JPH10120766A - エネルギー線硬化性組成物及び物品 - Google Patents

エネルギー線硬化性組成物及び物品

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JPH10120766A
JPH10120766A JP29702496A JP29702496A JPH10120766A JP H10120766 A JPH10120766 A JP H10120766A JP 29702496 A JP29702496 A JP 29702496A JP 29702496 A JP29702496 A JP 29702496A JP H10120766 A JPH10120766 A JP H10120766A
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JP
Japan
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group
sulfonium salt
curable composition
polymerization initiator
alkyl group
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JP29702496A
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English (en)
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Nobuo Taniguchi
信雄 谷口
Minoru Yokoshima
実 横島
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Nippon Kayaku Co Ltd
Original Assignee
Nippon Kayaku Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】顔料系で特に硬化性に優れ、硬化物は、光沢に
優れた新規なエネルギー線硬化性組成物及びその硬化物
を提供する。 【解決手段】カチオン重合性物質(A)とスルホニウム
塩系熱潜在性カチオン重合開始剤(B)と波長360n
m以上の波長領域における最大モル吸光係数が100以
上のスルホニウム塩系光カチオン重合開始剤(C)及び
任意成分として顔料(D)を含有することを特徴とする
エネルギー線硬化性組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エネルギー線硬化
性組成物及びその硬化物に関し、更に詳しくは、光照射
又は光照射と熱により硬化するカチオン重合性組成物及
びその硬化物に関する。特に顔料を含む組成物におい
て、硬化性に優れたエネルギー線硬化性組成物及びその
硬化物に関する。
【0002】
【従来の技術】光照射によりエポキシ化合物などのカチ
オン重合性化合物を硬化させる触媒及びその組成物の例
は、特開昭50−151997号、特開昭50−158
680号等に記載されている。加熱によりエポキシ化合
物などのカチオン重合性化合物を硬化させる触媒及びそ
の組成物が記載されているものとして、特開昭56−1
52833号、特開昭58−37003号、特開昭63
−223002号、特開平2−178319号、特開平
3−17119号などが知られている。また、光照射及
び熱によりエポキシ化合物などのカチオン重合性化合物
を硬化させる触媒及びその組成物について、特開平2−
196812号などに記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記に述べたように、
光照射又は光照射と熱によりエポキシ化合物などのカチ
オン重合性化合物は種々検討されているが、顔料を含有
してなる組成物に関する硬化性が不十分であり、改善の
提案も十分ではない。又、光重合性組成物の使用分野が
拡大するにつれて、市場の要求に対応ように、新規な組
成物の提供が求められている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題を解決するため鋭意研究の結果、カチオン重合性物質
を含有する組成物において、スルホニウム塩系熱潜在性
カチオン重合開始剤と波長360nm以上の波長領域に
おける最大モル吸光係数が100以上のスルホニウム塩
系光カチオン重合開始剤を含有させることにより、硬化
性に優れ、特に顔料を含有する組成物においても硬化性
に優れたエネルギー線硬化性組成物及びその硬化物を提
供することに成功した。すなわち、本発明は、(1)カ
チオン重合性物質(A)とスルホニウム塩系熱潜在性カ
チオン重合開始剤(B)と波長360nm以上の波長領
域における最大モル吸光係数が100以上のスルホニウ
ム塩系光カチオン重合開始剤(C)及び任意成分として
顔料(D)を含有することを特徴とするエネルギー線硬
化性組成物、(2)波長360nm以上の波長領域にお
ける最大モル吸光係数が100以上のスルホニウム塩系
光カチオン重合開始剤(C)がチオキサントン構造を有
するスルホニウム塩であることを特徴とするエネルギー
線硬化性組成物、(3)(1)又は(2)に記載の組成
物の硬化皮膜を有する物品、に関する。
【0005】本発明の組成物において、好ましいカチオ
ン重合性物質(A)の具体例としては、例えばエポキシ
基を有する化合物、ビニル型化合物、スピロオルソカー
ボネート化合物等があげられる。エポキシ基を有する化
合物としては、例えばビスフェノールA、ビスフェノー
ルF等のビスフェノールとエピクロルヒドリンの反応物
であるビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノール・ノ
ボラック、クレゾール・ノボラック等のノボラック樹脂
とエピクロルヒドリンの反応物であるノボラック型エポ
キシ樹脂、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂、フ
ェニルグリシジルエーテル、多価アルコール類のポリグ
リシジルエーテル等のグリシジルエーテル化合物、3,
4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ
シクロヘキサンカーボキシレート、ビス(3,4−エポ
キシシクロヘキシル)アジペート、ビニルシクロヘキセ
ンジオキシド、2−〔3,4−エポキシシクロヘキシル
−5,5−スピロー3,4−エポキシ〕シクロヘキサン
メタジオキサン、1,2−エポキシ−p−ビニルシクロ
ヘキセン等の脂環式エポキシ化合物等を挙げることがで
きる。
【0006】ビニル型化合物としては、例えばスチレ
ン、α−メチルスチレン、p−クロロメチルスチレン等
のスチレン類;n−ブチルビニルエーテル、イソブチル
ビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒド
ロキシブチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニル
エーテル等のアルキルビニルエーテル類;アリルビニル
エーテル、1−オクタヒドロナフチルビニルエーテル等
のアルケニルビニルエーテル類;エチニルビニルエーテ
ル、1−メチル−2−プロペニルビニルエーテル等のア
ルキニルビニルエーテル類;フェニルビニルエーテル、
p−メトキシフェニルビニルエーテル等のアリールビニ
ルエーテル類;ブタンジオールジビニルエーテル、トリ
エチレングリコールジビニルエーテル、シクロヘキサン
ジオールジビニルエーテル、トリメチロールプロパント
リビニルエーテル等のアルキルポリビニルエーテル類;
1,4−ベンゼンジメタノールジビニルエーテル、m−
フェニレンビス(エチレングリコール)ジビニルエーテ
ル等のアラルキルジビニルエーテル類;ハイドロキノン
ジビニルエーテル、レゾルシノールジビニルエーテル等
のアリールジビニルエーテル類;ポリエステルポリビニ
ルエーテル類;ポリウレタンポリビニルエーテル類等が
ある。
【0007】スピロオルソカーボネート化合物として
は、例えば1,5,7,11−テトラオキサスピロ
〔5,5〕ウンデカン、3,9−ジベンジル−1,5,
7,11−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン等
や1,4,6−トリオキサスピロ〔4,4〕ノナン、2
−メチル−1,4−6−トリオキサスピロ〔4,4〕ノ
ナン、1,4,6−トリオキサスピロ〔4,5〕デカン
等のスピロオルソエステル化合物等があげられる。
【0008】これらの成分(A)は単独若しくは2種以
上を併用して用いても差し支えない。また、これらの成
分(A)のうち特にエポキシ基を有する化合物が好んで
使用される。
【0009】本発明で用いる成分(B)のスルホニウム
塩系熱潜在性カチオン重合開始剤は、加熱によりカチオ
ンを発生する重合開始剤である。カチオンを発生する温
度としては、例えば好ましくは60から200℃、より
好ましくは75から170℃程度である。成分(B)と
しては、例えば下記一般式〔1〕〜〔5〕で示されるス
ルホニウム塩化合物等を例示することができる。これら
化合物は、例えば特開昭63-152619 号公報、特開昭63-2
23002 号公報、特開平2-1470号公報、特開平3-59001 号
公報、特開平3-237107号公報、特開平5-140210号公報等
に記載されている。
【0010】
【化1】
【0011】(式〔1〕中、R1 ,R2 は、水素原子、
ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、
シアノ基、ビニル基、カルバモイル基又はアルカノイル
基を表し、R3 は水素原子、アルキル基又は置換されて
いてもよいフェニル基を表し、R4,5 は、同一又は異
なる直鎖又は分枝のアルキル基、置換されていてもよい
アルキル基又はベンジル基であり、R4 とR5 と一体と
なって結合してもよく、Xは、SbF6 、PF6 :As
6 又はBF4 を表す。〕
【0012】
【化2】
【0013】(式〔2〕中、R6 は、水素原子、アルキ
ル基、アルキルカルボニル基、ベンジル基、フェニル
基、ベンジルカルボニル基又はベンゾイル基を表し、R
7 ,R8は、水素原子、ハロゲン原子又はアルキル基を
表し、R9 は、置換されていてもよい不飽和結合を含む
アルキル基、置換されていてもよいベンジル基又はフェ
ナシル基を表し、R10は、アルキル基又は置換されてい
てもよいベンジル基を表し、Xは、SbF6 、PF6
AsF6 又はBF4 を表す。)
【0014】
【化3】
【0015】(式〔3〕中、R11は、水素原子、アルキ
ル基又はシアノ基を表し、R12は、アルキル基、アルコ
キシカルボニル基、又は置換されていてもよいアルキル
基又はベンジル基であり、R13とR14は一体となって結
合してもよく、Xは,SbF6、AsF6 又はBF4
表す。)
【0016】
【化4】
【0017】(式〔4〕中、R15,R16は、水素原子、
ハロゲン原子、アルキル基又はアルコキシ基を表し、R
17,R18は、同一又は異なる直鎖又は分枝のアルキル
基、置換されていてもよいアルキル基又はベンジル基で
あり、R17とR18は、一体となって結合してもよく、X
は、SbF6 、PF6 、AsF6 又はBF4 を表す。)
【0018】
【化5】
【0019】(式〔5〕中、R19は、水素原子、アルキ
ル基、アルキルカルボニル基、ベンジル基、フェニル
基、ベンジルカルボニル基又はベンゾイル基を表し、R
20、R21は、水素原子、ハロゲン原子又はアルキル基を
表し、R22、R23は、水素原子、ハロゲン原子、アルキ
ル基又はアルコキシ基を表し、R24は、アルキル基又は
置換されていてもよいベンジル基を表し、Xは、SbF
6 、PF6 、AsF6 、又はBF4 を表す。)
【0020】これらのスルホニウム塩化合物は、例え
ば、次の方法で得ることができる。ベンジルブロマイ
ド、ベンズヒドリルブロマイドのようなα−置換ベンジ
ルハイライド、シンナミルブロマイド、クロチルブロマ
イド、プロパルジルブロマイドのような不飽和結合を有
するハライド、又は1−ブロモメチルナフタレンのよう
なハロゲン化メチルナフタレン誘導体等とそれぞれ対応
するスルフィド化合物を等モルづつ、必要に応じてメチ
ルアルコール、アセトン、アセトニルトリル等の不活性
溶媒存在下にて、室温〜還流温度で数時間〜30日反応
させ、次いで、得られた固形物を水若しくは水−メチル
エチルケトン等の水−有機溶媒系に溶解せしめ、六フッ
化アンチモン酸ナトリウム等の対応する塩を加えて激し
く攪拌し、析出した液状又は固形状の生成物を分離した
後、乾燥して得られる。
【0021】本発明で使用する成分(C)である波長3
60nm以上の波長領域において最大モル吸光係数が1
00以上であるスルホニウム塩は、光カチオン重合開始
剤として作用するもので、光照射のみにより分解し、カ
チオン重合を開始するものである。その例としてチオキ
サントン構造を有するスルホニウム塩、アンスラキノン
構造を有するスルホニウム塩、アクリドン構造を有する
スルホニウム塩等を挙げることができる。チオキサント
ン構造を有するスルホニウム塩は例えば下記の一般式
〔6〕
【0022】
【化6】
【0023】(式中、R91,R101 は、それぞれ水素原
子、アルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシアルキルオ
キシ基、アルコキシ基を表し、R111 はハロゲン原子ま
たはアルキル基を表し、R121 は水素原子またはアルキ
ル基を表し、XはSbF6 、PF6 又はB(C6 5
4 を表す。)で示される化合物が挙げられる。アルキル
基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル
基、イソプロピル基、ブチル基等のC1〜C5のアルキ
ル基があげられ、ハロゲン原子としては、例えばF,C
l,Br 、I等があげられ、アルコキシ基としては、例
えばメトキシ基、エトキシ基等のC1〜C5のアルコキ
シ基があげられ、ヒドロキシアルキルオキシ基として
は、例えばヒドロキシメチルオキシ基、ヒドロキシエチ
ルオキシ基等のC1〜C5のヒドロキシアルキルオキシ
基があげらる。その具体例を表1にあげる。
【0024】
【表1】 表1 化合物No. R91101 111 121 X 1-1 -CH3 -CH3 -C2H5 -C2H5 PF6 1-2 -CH3 -CH3 -C2H5 -C2H5 SbF6 1-3 -F -F -C2H5 -C2H5 SbF6 1-4 -OC2H4OH -OC2H4OH -C2H5 -C2H5 PF6 1-5 -CH3 -CH3 -C3H7(iso) -H PF6 1-6 -CH3 -CH3 -C3H7(iso) -H SbF6 1-7 -F -F -C3H7(iso) -H PF6 1-8 -F -F -C3H7(iso) -H SbF6 1-9 -OCH3 -OCH3 -C3H7(iso) -H SbF6 1-10 -H -H -C3H7(iso) -H B(C6F5)4 1-11 -CH3 -CH3 -Cl -H PF6 1-12 -F -F -Cl -H PF6 1-13 -F -F -Cl -H SbF6
【0025】アンスラキノン構造を有するスルホニウム
塩は例えば下記の一般式〔7〕
【0026】
【化7】
【0027】(式中、R131 ,R141 は、それぞれ水素
原子、アルキル基、ヒドロキシアルキルオキシ基または
アルコキシ基を表し、XはSbF6 、PF6 またはB
(C6 5 )を表す。)で示される化合物が挙げられ
る。アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、
n−プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等のC1〜
C5のアルキル基があげられ、ハロゲン原子としては、
例えばF、Cl、Br 、I等があげられ、アルコキシ基
としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポ
キシ基、イソプロポキシ基等のC1〜C5のアルコキシ
基があげられる。その具体例を表2にあげる。
【0028】
【表2】表2 化合物No. 置換位置 R131 141 X 2-1 1 -CH3 -CH3 PF6 2-2 1 -CH3 -CH3 SbF6 2-3 1 -F -F SbF6 2-4 1 -H -H B(C6F5)4 2-5 2 -C3H7(iso) -C3H7(iso) SbF6 注)置換位置とはアントラキノン骨格上の硫黄原子の結
合位置のことである。
【0029】アクリドン構造を有するスルホニウム塩は
例えば下記の一般式〔8〕
【0030】
【化8】
【0031】(式中、R151 、R161 、R171 は、それ
ぞれハロゲン原子又はアルキル基を、R18はアルキル基
を、XはSbF6 又はPF6 を表す。)で示される化合
物が挙げられる。アルキル基としては、例えばメチル
基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−
ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基等のC1〜C5
のアルキル基があげられ、ハロゲン原子としては、例え
ばF、Cl、Br 、I等があげられる。その具体例を表
3にあげる。
【0032】
【表3】 表3 化合物No. R151 161 171 181 X 3-1 -F -F -Cl -(n-C4H9) SbF6 3-2 -F -F -Cl -(n-C4H9) PF6
【0033】これらのスルホニウム塩以外にも、例えば
特開平8-165290号公報に記載されている化合物が例示さ
れる。本発明で使用する上記の(C)成分としては、波
長360nm以上、好ましくは波長360〜500nm
の波長領域における最大モル吸光係数が100以上、好
ましくは1000以上、特に好ましくは2000以上で
あるものがよい。波長360nm以上で吸収が無かった
り、モル吸光係数が100以下の場合、硬化しなかった
りあるいは硬化が遅く問題となる。
【0034】これらのスルホニウム塩のうち好ましいも
のとしては、例えばNo.1-2、No.1-6、No.1-7、No.1-8、
No.1-11 、No.1-12 、No.1-13 等のチオキサントン構造
を有するスルホニウム塩があげられる。
【0035】本発明では、任意成分として顔料(D)を
使用する。顔料(D)の具体例としては、例えば、カー
ボンブラック、黄鉛、モリブデン、ベンガラ,二酸化チ
タンあるいは酸化アルミニウムで被覆されたルチル型二
酸化チタン等の無機顔料、シアニングリーン、シアニン
ブルー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、ブリリ
アントカーミン6B、レークレッドC、パーマネントレ
ッドF5R等の有機顔料等を挙げることができる。
【0036】本発明の組成物の各成分(A)〜(D)の
使用割合は、(A)成分は、本発明の組成物中、34.
7〜99.7重量%が好ましく、特に好ましくは49.
7〜99.7重量%である。(B)成分+(C)成分の
総量は、本発明の組成物中、0.3〜15重量%が好ま
しく、特に好ましくは1〜10重量%である。(B)成
分と(C)成分の総量を100重量部とした場合、
(B)成分と(C)成分の使用比率は、(B)成分は1
〜60重量部が好ましく、特に好ましくは5〜50重量
部であり、(C)成分は、40〜99重量部が好まし
く、特に好ましくは50〜90重量部である。(D)成
分は、0〜70重量%が好ましく、特に好ましくは10
〜60重量%である。
【0037】本発明の組成物には、重合を損わない範囲
で希釈のための溶剤や改質のための樹脂類(例えば、ア
クリルポリマー、ポリウレタンポリマー、ポリエステル
エラストマー、ポリ塩化ビニルポリマー、アクリロニト
リルゴム等)、また例えば、電気特性を改良する目的で
有機カルボン酸や酸無水物を使用したり、あるいはゴム
弾性をもたせるなどの目的でポリオールその他の可とう
性プレポリマーを混合することができ、更に、染料、充
填剤、帯電防止剤、難燃剤、消泡剤、流動調整剤、光安
定剤、カップリング剤、有機溶剤等を混合して用いるこ
とができる。
【0038】本発明のエネルギー線硬化性組成物は
(A)〜(D)成分を、更に必要に応じ他の成分を、混
合、溶解、分散、混練により調製するか又は(A)、
(C)及び(D)成分を、更に必要に応じ他の成分を、
まず混合、溶解、分散、混練後、(B)成分を混合、溶
解し調製することができる。
【0039】本発明の硬化性組成物は、基材に膜厚が好
ましくは1〜100μm、より好ましくは2〜50μm
となるように塗布後、紫外線等のエネルギー線を照射す
ることにより0.1秒〜数分後に指触乾燥状態あるいは
溶媒不溶性の状態に硬化することができる。基材として
は、例えば金属、木材、紙、ゴム、プラスチック、ガラ
ス、セラミック製品等があげられる。本発明の硬化性組
成物の基材への塗布方法としては、例えばスクリーン印
刷、乾式オフセット印刷等の印刷法、ロールコータ、ス
ピンコータ、バーコータ等のコータを用いる方法等があ
げられる。適当なエネルギー線としては、高圧水銀灯、
低圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ、
殺菌灯、レーザー光などから得られる200nm〜50
0nmの波長を有するエネルギー線を使用するのが好ま
しい。エネルギー線への暴露は、エネルギー線の強度に
よるが、通常0.1秒〜10秒程度で十分である。しか
し、比較的厚い塗装物については、それ以上の時間をか
けるのが好ましい。エネルギー線照射後0.1秒〜数分
後には重合により硬化するが、重合反応を促進するため
に、エネルギー線照射時またはエネルギー線照射後加熱
するのが好ましい。
【0040】本発明の組成物の具体的な用途としては、
例えば食缶等の金属缶用のホワイトインキ、各種印刷イ
ンキ、塗料、レジストインキ、目止め剤、接着剤等が挙
げられる。本発明の組成物の硬化皮膜を有する物品とし
ては、例えば食品用缶等の金属缶があげられる。
【0041】
【実施例】以下、本発明を実施例、比較例により、更に
具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に
何等限定されるものではない。
【0042】実施例1〜5、比較例1〜3 表1に示す配合組成(数値は重量部である。)に従って
エネルギー線を配合し、三本ロールミルて混練した。こ
れをアルミニウム板の上に10μの厚さにバーコーダー
で塗布し、メタルハライドランプ(80w/cm2 )で
8cmの距離から紫外線を200mJ/cm2 照射し、
次いで100℃で5分間加熱し硬化させた。調製された
組成物の硬化性、硬化塗膜の光沢について試験した。そ
れらの結果を表4−1、表4−2に示す。
【0043】硬化性 紫外線照射後:硬化塗膜をメチルエチルケトンを染め
込ませた脱脂綿でラビングして塗膜に変化がない回数を
測定した。 加熱後 :硬化塗膜をメチルエチルケトンを染め
込ませた脱脂綿でラビングして塗膜に変化がない回数を
測定した。 光沢 :硬化塗膜の表面を目視判定した。 ○・・・・光沢が良好である。 △・・・・ややくもりがある。 ×・・・・全く光沢がない。
【0044】
【表4】 表4−1 実施例 1 2 3 4 5 6 7 (A)成分 3,4−エポキシシクロヘキシ 84 84 84 84 68 68 68 ルメチル−3,4−エポキシシ クロヘキサンカーボキシレート ビスフェノールAジグリシジル 20 20 20 エーテル (B)成分 (イ) *1 1 (ロ) *2 1 (ハ) *3 1 (ニ) *4 1 (ホ) *5 1 CP−66 *6 2 CP−77 *7 2 (C)成分 PCI−062 *8 3 3 3 3 PCI−064 *9 3 3 3 (D)成分 二酸化チタン(ルチル型) 100 100 100 100 100 100 100 その他 UVI−6990 *10 ポリエステル樹脂 *11 10 10 10 10 10 10 10 界面活性剤(L-7604)*12 0.4 0.4 0.4 0.4 0.4 0.4 0.4 ──────────────────────────────────── 硬化性 紫外線照射後 45 40 30 30 40 40 30 (ラビング回数) 加熱後 200 200 200 200 200 200 200 (ラビング回数) 以上 以上 以上 以上 以上 以上 以上 光沢 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
【0045】
【表5】 表4−2 比較例 1 2 3 4 (A)成分 3,4−エポキシシクロヘキシ 84 84 84 84 ルメチル−3,4−エポキシシ クロヘキサンカーボキシレート ビスフェノールAジグリシジル エーテル (B)成分 (イ) *1 4 1 (ロ) *2 4 (ハ) *3 (ニ) *4 (ホ) *5 CP−66 *6 CP−77 *7 (C)成分 PCI−062 *8 4 PCI−064 *9 (D)成分 二酸化チタン(ルチル型) 100 100 100 100 その他 UVI−6990 *10 6 ポリエステル樹脂 *11 10 10 10 10 界面活性剤(L-7604)*12 0.4 0.4 0.4 0.4 ──────────────────────────── 硬化性 紫外線照射後 1 0 20 5 (ラビング回数) 加熱後 200 200 50 200 (ラビング回数) 以上 以上 以上 以上 光沢 × ○ ○ ×
【0046】注) *1 : 構造式は、
【0047】
【化9】
【0048】*2 : 構造式は、
【0049】
【化10】
【0050】*3 : 構造式は、
【0051】
【化11】
【0052】*4 : 構造式は、
【0053】
【化12】
【0054】*5 : 構造式は、
【0055】
【化13】
【0056】*6 CP−66:旭電化工業(株)製、
スルホニウム塩系熱潜在性カチオン重合開始剤、プロピ
レンカーボネート50%希釈品。 *7 CP−77:旭電化工業(株)製、スルホニウム
塩系熱潜在性カチオン重合開始剤、プロピレンカーボネ
ート50%希釈品。 *8 PCI−062:日本化薬(株)製、光カチオン
重合開始剤、波長384nmでモル吸光係数5000、
構造式
【0057】 は、
【化14】
【0058】*9 PCI−064:日本化薬(株)
製、光カチオン重合開始剤、波長387nmでモル吸光
係数4580、構造式は、
【0059】
【化15】
【0060】*10 UVI−6990:ユニオンカー
バイド(株)製、光カチオン重合開始剤、プロピレンカ
ーボネート50%希釈品、波長360nm以上での吸収
なし。 *11 ポリエステル樹脂:東洋紡績社製「バイロン2
20」分子量2000〜3000。 *12 L−7604:日本コニカー社製、界面活性
剤。
【0061】表1の結果から明らかなように、本発明の
組成物は、特に顔料を含有する組成において、紫外線に
よる硬化性、光沢等に優れている。
【0062】
【発明の効果】本発明のエネルギー線硬化性組成物は、
スルホニウム塩系熱潜在性カチオン重合開始剤(B)と
波長360nm以上の波長領域における最大モル吸光係
数が100以上のスルホニウム塩系光カチオン重合開始
剤(C)を併用することにより、特に顔料系で硬化性、
光沢等に優れ、優れた物性の硬化物を与える。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カチオン重合性物質(A)とスルホニウム
    塩系熱潜在性カチオン重合開始剤(B)と波長360n
    m以上の波長領域における最大モル吸光係数が100以
    上のスルホニウム塩系光カチオン重合開始剤(C)及び
    任意成分として顔料(D)を含有することを特徴とする
    エネルギー線硬化性組成物。
  2. 【請求項2】波長360nm以上の波長領域における最
    大モル吸光係数が100以上のスルホニウム塩系光カチ
    オン重合開始剤(C)がチオキサントン構造を有するス
    ルホニウム塩であることを特徴とするエネルギー線硬化
    性組成物。
  3. 【請求項3】請求項1又は2に記載の組成物の硬化皮膜
    を有する物品。
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