JPH1014256A - 電力変換装置 - Google Patents

電力変換装置

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JPH1014256A
JPH1014256A JP8167368A JP16736896A JPH1014256A JP H1014256 A JPH1014256 A JP H1014256A JP 8167368 A JP8167368 A JP 8167368A JP 16736896 A JP16736896 A JP 16736896A JP H1014256 A JPH1014256 A JP H1014256A
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JP
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advance
time
circuit
control
value
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JP8167368A
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English (en)
Inventor
Yoshihiro Morikawa
川 嘉 博 森
Naomi Nakamura
村 尚 未 中
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 交流系統の電圧波形に歪みが生じた場合等に
β進め制御を行ったとしても、このβ進め制御に起因す
る変換器の不必要なトリップを極力少なくすること。 【解決手段】 時刻t1でβ進め指令が入力されたとす
ると、オア回路312から「1」信号つまりリセット信
号が一次遅れ回路314に入力され、一次遅れ回路31
4の出力はゼロとなる。したがって、β進め角は120
°にダウンする。時刻t1から時間T1が経過して時刻
t2になると、オンディレイ回路316は、リセット解
除信号S1及び出力制限信号S2を一次遅れ回路314
に出力する。これにより一次遅れ回路314は動作を開
始しβ進め角は135°まで上昇する。そして、時刻t
3でβ進め指令の入力が遮断されβ進め制御が解除され
ると、一次遅れ回路314は通常に動作を開始し、β進
め角は時定数Tでもって160°まで復帰する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、直流送電装置、周
波数送電装置、あるいは非同期連系変換装置(BTB変
換装置)等に用いられる電力変換装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】図11は従来の交直変換装置を用いた直
流送電装置あるいは非同期連系変換装置(BTB変換装
置)の一例を示す構成図である。この図において、交直
変換装置1A,1Bは、平滑リアクトル2を有する直流
電線路3を介して互いに接続されており、さらに、変換
器用変圧器4A,4Bを介して交流系統6A,6Bに接
続されている。ここで、交直変換装置1Aは逆変換を行
い、交直変換装置1Bは順変換を行うものとし、以後、
交直変換装置1Aを逆変換器と呼び、交直変換装置1B
を順変換器と呼ぶ。そして、逆変換器1Aは、定電圧制
御または定余裕角制御による運転を行い、直流電線路3
の電圧Vdを決定する。また、順変換器1Bは、定電流
制御により運転を行い、直流電線路3の電流Idを決定
している。
【0003】図12は、逆変換器1Aの制御装置200
Aの構成図である。制御装置200Aは、逆変換器1A
及び順変換器1Bの起動・停止についての協調制御を司
る起動・停止制御回路101Aと、この起動・停止制御
回路101Aの指令に応じて直流送電系統の直流電流や
直流電圧を一定に制御する制御演算回路(基本制御回
路)100Aと、この制御演算回路100Aの出力信号
により変換器の点弧位相を決定する位相制御回路29A
と、事故発生時に最適の保護指令を出力する保護連動回
路102Aと、前記各回路101A,100A,102
Aの異常発生を監視する異常監視回路103Aと、から
構成されている。そして、パルス増幅回路30Aは、制
御装置200A内の位相制御回路29Aの出力信号を入
力し、シーケンシャルな点弧パルスを逆変換器1Aに出
力している。
【0004】図13は、逆変換器1A及び順変換器1B
回りの制御装置の構成図である。この図において、逆変
換器1A及び順変換器1Bには、定余裕角制御回路12
A,12B、定電圧制御回路11A,11B、定電流制
御回路13A,13B、及びβ進め制御回路31A,3
1Bが具備されている。定余裕角制御回路12A,12
Bは、余裕角設定器18A,18Bから入力する余裕角
基準値に逆変換器1A及び順変換器1Bの余裕角が追従
するように制御を行うものである。
【0005】直流電圧検出器15Aで検出された電圧
は、制御回路で取り扱いやすい値に変換するための電圧
/ 電圧変換回路16A,16Bを介してサミング回路1
7A,17Bに入力される。サミング回路17A,17
Bは、直流電圧設定器14A,14Bからの電圧基準値
と電圧/ 電圧変換回路16A,16Bからの電圧検出値
との偏差を定電圧制御回路11A,11Bに出力する。
そして、定電圧制御回路11A,11Bは、直流電線路
3の直流電圧が電圧基準値に追従するように制御を行
う。
【0006】電流基準値出力回路27からの電流基準値
は伝送制御回路26A,26Bを介してサミング回路2
3A,23Bに出力される。なお、伝送制御回路26
A,26B間は、通信回路19で接続されている。サミ
ング回路23A,23Bには、また、直流電流検出器2
1A,21Bからの電流検出値が電流/ 電圧変換回路2
2A,22Bを介して入力されている。サミング回路2
3A,23Bは、この電流検出値と伝送制御回路26
A,26Bからの電流基準値との偏差を定電流制御回路
13A,13Bに出力する。定電流制御回路13A,1
3Bは、この偏差に基き直流電線路3に流れる直流電流
が電流基準値に追従するように制御を行う。なお、スイ
ッチ24A,24Bは、逆変換運転を行う変換器の方の
みが閉となり、電流マージン設定器25A,25Bの出
力である電流マージンをサミング回路23A,23Bに
入力するものである。したがって、今の場合は、逆変換
器1A側のスイッチ24Aが閉となっている。
【0007】制御進み角優先回路28A,28Bは、定
余裕角制御回路12A,12B、定電圧制御回路11
A,11B、定電流制御回路13A,13B、及びβ進
め制御回路31A,31Bの出力のうち最も変換器の制
御角の進んでいる出力のみをその出力とするものであ
る。上記のように、スイッチ24Aが閉で、スイッチ2
4Bが開であるから、制御進み角優先回路28Aは、定
余裕角制御回路12A、定電圧制御回路11Aからの出
力を出力し、制御進み角優先回路28Bは、定電流制御
回路13Bからの出力を出力する。制御進み角優先回路
28A,28Bの各出力は位相制御回路29A,29B
に出力される。位相制御回路29A,29Bは、この制
御進み角優先回路28A,28Bの出力信号を変換器の
点弧タイミングを決定するパルス信号に変換し、これを
パルス増幅回路30A,30Bを介しゲートパルス信号
として逆変換器1A及び順変換器1Bに出力する。
【0008】ところで、定余裕角制御回路12Aは、逆
変換器1Aが正常運転時に転流失敗を起こさないよう
に、一定の余裕角γを確保するような出力を発生するた
めの回路である。逆変換器1Aが接続されている交流系
統6Aの電圧波形が歪みのない正弦波である場合には、
この定余裕角制御回路12Aにより一定の余裕角γを確
保することができる。しかし、電圧波形に歪みが生じた
場合には、もはや一定の余裕角γを確保することができ
ず。余裕角γの不足により逆変換器1Aは転流失敗を起
こすことになる。
【0009】そこで、β進め制御回路31Aは、このよ
うに交流系統6Aの電圧波形に歪みが生じた場合にも、
β進め指令信号の入力に基き転流失敗を起こさないよう
な制御角αを得るための出力を発生する。このようなβ
進め制御回路31Aの動作を「β進め」または「β進め
制御」と呼ぶ。このときの制御角αの値は、逆変換器1
Aが、定電圧制御回路11Aまたは定余裕角制御回路1
2Aの出力により定常状態で制御されている場合の制御
角αよりも小さな値である。なお、αとβとの関係は、
β=π−α であり、本来はαを制御遅れ角、βを制御
進み角というべきであるが、本明細書ではαを単に制御
角と称する。また、β進め制御回路31A,31Bの出
力であるβ進め角の値も実際にはβ角ではなくα角であ
る。
【0010】図14は、β進め制御回路31A,31B
の構成を示すブロック図であり、図示するように、ワン
ショット回路311、オア回路312、加算器313,
315、及び一次遅れ回路314により構成されてい
る。図13の場合には、逆変換器1Aの通常運転時の制
御角αの最大値を160°、β進め時の制御角αの値を
120°としている。なお、ワンショット回路311
は、β進め指令のパルス幅が短い場合にもオア回路31
2からリセット信号が確実に出力されるようにするため
のものである。
【0011】次に、図14の動作を図15のタイムチャ
ートを参照しつつ説明する。通常運転中は、β進め指令
が入力されていないので、オア回路312からリセット
信号が出力されておらず、一次遅れ回路314は通常に
動作している。そして、加算器313の出力は、160
°−120°=40° であり、加算器315の出力
は、120°+40°=160° となる。すなわち、
β進め制御回路31Aから出力されるβ進め角(実際は
α角)の値は160°である。
【0012】いま、時刻t1でβ進め指令が入力された
とすると、オア回路312から「1」信号つまりリセッ
ト信号が一次遅れ回路314に入力され、一次遅れ回路
314の出力はゼロとなる。したがって、β進め角は1
20°にダウンし、この状態は時刻t2でβ進めが解除
されるまで、すなわちβ進め指令が入力されなくなるま
で継続する。そして、時刻t2を過ぎると、オア回路3
12からリセット信号が出力されなくなるので、一次遅
れ回路314が動作を開始し、β進め角は160°まで
時定数Tに基き復帰する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上記したβ進め制御に
より、交流系統6Aの電圧波形に歪みが生じた場合で
も、逆変換器1Aの転流失敗を有効に防止することがで
きる。しかし、β進め制御を行うと、逆変換器1A内に
設けられているスナバ回路用抵抗器の損失が増大し、そ
の発熱量が増加するという問題がある。
【0014】そして、従来のβ進め制御では、電圧歪み
や転流失敗等の連続発生などによりβ進め制御の継続時
間が長引き、スナバ回路用抵抗器について設定されてい
る熱的許容時間を超過した場合には、変換器をトリップ
させ運転を停止することとしている。ところが、弱小の
電力系統などでは、トランスの投入等によって電圧歪み
の状態等が長期間継続する可能性が充分あり、その度に
変換器をトリップさせ運転を停止することは、昨今の電
力事情からは好ましいことではない。
【0015】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、β進め制御に起因する変換器の不必要なトリップ
を極力少なくすることが可能な電力変換装置を提供する
ことを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の手段として、請求項1記載の発明は、交流系統にそれ
ぞれ接続された逆変換器及び順変換器の各直流側が直流
電線路により接続され、前記逆変換器及び順変換器に対
して所定の制御を行う定電圧制御回路、定余裕角制御回
路、定電流制御回路、及びβ進め制御回路を有し、これ
ら制御回路のうち適切なものを選択し、その制御信号に
基いて前記逆変換器及び順変換器の位相制御を行うもの
であって、前記β進め制御回路は、β進め指令を入力し
た場合に、前記逆変換器に対する位相制御角αの値を所
定の値まで低減させ、β進め指令が解除された後は所定
の時定数に基き位相制御角αの値が元の値に復帰するよ
うにβ進め制御を行う、電力変換装置において、前記β
進め制御回路は、前記β進め指令を入力した時点から前
記逆変換器内のスナバ回路用抵抗器についての熱的許容
時間以内の所定の時間の間だけ前記位相制御角αの値を
所定の値まで低減させると共に、この所定の時間が経過
する時点から前記β進め指令が解除される時点までの間
は、前記位相制御角αの値を所定の制限値を上限として
前記所定の時定数に基き増加させるものである、ことを
特徴とする。
【0017】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、前記熱的許容時間以内の所定の時間が経過
した時点から前記β進め指令が解除される時点までの間
は、前期β進め制御回路は電流基準抑制信号を出力し、
この電流基準抑制信号に基き前記定電流制御回路に対す
る電流基準値を所定の値に低減させる、ことを特徴とす
る。
【0018】請求項3記載の発明は、請求項2記載の発
明において、前記電流基準抑制信号に基き前記定電流制
御回路に対する電流基準値を所定の値だけ低減させる場
合に、この低減を予め設定してある時定数に基き行う、
ことを特徴とする。
【0019】請求項4記載の発明は、請求項1乃至3の
いずれかに記載の発明において、前記β進め制御回路
は、前記β進め指令の入力に基いて前記β進め制御を行
った後であって、且つ前記熱的許容時間以内の所定の時
間から更に設定時間が経過するまでの間に再度のβ進め
指令を入力した場合は、この第1回目のβ進め指令入力
時点から設定時間経過時点までは、前記位相制御角αの
値の低減を所定の制限値までとする、ことを特徴とす
る。
【0020】請求項5記載の発明は、請求項1乃至4の
いずれかに記載の発明において、前記逆変換器または順
変換器の交流電圧、直流電圧、及び直流電流の検出値に
基き前記熱的許容時間を演算する演算回路を備えた、こ
とを特徴とする。
【0021】請求項6記載の発明は、請求項5記載の発
明において、前記演算回路は、前記交流電圧、直流電
圧、及び直流電流の検出値に代えて、前記スナバ回路用
抵抗器付近の温度検出値に基き前記熱的許容時間を演算
するものである、ことを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図に基
き説明する。但し、図10乃至図14で説明した構成要
素と同一の構成要素には同一符号を付して重複した説明
を省略する。図1は、第1の実施形態に係るβ進め制御
回路31Aの構成を示すブロック図である。図1が図1
3と異なる点は、オンディレイ回路316が付加されて
いる点である。このオンディレイ回路316は、β進め
指令を入力してから設定時間T1が経過すると、一次遅
れ回路314の2つの入力端子に信号を出力する。この
2つの入力端子のうち一方に出力される信号はリセット
解除信号S1として機能し、もう一方に出力される信号
は出力制限信号S2として機能する。つまり、リセット
解除信号S1が一次遅れ回路314に入力されると、オ
ア回路312がリセット信号を出力していても一次遅れ
回路314は動作を開始し、また、出力制限信号S2が
入力されると、一次遅れ回路314の出力は、例えば、
15°を上限値として制限される。オンディレイ回路3
16の設定時間T1は、逆変換器1Aをβ進め角120
°で運転した場合におけるスナバ回路用抵抗器の熱的許
容時間以内の所定の時間として設定されたものである。
【0023】次に、図1の動作を図2のタイムチャート
を参照しつつ説明する。いま、時刻t1でβ進め指令が
入力されたとすると、オア回路312から「1」信号つ
まりリセット信号が一次遅れ回路314に入力され、一
次遅れ回路314の出力はゼロとなる。したがって、β
進め角は120°にダウンする。時刻t1から時間T1
が経過して時刻t2になると、オンディレイ回路316
は、前記したリセット解除信号S1及び出力制限信号S
2を一次遅れ回路314に出力する。これにより一次遅
れ回路314は動作を開始しβ進め角は135°まで上
昇する。そして、時刻t3でβ進め指令の入力が遮断さ
れβ進め制御が解除されると、一次遅れ回路314は通
常に動作を開始し、β進め角は時定数Tでもって160
°まで復帰する。
【0024】上記したβ進め制御は、最低のβ進め角1
20°で運転する時間をスナバ回路用抵抗器の熱的許容
時間T1までとし、その後は抵抗器のそれ以上の発熱を
抑制するために、135°を上限としてβ進め角を立ち
上げ、β進め制御が解除されるのを待とうとするもので
ある。したがって、スナバ回路用抵抗器の発熱による損
傷を防止しつつ変換器の運転を継続することができ、不
必要なトリップを防止することができる。
【0025】図3は、第2の実施形態に係るβ進め制御
回路31Aの構成を示すブロック図である。図3が図1
と異なる点は、オンディレイ回路316から出力される
信号がリセット解除信号S1及び出力制限信号S2の他
に、Idp(電流基準)低減信号S3としても出力され
るようになっている点である。このIdp低減信号S3
がβ進め制御回路31Aから出力されると、図4に示す
ように、スイッチ82がIdpmax 側からIdpn 側に
切り替わる(Idpmax >Idpn )。この切り替えに
より、伝送制御回路26Aの出力側に設けられているリ
ミッタ回路83は電流基準値出力回路27からの電流基
準値を所定レベルだけ低減させる。したがって、β進め
制御を行っている間のスナバ回路用抵抗器の発熱をより
確実に防止することができる。
【0026】図5は、第3の実施形態の要部の構成を示
すブロック図である。図5が図4と異なる点は、リミッ
タ回路83の出力側にさらに一次遅れ回路84が設けら
れている点である。本実施形態によれば、電流基準値が
所定のレベルだけ低減される場合に、一次遅れ回路84
により設定されている時定数Tで低減されるので、定電
流制御回路13Aに擾乱を与えるのを防止することがで
きる。
【0027】図6は、第4の実施形態に係るβ進め制御
回路31Aの構成を示すブロック図である。図6が図1
と異なる点は、オンディレイ回路317、ワンショット
回路318、アンド回路319、及びオア回路320が
付加されており、オア回路320からリセット解除信号
S1及び出力制限信号S2が一次遅れ回路314に出力
されるようになっている点である。なお、オンディレイ
回路317の設定時間はオンディレイ回路316と同様
T1である。また、ワンショット回路318は、ワンシ
ョット回路311のように信号出力動作を確実にするこ
とを目的として付加されたものではなく、そのパルス幅
は予め定められた設定時間T2となっている。
【0028】次に、図6の動作を図7のタイムチャート
を参照しつつ説明する。いま、時刻t1でβ進め指令が
入力されたとすると、オア回路312から「1」信号つ
まりリセット信号が一次遅れ回路314に入力され、一
次遅れ回路314の出力はゼロとなる。したがって、β
進め角は120°にダウンする。時刻t1から時間T1
が経過して時刻t2になると、オンディレイ回路316
から信号が出力されるので、オア回路320は前記した
リセット解除信号S1及び出力制限信号S2を一次遅れ
回路314に出力する。これにより一次遅れ回路314
は動作を開始しβ進め角は135°まで上昇する。そし
て、時刻t3でβ進め指令の入力が遮断されβ進め制御
が解除されると、一次遅れ回路314は通常に動作を開
始し、β進め角は時定数Tでもって160°まで復帰す
る。
【0029】ところが、β進め角が160°まで復帰し
て間もなくの時刻t4になって再びβ進め指令が入力さ
れたとする。この場合、図1の構成であれば直ちにβ進
め角は120°までダウンすることになるが、本実施形
態では、まず、135°にダウンすることになる。つま
り、時刻t2を経過するとワンショット回路318から
の信号がアンド回路319の下側入力端子に入力され続
けており、時刻t4でβ進め指令がオア回路312を介
して上側入力端子に入力されると、アンド回路319の
アンド条件が成立する。したがって、アンド回路319
が信号を出力し、この信号がオア回路320によりリセ
ット解除信号S1及び出力制限信号S2となって一次遅
れ回路314に出力される。このとき、オア回路312
からの信号がリセット信号として一次遅れ回路314に
出力されているが、リセット解除信号S1及び出力制限
信号S2により、一次遅れ回路314は出力上限値を1
5°として動作を開始する。そのため、時刻t4では、
β進め角は120°まではダウンせず、135°までの
ダウンにとどまっている。
【0030】その後、ワンショット回路318からの出
力が切れる時刻t5になると、オア回路320の出力が
停止されるため、β進め角は120°までダウンする。
そして、時刻t6になると、オンディレイ回路316が
信号を出力し、オア回路320からリセット解除信号S
1及び出力制限信号S2が出力されるので、この後は最
初にβ進め指令が入力された場合と同様の動作を行う。
上述した例は、β進め指令が再度入力された場合に、β
進め角が最終的に120°までダウンした例を示した
が、時刻t4〜t5の間にβ進めが解除された場合はも
ちろん120°までダウンすることなく160°まで復
帰することになる。
【0031】図8は第5の実施形態の要部を示す構成図
である。この図におけるディジタル演算回路91は、交
流電圧検出器90から交流電圧Vsを、直流電流検出器
21Aから直流電流Idを、直流電圧検出器15Aから
直流電圧Edをそれぞれ入力し、既述したスナバ回路用
抵抗器の熱的許容時間を演算すると共に、この熱的許容
時間に基きβ進め指令を出力し、さらに、そのときのβ
進め角も演算する。
【0032】スナバ回路では、サイリスタ等のスイッチ
ング素子のオン・オフに応じて充放電を繰り返すので、
抵抗器において熱が発生する。スナバ回路の損失Pは、
一般に、 P=K1・Cd・Vs2 [sin2 α+sin2 (α+u)] … (1) で求められる。ここで、K1は定数、Cdはスナバコン
デンサの容量、uは後述する重なり角である。また、制
御角αは、 Ed=1. 35Vs・cosα−(1/ 2)・Xi・Id … (2) の関係で求められる。なお、Xiは交直変換装置のリア
クタンスであり、既知の値である。そして、重なり角u
は、K2を定数とすれば、 u=K2・(Id/ Ed) … (3) により求められる。(2)式の関係から、Ed,Vs,
Idがわかれば、制御角αを求めることができる。結
局、損失Pは制御角αの関数として求めることができ
る。なお、この技術内容は、既に特開平5- 11114
3号により開示されている。
【0033】スナバ回路の損失Pと、運転許容時間すな
わち熱的許容時間との間には、図9に示すような反時限
特性の関係がある。つまり、周囲温度が高くなるか、あ
るいは冷却条件が悪くなるほど特性曲線は矢印で示すよ
うに下方に移動することになる。
【0034】上記のように、ディジタル演算回路91
は、(1),(2),(3)式に基いて損失Pを演算
し、図9の特性曲線からスナバ回路用抵抗器の熱的許容
時間を求める。そして、この熱的許容時間に基きβ進め
指令を出力し、さらに、そのときのβ進め角も演算す
る。したがって、本実施形態のディジタル演算回路91
によれば、より的確なβ進め制御を行うことができる。
【0035】図10は第6の実施形態の要部を示す構成
図である。この図において、赤外線放射検知器94が逆
変換器1A内のスナバ回路用抵抗器の近傍に取り付けら
れている。赤外線放射検知器94は、スナバ回路用抵抗
器が発熱したときに、光信号をライトガイドを介して光
電変換器96に出力し、光電変換器96は、この光信号
を変換した電気信号をディジタル演算回路91に出力す
る。ディジタル演算回路91は、この電気信号に基いて
スナバ回路用抵抗器の熱的許容時間を判断する。本実施
形態では、スナバ回路用抵抗器の実際の発熱状態に基い
て、ディジタル演算回路91が演算を行っているので、
より的確に熱的許容時間を求めることができる。
【0036】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、交流系
統の電圧波形に歪みが生じた場合等にβ進め制御を行っ
たとしても、このβ進め制御に起因する変換器の不必要
なトリップを極力少なくすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るβ進め制御回路
31Aの構成を示すブロック図。
【図2】図1の動作を説明するためのタイムチャート。
【図3】本発明の第2の実施形態に係るβ進め制御回路
31Aの構成を示すブロック図。
【図4】本発明の第2の実施形態の一部の構成を示すブ
ロック図。
【図5】本発明の第3の実施形態の一部の構成を示すブ
ロック図。
【図6】本発明の第4の実施形態に係るβ進め制御回路
31Aの構成を示すブロック図。
【図7】図6の動作を説明するためのタイムチャート。
【図8】本発明の第5の実施形態の一部の構成を示すブ
ロック図。
【図9】図8におけるディジタル演算回路91が用いる
特性曲線を示す特性図。
【図10】本発明の第6の実施形態の一部の構成を示す
ブロック図。
【図11】従来の交直変換装置を用いた直流送電装置あ
るいは非同期連系変換装置の一例を示す構成図。
【図12】図11における逆変換器1Aを制御する制御
装置200Aについての構成図。
【図13】逆変換器1A及び順変換器1B回りの制御装
置の構成図。
【図14】図13におけるβ進め制御回路31Aの構成
を示すブロック図。
【図15】図14の動作を説明するためのタイムチャー
ト。
【符号の説明】
1A 逆変換器 1B 順変換器 2 平滑リアクトル 3 直流電線路 4A,4B 変換器用変圧器 6A,6B 交流系統6 11A,11B 定電圧制御回路 12A,12B 定余裕角制御回路 13A,13B 定電流制御回路 14A,14B 直流電圧設定器 15A 直流電圧検出器 16A,16B 電圧/ 電圧変換回路 17A,17B サミング回路 18 余裕角設定器 23A,23B サミング回路 24A,24B スイッチ 26A,26B 伝送制御回路 27 電流基準値出力回路 28A,28B 制御進み角優先回路 29A,29B 位相制御回路 30A,30B パルス増幅回路 31A,31B β進め制御回路 90 交流電圧検出器 91 ディジタル演算回路 94 赤外線放射検知器 95 ライトガイド 96 光電変換器 100A 制御演算回路 101A 起動・停止制御回路 102A 保護連動回路 103A 異常監視回路 200A 制御装置 311 ワンショット回路 312 オア回路 313,315 加算器 314 一次遅れ回路 316 オンディレイ回路 317 オンディレイ回路 318 ワンショット回路 319 アンド回路 320 オア回路

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】交流系統にそれぞれ接続された逆変換器及
    び順変換器の各直流側が直流電線路により接続され、前
    記逆変換器及び順変換器に対して所定の制御を行う定電
    圧制御回路、定余裕角制御回路、定電流制御回路、及び
    β進め制御回路を有し、これら制御回路のうち適切なも
    のを選択し、その制御信号に基いて前記逆変換器及び順
    変換器の位相制御を行うものであって、前記β進め制御
    回路は、β進め指令を入力した場合に、前記逆変換器に
    対する位相制御角αの値を所定の値まで低減させ、β進
    め指令が解除された後は所定の時定数に基き位相制御角
    αの値が元の値に復帰するようにβ進め制御を行う、電
    力変換装置において、 前記β進め制御回路は、前記β進め指令を入力した時点
    から前記逆変換器内のスナバ回路用抵抗器についての熱
    的許容時間以内の所定の時間の間だけ前記位相制御角α
    の値を所定の値まで低減させると共に、この所定の時間
    が経過する時点から前記β進め指令が解除される時点ま
    での間は、前記位相制御角αの値を所定の制限値を上限
    として前記所定の時定数に基き増加させるものである、 ことを特徴とする電力変換装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の電力変換装置において、 前記熱的許容時間以内の所定の時間が経過した時点から
    前期β進め指令が解除される時点までの間は、前記β進
    め制御回路は電流基準抑制信号を出力し、この電流基準
    抑制信号に基き前記定電流制御回路に対する電流基準値
    を所定の値に低減させる、 ことを特徴とする電力変換装置。
  3. 【請求項3】請求項2記載の電力変換装置において、 前記電流基準抑制信号に基き前記定電流制御回路に対す
    る電流基準値を所定の値だけ低減させる場合に、この低
    減を予め設定してある時定数に基き行う、 ことを特徴とする電力変換装置。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3のいずれかに記載の電力変
    換装置において、 前記β進め制御回路は、前記β進め指令の入力に基いて
    前記β進め制御を行った後であって、且つ前記熱的許容
    時間以内の所定の時間から更に設定時間が経過するまで
    の間に再度のβ進め指令を入力した場合は、この第1回
    目のβ進め指令入力時点から設定時間経過時点までは、
    前記位相制御角αの値の低減を所定の制限値までとす
    る、 ことを特徴とする電力変換装置。
  5. 【請求項5】請求項1乃至4のいずれかに記載の電力変
    換装置において、 前記逆変換器の交流電圧、直流電圧、及び直流電流の検
    出値に基き前記熱的許容時間を演算する演算回路を備え
    た、 ことを特徴とする電力変換装置。
  6. 【請求項6】請求項5記載の電力変換装置において、 前記演算回路は、前記交流電圧、直流電圧、及び直流電
    流の検出値に代えて、前記スナバ回路用抵抗器付近の温
    度検出値に基き前記熱的許容時間を演算するものであ
    る、 ことを特徴とする電力変換装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015022860A1 (ja) * 2013-08-12 2015-02-19 日産自動車株式会社 スイッチング装置
EP3288166A4 (en) * 2015-04-23 2018-09-12 Kabushiki Kaisha Toshiba Control device for power converter
WO2020220449A1 (zh) * 2019-04-30 2020-11-05 深圳市华星光电半导体显示技术有限公司 电压转换电路

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