JP4106102B2 - ミシン - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、可動部の少なくとも一部に、潤滑油の強制供給が行われるミシンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、工業用本縫ミシンの各可動部への給油方式としては、オイルパン及びポンプを使用した以下に示す様な方式が知られている。
すなわち、図4に示す従来のミシンAにおいては、ミシンフレーム1の下にオイルパン2が配置されるとともに、オイルパン2に給油用ポンプ3が配置されている。そして、上記ポンプ3は、オイルパン2に溜まった潤滑用の油を、一部を破断して図示したチューブ4を介してミシンフレーム1内の上軸(針棒等を駆動するための伝動用の軸)5に送油する。
【0003】
上軸5に送油された油は、上軸5内を通って、上軸5の軸受けとなる前メタル6、中メタル7、後メタル8に送られる。さらに、油が、上軸5から押さえ、針棒、天秤を駆動する機構が内蔵された面部9に送られ、面部9内の各機構部品に給油される。
また、上軸5内部に給油された油は、上軸5の後端部に設けられた孔10から上軸5外部に飛散し、透明部材からなる油のぞき窓11にかかるようになっており、油のぞき窓11に油がかかることで給油状態が目視により確認可能となっている。
【0004】
また、上軸5の孔10から飛散した油は、上軸5の孔10の近傍にある一対の上傘歯車12、13及び上軸5の孔10の下方にある一対の下傘歯車14、15と、ミシンフレーム1内のその他の機構部品とにかかり、これらの機構部品に給油されるようになっている。
なお、上記一対の上傘歯車12、13は、上軸5の回転を伝達軸16に伝動するものであり、上記一対の下傘歯車14、15は、上記伝達軸16の回転を下軸(釜17を駆動するための伝動用の軸)18に伝動するためのものである。
【0005】
一方、ポンプ3は、オイルパン2に溜まった油を、一部を破断して図示したチューブ19を介してミシンフレーム1内のベッド20より下側にある下軸18内部に送油するようになっている。
そして、下軸18内部に送油された油は、下軸18の軸受けとなる下軸前メタル21及び釜17に強制給油される。また、釜17に給油された余分な油は、釜17の回転にともない釜17の周囲に飛散し、結果的に、釜17付近にある送り歯と送り歯を一定の軌跡で駆動させるための機構部品に油が噴霧された状態となり、これらが給油された状態となる。
【0006】
また、図5に示すように、送り歯を一定の軌跡で運動させるための送り歯駆動軸22がオイルパン2内部から釜17及び送り歯周辺部23に達しているため、送り歯駆動軸22の軸受けとなる前メタル24から釜及び送り歯周辺部には、常に、油が浸透している。
なお、ミシンフレーム1は、オイルパン2上に自重で載置された状態であり、メンテナンス等のためにミシン台上でミシンフレーム1を倒した場合に、オイルパン2が、上部を開放した状態でミシン台側に残り、オイルパン2内の油が外部に露出した状態となるようになっている。
【0007】
一方、ミシンフレーム1には、図6に示す以下のような押さえ上昇機構25が内蔵されている。
押さえ上昇機構25とは、縫製作業時に縫製物を上方から常に押さえているミシンAの押さえ26を、縫製物の変更時などに上昇させるためのものである。
そして、押さえ上昇機構25においては、縫製者が足でヒザ当板カバー27を矢印a方向に押すと、カバー27内のヒザ当板に取り付けられたヒザ当立軸取付腕28は、ヒザ当横軸29を中心に該ヒザ当横軸29と一体に矢印b方向に回転し、ヒザ当横軸29に設けられたヒザ当回転板30がヒザ当横軸29と一体に回転する。
【0008】
これにより、ヒザ当回転板30に連結されたヒザ当押棒31が上昇し、ヒザ当押棒31に係合したヒザ上連結棒32が上昇する。そして、ヒザ上連結棒32に連結されたヒザ上リンク33が、軸34を中心に回転し、ヒザ上リンク33に連結されたヒザ上横棒35が矢印c方向に運動する。
これにより、ヒザ上横棒35に連結したヒキ上げリンク36が軸37を中心に矢印d方向に回転し、このヒキ上げリンク36に連結されたヒキ上げ板38が上昇する。
【0009】
そして、ヒキ上げ板38に係合する押さえ棒抱え39が上昇し、押さえ棒抱え39に固定されている押さえ棒40が上昇し、押さえ棒40に固定された押さえ26が上昇するようになっている。
また、上述のような押さえ上昇機構25がミシンフレーム1内に内蔵されているために、ミシンフレーム1内の上記面部9と他の部分とが連通した状態となっており、上述のように上軸5の孔10から飛散した油が霧状となって面部9側にも達するようになっていた。
【0010】
そして、面部9に達した油が面部9の底部分に溜まるので、面部9内に溜まった油を回収して還流するために、ポンプに接続された還流パイプ(一部を破断して図示)41の先に油を吸い取るフェルト42等を付けた還流機構が備えられている。
また、上述のようなミシンAにおいては、押さえ、針棒、天秤を駆動する機構が内蔵された面部9や、釜17や送り歯や送り歯の駆動機構に給油が行われているので、給油された油の一部が上糸や下糸や縫製物に接することになり、縫製物に油汚れが生じていた。
近年、縫製物の高級化によりできるだけ油汚れが生じないミシンがユーザーから求められるようになり、上糸や下糸や縫製物に接する可能性がある上記面部9の機構部品や釜17や送り歯の周辺の機構部品を無給油化したミシンが開発され、縫製物の油汚れの防止が図れている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述のミシンにおいて、上記面部の機構部品や釜や送り歯の周辺の機構部品を無給油化しても、以下の理由により、必ずしも縫製物の油汚れを完全に防止することができなかった。
すなわち、ミシンの上部側においては、面部内を無給油化しても、上述のように押さえ上昇機構が上軸とともに、ミシンフレーム内部を面部以外の部分から面部に達するように配置されてミシンフレーム内で面部と面部以外の部分が連通した状態なので、上軸の孔から飛散して噴霧された状態の油が面部側に侵入することになり、面部内の各機構部品に油が付着し、上糸や縫製物が油で汚れる可能性が有った。
【0012】
また、ミシンの下部側においても、釜部や送り機構等を無給油化し、釜から油が飛散しないようにしても、オイルパン側から釜や送り機構に達する下軸や送り歯駆動軸が配置されており、オイルパンに対して釜及び送り機構の周辺部が完全に遮蔽された状態となっておらず、釜及び送り機構周辺部に油が侵入する可能性が高く、下糸や縫製物が油で汚れる可能性があった。
【0013】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ミシンの面部の機構部品や釜や送り機構を無給油化するとともに、無給油化されていない部分から無給油化された部分への油の侵入を完全に防止することにより縫製物の油汚れを確実に防止することができるミシンを提供することを目的とするものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載のミシンは、
給油される機構部品としての歯車及び該機構部品としての歯車に油を供給するオイルパンが配置された給油部と、
針棒、天秤、押さえ等を駆動する無給油化された機構部品が配置された面部と、
無給油化された釜及び送り歯が配置された釜周辺部と
上記面部の機構部品と上記給油部の機構部品とを連結する上軸と、
上記面部の機構部品と上記釜及び送り歯とを連結する下軸と、
上記給油部に配置され、上記上軸と下軸を連結する伝達軸と、
上記給油部の油を上軸の孔を介して、給油部の上記機構部品に給油するポンプと、
上記面部と給油部との間に、これら面部と上記給油部とを遮蔽する第一の遮蔽部と、
上記給油部と釜周辺部との間に、これら給油部と釜周辺部とを遮蔽する第二の遮蔽部と、
上記給油部内に密閉された状態で貯留される油と、
上記給油部内の圧力が温度上昇により高くなった場合、該給油路内の空気を逃がすために、上記釜周辺部を避けて、上記給油部内とその外部とを連通する孔と、が設けられ、
上記第一の遮蔽部に、上記上軸が貫通する第一の貫通孔が設けられるとともに、
第一の貫通孔内の上記上軸周囲の間隙が第一のシール部材により閉塞され、
上記第二の遮蔽部に、上記下軸が貫通する第二の貫通孔が設けられるとともに、
第二の貫通孔内の上記下軸周囲の間隙が第二のシール部材により閉塞されていることを上記課題の解決手段とした。
【0021】
上記構成によれば、釜周辺部と給油部との間に遮蔽部が設けられ、かつ、遮蔽部の上記連結部材が貫通する貫通孔の間隙がシール部材により閉塞されているので、釜周辺部内にオイルパンを有する給油部から潤滑用の油が侵入するのを防止することができる。
そして、釜や送り歯を無給油化するとともに、給油部から釜周辺部への油の侵入を防止することにより、釜や送り歯が下糸や縫製物を油で汚す要因となることがなく、下糸及び縫製物の油汚れを確実に防止することができる。
【0022】
すなわち、釜や送り歯を無給油化しても、給油部から面部や釜周辺部に油が侵入することにより、上糸や下糸や縫製物が油で汚れる可能性があるが、上記遮蔽部とシール部材により面部や釜周辺部への油の侵入を防止することにより、油汚れを確実に防止することができる。
また、給油部内の機構部品に対しては、給油が行われ、ミシンの信頼性を維持することができる。
その上、給油部内の圧力が温度上昇により高くなった場合、該給油路内の空気を逃がすために、釜周辺部を避けて、給油部内とその外部とを連通する孔が設けられているので、密閉された状態で油が貯留される給油部の温度上昇による圧力上昇を抑止して、圧力上昇により、シール部材から油が漏れるのを防止することができる。
【0023】
なお、釜及び送り歯が配置された釜周辺部においては、釜及び送り歯を駆動する機構部品も無給油化されている必要がある。
また、釜周辺部とは、基本的に上記アームの面部を有する先端部の下方のミシンのベッドの下の部分である。
また、上記給油部及び給油部内の給油される機構部品とは、面部内の機構部品や釜や送り歯等を駆動するために、モータやその他の動力源の動力を面部内の機構部品や釜や送り歯等に伝動するためのものである。
また、上記シール部材は、例えば、いわゆるOリングやオイルシールといったものであり、上記連結部材を遮蔽部の貫通孔内で運動可能とした状態で、油の面部側への移動を抑止するものである。
【0024】
また、上記連結部材は、給油部の機構部品と釜周辺部の釜及び送り歯を駆動する機構部品とを連結して給油部の機構部品から釜や送り歯に動力を伝動する部材であり、場合によっては、給油部の機構部品や釜周辺部の機構部品の一部となるものである。
すなわち、給油部の機構部品と釜周辺部の釜及び送り歯とは、完全に独立して存在するものではなく、連結部材により連結され、全体としてミシンの機構部品の一部を構成するものである。
【0025】
また、上記オイルパンは、基本的にミシンフレーム内の給油部の下に配置された油槽である。
また、上記遮蔽部とは、例えば、ベッドの下の釜周辺部とミシンフレーム内の給油部及びミシンフレームの下に配置されたオイルパンとの間を仕切るものであり、例えば、オイルパンの側壁やミシンフレームの一部である。
【0026】
また、オイルパンの側壁とミシンフレームとが密着した状態とされるとともに、オイルパン及び給油部がオイルパンの側壁とミシンフレームとにより密閉された状態とされ、ベッドの下の釜周辺部に対して完全に遮蔽された構成となっていることが好ましい。
また、オイルパン及び給油部を密閉された構造とする上では、ミシンフレームの後部とオイルパンとを一体に結合した構成とすることが好ましい。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態の一例のミシンを図面を参照して説明する。
図1、図2及び図3は、この一例のミシンBを示すものである。
この一例のミシンBは、図1に示すように、框体となるミシンフレーム51と、ミシンフレーム51の下部に結合されたオイルパン52と、ミシンBの機構部品とを有するものである。
【0030】
ミシンフレーム51は、ベッド53と、ベッド53の後端部側から立設されたアーム54とからなるものである。
上記ベッド53は、図示しない送り歯が配置され、縫製すべき布地を載せるとともに、縫製に対応して移動させるためのものである。
上記アーム54は、ベッド53から立設され、内部が空洞の支柱部55と、支柱部55からベッド53に沿って延出する内部が空洞の延出部56とを有するものである。
【0031】
そして、上記アーム54の延出部56の先端部57のさらに先端側の部分が図示しない針棒、天秤、押さえの機構部品が配置された面部58となっている。
また、ミシンフレーム51の先端部57を除く後部59には、後述する給油を必要とする機構部品が配置され、上記オイルパン52と合わせて給油部60を形成している。
そして、ミシンフレーム51内の先端部57と後部59との間には、ミシンフレーム51の内部空間を二つに仕切って分割する遮蔽壁(遮蔽部)61が形成されている。
【0032】
上記遮蔽壁61は、面部58を有するミシンフレーム51の先端部57と、給油部60を形成するミシンフレーム51の後部59とを遮蔽するものであるが、遮蔽壁61には、後述する上軸62及び押さえ上昇機構の横軸63が貫通する二つの貫通孔64、65が形成されている。
そして、上記貫通孔64には、上軸62が貫通した状態で、オイルシール66が施されており、上軸62を回転可能とした状態で貫通孔64が閉塞され、ミシンフレーム51の後部59から先端部57側へ、潤滑用の油が侵入するのを抑止するようになっている。
【0033】
また、上記貫通孔65には、横軸63が貫通した状態で、オイルシール67が施されており、横軸63を前後移動可能とした状態で、ミシンフレーム51の後部59から先端部57側へ、潤滑用の油が侵入するのを抑止するようになっている。
また、ミシンフレーム51の支柱部55の下部は、底の無い筒状に形成された接続部68となっており、オイルパン52が接続されるようになっている。
【0034】
また、接続部68のミシンフレーム51の先端側の部分には、図1に示す後述する下軸69が貫通する貫通孔70と、図2に示す後述する送り歯駆動軸71が貫通する貫通孔72とが形成されている。
そして、上記貫通孔70には、下軸69が貫通した状態で、オイルシール73が施されており、下軸69を回転可能とした状態で貫通孔70が閉塞され、給油部60から後述する釜周辺部74側へ貫通孔70を通って潤滑用の油が侵入するのを抑止するようになっている。
【0035】
また、上記貫通孔72には、送り歯駆動軸71が貫通した状態で、オイルシール75が施されており、送り歯駆動軸71を回転可能とした状態で貫通孔72が閉塞され、給油部60から後述する釜周辺部74側へ貫通孔72を通って潤滑用の油が侵入するのを抑止するようになっている。
また、ミシンフレーム51の給油部60側の上面には、透明部材からなる従来と同様の油のぞき窓76が形成されている。
【0036】
さらに、ミシンフレーム51の給油部60側の上面には、圧力調整弁50が設けられている。
上記圧力調整弁50は、基本的に、ミシンフレーム51の給油部60内とミシンフレーム51の外部とを連通する孔であり、後述するように密閉された状態の給油部60内の圧が、温度上昇により高くなった場合に、給油部60内の空気を逃がすためのものである。
なお、圧力調整弁50は、弁といっても、上述したように基本的に空気抜き用の孔であり、通常の弁の機構は設けられていないが、通常の弁の機構を設け、給油部60内が所定の圧になった場合に、給油部60内の空気を抜くようにしても良い。
【0037】
上記オイルパン52は、筒状の側壁部77と、底部78とから上面が開口した容器状に形成されている。また、側壁部77と上記ミシンフレーム51下部の接続部68とは、互いに重なる形状となっており、側壁部77と接続部68とを接続するとミシンフレーム51の後部59内とオイルパン52内部とが連通した状態で、これらを合わせた空間が密閉されるようになっている。
また、オイルパン52の側壁部77とミシンフレーム51の接続部68とは、互いに結合されるようになっており、例えば、この一例では、側壁部77と接続部68とが締結されるようになっている。
【0038】
なお、図3に示すように、オイルパン52の側壁部77の上端面とミシンフレーム51の接続部68の下端面との間には、油の漏出を防止するパッキン79が配置されるとともに、側壁部77の上端面には、側壁部77に沿って突条80が形成されており、オイルパン52とミシンフレーム51とを結合した際に、上記突条80がパッキン79内に潜り込み、側壁部77の上端面を平面とした場合に比較して、オイルパン52とミシンフレーム51との間のシールを強くして、油の漏出を防止することができる。
【0039】
そして、オイルパン52の側壁部77とミシンフレーム51の接続部68とを結合した状態で、オイルパン52内部とミシンフレーム51の後部59の内部とが一体の上記給油部60となる。
また、オイルパン52の側壁部77とミシンフレーム51の接続部68とを接続した状態で、オイルパン52は、ミシンフレーム51の後部59の下方に配置されるようになっており、ベッド53の先端側に配置される後述する釜81及び送り歯の周辺部(釜周辺部74)は、上記オイルパン52内部とミシンフレーム51の後部55の内部とからなる給油部60の外側となる。
【0040】
また、給油部60が上述のように(圧力調整弁を除いて)密閉された状態となっているので、給油部60と、該給油部60の外側となる釜周辺部74とは、完全に遮蔽された状態となっている。すなわち、ミシンフレーム51の接続部68とオイルパン52の接続部77とが、給油部60と釜周辺部74とを遮蔽する遮蔽部となっている。
また、オイルパン52は、上述のようにミシンフレーム51と結合されてほぼ密閉された状態となっているので、ミシンフレーム51と結合された状態でオイルポットとなっている。
なお、オイルパン52の側壁部には、透明部材からなる油量確認窓82が形成されている。
また、オイルパン52の内部には、オイルパン52内の油を、破断して図示したチューブ83を介して、上軸62内に送油するポンプ84が配置されている。
【0041】
図1に示すように、上記ミシンの機構部品は、基本的に上記従来とほぼ同様のものであり、上記ミシンの機構部品としては、例えば、面部58内に配置された図示しない針棒、天秤、押さえを駆動するための機構部品と、図示しないモータの回転が伝動されるプーリ85に接続されて回転するとともに、針棒及び天秤に駆動力を伝達する上軸62と、上傘歯車86、87を介して上軸62の回転力が伝達される伝達軸88と、下傘歯車89、90を介して伝達軸88の回転力が伝達されるとともに釜81を回転させる下軸69と、上記従来例で示したように押さえ(図示略)を上昇させる押さえ上昇機構(横軸63だけを図示)と、図2に示すように、上記上軸62の回転力が伝達機構91を介して伝達されるとともに送り歯(図示略)を駆動する送り歯機構(図示略)に駆動力を伝達する送り歯駆動軸71とがある。
また、言うまでもなく、ミシンBは、針棒(図示略)、天秤(図示略)、押さえ(図示略)、釜81、送り歯(図示略)等を有するものである。
【0042】
そして、上記面部58内の針棒、天秤、押さえを駆動する機構部品は、周知の無給油化されたものとなっている。
また、上記上軸62は、遮蔽壁61を貫通した状態で給油部60側とミシンフレーム51の面部58を有する先端部57側との両方に配置され、上軸62の給油部60側の部分は、軸受け等に給油を必要とする給油部60内の機構部品とされ、上軸62のミシンフレーム51の先端部57側の部分が軸受け等に給油を必要としない無給油化されたミシンフレーム51の先端部57内の機構部品とされている。
また、上軸62は、給油部60側から面部58側に動力を伝達するために、給油部60側の機構部品とミシンフレーム51の先端部57側の機構部品とを連結する連結部材となっている。
【0043】
また、上軸62の遮蔽部61を貫通する部分の周囲は、上述のようにオイルシール66によりシールされた状態となっている。
なお、上軸62の給油部60側の部分の内部には、送油用のスペース(図示略)が形成されるとともに、上軸62の後端部に油を飛散させるために上記スペースに連通する孔92が形成されている。
【0044】
また、上記上傘歯車86、87、伝達軸88及び下傘歯車89、90は、給油部60内に配置される給油を必要とする機構部品となっている。
また、下軸69は、釜81を駆動するものであり、ベッド53の先端部の下方に配置された釜81に連結している。
そして、下軸69は、給油部60側から無給油化された釜60、送り歯(図示略)、送り歯駆動機構(図示略)が配置された釜周辺部74に至って釜81を駆動するために、上記ミシンフレーム51の接続部68を貫通した状態で、給油部60側と釜周辺部74側との両方に配置され、下軸69の給油部60側の部分が、軸受け等に給油を必要とする給油部60内の機構部品とされ、下軸69の釜周辺部74側の部分が軸受け等に給油を必要としない無給油化された釜周辺部74内の機構部品とされている。
【0045】
また、下軸69は、給油部60側から釜周辺部74側に動力を伝達するために、給油部60側の機構部品と釜周辺部74側の機構部品とを連結する連結部材となっている。
また、下軸69の接続部68を貫通する部分の周囲は、上述のようにオイルシール73によりシールされた状態となっている。
【0046】
押さえ上昇機構は、基本的に従来と同様の機能を有するものであるが、従来の押さえ上昇機構の図6に示すヒザ上横軸35に対応する横軸63が、ミシンフレーム51の遮蔽壁61を貫通する連結部93と、連結部93の給油部60側端部に連結された給油部側軸94と、連結部93の面部58側端部に連結された面部側軸95との三つに分割された形状となっている。
そして、連結部93と、給油部側軸94及び面部側軸95とは、遊びを持った状態で揺動自在もしくは上下に回動自在に連結されており、給油部側軸94と面部側軸95とが前後に移動する際に上下に振れても、連結部93は、ほぼ前後に移動するようになっている。
【0047】
そして、押さえ上昇機構の横軸63は、給油側軸94が給油を必要とする給油部60の機構部品とされ、面部側軸95が給油を必要としないミシンフレーム51の先端部57の機構部品とされている。
また、給油部側軸94に連結される図示しない押さえ上昇機構の部品は、給油を必要とする給油部60の機構部品とされ、面部側軸95に連結される図示しない押さえ上昇機構の部品は、給油を必要としないミシンフレーム51の先端部57の機構部品とされている。
そして、横軸63の連結部93は、給油部60側の機構部品と面部58側の機構部品とを連結する連結部材となっている。
【0048】
また、図2に示す送り歯駆動軸71は、図示しない送り歯を駆動する送り歯機構に動力を伝達するものであり、送り歯駆動機構に連結している。
そして、送り歯駆動軸71は、給油部60側から釜周辺部74に至って送り歯を駆動するために、上記ミシンフレーム51の接続部68を貫通した状態で、給油部60側と釜周辺部74側との両方に配置され、送り歯駆動軸71の給油部60側の部分が、軸受け等に給油を必要とする給油部60内の機構部品とされ、送り歯駆動軸71の釜周辺部74側の部分が軸受け等に給油を必要としない無給油化された釜周辺部74内の機構部品とされている。
また、送り歯駆動軸71は、給油部60側から釜周辺部74側に動力を伝達するために、給油部60側の機構部品と釜周辺部74側の機構部品とを連結する連結部材となっている。
また、送り歯駆動軸71の接続部68を貫通する部分の周囲は、上述のようにオイルシール75によりシールされた状態となっている。
【0049】
次に、本発明のミシンBの作用について説明する。
ミシンBの運転に伴いミシンフレーム51の給油部60のオイルポット(オイルパン52)に溜まった油は、ポンプ84によりチューブ83を介して上軸62内部に送油される。そして、上軸62内部に送油された油は上軸62の軸受けとなる中メタル96及び後メタル97に強制給油される。
そして、上軸62内部の油は、上軸62後端部に設けられた孔92から外部に飛散し、透明な油のぞき窓76にかかる事で給油状態が目視で確認可能となっている。一方、上記上軸62の孔92から油が飛散することで、給油部60内の機構部品、たとえば、上傘歯車86、87、下傘歯車89、90等に給油が行われる。
【0050】
一方、上軸62内部からの給油は、上軸62の給油部60内の部分だけで行われ、上軸62のミシンフレーム51の先端部57側の部分には、給油されないようになっている。また、面部58側の機構部品は無給油化されている。
さらに、給油部60内で飛散した油は、遮蔽壁61により遮られ、面部58側に侵入しないようになっている。
【0051】
また、上軸62及び押さえ上昇機構の横軸63が遮蔽壁61を貫通するようになっているが、この部分がオイルシール66、67により閉塞されているので、貫通孔64、65から油が面部58側に侵入したり、上軸62及び横軸63を伝って油が面部58側に侵入するのを防止することができる。
また、ミシンフレーム51とオイルパン52とが結合されて密閉されたオイルポットを有する給油部60が形成され、かつ、無給油化された釜81、送り歯、送り歯駆動機構が配置された釜周辺部74が給油部60の外側に有るので、給油部60内に飛散した油が釜周辺部74側に侵入することがない。
【0052】
また、下軸69及び送り歯駆動軸71が給油部60の接続部68を貫通するようになっているが、この部分がオイルシール73、75により閉塞されているので、貫通孔70、72から油が釜周辺部74側に侵入したり、下軸69及び送り歯駆動軸71を伝って油が釜周辺部74側に侵入するのを防止することができる。
また、油は、給油部60内に密閉された状態となっているが、ミシンフレーム51の給油部60に対応する部分に圧力調整弁50が設けられているので、温度上昇により給油部60内の圧力が高まり、オイルシール66、67、73、75の部分から圧力により油が漏出するのを防止することができる。
以上のことから、上糸、下糸、縫製物が接触する可能性のある面部58の機構部品及び釜周辺部74の機構部品に油が付着するのを防止することができ、上糸、下糸、縫製物に油汚れが生じるのを確実に防止することができる。
【0053】
また、給油部60内の機構部品は、従来と同様に給油された状態で作動するので、従来と同様にミシンBの信頼性を保つことができる。
さらに、ミシンフレーム51下部にオイルパン52が結合されているため、釜81、送り歯、糸切り装置(図示略)等のメンテナンスや調整時にミシンフレーム51を倒したり、ミシンフレーム51を持ち上げたりしても、オイルパン52の油が露出することがなく、露出した状態の油が周囲に漏れたり、露出した油に周囲の物が接触したりするのを防止することができる。
【0054】
さらにミシンフレーム51下部にオイルパン52が結合されているため、ミシン台上のミシンBを交換する際に、ミシンB(ミシンフレーム51)を取り外した後に、オイルパン52を取り外し、オイルパン52内の油を処分したりするような必要がなく、オイルパン52ごとミシンBを取り外すことができるとともに、オイルパン52内の油が密閉された状態なので、油を処分することなくミシンBを保管することができるので、ミシンBの交換を容易なものとすることができる。
【0057】
【発明の効果】
本発明の請求項記載のミシンによれば、釜周辺部と給油部との間に遮蔽部が設けられ、かつ、遮蔽部の上記連結部材が貫通する貫通孔の間隙がシール部材により閉塞されているので、釜周辺部内にオイルパンを有する給油部から潤滑用の油が侵入するのを防止することができる。
そして、釜や送り歯を無給油化するとともに、給油部から釜周辺部への油の侵入を防止することにより、釜や送り歯が下糸や縫製物を油で汚す要因となることがなく、下糸及び縫製物の油汚れを確実に防止することができる。
【0058】
すなわち、釜や送り歯を無給油化しても、給油部から面部や釜周辺部に油が侵入することにより、上糸や下糸や縫製物が油で汚れる可能性があるが、上記遮蔽部とシール部材により面部や釜周辺部への油の侵入を防止することにより、油汚れを確実に防止することができる。
また、給油部内の機構部品に対しては、給油が行われ、ミシンの信頼性を維持することができる。
その上、給油部と外部とを連通する孔が設けられているので、密閉された状態で油が貯留される給油部の圧力上昇を抑止して、圧力上昇により、シール部材から油が漏れるのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例のミシンを示す断面図である。
【図2】上記一例のミシンを示す断面図である。
【図3】上記一例のミシンのミシンフレームとオイルパンとの結合部分を示す要部断面図である。
【図4】従来のミシンを示す断面図である。
【図5】従来のミシンを示す断面図である。
【図6】従来のミシンを示す断面図である。
【符号の説明】
52 オイルパン
58 面部
60 給油部
61 遮蔽壁(遮蔽部、第一の遮蔽部)
62 上軸(連結部材、第一の連結部材)
64 貫通孔(第一の貫通孔)
65 貫通孔(第一の貫通孔)
66 オイルシール(シール部材、第一のシール部材)
67 オイルシール(シール部材、第一のシール部材)
68 接続部(遮蔽部、第二の遮蔽部)
69 下軸(連結部材、第二の連結部材)
70 貫通孔(第二の貫通孔)
71 送り歯駆動軸(連結部材、第二の連結部材)
72 貫通孔(第二の貫通孔)
73 オイルシール(シール部材、第二のシール部材)
74 釜周辺部
75 オイルシール(シール部材、第二のシール部材)
77 側壁部(遮蔽部、第二の遮蔽部)
81 釜
93 連結部(連結部材、第一の連結部材)

Claims (1)

  1. 給油される機構部品としての歯車及び該機構部品としての歯車に油を供給するオイルパンが配置された給油部と、
    針棒、天秤、押さえ等を駆動する無給油化された機構部品が配置された面部と、
    無給油化された釜及び送り歯が配置された釜周辺部と
    上記面部の機構部品と上記給油部の機構部品とを連結する上軸と、
    上記面部の機構部品と上記釜及び送り歯とを連結する下軸と、
    上記給油部に配置され、上記上軸と下軸を連結する伝達軸と、
    上記給油部の油を上軸の孔を介して、給油部の上記機構部品に給油するポンプと、
    上記面部と給油部との間に、これら面部と上記給油部とを遮蔽する第一の遮蔽部と、
    上記給油部と釜周辺部との間に、これら給油部と釜周辺部とを遮蔽する第二の遮蔽部と、
    上記給油部内に密閉された状態で貯留される油と、
    上記給油部内の圧力が温度上昇により高くなった場合、該給油路内の空気を逃がすために、上記釜周辺部を避けて、上記給油部内とその外部とを連通する孔と、が設けられ、
    上記第一の遮蔽部に、上記上軸が貫通する第一の貫通孔が設けられるとともに、
    第一の貫通孔内の上記上軸周囲の間隙が第一のシール部材により閉塞され、
    上記第二の遮蔽部に、上記下軸が貫通する第二の貫通孔が設けられるとともに、
    第二の貫通孔内の上記下軸周囲の間隙が第二のシール部材により閉塞されていることを特徴とするミシン。
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