WO2011138868A1 - 熱硬化性エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

優れた硬化性を維持しつつ、ガラス転移点の高い熱硬化性エポキシ樹脂組成物を提供する。 エポキシ樹脂(A)と、硬化剤として下記式(I)及び式(II)でそれぞれ表されるスルホニウム塩化合物(B)とを含有する熱硬化性エポキシ樹脂組成物。なお、式(I)及び(II)中、R,Rは、同一または異なって、水酸基、下記式(1)で表される基、下記式(2)で表される基及び下記式(3)で表される基からなる群から選ばれる1種であり、R,Rは、同一または異なって、水素原子又はアルキル基であり、Xは下記式(4)で表される化合物である。式(1)、(2)及び(3)中、Rは、同一または異なって、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基又は脂肪族炭化水素基、或いは、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基又は脂肪族炭化水素基とカルボキシル基又はスルホニル基とが結合してなる基である。 

Description

熱硬化性エポキシ樹脂組成物
  本発明は、熱硬化性エポキシ樹脂組成物に関する。
 エポキシ樹脂の硬化剤として、ナフチル基やベンジル基を有するスルホニウム塩化合物が知られている(例えば、特許文献1参照)。
 ナフチル基を有するスルホニウム塩化合物を用いたエポキシ樹脂組成物は、硬化性に優れている。
 ベンジル基を有するスルホニウム塩化合物を用いたエポキシ樹脂組成物は、ナフチル基を有するスルホニウム塩化合物を用いたものに比べ、安定性に優れるものの、硬化性に劣る。
 これら2種の硬化剤は、エポキシ樹脂組成物の用途等に応じて、適宜使い分けされている。
特開2008-308596号公報
 しかし、2種の化合物を併用した場合は、それぞれ単独で用いた場合と比べ、各化合物により奏される効果は却って損なわれる傾向がある。
 本発明は、優れた硬化性を維持しつつ、硬化物のガラス転移点が高い熱硬化性エポキシ樹脂組成物を提供することにある。
 本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、ナフチル基を有するスルホニウム塩化合物を用いたエポキシ樹脂組成物は高温硬化時のガラス転移点が低いこと、また、ベンジル基を有するスルホニウム塩化合物を用いたエポキシ樹脂組成物は硬化物のガラス転移点が高いことを見出した。そして、本発明者は、さらに鋭意研究を続けた結果、硬化剤として、下記式(I)で表されるスルホニウム塩化合物及び下記式(II)で表されるスルホニウム塩化合物を併用した場合に、意外にも、硬化性が損なわれることなく、硬化物のガラス転移点が高いエポキシ樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成させた。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000001
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000002
[式(I)及び(II)中、R,Rは、同一または異なって、水酸基、下記式(1)
で表される基、下記式(2)で表される基及び下記式(3)で表される基からなる群から選ばれる1種であり、R,Rは、同一または異なって、水素原子又はアルキル基であり、Xは下記式(4)で表される化合物である。]
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000003
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000004
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000005
(式(1)、(2)及び(3)中、Rは、同一または異なって、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基又は脂肪族炭化水素基、或いは、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基又は脂肪族炭化水素基とカルボキシル基又はスルホニル基とが結合してなる基である。)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000006
 すなわち、本発明は、エポキシ樹脂(A)と、式(I)及び式(II)でそれぞれ表されるスルホニウム塩化合物(B)とを含有する熱硬化性エポキシ樹脂組成物を提供する。
 本発明の熱硬化性エポキシ樹脂組成物は、優れた硬化性を維持しつつ、硬化時のガラス転移点が高い。
本発明の実施例及び比較例の各エポキシ樹脂組成物における150℃でのゲルタイム及びガラス転移点の相関関係を示すグラフである。
 以下、本発明の熱硬化性エポキシ樹脂組成物について詳細に説明する。
 本発明の熱硬化性エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂(A)と、硬化剤としてスルホニウム塩化合物(B)とを含有する。
 エポキシ樹脂は、エポキシ基を2個以上有するものであれば特に制限されず、従来公知のものを用いることができる。具体的には、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ジアミノジフェニルメタン型エポキシ樹脂、アミノフェノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、水添ビフェノール型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂が挙げられる。
 また、エポキシ樹脂は、可とう性を付与する目的でオキセタン化合物やビニルエーテル化合物が添加されたものであっても良い。
 エポキシ樹脂はそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
 硬化剤としては、式(I)及び式(II)でそれぞれ表される2種のスルホニウム塩化合物が用いられる。式(I)及び式(II)において、R,Rは、同一または異なって、水酸基、式(1)で表される基、式(2)で表される基及び式(3)で表される基からなる群から選ばれる1種である。
 R,Rの配置は、それぞれ、スルホニウムイオンに対し、オルト位、メタ位、パラ位のいずれであってもよく、硬化性に優れ、硬化物のガラス転移点が高いという観点から、パラ位であるのが好ましい。
 式(1)、(2)及び(3)において、Rは、同一または異なって、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基又は脂肪族炭化水素基、或いは、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基又は脂肪族炭化水素基とカルボキシル基又はスルホニル基とが結合してなる基である。芳香族炭化水素基としては、例えば、アリール基、アラルキル基等が挙げられる。アリール基としては、炭素数6~14、好ましくは6~10のものが挙げられる。例えば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、アントリル基、フェナントリル基等が挙げられる。アラルキル基としては、炭素数7~13、好ましくは7~11のものが挙げられる。例えば、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。置換基を有する芳香族炭化水素基としては、当該芳香族炭化水素基にカルボキシル基又はスルホニル基が結合している場合は、例えば、トリル基、キシリル基、ヒドロキシフェニル基が挙げられる。トリル基の中では、p-トリル基が好ましく用いられる。
 脂肪族炭化水素基としては、飽和または不飽和炭化水素基が挙げられる。飽和炭化水素基としては、炭素数1~18、好ましくは1~6のものが挙げられる。例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等の直鎖または分岐状のアルキル基、並びに、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等のシクロアルキル基が挙げられる。
 不飽和炭化水素基としては、炭素数2~18、好ましくは2~6の1価の不飽和炭化水素基、及び、炭素数2~18、好ましくは2~6の2価の不飽和炭化水素基が挙げられる。1価の不飽和炭化水素基としては、例えば、ビニル基、1-プロペニル基、アリル基、イソプロペニル基、1-ブテニル基、2-ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等の直鎖及び分岐状のアルケニル基、並びに、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等のシクロアルケニル基が挙げられる。2価の不飽和炭化水素基としては、例えば、ビニレン基等のアルケニレン基が挙げられる。
 カルボキシル基又はスルホニル基は、芳香族炭化水素基又は脂肪族炭化水素基と結合するとともに、式(1)においては酸素原子と結合し、式(2)においては炭素原子と結合し、式(3)においては窒素原子と結合する。カルボキシル基は、その炭素原子を介して芳香族炭化水素基又は脂肪族炭化水素基と結合する。
 式(1)において、Rとしては、例えば、メチル基、メトキシ基、フェニル基、フェノキシ基が挙げられ、中でも、メチル基が好ましく用いられる。式(2)において、Rとしては、例えば、メチル基、メトキシ基、フェノキシ基、ベンジル基、フェニル基が挙げられ、中でも、メトキシ基が好ましく用いられる。式(3)において、Rとしては、例えば、メチル基、メトキシ基、フェニル基、フェノキシ基、フェニレン基、トルエンスルホニル基が挙げられ、トルエンスルホニル基の中では、p-トルエンスルホニル基が好ましく用いられる。
 式(I)及び式(II)において、R,Rは、同一または異なって、水素原子又はアルキル基である。アルキル基としては、好ましくは1~6のものが挙げられる。例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基等が挙げられる。R,Rとしては、水素原子またはメチル基が特に好ましい。
 式(I)及び(II)で表されるスルホニウム塩化合物は、それぞれ、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
 式(I)で表されるスルホニウム塩化合物としては、例えば、下記式(Ia)及び(Ib)で表される化合物が挙げられる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000007
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000008
 式(II)で表されるスルホニウム塩化合物としては、例えば、下記式(IIa)で表される化合物が挙げられる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000009
 式(I)及び式(II)で表される化合物は、その製造について特に制限されない。例えば、従来公知の方法(例えば、式(I)の化合物については特開2008-308596号公報の参考例1、式(II)の化合物については同公報の参考例3参照)に従って得ることができる。また、一部の式(I)及び式(II)で表される化合物は市販品として入手できる。
 式(I)で表されるスルホニウム塩化合物の式(II)で表されるスルホニウム塩化合物に対する配合比は、硬化性により優れ、硬化物のガラス転移点がより高いという観点から、重量比で、0.1~10の範囲内の値とすることが好ましく、0.2~5の範囲内の値とすることがより好ましい。また、この配合比は、硬化物のガラス転移点が特に高いという観点から、重量比で、0.1~1の範囲内の値とするのが好ましい。
 硬化剤の配合量は、硬化性により優れ、硬化物のガラス転移点がより高いという観点から、エポキシ樹脂100重量部に対して、全スルホニウム塩化合物が0.1~10重量部であるのが好ましく、0.5~5重量部であるのがより好ましい。
 本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂、硬化剤に加えて、発明の効果を損なわない範囲で、ルイス酸等の硬化促進剤をさらに含有してもよい。
 また、本発明のエポキシ樹脂組成物は、上述した各成分以外に、必要に応じて、さらに添加剤を含有することができる。添加剤としては、例えば、充填剤(フィラー)、シランカップリング剤、反応性希釈剤、可塑剤、チクソトロピー性付与剤、顔料、染料、老化防止剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、接着性付与剤、分散剤、溶剤が挙げられる。充填剤としては、シリカ、マイカ等が挙げられる。
 本発明の組成物は、その製造について特に制限されない。例えば、上述したエポキシ樹脂、硬化剤および必要に応じて添加される硬化促進剤、添加剤の各成分を減圧下または窒素雰囲気下において、混合ミキサー等の撹拌装置を用いて充分混練し、均一に分散させることによって、1液型のエポキシ樹脂組成物を得ることができる。
 また、本発明の組成物は、例えば、エポキシ樹脂を含む第1液(主剤)と、式(I)および(II)で表されるスルホニウム塩化合物を含む第2液(硬化剤)とを有する2液型の組成物として製造することができる。添加剤は、第1液及び/または第2液に加えることができる。第1液及び第2液は、それぞれ減圧下または窒素雰囲気下において、混合ミキサー等の撹拌装置を用いて充分混練し、均一に分散させることによって製造することができる。
 本発明の組成物は、例えば、接着剤用、塗料用、土木建築用、電気用、輸送機用、医療用、包装用、繊維用、スポーツ・レジャー用として使用することができる。特に、本発明の組成物は、硬化性に優れ生産性が向上し、優れた物性を有する高品質のものが得られる観点から、電子材料用の接着剤用途に好ましく用いられる。中でも、ACF(異方導電性フィルム)の組成物としてより好ましく用いられる。
 本発明の組成物を適用することができる被着体としては、例えば、金属、ガラス、プラスチック、モルタル、コンクリート、ゴム、木材、皮、布、紙が挙げられる。
 本発明の組成物を被着体に付与する方法は特に制限されない。例えば、従来公知のものが挙げられる。
 本発明の組成物を硬化させる際の温度は、硬化性により優れ、硬化物のガラス転移点がより高いという観点から、例えば、エポキシ樹脂としてADEKA社製ビスフェノールA型エポキシ樹脂EP4100Eを用いた場合、100~250℃であるのが好ましく、120~200℃であるのがより好ましい。
 本発明において、硬化性は、エポキシ樹脂組成物のゲル化時間(ゲルタイム)で評価され、具体的には、後述する安田式ゲルタイムテスターを使用する方法で測定される。本発明の組成物のゲル化時間は、例えば、エポキシ樹脂としてADEKA社製ビスフェノールA型エポキシ樹脂EP4100Eを用いた場合、150℃で40秒以内であり、好ましくは30秒以内である。
 また、本発明において、ガラス転移点は、具体的には、後述するように硬化物について貯蔵弾性率を測定することにより評価される。本発明の組成物を硬化して得られる硬化物のガラス転移点は、例えば、エポキシ樹脂としてADEKA社製ビスフェノールA型エポキシ樹脂EP4100Eを用いた場合、100℃以上であり、好ましくは120℃以上である。
 以下に、実施例を示して本発明を具体的に説明する。
(エポキシ樹脂組成物の製造)
 実施例1~11、比較例1~10として、下記表1~4に示す各成分を、それぞれ同表に示す配合比で混合し、エポキシ樹脂組成物を製造した。表中の各成分の数値は、充填剤の配合量をエポキシ樹脂組成物に占める重量%で示した点を除いて、重量部で表す。なお、硬化剤の量は、その活性水素の当量数を基準に算出した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000004
 表1~4に示す各成分の詳細は以下のとおりである。
  ・ エポキシ樹脂:ビスフェノールA型エポキシ樹脂 エポキシ当量188g/mol (商品名EP4100E、ADEKA社製)
  ・ 硬化剤(1):式(Ia)で表されるスルホニウム塩化合物
  ・ 硬化剤(2):式(IIa)で表されるスルホニウム塩化合物
  ・ 硬化剤(3):式(Ib)で表されるスルホニウム塩化合物
  ・ 硬化剤(4):下記式で表されるスルホニウム塩化合物(商品名SI80L、三新化学工業社製)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000010
  ・ 硬化剤(5):下記式で表されるスルホニウム塩化合物(商品名SI100L、三新化学工業社製)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000011
  ・ シランカップリング剤(商品名KBM403、信越化学工業社製)
  ・ 充填剤:球状シリカ(商品名SE5050、アドマテックス社製)
 なお、硬化剤(1)は、1-(クロロメチル)ナフタレン10gと4-メチルチオフェノール7.9gをメタノール中で室温で24時間反応させ、クロライド中間体を得た。さらに中間体10gとテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのナトリウム塩水溶液(固形分10%)220.16gを混合し、硬化剤(1)を得た。
 硬化剤(2)は、ベンジルクロライド10gと4-メチルチオフェノール11.07gをメタノール中で室温で24時間反応させ、クロライド中間体を得た。さらに中間体10gとテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのナトリウム塩水溶液(固形分10%)263gを混合し、硬化剤(2)を得た。
 硬化剤(3)は、硬化剤(1)10gにイソシアン酸p-トルエンスルホニル2.05gを室温で5時間反応させることにより得た。
(評価)
 得られた各エポキシ樹脂組成物について、それぞれ、下記の方法でゲルタイムおよび貯蔵弾性率を測定し、硬化性およびガラス転移点を評価した。結果を表1~4及び図1に示す。なお、図1は、実施例1~11及び比較例1~10の各組成物について、ガラス転移点と150℃でのゲルタイムの相関関係を示す分散図である。縦軸は、ガラス転移点を示し、上方の値ほどガラス転移点が高いことを示す。横軸は、150℃でのゲルタイムを示し、右方の値ほどゲルタイムが短く、硬化性に優れることを示す。
(1)ゲルタイム
 上述のようにして得られた各組成物について、安田式ゲルタイムテスター(株式会社安田精機製作所製、No.153ゲルタイムテスター)を用いて150℃でのゲルタイムを測定した。安田式ゲルタイムテスターは、オイルバス中、試料を入れた試験管の中でローターを回転させ、ゲル化が進み一定のトルクが掛かると磁気カップリング機構によりローターが落ちタイマーが止まる装置である。
(2)貯蔵弾性率
 上述のようにして得られた各組成物について、150℃のオーブンにてそれぞれ1時間硬化させた。各硬化物について、動的粘弾性測定(Dynamic Mechanical Analysis)を歪み0.01%、周波数10Hz、昇温速度5℃/分の条件で、室温から200℃までの温度領域において、強制伸長加振を行って貯蔵弾性率(G’)を測定した。
 表1~4に示す結果から明らかなように、硬化剤として、式(I)で表されるスルホニウム塩化合物を含有し、式(II)で表されるスルホニウム塩化合物を含有しないエポキシ樹脂組成物(比較例1,3)は、ゲル化時間は40秒以内で硬化性に優れるものの、硬化物のガラス転移点が100℃に満たなかった。
 一方、硬化剤として、式(II)で表されるスルホニウム塩化合物を含有し、式(I)で表されるスルホニウム塩化合物を含有しないエポキシ樹脂組成物(比較例2)は、ガラス転移点は100℃以上であったが、ゲル化時間が40秒を超え硬化性が悪かった。
 また、硬化剤として、式(I)で表されるスルホニウム塩化合物と、式(II)で表されるスルホニウム塩化合物以外の他のスルホニウム塩化合物とを併有するエポキシ樹脂組成物(比較例6~9)は、ゲル化時間が40秒を超え硬化性が悪く、そのうち、比較例6,7は、さらに、硬化物のガラス転移点は100℃に満たなかった。
 特に、図1からも明らかなように、比較例6,7の組成物は、硬化剤として、式(I)で表されるスルホニウム塩化合物を含有するにも関わらず、式(I)で表されるスルホニウム塩化合物を単独で用いた場合(比較例1,3)と比べ却って硬化性が悪くなり、硬化物のガラス転移点も低下していることが確認できる。また、比較例8,9の組成物は、硬化剤として、式(II)で表されるスルホニウム塩化合物を含有するにも関わらず、式(II)で表されるスルホニウム塩化合物を単独で用いた場合(比較例2)と比べ却って硬化物のガラス転移点が低くなり、硬化性も悪くなることが確認できる。
 硬化剤として、式(I)及び(II)のいずれのスルホニウム塩化合物も含有しないエポキシ樹脂(比較例4,5,10)は、ゲル化時間が40秒を超え硬化性が悪く、しかも、硬化物のガラス転移点が100℃に満たなかった。
 これに対し、硬化剤として、式(I)及び(II)で表されるスルホニウム塩化合物を共に含有するエポキシ樹脂組成物(実施例1~11)は、ゲル化時間が40秒以上で硬化性が非常に良く、かつ、硬化物のガラス転移点が100℃を超えていた。つまり、硬化剤として、式(I)及び(II)の両方のスルホニウム塩化合物を硬化剤として用いることにより、意外にも、優れた硬化性を維持しつつ、硬化物のガラス転移点が高い組成物が得られることが確認された。

Claims (3)

  1.  エポキシ樹脂(A)と、硬化剤として下記式(I)及び式(II)でそれぞれ表されるスルホニウム塩化合物(B)とを含有する熱硬化性エポキシ樹脂組成物。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000012
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000013
    [式(I)及び(II)中、R,Rは、同一または異なって、水酸基、下記式(1)で表される基、下記式(2)で表される基及び下記式(3)で表される基からなる群から選ばれる1種であり、R,Rは、同一または異なって、水素原子又はアルキル基であり、Xは下記式(4)で表される化合物である。]
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000014
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000015
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000016
    (式(1)、(2)及び(3)中、Rは、同一または異なって、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基又は脂肪族炭化水素基、或いは、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基又は脂肪族炭化水素基とカルボキシル基又はスルホニル基とが結合してなる基である。)
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000017
  2.  前記エポキシ樹脂(A)100重量部に対して、前記スルホニウム塩化合物(B)が合計0.1~10重量部配合され、前記式(I)で表されるスルホニウム塩化合物の前記(II)で表されるスルホニウム塩化合物に対する配合比が、重量比で0.1~10である請求項1に記載の熱硬化性エポキシ樹脂組成物。
  3.  前記式(I)で表されるスルホニウム塩化合物の前記(II)で表されるスルホニウム塩化合物に対する配合比が、重量比で0.1~1である請求項2に記載の熱硬化性エポキシ樹脂組成物。
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