JPH0747998Y2 - インバ−タの制御回路 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案はインバータ装置の入力電圧が不足したり、又
は立上りが異常に遅くなつた場合にもインバータ装置が
誤動作し故障に至らない様にするインバータの制御回路
に関するものである。

〔従来の技術〕

従来この種の装置として第２図に示すものであつた。図
において、１は３相入力交流電源、２は交流を直流に変
換するコンバータ回路、３は三相入力交流電源１に接続
された電磁接触器４のａ接点又は電磁接触器４に連動し
て作動するスイッチ、５は抵抗、６は平滑コンデンサ、
７は直流を交流に変換するインバータ回路、８はモータ
ー、９は平滑コンデンサ６の充電レベルを検出する不足
電圧検出回路である。

次に動作について説明する。まず、通常、この種のイン
バータ装置においては、電源投入時に平滑コンデンサ６
が充電されていない場合には、その平滑コンデンサの充
電々流で電源を短絡することになるため過大電流がコン
バータ回路２に流れ込み、該コンバータ回路２を破損す
る恐れがある。従つて、コンバータ回路２と平滑コンデ
ンサ６の間には電磁接触器のａ接点３と抵抗５とを並列
に接続しておき、電磁接触器４の動作遅れ時間を利用し
てａ接点３が閉成するまでは前記抵抗５を通して平滑コ
ンデンサ６を充電する回路を構成している。

更に、インバータ回路７は前記平滑コンデンサ６が充分
充電されてから動作する様に不足電圧検出回路９で制御
しており、モータ８を安定に駆動する。

〔考案が解決しようとする問題点〕

従来のインバータ装置は以上の様に構成されているの
で、交流電磁接触器の動作電圧以下でインバータ装置が
動作するとａ接点３が閉じないために抵抗が常時通電状
態におかれ焼損してしまうため不足電圧検出回路の不足
電圧検出レベルを高くとる必要があり、結果的に入力電
圧の変動や歪，瞬降に対して極めて弱いインバータ装置
となつてしまう等の問題点があつた。

この考案は上記の様な問題点を解消するためになされた
もので、インバータ装置をしや断及びリセツトする回路
を別に設け入力電圧の変動や歪，瞬降に対しても誤動作
しない極めて強いインバータの制御回路を得ることを目
的としている。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案に係るインバータの制御回路は、コンバータ回
路からの直流出力を平滑する平滑コンデンサと、この平
滑コンデンサからの直流出力を交流出力に変換するイン
バータ回路と、前記平滑コンデンサの充電レベルを検出
して不十分な間は前記インバータ回路を動作させないよ
うに制御する信号を出力する不足電圧検出回路と、前記
コンバータ回路の入力側に接続した電磁接触器と、前記
コンバータ回路の出力側と前記平滑コンデンサとの接続
路に並列接続した前記電磁接触器に連動して作動するス
イッチおよび電流抑制素子と、前記コンバータ回路の入
力側に前記スイッチの開閉と反対に閉開動作する補助接
点と直列に接続され該補助接点の開閉動作信号を無接続
で伝達する絶縁伝達素子と、前記絶縁伝達素子の出力信
号と前記不足電圧検出回路の出力信号との論理和を形成
する論理和回路を有し、いずれかの出力信号によって前
記インバータ回路の運転を停止し、いずれの出力信号も
無くなると該インバータ回路をリセットして運転を開始
させるリセットおよび異常解除回路とを備えたものであ
る。

〔作用〕

この発明におけるインバータ装置はインバータのリセツ
ト及び異常解除回路を設け、電磁接触器に連動して作動
するスイッチが開、補助接点が閉時にはインバータ回路
の動作を停止させて焼損事故を未然に防止し、スイッチ
が閉、補助接点が開時になると通常動作に移行するもの
である。

〔実施例〕

以下、この考案の一実施例を図について説明する。図
中、第２図と同一の部分は同一の符号をもつて図示した
第１図において、10は電磁接触器４の接点例えばａ接
点、またはスイツチ３と同期して該スイッチの開閉とは
反対に閉開動作する補助接点、11は絶縁伝達素子例えば
ホトカプラ、12は絶縁伝達素子11の電流制限抵抗、13は
リセツト及び異常解除回路で、前記絶縁伝達素子11のオ
ン，オフ信号と不足電圧検出回路９との両信号の論理和
を形成する。

次に動作について説明する。インバータ装置は一般に３
相入力交流電源１が電磁接触器４の感動電圧以下になつ
ても、その制御電源が十分確保されるように回路構成し
ている場合が多く、この場合には不足電圧検出回路９の
検出レベルは、前記電磁接触器４の感動電圧よりも低い
ところに設定される。しかし前述した様に３相入力交流
電源１が何らかの原因で電磁接触器の感動電圧以下で供
給されると、抵抗５を通してインバータ装置が運転さ
れ、故障の原因となる。従って、この考案では３相入力
電源１の立上がり極めて異常に遅く、電磁接触器の感度
電圧以下によって該電磁接触器のａ接点がオフ、補助接
点10がオンの間は、絶縁伝達素子11、リセット及び異常
解除回路13を通して異常信号を出力するから、不足電圧
検出回路９の出力信号の有無にかかわらずインバータ回
路７をしゃ断状態にする。

その後入力電源電圧が上昇し、電磁接触器４の感動電圧
以上に復帰し、電磁接触器のａ接点がオン、補助接点10
がオフしたとき、平滑コンデンサ６の充電が十分であっ
て不足電圧検出回路からインバータ回路７をしゃ断する
出力信号が出力されていなければ、絶縁伝達素子11、リ
セット及び異常解除回路13を通してインバータ回路７の
しゃ断をリセットする。よつてインバータ回路７は正常
動作に戻つて運転される。しかし、電磁接触器４のａ接
点３が一旦、閉成してしまうと、該電磁接触器７の落下
電圧は該感動電圧に比べて十分低いため入力電源の瞬
停，瞬降に対してもａ接点３が異常動作しないことは言
うまでもない。

〔考案の効果〕

以上のようにこの考案によれば、インバータ装置の入力
電源電圧が電磁接触器の感動電圧以下あるいは平滑コン
デンサの充電が不十分であれば該インバータ装置が動作
しない様に、また電磁接触器が動作しかつ平滑コンデン
サの充電が十分になると、インバータ装置にリセットが
かかり、正常運転となるようにリセット及び異常解除回
路を構成したので、電源投入時における過大電流を抑制
して、電流抑制素子による発熱の悪影響を確実に防止す
ることができ、かつ、不足電圧検出レベルを有効に活用
し３相入力交流電源の変動，歪及び瞬降に強いインバー
タ装置が得られる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示すインバータ装置の回
路構成図、第２図は従来のインバータ装置の回路構成図
である。 図において、１は３相入力交流電源、２はコンバータ回
路、３はａ接点、４は電磁接触器、５は抵抗、６は平滑
コンデンサ、７はインバータ回路、８はモーター、９は
不足電圧検出回路、10は補助接点、11は絶縁伝達素子、
12は電流制限抵抗、13はリセツト及び異常解除回路であ
る。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】コンバータ回路からの直流出力を平滑する
   平滑コンデンサと、この平滑コンデンサからの直流出力
   を交流出力に変換するインバータ回路と、前記平滑コン
   デンサの充電レベルを検出して不十分な間は前記インバ
   ータ回路を動作させないように制御する信号を出力する
   不足電圧検出回路と、前記コンバータ回路の入力側に接
   続した電磁接触器と、前記コンバータ回路の出力側と前
   記平滑コンデンサとの間に接続した前記電磁接触器に連
   動して作動するスイッチおよび電流抑制素子の並列回路
   と、前記コンバータ回路の入力側に前記スイッチの開閉
   と反対に閉開動作する補助接点と直列に接続され該補助
   接点の開閉動作信号を無接続で伝達する絶縁伝達素子
   と、前記絶縁伝達素子の出力信号と前記不足電圧検出回
   路の出力信号との論理和を形成する論理和回路を有し、
   いずれかの出力信号によって前記インバータ回路の運転
   を停止し、いずれの出力信号も無くなると該インバータ
   回路をリセットして運転を開始させるリセットおよび異
   常解除回路とを備えたインバータの制御回路。