチオ]プロピオイミダートのような剤を含む。
【0140】
他の修飾は、グルタミニルとアスパラギニル残基をそれぞれ相当するグルタミルとアスパルチル残基への脱アミド化、プロリンとリシンのヒドロキシル化、セリル又はトレオニル残基の水酸基のリン酸化、リシン、アルギニン、及びヒスチジン側鎖のα-アミノ基のメチル化[T.E.Creighton,Proteins: Structure and Molecular Properties,W.H.Freeman & Co.,San Francisco,pp.79-86(1983)]、N末端アミンのアセチル化、及び何れかのC末端カルボキシル基のアミド化を含む。
【0141】
本発明の範囲内に含まれるPROポリペプチドの共有結合修飾の別なタイプは、該ポリペプチドの天然グリコシル化パターンを変えることを含む。「天然グリコシル化パターンを変える」とは、天然配列PROポリペプチド中で見出される1以上の炭水化物部分を欠失すること、及び/又は天然配列PROポリペプチド中に存在しない1以上のグリコシル化部位を加えること、及び/又はグリコシル化部位に付着した糖残基の比率及び/又は組成を変えることを意味すると、ここでの目的のために意図される。
【0142】
PROポリペプチドへのグリコシル化部位の付加は、アミノ酸配列を変えることによって達成し得る。その変更は、例えば、天然配列PROポリペプチドへの1以上のセリン又はトレオニン残基の付加、又はそれによる置換によって作製し得る(O-結合したグリコシル化部位の場合)。該PROポリペプチドのアミノ酸配列は、特にコドンが望まれるアミノ酸に翻訳されるであろうようにそれが生成されるよう、予備選択した塩基で該PROポリペプチドをコードしているDNAを変異することによって、DNAレベルでの変更を通して任意に変更し得る。
【0143】
PROポリペプチドポリペプチド上の炭水化物部分の数を増加するための別の手段は、ポリペプチドへのグリコシドの化学的又は酵素的カップリングによるものである。そのような方法は、当該分野において、例えば、1987年9月11日公開のWO87/05330中に、及びAplinとWriston,CRC Crit.Rev.Biochem.,259-306頁(1981)中に記載されている。
【0144】
PROポリペプチド上にある炭水化物部分の除去は、化学的又は酵素的に、又はグリコシル化のための標識として利用されるアミノ酸残基をコードしているコドンの突然変異的置換によって達成し得る。化学的な脱グリコシル化は、当該分野で周知であるとともに、例えば、Hakimuddinら、Arch.Biochem.Biophys.,259:52(1987)によって、及びEdgeら、Anal.Biochem.,118:131(1981)によって記載される。ポリペプチド上の炭水化物部分の酵素的な切断は、Thotakuraら、Meth. Enzymol.,138:350(1987)により記載されたようなエンド-及びエキソ-グリコシダーゼの使用によって達成することができる。
【0145】
本発明のPROポリペプチドの共有結合修飾の別なタイプは、米国特許第4640835;4496689:4301144;4670417;4791192又は4179337号中に記載される手法において、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、又はポリオキシアルキレンのような各種の非タンパク様ポリマーの一つにPROポリペプチドを結合することを含む。
【0146】
本発明のPROポリペプチドはまた、別な、非相同ポリペプチド又はアミノ酸配列に融合したPROポリペプチドを含むキメラ分子を形成する手法においても修飾され得る。一つの実施態様において、そのようなキメラ分子は、PROポリペプチドと、抗-標識抗体(anti-tag antibody)が選択的に結合できるエピトープを提供する標識ポリペプチドとの融合体を含む。該エピトープ標識は一般に、PROポリペプチドのアミノ又はカルボキシ末端に配される。そのようなエピトープ-標識形(epitope-tagged forms)の存在は、該標識ポリペプチドに対する抗体を用いて検出することができる。また、エピトープ標識の提供は、エピトープ標識に結合する抗-標識抗体又は別なタイプのアフィニティーマトリックスを用いるアフィニティー精製によって容易に精製されるPROポリペプチドを可能にする。代わりの実施態様において、該キメラ分子は、PROポリペプチドと、免疫グロブリンとの又は免疫グロブリンの特有な領域との融合を含み得る。キメラ分子の二価の形態のために、そのような融合はIgG分子のFc領域までとすることができる。
【0147】
各種の標識ポリペプチドとそのそれぞれの抗体は、当該分野で良く知られる。実例は、ポリヒスチジン(ポリ-his)又はポリヒスチジングリシン(ポリ-his-gly)標識;flu HA標識ポリペプチドとその抗体12CA5[Fieldら、Mol.Cell.Biol.,8:2159-2165(1988)];c-myc標識とそれの8F9,3C7,6E10,G4,B7,及び9E10抗体[Evanら、Molecular and Cellular Biology, 5:3610-3616(1985)];及び単純ヘルペスウイルス糖タンパク質D(gD)標識及びその抗体[Paborskyら、Protein Engineering,3(6):547-553(1990)]を含む。他の標識ポリペプチドは、Flag-ペプチド[Hoppら、BioTechnology,6:1204-1210(1988)];KT3エピトープペプチド[Martinら、Science,255:192-194(1992)];α-チューブリンエピトープペプチド[Skinnerら、J.Biol.Chem.,266:15163-15166(1991)];及びT7遺伝子10タンパク質ペプチド標識[Lutz-Freyermuthら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,87:6393-6397(1990)]を含む。
【0148】
18.PROポリペプチドの調製
以下の記載は、PROポリペプチド核酸を含むベクターによって形質転換した又はトランスフェクションした細胞を培養することによるPROポリペプチドの調製に本質的に関する。勿論、それはPROポリペプチドを製造するために利用し得る、当該分野で周知の方法で代替することが意図される。例えば、PROポリペプチド配列、又はその一部は、固相技術を用いて直接ペプチド合成によって製造して良い[例えば、Stewartら、Solid-Phase Peptide Synthesis,W.H.Freeman Co.,San Francisco,CA,(1969); Merrifield,J.Am.Chem.Soc.,85:2149-2154(1963)を参照]。インビトロタンパク質合成は、手動技術を用いて又は自動によって実施して良い。自動化合成は、例えば、製造者の指示に従ってApplied Biosystemsペプチドシンセサイザー(Foster City,CA)を用いて達成し得る。PROポリペプチドの各部は、別々に化学合成し、全長PROポリペプチドを製造するための化学的又は酵素的方法を用いて結合して良い。
【0149】
A.PROポリペプチドをコードしているDNAの単離
PROポリペプチドをコードしているDNAは、PROポリペプチドmRNAを持つとともに、それを検出可能なレベルで発現すると思われる組織から調製したcDNAライブラリーから得られる。従って、ヒトPROポリペプチドDNAは、実施例中に記載したようなヒト組織から調製したcDNAライブラリーから利便的に得ることができる。PROポリペプチド-コード化遺伝子は、ゲノムライブラリーから、或いはオリゴヌクレオチド合成によって得ることもできる。
【0150】
ライブラリーは、興味ある遺伝子又はそれによってコードしたタンパク質を同定するために設計したプローブ(PROポリペプチドに対する抗体又は少なくとも約20−80塩基のオリゴヌクレオチドのような)によってスクリーンすることができる。その選択したプローブによるcDNA又はゲノムライブラリーのスクリーニングは、Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual(New York:Cold Spring Harbor Laboratory Press,1989)中に記載されるような標準手法を用いて処理し得る。望まれるPROポリペプチドをコードしている遺伝子を単離するための代替手段は、PCR方法論を使用することである[Sambrookら、上記;Dieffenbachら、PCR Primer:A Laboratory Manual(Cold Spring Harbor Laboratory Press,1995)]。
【0151】
後述の実施例は、cDNAライブラリーをスクリーニングするための技術を記載する。プローブとして選択したオリゴヌクレオチド配列は、擬陽性が最少化されるように十分な長さにすると共に十分に明白なものにすべきである。そのオリゴヌクレオチドは、それがスクリーンするべきライブラリー中のDNAへのハイブリダイゼーションを検出できるように好ましくは標識される。標識化(labeling)の方法は、当該分野で周知であり、32P-標識したATPのような放射性標識、ビオチン化、又は酵素標識を含む。中等度ストリンジェンシー及び高度なストリンジェンシーを含むハイブリダイゼーション条件は、Sambrookら、上記、中に提供される。
【0152】
そのようなライブラリースクリーニング法で同定される配列は、寄託された及びGenBankのような公共のデータベース又は他のプライベートな配列データベースで利用可能な他の周知の配列と比較し且つアライメントすることができる。その分子の定められた領域内の又は全長配列にわたる配列同一性(アミノ酸又はヌクレオチドレベルでの何れか一方)は、相同性を測定するため各種アルゴリズムを利用する、BLAST,ALIGN,DNAstar,及びINHERITのようなコンピューターソフトウェアプログラムを用いた配列アラインメントを経て決定することができる。
【0153】
タンパク質コード配列を有する核酸は、初めてここに記載した推定アミノ酸配列を用いて、もし必要なら、プレカーサーを検出する及びcDNAに逆転写されていないmRNAの中間体を加工するために、Sambrookら、上記、中に記載したような通常のプライマー伸長法を用いて、選択したcDNA又はゲノムライブラリーをスクリーニングすることによって得ることができる。
【0154】
B.宿主細胞の選択と形質転換
宿主細胞は、PROポリペプチド作製用にここに記載した発現又はクローニングベクターによって形質転換され、そしてプロモーターの誘導、形質転換体の選択、又は望まれる配列をコードしている遺伝子の増幅のために適切なように修正した通常の栄養培地中で培養される。培地、温度、pHなどのような培養条件は、過度の実験なしに熟達した研究者であれば選択することができる。一般に、細胞培養の生産性を最大化するための原理、プロトコール、及び実践技術は、Mammalian Cell Biotechnology: A Practical Approach,M.Butler,ed.(IRL Press,1991)及びSambrookら、上記、中に見出すことができる。
【0155】
トランスフェクションの方法は、例えば、CaPO4とエレクトロポレーションのように、当業者に周知である。使用される宿主細胞に基づいて、形質転換は、そのような細胞に対して適切な標準技術を用いて実行される。Sambrookら、上記、に記載される塩化カルシウムを用いるカルシウム処理、又はエレクトロポレーションは、一般に原核生物又は本質的に細胞壁バリアを含む他の細胞用に使用される。アグロバクテリウム・チュメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)による感染は、Shawら、Gene,23:315(1983)と1989年6月29日に公開されたWO89/05859によって記載されるようなある種の植物細胞の形質転換のために使用される。そのような細胞壁を持たない哺乳動物細胞のためには、Grahamとvan der Eb,Virology,52:456-457(1978)のリン酸カルシウム沈殿法が利用できる。哺乳動物細胞宿主系形質転換の一般態様は、米国特許第4399216号中に記載されている。酵母における形質転換は典型的に、Van Solingenら、J.Bact.,130:946(1977)とHsiaoら、Proc.Natl.Acad.Sci.(USA),76:3829(1979)の方法に従って行われる。しかしながら、核ミクロ注入、エレクトロポレーション、完全な細胞と細菌のプロトプラスト融合、ポリカチオン、例えばポリブレン又はポリオルニチン、のような細胞にDNAを導入するための他の方法も使用し得る。哺乳動物細胞を形質転換するための各種の技術については、Keownら、Methods in Enzymology,185:527-537(1990)とMansourら、Nature,336:348-352(1988)を参照。
【0156】
ここでのベクターにおいてDNAをクローニング又は発現するために好適な宿主細胞は、原核生物、酵母、又は高等な真核生物を含む。適当な原核生物は、真性細菌属に制限されることなく、グラム陰性又はグラム陽性生物、例えば大腸菌のようなエシェリキア属を含む。大腸菌K12株MM294(ATCC 31446);大腸菌X1776(ATCC 31537);大腸菌W3110株(ATCC 27325);及びK5 772(ATCC 53635)のような各種の大腸菌株が公的に利用可能である。他の好適な原核生物宿主細胞は、例えば大腸菌のようなエシェリキア属、エンテロバクター属、エルウイニア属、クレブシエラ属、プロテウス属、サルモネラ属、例えばネズミチフス菌、セラティア属、例えば霊菌、及びシゲラ属のような腸内細菌科、同じくB.スブチリス、B.リケニホルミス(例えば、B.リケニホルミス41Pは1989年4月12日に公開されたDD266710中に開示される)のようなバチルス属、緑膿菌のようなシュードモナス属、及びストレプトマイセス属を含む。大腸菌K12株MM294(ATCC 31446);大腸菌X1776(ATCC 31537);大腸菌W3110株(ATCC 27325);及びK5 772(ATCC 53635)のような各種の大腸菌株が公的に利用可能である。これらの例示は、制限のためではなく説明のためである。W3110株は、それが組み換えDNA製品発酵のために普通の宿主株であるために特に好ましい宿主又は親の一つである。好ましくは、該宿主細胞は、最少量の蛋白分解酵素を分泌する。例えば、W3110株は、完全な遺伝子型tonAを有する大腸菌W3110株1A2;完全な遺伝子型tonA ptr3を有する大腸菌W3110株9E4;完全な遺伝子型tonA ptr3 phoA E15 (argF-lac)169 degP ompT kanrを有する大腸菌W3110株27C7(ATCC 55244);完全な遺伝子型tonA ptr3 phoA E15 (argF-lac)169 degP ompT rbs7 ilvG kanrを有する大腸菌W3110株37D6;非カナマイシン耐性degT欠失変異を持つ37D6株である大腸菌W3110株40B4;及び1990年8月7日発行の米国特許第4946783号中に開示される変異ペリプラズミックプロテアーゼを有する大腸菌株を含むそのような宿主の実例とともに、該宿主に内因性のタンパク質をコードしている遺伝子中の遺伝的変異をもたらすように修正し得る。或いは、クローニングのインビトロ法、例えばPCR又は他の核酸ポリメラーゼ反応が好適である。
【0157】
原核生物に加えて、糸状真菌又は酵母のような真核微生物が、PROポリペプチドをコードしている核酸を含むベクターのための適当なクローニング又は発現宿主である。サッカロミセス・セレビシエは、普通に用いられる下等な真核宿主微生物である。しかしながら、多数の他の属、種、及び株が普通に利用でき且つここで有用である、例えばシゾサッカロミセス・ポンベ(BeachとNurse, Nature, 290: 140(1981); 1985年5月2日公開のEP139383);クリベロマイセス宿主(米国特許第4943529号;Fleerら、Bio/Technology, 9:968-975(1991))例えばK.ラクチス(MW98-8C, CBS683, CBS4574; Louvencourtら、J. Bacteriol., 737(1983))、K.フラジリス(ATCC 12424)、K.ブルガリクス(ATCC 16045)、K.ウイッケラミイ(ATCC 24178)、K.ワルチ(ATCC 56500)、K.ドロソフィラルム(ATCC 36906; Van den Bergら、Bio/Technology, 8:135(1990)、K.サーモトレランス及びK.マキシアヌス;ヤロウィア(EP402226);ピシア・パストリス(EP183070;Sreekrishnaら、J. Basic Microbiol., 28:265-278(1988));カンジダ属;トリコデルマ・リーシア(EP244,234);ニューロスポラ・クラシア(Caseら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 76: 5259-5263(1979));シュヴァニオミセス属、例えばシュヴァニオミセス・オクシデンタリス(1990年10月31日公開のEP394538);及び糸状真菌、例えば、ニューロスポラ属、ペニシリウム属、トリポクラディウム属(1991年1月10日公開のWO91/00357)のような、及びアスペルギルス属宿主、A.ニドランス(Ballanceら、Biochem. Biophys. Res. Commun., 112: 284-289(1983); Tilburnら、Gene, 26:205-221(1983); Yeltonら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 81:1470-1474(1984))及びA.ニガー KellyとHynes, EMBO J., 4:475-479(1985)。メチロトロピック酵母がここでは好適であり、制限されることなしに、ハンセヌラ属、カンジダ属、クロエケラ属、ピシア属、サッカロミセス属、トルロプシス属及びロドトルラ属からなる属から選択されるメタノールで増殖可能な酵母を含む。酵母のこのクラスの例示である特有の種のリストは、C.Anthony, The Biochemistry of Methylotrophs, 269(1982)中に見出される。
【0158】
グリコシル化PROポリペプチドの発現用に好適な宿主細胞は、多細胞生体から得られる。無脊椎動物細胞の実例は、ショウジョウバエS2とスポドプテラSf9のような昆虫細胞、同じく植物細胞を含む。有用な哺乳動物宿主細胞系の実例は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)とCOS細胞を含む。より特有な例は、SV40によって形質転換したサル腎臓CV1系(COS-7,ATCC CRL 1651);ヒト胚腎臓系(293又は懸濁培養での増殖用にサブクローンした293細胞、Grahamら、J.Gen Virol.,36:59(1977));チャイニーズハムスター卵巣細胞/-DHFR(CHO、UrlaubとChasin,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,77:4216(1980));マウスセルトーリ細胞(TM4,Mather,Biol.Reprod.,23:243-251(1980));ヒト肺細胞(W138,ATCC CCL 75);ヒト肝臓細胞(Hep G2, HB 8065);及びマウス乳癌(MMT 060562, ATCC CCL51)を含む。適切な宿主細胞の選択は、当業者の範囲内と思われる。
【0159】
C.複製可能ベクターの選択と使用
PROポリペプチドをコードしている核酸(例えば、cDNA又はゲノムDNA)は、クローニングのため(そのDNAの増幅)又は発現のために複製可能ベクターに挿入し得る。各種のベクターが、公的に利用可能である。該ベクターは、例えば、プラスミド、コスミド、ウイルス粒子、又はファージの形態とし得る。その適切な核酸配列は、各種の手法によって該ベクター内に挿入し得る。一般に、DNAは、当該分野で周知の技術を用いて適当な制限エンドヌクレアーゼ部位に挿入される。ベクター構成要素は、一般に、制限されることなしに、1以上のシグナル配列、複製の起点、1以上のマーカー遺伝子、エンハンサー要素、プロモーター、及び転写終止配列を含む。これらの1以上の構成要素を含む適当なベクターの構築は、熟達した研究者に周知である標準的な結紮技術を利用する。
【0160】
興味あるPROポリペプチドは、直接的にのみならず、シグナル配列又は成熟タンパク質又はポリペプチドのN末端で特異的切断部位を有する他のポリペプチドとし得る非相同ポリペプチドとの融合ポリペプチドとして組み換えによって製造し得る。一般に、該シグナル配列は、ベクターの構成要素として良く、又はそれはベクターに挿入されるPROポリペプチド-コード化DNAの一部とし得る。該シグナル配列は、例えばアルカリホスファターゼ、ペニシリナーゼ、lpp、又は心臓-安定エンテロトキシンIIリーダーのような原核生物のシグナル配列とし得る。酵母分泌用のシグナル配列は、例えば、酵母インベルターゼリーダー、アルファ因子リーダー(サッカロミセスとクリベロミセスα因子リーダーを含む、後者は米国特許第5010182号中に記載される)、又は酸性ホスファターゼリーダー、C.アルビカンスグルコアミラーゼリーダー(1990年4月4日公開のEP362179)、又は1990年11月15日公開のWO90/13646に記載されたシグナルとして良い。哺乳動物細胞発現において、哺乳動物シグナル配列は、同じ又は関連する種の分泌されたポリペプチドからのシグナル配列のようなタンパク質の直接分泌、同じくウイルス分泌リーダーに使用し得る。
【0161】
発現及びクローニングベクターの両方は、選択した宿主細胞の1以上の中でそのベクターの複製を可能にする核酸配列を含む。そのような配列は、各種の細菌、酵母、及びウイルスについて良く知られている。プラスミドpBR322からの複製の起点は、大部分のグラム陰性細菌用に好適であり、2μプラスミド起点は、酵母用に好適であり、且つ各種のウイルス起点(SV40、ポリオーマ、アデノウイルス、VSV、又はBPV)は、哺乳動物細胞中のクローニングベクターに有用である。
【0162】
発現及びクローニングベクターは、典型的に選択遺伝子、選択可能マーカーとも言われる、を含むであろう。典型的な選択遺伝子は、(a)抗生物質又は他の毒素、例えばアンピシリン、ネオマイシン、メトトレキサート、又はテトラサイクリンに対する耐性を与える、(b)補充栄養要求性欠如、又は(c)例えばバチルス属のD-アラニンラセマーゼをコードしている遺伝子のような、複合培地から利用可能でない臨界栄養源の供給、のタンパク質をコードする。
【0163】
哺乳動物細胞用の適当な選択マーカーの実例は、DHFR又はチミジンキナーゼのような、PROポリペプチド-コード核酸を取り込むための感応細胞の同定を可能にするそれらである。野生型DHFRが用いられる場合に適当な宿主細胞は、Urlaubら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,77:4216(1980)によって記載されるように製造され且つ増殖された、DHFR活性が不足したCHO細胞系である。酵母において使用するために適当な選択遺伝子は、酵母プラスミドYRp7に存在するtrp1遺伝子である[Stinchcombら、Nature,282:39(1979);Kingsmanら、Gene, 7:141(1979);Tschemperら、Gene,10:157(1980)]。該trp1遺伝子は、トリプトファン中で増殖する能力を欠いた酵母の変異株、例えば、ATCC No.44076又はPEP4-1用の選択マーカーを提供する[Jones,Genetics,85:12(1977)]。
【0164】
発現及びクローニングベクターは、mRNA合成を導くためのPROポリペプチドコード核酸配列に操作可能に結合したプロモーターを通例は含む。各種の可能性のある宿主細胞によって認識されるプロモーターは周知である。原核生物宿主で使用するために好適なプロモーターは、β-ラクタマーゼとラクトースプロモーター系[Changら、Nature,275:615(1978);Goeddelら、Nature,281:544(1979)]、アルカリホスファターゼ、トリプトファン(trp)プロモーター系[Goeddel, Nucleic Acids Res.,8:4057(1980); EP36776]、及びtacプロモーターのようなハイブリッドプロモーター[deBoerら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,80:21-25(1983)]を含む。細菌系において使用するためのプロモーターは、PROポリペプチドをコードしているDNAに操作可能に結合したShine-Dalgarno(S.D.)配列をも含むであろう。
【0165】
酵母宿主で使用するために適当なプロモーター配列の実例は、3-ホスホグリセラートキナーゼ[Hitzemanら、J.Biol.Chem.,255:2073(1980)]又はエノラーゼ、グリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ、ヘキソキナーゼ、ピルビン酸デカルボキシラーゼ、ホスホフルクトキナーゼ、グルコース-6-リン酸イソメラーゼ、3-ホスホグリセラートムターゼ、ピルビン酸キナーゼ、トリオースホスフェートイソメラーゼ、ホスホグルコースイソメラーゼ、及びグルコキナーゼのような他の解糖酵素[Hessら、J.Adv.Enzyme Reg.,7:149(1968);Holland,Biochemistry,17:4900(1978)]を含む。
【0166】
増殖状態によって制御される転写の更なる効果を有する誘導可能なプロモーターである、他の酵素プロモーターは、アルコールデヒドロゲナーゼ2、イソシトクロムC、酸性ホスファターゼ、窒素代謝に関係する分解酵素、メタロチオネイン、グリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ、及びマルトースとガラクトース利用のための応答可能な酵素のプロモーター領域である。酵母発現における使用のための適当なベクターとプロモーターは、EP73657中に更に記載される。
【0167】
哺乳動物宿主細胞中のベクターからのPROポリペプチド転写は、例えばポリオーマウイルス、鶏痘ウイルス(1989年7月5日公開のUK2211504)、アデノウイルス(アデノウイルス2のような)、ウシパピローマウイルス、鳥類肉腫ウイルス、サイトメガロウイルス、レトロウイルス、B型肝炎ウイルス及びシミアンウイルス40(SV40)のようなウイルスのゲノムから;非相同哺乳動物プロモーター、例えばアクチンプロモーター又は免疫グロブリンプロモーター;及び宿主細胞系と和合されるそのようなプロモーターを提供する、熱ショックプロモーター、から得られたプロモーターによって制御される。
【0168】
より高等な真核生物によるPROポリペプチドをコードしているDNAの転写は、ベクターへのエンハンサー配列の挿入によって増加し得る。エンハンサーは、通常約10から300bpまでのDNAのシス-作用要素であり、その転写を増加するプロモーターに作用する。多くのエンハンサー配列が哺乳動物から現在知られている(グロブリン、エラスターゼ、アルブミン、α-フェトタンパク質、及びインスリン)。典型的に、しかしながら、それは真核生物細胞ウイルスからのエンハンサーが使用されるだろう。実例は、複製起点の後の側上のSV40エンハンサー(bp100−270)、サイトメガロウイルス初期プロモーターエンハンサー、複製起点の後方上のポリオーマエンハンサー、及びアデノウイルスエンハンサーを含む。該エンハンサーは、PROポリペプチドコード配列の位置5’又は3’でベクター内にスプライスされるが、しかし好ましくは該プロモーターから部位5’に配される。
【0169】
真核生物細胞(酵母、カビ、昆虫、植物、動物、ヒト、又は他の多細胞生物からの有核細胞)において使用される発現は、転写の終止のため及びmRNAを安定化するために必要な配列をも含むであろう。そのような配列は普通、真核生物又はウイルスDNAs又はcDNAsの5’及び時折3’非翻訳領域から利用可能である。これらの領域は、PROポリペプチドをコードしているmRNAの非翻訳部分中のポリアデニル化フラグメントとして転写したヌクレオチドセグメントを含む。
【0170】
組換え脊椎動物細胞培養におけるPROポリペプチドの合成への適合のために好適な更に他の方法、ベクター、及び宿主細胞は、Gethingら、Nature,293:620-625(1981); Manteiら、Nature,281:40-46(1979); EP117060;とEP117058中に記載される。
【0171】
D.遺伝子増幅/発現の検出
遺伝子増幅/発現は、直接試料で、例えば、ここに提供した配列に基づいて、適切に標識したプローブを用いて、通常のサザンブロット法、mRNAの転写を定量するためのノーザンブロット法[Thomas, Proc.Natl.Acad.Sci.USA,77:5201-5205(1980)]、ドットブロッティング(DNA分析)、又はin situハイブリダイゼーションで測定し得る。あるいは、抗体は、DNA二本鎖、RNA二本鎖、及びDNA-RNAハイブリッド二本鎖又はDNA-タンパク質二本鎖を含む特異的二本鎖を認識できるそれを利用し得る。その結果抗体は、標識されて良く、且つ該アッセイは、その二本鎖がその表面上に二本鎖の形成において、該二本鎖に結合した抗体の存在が検出できるように表面に結合される場合、実行し得る。
【0172】
あるいは遺伝子発現は、細胞の免疫組織学的染色又は組織切片のような免疫学的方法及び遺伝子生成物の発現を直接定量するため、細胞培養又は体液のアッセイによって測定し得る。流体試料の免疫組織学的染色のために有用な抗体は、モノクローナル又はポリクローナルのいずれかとして良く、また何れの哺乳動物においても作製し得る。利便的に、該抗体は、天然配列PROポリペプチドに対して、又はここに提供したDNA配列に基づく合成ペプチドに対して又はPROポリペプチドDNAと特異的抗体エピトープをコードしているものと融合した外因性配列に対して製造し得る。
【0173】
E.ポリペプチドの精製
PROポリペプチドの形成物は、培地又は宿主細胞溶解物から回収し得る。もし膜に結合しているならば、それは適当な洗剤溶液(例えばTriton-X100)を用いて又は酵素的な切断によってその膜から離すことができる。PROポリペプチドの発現において用いた細胞は、凍結-融解サイクル、音波処理、機械的粉砕、又は細胞溶解剤のような各種の物理的化学的手段によって破砕することができる。
【0174】
それは組換え細胞タンパク質又はポリペプチドからPROポリペプチドを精製するために望まれるであろう。以下の手法は、好適な精製手法の例示である:イオン交換カラムでの分画によって;エタノール沈殿;逆相HPLC;シリカでの又はDEAEのようなカチオン交換樹脂でのクロマトグラフィー;クロマトフォーカシング;SDS-PAGE;硫安沈殿;例えばSEPHADEXTMG-75を用いたゲル濾過;IgGのような不純物を除去するためのプロテインASEPHAROSETMカラム;及びPROポリペプチドのエピトープ-標識化形を結合する金属キレート化カラム。タンパク質精製の各種の方法を用いて良く、さらにそのような方法は当該分野で周知であり、且つ、例えば、Deutscher,Methods in Enzymology,182(1990);及びScopes, Protein Purification: Principles and Practice (Springer-Verlag: New York,1982)中に記載される。選択した精製工程は、例えば使用した生生成物の及び生産した特有のPROポリペプチドの本質に基づくであろう。
【0175】
19.PROポリペプチドの使用
本発明のPROポリペプチドをコードしているヌクレオチド配列(又はその相補体)は、染色体及び遺伝子マッピングにおいて、及びアンチセンスRNAとDNAの生成においてハイブリダイゼーションプローブとしての使用を含む、当該分野及び分子生物学の分野における各種の適用を有する。PROポリペプチド-コード核酸は、ここに記載した組換え技術によってPROポリペプチドの製造用にも有用であろう。
【0176】
全長天然配列PROポリペプチド-コード核酸又はその一部は、全長PROポリペプチド遺伝子を単離するための、或いはPROポリペプチド核酸配列と同一の望まれる配列を有する、更に他の遺伝子(例えば、PROポリペプチドの天然発生変異体又は他の種からのPROポリペプチド)を単離するためのcDNAライブラリー用のハイブリダイゼーションプローブとして使用し得る。任意に、該プローブの長さは、約20乃至約50塩基とされるであろう。該ハイブリダイゼーションプローブは、ここに開示した何れかのDNA分子のヌクレオチド配列から、或いは天然配列PROポリペプチドコード化DNAのプロモーター、エンハンサー要素及びイントロンを含むゲノム配列から得ることができる。例えば、スクリーニング法は、約40塩基の選択したプローブを合成するための周知のDNA配列を用いてPROポリペプチド遺伝子のコード化領域を単離することを含むであろう。ハイブリダイゼーションプローブは、32P又は35Sのような放射性ヌクレオチド、又はアビジン/ビオチン結合系に結合したアルカリホスファターゼのような酵素標識を含む、各種の標識によって標識し得る。本発明のPROポリペプチド遺伝子のそれに相補な配列を有する標識化プローブは、プローブをハイブリダイズするそのようなライブラリーのメンバーを決定するためヒトcDNA、ゲノムDNA、又はmRNAのライブラリーをスクリーンするために使用することができる。ハイブリダイゼーション技術は、後述の実施例中に更に詳細に記載される。
【0177】
本出願中に開示したESTsは、ここに開示した方法を用いて、プローブと同様に利用し得る。
【0178】
該プローブはまた、密接に関係したPROポリペプチド配列の同定のための配列のプールを生成するためのPCR技術においても利用し得る。
【0179】
PROポリペプチドをコードしているヌクレオチド配列はまた、PROポリペプチドをコードするその遺伝子のマッピングのため及び遺伝的疾患を持つ個人の遺伝的分析のためのハイブリダイゼーションプローブを構築するためにも使用できる。ここに提供されたヌクレオチド配列は、in situハイブリダイゼーション、周知の染色体マーカーに対する結合分析、及びライブラリーによるハイブリダイゼーションスクリーニングのような周知技術を用い、染色体及び染色体の特有の領域にマッピングし得る。
【0180】
PROポリペプチド用のコード配列が別なタンパク質に結合するタンパク質をコードする場合に、該PROポリペプチドは、そのリガンドを同定するためのアッセイにおいて使用することができる。同様に、レセプター/リガンド結合相互作用のインヒビターを同定することができる。そのような結合相互作用に含まれたタンパク質はまた、ペプチド又は小分子インヒビター又は結合相互作用のアゴニストをスクリーンするために使用することもできる。スクリーニングアッセイは、天然PROポリペプチド又はPROポリペプチド用レセプターの生物学的活性を模倣するリード化合物を見出すために設計することができる。そのようなスクリーニングアッセイは、小分子薬剤候補を同定するために特に好適なそれらを作る、化合物ライブラリーの高スループットスクリーニングに服しやすいアッセイを含むであろう。意図される小分子は、合成有機又は無機化合物を含む。該アッセイは、タンパク質-タンパク質結合アッセイ、生化学スクリーニングアッセイ、免疫アッセイ及び当該分野において十分に特徴付けされる細胞ベースのアッセイを含む、各種の方式において実行することができる。
【0181】
PROポリペプチド又は何れかのその修正された形態をコードしている核酸は、治療的に有効な試薬の開発又はスクリーニングにおいて、その結果有用であるトランスジェニック動物又は「ノックアウト」動物の何れか一方を生産するためにも使用できる。トランスジェニック動物(例えばマウス又はラット)は、出生前の、例えば胎児段階で、トランスジーンがその動物に、又はその動物の親に導入された、トランスジーンを含む細胞を有する動物である。トランスジーンは、開発するトランスジェニック動物からの細胞のゲノム内に導入されるDNAである。一つの実施態様において、PROポリペプチドをコードしているcDNAは、PROポリペプチドをコードしているDNAを発現する細胞を含むトランスジェニック動物を生成するために用いた確立した技術及びゲノムの配列に従いPROポリペプチドをコードしているゲノムDNAをクローンするため使用することができる。トランスジェニック動物、特にマウス又はラットのような動物を作製するための方法は、当該分野において通常的になされており、例えば米国特許第4736866と4870009号中に記載される。典型的に、個々の細胞は、組織特異的エンハンサーによるPROポリペプチドトランスジーン組み込みのための標的とされるであろう。胎児段階でその動物の生殖細胞系に導入したPROポリペプチドをコードしているトランスジーンのコピーを含むトランスジェニック動物は、PROポリペプチドをコードしているDNAの増加した発現の作用を実験するために用いることができる。そのような動物は、例えば、それの過剰発現と関連した病的状態からの保護を与えることを通して試薬のためのテスター動物として使用することができる。本発明のこの態様に従い、動物はその試薬で治療され、その病的状態の可能性のある治療的な介入を示すであろう、該トランスジーンを持つ治療しない動物と比べて、病的状態の発生が減じられる。
【0182】
あるいは、「ノックアウト」動物は、該ポリペプチドをコードしている内因性遺伝子と、該動物の胚細胞に導入した同じポリペプチドをコードしている変更したゲノムDNAとの間の相同組換えの結果として、興味あるPROポリペプチドをコードしている欠陥のある又は変更された遺伝子を有するものを構築することができる。例えば、PROポリペプチドをコードしているcDNAは、確立された技術に従い、PROポリペプチドをコードしているゲノムDNAをクローンするために用いることができる。PROポリペプチドをコードしているゲノムDNAの一部は、欠失されるか、或いはモニター組込みに用いることができる選択可能なマーカーをコードしている遺伝子のような、別な遺伝子と置換することができる。典型的に、変更していない隣接DNAの数キロ塩基(5’と3’での両方)は、ベクター中に含まれる[例えば、相同組換えベクターの記載についてのThomasとCapecchi,Cell,51:503(1987)を参照]。該ベクターは、胚の幹細胞系内に導入され(例えばエレクトロポレーションで)、内因性DNAで相同的に組み換えられている導入されたDNAで細胞が選択される[例えば、Liら、Cell,69:915(1992)を参照]。選択した細胞は、次いで凝集キメラを形成するために動物(例えばマウス又はラット)の芽細胞に注入される[例えば、Bradley,Teratocarcinomas and Embryonic Stem Cells: A Practical Approach,E.J.Robertson,ed.(IRL,Oxford,1987),113-152頁中を参照]。キメラの胚は、適当な偽妊娠メス里親動物に移植することができ、その胚は「ノックアウト」動物が生成するまで成長させる。それの生殖細胞における相同的に組換えたDNAを持った子孫は、標準的な技術によって同定することができ、相同的に組み換えたDNAを含むその動物の全ての全ての細胞が動物繁殖に使用できる。ノックアウト動物は、例えば、ある種の病的状態に対して防御するその能力によって及びPROポリペプチドの不在のための病的状態のその進行によって特徴付けできる。
【0183】
PROポリペプチドのインビトロ投与が利用される場合、正常な用量は、投薬のルートに基づいて、約10ng/kgから100mg/kg動物体重又は1日当たりまで、好ましくは約1μg/kg/日乃至10mg/kg/日に変更し得る。特有な用量とデリバリーの方法のためのガイダンスは、文献中に提供されている;例えば米国特許第4657760;5206344;又は5225212号を参照。異なる処方は、一つの器官又は組織を標的化する投与が、例えば別の器官又は組織のそれとは異なる手法でデリバリーを必要とするであろう異なる治療用化合物と異なる疾患のために有効となるであろう。
【0184】
PROポリペプチドの徐放性投与がPROポリペプチドの必要とされる何れかの疾患或いは疾病の治療に好適な放出特性を持つ処方に望まれる場合、PROポリペプチドのミクロカプセル化が企図される。遅延した放出用の組換えタンパク質のミクロカプセル化は、ヒト成長ホルモン(rhGH)、インターフェロン-(rhIFN-)、インターロイキン-2、及びMNrgp120で成功裏に行われている。Johnsonら、Nat.Med.,2:795-799(1996);Yasuda,Biomed.Ther.,27:1221-1223(1993);Horaら、Bio/Technology,8:755-758(1990);Cleland,"Design and Production of Single Immunization Vaccines Using Polylactide Polyglycolide Microsphere Systems,"in Vaccine Design:The Subunit and Adjuvant Approach,Powell and Newman,eds,(Plenum Press:New York,1995)439-462頁;WO97/03692,WO96/40072,WO96/07399;及び米国特許第5654010号。
【0185】
これらのタンパク質の徐放性処方は、その生物和合性及び広範な生物分解特性のため、ポリ-乳酸-共グリコール酸(PLGA)を用いて開発された。PLGA、乳酸及びグリコール酸の分解生成物は、ヒトの体内で迅速に分解できる。その上、このポリマーの分解は、その分子量と組成に基づいて、数ヶ月から数年まで調節することができる。Lewis,"Controlled release of bioactive agents from lactide/glycolide polymer,"in:M.ChasinとR.Langer(Eds.),Biodegradable Polymers as Drug Delivery Systems(Marcel Dekker:New York,1990)1-41頁。
【0186】
例えば、85kgの最大体重を持った哺乳動物においてほぼ80g/kg/日の用量を提供することができる処方のためには、最も多い用量は、1日当たりPROポリペプチドのほぼ6.8mgとされるであろう。この用量レベルを達成するために、最も低いと思われる最初のバースト(<20%)とともに最大と思われる負荷タンパク質(15-20%w/wPROポリペプチド)を含む徐放性処方が必要である。1−2週間ミクロ粒子からのPROポリペプチドの継続(ゼロ-オーダー)放出もまた望まれる。加えて、放出すべき被包化タンパク質は、望まれる放出期間にわたりその形状及び安定性を維持すべきである。
【0187】
内因性ビグリカンタンパク質のそれに放出される生物学的活性を所有する本発明のPRO241ポリペプチドは、治療目的のインビボ及びインビトロの両方で利用し得る。当業者であれば、そのような目的のために本発明のPRO241ポリペプチドをどのように利用するかを十分に承知しているであろう。
【0188】
コルディン(chordin)(CHD)は、示差的な顔の特徴(低い前毛髪線、眉毛叢生症、前傾の外鼻孔、上顎前突症、長い人中、こい口(carp mouth))、出生前又は出生後の成長遅延、精神遅延及び、しばしば、しかし常時ではない上肢奇形によって特徴付けられるコルネリア・ド・ランゲ症候群として知られる異形症候群のための候補遺伝子である。また、CDLが血小板減少症との関連において存在するレアケースもある。CDLの遺伝子は、3q26.3(OMIM#122470)への結合によってマップされている。初期アフリカツメガエル(early Xenopus)パターン化におけるXchd(アフリカツメガエルコルディン(Xenopus chordin))包含及び神経系統発育は、興味のある候補遺伝子中にCHDを作る。CHDは、染色体3上の適切な領域にマップされる。それはTHPOに非常に密接し、THPOとCHDの両方を包含する欠失は、血小板減少症と発育異形症のレアケースに帰結できる。全成人組織の大部分がCHD発現に対して陰性である顕現したCDのin situ分析において、僅かに陽性のシグナルが、長い骨の発育と推定上の成長においてCHDを関連させる大腿骨頭と寛骨臼(股関節)との間に形成される発育中の滑膜性の連結の割線において観測された。そのような機能は、もし混乱したならば、成長遅延をもたらすことができる。
【0189】
cDNAから予測したヒトCHDアミノ酸配列は、Xchdに50%同一性(及び66%保存された)である。4システイン-富ドメイン中の全ての40システインが保存される。これらのシステイン富ドメインは、トロンボスポンジン、プロコラーゲン及びフォン・ビルブラント因子中で観測されたそれらに類似している。Bornstein,P.FASEB J 6:3290-3299(1992);Hunt,L.& Barker,W.Biochem.Biophys.Res.Commun.144:876-882(1987)。
【0190】
ヒトCHD座(ゲノムPRO243)は、ゲノムDNAの9.6kb中に23エキソンを含む。CpG島は、5’及びエキソン1のほぼ100bp5’で始まる5’で配置され、且つ該遺伝子の第1のイントロン内に第1のエキソンと末端を通して延長される。THPOとCHD配座は、その転写開始部位を分離するほぼ2.2kbの頭−頭(head-to-head)形態で構成される。タンパク質レベルで、PRO243は、アフリカツメガエルコルディン(Xchd)に51%同一性である。1のアミノ末端と3のカルボキシ末端システイン-富クラスター中の40システインの全てが保存される。
【0191】
PRO243は、残基1乃至約23でシグナル配列を有する954アミノ酸ポリペプチドである。4のシステインクラスター:(1)残基約51乃至約125;(2)残基約705乃至約761;(3)残基約784乃至約849;及び(4)残基約897乃至約931、がある。残基約315乃至約396で潜在ロイシンジッパーと、残基217,351,365と434でN-グリコシル化部位がある。
【0192】
PRO299ポリペプチドと切痕タンパク質に相同性を有するその部分は、インビボでの治療目的のために、同じく各種の他の適用のために有用となり得る。新規の切痕タンパク質と関連した分子の同定は、発育に作用するそれらのような多数のヒトの疾患に関連付けできる。かくして、新規切痕タンパク質と切痕様分子の同定は、そのようなタンパク質が、各種の異なるヒトの疾患のための潜在的な治療として奉仕し得るそれにおいて特に重要である。そのようなポリペプチドはまた、バイオテクノロジーと医学リサーチ同じく各種の工業的な適用において重要な役割を演じ得る。結果として、PRO299のような新規の分子において特有な科学的及び医学的な興味がある。
【0193】
1以上の内因性ジペプチダーゼタンパク質のそれに関連した生物学的活性を所有する本発明のPRO323ポリペプチドは、治療的目的のためにインビボとインビトロの両方で利用し得る。当業者であれば、そのような目的のために本発明のPRO323ポリペプチドをどのように利用するか十分に承知しているだろう。
【0194】
内因性プロラクチンレセプタータンパク質のそれに関連した生物学的活性を所有する本発明のPRO327ポリペプチドは、治療的目的のためにインビボとインビトロの両方で利用し得る。当業者であれば、そのような目的のために本発明のPRO327ポリペプチドをどのように利用するか十分に承知しているだろう。プロラクチンに結合する能力を所有するPRO327ポリペプチドは、プロラクチンアンタゴニストとしてインビボとインビトロの両方で機能し得る。
【0195】
PRO233ポリペプチドと還元酵素に相同性を有するその部分はまた、インビボでの治療目的のために、同じく各種の他の適用のために有用となり得る。新規の還元酵素タンパク質と関連した分子の同定は、炎症性疾患、器官不全、アテローム性動脈硬化症、心臓損傷、不妊症、出生時欠損、成熟前老化、AIDS、癌、糖尿病合併症及び一般の変異のような多数のヒトの疾患に関連付けできる。多数の疾患プロセスにおいて重要な役割を演じるように思える酸素フリーラジカルと抗酸化剤を与える新規還元酵素タンパク質と還元酵素様分子の同定は、そのようなタンパク質が、各種の異なるヒトの疾患のための潜在的な治療として奉仕し得るそれにおいて特に重要である。そのようなポリペプチドはまた、バイオテクノロジーと医学リサーチ同じく各種の工業的な適用において重要な役割を演じ得る。結果として、PRO233のような新規の分子において特有な科学的及び医学的な興味がある。
【0196】
PRO344ポリペプチドと補体(complement)タンパク質に相同性を有するその部分はまた、インビボでの治療目的のために、同じく各種の他の適用のために有用となり得る。新規補体タンパク質と関連分子の同定は、免疫系の細胞の炎症応答に作用するような多数のヒトの疾患に関連付けされる。かくして、新規補体タンパク質と補体様分子の同定は、そのようなタンパク質が、各種の異なるヒトの疾患のための潜在的な治療として奉仕し得るそれにおいて特に重要である。そのようなポリペプチドはまた、バイオテクノロジーと医学リサーチ同じく各種の工業的な適用において重要な役割を演じ得る。結果として、PRO344のような新規の分子において特有な科学的及び医学的な興味がある。
【0197】
システイン-富分泌タンパク質のそれに関連した生物学的活性を所有する本発明のPRO347ポリペプチドは、治療的目的のためにインビボとインビトロの両方で利用し得る。当業者であれば、そのような目的のために本発明のPRO347ポリペプチドをどのように利用するか十分に承知しているだろう。
【0198】
インター-アルファ-トリプシンインヒビタータンパク質の重鎖のそれに関連した生物学的活性を所有する本発明のPRO354ポリペプチドは、治療的目的のためにインビボとインビトロの両方で利用し得る。当業者であれば、そのような目的のために本発明のPRO354ポリペプチドをどのように利用するか十分に承知しているだろう。
【0199】
PRO355ポリペプチドとCRTAMに相同性を有するその部分はまた、インビボでの治療目的のために、同じく各種の他の適用のために有用となり得る。T細胞に関連付けられる新規分子の同定は、一般に免疫系に含まれる病状のような多数のヒトの疾患に関連付けられる。多数の疾患プロセスにおいて重要な役割を演じるCRTAMタンパク質結合抗体を与える、新規CRTAMタンパク質とCRTAM様分子の同定は、そのようなタンパク質が、各種の異なるヒトの疾患のための潜在的な治療として奉仕し得るそれにおいて特に重要である。そのようなポリペプチドはまた、バイオテクノロジーと医学リサーチ同じく各種の工業的な適用において重要な役割を演じ得る。結果として、PRO355のような新規の分子において特有な科学的及び医学的な興味がある。
【0200】
PRO357は、ALSに関してその活性を測定するためにALSとの競合結合アッセイにおいて使用することができる。その上、PRO357は、より長いインビボでの半減期を有するものに複合化し得るポリペプチドを延長するかを測定するためのアッセイにおいて使用することができる。PRO357は、又それが相同性を有するカルボキシペプチダーゼとのアッセイにおいて同様に使用することができる。その結果は、それ相応に適用することができる。
【0201】
タンパク質の腫瘍壊死因子ファミリーのそれに関連した生物学的活性を所有する本発明のPRO715ポリペプチドは、治療的目的のためにインビボとインビトロの両方で利用し得る。当業者であれば、そのような目的のために本発明のPRO715ポリペプチドをどのように利用するか十分に承知しているだろう。PRO715ポリペプチドは、それに特異的なレセプターに結合し、それによってそのようなレセプターを活性化することが予期される。本発明のPRO715ポリペプチドの変異体は、その特異的レセプター活性のアゴニスト或いはアンタゴニストとして機能し得る。
【0202】
PRO353ポリペプチドと補体(complement)タンパク質に相同性を有するその部分はまた、インビボでの治療目的のために、同じく各種の他の適用のために有用となり得る。新規補体タンパク質と関連分子の同定は、免疫系の細胞の炎症応答に作用するような多数のヒトの疾患に関連付けされる。かくして、新規補体タンパク質と補体様分子の同定は、そのようなタンパク質が、各種の異なるヒトの疾患のための潜在的な治療として奉仕し得るそれにおいて特に重要である。そのようなポリペプチドはまた、バイオテクノロジーと医学リサーチ同じく各種の工業的な適用において重要な役割を演じ得る。結果として、PRO353のような新規の分子において特有な科学的及び医学的な興味がある。
【0203】
PRO361ポリペプチドと、ムチン及びキチナーゼタンパク質に相同性を有するその部分はまた、インビボでの治療目的のために、同じく各種の他の適用のために有用となり得る。新規ムチン及びキチナーゼタンパク質と関連分子の同定は、癌或いは細胞表面分子又はレセプターに含まれるそれらのような多数のヒトの疾患に関連付けされる。かくして、新規ムチン及びキチナーゼタンパク質の同定は、そのようなタンパク質が、各種の異なるヒトの疾患のための潜在的な治療として奉仕し得るそれにおいて特に重要である。そのようなポリペプチドはまた、バイオテクノロジーと医学リサーチ同じく各種の工業的な適用において重要な役割を演じ得る。結果として、PRO361のような新規の分子において特有な科学的及び医学的な興味がある。
【0204】
PRO365ポリペプチドと、ヒト2−19タンパク質に相同性を有するその部分はまた、インビボでの治療目的のために、同じく各種の他の適用のために有用となり得る。新規ヒト2−19タンパク質と関連分子の同定は、免疫系の細胞の結合或いは活性を調節するような多数のヒト疾患に関連付けられる。かくして、新規ヒト2−19タンパク質とヒト2−19タンパク質様分子の同定は、そのようなタンパク質が、各種の異なるヒトの疾患のための潜在的な治療として奉仕し得るそれにおいて特に重要である。そのようなポリペプチドはまた、バイオテクノロジーと医学リサーチ同じく各種の工業的な適用において重要な役割を演じ得る。結果として、PRO365のような新規の分子において特有な科学的及び医学的な興味がある。
【0205】
20.抗-PROポリペプチド抗体
本発明は、さらに抗-PROポリペプチド抗体を提供する。典型的な抗体は、ポリクローナル、モノクローナル、ヒト化、二重特異的、及びヘテロ接合抗体を含む。
【0206】
A.ポリクローナル抗体
本発明の抗-PROポリペプチド抗体は、ポリクローナル抗体を含み得る。ポリクローナル抗体の製造方法は、熟達した研究者に周知である。ポリクローナル抗体は、例えば、免疫化剤の、及び望まれるなら、アジュバントとともに1回以上の注射によって哺乳動物中に生じさせることができる。典型的に、該免疫化剤及び/又はアジュバントは、多重皮下又は腹腔内注射によって該哺乳動物に注射されるであろう。該免疫化剤は、PROポリペプチド又はその融合タンパク質を含み得る。それは、免疫化される哺乳動物において免疫原であることが知られたタンパク質に対する免疫化剤を接合するために有用となり得る。そのような免疫原性タンパク質の実例は、制限されることなしに、キーホールリンペットヘモシアニン、血清アルブミン、ウシチログロブリン、及びダイズトリプシンインヒビターを含む。利用し得るアジュバントの実例は、フロイント完全アジュバントとMPL-TDMアジュバント(モノホスホリルリピドA、合成トレハロースジコリノマイコラート)を含む。該免疫化プロトコールは、過度の実験なしに当業者によって選択され得る。
【0207】
B.モノクローナル抗体
抗-PROポリペプチド抗体は、それに代えてモノクローナル抗体とし得る。
モノクローナル抗体は、KohlerとMilstein,Nature,256:495(1975)によって記載されたそれらのようなハイブリドーマ法を用いて作製し得る。ハイブリドーマ法において、マウス、ハムスター、又は他の適当な宿主動物が、免疫化剤に特異的に結合するであろう抗体を生成する又は精製することができるリンパ球を引き出すための免疫化剤によって典型的に免疫化される。あるいは、該リンパ球はインビトロで免疫化し得る。
【0208】
該免疫化剤は、興味あるPROポリペプチド又はその融合タンパク質を典型的に含むであろう。一般に、もしヒト起源の細胞が望まれるなら末梢血液リンパ球("PBLs")が使用され、或いは非ヒト哺乳動物源が望まれるなら脾臓細胞又はリンパ節細胞が用いられる。該リンパ球は、次いでハイブリドーマ細胞を形成するために、PEGのような適当な融合化剤を用いて、不朽化細胞系に融合される[Goding,Monoclonal Antibodies: Principles and Practice,Academic Press,(1986)59-103頁]。不朽化細胞系は、哺乳類細胞、特に齧歯類の骨髄腫細胞、ウシ、及びヒト起源が通例形質転換される。通例、ラット又はマウス骨髄腫細胞系が利用される。該ハイブリドーマ細胞は、融合していない不朽化細胞の増殖又は生存を阻害する1以上の物質を好ましくは含む適当な培養培地中で培養し得る。例えば、もしその親細胞が酵素ヒポキサンチン・グアニン・ホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPRT又はHPRT)を欠くならば、そのハイブリドーマ用の培養培地は、HGPRT欠損細胞の増殖を阻害する物質、ヒポキサンチン、アミノプテリン、及びチミジンを典型的に含むであろう(「HAT培地」)。
【0209】
好ましい不朽化細胞系は、十分に融合する、選択した抗体生産細胞によって抗体の安定な抗レベル発現を支持する、且つそのようなHAT培地のような培地に感受性であるそれらである。より好ましい不朽化細胞系は、例えば、Salk Insitute Cell Distribution Center,San Diego,California,及びAmerican Type Culture Collection,Rockville,Marylandから得ることができるネズミ骨髄腫系である。ヒト骨髄腫及びマウス-ヒトヘテロ骨髄腫細胞系はまた、ヒトモノクローナル抗体の生産のために記載されている[Kozbor, J.Immunol.,133:3001(1984);Brodeurら、Monoclonal Antibody Production Techniques and Applications (Marcel Dekker,Inc.,New York,(1987)51-63頁]。
【0210】
ハイブリドーマが培養される培養培地は、次いで興味あるPROポリペプチドに対するモノクローナル抗体の存在について測定することができる。好ましくは、該ハイブリドーマ細胞によって製造されたモノクローナル抗体の結合特異性は、免疫沈降によって又はラジオイムノアッセイ(RIA)又は酵素免疫吸着測定法(ELISA)のようなインビトロ結合アッセイによって測定される。そのような技術と測定法は、当該分野で周知である。該モノクローナル抗体の結合親和性は、例えば、MunsonとPollard,Anal.Biochem.,107:220(1980)のスキャッチャード分析によって測定することができる。
【0211】
望まれるハイブリドーマが同定された後、そのクローンは、制限希釈法と標準法による増殖によってサブクローンし得る[Goding,上記]。この目的のための適当な培養培地は、例えば、Dulbecco's修正イーグル培地とRPMI-1640培地を含む。あるいは、該ハイブリドーマ細胞は、哺乳動物中の腹水としてインビボで増殖し得る。
【0212】
サブクローンによって分泌されるモノクローナル抗体は、例えばプロテインA-Sepharose、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー、ゲル電気泳動、透析、又はアフィニティークロマトグラフィーのような通常の免疫グロブリン精製法によって培地又は腹水液から単離又は精製し得る。
【0213】
モノクローナル抗体はまた、米国特許第4816567号中に記載されるそれらのような組換えDNA法によっても作製し得る。本発明のモノクローナル抗体をコードしているDNAは、通常の手法(例えば、ネズミ抗体の重鎖及び軽鎖をコードしている遺伝子に特異的に結合できるオリゴヌクレオチドプローブを用いることによって)を用いて容易に単離及び配列決定することができる。本発明のハイブリドーマ細胞は、そのようなDNAの好ましい供給源として利用される。一度単離した該DNAは、発現ベクターの中に組み込むことができ、次いで組換え宿主細胞においてモノクローナル抗体の合成を得るため、他の免疫グロブリンタンパク質を生産しない類人猿COS細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、または骨髄腫細胞のような宿主細胞内にトランスフェクトされる。そのDNAはまた、例えば相同ネズミ配列[米国特許第4816567号;Morrisonら、上記]の代わりにヒト重鎖及び軽鎖定常ドメインのコード化配列で置換することにより、又は非免疫グロブリンポリペプチドのコード化配列の全部又は一部を免疫グロブリンコード化配列に共有結合接続することによって修正され得る。そのような非免疫グロブリンポリペプチドは、本発明の抗体の定常ドメインを置換することができ、又はキメラ二価抗体を創造するように本発明の抗体の1の抗原結合部位の可変領域と置換することができる。
【0214】
該抗体は、一価抗体とし得る。一価抗体を製造するための方法は、当該分野で周知である。例えば、一つの方法は、免疫グロブリン軽鎖と修正した重鎖との組換え発現を含む。該重鎖は、重鎖架橋化を防ぐため、Fc領域中の何れかのポイントで一般に端切りされる。あるいは、関係のあるシステイン残基は、他のアミノ酸残基で置換され又は架橋を防ぐために欠失される。
【0215】
インビトロでの方法はまた、一価抗体を調製するためにも適当である。そのフラグメント、特にFabフラグメントを生産するための抗体の消化は、当該分野において知られたルーチンの技術を用いて達成することができる。
【0216】
C.ヒト化抗体
本発明の抗-PROポリペプチド抗体は、ヒト化抗体又はヒト抗体をさらに含む。非ヒト(例えばネズミ)抗体のヒト化形は、キメラ免疫グロブリン、免疫グロブリン鎖、又は非-ヒト免疫グロブリンから得られる最小配列を含むそのフラグメント(Fv,Fab,Fab',F(ab')2、又は抗体の他の抗原結合配列のような)である。
ヒト化抗体は、レセプターの相補性決定領域(CDR)からの残基が、望まれる特異性、親和性、及び用量を有する、マウス、ラット、又はウサギのような非-ヒト種(ドナー抗体)のCDRからの残基によって置換されるヒト免疫グロブリン(レセプター抗体)を含む。いずれかの場合、ヒト免疫グロブリンのFvフレームワーク残基は、相当する非ヒト残基と置換される。ヒト化抗体はまた、該レセプター抗体中にも、或いは移入したCDR又はフレームワーク配列中にも見出されない残基を含み得る。一般に、該ヒト化抗体は、非ヒト免疫グロブリンのそれに相当するCDR領域の全て又は実質上全て、及びFR領域の全て又は実質上全てがヒト免疫グロブリン共通配列のそれである可変領域の少なくとも1,及び典型的には2の実質上全てを含むであろう。ヒト化抗体は、好ましくは免疫グロブリン定常領域(Fc)、典型的にはヒト免疫グロブリンのそれの少なくとも部分をも含むであろう[Jonesら、Nature,321:522-525(1986);Riechmannら、Nature,332:323-329(1988);及びPresta, Curr.Op.Struct.Biol.,2:593-596(1992)]。
【0217】
非ヒト抗体をヒト化するための方法は、当該分野において周知である。一般に、ヒト化抗体は、ヒトでない供給源からそれに導入した1以上のアミノ酸残基を有する。これらの非ヒトアミノ酸残基は、しばしば、「移入」可変領域から典型的に取られる「移入」残基として関係する。ヒト化は、ヒト抗体の相当する配列で齧歯類CDRs又はCDR配列を置換することによって、Winterと共同研究者の方法[Jonesら、Nature 321,522-525(1986);Riechmannら、Nature,332,323-327(1988);Verhoeyenら、Science 239,1534-1536(1988)]に従い本質的に実行される。従って、そのような「ヒト化した」抗体は、キメラ抗体であり(米国特許第4816567号)、完全なヒト可変領域よりも実質上劣るものが非ヒト種からの相当する配列により置換されている。実際、ヒト化した抗体は幾つかのCDR残基と可能性のある幾つかのFR残基が齧歯類中の類似部位からの残基によって置換されたヒト抗体である。
【0218】
ヒト化抗体はまた、ファージディスプレーライブラリーを含む、当該分野で周知の各種の技術を用いて製造することもできる[HoogenboomとWinter,J.Mol.Biol.,227:381(1991);Marksら、J.Mol.Biol.,222:581(1991)]。Coleら及びBoernerらの技術はまた、ヒトモノクローナル抗体の調製のためにも利用可能である(Coleら、Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy,Alan R.Liss,p.77(1985)及びBoernerら、J.Immunol.,147(1):86-95(1991)]。
【0219】
D.二重特異性抗体
二重特異性抗体は、少なくとも2の異なる抗原に特異的結合性を有する、好ましくはヒト又はヒト化したモノクローナル抗体である。本ケースにおいて、特異的結合性の一つは、PROポリペプチドのためのものであり、他方は、何れかの他の抗原のためのものであり、好ましくは細胞表面タンパク質又はレセプター又はレセプターサブユニットのためのものである。
【0220】
二重特異性抗体の製造方法は、当該分野で周知である。従来、二重特異性抗体の組み換え体生産は、二つの重鎖が異なる特異性を有する場合、二つの免疫グロブリン重鎖/軽鎖ペアの共発現に基づいている[MilsteinとCuello, Nature 305,537-539(1983)]。免疫グロブリン重鎖と軽鎖の取り合わせがランダムであるために、これらのハイブリドーマ(クアドローマ)は、一つのみが正しい二重特異性構造を有する10の異なる抗体分子の可能性のある混合物が生産される。正しい分子の精製は、アフィニティークロマトグラフィー工程によって通例は達成される。類似の手法は、1993年5月13日公開のWO93/08829中に、及びTrauneckerら、EMBO J.,10:3655-3659(1991)中に開示される。
【0221】
望まれる結合特異性を持つ抗体可変ドメイン(抗体-抗原結合部位)は、免疫グロブリン定常ドメイン配列に融合することができる。その融合は、好ましくはヒンジ、CH2、及びCH3領域の少なくとも一部を含む免疫グロブリン重鎖定常ドメインを伴う。その融合体の少なくとも一つにおいて存在する軽鎖結合のために必要な部位を含む第1の重鎖定常領域(CH1)を有することが好ましい。免疫グロブリン重鎖融合体、及びもし望むなら、免疫グロブリン軽鎖、をコードしているDNAは、別個の発現ベクターに挿入され、且つ適当な宿主生物に共トランスフェクトされる。二重特異性抗体を生成するための更なる詳細のために、例えば、Sureshら、Methods in Enzymology,121:210(1986)を参照。
【0222】
E.ヘテロ接合抗体
ヘテロ接合抗体もまた、本発明の範囲内である。ヘテロ接合抗体は、共有結合した二つの抗体から構成される。そのような抗体は、例えば、希望しない細胞に免疫系細胞を標的化する[米国特許第4676980号]、及びHIV感染の治療のために提案されている[WO91/00360;WO92/200373;EP03089]。該抗体は、架橋剤が含まれるそれらを含む、合成タンパク質化学において周知の方法を用いてインビトロで製造し得る。例えば、イムノトキシンは、ジスルフィド交換反応を用いて又はチオエーテル結合を形成することによって構築し得る。この目的のための好適な試薬の実例は、イミノチオラートとメチル-4-メルカプトブチルイミダート及び米国特許第4676980号中に記載されるそれらを含む。
【0223】
21.抗-PROポリペプチド抗体の使用
本発明の抗-PROポリペプチド抗体は、各種の有用性を有する。例えば、抗-PROポリペプチド抗体は、例えば特有の細胞、組織、又は血清におけるその発現を検出するための、PROポリペプチド用の診断アッセイにおいて使用し得る。競合結合アッセイ、直接又は間接サンドウィッチアッセイ及び異種又は同種相で実施される免疫沈降アッセイ[Zola,Monoclonal Antibodies: A Manual of Techniques,CRC Press,Inc.(1987)147-158頁]のような当該分野で周知の各種診断アッセイ技術が使用し得る。診断アッセイにおいて使用した抗体は、検出可能な部分で標識することができる。該検出可能な部分は、直接又は間接的のいずれか一方で、検出可能なシグナルをもたらすことができるべきである。例えば、検出可能な部分は、3H,14C,32P,35S,又は125Iのような放射性同位体、イソチオシアン酸フルオレセイン、ローダミン、又はルシフェリンのような蛍光又は化学発光化合物、又はアルカリホスファターゼ、ベータ-ガラクトシダーゼ又はホースラディッシュペルオキシダーゼのような酵素とし得る。該検出可能部分への抗体の接合のための当該分野で周知のいずれかの方法は、Hunterら、Nature,144:945(1962);Davidら、Biochemistry,13:1014(1974);Painら、J.Immunol.Meth.,40:219(1981);及びNygren,J.Histochem.and Cytochem.,30:407(1982)によって記載されたそれらの方法を含み、利用し得る。
【0224】
抗-PROポリペプチド抗体はまた、組換え細胞培養又は天然供給源からのPROポリペプチドのアフィニティー精製に有用である。この方法において、PROポリペプチドに対する抗体は、当該分野で周知の方法を用いて、Sephadex樹脂又は濾紙のような適当な支持体上に固定化される。固定化した抗体は、次いで精製するべきPROポリペプチドを含む試料に接触させ、その後該支持体は、PROポリペプチド以外の試料中の実質上全ての材料を除去するであろう適当な溶媒で洗浄される。最後に、該支持体は、該抗体からPROポリペプチドを放出するであろう別の適当な溶媒で洗浄される。
【0225】
コルディン(chordin)(CHD)は、示差的な顔の特徴(低い前毛髪線、眉毛叢生症、前傾の外鼻孔、上顎前突症、長い人中、こい口(carp mouth))、出生前又は出生後の成長遅延、精神遅延及び、しばしば、しかし常時ではない上肢奇形によって特徴付けられるコルネリア・ド・ランゲ症候群として知られる異形症候群のための候補遺伝子である。また、CDLが血小板減少症との関連において存在するレアケースもある。CDLの遺伝子は、3q26.3(OMIM#122470)への結合によってマップされている。初期アフリカツメガエル(early Xenopus)パターン化におけるXchd(アフリカツメガエルコルディン(Xenopus chordin))包含及び神経系統発育は、興味のある候補遺伝子中にCHDを作る。CHDは、染色体3上の適切な領域にマップされる。それはTHPOに非常に密接し、THPOとCHDの両方を包含する欠失は、血小板減少症と発育異形症のレアケースに帰結できる。全成人組織の大部分がCHD発現に対して陰性である顕現したCDのin situ分析において、僅かに陽性のシグナルが、長い骨の発育と推定上の成長においてCHDを関連させる大腿骨頭と寛骨臼(股関節)との間に形成される発育中の滑膜性の連結の割線において観測された。そのような機能は、もし混乱したならば、成長遅延をもたらすことができる。
【0226】
cDNAから予測したヒトCHDアミノ酸配列は、Xchdに50%同一性(及び66%保存された)である。4システイン-富ドメイン中の全ての40システインが保存される。これらのシステイン富ドメインは、トロンボスポンジン、プロコラーゲン及びフォン・ビルブラント因子中で観測されたそれらに類似している。Bornstein,P.FASEB J 6:3290-3299(1992);Hunt,L.& Barker,W.Biochem.Biophys.Res.Commun.144:876-882(1987)。
【0227】
PRO243コルディン(chordin)に対する抗体は、PRO243の過剰発現によって特徴付けされる条件でポリペプチドを結合するものを作ることができる。
【0228】
以下の実施例は、説明の目的のためにのみ提供され、且ついずれの手法も本発明の範囲を制限することを意図していない。
【0229】
本明細書中に引用した全ての特許と参考文献は、それらの全体が参照によりここに組み込まれる。
【0230】
【実施例】
本実施例に関する商業的に利用できる試薬は、特に示さない限り、製造元の指示書に従って用いた。以下の実施例、および明細書を通して、ATCC受託番号によって同定される細胞源は、Ameirican Type Culture Collection, Rockville, Marylandである。
【0231】
実施例1:新規なポリペプチドおよびこれらをコードするcDNAを同定するための細胞外ドメイン相同性スクリーニング
ESTデータベースを検索するために、公的Swis−Protデータベースからの約950個の既知分泌タンパク質から、細胞外ドメイン(ECD)配列(もしもあるならば、分泌シグナル配列を含む)を用いた。ESTデータベースは、公的データベース(例えば、Dathoff、Genebank)と私的データベース(例えば、LIFESEQTM、Incyte Pharmaceuticals.Palo Alto.CA)を含む。ECDタンパク質配列をEST配列の6フレーム翻訳と比較するため、コンピュータープログラムBLASTもしくはBLAST2(AltschulとGish、Methods in Enzymology 266:460−480(1996))を用いて検索を行った。既知のタンパク質をコードしていない70(いくつかの事例においては、90)以上のBlastスコアーとのそれらの比較を、プログラム「pharp」[Phil Green,University of Washington,Seattle,WA;(http://bozeman.mbt.washington.edu/phrap.docs/phrap.html]を用いてまとめ、コンセンサスDNA配列に集めた。
【0232】
この細胞外ドメイン相同性スクリーニングを用い、コンセンサスDNA配列を、phrapを用い、その他の同定されているEST配列に対応してまとめた。さらに、上記EST配列の供給源を用い、得られたコンセンサス配列をできる限り伸長させるために、しばしば(いつもではないが)BLASTとphrapの反復サイクルを用いて、該コンセンサス配列を伸長した。
【0233】
次いで、上記のように得られたコンセンサス配列に基づいて、オリゴヌクレオチドを合成し、PCRによって興味ある配列を含むcDNAライブラリーを同定するため、およびPROポリペプチドをコードする全長配列のクローンを単離するためのプローブとして用いるために使用した。前進(.f)と逆進(.r)PCRプライマーは、一般的に、20から30ヌクレオチドまでの範囲とし、しばしば、長さ約100−1000bpのPCR生成物を与えるように設計される。いくつかの事例において、コンセンサス配列が約1−1.5kbよりも大きい時に、付加的なオリゴヌクレオチドが合成される。全長クローンのためのいくつかのライブラリーをスクリーニングするために、ライブラリーからDNAを、Ausubelら、Current Protocols in Molecular Biologyに従って、PCRプライマー対を用い、PCR増幅によってスクリーニングした。次いで、興味ある遺伝子をコードするクローンを、オリゴヌクレオチドプローブもしくはプライマー対の一つを用いて単離するために、陽性のライブラリーを用いた。
【0234】
cDNAクローンを単離するために用いたcDNAライブラリーは、Invitrogen,San Diego,CAなどから商業的に利用できる試薬を用いた標準的な方法によって構築した。cDNAは、NotI部位を含むオリゴdTプライマーで合成し、SalIヘミキナーゼアダプターに平滑端で連結し、NotI部位で切断し、ゲル電気泳動により適切にサイズ分画し、好適なクローニングベクター[例えば、pRKBもしくはpRKD;pRK5Bは、SfiI部位を含まないpRK5Dの前駆体である;Holmesら、Science,253:1278−1280(1991)参照]に、特有のXhoIおよびNotI部位で、定められた方向でクローニングした。
【0235】
実施例2:アミラーゼスクリーニングによるcDNAクローンの単離
1.オリゴdTプライマーで合成されたcDNAライブラリーの調製
mRNAは、Invitrogen,San Diego,CAからの試薬とプロトコール(Fast Track2)を用い、興味のあるヒト組織から単離した。このRNAは、Life Technologies,Gaithersburg,MD(Super Script Plasmid System)の試薬とプロトコールを用い、ベクターpRK5D中、オリゴdTプライマーで合成したcDNAライブラリーを作製するために用いた。この操作で、二本鎖cDNAは、1000bpよりも大きなサイズとなり、SalI/NotIリンカー化cDNAを、XhoI/NotIで切断したベクターにクローニングした。pRK5Dは、XhoI/NotI cDNAクローニング部位に先立つSfiI制限酵素部位が続くsp6転写開始部位を有するクローニングベクターである。
【0236】
2.ランダムプライマーで合成されたcDNAライブラリーの調製
第2のcDNAライブラリーは、第1のcDNAクローンの5’末端を優先的に発現させるために産出した。Sp6 RNAは、第1のライブラリー(上記)から産出し、このRNAを、Life Technologies (SuperScript Plasmid System、上記)からの試薬とプロトコールを用い、ベクターpSST−AMY.0中、ランダムプライマーで合成したcDNAライブラリーを産出するために用いた。この操作で、二本鎖cDNAは、500−1000bpのサイズとなり、NotIアダプターに平滑端で連結し、SfiIで切断し、SfiI/NotIで切断したベクターにクローニングした。pSST−AMY.0は、cDNAクローニング部位に先立つ酵母アルコールデヒドロゲナーゼプロモーターと、クローニングサイトの後であって、酵母アルコールデヒドロゲナーゼターミネーターが続くマウスアミラーゼ配列(分泌シグナルを有さない成熟配列)を有するクローニングベクターである。このようにアミラーゼ配列とフレーム内で融合したベクター中にクローニングされたcDNAは、適切にトランスフェクションした酵母コロニーからアミラーゼを分泌するようになる。
【0237】
3.形質転換と検出
上記段落2に記載したライブラリーからのDNAは、電気受容能のあるDH108細菌(Life Technologies、20ml)を加えるために、氷上で冷却した。次いで、細菌とベクターの混合物を、製造元によって推奨される方法によってエレクトロポレーションした。続いて、SOC培地(Life Technologies、1ml)を加え、混合物を37℃で30分間インキュベーションした。次いで、形質転換体を、アンピシリンを含有する標準的な150mmLBプレート20枚に播き、16時間(37℃)インキュベーションした。陽性コロニーを、プレートからこすり取り、CsCl−密度勾配などの標準的なプロトコールを用い、細菌ペレットからDNAを単離した。次いで、精製したDNAを用いて、以下の酵母のプロトコールを行った。
【0238】
酵母の方法は3種類に分けられる:(1)プラスミド/cDNA結合ベクターによる酵母の形質転換;(2)アミラーゼを分泌している酵母クローンの検出と単離;および(3)酵母コロニーからの直接的な挿入物のPCR増幅、および配列決定と、更なる分析のためのDNAの精製。
【0239】
用いられた酵母株は、HD56−5A(ATCC−90785)であった。この株は、以下の遺伝子型を有する:MATアルファ、ura3−52、leu2−3、leu2−112、his3−11、his3−15、MAL+、SUC+、GAL+。好ましくは、翻訳後経路を欠失している酵母変異株を用いることができる。そのような変異株は、sec71、sec72、sec62において、転座欠失アレルを有しており、端切りしたsec71が最も好ましい。もしくは、これらの遺伝子の正常な作用を阻害するアンタゴニスト(アンチセンスヌクレオチドおよび/またはリガンドを含む)、この翻訳後経路に関連するその他のタンパク質(例えば、SEC61p、SEC72p、SEC62p、SEC63p、TDJ1p、もしくはSSA1p−4p)、もしくはこれらのタンパク質の混合体も、アミラーゼ発現酵母と組み合わせて好適に用いられる。
【0240】
形質転換は、Gietzら、Nucl.Acid.Res.,20:1425(1992)によって略述されたプロトコールに基づいて行った。次いで、形質転換細胞を、寒天からYEPD混合培地(100ml)に播種し、30℃で一晩培養した。YEPD培地は、Kaiserら、Methods in YeastGenetics,Cold Spring Harbor Press,Cold Spring Harbor,NY,p.207(1994)に記載されたように調製した。次いで、一晩培養物を、新鮮なYEPD培地(500ml)で、約2x106細胞/ml(約OD600=0.1)に希釈し、1x107細胞/ml(約OD600=0.4−0.5)となるまで再度培養した。
【0241】
次いで、細胞を回収し、SorvalGS3ローターで、5000rpm、5分間で、GS3ローターボトルに移し、上清を除去し、次いで、滅菌水に再度懸濁し、再び50mlファルコンチューブ中、Beckman GS−6KR遠心分離機3500rpmで遠心分離することにより、形質転換用に調製した。上清を除去し、続けて細胞をLiAc/TE(10ml、10mMTris−HCl、1m MEDTA pH7.5、100mMのLi2OOCCH3)で洗浄し、LiAc/TE(2.5ml)中に再度懸濁した。
【0242】
形質転換は、調製した細胞(100μl)に、新たに変性させた一本鎖サケ精子DNA(Lofstrand Labs,Gaithersburg,MD)と形質転換させるDNA(1μg、容量<10μl)とを、マイクロ遠心分離チューブ内で混合することによって行った。混合液を、渦動撹拌により簡単に混合し、次いで、40%PEG/TE(600μlポリエチレングリコール−4000、10mM Tris−HCl、1mMEDTA、100mMLi2OOCCH3pH7.5)を添加した。この混合液を、穏やかに混合し、30分間凝集させながら30℃でインキュベーションした。この細胞を、次いで、42℃で15分間、熱刺激し、この反応チューブを、マイクロ遠心分離機で、12000rpm、5−10秒間遠心し、デカンテーションし、TE(500μl、10mM Tris−HCl、1mMEDTA pH7.5)で再度懸濁し、続けて再度遠心分離した。次いで、細胞をTE(1ml)中に希釈し、予め150mm培養プレート(VWR)に調製した選択培地上に、20μlずつ分注した。
【0243】
もしくは、多数の小さな反応の代わりに、形質転換を、単一、大規模の反応で、試薬量もそれに応じて増やして行った。
【0244】
用いた選択培地は、Kaiserら、Methods in Yeast Genetics,Cold Spring Harbor Press,Cold Spring Harbor,NY,p.208−210(1994)によって記載されたように調製されたウラシル欠失合成完全デキストロース(SCD−Ura)寒天とした。形質転換体は、30℃で2−3日間培養した。
【0245】
アミラーゼを分泌しているコロニーの検出は、選択増殖培地中に赤色澱粉を含ませることによって行った。澱粉を、Bielyら、Anal.Biochem.,172:176−179(1988)によって記載された手順に従って、赤色染料(Reactive Red−120、Sigma)と結合させた。結合させた澱粉を、SCD−Ura寒天プレート中、最終濃度0.15%(w/v)で取り込ませ、リン酸カリウムでpH7.0に緩衝化した(最終濃度50−100mM)。
【0246】
十分に単離、同定できる単一コロニーを得るために、陽性コロニーを拾い、新鮮な選択培地(150mmプレート上)に塗布した。アミラーゼの分泌が陽性である十分に単離された単一コロニーは、緩衝化したSCD−Ura寒天への赤色澱粉の直接的な取り込みによって検出した。陽性コロニーは、直接目視可能な陽性コロニー周囲の透明な輪を生じさせる澱粉分解能によって決定した。
【0247】
4.PCR増幅によるDNAの単離
陽性コロニーを単離する時、その部位を楊枝で拾い上げ、96ウェルプレート中の滅菌水(30μl)に希釈した。この時、陽性コロニーを、続く分析用に凍結保存するか、直ちに増幅する。分注した細胞(5μl)を、25μl容量:0.5μlのKlentaq(Clontech,Palo Alto,CA);4.0μl10mMdNTP's(Perkin Elmer−Cetus);2.5μlKlentaq緩衝液(Clontech,Palo Alto,CA);0.25μl前進オリゴ1;0.25μl逆進オリゴ;12.5μl滅菌水を含む、でのPCR反応の鋳型として用いた。前進オリゴヌクレオチド1の配列は: 5’−TGTAAAACGACGGCCAGTTAAATAGACCTGCAATTATTAATCT−3’(配列番号:16)。
逆進オリゴヌクレオチド2び配列は: 5’−CAGGAAACAGCTATGACCACCTGCACACCTGCAAATCCATT−3’(配列番号:17)。
【0248】
次いで、PCRを以下のように行った:
a. 変性 92℃、5分
b. 3サイクル: 変性 92℃、30秒 アニーリング 59℃、30秒 伸長 72℃、60秒
c. 3サイクル: 変性 92℃、30秒 アニーリング 57℃、30秒 伸長 72℃、60秒
d. 25サイクル:変性 92℃、30秒 アニーリング 55℃、30秒 伸長 72℃、60秒
e. 保持 4℃
【0249】
オリゴヌクレオチドの下線部位は、ADHプロモーター領域とアミラーゼ領域に各々アニーリングし、挿入が無い場合は、ベクターpSST−AMY.0から307bp領域を増幅した。典型的には、これらのオリゴヌクレオチドの5’末端の最初の18ヌクレオチドに、配列決定用プライマーのアニーリング部位を含ませた。このように、空ベクターからのPCR反応の生成物は、343bpであった。一方、シグナル配列を融合させたcDNAは、かなり長いヌクレオチド配列となった。
【0250】
PCRに続けて、分注した反応生成物(5μl)を、上記Sambrookらに記載されたように、Tris−Borate−EDTA(TBE)緩衝系を用いた1%アガロースゲルのアガロースゲル電気泳動によって調べた。400bpよりも大きい単一で強いPCR生成物が得られたクローンを、96Qiaquick PCR clean−up colum (Qiagen社、Chatsworth,CA)で精製した後、さらにDNA配列決定によって分析した。
【0251】
実施例3:ヒトPRO241をコードしているcDNAの単離
コンセンサスDNA配列は、上記実施例1に記載した他のEST配列に対応してまとめた。このコンセンサス配列を、ここにDNA30876と称する。DNA30876のコンセンサス配列に基づいて、1)PCRによる興味ある配列を含むcDNAライブラリーの同定、および2)PRO241をコードする全長配列のクローンを単離するためのプローブとしての使用、のために、オリゴヌクレオチドを合成した。
【0252】
PCRプライマー(前進および逆進)を合成した:
前進PCRプライマー 5’−GGAAATGAGTGCAAACCCTC−3’ (配列番号:3)
逆進PCRプライマー 5’−TCCCAAGCTGAACACTCATTCTGC−3’ (配列番号:4)
さらに、合成オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションプローブを、以下のヌクレオチド配列を有するコンセンサスDNA30876配列から構築した。
ハイブリダイゼーションプローブ5’−GGGTGACGGTGTTCCATATCAGAATTGCAGAAGCAAAACTGACCTCAGTT−3’(配列番号:5)
【0253】
全長クローンの供給源としてのいくつかのライブラリーをスクリーニングするために、ライブラリーからDNAを、上記同定されたPCRプライマー対を用いたPCR増幅によって、スクリーニングした。次いで、陽性のライブラリーを、オリゴヌクレオチドプローブおよび該PCRプライマーの一つを用いて、PRO241をコードするクローンを単離するために用いた。cDNAライブラリーを構築するためのRNAを、ヒト胎児腎臓組織(LIB29)から単離した。
【0254】
上記のように単離したクローンのDNA配列から、PRO241の全長DNA配列[ここに、UNQ215(DNA34392−1170)と称する](配列番号:1)と、PRO241のタンパク質配列を得た。
【0255】
UNQ215(DNA34392−1170)の全ヌクレオチド配列を図1に示す(配列番号:1)。クローンUNQ215(DNA34392−1170)は、ヌクレオチド部位234−236に見かけ上の翻訳開始部位と、ヌクレオチド部位1371−1373に終止コドンでの終止を有する単一のオープンリーディングフレームを含む(図1)。推定されるポリペプチドプレカーサーは379アミノ酸長(図2)である。図2に示した全長のPRO241タンパク質は、推定上、約43302ダルトンの分子量と、約7.30のpIを有する。クローンUNQ215(DNA34392−1170)は、ATCCに寄託し、ATCC寄託番号ATCC 209526が付与されている。
【0256】
全長PRO241ポリペプチドアミノ酸配列の分析により、様々なビグリカンプロテオグリカンタンパク質と有意な相同性を有することが提示されており、これによってPRO241が新規のビグリカン相同ポリペプチドであることが示されている。
【0257】
実施例4: 染色体ウォーキングによるヒトPRO243をコードするcDNAクローンの単離
概論: ヒトトロンボポエチン(THPO)は、2つのドメインからなる352アミノ酸のグリコシル化されたホルモンである。エリスロポエチンと50%の類似性を共有するN末端ドメインは、生物活性を発現する。C末端領域は、分泌に必要とされる。トロンボポエチン(THPO)遺伝子は、ヒト染色体3q27−q28に位置し、ここで、この遺伝子の6つのエキソンは、染色体DNA7キロ塩基対に及ぶ(Gurneyら、Blood 85:981−988(1995))。THPOに近接して位置するTHPO相同体をコードする遺伝子が存在するかを調べるために、この領域の染色体DNAフラグメントを同定し、配列決定した。THPO遺伝子座を包囲している3つのP1クローンと1つのPACクローン(Genome Systems社、St Louis,MO;カタログ番号、P1−2535とPAC−6359)を単離し、140kb領域を、定序ショットガン方法(orderd shotgun strategy)(Chenら、Genomics 17:651−656(1993))を用い、PCRに基づくギャップ充填方法(gap filling approach)と組み合わせて配列決定した。分析により、該領域は、THPOに非常に隣接して位置する4つの付加遺伝子:腫瘍壊死因子−受容体1型付随タンパク2(TRAP2)、伸長開始因子γ(elf4g)、塩素チャネル2(CLCN2)およびRNAポリメラーゼIIサブユニットhRPB17、と共に遺伝子が豊富であることが明らかとなった。その領域でTHPO相同体が見い出されなかったものの、4つの新規な遺伝子が、コンピューター補助遺伝子検出器(GRAIL)[Xuら、Gen.Engin.16:241−253(1994)]、CpG島の存在[Cross,S.とBird,A.、Curr.Opin.Genet.と Devel.5:109−314(1995)]、および既知の遺伝子との相同性(WU−BLAST2.0によって検出)(AltschulとGish、Methods Enzymol.266:460−480(1996)(http://blast.wustl.edu/blast/README.html)によって推測されている。
【0258】
P1クローンとPACクローン: THPO染色体配列[A.L.Gurrneyら、Blood 85:981−88(1995)]から設計されたPCRプライマーでスクリーニングされた染色体P1ライブラリー(Genome Systems社、St.Louis, MO:カタログ番号:P1−2535)から最初のヒトP1クローンを単離した。PCRプライマーは、このP1クローンから得られた末端配列から設計し、次いで、重複するクローンを同定するため、PIとPACライブラリー(Genome Systems社、カタログ番号:P1−2535&PAC−6539)をスクリーニングするために用いた。
【0259】
定序ショットガン方法: 定序ショットガン方法(OSS)(Chenら、Genomics17:651−656(1993))は、段階的アプローチによる、巨大な染色体DNAクローンの位置決定や配列決定を含む。P1クローンまたはPACクローンは、音波処理し、断片をラムダベクター(λBluestar)(Novagen社、Madison、WI;カタログ番号69242−3)にサブクローニングした。該ラムダサブクローン挿入物は、長距離PCR(Barnes,W.Proc.Natl.Acad.Sci.USA91:2216−2220(1994))によって単離し、末端を配列決定した。本来のクローンの部分的な地図を作製するために、ラムダ−末端配列を重複させた。重複する末端配列を含むラムダクローンを同定し、プラスミドベクター(pUC9もしくはpUC18)にサブクローニングした挿入物とプラスミドサブクローンの末端を配列決定し、隣接している配列を産出するために、まとめた。この直接的な配列決定法により、興味のある領域を読み取り、まとめるために要求される重複が最小になる。
【0260】
THPO遺伝子座をより良好に定め、ヘマトポエチンファミリーに関連するその他の遺伝子を検索するため、4つの染色体クローンを、ヒトPIとPACライブラリー(Genome Systems社、カタログ番号:P1−2535とPAC−6539)のPCRスクリーニングによってこの領域から単離した。染色体フラグメントのサイズは以下の通りである:P1.tは40kb;P1.gは70kb;P1.uは70kb;およびPAC.zは200kb。これらの4つの染色体クローン間の関係を図5に図示する。200kb染色体DNA領域の約80%を、定序ショットガン方法(OSS)(Chenら、Genomics17:651−656(1993))によって配列決定し、Auto AssemblerTM(Applied Biosystems,Perkin Elmer,Foster City,CA、カタログ番号903227)を用い、コンティグにまとめた。これらのコンティグの予備的な順序は、手動分析によって決定した。46コンティグがあり、ギャップ充填を用いた。表2にギャップの数とサイズを要約した。
【0261】
表2
140kb領域におけるギャップの要約
ギャップのサイズ 数
<50bp 13
50−150bp 7
150−300bp 7
300−1000bp 10
1000−5000bp 7
>5000bp 2 (15000bp)
【0262】
DNA配列決定: ABI DYE−primerTM chemistry(PE Applied Biosystems,Foster City;カタログ番号402112)を、ラムダとプラスミドサブクローンの末端を配列決定するために用いた。ABI DYE−terminaterTM chemistry(PEApplied Biosystems,Foster City;カタログ番号403044)を、各々のPCRプライマーを用いたPCR生成物の配列決定に用いた。配列は、ABI377機器でまとめた。1kbよりも大きなPCR生成物のために、ウォーキングプライマーを用いた。コンティグ配列を、AutoAssemblerTM(PE Applied Biosystems,Foster City,CA、カタログ番号903227)におけるOOS方法によって産出し、ギャップ充填配列を記録したファイルを、SequencherTM(Gene Codes社、Ann Arbor,MI)に、重複と編集のために組み込ませた。
【0263】
PCRに基づくギャップ充填方法:プライマーは、各コンティグの5’−と3’−末端配列に基づき、反復と低い精度の配列領域を除くように設計した。全てのプライマーは、19−24merで、50−70%のG/C含有量となるように設計した。オリゴを標準的な方法で合成し、ゲル−精製した。
【0264】
コンティグの方向と順序が未知なので、プライマーの過変異を増幅反応において用いた。2つのPCRキットを用いた:第1に、XL PCRキット(Perkin Elmer,Norwalk,CT;カタログ番号N8080205)、伸長時間約10分;および第2に、もしXL PCRキットでスメアーが生じる(smeared)もしくは多重生成物が観察されたならば、Taq Polymerase PCRキット(Qiagen社、Valencia,CA;カタログ番号:201223)を、高ストリンジェント条件下で用いた。成功した各反応から主なPCR生成物を、0.9%低融点アガロースゲルから抽出し、Geneclean DNA Purificationキットで、配列決定の前に精製した。
【0265】
分析: コード化領域の同定と特徴付けを以下のように行った:最初に、反復する配列を、反復エレメントのライブラリーに対するFastAフォーマットで、DNA配列をスクリーニングし、マスクされた疑わしい配列に戻るRepeatMasker(A.F.A Smit & P.Green, http://ftp.genome.washington.edu/RM/RM details.heml)を用いてマスクした。マスクされていない反復は、WUBLAST[Altschul, S & Gish, W., Methods Enzymol.266:460−480(1996)]を用い、GenBankデーターベースと配列を比較することによって同定し、手動でマスクした。
【0266】
次に、WUBLAST2.0アルゴリズムを用いた、染色体領域とGenentechのタンパク質データベースとの比較によって、既知遺伝子を明らかにし、次いで、他で大きく異なる配列間で局所的に同定された領域を見出すために、Needleman−Wunch(NeedlemanとWunsch、J.Mol.Biol.48:443−453(1970)アルゴリズムを用い、各遺伝子の染色体およびcDNA配列を整列することによって注釈付けた。この方法により、この領域における5つの既知遺伝子、THPO、TRAP2、elF4g、CLCN2およびhRPB17の全てのエキソンを検出した(表3)。
【0267】
表3
分析された140kb領域に局在する既知遺伝子の要約
既知遺伝子 遺伝子座
真核生物翻訳開始因子4γ 3q27−qter
トロンボポエチン 3q26−q27
塩素チャネル2 3q26−qter
TNFレセプター付随タンパク2 予めマップされていないRNAポリメラーゼIIサブユニットhRPB17 予めマップされていない
【0268】
最後に、新規な転写単位を多くの方法を用いて推測した。CpG島(S.Cross & Bird,A.,Curr.Opin.Genet.Dev.5: 109−314(1995))はプロモーター領域を定めるために用い、GC富、6または8−merパリンドローム配列を認識する酵素によって切断されるクラスター部位として同定した。CpG島には、通常、遺伝子のプロモーター領域が付随している。GenBankに対して、短い染色体領域(10−20kb)のWUBLAST2.0分析により、ESTとの一致を明らかにした。個別のEST配列(もしくは、可能ならば、それらの配列のクロマトグラムのファイル)を検索し、理論上のcDNA配列(ここにDNA34415として称される)を提供するため、シークエンサーにまとめた。GRAIL2(ApoCom社、Knoxville,TN,DECαに対する指揮系統)は、新規なエキソンを推測するために用いた。この領域における5つの既知遺伝子は、GRAILアルゴリズムの成功裏の内部対照として機能した。
【0269】
単離: Chordin cDNAクローンは、オリゴdTプライマーで合成されたヒト胎児肺ライブラリーから単離した。ヒト胎児肺ポリA+ RNAを、Clontech(カタログ番号6528−1、ロット番号43777)から購入し、5mgを、pKR5B(Genentech, LIB26)のcDNAライブラリーを構築するために用いた。3’−プライマー(pGACTAGTTCTAGATCGCGAGCGGCCGCCCTTTTTTTTTTTTTTT)(配列番号:8)と、5’−リンカー(pCGGACGCGTGGGGCCTGCGCACCCAGCT)(配列番号:9)を、SalIとNotI制限酵素部位を導入するように設計した。提示された染色体遺伝子のエキソンを手動で「スプライシング」して導き出された推定上のヒトコルディンcDNA配列(DNA34415)から設計したオリゴヌクレオチドプローブで、クローンをスクリーニングした。配列決定する前にcDNAクローンの同一性を確認するため、PCRプライマーの側腹に位置するプローブを用いた。
【0270】
オリゴヌクレオチドプローブのスクリーニングを以下のように行った:
OLI5640 34415.p1 5’−GCCGCTCCCCGAACGGGCAGCGGCTCCTTCTCAGAA−3’(配列番号:10)とOLI5640 34415.p2 5’−GGCGCACAGCACGCAGCGCATCACCCCGAATGGCTC−3’(配列番号:11);と、用いた側腹に位置するプローブは以下のものであった:
OLI5639 34415. f1 5’−GTGCTGCCCATCCGTTCTGAGAAGGA−3’(配列番号:12)と、OLI5643 34415.r 5’−GCAGGGTGCTCAAACAGGACAC−3’(配列番号:13)。
【0271】
実施例5:PRO243のノーザンブロットおよびin situ RNAハイブリダイゼーション分析
ヒト組織におけるPRO243 mRNAの発現を、ノーザンブロットによって試験した。ヒト胎児および成人組織から得られたヒトポリA+RNAブロット(Clontech,Palo Alto,CA;カタログ番号7760−1と7756−1)を、全長PRO243 cDNAに基づいた32P−標識cDNAフラグメントプローブとハイブリダイズさせた。ブロットは、プローブと共に、ハイブリダイゼーション緩衝液(5xSSPE;2xデンハート溶液;100mg/ml変性切断サケ精子DNA;50%ホルムアミド;2%SDS)中、60時間、42℃でインキュベーションした。ブロットを、2xSSCで複数回;0.05%SDSで室温1時間洗浄し、続けて、高ストリンジェントな洗浄を、30分間、0.1xSSC;0.1%SDS中、50℃で行い、オートラジオグラフィーに供した。ブロットを一晩露光させた後、フォスフォイメージャ(phosphorimager)分析機(Fuji)によって現像した。
【0272】
図6に示すように、PRO243 mRNA転写生成物を検出した。発現パターンの分析により、予想される4.0kb転写物の強いシグナルが、成熟および胎児の肝臓において、および、非常に弱いシグナルが成熟腎臓において示された。胎児の脳、肺および腎臓は陰性であり、成熟心臓、脳、肺および脾臓は陰性であった。より小さな転写生成物が、胎盤(2.0kb)、成熟骨格筋(1.8kb)および胎児肝臓(2.0kb)において観察された。
【0273】
PRO243の成人組織のIn situハイブリダイゼーションにより、陽性シグナルが、大腿骨頭と寛骨臼との間に形成される発育中の滑膜性連結の割線において得られた。他の全組織は陰性であった。ヒト胎児の顔、頭、四肢とマウス胚子のさらなる切片標本についても試験した。ヒト胎児組織における発現は、発育している四肢および骨膜傍の間葉における顔骨に隣接して観察された。発現は高く特異的であり、しばしば血管新生している領域に隣接していた。また、発現は、発育時の一時的に胎児脳の後頭葉に観察されるが、脳においてそれ以外では観察されなかった。さらに、発現は、発育中の内耳の神経節において認められた。マウスの組織において、ヒトプローブにより、発現を認めることはできなかった(図7参照)。
【0274】
In situハイブリダイゼーションは、最適化されたプロトコールで、PCR産出33P標識リボプローブ[LuとGillett,Cell Vision 1:169−176(1994)]を用いて行った。ホルマリン固定、パラフィン包埋したヒト胎児および成人組織を薄切し、脱パラフィン化し、プロテアーゼK(20g/ml)で15分間、37℃で除タンパクし、さらに、LuとGillett(1994)によって記載されたように、in situハイブリダイゼーション用に処理した。[33P]−UTP標識アンチセンスリボプローブをPCR生成物から産出し、55℃で一晩ハイブリダイズさせた。スライドを、Kodak NTB2 nuclear track感光紙に浸し、4週間露光させた。
【0275】
実施例6:ヒトPRO299をコードするcDNAクローンの単離
ここでDNA28847として称するcDNA配列(図10;配列番号:18)を、上記実施例2に記載したように単離した。さらなる分析後、DNA28847の3’端切り型が見出され、これをここにDNA35877(図11;配列番号:19)と称する。DNA35877配列に基づいて、オリゴヌクレオチドを、1)PCRによって、興味のある配列を含むcDNAライブラリーを同定するため、および2)PRO299をコードする全長の配列のクローンを単離するためのプローブとして使用するため、合成した。前進および逆進PCRプライマーは、一般的に、20から30ヌクレオチドの範囲であり、しばしば、長さ約100−1000bpのPCR生成物を得るように設計する。プローブの配列は、典型的には、長さ40−55bpである。いくつかの事例において、コンセンサス配列が約1−1.5kbpよりも大きくなる時、付加的オリゴヌクレオチドを合成する。全長のクローンのための複数個のライブラリーをスクリーニングするために、Ausubelら、Current Protocols in Molecular Biologyに従って、PCRプライマー対を用い、ライブラリーからDNAをPCR増幅によってスクリーニングした。次いで、オリゴヌクレオチドプローブと該プライマー対の一つを用い、興味のある遺伝子をコードするクローンを単離するために、陽性のライブラリーを用いた。
【0276】
前進と逆進PCRプライマーを合成した:
前進PCRプライマー(35877.f1) 5’−CTCTGGAAGGTCACGGCCACAGG−3’(配列番号:20)
逆進PCRプライマー(35877.r1) 5’−CTCAGTTCGGTTGGCAAAGCTCTC−3’(配列番号:21)
さらに、合成オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションプローブを、以下のヌクレオチド配列を有するDNA35877配列から構築した。
ハイブリダイゼーションプローブ(35877.p1)
5’−CAGTGCTCCCTCATAGATGGACGAAAGTGTGACCCCCCTTTCAGGCGAGAGCTTTGCCAACCGAACTGA−3’(配列番号:22)
【0277】
全長クローンの供給源として複数個のライブラリーをスクリーニングするために、ライブラリーからDNAを、上記同定されたPCRプライマー対の一つを用い、PCR増幅によってスクリーニングした。次いで、オリゴヌクレオチドプローブを用い、PRO299配列をコードするクローンを単離するために、陽性ライブラリーを用いた。
【0278】
cDNAライブラリーを構築するためのRNAを、ヒト胎児脳組織から単離した。cDNAクローンを単離するために用いたcDNAライブラリーを、例えば、Invitrogen,San Diego,CAなどから商業的に利用できる試薬を用いた標準的な方法により構築した。cDNAは、NotI部位を含むオリゴdTプライマーで合成し、SalIヘミキナーゼアダプターに平滑端で連結し、NotIで切断し、ゲル電気泳動でおおよそのサイズに分画し、定められた方向で適切なクローニングベクター[例えば、pRKBもしくはpRKD;pRK5BはSfiI部位を含まないpRK5Dの前駆体である;Holmesら、Science,253:1278−1280(1991)参照]に、特有のXhoIとNotI部位で、クローニングした。
【0279】
上記のように単離したクローンのDNA配列決定により、PRO299の全長のDNA配列[ここにUNQ262(DNA39976−1215)と称する]を得て、PRO299のタンパク質配列を推定した。
【0280】
UNQ262(DNA39976−1215)の全ヌクレオチド配列を図8に示す(配列番号:14)。クローンUNQ262(DNA39976−1215)は、ヌクレオチド部位111−113に見かけ上の翻訳開始部位と、ヌクレオチド部位2322−2324に終止コドンでの終止を有する単一のオープンリーディングフレームを含む(図8)。この推定されるポリペプチドプレカーサーは、737アミノ酸長である(図9)。クローンUNQ262(DNA39976−1215)によってコードされるポリペプチド配列の重要な領域が同定され、以下のものを含む:アミノ酸1−28に相当する単一ペプチド、アミノ酸638−662に相当する推定トランスメンブレン領域、アミノ酸80−106、121−203、336−360、378−415、416−441、454−490、491−528、529−548、567−604および605−622に相当する10個のEGFの反復、アミノ酸10−120,204−207,208−222,223−285,286−304,361−374,375−377,442−453,549−563,および564−566に相当する、潜在的な10個のN−グリコシル化部位。クローンUNQ262(DNA39976−1215)が、ATCCに寄託され、ATCC寄託番号がATCC209524と付与されている。
【0281】
全長のPRO299ポリペプチドのアミノ酸配列の分析から、それの一部が、切痕タンパク質(notch protein)と有意な相同性を有することが提示され、それによって、PRO299が新規な切痕タンパク相同体であり、典型的な切痕タンパク質の活性を有することが示唆されている。
【0282】
実施例7: ヒトPRO323をコードするcDNAクローンの単離
コンセンサスDNA配列を、上記実施例1に記載されたように、他のEST配列に対応してまとめた。このコンセンサス配列を、ここに、DNA30875と称する。DNA30875コンセンサス配列に基づいて、オリゴヌクレオチドを、1)PCRによって、興味のある配列を含むcDNAライブラリーを同定するため、および2)PRO323の全長をコードする配列のクローンを単離するためのプローブとして使用するため、合成した。
【0283】
PCRプライマー(2個の前進と1個の逆進)を合成した:
前進PCRプライマー1 5’−AGTTCTGGTCAGCCTATGTGCC−3’(配列番号:25)
前進PCRプライマー2 5’−CGTGATGGTGTCTTTGTCCATGGG−3’(配列番号:26)
逆進PCRプライマー 5’−CTCCACCAATCCCGATGAACTTGG−3’(配列番号:27)
さらに、合成オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションプローブを、以下のヌクレオチド配列を有するコンセンサスDNA30875配列から構築した。
ハイブリダイゼーションプローブ5’−GAGCAGATTGACCTCATACGCCGCATGTGTGCCTCCTATTCTGAGCTGGA−3’(配列番号:28)
【0284】
全長クローンの供給源としての複数個のライブラリーをスクリーニングするため、ライブラリーからDNAを、上記同定されたPCRプライマー対を用いたPCR増幅によってスクリーニングした。次いで、PRO323遺伝子をコードするクローンを、オリゴヌクレオチドプローブと該PCRプライマー対の一つを用いて単離するため、陽性ライブラリーを用いた。cDNAライブラリーの構築のためのRNAを、ヒト胎児肝組織(LIB6)から単離した。
【0285】
上記のように単離したクローンのDNA配列決定によって、PRO323[ここに、UNQ284(DNA35595−1228)と称する](配列番号:23)が得られ、PRO323のタンパク質配列が推定された。
【0286】
UNQ284(DNA35595−1228)の全ヌクレオチド配列を図12(配列番号:23)に示す。クローンUNQ284(DNA35595−1228)は、ヌクレオチド部位110−112に見かけ上の翻訳開始部位と、ヌクレオチド部位1409−1411に終止コドンでの終止を有する単一のオープンリーディングフレームを含む(図12)。推測されるポリペプチドプレカーサーは、433アミノ酸長である(図13)。図13に示された全長PRO323タンパク質は、分子量約47787ダルトンで、PI約6.11であると推測される。クローンUNQ284(DNA35595−1228)は、ATCCに寄託しており、ATCC寄託番号209528が付与される。
【0287】
全長PRO323ポリペプチドのアミノ酸配列の分析により、それの一部が、様々なジペプチダーゼタンパク質と有意な相同性を有することが示され、それによって、PRO323が、新規なジペプチダーゼタンパク質であることが示唆されている。
【0288】
実施例8: ヒトPRO327をコードするcDNAクローンの単離
発現配列標識(expressed sequence tag)(EST)DNAデータベース(LIFESEQTM,Incyte Pharmaceuticals,Palo Alto,CA)を検索し、様々なEST配列が、ヒトプロラクチン受容体タンパク質とのある程度の相同性を示すことを確認した。これらのEST配列を、phrapを用いて整列し、コンセンサス配列を得た。次いで、上記EST配列の供給源を用いて、コンセンサス配列をできるかぎり伸長するため、このコンセンサスDNA配列を、BLASとphrapの反復サイクルを用いて伸長した。伸長し、まとめた配列を、ここにDNA38110と称する。上記検索は、コンピュータープログラムBLASTもしくはBLAST2を用いて行った(Altshulら、Method in Enzymology 266:460−480(1996))。既知のタンパク質をコードしないBLASTスコアー70(もしくは、いくつかの事例において90)以上となるこれらの比較結果を、グループ化し、プログラム「pharp」(Phil Green,University of Washington,Seattle,Washington;http://bozeman.mbt.washington.edu/phrap.docs/phrap.html)により、コンセンサスDNA配列にまとめた。
【0289】
上記のように得られたDNA38110コンセンサス配列に基づいて、オリゴヌクレオチドを、1)興味のある配列を含むcDNAライブラリーを、PCRによって同定するため、および2)PRO327をコードする全長の配列のクローンを単離するためのプローブとしての使用のため、合成した。
【0290】
PCRプライマー(前進と逆進)を以下のように合成した:
前進プライマー 5’−CCCGCCCGACGTGCACGTGAGCC−3’(配列番号:33)
逆進プライマー 5’−TGAGCCAGCCCAGGAACTGCTTG−3’(配列番号:34)
さらに、合成オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションプローブを、以下のヌクレオチド配列を有するコンセンサスDNA38110コンセンサス配列から構築した。
ハイブリダイゼーションプローブ5’−CAAGTGCGCTGCAACCCCTTTGGCATCTATGGCTCCAAGAAAGCCGGGAT−3’(配列番号:35)
【0291】
全長クローンの供給源としての複数個のライブラリーをスクリーニングするために、ライブラリーからDNAを、上記PCRプライマー対を用いたPCR増幅によってスクリーニングした。次いで、陽性ライブラリーを、オリゴヌクレオチドプローブと上記PCRプライマーの一つを用い、PRO327遺伝子をコードするクローンを単離するために用いた。cDNAライブラリーの構築のためのRNAを、ヒト胎児肺組織(LIB26)から単離した。
【0292】
上記単離したクローンのDNA配列決定により、PRO327の全長DNA配列[ここに、UNQ288(DNA38113−1230)として称する](配列番号:16)を得て、PRO327のタンパク質配列を推定した。
【0293】
UNQ288(DNA38113−1230)の全ヌクレオチド配列を、図16(配列番号:31)に示す。クローンUNQ288(DNA38113−1230)は、ヌクレオチド部位119−121に見かけ上の翻訳開始部位と、ヌクレオチド部位1385−1387に終止コドンでの終止を有する単一のオープンリーディングフレームを含む(図16)。推測されるポリペプチドプレカーサーは、422アミノ酸長である(図17)。図17に示された全長PRO327タンパク質は、分子量約46302ダルトンで、PI約9.42であると推測される。クローンUNQ288(DNA38113−1230)は、ATCCに寄託しており、ATCC寄託番号209530が付与されている。
【0294】
全長PRO327ポリペプチドのアミノ酸配列の分析により、それの一部が、ヒトプロラクチン受容体タンパク質と有意な相同性を有することが提示され、それによって、PRO327が、新規なプロラクチン結合タンパク質であることが示唆されている。
【0295】
実施例9: ヒトPRO233をコードするcDNAクローンの単離
コンセンサスDNA配列を、上記実施例1に記載されたように、他のEST配列と対応してまとめた。このコンセンサス配列を、ここに、DNA30945と称する。DNA30945コンセンサス配列に基づいて、オリゴヌクレオチドを、1)PCRによって、興味のある配列を含むcDNAライブラリーを同定するため、および2)PRO233の全長をコードする配列のクローンを単離するためのプローブとして使用するため、合成した。
【0296】
PCRプライマーを以下のように合成した:
前進PCRプライマー1 5’−GGTGAAGGCAGAAATTGGAGATG−3’(配列番号:38)
逆進PCRプライマー 5’−ATCCCATGCATCAGCCTGTTTACC−3’(配列番号:39)
さらに、合成オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションプローブを、以下のヌクレオチド配列を有するコンセンサスDNA30945配列から構築した。
ハイブリダイゼーションプローブ5’−GCTGGTGTAGTCTATACATCAGATTTGTTTGCTACACAAGATCCTCAG−3’(配列番号:40)
【0297】
全長クローンの供給源としての複数個のライブラリーをスクリーニングするために、ライブラリーからDNAを、上記同定されたPCRプライマー対を用いたPCR増幅によってスクリーニングした。次いで、PRO233遺伝子をコードするクローンをオリゴヌクレオチドプローブを用いて単離するために、陽性ライブラリーを用いた。cDNAライブラリーの構築のためのRNAを、ヒト胎児脳組織から単離した。
【0298】
上記のように単離したクローンのDNA配列決定によって、PRO233[ここに、UNQ207(DNA34436−1238)と称する](配列番号:36)が得られ、PRO233のタンパク質配列が推定された。
【0299】
UNQ207(DNA34436−1238)の全ヌクレオチド配列を図18(配列番号:36)に示す。クローンUNQ207(DNA34436−1238)は、ヌクレオチド部位101−103に見かけ上の翻訳開始部位と、ヌクレオチド部位1001−1003に終止コドンでの終止を有する単一のオープンリーディングフレームを含む(図18)。推測されるポリペプチドプレカーサーは、300アミノ酸長である(図19)。図19に示された全長PRO233タンパク質は、分子量約32964ダルトンで、PI約9.52であると推測される。さらに、単一ペプチドと推定上の酸化還元酵素活性部位を含む興味のある領域を、図19に示す。クローンUNQ207(DNA34436−1238)は、ATCCに寄託しており、ATCC寄託番号209523が付与されている。
【0300】
全長PRO233ポリペプチドのアミノ酸配列の分析により、それの一部が、様々な還元酵素タンパク質と有意な相同性を有することが提示され、それによって、PRO233が、新規な還元酵素タンパク質であることが示唆されている。
【0301】
実施例10: ヒトPRO344をコードするcDNAクローンの単離
コンセンサスDNA配列を、上記実施例1に記載されたように、他のEST配列に対応してまとめた。このコンセンサス配列を、ここに、DNA34398と称する。DNA34398コンセンサス配列に基づいて、オリゴヌクレオチドを、1)PCRによって、興味のある配列を含むcDNAライブラリーを同定するため、および2)PRO344の全長をコードする配列のクローンを単離するためのプローブとして使用するため、合成した。
【0302】
DNA34398コンセンサス配列に基づいて、前進と逆進PCRプライマーを合成した:
前進PCRプライマー(34398.f1) 5’−TACAGGCCCAGTCAGGACCAGGGG−3’(配列番号:43)
前進PCRプライマー(34398.f2) 5’−AGCCAGCCTCGCTCTCGG−3’(配列番号:44)
前進PCRプライマー(34398.f3) 5’−GTCTGCGATCAGGTCTGG−3’(配列番号:45)
逆進PCRプライマー(34398.r1) 5’−GAAAGAGGCAATGGATTCGC−3’(配列番号:46)
逆進PCRプライマー(34398.r2) 5’−GACTTACACTTGCCAGCACAGCAC−3’(配列番号:47)
さらに、合成オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションプローブを、以下のヌクレオチド配列を有するDNA34398コンセンサス配列から構築した。
ハイブリダイゼーションプローブ5’−GGAGCACCACCAACTGGAGGGTCCGGAGTAGCGAGCGCCCCGAAG−3’(配列番号:48)
【0303】
全長クローンの供給源としての複数個のライブラリーをスクリーニングするために、ライブラリーからDNAを、上記同定されたPCRプライマー対を用いたPCR増幅によってスクリーニングした。次いで、オリゴヌクレオチドプローブと該PCRプライマーの一つを用いて、PRO344遺伝子をコードするクローンを単離するために、陽性ライブラリーを用いた。cDNAライブラリーの構築のためのRNAを、ヒト胎児腎組織から単離した。
【0304】
上記のように単離されたクローンのDNA配列決定によって、PRO344の全長のDNA配列[ここに、UNQ303(DNA40592−1242)と称する](配列番号:41)を得て、PRO344のタンパク質配列を推定した。
【0305】
UNQ303(DNA40592−1242)の全ヌクレオチド配列を図20(配列番号:41)に示す。クローンUNQ303(DNA40592−1242)は、ヌクレオチド部位227−229に見かけ上の翻訳開始部位と、ヌクレオチド部位956−958に終止コドンでの終止を有する単一のオープンリーディングフレームを含む(図20)。推測ポリペプチドプレカーサーは、243アミノ酸長である(図21)。PRO344のヌクレオチド1から729によってコードされたアミノ酸配列の重要な領域は、図21に示されているように、単一ペプチド、成熟タンパク質の開始、および潜在的な2個のN−ミリストイル化部位を含む。クローンUNQ303(DNA40592−1242)は、ATCCに寄託しており、ATCC寄託番号ATCC209492が付与されている。
【0306】
全長PRO344ポリペプチドのアミノ酸配列の分析により、それらの一部が、様々なヒトおよび齧歯動物の補体タンパク質と有意な相同性を有することが提示され、それによって、PRO344が、新規な補体タンパク質であることが示唆されている。
【0307】
実施例11: ヒトPRO347をコードするcDNAクローンの単離
コンセンサスDNA配列を、上記実施例1に記載されたように、他のEST配列に対応してまとめた。このコンセンサス配列を、ここに、DNA39499と称する。DNA39499コンセンサス配列に基づいて、オリゴヌクレオチドが、1)PCRによって、興味のある配列を含むcDNAライブラリーを同定するため、および2)PRO347の全長をコードする配列のクローンを単離するためのプローブとして使用するため、合成した。
【0308】
PCRプライマー(前進と逆進)を以下のように合成した:
前進PCRプライマー 5’−AGGAACTTCTGGATCGGGCTCACC−3’(配列番号:51)
逆進PCRプライマー 5’−GGGTCTGGGCCAGGTGGAAGAGAG−3’(配列番号:52)
さらに、合成オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションプローブを、以下のヌクレオチド配列を有するコンセンサスDNA39499配列から構築した。
ハイブリダイゼーションプローブ5’−GCCAAGGACTCCTTCCGCTGGGCCACAGGGGAGCACCAGGCCTTC−3’(配列番号:53)
【0309】
全長クローンの供給源としての複数個のライブラリーをスクリーニングするために、ライブラリーからDNAを、上記同定したPCRプライマー対を用いたPCR増幅によってスクリーニングした。次いで、オリゴヌクレオチドプローブと該PCRプライマーの一つを用いて、PRO347遺伝子をコードするクローンを単離するために、陽性ライブラリーを用いた。cDNAライブラリーの構築のためのRNAを、ヒト胎児腎組織(LIB228)から単離した。
【0310】
上記のように単離したクローンのDNA配列決定によって、PRO347の全長のDNA配列[ここに、UNQ306(DNA44176−1244)と称する](配列番号:49)を得て、PRO347のタンパク質配列を推定した。
【0311】
UNQ306(DNA44176−1244)の全ヌクレオチド配列を図22(配列番号:49)に示す。クローンUNQ306(DNA44176−1244)は、ヌクレオチド部位123−125に見かけ上の翻訳開始部位と、ヌクレオチド部位1488−1490に終止コドンでの終止を有する単一のオープンリーディングフレームを含む(図22)。推測されるポリペプチドプレカーサーは、455アミノ酸長である(図23)。図23に示された全長PRO347タンパク質は、分子量約50478ダルトンで、PI約8.44であると推測される。クローンUNQ306(DNA44176−1244)は、ATCCに寄託しており、ATCC寄託番号209532が付与されている。
【0312】
全長PRO347ポリペプチドのアミノ酸配列の分析により、それの一部が、様々なシステインに富む分泌タンパク質と有意な相同性を有することが提示され、それによって、PRO347が、新規なシステインに富む分泌タンパク質であることが示唆されている。
【0313】
実施例12: ヒトPRO354をコードするcDNAクローンの単離
発現配列標識(expression sequence tag)(EST)DNAデータベース(LIFESEQTM, Incyte Pharmaceuticals, Palo Alto, CA)を検索し、インター-アルファ-トリプシンインヒビター重鎖と、およびお互いに、ある程度の相同性を有する様々なEST配列を同定した。次いで、相同のEST配列を整列し、コンセンサス配列を得た。次いで、公的ESTデータベース(例えば、GenBank)と私的EST DNAデータベース(LIFESEQTM,Incyte Pharmaceuticals,Palo Alto,CA)の両方から得られた相同EST配列を用い、コンセンサス配列をできるかぎり伸長するために、BLASとphrapの反復サイクルを用い、得られたコンセンサスDNA配列を伸長した。伸長し、まとめた配列を、ここにDNA39633と称する。上記検索を、コンピュータープログラムBLASTもしくはBLAST2を用いて実行した(Altshulら、Method in Enzymology 266:460−480(1996))。既知のタンパク質をコードしないBLASTスコアー70(もしくは、いくつかの事例において90)以上となるこれらの比較結果を、プログラム「pharp」(Phil Green,University of Washington,Seattle,Washington; http://bozeman.mbt.washington.edu/phrap.docs/phrap.html)を用い、グループ化し、コンセンサスDNA配列にまとめた。
【0314】
DNA39633コンセンサス配列に基づいて、オリゴヌクレオチドを、1)興味のある配列を含むcDNAライブラリーを、PCRによって同定するため、および2)PRO354をコードする全長配列のクローンを単離するためのプローブとしての使用のため、合成した。前進と逆進PCRプライマーは、一般的に、20から30ヌクレオチドの範囲であり、しばしば、長さ約100−1000bpのPCR生成物を与えるように設計する。プローブの配列は、典型的には、長さ40−55bpである。いくつかの事例において、コンセンサス配列が約1−1.5kbを超える時、付加的なオリゴヌクレオチドを合成する。全長クローンのためのいくつかのライブラリーをスクリーニングするために、ライブラリーからDNAを、Ausubelら、Currene Protocols in Molecular Biologyに従って、PCRプライマー対を用い、PCR増幅によってスクリーニングした。次いで、オリゴヌクレオチドプローブもしくはプライマー対の一つを用い、興味のある遺伝子をコードするクローンを単離するために、陽性のライブラリーを用いた。
【0315】
PCRプライマー(前進と逆進)を以下のように合成した:
前進プライマー1(39633.f1) 5’−GTGGGAACCAAACTCCGGCAGACC−3’(配列番号:56)
前進プライマー2(39633.f2) 5’−CACATCGAGCGTCTCTGG−3’(配列番号:57)
逆進プライマー(39633.r1) 5’−AGCCGCTCCTTCTCCGGTTCATCG−3’(配列番号:58)
さらに、合成オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションプローブを、以下のヌクレオチド配列を有するコンセンサスDNA39633配列から構築した。
ハイブリダイゼーションプローブ5’−TGGAAGGACCACTTGATATCAGTCACTCCAGACAGCATCAGGGATGGG−3’(配列番号:59)
【0316】
全長クローンの供給源としての複数個のライブラリーをスクリーニングするために、ライブラリーからDNAを、上記PCRプライマー対を用いたPCR増幅によってスクリーニングした。次いで、オリゴヌクレオチドプローブと上記PCRプライマーの一つを用いて、PRO354遺伝子をコードするクローンを単離するために、陽性のライブラリーを用いた。
【0317】
cDNAライブラリーの構築のためのRNAを、ヒト胎児腎組織(LIB227)から単離した。cDNAクローンを単離するために用いたcDNAライブラリーを、Invitrogen,San Diego,CAなどから商業的に利用できる試薬を用いた標準的な方法によって構築した。cDNAを、NotI部位を含むオリゴdTプライマーで合成し、SalIヘミキナーゼアダプターに平滑端で連結し、NotI部位で切断し、適切にゲル電気泳動によりサイズ分画し、好適なクローニングベクター[例えば、pRKBもしくはpRKD;pRK5Bは、SfiI部位を含まないpRK5Dの前駆体である;Holmesら、Science,253:1278−1280(1991)参照]に、特有のXhoIおよびNotI部位で、定められた方向でクローニングした。
【0318】
上記のように単離したクローンのDNA配列により、PRO354の全長のDNA配列[ここに、UNQ311(DNA44192−1246)として称する](配列番号:54)を得て、PRO354のタンパク質配列を推定した。
【0319】
UNQ311(DNA44192−1246)の全ヌクレオチド配列を図24(配列番号:54)に示す。クローンUNQ311(DNA44192−1246)は、ヌクレオチド部位72−74に見かけ上の翻訳開始部位と、ヌクレオチド部位2154−2156に終止コドンでの終止とを有する単一のオープンリーディングフレームを含む(図24)。推測されるポリペプチドプレカーサーは、694アミノ酸長である(図25)。図25に示した全長PRO354タンパク質は、分子量約77400ダルトンで、PI約9.54であると推測される。クローンUNQ311(DNA44192−1246)は、ATCCに寄託しており、ATCC寄託番号ATCC209531が付与されている。
【0320】
全長PRO354ポリペプチドのアミノ酸配列の分析により、それの一部が、インター-アルファ-トリプシンインヒビター重鎖タンパク質と有意な相同性を有することが提示され、それによって、PRO354が、新規なインター-アルファ-トリプシンインヒビター重鎖タンパク相同体であることが示唆されている。
【0321】
実施例13: ヒトPRO355をコードするcDNAクローンの単離
コンセンサスDNA配列を、上記実施例1に記載されたように、BLASTとphrapを用いて、他のEST配列に対応してまとめた。このコンセンサス配列を、ここに、DNA35702と称する。DNA35702コンセンサス配列に基づいて、オリゴヌクレオチドを、1)PCRによって、興味ある配列を含むcDNAライブラリーを同定するため、および2)PRO355の全長をコードする配列のクローンを単離するためのプローブとして使用するため、合成した。
【0322】
前進と逆進のPCRプライマーを以下のように合成した:
前進PCRプライマー(.f1) 5’−GGCTTCTGCTGTTGCTCTTCTCCG−3’(配列番号:62)
前進PCRプライマー(.f2) 5’−GTACACTGTGACCAGTCAGC−3’(配列番号:63)
前進PCRプライマー(.f3) 5’−ATCATCACAGATTCCCGAGC−3’(配列番号:64)
逆進PCRプライマー(.r1) 5’−TTCAATCTCCTCACCTTCCACCGC−3’(配列番号:65)
逆進PCRプライマー(.r2) 5’−ATAGCTGTGTCTGCGTCTGCTGCG−3’(配列番号:66)
さらに、合成オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションプローブを、以下のヌクレオチド配列を有するコンセンサスDNA35702配列から構築した。
ハイブリダイゼーションプローブ5’−CGCGGCACTGATCCCCACAGGTGATGGGCAGAATCTGTTTACGAAAGACG−3’(配列番号:67)
【0323】
全長のクローンの供給源としての複数個のライブラリーをスクリーニングするために、ライブラリーからDNAを、上記同定されたPCRプライマー対の一つを用いたPCR増幅によってスクリーニングした。次いで、陽性ライブラリーを、オリゴヌクレオチドプローブを用いて、PRO355遺伝子をコードするクローンを単離するために用いた。cDNAライブラリーの構築のためのRNAを、ヒト胎児肝組織から単離した。
【0324】
上記のように単離したクローンのDNA配列決定によって、PRO355の全長のDNA配列[ここに、UNQ312(DNA39518−1247)と称する](配列番号:60)を得て、PRO355のタンパク質配列を推定した。
【0325】
UNQ312(DNA39518−1247)の全ヌクレオチド配列を図26(配列番号:60)に示す。クローンUNQ312(DNA39518−1247)は、ヌクレオチド部位22−24に見かけ上の翻訳開始部位と、ヌクレオチド部位1342−1344に終止コドンでの終止を有する単一のオープンリーディングフレームを含む(図26)。推測されるポリペプチドプレカーサーは、440アミノ酸長である(図27)。図27に示された全長PRO355タンパク質は、分子量約48240ダルトンで、PI約4.93であると推測される。さらに、単一ペプチド、細胞外ドメインにおけるIg反復、潜在的なN−グリコシル化部位、および潜在的なトランスメンブランドメインを含む興味ある領域が、図27に示されている。クローンUNQ312(DNA39518−1247)は、ATCCに寄託しており、ATCC寄託番号ATCC209529が付与されている。
【0326】
全長PRO355ポリペプチドのアミノ酸配列の分析により、それの一部が、CRTAMタンパク質と有意な相同性を有することが提示され、それによって、PRO355が、CRTAMタンパク質であることが示唆されている。
【0327】
実施例14: ヒトPRO357をコードするcDNAクローンの単離
Incyte Pharmaceuticals,Palo Alto,CAによるsequence expression tagクローン番号「2452972」を、データベース検索を始めるために用いた。Swiss−Prot公的タンパク質データベースからの約950個の既知分泌タンパク質から、細胞外ドメイン(ECD)配列(もしあるならば、分泌シグナルを含む)を、Incyte ESTクローン番号「2452972」の一部と重複した発現配列標識(EST)データベースを検索するために用いた。ESTデータベースは、公的ESTデータベース(例えば、GenBank)と、私的EST DNAデータベース(LIFESEQTM,Incyte Pharmaceuticals,Palo Alto,CA)を含む。上記検索を、コンピュータープログラムBLASTもしくはBLAST2を用い[Altshulら、Method in Enzymology 266:460−480(1996)]、ECDタンパク質配列をEST配列の6フレーム翻訳と比較して実行した。既知のタンパク質をコードしないBLASTスコアー70(もしくは、いくつかの事例において90)以上となるこれらの比較結果を、プログラム「pharp」(Phil Green,University of Washington,Seattle,Washington;http://bozeman.mbt.washington.edu/phrap.docs/phrap.html)を用い、グループ化し、コンセンサスDNA配列にまとめた。
【0328】
次いで、コンセンサスDNA配列を、phrapを用い、他のEST配列に対応してまとめた。このコンセンサス配列を、ここではDNA37162と称する。この事例において、上記EST配列の供給源を用い、コンセンサス配列をできるかぎり伸長させるために、コンセンサスDNA配列を、BLASとphrapの反復サイクルを用いて伸長した。
【0329】
DNA37162コンセンサス配列に基づいて、オリゴヌクレオチドを、1)興味のある配列を含むcDNAライブラリーを、PCRによって同定するため、および2)PRO357をコードする全長配列のクローンを単離するためのプローブとしての使用のため、合成した。前進と逆進PCRプライマーは、一般的に、20から30ヌクレオチドの範囲であり、しばしば、長さ約100−1000bpのPCR生成物を得るために設計される。プローブの配列は、典型的には、長さ40−55bpである。いくつかの事例において、コンセンサス配列が約1−1.5kbを超える時、付加的なオリゴヌクレオチドを合成する。全長のクローンのためのいくつかのライブラリーをスクリーニングするために、ライブラリーからDNAを、Ausubelら、Currene Prorocols inMolecular Biologyに従って、PCRプライマー対を用いたPCR増幅によってスクリーニングした。次いで、陽性のライブラリーを、オリゴヌクレオチドプローブとプライマー対の一つを用い、興味のある遺伝子をコードするクローンを単離するために用いた。
【0330】
PCRプライマーを以下のように合成した:
前進プライマー1 5’−CCCTCCACTGCCCCACCGACT−3’(配列番号:70);
逆進プライマー1 5’−CGGTTCTGGGGACGTTAGGGCTCG−3’(配列番号:71);および前進プライマー2 5’−CTGCCCACCGTCCACCTGCCTCAAT−3’(配列番号:72)。
さらに、2つの合成オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションプローブを、以下のヌクレオチド配列を有するコンセンサスDNA37162配列から構築した。
ハイブリダイゼーションプローブ1;
5’−AGGACTGCCCACCGTCCACCTGCCTCAATGGGGGCACATGCCACC−3’(配列番号:73);およびハイブリダイゼーションプローブ25’−ACGCAAAGCCCTACATCTAAGCCAGAGAGAGACAGGGCAGCTGGG−3’(配列番号:74)。
【0331】
全長クローンの供給源としての複数個のライブラリーをスクリーニングするために、ライブラリーからDNAを、上記PCRプライマー対を用いたPCR増幅によってスクリーニングした。次いで、オリゴヌクレオチドプローブとPCRプライマーの一つを用い、PRO357遺伝子をコードするクローンを単離するため、陽性のライブラリーを用いた。
【0332】
cDNAライブラリーを構築するためのRNAを、ヒト胎児肝組織から単離した。cDNAクローンを単離するために用いたcDNAライブラリーを、Invitrogen,San Diego,CAなどから商業的に利用できる試薬を用いた標準的な方法によって構築した。cDNAを、NotI部位を含むオリゴdTプライマーで合成し、SalIヘミキナーゼアダプターに平滑端で連結し、NotIで切断し、ゲル電気泳動により適切にサイズ分画し、好適なクローニングベクター[例えば、pRKBもしくはpRKD;pRK5Bは、SfiI部位を含まないpRK5Dの前駆体である;Holmesら、Science,253:1278−1280(1991)参照]に、特有のXhoIおよびNotI部位で、定められた方向でクローニングした。
【0333】
上記のように単離したクローンのDNA配列決定により、PRO357の全長のDNA配列[ここに、UNQ314(DNA44804−1248)としてする](配列番号:68)を得て、PRO357のタンパク質配列を推定した。
【0334】
UNQ314(DNA44804−1248)の全ヌクレオチド配列を図28(配列番号:68)に示す。クローンUNQ314(DNA44804−1248)は、ヌクレオチド部位137−139に見かけ上の翻訳開始部位と、ヌクレオチド部位1931−1933に終止コドンでの終止を有する単一のオープンリーディングフレームを含む(図28)。推測されるポリペプチドプレカーサーは、598アミノ酸長である(図29)。クローンUNQ314(DNA44804−1248)は、ATCCに寄託しており、ATCC寄託番号ATCC209527が付与されている。
【0335】
さらなる分析により、図29に示すような様々な特性が示されている。図29には、配列番号:68のヌクレオチド137から1930まで得られたアミノ酸配列(配列番号:69)を示す。分子量が63030ダルトン;pIが7.24;およびNT(S/T)が3である。推定されるトランスメンブレンドメインは、図29においてアミノ酸506から524までに示される。もしくは、トランスメンブレン領域はアミノ酸497の「G」で始まる。潜在的なN−グリコシル化部位は、図29の下線部位である。EGF様ドメインのシステインパターンサインが、アミノ酸355から366までに見られる。また、この領域は、ラットにおける乳脂乳球タンパク質、切痕、もしくは肝細胞増殖因子変換酵素においても認められる。また、このシグナルペプチドは、図29のアミノ酸1−22にもある。ALSとの相同の最初と、細胞外ドメインにおける他のロイシン反復に富むタンパク質が、アミノ酸部位24から始まる。
【0336】
これゆえ、全長PRO357のアミノ酸配列の分析から、それの一部が、ALSとの有意な相同性を有することが提示され、これによって、PRO357がALSに関する新規のロイシン富反復タンパク質であることが示唆される。
【0337】
実施例15: ヒトPRO715をコードするcDNAクローンの単離
私的EST DNAデータベース(LIFESEQTM,Incyte Pharmaceuticals,Palo Alto,CA)を、ヒトTNF−αの相同性を有するポリペプチドをコードするEST配列について検索した。この検索により、Incyte Expressed Sequence Tag No.2099855を同定した。
【0338】
次いで、コンセンサスDNA配列を、seqextと「phrap」(Phil Green,University of Washington,Seattle,Washington; http://bozeman.mbt.washington.edu/phrap.docs/phrap.html)を用い、その他のEST配列に対応してまとめた。このコンセンサス配列を、ここにDNA52092と称する。この構成に同定された様々なESTクローンの定序に基づいて、Merck/Washingtom University ESTセット(ESTクローン番号.725887、受託番号.AA292358)から単一のESTクローンを得て、その挿入物を配列決定した。次いで、全長DNA52722−1229配列を、ESTクローン番号.725887からの挿入DNAの配列決定によって得た。
【0339】
UNQ383(DNA52722−1229)の全ヌクレオチド配列を、図30(配列番号:75)において示す。クローンUNQ383(DNA52722−1229)は、ヌクレオチド部位114−116に見かけ上の翻訳開始部位を含み、ヌクレオチド部位864−866に終止コドンでの終止を有する単一のオープンリ−ディングフレームを含む。推定されるポリペプチドは、250アミノ酸長(図31)である。図31に示される全長のPRO715は、分子量約27433ダルトン、pI約9.85であると推定される。
【0340】
全長PRO715ポリペプチドのアミノ酸配列の分析より、タンパク質の腫瘍壊死因子ファミリーの一員と有意な相同性を有すことが提示され、それによって、PRO715が、新規な腫瘍壊死因子タンパク質であることが示されている。
【0341】
実施例16: ヒトPRO353をコードするcDNAクローンの単離
コンセンサスDNA配列を、上記実施例1に記載されたように、phrapを用い、他のEST配列に対応してまとめた。このコンセンサス配列を、ここに、DNA36363と称する。上記EST配列の供給源を用い、コンセンサス配列をできる限り伸長させるため、BLASTおよびphrapの反復サイクルを用い、該コンセンサスDNA配列を伸長した。DNA36363コンセンサス配列に基づいて、オリゴヌクレオチドを、1)PCRによって、興味のある配列を含むcDNAライブラリーを同定するため、および2)PRO353の全長をコードする配列のクローンを単離するためのプローブとして使用するため、合成した。
【0342】
DNA36363コンセンサス配列に基づいて、前進と逆進のPCRプライマーを以下のように合成した:
前進PCRプライマー(36363.f1) 5’−TACAGGCCCAGTCAGGACCAGGGG−3’(配列番号:87)
逆進PCRプライマー(36363.r1) 5’−CTGAAGAAGTAGAGGCCGGGCACG−3’(配列番号:88)
さらに、合成オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションプローブを、以下のヌクレオチド配列を有するコンセンサスDNA36363配列から構築した。
ハイブリダイゼーションプローブ 36363.p15’−CCCGGTGCTTGCGCTGCTGTGACCCCGGTACCTCCATGTACCCGG−3’(配列番号:89)
【0343】
全長クローンの供給源としての複数個のライブラリーをスクリーニングするため、ライブラリーからDNAを、上記同定されたPCRプライマー対の一つを用いたPCR増幅によってスクリーニングした。次いで、オリゴヌクレオチドプローブとPCRプライマー対の一つを用いて、PRO355遺伝子をコードするクローンを単離するため、陽性ライブラリーを用いた。cDNAライブラリーの構築のためのRNAを、ヒト胎児腎組織から単離した。
【0344】
上記のように単離したクローンのDNA配列決定によって、PRO353の全長のDNA配列[ここに、UNQ310(DNA41234−1242)と称する](配列番号:85)を得て、PRO353のタンパク質配列を推定した。
【0345】
UNQ310(DNA41234−1242)の全ヌクレオチド配列を図34(配列番号:85)に示す。クローンUNQ310(DNA41234−1242)は、ヌクレオチド部位305−307に見かけ上の翻訳開始部位と、ヌクレオチド部位1148−1150に終止コドンでの終止を有する単一のオープンリーディングフレームを含む(図34)。推測されるポリペプチドプレカーサーは、281アミノ酸長である(図35)。PRO353によってコードされるアミノ酸配列の重要な領域には、アミノ酸1−26に相当する単一ペプチド、アミノ酸部位27に成熟タンパクの開始、アミノ酸93−98に相当する潜在的なN−グリコシル化部位、および、アミノ酸99−281に相当する、30kdの脂肪細胞補体−関連タンパク質前駆体と相同性を有する領域を含む。クローンUNQ310(DNA41234−1242)は、ATCCに寄託しており、ATCC寄託番号ATCC209618が付与されている。
【0346】
全長PRO353ポリペプチドのアミノ酸配列の分析により、それらの一部が、ヒトおよび齧歯動物の補体タンパク質と有意な相同性を有することが示され、それによって、PRO355が、新規な補体タンパク質であることが示唆されている。
【0347】
実施例17: ヒトPRO361をコードするcDNAクローンの単離 コンセンサスDNA配列を、上記実施例1に記載されたように、phrapを用い、他のEST配列に対応してまとめた。このコンセンサス配列を、ここに、DNA40654と称する。DNA40654コンセンサス配列に基づいて、オリゴヌクレオチドを、1)PCRによって、興味のある配列を含むcDNAライブラリーを同定するため、および2)PRO361の全長をコードする配列のクローンを単離するためのプローブとして使用するため、合成した。
【0348】
前進と逆進のPCRプライマーを以下のように合成した:
前進PCRプライマー(.f1) 5’−AGGGAGGATTATCCTTGACCTTTGAAGACC−3’(配列番号:92)
前進PCRプライマー(.f2) 5’−GAAGCAAGTGCCCAGCTC−3’(配列番号:93)
前進PCRプライマー(.f3) 5’−CGGGTCCCTGCTCTTTGG−3’(配列番号:94)
逆進PCRプライマー(.r1) 5’−CACCGTAGCTGGGAGCGCACTCAC−3’(配列番号:95)
逆進PCRプライマー(.r2) 5’−AGTGTAAGTCAAGCTCCC−3’(配列番号:96)
さらに、合成オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションプローブを、以下のヌクレオチド配列を有するコンセンサスDNA40654配列から構築した。
ハイブリダイゼーションプローブ 5’−GCTTCCTGACACTAAGGCTGTCTGCTAGTCAGAATTGCCTCAAAAAGAG−3’(配列番号:97)
【0349】
全長のクローンの供給源としての複数個のライブラリーをスクリーニングするために、ライブラリーからDNAを、上記同定されたPCRプライマー対の一つを用いたPCR増幅によってスクリーニングした。次いで、オリゴヌクレオチドプローブを用い、PRO361遺伝子をコードするクローンを単離するため、陽性ライブラリーを用いた。cDNAライブラリーの構築のためのRNAを、ヒト胎児腎組織から単離した。
【0350】
上記のように単離したクローンのDNA配列決定によって、PRO353の全長のDNA配列[ここに、UNQ316(DNA45140−1250)と称する](配列番号:90)を得て、PRO353のタンパク質配列を推定した。
【0351】
UNQ316(DNA45410−1250)の全ヌクレオチド配列を図36(配列番号:90)に示す。クローンUNQ316(DNA45410−1250)は、ヌクレオチド部位226−228に見かけ上の翻訳開始部位と、ヌクレオチド部位1519−1521に終止コドンでの終止を有する単一のオープンリーディングフレームを含む(図36)。推測されるポリペプチドプレカーサーは、431アミノ酸長である(図37)。図37に示されている全長のPRO361タンパク質は、分子量約46810ダルトン、pI約6.45であると推定される。さらに、トランスメンブレンドメイン(アミノ酸380−409)とアルギナーゼファミリーのタンパク質に典型的な配列(アミノ酸3−14と39−57)を含む興味のある領域を、図37に示す。クローンUNQ316(DNA45410−1250)は、ATCCに寄託しており、ATCC寄託番号ATCC209621が付与されている。
【0352】
全長PRO361ポリペプチドのアミノ酸配列の分析により、それの一部が、ムチンおよび/もしくはキチナーゼタンパク質と有意な相同性を有することが示され、それによって、PRO355が、新規なムチンおよび/もしくはキチナーゼタンパク質であることが示唆されている。
【0353】
実施例18: ヒトPRO365をコードするcDNAクローンの単離
コンセンサスDNA配列を、上記実施例1に記載したように、phrapを用い、他のEST配列に対応してまとめた。このコンセンサス配列を、ここに、DNA35613と称する。DNA35613コンセンサス配列に基づいて、オリゴヌクレオチドを、1)PCRによって、興味のある配列を含むcDNAライブラリーを同定するため、および2)PRO365の全長をコードする配列のクローンを単離するためのプローブとして使用するため、合成した。
【0354】
前進と逆進のPCRプライマーを以下のように合成した:
前進PCRプライマー(.f1−35613) 5’−AATGTGACCACTGGACTCCC−3’(配列番号:100)
前進PCRプライマー(.f2−35613) 5’−AGGCTTGGAACTCCCTTC−3’(配列番号:101)
逆進PCRプライマー(.r1−35613) 5’−AAGATTCTTGAGCGATTCCAGCTG−3’(配列番号:102)
さらに、合成オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションプローブを、以下のヌクレオチド配列を有するコンセンサスDNA35613配列から構築した。
ハイブリダイゼーションプローブ 5’−AATCCCTGCTCTTCATGGTGACCTATGACGACGGAAGCACAAGACTG−3’(配列番号:103)
【0355】
全長のクローンの供給源としての複数個のライブラリーをスクリーニングするため、ライブラリーからDNAを、上記同定したPCRプライマー対の一つを用いたPCR増幅によってスクリーニングした。次いで、オリゴヌクレオチドプローブを用いて、PRO365遺伝子をコードするクローンを単離するために、陽性ライブラリーを用いた。cDNAライブラリーの構築のためのRNAを、ヒト胎児腎組織から単離した。
【0356】
上記のように単離したクローンのDNA配列決定によって、PRO365の全長のDNA配列[ここに、UNQ320(DNA46777−1253)と称する](配列番号:98)を得て、PRO365のタンパク質配列を推定した。
【0357】
UNQ320(DNA46777−1253)の全ヌクレオチド配列を図38(配列番号:98)に示す。クローンUNQ320(DNA46777−1253)は、ヌクレオチド部位15−17に見かけ上の翻訳開始部位を有し、ヌクレオチド部位720−722に終止コドンでの終止を有する単一のオープンリーディングフレームを含む(図38)。推測されるポリペプチドプレカーサーは、235アミノ酸長である(図39)。クローンUNQ320(DNA46777−1253)によってコードされるポリペプチド配列の重要な領域が、同定され、図39に示す以下のものを含む:アミノ酸1−20に相当する単一ペプチド、アミノ酸21に相当する成熟タンパクの開始、多数の潜在的なN−グリコシル化部位。クローンUNQ320(DNA46777−1253)は、ATCCに寄託しており、ATCC寄託番号ATCC209619が付与されている。
【0358】
全長PRO365ポリペプチドのアミノ酸配列の分析により、それの一部が、ヒト2−19タンパク質と有意な相同性を有することが示され、それによって、PRO365が、新規なヒト2−19タンパク相同体であることが示唆されている。
【0359】
実施例19:PROポリペプチドをコードする核酸のハイブリダイゼーションプローブとしての使用
以下の方法は、ハイブリダイゼーションプローブとして、PROポリペプチドをコードする核酸配列の使用について記載する。
ここに開示された興味のあるPROポリペプチドのコード化配列を含むDNAを、ヒト組織cDNAライブラリーもしくはヒト組織染色体ライブラリーにおいて、相同DNA(例えば、PROポリペプチドの天然の変種をコードするものなど)をスクリーニングするためのプローブとして、もしくはプローブを調製するための塩基として用いることができる。
【0360】
どちらかのライブラリーDNAを含むフィルターのハイブリダイゼーションおよび洗浄は、以下の高ストリンジェント条件下で行う。放射性同位元素標識化PROポリペプチドをコードする核酸由来のプローブのフィルターへのハイブリダイゼーションを、50%ホルムアミド溶液、5xSSC、0.1%SDS、0.1%ピロリン酸ナトリウム、50mMリン酸ナトリウム、pH6.8、2xデンハート溶液、および10%デキストラン硫酸中、42℃で20時間行う。フィルターの洗浄は、0.1xSSCと0.1%SDSの水溶液中、42℃で行う。
【0361】
次いで、全長の天然PROポリペプチド配列をコードするDNAと同一の所望の配列を有するDNAを、当該分野において公知の標準的な方法を用いて同定することができる。
【0362】
実施例20: 大腸菌におけるPROポリペプチドの発現
本実施例では、大腸菌における組み換え発現による所望のPROポリペプチドのグリコシル化されていない型の調製について説明する。
【0363】
所望のPROポリペプチドをコードするDNA配列を、最初に、選択したPCRプライマーを用いて増幅する。該プライマーは、選択された発現ベクター上の制限酵素部位に相当する制限酵素部位を含まなければならない。様々な発現ベクターが用いられ得る。好適なベクターの例は、アンピシリンおよびテトラサイクリン耐性遺伝子を含むpBR322[大腸菌由来;Bolivarら、Gene、2:95(1997)参照]である。ベクターは、制限酵素で消化し、脱リン酸化する。次いで、PCRで増幅した配列を、ベクター内に結紮させる。ベクターは、好ましくは、抗生物質耐性遺伝子、trpプロモーター、ポリhisリーダー(最初の6STIIコドン、ポリhis配列およびエンテロキナーゼ切断部位を含む)、特異的PROポリペプチドコード化領域、ラムダ転写終結因子、argU遺伝子をコードする配列を含む。
【0364】
次いで、結紮混合物を、上記Sambrookらに記載された方法を用いて、選択された大腸菌株を形質転換するために用いた。形質転換体は、LBプレート上での増殖能によって同定し、次いで、抗生物質耐性コロニーを選択する。プラスミドDNAを単離し、制限酵素分析およびDNA配列決定によって確認することができる。
【0365】
選択したクローンを、抗生物質を補充したLB培地などの液体培養培地中で一晩培養することができる。続いて、一晩培養物を、大規模培養に播種するために用いる。次いで、発現プロモータが始動する所望の光学密度まで、細胞を培養する。
【0366】
さらに数時間培養後、細胞を遠心分離によって回収することができる。遠心分離によって得られた細胞ペレットを、当該分野において公知の様々な試薬を用いて可溶化し、次いで、可溶化PROポリペプチドを、該タンパク質との強固な結合を許容する条件下で金属錯体カラムを用い、精製することができる。
【0367】
PRO241は、以下の操作により、ポリ−His標識化形態で、大腸菌に発現させることができた。PRO241をコードするDNAは、最初に、選択したPCRプライマーを用いて増幅した。該プライマーは、選択された発現ベクター上の制限酵素部位に相当する制限酵素や、効果的かつ確かな翻訳の開始、金属錯体カラム上での速やかな精製、およびエンテロキナーゼのタンパク分解除去を提供するその他の有用な配列を含む。PCR増幅、ポリ−His標識化配列を、次いで、発現ベクターに結紮し、株52(W3110fuhA(tonA) lon galE rpoHis(htpRts) cIpP(lacIq)に基づく大腸菌宿主を形質転換させるために用いた。最初に、形質転換体を、50mg/mlカルベニシリンを含むLB培地中、30℃で、O.D.600が3−5になるまで、振とう培養した。次いで、培養物を、CRAP培地[110mM MPOS、pH7.3、0.55%(w/v)グルコースおよび7mM MgSO4と同様に、3.57g (NH4)2SO4、0.71gクエン酸ナトリウム・2水和物、1.07gKCl、5.36g Difco酵母エキス、5.36g Sheffield hycase SFを500mL水に混合することによって調製した]中、50−100倍に希釈し、おおよそ20−30時間、30℃で振とう培養した。試料を、SDS−PAGE分析によって発現を確かめるために除去し、大量の培養物を遠心分離して細胞ペレットとした。細胞ペレットは、精製および再生まで凍結させた。
【0368】
0.5から1L培養物から得られた大腸菌ペースト(6−10gペレト)を、7Mグアニジン、20mM Tris、pH8緩衝液中、10容量(w/v)に懸濁させた。固形の亜硫酸ナトリウム塩と液体の四チオン酸塩を、最終濃度が各々0.1Mおよび0.02Mとなるまで添加し、溶液を4℃で一晩攪拌させた。このステップにより、全システイン残基が亜硫酸化により保護された変性タンパク質となる。溶液を、Beckman Ultracentifugeで30分間、40000回転で遠心分離した。上清を、金属錯体カラム緩衝液(6Mグアニジン、20mM Tris、pH7.4)の3−5容量で希釈し、0.22ミクロンフィルターに濾過して透明化した。垂下する透明化した抽出物を、金属錯体カラム緩衝液で平衡化した5ml Qiagen Ni−NTA金属錯体カラム上に、負荷した。カラムを、50mMイミダゾール(Calbiochem, Utrol grade)、pH7.4を含む付加用緩衝液で洗浄した。タンパク質を、250mMイミダゾールを含む緩衝液で溶出した。所望のタンパク質を含む画分を採取し、4℃で保存した。タンパク濃度は、アミノ酸配列に基づいて算出した吸光係数を用い、280nmにおける吸光度によって評価した。
【0369】
タンパク質は、新鮮に調製した再生緩衝液(20mM Tris、pH8.6、0.3MNaCl、2.5M尿素、5mMシステイン、20mMグリシンおよび1mMEDTAからなる)中、試料をゆっくりと希釈させることにより、再生させた。再生容量は、最終タンパク質濃度が、50から100マイクログラム/mlの間となるように選択した。再生溶液は、緩やかに、4℃で12−36時間攪拌した。TFAを最終濃度0.4%(pHがおおよそ3)となるまで添加することによって、再生反応を終了させた。タンパク質をさらに精製する前に、溶液を0.22ミクロンフィルターで濾過し、アセトニトリルが2−10%の最終濃度となるように添加した。再生したタンパク質を、0.1%TFAの泳動用緩衝液を用いたPoros R1/H逆相カラム上、約10から80%までのアセトニトリル濃度勾配で、クロマトグラフィーにかけた。A280吸光を有する分画溶液を、SDSポリアクリルアミドゲルで分析し、再生相同タンパク質を含む分画を採取した。一般的に、適切に再生した大部分のタンパク質は、最も凝縮して、逆相樹脂との相互作用から疎水性内部がシールされているため、アセトニトリルの最低濃度で溶出される。凝集している種は、たいてい、高いアセトニトリル濃度で溶出される。逆相の過程で、所望の型からミスフォールディングされた型を排除することに加えて、試料からエンドトキシンをも除去する。
【0370】
所望の折畳されたPRO241タンパク質を含む分画を採取し、アセトニトリルを、溶液に導かれる緩やかな窒素の流れを用いて除去する。透析によって、もしくは、フォーミュレーション緩衝液で平衡化したG25Superfine(Pharmacia)樹脂を用いたゲル濾過によって、0.14M塩化ナトリウムと、4%マンニトールを含む20mMHepes、pH6.8中、タンパク質を形成し、滅菌濾過した。
【0371】
実施例21: 哺乳動物細胞におけるPROポリペプチドの発現
本実施例では、哺乳動物細胞での組み換え発現による所望のPROポリペプチドのグリコシル化された型の調製について説明する。
【0372】
ベクター、pRK5(1989年3月15日に出版されたEP307247参照)が、発現ベクターとして用いられる。任意で、PROポリペプチドをコードするDNAを、上記Sambrookらに記載された結紮方法を用い、PROポリペプチドDNAの挿入を許容する選択された制限酵素でpRK5に結紮する。得られたベクターを、pRK5−PROポリペプチドと称する。
【0373】
一つの実施態様において、選択された宿主細胞は、293細胞である。ヒト293細胞(ATCC CCL 1573)は、組織培養プレートで、胎児ウシ血清と、任意で栄養成分および/もしくは抗生物質で補充したDMEMなどの培地中で、集密になるまで増殖させる。約10μgのpRK5−PROポリペプチドDNAを、VA RNA遺伝子をコードするDNA[Thimmappayaら、Cell、31:543(1982)]1μgと混合し、500μlの、0.1mMTris−HCl、0.1mMEDTA、0.227MCaCl2に溶解する。この混合物に、500μのl50mMHEPES(pH7.35)、280mMNaCl、1.5mMNaPO4を添加、滴下し、沈殿物を25℃、10分間かけて形成させる。この沈殿物を懸濁し、293細胞に添加し、37℃で約4時間静置する。培養培地を、吸引除去し、PBS中20%グリセリン2mlを30秒間添加する。次いで、293細胞を無血清培地で洗浄し、新鮮な培地を添加し、細胞を約5日間インキュベーションする。
【0374】
トランスフェクション後、おおよそ24時間で、培養培地を除去し、培養培地(のみ)もしくは200μCi/ml35S−システインおよび200μCi/ml35S−メチオニンを含む培養培地に置換する。12時間のインキュベーション後、馴化培地を回収し、スピンフィルター上で濃縮し、15%SDSゲルにかける。工程にかけたゲルを、乾燥させ、PROポリペプチドの存在が確認できるのに必要な時間だけ、フィルムに露光する。形質転換細胞を含む培養物を、さらにインキュベーション(無血清培地中)し、その培地を選択されたバイオアッセイで試験した。
【0375】
代替技術において、PROポリペプチドを、Somparyracら、Proc.Natl.Acad.Sci.,12:7575(1981)によって記載されたようにデキストラン硫酸法を用い、一過的に293細胞に導入させる。293細胞は、スピナーフラスコ中で最大密度まで培養し、700μgのpRK5−PROポリペプチドDNAを添加する。最初に細胞を、遠心分離によって、スピナーフラスコから濃縮し、PBSで洗浄する。DNA−デキストラン沈殿物を、細胞ペレット上で4時間インキュベーションする。細胞を、20%グリセリンで90秒間処理し、組織培養培地で洗浄し、組織培養培地、5μg/mlウシインスリン、および0.1μg/mlウシトランスフェリンを含むスピナーフラスコに再度導入する。約4日後、細胞と破片を除去するために、馴化培地を遠心分離し、濾過する。次いで、発現PROポリペプチドを含む試料を、透析および/もしくはカラムクロマトグラフィーなどのあらゆる選択される方法によって、濃縮、および精製する。
【0376】
他の実施態様において、PROポリペプチドは、CHO細胞において発現させることができる。CaPO4もしくはDEAE−デキストランなどの公知の試薬を用いて、pRK5−PROポリペプチドは、CHO細胞にトランスフェクションすることができる。上記のように、細胞培養物をインキュベーションし、培地を培養培地(のみ)もしくは、35S−メチオニンなどの放射性ラベルを含む培地と置換する。PROポリペプチドの存在を決定した後、培養培地を無血清培地に置換する。好ましくは、培養物は、約6日間インキュベーションし、次いで、馴化培地を回収する。次いで、発現PROポリペプチドを含む培地は、選択されるいずれかの方法によって濃縮、精製することができる。
【0377】
また、エピトープ標識化PROポリペプチドは、宿主CHO細胞に発現させることができる。PROポリペプチドは、pRK5ベクターからサブクローニングする。サブクローン挿入物は、バキュロウィルス発現ベクター中、ポリ−his標識などの選択されたエピトープ標識とフレーム内で融合するために、PCRを行うことができる。次いで、ポリ−his標識化PROポリペプチド挿入物は、安定株の選択のためのDHFRなどの選択マーカを含むSV40駆動ベクター内にサブクローニングすることができる。最後に、CHO細胞は、(上記のように)SV40駆動ベクターでトランスフェクションさせることができる。発現を確認するために、上記のように標識することができる。次いで、発現したポリ−His標識化PROポリペプチドを含む培養培地を、Ni2+−錯体アフィニティークロマトグラフィーなど、選択されるあらゆる方法によって、濃縮、精製することができる。
【0378】
PRO241を、一過的および安定発現方法の両方によって、CHO細胞にうまく発現させることができた。さらに、PRO243、PRO323およびPRO233を、CHO細胞に一過的に発現させることができた。
【0379】
CHO細胞における安定発現は、以下の方法を用いて行った。タンパク質は、各タンパク質の可溶型(例えば、細胞外ドメイン)のコード配列が、ヒンジ、CH2およびCH2ドメインを含むIgG1定常領域配列に融合させたIgG構造物(免疫接合体)、および/もしくはポリ−his標識化形態となるように発現させた。
【0380】
PCRの増幅に次いで、各DNAを、Ausbelら、Current Protocols of Molecular Biology, Unit3.16, John WileyとSons(1997)において記載されているような標準的な技術を用いて、CHO発現ベクターにサブクローニングした。cDNAの便利な往復を許容するように、興味のあるDNAの5’および3’と適合する制限酵素部位5’を有するように、CHO発現ベクターを構築する。CHO細胞における発現に用いたベクターは、例えば、Lucasら、Nucl. Acids Res.24:9(1774−1779(1996)に記載されたものであり、興味のあるcDNAとジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)の発現を駆動するためにSV40初期プロモーター/エンハンサーを用いる。DHFRの発現により、トランスフェクションに続いて、プラスミドの安定維持株を選定することができる。
【0381】
所望のプラスミドDNA12μgは、商業的に利用できるトランスフェクション試薬Superfect(Quiagen)、DosperもしくはFugene(Boehringer Mannheim)を用い、約1000万個のCHO細胞内に導入させた。細胞を培養し、上記Lucasらにおいて記載した。おおよそ3x107個の細胞を、さらなる増殖と下記の産生のために、アンプル中で凍結させる。
【0382】
プラスミドDNAを含むアンプルを、水槽中に置いて融解させ、渦動攪拌で混合した。内容物を、10mLの培地を含む遠心分離用チューブにピペットで移し、1000rpmで5分間遠心分離した。上清を吸引除去し、細胞を10mLの選択培地(0.2μmフィルターで濾過した5%胎児ウシ血清を含むPS20を0.2μmフィルターで濾過したもの)に再度懸濁した。次いで、細胞を、90mL選択培地を含む100mLスピナーに分注した。1−2日後、細胞を、150mL選択増殖培地で満たした250mLスピナーに移し、37℃でインキュベーションした。さらに2−3日後、250mL、500mL、および2000mLスピナーに、3x105細胞/mLを播種した。細胞培地を、遠心分離によって新鮮な培地に交換し、産生用培地に再度懸濁した。好適なあらゆるCHO培地を用いることができるが、1992年6月16日に発行された米国特許第5122469号に記載されている産生培地を、実際には用いた。3L産生スピナーに、0.2x106細胞/mLで播種した。0日目、細胞数、pHを測定した。1日目、スピナーから標本を取り、濾過空気の散布を開始した。2日目、スピナーから標本を取り、温度を33℃に上げ、30mLの500g/Lグルコースと、0.6mLの10%消泡剤(例えば、35%ポリジメチルシロキサン乳剤 、Dow Corning,365 医薬用グレードエマルジョン)を加えた。産生時にpHを必要な限り、約7.2に保った。10日目後、もしくは、生存率が70%以下に落ち込む前に、細胞培養物を、遠心分離と0.22μmフィルター濾過により、回収した。濾過物は、4℃で保存、もしくは直ちに精製用のカラムにかけた。
【0383】
ポリ−his標識化構築物用に、タンパク質を、Ni−NTAカラム(Qiage)を用いて精製した。精製前に、イミダゾールを、馴化培地に5mM濃度となるように添加した。馴化培地を、0.3MNaClと5mMイミダゾールを含む20mMHepes、pH7.4、緩衝液で平衡化させた6mlNi−NTAカラムに、流速4−5ml/min、4℃でポンプ注入した。負荷後、カラムをさらに平衡化用緩衝液で洗浄し、0.25Mイミダゾールを含む平衡化用緩衝液でタンパク質を溶出した。続けて、高純度に精製したタンパク質を、10mMHepes、0.14MNaClおよび4%マンニトール、pH6.8を含む保存用緩衝液中、25ml G25 Superfine(Pharmacia)で脱塩し、−80℃で保存した。
【0384】
免疫接合体(Fc含有)構造物を、以下のように馴化培地から精製した。該馴化培地を、20mMリン酸ナトリウム緩衝液、pH6.8で平衡化した5mlプロテインAカラム上にポンプ注入した。注入後、100mMクエン酸、pH3.5での溶出の前に、カラムを平衡化用緩衝液で十分に洗浄した。275μlの1M Tris緩衝液、pH9中に、1ml画分を採取して、溶出したタンパク質を直ちに中和した。続けて、高純度に精製したタンパク質を、ポリ−His標識化タンパク質用に、保存用緩衝液中、上記の様に脱塩した。同一性を、SDSポリアクリルアミドゲルおよびエドマン分解によるN末端アミノ酸配列決定によって評価した。
【0385】
PRO241、PRO243、PRO299、PRO323、PRO327、PRO233、PRO344、PRO347、PRO354、PRO355、PRO357、PRO353、PRO361、およびPRO365も、また、COS細胞において、一過的にうまく発現させることができた。
【0386】
実施例22:酵母におけるPROポリペプチドの発現
以下の方法は、酵母における所望のPROポリペプチドの組み換え発現について記載したものである。
【0387】
最初に、酵母発現ベクターを、ADH2/GAPDHプロモーターからPROポリペプチドの細胞内産生もしくは分泌のために構築する。所望のPROポリペプチド、選択されたシグナルペプチド、およびプロモータをコードするDNAを、PROポリペプチドの細胞内発現を導くために選択したプラスミドの適切な制限酵素部位に挿入する。分泌の場合には、PROポリペプチドをコードするDNAを、ADH2/GAPDHプロモータ、酵母α因子分泌シグナル/リーダー配列、および(必要ならば)PROポリペプチド発現用リンカー配列をコードするDNAと共に、選択したプラスミドにクローニングする。
【0388】
次いで、例えば、酵母株AB110のような酵母細胞を、上記発現プラスミドと共に形質転換し、選択した培養液中で培養することができる。形質転換した酵母の上清を、10%トリクロロ酢酸で沈殿させ、SDS−PAGEで分離し、クマシーブルー染色によるゲル染色により分析する。
【0389】
続けて、酵母細胞を遠心分離により、培養液から除去し、次いで、選択したカートリッジフィルターを用いて培地を濃縮することにより、組み換えPROポリペプチドを、単離精製することができる。PROポリペプチドを含む濃縮物は、さらに、選択したカラムクロマトグラフィー樹脂を用いて精製する。
【0390】
実施例23: バキュロウィルス−感染昆虫細胞におけるPROポリペプチドの発現
以下の方法は、バキュロウィルス−感染昆虫細胞におけるPROポリペプチドの組み換え発現について記載する。
【0391】
選択したPROポリペプチドを、バキュロウィルス発現ベクターに含まれるエピトープ標識の上流に融合させる。そのようなエピトープ標識は、ポリ−his標識およびイムノグロブリン標識(例えば、IgGのFc領域)を含む。pVL1393(Novagen)のような商業的に利用できるプラスミドを含み、様々なプラスミドが用いられる。簡単には、PROポリペプチドもしくはPROポリペプチドの所望の部分(例えば、トランスメンブランタンパク質の細胞外ドメインをコードする配列など)を、5’および3’領域に相補するプライマーを用いたPCRによって増幅する。5’プライマーは、両端に(選択された)制限酵素部位を組み込ませることができる。次いで、生成物を、前記の選択した制限酵素で消化し、発現ベクター中にサブクローニングする。
【0392】
組み換えバキュロウィルスは、リポフェクチン(GIBCO−BRLから商業的に利用できる)を用い、スポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)(Sf9)細胞(ATCC CRL1711)に、上記プラスミドとBaculoGoldTMウィルスDNA(Pharmingen)を、共−トランスフェクションさせることによって産出される。28℃で4−5日間インキュベーション後、遊離されたウィルスを回収し、さらなる増幅に用いる。ウィルス感染とタンパク質発現を、O’Reilleyら、Baculovirus expression vector:A laboratory Manual, Oxford University Press(1994)によって記載されたように行う。
【0393】
次いで、発現したポリ−his標識化PROポリポペプチドを、例えば、以下のようにNi2+−錯体アフィニティークロマトグラフィーによって精製することができる。抽出物を、Rupertら、Nature,362:175−179(1993)によって記載されたように、組み換えウィルス感染Sf9細胞から調製する。簡単には、Sf9細胞を洗浄し、音波処理用緩衝液(25mL Hepes,pH7.9;12.5mM MgCl2;0.1mM EDTA;10%グリセリン;0.1% NP−40;0.4M KCl)に懸濁し、氷上で20秒間、2回、音波処理する。音波処理物を遠心分離によって透明化し、上清をローディング緩衝液(50mMリン酸塩、300mM NaCl、10%グリセリン、pH7.8)で50倍に希釈し、0.45μmフィルターで濾過する。Ni2+−NTAアガロースカラム(Qiagenから商業的に利用できる)を、基底容量5mLで調製し、25mLの水で洗浄し、25mLのローディング緩衝液で平衡化する。濾過した細胞抽出物を、0.5mL/分でカロムにかける。ローディング緩衝液でA280のベースラインになるまでカラムを洗浄し、そこで分画の採取を始める。次に、カラムを二次洗浄用緩衝液(50mMリン酸塩;300mMNaCl、10%グリセリン、pH6.0)で洗浄し、非特異的に結合したタンパク質を溶出する。再度A280ベースラインに到達後、カラムを、二次洗浄用緩衝液中、0から500mMイミダゾール濃度勾配で展開する。1mL画分を採取し、SDS−PAGEと銀染色、もしくはNi2+−NTA−アルカリフォスファターゼ複合体(Qiagen)を用いたウェスタンブロットにより分析する。溶出したHis10−標識化PROポリペプチドを含む画分を収集し、ローディング緩衝液に対して透析する。
【0394】
もしくは、IgG標識化(もしくはFc標識化)PROポリペプチドの精製を、例えば、プロテインAもしくはプロテインGカラムクロマトグラフィーを含む、公知のクロマトグラフィー技術を用いて行うことができる。
【0395】
PRO241、PRO327およびPRO344を、バキュロウィスル感染Sf9昆虫細胞に発現させることができる。実際には、発現を、0.5−2Lスケールで実行させたが、それはより大きな(例えば、8L)調製用に容易にスケールアップすることができる。タンパク質は、細胞外領域が、ヒンジ、CH2およびCH3ドメインを含むIgG1定常領域配列に融合したIgG構造物(免疫接合体)として、および/もしくはポリ−His標識化形態として発現した。
【0396】
バキュロウィスル感染Sg9細胞における発現のために、PCR増幅に次いで、各コード化配列をバキュロウイスル発現ベクター(IgG融合体にはpb.PH.IgG、ポリ−His標識化タンパク質にはpb.PH.His.c)にサブクローニングし、リポフェクチン(Gibco BRL)を用いて、105スポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)(Sf9)細胞(ATCC CRL1711)に、上記ベクターとBaculoGoldTMウィルスDNA(Pharmingen)を、共−トランスフェクションした。pb.PH.IgGおよびpb.PH.Hisは、商業的に利用できるバキュロウィルス発現ベクターpVL1393(Pharmingen)に、HisもしくはFc標識配列を含むように修飾したポリリンカー領域を有する修飾体である。細胞は、10%FBS(Hyclone)を補充したHink’s TNM−FH培地で培養した。細胞を、28℃で5日間インキュベーションした。上清を回収し、続けて、10%FBS(Hyclone)を補充したHink’s TNM−FH培地中で、おおよそ感染多重度(MOI)10で、Sf9細胞を感染させることにより、第1のウィルス増幅のために用いた。細胞を、28℃で3日間インキュベーションした。上清を回収し、バキュロウィルス発現ベクターにおける構築物の発現を、ヒスチジン標識化タンパク質に対するNi−NTAビーズ(QIAGEN)もしくはIgG標識化タンパク質に対するプロテイン−AセファロースCL−4Bビーズ(Pharmacia)25mLに、上清1mLをバッチ結合し、次いで、クマシーブルー染色によりタンパク質標準の既知濃度との比較を行うSDS−PAGE分析によって測定した。
【0397】
第1のウィルス増幅上清を、ESF−921培地(Expression Systems LLC)中、約MOI0.1で培養したSf9細胞のスピナー培養物(500mL)を感染するために用いた。細胞を、28℃で3日間インキュベーションした。上清を回収し、濾過した。バッチ結合と、SDS−PAGE分析を、必要に応じて、スピナー培養の発現が確認されるまで繰り返した。
【0398】
形質転換細胞からの馴化培地(0.5から3L)を、細胞を除去するための遠心分離によって回収し、0.22ミクロンフィルターで濾過した。ポリ−His標識化構築物の場合、タンパク質をNi−NTAカラム(Qiagen)を用いて精製した。精製前に、イミダゾールを馴化培地に濃度5mMとなるように添加した。馴化培地は、0.3M NaClおよび5mMイミダゾールを含む20mM Hepes、pH7.4緩衝液で平衡化した6ml Ni−NTAカラムに、流速4−5ml/分、4℃でポンプ注入した。注入後、カラムをさらなる平衡化緩衝液で洗浄し、タンパク質を、0.25Mイミダゾールを含む平衡化緩衝液で溶出した。続いて、高純度に精製したタンパク質を、10mM Hepes、0.14M NaCl、4%マンニトール、pH6.8を含む保存用緩衝液中、25ml G25 Superfine(Pharmacia)カラムで脱塩、−80℃で保存した。
【0399】
タンパク質の免疫接合体(Fc含有)構築物を、馴化培地から、以下のように精製した。馴化培地を、20mMリン酸ナトリウム緩衝液、pH6.8で平衡化されている5mlプロテインAカラム(Pharmacia)にポンプ注入した。注入後、カラムを、100mMクエン酸、pH3.5での溶出の前に、平衡化緩衝液で十分に洗浄した。溶出したタンパク質を、275mLの1M Tris緩衝液、pH9を含むチューブ中に、1mL画分を採取することによって、直ちに中和した。続いて、高純度に精製したタンパク質を、ポリ−His標識化タンパク質用に、保存用緩衝液中、上記のように脱塩した。タンパク質の同一性を、SDSポリアクリルアミドゲル(PEG)電気泳動およびエドマン分解によるN末端アミノ酸配列決定によって確認した。
【0400】
PRO243、PRO323、PRO344およびPRO355は、バキュロウィルス感染Hi5昆虫細胞に発現させることができる。実際には、発現を0.5−2Lスケールで行ったが、容易に、より大きな(例えば、8L)調製用にスケールアップすることができる。
【0401】
バキュロウィルス感染Hi5昆虫細胞での発現のために、PROポリペプチドをコードするDNAは、例えば、Pfu(Strategene)などの好適なシステムで増幅させる、もしくはバキュロウィルス発現ベクターに含まれるエピトープ標識の上流(5’−)に融合させることができる。そのようなエピトープ標識は、ポリ−His標識およびイムノグロブリン標識(例えば、IgGのFc領域のような)を含む。pVL1393(Novagen)のような商業的に利用できるプラスミドを含み、様々なプラスミドが用いられる。簡単には、PROポリペプチドもしくはPROポリペプチドの所望の部分(例えば、トランスメンブレンタンパク質の細胞外ドメインをコードする配列など)を、5’および3’領域に相補するプライマーを用いたPCRによって増幅する。5’プライマーは、両端に(選択された)制限酵素部位を組み込み得る。次いで、生成物を上記選択した制限酵素で消化し、発現ベクターにサブクローニングする。例えば、pVL1393誘導体は、NAME配列の下流(3’−)に、ヒトIgGのFc領域(pb.PH.IgG)もしくは8ヒスチジン標識(pb.PH.His)を含む。
【0402】
Hi5細胞は、27℃で、CO2とペニシリン/ストレプトマイシン(pen/strep)を加えない条件下で、50%集密まで培養した。各150mMプレートに、PROポリペプチドを含むpIEに基づくベクター30μgを、1ml Ex−Cell培地[培地:Ex−Cell401+1/100 L−GluJRH Biosciences#14401−78P(注解;この培地は光感受性である)]を混合し、各チューブで、100μlCell Fectin[CellFECTIN(GibcoBRL#10362−010)(混合のために渦動撹拌したもの)]を、1mlのEx−Cell培地と混合した。2つの溶液を、混合し、室温で15分間インキュベーションした。8mlのEx−Cell培地を2ml DNA/CellFECTIN混合物に添加し、これを一度Ex−Cell培地で洗浄しているHi5細胞に重層した。次いで、プレートを、暗所で、室温、1時間インキュベーションした。次いで、DNA/CellFECTIN混合物を吸引し、過剰量のCellFECTINを除去するために、細胞を、一度洗浄した。30mlの新鮮なEx−Cell培地を添加し、細胞を28℃で3日間インキュベートした。上清を回収し、バキュロウィルス発現ベクターにおけるPROポリペプチドの発現を、ヒスチジン標識化タンパク質に対するNi−NTAビーズ(QIAGEN)もしくはIgG標識化タンパク質に対するプロテインA−セファロースCL−4Bビーズ25mLに、上清1mLをバッチ結合し、次いで、クマシーブルー染色によりタンパク質標準の既知濃度との比較を行うSDS−PAGE分析によって測定した。
【0403】
形質転換細胞から馴化培地(0.5から3L)を、細胞を除去するための遠心分離によって回収し、0.22ミクロンフィルターで濾過した。ポリ−His標識化構築物として、PROポリペプチドを含むタンパク質を、Ni−NTAカラム(Qiagen)を用いて精製した。精製前に、イミダゾールを、濃度5mMになるまで、馴化培地に添加した。馴化培地を、0.3M NaClおよび5mMイミダゾールを含む20mM Hepes、pH7.4緩衝液で、平衡化した6ml Ni−NTAカラムに、流速4−5ml/分、4℃でポンプ注入した。注入後、カラムをさらなる平衡化緩衝液で洗浄し、0.25Mイミダゾールを含む平衡化緩衝液で、タンパク質を溶出した。続いて、高純度に精製したタンパク質を、10mM Hepes、0.14M NaClおよび4%マンニトール、pH6.8を含む保存用緩衝液中、25ml G25 Superfine(Pharmacia)カラムで脱塩し、−80℃で保存した。
【0404】
タンパク質の免疫接合体(Fc含有)は、馴化培地から、以下のように精製した。馴化培地を、20mMリン酸ナトリウム緩衝液、pH6.8で平衡化した5mlプロテインAカラム(Pharmacia)上にポンプ注入した。注入後、カラムを、100mMクエン酸、pH3.5で溶出する前に、平衡化緩衝液で十分に洗浄した。275mLの1MTris緩衝液、pH9を含むチューブ中に、1mL画分を採取することによって、溶出タンパク質を直ちに中和した。続けて、高純度に精製したタンパク質を、上記のようにポリ−His標識化タンパク質用に、保存用緩衝液中で脱塩した。タンパク質の同一性を、SDSポリアクリルアミドゲル(PEG)およびエドマン分解によるN末端アミノ酸配列決定、および所望もしくは必要に応じてその他の分析方法によって確認した。
【0405】
実施例24:PROポリペプチドに結合する抗体の調製
この実施例では、PROポリペプチドと特異的に結合し得るモノクローナル抗体の調製について説明する。
【0406】
モノクローナル抗体の作製技術は、当該分野において公知であり、例えば、上記Goding,に記載されている。用いられる免疫原は、精製されたPROポリペプチド、PROポリペプチドを含む融合タンパク質、および細胞表面に組み換えPROポリペプチドを発現している細胞を含む。免疫原の選択は、過度な実験を行わずに、当該分野の技術者がなし得るものである。
【0407】
PROポリペプチド免疫原をフロイント完全アジュバントで乳化し、1−100μg量を、皮下もしくは腹腔内注射して、Balb/cなどのマウスを免疫化した。もしくは、免疫原は、MPI−TDMアジュバント(Ribi Immunochemical Research,Hamilton,MT)に乳化し、動物の後足に注入した。次いで、10から12日後に、所定のアジュバントに乳化させた追加免疫原を、免疫化されたマウスに追加注射した。それから数週間後、再び、マウスに追加免疫原を注射した。抗PROポリペプチド抗体を検出するためのELISAアッセイ用に、血清試料を、定期的にマウスから、後眼窩採血によって採取することができる。
【0408】
適切な抗体力価が検出された後、抗体に「陽性」の動物に、PROポリペプチドの最後の静脈注射を行うことができる。3から4日後、このマウスを屠殺して、脾臓細胞を採取した。次いで、脾臓細胞を、例えば、ATCC、No.CRL1597から利用できるP3X63AgU.1などの選択された齧歯類の骨髄腫細胞株に、(35%ポリエチレングリコールを用いて)融合した。ハイブリドーマ細胞を融合により産出し、次いで、非融合細胞、骨髄腫ハイブリッド、脾臓細胞ハイブリッドの増殖を阻害するために、HAT(ヒポキサチン、アミノプテリン、チミジン)培地を含む96ウェル組織培養プレートに平板培養させることができる。
【0409】
ハイブリドーマ細胞は、PROポリペプチドに対する反応性についてELISAでスクリーニングした。PROポリペプチドに対する所望のモノクローナル抗体を分泌する「陽性」ハイブリドーマ細胞の確定は、当該分野における技術範囲内である。
【0410】
陽性ハイブリドーマ細胞は、抗PROポリペプチドモノクローナル抗体を含む腹水を産生させるために、同系のBalb/cマウスの腹腔内に注入させることができる。あるいは、このハイブリドーマ細胞は、組織培養フラスコもしくはローラーボトルで生育させることもできる。腹水中に産生されたモノクローナル抗体の精製は、硫安沈殿、次いでゲル濾過クロマトグラフィーを用いて行うことができる。あるいは、プロテインAもしくはプロテインGに対する抗体の結合に基づいたアフィニティークロマトグラフィーを用いることができる。
【0411】
実施例25:キメラPROポリペプチド
PROポリペプチドを、タンパク精製を容易にするために付加された1以上の付加ポリペプチドドメインを有するキメラタンパク質として発現させることができる。そのような精製を容易にするドメインは、限定されないが、固相化された金属上での精製ができるヒスチジン−トリプトファンモジュール、固相化されたイムノグロブリン上での精製ができるプロテインAドメイン、およびFLAGSTM伸長/アフィニティー精製システム(Immunex Corp.,Seattle Wash)において利用されるドメインなどの金属錯体ペプチドを含む。精製用ドメインとPROポリペプチド配列との間に、Factor XAもしくはエンテロキナーゼ(Invitrogen)などの切断できるリンカー配列を含むことは、PROポリペプチドをコードするDNAの発現を促進するのに有用である。
【0412】
実施例26: 特異抗体を用いたPROポリペプチドの精製
天然もしくはPROポリペプチドを、当該分野のタンパク精製において標準的な様々な技術により精製することができる。例えば、前駆PROポリペプチド、成熟PROポリペプチドもしくは前PROポリペプチドを、興味あるPROポリペプチドに対する特異抗体を用いたイムノアフィニティークロマトグラフィーによって精製する。一般に、イムノアフィニティーカラムは、抗PROポリペプチド抗体の活性クロマトグラフィー樹脂との共有結合によって構築される。
【0413】
ポリクローナルイムノグロブリンは、免疫された血清から、硫安沈殿もしくは固相化プロテインA(Pharmacia LKB Biotechnology,Piscatway,N.J.)における精製のどちらかによって調製した。同様に、モノクローナル抗体は、マウス腹水液から、硫安沈殿もしくは固相化プロテインA上でのクロマトグラフィーによって調製した。部分的に精製されたイムノグロブリンは、CnBr−活性化SEPHAROSETM(Pharmacia LKB Biotechnology)などのクロマトグラフィー樹脂に共有結合した。抗体を樹脂に結合させて樹脂を保護し、修飾した樹脂を製造元の指示書に従って洗浄した。
【0414】
そのようなイムノアフィニティーカラムは、PROポリペプチドを含む細胞から画分を可溶型で調製することによって、PROポリペプチドの精製時に使用し得る。この調製物は、全細胞もしくは界面活性剤の添加によって遠心分離して得られた細胞画分の可溶化、もしくは当該分野において公知の他の方法によって得ることができる。もしくは、シグナル配列を含む可溶性PROポリペプチドを、細胞が生育している培地中に、有用量で分泌させることができる。
【0415】
可溶性PROポリペプチド含有調製物は、イムノアフィニティーカラムに通し、カラムは、PROポリペプチドの好ましい吸光度となるような条件下(例えば、界面活性剤含有高イオン強度緩衝液)で洗浄した。次いで、カラムは、抗体/PROポリペプチド結合体が分離する条件下(例えば、約pH2−3などの低いpH緩衝液、または尿素もしくはチオシアネートイオンなどの高濃度のカオトロープ)で溶出させ、PROポリペプチドを回収した。
【0416】
実施例27:薬剤スクリーニング
本発明は、様々な薬剤スクリーニング技術において、PROポリペプチドもしくはそれに結合するフラグメントを用いた化合物のスクリーニングに一部有用である。そのような試験において用いられるPROポリペプチドもしくはフラグメントは、溶液中に遊離、固形支持物に付着、細胞表面上に産出、もしくは細胞内に局在させることができる。薬剤スクリーニングの一つの方法として、PROポリペプチドもしくはフラグメントを発現する組み換え核酸で安定的に形質転換した真核生物もしくは原核生物の宿主細胞を用いる。そのような形質転換細胞に対して、競合的結合アッセイにおいて、薬剤をスクリーニングする。そのような細胞は、生存もしくは固定された形態のどちらかで、標準的な結合アッセイに用いることができる。例えば、PROポリペプチドもしくはフラグメントと試薬との複合体形成を測定することができる。もしくは、試薬によって引き起こされる、PROポリペプチドと標的細胞もしくは標的受容体との複合体形成の減少を測定することができる。
【0417】
このように、本発明は、PROポリペプチド−付随疾患もしくは障害に影響を及ぼし得る薬剤もしくはその他の試薬のスクリーニング方法を提供するものである。これらの方法は、PROポリペプチドもしくはそのフラグメントと、そのような試薬との接触、および当該分野において公知の方法によって行う(I)試薬とPROポリペプチドもしくはフラグメントとの複合体の存在、もしくは(ii)PROポリペプチドもしくはフラグメントと細胞との複合体の存在のアッセイを含む。そのような競的合結合アッセイにおいて、典型的には、PROポリペプチドもしくはフラグメントを標識する。適切にインキュベーション後、遊離PROポリペプチドもしくはフラグメントを、結合型から分離し、遊離もしくは複合化していない標識量を、PROポリペプチドと結合する、もしくはPROポリペプチド/細胞複合化を妨げる試薬特有の性能の指標とする。
【0418】
薬剤スクリーニングの他の技術は、ポリペプチドに対して好適な結合親和性を有する化合物の高スループットスクリーニングを提供し、1984年、9月13日に公開されたWO 84/03564に詳細に記載されている。簡単に述べると、様々な小さいペプチド試験化合物を大量に、固形支持物上、例えばプラスチックピンなどの表面に合成させる。PROポリペプチドに適用する時は、ペプチド試験化合物を、PROポリペプチドと反応させ、洗浄する。結合したPROポリペプチドを、当該分野において公知の方法で検出する。また、精製したPROポリペプチドを、前記薬剤スクリーニング技術における使用のために、直接プレート上に被覆させることができる。さらに、ペプチドを捕捉し、固形支持物上に固相化するために、非中和抗体を使用することもできる。
【0419】
また、本発明は、中和抗体が、PROポリペプチド、もしくはそのフラグメントに結合する試験化合物と競合して、特異的にPROポリペプチドと結合し得る競合的薬剤スクリーニングアッセイの使用を意図する。この様式において、抗体は、PROポリペプチドと、1以上の抗原決定基を共有するペプチドの存在を検出するために使用することができる。
【0420】
実施例28:合理的薬剤設計
合理的薬剤設計の目的は、生物学的に活性な興味あるポリペプチド(すなわち、PROポリペプチド)もしくはそれらと相互作用する低分子(例えば、アゴニスト、アンタゴニスト、もしくはインヒビター)の構造類似体を産出することである。これらの例は、PROポリペプチドのより活性もしくは安定な形状、またはin vivoでのPROポリペプチドの機能を増強する、もしくは阻害する薬剤を作るために用いることができる(Hodgson,Bio/Technology,9:19−21(1991)参照)。
【0421】
一つの方法において、PROポリペプチドもしくはPROポリペプチド−インヒビター複合体の3次元構造を、x線結晶学、コンピューターモデリング、もしくはより典型的に、該2つの方法の組み合わせによって確定する。構造を解明し、分子の活性部位を決定するために、PROポリペプチドの形状と電荷を確定しなければならない。頻繁でないが、PROポリペプチドの構造に関する有用な情報を、相同タンパク質の構造に基づくモデリングによって得ることができる。両方の事例において、関連する構造の情報が、類似するPROポリペプチド様分子の設計もしくは効果的なインヒビターの同定に用いられる。合理的薬剤設計の有用な実施例は、BraxtonとWells、Biochemistry,31:7796−7801(1982)によって示されているように、活性もしくは安定性が向上した、もしくはAthaudaら、J.Biochem.,113:742−746(1993)によって示されているように、天然ペプチドのインヒビター、アゴニスト、もしくはアンタゴニストとして作用する分子を含む。
【0422】
また、上記のように選択した機能的アッセイによって、標的特異抗体を単離し、その結晶構造を解明することができる。この方法は、おおむね、続く薬剤設計の基礎となるファーマコアー(pharmacore)を産出する。機能的、薬学的に活性な抗体に対する抗イディオタイプ抗体(anri−ids)を産出することによって、タンパク質結晶学を完全に迂回することができる。鏡像の鏡像なので、抗イディオタイプ抗体の結合部位が、本来の受容体の類似体であると予想される。次いで、化学的もしくは生物学的に産出したペプチドの貯蔵物から、ペプチドを同定および単離するために、抗イディオタイプ抗体を用いることができる。次いで、単離したペプチドを、ファーマコアーとして作用させる。
【0423】
本発明によって、X線結晶学のような分析的な研究を行うのに、十分量のPROポリペプチドを利用することができるようになる。さらに、ここに提供されるPROポリペプチドアミノ酸配列についての情報は、X線構造学に代わる、もしくは加えて、コンピューターモデリング技術を用いるための手引きを提供するものである。
【0424】
実施例29: PRO241の軟骨からのプロテオグリカンの遊離を刺激する性能 PRO241の軟骨組織からのプロテオグリカンの遊離を刺激する性能を、以下のように測定した。
【0425】
生後4−6ヶ月のブタの中手指節関節を、無菌的に切開し、関節軟骨を、注意深く下層の骨を除去しながら、手で切り取った。軟骨を細かく刻み、95%空気、5%CO2の湿潤環境下、0.1%BSAと100U/mlペニシリンと、100μgストレプトマイシンを含む無血清(SF)培地(DMEM/F12 1:1)中、24時間大量培養した。3回洗浄後、約100mgの関節を、マイクロ遠心チューブに分注し、上記無血清培地中、さらに24時間インキュベーションした。次いで、PRO241ポリペプチドを、単独もしくは18ng/mlのインターロイキン−1α(公知の軟骨組織からのプロテオグリカン遊離刺激因子)と組み合わせて、1%添加した。次いで、上清を回収し、1,9−ジメチルーメチレンブルー(DMB)比色定量アッセイ(FarndaleとButtle、Biochem. Biophys. Acta 883:173−177(1985))を用いて、プロテオグリカン量をアッセイした。このアッセイにおける陽性結果は、測定したポリペプチドが、例えば、スポーツ関連関節損傷、関節軟骨欠損、変形性関節症、もしくは慢性関節リウマチの治療において用いられ得ることを示す。
【0426】
PRO241ポリペプチドを上記アッセイで測定すると、ポリペプチドは、単独およびインターロイキン−1αと共に刺激後、および処置後24時間と72時間で、軟骨組織からのプロテオグリカンの遊離を顕著に刺激し、このことから、PRO241ポリペプチドが、軟骨組織からのプロテオグリカンの遊離を刺激するために有用であることが示された。
【0427】
実施例30:In situ ハイブリダイゼーション
in situハイブリダイゼーションは、細胞もしくは組織調製物内の核酸配列の検出と局在測定に強力かつ用途の広い技術である。例えば、遺伝子の発現部位の同定、転写の組織分布の分析、ウィルス感染の同定と局在測定、特異的mRNA合成の変化の追跡および染色体マップ作製を促進するのに有用である。
【0428】
In situハイブリダイゼーションは、LuとGillett、Cell Vision 1:169−176(1994)による以下の最適化された方法で、PCR−産生33P−標識化リボプローブを用い行った。簡単には、ホルマリン固定し、パラフィン包埋したヒト組織を、薄切し、脱パラフィン化し、プロテアーゼK(20g/ml)で15分間、37℃で除蛋白し、さらに上記LuおよびGillettによって記載されたように、In Situハイブリダイゼーションのためにさらに処理を行った。(33P)UTP−標識化アンチセンスリボプローブを、PCR生成物から産生し、55℃で一晩ハイブリダイズさせた。このスライドを、Kodak NTB2核飛跡感光乳剤に浸し、4週間露光させた。
【0429】
33P−リボプローブの合成
6.0μl(125mCi)の33P−UTP(Amersham BF 1002, SA<2000Ci/mmol)を、急速真空乾燥させた。乾燥した33P−UTPを含む各チューブに、下記成分を添加した:
2.0μl 5x転写緩衝液
1.0μl DTT(100mM)
2.0μl NTP 混合物(2.5mM:10μl:各10mMGTP、CTP&ATP+10μl 水)
1.0μl UTP(50μM)
1.0μl Rnasin
1.0μl 鋳型DNA(1μg)
1.0μl 水
1.0μl RNAポリメラーゼ(通常、PCR生成物T3=AS、T7=S)
【0430】
該チューブを、37℃で1時間インキュベーションした。1.0μl RQ1DNアーゼを添加し、37℃で15分間インキュベーションした。90μlTE(10mM Tris pH 7.6 /1mM EDTA pH8.0)を添加し、その混合液を、DE81紙上にピペットで移した。残った溶液をMicrocon−50限外濾過ユニットに負荷し、プログラム10(6分)を用いて遠心分離した。濾過ユニットを、第2のチューブに入れ、プログラム2(3分)を用いて遠心分離した。最終の回収遠心分離後、100μlTEを添加した。次いで、1μlの最終生成物を、DE81紙上にピペットで移し、6mlのBioflour IIでカウントした。
【0431】
プローブを、TBE/尿素ゲル上で泳動した。3μlのローディング緩衝液に、1−3μlのプローブもしくは5μlのRNA Mrk IIIを添加した。95℃のヒートブロック上で3分間加熱後、直ちにゲルを氷上に置いた。ゲルのウェルを平らにし、試料をかけ、180−250ボルトで45分間泳動した。ゲルをサランラップで包み、−70℃のフリーザー中、1時間から一晩、増感紙を用いてXARフィルムに露光した。
【0432】
33P−ハイブリダイゼーション
A.凍結切片の調製
スライドを、フリーザーから取り出し、アルミニウムトレイ上に置き、室温で5分間解凍させた。トレイを、凝結を低減させるために、55℃のインキュベーター内に5分間置いた。スライドを、ドラフト内の氷上の4%パラホルムアルデヒド中で、10分間固定し、0.5xSSCで5分間、室温で洗浄した(25ml 20xSSC+975mlSQ H2O)。0.5μg/mlプロテアーゼK(10mg/ml保存液12.5μlを、予め暖められたRNアーゼ−不含RNアーゼ緩衝液250mlで希釈したもの)中で、10分間、37℃で除蛋白後、切片を、室温で10分間、0.5xSSCで洗浄した。切片を、70%、95%、および100%エタノール中で、各2分間ずつ脱水させた。
【0433】
B.パラフィン包埋切片の前処理
スライドを、脱パラフィン化し、SQH2O中に置き、2xSSCで、室温、各5分間ずつ、2回洗浄した。切片を、ヒト胚芽組織の場合は、20μg/mlプロテアーゼK(10mg/ml保存液500μlをRNアーゼ−不含RNアーゼ緩衝液250mlに希釈;37℃、15分)で、もしくはホルマリン組織切片の場合は、8xプロテアーゼK(100μlをRnアーゼ緩衝液250mlに希釈、37℃、30分)で除蛋白した。続けて0.5xSSCでの洗浄、脱水を、上記のように行った。
【0434】
C.プレハイブリダイゼーション
Box緩衝液(4xSSC、50%ホルムアミド)で飽和させた濾紙を配列したプラスチック箱に、スライドを配置した。組織を、50μlのハイブリダイゼーション緩衝液(3.75g デキストラン硫酸+6mlSQH2O)で覆い、渦動攪拌し、フタを緩めた状態で、マイクロ波で2分間加熱した。氷上で冷却した後、ホルムアミド18.75ml、20xSSC3.75ml、およびSQH2O9mlを加え、組織を十分に渦動攪拌し、42℃で1−4時間インキュベーションした。
【0435】
D.ハイブリダイゼーション
1スライド当たり、プローブ1.0x106cpmおよびtRNA(50mg/ml保存液)1.0μlを、95℃で3分間加熱した。スライドを氷上で冷却し、ハイブリダイゼーション緩衝液48μlを1スライド当たり加えた。渦動攪拌後、33P混合液50μlを、スライド上のプレハイブリダイゼーション50μlに添加した。該スライドを、55℃で一晩インキュベーションした。
【0436】
E.洗浄
洗浄を、2xSSC、EDTAを用い、2x10分間、室温で行い(20xSSC+0.25M EDTA16ml、Vf=4L)、次いで、RNアーゼA処理を、37℃で30分間行った(10mg/ml保存液500μlをRnアーゼ緩衝液250mlで希釈=20μg/ml)。スライドを、2x10分間、2xSSC、EDTAで、室温で洗浄した。ストリンジェントな洗浄条件は、以下のようにした:55℃で2時間、0.1xSSC、EDTA(20xSSC20ml+EDTA16ml、Vf=4L)。
【0437】
F.オリゴヌクレオチド
In situ分析を、ここに示した様々なDNA配列で行った。これらの分析に用いたオリゴヌクレオチドは、以下の通りである。
(1)DNA44804−1248(PRO357)
pl:5’−GGATTCTAATACGACTCACTATAGGGCTGCCCGCAACCCCTTCAACTG−3’(配列番号:104)
p2:5’−CTATGAAATTAACCCTCACTAAAGGGACCGCAGCTGGGTGACCGTGTA−3’(配列番号:105)
(2)DNA52722−1229(PRO715)
pl:5’−GGATTCTAATACGACTCACTATAGGGCCGCCCCGCCACCTCCT−3’(配列番号:106)
p2:5’−CTATGAAATTAACCCTCACTAAAGGGACTCGAGACACCACCTGACCCA−3’(配列番号:107)
p3:5’−GGATTCTAATACGACTCACTATAGGGCCCAAGGAAGGCAGGAGACTCT−3’(配列番号:108)
p4:5’−CTATGAAATTAACCCTCACTAAAGGGACTAGGGGGTGGGAATGAAAAG−3’(配列番号:109)
(3)DNA38113−1230(PRO327)
pl:5’−GGATTCTAATACGACTCACTATAGGGCCCCCCTGAGCTCTCCCGTGTA−3’(配列番号:110)
p2:5’−CTATGAAATTAACCCTCACTAAAGGGAAGGCTCGCCACTGGTCGTAGA−3’(配列番号:111)
(4)DNA35917−1207(PRO243)
pl:5’−GGATTCTAATACGACTCACTATAGGGCAAGGAGCCGGGACCCAGGAGA−3’(配列番号:112)
p2:5’−CTATGAAATTAACCCTCACTAAAGGGAGGGGGCCCTTGGTGCTGAGT−3’(配列番号:113)
【0438】
G.結果
In Situ分析を、ここに開示した様々なDNA配列で行った。これらの分析結果は以下のようである。
(1)DNA44804−1248(PRO357)
胎児組織における骨形成部位と悪性骨肉腫細胞において、低から中程度の発現。胎盤および腱においてかろうじて検出できるシグナル。他の全組織は陰性。
試験した胎児の組織(E12−E16)は以下を含む:肝臓、腎臓、副腎、肺、心臓、大脈管、食道、胃、脾臓、性腺、脳、脊髄および体壁。
試験した成人の組織:肝臓、腎臓、胃、脾臓、副腎、膵臓、肺、結腸腫瘍、腎細胞腫瘍および骨肉腫。アセトアミノフェン誘導肝障害、肝硬変。
試験したチンパンジーの組織は以下を含む:甲状腺、上皮小体、リンパ節、神経、舌、胸腺、副腎、胃粘膜および唾液腺。
アカゲザル:大脳と小脳。
【0439】
(2)DNA52722−1229(PRO715)
総合すると、高いシグナルが多くの組織に亘って認められた−中でも高いシグナルが、胎盤、骨芽細胞、損傷した腎尿細管、損傷した肝臓、結腸直腸肝臓転移および胆嚢で認められた。
試験した胎児の組織(E12−E16)は以下を含む:胎盤、臍帯、肝臓、腎臓、副腎、甲状腺、肺、心臓、大脈管、食道、胃、小腸、脾臓、胸腺、膵臓、脳、眼、脊髄、体壁、骨盤および下肢。
試験した成人の組織:肝臓、腎臓、副腎、心筋層、大動脈、肺、皮膚、軟骨肉腫、眼、胃、結腸、結腸腫瘍、前立腺、膀胱粘膜および胆嚢。アセトアミノフェン誘導肝障害、肝硬変。
試験したアカゲザル:大脳皮質(rm)、海馬(rm)
試験したチンパンジー:甲状腺、上皮小体、リンパ節、神経、舌、胸腺、副腎、胃粘膜および唾液腺。
【0440】
(3)DNA38113−1230(PRO327)
高レベルの発現が、発育中のマウスとヒトの胎児の肺で観察された。正常の成人の肺(気管支上皮を含む)は、陰性であった。ヒト胎児気管の粘膜下組織で発現しており、筋肉細胞でかろうじて発現していた。また、ヒト胎盤において組織発生が不確かである非栄養膜細胞においても発現が認められた。マウスにおいては、発育中の鼻および発育中の舌において観察された。他の全ての組織は陰性であった。推定される機能:気管支発育においての確かな機能。
試験した胎児の組織(E12−E16)は以下を含む:胎盤、臍帯、肝臓、腎臓、副腎、甲状腺、肺、心臓、大脈管、食道、胃、小腸、脾臓、胸腺、膵臓、脳、眼、脊髄、骨盤および下肢。
試験した成体の組織は以下を含む:肝臓、腎臓、副腎、心筋層、大動脈、脾臓、リンパ節、膵臓、肺、皮膚、大脳(rm)、海馬(rm)、陰茎、眼、膀胱、胃、胃粘膜、結腸、結腸腫瘍、甲状腺(チンパンジー)、上皮小体(チンパンジー)、卵巣(チンパンジー)および軟骨肉腫。
(4)DNA35917−1207(PRO243)
コルネリア・ド・ランゲ症候群(Cornelia de Lange syndrome)(CdLS)は、先天性の症候群である。それは、生まれた時から出現することを意味する。CdLSは、身体、知能および言語の発育遅延を引き起こす疾患である。CdLSを有する小児の大多数は、軽度から重度におよぶ精神遅延の程度で、精神的に遅延している。報告されたIQは、30から85である。IQの平均値は53である。頭と顔の特徴は、小さい頭、しばしば中央でつながっている薄い両眉、長い睫毛、短い上唇、薄い下唇、低位置の耳と高い弓なりの口蓋もしくは口蓋破裂を含む。他の特徴は、言葉遅延(最も軽度な傷害においても)、遅延した発育と低い身長、低い泣き声、小さい手足、内側に曲がった5本の指、猿線、および多毛を含む。診断は、これらの特徴の組み合わせの出現によって決まる。これらの特徴の多くが、様々な程度で出現する。いくつかの事例において、これらの特徴は、出現しないかもしれないし、とても軽度であるため、熟達した遺伝学者もしくはこの症候群に習熟したその他の者によって観察された時のみ認識されるかもしれない。CdLSについて多くのことが知られているが、最近の報告では、より多くの研究されるべきことがあることが報告されている。
【0441】
この研究において、ヒト胎児の顔、頭、四肢およびマウス胎芽が試験された。マウス組織においては、全く発現が認められなかった。発現は、アンチセンスプローブでのみ認められた。
【0442】
発現は、発育中の四肢および骨膜傍の間葉細胞における顔骨に隣接して観察された。発現は、高特異的であり、しばしば、血管新生している領域に隣接していた。分布は、コルネリア・ド・ランゲ症候群において観察された骨格異常と一致している。また、発現は、発育時の一時的に胎児脳の後頭葉においても観察されたが、その他には観察されなかった。さらに、発現は、発育中の内耳の神経節において認められた;この発見の有意性は明らかではない。
【0443】
これらのデータは、機能的な情報を提供するものではないが、分布は、この症候群に最も重篤な影響を与えることが知られている部位に一致する。
【0444】
さらに、わずかな発現が、大腿骨頭と寛骨臼との間(股関節)に形成されている発育中の滑膜性連結における割線に観察された。この発現パターンが、その他の連結形成部位において観察されるのであれば、コルネリア・ド・ランゲ症候群に観察される顔と四肢の異常を説明できる。
【0445】
実施例31: アフリカツメガエル卵母細胞におけるPRO243 mRNAの活性
PRO243をコードするヒトchordinクローン(DNA35917−1207)が、アフリカツメガエルコルディン(chordin)とショウジョウバエsog遺伝子によって推測されるように、機能し、作用することを証明するために、DNA35917−1207から超らせん状のプラスミドDNAをQiagenによって調製し、アフリカツメガエルの胚芽に注入するために用いた。アフリカツメガエルのコルディンmRNAの腹側の植物極割球へのマイクロインジェクションにより、第2(2倍)軸を誘導し(Sasaiら、Cell 79:779−790(1994))と、ショウジョウバエsogも、アフリカツメガエル胚芽の側腹位に異所的に発現する時に、第2軸を誘導する(Holleyら、Nature 376:249−253(1995)と、Schmidtら、Development 121:4319−4328(1995))。アフリカツメガエル卵母細胞において機能するsogの性能は、背腹軸 パターン形成に含まれる過程が、進化時に保存されていることを示している。
【0446】
方法
カエル胚芽の操作:
成熟雌のカエルを、使用3日前に、受胎している雌馬の血清2000I.U.を、および注入前夜にヒトの絨毛性のゴナドトロピン800I.U.をブースト(boost)した。翌朝、新鮮な卵母細胞を、雌のカエルから搾取し、卵母細胞を、雄のカエルから切開して取り出しミンチ状にした精巣と混合することにより、インビトロでの卵母細胞の受精を行った。NieuwkoopとFaber、Normal Table of Xenopus laevis,N.−H.P社監修(Amsterdam,1967)に従って、胚芽の発育を維持し、段階づけた。
【0447】
受精した卵を、2%システイン(pH7.8)で10分間脱ゼリー化させ、滅菌水で1回洗浄し、5%Ficollを含む0.1xMBSに移した。受精した卵を、インジェクショントレー上、5%Ficollを含む0.1xMBS中に配列した。2細胞期に発育したアフリカツメガエル胚芽に、野生型chordin(DNA35917−1207)を含むpRK5を200pg、もしくは対照として挿入物を含まないpRK5を200pg注入した。注入した胚芽を、50mg/mlゲンタマイシンを含む0.1xMBSに移した後、Nieukwkoopki37−38に到達するまで、トレー上でさらに6時間保持した。
【0448】
結果:
ヒトchordin cDNAを単一の割球に注入したところ、おたまじゃくしの側腹になった。おたまじゃくしの側腹は、尾が短くねじれ、セメント腺が拡張して見える。ヒトchordinのアフリカツメガエルにおける側腹剤として機能する性能は、DNA35917−1207によってコードされたタンパク質が、カエルにおける背腹パターン形成に機能、かつ影響を及ぼすことを示し、そして、腹側パターン形成において含まれる過程が、進化時に保存されていて、作用機構がヒト、ハエおよびカエルの間で共通に保存されていることが提示するものである。
【0449】
材料の寄託
以下の材料は、American Type Culture Collection,12301 Parklawn Drive,Rockville,MD,USA(ATCC)に寄託されている:
材料 ATCC寄託番号 寄託日
DNA34392−1170 ATCC209526 1997年12月10日
DNA35917−1207 ATCC209508 1997年12月 3日
DNA39976−1215 ATCC209524 1997年12月10日
DNA35595−1228 ATCC209528 1997年12月10日
DNA38113−1230 ATCC209530 1997年12月10日
DNA34436−1238 ATCC209523 1997年12月10日
DNA40592−1242 ATCC209492 1997年11月21日
DNA44176−1244 ATCC209532 1997年12月10日
DNA44192−1246 ATCC209531 1997年12月10日
DNA39518−1247 ATCC209529 1997年12月10日
DNA44804−1248 ATCC209527 1997年12月10日
DNA52722−1229 ATCC209570 1998年 1月 7日
DNA41234−1242 ATCC209618 1998年 2月 5日
DNA45410−1250 ATCC209621 1998年 2月 5日
DNA46777−1253 ATCC209619 1998年 2月 5日
【0450】
これらの寄託物は、特許手続上の微生物の寄託の国際的承認に関するブダペスト条約の規定およびそれに基づく規則の下で行われた(ブダペスト条約)。これは、寄託日から30年間、寄託物の生存可能な培養物の維持を保証する。寄託物はブダペスト条約の下でATCCにより入手可能であり、Genentech社とATCCとの間の合意を得ることを条件として、直接関係する米国特許の発行、もしくは米国またはその他の国の早い方の特許出願の公開に基づいて、公衆に寄託物の培養物の子孫の永久的かつ無制限の利用可能性を保証し、そして、その子孫の入手を、米国特許法第122条およびそれに準ずる長官規則(特に886OG638に関して米国特許法施行規則§1.14を含む)に従って付与される米国特許商標庁長官によって定められた者に保証する。
【0451】
本願の譲受人は、寄託物の培養物が適切な条件下で培養された場合に死滅または損なわれた場合には、この材料を速やかに同一物で置き換えることに同意した。寄託材料の利用可能性は、その国の特許法に従って政府の権力の下に付与された権利に違反して本発明を実施するライセンスとして解釈されない。
【0452】
上記明細書は、当業者が本発明を十分に実施できるものと解する。寄託された実施態様は、本発明の一部の態様の単なる例示に過ぎないこと、並びに、機能的に均等なあらゆる構成物が本発明の範囲に含まれることから、本発明は、寄託された構築物により、範囲が制限されるものではない。ここに言う材料の寄託は、上記記述が、その最良の形態を含めた本発明のあらゆる態様の実施を可能にするのに不適切であることの承認、あるいは、それが示す特定の例示に請求の範囲を限定すると解釈されるとの承認を構成するものではない。実際に、ここに記載または示されたものに加えて、本発明の種々の変更が、上記記載から当業者にとって明白になり、添付された請求の範囲内に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、天然配列PRO241cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:1)を示し、配列番号:1は、「UNQ215」及び/又は「DNA34392-1170」とここで称したクローンである。
【図2】 図2は、図1に示した配列番号:1のコード配列から得られたアミノ酸配列(配列番号:2)を示す。また図2中には、推定シグナルペプチド、潜在ロイシンジッパー領域及び潜在N-グリコシル化部位の位置も提供される。
【図3】 図3は、天然配列PRO243cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:6)を示し、配列番号:6は、「UNQ217」及び/又は「DNA35917-1207」とここで称したクローンである。
【図4】 図4は、図3中に示した配列番号:6のコード配列から得られたアミノ酸配列(配列番号:7)を示す。
【図5】 図5は、ヒト染色体3q27-q28のTHPO領域中のゲノムクローンの形成を示す。
【図6】 図6は、ヒト成人及び胎児組織の発現を示す。6Aは、ヒトコルディン(chordin)(PRO243)プローブにハイブリダイズした成人及び胎児組織のノーザンブロットである。下方パネルはアクチン対照を示す。6Bは、示される保存システインブロックをコードしているコドンの位置とともにヒトコルディン(PRO243)cDNAの図である。用いたプローブの範囲は、実線によって示される。
【図7】 図7は、大腿骨頭と寛骨臼との間に形成される発育途上の滑膜性の連結の割線において陽性シグナルを与える成人組織のPRO243in situハイブリダイゼーションを示す。
【図8】 図8は、天然配列PRO299cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:14)を示し、配列番号:14は「UNQ262」及び/又は「DNA39976-1215」とここで称したクローンである。
【図9】 図9は、図8に示した配列番号:14のコード配列から得られたアミノ酸配列(配列番号:15)を示す。
【図10】 図10は、DNA28847(配列番号:18)とここで称したヌクレオチド配列を示す。
【図11】 図11は、DNA35877(配列番号:19)とここで称したヌクレオチド配列を示す。
【図12】 図12は、天然配列PRO323cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:23)を示し、配列番号:23は、「UNQ284」及び/又は「DNA35595-1228」とここで称したクローンである。
【図13】 図13は、図12に示した配列番号:23のコード配列から得られたアミノ酸配列(配列番号:24)を示す。
【図14】 図14は、PRO323-融合ポリペプチドとIgG定常ドメインの部分との間のキメラ融合タンパク質のヌクレオチド配列(ヌクレオチド79−1416)を含む一本鎖ヌクレオチド配列(配列番号:29)を示し、該キメラ融合タンパク質は「PRO454」とここで称した。PRO323/IgG融合タンパク質(PRO454)をコードしている一本鎖ヌクレオチド配列(配列番号:29)は、「DNA35872」とここで称した。
【図15】 図15は、図14に示したヌクレオチド配列のヌクレオチド79−1416から得られたアミノ酸配列(配列番号:30)を示す。PRO323-誘導配列とIgG-誘導配列との間のPRO454アミノ酸配列における連結は、該図中のアミノ酸415−416の間と思われる。
【図16】 図16は、天然配列PRO327cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:31)を示し、配列番号:31は、「UNQ327」及び/又は「DNA38113-1230」とここで称したクローンである。
【図17】 図17は、図16に示した配列番号:31のコード配列から得られたアミノ酸配列(配列番号:32)を示す。
【図18】 図18は、天然配列PRO233cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:36)を示し、配列番号:36は「UNQ207」及び/又は「DNA34436-1238」とここで称したクローンである。
【図19】 図19は、図18に示した配列番号:36のコード配列から得られたアミノ酸配列(配列番号:37)を示す。
【図20】 図20は、天然配列PRO344cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:41)を示し、配列番号:41は、「UNQ303」及び/又は「DNA40592-1242」とここで称したクローンである。
【図21】 図21は、図20に示した配列番号:41のコード配列から得られたアミノ酸配列(配列番号:42)を示す。
【図22】 図22は、天然配列PRO347cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:49)を示し、配列番号:49は、「UNQ306」及び/又は「DNA44176-1244」とここで称したクローンである。
【図23】 図23は、図22に示した配列番号:49のコード配列から得られたアミノ酸配列(配列番号:50)を示す。
【図24】 図24は、天然配列PRO354cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:54)を示し、配列番号:54は、「UNQ311」及び/又は「DNA44192-1246」とここで称したクローンである。
【図25】 図25は、図24に示した配列番号:54のコード配列から得られたアミノ酸配列(配列番号:55)を示す。
【図26】 図26は、天然配列PRO355cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:60)を示し、配列番号:60は、「UNQ312」及び/又は「DNA39518-1247」とここで称したクローンである。
【図27】 図27は、図26に示した配列番号:60のコード配列から得られたアミノ酸配列(配列番号:61)を示す。
【図28】 図28は、天然配列PRO357cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:68)を示し、配列番号:68は、「UNQ314」及び/又は「DNA44804-1248」とここで称したクローンである。
【図29】 図29は、図28に示した配列番号:68のコード配列から得られたアミノ酸配列(配列番号:69)を示す。
【図30】 図30は、天然配列PRO715cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:75)を示し、配列番号:75は、「UNQ383」及び/又は「DNA52722-1229」とここで称したクローンである。
【図31】 図31は、図30に示した配列番号:75のコード配列から得られたアミノ酸配列(配列番号:76)を示す。
【図32】 図32は、ヒト腫瘍壊死因子-α(TNFA_ヒト)(配列番号:77)と、DNA52722-1229のヌクレオチド114−863から得られたアミノ酸配列(配列番号:76)との比較を示す。同じアミノ酸は箱で囲んだ。
【図33】 図33は、DNA52722-1229のヌクレオチド114−863から得られたアミノ酸配列(配列番号:76)とタンパク質の腫瘍壊死ファミリーの各種のメンバーの配列(配列番号:78−84)との比較を示す。同じアミノ酸は箱で囲った。
【図34】 図34は、天然配列PRO353cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:85)を示し、配列番号:85は、「UNQ310」及び/又は「DNA41234-1242」とここで称したクローンである。
【図35】 図35は、図34に示した配列番号:85のコード配列から得られたアミノ酸配列(配列番号:86)を示す。
【図36】 図36は、天然配列PRO361cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:90)を示し、配列番号:90は、「UNQ316」及び/又は「DNA45410-1251」とここで称したクローンである。
【図37】 図37は、図36に示した配列番号:90のコード配列から得られたアミノ酸配列(配列番号:91)を示す。
【図38】 図38は、天然配列PRO365cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:98)を示し、配列番号:98は、「UNQ320」及び/又は「DNA46777-1253」とここで称したクローンである。
【図39】 図39は、図38に示した配列番号:98のコード配列から得られたアミノ酸配列(配列番号:99)を示す。
Claims (20)
- (i) 図2(配列番号:2)に示したアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするヌクレオチド配列からなる核酸;及び
(ii) (i)の核酸と相補的なヌクレオチド配列からなる核酸とストリンジェントな条件でハイブリダイズするヌクレオチド配列からなり、軟骨からのプロテオグリカンの遊離を刺激する能力を有するタンパク質をコードする核酸;
からなる群から選択される単離した核酸。 - 上記ヌクレオチド配列が、図1(配列番号:1)又はその相補体からなる群から選択されるヌクレオチド配列を含む請求項1記載の核酸。
- 上記ヌクレオチド配列が、図1(配列番号:1)に示した配列の全長コード配列、又はその相補体からなる群から選択されるヌクレオチド配列を含む請求項1記載の核酸。
- 受託番号ATCC209526の下に寄託したDNAの全長コード配列を含む単離した核酸。
- 請求項1記載の核酸を含むベクター。
- 該ベクターで形質転換した宿主細胞により認識される制御配列に操作可能に結合した請求項5記載のベクター。
- 請求項5記載のベクターを含む宿主細胞。
- 上記細胞がCHO細胞である請求項7記載の宿主細胞。
- 上記細胞が大腸菌である請求項7記載の宿主細胞。
- 上記細胞が酵母細胞である請求項7記載の宿主細胞。
- 図2(配列番号:2)に示したアミノ酸配列を含むポリペプチドの製造方法であり、上記図2(配列番号:2)に示したアミノ酸配列を含むポリペプチドの発現のために好適な条件下で請求項7記載の宿主細胞を培養すること及びその細胞培養物から図2(配列番号:2)に示したアミノ酸配列を含むポリペプチドを回収することを含む方法。
- (i) 図2(配列番号:2)に示したアミノ酸配列からなるポリペプチド;及び
(ii) (i)のアミノ酸配列において1乃至数個程度のアミノ酸の置換、欠失、付加又は挿入によって得られるアミノ酸配列からなり、軟骨からのプロテオグリカンの遊離を刺激する能力を有するポリペプチド;
からなる群から選択される単離した天然配列ポリペプチド。 - (i) 受託番号ATCC209526の下に寄託したヌクレオチドによってコードされたポリペプチド;及び
(ii) (i)のアミノ酸配列において1乃至数個程度のアミノ酸の置換、欠失、付加又は挿入によって得られるアミノ酸配列からなり、軟骨からのプロテオグリカンの遊離を刺激する能力を有するポリペプチド;
からなる群から選択される単離したポリペプチド。 - 異種アミノ酸配列に融合した請求項12記載のポリペプチドを含むキメラ分子。
- 上記異種アミノ酸配列が、エピトープ標識配列である請求項14記載のキメラ分子。
- 上記異種アミノ酸配列が、免疫グロブリンのFc領域である請求項14記載のキメラ分子。
- 請求項12記載のPROポリペプチドに特異的に結合する抗体。
- 上記抗体がモノクローナル抗体である請求項17記載の抗体。
- 図2(配列番号:2)に示したアミノ酸配列を含む、単離された天然PROポリペプチド241。
- 図2(配列番号:2)の残基16乃至379を含むアミノ酸配列を含む、天然シグナル配列を含まない単離された天然PROポリペプチド241。
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