JPH107698A - エピモルフィン・アンタゴニスト - Google Patents

エピモルフィン・アンタゴニスト

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JPH107698A
JPH107698A JP9010148A JP1014897A JPH107698A JP H107698 A JPH107698 A JP H107698A JP 9010148 A JP9010148 A JP 9010148A JP 1014897 A JP1014897 A JP 1014897A JP H107698 A JPH107698 A JP H107698A
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epimorphin
ser
arg
thr
ile
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JP9010148A
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Shogo Koshida
将悟 越田
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 上皮細胞に対するエピモルフィン類の形態形
成促進作用を阻害するアンタゴニストを提供する。 【解決手段】 エピモルフィンの機能ドメインの一部
(例えば、下記のアミノ酸配列:H-Ser(Asn)-Gly-Asn-A
rg-Thr-Ser-Val-Asp-Leu-Arg-Ile-Arg-Arg-Thr-Gln-His
-Ser-Val-Leu-OH により特定されるポリペプチド)から
なり、上皮細胞に対するエピモルフィン類の形態形成促
進作用を実質的に阻害する作用を有するエピモルフィン
・アンタゴニスト;並びに、該エピモルフィン・アンタ
ゴニストを有効成分として含み、エピモルフィンの発現
過多に起因する疾患の治療、診断、及び予防、並びに毛
成長阻害に有用な医薬。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、上皮組織に対して
形態形成を促進するエピモルフィン類を特異的に阻害す
る作用(エピモルフィン・アンタゴニスト作用)を有
し、医薬の有効成分として有用なポリペプチド類に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】上皮組織の正常な形態形成は上皮組織の
周りに存在する間充織細胞由来の因子による制御を受け
ていることが示唆されており、また、上皮組織の形態形
成異常に起因する疾患の多くが間充織細胞の異常を原因
としていることから、間充織細胞が上皮組織の形態形成
を制御するメカニズムの解明に興味がもたれている。し
かしながら、上皮組織の形態形成の制御に関与する物質
群は複雑な系の中で時間的及び空間的な制御を受けて発
現されており、それらの物質を単離して機能を解析する
ことは極めて困難であること、また、上皮組織の形態形
成を単純化したモデル実験系の構築も難しいことなどの
理由から、この分野の研究には今日まで大きな進展が見
られていない。上皮組織の形態形成に起因する疾患の発
症機序の解明やそれらの疾患の治療方法の確立などのた
めに、上皮組織における形態形成の制御メカニズムの解
析が切望されていた。
【0003】このような状況下にあって、上皮組織の形
態形成の制御に関与するエピモルフィン (epimorphin)
の単離の成功が報告されている(特開平6-25295 号公
報)。この物質は277 ないし 289個のアミノ酸からなる
蛋白質をコア・蛋白質とする生理活性物質であり、主と
して間充織細胞により生合成されていることが明らかに
された。また、エピモルフィンは上皮組織の形態形成を
促進する作用を有していること、並びにエピモルフィン
が機能しない場合には正常な組織形成が行われないこと
も明らかにされた。
【0004】エピモルフィンの有する生理作用(上皮組
織の形態形成促進作用)を阻害する物質としては、エピ
モルフィンに特異的に結合してそれらの作用を阻害する
抗体(MC-1) が知られている(特開平6-25295 号公報; C
ELL, 69, pp.471-481, 1992) 。この抗体はエピモルフ
ィンによる上皮組織の正常な形態形成のメカニズムを明
らかにするために有用であり、また、エピモルフィンの
発現異常(発現過多)に起因する疾患の発症機序の解
明、及びそれらの疾患の予防や治療に有用であることが
期待されている。また、エピモルフィンは毛包の形態形
成を促進する作用を有しているので、エピモルフィンの
作用を阻害する上記抗体は脱毛ないし育毛阻害作用を有
する可能性がある。
【0005】しかしながら、この抗体は不安定で調製過
程で失活しやすいという問題を有しており、医薬や毛成
長阻害剤としての開発や安定供給が困難であった。ま
た、分子量が大きいので(15万Kd以上)容易に皮膚のケ
ラチン質を透過できず、十分な毛成長阻害効果を期待で
きないという問題があった。このような理由から、エピ
モルフィンの上記作用を特異的に阻害する作用を有し、
安定で低分子量の物質、例えば皮膚透過可能な数千以下
の分子量を有する物質の開発が求められていた。とりわ
け、エピモルフィンが結合する上皮細胞上のレセプター
に結合し、かつ、上皮組織に対するエピモルフィンの形
態形成促進作用を阻害することができる物質(エピモル
フィン・アンタゴニスト)は、上記の医薬や毛成長阻害
剤の有効成分のほか、エピモルフィンの作用機序の解明
に極めて有用であることが期待される。
【0006】また、従来、腕や脚の体毛の脱毛を行う場
合には、テープやピンセット等を用いて直接脱毛する方
法や体毛を溶解させるアルカリ剤などの成分を含む溶液
を塗布して脱毛を行う方法が採用されているが、前者の
方法では苦痛を伴うという問題があり、後者の方法では
皮膚に対してダメージを与える等の問題がある。従っ
て、エピモルフィンの機能を阻害する作用を有し、経皮
吸収可能な低分子量の物質を提供することができれば、
上記の問題点を回避した毛成長阻害剤の有効成分として
有用であることが期待される。すなわち、剃毛後に上記
の特徴を有する物質を作用させることにより、長期間に
わたって体毛の成長を抑制することが可能になるので、
従来の脱毛剤の欠点を克服した毛成長阻害剤として用い
ることが可能になる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、エピ
モルフィンの作用を阻害する物質を提供することにあ
る。より具体的には、上皮組織に対するエピモルフィン
の形態形成促進作用を特異的に阻害するエピモルフィン
・アンタゴニストとして有用な物質を提供することが本
発明の課題である。さらに、上記の特徴を有し、低分子
量で安定なエピモルフィン・アンタゴニストを提供する
ことも本発明の課題である。また本発明の別の課題は、
上皮組織に対するエピモルフィンの形態形成促進作用を
阻害するエピモルフィン・アンタゴニストを有効成分と
して含み、エピモルフィンの発現過多に起因する疾患の
予防及び/又は治療に有用な医薬を提供することにあ
る。さらに本発明の別の課題は、上記エピモルフィン・
アンタゴニストを有効成分として含む毛成長阻害剤を提
供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記の課題を
解決すべく鋭意努力した結果、エピモルフィンの機能ド
メインに含まれる部分配列ポリペプチドが、上皮細胞に
対するエピモルフィンの形態形成促進作用を顕著に阻害
する作用を有しており、エピモルフィン・アンタゴニス
トとしての機能することを見いだした。本発明は上記の
知見を基にして完成されたものである。
【0009】すなわち本発明は、下記のアミノ酸配列:
H-Ser(Asn)-Gly-Asn-Arg-Thr-Ser-Val-Asp-Leu-Arg-Ile
-Arg-Arg-Thr-Gln-His-Ser-Val-Leu-OH (配列中、-Ser
(Asn)-はセリン残基又はアスパラギン残基のいずれかを
示す)により特定されるポリペプチド;並びに、下記の
アミノ酸配列:H-Ser(Asn)-Gly-Asn-Arg-Thr-Ser-Val-A
sp-Leu-Arg-Ile-Arg-Arg-Thr-Gln-His-Ser-Val-Leu-Ser
-Arg-Lys-Phe-Val-Glu(Asp)-Ala(Val)-Met-Ala(Thr)-Gl
u-Tyr-Asn-Glu-Ala-Gln-Thr(Ile)-Leu-Phe-Arg-Glu-Arg
-Ser-Lys-Gly-Arg-Ile-Gln-Arg-Gln-Leu-Glu-Ile-Thr-G
ly-Arg-Thr-Thr-Thr-Asp-Asp-Glu-Leu-Glu-Glu-Met-Leu
-Glu-Ser-Gly-Lys-Pro-Ser-Ile-Phe-Thr(Ile)-Ser-Asp-
Ile-Ile-Ser-Asp-Ser-Gln-Ile-OH(配列中、カッコ左に
示すアミノ酸残基はカッコ内のアミノ酸残基に置き換え
られていてもよいことを示す)のうち、第1番目ないし
第n番目(n は20〜83の整数を示す)のアミノ酸配列に
より特定されるポリペプチドを提供するものである。
【0010】また本発明の別の態様により、エピモルフ
ィンの機能ドメインの一部からなり実質的にエピモルフ
ィン類阻害作用を有するエピモルフィン・アンタゴニス
トが提供される。この発明の好ましい態様により、上記
の各ポリペプチドからなり実質的にエピモルフィン類阻
害作用を有するエピモルフィン・アンタゴニスト;上記
の各ポリペプチドのアミノ酸変異体であって実質的にエ
ピモルフィン類阻害作用を有するポリペプチドからなる
エピモルフィン・アンタゴニスト;上記の各ポリペプチ
ドをその部分配列として含み実質的にエピモルフィン類
阻害作用を有するポリペプチドからなるエピモルフィン
・アンタゴニスト;糖類及び/又は脂質類で修飾され
た、及び/又はリン酸化された上記のエピモルフィン・
アンタゴニスト;上皮組織に対するエピモルフィン類の
形態形成作用を阻害する上記エピモルフィン・アンタゴ
ニスト;並びに、エピモルフィン類の毛包の形態形成作
用を阻害する上記エピモルフィン・アンタゴニストが提
供される。
【0011】さらに本発明の別の態様によれば、上記の
各ポリペプチドからなる医薬;上記の各エピモルフィン
・アンタゴニストを有効成分として含む医薬;エピモル
フィンの発現過多に起因する疾患の治療及び/又は予防
のために用いる上記の各医薬;エピモルフィン過剰症の
治療のために用いる上記の各医薬;エピモルフィンの発
現過多に起因する疾患の診断に用いる上記の各医薬;並
びに、毛成長阻害剤として用いる上記の各医薬が提供さ
れる。これらに加えて、上記の各エピモルフィン・アン
タゴニストをヒトを含む哺乳類に投与する工程を含む、
エピモルフィンの発現過多に起因する疾患の治療及び/
又は予防方法;上記の各エピモルフィン・アンタゴニス
トをヒトを含む哺乳類に投与する工程を含む、エピモル
フィンの発現過多に起因する疾患の診断方法;並びに、
上記各エピモルフィン・アンタゴニストをヒトを含む哺
乳類に投与する工程を含む毛の成長阻害方法が提供され
る。
【0012】さらに別の態様によれば、上記の各ポリペ
プチドをコードするポリヌクレオチド、好ましくは各ポ
リペプチドをコードするDNA ;該DNA を含む組み換えベ
クター;該組み換えベクターが導入された形質転換微生
物;及び、該形質転換微生物を培養して培養物から上記
各ポリペプチドを分離・採取する工程を含む上記各ポリ
ペプチドの製造方法が提供される。また、上記の各エピ
モルフィン・アンタゴニストを有効成分として含む医薬
の製造のための上記各ポリペプチドの使用;並びに、化
学的手法及び/又は生物学的手法(例えば、該形質転換
微生物を培養して培養物から上記各ポリペプチドを分離
・採取する工程を含む手法)により上記の各ポリペプチ
ドを製造する工程を含む、上記のエピモルフィン・アン
タゴニストの製造方法も提供される。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明により提供される上記のポ
リペプチド類は、上皮細胞に対するエピモルフィン類の
形態形成促進作用を阻害する作用を有している。従っ
て、本発明により、上記のポリペプチド類からなるエピ
モルフィン・アンタゴニストが提供される。本明細書に
おいてエピモルフィン類という用語は、天然型エピモル
フィン及び天然型エピモルフィンと実質的に同様な生理
作用を有する天然型エピモルフィンの改変体(エピモル
フィン改変体)、並びに天然型エピモルフィンと実質的
に同様な生理作用を有するそれらのアミノ酸変異体を包
含する概念で用いる。本発明のエピモルフィン・アンタ
ゴニストは、天然型エピモルフィン、エピモルフィン改
変体、及びそれらのアミノ酸変異体からなる群から選ば
れるいずれの物質に対しても、それらの形態形成促進作
用を阻害する作用を有している。
【0014】本明細書において、天然型エピモルフィン
とは、例えば哺乳類などの間充織細胞によって生合成さ
れるエピモルフィンのことを意味する。天然型エピモル
フィンとしては、例えば、ヒト、サル、ウシ、ウマ、ヒ
ツジ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウスなどに由来
するエピモルフィン、好ましくはヒト由来のエピモルフ
ィンなどを挙げることができる。天然型のエピモルフィ
ンには、遺伝子のスプライシングにより複数のアイソフ
ォームが存在する場合がある。例えば、ヒト・エピモル
フィンについては、特開平6-25295 号公報に示されてい
るように 288個のアミノ酸からなるヒト・エピモルフィ
ン、並びにそれぞれ287 個及び277 個のアミノ酸からな
るヒト・エピモルフィンのアイソフォームA及びBが存
在しており、マウス・エピモルフィンについては、 289
個のアミノ酸からなるマウス・エピモルフィン、並びに
それぞれ 288個及び 279個のアミノ酸からなるマウス・
エピモルフィンのアイソフォームA及びBが存在してい
る。本明細書において天然型エピモルフィンという場合
には、これらのアイソフォーム類をすべて含む概念とし
て用いる。
【0015】本明細書において、エピモルフィン改変体
とは、天然型のエピモルフィンと実質的に同様の生理作
用(例えば、上皮細胞に対する細胞接着作用と上皮細胞
に対する形態形成促進作用)を有するポリペプチドであ
って、上記の天然型エピモルフィンのポリペプチド配列
(通常は277 ないし 289個のアミノ酸からなるポリペプ
チドである)に由来する部分ポリペプチド配列である
か、又は、天然型エピモルフィンのポリペプチド配列に
由来する上記部分ポリペプチド配列をその部分配列とし
て含むポリペプチドのことを意味する。天然型エピモル
フィンは、N末端側にコイルドコイル領域(1) 、中央部
に機能ドメイン(2) 、C末端側にコイルドコイル領域
(3) 、及びC末端部に疎水性領域を有し、C末端の疎水
性領域で細胞膜と結合する。例えば、天然型エピモルフ
ィンを可溶化する目的でC末端の疎水性領域を除去する
方法が提案されているが(特開平6-25295 号公報)、こ
のような方法により製造されるポリペプチドはエピモル
フィン改変体の代表的化合物である。
【0016】また、本明細書において、天然型エピモル
フィン又はエピモルフィン改変体のアミノ酸変異体と
は、天然型のエピモルフィンと実質的に同様の上記生理
作用を有するポリペプチドであって、上記天然型エピモ
ルフィン又はエピモルフィン改変体のポリペプチド鎖を
構成するアミノ酸のうちの1個または2個以上のアミノ
酸が他のアミノ酸によって置換されており、これらの構
成アミノ酸のうちの1個または2個以上のアミノ酸が欠
失しており、及び/又は上記ポリペプチド鎖中に1個若
しくは2個以上の任意のアミノ酸が挿入されたものを意
味している。
【0017】より具体的には、天然型のエピモルフィン
としては、例えば、特開平6-25295号公報にヒト又はマ
ウス由来のエピモルフィン及びそれらのアイソフォーム
類が開示されている。また、エピモルフィン改変体の代
表的なものとしては、上記のエピモルフィン改変体(特
開平6-25295 号公報)のほか、エピモルフィンの機能ド
メインを含むポリペプチドの少なくとも一方の端部に 5
〜99個のアミノ酸よりなる親水性ポリペプチドを付加し
たエピモルフィン改変体(特開平8-325293号公報)、及
びN末端側にコイルドコイル領域(1) 、中央部に機能ド
メイン(2) 、C末端側にコイルドコイル領域(3) 、及び
C末端部に疎水性領域を有するエピモルフィンの全長か
ら、C末端部の疎水性領域が削除されているとともに、
コイルドコイル領域(1) 及び(3) のうちの少なくとも一
方の末端側から少なくとも一部のアミノ酸が削除された
構造のポリペプチドからなるエピモルフィン改変体(特
願平7-175540号明細書)などを挙げることができる。
【0018】上記に言及した公報及び明細書に開示され
たすべてのエピモルフィン改変体のほか、これらの公報
及び明細書に開示された方法に従って、またはそれらに
改変ないし修飾を加えた方法によって製造可能なエピモ
ルフィン改変体は、いずれも上記の定義を満足する限り
本明細書におけるエピモルフィン改変体に含まれること
を理解すべきである。また、天然型エピモルフィン又は
エピモルフィン改変体のアミノ酸変異体の製造方法につ
いては、例えば、特開平8-325293号公報及び特願平7-17
5540号明細書に具体的に説明されているが、これらの方
法に限定されることはなく、いかなる方法により製造さ
れたアミノ酸変異体であってもよい。なお、これらのエ
ピモルフィン改変体又はそのアミノ酸変異体の生理活性
の検定方法については、特開平6-25295 号公報において
詳細に説明された天然型エピモルフィンの生理活性の検
定方法に準じて行うことが可能である。具体的には、本
明細書の実施例に記載されたマウス胎児肺の気管支の形
態形成促進作用や、マウス胎児上顎皮膚の形態形成促進
作用などを確認すればよい。
【0019】本発明のエピモルフィン・アンタゴニスト
は、上記のエピモルフィン類が有する上皮細胞に対する
形態形成促進作用を阻害する性質(以下、本明細書にお
いてこの作用を「エピモルフィン類阻害作用」という場
合がある。)を有している。本発明のエピモルフィン・
アンタゴニストとして、エピモルフィンの機能ドメイン
の一部からなり実質的にエピモルフィン類阻害作用を有
するエピモルフィン・アンタゴニストが提供される。そ
の一態様として、下記のアミノ酸配列: H-Ser(Asn)-Gl
y-Asn-Arg-Thr-Ser-Val-Asp-Leu-Arg-Ile-Arg-Arg-Thr-
Gln-His-Ser-Val-Leu-OH(配列中、N末端のアミノ酸残
基はカッコ内のアミノ酸残基に置き換えられていてもよ
く、各アミノ酸残基は好ましくはL-アミノ酸残基を示
す。一文字標記に従うと H-S(N)GNRTSVDLRIRRTQHSVL-OH
で表される。)により特定されるポリペプチド(I) が提
供される。
【0020】このポリペプチド(I) は、エピモルフィン
類の機能ドメイン(天然型ヒト・エピモルフィンの場合
にはN末端から104 番目から187 番目までのアミノ酸配
列、天然型マウス・エピモルフィンの場合にはN末端か
ら105 番目から188 番目までのアミノ酸配列である:特
開平8-325293号公報を参照のこと)の部分配列であり、
該機能ドメインの第1番目から第19番目のアミノ酸配列
に相当している。従来、上記の機能ドメインについては
上皮細胞に対する接着作用及び形態形成促進作用が明ら
かにされているが、エピモルフィン類阻害作用について
の報告はない。また、上記のポリペプチドの製造に関す
る報告もない。
【0021】本発明のエピモルフィン・アンタゴニスト
には、上記のポリペプチド(I) のほか、上記ポリペプチ
ド(I) の構成アミノ酸のうちの1個または2個以上のア
ミノ酸が他のアミノ酸によって置換されており、これら
の構成アミノ酸のうちの1個または2個以上のアミノ酸
が欠失しており、及び/又は上記ポリペプチド鎖中に1
個若しくは2個以上の任意のアミノ酸が挿入された上記
ポリペプチドのアミノ酸変異体であって、実質的にエピ
モルフィン類阻害作用を有するポリペプチドも包含され
る。置換及び/又は挿入される1又は2以上のアミノ酸
の種類は特に限定されないが、L-アミノ酸であることが
好ましい。
【0022】本発明のエピモルフィン・アンタゴニスト
には、上記のポリペプチド(I) 又はその変異体をその部
分配列として含み、実質的にエピモルフィン類阻害作用
を有するポリペプチドが包含される。例えば、上記のポ
リペプチド(I) のN末端及び/又はC末端には1個又は
2個以上のアミノ酸が結合していてもよく、好ましく
は、2個以上の任意のアミノ酸から構成される任意のオ
リゴペプチドが結合していてもよい。このようなアミノ
酸の種類は特に限定されないが、L−アミノ酸から選択
されることが好ましい。例えば、上記ポリペプチド(I)
のN末端に 1〜10個程度、好ましくは 5〜7 個、特に好
ましくは6個のL-ヒスチジンをタグ配列として結合した
ものは、精製効率などの観点から好ましいポリペプチド
である。
【0023】本発明の別の態様のエピモルフィン・アン
タゴニストは、以下のアミノ酸配列(A): H-Ser(Asn)-Gl
y-Asn-Arg-Thr-Ser-Val-Asp-Leu-Arg-Ile-Arg-Arg-Thr-
Gln-His-Ser-Val-Leu-Ser-Arg-Lys-Phe-Val-Glu(Asp)-A
la(Val)-Met-Ala(Thr)-Glu-Tyr-Asn-Glu-Ala-Gln-Thr(I
le)-Leu-Phe-Arg-Glu-Arg-Ser-Lys-Gly-Arg-Ile-Gln-Ar
g-Gln-Leu-Glu-Ile-Thr-Gly-Arg-Thr-Thr-Thr-Asp-Asp-
Glu-Leu-Glu-Glu-Met-Leu-Glu-Ser-Gly-Lys-Pro-Ser-Il
e-Phe-Thr(Ile)-Ser-Asp-Ile-Ile-Ser-Asp-Ser-Gln-Ile
-OH (配列中、カッコ左に示すアミノ酸残基はカッコ内
のアミノ酸残基に置き換えられていてもよく、各アミノ
酸残基は好ましくはL-アミノ酸残基を示す)のうち、第
1番目(N末端)ないし第n番目(n は20〜83の整数を
示す)のアミノ酸配列により特定されるポリペプチド(I
I)である。なお、上記に示したアミノ酸配列は、エピモ
ルフィン類の上記機能ドメインのポリペプチド配列のう
ち第1番目から第83番目のアミノ酸で特定される配列に
相当している。
【0024】本発明のエピモルフィン・アンタゴニスト
には、上記のアミノ酸配列(A) から選択される上記ポリ
ペプチド(II)のほか、上記ポリペプチド(II)の構成アミ
ノ酸のうちの1個または2個以上のアミノ酸が他のアミ
ノ酸によって置換されており、これらの構成アミノ酸の
うちの1個または2個以上のアミノ酸が欠失しており、
及び/又は上記ポリペプチド鎖中に1個若しくは2個以
上の任意のアミノ酸が挿入された上記ポリペプチドの変
異体であって、実質的にエピモルフィン類阻害作用を有
するポリペプチドも包含される。置換及び/又は挿入さ
れる1又は2以上のアミノ酸の種類は特に限定されない
が、例えばL-アミノ酸であることが好ましい。
【0025】さらに、本発明のエピモルフィン・アンタ
ゴニストには、上記のポリペプチド(II)又はその変異体
をその部分配列として含み、実質的にエピモルフィン類
阻害作用を有するポリペプチドが包含される。例えば、
上記のポリペプチドのN末端及び/又はC末端に1個又
は2個以上のアミノ酸が結合していてもよく、好ましく
は、2個以上の任意のアミノ酸から構成される任意の長
さのオリゴペプチドが結合していてもよい。このような
アミノ酸は特に限定されないが、L-アミノ酸から選択さ
れることが好ましい。例えば、上記ポリペプチドのN末
端に 1〜10個程度、好ましくは 5〜7 個、特に好ましく
は6個のL-ヒスチジンをタグ配列として結合したもの
は、精製などの観点から好ましいポリペプチドである。
【0026】もっとも、上記のポリペプチド(II)のC末
端にスレオニン (Thr)が結合したポリペプチドは天然型
エピモルフィンの機能ドメインとして作用することが明
らかにされているので、上記のポリペプチド(II)のC末
端に1個のL-スレオニン (L-Thr)が結合することは好ま
しくない。同様の理由で、上記のポリペプチド(I) のC
末端に Ser-Arg-Lys-Phe-Val-Glu(Asp)-Ala(Val)-Met-A
la(Thr)-Glu-Tyr-Asn-Glu-Ala-Gln-Thr(Ile)-Leu-Phe-A
rg-Glu-Arg-Ser-Lys-Gly-Arg-Ile-Gln-Arg-Gln-Leu-Glu
-Ile-Thr-Gly-Arg-Thr-Thr-Thr-Asp-Asp-Glu-Leu-Glu-G
lu-Met-Leu-Glu-Ser-Gly-Lys-Pro-Ser-Ile-Phe-Thr(Il
e)-Ser-Asp-Ile-Ile-Ser-Asp-Ser-Gln-Ile-Thr-OH (配
列中、カッコ左に示すアミノ酸残基はカッコ内のアミノ
酸残基に置き換えられていてもよく、各アミノ酸残基は
好ましくはL-アミノ酸残基を示す)で特定されるポリペ
プチドが結合することは好ましくない。
【0027】上記の各態様において説明した本発明の上
記ポリペプチドは遊離形態であってもよいが、塩酸塩、
酢酸塩、若しくはパラトルエンスルホン酸などの酸付加
塩、又はアンモニウム塩若しくは有機アミン塩などの塩
基付加塩として提供されてもよい。従って、本明細書に
おいてポリペプチドという場合には、上記のような塩の
形態のポリペプチドを包含する意味に解釈されるべきで
ある。また、上記の各ポリペプチドに任意の糖類(単
糖、二糖、オリゴ糖、若しくは多糖)が結合したものや
脂質類などが結合したもののほか、リン酸化されたもの
も本発明のエピモルフィン・アンタゴニストの範囲に包
含される。
【0028】本明細書の実施例には、本発明のエピモル
フィン・アンタゴニストの好ましい態様であるポリペプ
チド(I) について、エピモルフィン類阻害作用の代表例
であるマウス胎児肺の気管支の形態形成阻害作用及びマ
ウス胎児上顎皮膚の形態形成阻害作用の試験方法が具体
的に説明されている。従って、当業者はこれらの試験例
を参照しつつ、あるいはこれらの方法に適宜の改変や修
飾を加えることにより、上記に定義された各ポリペプチ
ドが所望のエピモルフィン・アンタゴニスト作用を有し
ていることを容易に確認することができる。なお、上皮
組織に対するエピモルフィンの形態形成の促進作用は、
例えば、特開平6-25295 号公報の実施例に詳細に記載さ
れているので、このような試験系を応用することによっ
てもエピモルフィン類阻害作用を確認することが可能で
ある。
【0029】本明細書の実施例には、本発明の特に好ま
しい態様であるポリペプチド(I) がエピモルフィン類と
同様の細胞接着性を有することが明らかにされている
が、これらの試験例を参照しつつ、あるいはこれらの方
法に適宜の改変や修飾を加えることにより、上記の各ポ
リペプチドが細胞接着性を有することを容易に確認する
ことが可能である。いかなる特定の理論に拘泥するわけ
ではないが、本発明のエピモルフィン・アンタゴニスト
は上皮細胞の細胞外表面に存在するエピモルフィン・レ
セプターに結合する性質を有しており、エピモルフィン
類と同様の細胞接着性を示すものの、該レセプターに結
合してもエピモルフィン類のような形態形成促進作用を
有しないか、あるいはその作用を十分に発揮できない。
従って、本発明のエピモルフィン・アンタゴニストはエ
ピモルフィン類の競合阻害物質として作用している可能
性がある。
【0030】なお、本発明のエピモルフィン・アンタゴ
ニストの有するエピモルフィン類阻害作用については、
上皮組織に対するエピモルフィン類の形態形成を実質的
に阻害できる限りその阻害作用の強弱は特に限定されな
いが、例えば、ポリペプチド(I) と同程度のエピモルフ
ィン類阻害作用を有することが好ましい。また、本明細
書の実施例にはエピモルフィン類阻害作用の代表例を記
載したが、エピモルフィン類阻害作用はこれらの例に限
定されることはなく、最も広義に解釈されるべきであ
り、上皮組織に対するエピモルフィン類の形態形成促進
作用をいかなる面で阻害するものであっても本発明のエ
ピモルフィン・アンタゴニストに包含されることはいう
までもない。
【0031】本発明のエピモルフィン・アンタゴニスト
は、ペプチド合成に通常用いられる固相法および液相法
などの化学的手法により合成することができる。ペプチ
ド合成におけるアミノ基等の保護基および縮合反応の縮
合剤としては、例えば: 鈴木紘一編「タンパク質工学−
基礎と応用」(1992年, 丸善株式会社);ボンダンスキ
ーら著「ペプタイド・シンセシス」(1976 年, John Wil
ey & Sons, N.Y.);及びスチュワートら著「ソリッド・
フェーズ・ペプタイド・シンセシス」(1969 年, W.H. F
reeman and Co., San Francisco)等に記載されたものを
用いることができる。固相法では市販の各種ペプチド合
成装置を利用することができる。なお、本明細書の実施
例には、ペプチド合成装置を用いたポリペプチド(I) の
具体的製造方法が記載されている。
【0032】また、通常の遺伝子発現操作等の生物学的
手法に従って、本発明のエピモルフィン・アンタゴニス
トのポリペプチド鎖をコードするDNA 配列を含む組み換
えベクターを用いて、該ベクターにより形質転換された
微生物(形質転換体)を調製し、該形質転換体を培養し
た培養物から所望のポリペプチドであるエピモルフィン
・アンタゴニストを分離・精製することができる。もっ
とも、本発明のエピモルフィン・アンタゴニストの製造
方法は上記の方法に限定されることはない。
【0033】遺伝子発現による製造方法に利用可能なDN
A としては、下記塩基配列: AGTGGGAACC GGACTTCAGT GGATCTTCGG ATACGAAGAA 40 CCCAGCATTC GGTGCTGTCT CGGAAGTTTG TGGAAGCCAT 80 GGCGGAGTAC AATGAGGCAC AGACTCTGTT TCGGGAGCGG 120 AGCAAAGGCC GCATCCAGCG CCAGCTGGAG ATAACTGGGA 160 GAACCACCAC AGACGACGAG CTAGAAGAGA TGCTGGAGAG 200 CGGGAAGCCA TCCATCTTCA CTTCCGACAT TATATCAGAT 240 TCACAAATT (249) のうち、第1番目ないし57番目のヌクレオチドで特定さ
れるDNA ;又は、第1番目ないし第3×k番目(kは20
ないし83の整数を示す)のヌクレオチドで特定されるDN
A などを挙げることができる(相補的な塩基配列を省略
してセンス鎖のみを示す)。このDNA は、天然型ヒト・
エピモルフィンの機能ドメインを含むポリペプチドをコ
ードする DNA(例えば特願平7-175540号明細書に記載さ
れた配列番号3のDNA)のうち、第1番目のヌクレオチド
から249 番目のヌクレオチドまでに相当する。
【0034】同様に、天然型マウス・エピモルフィンの
機能ドメインを含むポリペプチドをコードする DNA(例
えば特願平7-175540号明細書に記載された配列番号7の
DNA)の第1番目ないし第249 番目のヌクレオチドに相当
するDNA のうち、第1番目ないし57番目のヌクレオチド
で特定されるDNA ;又は、第1番目ないし第3×m番目
(mは20ないし83の整数を示す)のヌクレオチドで特定
されるDNA を利用することもできる。
【0035】また、これらのDNA を用いて常法によりア
ミノ酸変異体を容易に製造することが可能である。この
ような方法としては、例えば、「PCR実験マニュア
ル」(1991年, HJB 出版局)第155 〜160 頁に記載され
ているリコンビナントPCR 法や「実験医学増刊 Vol.8,
No.9」(1990 年, 羊土社)第63〜67頁に記載されたPCR
を用いた変異遺伝子の作成法などを利用することができ
る。所望のポリペプチドを製造するために遺伝子発現方
法としては、例えば、特願平7-175540号明細書の実施例
に詳細に記載された方法を利用することができるが、こ
れらの方法に限定されることはない。
【0036】本発明のエピモルフィン・アンタゴニスト
は、例えば、天然型エピモルフィンに代表される種々の
形態形成因子の発現過多、好ましくは天然型エピモルフ
ィンの発現過多に起因する疾患の治療及び/又は予防の
ための医薬、あるいは上記疾患の診断のための医薬の有
効成分として有用である。また、本発明のエピモルフィ
ン・アンタゴニストは、天然型エピモルフィンの発現過
少に起因する疾患の治療及び/又は予防のために投与さ
れるエピモルフィン類により惹起されたエピモルフィン
過剰症の治療のための医薬の有効成分として有用であ
る。さらに、本発明のエピモルフィン・アンタゴニスト
は毛成長阻害剤として用いる医薬の有効成分として有用
である。本明細書における医薬という用語は、ヒトを含
む哺乳類の病気の予防、治療、及び診断に用いるものの
ほか、通常は医薬部外品として分類される毛成長阻害剤
などを含めて最も広義に用いる。
【0037】形態形成因子としては天然型エピモルフィ
ンを含めて種々のものの存在が示唆されている。それら
のうちの1又は2以上の因子の発現過多に起因する疾患
としては、例えば、慢性間接リウマチ、腎細胞癌や皮膚
癌などの癌、動脈硬化症、膠原病、造血器疾患、腎疾
患、筋ジストロフィー、骨粗鬆症、神経線維腫症、Stur
ge-Weber症候群、結節性硬化症、神経管閉塞障害、分節
異常、迷走障害、脳梁形成、脳孔症、及び水頭症などを
挙げることができ、本発明の医薬はこれらの疾患の治療
及び/又は予防、並びに診断に有用であることが期待で
きる。もっとも、本発明の医薬の適用対象はこれらの疾
患に限定されることはなく、1又は2以上の形態形成因
子の発現過多、特にエピモルフィンの発現過多が関与し
ていると考えられる疾患は全て適用対象となることを理
解すべきである。また、本発明の医薬の一態様であるエ
ピモルフィン・アンタゴニストを有効成分として含む毛
成長阻害剤の用途は、脱毛、育毛阻害、及び発毛阻害な
どを含めて最も広義に解釈すべきである。
【0038】本発明の医薬としては、上記ポリペプチド
であるエピモルフィン・アンタゴニストから選ばれる1
又は2種以上の物質をそのまま用いてもよいが、通常
は、製剤学的に許容しうる1又は2種以上の製剤用添加
物を用いて上記物質の1又は2種以上を有効成分として
含む医薬組成物を製造し、上記の疾患の治療及び/又は
予防のために用いることが好ましい。溶解度、吸収及び
排泄などの体内動態、及び/又は製造方法などの観点か
ら、上記ポリペプチドは生理学的に許容される塩の形態
であってもよい。上記の医薬組成物の投与経路として
は、例えば、静脈内投与、直腸内投与、経口投与などの
全身投与の他、外用、点眼、点鼻、点耳、局所注射など
の局所投与を挙げることができる。
【0039】例えば、静脈内投与用注射剤若しくは点滴
剤などの全身投与剤、又は、軟膏、クリーム剤、貼付
剤、若しくは局所注射剤などの局所投与剤は本発明の医
薬組成物の好ましい形態である。有効成分をリポソーム
などに封入した医薬組成物や抗体などを結合した医薬組
成物を用いることにより、標的器官に対する親和性や選
択性を改善することができる場合がある。もっとも、投
与経路は適用対象となる疾患の種類、治療又は予防の目
的、患部の種類、患者の状態などに応じて適宜選択可能
であり、それぞれの投与経路に好適な製剤形態も適宜選
択できることはいうまでもない。診断薬として用いる場
合の形態も特に限定されないが、診断方法には本発明の
医薬を患者に投与する場合のほか、患者から分離・採取
した生体試料を用いて行う場合も包含される。
【0040】また、上記ポリペプチドである本発明のエ
ピモルフィン・アンタゴニストから選ばれる1又は2以
上の物質を有効成分として含む毛成長阻害剤は、クリー
ム剤、噴霧剤、塗布用の溶液剤、又は貼付剤など、毛成
長阻害剤としての使用目的に好適な形態の製剤として提
供されることが好ましい。上記ポリペプチドは生理学的
に許容される塩の形態であってもよく、皮膚のケラチン
層を通して有効成分であるエピモルフィン・アンタゴニ
ストを効率的に経皮吸収させるために、適宜の界面活性
剤や脂溶性物質などをクリーム剤などに配合することも
好適である。
【0041】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明の範囲は以下の実施例に限定される
ことはない。 例1:本発明のエピモルフィン・アンタゴニストの製造 天然型マウス・エピモルフィンの中央部の機能ドメイン
(特願平7-175540号明細書の配列番号14に記載されたア
ミノ酸配列のうち第1番目ないし第84番目のアミノ酸配
列)のうち、第1番目(N末端)ないし第19番目までの
19個のアミノ酸配列を有するポリペプチドをペプチド合
成装置 (Advanced Chemtech 396 Synthesizer)を用いて
化学的に合成し、以下の条件で逆相 HPLC を用いて精製
し、純度90%以上のポリペプチドAを得た。 カラム:逆相 Perseptive Biosystems Poros R2 吸着バッファー:0.1%トリフルオロ酢酸水溶液 溶出バッファー:A液(0.1%トリフルオロ酢酸水溶液) B液(0.1%トリフルオロ酢酸添加アクリロニトリル) A液 76.2%+B液 23.8% で2.015 分に溶出
【0042】同様にして、天然型マウス・エピモルフィ
ンの中央部の機能ドメイン(特願平7-175540号明細書の
配列番号14に記載されたアミノ酸配列のうち第1番目な
いし第84番目のアミノ酸配列)のうち、第1番目(N末
端)ないし第39番目までの39個のアミノ酸配列を有する
ポリペプチドB、及び第1番目(N末端)ないし第41番
目までの41個のアミノ酸配列を有するポリペプチドC
を、上記と同様の逆相 HPLC で精製してそれぞれ純度 9
0%以上のポリペプチドとして得た。 ポリペプチドB:A液 93.7%+B液 6.3% で 9.27 分に
溶出 ポリペプチドC:A液 93.8%+B液 6.2% で 9.18 分に
溶出
【0043】例2:エピモルフィン改変体の製造 マウス由来エピモルフィンよりC末端部分の疎水性領域
を除いたフラグメント及びエピモルフィンの中央部の機
能ドメイン(それぞれ、特願平175540号明細書の実施例
に記載されたフラグメント (123)及びフラグメント
(2))をコードするcDNA をそれぞれ特願平175540号明細
書の実施例に記載された方法に従って PCR法により調製
し、2つの Eco RV サイトの間の領域が欠失した pET3C
ベクターのNdeI, NheI 部位に組み込んで発現ベクター
を作製した。その後、Hanahan 法(「ラボマニュアル遺
伝子工学」丸善株式会社)によりコンピテントセル化し
た大腸菌 BL21 株に上記の発現ベクターを導入した。ベ
クターの導入は、氷上でコンピテントセルを溶解した溶
液(100μl)中に発現ベクター溶液(1 mg/ml溶液, 1 μl)
を添加して氷上で 10 分間放置し、42℃のインキュベー
ター中で2分間放置した後、氷上で 30 分放置すること
により行った。
【0044】次に、アンピシリン 50 μg/mlを含む LB
プレート (1% Bacto tryptone, 0.5% Bacto-yeast extr
act, 1% NaCl, 1.5% Bacto-agar)上で上記の大腸菌を培
養し、生育してくるコロニーを選別した。これらの形質
転換体についてPCR 法で目的のエピモルフィン改変体を
コードする DNAの有無を調べたところ、10株中の9株が
発現ベクターを保持する目的の形質転換体であることが
確認された。得られた形質転換体を50μg/mlアンピシリ
ンを含む液体 LB 培地 (1% Bacto tryptone, 0.5% Bact
o-yeast extract, 1% NaCl) 中で37℃の振盪培養して大
量に増殖させた後、発現を誘導するための物質 IPTG を
培地中に終濃度 1 mM になるように添加し、さらに37℃
で2時間振盪培養を継続してエピモルフィン改変体(フ
ラグメント (123)及びフラグメント (2))を大腸菌内で
発現させた。
【0045】大腸菌内の全タンパク質をSDS-ポリアクリ
ルアミド電気泳動で解析したところ、目的のエピモルフ
ィン改変体がほぼ等量作成されていることがわかった。
エピモルフィン改変体を発現させた上記の形質転換体を
Lysisバッファー [50 mM Tris-HCl(pH 8.0), 1 mM EDT
A, 100 mM NaCl] に懸濁して洗浄し、遠心操作により菌
体を沈殿させた。菌体をLysis バッファーに懸濁した
後、リゾチーム(SIGMA,L-6876) を 1 mg/mlになるよう
に添加し、凍結融解を3回繰り返して大腸菌を溶菌させ
た。超音波処理を行った後、遠心操作により上清を除
き、沈殿を 2 M Urea/Lysis バッファーで4回洗浄し
た。その後、沈殿を8 M Urea/Lysisバッファーに再懸濁
し、遠心操作により目的のエピモルフィン改変体を含む
上清画分(純度90%以上)を得た。
【0046】例3:細胞接着能 例1で得られた本発明のポリペプチドA、B、及びC、
並びにエピモルフィン改変体(フラグメント(123) 及び
フラグメント(2) :いずれも天然型エピモルフィンと同
様の細胞接着能を有する)を浮遊培地用ディッシュに塗
布し、乾燥後、8 M Urea/Lysisバッファーで1回洗浄し
た。その後 PBS- でディッシュを5回洗い、20 mg/mlの
ウシ血清アルブミン(SIGMA, A-7030) を添加したD-MEM/
F-12培地(GIBCO BRL, 12400-024:以下、「DH培地」と
いう。) を用いて細胞株C3H/10T1/2clone8(大日本製薬
株式会社, 08-226) をディッシュに蒔いた。1時間後に
ディッシュを PBS- で3回洗浄した後、 0.5N NaOHを用
いて細胞を回収し、O.D.(260 nm)を測定してディッシュ
に結合した細胞数を求め、各々の試料の細胞接着能の指
標とした。その結果、ポリペプチドA (O.D.= 1.5237)
、ポリペプチドB(O.D. = 1.4251)、ポリペプチドC
(O.D. = 1.4697)、フラグメント(123)(O.D.=1.4959)、
フラグメント(2)(O.D.=1.4478)、対照 (未処理, O.D.=
0.0194)であり、ポリペプチドA、B、及びCは、いず
れもエピモルフィン改変体と同程度の細胞接着能を持つ
ことが確認された。
【0047】例4:気管支の形態形成に対する阻害作用 ICR 系妊娠マウス(日本チャールス・リバー, 妊娠12日
目)の胎児から肺の原基を実体顕微鏡観察下で摘出し
た。摘出した肺の原基を培養液(DH 培地、又は0.35 mg/
mlのポリペプチドAを含む DH 培地)上に浮かべた Nuc
lepore membranefilter (SN 110419)にのせ、37℃で5%
CO2 の条件下で器官培養を行い、肺の気管支の形態形成
に及ぼすポリペプチドAの作用を検討した。図3及び4
に示すように DH 培地を用いて器官培養した場合には肺
の気管支の形態形成が正常に進行しており、培養終了時
には細かく分枝した気管支の形成が確認された。一方、
ポリペプチドAを添加した培養液で肺の原基を器官培養
した場合には、肺の気管支の形態形成が著しく阻害され
ていた(図1及び2)。この形態形成の阻害様式はエピ
モルフィンの機能を阻害する抗体 MC-1 で処理した場合
と全く同様であることから、本発明のポリペプチドAは
肺原基に対するエピモルフィンの形態形成作用を阻害し
ていることが明らかである。
【0048】例5:上顎皮膚の形態形成に対する阻害作
用 ICR 系妊娠マウス(日本チャールス・リバー, 妊娠13日
目)の胎児から上顎皮膚を実体顕微鏡観察下で摘出し
た。摘出した上顎皮膚を培養液(DH 培地、又は0.35 mg/
mlのポリペプチドAを含む DH 培地)上に浮かべた Nuc
lepore membranefilter (SN 110419)にのせ、37℃で5%
CO2の条件下で器官培養を行い、毛包の形態形成に及ぼ
すポリペプチドAの作用を検討した。図7及び8に示す
ように DH培地を用いて器官培養した場合には上顎皮膚
より正常な毛包の形態形成が進行しており、複数の毛包
の形成が確認された。一方、ポリペプチドAを添加した
培養液で上顎皮膚を器官培養した場合には、毛包の形態
形成が著しく阻害されていた(図5及び6)。この形態
形成の阻害様式はエピモルフィンの機能を阻害する抗体
MC-1 で処理した場合と全く同じ同様であることから、
本発明のポリペプチドAは上顎皮膚に対するエピモルフ
ィンの毛包形態形成作用を阻害していることが明らかで
ある。
【0049】
【発明の効果】本発明のエピモルフィン・アンタゴニス
トは、上皮組織に対するエピモルフィン類の形態形成作
用を特異的に阻害する作用を有しているので、エピモル
フィンの発現過多に起因する疾患の治療及び/又は予防
のための医薬の有効成分や、毛成長阻害剤の有効成分と
して有用である。
【0050】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエピモルフィン・アンタゴニストの存
在下でマウスの肺原基の器官培養を行った場合の培養開
始時の組織形態の顕微鏡写真である。
【図2】本発明のエピモルフィン・アンタゴニストの存
在下でマウスの肺原基の器官培養を行った場合の培養3
日後の組織形態の顕微鏡写真である。
【図3】本発明のエピモルフィン・アンタゴニストの非
存在下でマウスの肺原基の器官培養を行った場合の培養
開始時の組織形態の顕微鏡写真である。
【図4】本発明のエピモルフィン・アンタゴニストの非
存在下でマウスの肺原基の器官培養を行った場合の培養
3日後の組織形態の顕微鏡写真である。
【図5】本発明のエピモルフィン・アンタゴニストの存
在下でマウスの上顎皮膚の器官培養を行った場合の培養
開始時の組織形態の顕微鏡写真である。
【図6】本発明のエピモルフィン・アンタゴニストの存
在下でマウスの上顎皮膚の器官培養を行った場合の培養
3日後の組織形態の顕微鏡写真である。
【図7】本発明のエピモルフィン・アンタゴニストの非
存在下でマウスの上顎皮膚の器官培養を行った場合の培
養開始時の組織形態の顕微鏡写真である。
【図8】本発明のエピモルフィン・アンタゴニストの非
存在下でマウスの上顎皮膚の器官培養を行った場合の培
養3日後の組織形態の顕微鏡写真である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年1月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 38/00 ABX A61K 37/02 ABJ ABY ABX ACV ABY ADU ACV AED ADU // C12N 15/09 AED C12P 21/02 9282−4B C12N 15/00 A (C12P 21/02 C12R 1:19)

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記のアミノ酸配列: H-Ser(Asn)-Gly-Asn-Arg-Thr-Ser-Val-Asp-Leu-Arg-Ile
    -Arg-Arg-Thr-Gln-His-Ser-Val-Leu-OH (配列中、-Ser(Asn)-はセリン残基又はアスパラギン残
    基のいずれかを示す)により特定されるポリペプチド。
  2. 【請求項2】 下記のアミノ酸配列: H-Ser(Asn)-Gly-Asn-Arg-Thr-Ser-Val-Asp-Leu-Arg-Ile
    -Arg-Arg-Thr-Gln-His-Ser-Val-Leu-Ser-Arg-Lys-Phe-V
    al-Glu(Asp)-Ala(Val)-Met-Ala(Thr)-Glu-Tyr-Asn-Glu-
    Ala-Gln-Thr(Ile)-Leu-Phe-Arg-Glu-Arg-Ser-Lys-Gly-A
    rg-Ile-Gln-Arg-Gln-Leu-Glu-Ile-Thr-Gly-Arg-Thr-Thr
    -Thr-Asp-Asp-Glu-Leu-Glu-Glu-Met-Leu-Glu-Ser-Gly-L
    ys-Pro-Ser-Ile-Phe-Thr(Ile)-Ser-Asp-Ile-Ile-Ser-As
    p-Ser-Gln-Ile-OH (配列中、カッコ左に示すアミノ酸残基はカッコ内のア
    ミノ酸残基に置き換えられていてもよいことを示す)の
    うち、第1番目ないし第n番目(n は20〜83の整数を示
    す)のアミノ酸配列により特定されるポリペプチド。
  3. 【請求項3】 エピモルフィンの機能ドメインの一部か
    らなり、実質的にエピモルフィン類阻害作用を有するエ
    ピモルフィン・アンタゴニスト。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2に記載のポリペプチドか
    らなり、実質的にエピモルフィン類阻害作用を有する請
    求項3に記載のエピモルフィン・アンタゴニスト。
  5. 【請求項5】 請求項1又は2に記載のポリペプチドの
    アミノ酸変異体であって実質的にエピモルフィン類阻害
    作用を有するポリペプチドからなるエピモルフィン・ア
    ンタゴニスト。
  6. 【請求項6】 請求項3ないし5のいずれか1項に記載
    のポリペプチドをその部分配列として含み実質的にエピ
    モルフィン類阻害作用を有するポリペプチドからなるエ
    ピモルフィン・アンタゴニスト。
  7. 【請求項7】 糖類及び/又は脂質類で修飾された、及
    び/又はリン酸化された請求項3ないし6のいずれか1
    項に記載のエピモルフィン・アンタゴニスト。
  8. 【請求項8】 上皮組織に対するエピモルフィン類の形
    態形成作用を阻害する請求項3ないし7のいずれか1項
    に記載のエピモルフィン・アンタゴニスト。
  9. 【請求項9】 エピモルフィン類の毛包の形態形成作用
    を阻害する請求項8に記載のエピモルフィン・アンタゴ
    ニスト。
  10. 【請求項10】 請求項1又は2に記載のポリペプチド
    からなる医薬。
  11. 【請求項11】 請求項3ないし9に記載のエピモルフ
    ィン・アンタゴニストを有効成分として含む医薬。
  12. 【請求項12】 エピモルフィンの発現過多に起因する
    疾患の治療及び/又は予防のために用いる請求項10又は
    11に記載の医薬。
  13. 【請求項13】 エピモルフィン過剰症の治療のために
    用いる請求項10又は11に記載の医薬。
  14. 【請求項14】 毛成長阻害剤として用いる請求項12に
    記載の医薬。
  15. 【請求項15】 請求項1ないし6のいずれか1項に記
    載のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。
  16. 【請求項16】 化学的手法及び/又は生物学的手法に
    よる請求項3又は4に記載のエピモルフィン・アンタゴ
    ニストの製造方法。
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