JP2002505850A - ポリペプチド及び同じものをコードしている核酸 - Google Patents

ポリペプチド及び同じものをコードしている核酸

Info

Publication number
JP2002505850A
JP2002505850A JP2000523338A JP2000523338A JP2002505850A JP 2002505850 A JP2002505850 A JP 2002505850A JP 2000523338 A JP2000523338 A JP 2000523338A JP 2000523338 A JP2000523338 A JP 2000523338A JP 2002505850 A JP2002505850 A JP 2002505850A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seq
polypeptide
sequence
pro polypeptide
protein
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000523338A
Other languages
English (en)
Inventor
ウィリアム・アイ・ウッド
オードレイ・ゴッダード
オースティン・エル・ガーニー
ジーン・ユアン
ケヴィン・ピー・ベイカー
ジャン・チェン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Genentech Inc
Original Assignee
Genentech Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Genentech Inc filed Critical Genentech Inc
Publication of JP2002505850A publication Critical patent/JP2002505850A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/11DNA or RNA fragments; Modified forms thereof; Non-coding nucleic acids having a biological activity
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/46Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans from vertebrates
    • C07K14/47Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans from vertebrates from mammals
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2319/00Fusion polypeptide

Abstract

(57)【要約】 本発明は新規のポリペプチドとそれらポリペプチドをコードしている核酸分子に向けられる。また、それらの核酸配列を含むベクターと宿主細胞、異種ポリペプチド配列に融合した本発明のポリペプチドを含むキメラポリペプチド分子、本発明のポリペプチドに結合する抗体及び本発明のポリペプチドの製造方法もここに提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は概して、新規のDNAの同定及び単離、並びに当該DNAによりコー
ドされる新規のポリペプチドの組換え体製造に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】
細胞外タンパク質は、多細胞生物の形成、分化、及び維持に重要な役割を演じ
ている。多くの個々の細胞の成り行き、たとえば増殖、移行、分化又は他の細胞
との相互作用は、典型的には他の細胞及び/又は隣接した環境からの情報によっ
て決定されている。この情報は分泌されるポリペプチド(例えば分裂促進因子、
生存因子(survival factors)、細胞毒性因子、分化因子、神経ペプチド、ホル
モン)により伝達されることが多いが、これは次に多様な細胞レセプター又は膜
結合性タンパク質により受容されて翻訳される。これら分泌されたポリペプチド
又は信号伝達分子は通常、細胞性の分泌経路を通って、細胞外環境の自身の活性
部位に到達する。
【0003】 分泌されたタンパク質には種々の工業的適用性があるが、これには薬剤、診断
、バイオセンサー、及びバイオリアクターが含まれる。現在入手可能なタンパク
質薬剤の多く、例えば血栓溶解薬、インターフェロン、インターロイキン、エリ
スロポエチン、コロニー形成活性化因子、及び他の種々のサイトカインは、分泌
性のタンパク質である。これらのレセプターは膜タンパク質であるが、これは治
療剤又は診断薬としての可能性を有している。産業界及び学術界の双方ともに、
新規の天然の分泌性タンパク質を同定する努力を行っている。多くの研究におい
ては、哺乳動物の組換えDNAライブラリーをスクリーニングして、新規の分泌
性タンパク質のコード配列を同定することに焦点をあてている。スクリーニング
の方法及び技術の例は、文献に記載されている(例えば、Kleinら, Proc.Natl.A
cad,Sci.,93:7108-7113(1996); 米国特許第5536637号を参照)。
【0004】 膜に結合したタンパク質及びレセプターは、多細胞生物の形成、分化、及び維
持において重要な役割を演じている。多くの個々の細胞の成り行き、たとえば増
殖、移行、分化又は他の細胞との相互作用は、典型的には他の細胞及び/又は隣
接した環境からの情報によって決定されている。この情報は分泌されるポリペプ
チド(例えば分裂促進因子、生存因子(survival factors)、細胞毒性因子、分
化因子、神経ペプチド、ホルモン)により伝達されることが多いが、これは次に
多様な細胞レセプター又は膜結合性タンパク質により受容されて解釈される。こ
のような膜に結合したタンパク質及び細胞レセプターには、サイトカインレセプ
ター、レセプターキナーゼ、レセプターホスファターゼ、細胞-細胞相互作用に 関与するレセプター、及びセレクチンやインテグリン等の細胞付着分子が含まれ
るが、これらには限定されない。例えば、細胞の増殖及び分化を制御する信号の
変換は、一部には種々の細胞性タンパク質のリン酸化により制御されている。プ
ロテインチロシンキナーゼは、そのプロセスを触媒する酵素であるが、これはま
た増殖因子レセプターとしても作用する。実例には、線維芽細胞増殖因子レセプ
ター、及び神経増殖因子レセプターが含まれる。
【0005】 膜に結合したタンパク質及びレセプター分子には、種々の工業的適用性があり
、これには薬剤及び診断薬が含まれる。レセプター免疫付着因子は例えば、レセ
プター−リガンド相互作用を阻止する治療薬として使用することができる。膜に
結合したタンパク質はまた、関連したレセプター/リガンド相互作用の潜在的な
ペプチド性又は小分子性の阻害剤のスクリーニングに使用することができる。産
業界及び学術界の双方ともに、新規の天然のレセプタータンパク質を同定する努
力をしている。これらの研究の多くは、哺乳動物の組換えDNAライブラリーを
スクリーニングして新規のレセプタータンパク質のコード配列を同定することに
焦点を当てている。
【0006】 本願では、新規の分泌性及びトランスメンブレンポリペプチド、並びに当該ポ
リペプチドをコードする新規の核酸の同定及び特徴付けを記載する。
【0007】 1.PRO241 軟骨組織は、コラーゲン繊維のネットワークが密であり、プロテオグリカンが
高含量の大型の細胞外マトリックスを有する特殊な結合組織である。軟骨組織中
のプロテオグリカンの大部分は、アグリカン(aggrecan)であるが、これには多
くの硫酸コンドロイチン及び硫酸ケラチンの鎖が含まれていて、連結タンパク質
でヒアルロナン(hyaluronan)に結合することにより多分子凝集物を形成するが
、一方、軟骨組織にはまた、数多くの小分子量のプロテオグリカンが含まれてい
る。これらの小分子量プロテオグリカンのうちの一つは、ビグリカン(biglycan
)と呼ばれるタンパク質であるが、これは他の種々の軟骨組織(腱、強膜、皮膚
等が含まれる)の細胞外マトリックスに広く分布しているプロテオグリカンであ
る。ビグリカンは、ロイシン富反復配列と、二つの硫酸コンドロイチン/硫酸デ
ルマタン鎖であって、フィブロネクチンの細胞結合性領域に結合してそれへの細
胞付着を阻害する機能があることが知られている。ビグリカン等の小分子量プロ
テオグリカンが、軟骨組織の増殖及び/又は修復、並びに関節炎等の縮退性疾患
において重要な役割を演じていることが推論されている。このようにして、ビグ
リカンに対しての相同性を有する新規のポリペプチドを同定して特徴づけること
に興味が持たれている。
【0008】 本願では、ビグリカンに対する相同性を有する新規のポリペプチドを同定及び
特徴付けすることを記載するが、ここではそのポリペプチドをPRO241ポリ
ペプチドと呼ぶ。
【0009】 2.PRO243 (アフリカツメガエルの)コルディン(chordin)(Xchr)は、潜在的に背側 化(dorsalizing)活性を有しているシュペーマン編成原(Spermann organizer )により分泌される可溶性因子である(Sasaiら、Cell 79:779-90(1994);Sasai ら、Nature 376:333-36(1995))。その編成原により分泌される他の背側化因子 には、ノギン(noggin)(SmithとHarlan,Cell 70:829-840(1992) Lambら、Scie
nce 262:713-718(1993))及びフォリスタチン(follistatin)(Hemmanti-Brivan
louら、Cell 77:283-295(1994))がある。コルディンは、原始外胚葉を、神経対
非神経領域に細分化して、中胚葉の背側化により脊索形成及び筋形成を誘導する
。これは、腹側化性(ventralizing)BMP−4シグナルのアンタゴニストとし
て機能することにより起こる。この阻害は、コルディンが細胞外空間においてB
MP−4に直接的に結合することにより介在されるが、それによってBMP−4
によるBMP−4レセプターの活性化を阻止する(Piccoloら、Develop.Biol.18
2:5-20(1996))。
【0010】 BMP−4は、胚の腹側から勾配がかかって発現しているが、一方、コルディ
ンは、BMP−4のものとは相補的な勾配で発現している。コルディンはBMP
−4を拮抗して、BMP−4勾配の低い側の末端を確立する。従って、コルディ
ンからのシグナル、及び他の編成原により誘導される因子の間の釣り合いと、B
MPシグナルとの対比によって、外胚葉性胚葉が、その腹側−背側位置情報とと
もに提供される。コルディンはまた、中枢神経系の腹側−背側パターン形成にも
関与することがある(Sasaiら、Cell 79:779-90(1994))。これは更に、前方神 経組織(前脳タイプ)を排他的に誘導し、これにより神経タイプを前方化(ante
riorizing)する(Sasaiら、Cell 79:779-90(1997))。ニューロンの誘導とパタ
ーン形成において関与するので、コルディンは神経退行性疾患、及び神経損傷、
例えば外傷によるもの、又は化学療法後におけるものの治療に有益であるかもし
れない。
【0011】 本願では、コルディンに相同性のある新規のポリペプチドの同定及び特徴付け
を記載するが、ここでは当該ポリペプチドをPRO243ポリペプチドと称す。
【0012】 3.PRO299 切痕(notch)タンパク質は、発生におけるシグナリングに関与する。このタ ンパク質は非対称な発生のポテンシャルに影響し、発生に関与する他のタンパク
質の発現の引き金となる(Robey,E.,Curr.Opin.Genet.Dev.,7(4):551(1997),Si
mpson,P.,Curr.Opin.Genet.Dev.7(4):537(1997),Blobel,CP.,Cell 90(4):589(1
997),Nakayama, H.ら、Dev.Genet.,21(1):21(1997),Nakayama H.ら、Dev.Gene
t.,21(1):21(1997),Sullivan,S.A.ら、 Dev. Genet., 20(3):208 (1997),及び
Hayashi, H.ら、Int.J.Dev.Biol.,40(6):1089(1996)を参照)。切痕のセラーテ (Serrate)介在性活性化が、ショウジョウバエの翅の成虫盤の背側区画におい て観察されている(Flemingら、Development,124(15):2973(1997))。切痕は、 発生における役割、及びシグナリング能力の両方において興味深い。発生及び/
又はシグナリングにおいて役割を有する新規のポリペプチドもまた、興味深い。
【0013】 本願では、切痕タンパク質に相同性のある新規のポリペプチドの同定及び特徴
付けを記載するが、ここではそのポリペプチドをPRO299ポリペプチドと称
す。
【0014】 4. PRO323 ジペプチダーゼは、非常に多様な異なるジペプチドを開裂する酵素性タンパク
質であって、哺乳動物及び哺乳動物以外の生物において非常に重要な数多くの生
物学的プロセスに関与するものである。多様な異なる哺乳動物及び哺乳動物以外
の生物から、数多くの異なるジペプチダーゼが同定され、また特徴付けられてい
る。哺乳動物のジペプチダーゼは、数多くの生物学的プロセスにおいて重要な役
割を有するが、これには例えば、タンパク質の消化、活性化、不活化、又はジペ
プチドホルモン活性の調節、並びにタンパク質及び酵素の物理的特徴の変化が含
まれる。
【0015】 ジペプチダーゼ酵素が有する重要な生理学的役割に鑑み、産業界及び学術界の
双方は、新規の天然のジペプチダーゼの相同物を同定する努力をしている。多く
の研究においては、哺乳動物の組換えDNAライブラリーをスクリーニングして
、新規の分泌性且つ膜結合型のレセプタータンパク質のコード配列を同定するこ
とに焦点をあてている。スクリーニングの方法及び技術の例が、文献に記載され
ている(例えばKleinら、Proc.Natl.Acad.Sci.,93:7108-7113(1996) ; 米国特許
第5536637号を参照)。
【0016】 本願では、種々のジペプチダーゼ酵素に相同性である新規のポリペプチドであ
るPRO323ポリペプチドの同定及び特徴付けを記載する。
【0017】 5.PRO327 下垂体前葉ホルモンプロラクチンは、数多くの成長ホルモン/プロラクチン/
胎盤性ラクトゲンの遺伝子ファミリーによりコードされている。哺乳動物におい
てはプロラクチンは主として、乳汁分泌及び乳腺の発達の原因となっている。プ
ロラクチンは、遺伝子転写及びmRNAの半減期の双方を増大することにより乳
タンパク質の遺伝子発現を刺激するように機能する。
【0018】 プロラクチンタンパク質の生理学的影響は、プロラクチンが細胞表面のプロラ
クチンレセプターに結合する能力を通じて介在される。プロラクチンレセプター
は、種々の異なる細胞種において見られ、また約40000の分子量を有し、ジ
スルフィド結合により、それ自身又は他のサブユニットとは明らかに結合してい
ない。プロラクチンレセプターのレベルは、研究対象の組織に応じて異なった制
御のされかたをしている。
【0019】 細胞表面レセプター分子は、インビボで重要な生理学的役割を有するので、産
業界及び学術界はともに新規の天然の膜結合性レセプタータンパク質を同定する
ことに現在注力しているが、この中にはプロラクチンレセプターと相同性のある
配列を有すものが含まれる。これらの研究の多くは、哺乳動物の組換えDNAラ
イブラリーをスクリーニングして、新規の膜結合性レセプタータンパク質のコー
ド配列を同定することに焦点をあてている。スクリーニングの方法及び技術の例
は、文献に記載されている(例えばKleinら、Proc.Natl.Acad.Sci.,93:7108-711
3(1996); 米国特許第5536637号を参照)。
【0020】 本願では、プロラクチンレセプタータンパク質に高い相同性を示す新規のポリ
ペプチドであるPRO327ポリペプチドの同定及び特徴付けを記載する。
【0021】 6.PRO233 細胞の酸化還元状態が細胞の成り行きに関しての重要な決定要素であることが
研究報告されている。更に、反応性の酸素種が、細胞毒性であって炎症性疾患を
引き起こすが、これには組織の壊死、器官不全、アテローム性動脈硬化症、不妊
症、出生時欠損、早期老化、突然変異及び悪性腫瘍が含まれる。従って、酸化と
還元の制御は、数多くの理由により重要であるが、これには卒中、心臓発作、酸
化ストレス及び高血圧症を制御及び予防することが含まれる。
【0022】 酸素のフリーラジカル及び抗酸化剤は、脳虚血及び再潅流後の中枢神経系にお
いて重要な役割を有することがわかっている。更に、心臓障害は、虚血及び再潅
流に関係付けられるが、これはフリーラジカルの作用により引き起こされること
が報告されている。この点において、還元酵素、特にはオキシドレダクターゼは
興味深いものである。更に、転写因子、NF−カッパB及びAP−1は酸化還元
状態により制御され、AIDS、癌、アテローム性動脈硬化症、及び糖尿病合併
症の病原性に関与すると考えられている多様な遺伝子の発現に影響することが知
られている。この主題について更に記載している刊行物には、Kelseyら、Br.J.C
ancer,76(6):852-854(1997); FriedrichとWeiss, J.Theor.Biol.,187(4):529-54
0(1997); Pieulleら、J.Bacteriol.,179(18):5684-5692(1997)が含まれる。イン
ビボでの酸化還元反応の生理学的重要性に鑑み、酸化還元反応に関与する新規の
天然のタンパク質を同定する研究が現在進行中である。本願では、酸化還元酵素
に相同性である新規のポリペプチドであって、PRO233ポリペプチドと本願
で称するものの同定及び特徴付けを記載する。
【0023】 7.PRO344 補体タンパク質は、血清タンパク質の大きな群を具備するが、その中のいくつ
かは酵素カスケードにおいて活性であり、炎症に関与するエフェクター分子を産
生する。この補体タンパク質は、炎症に関与する細胞の移行と機能を制御するこ
とにおいて生理学的に特に重要である。炎症及びインビボでの関連した機構の生
理学的重要性に鑑み、炎症に関与する新規の天然のタンパク質を同定する研究が
現在進行中である。本願では、補体タンパク質に相同性がある新規のポリペプチ
ドであって、本願でPRO344ポリペプチドと称するものの同定及び特徴付け
について記載する。
【0024】 8.PRO347 システイン富タンパク質は一般には、複雑な三次元構造を有し、及び/又はジ
スルフィド架橋を形成することが可能な数多くのシステイン残基が存在すること
により多量体として存在するタンパク質である。
【0025】 9.PRO354 インター-アルファ-トリプシンインヒビター(ITI)は、多くの哺乳動物の
種において見られる、大型(Mrがほぼ240000)の循環性プロテアーゼイ
ンヒビターである。この無傷のインヒビターは糖タンパク質であり、強力なグリ
コサミノグリカン結合により相互作用する3つのグリコシル化サブユニットから
なる。ITIの抗-トリプシン活性は、複合体の最小のサブユニット(即ち軽鎖 )に位置するが、ここで軽鎖は現在、ビクニン(bikunin)として知られている 。成熟した軽鎖は、21アミノ酸のN末端配列からなり、Ser-10でグリコ シル化され、その後にタンデムなカニッツ(Kunitz)タイプの領域が二つあって
、そのうちの最初のものはAsn-45でグリコシル化されていて、そのうちの 第二のものはトリプシン、キモトリプシン、及びプラスミンを阻害することがで
きる。ITI複合体の残りの二つの鎖は、当該複合体の酵素的に活性な軽鎖と相
互作用するように機能する重鎖である。
【0026】 産業界及び学術界はともに、新規の天然のタンパク質を同定する研究を行って
いる。多くの研究は、哺乳動物の組換えDNAライブラリーをスクリーニングし
て、新規の分泌性、且つ膜結合型のレセプタータンパク質のコード配列を同定す
ることに焦点をあてている。スクリーニングの方法及び技術は、文献に記載され
いている(例えばKleinら、Proc.Natl.Acad.Sci.,93:7108-7113(1996);米国特許
第5536637号を参照)。本願では、ITI重鎖に高い相同性を有する新規のポリ ペプチドであって、本願でPRO354ポリペプチドと称するものの同定及び特
徴付けを記載する。
【0027】 10.PRO355 細胞毒性又は制御性T細胞連結分子、又は「CRTAM」タンパク質は、免疫
グロブリンスーパーファミリーと構造的に関連している。このCRTAMタンパ
ク質は種々の免疫反応を介在することができるはずである。抗体は、概して高親
和性でCRTAMに結合する(Zlotnik,A.,Faseb,106(6):A1037,Abr.216,1996年
6月)。T細胞抗原、及びインビボでの免疫プロセスの生理学的重要性に鑑み、 免疫反応に関与する新規の天然のタンパク質を同定する研究が現在進行中である
。Kennedyら、米国特許第5686257(1997)も参照。本願では、CRTAMに相同性
である新規のポリペプチドであって、本願ではPRO355ポリペプチドと称す
ものの同定及び特徴付けについて記載する。
【0028】 11.PRO357 タンパク質-タンパク質相互作用には、レセプターと抗原との複合体、並びに シグナリング機構が含まれる。タンパク質-タンパク質相互作用の基礎となる構 造的及び機能的機構がよりわかるにつれて、タンパク質-タンパク質相互作用を より容易に操作してタンパク質-タンパク質相互作用の特定の結果を制御するこ とが容易になる。従って、タンパク質-タンパク質相互作用の基礎となる機構は 、科学的にいっても、医学的にいっても興味深い。
【0029】 ロイシン富反復配列を含むタンパク質は全て、タンパク質-タンパク質相互作 用に関与すると考えられる。ロイシン富反復配列は、機能と細胞の位置とがとも
に多様である数多くのタンパク質中に存在する短い配列モチーフである。リボヌ
クレアーゼインヒビタータンパク質の結晶構造は、ロイシン富反復配列がベータ
-アルファ構造単位に対応することを示している。これらの単位は、一の表面が 溶媒に露出して、平行なベータシートを形成するようにして配列し、当該タンパ
ク質が異常な非球状形態を獲得する。これらの二つの特徴は、ロイシン富反復配
列のタンパク質結合性機能の原因となっていることが示されている。KobeとDeis
enhofer,Trends Biochem.Sci.,19(10):415-421(1994年10月)を参照。
【0030】 組織編成機能を有し、個体発生中にコラーゲン繊維の方向付け及び配置を行う
ものであって、創傷治癒、組織修復、及び腫瘍間質形成等の病理学的プロセスに
関与するロイシン富プロテオグリカンについての研究が報告されている(Iozzo,
R.V.,Crit.Rev.Biochem.Mol.Biol.,32(2):141-174(1997))。ロイシン富タンパ ク質が、創傷治癒や組織修復に関連するとした他の研究には、出血性疾患である
ベルナール-スリエ症候群に関連した複合体中のロイシン富モチーフ中に変異が あることが報告されているDe La Salle.C.ら、Vouv.Rev.Fr.Hematol.(ドイツ),3
7(4):215-222(1995)、血小板にはロイシン富反復配列があることが報告されてい
るChelemetson,K.J.,Thromb.Haemost.(ドイツ),74(1):111-116 (1995年7月)、形
質転換増殖因子βへのデコリン(decorin)の結合が、癌の治療、創傷治癒及び 傷跡に影響を与えることが報告されているLa Jolla Cancer Reseach Foundation
のRuoslahti, E.I.ら、WO9110727-Aがある。このグループのタンパク質の機能に
より関連付けられるものには、インスリン様増殖因子(IGF)があるが、これ
は創傷治癒に有益であり、結合組織、皮膚、及び骨等の組織の再増殖に関する治
療に関係し、また、ヒト及び動物の体の成長を促進し、更には他の増殖関連プロ
セスを刺激するからである。IGFの酸不安定サブユニット(ALS)は、IG
Fの半減期を増大し、またインビボでのIGF複合体の一部であることから興味
が持たれる。
【0031】 ロイシン富反復配列を有することが報告されている別のタンパク質には、アル
ツハイマー病や、パーキンソン病等における神経障害等の神経退行性疾患の治療
や、癌の診断に有益であることが報告されているSLITタンパク質がある(Ya
le University,Artavanistsakonas,S.とRothberg,J.M., WO9210518-A1を参照) 。膜糖タンパク質であってマウスの脳のグリア細胞内で特異的に発現し、ロイシ
ン富反復配列及び免疫グロブリン様領域を有しているLIG−1もまた興味が持
たれている(Suzukiら、J.Biol.Chem.(U.S.),271(37):22522(1996))。ロイシン
富反復配列を有するタンパク質の生物学的機能について報告している他の研究に
は以下のものが含まれる:Tayar,N.ら、Mol.Cell Endocrinol.,(アイルランド),
125(1-2):65-70(1996年12月)(精線刺激ホルモンの関与);Miura,Y.ら、日本臨
床 (日本),54(7):1784-1789 (1996年7月)(アポトーシスの関与);Harris,P.C.
ら、J.Am.Soc.Nephrol.,6(4):1125-1113(Oct. 1995年10月)(腎臓疾患の関与) 。
【0032】 従って、産業界及び学術界はともに、タンパク質-タンパク質相互作用をより 良く理解するために、ロイシン富反復配列を有する新規のタンパク質を同定する
研究を行っている。特に興味深いのは、ロイシン富反復配列を有し、例えばイン
スリン様増殖因子の酸不安定サブユニット等の、ロイシン富反復配列を有する既
知のタンパク質に相同的であるタンパク質である。多くの研究が、哺乳動物の組
換えDNAライブラリーのスクリーニングを行って、ロイシン富反復配列を有す
る新規の分泌性、且つ膜結合型のタンパク質のコード配列を同定することに焦点
をあてている。スクリーニングの方法及び技術は、文献に記載されている(例え
ばKleinら、Proc.Natl.Acad.Sci.,93:7108-7113(1996);米国特許第5536637号を
参照)。
【0033】 本願では、インスリン様増殖因子の酸不安定サブユニットと相同性が高い新規
のポリペプチドであって、本願ではPRO357ポリペプチドと称するものの同
定及び特徴付けを記載する。
【0034】 12.PRO715 哺乳動物における細胞数の制御は、一部には細胞増殖と細胞死との間のバラン
スにより決定されるものと考えられている。細胞死の一の形態は、時として壊死
性細胞死と呼ばれるものであって、ある種の外傷や細胞障害から生じる細胞の病
理学的形態により典型的に特徴付けられるものである。対照的に、別の「生理学
上の」細胞死の形態であって、通常は整然とした、又は制御された方法で進行す
るものがある。この整然とした、又は制御された形態の細胞死は「アポトーシス
」と呼ばれる(例えば、Barrら、Bio/Technology,12:487-493(1994);Stellerら
、Science,267:1445-1449(1995))。アポトーシス性の細胞死は、多くの生理学 的プロセスにおいて自然と起こるものであるが、これには胚の発生、免疫系にお
けるクローン選択が含まれる(Itohら、Cell,66:233-243(1991))。アポトーシ ス性細胞死のレベルの低下は、癌、狼瘡、ヘルペスウイルス感染等の種々の病理
学的状態に関連している(Thompson,Science,267:1456-1462(1995))。アポトー
シス性細胞死のレベルの増大は、AIDS、アルツハイマー病、パーキンソン病
、筋萎縮性側索萎縮症、多発性硬化症、色素性網膜炎、小脳退縮、再生不良性貧
血、心筋梗塞症、卒中、再潅流障害、及び毒素誘導性肝臓疾患等の種々の病理的
状態に関連する可能性がある(上記のThompsonを参照)。
【0035】 アポトーシス性細胞死は、典型的には細胞における一以上の形態学的又は生化
学的変化を伴っているが、これには例えば、原形質の凝結、細胞質膜微小絨毛の
喪失、核の分割、染色体DNAの分解、又はミトコンドリア機能の喪失等がある
。種々の外来性及び内因性のシグナルが、このような形態学的及び生化学的細胞
変化を誘発、又は誘導すると考えられている(Raff,Nature,256:397-400(1992) ;Steller,上記; Sachsら、Blood,82:15(1993))。例えば、これらは未成熟な胸
腺細胞のグルココルチコイドホルモン等のホルモン刺激により誘発される(Wata
nabe-Fukunagaら、Nature,356:314-317(1992))。また、myc、rel、及び E1A等の同定した癌遺伝子のいくつか、p53等の腫瘍抑制因子は、アポトー
シスの誘導にかかわることが報告されている。ある種の化学療法剤、及び放射線
のある形態のものは、同様にアポトーシス誘導活性があることが観察されている
(上記のThompson)。
【0036】 種々の分子、例えば腫瘍壊死因子-α("TNF-α")、腫瘍壊死因子−β("TNF-
β"又は"リンホトキシン-α")、リンホトキシン-β("LT-β")、CD30リガ
ンド、CD27リガンド、CD40リガンド、OX-40リガンド、4-1BBリ
ガンド、Apo-1リガンド(Fasリガンド又はCD95リガンドとも呼ばれ る)、及びApo-2リガンド(TRAILとも呼ばれる)は、サイトカインの 腫瘍壊死因子("TNF")ファミリーのメンバーであることが同定された(Grussと
Dower,Blood,85:3378-3404(1995);Pittiら、J.Biol.Chem.,271:12687-12690(199
6); Wileyら、Immunity,3:673-682(1995);Browningら、Cell,72:847-856(1993);
Armitageら、Nature,357:80-82(1992))。これらの分子の中では、TNF-α、 TNF-β、CD30リガンド、4-IBBリガンド、Apo-1リガンド、及び Apo-2リガンド(TRAIL)が、アポトーシス性細胞死に関与することが 報告されている。TNF-αとTNF-βとはともに、感受性の腫瘍細胞において
アポトーシス性細胞死を誘導することが報告されている(Schmidら、Proc.Natl.
Acad.Sci.,83,1881(1986); Deltryら、Eur.J.Immunol.,17,:689(1987))。Zheng
らは、TNF-αがCD8陽性T細胞の刺激後アポトーシスに関与することを報 告している(Zhengら、Nature,377,348-351(1995))。CD30リガンドが、胸 腺における自己反応性T細胞の削除に関与することが、他の研究者らにより報告
されている(Amakawaら、Cold Spring Habor Laboratory Symposium on Program
med Cell Death,Abst.No.10,(1995))。
【0037】 マウスのFas/Apo-1レセプター又はリガンド遺伝子(それぞれlpr、gl
dと呼ばれる)における変異は、いくつかの自己免疫疾患に関連しているが、こ れはApo-1リガンドが、末梢における自己反応性リンパ球のクローン的削除 において役割を演じている可能性を示している(Krammerら、Curr.Op.Immunol.,
6:279-289(1994); Nagataら、Science,267:1449-1456(1995))。Apo-1リガ ンドはまた、CD4陽性Tリンパ球及びBリンパ球における刺激後のアポトーシ
スを誘導し、その機能がもはや必要とされない活性化リンパ球の除去に関与する
ことが報告されている(Krammerら、上記、Nagataら、上記)。Apo-1レセプ
ターに特異的に結合する作動薬的マウスモノクローナル抗体は、細胞殺傷活性を
呈することが報告されているが、これはTNF-αにおけるものに匹敵するか又 は同等である(Yoneharaら、J.Exp.Med.,169:1747-1756 (1989))。
【0038】 このようなTNFファミリーのサイトカインにより介在される種々の細胞性反
応の誘導は、その特定の細胞レセプターへの結合により開始されると考えられて
いる。約55kDa(TNFR1)、及び約75kDa(TNFR2)の、二つ
の別個のTNFレセプターが同定されている(Hohmanら、J.Biol.Chem.264,1492
7-14934(1989); Brockhausら、Proc.Natl.Acad.Sci.,87:3127-3131(1990);EP 41
7563、1991年3月20日発行)。この両者のタイプのレセプターに対応するヒト及 びマウスのcDNAも同定・特徴付けされている(Loetscherら、Cell,61:351(1
990); Schallら、Cell,61:361(1990); Smithら、Science,248:1019-1023(1990);
Lewisら、Proc.Natl.Acad.Sci.,88:2830-2834(1991); Goodwinら、Mol.Cell.Bi
ol.,11:3020-3026(1991))。これまでに同定されているTNFファミリーのリガ
ンドは、リンホトキシン-α以外は、II型のトランスメンブレンタンパク質で あり、そのC末端は細胞外にある。対照的に、これまでに同定されたTNFレセ
プター(TNFR)における多くのレセプターは、I型のトランスメンブレンタ
ンパク質である。しかしながら、TNFリガンド及びそのレセプターファミリー
の双方においては、ファミリーメンバー間で同定された相同性は、主として細胞
外領域("ECD")において見いだされている。TNFファミリーサイトカイン
のいくつかには、TNF-α、Apo-1リガンド、及びCD40リガンドが含ま
れるが、これらは細胞表面においてタンパク質的分解により開裂され、それぞれ
の場合に得られるタンパク質は、典型的には可溶性のサイトカインとして機能す
るホモ三量体分子を形成する。TNFレセプターファミリータンパク質はまた、
通常はタンパク分解的に開裂されて、同起源のサイトカインの阻害剤として機能
することが可能な、可溶性のレセプターECDを放出する。
【0039】 最近になって、TNFRファミリーの他のメンバーが同定された。このような
、TNFRファミリーの新規に同定されたメンバーには、CAR1、HVEM、
及びオステオプロテゲリン(osteoprotegerin;OPG)が含まれる(Brojatsch
ら、Cell,87:845-855(1996); Montgomeryら、Cell,87:427-436(1996); Marsters
ら、J.Biol.Chem.,272:14029-14032(1997); Simonetら、Cell,89:309-319(1997)
)。他の既知のTNFR様分子とは異なり、Simonetら(上記)は、OPGが疎 水性のトランスメンブレン-スパンニング配列を全く含まないことを報告してい る。
【0040】 TNFファミリーのサイトカイン及びそのレセプターについてのレビューは、
上記のGrussとDowerを参照。
【0041】 本明細書においては、腫瘍壊死因子ファミリーのメンバーのポリペプチドと相
同性を有する新規のポリペプチドであって、本願でPRO715ポリペプチドと
称すものについての同定及び特徴付けについて記載する。
【0042】 13.PRO353 補体タンパク質は、その一部が酵素的カスケードで作用して炎症に関与するエ
フェクター分子を産生する、一群の血清タンパク質から構成されている。補体タ
ンパク質は、炎症に関与する細胞の移行及び機能を制御することにおいて特に重
要である。インビボにおける炎症及び関連した機構の生理学的重要性に鑑み、炎
症に関与する新規の天然タンパク質を同定するために現在研究が進行中である。
本願では、補体タンパク質に相同性があり、本願でPRO353ポリペプチドと
称す新規の天然のタンパク質を同定、及び特徴付けする。
【0043】 14.PRO361 ムチンは、発癌に関与することが示唆されている糖タンパク質のファミリーで
ある。ムチン及びムチン様タンパク質は、正常な細胞及び形質転換した細胞の双
方により分泌される。癌の医学的重要性に鑑み、癌を診断又は治療するために有
益となる新規の天然のタンパク質を同定する研究が現在進行中である。
【0044】 キチナーゼタンパク質は、植物における病原性反応において関与が示唆されて
いるファミリーを構成する。キチナーゼタンパク質は、植物及び微生物により産
生され、植物の傷害に対する防御において役割を演じる可能性がある。植物の防
御機構の重要性に鑑み、植物における病原性関連反応の調節に有益となりうる新
規の天然のタンパク質を同定する研究が現在進行中である。本願では、ムチン及
びキチナーゼに相同性の新規のポリペプチドであって、本願においてPRO36
1ポリペプチドと称したものについての同定及び特徴付けを記載する。
【0045】 15.PRO365 ヒト2−19タンパク質等のポリペプチドは、サイトカインとして機能するこ
とが可能である。サイトカインとは、免疫細胞の分化、増殖、又は機能を刺激若
しくは阻害する、低分子量タンパク質のことである。サイトカインは、細胞内メ
ッセンジャーとして作用することがよくあり、また多様な生理学的効果を有する
。免疫機構のインビボでの生理学的重要性に鑑み、免疫系への影響に関与する新
規の天然タンパク質を同定する研究が現在進行中である。本願においては、ヒト
2-19タンパク質に相同性があり、本願でPRO365ポリペプチドと称す新 規のポリペプチドの同定及び特徴付けを記載する。
【0046】
【課題を解決するための手段】
発明の要約 1.PRO241 本願においては、ビグリカンタンパク質に相同性である新規のポリペプチドを
コードするcDNAクローンが同定されているが、これは本願においてはPRO
241と呼ぶ。
【0047】 一の態様において、本発明は、PRO241ポリペプチドをコードするDNA
を具備する、単離された核酸分子を提供する。一の例においては、単離された核
散分子は、図2(配列番号:2)に示されるPRO241ポリペプチドのアミノ
酸残基1乃至379をコードしたDNAを具備するか、又はそのようなコードし
た核酸配列に相補的であって、少なくとも中等度、そして適宜高度なストリンジ
ェンシー条件下で安定に結合したままであるものである。
【0048】 別の態様において本発明は、単離されたPRO241ポリペプチドを提供する
。本発明は特に、単離された天然のPRO241ポリペプチド配列を提供するが
、一の態様においてこれは図2(配列番号:2)の残基1乃至379を具備する
アミノ酸配列を含んでいる。本発明の別の態様は、N末端のシグナルペプチドを
欠失したPRO241ポリペプチドに関するが、ここでPRO241ポリペプチ
ドは、全長PRO241のアミノ酸配列(配列番号:2)のアミノ酸のほぼ16
位乃至379位を具備している。
【0049】 2.PRO243 本願では、新規のポリペプチドであって、本願ではPRO243と称するもの
をコードしたcDNA(DNA35917-1207)が同定されている。
【0050】 一の態様において本発明は、(a)図4(配列番号:7)に示されるアミノ酸
24乃至954の配列を具備するPRO243ポリペプチドをコードしたDNA
分子、又は(b)(a)のDNA分子の補足物、に少なくとも約80%の配列相
同性を有する、単離された核酸分子を提供する。配列相同性は好ましくは、約8
5%であり、より好ましくは約90%、最も好ましくは約95%である。一の例
において、単離された核酸は、図4(配列番号:7)に示されるアミノ酸残基1
乃至954を有するポリペプチドと少なくとも約80%、好ましくは少なくとも
約85%、より好ましくは少なくとも約90%、最も好ましくは少なくとも約9
5%の配列相同性を有する。好ましくは、最高の相同性は、図4(配列番号:7
)の4つの保存されたシステインクラスター内(アミノ酸51乃至125;アミ
ノ酸705乃至762;アミノ酸784乃至849;アミノ酸897乃至931
)で起こる。別の態様においては、単離された核散分子は、図4(配列番号:7
)のアミノ酸残基24乃至954を有するPRO243ポリペプチドをコードす
るDNAを具備するか、又はそのようなコード性核酸配列に相補的であって中等
度、そして適宜高度なストリンジェンシー条件下でそれに安定に結合したままの
ものである。別の例において本発明は、ATCC受託番号がATCC209508でA
TCCに寄託されたクローンDNA35917-1207、或いはATCC受託番号がAT
CC209508で寄託されたクローンDNA35917-1207の全長タンパク質の核酸を提
供する。
【0051】 更に別の態様において本発明は、単離されたPRO243ポリペプチドを提供
する。本発明は特に、単離された天然のPRO243ポリペプチドの配列を提供
するが、これはその一の態様において図4(配列番号7)の残基24乃至954
を具備するアミノ酸配列を含んでいる。天然のシグナル配列(図4(配列番号:
7)のアミノ酸1乃至23)を有するか、又は有さず、そして開始メチオニンを
有するか、又は有しない、天然のPRO243ポリペプチド配列が特に含まれる
。或いは本発明は、受託番号ATCC209508で寄託された核酸によりコードされ
るPRO243ポリペプチドを提供する。
【0052】 3.PRO299 本願では、新規のポリペプチドをコードするcDNAが同定されているが、本
願では当該ポリペプチドをPRO299と称す。
【0053】 一の態様において本発明は、PRO299ポリペプチドをコードするDNAを
具備する、単離された核酸分子を提供する。一の例において、当該単離された核
酸は、図9(配列番号:15)のアミノ酸残基1乃至737を有するPRO29
9ポリペプチドをコードしたDNAを具備するか、又はこれはそのようなコード
核酸配列に対して相補的であり、少なくとも中等度、そして適宜高度なストリン
ジェンシー条件下ではそれに安定に結合したままのものである。
【0054】 別の態様において本発明は、単離されたPRO299ポリペプチドを提供する
。特に本発明は、単離された天然のPRO299ポリペプチド配列を提供するが
、一の態様においてこれは、図9(配列番号:15)の残基1乃至737を具備
するアミノ酸配列を含む。本発明の別の態様は、PRO299ポリペプチドの単
離された細胞外領域に関する。
【0055】 4.PRO323 本願では、ミクロソームジペプチドタンパク質に相同性を有する新規のポリペ
プチドをコードするcDNAクローンが同定されたが、本願では当該ポリペプチ
ドをPRO323と称す。
【0056】 一の態様において本発明は、PRO323ポリペプチドをコードするDNAを
具備する、単離された核酸分子を提供する。一の例において当該単離された核散
分子は、図13(配列番号:24)のアミノ酸残基1乃至433を有するPRO
323ポリペプチドをコードしたDNAを具備しているか、又はこれはそのよう
なコード核酸配列に対して相補的であって、少なくとも中等度、そして適宜高度
なストリンジェンシー条件下でそれに安定に結合したままのものである。
【0057】 別の態様において本発明は、単離されたPRO323ポリペプチドを提供する
。特に本発明は、単離された天然のPROポリペプチド配列を提供するが、一の
態様においてこれは、図13(配列番号:24)の残基1乃至433を具備した
アミノ酸配列を含む。
【0058】 5.PRO327 本願では、プロラクチンレセプターに相同性である新規のポリペプチドをコー
ドするcDNAクローンが同定されたが、本願ではこれをPRO327と称す。
【0059】 一の態様において本発明は、PRO327ポリペプチドをコードするDNAを
具備する、単離された核散分子が提供される。一の例において、当該単離された
核酸は、図17(配列番号:32)のアミノ酸残基1乃至422を有するPRO
327ポリペプチドをコードするDNAを具備しているか、又はそのようなコー
ド核酸配列に対して相補的であって、少なくとも中等度、そして適宜高度なスト
リンジェンシー条件下でそれに安定に結合したままのものである。
【0060】 別の態様において本発明は、PRO327ポリペプチドを提供する。特に本発
明は、単離された天然のPRO327ポリペプチド配列を提供するが、一の態様
においてこれは、図17(配列番号:32)の残基1乃至422を具備するアミ
ノ酸配列を含む。
【0061】 6.PRO233 本願では、新規のポリペプチドをコードするcDNAクローンが同定されたが
、本願では当該ポリペプチドをPRO233と称す。
【0062】 一の態様において本発明は、PRO233ポリペプチドをコードするDNAを
具備する、単離された核酸分子を提供する。一の例においては、当該単離された
核酸は、図19(配列番号:37)のアミノ酸残基1乃至300を有するPRO
233ポリペプチドをコードするDNAを具備するか、又はこれはそのようなコ
ード核酸配列に対して相補的であって、少なくとも中等度、そして適宜高度なス
トリンジェンシー条件下でそれに安定に結合したままのものである。
【0063】 別の態様において、本発明は単離されたPRO233ポリペプチドを提供する
。特に本発明は、単離された天然のPRO233ポリペプチド配列を提供するが
、一の態様においてこれは、図19(配列番号:37)の残基1乃至300を具
備するアミノ酸配列を含む。
【0064】 7.PRO344 本願では、新規のポリペプチドをコードするcDNAが同定されたが、本願で
は当該ポリペプチドをPRO344と称す。
【0065】 一の態様において本発明は、PRO344ポリペプチドをコードするDNAを
具備する、単離された核酸分子を提供する。一の例においては、当該単離された
核酸は、図21(配列番号:42)のアミノ酸残基1乃至243を有するPRO
344ポリペプチドをコードするDNAを具備するか、又はこれはそのようなコ
ード核酸配列に対して相補的であって、少なくとも中等度、そして適宜高度なス
トリンジェンシー条件下でそれに安定に結合したままのものである。
【0066】 別の態様において、本発明は単離されたPRO344ポリペプチドを提供する
。特に本発明は、単離された天然のPRO344ポリペプチド配列を提供するが
、一の態様においてこれは、図21(配列番号:42)の残基1乃至243を具
備するアミノ酸配列を含む。
【0067】 8.PRO347 本願では、システイン富分泌タンパク質−3に相同性である新規のポリペプチ
ドをコードするcDNAが同定されたが、本願では当該ポリペプチドをPRO3
47と称す。
【0068】 一の態様において本発明は、PRO347ポリペプチドをコードするDNAを
具備する、単離された核酸分子を提供する。一の例においては、当該単離された
核酸は、図23(配列番号:50)のアミノ酸残基1乃至455を有するPRO
347ポリペプチドをコードするDNAを具備するか、又はこれはそのようなコ
ード核酸配列に対して相補的であって、少なくとも中等度、そして適宜高度なス
トリンジェンシー条件下でそれに安定に結合したままのものである。
【0069】 別の態様において、本発明は単離されたPRO347ポリペプチドを提供する
。特に本発明は、単離された天然のPRO347ポリペプチド配列を提供するが
、一の態様においてこれは、図23(配列番号:50)の残基1乃至455を具
備するアミノ酸配列を含む。
【0070】 9.PRO354 本願では、インター-アルファ-トリプシンインヒビター(ITI)の重鎖に相
同性である新規のポリペプチドをコードするcDNAが同定されたが、本願では
当該ポリペプチドをPRO354と称す。
【0071】 一の態様において本発明は、PRO354ポリペプチドをコードするDNAを
具備する、単離された核酸分子を提供する。一の例においては、当該単離された
核酸は、図25(配列番号:55)のアミノ酸残基1乃至694を有するPRO
354ポリペプチドをコードするDNAを具備するか、又はこれはそのようなコ
ード核酸配列に対して相補的であって、少なくとも中等度、そして適宜高度なス
トリンジェンシー条件下でそれに安定に結合したままのものである。
【0072】 別の態様において、本発明は単離されたPRO354ポリペプチドを提供する
。特に本発明は、単離された天然のPRO354ポリペプチド配列を提供するが
、一の態様においてこれは、図25(配列番号:55)の残基1乃至694を具
備するアミノ酸配列を含む。
【0073】 10.PRO355 本願では、新規のポリペプチドをコードするcDNAが同定されたが、本願で
は当該ポリペプチドをPRO355と称す。
【0074】 一の態様において本発明は、PRO355ポリペプチドをコードするDNAを
具備する、単離された核酸分子を提供する。一の例においては、当該単離された
核酸は、図27(配列番号:61)のアミノ酸残基1乃至440を有するPRO
355ポリペプチドをコードするDNAを具備するか、又はこれはそのようなコ
ード核酸配列に対して相補的であって、少なくとも中等度、そして適宜高度なス
トリンジェンシー条件下でそれに安定に結合したままのものである。
【0075】 別の態様において、本発明は単離されたPRO355ポリペプチドを提供する
。特に本発明は、単離された天然のPRO355ポリペプチド配列を提供するが
、一の態様においてこれは、図27(配列番号:61)の残基1乃至440を具
備するアミノ酸配列を含む。
【0076】 11.PRO357 本願では、インスリン様増殖因子(IGF)の酸不安定サブユニット(ALS
)に相同性である新規のポリペプチドをコードするcDNAが同定されたが、本
願では当該ポリペプチドをPRO357と称す。
【0077】 一の態様において本発明は、PRO357ポリペプチドをコードするDNAを
具備する、単離された核酸分子を提供する。一の例においては、当該単離された
核酸は、図29(配列番号:69)のアミノ酸残基1乃至598を有するPRO
357ポリペプチドをコードするDNAを具備するか、又はこれはそのようなコ
ード核酸配列に対して相補的であって、少なくとも中等度、そして適宜高度なス
トリンジェンシー条件下でそれに安定に結合したままのものである。
【0078】 別の態様において、本発明は単離されたPRO357ポリペプチドを提供する
。特に本発明は、単離された天然のPRO357ポリペプチド配列を提供するが
、一の態様においてこれは、図29(配列番号:69)の残基1乃至598を具
備するアミノ酸配列を含む。
【0079】 12.PRO715 本願では、腫瘍壊死因子ファミリーポリペプチドに相同性である新規のポリペ
プチドをコードするcDNAが同定されたが、本願では当該ポリペプチドをPR
O715と称す。
【0080】 一の態様において本発明は、PRO715ポリペプチドをコードするDNAを
具備する、単離された核酸分子を提供する。一の例においては、当該単離された
核酸は、図31(配列番号:76)のアミノ酸残基1乃至250を有するPRO
715ポリペプチドをコードするDNAを具備するか、又はこれはそのようなコ
ード核酸配列に対して相補的であって、少なくとも中等度、そして適宜高度なス
トリンジェンシー条件下でそれに安定に結合したままのものである。
【0081】 別の態様において、本発明は単離されたPRO715ポリペプチドを提供する
。特に本発明は、単離された天然のPRO715ポリペプチド配列を提供するが
、一の態様においてこれは、図31(配列番号:76)の残基1乃至250を具
備するアミノ酸配列を含む。
【0082】 13.PRO353 本願では、新規のポリペプチドをコードするcDNAが同定されたが、本願で
は当該ポリペプチドをPRO353と称す。
【0083】 一の態様において本発明は、PRO353ポリペプチドをコードするDNAを
具備する、単離された核酸分子を提供する。一の例においては、当該単離された
核酸は、図35(配列番号:86)のアミノ酸残基1乃至281を有するPRO
353ポリペプチドをコードするDNAを具備するか、又はこれはそのようなコ
ード核酸配列に対して相補的であって、少なくとも中等度、そして適宜高度なス
トリンジェンシー条件下でそれに安定に結合したままのものである。
【0084】 別の態様において、本発明は単離されたPRO353ポリペプチドを提供する
。特に本発明は、単離された天然のPRO353ポリペプチド配列を提供するが
、一の態様においてこれは、図35(配列番号:86)の残基1乃至281を具
備するアミノ酸配列を含む。
【0085】 14.PRO361 本願では、新規のポリペプチドをコードするcDNAが同定されたが、本願で
は当該ポリペプチドをPRO361と称す。
【0086】 一の態様において本発明は、PRO361ポリペプチドをコードするDNAを
具備する、単離された核酸分子を提供する。一の例においては、当該単離された
核酸は、図37(配列番号:91)のアミノ酸残基1乃至431を有するPRO
361ポリペプチドをコードするDNAを具備するか、又はこれはそのようなコ
ード核酸配列に対して相補的であって、少なくとも中等度、そして適宜高度なス
トリンジェンシー条件下でそれに安定に結合したままのものである。当該単離さ
れた核酸配列は、1998年2月5日にATCC209621として寄託されたベクタ
ーのcDNA挿入物を具備していてもよいが、これはPRO361をコードする
ヌクレオチド配列を含む。
【0087】 別の態様において、本発明は単離されたPRO361ポリペプチドを提供する
。特に本発明は、単離された天然のPRO361ポリペプチド配列を提供するが
、一の態様においてこれは、図37(配列番号:91)の残基1乃至431を具
備するアミノ酸配列を含む。本発明の別の態様は、図37(配列番号:91)に
示されるアミノ酸配列のアミノ酸1乃至379を有するPRO361ポリペプチ
ドの、単離された細胞外領域に関する。PRO361ポリペプチドは適宜、入手
するか、又は1998年2月5日にATCC209621として寄託されたベクター中のcD
NA挿入物によりコードされるポリペプチドを発現することにより手に入れるこ
とができる。
【0088】 15.PRO365 本願では、新規のポリペプチドをコードするcDNAが同定されたが、本願で
は当該ポリペプチドをPRO365と称す。
【0089】 一の態様において本発明は、PRO365ポリペプチドをコードするDNAを
具備する、単離された核酸分子を提供する。一の例においては、当該単離された
核酸は、図39(配列番号:99)のアミノ酸残基1乃至235を有するPRO
365ポリペプチドをコードするDNAを具備するか、又はこれはそのようなコ
ード核酸配列に対して相補的であって、少なくとも中等度、そして適宜高度なス
トリンジェンシー条件下でそれに安定に結合したままのものである。別の例にお
いては、単利された核酸は、図39(配列番号:99)のアミノ酸残基21乃至
235を有するPROポリペプチドをコードするDNAを具備するか、又はその
ようなコード核酸配列に相補的であって、少なくとも中等度、そして適宜高度な
ストリンジェンシー条件下でそれに安定に結合したままのものである。
【0090】 別の態様において、本発明は単離されたPRO365ポリペプチドを提供する
。特に本発明は、単離された天然のPRO365ポリペプチド配列を提供するが
、一の態様においてこれは、図39(配列番号:99)の残基1乃至235を具
備するアミノ酸配列を含む。本発明の別の態様は、図39(配列番号:99)の
アミノ酸21乃至235を具備するアミノ酸配列に関する。
【0091】 16.別の態様 本発明の別の態様においては、上記又は下記の何れかのポリペプチをコードす
るDNAを具備したベクターが提供される。そのような何れかのベクターを具備
した宿主細胞も提供される。例示としては、宿主細胞はCHO細胞、大腸菌(E.
coli)、又は酵母とすることができる。上記又は下記のポリペプチドを産生する
方法が提供されるが、これは更に、宿主細胞を所望ポリペプチドの発現に適した
条件下で培養し、細胞培養物より所望のポリペプチドを回収することを具備して
いる。
【0092】 別の態様において本発明は、上記又は下記の何れかのポリペプチドであって異
種のポリペプチド又はアミノ酸配列に融合したものを具備したキメラ分子を提供
する。そのようなキメラ分子の例は、上記又は下記のいずれかのポリペプチドで
あって、エピトープ標識配列又は免疫グロブリンのFc領域に融合したものであ
る。 別の態様において、本発明は、上記又は以下に記載したポリペプチドの何れか
に特異的に結合する抗体を提供する。任意に、該抗体はモノクローナル抗体であ
る。
【0093】 別の態様において本発明は、ゲノム及びcDNAのヌクレオチド配列を単離す
るのに有益なオリゴヌクレオチドのプローブを提供するが、ここで、そのプロー
ブは上記又は下記の何れかのヌクレオチド配列に由来するものとすることができ
る。
【0094】
【発明の実施の形態】 好適な実施態様の詳細な説明 I. 定義 ここで用い且つ数字の表記に直接続けられる場合に用語「PROポリペプチド
」と「PRO」は、各種のポリペプチドに関し、ここでの完全な表記(即ち、P
RO/数字)は、ここに記載した特有のポリペプチド配列に関する。ここで用い
る場合に用語「PRO/数字ポリペプチド」及び「PRO/数字」は、天然配列
ポリペプチドとポリペプチド変異体(ここで更に定義される)を包含する。ここ
に記載したPROポリペプチドは、ヒト組織タイプから或いは別な供給源からの
ような各種の供給源から単離され、又は組換え或いは合成方法によって製造され
得る。
【0095】 「天然配列PROポリペプチド」は、相当する天然から得られたPROポリペ
プチドと同じアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む。そのような天然配列P
ROポリペプチドは、天然物から単離することができ、又は組換え或いは合成に
よって製造することができる。用語「天然配列PROポリペプチド」は、特異的
PROポリペプチドの自然発生端切り又は分泌形態(例えば、細胞外ドメイン配
列)、自然発生変異形(例えば、代替スプライス形)及びポリペプチドの自然発
生アレル変異体を特に包含する。本発明の各種の実施態様において、天然配列P
RO241ポリペプチドは、図2(配列番号:2)のアミノ酸1から379を含
む成熟又は全長天然配列PRO241ポリペプチドであり、天然配列PRO24
3は、N末端シグナル配列(残基1乃至約23)を持つ或いは無しの、及び位置
1で開始メチオニンを持つ或いは無しの、図4(配列番号:7)のアミノ酸24
乃至954を含む成熟又は全長天然配列ポリペプチドであり、天然配列PRO2
99ポリペプチドは、図9(配列番号:15)のアミノ酸1乃至737を含む成
熟或いは全長天然配列PRO299ポリペプチドであるか、又は天然配列PRO
299ポリペプチドは、全長PRO299タンパク質の細胞外ドメインであり、
但し全長PRO299タンパク質の予測トランスメンブレンドメインは、図8に
示したヌクレオチド2022で始まるヌクレオチドによってコードされ、天然配
列PRO323ポリペプチドは、図13(配列番号:24)のアミノ酸1乃至4
33を含む成熟或いは全長天然配列PRO323ポリペプチドであり、天然配列
PRO327ポリペプチドは、図17(配列番号:32)のアミノ酸1乃至42
2を含む成熟或いは全長天然配列PRO327ポリペプチドであり、天然配列P
RO233ポリペプチドは、図19(配列番号:37)のアミノ酸1乃至300
を含む成熟或いは全長天然配列PRO233ポリペプチドであり、天然配列PR
O344ポリペプチドは、図21(配列番号:42)のアミノ酸1乃至243を
含む成熟或いは全長天然配列PRO344ポリペプチドであり、天然配列PRO
347ポリペプチドは、図23(配列番号:50)のアミノ酸1乃至455を含
む成熟或いは全長天然配列PRO347ポリペプチドであり、天然配列PRO3
54ポリペプチドは、図25(配列番号:55)のアミノ酸1乃至694を含む
成熟或いは全長天然配列PRO354ポリペプチドであり、天然配列PRO35
5ポリペプチドは、図27(配列番号:61)のアミノ酸1乃至440を含む成
熟或いは全長天然配列PRO355ポリペプチドであり、又は天然配列PRO3
55は、全長PRO355タンパク質の細胞外ドメインであり、但し全長PRO
355タンパク質の予測トランスメンブレンドメインは、図26に示したヌクレ
オチド1138で始まるヌクレオチドによってコードされ、天然配列PRO35
7ポリペプチドは、図29(配列番号:69)のアミノ酸1乃至598を含む成
熟或いは全長天然配列PRO357ポリペプチドであり、又は天然配列PRO3
57ポリペプチドは、全長PRO357タンパク質の細胞外ドメインであり、但
し全長PRO355タンパク質の予測トランスメンブレンドメインは、配列番号
:68のヌクレオチド1518−1572、或いは配列番号:68の1491−
1572によってコードされ、天然配列PRO715ポリペプチドは、図31(
配列番号:76)のアミノ酸1乃至250を含む成熟或いは全長天然配列PRO
715ポリペプチドであり、天然配列PRO353ポリペプチドは、図35(配
列番号:86)のアミノ酸1乃至281を含む成熟或いは全長天然配列PRO3
53ポリペプチドであり、又は天然配列PRO353ポリペプチドは、全長PR
O353タンパク質の細胞外ドメインであり、天然配列PRO361ポリペプチ
ドは、図37(配列番号:91)のアミノ酸1乃至431を含む成熟或いは全長
天然配列PRO361ポリペプチドであり、又は天然配列PRO361ポリペプ
チドは、全長PRO361タンパク質の細胞外ドメインであり、但し全長PRO
361タンパク質の予測トランスメンブレンドメインは、図36に示したヌクレ
オチド1363で始まるヌクレオチドによってコードされ、及び天然配列PRO
365ポリペプチドは、図39(配列番号:99)のアミノ酸1乃至235を含
む成熟或いは全長天然配列PRO365ポリペプチドである。
【0096】 PROポリペプチド「細胞外ドメイン」又は「ECD」は、トランスメンブレ
ン及び細胞質ドメインの本質的にないPROポリペプチドの形態に関する。通例
、PROポリペプチドECDは、そのようなトランスメンブレン及び/又は細胞
質ドメインの1%以内を有するであろうし、好ましくはそのようなドメインの0
.5%以内を有するであろう。本発明のPROポリペプチド用に同定した何れか
のドメインが疎水性ドメインのそのタイプを同定するために当該分野で通常利用
される基準に従って同定されることが理解されるであろう。トランスメンブレン
ドメインの正確な境界は、変化し得るが、しかし初めに同定したようなドメイン
のいずれか一方の末端で約5アミノ酸以下が最もありそうに思われる。
【0097】 「PROポリペプチド変異体」は、ここに記載した全長天然配列PROポリペ
プチド配列と少なくとも約80%アミノ酸配列同一性を有する上述の或いは後述
の活性PROポリペプチドを意味する。そのようなPROポリペプチド変異体は
、例えば、1以上のアミノ酸残基がその全長天然アミノ酸配列のPROポリペプ
チドのN又はC末端で付加され、或いは欠失されるPROポリペプチドを含む。
通例、PROポリペプチド変異体は、ここに記載した全長天然アミノ酸配列のア
ミノ酸配列と少なくとも約80%アミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくと
も約85%アミノ酸配列同一性、更により好ましくは少なくとも約90%アミノ
酸配列同一性、更により好ましくは少なくとも約95%アミノ酸配列同一性、最
も好ましくは少なくとも約99%配列同一性を有するであろう。
【0098】 PRO243変異体に関して、語句「PRO243変異体」は、(a)その天
然シグナル配列を持つ又は無しのPRO243ポリペプチドをコードしているD
NA分子、又は(b)(a)のDNA分子の相補体に対して少なくとも約80%
アミノ酸配列同一性を有する後述した活性PRO243を意味する。特有な実施
態様において、PRO243変異体は、全長天然配列PRO243についての図
4(配列番号:7)に示した推定アミノ酸配列を有するPRO243と少なくと
も約80%アミノ酸配列相同性を有する。そのようなPRO243変異体は、例
えば、図4(配列番号:7)の配列のN或いはC末端で1以上のアミノ酸残基が
付加、又は欠失されるPRO243ポリペプチドを含む。好ましくは、核酸或い
はアミノ酸配列同一性は、少なくとも約85%、より好ましくは少なくとも約9
0%、さらにより好ましくは少なくとも95%である。
【0099】 ここで同定したPROポリペプチド配列に関して「パーセント(%)アミノ酸
配列同一性」は、必要であれば、最大パーセント配列同一性を達成するために、
その配列のアライニング及びギャップ導入後、特異的PROポリペプチド配列中
のアミノ酸残基と同一である候補配列中のアミノ酸残基のパーセンテージとして
定義され、且つ配列同一性の一部としていずれの保存的置換も考慮しない。パー
セントアミノ酸配列同一性を決定する目的のためのアライメントは、例えば、B
LAST,BLAST-2,ALIGN又はMegalign(DNASTAR )ソフトウェアのような公的に利用可能なコンピューターソフトウェアを用いて
、当業者の範囲内である各種の手法で達成することができる。好適なソフトウェ
アアライメントプログラムは、BLASTである。当業者であれば、比較するべ
き配列の全長にわたり最大のアライメントを達成するために必要とされるいずれ
のアルゴリズムをも含む、アライメントを測定するための適切なパラメーターを
決定することができる。
【0100】 ここで同定した、PRO-コード核酸配列に関して「パーセント(%)核酸配 列同一性」は、必要であれば、最大パーセント配列同一性を達成するために、そ
の配列のアライニング及びギャップ導入後、興味あるPRO核酸配列中のヌクレ
オチドと同じである候補配列中のヌクレオチドのパーセンテージとして定義され
る。パーセント核酸配列同一性を決定する目的のためのアライメントは、例えば
、BLAST,BLAST-2,ALIGN又はMegalign(DNAST AR)ソフトウェアのような公的に利用可能なコンピューターソフトウェアを用
いて、当業者の範囲内である各種の手法で達成することができる。当業者であれ
ば、比較するべき配列の全長にわたり最大のアライメントを達成するために必要
とされるいずれのアルゴリズムをも含む、アライメントを測定するための適切な
パラメーターを決定することができる。
【0101】 ここに開示した各種ポリペプチドを記述するために用いる場合、「単離した」
とは、その天然環境の成分から同定及び分離及び/又は回収されているポリペプ
チドを意味する。その天然環境の不純成分は、そのペプチドの診断的又は治療的
な使用を典型的に妨害するであろう材料であり、酵素、ホルモン、及び他のタン
パク様又は非タンパク様溶質を含む。好適な実施態様において、該ポリペプチド
は、(1)スピニングカップ配列決定装置の使用によってN末端の少なくとも1
5残基或いは内部アミノ酸配列を得るために十分な度合まで、又は(2)クマシ
ーブルー又は、好ましくは銀染色を用いた非還元又は還元条件下でSDS-PA GEによって均質となるまで、精製されるであろう。単離したポリペプチドは、
PROポリペプチド天然環境の成分の少なくとも一つが存在しないであろうこと
から、組換え細胞内の原位置のポリペプチドを含む。通常、しかしながら、単離
したポリペプチドは、少なくとも一の精製工程によって作製されるだろう。
【0102】 「単離した」PROポリペプチド-コード核酸分子は、PROポリペプチド核 酸の天然供給源に普通に結合されることによって少なくとも一の不純核酸分子か
ら同定され且つ分離される核酸分子である。単離したPROポリペプチド核酸分
子は、天然で見出される形態又はセッティング以外のものである。単離したPR
Oポリペプチド核酸分子は、従って、それが天然細胞に存在するような特異的P
ROポリペプチド核酸分子と区別される。しかしながら、単離したPROポリペ
プチド核酸分子は、例えばその核酸分子が天然細胞のそれと異なる染色体配置中
にある場合、PROポリペプチドを普通に発現する細胞中に含んだPROポリペ
プチド核酸分子を含む。
【0103】 用語「制御配列」は、特有な宿主生体中の操作可能に結合したコード配列の発
現のために必要なDNA配列に関する。原核生物のために好適な制御配列は、例
えば、プロモーター、任意にオペレーター配列、及びリボソーム結合部位を含む
。真核生物細胞は、プロモーター、ポリアデニル化シグナル、及びエンハンサー
を用いることが知られる。
【0104】 核酸は、それが別の核酸配列との機能的関係に置かれる場合「操作可能に結合
(operably linked)」される。例えば、予備配列決定又は分泌リーダーのための DNAは、もしそれが該ポリペプチドの分泌に参与するプレタンパク質として発
現されるならば、ポリペプチド用のDNAに操作可能に結合される;プロモータ
ーとエンハンサーは、もしそれが該配列の転写に影響を及ぼすならば、コード化
配列に操作可能に結合される;又はリボソーム結合部位は、もしそれが翻訳を促
進するように配置されるならば、コード配列に操作可能に結合される。一般に「
操作可能に結合」は、結合されるそのDNA配列が隣接され、且つ分泌リーダー
のケースにおいては隣接し且つリーディング相中にあることを意味する。しかし
ながら、エンハンサーは隣接されない。結合は、利便的な制限部位での結紮によ
って達成される。もしそのような部位が存在しないならば、合成オリゴヌクレオ
チドアダプター又はリンカーが通常の実施に従って使用される。
【0105】 用語「抗体」は、最も広い認識で用いられ、単純な抗-PROポリペプチド、 モノクローナル抗体(アゴニスト、アンタゴニスト、及び中和抗体を含む)、及
びポリエピトピック特異性を持つ抗-PROポリペプチド抗体組成物を明確にカ バーする。ここで用いた用語「モノクローナル抗体」は、実質上均一な抗体の集
団から得られた抗体、即ちその集団に含まれる個別の抗体が少量で存在し得る自
然発生変異の可能性を除いて同一であることに関する。
【0106】 ここで意図する「活性な」又は「活性」は、特異的な天然又は天然発生PRO
ポリペプチドの生物学的及び/又は免疫学的活性を保持するPROポリペプチド
の形態に関する。PRO243によって示された通り、好適な活性は、コルディ
ン(chordin)の活性に結合する及び影響を及ぼす、例えば阻止する又はその他の 調整をするための能力であり、その活性は、好ましくは脊索(notochord)の調節 と筋肉形成を含む。
【0107】 「治療」又は「治療する」は、治療的処置及び予防又は予防的手段の両方に関
する。治療の必要なそれらは、疾患に既にかかっている、同じくその疾患が予防
するべきものであるそれらの疾患を有する傾向にあるそれらを含む。
【0108】 治療の目的のための「哺乳動物」は、ヒト、家畜及び農業用動物、及び動物園
の、スポーツの又は愛玩用動物を含み、例えばヒツジ、イヌ、ウマ、ネコ、ウシ
などの、哺乳動物として分類される何れかの動物に関する。好ましくは、ここで
の哺乳動物はヒトである。
【0109】 ここで用いたような「担体」は、用いる用量と濃度でそれにさらされる細胞又
は哺乳動物に無毒である、薬学上許容される担体、賦形剤、又は安定化剤を含む
。しばしば生理学上許容される担体は、pH緩衝化水溶液である。生理学上許容
される担体の例は、リン酸塩、クエン酸塩及び他の有機酸のような緩衝液;アス
コルビン酸を含む酸化防止剤;低分子量(約10分子以下)ポリペプチド;血清
アルブミン、ゼラチン、又は免疫グロブリンのようなタンパク質;ポリビニルピ
ロリドンのような親水性ポリマー;グリシン、グルタミン、アスパラギン、アル
ギニン又はリシンのようなアミノ酸;グルコース、マンノース、又はデキストリ
ンを含むモノサッカリド、ジサッカリド、及び他の炭水化物;EDTAのような
キレート化剤;マンニトール又はソルビトールのような糖アルコール;ナトリウ
ムのような塩形成カウンターイオン;及び/又はTWEENTM、ポリエチレングリコ ール(PEG)、およびPLURONICSTMのような非イオン性界面活性剤を含む。
【0110】 用語「アゴニスト」は、本発明の天然PROポリペプチドのペプチド及び非- ペプチド類似物(天然PROポリペプチドは、pro-PROポリペプチド、pre-P
ROポリペプチド、prepro-PROポリペプチド、又は成熟PROポリペプチド に関する)に関するとして及びそれが天然PROポリペプチドの少なくとも1の
生物学的活性を保持するという条件で、そのようなPROポリペプチドに特異的
に結合する抗体に関して用いられる。好ましくは、本発明のアゴニストは、天然
PROポリペプチドの少なくとも1の性質上の結合認識特性及びレセプター活性
化特性を保持する。
【0111】 用語「アンタゴニスト」は、本発明の天然PROポリペプチドの生物学的活性
を阻害する分子に関し、ここでの天然PROポリペプチドは、pro-PROポリペ
プチド、pre-PROポリペプチド、prepro-PROポリペプチド、又は成熟PR Oポリペプチドに関する。好ましくは、ここでのアンタゴニストは、結合パート
ナーに対する本発明の天然PROポリペプチドの結合を阻害する。PROポリペ
プチド「アンタゴニスト」は、PROアンタゴニストエフェクター機能を妨害す
る又は干渉する分子である(例えば、PROポリペプチドによるPROポリペプ
チドレセプターの結合及び/又は活性化を妨害又は干渉する分子)。そのような
分子は、例えば、試験アンタゴニスト分子の存在及び不在において天然PROポ
リペプチドの結合をモニタリングすることによってPROポリペプチドレセプタ
ー活性化を競合的に阻害するその能力によってスクリーンすることができる。本
発明のアンタゴニストはまた、PROポリペプチド遺伝子に対するアンチセンス
ポリヌクレオチドも包含し、アンチセンスポリヌクレオチドがPROポリペプチ
ド遺伝子の転写又は翻訳を阻止し、それによってその発現と生物学的活性を阻害
する。
【0112】 「ストリンジェント条件」は、(1)洗浄のための低いイオン強度と高温を使
う、例えば50℃で0.015Mの塩化ナトリウム/0.0015Mのクエン酸ナトリウム/0
.1%ドデシル硫酸ナトリウム;(2)ハイブリダイゼーションの間にホルムアミ ドのような変性剤を使う、例えば42℃で、0.1%ウシ血清アルブミンとともに50
%(vol/vol)ホルムアミド/0.1%のFicoll/0.1%ポリビニルピロリドン/750mMの 塩化ナトリウム、75mMのクエン酸ナトリウムを伴う50mMのリン酸ナトリウム緩衝
液、pH6.5を用いることを意味する。別な実例は、0.2xSSCと0.1%のSDS中42℃ での洗浄と共に、42℃で50%ホルムアミド、5xSSC(0.75MのNaCl、0.075M クエン酸ナトリウム)、50mMのリン酸ナトリウム(pH6/8)、0.1%ピロリン酸ナト リウム、5xデンハード溶液、音波処理したサケ精子DNA(50μg/ml)、0.1%S
DS、及び10%デキストラン硫酸の使用である。更に別な実例は、55℃で10%デ
キストリン硫酸の緩衝液、2xSSC(塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム)と50%
ホルムアミドを用いたハイブリダイゼーション、続いて55℃でEDTA含有0.
1xSSCからなる高ストリンジェント洗浄である。
【0113】 「中等度にストリンジェントな条件」は、Sambrookら、上記、に記載され、且
つ上述したよりも、より劣る洗浄液とハイブリダイゼーション条件(例えば、温
度、イオン強度、及び%SDS)の使用を含む。中等度にストリンジェントな条
件の実例は、20%ホルムアミド、5xSSC(150mMのNaCl、15mMのクエン酸三ナト
リウム)、50mMのリン酸ナトリウム(pH7.6)、5xデンハード溶液、10%デキスト ラン硫酸、及び20mg/mLの変性し切断したサケ精子DNAを含む溶液中37℃で 一晩のインキュベーション、続いて約37-50℃で1xSSC中で該フィルターの洗浄、
のような条件である。熟達した研究者であれば、プローブ長などのようなファク
ターを調整するために必要な、温度、イオン強度などをどのように調節するかを
認識するであろう。
【0114】 「サザン分析」又は「サザンブロッティング」は、DNA又はDNA含有組成
物の制限エンドヌクレアーゼ消化においてDNA配列の存在が、既知の標識した
オリゴヌクレオチド又はDNAフラグメントへのハイブリダイゼーションによっ
て確認される方法である。サザン分析は、典型的に、アガロースゲル上でのDN
A消化物の電気泳動分離、電気泳動分離後のDNAの変性、及びSambrookら、Mo
lecular Cloning: A Laboratory Manual(New York: Cold Spring Harbor Labora
tory Press, 1989)のセクション9.37-9.52に記載されたような、放射性標識した
、ビオチン化した、又は酵素標識したプローブによる、ニトロセルロース、ナイ
ロン又は分析用に好適な別の膜への該DNAの転移を含む。
【0115】 「ノーザン分析」又は「ノーザンブロッティング」は、オリゴヌクレオチド、
DNAフラグメント、cDNA又はそのフラグメント、又はRNAフラグメント
のような既知のプローブにハイブリダイズするRNA配列を同定するために用い
る方法である。そのプローブは、32Pのような放射性同位体、又はビオチン化に
よって、又は酵素によって標識される。分析するべきRNAは、アガロース又は
ポリアクリルアミドゲル上で普通に電気泳動的に分離され、ニトロセルロース、
ナイロン、又は他の適当な膜に転移し、さらにSambrookら、上記、のセクション
7.39-7.52中に記載されたそれらのような当該分野で周知の標準技術を用いて、 該プローブとハイブリダイズされる。
【0116】 II.本発明の組成物と方法 1.全長PRO241ポリペプチド 本発明は、PRO241と本出願中で称したポリペプチドをコードしている新
たに同定及び単離したヌクレオチド配列を提供する。特に、本出願人は、後述す
る実施例で更に詳細に記載したように、PRO241ポリペプチドをコードして
いるcDNAを同定及び単離している。BLAST及びFastA配列アライメ
ントコンピュータプログラムを用いて、本出願人は、PRO241ポリペプチド
の部分が各種のビグリカンタンパク質と顕著な相同性を有することを知見した。
従って、本出願中に開示したPRO241ポリペプチドは、新たに同定されたビ
グリカン同族体ポリペプチドであり、且つビグリカンタンパク質の典型的な活性
を所有し得るということをここに確信した。
【0117】 2.全長PRO243ポリペプチド 本発明は、PRO243と本出願中で称したポリペプチドをコードしている新
たに同定及び単離したヌクレオチド配列を提供する。特に、本出願人は、後述す
る実施例で更に詳細に記載したように、PRO243ポリペプチドをコードして
いるcDNAを同定及び単離している。BLAST及びFastA配列アライメ
ントコンピュータプログラムを用いて、本出願人は、全長天然配列PRO243
(図4及び配列番号:7に示した)が、アフリカツメガエル及びXenopusコルデ ィン(chordin)と50%アミノ酸配列同一性を、及びラットコルディン(chordin)
と77%相同性を有することを知見した。従って、本出願中に開示したPRO2
43ポリペプチドは、コルディン(chordin)タンパク質ファミリーの新たに同定 されたメンバーであり、且つ脊索に影響を及ぼすとともに中胚葉の背方化(dorsa
lization)による筋肉形成の能力を所有し得るということをここに確信した。
【0118】 3.全長PRO299ポリペプチド 本発明は、PRO299と本出願中で称したポリペプチドをコードしている新
たに同定及び単離したヌクレオチド配列を提供する。特に、本出願人は、後述す
る実施例で更に詳細に記載したように、PRO299ポリペプチドをコードして
いるcDNAを同定及び単離している。BLAST及びFastA配列アライメ
ントコンピュータプログラムを用いて、本出願人は、PRO299ポリペプチド
の各部が、切痕(notch)タンパク質と顕著な相同性を有することを知見した。従 って、本出願中に開示したPRO299ポリペプチドは、切痕タンパク質の新た
に同定されたメンバーであり、且つ切痕タンパク質ファミリーの典型的なシグナ
リング特性を所有し得るということをここに確信した。
【0119】 4.全長PRO323ポリペプチド 本発明は、PRO323と本出願中で称したポリペプチドをコードしている新
たに同定及び単離したヌクレオチド配列を提供する。特に、本出願人は、後述す
る実施例で更に詳細に記載したように、PRO323ポリペプチドをコードして
いるcDNAを同定及び単離している。BLAST及びFastA配列アライメ
ントコンピュータプログラムを用いて、本出願人は、PRO323ポリペプチド
の各部が、各種のジペプチダーゼタンパク質と顕著な相同性を有することを知見
した。従って、本出願中に開示したPRO323ポリペプチドは、ジペプチダー
ゼ活性を有する新たに同定されたジペプチダーゼ同族体であるということをここ
に確信した。
【0120】 5.全長PRO327ポリペプチド 本発明は、PRO327と本出願中で称したポリペプチドをコードしている新
たに同定及び単離したヌクレオチド配列を提供する。特に、本出願人は、後述す
る実施例で更に詳細に記載したように、PRO327ポリペプチドをコードして
いるcDNAを同定及び単離している。BLAST及びFastA配列アライメ
ントコンピュータプログラムを用いて、本出願人は、PRO327ポリペプチド
の部分が、各種のプロラクチンレセプタータンパク質と顕著な相同性を有するこ
とを知見した。従って、本出願中に開示したPRO327ポリペプチドは、新た
に同定されたプロラクチンレセプター同族体であり、且つプロラクチンレセプタ
ータンパク質の典型的な活性を有するということをここに確信した。
【0121】 6.全長PRO233ポリペプチド 本発明は、PRO233と本出願中で称したポリペプチドをコードしている新
たに同定及び単離したヌクレオチド配列を提供する。特に、本出願人は、後述す
る実施例で更に詳細に記載したように、PRO233ポリペプチドをコードして
いるcDNAを同定及び単離している。BLAST及びFastA配列アライメ
ントコンピュータプログラムを用いて、本出願人は、PRO233ポリペプチド
の部分が、各種の還元酵素タンパク質と顕著な相同性を有することを知見した。
本出願人はまた、PRO233をコードしているDNAが、線虫(Caenorhabditi
s elegans)からのタンパク質と顕著な相同性を有することも見出した。従って、
本出願中に開示したPRO233ポリペプチドは、還元酵素ファミリーの新たに
同定されたメンバーであり、且つ還元酵素ファミリーの典型的な細胞の酸化還元
状態に影響を及ぼす能力を所有するということをここに確信した。
【0122】 7.全長PRO344ポリペプチド 本発明は、PRO344と本出願中で称したポリペプチドをコードしている新
たに同定及び単離したヌクレオチド配列を提供する。特に、本出願人は、後述す
る実施例で更に詳細に記載したように、PRO344ポリペプチドをコードして
いるcDNAを同定及び単離している。BLAST及びFastA配列アライメ
ントコンピュータプログラムを用いて、本出願人は、PRO344ポリペプチド
の部分が、ヒトとマウスの補体タンパク質(complement proteins)と顕著な相同 性を有することを知見した。従って、本出願中に開示したPRO344ポリペプ
チドは、補体ファミリーの新たに同定されたメンバーであり、且つタンパク質の
補体ファミリーに典型的な炎症プロセスに影響を及ぼす能力を所有するというこ
とをここに確信した。
【0123】 8.全長PRO347ポリペプチド 本発明は、PRO347と本出願中で称したポリペプチドをコードしている新
たに同定及び単離したヌクレオチド配列を提供する。特に、本出願人は、後述す
る実施例で更に詳細に記載したように、PRO347ポリペプチドをコードして
いるcDNAを同定及び単離している。BLAST及びFastA配列アライメ
ントコンピュータプログラムを用いて、本出願人は、PRO347ポリペプチド
の部分が、各種のシステイン-富分泌タンパク質(cysteine-rich secretory prot
eins)と顕著な相同性を有することを知見した。従って、本出願中に開示したP RO347ポリペプチドは、新たに同定されたシステイン-富分泌タンパク質で あり、且つシステイン-富分泌タンパク質ファミリーの典型的な活性を所有し得 るということをここに確信した。
【0124】 9.全長PRO354ポリペプチド 本発明は、PRO354と本出願中で称したポリペプチドをコードしている新
たに同定及び単離したヌクレオチド配列を提供する。特に、本出願人は、後述す
る実施例で更に詳細に記載したように、PRO354ポリペプチドをコードして
いるcDNAを同定及び単離している。BLAST及びFastA配列アライメ
ントコンピュータプログラムを用いて、本出願人は、PRO354ポリペプチド
の部分が、インター-アルファ-トリプシンインヒビター重鎖タンパク質と顕著な
相同性を有することを知見した。従って、本出願中に開示したPRO354ポリ
ペプチドは、新たに同定されたインター-アルファ-トリプシンインヒビター重鎖
タンパク質ということをここに確信した。
【0125】 10.全長PRO355ポリペプチド 本発明は、PRO355と本出願中で称したポリペプチドをコードしている新
たに同定及び単離したヌクレオチド配列を提供する。特に、本出願人は、後述す
る実施例で更に詳細に記載したように、PRO355ポリペプチドをコードして
いるcDNAを同定及び単離している。BLAST及びFastA配列アライメ
ントコンピュータプログラムを用いて、本出願人は、PRO355ポリペプチド
の各部が、CRTAMタンパク質と顕著な相同性を有することを知見した。本出
願人はまた、PRO355ポリペプチドをコードしているDNAが、胸腺細胞活
性化及び発育タンパク質、H20Aレセプター、H20Bレセプター、ポリオウ
イルスレセプター及びオナガザル(Cercopithecus aethiops)AGMデルタ1タ ンパク質との相同性を有することも見出している。従って、本出願中に開示した
PRO355ポリペプチドは、CRTAMタンパク質ファミリーの新たに同定さ
れたメンバーであるということをここに確信した。
【0126】 11.全長PRO357ポリペプチド 本発明は、PRO357と本出願中で称したポリペプチドをコードしている新
たに同定及び単離したヌクレオチド配列を提供する。特に、本出願人は、後述す
る実施例で更に詳細に記載したように、PRO357ポリペプチドをコードして
いるcDNAを同定及び単離している。BLAST及びFastA配列アライメ
ントコンピュータプログラムを用いて、本出願人は、PRO357ポリペプチド
の各部が、インスリン様成長因子の酸不安定サブユニットと顕著な相同性を有す
ることを知見した。本出願人はまた、DNA44804-1248の非コード領 域が、WO95/14772中に記載されたヒト遺伝子サイン(human gene sign
ature)と整列(align)することも見出している。本出願人はさらに、DNA44 804-1248の非コード領域が、DeuringとDoerfler,Gene,26:283-289(1983)
中に記載されたアデノウイルス型1/2一組換えウイルスDNAと整列することを 見出している。コード領域相同性に基づいて、本出願中に開示したPRO357
ポリペプチドは、タンパク質のロイシン富繰り返しファミリー(leucine rich re
peat family)の新たに同定されたメンバーであり、且つ特に、インスリン様成長
因子の酸不安定サブユニットに関連付けられるということをここに確信した。そ
れだけでPRO357は、結合メカニズムに含まれ、且つ複合体の一部であろう
と思われる。
【0127】 12.全長PRO715ポリペプチド 本発明は、PRO715と本出願中で称したポリペプチドをコードしている新
たに同定及び単離したヌクレオチド配列を提供する。特に、本出願人は、後述す
る実施例で更に詳細に記載したように、PRO715ポリペプチドをコードして
いるcDNAを同定及び単離している。BLAST及びFastA配列アライメ
ントコンピュータプログラムを用いて、本出願人は、PRO715ポリペプチド
の各部が、タンパク質の腫瘍壊死ファミリーの各種のメンバーと顕著な相同性を
有することを知見した。従って、本出願中に開示したPRO715ポリペプチド
は、タンパク質の腫瘍壊死因子の新たに同定されたメンバーであるということを
ここに確信した。
【0128】 13.全長PRO353ポリペプチド 本発明は、PRO353と本出願中で称したポリペプチドをコードしている新
たに同定及び単離したヌクレオチド配列を提供する。特に、本出願人は、後述す
る実施例で更に詳細に記載したように、PRO353ポリペプチドをコードして
いるcDNAを同定及び単離している。BLAST及びFastA配列アライメ
ントコンピュータプログラムを用いて、本出願人は、PRO353ポリペプチド
の各部が、ヒトとマウスの補体タンパク質(complement proteins)と顕著な相同 性を有することを知見した。従って、本出願中に開示したPRO353ポリペプ
チドは、補体ファミリーの新たに同定されたメンバーであり、且つタンパク質の
補体ファミリーに典型的な炎症プロセスに影響を及ぼす能力を所有するというこ
とをここに確信した。
【0129】 14.全長PRO361ポリペプチド 本発明は、PRO361と本出願中で称したポリペプチドをコードしている新
たに同定及び単離したヌクレオチド配列を提供する。特に、本出願人は、後述す
る実施例で更に詳細に記載したように、PRO361ポリペプチドをコードして
いるcDNAを同定及び単離している。BLAST及びFastA配列アライメ
ントコンピュータプログラムを用いて、本出願人は、PRO361ポリペプチド
の各部が、ムチンとキチナーゼタンパク質と顕著な相同性を有することを知見し
た。従って、本出願中に開示したPRO361ポリペプチドは、ムチン及び/又
はキチナーゼタンパク質の新たに同定されたメンバーであり、且つムチンとキチ
ナーゼタンパク質のそれぞれに典型的な癌、植物病原性又はレセプター機能と関
係付けできるということをここに確信した。
【0130】 15.全長PRO365ポリペプチド 本発明は、PRO365と本出願中で称したポリペプチドをコードしている新
たに同定及び単離したヌクレオチド配列を提供する。特に、本出願人は、後述す
る実施例で更に詳細に記載したように、PRO365ポリペプチドをコードして
いるcDNAを同定及び単離している。BLAST及びFastA配列アライメ
ントコンピュータプログラムを用いて、本出願人は、PRO365ポリペプチド
の各部が、ヒト2−19タンパク質と顕著な相同性を有することを知見した。従
って、本出願中に開示したPRO365ポリペプチドは、ヒト2−19タンパク
質ファミリーの新たに同定されたメンバーであるということをここに確信した。
【0131】 16.PROポリペプチド変異体 ここに記載した全長天然配列PROポリペプチドに加えて、PROポリペプチ
ド変異体を調製できることが意図される。PROポリペプチド変異体は、PRO
ポリペプチドDNAに変えられる適切なヌクレオチドを導入することによって、
或いは望まれるPROポリペプチドの合成によって調製することができる。当業
者であれば、アミノ酸変更が、グリコシル化部位の数或いは位置を変更すること
、又は膜固定(membrane anchoring)特性を変更することのような、PROポリペ
プチドの後翻訳処理を変更し得ることを予期するであろう。
【0132】 天然全長配列PROポリペプチドにおける又はここに記載したPROポリペプ
チドの各種ドメインにおける変異は、例えば米国特許第5364934号中に記
載された保存的及び非保存的変異のための何れかの技術とガイドラインとを用い
て行うことができる。変異は、天然配列PROポリペプチドとの比較としてPR
Oポリペプチドのアミノ酸配列における変化に帰結するPROポリペプチドをコ
ードしている1以上のコドンの置換、欠失又は挿入とし得る。任意に、変異は、
PROポリペプチドの1以上のドメインにおいて少なくとも1のアミノ酸と何れ
かの他のアミノ酸との置換によるものである。望まれる活性に不利な影響を与え
ることなしに、アミノ酸残基が挿入され、置換され或いは欠失され得ることの測
定におけるガイダンスは、知られたタンパク質分子に相同なそれと該PROポリ
ペプチドの配列とを比較すること及び高度に相同な領域で作られるアミノ酸配列
変化の数を最小にすることによって見出すことができる。アミノ酸置換は、セリ
ンによるロイシンの置換、即ち保存的アミノ酸置換のような、類似の構造及び/
又は化学特性を有する別なアミノ酸によって1のアミノ酸を置換することの結果
とすることができる。挿入又は欠失は、任意に、1乃至5アミノ酸の範囲内とし
て良い。許容される変異は、該配列中のアミノ酸の挿入、欠失又は置換を系統的
に行うこと及び後述の実施例中に記載したインビトロアッセイにおいて活性につ
いて得られた変異体を試験することによって測定し得る。
【0133】 特有な実施態様において、重要な保存的置換が、好適な置換体の表題の下に表
1中に示される。もしそのような置換が生物学的活性における変化に帰結するの
であれば、より現実的な変化、表1中に示した典型的な置換体、又はアミノ酸分
類に参照して更に後で記載したように導入され且つ生生成物がスクリーンされる
【0134】
【表1】
【0135】 PROポリペプチドの機能或いは免疫学的同一性における実質上の改変は、(
a)その置換の領域中のポリペプチドバックボーンの構造、例えばシート或いは
ヘリックスの立体配座としての、(b)標的部位での該分子の電荷又は疎水性、
又は(c)側鎖の嵩、を維持することについてのその作用において有意に異なる
置換体を選択することによって達成される。自然発生残基は、共通の側鎖特性に
基づいてグループに分けられる: (1)疎水性:ノルロイシン,met,ala,val,leu,ile; (2)中性親水性:cys,ser,thr; (3)酸性:asp,glu; (4)塩基性:asn,gln,his,lys,arg; (5)鎖の方位に影響する残基:gly,pro;及び (6)芳香族性:trp,tyr,phe。
【0136】 非保存性置換は、別なクラスによってこれらのクラスの1のメンバーを交換す
ることを必要とするだろう。そのように置換した残基はまた、保存的置換部位に
、又は、より好ましくは、保持されている(非-保存的)部位にも導入し得る。
【0137】 該変異は、オリゴヌクレオチド介在(部位特異的)変異誘発、アラニンスキャ
ニング、及びPCR変異誘発のような当該分野で周知の方法を用いて作製できる
。部位特異的変異誘発[Carterら、Nucl. Acids Res.,13:4331(1986);Zollerら 、Nucl. Acids Res.,10:6487(1987)]、カセット変異誘導[Wellsら、Gene,34:315
(1985)]、制限選択変異誘導[Wellsら、Philos.Trans.R.Soc.London SerA,317:41
5(1986)]、又は他の周知の技術は、望まれるPROポリペプチド変異体DNAを
製造するためのクローン化DNAで実行できる。
【0138】 スキャニングアミノ酸分析はまた、隣接配列に従って1以上のアミノ酸を同定
するために利用することができる。スキャニングアミノ酸の中で好適なものは、
相対的に小さい、中性アミノ酸である。そのようなアミノ酸は、アラニン、グリ
シン、セリン、及びシステインを含む。アラニンは、それがベータ炭素以外の側
鎖がなく、しかもその変異体の主鎖構造を変更する可能性が少ないため、このグ
ループの中で典型的に好ましいスキャニングアミノ酸である[CunninghamとWells
、Science,244:1081-1085(1989)]。アラニンはまた、それが最も普通のアミノ酸
であるため、典型的に好ましい。さらに、それは埋もれた及び露出した位置の両
方で頻繁に見出される[Creighton,The Proteins(W.H.Freeman & Co.,N.Y.);Chot
hia,J.Mol.Biol.,150:1(1976)]。もしアラニン置換が変異体の要求量を生じない
ならば、アイソテリックアミノ酸を使用することができる。
【0139】 17.PROポリペプチドの修飾 PROポリペプチドの共有結合修飾物は、本発明の範囲内に含まれる。共有結
合修飾の一つのタイプは、選択した側鎖又はNかC末端残基と反応することがで
きる有機誘導化剤によって、PROポリペプチドの標的としたアミノ酸残基を反
応させることを含む。二官能剤による誘導体化は、例えば抗-PROポリペプチ ド抗体を精製するための方法において使用するために水不溶性支持体マトリック
スに又は表面にPROポリペプチドを、及びその反対を架橋するために有用であ
る。普通に使用される架橋剤は、例えば、1,1-ビス(ジアゾアセチル)-2-フェニ ルエタン、グルタルアルデヒド、N-ヒドロキシスクシンイミドエステル、例え ば4-アジドサリチル酸とのエステル、3,3'-ジチオビス(スクシンイミジルプロピ
オナート)のようなジスクシンイミジルエステルを含むホモ二官能イミドエステ ル、ビス-N-マレイミド-1,8-オクタンのような二官能マレイミド、及びメチル-
3-[(p-アジドフェニル)ジチオ]プロピオイミダートのような剤を含む。
【0140】 他の修飾は、グルタミニルとアスパラギニル残基をそれぞれ相当するグルタミ
ルとアスパルチル残基への脱アミド化、プロリンとリシンのヒドロキシル化、セ
リル又はトレオニル残基の水酸基のリン酸化、リシン、アルギニン、及びヒスチ
ジン側鎖のα-アミノ基のメチル化[T.E.Creighton,Proteins: Structure and Mo
lecular Properties,W.H.Freeman & Co.,San Francisco,pp.79-86(1983)]、N末
端アミンのアセチル化、及び何れかのC末端カルボキシル基のアミド化を含む。
【0141】 本発明の範囲内に含まれるPROポリペプチドの共有結合修飾の別なタイプは
、該ポリペプチドの天然グリコシル化パターンを変えることを含む。「天然グリ
コシル化パターンを変える」とは、天然配列PROポリペプチド中で見出される
1以上の炭水化物部分を欠失すること、及び/又は天然配列PROポリペプチド
中に存在しない1以上のグリコシル化部位を加えること、及び/又はグリコシル
化部位に付着した糖残基の比率及び/又は組成を変えることを意味すると、ここ
での目的のために意図される
【0142】 PROポリペプチドへのグリコシル化部位の付加は、アミノ酸配列を変えるこ
とによって達成し得る。その変更は、例えば、天然配列PROポリペプチドへの
1以上のセリン又はトレオニン残基の付加、又はそれによる置換によって作製し
得る(O-結合したグリコシル化部位の場合)。該PROポリペプチドのアミノ 酸配列は、特にコドンが望まれるアミノ酸に翻訳されるであろうようにそれが生
成されるよう、予備選択した塩基で該PROポリペプチドをコードしているDN
Aを変異することによって、DNAレベルでの変更を通して任意に変更し得る。
【0143】 PROポリペプチドポリペプチド上の炭水化物部分の数を増加するための別の
手段は、ポリペプチドへのグリコシドの化学的又は酵素的カップリングによるも
のである。そのような方法は、当該分野において、例えば、1987年9月11日公開 のWO87/05330中に、及びAplinとWriston,CRC Crit.Rev.Biochem.,259
-306頁(1981)中に記載されている。
【0144】 PROポリペプチド上にある炭水化物部分の除去は、化学的又は酵素的に、又
はグリコシル化のための標識として利用されるアミノ酸残基をコードしているコ
ドンの突然変異的置換によって達成し得る。化学的な脱グリコシル化は、当該分
野で周知であるとともに、例えば、Hakimuddinら、Arch.Biochem.Biophys.,259:
52(1987)によって、及びEdgeら、Anal.Biochem.,118:131(1981)によって記載さ れる。ポリペプチド上の炭水化物部分の酵素的な切断は、Thotakuraら、Meth. E
nzymol.,138:350(1987)により記載されたようなエンド-及びエキソ-グリコシダ ーゼの使用によって達成することができる。
【0145】 本発明のPROポリペプチドの共有結合修飾の別なタイプは、米国特許第46
40835;4496689:4301144;4670417;479119
2又は4179337号中に記載される手法において、例えばポリエチレングリ
コール、ポリプロピレングリコール、又はポリオキシアルキレンのような各種の
非タンパク様ポリマーの一つにPROポリペプチドを結合することを含む。
【0146】 本発明のPROポリペプチドはまた、別な、非相同ポリペプチド又はアミノ酸
配列に融合したPROポリペプチドを含むキメラ分子を形成する手法においても
修飾され得る。一つの実施態様において、そのようなキメラ分子は、PROポリ
ペプチドと、抗-標識抗体(anti-tag antibody)が選択的に結合できるエピトープ
を提供する標識ポリペプチドとの融合体を含む。該エピトープ標識は一般に、P
ROポリペプチドのアミノ又はカルボキシ末端に配される。そのようなエピトー
プ-標識形(epitope-tagged forms)の存在は、該標識ポリペプチドに対する抗体 を用いて検出することができる。また、エピトープ標識の提供は、エピトープ標
識に結合する抗-標識抗体又は別なタイプのアフィニティーマトリックスを用い るアフィニティー精製によって容易に精製されるPROポリペプチドを可能にす
る。代わりの実施態様において、該キメラ分子は、PROポリペプチドと、免疫
グロブリンとの又は免疫グロブリンの特有な領域との融合を含み得る。キメラ分
子の二価の形態のために、そのような融合はIgG分子のFc領域までとするこ
とができる。
【0147】 各種の標識ポリペプチドとそのそれぞれの抗体は、当該分野で良く知られる。
実例は、ポリヒスチジン(ポリ-his)又はポリヒスチジングリシン(ポリ-his-gl
y)標識;flu HA標識ポリペプチドとその抗体12CA5[Fieldら、Mol.Cel
l.Biol.,8:2159-2165(1988)];c-myc標識とそれの8F9,3C7,6E1 0,G4,B7,及び9E10抗体[Evanら、Molecular and Cellular Biology,
5:3610-3616(1985)];及び単純ヘルペスウイルス糖タンパク質D(gD)標識 及びその抗体[Paborskyら、Protein Engineering,3(6):547-553(1990)]を含む。
他の標識ポリペプチドは、Flag-ペプチド[Hoppら、BioTechnology,6:1204-1
210(1988)];KT3エピトープペプチド[Martinら、Science,255:192-194(1992)
];α-チューブリンエピトープペプチド[Skinnerら、J.Biol.Chem.,266:15163-1
5166(1991)];及びT7遺伝子10タンパク質ペプチド標識[Lutz-Freyermuthら 、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,87:6393-6397(1990)]を含む。
【0148】 18.PROポリペプチドの調製 以下の記載は、PROポリペプチド核酸を含むベクターによって形質転換した
又はトランスフェクションした細胞を培養することによるPROポリペプチドの
調製に本質的に関する。勿論、それはPROポリペプチドを製造するために利用
し得る、当該分野で周知の方法で代替することが意図される。例えば、PROポ
リペプチド配列、又はその一部は、固相技術を用いて直接ペプチド合成によって
製造して良い[例えば、Stewartら、Solid-Phase Peptide Synthesis,W.H.Freema
n Co.,San Francisco,CA,(1969); Merrifield,J.Am.Chem.Soc.,85:2149-2154(19
63)を参照]。インビトロタンパク質合成は、手動技術を用いて又は自動によって
実施して良い。自動化合成は、例えば、製造者の指示に従ってApplied Biosyste
msペプチドシンセサイザー(Foster City,CA)を用いて達成し得る。PROポリペ
プチドの各部は、別々に化学合成し、全長PROポリペプチドを製造するための
化学的又は酵素的方法を用いて結合して良い。
【0149】 A.PROポリペプチドをコードしているDNAの単離 PROポリペプチドをコードしているDNAは、PROポリペプチドmRNA
を持つとともに、それを検出可能なレベルで発現すると思われる組織から調製し
たcDNAライブラリーから得られる。従って、ヒトPROポリペプチドDNA
は、実施例中に記載したようなヒト組織から調製したcDNAライブラリーから
利便的に得ることができる。PROポリペプチド-コード化遺伝子は、ゲノムラ イブラリーから、或いはオリゴヌクレオチド合成によって得ることもできる。
【0150】 ライブラリーは、興味ある遺伝子又はそれによってコードしたタンパク質を同
定するために設計したプローブ(PROポリペプチドに対する抗体又は少なくと
も約20−80塩基のオリゴヌクレオチドのような)によってスクリーンするこ
とができる。その選択したプローブによるcDNA又はゲノムライブラリーのス
クリーニングは、Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual(New Yo
rk:Cold Spring Harbor Laboratory Press,1989)中に記載されるような標準手法
を用いて処理し得る。望まれるPROポリペプチドをコードしている遺伝子を単
離するための代替手段は、PCR方法論を使用することである[Sambrookら、上 記;Dieffenbachら、PCR Primer:A Laboratory Manual(Cold Spring Harbor Lab
oratory Press,1995)]。
【0151】 後述の実施例は、cDNAライブラリーをスクリーニングするための技術を記
載する。プローブとして選択したオリゴヌクレオチド配列は、擬陽性が最少化さ
れるように十分な長さにすると共に十分に明白なものにすべきである。そのオリ
ゴヌクレオチドは、それがスクリーンするべきライブラリー中のDNAへのハイ
ブリダイゼーションを検出できるように好ましくは標識される。標識化(labelin
g)の方法は、当該分野で周知であり、32P-標識したATPのような放射性標識 、ビオチン化、又は酵素標識を含む。中等度ストリンジェンシー及び高度なスト
リンジェンシーを含むハイブリダイゼーション条件は、Sambrookら、上記、中に
提供される。
【0152】 そのようなライブラリースクリーニング法で同定される配列は、寄託された及
びGenBankのような公共のデータベース又は他のプライベートな配列デー
タベースで利用可能な他の周知の配列と比較し且つアライメントすることができ
る。その分子の定められた領域内の又は全長配列にわたる配列同一性(アミノ酸
又はヌクレオチドレベルでの何れか一方)は、相同性を測定するため各種アルゴ
リズムを利用する、BLAST,ALIGN,DNAstar,及びINHER
ITのようなコンピューターソフトウェアプログラムを用いた配列アラインメン
トを経て決定することができる。
【0153】 タンパク質コード配列を有する核酸は、初めてここに記載した推定アミノ酸配
列を用いて、もし必要なら、プレカーサーを検出する及びcDNAに逆転写され
ていないmRNAの中間体を加工するために、Sambrookら、上記、中に記載した
ような通常のプライマー伸長法を用いて、選択したcDNA又はゲノムライブラ
リーをスクリーニングすることによって得ることができる。
【0154】 B.宿主細胞の選択と形質転換 宿主細胞は、PROポリペプチド作製用にここに記載した発現又はクローニン
グベクターによって形質転換され、そしてプロモーターの誘導、形質転換体の選
択、又は望まれる配列をコードしている遺伝子の増幅のために適切なように修正
した通常の栄養培地中で培養される。培地、温度、pHなどのような培養条件は
、過度の実験なしに熟達した研究者であれば選択することができる。一般に、細
胞培養の生産性を最大化するための原理、プロトコール、及び実践技術は、Mamm
alian Cell Biotechnology: A Practical Approach,M.Butler,ed.(IRL Press,19
91)及びSambrookら、上記、中に見出すことができる。
【0155】 トランスフェクションの方法は、例えば、CaPO4とエレクトロポレーショ ンのように、当業者に周知である。使用される宿主細胞に基づいて、形質転換は
、そのような細胞に対して適切な標準技術を用いて実行される。Sambrookら、上
記、に記載される塩化カルシウムを用いるカルシウム処理、又はエレクトロポレ
ーションは、一般に原核生物又は本質的に細胞壁バリアを含む他の細胞用に使用
される。アグロバクテリウム・チュメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens
)による感染は、Shawら、Gene,23:315(1983)と1989年6月29日に公開されたWO 89/05859によって記載されるようなある種の植物細胞の形質転換のため
に使用される。そのような細胞壁を持たない哺乳動物細胞のためには、Grahamと
van der Eb,Virology,52:456-457(1978)のリン酸カルシウム沈殿法が利用できる
。哺乳動物細胞宿主系形質転換の一般態様は、米国特許第4399216号中に
記載されている。酵母における形質転換は典型的に、Van Solingenら、J.Bact.,
130:946(1977)とHsiaoら、Proc.Natl.Acad.Sci.(USA),76:3829(1979)の方法に従
って行われる。しかしながら、核ミクロ注入、エレクトロポレーション、完全な
細胞と細菌のプロトプラスト融合、ポリカチオン、例えばポリブレン又はポリオ
ルニチン、のような細胞にDNAを導入するための他の方法も使用し得る。哺乳
動物細胞を形質転換するための各種の技術については、Keownら、Methods in En
zymology,185:527-537(1990)とMansourら、Nature,336:348-352(1988)を参照。
【0156】 ここでのベクターにおいてDNAをクローニング又は発現するために好適な宿
主細胞は、原核生物、酵母、又は高等な真核生物を含む。適当な原核生物は、真
性細菌属に制限されることなく、グラム陰性又はグラム陽性生物、例えば大腸菌
のようなエシェリキア属を含む。大腸菌K12株MM294(ATCC 31446);大腸
菌X1776(ATCC 31537);大腸菌W3110株(ATCC 27325);及びK5 77 2(ATCC 53635)のような各種の大腸菌株が公的に利用可能である。他の好適な原
核生物宿主細胞は、例えば大腸菌のようなエシェリキア属、エンテロバクター属
、エルウイニア属、クレブシエラ属、プロテウス属、サルモネラ属、例えばネズ
ミチフス菌、セラティア属、例えば霊菌、及びシゲラ属のような腸内細菌科、同
じくB.スブチリス、B.リケニホルミス(例えば、B.リケニホルミス41P
は1989年4月12日に公開されたDD266710中に開示される)のようなバチ ルス属、緑膿菌のようなシュードモナス属、及びストレプトマイセス属を含む。
大腸菌K12株MM294(ATCC 31446);大腸菌X1776(ATCC 31537);大腸
菌W3110株(ATCC 27325);及びK5 772(ATCC 53635)のような各種の大 腸菌株が公的に利用可能である。これらの例示は、制限のためではなく説明のた
めである。W3110株は、それが組み換えDNA製品発酵のために普通の宿主
株であるために特に好ましい宿主又は親の一つである。好ましくは、該宿主細胞
は、最少量の蛋白分解酵素を分泌する。例えば、W3110株は、完全な遺伝子
型tonAを有する大腸菌W3110株1A2;完全な遺伝子型tonA ptr3を有する 大腸菌W3110株9E4;完全な遺伝子型tonA ptr3 phoA E15 (argF-lac)169
degP ompT kanrを有する大腸菌W3110株27C7(ATCC 55244);完全な遺 伝子型tonA ptr3 phoA E15 (argF-lac)169 degP ompT rbs7 ilvG kanrを有する
大腸菌W3110株37D6;非カナマイシン耐性degT欠失変異を持つ37D6
株である大腸菌W3110株40B4;及び1990年8月7日発行の米国特許第49
46783号中に開示される変異ペリプラズミックプロテアーゼを有する大腸菌
株を含むそのような宿主の実例とともに、該宿主に内因性のタンパク質をコード
している遺伝子中の遺伝的変異をもたらすように修正し得る。或いは、クローニ
ングのインビトロ法、例えばPCR又は他の核酸ポリメラーゼ反応が好適である
【0157】 原核生物に加えて、糸状真菌又は酵母のような真核微生物が、PROポリペプ
チドをコードしている核酸を含むベクターのための適当なクローニング又は発現
宿主である。サッカロミセス・セレビシエは、普通に用いられる下等な真核宿主
微生物である。しかしながら、多数の他の属、種、及び株が普通に利用でき且つ
ここで有用である、例えばシゾサッカロミセス・ポンベ(BeachとNurse, Nature,
290: 140(1981); 1985年5月2日公開のEP139383);クリベロマイセス宿
主(米国特許第4943529号;Fleerら、Bio/Technology, 9:968-975(1991))
例えばK.ラクチス(MW98-8C, CBS683, CBS4574; Louvencourtら、J. Bacteriol
., 737(1983))、K.フラジリス(ATCC 12424)、K.ブルガリクス(ATCC 16045) 、K.ウイッケラミイ(ATCC 24178)、K.ワルチ(ATCC 56500)、K.ドロソフィ
ラルム(ATCC 36906; Van den Bergら、Bio/Technology, 8:135(1990)、K.サー
モトレランス及びK.マキシアヌス;ヤロウィア(EP402226);ピシア・パストリ
ス(EP183070;Sreekrishnaら、J. Basic Microbiol., 28:265-278(1988));カン
ジダ属;トリコデルマ・リーシア(EP244,234);ニューロスポラ・クラシア(Case
ら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 76: 5259-5263(1979));シュヴァニオミセス
属、例えばシュヴァニオミセス・オクシデンタリス(1990年10月31日公開のEP394
538);及び糸状真菌、例えば、ニューロスポラ属、ペニシリウム属、トリポクラ
ディウム属(1991年1月10日公開のWO91/00357)のような、及びアスペルギルス属 宿主、A.ニドランス(Ballanceら、Biochem. Biophys. Res. Commun., 112: 28
4-289(1983); Tilburnら、Gene, 26:205-221(1983); Yeltonら、Proc. Natl. Ac
ad. Sci. USA, 81:1470-1474(1984))及びA.ニガー KellyとHynes, EMBO J., 4
:475-479(1985)。メチロトロピック酵母がここでは好適であり、制限されること
なしに、ハンセヌラ属、カンジダ属、クロエケラ属、ピシア属、サッカロミセス
属、トルロプシス属及びロドトルラ属からなる属から選択されるメタノールで増
殖可能な酵母を含む。酵母のこのクラスの例示である特有の種のリストは、C.An
thony, The Biochemistry of Methylotrophs, 269(1982)中に見出される。
【0158】 グリコシル化PROポリペプチドの発現用に好適な宿主細胞は、多細胞生体か
ら得られる。無脊椎動物細胞の実例は、ショウジョウバエS2とスポドプテラS
f9のような昆虫細胞、同じく植物細胞を含む。有用な哺乳動物宿主細胞系の実
例は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)とCOS細胞を含む。より特有な
例は、SV40によって形質転換したサル腎臓CV1系(COS-7,ATCC CRL 16
51);ヒト胚腎臓系(293又は懸濁培養での増殖用にサブクローンした293細
胞、Grahamら、J.Gen Virol.,36:59(1977));チャイニーズハムスター卵巣細胞/
-DHFR(CHO、UrlaubとChasin,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,77:4216(1980));
マウスセルトーリ細胞(TM4,Mather,Biol.Reprod.,23:243-251(1980));ヒト
肺細胞(W138,ATCC CCL 75);ヒト肝臓細胞(Hep G2, HB 8065);及びマウス
乳癌(MMT 060562, ATCC CCL51)を含む。適切な宿主細胞の選択は、当業者の範囲
内と思われる。
【0159】 C.複製可能ベクターの選択と使用 PROポリペプチドをコードしている核酸(例えば、cDNA又はゲノムDN
A)は、クローニングのため(そのDNAの増幅)又は発現のために複製可能ベ
クターに挿入し得る。各種のベクターが、公的に利用可能である。該ベクターは
、例えば、プラスミド、コスミド、ウイルス粒子、又はファージの形態とし得る
。その適切な核酸配列は、各種の手法によって該ベクター内に挿入し得る。一般
に、DNAは、当該分野で周知の技術を用いて適当な制限エンドヌクレアーゼ部
位に挿入される。ベクター構成要素は、一般に、制限されることなしに、1以上
のシグナル配列、複製の起点、1以上のマーカー遺伝子、エンハンサー要素、プ
ロモーター、及び転写終止配列を含む。これらの1以上の構成要素を含む適当な
ベクターの構築は、熟達した研究者に周知である標準的な結紮技術を利用する。
【0160】 興味あるPROポリペプチドは、直接的にのみならず、シグナル配列又は成熟
タンパク質又はポリペプチドのN末端で特異的切断部位を有する他のポリペプチ
ドとし得る非相同ポリペプチドとの融合ポリペプチドとして組み換えによって製
造し得る。一般に、該シグナル配列は、ベクターの構成要素として良く、又はそ
れはベクターに挿入されるPROポリペプチド-コード化DNAの一部とし得る 。該シグナル配列は、例えばアルカリホスファターゼ、ペニシリナーゼ、lpp
、又は心臓-安定エンテロトキシンIIリーダーのような原核生物のシグナル配列 とし得る。酵母分泌用のシグナル配列は、例えば、酵母インベルターゼリーダー
、アルファ因子リーダー(サッカロミセスとクリベロミセスα因子リーダーを含 む、後者は米国特許第5010182号中に記載される)、又は酸性ホスファタ ーゼリーダー、C.アルビカンスグルコアミラーゼリーダー(1990年4月4日公開 のEP362179)、又は1990年11月15日公開のWO90/13646に記載されたシ グナルとして良い。哺乳動物細胞発現において、哺乳動物シグナル配列は、同じ
又は関連する種の分泌されたポリペプチドからのシグナル配列のようなタンパク
質の直接分泌、同じくウイルス分泌リーダーに使用し得る。
【0161】 発現及びクローニングベクターの両方は、選択した宿主細胞の1以上の中でそ
のベクターの複製を可能にする核酸配列を含む。そのような配列は、各種の細菌
、酵母、及びウイルスについて良く知られている。プラスミドpBR322から
の複製の起点は、大部分のグラム陰性細菌用に好適であり、2μプラスミド起点
は、酵母用に好適であり、且つ各種のウイルス起点(SV40、ポリオーマ、ア デノウイルス、VSV、又はBPV)は、哺乳動物細胞中のクローニングベクタ ーに有用である。
【0162】 発現及びクローニングベクターは、典型的に選択遺伝子、選択可能マーカーと
も言われる、を含むであろう。典型的な選択遺伝子は、(a)抗生物質又は他の
毒素、例えばアンピシリン、ネオマイシン、メトトレキサート、又はテトラサイ
クリンに対する耐性を与える、(b)補充栄養要求性欠如、又は(c)例えばバ
チルス属のD-アラニンラセマーゼをコードしている遺伝子のような、複合培地 から利用可能でない臨界栄養源の供給、のタンパク質をコードする。
【0163】 哺乳動物細胞用の適当な選択マーカーの実例は、DHFR又はチミジンキナー
ゼのような、PROポリペプチド-コード核酸を取り込むための感応細胞の同定 を可能にするそれらである。野生型DHFRが用いられる場合に適当な宿主細胞
は、Urlaubら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,77:4216(1980)によって記載されるよう
に製造され且つ増殖された、DHFR活性が不足したCHO細胞系である。酵母
において使用するために適当な選択遺伝子は、酵母プラスミドYRp7に存在す
るtrp1遺伝子である[Stinchcombら、Nature,282:39(1979);Kingsmanら、Ge
ne, 7:141(1979);Tschemperら、Gene,10:157(1980)]。該trp1遺伝子は、ト
リプトファン中で増殖する能力を欠いた酵母の変異株、例えば、ATCC No.44076 又はPEP4-1用の選択マーカーを提供する[Jones,Genetics,85:12(1977)]。
【0164】 発現及びクローニングベクターは、mRNA合成を導くためのPROポリペプ
チドコード核酸配列に操作可能に結合したプロモーターを通例は含む。各種の可
能性のある宿主細胞によって認識されるプロモーターは周知である。原核生物宿
主で使用するために好適なプロモーターは、β-ラクタマーゼとラクトースプロ モーター系[Changら、Nature,275:615(1978);Goeddelら、Nature,281:544(1979
)]、アルカリホスファターゼ、トリプトファン(trp)プロモーター系[Goeddel, N
ucleic Acids Res.,8:4057(1980); EP36776]、及びtacプロモーターのような
ハイブリッドプロモーター[deBoerら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,80:21-25(1983)
]を含む。細菌系において使用するためのプロモーターは、PROポリペプチド をコードしているDNAに操作可能に結合したShine-Dalgarno(S.D.)配列をも含
むであろう。
【0165】 酵母宿主で使用するために適当なプロモーター配列の実例は、3-ホスホグリ セラートキナーゼ[Hitzemanら、J.Biol.Chem.,255:2073(1980)]又はエノラーゼ 、グリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ、ヘキソキナーゼ、ピルビン 酸デカルボキシラーゼ、ホスホフルクトキナーゼ、グルコース-6-リン酸イソメ ラーゼ、3-ホスホグリセラートムターゼ、ピルビン酸キナーゼ、トリオースホス
フェートイソメラーゼ、ホスホグルコースイソメラーゼ、及びグルコキナーゼの
ような他の解糖酵素[Hessら、J.Adv.Enzyme Reg.,7:149(1968);Holland,Biochem
istry,17:4900(1978)]を含む。
【0166】 増殖状態によって制御される転写の更なる効果を有する誘導可能なプロモータ
ーである、他の酵素プロモーターは、アルコールデヒドロゲナーゼ2、イソシト
クロムC、酸性ホスファターゼ、窒素代謝に関係する分解酵素、メタロチオネイ
ン、グリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ、及びマルトースとガラク トース利用のための応答可能な酵素のプロモーター領域である。酵母発現におけ
る使用のための適当なベクターとプロモーターは、EP73657中に更に記載
される。
【0167】 哺乳動物宿主細胞中のベクターからのPROポリペプチド転写は、例えばポリ
オーマウイルス、鶏痘ウイルス(1989年7月5日公開のUK2211504)、アデ
ノウイルス(アデノウイルス2のような)、ウシパピローマウイルス、鳥類肉腫ウ
イルス、サイトメガロウイルス、レトロウイルス、B型肝炎ウイルス及びシミア
ンウイルス40(SV40)のようなウイルスのゲノムから;非相同哺乳動物プロモー
ター、例えばアクチンプロモーター又は免疫グロブリンプロモーター;及び宿主
細胞系と和合されるそのようなプロモーターを提供する、熱ショックプロモータ
ー、から得られたプロモーターによって制御される。
【0168】 より高等な真核生物によるPROポリペプチドをコードしているDNAの転写
は、ベクターへのエンハンサー配列の挿入によって増加し得る。エンハンサーは
、通常約10から300bpまでのDNAのシス-作用要素であり、その転写を 増加するプロモーターに作用する。多くのエンハンサー配列が哺乳動物から現在
知られている(グロブリン、エラスターゼ、アルブミン、α-フェトタンパク質 、及びインスリン)。典型的に、しかしながら、それは真核生物細胞ウイルスか
らのエンハンサーが使用されるだろう。実例は、複製起点の後の側上のSV40
エンハンサー(bp100−270)、サイトメガロウイルス初期プロモーター
エンハンサー、複製起点の後方上のポリオーマエンハンサー、及びアデノウイル
スエンハンサーを含む。該エンハンサーは、PROポリペプチドコード配列の位
置5’又は3’でベクター内にスプライスされるが、しかし好ましくは該プロモ
ーターから部位5’に配される。
【0169】 真核生物細胞(酵母、カビ、昆虫、植物、動物、ヒト、又は他の多細胞生物か
らの有核細胞)において使用される発現は、転写の終止のため及びmRNAを安
定化するために必要な配列をも含むであろう。そのような配列は普通、真核生物
又はウイルスDNAs又はcDNAsの5’及び時折3’非翻訳領域から利用可
能である。これらの領域は、PROポリペプチドをコードしているmRNAの非
翻訳部分中のポリアデニル化フラグメントとして転写したヌクレオチドセグメン
トを含む。
【0170】 組換え脊椎動物細胞培養におけるPROポリペプチドの合成への適合のために
好適な更に他の方法、ベクター、及び宿主細胞は、Gethingら、Nature,293:620-
625(1981); Manteiら、Nature,281:40-46(1979); EP117060;とEP117058中に記載
される。
【0171】 D.遺伝子増幅/発現の検出 遺伝子増幅/発現は、直接試料で、例えば、ここに提供した配列に基づいて、
適切に標識したプローブを用いて、通常のサザンブロット法、mRNAの転写を
定量するためのノーザンブロット法[Thomas, Proc.Natl.Acad.Sci.USA,77:5201-
5205(1980)]、ドットブロッティング(DNA分析)、又はin situハイブリダイ
ゼーションで測定し得る。あるいは、抗体は、DNA二本鎖、RNA二本鎖、及
びDNA-RNAハイブリッド二本鎖又はDNA-タンパク質二本鎖を含む特異的
二本鎖を認識できるそれを利用し得る。その結果抗体は、標識されて良く、且つ
該アッセイは、その二本鎖がその表面上に二本鎖の形成において、該二本鎖に結
合した抗体の存在が検出できるように表面に結合される場合、実行し得る。
【0172】 あるいは遺伝子発現は、細胞の免疫組織学的染色又は組織切片のような免疫学
的方法及び遺伝子生成物の発現を直接定量するため、細胞培養又は体液のアッセ
イによって測定し得る。流体試料の免疫組織学的染色のために有用な抗体は、モ
ノクローナル又はポリクローナルのいずれかとして良く、また何れの哺乳動物に
おいても作製し得る。利便的に、該抗体は、天然配列PROポリペプチドに対し
て、又はここに提供したDNA配列に基づく合成ペプチドに対して又はPROポ
リペプチドDNAと特異的抗体エピトープをコードしているものと融合した外因
性配列に対して製造し得る。
【0173】 E.ポリペプチドの精製 PROポリペプチドの形成物は、培地又は宿主細胞溶解物から回収し得る。も
し膜に結合しているならば、それは適当な洗剤溶液(例えばTriton-X100)を用い て又は酵素的な切断によってその膜から離すことができる。PROポリペプチド
の発現において用いた細胞は、凍結-融解サイクル、音波処理、機械的粉砕、又 は細胞溶解剤のような各種の物理的化学的手段によって破砕することができる。
【0174】 それは組換え細胞タンパク質又はポリペプチドからPROポリペプチドを精製
するために望まれるであろう。以下の手法は、好適な精製手法の例示である:イ
オン交換カラムでの分画によって;エタノール沈殿;逆相HPLC;シリカでの
又はDEAEのようなカチオン交換樹脂でのクロマトグラフィー;クロマトフォ
ーカシング;SDS-PAGE;硫安沈殿;例えばSEPHADEXTMG-75を用いたゲル 濾過;IgGのような不純物を除去するためのプロテインASEPHAROSETMカラム ;及びPROポリペプチドのエピトープ-標識化形を結合する金属キレート化カ ラム。タンパク質精製の各種の方法を用いて良く、さらにそのような方法は当該
分野で周知であり、且つ、例えば、Deutscher,Methods in Enzymology,182(1990
);及びScopes, Protein Purification: Principles and Practice (Springer-Ve
rlag: New York,1982)中に記載される。選択した精製工程は、例えば使用した生
生成物の及び生産した特有のPROポリペプチドの本質に基づくであろう。
【0175】 19.PROポリペプチドの使用 本発明のPROポリペプチドをコードしているヌクレオチド配列(又はその相
補体)は、染色体及び遺伝子マッピングにおいて、及びアンチセンスRNAとD
NAの生成においてハイブリダイゼーションプローブとしての使用を含む、当該
分野及び分子生物学の分野における各種の適用を有する。PROポリペプチド- コード核酸は、ここに記載した組換え技術によってPROポリペプチドの製造用
にも有用であろう。
【0176】 全長天然配列PROポリペプチド-コード核酸又はその一部は、全長PROポ リペプチド遺伝子を単離するための、或いはPROポリペプチド核酸配列と同一
の望まれる配列を有する、更に他の遺伝子(例えば、PROポリペプチドの天然
発生変異体又は他の種からのPROポリペプチド)を単離するためのcDNAラ
イブラリー用のハイブリダイゼーションプローブとして使用し得る。任意に、該
プローブの長さは、約20乃至約50塩基とされるであろう。該ハイブリダイゼ
ーションプローブは、ここに開示した何れかのDNA分子のヌクレオチド配列か
ら、或いは天然配列PROポリペプチドコード化DNAのプロモーター、エンハ
ンサー要素及びイントロンを含むゲノム配列から得ることができる。例えば、ス
クリーニング法は、約40塩基の選択したプローブを合成するための周知のDN
A配列を用いてPROポリペプチド遺伝子のコード化領域を単離することを含む
であろう。ハイブリダイゼーションプローブは、32P又は35Sのような放射性ヌ
クレオチド、又はアビジン/ビオチン結合系に結合したアルカリホスファターゼ
のような酵素標識を含む、各種の標識によって標識し得る。本発明のPROポリ
ペプチド遺伝子のそれに相補な配列を有する標識化プローブは、プローブをハイ
ブリダイズするそのようなライブラリーのメンバーを決定するためヒトcDNA
、ゲノムDNA、又はmRNAのライブラリーをスクリーンするために使用する
ことができる。ハイブリダイゼーション技術は、後述の実施例中に更に詳細に記
載される。
【0177】 本出願中に開示したESTsは、ここに開示した方法を用いて、プローブと同
様に利用し得る。
【0178】 該プローブはまた、密接に関係したPROポリペプチド配列の同定のための配
列のプールを生成するためのPCR技術においても利用し得る。
【0179】 PROポリペプチドをコードしているヌクレオチド配列はまた、PROポリペ
プチドをコードするその遺伝子のマッピングのため及び遺伝的疾患を持つ個人の
遺伝的分析のためのハイブリダイゼーションプローブを構築するためにも使用で
きる。ここに提供されたヌクレオチド配列は、in situハイブリダイゼーション 、周知の染色体マーカーに対する結合分析、及びライブラリーによるハイブリダ
イゼーションスクリーニングのような周知技術を用い、染色体及び染色体の特有
の領域にマッピングし得る。
【0180】 PROポリペプチド用のコード配列が別なタンパク質に結合するタンパク質を
コードする場合に、該PROポリペプチドは、そのリガンドを同定するためのア
ッセイにおいて使用することができる。同様に、レセプター/リガンド結合相互
作用のインヒビターを同定することができる。そのような結合相互作用に含まれ
たタンパク質はまた、ペプチド又は小分子インヒビター又は結合相互作用のアゴ
ニストをスクリーンするために使用することもできる。スクリーニングアッセイ
は、天然PROポリペプチド又はPROポリペプチド用レセプターの生物学的活
性を模倣するリード化合物を見出すために設計することができる。そのようなス
クリーニングアッセイは、小分子薬剤候補を同定するために特に好適なそれらを
作る、化合物ライブラリーの高スループットスクリーニングに服しやすいアッセ
イを含むであろう。意図される小分子は、合成有機又は無機化合物を含む。該ア
ッセイは、タンパク質-タンパク質結合アッセイ、生化学スクリーニングアッセ イ、免疫アッセイ及び当該分野において十分に特徴付けされる細胞ベースのアッ
セイを含む、各種の方式において実行することができる。
【0181】 PROポリペプチド又は何れかのその修正された形態をコードしている核酸は
、治療的に有効な試薬の開発又はスクリーニングにおいて、その結果有用である
トランスジェニック動物又は「ノックアウト」動物の何れか一方を生産するため
にも使用できる。トランスジェニック動物(例えばマウス又はラット)は、出生
前の、例えば胎児段階で、トランスジーンがその動物に、又はその動物の親に導
入された、トランスジーンを含む細胞を有する動物である。トランスジーンは、
開発するトランスジェニック動物からの細胞のゲノム内に導入されるDNAであ
る。一つの実施態様において、PROポリペプチドをコードしているcDNAは
、PROポリペプチドをコードしているDNAを発現する細胞を含むトランスジ
ェニック動物を生成するために用いた確立した技術及びゲノムの配列に従いPR
OポリペプチドをコードしているゲノムDNAをクローンするため使用すること
ができる。トランスジェニック動物、特にマウス又はラットのような動物を作製
するための方法は、当該分野において通常的になされており、例えば米国特許第
4736866と4870009号中に記載される。典型的に、個々の細胞は、
組織特異的エンハンサーによるPROポリペプチドトランスジーン組み込みのた
めの標的とされるであろう。胎児段階でその動物の生殖細胞系に導入したPRO
ポリペプチドをコードしているトランスジーンのコピーを含むトランスジェニッ
ク動物は、PROポリペプチドをコードしているDNAの増加した発現の作用を
実験するために用いることができる。そのような動物は、例えば、それの過剰発
現と関連した病的状態からの保護を与えることを通して試薬のためのテスター動
物として使用することができる。本発明のこの態様に従い、動物はその試薬で治
療され、その病的状態の可能性のある治療的な介入を示すであろう、該トランス
ジーンを持つ治療しない動物と比べて、病的状態の発生が減じられる。
【0182】 あるいは、「ノックアウト」動物は、該ポリペプチドをコードしている内因性
遺伝子と、該動物の胚細胞に導入した同じポリペプチドをコードしている変更し
たゲノムDNAとの間の相同組換えの結果として、興味あるPROポリペプチド
をコードしている欠陥のある又は変更された遺伝子を有するものを構築すること
ができる。例えば、PROポリペプチドをコードしているcDNAは、確立され
た技術に従い、PROポリペプチドをコードしているゲノムDNAをクローンす
るために用いることができる。PROポリペプチドをコードしているゲノムDN
Aの一部は、欠失されるか、或いはモニター組込みに用いることができる選択可
能なマーカーをコードしている遺伝子のような、別な遺伝子と置換することがで
きる。典型的に、変更していない隣接DNAの数キロ塩基(5’と3’での両方
)は、ベクター中に含まれる[例えば、相同組換えベクターの記載についてのTho
masとCapecchi,Cell,51:503(1987)を参照]。該ベクターは、胚の幹細胞系内に導
入され(例えばエレクトロポレーションで)、内因性DNAで相同的に組み換え
られている導入されたDNAで細胞が選択される[例えば、Liら、Cell,69:915(1
992)を参照]。選択した細胞は、次いで凝集キメラを形成するために動物(例え ばマウス又はラット)の芽細胞に注入される[例えば、Bradley,Teratocarcinoma
s and Embryonic Stem Cells: A Practical Approach,E.J.Robertson,ed.(IRL,O
xford,1987),113-152頁中を参照]。キメラの胚は、適当な偽妊娠メス里親動物に
移植することができ、その胚は「ノックアウト」動物が生成するまで成長させる
。それの生殖細胞における相同的に組換えたDNAを持った子孫は、標準的な技
術によって同定することができ、相同的に組み換えたDNAを含むその動物の全
ての全ての細胞が動物繁殖に使用できる。ノックアウト動物は、例えば、ある種
の病的状態に対して防御するその能力によって及びPROポリペプチドの不在の
ための病的状態のその進行によって特徴付けできる。
【0183】 PROポリペプチドのインビトロ投与が利用される場合、正常な用量は、投薬
のルートに基づいて、約10ng/kgから100mg/kg動物体重又は1日
当たりまで、好ましくは約1μg/kg/日乃至10mg/kg/日に変更し得
る。特有な用量とデリバリーの方法のためのガイダンスは、文献中に提供されて
いる;例えば米国特許第4657760;5206344;又は5225212
号を参照。異なる処方は、一つの器官又は組織を標的化する投与が、例えば別の
器官又は組織のそれとは異なる手法でデリバリーを必要とするであろう異なる治
療用化合物と異なる疾患のために有効となるであろう。
【0184】 PROポリペプチドの徐放性投与がPROポリペプチドの必要とされる何れか
の疾患或いは疾病の治療に好適な放出特性を持つ処方に望まれる場合、PROポ
リペプチドのミクロカプセル化が企図される。遅延した放出用の組換えタンパク
質のミクロカプセル化は、ヒト成長ホルモン(rhGH)、インターフェロン- (rhIFN-)、インターロイキン-2、及びMNrgp120で成功裏に行わ
れている。Johnsonら、Nat.Med.,2:795-799(1996);Yasuda,Biomed.Ther.,27:122
1-1223(1993);Horaら、Bio/Technology,8:755-758(1990);Cleland,"Design and
Production of Single Immunization Vaccines Using Polylactide Polyglycoli
de Microsphere Systems,"in Vaccine Design:The Subunit and Adjuvant Appro
ach,Powell and Newman,eds,(Plenum Press:New York,1995)439-462頁;WO9 7/03692,WO96/40072,WO96/07399;及び米国特許
第5654010号。
【0185】 これらのタンパク質の徐放性処方は、その生物和合性及び広範な生物分解特性
のため、ポリ-乳酸-共グリコール酸(PLGA)を用いて開発された。PLGA
、乳酸及びグリコール酸の分解生成物は、ヒトの体内で迅速に分解できる。その
上、このポリマーの分解は、その分子量と組成に基づいて、数ヶ月から数年まで
調節することができる。Lewis,"Controlled release of bioactive agents from
lactide/glycolide polymer,"in:M.ChasinとR.Langer(Eds.),Biodegradable Po
lymers as Drug Delivery Systems(Marcel Dekker:New York,1990)1-41頁。
【0186】 例えば、85kgの最大体重を持った哺乳動物においてほぼ80g/kg/日の用 量を提供することができる処方のためには、最も多い用量は、1日当たりPRO
ポリペプチドのほぼ6.8mgとされるであろう。この用量レベルを達成するた
めに、最も低いと思われる最初のバースト(<20%)とともに最大と思われる
負荷タンパク質(15-20%w/wPROポリペプチド)を含む徐放性処方が必要である
。1−2週間ミクロ粒子からのPROポリペプチドの継続(ゼロ-オーダー)放 出もまた望まれる。加えて、放出すべき被包化タンパク質は、望まれる放出期間
にわたりその形状及び安定性を維持すべきである。
【0187】 内因性ビグリカンタンパク質のそれに放出される生物学的活性を所有する本発
明のPRO241ポリペプチドは、治療目的のインビボ及びインビトロの両方で
利用し得る。当業者であれば、そのような目的のために本発明のPRO241ポ
リペプチドをどのように利用するかを十分に承知しているであろう。
【0188】 コルディン(chordin)(CHD)は、示差的な顔の特徴(低い前毛髪線、眉毛叢
生症、前傾の外鼻孔、上顎前突症、長い人中、こい口(carp mouth))、出生前又 は出生後の成長遅延、精神遅延及び、しばしば、しかし常時ではない上肢奇形に
よって特徴付けられるコルネリア・ド・ランゲ症候群として知られる異形症候群
のための候補遺伝子である。また、CDLが血小板減少症との関連において存在
するレアケースもある。CDLの遺伝子は、3q26.3(OMIM#122470)への結合によ ってマップされている。初期アフリカツメガエル(early Xenopus)パターン化に おけるXchd(アフリカツメガエルコルディン(Xenopus chordin))包含及び 神経系統発育は、興味のある候補遺伝子中にCHDを作る。CHDは、染色体3
上の適切な領域にマップされる。それはTHPOに非常に密接し、THPOとC
HDの両方を包含する欠失は、血小板減少症と発育異形症のレアケースに帰結で
きる。全成人組織の大部分がCHD発現に対して陰性である顕現したCDのin s
itu分析において、僅かに陽性のシグナルが、長い骨の発育と推定上の成長にお いてCHDを関連させる大腿骨頭と寛骨臼(股関節)との間に形成される発育中
の滑膜性の連結の割線において観測された。そのような機能は、もし混乱したな
らば、成長遅延をもたらすことができる。
【0189】 cDNAから予測したヒトCHDアミノ酸配列は、Xchdに50%同一性(
及び66%保存された)である。4システイン-富ドメイン中の全ての40シス テインが保存される。これらのシステイン富ドメインは、トロンボスポンジン、
プロコラーゲン及びフォン・ビルブラント因子中で観測されたそれらに類似して
いる。Bornstein,P.FASEB J 6:3290-3299(1992);Hunt,L.& Barker,W.Biochem.Bi
ophys.Res.Commun.144:876-882(1987)。
【0190】 ヒトCHD座(ゲノムPRO243)は、ゲノムDNAの9.6kb中に23
エキソンを含む。CpG島は、5’及びエキソン1のほぼ100bp5’で始ま
る5′で配置され、且つ該遺伝子の第1のイントロン内に第1のエキソンと末端
を通して延長される。THPOとCHD配座は、その転写開始部位を分離するほ
ぼ2.2kbの頭−頭(head-to-head)形態で構成される。タンパク質レベルで、
PRO243は、アフリカツメガエルコルディン(Xchd)に51%同一性である。
1のアミノ末端と3のカルボキシ末端システイン-富クラスター中の40システ インの全てが保存される。
【0191】 PRO243は、残基1乃至約23でシグナル配列を有する954アミノ酸ポ
リペプチドである。4のシステインクラスター:(1)残基約51乃至約125
;(2)残基約705乃至約761;(3)残基約784乃至約849;及び(
4)残基約897乃至約931、がある。残基約315乃至約396で潜在ロイ
シンジッパーと、残基217,351,365と434でN-グリコシル化部位 がある。
【0192】 PRO299ポリペプチドと切痕タンパク質に相同性を有するその部分は、イ
ンビボでの治療目的のために、同じく各種の他の適用のために有用となり得る。
新規の切痕タンパク質と関連した分子の同定は、発育に作用するそれらのような
多数のヒトの疾患に関連付けできる。かくして、新規切痕タンパク質と切痕様分
子の同定は、そのようなタンパク質が、各種の異なるヒトの疾患のための潜在的
な治療として奉仕し得るそれにおいて特に重要である。そのようなポリペプチド
はまた、バイオテクノロジーと医学リサーチ同じく各種の工業的な適用において
重要な役割を演じ得る。結果として、PRO299のような新規の分子において
特有な科学的及び医学的な興味がある。
【0193】 1以上の内因性ジペプチダーゼタンパク質のそれに関連した生物学的活性を所
有する本発明のPRO323ポリペプチドは、治療的目的のためにインビボとイ
ンビトロの両方で利用し得る。当業者であれば、そのような目的のために本発明
のPRO323ポリペプチドをどのように利用するか十分に承知しているだろう
【0194】 内因性プロラクチンレセプタータンパク質のそれに関連した生物学的活性を所
有する本発明のPRO327ポリペプチドは、治療的目的のためにインビボとイ
ンビトロの両方で利用し得る。当業者であれば、そのような目的のために本発明
のPRO327ポリペプチドをどのように利用するか十分に承知しているだろう
。プロラクチンに結合する能力を所有するPRO327ポリペプチドは、プロラ
クチンアンタゴニストとしてインビボとインビトロの両方で機能し得る。
【0195】 PRO233ポリペプチドと還元酵素に相同性を有するその部分はまた、イン
ビボでの治療目的のために、同じく各種の他の適用のために有用となり得る。新
規の還元酵素タンパク質と関連した分子の同定は、炎症性疾患、器官不全、アテ
ローム性動脈硬化症、心臓損傷、不妊症、出生時欠損、成熟前老化、AIDS、
癌、糖尿病合併症及び一般の変異のような多数のヒトの疾患に関連付けできる。
多数の疾患プロセスにおいて重要な役割を演じるように思える酸素フリーラジカ
ルと抗酸化剤を与える新規還元酵素タンパク質と還元酵素様分子の同定は、その
ようなタンパク質が、各種の異なるヒトの疾患のための潜在的な治療として奉仕
し得るそれにおいて特に重要である。そのようなポリペプチドはまた、バイオテ
クノロジーと医学リサーチ同じく各種の工業的な適用において重要な役割を演じ
得る。結果として、PRO233のような新規の分子において特有な科学的及び
医学的な興味がある。
【0196】 PRO344ポリペプチドと補体(complement)タンパク質に相同性を有するそ
の部分はまた、インビボでの治療目的のために、同じく各種の他の適用のために
有用となり得る。新規補体タンパク質と関連分子の同定は、免疫系の細胞の炎症
応答に作用するような多数のヒトの疾患に関連付けされる。かくして、新規補体
タンパク質と補体様分子の同定は、そのようなタンパク質が、各種の異なるヒト
の疾患のための潜在的な治療として奉仕し得るそれにおいて特に重要である。そ
のようなポリペプチドはまた、バイオテクノロジーと医学リサーチ同じく各種の
工業的な適用において重要な役割を演じ得る。結果として、PRO344のよう
な新規の分子において特有な科学的及び医学的な興味がある。
【0197】 システイン-富分泌タンパク質のそれに関連した生物学的活性を所有する本発 明のPRO347ポリペプチドは、治療的目的のためにインビボとインビトロの
両方で利用し得る。当業者であれば、そのような目的のために本発明のPRO3
47ポリペプチドをどのように利用するか十分に承知しているだろう。
【0198】 インター-アルファ-トリプシンインヒビタータンパク質の重鎖のそれに関連し
た生物学的活性を所有する本発明のPRO354ポリペプチドは、治療的目的の
ためにインビボとインビトロの両方で利用し得る。当業者であれば、そのような
目的のために本発明のPRO354ポリペプチドをどのように利用するか十分に
承知しているだろう。
【0199】 PRO355ポリペプチドとCRTAMに相同性を有するその部分はまた、イ
ンビボでの治療目的のために、同じく各種の他の適用のために有用となり得る。
T細胞に関連付けられる新規分子の同定は、一般に免疫系に含まれる病状のよう
な多数のヒトの疾患に関連付けられる。多数の疾患プロセスにおいて重要な役割
を演じるCRTAMタンパク質結合抗体を与える、新規CRTAMタンパク質と
CRTAM様分子の同定は、そのようなタンパク質が、各種の異なるヒトの疾患
のための潜在的な治療として奉仕し得るそれにおいて特に重要である。そのよう
なポリペプチドはまた、バイオテクノロジーと医学リサーチ同じく各種の工業的
な適用において重要な役割を演じ得る。結果として、PRO355のような新規
の分子において特有な科学的及び医学的な興味がある。
【0200】 PRO357は、ALSに関してその活性を測定するためにALSとの競合結
合アッセイにおいて使用することができる。その上、PRO357は、より長い
インビボでの半減期を有するものに複合化し得るポリペプチドを延長するかを測
定するためのアッセイにおいて使用することができる。PRO357は、又それ
が相同性を有するカルボキシペプチダーゼとのアッセイにおいて同様に使用する
ことができる。その結果は、それ相応に適用することができる。
【0201】 タンパク質の腫瘍壊死因子ファミリーのそれに関連した生物学的活性を所有す
る本発明のPRO715ポリペプチドは、治療的目的のためにインビボとインビ
トロの両方で利用し得る。当業者であれば、そのような目的のために本発明のP
RO715ポリペプチドをどのように利用するか十分に承知しているだろう。P
RO715ポリペプチドは、それに特異的なレセプターに結合し、それによって
そのようなレセプターを活性化することが予期される。本発明のPRO715ポ
リペプチドの変異体は、その特異的レセプター活性のアゴニスト或いはアンタゴ
ニストとして機能し得る。
【0202】 PRO353ポリペプチドと補体(complement)タンパク質に相同性を有するそ
の部分はまた、インビボでの治療目的のために、同じく各種の他の適用のために
有用となり得る。新規補体タンパク質と関連分子の同定は、免疫系の細胞の炎症
応答に作用するような多数のヒトの疾患に関連付けされる。かくして、新規補体
タンパク質と補体様分子の同定は、そのようなタンパク質が、各種の異なるヒト
の疾患のための潜在的な治療として奉仕し得るそれにおいて特に重要である。そ
のようなポリペプチドはまた、バイオテクノロジーと医学リサーチ同じく各種の
工業的な適用において重要な役割を演じ得る。結果として、PRO353のよう
な新規の分子において特有な科学的及び医学的な興味がある。
【0203】 PRO361ポリペプチドと、ムチン及びキチナーゼタンパク質に相同性を有
するその部分はまた、インビボでの治療目的のために、同じく各種の他の適用の
ために有用となり得る。新規ムチン及びキチナーゼタンパク質と関連分子の同定
は、癌或いは細胞表面分子又はレセプターに含まれるそれらのような多数のヒト
の疾患に関連付けされる。かくして、新規ムチン及びキチナーゼタンパク質の同
定は、そのようなタンパク質が、各種の異なるヒトの疾患のための潜在的な治療
として奉仕し得るそれにおいて特に重要である。そのようなポリペプチドはまた
、バイオテクノロジーと医学リサーチ同じく各種の工業的な適用において重要な
役割を演じ得る。結果として、PRO361のような新規の分子において特有な
科学的及び医学的な興味がある。
【0204】 PRO365ポリペプチドと、ヒト2−19タンパク質に相同性を有するその
部分はまた、インビボでの治療目的のために、同じく各種の他の適用のために有
用となり得る。新規ヒト2−19タンパク質と関連分子の同定は、免疫系の細胞
の結合或いは活性を調節するような多数のヒト疾患に関連付けられる。かくして
、新規ヒト2−19タンパク質とヒト2−19タンパク質様分子の同定は、その
ようなタンパク質が、各種の異なるヒトの疾患のための潜在的な治療として奉仕
し得るそれにおいて特に重要である。そのようなポリペプチドはまた、バイオテ
クノロジーと医学リサーチ同じく各種の工業的な適用において重要な役割を演じ
得る。結果として、PRO365のような新規の分子において特有な科学的及び
医学的な興味がある。
【0205】 20.抗-PROポリペプチド抗体 本発明は、さらに抗-PROポリペプチド抗体を提供する。典型的な抗体は、 ポリクローナル、モノクローナル、ヒト化、二重特異的、及びヘテロ接合抗体を
含む。
【0206】 A.ポリクローナル抗体 本発明の抗-PROポリペプチド抗体は、ポリクローナル抗体を含み得る。ポ リクローナル抗体の製造方法は、熟達した研究者に周知である。ポリクローナル
抗体は、例えば、免疫化剤の、及び望まれるなら、アジュバントとともに1回以
上の注射によって哺乳動物中に生じさせることができる。典型的に、該免疫化剤
及び/又はアジュバントは、多重皮下又は腹腔内注射によって該哺乳動物に注射
されるであろう。該免疫化剤は、PROポリペプチド又はその融合タンパク質を
含み得る。それは、免疫化される哺乳動物において免疫原であることが知られた
タンパク質に対する免疫化剤を接合するために有用となり得る。そのような免疫
原性タンパク質の実例は、制限されることなしに、キーホールリンペットヘモシ
アニン、血清アルブミン、ウシチログロブリン、及びダイズトリプシンインヒビ
ターを含む。利用し得るアジュバントの実例は、フロイント完全アジュバントと
MPL-TDMアジュバント(モノホスホリルリピドA、合成トレハロースジコ リノマイコラート)を含む。該免疫化プロトコールは、過度の実験なしに当業者
によって選択され得る。
【0207】 B.モノクローナル抗体 抗-PROポリペプチド抗体は、それに代えてモノクローナル抗体とし得る。 モノクローナル抗体は、KohlerとMilstein,Nature,256:495(1975)によって記載 されたそれらのようなハイブリドーマ法を用いて作製し得る。ハイブリドーマ法
において、マウス、ハムスター、又は他の適当な宿主動物が、免疫化剤に特異的
に結合するであろう抗体を生成する又は精製することができるリンパ球を引き出
すための免疫化剤によって典型的に免疫化される。あるいは、該リンパ球はイン
ビトロで免疫化し得る。
【0208】 該免疫化剤は、興味あるPROポリペプチド又はその融合タンパク質を典型的
に含むであろう。一般に、もしヒト起源の細胞が望まれるなら末梢血液リンパ球
("PBLs")が使用され、或いは非ヒト哺乳動物源が望まれるなら脾臓細胞又は
リンパ節細胞が用いられる。該リンパ球は、次いでハイブリドーマ細胞を形成す
るために、PEGのような適当な融合化剤を用いて、不朽化細胞系に融合される
[Goding,Monoclonal Antibodies: Principles and Practice,Academic Press,(1
986)59-103頁]。不朽化細胞系は、哺乳類細胞、特に齧歯類の骨髄腫細胞、ウシ 、及びヒト起源が通例形質転換される。通例、ラット又はマウス骨髄腫細胞系が
利用される。該ハイブリドーマ細胞は、融合していない不朽化細胞の増殖又は生
存を阻害する1以上の物質を好ましくは含む適当な培養培地中で培養し得る。例
えば、もしその親細胞が酵素ヒポキサンチン・グアニン・ホスホリボシルトラン
スフェラーゼ(HGPRT又はHPRT)を欠くならば、そのハイブリドーマ用の
培養培地は、HGPRT欠損細胞の増殖を阻害する物質、ヒポキサンチン、アミ
ノプテリン、及びチミジンを典型的に含むであろう(「HAT培地」)。
【0209】 好ましい不朽化細胞系は、十分に融合する、選択した抗体生産細胞によって抗
体の安定な抗レベル発現を支持する、且つそのようなHAT培地のような培地に
感受性であるそれらである。より好ましい不朽化細胞系は、例えば、Salk Insit
ute Cell Distribution Center,San Diego,California,及びAmerican Type Cult
ure Collection,Rockville,Marylandから得ることができるネズミ骨髄腫系であ る。ヒト骨髄腫及びマウス-ヒトヘテロ骨髄腫細胞系はまた、ヒトモノクローナ ル抗体の生産のために記載されている[Kozbor, J.Immunol.,133:3001(1984);Bro
deurら、Monoclonal Antibody Production Techniques and Applications (Marc
el Dekker,Inc.,New York,(1987)51-63頁]。
【0210】 ハイブリドーマが培養される培養培地は、次いで興味あるPROポリペプチド
に対するモノクローナル抗体の存在について測定することができる。好ましくは
、該ハイブリドーマ細胞によって製造されたモノクローナル抗体の結合特異性は
、免疫沈降によって又はラジオイムノアッセイ(RIA)又は酵素免疫吸着測定法
(ELISA)のようなインビトロ結合アッセイによって測定される。そのような
技術と測定法は、当該分野で周知である。該モノクローナル抗体の結合親和性は
、例えば、MunsonとPollard,Anal.Biochem.,107:220(1980)のスキャッチャード 分析によって測定することができる。
【0211】 望まれるハイブリドーマが同定された後、そのクローンは、制限希釈法と標準
法による増殖によってサブクローンし得る[Goding,上記]。この目的のための適 当な培養培地は、例えば、Dulbecco's修正イーグル培地とRPMI-1640培 地を含む。あるいは、該ハイブリドーマ細胞は、哺乳動物中の腹水としてインビ
ボで増殖し得る。
【0212】 サブクローンによって分泌されるモノクローナル抗体は、例えばプロテインA
-Sepharose、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー、ゲル電気泳動、透析、
又はアフィニティークロマトグラフィーのような通常の免疫グロブリン精製法に
よって培地又は腹水液から単離又は精製し得る。
【0213】 モノクローナル抗体はまた、米国特許第4816567号中に記載されるそれ
らのような組換えDNA法によっても作製し得る。本発明のモノクローナル抗体
をコードしているDNAは、通常の手法(例えば、ネズミ抗体の重鎖及び軽鎖を
コードしている遺伝子に特異的に結合できるオリゴヌクレオチドプローブを用い
ることによって)を用いて容易に単離及び配列決定することができる。本発明の
ハイブリドーマ細胞は、そのようなDNAの好ましい供給源として利用される。
一度単離した該DNAは、発現ベクターの中に組み込むことができ、次いで組換
え宿主細胞においてモノクローナル抗体の合成を得るため、他の免疫グロブリン
タンパク質を生産しない類人猿COS細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CH
O)細胞、または骨髄腫細胞のような宿主細胞内にトランスフェクトされる。そ
のDNAはまた、例えば相同ネズミ配列[米国特許第4816567号;Morriso
nら、上記]の代わりにヒト重鎖及び軽鎖定常ドメインのコード化配列で置換する
ことにより、又は非免疫グロブリンポリペプチドのコード化配列の全部又は一部
を免疫グロブリンコード化配列に共有結合接続することによって修正され得る。
そのような非免疫グロブリンポリペプチドは、本発明の抗体の定常ドメインを置
換することができ、又はキメラ二価抗体を創造するように本発明の抗体の1の抗
原結合部位の可変領域と置換することができる。
【0214】 該抗体は、一価抗体とし得る。一価抗体を製造するための方法は、当該分野で
周知である。例えば、一つの方法は、免疫グロブリン軽鎖と修正した重鎖との組
換え発現を含む。該重鎖は、重鎖架橋化を防ぐため、Fc領域中の何れかのポイ
ントで一般に端切りされる。あるいは、関係のあるシステイン残基は、他のアミ
ノ酸残基で置換され又は架橋を防ぐために欠失される。
【0215】 インビトロでの方法はまた、一価抗体を調製するためにも適当である。そのフ
ラグメント、特にFabフラグメントを生産するための抗体の消化は、当該分野
において知られたルーチンの技術を用いて達成することができる。
【0216】 C.ヒト化抗体 本発明の抗-PROポリペプチド抗体は、ヒト化抗体又はヒト抗体をさらに含 む。非ヒト(例えばネズミ)抗体のヒト化形は、キメラ免疫グロブリン、免疫グロ
ブリン鎖、又は非-ヒト免疫グロブリンから得られる最小配列を含むそのフラグ メント(Fv,Fab,Fab',F(ab')2、又は抗体の他の抗原結合配列のような)である。 ヒト化抗体は、レセプターの相補性決定領域(CDR)からの残基が、望まれる
特異性、親和性、及び用量を有する、マウス、ラット、又はウサギのような非- ヒト種(ドナー抗体)のCDRからの残基によって置換されるヒト免疫グロブリン
(レセプター抗体)を含む。いずれかの場合、ヒト免疫グロブリンのFvフレー
ムワーク残基は、相当する非ヒト残基と置換される。ヒト化抗体はまた、該レセ
プター抗体中にも、或いは移入したCDR又はフレームワーク配列中にも見出さ
れない残基を含み得る。一般に、該ヒト化抗体は、非ヒト免疫グロブリンのそれ
に相当するCDR領域の全て又は実質上全て、及びFR領域の全て又は実質上全
てがヒト免疫グロブリン共通配列のそれである可変領域の少なくとも1,及び典
型的には2の実質上全てを含むであろう。ヒト化抗体は、好ましくは免疫グロブ
リン定常領域(Fc)、典型的にはヒト免疫グロブリンのそれの少なくとも部分をも
含むであろう[Jonesら、Nature,321:522-525(1986);Riechmannら、Nature,332:
323-329(1988);及びPresta, Curr.Op.Struct.Biol.,2:593-596(1992)]。
【0217】 非ヒト抗体をヒト化するための方法は、当該分野において周知である。一般に
、ヒト化抗体は、ヒトでない供給源からそれに導入した1以上のアミノ酸残基を
有する。これらの非ヒトアミノ酸残基は、しばしば、「移入」可変領域から典型
的に取られる「移入」残基として関係する。ヒト化は、ヒト抗体の相当する配列
で齧歯類CDRs又はCDR配列を置換することによって、Winterと共同研究者
の方法[Jonesら、Nature 321,522-525(1986);Riechmannら、Nature,332,323-327
(1988);Verhoeyenら、Science 239,1534-1536(1988)]に従い本質的に実行される
。従って、そのような「ヒト化した」抗体は、キメラ抗体であり(米国特許第4
816567号)、完全なヒト可変領域よりも実質上劣るものが非ヒト種からの
相当する配列により置換されている。実際、ヒト化した抗体は幾つかのCDR残
基と可能性のある幾つかのFR残基が齧歯類中の類似部位からの残基によって置
換されたヒト抗体である。
【0218】 ヒト化抗体はまた、ファージディスプレーライブラリーを含む、当該分野で周
知の各種の技術を用いて製造することもできる[HoogenboomとWinter,J.Mol.Biol
.,227:381(1991);Marksら、J.Mol.Biol.,222:581(1991)]。Coleら及びBoerner らの技術はまた、ヒトモノクローナル抗体の調製のためにも利用可能である(Col
eら、Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy,Alan R.Liss,p.77(1985)及び
Boernerら、J.Immunol.,147(1):86-95(1991)]。
【0219】 D.二重特異性抗体 二重特異性抗体は、少なくとも2の異なる抗原に特異的結合性を有する、好ま
しくはヒト又はヒト化したモノクローナル抗体である。本ケースにおいて、特異
的結合性の一つは、PROポリペプチドのためのものであり、他方は、何れかの
他の抗原のためのものであり、好ましくは細胞表面タンパク質又はレセプター又
はレセプターサブユニットのためのものである。
【0220】 二重特異性抗体の製造方法は、当該分野で周知である。従来、二重特異性抗体
の組み換え体生産は、二つの重鎖が異なる特異性を有する場合、二つの免疫グロ
ブリン重鎖/軽鎖ペアの共発現に基づいている[MilsteinとCuello, Nature 305,
537-539(1983)]。免疫グロブリン重鎖と軽鎖の取り合わせがランダムであるため
に、これらのハイブリドーマ(クアドローマ)は、一つのみが正しい二重特異性
構造を有する10の異なる抗体分子の可能性のある混合物が生産される。正しい
分子の精製は、アフィニティークロマトグラフィー工程によって通例は達成され
る。類似の手法は、1993年5月13日公開のWO93/08829中に、及びTraun
eckerら、EMBO J.,10:3655-3659(1991)中に開示される。
【0221】 望まれる結合特異性を持つ抗体可変ドメイン(抗体-抗原結合部位)は、免疫グ ロブリン定常ドメイン配列に融合することができる。その融合は、好ましくはヒ
ンジ、CH2、及びCH3領域の少なくとも一部を含む免疫グロブリン重鎖定常
ドメインを伴う。その融合体の少なくとも一つにおいて存在する軽鎖結合のため
に必要な部位を含む第1の重鎖定常領域(CH1)を有することが好ましい。免疫
グロブリン重鎖融合体、及びもし望むなら、免疫グロブリン軽鎖、をコードして
いるDNAは、別個の発現ベクターに挿入され、且つ適当な宿主生物に共トラン
スフェクトされる。二重特異性抗体を生成するための更なる詳細のために、例え
ば、Sureshら、Methods in Enzymology,121:210(1986)を参照。
【0222】 E.ヘテロ接合抗体 ヘテロ接合抗体もまた、本発明の範囲内である。ヘテロ接合抗体は、共有結合
した二つの抗体から構成される。そのような抗体は、例えば、希望しない細胞に
免疫系細胞を標的化する[米国特許第4676980号]、及びHIV感染の治療
のために提案されている[WO91/00360;WO92/200373;E P03089]。該抗体は、架橋剤が含まれるそれらを含む、合成タンパク質化 学において周知の方法を用いてインビトロで製造し得る。例えば、イムノトキシ
ンは、ジスルフィド交換反応を用いて又はチオエーテル結合を形成することによ
って構築し得る。この目的のための好適な試薬の実例は、イミノチオラートとメ
チル-4-メルカプトブチルイミダート及び米国特許第4676980号中に記載 されるそれらを含む。
【0223】 21.抗-PROポリペプチド抗体の使用 本発明の抗-PROポリペプチド抗体は、各種の有用性を有する。例えば、抗-
PROポリペプチド抗体は、例えば特有の細胞、組織、又は血清におけるその発
現を検出するための、PROポリペプチド用の診断アッセイにおいて使用し得る
。競合結合アッセイ、直接又は間接サンドウィッチアッセイ及び異種又は同種相
で実施される免疫沈降アッセイ[Zola,Monoclonal Antibodies: A Manual of Tec
hniques,CRC Press,Inc.(1987)147-158頁]のような当該分野で周知の各種診断ア
ッセイ技術が使用し得る。診断アッセイにおいて使用した抗体は、検出可能な部
分で標識することができる。該検出可能な部分は、直接又は間接的のいずれか一
方で、検出可能なシグナルをもたらすことができるべきである。例えば、検出可
能な部分は、3H,14C,32P,35S,又は125Iのような放射性同位体、イソチ
オシアン酸フルオレセイン、ローダミン、又はルシフェリンのような蛍光又は化
学発光化合物、又はアルカリホスファターゼ、ベータ-ガラクトシダーゼ又はホ ースラディッシュペルオキシダーゼのような酵素とし得る。該検出可能部分への
抗体の接合のための当該分野で周知のいずれかの方法は、Hunterら、Nature,144
:945(1962);Davidら、Biochemistry,13:1014(1974);Painら、J.Immunol.Meth.,4
0:219(1981);及びNygren,J.Histochem.and Cytochem.,30:407(1982)によって記 載されたそれらの方法を含み、利用し得る。
【0224】 抗-PROポリペプチド抗体はまた、組換え細胞培養又は天然供給源からのP ROポリペプチドのアフィニティー精製に有用である。この方法において、PR
Oポリペプチドに対する抗体は、当該分野で周知の方法を用いて、Sephadex樹脂
又は濾紙のような適当な支持体上に固定化される。固定化した抗体は、次いで精
製するべきPROポリペプチドを含む試料に接触させ、その後該支持体は、PR
Oポリペプチド以外の試料中の実質上全ての材料を除去するであろう適当な溶媒
で洗浄される。最後に、該支持体は、該抗体からPROポリペプチドを放出する
であろう別の適当な溶媒で洗浄される。
【0225】 コルディン(chordin)(CHD)は、示差的な顔の特徴(低い前毛髪線、眉毛叢
生症、前傾の外鼻孔、上顎前突症、長い人中、こい口(carp mouth))、出生前又 は出生後の成長遅延、精神遅延及び、しばしば、しかし常時ではない上肢奇形に
よって特徴付けられるコルネリア・ド・ランゲ症候群として知られる異形症候群
のための候補遺伝子である。また、CDLが血小板減少症との関連において存在
するレアケースもある。CDLの遺伝子は、3q26.3(OMIM#122470)への結合によ ってマップされている。初期アフリカツメガエル(early Xenopus)パターン化に おけるXchd(アフリカツメガエルコルディン(Xenopus chordin))包含及び 神経系統発育は、興味のある候補遺伝子中にCHDを作る。CHDは、染色体3
上の適切な領域にマップされる。それはTHPOに非常に密接し、THPOとC
HDの両方を包含する欠失は、血小板減少症と発育異形症のレアケースに帰結で
きる。全成人組織の大部分がCHD発現に対して陰性である顕現したCDのin s
itu分析において、僅かに陽性のシグナルが、長い骨の発育と推定上の成長にお いてCHDを関連させる大腿骨頭と寛骨臼(股関節)との間に形成される発育中
の滑膜性の連結の割線において観測された。そのような機能は、もし混乱したな
らば、成長遅延をもたらすことができる。
【0226】 cDNAから予測したヒトCHDアミノ酸配列は、Xchdに50%同一性(
及び66%保存された)である。4システイン-富ドメイン中の全ての40シス テインが保存される。これらのシステイン富ドメインは、トロンボスポンジン、
プロコラーゲン及びフォン・ビルブラント因子中で観測されたそれらに類似して
いる。Bornstein,P.FASEB J 6:3290-3299(1992);Hunt,L.& Barker,W.Biochem.Bi
ophys.Res.Commun.144:876-882(1987)。
【0227】 PRO243コルディン(chordin)に対する抗体は、PRO243の過剰発現 によって特徴付けされる条件でポリペプチドを結合するものを作ることができる
【0228】 以下の実施例は、説明の目的のためにのみ提供され、且ついずれの手法も本発
明の範囲を制限することを意図していない。
【0229】 本明細書中に引用した全ての特許と参考文献は、それらの全体が参照によりこ
こに組み込まれる。
【0230】
【実施例】
本実施例に関する商業的に利用できる試薬は、特に示さない限り、製造元の指
示書に従って用いた。以下の実施例、および明細書を通して、ATCC受託番号
によって同定される細胞源は、Ameirican Type Culture
Collection, Rockville, Marylandである。
【0231】 実施例1:新規なポリペプチドおよびこれらをコードするcDNAを同定する
ための細胞外ドメイン相同性スクリーニング ESTデータベースを検索するために、公的Swis−Protデータベース
からの約950個の既知分泌タンパク質から、細胞外ドメイン(ECD)配列(
もしもあるならば、分泌シグナル配列を含む)を用いた。ESTデータベースは
、公的データベース(例えば、Dathoff、Genebank)と私的デー
タベース(例えば、LIFESEQTM、Incyte Pharmaceuti
cals.Palo Alto.CA)を含む。ECDタンパク質配列をEST
配列の6フレーム翻訳と比較するため、コンピュータープログラムBLASTも
しくはBLAST2(AltschulとGish、Methods in E
nzymology 266:460−480(1996))を用いて検索を行
った。既知のタンパク質をコードしていない70(いくつかの事例においては、
90)以上のBlastスコアーとのそれらの比較を、プログラム「pharp
」[Phil Green,University of Washingto
n,Seattle,WA;(http://bozeman.mbt.was
hington.edu/phrap.docs/phrap.html]を用
いてまとめ、コンセンサスDNA配列に集めた。
【0232】 この細胞外ドメイン相同性スクリーニングを用い、コンセンサスDNA配列を
、phrapを用い、その他の同定されているEST配列に対応してまとめた。
さらに、上記EST配列の供給源を用い、得られたコンセンサス配列をできる限
り伸長させるために、しばしば(いつもではないが)BLASTとphrapの
反復サイクルを用いて、該コンセンサス配列を伸長した。
【0233】 次いで、上記のように得られたコンセンサス配列に基づいて、オリゴヌクレオ
チドを合成し、PCRによって興味ある配列を含むcDNAライブラリーを同定
するため、およびPROポリペプチドをコードする全長配列のクローンを単離す
るためのプローブとして用いるために使用した。前進(.f)と逆進(.r)P
CRプライマーは、一般的に、20から30ヌクレオチドまでの範囲とし、しば
しば、長さ約100−1000bpのPCR生成物を与えるように設計される。
いくつかの事例において、コンセンサス配列が約1−1.5kbよりも大きい時
に、付加的なオリゴヌクレオチドが合成される。全長クローンのためのいくつか
のライブラリーをスクリーニングするために、ライブラリーからDNAを、Au
subelら、Current Protocols in Molecula
r Biologyに従って、PCRプライマー対を用い、PCR増幅によって
スクリーニングした。次いで、興味ある遺伝子をコードするクローンを、オリゴ
ヌクレオチドプローブもしくはプライマー対の一つを用いて単離するために、陽
性のライブラリーを用いた。
【0234】 cDNAクローンを単離するために用いたcDNAライブラリーは、Invi
trogen,San Diego,CAなどから商業的に利用できる試薬を用
いた標準的な方法によって構築した。cDNAは、NotI部位を含むオリゴd
Tプライマーで合成し、SalIヘミキナーゼアダプターに平滑端で連結し、N
otI部位で切断し、ゲル電気泳動により適切にサイズ分画し、好適なクローニ
ングベクター[例えば、pRKBもしくはpRKD;pRK5Bは、SfiI部
位を含まないpRK5Dの前駆体である;Holmesら、Science,2
53:1278−1280(1991)参照]に、特有のXhoIおよびNot
I部位で、定められた方向でクローニングした。
【0235】 実施例2:アミラーゼスクリーニングによるcDNAクローンの単離 1.オリゴdTプライマーで合成されたcDNAライブラリーの調製 mRNAは、Invitrogen,San Diego,CAからの試薬と
プロトコール(Fast Track2)を用い、興味のあるヒト組織から単離
した。このRNAは、Life Technologies,Gaithers
burg,MD(Super Script Plasmid System)
の試薬とプロトコールを用い、ベクターpRK5D中、オリゴdTプライマーで
合成したcDNAライブラリーを作製するために用いた。この操作で、二本鎖c
DNAは、1000bpよりも大きなサイズとなり、SalI/NotIリンカ
ー化cDNAを、XhoI/NotIで切断したベクターにクローニングした。
pRK5Dは、XhoI/NotI cDNAクローニング部位に先立つSfi
I制限酵素部位が続くsp6転写開始部位を有するクローニングベクターである
【0236】 2.ランダムプライマーで合成されたcDNAライブラリーの調製 第2のcDNAライブラリーは、第1のcDNAクローンの5’末端を優先的
に発現させるために産出した。Sp6 RNAは、第1のライブラリー(上記)
から産出し、このRNAを、Life Technologies (Supe
r Script Plasmid System、上記)からの試薬とプロト
コールを用い、ベクターpSST−AMY.0中、ランダムプライマーで合成し
たcDNAライブラリーを産出するために用いた。この操作で、二本鎖cDNA
は、500−1000bpのサイズとなり、NotIアダプターに平滑端で連結
し、SfiIで切断し、SfiI/NotIで切断したベクターにクローニング
した。pSST−AMY.0は、cDNAクローニング部位に先立つ酵母アルコ
ールデヒドロゲナーゼプロモーターと、クローニングサイトの後であって、酵母
アルコールデヒドロゲナーゼターミネーターが続くマウスアミラーゼ配列(分泌
シグナルを有さない成熟配列)を有するクローニングベクターである。このよう
にアミラーゼ配列とフレーム内で融合したベクター中にクローニングされたcD
NAは、適切にトランスフェクションした酵母コロニーからアミラーゼを分泌す
るようになる。
【0237】 3.形質転換と検出 上記段落2に記載したライブラリーからのDNAは、電気受容能のあるDH1
08細菌(Life Technologies、20ml)を加えるために、
氷上で冷却した。次いで、細菌とベクターの混合物を、製造元によって推奨され
る方法によってエレクトロポレーションした。続いて、SOC培地(Life
Technologies、1ml)を加え、混合物を37℃で30分間インキ
ュベーションした。次いで、形質転換体を、アンピシリンを含有する標準的な1
50mmLBプレート20枚に播き、16時間(37℃)インキュベーションし
た。陽性コロニーを、プレートからこすり取り、CsCl−密度勾配などの標準
的なプロトコールを用い、細菌ペレットからDNAを単離した。次いで、精製し
たDNAを用いて、以下の酵母のプロトコールを行った。
【0238】 酵母の方法は3種類に分けられる:(1)プラスミド/cDNA結合ベクター
による酵母の形質転換;(2)アミラーゼを分泌している酵母クローンの検出と
単離;および(3)酵母コロニーからの直接的な挿入物のPCR増幅、および配
列決定と、更なる分析のためのDNAの精製。
【0239】 用いられた酵母株は、HD56−5A(ATCC−90785)であった。こ
の株は、以下の遺伝子型を有する:MATアルファ、ura3−52、leu2
−3、leu2−112、his3−11、his3−15、MAL+、SUC+ 、GAL+。好ましくは、翻訳後経路を欠失している酵母変異株を用いることが できる。そのような変異株は、sec71、sec72、sec62において、
転座欠失アレルを有しており、端切りしたsec71が最も好ましい。もしくは
、これらの遺伝子の正常な作用を阻害するアンタゴニスト(アンチセンスヌクレ
オチドおよび/またはリガンドを含む)、この翻訳後経路に関連するその他のタ
ンパク質(例えば、SEC61p、SEC72p、SEC62p、SEC63p
、TDJ1p、もしくはSSA1p−4p)、もしくはこれらのタンパク質の混
合体も、アミラーゼ発現酵母と組み合わせて好適に用いられる。
【0240】 形質転換は、Gietzら、Nucl.Acid.Res.,20:1425
(1992)によって略述されたプロトコールに基づいて行った。次いで、形質
転換細胞を、寒天からYEPD混合培地(100ml)に播種し、30℃で一晩
培養した。YEPD培地は、Kaiserら、Methods in Yeas
t Genetics,Cold Spring Harbor Press,
Cold Spring Harbor,NY,p.207(1994)に記載
されたように調製した。次いで、一晩培養物を、新鮮なYEPD培地(500m
l)で、約2x106細胞/ml(約OD600=0.1)に希釈し、1x107細 胞/ml(約OD600=0.4−0.5)となるまで再度培養した。
【0241】 次いで、細胞を回収し、SorvalGS3ローターで、5000rpm、5
分間で、GS3ローターボトルに移し、上清を除去し、次いで、滅菌水に再度懸
濁し、再び50mlファルコンチューブ中、Beckman GS−6KR遠心
分離機3500rpmで遠心分離することにより、形質転換用に調製した。上清
を除去し、続けて細胞をLiAc/TE(10ml、10mMTris−HCl
、1m MEDTA pH7.5、100mMのLi2OOCCH3)で洗浄し、
LiAc/TE(2.5ml)中に再度懸濁した。
【0242】 形質転換は、調製した細胞(100μl)に、新たに変性させた一本鎖サケ精
子DNA(Lofstrand Labs,Gaithersburg,MD)
と形質転換させるDNA(1μg、容量<10μl)とを、マイクロ遠心分離チ
ューブ内で混合することによって行った。混合液を、渦動撹拌により簡単に混合
し、次いで、40%PEG/TE(600μlポリエチレングリコール−400
0、10mM Tris−HCl、1mMEDTA、100mMLi2OOCC H3pH7.5)を添加した。この混合液を、穏やかに混合し、30分間凝集さ せながら30℃でインキュベーションした。この細胞を、次いで、42℃で15
分間、熱刺激し、この反応チューブを、マイクロ遠心分離機で、12000rp
m、5−10秒間遠心し、デカンテーションし、TE(500μl、10mM
Tris−HCl、1mMEDTA pH7.5)で再度懸濁し、続けて再度遠
心分離した。次いで、細胞をTE(1ml)中に希釈し、予め150mm培養プ
レート(VWR)に調製した選択培地上に、20μlずつ分注した。
【0243】 もしくは、多数の小さな反応の代わりに、形質転換を、単一、大規模の反応で
、試薬量もそれに応じて増やして行った。
【0244】 用いた選択培地は、Kaiserら、Methods in Yeast G
enetics,Cold Spring Harbor Press,Col
d Spring Harbor,NY,p.208−210(1994)によ
って記載されたように調製されたウラシル欠失合成完全デキストロース(SCD
−Ura)寒天とした。形質転換体は、30℃で2−3日間培養した。
【0245】 アミラーゼを分泌しているコロニーの検出は、選択増殖培地中に赤色澱粉を含
ませることによって行った。澱粉を、Bielyら、Anal.Biochem
.,172:176−179(1988)によって記載された手順に従って、赤
色染料(Reactive Red−120、Sigma)と結合させた。結合
させた澱粉を、SCD−Ura寒天プレート中、最終濃度0.15%(w/v)
で取り込ませ、リン酸カリウムでpH7.0に緩衝化した(最終濃度50−10
0mM)。
【0246】 十分に単離、同定できる単一コロニーを得るために、陽性コロニーを拾い、新
鮮な選択培地(150mmプレート上)に塗布した。アミラーゼの分泌が陽性で
ある十分に単離された単一コロニーは、緩衝化したSCD−Ura寒天への赤色
澱粉の直接的な取り込みによって検出した。陽性コロニーは、直接目視可能な陽
性コロニー周囲の透明な輪を生じさせる澱粉分解能によって決定した。
【0247】 4.PCR増幅によるDNAの単離 陽性コロニーを単離する時、その部位を楊枝で拾い上げ、96ウェルプレート
中の滅菌水(30μl)に希釈した。この時、陽性コロニーを、続く分析用に凍
結保存するか、直ちに増幅する。分注した細胞(5μl)を、25μl容量:0
.5μlのKlentaq(Clontech,Palo Alto,CA);
4.0μl10mMdNTP's(Perkin Elmer−Cetus); 2.5μlKlentaq緩衝液(Clontech,Palo Alto,C
A);0.25μl前進オリゴ1;0.25μl逆進オリゴ;12.5μl滅菌
水を含む、でのPCR反応の鋳型として用いた。前進オリゴヌクレオチド1の配
列は: 5’−TGTAAAACGACGGCCAGTTAAATAGACCTGCA ATTATTAATCT −3’(配列番号:16)。 逆進オリゴヌクレオチド2び配列は: 5’−CAGGAAACAGCTATGACCACCTGCACACCTGC AAATCCATT −3’(配列番号:17)。
【0248】 次いで、PCRを以下のように行った: a. 変性 92℃、5分 b. 3サイクル: 変性 92℃、30秒 アニーリング 59℃、30秒 伸長 72℃、60秒 c. 3サイクル: 変性 92℃、30秒 アニーリング 57℃、30秒 伸長 72℃、60秒 d. 25サイクル: 変性 92℃、30秒 アニーリング 55℃、30秒 伸長 72℃、60秒 e. 保持 4℃
【0249】 オリゴヌクレオチドの下線部位は、ADHプロモーター領域とアミラーゼ領域
に各々アニーリングし、挿入が無い場合は、ベクターpSST−AMY.0から
307bp領域を増幅した。典型的には、これらのオリゴヌクレオチドの5’末
端の最初の18ヌクレオチドに、配列決定用プライマーのアニーリング部位を含
ませた。このように、空ベクターからのPCR反応の生成物は、343bpであ
った。一方、シグナル配列を融合させたcDNAは、かなり長いヌクレオチド配
列となった。
【0250】 PCRに続けて、分注した反応生成物(5μl)を、上記Sambrookら
に記載されたように、Tris−Borate−EDTA(TBE)緩衝系を用
いた1%アガロースゲルのアガロースゲル電気泳動によって調べた。400bp
よりも大きい単一で強いPCR生成物が得られたクローンを、96Qiaqui
ck PCR clean−up colum (Qiagen社、Chats
worth,CA)で精製した後、さらにDNA配列決定によって分析した。
【0251】 実施例3:ヒトPRO241をコードしているcDNAの単離 コンセンサスDNA配列は、上記実施例1に記載した他のEST配列に対応し
てまとめた。このコンセンサス配列を、ここにDNA30876と称する。DN
A30876のコンセンサス配列に基づいて、1)PCRによる興味ある配列を
含むcDNAライブラリーの同定、および2)PRO241をコードする全長配
列のクローンを単離するためのプローブとしての使用、のために、オリゴヌクレ
オチドを合成した。
【0252】 PCRプライマー(前進および逆進)を合成した: 前進PCRプライマー 5’−GGAAATGAGTGCAAACCCTC−3
’ (配列番号:3) 逆進PCRプライマー 5’−TCCCAAGCTGAACACTCATTCT
GC−3’ (配列番号:4) さらに、合成オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションプローブを、以下のヌ
クレオチド配列を有するコンセンサスDNA30876配列から構築した。 ハイブリダイゼーションプローブ 5’−GGGTGACGGTGTTCCATATCAGAATTGCAGAAG
CAAAACTGACCTCAGTT−3’(配列番号:5)
【0253】 全長クローンの供給源としてのいくつかのライブラリーをスクリーニングする
ために、ライブラリーからDNAを、上記同定されたPCRプライマー対を用い
たPCR増幅によって、スクリーニングした。次いで、陽性のライブラリーを、
オリゴヌクレオチドプローブおよび該PCRプライマーの一つを用いて、PRO
241をコードするクローンを単離するために用いた。cDNAライブラリーを
構築するためのRNAを、ヒト胎児腎臓組織(LIB29)から単離した。
【0254】 上記のように単離したクローンのDNA配列から、PRO241の全長DNA
配列[ここに、UNQ215(DNA34392−1170)と称する](配列
番号:1)と、PRO241のタンパク質配列を得た。
【0255】 UNQ215(DNA34392−1170)の全ヌクレオチド配列を図1に
示す(配列番号:1)。クローンUNQ215(DNA34392−1170)
は、ヌクレオチド部位234−236に見かけ上の翻訳開始部位と、ヌクレオチ
ド部位1371−1373に終止コドンでの終止を有する単一のオープンリーデ
ィングフレームを含む(図1)。推定されるポリペプチドプレカーサーは379
アミノ酸長(図2)である。図2に示した全長のPRO241タンパク質は、推
定上、約43302ダルトンの分子量と、約7.30のpIを有する。クローン
UNQ215(DNA34392−1170)は、ATCCに寄託し、ATCC
寄託番号ATCC 209526が付与されている。
【0256】 全長PRO241ポリペプチドアミノ酸配列の分析により、様々なビグリカン
プロテオグリカンタンパク質と有意な相同性を有することが提示されており、こ
れによってPRO241が新規のビグリカン相同ポリペプチドであることが示さ
れている。
【0257】 実施例4: 染色体ウォーキングによるヒトPRO243をコードするcDN
Aクローンの単離 概論: ヒトトロンボポエチン(THPO)は、2つのドメインからなる3
52アミノ酸のグリコシル化されたホルモンである。エリスロポエチンと50%
の類似性を共有するN末端ドメインは、生物活性を発現する。C末端領域は、分
泌に必要とされる。トロンボポエチン(THPO)遺伝子は、ヒト染色体3q2
7−q28に位置し、ここで、この遺伝子の6つのエキソンは、染色体DNA7
キロ塩基対に及ぶ(Gurneyら、Blood 85:981−988(19
95))。THPOに近接して位置するTHPO相同体をコードする遺伝子が存
在するかを調べるために、この領域の染色体DNAフラグメントを同定し、配列
決定した。THPO遺伝子座を包囲している3つのP1クローンと1つのPAC
クローン(Genome Systems社、St Louis,MO;カタロ
グ番号、P1−2535とPAC−6359)を単離し、140kb領域を、定
序ショットガン方法(orderd shotgun strategy)(Chenら、Genomi cs 17:651−656(1993))を用い、PCRに基づくギャップ充
填方法(gap filling approach)と組み合わせて配列決定した。分析により、該
領域は、THPOに非常に隣接して位置する4つの付加遺伝子:腫瘍壊死因子−
受容体1型付随タンパク2(TRAP2)、伸長開始因子γ(elf4g)、塩
素チャネル2(CLCN2)およびRNAポリメラーゼIIサブユニットhRP
B17、と共に遺伝子が豊富であることが明らかとなった。その領域でTHPO
相同体が見い出されなかったものの、4つの新規な遺伝子が、コンピューター補
助遺伝子検出器(GRAIL)[Xuら、Gen.Engin.16:241−
253(1994)]、CpG島の存在[Cross,S.とBird,A.、
Curr.Opin.Genet.と Devel.5:109−314(19 95)]、および既知の遺伝子との相同性(WU−BLAST2.0によって検
出)(AltschulとGish、Methods Enzymol.266
:460−480(1996)(http://blast.wustl.ed
u/blast/README.html)によって推測されている。
【0258】 P1クローンとPACクローン: THPO染色体配列[A.L.Gurrn
eyら、Blood 85:981−88(1995)]から設計されたPCR
プライマーでスクリーニングされた染色体P1ライブラリー(Genome S
ystems社、St.Louis, MO:カタログ番号:P1−2535)
から最初のヒトP1クローンを単離した。PCRプライマーは、このP1クロー
ンから得られた末端配列から設計し、次いで、重複するクローンを同定するため
、PIとPACライブラリー(Genome Systems社、カタログ番号
:P1−2535&PAC−6539)をスクリーニングするために用いた。
【0259】 定序ショットガン方法: 定序ショットガン方法(OSS)(Chenら、G
enomics17:651−656(1993))は、段階的アプローチによ
る、巨大な染色体DNAクローンの位置決定や配列決定を含む。P1クローンま
たはPACクローンは、音波処理し、断片をラムダベクター(λBluesta
r)(Novagen社、Madison、WI;カタログ番号69242−3
)にサブクローニングした。該ラムダサブクローン挿入物は、長距離PCR(B
arnes,W.Proc.Natl.Acad.Sci.USA91:221
6−2220(1994))によって単離し、末端を配列決定した。本来のクロ
ーンの部分的な地図を作製するために、ラムダ−末端配列を重複させた。重複す
る末端配列を含むラムダクローンを同定し、プラスミドベクター(pUC9もし
くはpUC18)にサブクローニングした挿入物とプラスミドサブクローンの末
端を配列決定し、隣接している配列を産出するために、まとめた。この直接的な
配列決定法により、興味のある領域を読み取り、まとめるために要求される重複
が最小になる。
【0260】 THPO遺伝子座をより良好に定め、ヘマトポエチンファミリーに関連するそ
の他の遺伝子を検索するため、4つの染色体クローンを、ヒトPIとPACライ
ブラリー(Genome Systems社、カタログ番号:P1−2535と
PAC−6539)のPCRスクリーニングによってこの領域から単離した。染
色体フラグメントのサイズは以下の通りである:P1.tは40kb;P1.g
は70kb;P1.uは70kb;およびPAC.zは200kb。これらの4
つの染色体クローン間の関係を図5に図示する。200kb染色体DNA領域の
約80%を、定序ショットガン方法(OSS)(Chenら、Genomics
17:651−656(1993))によって配列決定し、Auto Asse
mblerTM(Applied Biosystems,Perkin Elm
er,Foster City,CA、カタログ番号903227)を用い、コ
ンティグにまとめた。これらのコンティグの予備的な順序は、手動分析によって
決定した。46コンティグがあり、ギャップ充填を用いた。表2にギャップの数
とサイズを要約した。
【0261】 表2 140kb領域におけるギャップの要約 ギャップのサイズ 数 <50bp 13 50−150bp 7 150−300bp 7 300−1000bp 10 1000−5000bp 7 >5000bp 2(15000bp)
【0262】 DNA配列決定: ABI DYE−primerTM chemistry(
PE Applied Biosystems,Foster City;カタ
ログ番号402112)を、ラムダとプラスミドサブクローンの末端を配列決定
するために用いた。ABI DYE−terminaterTM chemist
ry(PE Applied Biosystems,Foster City
;カタログ番号403044)を、各々のPCRプライマーを用いたPCR生成
物の配列決定に用いた。配列は、ABI377機器でまとめた。1kbよりも大
きなPCR生成物のために、ウォーキングプライマーを用いた。コンティグ配列
を、Auto AssemblerTM(PE Applied Biosyst
ems,Foster City,CA、カタログ番号903227)における
OOS方法によって産出し、ギャップ充填配列を記録したファイルを、Sequ
encherTM(Gene Codes社、Ann Arbor,MI)に、重
複と編集のために組み込ませた。
【0263】 PCRに基づくギャップ充填方法:プライマーは、各コンティグの5’−と3
’−末端配列に基づき、反復と低い精度の配列領域を除くように設計した。全て
のプライマーは、19−24merで、50−70%のG/C含有量となるよう
に設計した。オリゴを標準的な方法で合成し、ゲル−精製した。
【0264】 コンティグの方向と順序が未知なので、プライマーの過変異を増幅反応におい
て用いた。2つのPCRキットを用いた:第1に、XL PCRキット(Per
kin Elmer,Norwalk,CT;カタログ番号N8080205)
、伸長時間約10分;および第2に、もしXL PCRキットでスメアーが生じ
る(smeared)もしくは多重生成物が観察されたならば、Taq Polyme rase PCRキット(Qiagen社、Valencia,CA;カタログ
番号:201223)を、高ストリンジェント条件下で用いた。成功した各反応
から主なPCR生成物を、0.9%低融点アガロースゲルから抽出し、Gene
clean DNA Purificationキットで、配列決定の前に精製
した。
【0265】 分析: コード化領域の同定と特徴付けを以下のように行った:最初に、反復
する配列を、反復エレメントのライブラリーに対するFastAフォーマットで
、DNA配列をスクリーニングし、マスクされた疑わしい配列に戻るRepea
tMasker(A.F.A Smit & P.Green, http:/
/ftp.genome.washington.edu/RM/RM de
tails.heml)を用いてマスクした。マスクされていない反復は、WU
BLAST[Altschul, S & Gish, W., Method
s Enzymol.266:460−480(1996)]を用い、GenB
ankデーターベースと配列を比較することによって同定し、手動でマスクした
【0266】 次に、WUBLAST2.0アルゴリズムを用いた、染色体領域とGenen
techのタンパク質データベースとの比較によって、既知遺伝子を明らかにし
、次いで、他で大きく異なる配列間で局所的に同定された領域を見出すために、
Needleman−Wunch(NeedlemanとWunsch、J.M
ol.Biol.48:443−453(1970)アルゴリズムを用い、各遺
伝子の染色体およびcDNA配列を整列することによって注釈付けた。この方法
により、この領域における5つの既知遺伝子、THPO、TRAP2、elF4
g、CLCN2およびhRPB17の全てのエキソンを検出した(表3)。
【0267】 表3 分析された140kb領域に局在する既知遺伝子の要約 既知遺伝子 遺伝子座 真核生物翻訳開始因子4γ 3q27−qter トロンボポエチン 3q26−q27 塩素チャネル2 3q26−qter TNFレセプター付随タンパク2 予めマップされていない
RNAポリメラーゼIIサブユニットhRPB17 予めマップされていない
【0268】 最後に、新規な転写単位を多くの方法を用いて推測した。CpG島(S.Cr
oss & Bird,A.,Curr.Opin.Genet.Dev.5:
109−314(1995))はプロモーター領域を定めるために用い、GC富
、6または8−merパリンドローム配列を認識する酵素によって切断されるク
ラスター部位として同定した。CpG島には、通常、遺伝子のプロモーター領域
が付随している。GenBankに対して、短い染色体領域(10−20kb)
のWUBLAST2.0分析により、ESTとの一致を明らかにした。個別のE
ST配列(もしくは、可能ならば、それらの配列のクロマトグラムのファイル)
を検索し、理論上のcDNA配列(ここにDNA34415として称される)を
提供するため、シークエンサーにまとめた。GRAIL2(ApoCom社、K
noxville,TN,DECαに対する指揮系統)は、新規なエキソンを推
測するために用いた。この領域における5つの既知遺伝子は、GRAILアルゴ
リズムの成功裏の内部対照として機能した。
【0269】 単離: Chordin cDNAクローンは、オリゴdTプライマーで合成
されたヒト胎児肺ライブラリーから単離した。ヒト胎児肺ポリA+ RNAを、 Clontech(カタログ番号6528−1、ロット番号43777)から購
入し、5mgを、pKR5B(Genentech, LIB26)のcDNA
ライブラリーを構築するために用いた。3’−プライマー(pGACTAGTT
CTAGATCGCGAGCGGCCGCCCTTTTTTTTTTTTTTT
)(配列番号:8)と、5’−リンカー(pCGGACGCGTGGGGCCT
GCGCACCCAGCT)(配列番号:9)を、SalIとNotI制限酵素
部位を導入するように設計した。提示された染色体遺伝子のエキソンを手動で「
スプライシング」して導き出された推定上のヒトコルディンcDNA配列(DN
A34415)から設計したオリゴヌクレオチドプローブで、クローンをスクリ
ーニングした。配列決定する前にcDNAクローンの同一性を確認するため、P
CRプライマーの側腹に位置するプローブを用いた。
【0270】 オリゴヌクレオチドプローブのスクリーニングを以下のように行った: OLI5640 34415.p1 5’−GCCGCTCCCCGAACGG
GCAGCGGCTCCTTCTCAGAA−3’(配列番号:10)と OLI5640 34415.p2 5’−GGCGCACAGCACGCAG
CGCATCACCCCGAATGGCTC−3’(配列番号:11);と、用
いた側腹に位置するプローブは以下のものであった: OLI5639 34415. f1 5’−GTGCTGCCCATCCGT
TCTGAGAAGGA−3’(配列番号:12)と、 OLI5643 34415.r 5’−GCAGGGTGCTCAAACAG
GACAC−3’(配列番号:13)。
【0271】 実施例5:PRO243のノーザンブロットおよびin situ RNAハ
イブリダイゼーション分析 ヒト組織におけるPRO243 mRNAの発現を、ノーザンブロットによっ
て試験した。ヒト胎児および成人組織から得られたヒトポリA+RNAブロット (Clontech,Palo Alto,CA;カタログ番号7760−1と
7756−1)を、全長PRO243 cDNAに基づいた32P−標識cDNA
フラグメントプローブとハイブリダイズさせた。ブロットは、プローブと共に、
ハイブリダイゼーション緩衝液(5xSSPE;2xデンハート溶液;100m
g/ml変性切断サケ精子DNA;50%ホルムアミド;2%SDS)中、60
時間、42℃でインキュベーションした。ブロットを、2xSSCで複数回;0
.05%SDSで室温1時間洗浄し、続けて、高ストリンジェントな洗浄を、3
0分間、0.1xSSC;0.1%SDS中、50℃で行い、オートラジオグラ
フィーに供した。ブロットを一晩露光させた後、フォスフォイメージャ(pho
sphorimager)分析機(Fuji)によって現像した。
【0272】 図6に示すように、PRO243 mRNA転写生成物を検出した。発現パタ
ーンの分析により、予想される4.0kb転写物の強いシグナルが、成熟および
胎児の肝臓において、および、非常に弱いシグナルが成熟腎臓において示された
。胎児の脳、肺および腎臓は陰性であり、成熟心臓、脳、肺および脾臓は陰性で
あった。より小さな転写生成物が、胎盤(2.0kb)、成熟骨格筋(1.8k
b)および胎児肝臓(2.0kb)において観察された。
【0273】 PRO243の成人組織のIn situハイブリダイゼーションにより、陽
性シグナルが、大腿骨頭と寛骨臼との間に形成される発育中の滑膜性連結の割線
において得られた。他の全組織は陰性であった。ヒト胎児の顔、頭、四肢とマウ
ス胚子のさらなる切片標本についても試験した。ヒト胎児組織における発現は、
発育している四肢および骨膜傍の間葉における顔骨に隣接して観察された。発現
は高く特異的であり、しばしば血管新生している領域に隣接していた。また、発
現は、発育時の一時的に胎児脳の後頭葉に観察されるが、脳においてそれ以外で
は観察されなかった。さらに、発現は、発育中の内耳の神経節において認められ
た。マウスの組織において、ヒトプローブにより、発現を認めることはできなか
った(図7参照)。
【0274】 In situハイブリダイゼーションは、最適化されたプロトコールで、P
CR産出33P標識リボプローブ[LuとGillett,Cell Visio
n 1:169−176(1994)]を用いて行った。ホルマリン固定、パラ
フィン包埋したヒト胎児および成人組織を薄切し、脱パラフィン化し、プロテア
ーゼK(20g/ml)で15分間、37℃で除タンパクし、さらに、LuとG
illett(1994)によって記載されたように、in situハイブリ
ダイゼーション用に処理した。[33P]−UTP標識アンチセンスリボプローブ
をPCR生成物から産出し、55℃で一晩ハイブリダイズさせた。スライドを、
Kodak NTB2 nuclear track感光紙に浸し、4週間露光
させた。
【0275】 実施例6:ヒトPRO299をコードするcDNAクローンの単離 ここでDNA28847として称するcDNA配列(図10;配列番号:18
)を、上記実施例2に記載したように単離した。さらなる分析後、DNA288
47の3’端切り型が見出され、これをここにDNA35877(図11;配列
番号:19)と称する。DNA35877配列に基づいて、オリゴヌクレオチド
を、1)PCRによって、興味のある配列を含むcDNAライブラリーを同定す
るため、および2)PRO299をコードする全長の配列のクローンを単離する
ためのプローブとして使用するため、合成した。前進および逆進PCRプライマ
ーは、一般的に、20から30ヌクレオチドの範囲であり、しばしば、長さ約1
00−1000bpのPCR生成物を得るように設計する。プローブの配列は、
典型的には、長さ40−55bpである。いくつかの事例において、コンセンサ
ス配列が約1−1.5kbpよりも大きくなる時、付加的オリゴヌクレオチドを
合成する。全長のクローンのための複数個のライブラリーをスクリーニングする
ために、Ausubelら、Current Protocols in Mo
lecular Biologyに従って、PCRプライマー対を用い、ライブ
ラリーからDNAをPCR増幅によってスクリーニングした。次いで、オリゴヌ
クレオチドプローブと該プライマー対の一つを用い、興味のある遺伝子をコード
するクローンを単離するために、陽性のライブラリーを用いた。
【0276】 前進と逆進PCRプライマーを合成した: 前進PCRプライマー(35877.f1) 5’−CTCTGGAAGGTC
ACGGCCACAGG−3’(配列番号:20) 逆進PCRプライマー(35877.r1) 5’−CTCAGTTCGGTT
GGCAAAGCTCTC−3’(配列番号:21) さらに、合成オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションプローブを、以下のヌ
クレオチド配列を有するDNA35877配列から構築した。 ハイブリダイゼーションプローブ(35877.p1) 5’−CAGTGCTCCCTCATAGATGGACGAAAGTGTGAC
CCCCCTTTCAGGCGAGAGCTTTGCCAACCGAACTGA
−3’(配列番号:22)
【0277】 全長クローンの供給源として複数個のライブラリーをスクリーニングするため
に、ライブラリーからDNAを、上記同定されたPCRプライマー対の一つを用
い、PCR増幅によってスクリーニングした。次いで、オリゴヌクレオチドプロ
ーブを用い、PRO299配列をコードするクローンを単離するために、陽性ラ
イブラリーを用いた。
【0278】 cDNAライブラリーを構築するためのRNAを、ヒト胎児脳組織から単離し
た。cDNAクローンを単離するために用いたcDNAライブラリーを、例えば
、Invitrogen,San Diego,CAなどから商業的に利用でき
る試薬を用いた標準的な方法により構築した。cDNAは、NotI部位を含む
オリゴdTプライマーで合成し、SalIヘミキナーゼアダプターに平滑端で連
結し、NotIで切断し、ゲル電気泳動でおおよそのサイズに分画し、定められ
た方向で適切なクローニングベクター[例えば、pRKBもしくはpRKD;p
RK5BはSfiI部位を含まないpRK5Dの前駆体である;Holmesら
、Science,253:1278−1280(1991)参照]に、特有の
XhoIとNotI部位で、クローニングした。
【0279】 上記のように単離したクローンのDNA配列決定により、PRO299の全長
のDNA配列[ここにUNQ262(DNA39976−1215)と称する]
を得て、PRO299のタンパク質配列を推定した。
【0280】 UNQ262(DNA39976−1215)の全ヌクレオチド配列を図8に
示す(配列番号:14)。クローンUNQ262(DNA39976−1215
)は、ヌクレオチド部位111−113に見かけ上の翻訳開始部位と、ヌクレオ
チド部位2322−2324に終止コドンでの終止を有する単一のオープンリー
ディングフレームを含む(図8)。この推定されるポリペプチドプレカーサーは
、737アミノ酸長である(図9)。クローンUNQ262(DNA39976
−1215)によってコードされるポリペプチド配列の重要な領域が同定され、
以下のものを含む:アミノ酸1−28に相当する単一ペプチド、アミノ酸638
−662に相当する推定トランスメンブレン領域、アミノ酸80−106、12
1−203、336−360、378−415、416−441、454−49
0、491−528、529−548、567−604および605−622に
相当する10個のEGFの反復、アミノ酸10−120,204−207,20
8−222,223−285,286−304,361−374,375−37
7,442−453,549−563,および564−566に相当する、潜在
的な10個のN−グリコシル化部位。クローンUNQ262(DNA39976
−1215)が、ATCCに寄託され、ATCC寄託番号がATCC20952
4と付与されている。
【0281】 全長のPRO299ポリペプチドのアミノ酸配列の分析から、それの一部が、
切痕タンパク質(notch protein)と有意な相同性を有することが提示され、それ によって、PRO299が新規な切痕タンパク相同体であり、典型的な切痕タン
パク質の活性を有することが示唆されている。
【0282】 実施例7: ヒトPRO323をコードするcDNAクローンの単離 コンセンサスDNA配列を、上記実施例1に記載されたように、他のEST配
列に対応してまとめた。このコンセンサス配列を、ここに、DNA30875と
称する。DNA30875コンセンサス配列に基づいて、オリゴヌクレオチドを
、1)PCRによって、興味のある配列を含むcDNAライブラリーを同定する
ため、および2)PRO323の全長をコードする配列のクローンを単離するた
めのプローブとして使用するため、合成した。
【0283】 PCRプライマー(2個の前進と1個の逆進)を合成した: 前進PCRプライマー1 5’−AGTTCTGGTCAGCCTATGTGC
C−3’(配列番号:25) 前進PCRプライマー2 5’−CGTGATGGTGTCTTTGTCCAT
GGG−3’(配列番号:26) 逆進PCRプライマー 5’−CTCCACCAATCCCGATGAACTT
GG−3’(配列番号:27) さらに、合成オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションプローブを、以下のヌ
クレオチド配列を有するコンセンサスDNA30875配列から構築した。 ハイブリダイゼーションプローブ 5’−GAGCAGATTGACCTCATACGCCGCATGTGTGCC
TCCTATTCTGAGCTGGA−3’(配列番号:11)
【0284】 全長クローンの供給源としての複数個のライブラリーをスクリーニングするた
め、ライブラリーからDNAを、上記同定されたPCRプライマー対を用いたP
CR増幅によってスクリーニングした。次いで、PRO323遺伝子をコードす
るクローンを、オリゴヌクレオチドプローブと該PCRプライマー対の一つを用
いて単離するため、陽性ライブラリーを用いた。cDNAライブラリーの構築の
ためのRNAを、ヒト胎児肝組織(LIB6)から単離した。
【0285】 上記のように単離したクローンのDNA配列決定によって、PRO323[こ
こに、UNQ284(DNA35595−1228)と称する](配列番号:2
3)が得られ、PRO323のタンパク質配列が推定された。
【0286】 UNQ284(DNA35595−1228)の全ヌクレオチド配列を図12
(配列番号:23)に示す。クローンUNQ284(DNA35595−122
8)は、ヌクレオチド部位110−112に見かけ上の翻訳開始部位と、ヌクレ
オチド部位1409−1411に終止コドンでの終止を有する単一のオープンリ
ーディングフレームを含む(図12)。推測されるポリペプチドプレカーサーは
、433アミノ酸長である(図13)。図13に示された全長PRO323タン
パク質は、分子量約47787ダルトンで、PI約6.11であると推測される
。クローンUNQ284(DNA35595−1228)は、ATCCに寄託し
ており、ATCC寄託番号209528が付与される。
【0287】 全長PRO323ポリペプチドのアミノ酸配列の分析により、それの一部が、
様々なジペプチダーゼタンパク質と有意な相同性を有することが示され、それに
よって、PRO323が、新規なジペプチダーゼタンパク質であることが示唆さ
れている。
【0288】 実施例8: ヒトPRO327をコードするcDNAクローンの単離 発現配列標識(expressed sequence tag)(EST)DNAデータベース(L
IFESEQTM,Incyte Pharmaceuticals,Palo
Alto,CA)を検索し、様々なEST配列が、ヒトプロラクチン受容体タン
パク質とのある程度の相同性を示すことを確認した。これらのEST配列を、p
hrapを用いて整列し、コンセンサス配列を得た。次いで、上記EST配列の
供給源を用いて、コンセンサス配列をできるかぎり伸長するため、このコンセン
サスDNA配列を、BLASとphrapの反復サイクルを用いて伸長した。伸
長し、まとめた配列を、ここにDNA38110と称する。上記検索は、コンピ
ュータープログラムBLASTもしくはBLAST2を用いて行った(Alts
hulら、Method in Enzymology 266:460−48
0(1996))。既知のタンパク質をコードしないBLASTスコアー70(
もしくは、いくつかの事例において90)以上となるこれらの比較結果を、グル
ープ化し、プログラム「pharp」(Phil Green,Univers
ity of Washington,Seattle,Washington
;http://bozeman.mbt.washington.edu/p
hrap.docs/phrap.html)により、コンセンサスDNA配列
にまとめた。
【0289】 上記のように得られたDNA38110コンセンサス配列に基づいて、オリゴ
ヌクレオチドを、1)興味のある配列を含むcDNAライブラリーを、PCRに
よって同定するため、および2)PRO327をコードする全長の配列のクロー
ンを単離するためのプローブとしての使用のため、合成した。
【0290】 PCRプライマー(前進と逆進)を以下のように合成した: 前進プライマー 5’−CCCGCCCGACGTGCACGTGAGCC−3
’(配列番号:33) 逆進プライマー 5’−TGAGCCAGCCCAGGAACTGCTTG−3
’(配列番号:34) さらに、合成オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションプローブを、以下のヌ
クレオチド配列を有するコンセンサスDNA38110コンセンサス配列から構
築した。 ハイブリダイゼーションプローブ 5’−CAAGTGCGCTGCAACCCCTTTGGCATCTATGGC
TCCAAGAAAGCCGGGAT−3’(配列番号:35)
【0291】 全長クローンの供給源としての複数個のライブラリーをスクリーニングするた
めに、ライブラリーからDNAを、上記PCRプライマー対を用いたPCR増幅
によってスクリーニングした。次いで、陽性ライブラリーを、オリゴヌクレオチ
ドプローブと上記PCRプライマーの一つを用い、PRO327遺伝子をコード
するクローンを単離するために用いた。cDNAライブラリーの構築のためのR
NAを、ヒト胎児肺組織(LIB26)から単離した。
【0292】 上記単離したクローンのDNA配列決定により、PRO327の全長DNA配
列[ここに、UNQ288(DNA38113−1230)として称する](配
列番号:16)を得て、PRO327のタンパク質配列を推定した。
【0293】 UNQ288(DNA38113−1230)の全ヌクレオチド配列を、図1
6(配列番号:31)に示す。クローンUNQ288(DNA38113−12
30)は、ヌクレオチド部位119−121に見かけ上の翻訳開始部位と、ヌク
レオチド部位1385−1387に終止コドンでの終止を有する単一のオープン
リーディングフレームを含む(図16)。推測されるポリペプチドプレカーサー
は、422アミノ酸長である(図17)。図17に示された全長PRO327タ
ンパク質は、分子量約46302ダルトンで、PI約9.42であると推測され
る。クローンUNQ288(DNA38113−1230)は、ATCCに寄託
しており、ATCC寄託番号209530が付与されている。
【0294】 全長PRO327ポリペプチドのアミノ酸配列の分析により、それの一部が、
ヒトプロラクチン受容体タンパク質と有意な相同性を有することが提示され、そ
れによって、PRO327が、新規なプロラクチン結合タンパク質であることが
示唆されている。
【0295】 実施例9: ヒトPRO233をコードするcDNAクローンの単離 コンセンサスDNA配列を、上記実施例1に記載されたように、他のEST配
列と対応してまとめた。このコンセンサス配列を、ここに、DNA30945と
称する。DNA30945コンセンサス配列に基づいて、オリゴヌクレオチドを
、1)PCRによって、興味のある配列を含むcDNAライブラリーを同定する
ため、および2)PRO233の全長をコードする配列のクローンを単離するた
めのプローブとして使用するため、合成した。
【0296】 PCRプライマーを以下のように合成した: 前進PCRプライマー1 5’−GGTGAAGGCAGAAATTGGAGA
TG−3’(配列番号:38) 逆進PCRプライマー 5’−ATCCCATGCATCAGCCTGTTTA
CC−3’(配列番号:39) さらに、合成オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションプローブを、以下のヌ
クレオチド配列を有するコンセンサスDNA30945配列から構築した。 ハイブリダイゼーションプローブ 5’−GCTGGTGTAGTCTATACATCAGATTTGTTTGCT
ACACAAGATCCTCAG−3’(配列番号:40)
【0297】 全長クローンの供給源としての複数個のライブラリーをスクリーニングするた
めに、ライブラリーからDNAを、上記同定されたPCRプライマー対を用いた
PCR増幅によってスクリーニングした。次いで、PRO233遺伝子をコード
するクローンをオリゴヌクレオチドプローブを用いて単離するために、陽性ライ
ブラリーを用いた。cDNAライブラリーの構築のためのRNAを、ヒト胎児脳
組織から単離した。
【0298】 上記のように単離したクローンのDNA配列決定によって、PRO233[こ
こに、UNQ207(DNA34436−1238)と称する](配列番号:3
6)が得られ、PRO233のタンパク質配列が推定された。
【0299】 UNQ207(DNA34436−1238)の全ヌクレオチド配列を図18
(配列番号:36)に示す。クローンUNQ207(DNA34436−123
8)は、ヌクレオチド部位101−103に見かけ上の翻訳開始部位と、ヌクレ
オチド部位1001−1003に終止コドンでの終止を有する単一のオープンリ
ーディングフレームを含む(図18)。推測されるポリペプチドプレカーサーは
、300アミノ酸長である(図19)。図19に示された全長PRO233タン
パク質は、分子量約32964ダルトンで、PI約9.52であると推測される
。さらに、単一ペプチドと推定上の酸化還元酵素活性部位を含む興味のある領域
を、図19に示す。クローンUNQ207(DNA34436−1238)は、
ATCCに寄託しており、ATCC寄託番号209523が付与されている。
【0300】 全長PRO233ポリペプチドのアミノ酸配列の分析により、それの一部が、
様々な還元酵素タンパク質と有意な相同性を有することが提示され、それによっ
て、PRO233が、新規な還元酵素タンパク質であることが示唆されている。
【0301】 実施例10: ヒトPRO344をコードするcDNAクローンの単離 コンセンサスDNA配列を、上記実施例1に記載されたように、他のEST配
列に対応してまとめた。このコンセンサス配列を、ここに、DNA34398と
称する。DNA34398コンセンサス配列に基づいて、オリゴヌクレオチドを
、1)PCRによって、興味のある配列を含むcDNAライブラリーを同定する
ため、および2)PRO344の全長をコードする配列のクローンを単離するた
めのプローブとして使用するため、合成した。
【0302】 DNA34398コンセンサス配列に基づいて、前進と逆進PCRプライマー
を合成した: 前進PCRプライマー(34398.f1) 5’−TACAGGCCCAGT
CAGGACCAGGGG−3’(配列番号:43) 前進PCRプライマー(34398.f2) 5’−AGCCAGCCTCGC
TCTCGG−3’(配列番号:44) 前進PCRプライマー(34398.f3) 5’−GTCTGCGATCAG
GTCTGG−3’(配列番号:45) 逆進PCRプライマー(34398.r1) 5’−GAAAGAGGCAAT
GGATTCGC−3’(配列番号:46) 逆進PCRプライマー(34398.r2) 5’−GACTTACACTTG
CCAGCACAGCAC−3’(配列番号:47) さらに、合成オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションプローブを、以下のヌ
クレオチド配列を有するDNA34398コンセンサス配列から構築した。 ハイブリダイゼーションプローブ 5’−GGAGCACCACCAACTGGAGGGTCCGGAGTAGCG
AGCGCCCCGAAG−3’(配列番号:48)
【0303】 全長クローンの供給源としての複数個のライブラリーをスクリーニングするた
めに、ライブラリーからDNAを、上記同定されたPCRプライマー対を用いた
PCR増幅によってスクリーニングした。次いで、オリゴヌクレオチドプローブ
と該PCRプライマーの一つを用いて、PRO344遺伝子をコードするクロー
ンを単離するために、陽性ライブラリーを用いた。cDNAライブラリーの構築
のためのRNAを、ヒト胎児腎組織から単離した。
【0304】 上記のように単離されたクローンのDNA配列決定によって、PRO344の
全長のDNA配列[ここに、UNQ303(DNA40592−1242)と称
する](配列番号:41)を得て、PRO344のタンパク質配列を推定した。
【0305】 UNQ303(DNA40592−1242)の全ヌクレオチド配列を図20
(配列番号:41)に示す。クローンUNQ303(DNA40592−124
2)は、ヌクレオチド部位227−229に見かけ上の翻訳開始部位と、ヌクレ
オチド部位956−958に終止コドンでの終止を有する単一のオープンリーデ
ィングフレームを含む(図20)。推測ポリペプチドプレカーサーは、243ア
ミノ酸長である(図21)。PRO344のヌクレオチド1から729によって
コードされたアミノ酸配列の重要な領域は、図21に示されているように、単一
ペプチド、成熟タンパク質の開始、および潜在的な2個のN−ミリストイル化部
位を含む。クローンUNQ303(DNA40592−1242)は、ATCC
に寄託しており、ATCC寄託番号ATCC209492が付与されている。
【0306】 全長PRO344ポリペプチドのアミノ酸配列の分析により、それらの一部が
、様々なヒトおよび齧歯動物の補体タンパク質と有意な相同性を有することが提
示され、それによって、PRO344が、新規な補体タンパク質であることが示
唆されている。
【0307】 実施例11: ヒトPRO347をコードするcDNAクローンの単離 コンセンサスDNA配列を、上記実施例1に記載されたように、他のEST配
列に対応してまとめた。このコンセンサス配列を、ここに、DNA39499と
称する。DNA39499コンセンサス配列に基づいて、オリゴヌクレオチドが
、1)PCRによって、興味のある配列を含むcDNAライブラリーを同定する
ため、および2)PRO347の全長をコードする配列のクローンを単離するた
めのプローブとして使用するため、合成した。
【0308】 PCRプライマー(前進と逆進)を以下のように合成した: 前進PCRプライマー 5’−AGGAACTTCTGGATCGGGCTCA
CC−3’(配列番号:51) 逆進PCRプライマー 5’−GGGTCTGGGCCAGGTGGAAGAG
AG−3’(配列番号:52) さらに、合成オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションプローブを、以下のヌ
クレオチド配列を有するコンセンサスDNA39499配列から構築した。 ハイブリダイゼーションプローブ 5’−GCCAAGGACTCCTTCCGCTGGGCCACAGGGGAG
CACCAGGCCTTC−3’(配列番号:53)
【0309】 全長クローンの供給源としての複数個のライブラリーをスクリーニングするた
めに、ライブラリーからDNAを、上記同定したPCRプライマー対を用いたP
CR増幅によってスクリーニングした。次いで、オリゴヌクレオチドプローブと
該PCRプライマーの一つを用いて、PRO347遺伝子をコードするクローン
を単離するために、陽性ライブラリーを用いた。cDNAライブラリーの構築の
ためのRNAを、ヒト胎児腎組織(LIB228)から単離した。
【0310】 上記のように単離したクローンのDNA配列決定によって、PRO347の全
長のDNA配列[ここに、UNQ306(DNA44176−1244)と称す
る](配列番号:49)を得て、PRO347のタンパク質配列を推定した。
【0311】 UNQ306(DNA44176−1244)の全ヌクレオチド配列を図22
(配列番号:49)に示す。クローンUNQ306(DNA44176−124
4)は、ヌクレオチド部位123−125に見かけ上の翻訳開始部位と、ヌクレ
オチド部位1488−1490に終止コドンでの終止を有する単一のオープンリ
ーディングフレームを含む(図22)。推測されるポリペプチドプレカーサーは
、455アミノ酸長である(図23)。図23に示された全長PRO347タン
パク質は、分子量約50478ダルトンで、PI約8.44であると推測される
。クローンUNQ306(DNA44176−1244)は、ATCCに寄託し
ており、ATCC寄託番号209532が付与されている。
【0312】 全長PRO347ポリペプチドのアミノ酸配列の分析により、それの一部が、
様々なシステインに富む分泌タンパク質と有意な相同性を有することが提示され
、それによって、PRO347が、新規なシステインに富む分泌タンパク質であ
ることが示唆されている。
【0313】 実施例12: ヒトPRO354をコードするcDNAクローンの単離 発現配列標識(expression sequence tag)(EST
)DNAデータベース(LIFESEQTM, Incyte Pharmace
uticals, Palo Alto, CA)を検索し、インター-アルフ ァ-トリプシンインヒビター重鎖と、およびお互いに、ある程度の相同性を有す る様々なEST配列を同定した。次いで、相同のEST配列を整列し、コンセン
サス配列を得た。次いで、公的ESTデータベース(例えば、GenBank)
と私的EST DNAデータベース(LIFESEQTM,Incyte Pha
rmaceuticals,Palo Alto,CA)の両方から得られた相
同EST配列を用い、コンセンサス配列をできるかぎり伸長するために、BLA
Sとphrapの反復サイクルを用い、得られたコンセンサスDNA配列を伸長
した。伸長し、まとめた配列を、ここにDNA39633と称する。上記検索を
、コンピュータープログラムBLASTもしくはBLAST2を用いて実行した
(Altshulら、Method in Enzymology 266:4
60−480(1996))。既知のタンパク質をコードしないBLASTスコ
アー70(もしくは、いくつかの事例において90)以上となるこれらの比較結
果を、プログラム「pharp」(Phil Green,Universit
y of Washington,Seattle,Washington;
http://bozeman.mbt.washington.edu/ph
rap.docs/phrap.html)を用い、グループ化し、コンセンサ
スDNA配列にまとめた。
【0314】 DNA39633コンセンサス配列に基づいて、オリゴヌクレオチドを、1)
興味のある配列を含むcDNAライブラリーを、PCRによって同定するため、
および2)PRO354をコードする全長配列のクローンを単離するためのプロ
ーブとしての使用のため、合成した。前進と逆進PCRプライマーは、一般的に
、20から30ヌクレオチドの範囲であり、しばしば、長さ約100−1000
bpのPCR生成物を与えるように設計する。プローブの配列は、典型的には、
長さ40−55bpである。いくつかの事例において、コンセンサス配列が約1
−1.5kbを超える時、付加的なオリゴヌクレオチドを合成する。全長クロー
ンのためのいくつかのライブラリーをスクリーニングするために、ライブラリー
からDNAを、Ausubelら、Currene Protocols in
Molecular Biologyに従って、PCRプライマー対を用い、
PCR増幅によってスクリーニングした。次いで、オリゴヌクレオチドプローブ
もしくはプライマー対の一つを用い、興味のある遺伝子をコードするクローンを
単離するために、陽性のライブラリーを用いた。
【0315】 PCRプライマー(前進と逆進)を以下のように合成した: 前進プライマー1(39633.f1) 5’−GTGGGAACCAAACT
CCGGCAGACC−3’(配列番号:56) 前進プライマー2(39633.f2) 5’−CACATCGAGCGTCT
CTGG−3’(配列番号:57) 逆進プライマー(39633.r1) 5’−AGCCGCTCCTTCTCC
GGTTCATCG−3’(配列番号:58) さらに、合成オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションプローブを、以下のヌ
クレオチド配列を有するコンセンサスDNA39633配列から構築した。 ハイブリダイゼーションプローブ 5’−TGGAAGGACCACTTGATATCAGTCACTCCAGAC
AGCATCAGGGATGGG−3’(配列番号:59)
【0316】 全長クローンの供給源としての複数個のライブラリーをスクリーニングするた
めに、ライブラリーからDNAを、上記PCRプライマー対を用いたPCR増幅
によってスクリーニングした。次いで、オリゴヌクレオチドプローブと上記PC
Rプライマーの一つを用いて、PRO354遺伝子をコードするクローンを単離
するために、陽性のライブラリーを用いた。
【0317】 cDNAライブラリーの構築のためのRNAを、ヒト胎児腎組織(LIB22
7)から単離した。cDNAクローンを単離するために用いたcDNAライブラ
リーを、Invitrogen,San Diego,CAなどから商業的に利
用できる試薬を用いた標準的な方法によって構築した。cDNAを、NotI部
位を含むオリゴdTプライマーで合成し、SalIヘミキナーゼアダプターに平
滑端で連結し、NotI部位で切断し、適切にゲル電気泳動によりサイズ分画し
、好適なクローニングベクター[例えば、pRKBもしくはpRKD;pRK5
Bは、SfiI部位を含まないpRK5Dの前駆体である;Holmesら、S
cience,253:1278−1280(1991)参照]に、特有のXh
oIおよびNotI部位で、定められた方向でクローニングした。
【0318】 上記のように単離したクローンのDNA配列により、PRO354の全長のD
NA配列[ここに、UNQ311(DNA44192−1246)として称する
](配列番号:54)を得て、PRO354のタンパク質配列を推定した。
【0319】 UNQ311(DNA44192−1246)の全ヌクレオチド配列を図24
(配列番号:54)に示す。クローンUNQ311(DNA44192−124
6)は、ヌクレオチド部位72−74に見かけ上の翻訳開始部位と、ヌクレオチ
ド部位2154−2156に終止コドンでの終止とを有する単一のオープンリー
ディングフレームを含む(図24)。推測されるポリペプチドプレカーサーは、
694アミノ酸長である(図25)。図25に示した全長PRO354タンパク
質は、分子量約77400ダルトンで、PI約9.54であると推測される。ク
ローンUNQ311(DNA44192−1246)は、ATCCに寄託してお
り、ATCC寄託番号ATCC209531が付与されている。
【0320】 全長PRO354ポリペプチドのアミノ酸配列の分析により、それの一部が、
インター-アルファ-トリプシンインヒビター重鎖タンパク質と有意な相同性を有
することが提示され、それによって、PRO354が、新規なインター-アルフ ァ-トリプシンインヒビター重鎖タンパク相同体であることが示唆されている。
【0321】 実施例13: ヒトPRO355をコードするcDNAクローンの単離 コンセンサスDNA配列を、上記実施例1に記載されたように、BLASTと
phrapを用いて、他のEST配列に対応してまとめた。このコンセンサス配
列を、ここに、DNA35702と称する。DNA35702コンセンサス配列
に基づいて、オリゴヌクレオチドを、1)PCRによって、興味ある配列を含む
cDNAライブラリーを同定するため、および2)PRO355の全長をコード
する配列のクローンを単離するためのプローブとして使用するため、合成した。
【0322】 前進と逆進のPCRプライマーを以下のように合成した: 前進PCRプライマー(.f1) 5’−GGCTTCTGCTGTTGCTC
TTCTCCG−3’(配列番号:62) 前進PCRプライマー(.f2) 5’−GTACACTGTGACCAGTC
AGC−3’(配列番号:63) 前進PCRプライマー(.f3) 5’−ATCATCACAGATTCCCG
AGC−3’(配列番号:64) 逆進PCRプライマー(.r1) 5’−TTCAATCTCCTCACCTT
CCACCGC−3’(配列番号:65) 逆進PCRプライマー(.r2) 5’−ATAGCTGTGTCTGCGTC
TGCTGCG−3’(配列番号:66) さらに、合成オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションプローブを、以下のヌ
クレオチド配列を有するコンセンサスDNA35702配列から構築した。 ハイブリダイゼーションプローブ 5’−CGCGGCACTGATCCCCACAGGTGATGGGCAGAA
TCTGTTTACGAAAGACG−3’(配列番号:67)
【0323】 全長のクローンの供給源としての複数個のライブラリーをスクリーニングする
ために、ライブラリーからDNAを、上記同定されたPCRプライマー対の一つ
を用いたPCR増幅によってスクリーニングした。次いで、陽性ライブラリーを
、オリゴヌクレオチドプローブを用いて、PRO355遺伝子をコードするクロ
ーンを単離するために用いた。cDNAライブラリーの構築のためのRNAを、
ヒト胎児肝組織から単離した。
【0324】 上記のように単離したクローンのDNA配列決定によって、PRO355の全
長のDNA配列[ここに、UNQ312(DNA39518−1247)と称す
る](配列番号:60)を得て、PRO355のタンパク質配列を推定した。
【0325】 UNQ312(DNA39518−1247)の全ヌクレオチド配列を図26
(配列番号:60)に示す。クローンUNQ312(DNA39518−124
7)は、ヌクレオチド部位22−24に見かけ上の翻訳開始部位と、ヌクレオチ
ド部位1342−1344に終止コドンでの終止を有する単一のオープンリーデ
ィングフレームを含む(図26)。推測されるポリペプチドプレカーサーは、4
40アミノ酸長である(図27)。図27に示された全長PRO355タンパク
質は、分子量約48240ダルトンで、PI約4.93であると推測される。さ
らに、単一ペプチド、細胞外ドメインにおけるIg反復、潜在的なN−グリコシ
ル化部位、および潜在的なトランスメンブランドメインを含む興味ある領域が、
図27に示されている。クローンUNQ312(DNA39518−1247)
は、ATCCに寄託しており、ATCC寄託番号ATCC209529が付与さ
れている。
【0326】 全長PRO355ポリペプチドのアミノ酸配列の分析により、それの一部が、
CRTAMタンパク質と有意な相同性を有することが提示され、それによって、
PRO355が、CRTAMタンパク質であることが示唆されている。
【0327】 実施例14: ヒトPRO357をコードするcDNAクローンの単離 Incyte Pharmaceuticals,Palo Alto,CA
によるsequence expression tagクローン番号「245
2972」を、データベース検索を始めるために用いた。Swiss−Prot
公的タンパク質データベースからの約950個の既知分泌タンパク質から、細胞
外ドメイン(ECD)配列(もしあるならば、分泌シグナルを含む)を、Inc
yte ESTクローン番号「2452972」の一部と重複した発現配列標識
(EST)データベースを検索するために用いた。ESTデータベースは、公的
ESTデータベース(例えば、GenBank)と、私的EST DNAデータ
ベース(LIFESEQTM,Incyte Pharmaceuticals,
Palo Alto,CA)を含む。上記検索を、コンピュータープログラムB
LASTもしくはBLAST2を用い[Altshulら、Method in
Enzymology 266:460−480(1996)]、ECDタン
パク質配列をEST配列の6フレーム翻訳と比較して実行した。既知のタンパク
質をコードしないBLASTスコアー70(もしくは、いくつかの事例において
90)以上となるこれらの比較結果を、プログラム「pharp」(Phil
Green,University of Washington,Seatt
le,Washington;http://bozeman.mbt.was
hington.edu/phrap.docs/phrap.html)を用
い、グループ化し、コンセンサスDNA配列にまとめた。
【0328】 次いで、コンセンサスDNA配列を、phrapを用い、他のEST配列に対
応してまとめた。このコンセンサス配列を、ここではDNA37162と称する
。この事例において、上記EST配列の供給源を用い、コンセンサス配列をでき
るかぎり伸長させるために、コンセンサスDNA配列を、BLASとphrap
の反復サイクルを用いて伸長した。
【0329】 DNA37162コンセンサス配列に基づいて、オリゴヌクレオチドを、1)
興味のある配列を含むcDNAライブラリーを、PCRによって同定するため、
および2)PRO357をコードする全長配列のクローンを単離するためのプロ
ーブとしての使用のため、合成した。前進と逆進PCRプライマーは、一般的に
、20から30ヌクレオチドの範囲であり、しばしば、長さ約100−1000
bpのPCR生成物を得るために設計される。プローブの配列は、典型的には、
長さ40−55bpである。いくつかの事例において、コンセンサス配列が約1
−1.5kbを超える時、付加的なオリゴヌクレオチドを合成する。全長のクロ
ーンのためのいくつかのライブラリーをスクリーニングするために、ライブラリ
ーからDNAを、Ausubelら、Currene Prorocols i
n Molecular Biologyに従って、PCRプライマー対を用い
たPCR増幅によってスクリーニングした。次いで、陽性のライブラリーを、オ
リゴヌクレオチドプローブとプライマー対の一つを用い、興味のある遺伝子をコ
ードするクローンを単離するために用いた。
【0330】 PCRプライマーを以下のように合成した: 前進プライマー1 5’−CCCTCCACTGCCCCACCGACT−3’
(配列番号:70); 逆進プライマー1 5’−CGGTTCTGGGGACGTTAGGGCTCG
−3’(配列番号:71);および 前進プライマー2 5’−CTGCCCACCGTCCACCTGCCTCAA
T−3’(配列番号:72)。 さらに、2つの合成オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションプローブを、以
下のヌクレオチド配列を有するコンセンサスDNA37162配列から構築した
。 ハイブリダイゼーションプローブ1; 5’−AGGACTGCCCACCGTCCACCTGCCTCAATGGGG
GCACATGCCACC−3’(配列番号:73);および ハイブリダイゼーションプローブ2 5’−ACGCAAAGCCCTACATCTAAGCCAGAGAGAGAC
AGGGCAGCTGGG−3’(配列番号:74)。
【0331】 全長クローンの供給源としての複数個のライブラリーをスクリーニングするた
めに、ライブラリーからDNAを、上記PCRプライマー対を用いたPCR増幅
によってスクリーニングした。次いで、オリゴヌクレオチドプローブとPCRプ
ライマーの一つを用い、PRO357遺伝子をコードするクローンを単離するた
め、陽性のライブラリーを用いた。
【0332】 cDNAライブラリーを構築するためのRNAを、ヒト胎児肝組織から単離し
た。cDNAクローンを単離するために用いたcDNAライブラリーを、Inv
itrogen,San Diego,CAなどから商業的に利用できる試薬を
用いた標準的な方法によって構築した。cDNAを、NotI部位を含むオリゴ
dTプライマーで合成し、SalIヘミキナーゼアダプターに平滑端で連結し、
NotIで切断し、ゲル電気泳動により適切にサイズ分画し、好適なクローニン
グベクター[例えば、pRKBもしくはpRKD;pRK5Bは、SfiI部位
を含まないpRK5Dの前駆体である;Holmesら、Science,25
3:1278−1280(1991)参照]に、特有のXhoIおよびNotI
部位で、定められた方向でクローニングした。
【0333】 上記のように単離したクローンのDNA配列決定により、PRO357の全長
のDNA配列[ここに、UNQ314(DNA44804−1248)としてす
る](配列番号:68)を得て、PRO357のタンパク質配列を推定した。
【0334】 UNQ314(DNA44804−1248)の全ヌクレオチド配列を図28
(配列番号:68)に示す。クローンUNQ314(DNA44804−124
8)は、ヌクレオチド部位137−139に見かけ上の翻訳開始部位と、ヌクレ
オチド部位1931−1933に終止コドンでの終止を有する単一のオープンリ
ーディングフレームを含む(図28)。推測されるポリペプチドプレカーサーは
、598アミノ酸長である(図29)。クローンUNQ314(DNA4480
4−1248)は、ATCCに寄託しており、ATCC寄託番号ATCC209
527が付与されている。
【0335】 さらなる分析により、図29に示すような様々な特性が示されている。図29
には、配列番号:68のヌクレオチド137から1930まで得られたアミノ酸
配列(配列番号:69)を示す。分子量が63030ダルトン;pIが7.24
;およびNT(S/T)が3である。推定されるトランスメンブレンドメインは
、図29においてアミノ酸506から524までに示される。もしくは、トラン
スメンブレン領域はアミノ酸497の「G」で始まる。潜在的なN−グリコシル
化部位は、図29の下線部位である。EGF様ドメインのシステインパターンサ
インが、アミノ酸355から366までに見られる。また、この領域は、ラット
における乳脂乳球タンパク質、切痕、もしくは肝細胞増殖因子変換酵素において
も認められる。また、このシグナルペプチドは、図29のアミノ酸1−22にも
ある。ALSとの相同の最初と、細胞外ドメインにおける他のロイシン反復に富
むタンパク質が、アミノ酸部位24から始まる。
【0336】 これゆえ、全長PRO357のアミノ酸配列の分析から、それの一部が、AL
Sとの有意な相同性を有することが提示され、これによって、PRO357がA
LSに関する新規のロイシン富反復タンパク質であることが示唆される。
【0337】 実施例15: ヒトPRO715をコードするcDNAクローンの単離 私的EST DNAデータベース(LIFESEQTM,Incyte Pha
rmaceuticals,Palo Alto,CA)を、ヒトTNF−αの
相同性を有するポリペプチドをコードするEST配列について検索した。この検
索により、Incyte Expressed Sequence Tag N
o.2099855を同定した。
【0338】 次いで、コンセンサスDNA配列を、seqextと「phrap」(Phi
l Green,University of Washington,Sea
ttle,Washington; http://bozeman.mbt.
washington.edu/phrap.docs/phrap.html
)を用い、その他のEST配列に対応してまとめた。このコンセンサス配列を、
ここにDNA52092と称する。この構成に同定された様々なESTクローン
の定序に基づいて、Merck/Washingtom University ESTセット(ESTクローン番号.725887、受託番号.AA2923
58)から単一のESTクローンを得て、その挿入物を配列決定した。次いで、
全長DNA52722−1229配列を、ESTクローン番号.725887か
らの挿入DNAの配列決定によって得た。
【0339】 UNQ383(DNA52722−1229)の全ヌクレオチド配列を、図3
0(配列番号:75)において示す。クローンUNQ383(DNA52722
−1229)は、ヌクレオチド部位114−116に見かけ上の翻訳開始部位を
含み、ヌクレオチド部位864−866に終止コドンでの終止を有する単一のオ
ープンリ−ディングフレームを含む。推定されるポリペプチドは、250アミノ
酸長(図31)である。図31に示される全長のPRO715は、分子量約27
433ダルトン、pI約9.85であると推定される。
【0340】 全長PRO715ポリペプチドのアミノ酸配列の分析より、タンパク質の腫瘍
壊死因子ファミリーの一員と有意な相同性を有すことが提示され、それによって
、PRO715が、新規な腫瘍壊死因子タンパク質であることが示されている。
【0341】 実施例16: ヒトPRO353をコードするcDNAクローンの単離 コンセンサスDNA配列を、上記実施例1に記載されたように、phrapを
用い、他のEST配列に対応してまとめた。このコンセンサス配列を、ここに、
DNA36363と称する。上記EST配列の供給源を用い、コンセンサス配列
をできる限り伸長させるため、BLASTおよびphrapの反復サイクルを用
い、該コンセンサスDNA配列を伸長した。DNA36363コンセンサス配列
に基づいて、オリゴヌクレオチドを、1)PCRによって、興味のある配列を含
むcDNAライブラリーを同定するため、および2)PRO353の全長をコー
ドする配列のクローンを単離するためのプローブとして使用するため、合成した
【0342】 DNA36363コンセンサス配列に基づいて、前進と逆進のPCRプライマ
ーを以下のように合成した: 前進PCRプライマー(36363.f1) 5’−TACAGGCCCAGT
CAGGACCAGGGG−3’(配列番号:87) 逆進PCRプライマー(36363.r1) 5’−CTGAAGAAGTAG
AGGCCGGGCACG−3’(配列番号:88) さらに、合成オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションプローブを、以下のヌ
クレオチド配列を有するコンセンサスDNA36363配列から構築した。 ハイブリダイゼーションプローブ 36363.p1 5’−CCCGGTGCTTGCGCTGCTGTGACCCCGGTACCT
CCATGTACCCGG−3’(配列番号:89)
【0343】 全長クローンの供給源としての複数個のライブラリーをスクリーニングするた
め、ライブラリーからDNAを、上記同定されたPCRプライマー対の一つを用
いたPCR増幅によってスクリーニングした。次いで、オリゴヌクレオチドプロ
ーブとPCRプライマー対の一つを用いて、PRO355遺伝子をコードするク
ローンを単離するため、陽性ライブラリーを用いた。cDNAライブラリーの構
築のためのRNAを、ヒト胎児腎組織から単離した。
【0344】 上記のように単離したクローンのDNA配列決定によって、PRO353の全
長のDNA配列[ここに、UNQ310(DNA41234−1242)と称す
る](配列番号:85)を得て、PRO353のタンパク質配列を推定した。
【0345】 UNQ310(DNA41234−1242)の全ヌクレオチド配列を図34
(配列番号:85)に示す。クローンUNQ310(DNA41234−124
2)は、ヌクレオチド部位305−307に見かけ上の翻訳開始部位と、ヌクレ
オチド部位1148−1150に終止コドンでの終止を有する単一のオープンリ
ーディングフレームを含む(図34)。推測されるポリペプチドプレカーサーは
、281アミノ酸長である(図35)。PRO353によってコードされるアミ
ノ酸配列の重要な領域には、アミノ酸1−26に相当する単一ペプチド、アミノ
酸部位27に成熟タンパクの開始、アミノ酸93−98に相当する潜在的なN−
グリコシル化部位、および、アミノ酸99−281に相当する、30kdの脂肪
細胞補体−関連タンパク質前駆体と相同性を有する領域を含む。クローンUNQ
310(DNA41234−1242)は、ATCCに寄託しており、ATCC
寄託番号ATCC209618が付与されている。
【0346】 全長PRO353ポリペプチドのアミノ酸配列の分析により、それらの一部が
、ヒトおよび齧歯動物の補体タンパク質と有意な相同性を有することが示され、
それによって、PRO355が、新規な補体タンパク質であることが示唆されて
いる。
【0347】 実施例17: ヒトPRO361をコードするcDNAクローンの単離 コンセンサスDNA配列を、上記実施例1に記載されたように、phrapを
用い、他のEST配列に対応してまとめた。このコンセンサス配列を、ここに、
DNA40654と称する。DNA40654コンセンサス配列に基づいて、オ
リゴヌクレオチドを、1)PCRによって、興味のある配列を含むcDNAライ
ブラリーを同定するため、および2)PRO361の全長をコードする配列のク
ローンを単離するためのプローブとして使用するため、合成した。
【0348】 前進と逆進のPCRプライマーを以下のように合成した: 前進PCRプライマー(.f1) 5’−AGGGAGGATTATCCTTG
ACCTTTGAAGACC−3’(配列番号:92) 前進PCRプライマー(.f2) 5’−GAAGCAAGTGCCCAGCT
C−3’(配列番号:93) 前進PCRプライマー(.f3) 5’−CGGGTCCCTGCTCTTTG
G−3’(配列番号:94) 逆進PCRプライマー(.r1) 5’−CACCGTAGCTGGGAGCG
CACTCAC−3’(配列番号:95) 逆進PCRプライマー(.r2) 5’−AGTGTAAGTCAAGCTCC
C−3’(配列番号:96) さらに、合成オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションプローブを、以下のヌ
クレオチド配列を有するコンセンサスDNA40654配列から構築した。 ハイブリダイゼーションプローブ 5’−GCTTCCTGACACTAAGGCTGTCTGCTAGTCAGA
ATTGCCTCAAAAAGAG−3’(配列番号:97)
【0349】 全長のクローンの供給源としての複数個のライブラリーをスクリーニングする
ために、ライブラリーからDNAを、上記同定されたPCRプライマー対の一つ
を用いたPCR増幅によってスクリーニングした。次いで、オリゴヌクレオチド
プローブを用い、PRO361遺伝子をコードするクローンを単離するため、陽
性ライブラリーを用いた。cDNAライブラリーの構築のためのRNAを、ヒト
胎児腎組織から単離した。
【0350】 上記のように単離したクローンのDNA配列決定によって、PRO353の全
長のDNA配列[ここに、UNQ316(DNA45140−1250)と称す
る](配列番号:90)を得て、PRO353のタンパク質配列を推定した。
【0351】 UNQ316(DNA45410−1250)の全ヌクレオチド配列を図36
(配列番号:90)に示す。クローンUNQ316(DNA45410−125
0)は、ヌクレオチド部位226−228に見かけ上の翻訳開始部位と、ヌクレ
オチド部位1519−1521に終止コドンでの終止を有する単一のオープンリ
ーディングフレームを含む(図36)。推測されるポリペプチドプレカーサーは
、431アミノ酸長である(図37)。図37に示されている全長のPRO36
1タンパク質は、分子量約46810ダルトン、pI約6.45であると推定さ
れる。さらに、トランスメンブレンドメイン(アミノ酸380−409)とアル
ギナーゼファミリーのタンパク質に典型的な配列(アミノ酸3−14と39−5
7)を含む興味のある領域を、図37に示す。クローンUNQ316(DNA4
5410−1250)は、ATCCに寄託しており、ATCC寄託番号ATCC
209621が付与されている。
【0352】 全長PRO361ポリペプチドのアミノ酸配列の分析により、それの一部が、
ムチンおよび/もしくはキチナーゼタンパク質と有意な相同性を有することが示
され、それによって、PRO355が、新規なムチンおよび/もしくはキチナー
ゼタンパク質であることが示唆されている。
【0353】 実施例18: ヒトPRO365をコードするcDNAクローンの単離 コンセンサスDNA配列を、上記実施例1に記載したように、phrapを用
い、他のEST配列に対応してまとめた。このコンセンサス配列を、ここに、D
NA35613と称する。DNA35613コンセンサス配列に基づいて、オリ
ゴヌクレオチドを、1)PCRによって、興味のある配列を含むcDNAライブ
ラリーを同定するため、および2)PRO365の全長をコードする配列のクロ
ーンを単離するためのプローブとして使用するため、合成した。
【0354】 前進と逆進のPCRプライマーを以下のように合成した: 前進PCRプライマー(.f1−35613) 5’−AATGTGACCAC
TGGACTCCC−3’(配列番号:100) 前進PCRプライマー(.f2−35613) 5’−AGGCTTGGAAC
TCCCTTC−3’(配列番号:101) 逆進PCRプライマー(.r1−35613) 5’−AAGATTCTTGA
GCGATTCCAGCTG−3’(配列番号:102) さらに、合成オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションプローブを、以下のヌ
クレオチド配列を有するコンセンサスDNA35613配列から構築した。 ハイブリダイゼーションプローブ 5’−AATCCCTGCTCTTCATGGTGACCTATGACGACG
GAAGCACAAGACTG−3’(配列番号:103)
【0355】 全長のクローンの供給源としての複数個のライブラリーをスクリーニングする
ため、ライブラリーからDNAを、上記同定したPCRプライマー対の一つを用
いたPCR増幅によってスクリーニングした。次いで、オリゴヌクレオチドプロ
ーブを用いて、PRO365遺伝子をコードするクローンを単離するために、陽
性ライブラリーを用いた。cDNAライブラリーの構築のためのRNAを、ヒト
胎児腎組織から単離した。
【0356】 上記のように単離したクローンのDNA配列決定によって、PRO365の全
長のDNA配列[ここに、UNQ320(DNA46777−1253)と称す
る](配列番号:98)を得て、PRO365のタンパク質配列を推定した。
【0357】 UNQ320(DNA46777−1253)の全ヌクレオチド配列を図38
(配列番号:98)に示す。クローンUNQ320(DNA46777−125
3)は、ヌクレオチド部位15−17に見かけ上の翻訳開始部位を有し、ヌクレ
オチド部位720−722に終止コドンでの終止を有する単一のオープンリーデ
ィングフレームを含む(図38)。推測されるポリペプチドプレカーサーは、2
35アミノ酸長である(図39)。クローンUNQ320(DNA46777−
1253)によってコードされるポリペプチド配列の重要な領域が、同定され、
図39に示す以下のものを含む:アミノ酸1−20に相当する単一ペプチド、ア
ミノ酸21に相当する成熟タンパクの開始、多数の潜在的なN−グリコシル化部
位。クローンUNQ320(DNA46777−1253)は、ATCCに寄託
しており、ATCC寄託番号ATCC209619が付与されている。
【0358】 全長PRO365ポリペプチドのアミノ酸配列の分析により、それの一部が、
ヒト2−19タンパク質と有意な相同性を有することが示され、それによって、
PRO365が、新規なヒト2−19タンパク相同体であることが示唆されてい
る。
【0359】 実施例19:PROポリペプチドをコードする核酸のハイブリダイゼーション
プローブとしての使用 以下の方法は、ハイブリダイゼーションプローブとして、PROポリペプチド
をコードする核酸配列の使用について記載する。 ここに開示された興味のあるPROポリペプチドのコード化配列を含むDNA
を、ヒト組織cDNAライブラリーもしくはヒト組織染色体ライブラリーにおい
て、相同DNA(例えば、PROポリペプチドの天然の変種をコードするものな
ど)をスクリーニングするためのプローブとして、もしくはプローブを調製する
ための塩基として用いることができる。
【0360】 どちらかのライブラリーDNAを含むフィルターのハイブリダイゼーションお
よび洗浄は、以下の高ストリンジェント条件下で行う。放射性同位元素標識化P
ROポリペプチドをコードする核酸由来のプローブのフィルターへのハイブリダ
イゼーションを、50%ホルムアミド溶液、5xSSC、0.1%SDS、0.
1%ピロリン酸ナトリウム、50mMリン酸ナトリウム、pH6.8、2xデン
ハート溶液、および10%デキストラン硫酸中、42℃で20時間行う。フィル
ターの洗浄は、0.1xSSCと0.1%SDSの水溶液中、42℃で行う。
【0361】 次いで、全長の天然PROポリペプチド配列をコードするDNAと同一の所望
の配列を有するDNAを、当該分野において公知の標準的な方法を用いて同定す
ることができる。
【0362】 実施例20: 大腸菌におけるPROポリペプチドの発現 本実施例では、大腸菌における組み換え発現による所望のPROポリペプチド
のグリコシル化されていない型の調製について説明する。
【0363】 所望のPROポリペプチドをコードするDNA配列を、最初に、選択したPC
Rプライマーを用いて増幅する。該プライマーは、選択された発現ベクター上の
制限酵素部位に相当する制限酵素部位を含まなければならない。様々な発現ベク
ターが用いられ得る。好適なベクターの例は、アンピシリンおよびテトラサイク
リン耐性遺伝子を含むpBR322[大腸菌由来;Bolivarら、Gene
、2:95(1997)参照]である。ベクターは、制限酵素で消化し、脱リン
酸化する。次いで、PCRで増幅した配列を、ベクター内に結紮させる。ベクタ
ーは、好ましくは、抗生物質耐性遺伝子、trpプロモーター、ポリhisリー
ダー(最初の6STIIコドン、ポリhis配列およびエンテロキナーゼ切断部
位を含む)、特異的PROポリペプチドコード化領域、ラムダ転写終結因子、a
rgU遺伝子をコードする配列を含む。
【0364】 次いで、結紮混合物を、上記Sambrookらに記載された方法を用いて、
選択された大腸菌株を形質転換するために用いた。形質転換体は、LBプレート
上での増殖能によって同定し、次いで、抗生物質耐性コロニーを選択する。プラ
スミドDNAを単離し、制限酵素分析およびDNA配列決定によって確認するこ
とができる。
【0365】 選択したクローンを、抗生物質を補充したLB培地などの液体培養培地中で一
晩培養することができる。続いて、一晩培養物を、大規模培養に播種するために
用いる。次いで、発現プロモータが始動する所望の光学密度まで、細胞を培養す
る。
【0366】 さらに数時間培養後、細胞を遠心分離によって回収することができる。遠心分
離によって得られた細胞ペレットを、当該分野において公知の様々な試薬を用い
て可溶化し、次いで、可溶化PROポリペプチドを、該タンパク質との強固な結
合を許容する条件下で金属錯体カラムを用い、精製することができる。
【0367】 PRO241は、以下の操作により、ポリ−His標識化形態で、大腸菌に発
現させることができた。PRO241をコードするDNAは、最初に、選択した
PCRプライマーを用いて増幅した。該プライマーは、選択された発現ベクター
上の制限酵素部位に相当する制限酵素や、効果的かつ確かな翻訳の開始、金属錯
体カラム上での速やかな精製、およびエンテロキナーゼのタンパク分解除去を提
供するその他の有用な配列を含む。PCR増幅、ポリ−His標識化配列を、次
いで、発現ベクターに結紮し、株52(W3110fuhA(tonA) lo
n galE rpoHis(htpRts) cIpP(lacIq)に基づ
く大腸菌宿主を形質転換させるために用いた。最初に、形質転換体を、50mg
/mlカルベニシリンを含むLB培地中、30℃で、O.D.600が3−5に
なるまで、振とう培養した。次いで、培養物を、CRAP培地[110mM M
POS、pH7.3、0.55%(w/v)グルコースおよび7mM MgSO 4 と同様に、3.57g (NH42SO4、0.71gクエン酸ナトリウム・2
水和物、1.07gKCl、5.36g Difco酵母エキス、5.36g
Sheffield hycase SFを500mL水に混合することによっ
て調製した]中、50−100倍に希釈し、おおよそ20−30時間、30℃で
振とう培養した。試料を、SDS−PAGE分析によって発現を確かめるために
除去し、大量の培養物を遠心分離して細胞ペレットとした。細胞ペレットは、精
製および再生まで凍結させた。
【0368】 0.5から1L培養物から得られた大腸菌ペースト(6−10gペレト)を、
7Mグアニジン、20mM Tris、pH8緩衝液中、10容量(w/v)に
懸濁させた。固形の亜硫酸ナトリウム塩と液体の四チオン酸塩を、最終濃度が各
々0.1Mおよび0.02Mとなるまで添加し、溶液を4℃で一晩攪拌させた。
このステップにより、全システイン残基が亜硫酸化により保護された変性タンパ
ク質となる。溶液を、Beckman Ultracentifugeで30分
間、40000回転で遠心分離した。上清を、金属錯体カラム緩衝液(6Mグア
ニジン、20mM Tris、pH7.4)の3−5容量で希釈し、0.22ミ
クロンフィルターに濾過して透明化した。垂下する透明化した抽出物を、金属錯
体カラム緩衝液で平衡化した5ml Qiagen Ni−NTA金属錯体カラ
ム上に、負荷した。カラムを、50mMイミダゾール(Calbiochem,
Utrol grade)、pH7.4を含む付加用緩衝液で洗浄した。タン
パク質を、250mMイミダゾールを含む緩衝液で溶出した。所望のタンパク質
を含む画分を採取し、4℃で保存した。タンパク濃度は、アミノ酸配列に基づい
て算出した吸光係数を用い、280nmにおける吸光度によって評価した。
【0369】 タンパク質は、新鮮に調製した再生緩衝液(20mM Tris、pH8.6
、0.3MNaCl、2.5M尿素、5mMシステイン、20mMグリシンおよ
び1mMEDTAからなる)中、試料をゆっくりと希釈させることにより、再生
させた。再生容量は、最終タンパク質濃度が、50から100マイクログラム/
mlの間となるように選択した。再生溶液は、緩やかに、4℃で12−36時間
攪拌した。TFAを最終濃度0.4%(pHがおおよそ3)となるまで添加する
ことによって、再生反応を終了させた。タンパク質をさらに精製する前に、溶液
を0.22ミクロンフィルターで濾過し、アセトニトリルが2−10%の最終濃
度となるように添加した。再生したタンパク質を、0.1%TFAの泳動用緩衝
液を用いたPoros R1/H逆相カラム上、約10から80%までのアセト
ニトリル濃度勾配で、クロマトグラフィーにかけた。A280吸光を有する分画
溶液を、SDSポリアクリルアミドゲルで分析し、再生相同タンパク質を含む分
画を採取した。一般的に、適切に再生した大部分のタンパク質は、最も凝縮して
、逆相樹脂との相互作用から疎水性内部がシールされているため、アセトニトリ
ルの最低濃度で溶出される。凝集している種は、たいてい、高いアセトニトリル
濃度で溶出される。逆相の過程で、所望の型からミスフォールディングされた型
を排除することに加えて、試料からエンドトキシンをも除去する。
【0370】 所望の折畳されたPRO241タンパク質を含む分画を採取し、アセトニトリ
ルを、溶液に導かれる緩やかな窒素の流れを用いて除去する。透析によって、も
しくは、フォーミュレーション緩衝液で平衡化したG25Superfine(
Pharmacia)樹脂を用いたゲル濾過によって、0.14M塩化ナトリウ
ムと、4%マンニトールを含む20mMHepes、pH6.8中、タンパク質
を形成し、滅菌濾過した。
【0371】 実施例21: 哺乳動物細胞におけるPROポリペプチドの発現 本実施例では、哺乳動物細胞での組み換え発現による所望のPROポリペプチ
ドのグリコシル化された型の調製について説明する。
【0372】 ベクター、pRK5(1989年3月15日に出版されたEP307247参
照)が、発現ベクターとして用いられる。任意で、PROポリペプチドをコード
するDNAを、上記Sambrookらに記載された結紮方法を用い、PROポ
リペプチドDNAの挿入を許容する選択された制限酵素でpRK5に結紮する。
得られたベクターを、pRK5−PROポリペプチドと称する。
【0373】 一つの実施態様において、選択された宿主細胞は、293細胞である。ヒト2
93細胞(ATCC CCL 1573)は、組織培養プレートで、胎児ウシ血
清と、任意で栄養成分および/もしくは抗生物質で補充したDMEMなどの培地
中で、集密になるまで増殖させる。約10μgのpRK5−PROポリペプチド
DNAを、VA RNA遺伝子をコードするDNA[Thimmappayaら
、Cell、31:543(1982)]1μgと混合し、500μlの、0.
1mMTris−HCl、0.1mMEDTA、0.227MCaCl2に溶解 する。この混合物に、500μのl50mMHEPES(pH7.35)、28
0mMNaCl、1.5mMNaPO4を添加、滴下し、沈殿物を25℃、10 分間かけて形成させる。この沈殿物を懸濁し、293細胞に添加し、37℃で約
4時間静置する。培養培地を、吸引除去し、PBS中20%グリセリン2mlを
30秒間添加する。次いで、293細胞を無血清培地で洗浄し、新鮮な培地を添
加し、細胞を約5日間インキュベーションする。
【0374】 トランスフェクション後、おおよそ24時間で、培養培地を除去し、培養培地
(のみ)もしくは200μCi/ml35S−システインおよび200μCi/m
35S−メチオニンを含む培養培地に置換する。12時間のインキュベーション
後、馴化培地を回収し、スピンフィルター上で濃縮し、15%SDSゲルにかけ
る。工程にかけたゲルを、乾燥させ、PROポリペプチドの存在が確認できるの
に必要な時間だけ、フィルムに露光する。形質転換細胞を含む培養物を、さらに
インキュベーション(無血清培地中)し、その培地を選択されたバイオアッセイ
で試験した。
【0375】 代替技術において、PROポリペプチドを、Somparyracら、Pro
c.Natl.Acad.Sci.,12:7575(1981)によって記載
されたようにデキストラン硫酸法を用い、一過的に293細胞に導入させる。2
93細胞は、スピナーフラスコ中で最大密度まで培養し、700μgのpRK5
−PROポリペプチドDNAを添加する。最初に細胞を、遠心分離によって、ス
ピナーフラスコから濃縮し、PBSで洗浄する。DNA−デキストラン沈殿物を
、細胞ペレット上で4時間インキュベーションする。細胞を、20%グリセリン
で90秒間処理し、組織培養培地で洗浄し、組織培養培地、5μg/mlウシイ
ンスリン、および0.1μg/mlウシトランスフェリンを含むスピナーフラス
コに再度導入する。約4日後、細胞と破片を除去するために、馴化培地を遠心分
離し、濾過する。次いで、発現PROポリペプチドを含む試料を、透析および/
もしくはカラムクロマトグラフィーなどのあらゆる選択される方法によって、濃
縮、および精製する。
【0376】 他の実施態様において、PROポリペプチドは、CHO細胞において発現させ
ることができる。CaPO4もしくはDEAE−デキストランなどの公知の試薬 を用いて、pRK5−PROポリペプチドは、CHO細胞にトランスフェクショ
ンすることができる。上記のように、細胞培養物をインキュベーションし、培地
を培養培地(のみ)もしくは、35S−メチオニンなどの放射性ラベルを含む培地
と置換する。PROポリペプチドの存在を決定した後、培養培地を無血清培地に
置換する。好ましくは、培養物は、約6日間インキュベーションし、次いで、馴
化培地を回収する。次いで、発現PROポリペプチドを含む培地は、選択される
いずれかの方法によって濃縮、精製することができる。
【0377】 また、エピトープ標識化PROポリペプチドは、宿主CHO細胞に発現させる
ことができる。PROポリペプチドは、pRK5ベクターからサブクローニング
する。サブクローン挿入物は、バキュロウィルス発現ベクター中、ポリ−his
標識などの選択されたエピトープ標識とフレーム内で融合するために、PCRを
行うことができる。次いで、ポリ−his標識化PROポリペプチド挿入物は、
安定株の選択のためのDHFRなどの選択マーカを含むSV40駆動ベクター内
にサブクローニングすることができる。最後に、CHO細胞は、(上記のように
)SV40駆動ベクターでトランスフェクションさせることができる。発現を確
認するために、上記のように標識することができる。次いで、発現したポリ−H
is標識化PROポリペプチドを含む培養培地を、Ni2+−錯体アフィニティー
クロマトグラフィーなど、選択されるあらゆる方法によって、濃縮、精製するこ
とができる。
【0378】 PRO241を、一過的および安定発現方法の両方によって、CHO細胞にう
まく発現させることができた。さらに、PRO243、PRO323およびPR
O233を、CHO細胞に一過的に発現させることができた。
【0379】 CHO細胞における安定発現は、以下の方法を用いて行った。タンパク質は、
各タンパク質の可溶型(例えば、細胞外ドメイン)のコード配列が、ヒンジ、C
H2およびCH2ドメインを含むIgG1定常領域配列に融合させたIgG構造
物(免疫接合体)、および/もしくはポリ−his標識化形態となるように発現
させた。
【0380】 PCRの増幅に次いで、各DNAを、Ausbelら、Current Pr
otocols of Molecular Biology, Unit3.
16, John WileyとSons(1997)において記載されている
ような標準的な技術を用いて、CHO発現ベクターにサブクローニングした。c
DNAの便利な往復を許容するように、興味のあるDNAの5’および3’と適
合する制限酵素部位5’を有するように、CHO発現ベクターを構築する。CH
O細胞における発現に用いたベクターは、例えば、Lucasら、Nucl.
Acids Res.24:9(1774−1779(1996)に記載された
ものであり、興味のあるcDNAとジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)の発現を
駆動するためにSV40初期プロモーター/エンハンサーを用いる。DHFRの
発現により、トランスフェクションに続いて、プラスミドの安定維持株を選定す
ることができる。
【0381】 所望のプラスミドDNA12μgは、商業的に利用できるトランスフェクショ
ン試薬Superfect(Quiagen)、DosperもしくはFuge
ne(Boehringer Mannheim)を用い、約1000万個のC
HO細胞内に導入させた。細胞を培養し、上記Lucasらにおいて記載した。
おおよそ3x107個の細胞を、さらなる増殖と下記の産生のために、アンプル 中で凍結させる。
【0382】 プラスミドDNAを含むアンプルを、水槽中に置いて融解させ、渦動攪拌で混
合した。内容物を、10mLの培地を含む遠心分離用チューブにピペットで移し
、1000rpmで5分間遠心分離した。上清を吸引除去し、細胞を10mLの
選択培地(0.2μmフィルターで濾過した5%胎児ウシ血清を含むPS20を
0.2μmフィルターで濾過したもの)に再度懸濁した。次いで、細胞を、90
mL選択培地を含む100mLスピナーに分注した。1−2日後、細胞を、15
0mL選択増殖培地で満たした250mLスピナーに移し、37℃でインキュベ
ーションした。さらに2−3日後、250mL、500mL、および2000m
Lスピナーに、3x105細胞/mLを播種した。細胞培地を、遠心分離によっ て新鮮な培地に交換し、産生用培地に再度懸濁した。好適なあらゆるCHO培地
を用いることができるが、1992年6月16日に発行された米国特許第512
2469号に記載されている産生培地を、実際には用いた。3L産生スピナーに
、0.2x106細胞/mLで播種した。0日目、細胞数、pHを測定した。1 日目、スピナーから標本を取り、濾過空気の散布を開始した。2日目、スピナー
から標本を取り、温度を33℃に上げ、30mLの500g/Lグルコースと、
0.6mLの10%消泡剤(例えば、35%ポリジメチルシロキサン乳剤 、D
ow Corning,365 医薬用グレードエマルジョン)を加えた。産生
時にpHを必要な限り、約7.2に保った。10日目後、もしくは、生存率が7
0%以下に落ち込む前に、細胞培養物を、遠心分離と0.22μmフィルター濾
過により、回収した。濾過物は、4℃で保存、もしくは直ちに精製用のカラムに
かけた。
【0383】 ポリ−his標識化構築物用に、タンパク質を、Ni−NTAカラム(Qia
ge)を用いて精製した。精製前に、イミダゾールを、馴化培地に5mM濃度と
なるように添加した。馴化培地を、0.3MNaClと5mMイミダゾールを含
む20mMHepes、pH7.4、緩衝液で平衡化させた6mlNi−NTA
カラムに、流速4−5ml/min、4℃でポンプ注入した。負荷後、カラムを
さらに平衡化用緩衝液で洗浄し、0.25Mイミダゾールを含む平衡化用緩衝液
でタンパク質を溶出した。続けて、高純度に精製したタンパク質を、10mMH
epes、0.14MNaClおよび4%マンニトール、pH6.8を含む保存
用緩衝液中、25ml G25 Superfine(Pharmacia)で
脱塩し、−80℃で保存した。
【0384】 免疫接合体(Fc含有)構造物を、以下のように馴化培地から精製した。該馴
化培地を、20mMリン酸ナトリウム緩衝液、pH6.8で平衡化した5mlプ
ロテインAカラム上にポンプ注入した。注入後、100mMクエン酸、pH3.
5での溶出の前に、カラムを平衡化用緩衝液で十分に洗浄した。275μlの1
M Tris緩衝液、pH9中に、1ml画分を採取して、溶出したタンパク質
を直ちに中和した。続けて、高純度に精製したタンパク質を、ポリ−His標識
化タンパク質用に、保存用緩衝液中、上記の様に脱塩した。同一性を、SDSポ
リアクリルアミドゲルおよびエドマン分解によるN末端アミノ酸配列決定によっ
て評価した。
【0385】 PRO241、PRO243、PRO299、PRO323、PRO327、
PRO233、PRO344、PRO347、PRO354、PRO355、P
RO357、PRO353、PRO361、およびPRO365も、また、CO
S細胞において、一過的にうまく発現させることができた。
【0386】 実施例22:酵母におけるPROポリペプチドの発現 以下の方法は、酵母における所望のPROポリペプチドの組み換え発現につい
て記載したものである。
【0387】 最初に、酵母発現ベクターを、ADH2/GAPDHプロモーターからPRO
ポリペプチドの細胞内産生もしくは分泌のために構築する。所望のPROポリペ
プチド、選択されたシグナルペプチド、およびプロモータをコードするDNAを
、PROポリペプチドの細胞内発現を導くために選択したプラスミドの適切な制
限酵素部位に挿入する。分泌の場合には、PROポリペプチドをコードするDN
Aを、ADH2/GAPDHプロモータ、酵母α因子分泌シグナル/リーダー配
列、および(必要ならば)PROポリペプチド発現用リンカー配列をコードする
DNAと共に、選択したプラスミドにクローニングする。
【0388】 次いで、例えば、酵母株AB110のような酵母細胞を、上記発現プラスミド
と共に形質転換し、選択した培養液中で培養することができる。形質転換した酵
母の上清を、10%トリクロロ酢酸で沈殿させ、SDS−PAGEで分離し、ク
マシーブルー染色によるゲル染色により分析する。
【0389】 続けて、酵母細胞を遠心分離により、培養液から除去し、次いで、選択したカ
ートリッジフィルターを用いて培地を濃縮することにより、組み換えPROポリ
ペプチドを、単離精製することができる。PROポリペプチドを含む濃縮物は、
さらに、選択したカラムクロマトグラフィー樹脂を用いて精製する。
【0390】 実施例23: バキュロウィルス−感染昆虫細胞におけるPROポリペプチド
の発現 以下の方法は、バキュロウィルス−感染昆虫細胞におけるPROポリペプチド
の組み換え発現について記載する。
【0391】 選択したPROポリペプチドを、バキュロウィルス発現ベクターに含まれるエ
ピトープ標識の上流に融合させる。そのようなエピトープ標識は、ポリ−his
標識およびイムノグロブリン標識(例えば、IgGのFc領域)を含む。pVL
1393(Novagen)のような商業的に利用できるプラスミドを含み、様
々なプラスミドが用いられる。簡単には、PROポリペプチドもしくはPROポ
リペプチドの所望の部分(例えば、トランスメンブランタンパク質の細胞外ドメ
インをコードする配列など)を、5’および3’領域に相補するプライマーを用
いたPCRによって増幅する。5’プライマーは、両端に(選択された)制限酵
素部位を組み込ませることができる。次いで、生成物を、前記の選択した制限酵
素で消化し、発現ベクター中にサブクローニングする。
【0392】 組み換えバキュロウィルスは、リポフェクチン(GIBCO−BRLから商業
的に利用できる)を用い、スポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera frugiperd
a)(Sf9)細胞(ATCC CRL1711)に、上記プラスミドとBac uloGoldTMウィルスDNA(Pharmingen)を、共−トランスフ
ェクションさせることによって産出される。28℃で4−5日間インキュベーシ
ョン後、遊離されたウィルスを回収し、さらなる増幅に用いる。ウィルス感染と
タンパク質発現を、O’Reilleyら、Baculovirus expr
ession vector:A laboratory Manual, O
xford University Press(1994)によって記載され
たように行う。
【0393】 次いで、発現したポリ−his標識化PROポリポペプチドを、例えば、以下
のようにNi2+−錯体アフィニティークロマトグラフィーによって精製すること
ができる。抽出物を、Rupertら、Nature,362:175−179
(1993)によって記載されたように、組み換えウィルス感染Sf9細胞から
調製する。簡単には、Sf9細胞を洗浄し、音波処理用緩衝液(25mL He
pes,pH7.9;12.5mM MgCl2;0.1mM EDTA;10 %グリセリン;0.1% NP−40;0.4M KCl)に懸濁し、氷上で2
0秒間、2回、音波処理する。音波処理物を遠心分離によって透明化し、上清を
ローディング緩衝液(50mMリン酸塩、300mM NaCl、10%グリセ
リン、pH7.8)で50倍に希釈し、0.45μmフィルターで濾過する。N
2+−NTAアガロースカラム(Qiagenから商業的に利用できる)を、基
底容量5mLで調製し、25mLの水で洗浄し、25mLのローディング緩衝液
で平衡化する。濾過した細胞抽出物を、0.5mL/分でカロムにかける。ロー
ディング緩衝液でA280のベースラインになるまでカラムを洗浄し、そこで分画 の採取を始める。次に、カラムを二次洗浄用緩衝液(50mMリン酸塩;300
mM NaCl、10%グリセリン、pH6.0)で洗浄し、非特異的に結合し
たタンパク質を溶出する。再度A280ベースラインに到達後、カラムを、二次洗 浄用緩衝液中、0から500mMイミダゾール濃度勾配で展開する。1mL画分
を採取し、SDS−PAGEと銀染色、もしくはNi2+−NTA−アルカリフォ
スファターゼ複合体(Qiagen)を用いたウェスタンブロットにより分析す
る。溶出したHis10−標識化PROポリペプチドを含む画分を収集し、ローデ
ィング緩衝液に対して透析する。
【0394】 もしくは、IgG標識化(もしくはFc標識化)PROポリペプチドの精製を
、例えば、プロテインAもしくはプロテインGカラムクロマトグラフィーを含む
、公知のクロマトグラフィー技術を用いて行うことができる。
【0395】 PRO241、PRO327およびPRO344を、バキュロウィスル感染S
f9昆虫細胞に発現させることができる。実際には、発現を、0.5−2Lスケ
ールで実行させたが、それはより大きな(例えば、8L)調製用に容易にスケー
ルアップすることができる。タンパク質は、細胞外領域が、ヒンジ、CH2およ
びCH3ドメインを含むIgG1定常領域配列に融合したIgG構造物(免疫接
合体)として、および/もしくはポリ−His標識化形態として発現した。
【0396】 バキュロウィスル感染Sg9細胞における発現のために、PCR増幅に次いで
、各コード化配列をバキュロウイスル発現ベクター(IgG融合体にはpb.P
H.IgG、ポリ−His標識化タンパク質にはpb.PH.His.c)にサ
ブクローニングし、リポフェクチン(Gibco BRL)を用いて、105ス
ポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)(Sf9)細胞(ATC C CRL1711)に、上記ベクターとBaculoGoldTMウィルスDN
A(Pharmingen)を、共−トランスフェクションした。pb.PH.
IgGおよびpb.PH.Hisは、商業的に利用できるバキュロウィルス発現
ベクターpVL1393(Pharmingen)に、HisもしくはFc標識
配列を含むように修飾したポリリンカー領域を有する修飾体である。細胞は、1
0%FBS(Hyclone)を補充したHink’s TNM−FH培地で培
養した。細胞を、28℃で5日間インキュベーションした。上清を回収し、続け
て、10%FBS(Hyclone)を補充したHink’s TNM−FH培
地中で、おおよそ感染多重度(MOI)10で、Sf9細胞を感染させることに
より、第1のウィルス増幅のために用いた。細胞を、28℃で3日間インキュベ
ーションした。上清を回収し、バキュロウィルス発現ベクターにおける構築物の
発現を、ヒスチジン標識化タンパク質に対するNi−NTAビーズ(QIAGE
N)もしくはIgG標識化タンパク質に対するプロテイン−AセファロースCL
−4Bビーズ(Pharmacia)25mLに、上清1mLをバッチ結合し、
次いで、クマシーブルー染色によりタンパク質標準の既知濃度との比較を行うS
DS−PAGE分析によって測定した。
【0397】 第1のウィルス増幅上清を、ESF−921培地(Expression S
ystems LLC)中、約MOI0.1で培養したSf9細胞のスピナー培
養物(500mL)を感染するために用いた。細胞を、28℃で3日間インキュ
ベーションした。上清を回収し、濾過した。バッチ結合と、SDS−PAGE分
析を、必要に応じて、スピナー培養の発現が確認されるまで繰り返した。
【0398】 形質転換細胞からの馴化培地(0.5から3L)を、細胞を除去するための遠
心分離によって回収し、0.22ミクロンフィルターで濾過した。ポリ−His
標識化構築物の場合、タンパク質をNi−NTAカラム(Qiagen)を用い
て精製した。精製前に、イミダゾールを馴化培地に濃度5mMとなるように添加
した。馴化培地は、0.3M NaClおよび5mMイミダゾールを含む20m
M Hepes、pH7.4緩衝液で平衡化した6ml Ni−NTAカラムに
、流速4−5ml/分、4℃でポンプ注入した。注入後、カラムをさらなる平衡
化緩衝液で洗浄し、タンパク質を、0.25Mイミダゾールを含む平衡化緩衝液
で溶出した。続いて、高純度に精製したタンパク質を、10mM Hepes、
0.14M NaCl、4%マンニトール、pH6.8を含む保存用緩衝液中、
25ml G25 Superfine(Pharmacia)カラムで脱塩、
−80℃で保存した。
【0399】 タンパク質の免疫接合体(Fc含有)構築物を、馴化培地から、以下のように
精製した。馴化培地を、20mMリン酸ナトリウム緩衝液、pH6.8で平衡化
されている5mlプロテインAカラム(Pharmacia)にポンプ注入した
。注入後、カラムを、100mMクエン酸、pH3.5での溶出の前に、平衡化
緩衝液で十分に洗浄した。溶出したタンパク質を、275mLの1M Tris
緩衝液、pH9を含むチューブ中に、1mL画分を採取することによって、直ち
に中和した。続いて、高純度に精製したタンパク質を、ポリ−His標識化タン
パク質用に、保存用緩衝液中、上記のように脱塩した。タンパク質の同一性を、
SDSポリアクリルアミドゲル(PEG)電気泳動およびエドマン分解によるN
末端アミノ酸配列決定によって確認した。
【0400】 PRO243、PRO323、PRO344およびPRO355は、バキュロ
ウィルス感染Hi5昆虫細胞に発現させることができる。実際には、発現を0.
5−2Lスケールで行ったが、容易に、より大きな(例えば、8L)調製用にス
ケールアップすることができる。
【0401】 バキュロウィルス感染Hi5昆虫細胞での発現のために、PROポリペプチド
をコードするDNAは、例えば、Pfu(Strategene)などの好適な
システムで増幅させる、もしくはバキュロウィルス発現ベクターに含まれるエピ
トープ標識の上流(5’−)に融合させることができる。そのようなエピトープ
標識は、ポリ−His標識およびイムノグロブリン標識(例えば、IgGのFc
領域のような)を含む。pVL1393(Novagen)のような商業的に利
用できるプラスミドを含み、様々なプラスミドが用いられる。簡単には、PRO
ポリペプチドもしくはPROポリペプチドの所望の部分(例えば、トランスメン
ブレンタンパク質の細胞外ドメインをコードする配列など)を、5’および3’
領域に相補するプライマーを用いたPCRによって増幅する。5’プライマーは
、両端に(選択された)制限酵素部位を組み込み得る。次いで、生成物を上記選
択した制限酵素で消化し、発現ベクターにサブクローニングする。例えば、pV
L1393誘導体は、NAME配列の下流(3’−)に、ヒトIgGのFc領域
(pb.PH.IgG)もしくは8ヒスチジン標識(pb.PH.His)を含
む。
【0402】 Hi5細胞は、27℃で、CO2とペニシリン/ストレプトマイシン(pen /strep)を加えない条件下で、50%集密まで培養した。各150mMプ
レートに、PROポリペプチドを含むpIEに基づくベクター30μgを、1m
l Ex−Cell培地[培地:Ex−Cell401+1/100 L−Gl
u JRH Biosciences#14401−78P(注解;この培地は
光感受性である)]を混合し、各チューブで、100μlCell Fecti
n[CellFECTIN(GibcoBRL#10362−010)(混合の
ために渦動撹拌したもの)]を、1mlのEx−Cell培地と混合した。2つ
の溶液を、混合し、室温で15分間インキュベーションした。8mlのEx−C
ell培地を2ml DNA/CellFECTIN混合物に添加し、これを一
度Ex−Cell培地で洗浄しているHi5細胞に重層した。次いで、プレート
を、暗所で、室温、1時間インキュベーションした。次いで、DNA/Cell
FECTIN混合物を吸引し、過剰量のCellFECTINを除去するために
、細胞を、一度洗浄した。30mlの新鮮なEx−Cell培地を添加し、細胞
を28℃で3日間インキュベートした。上清を回収し、バキュロウィルス発現ベ
クターにおけるPROポリペプチドの発現を、ヒスチジン標識化タンパク質に対
するNi−NTAビーズ(QIAGEN)もしくはIgG標識化タンパク質に対
するプロテインA−セファロースCL−4Bビーズ25mLに、上清1mLをバ
ッチ結合し、次いで、クマシーブルー染色によりタンパク質標準の既知濃度との
比較を行うSDS−PAGE分析によって測定した。
【0403】 形質転換細胞から馴化培地(0.5から3L)を、細胞を除去するための遠心
分離によって回収し、0.22ミクロンフィルターで濾過した。ポリ−His標
識化構築物として、PROポリペプチドを含むタンパク質を、Ni−NTAカラ
ム(Qiagen)を用いて精製した。精製前に、イミダゾールを、濃度5mM
になるまで、馴化培地に添加した。馴化培地を、0.3M NaClおよび5m
Mイミダゾールを含む20mM Hepes、pH7.4緩衝液で、平衡化した
6ml Ni−NTAカラムに、流速4−5ml/分、4℃でポンプ注入した。
注入後、カラムをさらなる平衡化緩衝液で洗浄し、0.25Mイミダゾールを含
む平衡化緩衝液で、タンパク質を溶出した。続いて、高純度に精製したタンパク
質を、10mM Hepes、0.14M NaClおよび4%マンニトール、
pH6.8を含む保存用緩衝液中、25ml G25 Superfine(P
harmacia)カラムで脱塩し、−80℃で保存した。
【0404】 タンパク質の免疫接合体(Fc含有)は、馴化培地から、以下のように精製し
た。馴化培地を、20mMリン酸ナトリウム緩衝液、pH6.8で平衡化した5
mlプロテインAカラム(Pharmacia)上にポンプ注入した。注入後、
カラムを、100mMクエン酸、pH3.5で溶出する前に、平衡化緩衝液で十
分に洗浄した。275mLの1MTris緩衝液、pH9を含むチューブ中に、
1mL画分を採取することによって、溶出タンパク質を直ちに中和した。続けて
、高純度に精製したタンパク質を、上記のようにポリ−His標識化タンパク質
用に、保存用緩衝液中で脱塩した。タンパク質の同一性を、SDSポリアクリル
アミドゲル(PEG)およびエドマン分解によるN末端アミノ酸配列決定、およ
び所望もしくは必要に応じてその他の分析方法によって確認した。
【0405】 実施例24:PROポリペプチドに結合する抗体の調製 この実施例では、PROポリペプチドと特異的に結合し得るモノクローナル抗
体の調製について説明する。
【0406】 モノクローナル抗体の作製技術は、当該分野において公知であり、例えば、上
記Goding,に記載されている。用いられる免疫原は、精製されたPROポ
リペプチド、PROポリペプチドを含む融合タンパク質、および細胞表面に組み
換えPROポリペプチドを発現している細胞を含む。免疫原の選択は、過度な実
験を行わずに、当該分野の技術者がなし得るものである。
【0407】 PROポリペプチド免疫原をフロイント完全アジュバントで乳化し、1−10
0μg量を、皮下もしくは腹腔内注射して、Balb/cなどのマウスを免疫化
した。もしくは、免疫原は、MPI−TDMアジュバント(Ribi Immu
nochemical Research,Hamilton,MT)に乳化し
、動物の後足に注入した。次いで、10から12日後に、所定のアジュバントに
乳化させた追加免疫原を、免疫化されたマウスに追加注射した。それから数週間
後、再び、マウスに追加免疫原を注射した。抗PROポリペプチド抗体を検出す
るためのELISAアッセイ用に、血清試料を、定期的にマウスから、後眼窩採
血によって採取することができる。
【0408】 適切な抗体力価が検出された後、抗体に「陽性」の動物に、PROポリペプチ
ドの最後の静脈注射を行うことができる。3から4日後、このマウスを屠殺して
、脾臓細胞を採取した。次いで、脾臓細胞を、例えば、ATCC、No.CRL
1597から利用できるP3X63AgU.1などの選択された齧歯類の骨髄腫
細胞株に、(35%ポリエチレングリコールを用いて)融合した。ハイブリドー
マ細胞を融合により産出し、次いで、非融合細胞、骨髄腫ハイブリッド、脾臓細
胞ハイブリッドの増殖を阻害するために、HAT(ヒポキサチン、アミノプテリ
ン、チミジン)培地を含む96ウェル組織培養プレートに平板培養させることが
できる。
【0409】 ハイブリドーマ細胞は、PROポリペプチドに対する反応性についてELIS
Aでスクリーニングした。PROポリペプチドに対する所望のモノクローナル抗
体を分泌する「陽性」ハイブリドーマ細胞の確定は、当該分野における技術範囲
内である。
【0410】 陽性ハイブリドーマ細胞は、抗PROポリペプチドモノクローナル抗体を含む
腹水を産生させるために、同系のBalb/cマウスの腹腔内に注入させること
ができる。あるいは、このハイブリドーマ細胞は、組織培養フラスコもしくはロ
ーラーボトルで生育させることもできる。腹水中に産生されたモノクローナル抗
体の精製は、硫安沈殿、次いでゲル濾過クロマトグラフィーを用いて行うことが
できる。あるいは、プロテインAもしくはプロテインGに対する抗体の結合に基
づいたアフィニティークロマトグラフィーを用いることができる。
【0411】 実施例25:キメラPROポリペプチド PROポリペプチドを、タンパク精製を容易にするために付加された1以上の
付加ポリペプチドドメインを有するキメラタンパク質として発現させることがで
きる。そのような精製を容易にするドメインは、限定されないが、固相化された
金属上での精製ができるヒスチジン−トリプトファンモジュール、固相化された
イムノグロブリン上での精製ができるプロテインAドメイン、およびFLAGS TM 伸長/アフィニティー精製システム(Immunex Corp.,Seat
tle Wash)において利用されるドメインなどの金属錯体ペプチドを含む
。精製用ドメインとPROポリペプチド配列との間に、Factor XAもし
くはエンテロキナーゼ(Invitrogen)などの切断できるリンカー配列
を含むことは、PROポリペプチドをコードするDNAの発現を促進するのに有
用である。
【0412】 実施例26: 特異抗体を用いたPROポリペプチドの精製 天然もしくはPROポリペプチドを、当該分野のタンパク精製において標準的
な様々な技術により精製することができる。例えば、前駆PROポリペプチド、
成熟PROポリペプチドもしくは前PROポリペプチドを、興味あるPROポリ
ペプチドに対する特異抗体を用いたイムノアフィニティークロマトグラフィーに
よって精製する。一般に、イムノアフィニティーカラムは、抗PROポリペプチ
ド抗体の活性クロマトグラフィー樹脂との共有結合によって構築される。
【0413】 ポリクローナルイムノグロブリンは、免疫された血清から、硫安沈殿もしくは
固相化プロテインA(Pharmacia LKB Biotechnolog
y,Piscatway,N.J.)における精製のどちらかによって調製した
。同様に、モノクローナル抗体は、マウス腹水液から、硫安沈殿もしくは固相化
プロテインA上でのクロマトグラフィーによって調製した。部分的に精製された
イムノグロブリンは、CnBr−活性化SEPHAROSETM(Pharmac
ia LKB Biotechnology)などのクロマトグラフィー樹脂に
共有結合した。抗体を樹脂に結合させて樹脂を保護し、修飾した樹脂を製造元の
指示書に従って洗浄した。
【0414】 そのようなイムノアフィニティーカラムは、PROポリペプチドを含む細胞か
ら画分を可溶型で調製することによって、PROポリペプチドの精製時に使用し
得る。この調製物は、全細胞もしくは界面活性剤の添加によって遠心分離して得
られた細胞画分の可溶化、もしくは当該分野において公知の他の方法によって得
ることができる。もしくは、シグナル配列を含む可溶性PROポリペプチドを、
細胞が生育している培地中に、有用量で分泌させることができる。
【0415】 可溶性PROポリペプチド含有調製物は、イムノアフィニティーカラムに通し
、カラムは、PROポリペプチドの好ましい吸光度となるような条件下(例えば
、界面活性剤含有高イオン強度緩衝液)で洗浄した。次いで、カラムは、抗体/
PROポリペプチド結合体が分離する条件下(例えば、約pH2−3などの低い
pH緩衝液、または尿素もしくはチオシアネートイオンなどの高濃度のカオトロ
ープ)で溶出させ、PROポリペプチドを回収した。
【0416】 実施例27:薬剤スクリーニング 本発明は、様々な薬剤スクリーニング技術において、PROポリペプチドもし
くはそれに結合するフラグメントを用いた化合物のスクリーニングに一部有用で
ある。そのような試験において用いられるPROポリペプチドもしくはフラグメ
ントは、溶液中に遊離、固形支持物に付着、細胞表面上に産出、もしくは細胞内
に局在させることができる。薬剤スクリーニングの一つの方法として、PROポ
リペプチドもしくはフラグメントを発現する組み換え核酸で安定的に形質転換し
た真核生物もしくは原核生物の宿主細胞を用いる。そのような形質転換細胞に対
して、競合的結合アッセイにおいて、薬剤をスクリーニングする。そのような細
胞は、生存もしくは固定された形態のどちらかで、標準的な結合アッセイに用い
ることができる。例えば、PROポリペプチドもしくはフラグメントと試薬との
複合体形成を測定することができる。もしくは、試薬によって引き起こされる、
PROポリペプチドと標的細胞もしくは標的受容体との複合体形成の減少を測定
することができる。
【0417】 このように、本発明は、PROポリペプチド−付随疾患もしくは障害に影響を
及ぼし得る薬剤もしくはその他の試薬のスクリーニング方法を提供するものであ
る。これらの方法は、PROポリペプチドもしくはそのフラグメントと、そのよ
うな試薬との接触、および当該分野において公知の方法によって行う(I)試薬
とPROポリペプチドもしくはフラグメントとの複合体の存在、もしくは(ii
)PROポリペプチドもしくはフラグメントと細胞との複合体の存在のアッセイ
を含む。そのような競的合結合アッセイにおいて、典型的には、PROポリペプ
チドもしくはフラグメントを標識する。適切にインキュベーション後、遊離PR
Oポリペプチドもしくはフラグメントを、結合型から分離し、遊離もしくは複合
化していない標識量を、PROポリペプチドと結合する、もしくはPROポリペ
プチド/細胞複合化を妨げる試薬特有の性能の指標とする。
【0418】 薬剤スクリーニングの他の技術は、ポリペプチドに対して好適な結合親和性を
有する化合物の高スループットスクリーニングを提供し、1984年、9月13
日に公開されたWO 84/03564に詳細に記載されている。簡単に述べる
と、様々な小さいペプチド試験化合物を大量に、固形支持物上、例えばプラスチ
ックピンなどの表面に合成させる。PROポリペプチドに適用する時は、ペプチ
ド試験化合物を、PROポリペプチドと反応させ、洗浄する。結合したPROポ
リペプチドを、当該分野において公知の方法で検出する。また、精製したPRO
ポリペプチドを、前記薬剤スクリーニング技術における使用のために、直接プレ
ート上に被覆させることができる。さらに、ペプチドを捕捉し、固形支持物上に
固相化するために、非中和抗体を使用することもできる。
【0419】 また、本発明は、中和抗体が、PROポリペプチド、もしくはそのフラグメン
トに結合する試験化合物と競合して、特異的にPROポリペプチドと結合し得る
競合的薬剤スクリーニングアッセイの使用を意図する。この様式において、抗体
は、PROポリペプチドと、1以上の抗原決定基を共有するペプチドの存在を検
出するために使用することができる。
【0420】 実施例28:合理的薬剤設計 合理的薬剤設計の目的は、生物学的に活性な興味あるポリペプチド(すなわち
、PROポリペプチド)もしくはそれらと相互作用する低分子(例えば、アゴニ
スト、アンタゴニスト、もしくはインヒビター)の構造類似体を産出することで
ある。これらの例は、PROポリペプチドのより活性もしくは安定な形状、また
はin vivoでのPROポリペプチドの機能を増強する、もしくは阻害する
薬剤を作るために用いることができる(Hodgson,Bio/Techno
logy,9:19−21(1991)参照)。
【0421】 一つの方法において、PROポリペプチドもしくはPROポリペプチド−イン
ヒビター複合体の3次元構造を、x線結晶学、コンピューターモデリング、もし
くはより典型的に、該2つの方法の組み合わせによって確定する。構造を解明し
、分子の活性部位を決定するために、PROポリペプチドの形状と電荷を確定し
なければならない。頻繁でないが、PROポリペプチドの構造に関する有用な情
報を、相同タンパク質の構造に基づくモデリングによって得ることができる。両
方の事例において、関連する構造の情報が、類似するPROポリペプチド様分子
の設計もしくは効果的なインヒビターの同定に用いられる。合理的薬剤設計の有
用な実施例は、BraxtonとWells、Biochemistry,31
:7796−7801(1982)によって示されているように、活性もしくは
安定性が向上した、もしくはAthaudaら、J.Biochem.,113
:742−746(1993)によって示されているように、天然ペプチドのイ
ンヒビター、アゴニスト、もしくはアンタゴニストとして作用する分子を含む。
【0422】 また、上記のように選択した機能的アッセイによって、標的特異抗体を単離し
、その結晶構造を解明することができる。この方法は、おおむね、続く薬剤設計
の基礎となるファーマコアー(pharmacore)を産出する。機能的、薬
学的に活性な抗体に対する抗イディオタイプ抗体(anri−ids)を産出す
ることによって、タンパク質結晶学を完全に迂回することができる。鏡像の鏡像
なので、抗イディオタイプ抗体の結合部位が、本来の受容体の類似体であると予
想される。次いで、化学的もしくは生物学的に産出したペプチドの貯蔵物から、
ペプチドを同定および単離するために、抗イディオタイプ抗体を用いることがで
きる。次いで、単離したペプチドを、ファーマコアーとして作用させる。
【0423】 本発明によって、X線結晶学のような分析的な研究を行うのに、十分量のPR
Oポリペプチドを利用することができるようになる。さらに、ここに提供される
PROポリペプチドアミノ酸配列についての情報は、X線構造学に代わる、もし
くは加えて、コンピューターモデリング技術を用いるための手引きを提供するも
のである。
【0424】 実施例29: PRO241の軟骨からのプロテオグリカンの遊離を刺激する
性能 PRO241の軟骨組織からのプロテオグリカンの遊離を刺激する性能を、以
下のように測定した。
【0425】 生後4−6ヶ月のブタの中手指節関節を、無菌的に切開し、関節軟骨を、注意
深く下層の骨を除去しながら、手で切り取った。軟骨を細かく刻み、95%空気
、5%CO2の湿潤環境下、0.1%BSAと100U/mlペニシリンと、1 00μgストレプトマイシンを含む無血清(SF)培地(DMEM/F12 1
:1)中、24時間大量培養した。3回洗浄後、約100mgの関節を、マイク
ロ遠心チューブに分注し、上記無血清培地中、さらに24時間インキュベーショ
ンした。次いで、PRO241ポリペプチドを、単独もしくは18ng/mlの
インターロイキン−1α(公知の軟骨組織からのプロテオグリカン遊離刺激因子
)と組み合わせて、1%添加した。次いで、上清を回収し、1,9−ジメチルー
メチレンブルー(DMB)比色定量アッセイ(FarndaleとButtle
、Biochem. Biophys. Acta 883:173−177(
1985))を用いて、プロテオグリカン量をアッセイした。このアッセイにお
ける陽性結果は、測定したポリペプチドが、例えば、スポーツ関連関節損傷、関
節軟骨欠損、変形性関節症、もしくは慢性関節リウマチの治療において用いられ
得ることを示す。
【0426】 PRO241ポリペプチドを上記アッセイで測定すると、ポリペプチドは、単
独およびインターロイキン−1αと共に刺激後、および処置後24時間と72時
間で、軟骨組織からのプロテオグリカンの遊離を顕著に刺激し、このことから、
PRO241ポリペプチドが、軟骨組織からのプロテオグリカンの遊離を刺激す
るために有用であることが示された。
【0427】 実施例30:In situ ハイブリダイゼーション in situハイブリダイゼーションは、細胞もしくは組織調製物内の核酸
配列の検出と局在測定に強力かつ用途の広い技術である。例えば、遺伝子の発現
部位の同定、転写の組織分布の分析、ウィルス感染の同定と局在測定、特異的m
RNA合成の変化の追跡および染色体マップ作製を促進するのに有用である。
【0428】 In situハイブリダイゼーションは、LuとGillett、Cell
Vision 1:169−176(1994)による以下の最適化された方
法で、PCR−産生33P−標識化リボプローブを用い行った。簡単には、ホルマ
リン固定し、パラフィン包埋したヒト組織を、薄切し、脱パラフィン化し、プロ
テアーゼK(20g/ml)で15分間、37℃で除蛋白し、さらに上記Luお
よびGillettによって記載されたように、In Situハイブリダイゼ
ーションのためにさらに処理を行った。(33P)UTP−標識化アンチセンスリ
ボプローブを、PCR生成物から産生し、55℃で一晩ハイブリダイズさせた。
このスライドを、Kodak NTB2核飛跡感光乳剤に浸し、4週間露光させ
た。
【0429】 33P−リボプローブの合成 6.0μl(125mCi)の33P−UTP(Amersham BF 10
02, SA<2000Ci/mmol)を、急速真空乾燥させた。乾燥した33 P−UTPを含む各チューブに、下記成分を添加した: 2.0μl 5x転写緩衝液 1.0μl DTT(100mM) 2.0μl NTP 混合物(2.5mM:10μl:各10mMGTP、C
TP&ATP+10μl 水) 1.0μl UTP(50μM) 1.0μl Rnasin 1.0μl 鋳型DNA(1μg) 1.0μl 水 1.0μl RNAポリメラーゼ(通常、PCR生成物T3=AS、T7=
S)
【0430】 該チューブを、37℃で1時間インキュベーションした。1.0μl RQ1
DNアーゼを添加し、37℃で15分間インキュベーションした。90μlTE
(10mM Tris pH 7.6 /1mM EDTA pH8.0)を添
加し、その混合液を、DE81紙上にピペットで移した。残った溶液をMicr
ocon−50限外濾過ユニットに負荷し、プログラム10(6分)を用いて遠
心分離した。濾過ユニットを、第2のチューブに入れ、プログラム2(3分)を
用いて遠心分離した。最終の回収遠心分離後、100μlTEを添加した。次い
で、1μlの最終生成物を、DE81紙上にピペットで移し、6mlのBiof
lour IIでカウントした。
【0431】 プローブを、TBE/尿素ゲル上で泳動した。3μlのローディング緩衝液に
、1−3μlのプローブもしくは5μlのRNA Mrk IIIを添加した。
95℃のヒートブロック上で3分間加熱後、直ちにゲルを氷上に置いた。ゲルの
ウェルを平らにし、試料をかけ、180−250ボルトで45分間泳動した。ゲ
ルをサランラップで包み、−70℃のフリーザー中、1時間から一晩、増感紙を
用いてXARフィルムに露光した。
【0432】 33P−ハイブリダイゼーション A.凍結切片の調製 スライドを、フリーザーから取り出し、アルミニウムトレイ上に置き、室温で
5分間解凍させた。トレイを、凝結を低減させるために、55℃のインキュベー
ター内に5分間置いた。スライドを、ドラフト内の氷上の4%パラホルムアルデ
ヒド中で、10分間固定し、0.5xSSCで5分間、室温で洗浄した(25m
l 20xSSC+975mlSQ H2O)。0.5μg/mlプロテアーゼ K(10mg/ml保存液12.5μlを、予め暖められたRNアーゼ−不含R
Nアーゼ緩衝液250mlで希釈したもの)中で、10分間、37℃で除蛋白後
、切片を、室温で10分間、0.5xSSCで洗浄した。切片を、70%、95
%、および100%エタノール中で、各2分間ずつ脱水させた。
【0433】 B.パラフィン包埋切片の前処理 スライドを、脱パラフィン化し、SQH2O中に置き、2xSSCで、室温、 各5分間ずつ、2回洗浄した。切片を、ヒト胚芽組織の場合は、20μg/ml
プロテアーゼK(10mg/ml保存液500μlをRNアーゼ−不含RNアー
ゼ緩衝液250mlに希釈;37℃、15分)で、もしくはホルマリン組織切片
の場合は、8xプロテアーゼK(100μlをRnアーゼ緩衝液250mlに希
釈、37℃、30分)で除蛋白した。続けて0.5xSSCでの洗浄、脱水を、
上記のように行った。
【0434】 C.プレハイブリダイゼーション Box緩衝液(4xSSC、50%ホルムアミド)で飽和させた濾紙を配列し
たプラスチック箱に、スライドを配置した。組織を、50μlのハイブリダイゼ
ーション緩衝液(3.75g デキストラン硫酸+6mlSQH2O)で覆い、 渦動攪拌し、フタを緩めた状態で、マイクロ波で2分間加熱した。氷上で冷却し
た後、ホルムアミド18.75ml、20xSSC3.75ml、およびSQH 2 O9mlを加え、組織を十分に渦動攪拌し、42℃で1−4時間インキュベー ションした。
【0435】 D.ハイブリダイゼーション 1スライド当たり、プローブ1.0x106cpmおよびtRNA(50mg /ml保存液)1.0μlを、95℃で3分間加熱した。スライドを氷上で冷却
し、ハイブリダイゼーション緩衝液48μlを1スライド当たり加えた。渦動攪
拌後、33P混合液50μlを、スライド上のプレハイブリダイゼーション50μ
lに添加した。該スライドを、55℃で一晩インキュベーションした。
【0436】 E.洗浄 洗浄を、2xSSC、EDTAを用い、2x10分間、室温で行い(20xS
SC+0.25M EDTA16ml、Vf=4L)、次いで、RNアーゼA処 理を、37℃で30分間行った(10mg/ml保存液500μlをRnアーゼ
緩衝液250mlで希釈=20μg/ml)。スライドを、2x10分間、2x
SSC、EDTAで、室温で洗浄した。ストリンジェントな洗浄条件は、以下の
ようにした:55℃で2時間、0.1xSSC、EDTA(20xSSC20m
l+EDTA16ml、Vf=4L)。
【0437】 F.オリゴヌクレオチド In situ分析を、ここに示した様々なDNA配列で行った。これらの
分析に用いたオリゴヌクレオチドは、以下の通りである。 (1)DNA44804−1248(PRO357) pl:5’−GGATTCTAATACGACTCACTATAGGGCTGC
CCGCAACCCCTTCAACTG−3’(配列番号:104) p2:5’−CTATGAAATTAACCCTCACTAAAGGGACCG
CAGCTGGGTGACCGTGTA−3’(配列番号:105) (2)DNA52722−1229(PRO715) pl:5’−GGATTCTAATACGACTCACTATAGGGCCGC
CCCGCCACCTCCT−3’(配列番号:106) p2:5’−CTATGAAATTAACCCTCACTAAAGGGACTC
GAGACACCACCTGACCCA−3’(配列番号:107) p3:5’−GGATTCTAATACGACTCACTATAGGGCCCA
AGGAAGGCAGGAGACTCT−3’(配列番号:108) p4:5’−CTATGAAATTAACCCTCACTAAAGGGACTA
GGGGGTGGGAATGAAAAG−3’(配列番号:109) (3)DNA38113−1230(PRO327) pl:5’−GGATTCTAATACGACTCACTATAGGGCCCC
CCTGAGCTCTCCCGTGTA−3’(配列番号:110) p2:5’−CTATGAAATTAACCCTCACTAAAGGGAAGG
CTCGCCACTGGTCGTAGA−3’(配列番号:111) (4)DNA35917−1207(PRO243) pl:5’−GGATTCTAATACGACTCACTATAGGGCAAG
GAGCCGGGACCCAGGAGA−3’(配列番号:112) p2:5’−CTATGAAATTAACCCTCACTAAAGGGAGGG
GGCCCTTGGTGCTGAGT−3’(配列番号:113)
【0438】 G.結果 In Situ分析を、ここに開示した様々なDNA配列で行った。これらの
分析結果は以下のようである。 (1)DNA44804−1248(PRO357) 胎児組織における骨形成部位と悪性骨肉腫細胞において、低から中程度の発現
。胎盤および腱においてかろうじて検出できるシグナル。他の全組織は陰性。 試験した胎児の組織(E12−E16)は以下を含む:肝臓、腎臓、副腎、肺
、心臓、大脈管、食道、胃、脾臓、性腺、脳、脊髄および体壁。 試験した成人の組織:肝臓、腎臓、胃、脾臓、副腎、膵臓、肺、結腸腫瘍、腎
細胞腫瘍および骨肉腫。アセトアミノフェン誘導肝障害、肝硬変。 試験したチンパンジーの組織は以下を含む:甲状腺、上皮小体、リンパ節、神
経、舌、胸腺、副腎、胃粘膜および唾液腺。 アカゲザル:大脳と小脳。
【0439】 (2)DNA52722−1229(PRO715) 総合すると、高いシグナルが多くの組織に亘って認められた−中でも高いシグ
ナルが、胎盤、骨芽細胞、損傷した腎尿細管、損傷した肝臓、結腸直腸肝臓転移
および胆嚢で認められた。 試験した胎児の組織(E12−E16)は以下を含む:胎盤、臍帯、肝臓、腎
臓、副腎、甲状腺、肺、心臓、大脈管、食道、胃、小腸、脾臓、胸腺、膵臓、脳
、眼、脊髄、体壁、骨盤および下肢。 試験した成人の組織:肝臓、腎臓、副腎、心筋層、大動脈、肺、皮膚、軟骨肉
腫、眼、胃、結腸、結腸腫瘍、前立腺、膀胱粘膜および胆嚢。アセトアミノフェ
ン誘導肝障害、肝硬変。 試験したアカゲザル:大脳皮質(rm)、海馬(rm) 試験したチンパンジー:甲状腺、上皮小体、リンパ節、神経、舌、胸腺、副腎
、胃粘膜および唾液腺。
【0440】 (3)DNA38113−1230(PRO327) 高レベルの発現が、発育中のマウスとヒトの胎児の肺で観察された。正常の成
人の肺(気管支上皮を含む)は、陰性であった。ヒト胎児気管の粘膜下組織で発
現しており、筋肉細胞でかろうじて発現していた。また、ヒト胎盤において組織
発生が不確かである非栄養膜細胞においても発現が認められた。マウスにおいて
は、発育中の鼻および発育中の舌において観察された。他の全ての組織は陰性で
あった。推定される機能:気管支発育においての確かな機能。 試験した胎児の組織(E12−E16)は以下を含む:胎盤、臍帯、肝臓、腎
臓、副腎、甲状腺、肺、心臓、大脈管、食道、胃、小腸、脾臓、胸腺、膵臓、脳
、眼、脊髄、骨盤および下肢。 試験した成体の組織は以下を含む:肝臓、腎臓、副腎、心筋層、大動脈、脾臓
、リンパ節、膵臓、肺、皮膚、大脳(rm)、海馬(rm)、陰茎、眼、膀胱、
胃、胃粘膜、結腸、結腸腫瘍、甲状腺(チンパンジー)、上皮小体(チンパンジ
ー)、卵巣(チンパンジー)および軟骨肉腫。 (4)DNA35917−1207(PRO243) コルネリア・ド・ランゲ症候群(Cornelia de Lange sy
ndrome)(CdLS)は、先天性の症候群である。それは、生まれた時か
ら出現することを意味する。CdLSは、身体、知能および言語の発育遅延を引
き起こす疾患である。CdLSを有する小児の大多数は、軽度から重度におよぶ
精神遅延の程度で、精神的に遅延している。報告されたIQは、30から85で
ある。IQの平均値は53である。頭と顔の特徴は、小さい頭、しばしば中央で
つながっている薄い両眉、長い睫毛、短い上唇、薄い下唇、低位置の耳と高い弓
なりの口蓋もしくは口蓋破裂を含む。他の特徴は、言葉遅延(最も軽度な傷害に
おいても)、遅延した発育と低い身長、低い泣き声、小さい手足、内側に曲がっ
た5本の指、猿線、および多毛を含む。診断は、これらの特徴の組み合わせの出
現によって決まる。これらの特徴の多くが、様々な程度で出現する。いくつかの
事例において、これらの特徴は、出現しないかもしれないし、とても軽度である
ため、熟達した遺伝学者もしくはこの症候群に習熟したその他の者によって観察
された時のみ認識されるかもしれない。CdLSについて多くのことが知られて
いるが、最近の報告では、より多くの研究されるべきことがあることが報告され
ている。
【0441】 この研究において、ヒト胎児の顔、頭、四肢およびマウス胎芽が試験された。
マウス組織においては、全く発現が認められなかった。発現は、アンチセンスプ
ローブでのみ認められた。
【0442】 発現は、発育中の四肢および骨膜傍の間葉細胞における顔骨に隣接して観察さ
れた。発現は、高特異的であり、しばしば、血管新生している領域に隣接してい
た。分布は、コルネリア・ド・ランゲ症候群において観察された骨格異常と一致
している。また、発現は、発育時の一時的に胎児脳の後頭葉においても観察され
たが、その他には観察されなかった。さらに、発現は、発育中の内耳の神経節に
おいて認められた;この発見の有意性は明らかではない。
【0443】 これらのデータは、機能的な情報を提供するものではないが、分布は、この症
候群に最も重篤な影響を与えることが知られている部位に一致する。
【0444】 さらに、わずかな発現が、大腿骨頭と寛骨臼との間(股関節)に形成されてい
る発育中の滑膜性連結における割線に観察された。この発現パターンが、その他
の連結形成部位において観察されるのであれば、コルネリア・ド・ランゲ症候群
に観察される顔と四肢の異常を説明できる。
【0445】 実施例31: アフリカツメガエル卵母細胞におけるPRO243 mRNA
の活性 PRO243をコードするヒトchordinクローン(DNA35917−
1207)が、アフリカツメガエルコルディン(chordin)とショウジョウバエs og遺伝子によって推測されるように、機能し、作用することを証明するために
、DNA35917−1207から超らせん状のプラスミドDNAをQiage
nによって調製し、アフリカツメガエルの胚芽に注入するために用いた。アフリ
カツメガエルのコルディンmRNAの腹側の植物極割球へのマイクロインジェク
ションにより、第2(2倍)軸を誘導し(Sasaiら、Cell 79:77
9−790(1994))と、ショウジョウバエsogも、アフリカツメガエル
胚芽の側腹位に異所的に発現する時に、第2軸を誘導する(Holleyら、N
ature 376:249−253(1995)と、Schmidtら、De
velopment 121:4319−4328(1995))。アフリカツ
メガエル卵母細胞において機能するsogの性能は、背腹軸 パターン形成に含
まれる過程が、進化時に保存されていることを示している。
【0446】 方法 カエル胚芽の操作: 成熟雌のカエルを、使用3日前に、受胎している雌馬の血清2000I.U.
を、および注入前夜にヒトの絨毛性のゴナドトロピン800I.U.をブースト
(boost)した。翌朝、新鮮な卵母細胞を、雌のカエルから搾取し、卵母細胞を 、雄のカエルから切開して取り出しミンチ状にした精巣と混合することにより、
インビトロでの卵母細胞の受精を行った。NieuwkoopとFaber、N
ormal Table of Xenopus laevis,N.−H.P
社監修(Amsterdam,1967)に従って、胚芽の発育を維持し、段階
づけた。
【0447】 受精した卵を、2%システイン(pH7.8)で10分間脱ゼリー化させ、滅
菌水で1回洗浄し、5%Ficollを含む0.1xMBSに移した。受精した
卵を、インジェクショントレー上、5%Ficollを含む0.1xMBS中に
配列した。2細胞期に発育したアフリカツメガエル胚芽に、野生型chordi
n(DNA35917−1207)を含むpRK5を200pg、もしくは対照
として挿入物を含まないpRK5を200pg注入した。注入した胚芽を、50
mg/mlゲンタマイシンを含む0.1xMBSに移した後、Nieukwko
opki37−38に到達するまで、トレー上でさらに6時間保持した。
【0448】 結果: ヒトchordin cDNAを単一の割球に注入したところ、おたまじゃく
しの側腹になった。おたまじゃくしの側腹は、尾が短くねじれ、セメント腺が拡
張して見える。ヒトchordinのアフリカツメガエルにおける側腹剤として
機能する性能は、DNA35917−1207によってコードされたタンパク質
が、カエルにおける背腹パターン形成に機能、かつ影響を及ぼすことを示し、そ
して、腹側パターン形成において含まれる過程が、進化時に保存されていて、作
用機構がヒト、ハエおよびカエルの間で共通に保存されていることが提示するも
のである。
【0449】 材料の寄託 以下の材料は、American Type Culture Collec
tion,12301 Parklawn Drive,Rockville,
MD,USA(ATCC)に寄託されている: 材料 ATCC寄託番号 寄託日 DNA34392−1170 ATCC209526 1997年12月10日 DNA35917−1207 ATCC209508 1997年12月 3日 DNA39976−1215 ATCC209524 1997年12月10日 DNA35595−1228 ATCC209528 1997年12月10日 DNA38113−1230 ATCC209530 1997年12月10日 DNA34436−1238 ATCC209523 1997年12月10日 DNA40592−1242 ATCC209492 1997年11月21日 DNA44176−1244 ATCC209532 1997年12月10日 DNA44192−1246 ATCC209531 1997年12月10日 DNA39518−1247 ATCC209529 1997年12月10日 DNA44804−1248 ATCC209527 1997年12月10日 DNA52722−1229 ATCC209570 1998年 1月 7日 DNA41234−1242 ATCC209618 1998年 2月 5日 DNA45410−1250 ATCC209621 1998年 2月 5日 DNA46777−1253 ATCC209619 1998年 2月 5日
【0450】 これらの寄託物は、特許手続上の微生物の寄託の国際的承認に関するブダペス
ト条約の規定およびそれに基づく規則の下で行われた(ブダペスト条約)。これ
は、寄託日から30年間、寄託物の生存可能な培養物の維持を保証する。寄託物
はブダペスト条約の下でATCCにより入手可能であり、Genentech社
とATCCとの間の合意を得ることを条件として、直接関係する米国特許の発行
、もしくは米国またはその他の国の早い方の特許出願の公開に基づいて、公衆に
寄託物の培養物の子孫の永久的かつ無制限の利用可能性を保証し、そして、その
子孫の入手を、米国特許法第122条およびそれに準ずる長官規則(特に886
OG638に関して米国特許法施行規則§1.14を含む)に従って付与される
米国特許商標庁長官によって定められた者に保証する。
【0451】 本願の譲受人は、寄託物の培養物が適切な条件下で培養された場合に死滅また
は損なわれた場合には、この材料を速やかに同一物で置き換えることに同意した
。寄託材料の利用可能性は、その国の特許法に従って政府の権力の下に付与され
た権利に違反して本発明を実施するライセンスとして解釈されない。
【0452】 上記明細書は、当業者が本発明を十分に実施できるものと解する。寄託された
実施態様は、本発明の一部の態様の単なる例示に過ぎないこと、並びに、機能的
に均等なあらゆる構成物が本発明の範囲に含まれることから、本発明は、寄託さ
れた構築物により、範囲が制限されるものではない。ここに言う材料の寄託は、
上記記述が、その最良の形態を含めた本発明のあらゆる態様の実施を可能にする
のに不適切であることの承認、あるいは、それが示す特定の例示に請求の範囲を
限定すると解釈されるとの承認を構成するものではない。実際に、ここに記載ま
たは示されたものに加えて、本発明の種々の変更が、上記記載から当業者にとっ
て明白になり、添付された請求の範囲内に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、天然配列PRO241cDNAのヌクレオチド配列(配
列番号:1)を示し、配列番号:1は、「UNQ215」及び/又は「DNA3
4392-1170」とここで称したクローンである。
【図2】 図2は、図1に示した配列番号:1のコード配列から得られたア
ミノ酸配列(配列番号:2)を示す。また図2中には、推定シグナルペプチド、
潜在ロイシンジッパー領域及び潜在N-グリコシル化部位の位置も提供される。
【図3】 図3は、天然配列PRO243cDNAのヌクレオチド配列(配
列番号:6)を示し、配列番号:6は、「UNQ217」及び/又は「DNA3
5917-1207」とここで称したクローンである。
【図4】 図4は、図3中に示した配列番号:6のコード配列から得られた
アミノ酸配列(配列番号:7)を示す。
【図5】 図5は、ヒト染色体3q27-q28のTHPO領域中のゲノム クローンの形成を示す。
【図6】 図6は、ヒト成人及び胎児組織の発現を示す。6Aは、ヒトコル
ディン(chordin)(PRO243)プローブにハイブリダイズした成人及び胎児 組織のノーザンブロットである。下方パネルはアクチン対照を示す。6Bは、示
される保存システインブロックをコードしているコドンの位置とともにヒトコル
ディン(PRO243)cDNAの図である。用いたプローブの範囲は、実線に
よって示される。
【図7】 図7は、大腿骨頭と寛骨臼との間に形成される発育途上の滑膜性
の連結の割線において陽性シグナルを与える成人組織のPRO243in situハ イブリダイゼーションを示す。
【図8】 図8は、天然配列PRO299cDNAのヌクレオチド配列(配
列番号:14)を示し、配列番号:14は「UNQ262」及び/又は「DNA
39976-1215」とここで称したクローンである。
【図9】 図9は、図8に示した配列番号:14のコード配列から得られた
アミノ酸配列(配列番号:15)を示す。
【図10】 図10は、DNA28847(配列番号:18)とここで称し
たヌクレオチド配列を示す。
【図11】 図11は、DNA35877(配列番号:19)とここで称し
たヌクレオチド配列を示す。
【図12】 図12は、天然配列PRO323cDNAのヌクレオチド配列
(配列番号:23)を示し、配列番号:23は、「UNQ284」及び/又は「
DNA35595-1228」とここで称したクローンである。
【図13】 図13は、図12に示した配列番号:23のコード配列から得
られたアミノ酸配列(配列番号:24)を示す。
【図14】 図14は、PRO323-融合ポリペプチドとIgG定常ドメ インの部分との間のキメラ融合タンパク質のヌクレオチド配列(ヌクレオチド7
9−1416)を含む一本鎖ヌクレオチド配列(配列番号:29)を示し、該キ
メラ融合タンパク質は「PRO454」とここで称した。PRO323/IgG
融合タンパク質(PRO454)をコードしている一本鎖ヌクレオチド配列(配
列番号:29)は、「DNA35872」とここで称した。
【図15】 図15は、図14に示したヌクレオチド配列のヌクレオチド7
9−1416から得られたアミノ酸配列(配列番号:30)を示す。PRO32
3-誘導配列とIgG-誘導配列との間のPRO454アミノ酸配列における連結
は、該図中のアミノ酸415−416の間と思われる。
【図16】 図16は、天然配列PRO327cDNAのヌクレオチド配列
(配列番号:31)を示し、配列番号:31は、「UNQ327」及び/又は「
DNA38113-1230」とここで称したクローンである。
【図17】 図17は、図16に示した配列番号:31のコード配列から得
られたアミノ酸配列(配列番号:32)を示す。
【図18】 図18は、天然配列PRO233cDNAのヌクレオチド配列
(配列番号:36)を示し、配列番号:36は「UNQ207」及び/又は「D
NA34436-1238」とここで称したクローンである。
【図19】 図19は、図18に示した配列番号:36のコード配列から得
られたアミノ酸配列(配列番号:37)を示す。
【図20】 図20は、天然配列PRO344cDNAのヌクレオチド配列
(配列番号:41)を示し、配列番号:41は、「UNQ303」及び/又は「
DNA40592-1242」とここで称したクローンである。
【図21】 図21は、図20に示した配列番号:41のコード配列から得
られたアミノ酸配列(配列番号:42)を示す。
【図22】 図22は、天然配列PRO347cDNAのヌクレオチド配列
(配列番号:49)を示し、配列番号:49は、「UNQ306」及び/又は「
DNA44176-1244」とここで称したクローンである。
【図23】 図23は、図22に示した配列番号:49のコード配列から得
られたアミノ酸配列(配列番号:50)を示す。
【図24】 図24は、天然配列PRO354cDNAのヌクレオチド配列
(配列番号:54)を示し、配列番号:54は、「UNQ311」及び/又は「
DNA44192-1246」とここで称したクローンである。
【図25】 図25は、図24に示した配列番号:54のコード配列から得
られたアミノ酸配列(配列番号:55)を示す。
【図26】 図26は、天然配列PRO355cDNAのヌクレオチド配列
(配列番号:60)を示し、配列番号:60は、「UNQ312」及び/又は「
DNA39518-1247」とここで称したクローンである。
【図27】 図27は、図26に示した配列番号:60のコード配列から得
られたアミノ酸配列(配列番号:61)を示す。
【図28】 図28は、天然配列PRO357cDNAのヌクレオチド配列
(配列番号:68)を示し、配列番号:68は、「UNQ314」及び/又は「
DNA44804-1248」とここで称したクローンである。
【図29】 図29は、図28に示した配列番号:68のコード配列から得
られたアミノ酸配列(配列番号:69)を示す。
【図30】 図30は、天然配列PRO715cDNAのヌクレオチド配列
(配列番号:75)を示し、配列番号:75は、「UNQ383」及び/又は「
DNA52722-1229」とここで称したクローンである。
【図31】 図31は、図30に示した配列番号:75のコード配列から得
られたアミノ酸配列(配列番号:76)を示す。
【図32】 図32は、ヒト腫瘍壊死因子-α(TNFA_ヒト)(配列番 号:77)と、DNA52722-1229のヌクレオチド114−863から 得られたアミノ酸配列(配列番号:76)との比較を示す。同じアミノ酸は箱で
囲んだ。
【図33】 図33は、DNA52722-1229のヌクレオチド114 −863から得られたアミノ酸配列(配列番号:76)とタンパク質の腫瘍壊死
ファミリーの各種のメンバーの配列(配列番号:78−84)との比較を示す。
同じアミノ酸は箱で囲った。
【図34】 図34は、天然配列PRO353cDNAのヌクレオチド配列
(配列番号:85)を示し、配列番号:85は、「UNQ310」及び/又は「
DNA41234-1242」とここで称したクローンである。
【図35】 図35は、図34に示した配列番号:85のコード配列から得
られたアミノ酸配列(配列番号:86)を示す。
【図36】 図36は、天然配列PRO361cDNAのヌクレオチド配列
(配列番号:90)を示し、配列番号:90は、「UNQ316」及び/又は「
DNA45410-1251」とここで称したクローンである。
【図37】 図37は、図36に示した配列番号:90のコード配列から得
られたアミノ酸配列(配列番号:91)を示す。
【図38】 図38は、天然配列PRO365cDNAのヌクレオチド配列
(配列番号:98)を示し、配列番号:98は、「UNQ320」及び/又は「
DNA46777-1253」とここで称したクローンである。
【図39】 図39は、図38に示した配列番号:98のコード配列から得
られたアミノ酸配列(配列番号:99)を示す。
【手続補正書】
【提出日】平成12年6月21日(2000.6.21)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0283
【補正方法】変更
【補正内容】
【0283】 PCRプライマー(2個の前進と1個の逆進)を合成した: 前進PCRプライマー1 5’−AGTTCTGGTCAGCCTATGTGC
C−3’(配列番号:25) 前進PCRプライマー2 5’−CGTGATGGTGTCTTTGTCCAT
GGG−3’(配列番号:26) 逆進PCRプライマー 5’−CTCCACCAATCCCGATGAACTT
GG−3’(配列番号:27) さらに、合成オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションプローブを、以下のヌ
クレオチド配列を有するコンセンサスDNA30875配列から構築した。 ハイブリダイゼーションプローブ 5’−GAGCAGATTGACCTCATACGCCGCATGTGTGCC
TCCTATTCTGAGCTGGA−3’(配列番号:28
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 5/10 C12P 21/08 C12P 21/02 C12Q 1/68 A 21/08 C12N 15/00 ZNAA C12Q 1/68 5/00 B (31)優先権主張番号 60/069,335 (32)優先日 平成9年12月11日(1997.12.11) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/069,278 (32)優先日 平成9年12月11日(1997.12.11) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/069,425 (32)優先日 平成9年12月12日(1997.12.12) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/069,696 (32)優先日 平成9年12月16日(1997.12.16) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/069,694 (32)優先日 平成9年12月16日(1997.12.16) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/069,702 (32)優先日 平成9年12月16日(1997.12.16) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/069,870 (32)優先日 平成9年12月17日(1997.12.17) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/069,873 (32)優先日 平成9年12月17日(1997.12.17) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/068,017 (32)優先日 平成9年12月18日(1997.12.18) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/070,440 (32)優先日 平成10年1月5日(1998.1.5) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/074,086 (32)優先日 平成10年2月9日(1998.2.9) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/074,092 (32)優先日 平成10年2月9日(1998.2.9) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/075,945 (32)優先日 平成10年2月25日(1998.2.25) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM ,HR,HU,ID,IL,IS,JP,KE,KG, KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,L U,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO ,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG, SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,U G,US,UZ,VN,YU,ZW (71)出願人 460 Point San Bruno Blvd.,South San Fra ncisco,California 94080 USA (72)発明者 オードレイ・ゴッダード アメリカ合衆国・カリフォルニア・ 94131・サン・フランシスコ・コンゴ・ス トリート・110 (72)発明者 オースティン・エル・ガーニー アメリカ合衆国・カリフォルニア・ 94002・ベルモント・ワン・デビー・レー ン(番地なし) (72)発明者 ジーン・ユアン アメリカ合衆国・カリフォルニア・ 94403・サン・マテオ・ウエスト・サーテ ィーセヴンス・アヴェニュー・176 (72)発明者 ケヴィン・ピー・ベイカー アメリカ合衆国・メリーランド・20878・ ダーンスタウン・インディアン・ラン・ド ライブ・14006 (72)発明者 ジャン・チェン アメリカ合衆国・ニュー・ジャージー・ 08540・プリンストン・ヨーク・ドライ ブ・121 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA11 BA01 BA14 BA63 CA01 CA07 DA02 DA06 DA12 HA01 HA11 HA15 4B063 QA18 QQ79 QQ96 QR48 QS33 QS36 QX02 4B064 AG01 CA02 CA06 CA10 CA19 CC24 DA01 DA13 4B065 AA26X AA72X AA91X AA93Y AB01 AC15 BA02 CA24 CA25 CA44 CA46 4H045 AA10 AA11 BA10 BA41 CA40 EA20 EA50 FA74

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 図2(配列番号:2)、図4(配列番号:7)、図9(配列
    番号:15)、図11(配列番号:19)、図13(配列番号:24)、図15
    (配列番号:30)、図17(配列番号:32)、図19(配列番号:37)、
    図21(配列番号:42)、図23(配列番号:50)、図25(配列番号:5
    5)、図27(配列番号:61)、図29(配列番号:69)、図31(配列番
    号:76)、図35(配列番号:86)、図37(配列番号:91)、及び図3
    9(配列番号:99)に示したアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸
    配列を含むポリペプチドをコードするヌクレオチド配列に少なくとも80%配列
    同一性を有している単離した核酸。
  2. 【請求項2】 上記ヌクレオチド配列が、図1(配列番号:1)、図3(配
    列番号:6)、図8(配列番号:14)、図10(配列番号:18)、図12(
    配列番号:23)、図14(配列番号:29)、図16(配列番号:31)、図
    18(配列番号:36)、図20(配列番号:41)、図22(配列番号:49
    )、図24(配列番号:54)、図26(配列番号:60)、図28(配列番号
    :68)、図30(配列番号:75)、図34(配列番号:85)、図36(配
    列番号:90)、及び図38(配列番号:98)に示した配列、又はその相補体
    からなる群から選択されるヌクレオチド配列を含む請求項1記載の核酸。
  3. 【請求項3】 上記ヌクレオチド配列が、図1(配列番号:1)、図3(配
    列番号:6)、図8(配列番号:14)、図10(配列番号:18)、図12(
    配列番号:23)、図14(配列番号:29)、図16(配列番号:31)、図
    18(配列番号:36)、図20(配列番号:41)、図22(配列番号:49
    )、図24(配列番号:54)、図26(配列番号:60)、図28(配列番号
    :68)、図30(配列番号:75)、図34(配列番号:85)、図36(配
    列番号:90)、及び図38(配列番号:98)に示した配列の全長コード配列
    、又はその相補体からなる群から選択されるヌクレオチド配列を含む請求項1記
    載の核酸。
  4. 【請求項4】 受託番号ATCC209526、ATCC209508、A
    TCC209524、ATCC209528、ATCC209530、ATCC
    209523、ATCC209492、ATCC209532、ATCC209
    531、ATCC209529、ATCC209527、ATCC209570
    、ATCC209618、ATCC209621又はATCC209619の下
    に寄託したDNAの全長コード配列を含む単離した核酸。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の核酸を含むベクター。
  6. 【請求項6】 該ベクターで形質転換した宿主細胞により認識される制御配
    列に操作可能に結合した請求項5記載のベクター。
  7. 【請求項7】 請求項5記載のベクターを含む宿主細胞。
  8. 【請求項8】 上記細胞がCHO細胞である請求項7記載の宿主細胞。
  9. 【請求項9】 上記細胞が大腸菌である請求項7記載の宿主細胞。
  10. 【請求項10】 上記細胞が酵母細胞である請求項7記載の宿主細胞。
  11. 【請求項11】 PROポリペプチドの製造方法であり、上記PROポリペ
    プチドの発現のために好適な条件下で請求項7記載の宿主細胞を培養すること及
    びその細胞培養物からPROポリペプチドを回収することを含む方法。
  12. 【請求項12】 図2(配列番号:2)、図4(配列番号:7)、図9(配
    列番号:15)、図11(配列番号:19)、図13(配列番号:24)、図1
    5(配列番号:30)、図17(配列番号:32)、図19(配列番号:37)
    、図21(配列番号:42)、図23(配列番号:50)、図25(配列番号:
    55)、図27(配列番号:61)、図29(配列番号:69)、図31(配列
    番号:76)、図35(配列番号:86)、図37(配列番号:91)、及び図
    39(配列番号:99)に示したアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ
    酸配列に少なくとも80%配列同一性を有している単離した天然配列PROポリ
    ペプチド。
  13. 【請求項13】 受託番号ATCC209526、ATCC209508、
    ATCC209524、ATCC209528、ATCC209530、ATC
    C209523、ATCC209492、ATCC209532、ATCC20
    9531、ATCC209529、ATCC209527、ATCC20957
    0、ATCC209618、ATCC209621又はATCC209619の
    下に寄託したヌクレオチドによってコードされたアミノ酸配列に少なくとも80
    %配列同一性を有する単離したPROポリペプチド。
  14. 【請求項14】 異種アミノ酸配列に融合した請求項12記載のポリペプチ
    ドを含むキメラ分子。
  15. 【請求項15】 上記異種アミノ酸配列が、エピトープ標識配列である請求
    項14記載のキメラ分子。
  16. 【請求項16】 上記異種アミノ酸配列が、免疫グロブリンのFc領域であ
    る請求項14記載のキメラ分子。
  17. 【請求項17】 請求項12記載のPROポリペプチドに特異的に結合する
    抗体。
  18. 【請求項18】 上記抗体がモノクローナル抗体である請求項17記載の抗
    体。
JP2000523338A 1997-12-03 1998-12-01 ポリペプチド及び同じものをコードしている核酸 Pending JP2002505850A (ja)

Applications Claiming Priority (31)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US6741197P 1997-12-03 1997-12-03
US60/067,411 1997-12-03
US6927897P 1997-12-11 1997-12-11
US6933597P 1997-12-11 1997-12-11
US6933497P 1997-12-11 1997-12-11
US60/069,334 1997-12-11
US60/069,278 1997-12-11
US60/069,335 1997-12-11
US6942597P 1997-12-12 1997-12-12
US60/069,425 1997-12-12
US6969497P 1997-12-16 1997-12-16
US6970297P 1997-12-16 1997-12-16
US6969697P 1997-12-16 1997-12-16
US60/069,696 1997-12-16
US60/069,702 1997-12-16
US60/069,694 1997-12-16
US6987097P 1997-12-17 1997-12-17
US6987397P 1997-12-17 1997-12-17
US60/069,870 1997-12-17
US60/069,873 1997-12-17
US6801797P 1997-12-18 1997-12-18
US60/068,017 1997-12-18
US7044098P 1998-01-05 1998-01-05
US60/070,440 1998-01-05
US7409298P 1998-02-09 1998-02-09
US7408698P 1998-02-09 1998-02-09
US60/074,086 1998-02-09
US60/074,092 1998-02-09
US7594598P 1998-02-25 1998-02-25
US60/075,945 1998-02-25
PCT/US1998/025108 WO1999028462A2 (en) 1997-12-03 1998-12-01 Polypeptides and nucleic acids encoding the same

Related Child Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002303639A Division JP3786909B2 (ja) 1997-12-03 2002-10-17 ポリペプチド及び同じものをコードしている核酸
JP2002303638A Division JP2003116587A (ja) 1997-12-03 2002-10-17 ポリペプチド及び同じものをコードしている核酸

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002505850A true JP2002505850A (ja) 2002-02-26

Family

ID=27585489

Family Applications (3)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000523338A Pending JP2002505850A (ja) 1997-12-03 1998-12-01 ポリペプチド及び同じものをコードしている核酸
JP2002303638A Pending JP2003116587A (ja) 1997-12-03 2002-10-17 ポリペプチド及び同じものをコードしている核酸
JP2002303639A Expired - Fee Related JP3786909B2 (ja) 1997-12-03 2002-10-17 ポリペプチド及び同じものをコードしている核酸

Family Applications After (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002303638A Pending JP2003116587A (ja) 1997-12-03 2002-10-17 ポリペプチド及び同じものをコードしている核酸
JP2002303639A Expired - Fee Related JP3786909B2 (ja) 1997-12-03 2002-10-17 ポリペプチド及び同じものをコードしている核酸

Country Status (8)

Country Link
EP (1) EP1037979A2 (ja)
JP (3) JP2002505850A (ja)
KR (1) KR100386046B1 (ja)
AU (1) AU736506B2 (ja)
CA (1) CA2311640A1 (ja)
IL (4) IL136216A0 (ja)
NZ (5) NZ527898A (ja)
WO (1) WO1999028462A2 (ja)

Families Citing this family (41)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999028462A2 (en) * 1997-12-03 1999-06-10 Genentech, Inc. Polypeptides and nucleic acids encoding the same
US6541224B2 (en) 1996-03-14 2003-04-01 Human Genome Sciences, Inc. Tumor necrosis factor delta polypeptides
US7217788B2 (en) 1996-03-14 2007-05-15 Human Genome Sciences, Inc. Human tumor necrosis factor delta polypeptides
IL134011A0 (en) * 1997-07-18 2001-04-30 Zymogenetics Inc Adipocyte-specific protein homologs
US6566499B1 (en) 1997-07-18 2003-05-20 Zymogenetics, Inc. Adipocyte-specific protein homologs
CN1272884A (zh) 1997-08-26 2000-11-08 津莫吉尼蒂克斯公司 脂肪细胞特异性蛋白质同系物
US20030032103A1 (en) 1997-09-18 2003-02-13 Genentech, Inc. Secreted and transmembrane polypeptides and nucleic acids encoding the same
JP2002507413A (ja) * 1998-03-23 2002-03-12 スミスクライン ビーチャム コーポレーション サイトカインファミリーのメンバー,2−21
US6001596A (en) * 1998-05-07 1999-12-14 Incyte Pharmaceuticals, Inc. Growth-associated protease inhibitor heavy chain precursor
DE69942861D1 (de) 1998-08-07 2010-11-25 Immunex Corp Ldcam genannte moleküle
US6406884B1 (en) * 1999-06-18 2002-06-18 Millennium Pharmaceuticals, Inc. Secreted proteins and uses thereof
AU1467000A (en) * 1998-11-04 2000-05-22 Government Of The United States Of America, As Represented By The Secretary Of The Department Of Health And Human Services, The A novel tumor necrosis factor family member, drl, and related compositions and methods
MXPA01005425A (es) * 1998-12-01 2002-04-24 Genentech Inc Polipeptidos de transmembrana y secretados y acidos nucleicos que codifican los mismos.
BR0008298A (pt) 1999-02-19 2002-02-19 Zymogenetics Inc Métodos para promover o fluxo sanguìneo dentro da vasculatura de um mamìfero, para pacificar tecidos colagenosos danificados dentro de um mamìfero, para pacificar a superfìcie de um biomaterial prostático para uso em associação com um mamìfero, e para mediar a reparação de feridas em um mamìfero
US6544946B1 (en) 1999-02-19 2003-04-08 Zymogenetics, Inc. Inhibitors for use in hemostasis and immune function
US6800460B1 (en) 1999-03-11 2004-10-05 Schering Corporation Mammalian cytokine complexes
EP1942114A3 (en) * 1999-03-11 2008-08-27 Schering Corporation Mammalian cytokines; related reagents and methods
US20030022233A1 (en) 1999-04-30 2003-01-30 Raymond G. Goodwin Methods of use of the taci/taci-l interaction
EP1953173B1 (en) * 1999-06-15 2009-11-18 Genentech, Inc. Secreted and transmembrane polypeptides and nucleic acids endoding the same
US7129338B1 (en) 1999-07-08 2006-10-31 Research Association For Biotechnology Secretory protein or membrane protein
EP1067182A3 (en) * 1999-07-08 2001-11-21 Helix Research Institute Secretory protein or membrane protein
AU6394400A (en) * 1999-07-30 2001-02-19 Millennium Pharmaceuticals, Inc. Secreted proteins and uses thereof
ES2349679T3 (es) 1999-10-28 2011-01-10 Agensys, Inc. Antígeno tumoral secretado.
CA2709291A1 (en) * 1999-12-01 2001-06-07 Genentech, Inc. Secreted and transmembrane polypeptides and nucleic acids encoding the same
WO2001046229A1 (en) * 1999-12-20 2001-06-28 Smithkline Beecham Corporation Cytokine family member, mature 2-21
ES2341842T3 (es) * 2000-01-12 2010-06-29 Yale University Bloqueo del crecimiento axonal mediado por el receptor de nogo.
WO2001087979A2 (en) 2000-05-12 2001-11-22 Amgen Inc. Methods and compositions of matter concerning april/g70, bcma, blys/agp-3, and taci
EP1666594A3 (en) * 2000-06-02 2006-06-21 Genentech, Inc. Polypeptide, nucleic acid encoding it, and their use for the diagnosis of cancer
AU2001282856A1 (en) * 2000-06-15 2001-12-24 Human Genome Sciences, Inc. Human tumor necrosis factor delta and epsilon
CA2418395C (en) * 2000-08-09 2010-05-04 Maruho Co., Ltd. Protein induced by homogeneous blood transfusion and dna encoding the same
WO2002012335A2 (en) * 2000-08-10 2002-02-14 Pharmacia Corporation A NEW EGF MOTIF REPEAT PROTEIN OBTAINED FROM A cDNA LIBRARY FROM HS-5 STROMAL CELL LINE
CA2446734A1 (en) 2001-05-24 2002-11-28 Human Genome Sciences, Inc. Antibodies against tumor necrosis factor delta (april)
WO2003008446A1 (fr) * 2001-07-19 2003-01-30 Mitsubishi Pharma Corporation Polypeptides se rapportant au transfert de signaux de recepteur de produits terminaux a glycation avancee
EP1428882A4 (en) * 2001-08-24 2005-05-25 Hisamitsu Pharmaceutical Co NUCLEIC ACIDS HAVING A DIFFERENCE OF EXPRESSION IN HEPATOBLASTOMA AND NORMAL LIVER
WO2003029467A1 (fr) * 2001-09-05 2003-04-10 Japan Science And Technology Corporation Candidate proteine pour nouveau facteur de polarisation cellulaire et polynucleotide codant cette proteine
MXPA06000974A (es) 2003-07-25 2006-08-31 Amgen Inc Antagonistas y agonistas de ldcam y metodos para su uso.
US20050186577A1 (en) 2004-02-20 2005-08-25 Yixin Wang Breast cancer prognostics
CA2590461A1 (en) 2004-12-23 2006-06-29 Laboratoires Serono S.A. Bcma polypeptides and uses thereof
AU2006318539B2 (en) 2005-11-23 2012-09-13 Genentech, Inc. Methods and compositions related to B cell assays
EP2069793B9 (en) 2006-08-29 2017-08-16 Oxford BioTherapeutics Ltd Identification of protein associated with hepatocellular carcinoma, glioblastoma and lung cancer
LT2403878T (lt) 2009-03-05 2017-10-10 E. R. Squibb & Sons, L.L.C. Pilnai žmogaus specifiniai antikūnai, skirti cadm1

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2413974A1 (fr) 1978-01-06 1979-08-03 David Bernard Sechoir pour feuilles imprimees par serigraphie
NZ207394A (en) 1983-03-08 1987-03-06 Commw Serum Lab Commission Detecting or determining sequence of amino acids
US4676980A (en) 1985-09-23 1987-06-30 The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Department Of Health And Human Services Target specific cross-linked heteroantibodies
IL87737A (en) 1987-09-11 1993-08-18 Genentech Inc Method for culturing polypeptide factor dependent vertebrate recombinant cells
DE69029036T2 (de) 1989-06-29 1997-05-22 Medarex Inc Bispezifische reagenzien für die aids-therapie
ES2210224T3 (es) * 1989-08-22 2004-07-01 Hsc Research Development Corporation Gen de la fibrosis quistica.
CA2102511A1 (en) 1991-05-14 1992-11-15 Paul J. Higgins Heteroconjugate antibodies for treatment of hiv infection
US5536637A (en) * 1993-04-07 1996-07-16 Genetics Institute, Inc. Method of screening for cDNA encoding novel secreted mammalian proteins in yeast
AU6926194A (en) * 1994-05-09 1995-11-29 Boehringer Mannheim Gmbh Use of chondroitin sulphate proteoglycans for protection of neurons
WO1999028462A2 (en) * 1997-12-03 1999-06-10 Genentech, Inc. Polypeptides and nucleic acids encoding the same
WO1996014331A1 (en) * 1994-11-07 1996-05-17 Merck & Co., Inc. Modified neuropeptide y receptors
US5707829A (en) * 1995-08-11 1998-01-13 Genetics Institute, Inc. DNA sequences and secreted proteins encoded thereby
WO1997025427A1 (en) * 1996-01-12 1997-07-17 Genetics Institute, Inc. Beta-chemokine, h1305 (mcp-2)
JP2002525024A (ja) * 1997-08-01 2002-08-13 ジェンセット 種々の組織中で発現される分泌タンパク質の5’est

Also Published As

Publication number Publication date
JP3786909B2 (ja) 2006-06-21
NZ527898A (en) 2005-01-28
WO1999028462A3 (en) 1999-10-14
WO1999028462A2 (en) 1999-06-10
WO1999028462A9 (en) 2001-05-31
EP1037979A2 (en) 2000-09-27
KR100386046B1 (ko) 2003-06-02
JP2003116587A (ja) 2003-04-22
JP2003116588A (ja) 2003-04-22
IL136216A0 (en) 2001-05-20
NZ527899A (en) 2004-10-29
AU1602999A (en) 1999-06-16
IL197834A0 (en) 2009-12-24
IL136216A (en) 2009-09-22
NZ504548A (en) 2003-06-30
NZ522634A (en) 2004-02-27
AU736506B2 (en) 2001-07-26
CA2311640A1 (en) 1999-06-10
NZ527900A (en) 2005-02-25
KR20010032719A (ko) 2001-04-25
IL178210A0 (en) 2006-12-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3786909B2 (ja) ポリペプチド及び同じものをコードしている核酸
US6936254B2 (en) Method of inducing fetal hemoglobin synthesis
JP2006068006A (ja) 分泌及び膜貫通ポリペプチドとそれをコードする核酸
JP2003524387A (ja) 分泌及び膜貫通ポリペプチドとそれをコードする核酸
US20090170158A1 (en) Secreted and transmembrane polypeptides and nucleic acids encoding the same
US7442772B2 (en) Antibodies to PRO361 polypeptide
US20050003487A1 (en) Chordin dorsalizing and hemoglobin inducing polypeptides and nucleic acids encoding the same
US20060105427A1 (en) Secreted and transmembrane polypeptides and nucleic acids encoding the same
EP1209168B1 (en) PRO243 polypeptides and nucleic acids encoding the same
EP1191101B1 (en) PRO241 polypeptides and nucleic acid encoding the same
US7470771B2 (en) Secreted and transmembrane polypeptides and nucleic acids encoding the same
US7368558B2 (en) PRO357 nucleic acids
DE69824979T2 (de) PRO243 Polypeptide und dafür kodierende Nukleinsäuren
AU4236802A (en) Polypeptides and nucleic acids encoding the same
CA2408167A1 (en) Pro243 polypeptides and nucleic acids encoding the same
MXPA00005354A (en) Polypeptides and nucleic acids encoding the same
US20050014225A1 (en) Secreted and transmembrane polypeptides and nucleic acids encoding the same

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040824

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050315