JPH10137479A - 工業用ミシン - Google Patents

工業用ミシン

Info

Publication number
JPH10137479A
JPH10137479A JP30316396A JP30316396A JPH10137479A JP H10137479 A JPH10137479 A JP H10137479A JP 30316396 A JP30316396 A JP 30316396A JP 30316396 A JP30316396 A JP 30316396A JP H10137479 A JPH10137479 A JP H10137479A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil
sewing machine
gear
grease
shaft
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP30316396A
Other languages
English (en)
Inventor
Minoru Wada
稔 和田
Ichiro Suzuki
一郎 鈴木
Masaru Niihori
勝 新堀
Masanori Yamagishi
正則 山岸
Shigeru Tamazawa
茂 玉沢
Koji Kikutani
浩二 菊谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Juki Corp
Original Assignee
Juki Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Juki Corp filed Critical Juki Corp
Priority to JP30316396A priority Critical patent/JPH10137479A/ja
Publication of JPH10137479A publication Critical patent/JPH10137479A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Sewing Machines And Sewing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 各摺動部における潤滑を安定的に行なうこと
ができ、しかも油漏れの生じるおそれのない工業用ミシ
ンを提供すること。 【解決手段】 ミシン本体2の面部2Aとギア部2Cを
遮断する遮断部材31を設け、面部2A側にグリースG
を収容するグリース収容部35を形成し、このグリース
収容部35内に収容したグリースGにより面部2C内の
機構部品のうち少なくとも1つの摺動部を潤滑するとと
もに、ギア部2C内のうち少なくとも1つの摺動部を油
Oにより潤滑するように構成し、ミシン本体2の面部2
Aを油Oにより潤滑するギア部2Cから遮断して、ギア
部2Cの油Oの面部2Aへの浸入を防止することができ
るようにしたもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は工業用ミシンに係
り、特に、高速回転される工業用ミシンに適用されるの
に好適な工業用ミシンの潤滑構造の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、工業用ミシンの針棒、天秤、送
り装置、釜などは、モータにより駆動される上軸、下軸
と継続的に同期して高速で駆動され、しかもその駆動な
らびに停止が頻繁に行なわれ、その加速および減速が急
激な間欠駆動をするため、各々多数の高速摺動部に対し
て多量の油によって潤滑させる必要があり、グリースを
用いたのでは油量が不足して摺動部が焼き付けを起こす
ことから使用していなかった。このため、昔からこれら
工業用ミシンの多数の高速摺動部に通じる各々の油路を
集中させて一台のオイルポンプでオイルパンの油を強制
的に給油し循環させたり、オイル溜まりから油芯を使っ
て給油していた。
【0003】図4は、従来の工業用ミシンの潤滑方式を
示すものであるが、まず、このような工業用ミシンの一
般的構造から説明する。
【0004】図4において、基板1上に支持されている
ミシン本体2の上部内には、水平方向に延在する上軸3
が配設されており、この上軸3は、前記ミシン本体2内
に突設された軸受保持体4A,4B,4Cにそれぞれ保
持されている軸受である上軸前メタル5A、上軸中メタ
ル5Bおよび上軸後メタル5Cに回転自在に支持されて
いる。この上軸3の基端部3aは、前記ミシン本体2の
外側に延出されており、この上軸3の基端部3aには、
図示しないモータの回転をベルトを介して伝達されるプ
ーリ6が嵌着されている。したがって、前記上軸3は、
前記図示しないモータの駆動により高速回転されること
になる。
【0005】前記上軸前メタル5Aの軸受保持体4Aに
は、前記上軸3と平行に延在する天秤支え軸7が支持さ
れており、この天秤支え軸7には天秤8の上端部が揺動
自在に支持されている。一方、前記上軸3の先端には、
釣合錘9が上軸3と一体に回転するように支持されてい
る。さらに、この釣合錘9には、前記天秤8の先端部お
よび針棒クランク10が前記上軸3から偏心するように
枢支されており、前記針棒クランク10には針棒クラン
クロッド11が枢支されている。
【0006】前記針棒クランクロッド11の下端部に
は、鉛直方向に延在しこの針棒クランクロッド11に従
動する針棒12が連結されており、この針棒12は、前
記ミシン本体2にそれぞれ保持されている軸受である針
棒上メタル13Aおよび針棒下メタル13Bとにより鉛
直方向に往復動自在に支持されている。
【0007】前記天秤、釣合錘9、針棒12などは前記
ミシン本体2内の面部2Aに位置している。また、前記
針棒12の下部は、前記面部2Aの下端の顎部2Bから
下方に延出されており、この針棒12の下端には、前記
基板1に設けられている針板(図示せず)に臨む針14
が支持されている。
【0008】前記上軸3の基端部には、上軸ギアをなす
傘歯車16Aが嵌着されている。一方、前記基板2の下
方には、前記上軸3と平行に延在する下軸17が、前記
基板2にそれぞれ保持されている軸受である下軸前メタ
ル18Aおよび下軸後メタル18Bに回転自在に支持さ
れている。また、前記下軸17の基端側は、前記上軸3
より短かく終わっており、この下軸17の基端部17a
には、下軸ギアをなす傘歯車19Bが嵌着されている。
【0009】前記上軸3の基端部の下方近傍には、下端
部が前記下軸17より下方に到達するように鉛直方向に
延在する伝達軸20がそれぞれ前記ミシン本体2にそれ
ぞれ保持されている軸受である伝達軸上メタル21Aお
よび伝達軸下メタル21Bに回転自在に支持されてい
る。この伝達軸20の上端部には、前記上軸3の傘歯車
16Aに噛合しており上軸ギアをなす傘歯車16Bが嵌
着されており、また、伝達軸20の下端部には、前記下
軸17の傘歯車19Bに噛合している下軸ギアをなす傘
歯車19Aが嵌着されている。したがって、前記上軸3
の回転が伝達軸20を介して下軸17に伝達されること
になる。
【0010】前記下軸17の先端部には釜22が支持さ
れており、この釜22に収納されている下糸と前記針1
4に支持されている上糸とが針棒12の昇降や天秤7な
どの作用により結合されるようになっている。
【0011】このような構成の工業用ミシンの各摺動部
を潤滑するため、前記基板1の下方にはオイルパン25
が形成されており、このオイルパン25内には潤滑用の
油Oが貯留されている。また、前記オイルパン25内に
は、オイルポンプ26が配設されている。このオイルポ
ンプ26には前記伝達軸20の下端部が臨んでおり、こ
の伝達軸20の回転によりオイルポンプ26が駆動され
るようになっている。
【0012】前記オイルポンプ26には、このポンプ2
6が汲み上げた油Oを上軸中メタル5B、下軸前メタル
18Aなどに供給する供給パイプ27,27が配設され
ている。
【0013】このような従来の工業用ミシンの構成によ
れば、上軸3の回転に伴う伝達軸20の回転によりオイ
ルポンプ26が駆動され、オイルパン25内の油Oは、
各供給パイプ27を介して上軸中メタル5B、下軸前メ
タル18Aなどに供給されるとともに、上軸3や下軸1
7の回転に伴い周囲に飛散し、傘歯車16A,16B;
19A,19Bや天秤7、針棒12、釜22など各摺動
部の潤滑を行なう。ここにおいて、天秤7や針棒12な
ど面部2Aに配設されているものへの給油は、上軸3、
ミシン本体2の軸受保持体4A、上軸前メタル5Aなど
に形成されている給油孔29を介して行なわれるので、
微量の油Oにより面部2A内の潤滑が行なわれることに
なる。なお、ミシン本体2の面部2Aの顎部2Bには油
Oが貯留されるため、この油Oをオイルパン26に還流
するための還流パイプ28が配設されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前述した従
来の工業用ミシンにおいては、面圧力の高い状態で噛合
している傘歯車16A,16B;19A,19Bや、プ
ーリ6に巻回されているベルト(図示せず)などからの
高い偏心荷重を受ける上軸後メタル5Cなどからは多く
の摩耗粉が削出されるが、これらの摩耗粉は、飛散して
いる油Oに混入して、ミシン本体2の外側や、ミシン本
体2内における飛散した油Oの下流側となる天秤8、針
棒12、釜22、図示しない押さえなどに到達すること
になる。ところが、これらの部位は、ミシン本体2の端
部にあり、また、その機能のため特に天秤、針棒、押さ
えなどは外部に露出せざるを得ない構造となっているう
え、さらには、微量給油のための面部内に油をリンク機
構で弾き飛ばして霧状にしているので、前記露出部から
油漏れが生じて油量が減少する。特に面部内の顎部に油
が溜まり、前記露出部から針棒、押さえから油漏れが生
じると、顎部から落下して縫製物を汚すことになる。ま
た、ミシン下方部の釜や送り機構の給油も、油量調整を
誤ると、釜周辺の糸や、送り歯と接触する縫製物を油で
汚したり、油が漏洩することになる。
【0015】面部2Aや釜22などへの給油量を微量に
するため、前記給油孔29を介して給油を行なうばかり
でなく、給油量の調節装置を設けたり、あるいは,給油
孔29内にフェルト製の給油量制限部材を設けたりして
いるが、これらの給油量調節装置や給油量制限部材に摩
耗粉が付着すると、それぞれの機能を劣化させ、微量給
油の安定性が損なわれるおそれがあり、場合によって
は、部品の焼付きの生じるおそれがある。
【0016】さらに、上軸ギアや下軸ギアを構成する上
軸後メタル5Cや各傘歯車16A,16B;19A,1
9Bには高負荷が作用するため発熱しやすい。このた
め、高速、高稼動で工業用ミシンを駆動せざるを得ない
縫製方法においては、油O自体が熱を受けてしまい、油
Oの粘性が低下してしまう。すると、油Oが流れやすく
なってしまい、微量給油している面部2Aなどに必要以
上に油Oが供給されてしまい、さらに油漏れが生じやす
くなってしまう。
【0017】このため、前述した給油量調節装置として
は高精度のものを設ける必要があり、工業用ミシンのコ
ストアップにつながっていた。
【0018】さらにまた、外部への油漏れの結果、油O
の全量が減少すると、傘歯車16A,16B;19A,
19Bや上軸後メタル5Cなどからはさらに多くの摩耗
粉が削出されるし、また、油自体の発熱も大きくなり、
このため、ミシン内の各部における油Oの安定供給が崩
れてしまうおそれがあった。そこで、傘歯車16A,1
6B;19A,19Bや上軸後メタル5Cなどにおける
冷却性を改善する必要のため、低粘度の油Oを使用せざ
るを得ず、面部2Aからの油漏れを助長するような低粘
度の油Oを使用しなければならない場合もあった。
【0019】また、油芯を使ってオイル溜まりから給油
するものは、24時間ミシンを使用、不使用にかかわら
ずに給油し続けるために、油が面部からあふれて縫製物
上に落下して汚したり、油消費量の管理が煩わしいなど
の問題があった。
【0020】本発明は、このような点に鑑み、工業用ミ
シンの各摺動部における潤滑を安定的に行なうことがで
き、しかも油漏れの生じるおそれのない工業用ミシンを
提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】ところで、工業用ミシン
の大量生産草創期に使われた低回転数・低加工精度の切
削用工作機械で製造した工業用ミシンであって、特に最
高縫速度が概ね毎分1000針を超える工業用ミシンに
おいて必須とされた潤滑方式が現在まで安全確保のため
に踏襲されてきた。しかしながら、近年、前記工作機械
の性能が向上し、ミシンの各種構成部材の加工精度が飛
躍的に向上したことに伴って前記上軸と同期して高速で
摺動する摺動部の接触抵抗が均一になり摩擦抵抗が非常
に低減したことにより、前記摺動部からの発熱が非常に
少なくなった。したがって、油の劣化も極めて少なくな
り、油量を従来より極端に少なくしても焼付きを起こさ
ないことを発見した。多くの実験の結果、少ない油量を
安定的に供給する方式を試行錯誤した結果、前記工業用
ミシンにおいて初めて前記高速摺動部の潤滑にグリース
が適していることを発見した。
【0022】すなわち、グリースを用いて摺動部の潤滑
を行なうことにより、約2000時間の耐久性を確認し
た。1日の稼働率を10%として約10年間のグリース
補充不用による無給油使用が可能となった。また、上軸
ギアや下軸ギアの給油は、発熱、騒音、油切れのしやす
さなどが高速摺動部よりも大との理由により、グリース
よりも油を使用した方が有利である。この部分を密閉状
にして、例えば天秤のような露出部をなくし、内部に油
を封入して油の漏洩を防止し、前記ギアを油に浸けた
り、上軸・下軸・ギア等と連動するように配置した油引
掛け部材で油をギアなどに掛けるなどして給油したり、
オイルポンプまたは油芯を利用して給油することによ
り、数年〜10年間油量管理することなく使用すること
ができる。
【0023】本発明はグリースと油の利点を組み合わせ
たもので、これにより、高速摺動部に給油する従来のオ
イルポンプ、オイルパン、摺動部への上部、下部配管設
備、顎部からの還流装置などからなる高速摺動部に対す
る給油系装置を廃止することにより工業用ミシンのコス
トを低減し油切れによる工業用ミシンの焼付き事故を根
本的に解決することができ、さらに縫製品の油汚れトラ
ブルも根本的に解消することができ、故障の少ない信頼
性の高い工業用ミシンを製造することができ、また、作
業者のメンテナンスを不要にし誰にでも使える工業用ミ
シンを提供することが可能になった。
【0024】そこで、請求項1に記載の本発明の工業用
ミシンの特徴は、ミシン本体の面部とギア部を遮断する
遮断部材を設け、面部側に油と増ちょう剤からなるグリ
ースを収容するグリース収容部を形成し、このグリース
収容部内に収容したグリースにより面部内の機構部品の
うち少なくとも1つの摺動部を潤滑するとともに、ギア
部内のうち少なくとも1つの摺動部を油により潤滑する
ように構成した点にある。そして、このような構成を採
用したことにより、ミシン本体の面部を油により潤滑す
るギア部から遮断することができ、ギア部の油の面部へ
の浸入を防止することができる。したがって、面部から
の油の漏洩が生じることがなく、縫製物を油により汚す
おそれがないし、また、増ちょう剤から出てくる油量を
適宜にした摺動部の潤滑に好適なグリースにより面部の
摺動部を長期間潤滑することができる。
【0025】請求項2に記載の工業用ミシンの特徴は、
送り歯および釜などを駆動する機構部品が配設されてい
るミシン下方部とギア部を遮断する遮断部材を設け、ミ
シン下方部内にグリースを収容するグリース収容部を形
成し、このグリース収容部内に収容したグリースにより
ミシン下方部の機構部品のうちの少なくとも1つの摺動
部を潤滑するとともに、ギア部内のうちの少なくとの1
つの摺動部を油により潤滑するように構成した点にあ
る。そして、このような構成を採用したことにより、ミ
シン本体のミシン下方部を油により潤滑するギア部から
遮断することができ、ギア部の油のミシン下方部への浸
入を防止することができる。したがって、ミシン下方部
からの油の漏洩が生じることがなく、縫製物を油により
汚すおそれがないし、また、増ちょう剤から出てくる油
量を適宜にした摺動部の潤滑に好適なグリースによりミ
シン下方部の摺動部を長期間潤滑することができる。
【0026】請求項3に記載の工業用ミシンの特徴は、
遮断部材によりギア部を面部またはミシン下方部および
外界に対して密閉状に形成し、この遮断部材内にギア部
に供給する油を封入した点にある。遮断部材はミシンフ
レームの内壁と遮断板との組合せにより構成したり、ま
たは、ギア部を収納する箱体状に構成してもよく、要は
面部またはミシン下方部およびミシン外界に対して油が
漏れないように密閉構造であればよい。また、油を封入
するには遮断部材の一部をオイルタンクとして一体的に
構成したもの、あるいはギア部を収納する密閉体と別体
にオイルタンクを設けて油管で接続することにより油を
密閉状態で保持し、ギア部に油を供給できるようにした
ものを含む。そして、このような構成を採用したことに
より、ギア部内の油の外部への漏出を防止して、油の補
充をしなくともギア部内のギアや軸受などの摺動部を長
期間潤滑することができる。
【0027】請求項4に記載の工業用ミシンの特徴は、
油を汲み上げギア部に供給するためのオイルポンプを配
設した点にある。そして、このような構成を採用したこ
とにより、上軸または下軸にオイルポンプに連動させる
などにより油を汲み上げて各摺動部の潤滑に供すること
ができる。
【0028】請求項5に記載の工業用ミシンの特徴は、
油を吸い上げギア部に供給するための油芯を配設した点
にある。そして、このような構成を採用したことによ
り、油芯の毛細管現象により油を吸い上げて各摺動部の
潤滑に供することができる。
【0029】請求項6に記載の工業用ミシンの特徴は、
摺動部を構成する1対の摺動面のうち少なくとも一方の
摺動面に、エンジニアリングプラスチック、銅あるいは
アルミ系金属材料、ダイヤモンド・ライク・カーボン、
TiC,TiN,Ni−P,Crメッキ、セラミックス
のいずれかの部材を使用した点にある。そして、このよ
うな構成を採用したことにより、グリースにより潤滑さ
れる各摺動部における油膜強度不足を補って良好な潤滑
を行なうことができる。
【0030】
【発明の実施の形態】図1は、本発明による工業用ミシ
ンの実施の形態を示すものである。なお、前述した従来
のものと同様ないし相当する構成には、図面中に同一の
符号を付し、その説明は省略する。
【0031】図1において、ミシン本体2内に突設され
た軸受保持体4A,4B,4Cにそれぞれ保持されて上
軸3を支持する軸受である上軸前メタル5A、上軸中メ
タル5Bおよび上軸後メタル5Cのうち、上軸前メタル
5Aと上軸中メタル5Bとの間の前記ミシン本体2内に
は、このミシン本体2と一体に形成され鉛直方向に延在
する遮断部材である遮断板31が張設されている。この
遮断板31は、前記上軸中メタル5Bの近傍に配設され
ており、この遮断板31を境界として針棒、天秤が位置
する側のミシン本体2内の面部2Aとギア部2Cとに分
割されている。また、前記遮断板31には前記上軸3が
挿通されているが、遮断板31と上軸3との間隙を介し
て前記ギア部2C内の油が前記面部2A内に浸入するの
を防止するため上軸3が挿通される前記遮断板31の貫
通孔の内周面(図示せず)には、上軸3を支持する軸受
としての機能を果たすとともに油のシールを行なうシー
ル部材(図示せず)が介装されている。
【0032】前記遮断板31により面部2Aと遮断され
ている前記ギア部2Cは、伝達軸20の全体ならびにこ
の伝達軸20を介して前記上軸3の駆動を伝達される下
軸17の基端部が収納されるように下方に延在してお
り、このギア部2Cの下部には、ギア部2C下方を外界
に対してミシン本体のフレーム(遮断部材)とともに密
封する遮断部材の一部として潤滑用の油を貯留するオイ
ルタンク25が形成されている。そして、下軸17の先
端に突設されている釜22や図示しない送り歯などを含
むミシン下方部32に対向する側の前記オイルタンク2
5の遮断部材としての側壁25Aは、前記下軸17を支
持する軸受である下軸前メタル18Aと下軸後メタル1
8Bのうち下軸後メタル18Bのみを内蔵するようにし
てこの下軸後メタル18Bの近傍において上端を基板1
に支持されている。この側壁25Aは、前記オイルタン
ク25を含むギア部2Cと前記ミシン下方部32とを遮
断する遮断部材として機能するものである。また、前記
側壁25Aには前記下軸17が挿通されているので、側
壁25Aと下軸17との間隙を介して前記ギア部2C内
の油が前記ミシン下方部32内に浸入するのを防止する
ため下軸17が挿通される前記側壁25Aの貫通孔の内
周面(図示せず)には、下軸17を支持する軸受として
の機能を果たすとともに油のシールを行なうシール部材
(図示せず)が介装されている。なお、前記ミシン下方
部32の外周はケーシング33により囲繞されている。
【0033】前記ギア部2Cの上部に位置している前記
上軸3は、ミシン本体2の外部に位置するプーリ6の回
転により回転駆動されるものであるため、上軸3の基端
部は、ギア部2Cからミシン本体2の側壁2Dを介して
ミシン本体2の外部に露出しているが、この側壁2Dに
形成されている上軸3が挿通される貫通孔(図示せず)
を介してギア部2C内の油が外部に漏出するのを防止す
るため、貫通孔の内周面(図示せず)には、上軸3を支
持する軸受としての機能を果たすとともに油のシールを
行なうシール部材(図示せず)が介装されている。この
結果、前記ギア部2C内は前記遮断板31およびミシン
本体2のフレーム内壁などによって密閉状態とされてい
るため、オイルタンク25内に貯留されている油は、ほ
とんど消費されることがない。
【0034】なお、前記オイルタンク25内に配設され
ているオイルポンプ26からの供給パイプ27は、ギア
部2C内に位置する前記上軸中メタル5Bに汲み上げた
油を供給しうるようになっている。
【0035】したがって、上軸3の回転に伴う伝達軸2
0の回転によりオイルポンプ26が駆動され、オイルタ
ンク25内の油Oは、各供給パイプ27を介して上軸中
メタル5Bに供給されるとともに、上軸3や下軸17の
回転に伴い周囲に飛散し、ギア部2Cの傘歯車16A,
16B;19A,19Bや下軸後メタル18Bなど各摺
動部の潤滑を行なうことになる。
【0036】一方、前記ギア部2Cと遮断板31により
遮断されている前記面部2A内には、天秤8、釣合錘
9、針棒12などのほか押さえその他の機構部品が配設
されている。また、前記ギア部2Cとオイルタンク25
の側壁25Aにより遮断されているミシン下方部32に
は、釜22のほか送り歯、ルーパその他の機構部品が配
設されている。
【0037】そして、前記面部2Aおよびミシン下方部
32内の機構部品のうち少なくとも一の摺動部は、油と
増ちょう剤からなるグリースにより潤滑されるようにな
っている。このため、前記面部2Aおよびミシン下方部
32内には、うち少なくとも一の摺動部を潤滑するグリ
ース収容部が形成されている。
【0038】図2は前記面部2A内に位置する機構部品
の一例としてのリンク天秤8をグリースにより潤滑する
ため構成を示すものであり、ミシン本体2の上部には、
上部を開閉自在な蓋体36により被覆されているグリー
ス収容部35が形成されている。このグリース収容部3
5の下部はロート状に形成されている。また、このグリ
ース収容部35の下方の前記ミシン本体2の軸受保持体
4A内には、水平方向に延在する有底の支持穴37が形
成されており、この支持穴37内には天秤支え軸7が支
持されている。さらに、前記グリース収容部35と前記
支持穴37との間には連通孔35Aが形成されている。
【0039】そして、前記前記グリース収容部35と前
記支持穴37内には、基油に増ちょう剤と称する微細な
個体を分散してなるグリースGが充填されている。この
グリースGの増ちょう剤としては、使用温度範囲におい
て基油に不溶であるが親和性がある固体で、基油中に細
かく分散して安定な三次元的構造を形成するものが好ま
しい。一般には、脂肪酸をアルカリあるいはアルカリ土
類金属水酸化物で鹸化した金属石鹸が増ちょう剤として
用いられる。
【0040】また、針棒クランクロッド11とリンク天
秤8には、それぞれ給油孔38,39が形成されてお
り、これらの給油孔38,39に油を毛細管現象により
供給することのできるフェルト製の導油部材40がこれ
らの針棒クランクロッド11およびリンク天秤8に接触
するかあるいは微小間隙をもって対向するようにように
配設されている。さらに、前記グリース収容部35から
前記支持穴37および天秤支え軸7を介して前記導油部
材40およびリンク天秤8と天秤クランク41の枢支部
42に到達するように前記グリースGの油を毛細管現象
により導く導油部材としての油芯32,32がそれぞれ
配設されている。さらにまた、前記天秤支え軸7にはそ
の内外を連通する開口(図示せず)が形成されており、
この開口にはフェルト製の導油部材40が充填されてい
る。なお、毛細管現象により油を導くことのできる鉄、
銅、プラスチックの焼結材をフェルトや油芯に代えて用
いてもよい。
【0041】前述した図2の構成によれば、グリース収
容部35内に基端部が位置する各油芯43がグリースG
内に含まれている油を毛細管現象により各摺動部に導い
てこの油により各摺動部の潤滑を行なうので、安定的に
摺動部の潤滑を行なうことができる。
【0042】すなわち、グリースGを用いて摺動部の潤
滑を行なうことにより、約2000時間の耐久性を確認
した。1日の稼働率を10%として約10年間のグリー
ス補充不用による無給油使用が可能となった。これによ
り、従来のオイルポンプ、オイルパン、摺動部への上
部、下部配管設備、顎部からの還流装置などからなる高
速摺動部に対する給油系装置を廃止することにより工業
用ミシンのコストを低減し油切れによる工業用ミシンの
焼付き事故を根本的に解決することができ、故障の少な
い信頼性の高い工業用ミシンを製造することができ、ま
た、作業者のメンテナンスを不要にし誰にでも使えるド
ライヘッドの工業用ミシンを提供することが可能になっ
た。
【0043】さらに、前記フェルト製の導油部材40の
先端を針棒クランクロッド11およびリンク天秤8から
微小間隙を有するように離間させることにより、導油部
材40の先端における油の表面張力による油膜が摺動部
に到達するので、導油部材40の摺動部への接触が避け
られ純粋に油のみにより摺動部を潤滑することができ
る。また、導油部材が摺動部と離間され、直接接触しな
いことにより、導油部材の変形、摩耗がない。
【0044】また、前述した各摺動部を構成する1対の
摺動面のうち少なくとも一方の摺動面に、エンジニアリ
ングプラスチック、銅あるいはアルミ系金属材料、ダイ
ヤモンド・ライク・カーボン、TiC,TiN,Ni−
P,Crメッキ,セラミックスのいずれかの部材を使用
することにより以下の効果がある。すなわち、工業用ミ
シン特有の動きである急発進、急停止を頻繁に行なうこ
とによる間欠的な駆動に起因する摺動部の不規則な挙動
および高負荷により、摺動面において点接触が多発し、
それによる極圧が摺動面に生じることがあるが、前述し
た各部材を使用することによりこの極圧状態における油
膜強度不足を補うことができる。
【0045】前述した材料のうちエンジニアリングプラ
スチックは低摩擦部材であり、銅系金属材料は耐熱性が
高い。また、アルミ系金属材料ならびにダイヤモンド・
ライク・カーボン焼付きが生じない材料であり、さら
に、TiC,TiN,Ni−P,Crメッキ,セラミッ
クスのような材料も同様に焼付きが生じない。
【0046】また、図3は、前記ミシン下方部32内に
位置する機構部品の一例としての釜22をグリースによ
り潤滑するため構成を示すものであり、下軸17の先端
部には、外釜45が固定されており、この外釜45の内
側には、内釜46がそのレース突部47を前記外釜45
のレース溝48に嵌合するようにして相対回転しうるよ
うに支持されている。
【0047】そして、前記外釜45のレース溝48の外
側から前記下軸17の近傍にまで到達するように屈曲し
た形状のグリース収容部35が形成されている。このグ
リース収容部35は、下軸17の近傍において下軸17
の軸方向と平行に延在する内側収容部49と、前記外釜
45のレース溝48の外側に位置する外側収容部50
と、これらの両収容部49,50を連通する連通収容部
51とにより構成されている。また、前記外釜45のグ
リース収容部35と前記レース溝48との間にはフェル
トからなる導油部材40が配設されている。
【0048】このような構成によれば、グリース収容部
35内のグリースGの油により外釜45のレース溝48
と内釜46のレース突部47の摺動部が潤滑される。な
お、前記グリース収容部35の下軸17の近傍部位の内
側収容部49に収容されているグリースGは、下軸17
の回転に伴う遠心力により外釜45の外側に位置する外
側収容部50に到達するので、有効に潤滑のために供さ
れる。したがって、従来下軸17に形成されていたオイ
ルタンクからの油の経路は必要ない。
【0049】また、前述した釜22を構成する外釜45
と内釜46の摺動部を構成する1対のレース溝48とレ
ース突部47の各摺動面のうち少なくとも一方の摺動面
に、エンジニアリングプラスチック、銅あるいはアルミ
系金属材料、ダイヤモンド・ライク・カーボン、Ti
C,TiN,Ni−P,Crメッキ,セラミックスのい
ずれかの部材を使用することにより以下の効果がある。
すなわち、工業用ミシン特有の動きである急発進、急停
止を頻繁に行なうことによる間欠的な駆動に起因する摺
動部の不規則な挙動および高負荷により、摺動面におい
て点接触が多発し、それによる極圧が摺動面に生じるこ
とがあるが、前述した各部材を使用することによりこの
極圧状態における油膜強度不足を補うことができる。
【0050】なお、説明を省略した面部2Aおよびミシ
ン下方部32内にあるその他の機構部品もグリースのみ
により図2、図3の構成で潤滑されるようになってい
る。
【0051】また、グリース収容部は図2、図3に示す
もののほか、摺動部に直接グリースを供給しうるように
摺動部に隣接して凹部または中空部を形成してグリース
を充填し、長期間グリースが振動で脱落しないように保
持する形状となるもの全てを含む。
【0052】さらに、グリース収容部を外部から視覚で
認識できないようにして作業者にグリース補充管理の心
理的負担を解消することができる。
【0053】また、ギア部2Cを油とともに密封するの
に、ミシン本体2のフレーム内に箱状の遮断部材を独立
して設けてもよい。さらに油を保持するオイルタンクを
別体で設け、油管によりギア部と接続してもよい。
【0054】前述した本発明の実施の形態によれば、オ
イルタンク25内に油が貯留されており、密閉状態とさ
れているギア部2Cに配設され面圧力の高い状態で噛合
している傘歯車16A,16B;19A,19Bや、プ
ーリ6に巻回されているベルト(図示せず)などからの
高い偏心荷重を受ける上軸後メタル5Cなどは、伝達軸
20の両メタル1A,21Bや下軸後メタル18Bなど
とともにオイルポンプ26が汲み上げた油により安定的
に潤滑される。しかも、このギア部2C内は密閉状態と
されているので、油の温度が上昇して粘性が低下しても
油が外部に漏出することはないし、また、傘歯車16
A,16B;19A,19Bなどから削出した摩耗粉も
外部に漏出しないので、縫製物を汚すおそれがない。ま
た、ギア部2C内が密閉状態とされているのでギア部2
C内の油はほとんど消耗せず、したがって、長期にわた
って安定的に潤滑を行なうことができるので、油のメン
テナンスの必要もない。
【0055】一方、グリースGにより各摺動部の潤滑を
行なう面部2Aおよびミシン下方部32は、それぞれの
内部に形成されたグリース収容部35内に収容されてい
るグリースGにより各摺動部の潤滑を行なうので、ギア
部2C内の油の温度や粘性あるいは油に混入している摩
耗粉などの影響を受けることなく長期にわたって安定的
に潤滑を行なうことができ、グリースGのメンテナンス
の必要もない。しかも、グリースGによる潤滑なので、
油のように漏出して縫製物を汚すおそれもない。
【0056】なお、本発明は、前述した実施の形態に限
定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能
である。たとえば、オイルポンプに代えて油芯の毛細管
現象により吸い上げた油によりギア部内の各機構部品を
潤滑するようにしてもよい。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように本発明の工業用ミシ
ンは、ミシン本体の面部とギア部を遮断する遮断部材を
設け、面部側に油と増ちょう剤からなるグリースを収容
するグリース収容部を形成し、このグリース収容部内に
収容したグリースにより面部内の機構部品の少なくとも
1つの摺動部を潤滑するとともに、ギア部内の少なくと
も1つの摺動部を油により潤滑するように構成したの
で、ミシン本体の面部を油により潤滑するギア部から遮
断することができ、ギア部の油の面部への浸入を防止す
ることができる。したがって、面部からの油の漏洩が生
じることがなく、縫製物を油により汚すおそれがない
し、また、増ちょう剤から出てくる油量を適宜にした摺
動部の潤滑に好適なグリースにより面部の摺動部を長期
間潤滑することができる。
【0058】特に、グリースを用いて摺動部の潤滑を行
なうことにより、前述したように約2000時間の耐久
性を確認できたので、1日の稼働率を10%として約1
0年間のグリース補充不用による無給油使用が可能とな
った。これにより、高速摺動部を給油する従来のオイル
ポンプ、オイルパン、摺動部への上部、下部配管設備、
顎部からの還流装置などからなる高速摺動部に対する給
油系装置を廃止することにより工業用ミシンのコストを
低減し油切れによる工業用ミシンの焼付き事故を根本的
に解決することができ、故障の少ない信頼性の高い工業
用ミシンを製造することができ、また、作業者のメンテ
ナンスを不要にし誰にでも使えるドライヘッドの工業用
ミシンを提供することが可能になった。
【0059】また、送り歯および釜などを駆動する機構
部品が配設されているミシン下方部とギア部を遮断する
遮断部材を設け、ミシン下方部内にグリースを収容する
グリース収容部を形成し、このグリース収容部内に収容
したグリースによりミシン下方部の機構部品の少なくと
も1つの摺動部ならびに釜を潤滑するとともに、ギア部
内の少なくとも1つの摺動部を油により潤滑するように
構成することにより、ミシン本体のミシン下方部を油に
より潤滑するギア部から遮断することができ、ギア部の
油のミシン下方部への浸入を防止することができる。し
たがって、ミシン下方部からの油の漏洩が生じることが
なく、縫製物を油により汚すおそれがないし、また、増
ちょう剤から出てくる油量を適宜にした摺動部の潤滑に
好適なグリースによりミシン下方部の摺動部を長期間潤
滑することができる。
【0060】さらにまた、ギア部を密閉状に形成し、油
を封入することにより、ギア部内の油の外部への漏出を
防止して、油の補充をしなくともギア部内のギアや軸受
などを長期間潤滑することができ、油のメンテナンスの
必要がなくなるし、摩耗粉のも外部への漏出も防止する
ことができる。
【0061】また、油を汲み上げ摺動部に供給するため
のオイルポンプを配設することにより、上軸に連動する
オイルポンプにより油を汲み上げてギア部内の摺動部の
潤滑に供することができる。
【0062】さらに、油を吸い上げ摺動部に供給するた
めの油芯を配設しても、油芯の毛細管現象によりの油を
吸い上げて摺動部の潤滑に供することができる。
【0063】さらにまた、摺動部を構成する1対の摺動
面のうち少なくとも一方の摺動面に、エンジニアリング
プラスチック、銅あるいはアルミ系金属材料、ダイヤモ
ンド・ライク・カーボン、TiC,TiN,Ni−P,
Crメッキ,セラミックスのいずれかの部材を使用した
点にある。そして、このような構成を採用したことによ
り、グリースにより潤滑される各摺動部における油膜強
度不足を補ってさらに良好な潤滑を行なうことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る工業用ミシンの実施の形態を示
す断面図
【図2】 図1の実施の形態における面部内の詳細図
【図3】 図1の実施の形態におけるミシン下方部内の
詳細図
【図4】 従来の工業用ミシンを示す断面図
【符号の説明】
1 基板 2 ミシン本体 2A 面部 2C ギア部 3 上軸 5A,B,C 上軸メタル 8 天秤 9 釣合錘 10 針棒クランク 12 針棒 13A,B 針棒メタル 16A,B 傘歯車 17 下軸 18A,B 下軸メタル 19A,B 傘歯車 22 釜 25 オイルタンク 25A オイルタンク25の側壁 26 オイルポンプ 31 遮断板 32 ミシン下方部 35 グリース収容部 43 油芯 45 外釜 46 内釜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山岸 正則 東京都調布市国領町8丁目2番地の1 ジ ューキ株式会社内 (72)発明者 玉沢 茂 東京都調布市国領町8丁目2番地の1 ジ ューキ株式会社内 (72)発明者 菊谷 浩二 東京都調布市国領町8丁目2番地の1 ジ ューキ株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上軸の先端側に位置し針棒、天秤など上
    軸と継続的に同期して駆動する機構部品が配設された面
    部と、前記上軸の基端側に位置し上軸の回転を下軸に伝
    達する上軸ギアまたは下軸ギアが配設されたギア部とを
    有する工業用ミシンにおいて、前記面部と前記ギア部を
    遮断する遮断部材を設け、前記面部側に油と増ちょう剤
    からなるグリースを収容するグリース収容部を形成し、
    このグリース収容部内に収容したグリースにより前記機
    構部品のうち少なくとも1つの摺動部を潤滑するととも
    に、前記ギア部内のうち少なくとも1つの摺動部を油に
    より潤滑するように構成したことを特徴とする工業用ミ
    シン。
  2. 【請求項2】 下軸の先端側に位置する送り歯および釜
    など下軸と継続的に同期して駆動される機構部品が配設
    されたミシン下方部と、前記下軸の基端側に位置し上軸
    の回転を前記下軸に伝達する上軸ギアまたは下軸ギアが
    配設されたギア部とを有する工業用ミシンにおいて、前
    記ミシン下方部と前記ギア部を遮断する遮断部材を設
    け、前記ミシン下方部側に油と増ちょう剤からなるグリ
    ースを収容するグリース収容部を形成し、このグリース
    収容部内に収容したグリースにより前記機構部品のうち
    少なくとも1つの摺動部を潤滑するとともに、前記ギア
    部内のうち少なくとも1つの摺動部を油により潤滑する
    ように構成したことを特徴とする工業用ミシン。
  3. 【請求項3】 前記遮断部材は前記ギア部を面部または
    ミシン下方部に対して密閉状に形成するとともに、ミシ
    ンの外界に対しても密封状に形成し、この遮断部材内に
    ギア部に供給する前記油を封入したことを特徴とする請
    求項1または請求項2に記載の工業用ミシン。
  4. 【請求項4】 前記油を汲み上げギア部に供給するため
    のオイルポンプを配設したことを特徴とする請求項3に
    記載の工業用ミシン。
  5. 【請求項5】 前記油を吸い上げギア部に供給するため
    の油芯を配設したことを特徴とする請求項3に記載の工
    業用ミシン。
  6. 【請求項6】 前記面部およびミシン下方部内のうち少
    なくとも1つの摺動部を構成する1対の摺動面のうち少
    なくとも一方の摺動面に、エンジニアリングプラスチッ
    ク、銅あるいはアルミ系金属材料、ダイヤモンド・ライ
    ク・カーボン、TiC,TiN,Ni−P,Crメッ
    キ,セラミックスのいずれかの部材を使用したことを特
    徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載
    の工業用ミシン。
JP30316396A 1996-11-14 1996-11-14 工業用ミシン Pending JPH10137479A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30316396A JPH10137479A (ja) 1996-11-14 1996-11-14 工業用ミシン

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30316396A JPH10137479A (ja) 1996-11-14 1996-11-14 工業用ミシン

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10137479A true JPH10137479A (ja) 1998-05-26

Family

ID=17917650

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30316396A Pending JPH10137479A (ja) 1996-11-14 1996-11-14 工業用ミシン

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10137479A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001104675A (ja) * 1998-09-25 2001-04-17 Juki Corp 針棒およびミシン用摺動装置ならびにミシン
KR20020090334A (ko) * 2001-05-25 2002-12-02 페가수스미싱세이죠가부시기가이샤 재봉틀
JP2003062375A (ja) * 2001-08-30 2003-03-04 Juki Corp 筒型ミシン
JP2003181185A (ja) * 2001-12-14 2003-07-02 Brother Ind Ltd ミシン
KR100900367B1 (ko) * 2001-08-03 2009-06-02 쥬키 가부시키가이샤 오버록 재봉틀
JP2011062273A (ja) * 2009-09-16 2011-03-31 Pegasus Sewing Machine Mfg Co Ltd 送り出し腕型ミシン
CN108457017A (zh) * 2017-02-17 2018-08-28 兄弟工业株式会社 缝纫机的供油机构

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001104675A (ja) * 1998-09-25 2001-04-17 Juki Corp 針棒およびミシン用摺動装置ならびにミシン
KR20020090334A (ko) * 2001-05-25 2002-12-02 페가수스미싱세이죠가부시기가이샤 재봉틀
KR100900367B1 (ko) * 2001-08-03 2009-06-02 쥬키 가부시키가이샤 오버록 재봉틀
JP2003062375A (ja) * 2001-08-30 2003-03-04 Juki Corp 筒型ミシン
JP2003181185A (ja) * 2001-12-14 2003-07-02 Brother Ind Ltd ミシン
JP2011062273A (ja) * 2009-09-16 2011-03-31 Pegasus Sewing Machine Mfg Co Ltd 送り出し腕型ミシン
CN108457017A (zh) * 2017-02-17 2018-08-28 兄弟工业株式会社 缝纫机的供油机构

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH10137479A (ja) 工業用ミシン
CN101092876A (zh) 采煤机截割传动部的强迫润滑装置
CN1782167B (zh) 上弯针机构的防漏油装置
JPH10113490A (ja) 工業用ミシンの潤滑装置
JP2012135418A (ja) ミシン
JP2009100901A (ja) ミシンの釜機構
JP2011005164A (ja) ミシン及び治具
KR100734639B1 (ko) 재봉틀용 접동장치 및 재봉틀
KR20040010182A (ko) 재봉기의 동력 전달 기구
CN202530283U (zh) 一种锁眼机传动主轴的润滑结构
US1439211A (en) Sewing machine
JP4106102B2 (ja) ミシン
JP2005034383A (ja) ミシンの釜給油装置、釜給油装置付きミシン及びオイルカートリッジ
CN2797404Y (zh) 高头缝纫机
JPH10205318A (ja) 動力取出し装置用の潤滑油路装置
JP4064644B2 (ja) ミシン
JPH09168688A (ja) ミシンの給油装置
JPH09182885A (ja) 針棒給油装置
KR20080007175A (ko) 재봉틀의 윤활 구조
CN108457017B (zh) 缝纫机的供油机构
CN218711391U (zh) 一种缝纫机
CN218906821U (zh) 一种具有润滑结构的汽车摆臂衬套
JP2713062B2 (ja) ミシン
JP4261632B2 (ja) 往復動ポンプの駆動部潤滑構造
US2098904A (en) Lubricating means for sewing machines

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Effective date: 20050201

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051122

A521 Written amendment

Effective date: 20060123

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060509