JPH10128934A - 化粧板または化粧シート用ポリエステルフイルム - Google Patents

化粧板または化粧シート用ポリエステルフイルム

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JPH10128934A
JPH10128934A JP30364096A JP30364096A JPH10128934A JP H10128934 A JPH10128934 A JP H10128934A JP 30364096 A JP30364096 A JP 30364096A JP 30364096 A JP30364096 A JP 30364096A JP H10128934 A JPH10128934 A JP H10128934A
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JP
Japan
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film
polyester film
polyester
resin
coating
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JP30364096A
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English (en)
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Nariaki Okajima
業明 岡島
Kenji Yoshihara
賢司 吉原
Takatoshi Miki
崇利 三木
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Diafoil Co Ltd
Original Assignee
Diafoil Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】焼却時に環境問題を生じることが無く、基材の
色調による影響を受けること無く高意匠の絵柄模様の現
出が可能でかつ寸法安定性に優れ、しかも、基材との接
着性に優れた、化粧板または化粧シート用ポリエステル
フイルムを提供する。 【解決手段】基材の表面に少なくともフイルム層と絵柄
印刷層とを順次に配置して成る化粧板の前記フイルム層
に使用されるポリエステルフイルムであって、透過濃度
が0.1〜5.0であり、180℃で5分間熱処理後の
熱収縮率が縦横共に−10.0%以上で且つ+10.0
%以下であり、更に、少なくとも片面に塗布層を有する
化粧板用ポリエステルフイルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、化粧板または化粧
シート用ポリエステルフイルムに関するものである。こ
こに、化粧板とは、基材の表面に少なくともフイルム層
と絵柄印刷層とを順次に配置して成り、通常、単独商品
として取り扱われる建築材料(表面材料)を言い、化粧
シートとは、各種の家具、建材、住宅機器などの各種商
品の基材の表面に貼合され且つその表面に絵柄印刷層を
配置して使用される装飾材料(表面材料)を言う。従っ
て、化粧板の基板表面に配置されるフイルム層と絵柄印
刷層とは、化粧シートを構成する要素である。
【0002】
【従来の技術】化粧板の基材と柄印刷層との間に使用さ
れるシート及び化粧シートに使用されるシート(フイル
ム)としては、塩化ビニル樹脂シートが最も一般的であ
る。しかしながら、塩化ビニル樹脂シートを使用した場
合、当該シートに配合された可塑剤が貼り合わせ面の接
着剤層に移行して接着不良の原因となり、また、塩化ビ
ニル樹脂シートの熱寸法安定性が悪いため、熱による伸
縮が生じてシワの発生原因になる等の問題がある。更
に、近年、焼却時の環境問題から、塩化ビニル樹脂シー
トを使用しない化粧板および化粧シートの要望が強まっ
ている。
【0003】ところで、前述の通り、化粧板および化粧
シートは、表面材として使用されるため、通常、表面に
は高意匠の絵柄模様が施される。それ故、絵柄のコント
ラストや陰影の微妙なコントラストを出すために色調管
理が極めて重要である。すなわち、化粧板の基材や化粧
シートが貼合される基材には合板(パーティクルボー
ド)や鋼板など多岐に渡る材料が使用されるが、これら
基材の色調は、例えば、材料が同じであっても多種多様
に異なっているのが通例である。
【0004】従って、化粧シートを構成するシートの隠
蔽度が悪い場合は、基材の色調が化粧板や化粧シートの
表面の色調に影響を与えて意匠性が損なわれる。そこ
で、化粧シートのシートとしては、様々な色調を有する
基材に広く適用出来る様にするため、隠蔽性を有するシ
ート(フイルム)が望まれる。
【0005】一方、ポリエチレンテレフタレートに代表
される二軸配向ポリエステルフイルムは、その優れた特
性故に多くの分野で使用されている。しかしながら、特
開平7−17005号公報に例示される様に化粧板の表
面部材としての提案はあるものの、基材と絵柄印刷層と
の間に二軸配向ポリエステルフイルムを使用するとの提
案、換言すれば、化粧シートのシートとして二軸配向ポ
リエステルフイルムを使用するとの提案は未だなされて
いない。
【0006】ところで、ポリエステルフイルムは、塩化
ビニル樹脂フイルム又はシートと比較した場合、一般的
に各種の材料との接着性に劣る。従って、塩化ビニル樹
脂フイルム又はシートの代わりにポリエステルフイルム
を使用した場合は、例えば、基材である木材との接着性
が低下する。化粧板は、各種家具類、ドア等の表面加飾
に使用される。従って、フイルムと基材との剥離が生じ
るとイミテーションであることが顕著に分かるため、こ
の様な剥離を避けねばならない。
【0007】アルミサッシを受ける桟は、木質基材が使
用された化粧板を材質として使用することが多い。この
場合、夏、冬の激しい気温の変化およびアルミサッシの
荷重が化粧板に加わる。斯かる状況下では、フイルムと
接着剤層との接着性が劣ると特にフイルムが基材から剥
がれ易い。すなわち、サッシの桟にそって山脈状の膨れ
を起してしまう。また、高意匠の絵柄を印刷などにより
フイルム上に形成させるに際し、印刷適正が劣る、イン
ク・接着剤の濡れが悪い、印刷・積層の接着力が弱く印
刷・積層が剥離するといった問題もある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実情に
鑑みなされたものであり、その目的は、焼却時に環境問
題を生じることが無く、基材の色調による影響を受ける
こと無く高意匠の絵柄模様の現出が可能でかつ寸法安定
性に優れ、しかも、基材との接着性に優れた、化粧板ま
たは化粧シート用ポリエステルフイルムを提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の第1
の要旨は、基材の表面に少なくともフイルム層と絵柄印
刷層とを順次に配置して成る化粧板の前記フイルム層に
使用されるポリエステルフイルムであって、透過濃度が
0.1〜5.0であり、180℃で5分間熱処理後の熱
収縮率が縦横共に−10.0%以上で且つ+10.0%
以下であり、更に、少なくとも片面に塗布層を有するこ
とを特徴とする化粧板用ポリエステルフイルムに存す
る。
【0010】そして、本発明の第2の要旨は、基材の表
面に貼合され且つ少なくとも片面に絵柄印刷層を配置し
て使用されるフイルムであって、透過濃度が0.1〜
5.0であり、180℃で5分間熱処理後の熱収縮率が
縦横共に−10.0%以上で且つ+10.0%以下であ
り、更に、少なくとも片面に塗布層を有することを特徴
とする化粧シート用ポリエステルフイルムに存する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で言うポリエステルとは、ジカルボン酸とジオー
ル又はヒドロキシカルボン酸から重縮合によって得られ
るエステル基を含むポリマーを指す。
【0012】ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イ
ソフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、
2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキ
サンジカルボン酸などが挙げられ、ジオールとしては、
エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチ
レングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチ
ルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、
ポリエチレングリコール等が挙げられ、ヒドロキシカル
ボン酸としては、p−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロ
キシ−2−ナフトエ酸などが挙げられる。
【0013】代表的なポリエステルとしては、ポリエチ
レンテレフタレートやポリエチレンー2、6ナフタレー
ト等が例示される。本発明で使用するポリエステルは、
ホモポリマーであってもよく、また、第3成分を共重合
させたコポリマーでもよい。
【0014】本発明における化粧シートは、前述の様
に、様々な色調を有する基材に広く適用される。従っ
て、本発明のポリエステルフイルムは、基材の色調によ
って化粧シートの色調が変化してその高度な意匠性が損
なわれることがない様に、隠蔽性を有することが重要で
ある。そこで、本発明においては、ポリエステルフイル
ムの透過濃度を0.1〜5.0と規定している。上記の
透過濃度は、好ましくは0.2〜4.0、更に好ましく
は0.5〜3.0、最もこの好ましくは1.3〜3.0
の範囲である。
【0015】上記の透過濃度で示される隠蔽性は、一般
的には、フイルム中に無機または有機の粒子を含有させ
ることによって得られる。粒子としては、二酸化チタ
ン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化アルミニウ
ム、二酸化珪素、カーボンブラック、酸化鉄、酸化クロ
ム等が例示されるが、本願発明で規定する透過濃度を満
足し得る限り、使用される粒子の種類は上記の例に限定
されない。
【0016】また、隠蔽性を付与する方法としては、ポ
リエステルフイルム中に独立小気泡を含有させる方法も
好ましく採用し得る。具体的には、ポリエステルと非相
溶性であるポリオレフィンをポリエステルに少量添加し
て延伸および熱固定を行う方法、ポリエステルフイルム
に不活性ガスを含有させる方法などが例示される。
【0017】ポリエステルフイルムの透過濃度が0.1
より小さい場合は、ポリエステルフイルムが貼着される
基材の色調が化粧シート表面の絵柄模様の色調に影響を
与えて本発明の目的を達成することが出来ない。ポリエ
ステルフイルムの透過濃度が5.0より大きい場合は、
フイルム製造時にフイルム破断が多発したり、ポリエス
テルフイルムの機械的強度が低下する。
【0018】本発明のポリエステルフイルムにより、基
材の色調の影響を受けること無く高意匠の表面絵柄を化
粧シートに現出することが出来る。従って、本発明のポ
リエステルフイルムに絵柄模様が印刷された化粧シート
を基材表面に貼着することにより、いわゆる単層表刷り
を達成することが可能となる。また、上記の化粧シート
は、建材、家具、住宅機器などに好適である。更に、単
層表刷りにおいては、ポリエステルフイルムの上に隠蔽
化印刷を施した後、その上に絵柄印刷を行ってもよい
し、絵柄印刷の後にエンボス加工を行ってトップコート
を施してもよい。
【0019】本発明のポリエステルフイルムは、隠蔽性
に優れるため、一層のみからなるポリエステルフイルム
で単層表刷りを構成することも可能であるが、二層以上
のポリエステルフイルムを使用してもよい。例えば、合
板などの基材に本発明のポリエステルフイルムを複数枚
貼着してもよい。この様な多層構成により、表面のエン
ボス加工が容易となる。
【0020】一方、化粧シートの寸法安定性が悪い場合
はシワ等が発生し、絵柄模様の意匠性が損ねられる。そ
こで、本発明においては、ポリエステルフイルムの18
0℃で5分間熱処理後の熱収縮率を縦横共に−10.0
%以上で且つ+10.0%以下と規定している。上記の
熱収縮率は、好ましくは−7.0%以上で且つ+7.0
%以下の範囲である。特に、縦方向の熱収縮率が−4.
0%以上且つ+4.0%以下であり、横方向の熱収縮率
が−1.0%以上且つ+1.0%以下のポリエステルフ
イルムが好ましい。熱収縮率が−10.0%より大きい
場合(10%を超える伸長の場合)は、化粧シートの表
面が膨れ上がり外観が大きく損なわれる。熱収縮率が+
10%を超える場合は、化粧シートが建材や家具などか
ら剥離したり、絵柄模様が歪む等の問題を生じる。
【0021】ところで、家具、建材、住宅機器などには
木質系の材料が好まれる。すなわち、和風住居が醸す木
肌の色調で囲まれた空間から精神的安らぎが得られるた
め、木質系の色調が好まれる。この様な場合、ポリエス
テルフイルムの隠蔽性および寸法安定性に加え、ポリエ
ステルフイルム自身の色調を合わせるのが好ましい。
【0022】そこで、本発明の好ましい実施態様におい
ては、ポリエステルフイルムの色度b値を−5.0以
上、好ましくは−4.5以上、更にに好ましくは−4.
0以上と規定する。色度b値が−5.0より小さい場合
は、白色度が増大して青味がかった色調となる。特に、
通常の木質系材料が有する色調を現出する必要がある場
合は、色度b値を−5.0〜50.0とすることによ
り、表面材の色調の影響が少なくなって化粧シート表面
の色調調整が容易となる。
【0023】本発明の化粧板または化粧シート用ポリエ
ステルフイルムは、少なくとも片面に塗布層を有する。
塗布液用の塗布剤は、公知の塗布剤から任意に選択でき
るが、接着性の観点から、ポリエステル樹脂、アクリル
樹脂、ポリウレタン樹脂、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、
オキサゾリン樹脂、カップリング剤の群から選ばれた少
なくとも1種の化合物が好ましい。
【0024】上記のポリエステル樹脂を構成する多価カ
ルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オル
トフタル酸、フタル酸、4,4’−ジフェニルジカルボ
ン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフ
タレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボ
ン酸、2−カリウムスルホテレフタル酸、5−ソジウム
スルホイソフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバ
シン酸、ドデカンジカルボン酸、グルタル酸、コハク
酸、トリメリット酸、トリメシン酸、無水トリメリット
酸、無水フタル酸、p−ヒドロキシ安息香酸、トリメリ
ット酸モノカリウム塩およびそれらのエステル形成性誘
導体などが挙げられる。
【0025】上記のポリエステル樹脂を構成する多価ヒ
ドロキシ化合物としては、エチレングリコール、1,2
−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコー
ル、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,5−
ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−
シクロヘキサンジメタノール、p−キシリレングリコー
ル、ビスフェノールA−エチレングリコール付加物、ジ
エチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエ
チレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテ
トラメチレングリコール、ポリテトラメチレンオキシド
グリコール、ジメチロールプロピオン酸、グリセリン、
トリメチロールプロパン、ジメチロールエチルスルホン
酸ナトリウム、ジメチロールプロピオン酸カリウム等が
挙げられる。
【0026】上記の多価カルボン酸と多価ヒドロキシ化
合物との常法の重縮合反応によってポリエステル樹脂を
合成することが出来る。なお、上記の他、特開平1−1
65633号公報に記載されている、所謂アクリルグラ
フトポリエステル等のポリエステル成分を有する複合高
分子もポリエステル樹脂として使用することが出来る。
【0027】本発明で使用されるアクリル樹脂とは、ア
クリル系、メタアクリル系のモノマーに代表される様
な、炭素−炭素二重結合を持つ重合性モノマーからなる
重合体である。これらは、単独重合体または共重合体の
何れであってもよい。また、それらの重合体と他のポリ
マーとの共重合体も使用することが出来、他のポリマー
としては、例えば、ポリエステル、ポリウレタン、エポ
キシ樹脂などが挙げられる。共重合体は、ブロック共重
合体、グラフト共重合体などであってもよい。
【0028】更に、ポリエステル溶液またはポリエステ
ル分散液中で炭素−炭素二重結合を持つ重合性モノマー
を重合して得られたポリマー(場合によってはポリマー
の混合物)、ポリウレタン溶液またはポリウレタン分散
液中で炭素−炭素二重結合を持つ重合性モノマーを重合
して得られたポリマー(場合によってはポリマーの混合
物)、他のポリマー溶液または分散液中で炭素−炭素二
重結合を持つ重合性モノマーを重合して得られたポリマ
ー(場合によってはポリマー混合物)も使用し得る。
【0029】上記の炭素−炭素二重結合を持つ重合性モ
ノマーの代表的な例としては、アクリル酸、メタクリル
酸、クロトン酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、
シトラコン酸の様な各種カルボキシル基含有モノマー類
およびそれらの塩、2−ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、モノ
ブチルヒドロキルフマレート、モノブチルヒドロキシイ
タコネートの様な各種の水酸基含有モノマー類、メチル
(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、
プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリ
レート、ラウリル(メタ)アクリレートの様な各種の
(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリルミ
ド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロールアクリ
ルアミド又は(メタ)アクリロニトリル等の様な種々の
窒素含有ビニル系モノマー類、スチレン、α−メチルス
チレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエンの様な各種
スチレン誘導体、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルの様
な各種のビニルエステル類、γ−メタクリロキシプロピ
ルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、チ
ッソ(株)製「サイラプレーンFM−07」(メタクリ
ロイロシリコンマクロマー)等の様な種々の珪素含有重
合性モノマー類、燐含有ビニル系モノマー類、塩化ビニ
ル、塩化ビリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、
トリフルオロクロルエチレン、テトラフルオロエチレ
ン、クロロトリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロ
ピレンの様な各種のハロゲン化ビニル類、ブタジエンの
様な各種共役ジエン類などが挙げられる。
【0030】上記のアクリル系モノマーの重合法として
は、例えば、有機溶剤、モノマー及び重合開始剤を混合
して攪拌条件下に加熱して重合する方法、有機溶媒を加
熱攪拌しつつモノマー及び重合開始剤を滴下して重合す
る方法、オートクレーブを使用して高圧で重合する方
法、有機溶剤の代わりに水を使用し、必要に応じて界面
活性剤を併用して乳化形式または懸濁形式で重合する方
法などが挙げられる。
【0031】上記の重合開始剤としては、例えば、過硫
酸アンモニウム、過酸化水素などの様な無機のパーオキ
サイド、過酸化ベンゾイル等の様なアシルパーオキサイ
ド、第3級ブチルヒドロパーオキサイド、p−メンタン
ヒドロパーオキサイドの様な種々のアルキルヒドロパー
オキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイドの様
な種々のジアルキルパーオキサイド、アゾビスイソブチ
ロニトリル、アゾジ−tert−ブタンの様な種々のア
ゾ系化合物が挙げられる。
【0032】上記の無機または有機ののパーオキサイド
は、還元剤と組み合わせて所謂レドックス系触媒として
使用することも出来る。この場合、各成分には、一つの
化合物を使用してもよいし、複数の化合物を併用しても
よい。なお、還元剤としては、例えば、有機アミン類、
L−アスコルビン酸、L−ソルビン酸、ナフテン酸コバ
ルト、オクテン酸コバルト、ナフテン酸鉄、オクテン酸
鉄などが使用される。
【0033】本発明で使用されるポリウレタン樹脂とし
ては、例えば、特公昭42−24194号、特公昭46
−7720号、特公昭46−10193号、特公昭49
−37839号、特開昭50−123197号、特開昭
53−126058号、特開昭54−138098号の
各公報に開示された公知のポリウレタン樹脂またはそれ
らの誘導体が挙げられる。斯かる誘導体としては、例え
ば、イソシアネート末端を持つウレタンプレポリマーや
それらのブロック体(ブロックイソシアネートと呼ばれ
ることもある)が挙げられる。
【0034】ポリイソシアネートとしては、例えば、ト
リレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネー
ト、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘ
キサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシア
ネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシア
ネート、イソホロンジイソシアネート等が挙げられる。
【0035】ポリオールとしては、例えば、ポリオキシ
エチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコー
ル、ポリオキシテトラメチレングリコール等のポリエー
テルポリオール類、ポリエチレンアジペート、ポリエチ
レン−ブチレンアジペート、ポリカプロラクトン等のポ
リエステルポリオール類、アクリル系ポリオール、ひま
し油などが挙げられる。通常は、分子量300〜200
0のポリオールが使用される。
【0036】鎖長延長剤または架橋剤としては、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオー
ル、ジエチレングリコール、トリメチロールプロパン、
ヒドラジン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミ
ン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−
ジアミノジシクロヘキシルメタン、水などが挙げられ
る。
【0037】上記のポリウレタン樹脂は、水を主たる媒
体とする溶媒への溶解性を良くする目的で、アニオン性
の置換基、例えば、−SO3 H基、−OSO3 H基、−
COOH基およびこれらのアンモニウム塩、アルカリ金
属塩、アルカリ土類金属塩を有していることが好まし
い。斯かるポリウレタン樹脂の製造方法としては、例え
ば、次の(1)〜(3)の製法を挙げることが出来る。
【0038】(1)ポリイソシアネート、ポリオール、
鎖長延長剤などにアニオン性の置換基を有する化合物を
使用する製法。例えば、アニオン性の置換基を有するポ
リイソシアネートは、芳香族イソシアネート化合物をス
ルホン化する方法で得ることが出来る。また、アミノア
ルコール類の硫酸エステル塩またはジアミノカルボン酸
塩を有するイソシアネート化合物を使用することも出来
る。
【0039】(2)アニオン性の置換基を有する化合物
と生成したポリウレタンの未反応イソシアネート基とを
反応させる製法。アニオン性の置換基を有する化合物と
しては、アニオン性の置換基として、例えば、重亜硫酸
塩、アミノスルホン酸およびその塩類、アミノカルボン
酸およびその塩類、アミノアルコール類の硫酸エステル
およびその塩類、ヒドロキシ酢酸およびその塩類などを
有する化合物を使用することが出来る。
【0040】(3)ポリウレタンの活性水素含有基(O
H,COOH等)と特定の化合物とを反応させる製法。
特定の化合物としては、例えば、ジカルボン酸無水物、
テトラカルボン酸無水物、サルトン、ラクトン、エポキ
シカルボン酸、エポキシスルホン酸、2,4−ジオキソ
−オキサゾリジン、イサト酸無水物、ホストン等を使用
することが出来る。また、硫酸カルビル等の塩型の基ま
たは開環後に塩を生成できる基を有する3〜7員環の環
式化合物を使用することが出来る。
【0041】本発明で使用されるアミノ樹脂とは、アミ
ノ化合物またはアミド化合物とアルデヒド類との反応に
より生成するポリマー、プレポリマー及びそれらの誘導
体である。
【0042】骨格となるアミノ化合物またはアミド化合
物としては、例えば、尿素、チオ尿素、エチレン尿素、
ジヒドロキシエチレン尿素、トリアゾン類、メラミン、
イソメラミン、ベンゾグアナミン、グリコールウリル、
アセトグアナミン、グアニルメラミン、ジシアンジアミ
ド、ジシアンジアミドの単独重合体、ジシアンジアミド
の共重合体、アミノアクリル(アミノ基を含有する(メ
タ)アクリル系モノマー)、アミノアクリルの単独重合
体、アミノアクリルの共重合体、アニリン等が挙げられ
る。上記のアルデヒド化合物としては、例えば、ホルム
アルデヒド、グリオキサール等が挙げられる。
【0043】アミノ化合物またはアミド化合物とアルデ
ヒド類の反応により生成するポリマー又はプレポリマー
としては、モノメチロール尿素、ジメチロール尿素、ト
リメチロール尿素、テトラメチロール尿素、メチレン尿
素、メチロールメチレン尿素、メチロールメチレン尿素
三量体、モノメチロールメラミン、ジメチロールメラミ
ン、トリメチロールメラミン、テトラメチロールメラミ
ン、ペンタメチロールメラミン、ヘキサメチロールメラ
ミン、モノメチロールベンゾグアナミン、ジメチロール
ベンゾグアナミン、トリメチロールベンゾグアナミン、
テトラメチロールベンゾグアナミン、モノメチロールグ
リコールウリル、ジメチロールグリコールウリル、トリ
メチロールグリコールウリル、テトラメチロールグリコ
ールウリル、N−メチロールアクリルアミドの単独重合
体、N−メチロールアクリルアミドの共重合体などが挙
げられる。これらの化合物の一部は、メチロール化アミ
ノ樹脂と呼ばれることがある。
【0044】また、上記のポリマー又はプレポリマーの
誘導体誘導体としては、例えば、モノメトキシメチル尿
素、モノブトキシメチル尿素、ジメトキシメチル尿素、
ジブトキシメチル尿素、トリメトキシメチル尿素、トリ
ブトキシメチル尿素、テトラメトキシメチル尿素、テト
ラブトキシメチル尿素、モノメトキシメチルメラミン、
モノブトキシメチルメラミン、ジメトキシメチルメラミ
ン、ジブトキシメチルメラミン、トリメトキシメチルメ
ラミン、トリブトキシメチルメラミン、テトラメトキシ
メチルメラミン、テトラブトキシメチルメラミン、ペン
タメトキシメチルメラミン、ペンタブトキシメチルメラ
ミン、ヘキサメチルメラミン、ヘキサブトキシメチルメ
ラミン、モノメトキシメチルベンゾグアナミン、モノブ
トキシメチルベンゾグアンミン、ジメトキシメチルベン
ゾグアナミン、ジブトキシメチルメラミン、トリメトキ
シメチルベンゾグアナミン、トリブトキシメチルベンゾ
グアナミン、テトラメトキシメチルベンゾグアナミン、
テトラブトキシメチルベンゾグアナミン、モノメトキシ
メチルグリコールウリル、モノブトキシメチルグリコー
ルウリル、ジメトキシメチルグリコールウリル、ジブト
キシメチルグリコールウリル、トリメトキシメチルグリ
コールウリル、トリブトキシメチルグリコールウリル、
テトラメトキシメチルグリコールウリル、テトラブトキ
シメチルグリコールウリル、N−メトキシメチルアクリ
ルアミドの単独重合体、N−メトキシメチルアクリルア
ミドの共重合体、N−ブトキシメチルアクリルアミドの
単独重合体、N−ブトキシメチルアクリルアミドの共重
合体などが挙げられる。これらの化合物の一部は、アル
キルエーテル化アミノ樹脂と呼ばれることもある。
【0045】また、工業的には上記の化合物間の中間的
構造をもつ化合物もアミノ樹脂に含まれているが、勿
論、本発明で使用されるアミノ樹脂にこれらは含有され
る。工業的に入手できるアミノ樹脂としては、尿素樹
脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、グリコール
ウリル樹脂、これらの共縮合物、これらと他の樹脂(例
えばアルキッド樹脂)との共縮合物(アミノアルキッド
樹脂)等が挙げられる。例えば、工業的に生産するメラ
ミン樹脂の一例は、メラミン−ホルムアルデヒド−メタ
ノール(又はブタノール)の共縮合物として製造され
る。従って、メラミン、ホルムアルデヒド、メタノール
(又はブタノール)の比率により各種のメラミン樹脂成
分が形成される。更に、メタノールとブタノールを混合
併用する場合もある。
【0046】アミノ樹脂の自己硬化反応および他の官能
基との反応は、熱、触媒により促進される。触媒は、有
機酸または無機酸が有効であり、その具体例としては、
燐酸、塩酸、硫酸、メタンスルホン酸、パラトルエンス
ルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ジノニルナフ
タレンスルホン酸、ジノニルナフタレンジスルホン酸、
これらの部分塩、これらの部分エステル、これらのアン
モニウム塩、これらのアミン塩などが挙げられる。
【0047】本発明で使用されるエポキシ樹脂は、分子
内にエポキシ基を含む化合物、そのプレポリマー及び硬
化物である。代表的な例は、エピクロロヒドリンとビス
フェノールAとの縮合物である。特に、低分子ポリオー
ルのエピクロロヒドリンとの反応物は、水溶性に優れた
エポキシ樹脂を与える。本発明で使用されるエポキシ樹
脂は、必ずしも水溶性である必要はなく、水分散体型や
溶剤溶解型であってもよい。
【0048】本発明で使用されるエポキシ樹脂の具体例
としては、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ソル
ビタンポリグルシジルエーテル、ポリグリセロールポリ
グリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシ
ジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテ
ル、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イ
ソシアヌレート、グリセロールポリグリシジルエーテ
ル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、
レゾルシンジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコ
ールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオール
ジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジ
ルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエー
テル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポ
リプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリテ
トラメチレングリコールジグリシジルエーテル、アジピ
ン酸ジグリシジルエーテル、オルソフタル酸ジグリシジ
ルエーテル、ハイドロキノンジグリシジルエーテル、ビ
スフェノールSジグリシジルエーテル、テレフタル酸グ
リシジルエステル、ジブロモネオペンチルグリコールジ
グリシジルエーテル等が挙げられる。
【0049】エポキシ樹脂エマルジョンの市販品として
は、例えば、ナガセ化成工業(株)製の「デナコール
EM−125」、「デナコール EX−1101」、
「デナコール EX−1102」、「デナコール EX
−1103」等がある。
【0050】本発明で使用されるオキサゾリン樹脂(オ
キサゾリン化合物のポリマー)とは、その原料モノマー
の少なくとも一つとしてオキサゾリン化合物を含むポリ
マー又は生成したポリマー中に少なくとも一つのオキサ
ゾリン環を持つポリマーである。オキサゾリン化合物と
しては、2−オキサゾリン、3−オキサゾリン、4−オ
キサゾリン化合物などが挙げられるが、これらの中で
は、反応性に富み且つ工業的にも実用化されている2−
オキサゾリン化合物が好ましい。
【0051】ビニルオキサゾリン類は、アゾイソブチロ
ニトリル(AIBN)やベンゾイルパーオキサイド(B
PO)により、容易にラジカル重合し、側鎖にオキサゾ
リン環を有するポリマーを生成する。ビニルオキサゾリ
ン類は、n−ブチルリチウム等を触媒としたアニオン重
合でも同様のポリ(ビニルオキサゾリン)類を生成す
る。他方、オキサゾリウム塩やトリフルオロメタンスル
ホン酸などのカチオン重合触媒下では側鎖に(メタ)ア
クリルアミドを有するポリマーを生成する。
【0052】側鎖にオキサゾリン環を持つポリマーや上
記の側鎖に(メタ)アクリロイル基を持つポリマーは、
側鎖の反応によりポリマーを架橋させることが出来る。
勿論、上記の重合において、オキサゾリン環を持たない
モノマーを導入して共重合体を生成させてもよい。
【0053】本発明で使用されるカップリング剤として
は、シリコン系カップリング剤、チタン系カップリング
剤、ジルコニウム系カップリング剤、アルミニウム系カ
ップリング剤、ジルコニウム・アルミニウム系カップリ
ング剤、またこれらからの誘導体が挙げられる。
【0054】シリコン系カップリング剤としては、所謂
シランカップリング剤の他、アルキル(フェニル)アル
コキシシラン、アルキルシリケート(アルコキシシラ
ン)、クロロシラン等が挙げられるが、これらの中で
は、シランカップリング剤が好ましい。シランカップリ
ング剤の用語は、ケイ素原子に炭素原子を介して接合さ
れた有機官能基をもつシラン化合物(カーボンファンク
ショナルシラン)の中でも特に有機ポリマーに対して反
応性、親和性をもつ有機官能基を含有する化合物の総称
である。換言すれば、アミノ基、エポキシ基、ビニル
基、メタクリル基、メルカプト基に代表される反応性官
能基と、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ
基、イソプロペノキシ基)に代表される加水分解性基と
をそれぞれケイ素原子に結合しているシラン化合物であ
る。
【0055】シランカップリング剤の具体例としては、
γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシ
シラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチ
ルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン、N−β(N−ビニルベンジルアミノエ
チル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸
塩、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ
−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリ
アセトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、ビニ
ルトリメトキシシラン、オクタデシルジメチル[3−
(トリメトキシシリル)プロピル]アンモニウムクロラ
イド、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン,γ
−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、ビニル
トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、β−(3、4
−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラ
ン、ウレイドプロピルトリメトキシシラン、トリアミノ
プロピル−トリメトキシシラン、γ−4,5ジヒドロイ
ミダゾールプロピルトリエトキシシラン、γ−シアノプ
ロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
【0056】上記の化合物例の中には、アルコキシ基に
代表される様な加水分解性基がケイ素原子に3つ結合し
ている、いわゆる3官能性のシランカップリング剤が多
い。しかし、ケイ素原子に結合するアルコキシ基の数が
2以下である化合もシランカップリングとして有効に使
用することが出来る。また、上記の化合物の反応物、例
えば、上記の縮合物としてのオリゴマー、ポリビニルア
ルコール等との反応物などもシランカップリングとして
有効に使用することが出来る。更に、所謂ポリマー型シ
ランカップリング剤も使用することが出来る。
【0057】ポリマー型シランカップリング剤とは、ポ
リジメチルシロキサンの側鎖に反応性官能基とアルコキ
シ基に代表される加水分解性基の両方を含有する化合物
である。その具体例としては、日本ユニカー(株)製の
商品名「MAC−2101」(アルコキシ基、エポキシ
基、ポリエーテル基を含有するポリジメチルシロキサ
ン)、「MAC−2301」(アルコキシ基、水酸基、
ポリエーテル基を含有するポリジメチルシロキサン)等
が挙げられる。
【0058】チタンカップリング剤としては、所謂チタ
ンカップリング剤の他、アルキルチタネート、チタンキ
レートが挙げられるが、これらの中では、チタンカップ
リング剤が好ましい。
【0059】チタンカップリング剤としては、例えば、
イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプ
ロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イ
ソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チ
タネート、テトライソプロリルビス(ジオクチルホスフ
ァイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシ
ルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリ
ルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジ−トリデシル)
ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルバイロホス
フェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオク
チルバイロホスフェート)エチレンチタネート、イソプ
ロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメ
タクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルイ
ソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルト
リ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピ
ルトリクミルフェニルチタネート、イソプロピルトリ
(N−アミドエチル・アミノエチル)チタネート、ジク
ミルフェニルオキシアセテートチタネート、ジイソステ
アロイルエチレンチタネート等が挙げられる。
【0060】ジルコニウム系カップリング剤としては、
アルキルジルコネート、ジルコニウムキレート等が挙げ
られる。アルキルジルコネートとしては、例えば、ジル
コニウムブチレート、ジルコニウムアセチルアセトネー
ト、アセチルアセトンジルコニウムブチレート、ジルコ
ニウムラクテート、ステアリン酸ジルコニウムブチレー
ト等が挙げられる。また、ジルコニウムキレートとして
は、例えば、ジルコニウム−ジ−イソプロポキシド−ジ
−メチルアセトアセテート等が挙げられる。
【0061】アルミニウム系カップリング剤としては、
アルキルアルミネート、アルミニウムキレート等が挙げ
られる。アルキルアルミネートは、アルミン酸エステル
とも呼ばれ、その例としては、トリメトキシアルウミニ
ウム、トリエトキシアルミニウム、トリ−イソプロポキ
シアルミニウム、トリ−ベンジルアルコキシアルミニウ
ム等が挙げられる。アルミニウムキレートとしては、例
えば、アルミニウム−ジ−n−ブトキシド−モノ−エチ
ルアセトアセテート、アルミニウム−ジ−n−ブトキシ
ド−モノ−メチルアセトアセテート、アルミニウム−ジ
−イソブトキシド−モノ−メチルアセトアセテート、ア
ルミニウム−ジ−sec−ブトキシド−モノ−エチルア
セトアセテート、アルミニウム−ジ−イソプロポキシド
−モノ−エチルアセトアセテート等が挙げられる。
【0062】ジルコニウム・アルミニウムカップリング
剤としては、所謂ジルコアルミネートカップリング剤が
挙げられる。これは、ジルコニウムとアルミニウムを含
有する反応性の化合物の一種であり、その市販品として
は、例えば、米国CAVEDON CHEMICAL
CO.,INC.製造の商品名「CAVCO MOD
A」、「CAVCO MOD C」、「CAVCO M
OD C−1」、「CAVCO MOD F」、「CA
VCO MOD M」、「CAVCO MODM−
1」、「CAVCO MOD S」、「CAVCO M
OD APG」、「CAVCO MOD CPG」、
「CAVCO MOD CPM」、「CAVCO MO
D FPM」、「CAVCO MOD MPG」、「C
AVCO MOD MPM」等が挙げられる。
【0063】上記の誘導体としては、例えば、上記の化
合物の少なくとも一部分の加水分解物、上記の化合物ま
たはその加水分解物の少なくとも一種を含む縮合物、こ
れらと他の化合物との反応物(例えばシランカップリン
グ剤の部分加水分解物とポリビニルアルコールの反応
物)等が挙げられる。
【0064】本発明における塗布層は、上記の化合物の
他に種々の化合物を含有することが出来、その具体例と
しては、上記以外のバインダーポリマー、上記以外の架
橋剤、フィラー又は粒子、ワックス、帯電防止剤、界面
活性剤、消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、酸化防止剤、
紫外線吸収剤、発泡剤、染料、顔料が挙げられる。
【0065】本発明で使用される塗布液は、安全衛生
上、水を媒体とする塗布液であることが好ましいが、水
溶性または水分散性樹脂の助剤として有機溶剤を含有し
ていてもよいし、有機溶媒を媒体する塗布液であっても
よい。水を主な媒体とする場合は、上記の化合物を界面
活性剤などによって強制分散化した塗布液であってもよ
いが、自己分散型の塗布液が塗布剤の分散安定性の点か
ら好ましい。
【0066】自己分散型塗布液は、前記の各化合物に親
水性基を導入した塗布剤から調製される。例えば、ノニ
オン性基としては、水酸基、ポリエーテル、アニオン性
基としては、スルホン酸、カルボン酸、リン酸及びそれ
らの塩、カチオン性基としては、四級アンモニウム塩の
様なオニウム塩が挙げられる。化合物に親水性基を導入
する方法としては、グラフト処理を含む各種の共重合反
応を採用することが出来る。
【0067】上記の塗布剤の中では、アニオン性基を有
する水溶性または水分散型の塗布剤が特に好ましい。ア
ニオン性基の含有量の下限は、塗布剤に賦与する水溶性
あるいは水分散性の観点から通常0.05重量%とさ
れ、その上限は、特に制限されないが、ポリエステルの
場合は、充分な塗膜強度を与えるに足りる高分子量のポ
リエステルを製造する観点から15重量%とされる。な
お、アニオン性基の含有量とは、対イオンを含まないア
ニオン性基残基の化合物に対する割合を言う。
【0068】塗布方法としては、例えば、原崎勇次著、
槙書店、1979年発行、「コーティング方式」に示さ
れる様な、リバースロールコーター、グラビアコータ
ー、ロッドコーター、エアドクターコーター又はこれら
以外の塗布装置を使用することが出来る。
【0069】本発明における塗布層は、インラインコー
ティングにより設けられるのが好ましい。インラインコ
ーティングは、ポリステルフイルム製造の工程内で塗布
を行う方法であり、具体的には、ポリエステルを溶融押
し出ししてから二軸延伸後熱固定して巻き上げるまでの
任意の段階で塗布を塗布を行う方法である。通常は、溶
融・急冷して得られる実質的に非晶状態の未延伸シー
ト、その後に長手方向(縦方向)に延伸された一軸延伸
フイルム、熱固定前の二軸延伸フイルムの何れかに塗布
する。これらの中では、一軸延伸フイルムに塗布した後
に横方向に延伸する方法が優れている。斯かる方法によ
れば、製膜と塗布乾燥を同時に行うことが出来るために
製造コスト上のメリットがあり、塗布後に延伸を行うた
めに薄膜塗布が容易であり、塗布後に施される熱処理が
他の方法では達成されない高温であるために塗膜とポリ
エステルフイルムが強固に密着する。
【0070】塗布層の厚さは、乾燥後の厚さとして、通
常0.001〜10μm、好ましくは0.010〜5μ
m、更に好ましくは0.015〜2μmである。塗布層
の厚さが0.001μm未満の場合は、本発明の化粧板
または化粧シート用ポリエステルフイルムの基材に対す
る接着性が充分に改良されない。塗布層の厚さが10μ
mを超える場合は、塗布層が粘着剤の様な作用してロー
ルに巻き上げたフイルム同士が相互に接着する所謂ブロ
ッキングを生じ易くなる。
【0071】本発明の化粧板または化粧シート用ポリエ
ステルフイルムと基材との張り合わせには任意の接着剤
を使用することが出来る。接着剤としては、例えば、ユ
リア樹脂系接着剤、メラミン樹脂系接着剤、フェノール
樹脂系接着剤、α−オレフィン樹脂接着剤、水性高分子
とイソシアネートの混合物による接着剤、エポキシ系接
着剤、溶液型酢酸ビニル樹脂系接着剤、エマルジョン型
酢酸ビニル樹脂系接着剤、アクリルエマルジョン系接着
剤、ホットメルト接着剤、シアノアクリレート系接着
剤、ポリウレタン系接着剤、クロロプレンゴム系接着
剤、ニトリルゴム系接着剤、SBR系接着剤、変性ゴム
エマルジョン系接着剤、エチレン共重合樹脂系接着剤、
レゾルシン系接着剤、天然ゴム系接着剤、セルロース系
接着剤、でんぷん質糊料、デキストリン等が挙げられ
る。
【0072】基材が木材の場合は、ユリア樹脂系接着
剤、メラミン樹脂系接着剤、α−オレフィン樹脂接着
剤、水性高分子とイソシアネートの混合物による接着
剤、エマルジョン型酢酸ビニル樹脂系接着剤、アクリル
エマルジョン系接着剤、クロロプレンゴム系接着剤、変
性ゴムエマルジョン系接着剤、セルロース系接着剤が主
に使用される。
【0073】ユリア樹脂系接着剤の市販品としては、例
えば、三井東圧化学(株)製「ユーロイド310」、
「ユーロイド320」、「ユーロイド701」、「ユー
ロイド755」、「ユーロイド730」等が挙げられ
る。メラミン樹脂系接着剤の市販品としては、例えば、
三井東圧化学(株)製「ユーロイド350」、「ユーロ
イド775」、「ユーロイド781」、「ストラクトボ
ンドC−1」、「ストラクトボンドC−10」(以上、
メラミン・尿素樹脂)、三井東圧化学(株)製「ユーロ
イド883」、「ユーロイド811」(以上、メラミン
・フェノール樹脂)等が挙げられる。
【0074】フェノール樹脂系接着剤の市販品として
は、例えば、三井東圧化学(株)製「ユーロイドPL−
261」、「ユーロイドPL−281」、「ユーロイド
PL−211」、「ユーロイドPL−222」、コニシ
(株)製「PR22」等が挙げられる。α−オレフィン
樹脂接着剤の市販品としては、例えば、コニシ(株)製
「SH2」、「SH3」、「SH5W」、「SH6」、
「SH20」、「SH20L2」等が挙げられる。水性
高分子とイソシアネートの混合物による接着剤の市販品
としては、例えば、コニシ(株)製「CU1」、「CU
5」、「CU51」等が挙げられる。
【0075】エポキシ系接着剤の市販品としては、例え
ば、積水化学工業(株)製「エスダイン3008」、
「エスダイン3200」、「エスダイン3710」、
「エスダイン3730」、「エスダイン3740」、
「エスダイン3750」、「エスダイン3600」、
「エスダイン3611」、「エスダイン3450」等が
挙げられる。溶剤型酢酸ビニル樹脂系接着剤の市販品と
しては、例えば、積水化学工業(株)製「エスダイン1
011」、「エスダイン1013」、「エスダイン10
15」、「エスダイン1020」、「エスダイン105
7」等が挙げられる。
【0076】エマルジョン型酢酸ビニル樹脂系接着剤の
市販品としては、例えば、セメダイン(株)製「65
6」、「605」、「EM−65」、「EM−90」、
「602(T)」、積水化学工業(株)製「エスダイン
5100」、「エスダイン5165」、「エスダイン5
200」、「エスダイン5300」、「エスダイン53
01」、「エスダイン5320」、「エスダイン540
0」、「エスダイン5403」、「エスダイン540
5」、「エスダイン5406」、「エスダイン540
8」、「エスダイン5410」、「エスダイン544
0」、「エスダイン5500」、「エスダイン570
0」、「エスダイン5800」、「エスダイン580
3」、「エスダイン5815」、コニシ(株)製「CH
2」、「CH2W」、「CH3」、「CH5」、「CH
18」、「CH20」、「CH7」、「CH7L」、
「CH27」、「CH1000」、「CH63」、「C
H65」、「CH131」、「CH133」、「CH1
15」、「CX10」、「CX55」、「CH150
0」、「CH1600」、「CH3000L」、「CH
72」、「CH73」、「CH74」、「CH77」、
「CH107硬化剤付」、「PTS(A/B)」、「C
H7000/PTS7000」等が挙げられる。
【0077】アクリルエマルジョン系接着剤の市販品と
しては、例えば、セメダイン(株)製「EM−31
5」、「EM−370A・B」、「モルコーン68
5」、「EM−326」、「679」、「EM−702
改」、コニシ(株)製「CEL10」、「CEL2
0」、「CEL22」、「CEL25N」、「CEL6
0」、「CEL63」、「CVC33」、「CVC3
6」、「CVC36F」、「CV3105シリーズ」、
「SP65」、「SP85」、「SP200」、「SP
210」、「SP220」、「SP281」、「SP2
85」、「SP290」、「SP291」、「SP30
55」、「CN520」、「CZ100」、「CZ22
0」、「CE780」、「CE801」、「ネダボンド
A」、「ネダボンドW1000」等が挙げられる。
【0078】クロロプレンゴム系接着剤の市販品として
は、例えば、積水化学(株)製「エスダイン276A
L」、「エスダイン276FS」、「エスダイン276
M」、「エスダインSG202D」、「エスダイン27
8」、「エスダインSG2005E」、コニシ(株)製
「G10」、「G11」、「G12」、「スーパーGエ
ース」、「G17」、「G18」、「G19」、「G5
000」、「G5800」、「GS5」、「GU55ブ
ルー」、「GU68Fグリーン」、「G77」、「G7
8」、「ネダボンドG」、「スーパーGスプレー」、
「GW150」等が挙げられる。
【0079】変性ゴムエマルジョン系接着剤の市販品と
しては、例えば、セメダイン(株)製「CL−5N」、
「CL−7N」、コニシ(株)製「FL200」、「F
L105S」、「HB2」、「HB10」等が挙げられ
る。レゾルシン系接着剤の市販品としては、例えば、コ
ニシ(株)「KR15」等、セルロース系接着剤の市販
品としては、例えば、コニシ(株)「工作用ボンド
(K)」等が挙げられる。
【0080】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施
例に限定されるものではない。なお、特記しない限り、
実施例および比較例中の「部」は「重量部」、「%」は
「重量%」を意味する。
【0081】(1)隠蔽度:マクベス濃度計(TD−9
04型)を使用し、Gフィルター下の透過光濃度を測定
した。この値が大きいほど隠蔽力が高いことを示す。
【0082】(2)加熱収縮率:幅25mm、長さ1.
0mの試料フイルムを熱風循環炉(タバイエスペック
(株)製)中で100℃で5分間自由端熱処理を行い、
処理前後の縦方向の寸法変化を%で表した。
【0083】(3)色調:カラーアナライザー(東京電
色(株)製「TCー1800MKII型」)を使用し、そ
して、JIS Z−8722の方法に準じ、色調をL、
a、bの値として測定した。
【0084】(4)化粧板適性(色変化):表面が黒色
の平面基材である合板に化粧シートを貼着して化粧板と
なし、化粧シートの表面に印刷された絵柄模様の色調変
化を観察し、意匠性が保たれている場合を○、色調の変
化が著しくて意匠性が低下した場合を×、その中間を△
とした。
【0085】(5)化粧板適性(表面性状):熱風循環
炉(タバイエスペック(株)製)中で上記の化粧板を1
80℃で5分間保持した後、化粧シートの表面性を評価
し、表面状態の変化の無い場合を○、シワや表面の縮み
などが生じた場合を×とした。
【0086】(6)化粧板適性(エンボス性):エボス
加工を施した結果、エンボス加工が容易である場合を
○、エンボス加工が困難な場合を×、特に容易に加工出
来る場合を◎とした。
【0087】(7)接着性:合板と本発明のポリステル
フイルムとの接着性を評価した。測定試料は、次のの様
にして作成する。先ず、合板上にウェットで110g/
2 量の接着剤を均一に塗布する。次いで、接着剤が塗
布された合板上に、フイルムの評価する面が接着剤と向
かい合う様にフイルムを載置して貼り合わせる。この試
料をプレス機にて2kg/cm2 の圧力を加えながら1
時間放置する。その後、試料を取り出し、室温で1日放
置する。作成した試料を使用し、次の方法により接着性
を評価した。
【0088】(7−1)手による剥離試験:手によって
合板からフイルムを剥離して剥離界面を目視判定した。
合板が層間剥離している場合を○、フイルムと接着剤の
界面で剥離している場合を×、両者の混在する場合を△
とした。
【0089】(7−2)高温クリープ剥離試験:フイル
ムに1インチ幅に切れ目を入れ、この切れ目からフイル
ムを部分的に剥離させた。その後、合板を水平にし、部
分的に剥離したフイルムが垂直方向に垂れ下がる様にし
て合板を固定した。垂れ下がったフイルムの端に500
gの荷重を掛け、60℃の乾熱風オーブン中に放置し
た。フイルムが合板から剥離した距離を1時間後に測定
した。1時間後の剥離長さが2mm未満の場合を◎、2
mm以上5mm未満の場合を○、5mm以上20mm未
満の場合を△、20mm以上の場合を×とした。
【0090】接着剤としては、次の表1に示す5種類を
使用し、接着性の評価は、5種類の接着剤での評価結果
の平均を採用した。
【0091】
【表1】 エマルジョン型酢酸ビニル樹脂系接着剤:セメダイン(株)製「605」 エマルジョン型酢酸ビニル樹脂系接着剤:コニシ(株)製「CH18」 アクリルエマルジョン系接着剤 :セメダイン(株)製「679」 アクリルエマルジョン系接着剤 :コニシ(株)製「CVC36」 ゴム系接着剤 :コニシ(株)製「G17」
【0092】比較例1 ジメチルテレフタレート100部、エチレングリコール
70部、酢酸カルシウムー水塩0.07部を反応器に採
り、加熱昇温すると共にメタノールを留去させエステル
交換反応を行い、反応開始後、約4時間半を要して23
0℃に達せしめて実質的にエステル交換反応を終了し
た。
【0093】次に、燐酸0.04部および三酸化アンチ
モン0.035部を添加し、常法に従って重合した。す
なわち、反応温度を徐々に上げて最終的に280℃と
し、一方、圧力を徐々に減じて最終的に0.05mmH
gとした。4時間後に反応を終了し、常法に従い、チッ
プ化してポリエステル(A)を得た。得られたポリエス
テル40部とルチル型二酸化チタン60部とを常法に従
い二軸押出機中で溶融混合した後にチップ化してマスタ
ーバッチポリエステルチップ(B)を得た。
【0094】上記ポリエステルチップ(A)88部、ポ
リエステルチップ(B)12部を別々に180℃5時間
乾燥した後混合し、常法に従い溶融押出した後、急冷固
化し、縦、横にそれぞれ83℃で2.9倍、125℃で
3.2倍、逐次二軸延伸した後、210℃で熱処理して
38μmの二軸配向ポリエステルフイルム(I)を得
た。得られたポリエステルフイルム(I)の特性を表1
1に示す。化粧板適性の中では、接着性が不充分であっ
た。その他は良好であった。
【0095】比較例2 比較例1において、ポリエステルチップ(B)を製造す
る際に、ポリエステル(A)とルチル型二酸化チタン6
0部の他、黄色顔料としてアンスラキノン3.5部、カ
ーボンブラック0.1部、酸化鉄2.0部を使用し、常
法に従い二軸押出機中で溶融混合した後にチップ化して
マスターバッチポリエステルチップ(C)を得、ポリエ
ステルチップ(B)の代わりにポリエステルチップ
(C)を使用した以外は、比較例1と同様にして二軸配
向ポリエステルフイルム(II)を得た。得られたポリエ
ステルフイルム(II)の特性を表11に示す。化粧板適
性の中では、接着性が不充分であった。その他は良好で
あった。
【0096】比較例3 比較例1において、ポリエステルチップ(B)4部、ポ
リオレフィン13部、ポリエステルチップ(A)83部
から成る組成に変更した以外は、比較例1と同様にして
二軸配向ポリエステルフイルム(III)を得た。得られた
ポリエステルフイルム(III)の特性を表11に示す。化
粧板適性の中では接着性が不充分であった。その他は良
好であった。
【0097】比較例4 比較例1において、ポリエステルチップ(B)の配合量
を1部に変更した以外は、比較例1と同様にして二軸配
向ポリエステルフイルム(IV)を得た。得られたポリエ
ステルフイルム(IV)の特性を表11に示す。化粧板適
性は接着性もそれ以外も不充分であった。
【0098】比較例5 比較例1において、ポリエステルフイルムの加熱収縮率
が15%となる様に製膜した以外は、比較例1と同様に
二軸延伸ポリエステルフイルム(V)を得た。得られた
ポリエステルフイルム(V)の特性を表11に示す。化
粧板適性は接着性もそれ以外も不充分であった。
【0099】実施例1 塗布層を設けた二軸延伸ポリエステルフイルムを作成し
た。塗設した塗布層とベースフイルムの組み合わせは表
2に示す通りであった。すなわち、比較例1で作成した
ポリエステルフイルム(I)の一方の面上に塗布層1を
設けた。塗布層1の組成は表5に示す通りであった。す
なわち、塗布層1は、塗布原料Aと塗布原料Jとを乾燥
固形分の比率で95/5になる様に配合し、必要に応じ
て水で希釈し、バーコーターにて塗布した。乾燥後の膜
厚は0.3μmであった。塗布原料の内容は表8〜10
に示す通りであった。すなわち、塗布原料Aはポリエス
テル水分散体であり、塗布原料Jは酸化珪素の水分散体
である。なお、表8〜10に記載した通り、塗布原料は
主に水分散体が中心であるが、表5〜7に記載する塗布
層の組成は、水分が除去された後の乾燥固形分に関する
組成である。得られた塗布フイルムの特性を表11に示
す。化粧板特性は、接着性も含めて良好であった。な
お、接着性の評価は塗布層面側にて行なった。
【0100】実施例2 実施例1と同様にして塗布フイルムを作成した。ただ
し、ベースフイルムは比較例2に記載のポリエステルフ
イルム(II) を使用した。得られた塗布フイルムの特性
を表11に示す。化粧板特性は、接着性も含めて良好で
あった。
【0101】実施例3 実施例1と同様にして塗布フイルムを作成した。ただ
し、ベースフイルムは比較例3に記載のポリエステルフ
イルム(III)を使用した。得られた塗布フイルムの特性
を表12に示す。化粧板特性は、接着性も含めて良好で
あった。
【0102】比較例6 実施例1と同様にして塗布フイルムを作成した。ただ
し、ベースフイルムは比較例4に記載のポリエステルフ
イルム(IV)を使用した。得られた塗布フイルムの特性
を表11に示す。化粧板特性は、接着性は良好であった
が、その他の特性が不充分であった。
【0103】比較例7 実施例1と同様にして塗布フイルムを作成した。ただ
し、ベースフイルムは比較例5に記載のポリエステルフ
イルム(V)を使用した。得られた塗布フイルムの特性
を表11に示す。化粧板特性は、接着性は良好であった
が、その他の特性が不充分であった。
【0104】実施例4〜7 実施例2と同様にして塗布フイルムを作成した。ただ
し、塗布層を変更した。塗布層の内容は、表2、表5及
び表8〜10に示す通りであった。得られた塗布フイル
ムの特性を表12に示す。化粧板特性は、接着性も含め
て良好であった。
【0105】実施例8 比較例1において、縦横に逐次二軸延伸する際に塗布し
た。具体的には、縦方向に83℃で2.9倍に延伸した
後、横延伸前のフイルムの片面に塗布し、その後、横方
向に125℃で3.2倍に延伸した。これ以外の工程は
比較例1と同様にして塗布フイルムを得た。すなわち、
塗布剤を、塗布原料Aと塗布原料Jを適宜水希釈混合し
て乾燥固形分比率がA/J=95/5となる様に調整
し、ロールコーターにより塗布した。得られた塗布層の
内容は、表2、表5及び表8〜10に記載の通りであっ
た。得られた塗布フイルムの特性を表12に示す。化粧
板特性は接着性も含めて良好であった。実施例1と比較
しても、膜厚が1/3であるにも関わらず接着性は良好
であり、また、フイルムの滑り性も極めて良好であり合
板との張り合わせ加工がスムースに出来た。これらはイ
ンラインコーティングの効果である。
【0106】実施例9〜22 実施例8と同様にしてインラインコーティングして塗布
フイルムを得た。ただし、塗布剤とベースフイルムの組
み合わせは表2に示す通りであった。得られた塗布層の
内容は、表2、表5及び表8〜10に記載の通りであっ
た。得られた塗布フイルムの特性を表12〜14に示
す。化粧板特性は接着性も含めて良好であった。実施例
1〜7までと比較しても、膜厚が1/3であるにも拘ら
ず接着性は良好であり、また、フイルムの滑り性もきわ
めて良好であり合板との張り合わせ加工がスムースに出
来た。これらはインラインコーティングの効果である。
【0107】実施例23〜46 実施例9と同様にしてインラインコーティングして塗布
フイルムを得た。ただし、塗布剤とベースフイルムの組
み合わせは表3及び表4に示す通りであった。すなわ
ち、ベースフイルムは全てポリエステルフイルム(II)
となる様にした。縦延伸後横延伸前に塗布して塗布フイ
ルムを得た。得られた塗布層の内容は、表2、表5〜7
及び表8〜10に記載の通りであった。得られた塗布フ
イルムの特性を表14〜16に示す。化粧板特性は接着
性も含めて良好であった。特に架橋性成分を含む場合は
高温下でも高い接着性を示す場合が多かった。
【0108】
【表2】
【0109】
【表3】
【0110】
【表4】
【0111】
【表5】
【0112】
【表6】
【0113】
【表7】
【0114】
【表8】
【0115】
【表9】
【0116】
【表10】
【0117】
【表11】
【0118】
【表12】
【0119】
【表13】
【0120】
【表14】
【0121】
【表15】
【0122】
【表16】
【0123】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、焼却時に
環境問題を生じることが無く、基材の色調による影響を
受けること無く高意匠の絵柄模様の現出が可能で且つ法
安定性に優れ、しかも、基材との接着性に優れた、化粧
板または化粧シート用ポリエステルフイルムが提供さ
れ、本発明の工業的価値は非常に大きい。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材の表面に少なくともフイルム層と絵
    柄印刷層とを順次に配置して成る化粧板の前記フイルム
    層に使用されるポリエステルフイルムであって、透過濃
    度が0.1〜5.0であり、180℃で5分間熱処理後
    の熱収縮率が縦横共に−10.0%以上で且つ+10.
    0%以下であり、更に、少なくとも片面に塗布層を有す
    ることを特徴とする化粧板用ポリエステルフイルム。
  2. 【請求項2】 色度b値が−5.0以上である請求項1
    に記載の化粧板用ポリエステルフイルム。
  3. 【請求項3】 塗布層が、ポリエステル樹脂、アクリル
    樹脂、ポリウレタン樹脂、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、
    オキサゾリン樹脂、カップリング剤の群から選ばれた少
    なくとも1種の化合物を含有する請求項1又は2に記載
    の化粧板用ポリエステルフイルム。
  4. 【請求項4】 塗布層がインラインコーティングにより
    設けられる請求項1〜3の何れかに記載の化粧板用ポリ
    エステルフイルム。
  5. 【請求項5】 基材の表面に貼合され且つ少なくとも片
    面に絵柄印刷層を配置して使用されるフイルムであっ
    て、透過濃度が0.1〜5.0であり、180℃で5分
    間熱処理後の熱収縮率が縦横共に−10.0%以上で且
    つ+10.0%以下であり、更に、少なくとも片面に塗
    布層を有することを特徴とする化粧シート用ポリエステ
    ルフイルム。
  6. 【請求項6】 色度b値が−5.0以上である請求項5
    に記載の化粧シート用ポリエステルフイルム。
  7. 【請求項7】 塗布層が、ポリエステル、アクリル系ポ
    リマー、ポリウレタン、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、オ
    キサゾリン化合物のポリマー、カップリング剤の群から
    選ばれた少なくとも1種の化合物を含有する請求項5又
    は6に記載の化粧シート用ポリエステルフイルム。
  8. 【請求項8】 塗布層がインラインコーティングにより
    設けられる請求項5〜7の何れかに記載の化粧シート用
    ポリエステルフイルム。
JP30364096A 1996-10-29 1996-10-29 化粧板または化粧シート用ポリエステルフイルム Pending JPH10128934A (ja)

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EP20000119847 EP1057852B1 (en) 1996-10-29 1997-10-28 Polyester film for decorative plate or decorative sheet
DE1997626822 DE69726822T2 (de) 1996-10-29 1997-10-28 Polyesterfolie für Dekorplatte oder -schicht
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002326319A (ja) * 2001-05-02 2002-11-12 Dainippon Printing Co Ltd 熱硬化性樹脂化粧材
JP2007175931A (ja) * 2005-12-27 2007-07-12 Mitsubishi Polyester Film Copp 化粧板または化粧シート用ポリエステルフィルム
JP2007181978A (ja) * 2006-01-06 2007-07-19 Mitsubishi Polyester Film Copp 化粧シート用ポリエステルフィルム
JP2007290382A (ja) * 2006-03-27 2007-11-08 Dainippon Printing Co Ltd 鋼板用化粧シート及びこれを用いた化粧鋼板
JP2015205440A (ja) * 2014-04-19 2015-11-19 三菱樹脂株式会社 積層ポリエステルフィルム

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