【発明の詳細な説明】
インスリン様成長因子結合タンパク質のリガンドインヒビター
およびそれらの使用方法 技術的分野
本発明は、一般に、インスリン、ヒト成長ホルモン、インスリン様成長因子、
および/またはインスリン様成長因子結合タンパク質に結合する他のタンパク質
の投与に対して応答性の症状の処置のための組成物および方法に関する。より詳
細には、本発明は、インスリン様成長因子結合タンパク質へのインスリン様成長
因子の結合を阻害するリガンドインヒビター、ならびに糖尿病、神経変性疾患、
および他の疾患の処置のために患者に投与(例えば、経口)するためのこのような
インヒビターの使用に関する。発明の背景
インスリン様成長因子(IGF)は、互いに、かつインスリンに構造的に類似して
いるポリペプチドホルモンである。IGF-IおよびIGF-IIとして知られている2つ
のIGFが同定されており、そして共に種々の代謝作用を有し、そして複数の細胞
タイプの増殖に影響する(例えば、LeRoithおよびRoberts,「Insulin-like Grow
th Factors」、Ann.NY Acad.Sci.692:1-9,1993を参照のこと)。IGF-Iは、76
49の分子量および3つのジスルフィド架橋を有する70アミノ酸のペプチドである
。インビボでのその作用として、成長ホルモンの作用の仲介、および骨の沈着お
よび成熟化が挙げられる。IGF-Iはまた、インスリンの作用を模倣し、そしてIGF
-Iレセプターはインスリンレセプターに対して高い相同性を有する。IGF-IIはIG
F-Iに対して非常に相同であり、そしてこの因子は、例えば、骨の再建、ならび
に脳細胞の維持および分化に役割を果たしている。
IGF-Iは多様な体組織に存在するが、これは通常、IGF結合タンパク質(IGFBPま
たはBP)に結合している不活性な形態で見出されている。6つの関連するBPが公
知であり、そしてIGFBP1〜IGFBP6と称されている(例えば、HollyおよびMartin、
「インスリン様成長因子結合タンパク質:その精製の方法論的局面の総説。分析
および制御」、Growth Regul.4(Suppl 1):20-30,1994; Langfordら、「インス
リン様成長因子-I/結合タンパク質軸:生理学、植物生理学、および治療的操作
。」、Eur.J.Clin.Invest.23(9):503-16,1993を参照のこと)。BPは、IGF作
用に対して阻害および/または刺激作用を及ぼすことによってIGF制御に重要な
役割を果たしている。例えば、循環しているIGF-Iの約90%は、IGFBP-3および酸
に不安定なサブユニット(ALS)を含む3分子複合体中に存在する。このような複
合体中のIGF-Iは、表面レセプターに結合し得ず、従って生物学的に不活性であ
る。3分子複合体中に存在するIGF-Iはまた、複合体化されていないIGF-Iよりも
実質的に長い半減期を有する。
IGF-I、IGF-II、またはIGF結合タンパク質の投与によって種々の疾患を処置す
る試みが行われてきた。例えば、心臓の異常、腸管の異常、および骨粗鬆症の処
置のためのIGF-Iの使用は、米国特許第5,126,324号、WO 91/12018、および欧州
特許出願第560,723号にそれぞれ記載され、そして増殖を増強するためのIGF-Iの
使用は、米国特許第5,126,324号に記載されている。IGF-Iはまた、インスリン抵
抗性の症状および糖尿病の処置における使用について研究されている(例えば、C
lemmonsおよびUnderwood、「臨床的症状におけるヒトインスリン様成長因子-Iの
使用」、J.Clin Endocrinol.Metab.79(I):4-6,1994; Langfordら、「インス
リン様成長因子-I/結合タンパク質軸:生理学、植物生理学、および治療的操作
」、Eur.J.Clin.Invest.23(9):503-16,1993を参照のこと)。IGF-Iおよび特
異的結合タンパク質に対して産生された抗体の投与を含む治療は、例えば、WO 9
4/04569およびWO 92/14834それぞれに記載されている。
しかし、インスリンまたは成長ホルモンでの処置のように、IGFまたはそれに
対する抗体の静脈内での処置は、一般に反復静脈内注射を必要とし、その結果患
者にとって費用が高く、そして実施が困難になる。このような処置はまた、例え
ば、体内の特定の組織を標的化し得ないため、副作用を引き起こし得る。さらに
、処置の範囲はホルモンの静脈内投与によって到達し得る組織に限定される。
従って、IGFおよび/またはインスリン様成長因子結合タンパク質に結合する
他のタンパク質に対して応答性の症状の処置において効率および制御を改善する
必要が当該分野に存在する。本発明は、これらの必要性を充足し、そしてさらに
他の関連する利点を提供する。発明の要旨
簡単に述べると、本発明は、インスリン様成長因子のようなタンパク質の、イ
ンスリン様成長因子結合タンパク質への結合を阻害するリガンドインヒビターを
使用する治療方法およびスクリーニング方法を提供する。1つの局面では、本発
明は、患者中の遊離の生物学的に活性なインスリン様成長因子のレベルを増加さ
せるための方法を提供する。この方法は、1つ以上のインスリン様成長因子結合
タンパク質へのインスリン様成長因子の結合を阻害する1つ以上のリガンドイン
ヒビターを患者に投与する工程、およびそれにより、この患者内の遊離の生物学
的に活性なインスリン様成長因子のレベルを増加させる工程を包含する。
関連した局面では、患者中のIGF応答性症状を処置するための方法を提供し、
この方法は、1つ以上のインスリン様成長因子結合タンパタ質へのインスリン様
成長因子の結合を阻害する1つ以上のリガンドインヒビターを患者に投与する工
程、およびそれにより、患者におけるIGF応答性症状を緩和する工程を包含する
。
別の局面では、本発明は、以下を含む薬学的組成物を提供する:(a)1つ以
上のインスリン様成長因子結合タンパク質へのインスリン様成長因子の結合を阻
害する1つ以上のリガンドインヒビター:および(b)生理学的に受容可能なキ
ャリア。
さらに別の局面では、本発明は、インスリン様成長因子結合タンパク質へのイ
ンスリン様成長因子の結合を阻害する低分子についてスクリーニングするための
方法を提供する。この方法は:(a)候補となる低分子を含有する溶液中で、イ
ンスリン様成長因子結合タンパク質とインスリン様成長因子とが複合体を形成し
得るように、この結合タンパク質とこの成長因子とを組み合わせる工程;および
(b)低分子の非存在下で予め決定した結合レベルに比較して、溶液中の複合体
の量を決定し、そこから、低分子の、インスリン様成長因子結合タンパク質への
インスリン様成長因子の結合を阻害する能力を評価する工程、を包含する。
なお別の局面では、患者中の遊離タンパク質のレベルを増加させるための方法
を提供する。この方法は、1つ以上のインスリン様成長因子結合タンパク質への
タンパク質の結合を阻害する1つ以上のリガンドインヒビターを患者に投与する
工程、およびそれにより、患者内の遊離タンパク質のレベルを増加させる工程を
包含する。
本発明のこれらおよび他の局面は、以下の詳細な説明および添付される図面を
参照することにより、明らかになる。本明細書中で開示されるすべての参考文献
は、それぞれが個々に援用されるかのように、その全体が参考として援用される
。図面の簡単な説明
図1は、種々の量の[T59]hIGF-I、hIGF-I、および[L24,59,60,A31]hIGF-Iの存
在下における、IGFBP-3への125I標識IGF-Iトレーサーの相対的な結合量(cpmで
表す)を示すグラフである。
図2は、種々の量の[T59]hIGF-Iおよび[L24,59,60,A31]hIGF-Iの存在下での、
3T3細胞の相対的なDNA合成量(取り込まれた[3H]チミジンのcpmで表す)を示す
グラフである。
図3は、培地のみ(カラム1)、10nM[T59]hIGF-I(カラム2)、および10nM[
T59]hIGF-I+25nM IGFBP-3(カラム3)の存在下での、3T3細胞の相対的なDNA合
成量(取り込まれた[3H]チミジンのcpmで表す)を示すグラフである。この図は
また、種々の量の[L24,59,60,A31]hIGF-Iの添加を伴う10nM[T59]hIGF-Iおよび25
nM IGFBP-3の存在下での相対的なDNA合成量も示す。
図4は、糖尿病性NODマウスへの[L24,59,60,A31]hIGF-Iの投与後の、経時的な
(分で表す)血中グルコースレベル(mg/dl)の低下を示すグラフである。
図5は、グルコースで全身的に処置したラットにおける血漿グルコースに対す
るインスリンおよびIGFBP3-LI([L24,59,60,A31]hIGF-I)の効果を示す1対のグ
ラフである。発明の詳細な説明
上記のように、本発明は一般に、患者内の1つ以上の組織における遊離タンパ
ク質(例えば、生物学的に活性なIGF)のレベルを増加させるためのリガンドイ
ンヒビターを使用する方法に関する。本明細書中に記載されるようなリガンドイ
ンヒビターによって影響を受けるタンパク質は、一般に、1つ以上のIGF結合タ
ンパク質に結合するタンパク質である。患者内でのこのようなタンパク質のレベ
ルの増加は一般に、種々の症状の処置に有用であり得る。本発明の文脈において
、「IGF」は、1つ以上のインスリン様成長因子(すなわち、IGF-Iおよび/また
はIGF-II)をいう。IGFはペプチドホルモンであり、そしてヒトおよび他の種に
おけるIGF-IおよびIGF-IIの配列が決定されている。ヒトIGF-I(hIGF-I)は、図
1(配列番号1)に示す配列を有する70アミノ酸のペプチドである。「遊離」タ
ンパク質(例えば、IGF)は、IGF結合タンパク質と複合体を形成せず、結合もし
ないタンパク質をいう。
「IGF結合タンパク質」(IGFBPまたはBP)は、インビボでIGF-Iおよび/または
IGF-IIに結合し、1つ以上の細胞表面レセプターまたはその可溶性形態へのIGF
の結合の阻害をもたらす任意のタンパク質をいう。BPは、非共有結合的相互作用
を介してIGFに結合する(すなわち、複合体を形成する)。本発明の文脈内に意
図されるIGF結合タンパク質には、IGFBP-1、-2、-3、-4、-5、および-6が含まれ
る。特に、成体の血清中で最も豊富な結合タンパク質であるIGFBP-3は、IGF-Iと
IGF-IIとの両方に高い親和性を有する。IGFBP-3への結合は、IGF-Iの半減期を約
10分から約15時間に増加させ(LangfordおよびMiell,Eur.J.Clin.Invest.2
3:503-526,1993)、従って、循環中のIGF-Iレベルの制御に重要である。
「リガンドインヒビター」は、本発明の文脈内で、1つ以上のIGFBPへの1つ
以上のタンパク質、特にIGF-Iおよび/またはIGF-IIの結合を阻害し得る任意の分
子(IGF-IまたはIGF-IIに対する抗体以外)である。IGF-IとIGF-IIとの間の構造
の類似性のため、多数のリガンドインヒビターがIGFBPへのIGF-IとIGF-IIとの両
方の結合を阻害することは明らかである。一方のIGFの結合が、他方のIGFの結合
よりも強力に阻害される場合もあるが、リガンドインヒビターはIGF-IまたはIGF
-IIに対して特異的であり得る場合もある。リガンドインヒビターは、BPとの複
合体からIGFを移し得、それにより、結合したIGFを遊離のIGFにする。このよう
な移動は可逆的であっても不可逆的であってもよい。リガンドインヒビターはま
た、IGFまたは1つ以上のBPのいずれかに対する高親和性のため、BPへの遊離のI
GFの結合をブロックし得る。例えば、リガンドインヒビターはBP結合部位内でIG
Fに結合し得るか、またはIGF結合部位で、BPに結合し得る。あるいは、リガンド
インヒビターは、このような結合部位でない部位で、IGFまたはBPに結合し得、
そしてアロステリックな相互作用を介して複合体形成を阻害し得る。IGFまたは
1つ以上のBPに対してより低い親和性を有するリガンドインヒビターもまた、十
分に高い濃度で存在する場合、遊離のIGFのBPへの結合を阻害し得る。類似の阻
害機構はまた、BPに結合する他のタンパク質に対するリガンドインヒビターにつ
いても観察され得る。
本明細書中で使用されるように、遊離タンパク質のレベルが約10〜30%または
それ以上で増加する場合、分子は、IGFBPへのタンパク質の結合を「阻害する」
。遊離タンパク質のレベルの増加は一般に、当業者に公知の種々のアッセイ(例
えば、画像化、ラジオイムノアッセイ、および本明細書中に記載される沈降技術
)を用いて検出され得る。このようなアッセイの1つを、以下の実施例1に記載
する。好ましくは、リガンドインヒビターの特徴は、リガンドインヒビターがIG
FBPに対して100倍の選択性を有することである(Ki≦10nM)。
リガンドインヒビターには、IGF-IまたはIGF-IIのアナログおよび低分子イン
ヒビターが含まれるが、これらに限定されない。IGF「アナログ」は、天然のIGF
配列と実質的に同一のアミノ酸配列を有するが、1つ以上のアミノ酸の置換およ
び/または修飾を有するペプチドである。このような置換および/または修飾は、
1つ以上のBPに結合するペプチドの能力を減少させることなく、ペプチドの生物
学的活性を低下させ得る(すなわち、1つ以上の細胞表面レセプターに対するペ
プチドの親和性を減少させる)。「低分子インヒビター」は、天然または合成の
、非ペプチド性の有機分子であるリガンドインヒビターである。低分子インヒビ
ターは、代表的には、土壌サンプル、植物抽出物、海洋微生物、発酵ブロス、真
菌ブロス、薬学的化学ライブラリー、コンビナトリアルライブラリー(化学的お
よび生物学的の両方)などから得られるライブラリーをスクリーニングすること
によって同定される。このようなライブラリーは、種々の供給源(商業的におよ
び所有者の両方)から得られ得る。
本発明の1つの好ましいリガンドインヒビターは、hIGF-Iの[L24,A31,L59,L6
0]アナログである。このアナログ(これは、配列番号2に示される配列である)
は、IGFBP-3に結合するが、IGF-I細胞表面レセプターには結合しない。[L24,A31
,L59,L60]hIGF-Iは一般に、化学的合成のような当業者に周知の技術によって調
製され得る。
[L24,A31,L59,L60]hIGF-Iの配列に対して改変がなされ得、その結果、IGF-Iの
IGFBP-3への結合を阻害するためのアナログの能力が保持されることは、当業者
に明らかである。このような改変体は、本発明の範囲内であり、そして一般には
、配列を改変すること、および下記のようなアナログの阻害特性を評価すること
により同定され得る。好ましくは、改変体は保存的置換(conservative substit
uion)(すなわち、アミノ酸が、ペプチド化学の当業者が、ポリペプチドの二次
構造およびハイドロパシーの性質が実質的に変化されないことを予測するような
同様の特性を有する他のアミノ酸で置換される置換)を含む。保存的置換に適切
なアミノ酸として、機能的に類似の側鎖を有するものが挙げられる。例えば、疎
水性残基(例えば、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、お
よびメチオニン)は、このような他の残基で置換し得る。同様に、保存的置換と
して、交換親水性残基(例えば、アルギニンおよびリジン、グルタミンおよびア
スパラギン、トレオニンおよびセリン)、塩基性残基(例えば、リジン、アルギ
ニン、およびヒスチジン)、および/または酸性残基(例えば、アスパラギン酸
およびグルタミン酸)が挙げられ得る。改変体はまた(またはあるいは)、例え
ばアミノ酸の欠失または付加、あるいはアナログの阻害特性に対して最小の影響
を有する、アミノ酸の化学修飾により改変され得る。
本発明の小さい分子インヒビターは、当業者に周知の方法を用いて調製され得
る。好ましい方法によれば、上記のような小さい低分子の化学ライブラリーは、
結合タンパク質からIGFのようなタンパク質を移動する分子を検出するために設
計された結合アッセイを用いてスクリーニングされ得る。例えば、放射標識化IG
F-Iと結合タンパク質(例えば、BP-3)との複合体は、候補の低分子の存在下で
インキュベートされ得る。次いで、複合体(すなわち、IGFおよび結合タンパク
質の非共有結合会合体)は、用いた溶液の残り(例えば、ポリエチレングリコー
ル沈澱物)から分離され得る。複合体に結合し、そして成長因子を結合タンパク
質から移動する低分子は、次いで、沈澱した放射標識の量の減少により検出され
得る。当業者は、種々の他のアッセイフォーマットがこのようなスクリーニング
(2部位サンドウィッチELISA、化学発光アッセイ、および蛍光アッセイを含む
)において使用され得ることを理解する。
このようなアッセイにおける使用のためのIGF-I、IGF-II、および結合タンパ
ク質は、一般には、Rechler,Vitamins and Hormones 47:1-114,1993およびそ
こに引用される参考文献により提供されるような、当業者に公知の技術により調
製され得る。適切な技術として、化学合成(例えば、Shimasakiら、J.Biol.Ch
em.266:10646-10653,1991に記載される)、適切な生物学的サンプルからの精
製(例えば、Shimonakaら、Biochem.Biophys.Res.Comm.165:189-195,1989
に記載される)、および適切な宿主(例えば、酵母)中での発現(例えば、Bayn
eら、J.Biol.Chem.265:15648-15652,1990に記載される)が挙げられる。こ
れに関して、使用されたIGFおよび結合タンパク質は天然のタンパク質であり得
るか、あるいはタンパク質の結合特性に対して最小の影響を有する標識の付加ま
たは配列の付加または欠失のような改変を含み得る。ELISAアッセイにおける使
用に適切な抗体は、例えば、Amano Pharmaceutical Co.から市販されているか、
または当業者に公知の任意の種々の技術により、IGFおよび/または目的の結合
タンパク質に対して惹起され得る。例えば、HarlowおよびLane,Antibodies:A L
aboratory Manual、 Cold Spring Harbor Laboratory、1988を参照のこと。モノ
クローナル抗体は、例えば、KohlerおよびMilstein、Eur.J.Immunol.6:511-5
19、1976の技術およびそれに対する改善を用いて調製され得る。
目的の結合タンパク質の活性に基づく第2のバイオアッセイもまた、低分子イ
ンヒビターまたは他のリガンドインヒビターのさらなる特徴付けのために使用さ
れ得る。例えば、IGF-Iは、インビトロで3T3線維芽細胞増殖を刺激する。結合タ
ンパク質の付加は、この刺激を阻害し、そして阻害のレベルは、当業者に周知で
ある[3H]チミジン取り込みアッセイを用いて決定され得る。結合タンパク質阻害
を逆行させ得る分子は、リガンドインヒビターである。同様のアッセイが、結合
タンパク質の既知の生物学的特性に基づく特定の結合タンパク質と共に使用する
ために設計され得る(例えば、Bicsakら、Endocrinol.126:2184-2189、1990に
記載されるような顆粒膜細胞ステロイド生成の阻害)。
リガンドインヒビターのさらなる特徴付けのために、動物モデルが有用であり
得る。例えば、血液グルコースレベルへのリガンドインヒビターの影響は、ラッ
トのような動物を用いて評価され得る。高血糖または糖尿病の動物において血液
グルコースレベルを正常化するインヒビターは、糖尿病の処置において有用であ
り得る。同様に、成長ホルモンを欠損した動物が、ヒト成長ホルモン耐性のよう
なヒト成長ホルモンの投与に応答性である症状の処置に対するリガンドインヒビ
ターの有用性を評価するために使用され得る。
本発明のリガンドインヒビターは、一般的に、患者の遊離の生物学的に活性な
IGFのレベルを増大させるために使用され得る。用語「IGF応答性症状」は、IGF
の投与により緩和または処置され得る、患者の任意の症状を包含し、そして糖尿
病(インスリン依存性、非インスリン依存性、およびI/II型)、成長遅滞(grow
th retardation)、骨粗鬆症、ヒト成長ホルモン耐性、ALS、脱髄疾患(再髄鞘
形成(remyelination)を経由するものを含む)、多発性硬化症、筋ジストロフ
ィー、脳卒中、眼の症状、不妊症、アルツハイマー病、および他の痴呆症のよう
な疾患を包含する。用語「IGF応答性症状」はまた、骨再形成のような損傷の治
癒または骨修復を誘導するために望ましい状態を包含する。本明細書中で用いら
れる場合、「患者」は、任意の温血動物(好ましくはヒト)を表す。患者はIGF
応答性症状を罹患しても良く、または罹患しなくても良い。このように罹患した
患者は、一般に、当業者に周知の方法に従って臨床的診断により同定され得る。
本発明の文脈において、遊離のIGFのレベルにおける最少の受容可能な増加は1
0%であり、好ましいレベルは少なくとも50%であり、そして特に好ましいレベ
ルは少なくとも80%である。遊離のIGFのレベルは、一般に、例えば、血漿サン
プルを、pH7.2の0.02Mリン酸カリウム緩衝液中に展開したSephadex G-50細密カ
ラム上で異なる分子サイズの画分に分離させるような当該分野で公知の方法によ
り決定され得る。7.6kDaの分子量を有する遊離のIGF-Iは、より大きい分子量のI
GF-I/IGFBP複合体よりも遅く溶出する。次いで、遊離のIGF-I画分は、ラジオイ
ムノアッセイにより定量され得る。あるいは、血液グルコースレベルは、遊離の
IGFレベルの間接的な測定として使用され得る。
MRI、PETSCAN、Spectacanning、または他の類似の画像形成技術のような他の
技術もまた、遊離のIGFのレベルの増大を測定するために使用され得る。これら
の技術のいくつかは、IGF結合タンパク質またはIGFレセプターに対する放射性標
識リガンドを用いる。好ましい方法は、単一光子放射リガンド(例えば、IGF結
合タンパク質またはIGFレセプターに対する123I-標識リガンド)のPETポジトロ
ン放射リガンド(例えば、11Cまたは18F)を用いる画像解析である。遊離のIGF
レベルは、放射性標識リガンドの結合の量に相関する。IGFレベルにおける増大
は、IGF結合タンパク質およびIGFレセプターに対する放射性標識リガンドの結合
の減少により明らかにされる。この画像形成技術の範囲内で、約10〜30%または
それ以上の遊離のIGFレベルの増大が十分である。
患者に投与するために、リガンドインヒビターは、好ましくは薬学的組成物に
組み込まれ、これは1つ以上のリガンドインヒビターおよび生理学的に受容可能
なキャリアの治療的有効量を含有する。「生理学的に受容可能なキャリア」は、
望ましくない生理学的効果(例えば、吐気、めまい、または胃の不調)を生じる
ことなく哺乳動物に投与され得る任意の組成物、キャリア、または希釈物であり
得る。当業者に公知である任意の適切なキャリアが、本発明の薬学的組成物に使
用され得るが、キャリアの型は、投与の様式に依存して変化する。一般に、薬学
的組成物は、注射(例えば、皮内、筋肉内、静脈内、または皮下)、鼻内(例え
ば、吸入)、または経口により投与され得る。非経口投与(例えば、皮下注射)
のために、キャリアは好ましくは、水、生理食塩水、アルコール、脂質、ろう、
および/または緩衝液を含む。経口投与のために、上記のキャリアのいずれかお
よび/または固体キャリア(例えば、マンニトール、ラクトース、デンプン、ス
テアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、タルク(talcum)、セルロー
ス、グルコース、スクロース、および炭酸マグネシウム)が用いられ得る。
本発明の低分子インヒビターは、好ましくは例えばカプセルまたは錠剤の形態
で経口投与され得る。このようなリガンドインヒビターは、繰り返される静脈注
射に依存する従来の処置と比較して、低コストおよび増大した簡便性の利点を有
する。一般に、経口的に投与される低分子インヒビターの能力は、インビボアッ
セイにより決定され得る。このようなアッセイは、代表的には低分子インヒビタ
ーの経口投与に応答して結合タンパク質に結合するIGFのレベルにおける減少を
測定する。例えば、血液中の低分子インヒビターの量は、125I-hIGF-IのIGF結合
タンパク質への結合を阻害するその能力に基づいて測定され得る。血液サンプル
は、低分子インヒビターまたはビヒクルを動物またはヒトに投与した後の種々の
時間に採取され得る。必要であれば、リガンドインヒビターは、標準的手順(例
えば、80%アセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸)により血液から抽出され得
る。簡潔には、1mLの抽出溶媒を200μLの血漿に添加し得、そして混合物を攪拌
する。次いで、得られた沈澱を12,000×gで5分間遠心分離し得る。次いで、リ
ガンドインヒビターを含む上清を凍結乾燥し、そしてアッセイ緩衝液(0.2% Noni
det P-40TMを含むPBS)中に再構成して再構成抽出物を得ることができる。次いで
、血液サンプルまたは再構成抽出物を、以下の実施例1に記載のような結合アッ
セイにおいて使用し得る。経口投与可能なリガンドインヒビターは、ビヒクルコ
ントロールと比較して、125I-hIGF-IのIGF結合タンパク質への結合の阻害を示す
。
投与の経路および頻度、ならびに用量は、リガンドインヒビターおよび所望さ
れるインビボ応答に依存して変化する。適切な用量は、上記のように投与した場
合、未処置の患者と比較して処置した患者において、患者に対する臨床的結果(
例えば、糖尿病患者に対するより低い低血糖症状)を改善し得るリガンドインヒ
ビターの量である。一般に、1つ以上のリガンドインヒビターを含む薬学的組成
物については、1回の用量中に存在するそれぞれのリガンドインヒビターの量は
、約0.1mg/kg〜約10mg/kgの範囲、好ましくは、約1mg/kg〜約3mg/kgの範囲内で
ある。しかし、より多いまたはより少ない量が、リガンドインヒビターの大きさ
に依存して用いられ得る。処置は、代表的には1日あたり1回〜2回行われ、そ
して利益を保持するために、連続的であることが必要とされ得る。患者は、上記
のようにIGFレベルを評価することにより、そして臨床的症状を評価することに
よりモニターされ得る。
本発明の顕著な利点は、薬学的組成物の効力を変化させる能力、および特定の
組織にIGFの効果を標的化して副作用を最小化する能力である。1つ以上の結合
タンパク質へのIGFの結合を阻害する種々の能力を有するリガンドインヒビター
を用いることにより、この効力が変化し得る。これに関して、リガンドインヒビ
ターが結合を阻害する相対的な能力は、例えば、本明細書中に記載のようなイン
ビトロの結合アッセイにおける特異的な結合の最大に移動の半分に必要なインヒ
ビターの量を比較することにより評価され得る。
IGF効果は、1つまたはそれ以上の特定の結合タンパク質に特異的なリガンド
インヒビターを用いて、そして6つの既知の結合タンパク質のそれぞれの相対的
な組織特異性を利用する(例えば、Rechler,Vitamins and Hormones 47:1-114
1993)ことによって標的化され得る。低分子インヒビターの同定のために本明細
書中に記載される結合アッセイにおける異なる結合タンパク質を用いることによ
り、結合タンパク質特異的なリガンドインヒビターが上記のように開発され得る
。このようなリガンドインヒビターの投与は、標的化された結合タンパク質を含
むこれらの組織のみにおいてIGFの放出をもたらす。例えば、IGFBP-2、-4、およ
び-6は、脳内でより優勢である。さらに、IGFBP-1は低い濃度であるが脳内に存
在する。これらの結合タンパク質に特異的であり、そして血液/脳関門(以下で
議論するように)を横切ることができる低分子インヒビターは脳内でIGFを放出
するが、血清IGFのほとんどをその不活性な形態のままにする。このようなイン
ヒビターは、ALS、ならびに多発性硬化症、脱髄疾患、およびアルツハイマー病
のような他の神経変性疾患の処置に特に有用であり得る。あるいは、末梢の効果
は、最初にIGFBP-1,-3、-4、および-5を用いて操作され得る。上記のように、
循環するIGF-Iは、IGFBP-3への結合を阻害することにより放出され得る。これに
関して、血液/脳関門を横切ることができない低分子インヒビターは、末梢の効
果を提供するために特に十分に適切である。
血液/脳関門を横切る低分子インヒビターの量は、MRI、PETSCAN、spectacanni
ngまたは他の類似の画像形成技術などの当業者に公知の技術により評価され得る
。これらのいくつかは、IGF結合タンパク質またはIGFレセプターに対する放射性
標識リガンドを用いる。上記のように、好ましい方法は、単一光子放射リガンド
(例えば、IGF結合タンパク質またはIGFレセプターに対する123I-標識リガンド
)のPETポジトロン放射リガンド(例えば、11Cまたは18F)を用いる画像解析で
ある。IGF結合タンパク質およびIGFレセプターへの放射性標識リガンドの減少し
た結合は、IGFレベルにおける増大を示す。このような減少した結合は、血液/脳
関門を
横切った低分子インヒビターのレベルを示す。あるいは、脳髄液(CSF)中のIGF
-Iレベルは、市販のアッセイキット(例えば、Peninsula Laboratories,Inc.,
Belmont,CA)を用いるラジオイムノアッセイによるか、または実施例1に記載
のようなポリエチレン/グリコール沈澱により測定され得る。CSF中のIGF-Iレベ
ルにおける増大は、脳におけるIGF-Iのレベルの増大を示す。
動物において、低分子インヒビターの血液/脳透過性は、エクソビボ結合によ
り試験され得る。簡潔には、動物に15〜50mg/kgの低分子のリガンドインヒビタ
ーを(静脈内または経口的に)注射し得る。次いで、動物を、薬物の投与後15、
30、60、および90分後に屠殺する。脳を取り出し、そして可溶化緩衝液(0.2%
Nonidet P-40TM界面活性剤を含むPBS)中でホモジナイズする。次いで、結合し
た125I-hIGF/hIGFBP-3複合体のポリエチレングリコール沈澱によりこのアッセイ
を行う。任意の薬物が脳に存在する場合、これは125I-hIGF-IのIGF結合タンパク
質への結合を阻害し、ビヒクルのみで処置した動物よりも薬物で処置した動物に
おいて、より少ない沈澱カウントをもたらす。
当業者は、他の組織およびこのような他のIGF応答性症状は、他の結合タンパ
ク質またはそれらの組み合わせに特異的であるリガンドインヒビターを投与する
ことにより標的化され得ることを理解する。6つの公知のIGF結合タンパク質の
組織分布を、以下の表Iに示す。
以下の実施例は、例示のために提供され、限定のためには提供されない。
実施例
実施例1
hIGF-I アナログを使用するIGF/BP-3結合の阻害
この実施例は、遊離の、生物学的に活性なIGF-Iのレベルの上昇を引き起こす
、インビトロおよびインビボでのBP-3へのIGF-Iの結合の阻害を例証する。A.インビトロ結合アッセイ
結合アッセイを、0.2%BSA-PBS(pH7.2)中で、室温で2連で行った。BP-3を、S
himonakaら、Biochem.Biophys.Res.Comm.165:189-195,1989に記載のように
、ラット血清から精製した。200μLの2.5nM BP-3溶液(0.5pmol)を12×75-mmのガ
ラスチューブに添加した。100μLの漸増濃度の未標識[T59]hIGF-Iまたは[L24,59
,60,A31]hIGF-I(共にShimasakiら、J.Biol.Chem.266:10646-10653,1991に記
載の手順によて化学的合成によって調製される)、それに続く100μLの125I標識
した[T59]hIGF-I(30,000cpm/〜0.3ng)の添加によって、反応を開始した。2.5時
間のインキュベーション後、リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)中の100μLの20%BSA
お
よび500μLの20%PEG-8000を添加し、そして混合物をボルテックスにかけ、次い
で3500rpmで30分間遠心分離した。上清を吸引によって注意深く除去し、そして
ペレットをガンマカウンターで計数した。
図1に示すように、0.5pmolのIGFBP-3が125I標識したIGF-Iトレーサーの23.3
%に結合し得、そして非特異的結合は1.8%であった。特異的結合の置換の最大
半減はチューブあたり約0.32pmolの[T59]hIGF-Iおよびチューブあたり0.8pmolの
[L24,59,60,A31]hIGF-Iで達成された(図1)。
このアッセイはまた、小分子リガンドインヒビターについてのスクリーニング
のために使用され得る。B.[3H]チミジン取り込みアッセイ
BALB/c 3T3細胞をトリプシン処理し、そして10%仔ウシ血清DMEM中で50,000細
胞/mLに希釈した。これらの細胞を96ウェルのマイクロタイタープレートに等分
した(180μL/ウェル)。37℃、5%のCO2で48時間インキュベートした後、プレー
トを0.1%仔ウシ血清DMEMで2回洗浄し、そしてさらに24時間インキュベートし
た。各細胞に、IGFアナログおよび/または結合タンパク質、ならびに1μCiの[3
H]チミジンを含むサンプル20μLを添加し、そしてプレートを正確に24時間イン
キュベートした。インキュベーション後、培地を除去し、そして各ウェルに200
μLの25%酢酸-75%エタノールを添加することによって細胞を固定した。固定溶
液を除去した後、プレートを氷冷10%TCAで3回洗浄しそして各ウエルの細胞を2
00μLの0.2M NaOHで溶解した。200μLの溶解溶液全てをシンチレーションバイア
ルに移し、そして2.5mLのシンチレーション液を添加して、バイアルをβ-カウン
ターで計数した。
[T59]hIGF-Iは用量依存的に増殖を刺激し、DNA合成によって測定されるように
、3T3細胞において10〜20nMのED50であるが、(図2)、一方、[L24,59,60,A31]hI
GF-Iは8,000nMの高用量でも3T3細胞におけるDNA合成を全く誘導しなかった(図
2)。10nMの[T59]hIGF-Iとともにインキュベートした後、3T3細胞に取り込まれ
た[3H]チミジンはコントロールと比較して4倍増加した(図3)。25nMのIGFBP-3
とのインキュベーションにより、10nMの[T59]hIGF-Iによって誘導される[3H]チ
ミジン
取り込みが完全に阻害された(図3)。[L24,59,60,A31]hIGF-I(IGFBP-3にのみ結
合し、IGF-Iレセプターには結合しない)の添加により、25nMのIGFBP-3のブロッ
ク効果力完全に逆転し、約25nMの[L24,59,60,A31]hIGF-IのED50で[T59]hIGF-Iの
生物学的活性を放出した(図3)。
このアッセイはまた、小分子リガンドインヒビターの生物学的活性を評価する
ために、使用され得る。
実施例2
IGFBP-3 インヒビターを使用する高血糖症ラットにおける
血中グルコースレベルの正常化
この実施例は、血中グルコースが上昇した動物の処置のためのIGFBP-3のリガ
ンドインヒビターの使用を例証する。
ラットを、グルコースの腹腔内注射で高血糖にした。[L24,59,60,A31]hIGF-I
アナログ(IGFBP3-LIとする)(5μg/分)を40分間静脈内に注入し、そして血中グ
ルコースレベルを注入の前、注入の間、および後にモニターした。コントロール
として、ウシインスリンを40分間1μg/分で注入し、そして同一の時点で血中グ
ルコースをモニターした。
図5に示すように、インスリンは血中グルコースレベルを正常な基準線よりも
下に劇的に低下させ、動物は低血糖症になったが、一方、[L24,59,60,A31]hIGF-
Iアナログは血中グルコースレベルを驚くほどに正常化した。関連する実験にお
いて、インスリンは血中グルコースレベルを正常な絶食した血中グルコース基準
線に劇的に低下させたが、[L24,59,60,A31]hIGF-Iは影響がなかった。
これらの結果から、[L24,59,60,A31]hIGF-Iは血中グルコースが上昇した動物
における血中グルコースレベルを正常化し得るが、インスリンと異なり、このア
ナログは正常な基準線よりも下には血中グルコースレベルを低下させず、そして
動物を低血糖症にしない。従って、IGFBP-3へ結合するIGFインヒビターの使用は
、糖尿病の処置についてインスリンよりも明らかな利点を有する。インスリンを
受けた糖尿病患者は通常、インスリンの静脈内注射後のリバウンド効果を経験し
、
その結果血糖値が正常値を下回る。本発明のインヒビターは、低血糖の危険を伴
わずに血糖値を正常化する。さらに、インスリン依存性糖尿病およびインスリン
非依存性糖尿病の両方を、処置し得る。
実施例3
IGFBP-3 インヒビターを使用する糖尿病マウスにおける
血中グルコースレベルの正常化
この実施例は、動物における糖尿病の処置のためのIGFBP-3のリガンドインヒ
ビターの使用を例証する。
2匹の重篤な糖尿病のメスNODマウス(血中グルコースレベル450〜500g/dl)を
、[L24,59,60,A31]hIGF-Iアナログで処置した。これらのマウスは重篤な糖尿病
であり、そして処置をしなければ2日以内に死亡することが予測された。生理食
塩水中の[L24,59,60,A31]hIGF-Iアナログを、0時間(25μg/動物)、30分(50μg/
動物)、そして60分(100μg/動物)に、尾静脈注射によって投与した。血中グルコ
ースレベルを、最初の注射の前、および実験の経過を通して、グルコメーターを
使用してモニターした。
両方の動物において、血中グルコースレベルは80分後に250mg/dlに劇的に減少
した(図4)。正常な血中グルコースの閾値は220mg/dlであるので、この血中グル
コースレベルは両方の動物においてほぼ正常化された。これらの結果により、[L
24,59,60,A31]hIGF-Iアナログが糖尿病の処置において血中グルコースレベルを
低下させるために使用され得ることが示された。
前述の事柄から、本発明の特定の実施態様を例示の目的のために本明細書中に
記載したが、種々の改変が本発明の精神および範囲を逸脱することなくなされ得
ることが明らかである。
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(51)Int.Cl.6 識別記号 FI
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45/00 ADP AAB
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(72)発明者 リン,ニコラス
アメリカ合衆国 カリフォルニア 92121,
サンディエゴ,ブローチ ストリート
5324
(72)発明者 リウ,イン−ジュン
アメリカ合衆国 カリフォルニア 92122,
サンディエゴ,アベニダ ナビダッド ナ
ンバー306 7945
(72)発明者 ガウル,アミタブ
アメリカ合衆国 カリフォルニア 92129,
サンディエゴ,ピクルス ストリート
12570