JPH10138332A - 二軸延伸ポリアミドフィルム及びその製造方法 - Google Patents

二軸延伸ポリアミドフィルム及びその製造方法

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JPH10138332A
JPH10138332A JP29613896A JP29613896A JPH10138332A JP H10138332 A JPH10138332 A JP H10138332A JP 29613896 A JP29613896 A JP 29613896A JP 29613896 A JP29613896 A JP 29613896A JP H10138332 A JPH10138332 A JP H10138332A
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film
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layered silicate
nylon
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Munehiro Miyake
宗博 三宅
Yoshihiro Umemura
吉弘 梅村
Atsuhiro Ishikawa
敦浩 石川
Tadashi Shudo
忠 首藤
Mioko Watanabe
美緒子 渡邉
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Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 層状珪酸塩が均一に分散された、透明性、剛
性、ガスバリヤー性などの性能に優れた二軸延伸ポリア
ミドフィルム及びこれを安定的に製造する方法を提供す
る。 【解決手段】 (1)ポリアミド90〜99.99 重量%と、
層状珪酸塩10〜 0.01 重量%とからなるポリアミド樹脂
組成物を主たる原料として用いた未延伸シートの水分率
を 1.3〜10重量%に調整した後、90℃以上、(ポリアミ
ドの融点−5)℃以下の温度で、面積倍率が 4.0倍以上
となるように縦及び横方向に二軸延伸することを特徴と
する二軸延伸ポリアミドフィルムの製造方法。 (2)上記(1)記載の製造方法により得られた、層状
珪酸塩が厚み6〜12Å、層状珪酸塩の層間距離が20Å以
上の状態でポリアミド中に均一に分散された二軸延伸ポ
リアミドフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、層状珪酸塩が均一
に分散された、透明性、剛性、ガスバリヤー性などに優
れた二軸延伸ポリアミドフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリアミドフィルムは、優れた力学的性
質、靭性、耐熱性、耐ピンホール性、耐油性、ガスバリ
ヤー性、透明性を有し、食品、医薬品、雑貨などの包装
用途に使用されている。上記の性能の中で、ガスバリヤ
ー性は、内容物の酸化を防ぐ上で重要な特性である。ポ
リアミドフィルムは、ガスバリヤー性、特に酸素バリヤ
ー性に優れており、ポリオレフィンなどの汎用フィルム
に比べて、包装材料としての利用価値が高い。しかしな
がら、ポリアミドフィルムは吸湿により、ガスバリヤー
性が著しく低下するため、この問題を改善する方法が望
まれている。ポリアミドフィルムの包装材料としての優
れた特性を保持しながらガスバリヤー性を高める方法と
しては、ポリ塩化ビニリデン樹脂(PVDC)をコーテ
ィングする方法や、アルミニウムや二酸化珪素などの無
機物を蒸着する方法、あるいは、エチレン−ビニルアル
コール共重合体や、メタキシリレンジアミンとアジピン
酸とからのポリアミド(MXD6ナイロン)などのガス
バリヤー性に優れる他の樹脂組成物と複層化する方法な
どが知られている。しかしながら、PVDCをコーティ
ングする方法では、別にコーティングラインが必要とな
り製造工程が複雑化し、またポリアミド樹脂のリサイク
ル使用が困難である。また、無機物を蒸着する方法で
は、蒸着工程の速度が遅いことや、得られるフィルムの
靭性の低下、リサイクルが困難であるといった問題があ
る。さらに、複層化による方法では、押出層構成の増加
による押出成形工程の複雑化、リサイクル性にそれぞれ
問題がある。
【0003】近年、ポリアミドフィルムの剛性やガスバ
リヤー性を向上させる方法として、層状珪酸塩を均一に
分散させたポリアミドを原料として用いる方法が提案さ
れている。たとえば、ポリアミドとモンモリロナイトな
どの層状珪酸塩とからなるフィルムが提案されている
(特開平2−105856号公報)。
【0004】また、特開平3−262633号公報には、上記
の特開平2−105856号公報に提案された方法では、延伸
時にフィルムの透明性が低下し、包装材料としての用途
展開に不都合が生じるとの理由から、層状珪酸塩が均一
に分散されたポリアミド未延伸フィルムを、水分率を
1.2重量%以下で延伸する方法が提案されている。さら
に、延伸時の透明性の低下を改善する方法として、層状
珪酸塩が均一に分散されたポリアミド樹脂組成物に、ヒ
ンダードフェノール系化合物を添加する方法(特開平4
−80259 号公報)、シランカップリング剤及び/又はチ
タネートカップリング剤を添加する方法(特開平4−11
0347号公報)、ヒンダードフェノール系化合物、及びシ
ランカップリング剤及び/又はチタネートカップリング
剤を添加する方法(特開平4−178459号公報)などが、
それぞれ提案されているが、透明性低下の改善効果は十
分ではなかった。
【0005】また、上記の各公報におけるフィルムの延
伸倍率は、いずれの実施例においても縦及び横方向共に
各2倍の例しか記載されていないが、包装材料としての
ポリアミドフィルムの優れた特性を発揮させるために
は、一般にこれよりも大きい 2.5〜4.0 倍の延伸倍率で
延伸することが必要である。一般に、延伸時の透明性の
低下は、延伸倍率の増加とともに顕著となり、工業的に
用いられるような高倍率の延伸条件を用いた場合には、
上記の公報に提案されたいずれの方法を用いても、十分
に透明性の高い延伸ポリアミドフィルムを得ることは困
難であった。
【0006】さらに、層状珪酸塩が均一に分散されたポ
リアミド樹脂組成物を原料として用いて延伸フィルムを
製造する場合、フィルムの切断トラブルが発生しやす
く、特に、ガスバリヤー性を改善するために層状珪酸塩
の添加量を多くした場合には切断が多発し、改良が望ま
れていた。
【0007】本発明者らは先に、ポリアミドに膨潤性フ
ッ素雲母系鉱物を配合した樹脂組成物を原料として用い
た、剛性、ガスバリヤー性、耐レトルト性、寸法安定性
などの性能に優れた二軸延伸ポリアミドフィルム及びそ
の製造方法を提案したが(特開平8−120099号公報)、
得られたフィルムの透明性は十分ではなく、なお一層の
改良が望まれていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点を解決しようとするものであり、層状珪酸塩が均一に
分散された、透明性、剛性、ガスバリヤー性等に優れた
二軸延伸ポリアミドフィルム及びこれを安定的に製造す
る方法を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、層状珪酸塩を配合
したポリアミド樹脂組成物を、特定の条件で延伸するこ
とにより、透明性、剛性、ガスバリヤー性などに優れた
二軸延伸ポリアミドフィルムを安定的に製造することが
できることを見出し本発明に到達した。
【0010】すなわち、本発明の要旨は、次の通りであ
る。 (1)ポリアミド90〜99.99 重量%と、層状珪酸塩10〜
0.01 重量%とからなるポリアミド樹脂組成物を主たる
原料として用いた未延伸シートの水分率を 1.3〜10重量
%に調整した後、90℃以上、(ポリアミドの融点−5)
℃以下の温度で、面積倍率が 4.0倍以上となるように縦
及び横方向に二軸延伸することを特徴とする二軸延伸ポ
リアミドフィルムの製造方法。 (2)上記(1)記載の製造方法により得られた、層状
珪酸塩が厚み6〜12Å、層状珪酸塩の層間距離が20Å以
上の状態でポリアミド中に均一に分散された二軸延伸ポ
リアミドフィルム。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明におけるポリアミドの好ま
しいものとしては、ナイロン6、ナイロン46、ナイロン
66、ナイロン69、ナイロン610 、ナイロン612 、ナイロ
ン116 、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6I、ナイ
ロン 6/66、ナイロン6T/6I、ナイロン66/6T、
ポリビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンドデカミ
ド(ナイロンPACM12)、ポリビス(3−メチル−4
−アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド(ナイロン
ジメチルPACM12)、ポリメタキシリレンアジパミド
(ナイロンMXD6)、ポリウンデカメチレンテレフタ
ルアミド(ナイロン11T)、ポリウンデカメチレンヘキ
サヒドロテレフタルアミド(ナイロン11T(H))など
が挙げられ、2種以上併用してもよいし、これらの共重
合体であってもよい。なお、Iはイソフタル酸成分、T
はテレフタル酸成分を表す。これらのうち、特に好まし
いものは、ナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、ナイ
ロン11、ナイロン12、ナイロン610 及びこれらの共重合
ポリアミド、混合ポリアミドであり、最も好ましいもの
はナイロン6である。
【0012】ポリアミドの相対粘度は特に制限されない
が、溶媒として98%硫酸を用い、温度25℃、濃度1g/dl
の条件で求めた相対粘度が 1.5〜5.0 の範囲のものが好
ましい。相対粘度が 1.5未満のものでは、フィルムの機
械的性能が低下し、5.0 を超えると製膜性が低下するの
で好ましくない。
【0013】本発明において用いられる層状珪酸塩は、
層の厚みが6〜12Å、層の一辺の長さが平均 0.001〜10
μm の結晶単位からなるものが好ましい。
【0014】本発明において用いられる層状珪酸塩とし
ては、モンモリロナイト、サポナイト、パイデライト、
ノントロライト、ヘクトライト、スティブンサイトなど
のスメクタイト系粘土鉱物や、バーミキュライト粘土鉱
物、ハロイサイト粘土鉱物などが挙げられる。これらの
層状珪酸塩は天然のものであっても合成されたものでも
よい。これらの中で、得られる二軸延伸ポリアミドフィ
ルムの透明性、剛性、ガスバリヤー性などの性能におい
て、モンモリロナイトが特に好ましい。
【0015】層状珪酸塩の配合量は、ポリアミド90〜9
9.99 重量%、層状珪酸塩10〜 0.01重量%となる量とす
る。層状珪酸塩の配合量が0.01重量%未満では本発明の
効果が小さく、10重量%を超える場合には、樹脂組成物
が増粘して押出加工が困難となったり、得られるフィル
ムの靭性が低下するので好ましくない。
【0016】本発明におけるポリアミド樹脂組成物を用
いて得られた二軸延伸ポリアミドフィルム中の層状珪酸
塩は、層の重なりの平均が5層以下の多層物の50重量%
以上、通常70重量%以上が局所的な集塊を形成すること
なく、層状珪酸塩の層間距離がポリアミドマトリックス
中で20Å以上の距離を保って均一に分散している。層状
珪酸塩の均一な分散を促進するために、たとえば、特開
昭62−74957 号公報に提案されているように、層状珪酸
塩を膨潤化剤と接触させ、予め層間を広げて層間にモノ
マー分子を取り込みやすくして後、ポリアミドモノマー
と混合し、重合する方法を用いることもできる。
【0017】本発明におけるポリアミド樹脂組成物に
は、その特性を大きく損なわない限りにおいて顔料、熱
安定剤、酸化防止剤、耐候剤、難燃剤、可塑剤、離型剤
や他の強化材などを添加することも可能である。このよ
うな熱安定剤や酸化防止剤としては、ヒンダードフェノ
ール類、リン化合物、ヒンダードアミン類、イオウ化合
物、銅化合物、アルカリ金属のハロゲン化物を挙げるこ
とができる。これらの熱安定剤、酸化防止剤、耐候剤な
どの添加剤は、一般に溶融混練時あるいは重合時に加え
られる。
【0018】本発明のフィルムを製造する方法として
は、Tダイ法、インフレーション法など公知の方法を用
いることができる。
【0019】たとえば、Tダイ法では、層状珪酸塩が均
一に分散されたポリアミド樹脂組成物を押出機中で溶融
し、Tダイよりシート状に押し出し、冷却ドラム上にキ
ャスティングして未延伸シートを得る。冷却固化の際に
は、溶融したシートをエアノズル法、エアナイフ法や、
静電気的に冷却ロール上に密着させる方法などを用いる
ことができる。
【0020】このようにして得られた未延伸シートを温
水槽に浸漬し、水分率 1.3〜10重量%、好ましくは2〜
7重量%となるように調整した後、90℃以上、(ポリア
ミドの融点−5)℃以下、好ましくは 120以上、(ポリ
アミドの融点−10)℃以下の温度で、縦方向(MD)及
び横方向(TD)にそれぞれ2倍以上の延伸倍率で延伸
し、続いて、100 ℃以上、ポリアミドの融点以下の温度
で熱処理する。未延伸シートの水分率が 1.3重量%未満
及び10重量%を超える場合には、延伸工程における不均
一延伸(ネック延伸)や切断が発生しやすく好ましくな
い。
【0021】延伸倍率が2倍より小さいと、得られるフ
ィルムの強度が低く、延伸温度が90℃より低い場合は、
延伸の際にフィルムの透明性が損なわれたり切断トラブ
ルが発生し、延伸温度が(ポリアミドの融点−5)℃を
超える場合はフィルムが部分的に融解して、フィルムの
白化や溶断トラブルが起こるため好ましくない。
【0022】水分率の調整法としては、たとえば、製造
ラインに複数のロールを配置した水槽を設置し、この水
槽に未延伸シートをロールに沿って通過させて連続的に
吸水処理する方法が好ましい。
【0023】延伸方法としては、テンター式同時二軸延
伸法、ロールとテンターによる逐次二軸延伸法のいずれ
を用いることもできる。
【0024】また、得られたフイルムの表面には、必要
に応じてコロナ放電処理、表面硬化処理、メッキ処理、
清浄処理、着色処理、塗装仕上げ処理やコーティングな
どの物理化学的表面処理を付加してもよい。
【0025】本発明のポリアミドフィルムは、目的に応
じて他の高分子フィルムと積層することができる。他の
高分子フィルムとしては、低密度ポリエチレンフィル
ム、高密度ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィ
ルム、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム、
アイオノマー樹脂フィルム、ポリエステルフィルム、他
のポリアミドフィルムなどが挙げられる
【0026】
【作用】層状珪酸塩を含有するポリアミド樹脂組成物を
原料として用いた未延伸シートを延伸した際にフィルム
の透明性が低下する原因については明らかではないが、
フィルムの延伸時に、層状珪酸塩の局所的な集塊とポリ
アミドマトリックスの界面に大きな応力が集中して界面
剥離が起こり、集塊の周囲にボイドが形成されることに
よるものと推察される。本発明においては、層状珪酸塩
が均一に分散した原料を用い、未延伸シートの水分率を
1.3〜10重量%に調整した後に延伸することにより、層
状珪酸塩の集塊が存在していても界面での応力集中が起
こりにくいため、界面剥離によるボイドの形成が防止さ
れ、透明性に優れた延伸ポリアミドフィルムが得られる
ものと考えられる。
【0027】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。なお、実施例及び比較例の評価に用いた原料
及び測定法は次の通りである。
【0028】1.原料 平均粒子径が1μm のモンモリロナイト 100g に対し、
濃度1Nの12−アミノドデカン酸塩化物水溶液10リット
ルを混合し撹拌した。次に、これを濾過水洗した後、乾
燥し、モンモリロナイトと12−アミノドデカン酸アンモ
ニウムイオンとの複合体を得た。撹拌機を備えた密閉反
応容器内に、ε−カプロラクタム10kg、水1kg、及び樹
脂組成物中のモンモリロナイト含有量が表1に示した量
となるように、所定量の前記複合体を混合し、80℃で反
応系が均一な状態になるまで撹拌した。次に、反応系を
260℃まで加熱し、反応容器内の圧力が15kg/cm2の状態
で、約1時間撹拌を行った。圧力を常圧に戻し、260 ℃
で約1時間撹拌を行い、さらに窒素気流下で反応系内の
水を除去しながら約1時間撹拌した。反応終了後、溶融
状態の反応物を水浴中にストランド状に払い出し、ペレ
タイザーによりカッティングし、モンモリロナイトが均
一に分散したポリアミド樹脂組成物のペレットを得た。
このペレットを、95℃の温水中で約6時間処理し、可溶
成分を抽出した後、温度80℃、減圧下で乾燥した。上記
の方法により、モンモリロナイト含有量及び相対粘度の
異なるナイロン6樹脂組成物を得た。樹脂組成物中のモ
ンモリロナイト含有量は灰分測定より、また、相対粘度
は98%硫酸中、温度25℃、濃度1g/dlの条件で測定し
た。なお、得られた樹脂組成物ペレットのX線回折を測
定したところ、いずれのペレットについても、モンモリ
ロナイトの層間距離が20Å以下の存在を示すピークは検
出されなかった。
【0029】2.測定法 (1)引張弾性率 フィルムの長手方向について、島津製作所社製オートグ
ラフDSS-500 型を使用し、ASTM D-882に準じて測定し
た。 (2)酸素透過度 モダンコントロール社製 MOCON OX-TRAN 100Aを使用
し、ASTM D-1434 に準じて20℃、0%RHの条件で測定
した。 (3)ヘイズ 東京電色社製ヘイズメーターを使用して、ASTM D-1003
に準じて測定した。 (4)延伸工程での安定性 3時間の連続製膜において、延伸工程における切断トラ
ブルによる作業中断が5回発生するまでの時間tを記録
し、延伸工程での安定性を評価した。
【0030】実施例1〜10 表1〜2に示したモンモリロナイトを含有したナイロン
6樹脂組成物を、内径65mmのTダイを装備した単軸押出
機を用い、シリンダー温度 260〜270 ℃で溶融押出した
後、冷却ロール上にキャスティングして幅 250mmの未延
伸シートを得た。未延伸シートの厚みは、最終的に得ら
れる延伸フィルムの厚みが15μm となるように、冷却ロ
ールの回転速度により調節した。得られた未延伸シート
を、複数のロールを配置した恒温水槽中に導き、表1〜
2に示した水分率となるように吸水させた。水分率は、
水槽の温度及び水槽中における未延伸シートの浸漬時間
により調節した。次に、吸水処理を施した未延伸シート
をテンター式同時二軸延伸機に導き、表1〜2に示した
延伸温度及び延伸倍率で縦横同時に延伸した後、200 ℃
で2秒間熱処理を行った。得られた二軸延伸ポリアミド
フィルムの物性を表1〜2に示した。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】比較例1〜6 表3〜4に示したモンモリロナイトを含有したナイロン
6樹脂組成物を用いて、表3〜4に示した水分率及び延
伸条件とした以外は、実施例1と同様の方法により二軸
延伸ポリアミドフィルムを製造した。得られた二軸延伸
ポリアミドフィルムの物性を表3〜4に示した。なお、
比較例6では、延伸時にネッキングして均一な延伸フィ
ルムを得ることができなかった。
【0034】比較例7 ナイロン6樹脂組成物として、平均粒径 1.8μm のシリ
カを 800ppm 含有したナイロン6(相対粘度 3.1)を用
いた以外は、実施例1と同様にして二軸延伸ポリアミド
フィルムを製造した。得られた二軸延伸ポリアミドフィ
ルムの物性を表4に示した。
【0035】比較例8 未延伸シートの水分率を 0.8重量%とし、延伸温度を80
℃とした以外は、比較例7と同様にして二軸延伸ポリア
ミドフィルムを製造した。得られた二軸延伸ポリアミド
フィルムの物性を表4に示した。
【0036】
【表3】
【0037】
【表4】
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、層状珪酸塩が均一に分
散された、透明性、剛性、ガスバリヤー性などの性能に
優れた二軸延伸ポリアミドフィルムが提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29L 7:00 (72)発明者 首藤 忠 京都府宇治市宇治小桜23 ユニチカ株式会 社中央研究所内 (72)発明者 渡邉 美緒子 京都府宇治市宇治小桜23 ユニチカ株式会 社中央研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアミド90〜99.99 重量%と、層状珪
    酸塩10〜 0.01 重量%とからなるポリアミド樹脂組成物
    を主たる原料として用いた未延伸シートの水分率を 1.3
    〜10重量%に調整した後、90℃以上、(ポリアミドの融
    点−5)℃以下の温度で、面積倍率が 4.0倍以上となる
    ように縦及び横方向に二軸延伸することを特徴とする二
    軸延伸ポリアミドフィルムの製造方法。
  2. 【請求項2】 層状珪酸塩がモンモリロナイトである請
    求項1記載の二軸延伸ポリアミドフィルムの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の製造方法により得
    られた、層状珪酸塩が厚み6〜12Å、層状珪酸塩の層間
    距離が20Å以上の状態でポリアミド中に均一に分散され
    た二軸延伸ポリアミドフィルム。
  4. 【請求項4】 フィルムのヘイズが 4.2以下である請求
    項3記載の二軸延伸ポリアミドフィルム。
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