JPWO2019198378A1 - 化合物およびその利用 - Google Patents
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Abstract
結晶性が低く、かつ、硬化後も優れた物性を示す化合物を提供する。化合物は、下記式(1)または式(2)で表される化合物であって、【化1】【化2】上記式(1)および式(2)中、上記nは、2以上の整数を示し、上記RおよびR′は、脂肪族基または芳香族基を示す。
Description
本発明は化合物、当該化合物を含む樹脂組成物、および当該化合物または当該樹脂組成物を含む封止剤に関する。
エポキシ樹脂は、封止剤、接着剤、コート剤等に用いられている。エポキシ樹脂は、室温、特に低温下で晶出傾向があった。特に分子蒸留したエポキシ樹脂等、n=0(モノマー)成分量が多いエポキシ樹脂は晶出し易い。
エポキシ樹脂の結晶化抑制方法として、例えば、特許文献1には、エポキシ樹脂に酸性化合物を添加しエポキシ樹脂のエポキシ基のうち5〜16%を該酸性化合物と反応させて開環させることを特徴とするエポキシ樹脂の晶出防止方法が開示されている。
また、特許文献2には、芳香族ジヒドロキシ化合物とエピハロヒドリンとの反応により得られる未硬化エポキシ樹脂に対し、炭素数10以上の脂肪族モノカルボン酸を、該エポキシ樹脂のエポキシ基に基づき0.5〜30当量%の割合で加え、加熱処理することを特徴する未硬化エポキシ樹脂の晶出防止方法が開示されている。
しかしながら、上述のような従来技術の方法を、特に分子蒸留したエポキシ樹脂など、n=0成分量が多いために晶出し易い樹脂に適用した場合、十分に晶出を抑えるためには変性率を高める必要がある。その結果、多くのエポキシ基が消費され、すなわち、硬化反応の活性部位が消費されるために、樹脂硬化物の硬化率またはガラス転移点が低下するなど、物性が低下するという問題がある。
本発明の一態様は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、結晶性が低く、かつ、硬化後も優れた物性を示す化合物を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明者は、2以上のエポキシ基を有する化合物と2価以上のカルボン酸またはカルボン酸誘導体とを開環付加反応させることにより得られる化合物によって、上記課題を解決可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、以下の構成を含むものである。
〔2〕上記式(1)および式(2)中、上記Rは、ビスフェニレン基であることを特徴とする〔1〕に記載の化合物。
〔3〕〔1〕または〔2〕に記載の化合物を含むことを特徴とする樹脂組成物。
〔4〕ゲルパーミエーションクロマトグラフィによって測定された下記式(3)で表される化合物の割合が、上記樹脂組成物100面積%に対して、90面積%以下であり、
上記式(3)中、上記Rは、脂肪族基または芳香族基を示すことを特徴とする〔3〕に記載の樹脂組成物。
〔5〕〔1〕もしくは〔2〕に記載の化合物、または、〔3〕もしくは〔4〕に記載の樹脂組成物を含むことを特徴とする封止剤。
〔6〕重合開始剤、無機化合物およびシランカップリング剤からなる群より選択される少なくとも1種類以上の成分をさらに含むことを特徴とする〔5〕に記載の封止剤。
〔7〕上記重合開始剤が光重合開始剤であることを特徴とする〔6〕に記載の封止剤。
本発明の一態様によれば、結晶性が低く、かつ、硬化後も優れた物性を示す化合物を提供することができる。
本発明の一実施形態について以下に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。また、本明細書において特記しない限り、数値範囲を表す「A〜B」は、「A以上B以下」を意図する。また、「質量」と「重量」は同義語であると見なす。
〔1.化合物〕
本発明の一実施形態に係る化合物は、下記式(1)または式(2)で表される化合物であって、
上記式(1)および式(2)中、上記nは、2以上の整数を示し、上記RおよびR′は、脂肪族基または芳香族基を示す。Rはそれぞれ異なっていてもよく、同じであってもよい。また、RとR′とが同じであっても異なっていてもよい。
本発明の一実施形態に係る化合物は、下記式(1)または式(2)で表される化合物であって、
上記化合物が上記式(1)または式(2)で表される化合物であることにより、結晶性が低く、かつ、硬化(重合)後も優れた物性を示す。具体的には、例えば、結晶性および硬化後の水分透過率が低く、かつ、硬化率および硬化後のガラス転移点が高い化合物を得ることができる。本明細書において、「結晶性が低い」とは、1ヶ月以上結晶が析出しないことを意図する。
後述のように、上記化合物は、2以上のエポキシ基を有する化合物と2価以上のカルボン酸またはカルボン酸誘導体とを開環付加反応させることにより得られる。エポキシ基の開環する点によって、上記式(1)および式(2)のいずれの構造もとり得る。
上記脂肪族基は、直鎖状、分岐状、または環状であってもよく、飽和または不飽和であってもよい。脂肪族基としては、例えば、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、シクロアルキレン基およびシクロアルキニレン基等が挙げられる。シクロアルキレン基としては、例えば、デカヒドロナフチレン基およびトリシクロデカニレン基等が挙げられる。シクロアルキニレン基としては、例えば、ジシクロペンタジエニレン基等が挙げられる。
上記芳香族基としては、例えば、フェニレン基、ナフチレン基、ビスフェニレン基、アントリレン基およびフェナントレニレン基等が挙げられる。
上記式(1)および式(2)中、上記Rは、芳香族基であることが好ましく、ビスフェニレン基であることがより好ましい。上記ビスフェニレン基はF型であってもA型であってもよい。
−CH2−O−Ph−CH2−Ph−O−CH2−
A型のビスフェニレン基としては、例えば、下記式(5)で表される基等が挙げられる。
式(4)と同様に、式(5)の両端も結合手を表している。すなわち、式(5)は、下記の構造を表している。
A型のビスフェニレン基としては、例えば、下記式(5)で表される基等が挙げられる。
−CH2−O−Ph−C(CH3)2−Ph−O−CH2−
上記式(1)および式(2)中、上記Rは、炭素原子数3〜200であることが好ましく、5〜100であることがより好ましく、5〜40であることがさらに好ましい。これにより、上記化合物を適切な粘度にすることができる。
上記式(1)および式(2)中、上記Rは、炭素原子数3〜200であることが好ましく、5〜100であることがより好ましく、5〜40であることがさらに好ましい。これにより、上記化合物を適切な粘度にすることができる。
上記式(1)および式(2)中、上記R′は、炭素原子数1〜300であることが好ましく、2〜100であることがより好ましく、2〜20であることがさらに好ましい。これにより、上記化合物を適切な粘度にすることができる。
<化合物の製造方法>
本発明の一実施形態に係る化合物の製造方法は、下記式(3)で表される化合物と、2価以上のカルボン酸またはカルボン酸誘導体とを混合して混合物を得る混合工程と、上記混合物を加熱して化合物を得る加熱工程とを含み、
上記式(3)中、上記Rは、脂肪族基または芳香族基を示す。好ましくは、上記式(3)中、上記Rは、上記式(1)および式(2)において上述した通りである。上述の式(1)または(2)で表される化合物において、Rは上記式(3)で表される化合物に由来する構造であり、R′は2価以上のカルボン酸またはカルボン酸誘導体に由来する構造である。
本発明の一実施形態に係る化合物の製造方法は、下記式(3)で表される化合物と、2価以上のカルボン酸またはカルボン酸誘導体とを混合して混合物を得る混合工程と、上記混合物を加熱して化合物を得る加熱工程とを含み、
本明細書において、上記式(3)で表される化合物、すなわち2価以上のカルボン酸またはカルボン酸誘導体と反応していない成分を「n=0成分」とも称する。
(混合工程)
混合工程では、上記式(3)で表される化合物と、2価以上のカルボン酸またはカルボン酸誘導体とを混合して混合物を得る。上記式(3)で表される化合物と、2価以上のカルボン酸またはカルボン酸誘導体とを混合して均一にすることにより、加熱工程における反応率を高めることができる。
混合工程では、上記式(3)で表される化合物と、2価以上のカルボン酸またはカルボン酸誘導体とを混合して混合物を得る。上記式(3)で表される化合物と、2価以上のカルボン酸またはカルボン酸誘導体とを混合して均一にすることにより、加熱工程における反応率を高めることができる。
上記カルボン酸またはカルボン酸誘導体が2価以上であることにより、2以上の上記式(3)で表される化合物を、上記カルボン酸またはカルボン酸誘導体を介して連結することができる。このため、上記式(3)で表される化合物よりも結晶性の低い上記式(1)または式(2)で表される化合物を製造することができる。
上記式(3)で表される化合物としては、ビスフェノールF型エポキシ樹脂またはビスフェノールA型エポキシ樹脂であることが好ましい。ビスフェノールF型エポキシ樹脂としては、例えば、DIC社製のEXA−830CRP、ADEKA社製のEP−4901HF、Wells Advanced Materials Co.,Ltd製のFM−880および新日鉄住金化学社製のYDF−870GS等が挙げられる。ビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、例えば、DIC社製のEPICLON EXA850−CRP、ADEKA社製のEP−4100HFおよび新日鉄住金化学社製のYD−825GS等が挙げられる。
上記カルボン酸としては、2価以上のものであれば特に限定されないが、2価カルボン酸(ジカルボン酸)、3価カルボン酸(トリカルボン酸)、4価カルボン酸(テトラカルボン酸)であることが好ましく、2価カルボン酸または3価カルボン酸であることがより好ましい。カルボン酸が2価カルボン酸または3価カルボン酸であれば、上記化合物を適切な粘度にすることができる。上記カルボン酸は脂肪族基または芳香族基を有していており、上記脂肪族基は、直鎖状、分岐状、または環状であってもよく、飽和または不飽和であってもよい。2価カルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、スベリン酸、セバシン酸、長鎖分岐2価カルボン酸(例えば岡本製油社製のMMA−10R)等が挙げられる。3価カルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、クエン酸、3−ブテン−1,2,3−トリカルボン酸および1,3,5−ベンゼントリカルボン酸等が挙げられる。4価カルボン酸としては、例えば、meso−ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸、ピロメリット酸およびビフェニル−3,3’,5’,5−テトラカルボン酸等が挙げられる。
上記カルボン酸誘導体としては、2価以上のカルボン酸の誘導体であれば特に限定されないが、例えば、カルボン酸エステル、カルボン酸の無水物、カルボン酸の塩等が挙げられる。カルボン酸エステルとしては、下記式(6)で表されるブロックカルボン酸、アジピン酸イソノニルおよび4,4'-ビフェニルジカルボン酸ジメチル等が挙げられる。
混合手段としては、特に限定されるものではないが、例えば、攪拌羽根を備えたフラスコ、ニーダー、ロール、溶融槽、バンバリーミキサー、押出機等が挙げられる。
上記2価以上のカルボン酸またはカルボン酸誘導体を添加する割合は、100重量部の上記式(3)で表される化合物に対して、0.01〜50重量部であることが好ましく、0.01〜20重量部であることがより好ましく、0.05〜10重量部であることがさらに好ましい。これにより、上記式(1)または式(2)で表される化合物を効率的に製造することができる。
混合工程では、上記式(3)で表される化合物と、2価以上のカルボン酸またはカルボン酸誘導体以外にも、反応促進剤を混合してもよい。反応促進剤としては、2価以上のカルボン酸またはカルボン酸誘導体との開環付加反応を促進することができる触媒であればよく、例えば、アルカリ金属水酸化物、金属アルコラート、第三級アミン化合物、第四級アンモニウム塩、第四級ホスホニウム塩および第三級ホスフィン等が挙げられる。アルカリ金属水酸化物としては、例えば、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウム等が挙げられる。金属アルコラートとしては、例えば、ナトリウムメチラートおよびナトリウムエチラート等が挙げられる。第三級アミン化合物としては、例えば、トリエチルアミン、トリエタノールアミンおよび2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等が挙げられる。第四級アンモニウム塩としては、例えば、テトラメチルアンモニウムクロリドおよびテトラブチルアンモニウムクロリド等が挙げられる。第四級ホスホニウム塩としては、例えば、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロリド、テトラブチルホスホニウムヒドロオキシドおよびブチルトリフェニルホスホニウムブロミド等が挙げられる。第三級ホスフィンとしては、例えば、トリブチルホスフィン、トリオクチルホスフィン、トリフェニルホスフィンおよびスチリルジフェニルホスフィン等が挙げられる。
(加熱工程)
加熱工程では、上記混合物を加熱して化合物を得る。上記混合物を加熱することによって、上記式(3)で表される化合物と、2価以上のカルボン酸またはカルボン酸誘導体とが開環付加反応して、上記式(1)または式(2)で表される化合物を得ることができる。加熱温度は、80〜250℃であることが好ましく、100〜180℃であることがより好ましく、120〜150℃であることがさらに好ましい。これにより、上記式(3)で表される化合物と、2価以上のカルボン酸またはカルボン酸誘導体との開環付加反応の効率を高めることができる。即ち、上記式(1)または式(2)で表される化合物の収率を高めることができる。
加熱工程では、上記混合物を加熱して化合物を得る。上記混合物を加熱することによって、上記式(3)で表される化合物と、2価以上のカルボン酸またはカルボン酸誘導体とが開環付加反応して、上記式(1)または式(2)で表される化合物を得ることができる。加熱温度は、80〜250℃であることが好ましく、100〜180℃であることがより好ましく、120〜150℃であることがさらに好ましい。これにより、上記式(3)で表される化合物と、2価以上のカルボン酸またはカルボン酸誘導体との開環付加反応の効率を高めることができる。即ち、上記式(1)または式(2)で表される化合物の収率を高めることができる。
加熱手段としては、特に限定されるものではないが、例えば、マントルヒーター、投げ込みヒーター、ホットプレート、IH加熱器等が挙げられる。
混合工程および加熱工程は、不活性化ガス気流下で行ってもよいし、開放系で行ってもよい。不活性化ガスとしては、例えば、Ar等が挙げられる。
〔2.樹脂組成物〕
本発明の一実施形態に係る樹脂組成物は、上述した化合物を含んでいることが好ましい。これにより、上記樹脂組成物は、結晶性が低く、かつ、硬化後も優れた物性を示す。具体的には、例えば、結晶性および硬化後の水分透過率が低く、かつ、硬化率および硬化後のガラス転移点が高い樹脂組成物を得ることができる。上記樹脂組成物は、式(1)で表される化合物および式(2)で表される化合物のいずれか一方を含んでいてもよく、その両方を含んでいてもよい。通常、上述の製造方法によって、式(1)で表される化合物と式(2)で表される化合物との混合物が得られる。従って、上記樹脂組成物は、式(1)で表される化合物と式(2)で表される化合物との混合物を含んでいてもよい。
本発明の一実施形態に係る樹脂組成物は、上述した化合物を含んでいることが好ましい。これにより、上記樹脂組成物は、結晶性が低く、かつ、硬化後も優れた物性を示す。具体的には、例えば、結晶性および硬化後の水分透過率が低く、かつ、硬化率および硬化後のガラス転移点が高い樹脂組成物を得ることができる。上記樹脂組成物は、式(1)で表される化合物および式(2)で表される化合物のいずれか一方を含んでいてもよく、その両方を含んでいてもよい。通常、上述の製造方法によって、式(1)で表される化合物と式(2)で表される化合物との混合物が得られる。従って、上記樹脂組成物は、式(1)で表される化合物と式(2)で表される化合物との混合物を含んでいてもよい。
なお、上記化合物については、〔1.化合物〕において説明した内容と重複する内容に関しては、その説明を繰り返さない。
上記樹脂組成物100面積%に対して、上記式(3)で表される化合物の割合(n=0成分の割合)が、90面積%以下であることが好ましく、80面積%以下であることがより好ましく、70面積%以下であることがさらに好ましい。なお、本明細書において、「式(3)で表される化合物の割合」とは、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)により得られる樹脂組成物の全てのピークの全体の面積に対する、n=0成分のピークの面積の割合(単位:面積%)を意図する。GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)による測定方法は、後述の実施例に詳述する。n=0成分の割合が100面積%であるとき、結晶が析出してしまうのに対して、n=0成分の割合が90面積%以下であることにより、結晶の析出を抑制することができる。すなわち、当該構成により、上記樹脂組成物における式(1)または式(2)で表される結晶性が低い化合物の割合を高めることができるため、低温(10℃)下においても結晶の析出を抑制することができる。なお、上記式(3)で表される化合物の割合はできるだけ低いことが好ましく、0面積%であることが好ましいが、現実的にはその下限は30面積%程度であってもよい。
<樹脂組成物の製造方法>
本発明の一実施形態に係る樹脂組成物の製造方法は、上記化合物の製造方法と同様である。
本発明の一実施形態に係る樹脂組成物の製造方法は、上記化合物の製造方法と同様である。
〔3.封止剤〕
本発明の一実施形態に係る封止剤は、上述した化合物、または、上述した樹脂組成物を含んでいることが好ましい。上記封止剤は、結晶性が低く、かつ、硬化後も優れた物性を示す。具体的には、例えば、結晶性および硬化後の水分透過率が低く、かつ、硬化率および硬化後のガラス転移点が高い封止剤を得ることができる。上記封止剤は、上記樹脂組成物と同様、式(1)で表される化合物および式(2)で表される化合物のいずれか一方を含んでいてもよく、その両方を含んでいてもよい。
本発明の一実施形態に係る封止剤は、上述した化合物、または、上述した樹脂組成物を含んでいることが好ましい。上記封止剤は、結晶性が低く、かつ、硬化後も優れた物性を示す。具体的には、例えば、結晶性および硬化後の水分透過率が低く、かつ、硬化率および硬化後のガラス転移点が高い封止剤を得ることができる。上記封止剤は、上記樹脂組成物と同様、式(1)で表される化合物および式(2)で表される化合物のいずれか一方を含んでいてもよく、その両方を含んでいてもよい。
なお、上記化合物および上記樹脂組成物については、〔1.化合物〕および〔2.樹脂組成物〕において説明した内容と重複する内容に関しては、その説明を繰り返さない。
本発明の一実施形態に係る封止剤は、重合開始剤、無機化合物およびシランカップリング剤からなる群より選択される少なくとも1種類以上の成分をさらに含んでいることが好ましい。上記封止剤が重合開始剤を含んでいることにより、光照射または加熱等によって、上記封止剤に含まれる上記式(1)または式(2)で表される化合物を重合することができる。上記封止剤が無機化合物を含んでいることにより、硬化後の水分透過率を低くすることができる。上記封止剤がシランカップリング剤を含んでいることにより、上記式(1)または式(2)で表される化合物の重合体をカップリングすることができる。
上記重合開始剤は、カチオン系重合開始剤であることが好ましい。上記カチオン系重合開始剤は、光重合開始剤であっても熱重合開始剤であってもよい。
なお、カチオン系光重合開始剤は、光照射によってカチオンを発生し、光カチオン重合性化合物の硬化反応を開始させることができるものであれば特に限定されない。カチオン系光重合開始剤としては、例えば、トリアリールスルホニウム塩およびトリフェニルスルホニウム塩等のスルホニウム塩、並びに、ヨードニウム塩等が挙げられる。トリアリールスルホニウム塩としては、例えば、トリアリールスルホニウムボレート塩(ボレート系)、トリアリールスルホニウム・SbF6塩(アンチモン系)、トリアリールスルホニウム・PF6塩(リン系)等が挙げられる。トリフェニルスルホニウム塩としては、トリフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート等が挙げられる。
また、カチオン系熱重合開始剤は、熱を与えることによってカチオンを発生し、熱カチオン重合性化合物の硬化反応を開始させることができるものであれば特に限定されない。カチオン系熱重合開始剤としては、例えば、トリフルオロ酸の4級アンモニウム塩、1−ナフチルメチルメチルp-ヒドロキシフェニルスルホニウム=ヘキサフルオロアンチモナート、(4−アセトキシフェニル)ベンジル(メチル)スルホニウム=テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートおよびベンジルメチルp−ヒドロキシフェニルスルホニウム=ヘキサフルオロアンチモナート等が挙げられる。
上記無機化合物としては、例えば、マイカ、タルク、アルミナ、クレー、コロイダルシリカおよび酸化チタン等が挙げられる。
上記シランカップリング剤としては、例えば、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランおよび2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のアルキルアルコキシシラン等が挙げられる。
上記封止剤は、結晶性の低さ、および、硬化後の物性等を損なわない範囲であれば、必要に応じて、上述した成分以外の添加剤をさらに含んでいてもよい。当該添加剤としては、例えば、安定剤、酸化防止剤、相溶化剤、消泡剤、接着性付与剤、粘度調整剤、チキソトロープ剤および充填剤等が挙げられる。
本発明の一実施形態に係る封止剤は、封止剤に含まれる塩素の量が低い場合であっても、結晶性が低く、かつ、硬化後も優れた物性を示す。
<封止剤の製造方法>
本発明の一実施形態に係る封止剤の製造方法は、化合物製造工程と、化合物製造工程で得られた化合物に、重合開始剤、無機化合物およびシランカップリング剤からなる群より選択される少なくとも1種類以上の成分を混練分散して混練分散物を得る混練分散工程と、混練分散工程で得られた混練分散物をろ過して封止剤を得るろ過工程とを含んでいる。
本発明の一実施形態に係る封止剤の製造方法は、化合物製造工程と、化合物製造工程で得られた化合物に、重合開始剤、無機化合物およびシランカップリング剤からなる群より選択される少なくとも1種類以上の成分を混練分散して混練分散物を得る混練分散工程と、混練分散工程で得られた混練分散物をろ過して封止剤を得るろ過工程とを含んでいる。
化合物製造工程は、上述した<化合物の製造方法>の混合工程と加熱工程とを含んでいる。化合物製造工程では、上記式(1)または式(2)で表される化合物を製造する。
混練分散工程では、化合物製造工程で得られた化合物に、重合開始剤、無機化合物およびシランカップリング剤からなる群より選択される少なくとも1種類以上の成分を混練分散して混練分散物を得る。
上記重合開始剤を添加する割合は、100重量部の上記式(3)で表される化合物に対して、0.2〜20重量部であることが好ましく、1〜15重量部であることがより好ましく、2〜10重量部であることがさらに好ましい。上記重合開始剤を添加する割合が0.2〜20重量部であることにより、上記式(1)または式(2)で表される化合物を効率的に重合することができる。
上記無機化合物を添加する割合は、100重量部の上記式(3)で表される化合物に対して、20〜90重量部であることが好ましく、30〜90重量部であることがより好ましく、40〜80重量部であることがさらに好ましい。上記無機化合物を添加する割合が20重量部以上であることにより、硬化後の水分透過率を低くすることができる。上記無機化合物を添加する割合が90重量部以下であることにより、適切な粘度に調整することができる。
上記シランカップリング剤を添加する割合は、100重量部の上記式(3)で表される化合物に対して、0.1〜30重量部であることが好ましく、1〜20重量部であることがより好ましく、5〜10重量部であることがさらに好ましい。上記シランカップリング剤を添加する割合が0.1重量部以上であることにより、上記式(1)または式(2)で表される化合物の重合体を効率的にカップリングすることができる。上記シランカップリング剤を添加する割合が30重量部以下であることにより、適切な硬化物の物性を維持することができる。
混練分散手段としては、特に限定されるものではないが、例えば、攪拌羽根を備えたフラスコ、ニーダー、ロール、溶融槽、バンバリーミキサー、押出機等が挙げられる。
ろ過工程では、混練分散工程で得られた混練分散物をろ過して封止剤を得る。ろ過手段としては、従来公知の方法を用いることができ、例えば、加圧ろ過であってもよい。
〔4.封止剤硬化物〕
本発明の一実施形態に係る封止剤硬化物は、〔1.化合物〕において上述した化合物が重合した化合物を含んでいることが好ましい。
本発明の一実施形態に係る封止剤硬化物は、〔1.化合物〕において上述した化合物が重合した化合物を含んでいることが好ましい。
本発明の一実施形態に係る封止剤硬化物は、〔2.樹脂組成物〕および〔3.封止剤〕において説明した、樹脂組成物および封止剤に含まれる各成分を含んでいることがより好ましい。なお、本明細書において、無機化合物およびシランカップリング剤を含まない封止剤硬化物を「樹脂硬化物」とも称する。
本発明の一実施形態に係る封止剤硬化物は、ガラス転移点が100℃以上であることが好ましく、120℃以上であることがより好ましい。ガラス転移点は、DSC(示差走査熱量計)により測定される値である。DSC(示差走査熱量計)によるガラス転移点の測定方法は、後述の実施例において詳述する。ガラス転移点が上記範囲内であることにより、有機ELディスプレイの封止剤として用いる場合、有機EL素子等を封止することができる。
また、本発明の一実施形態に係る封止剤硬化物は、水分透過率が6.5g/(m2・day)未満であることが好ましく、4.5g/(m2・day)未満であることがより好ましい。水分透過率は、カップ法により求められる値である。カップ法による水分透過率の測定方法は、後述の実施例において詳述する。水分透過率が上記範囲内であることにより、有機ELディスプレイの封止剤として用いる場合、有機EL素子等を封止することができる。
本発明の一実施形態に係る封止剤硬化物を含む有機ELディスプレイ等も本発明に含まれる。
<封止剤硬化物の製造方法>
本発明の一実施形態に係る封止剤硬化物の製造方法は、上述した封止剤に光照射して、または、当該封止剤を加熱して、封止剤硬化物を得る方法である。
本発明の一実施形態に係る封止剤硬化物の製造方法は、上述した封止剤に光照射して、または、当該封止剤を加熱して、封止剤硬化物を得る方法である。
封止剤に光重合開始剤が含まれる場合、封止剤に光照射する。光照射する波長は、光重合開始剤の種類によって適宜選択される。光の照射量および光を照射する時間は、封止剤の組成によって適宜選択される。光照射する手段としては、例えば、メタルハライドランプ、水銀ランプ、LED、ハロゲンランプ、キセノンランプおよび重水素ランプ等の紫外線照射ランプ等が挙げられる。
封止剤に熱重合開始剤が含まれる場合、封止剤を加熱する。加熱温度および時間は、熱重合開始剤の種類および封止剤の組成によって適宜選択される。
封止剤に光照射して、または、封止剤を加熱して、封止剤を硬化させた後に、硬化させた封止剤を加熱する後硬化処理を行ってもよい。後硬化処理の加熱温度および時間は、封止剤の組成によって適宜選択される。
本発明の一実施形態に係る封止剤硬化物の製造方法では、硬化前の上記封止剤に含まれるエポキシ基のモル数100モル%に対して、硬化前の上記封止剤に含まれるエポキシ基のモル数と、硬化後の封止剤硬化物のエポキシ基のモル数との差の割合(硬化率)が、70モル%以上であることが好ましく、90モル%以上であることが好ましい。これにより、上記封止剤硬化物の水分透過率を低くすることができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
エポキシ樹脂として100重量部のEXA−830CRP(ビスフェノールF型エポキシ樹脂、DIC社製)、およびカルボン酸として4.7重量部のアジピン酸(2価カルボン酸)をフラスコに入れ、攪拌羽根で混合した後、マントルヒーターで150℃に加熱して、樹脂組成物を得た。混合および加熱はAr気流下で行った。
エポキシ樹脂として100重量部のEXA−830CRP(ビスフェノールF型エポキシ樹脂、DIC社製)、およびカルボン酸として4.7重量部のアジピン酸(2価カルボン酸)をフラスコに入れ、攪拌羽根で混合した後、マントルヒーターで150℃に加熱して、樹脂組成物を得た。混合および加熱はAr気流下で行った。
〔実施例2〕
EXA−830CRPの代わりにFM−880(ビスフェノールF型エポキシ樹脂、Wells Advanced Materials Co.,Ltd製)を用い、4.7重量部のアジピン酸の代わりに、3.8重量部のMMA−10R(長鎖分岐2価カルボン酸、岡本製油社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を得た。
EXA−830CRPの代わりにFM−880(ビスフェノールF型エポキシ樹脂、Wells Advanced Materials Co.,Ltd製)を用い、4.7重量部のアジピン酸の代わりに、3.8重量部のMMA−10R(長鎖分岐2価カルボン酸、岡本製油社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を得た。
〔実施例3〕
4.7重量部のアジピン酸の代わりに、0.075重量部のmeso−ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸(4価カルボン酸)を用い、混合および加熱は開放系で行った以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を得た。
4.7重量部のアジピン酸の代わりに、0.075重量部のmeso−ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸(4価カルボン酸)を用い、混合および加熱は開放系で行った以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を得た。
〔実施例4〕
4.7重量部のアジピン酸の代わりに、9.0重量部のノフキュアーTN−1(3価カルボン酸誘導体(トリメリット酸エステル)、日油社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を得た。
4.7重量部のアジピン酸の代わりに、9.0重量部のノフキュアーTN−1(3価カルボン酸誘導体(トリメリット酸エステル)、日油社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を得た。
〔実施例21〕
EXA−830CRPの代わりにEXA−850CRP(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、DIC社製)を用い、4.7重量部のアジピン酸の代わりに、3.9重量部のMMA−10Rを用いた以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を得た。
EXA−830CRPの代わりにEXA−850CRP(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、DIC社製)を用い、4.7重量部のアジピン酸の代わりに、3.9重量部のMMA−10Rを用いた以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を得た。
〔比較例1〕
アジピン酸を添加しなかった以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を得た。
アジピン酸を添加しなかった以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を得た。
〔比較例2〕
4.7重量部のアジピン酸の代わりに、2.0重量部の酢酸(モノカルボン酸)を用い、添加物として0.01重量部の水酸化カリウムをさらに添加し、混合および加熱は開放系で行った以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を得た。
4.7重量部のアジピン酸の代わりに、2.0重量部の酢酸(モノカルボン酸)を用い、添加物として0.01重量部の水酸化カリウムをさらに添加し、混合および加熱は開放系で行った以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を得た。
〔比較例3〕
4.7重量部のアジピン酸の代わりに、17.0重量部のオレイン酸(モノカルボン酸)を用い、0.05重量部のトリフェニルホスフィンをさらに添加した以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を得た。
4.7重量部のアジピン酸の代わりに、17.0重量部のオレイン酸(モノカルボン酸)を用い、0.05重量部のトリフェニルホスフィンをさらに添加した以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を得た。
〔比較例16〕
MMA−10Rを添加しなかった以外は、実施例21と同様にして樹脂組成物を得た。
MMA−10Rを添加しなかった以外は、実施例21と同様にして樹脂組成物を得た。
<樹脂組成物の性状評価>
(n=0成分量の測定(GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)))
GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)により、各樹脂組成物におけるn=0成分(カルボン酸と未反応のエポキシ樹脂)量の測定を行った。装置には、SHIMAZU製のシステムコントローラ:SCL−10AVP、送液ポンプ:LC−20AD、デガッサ:DGU−12A、オートインジェクタ:SIL−10A、カラムオーブン:CTO−10AVP、検出器:shodex製のRI−71を使用した。溶媒にクロロホルムを用い、流速1mL/minとした。カラムはshodex製のGPC K−805L(8×300mm)を3本つなぎ、標準物質としてポリスチレンを用いた。クロマトグラフにおいて積算された、全てのピークの全体の面積に対して、n=0成分のピークの面積の割合を面積%比率で算出した。
(n=0成分量の測定(GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)))
GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)により、各樹脂組成物におけるn=0成分(カルボン酸と未反応のエポキシ樹脂)量の測定を行った。装置には、SHIMAZU製のシステムコントローラ:SCL−10AVP、送液ポンプ:LC−20AD、デガッサ:DGU−12A、オートインジェクタ:SIL−10A、カラムオーブン:CTO−10AVP、検出器:shodex製のRI−71を使用した。溶媒にクロロホルムを用い、流速1mL/minとした。カラムはshodex製のGPC K−805L(8×300mm)を3本つなぎ、標準物質としてポリスチレンを用いた。クロマトグラフにおいて積算された、全てのピークの全体の面積に対して、n=0成分のピークの面積の割合を面積%比率で算出した。
(結晶化試験)
樹脂組成物20gをガラス瓶に量りとり、60℃で16時間、加熱静置した。室温に戻した後、炭酸カルシウム2gとエタノール2gを加え、均一になるまでガラス棒で撹拌した。ガラス瓶に蓋をして、10℃の冷蔵庫で静置保管し、経過観察をした。1日1回、流動性を確認し、固化するのに要した日数を確認すると共に、流動のある場合には均一になるまで撹拌した。
樹脂組成物20gをガラス瓶に量りとり、60℃で16時間、加熱静置した。室温に戻した後、炭酸カルシウム2gとエタノール2gを加え、均一になるまでガラス棒で撹拌した。ガラス瓶に蓋をして、10℃の冷蔵庫で静置保管し、経過観察をした。1日1回、流動性を確認し、固化するのに要した日数を確認すると共に、流動のある場合には均一になるまで撹拌した。
流動が無くなり固化するのに要した日数が、3ヶ月より長いときに結晶抑制◎、1〜3ヶ月のときに結晶抑制○、1〜4週間のときに結晶抑制△、1週間未満のときに結晶抑制×とした。
〔実施例5〕
実施例1で作製した樹脂組成物にカチオン系光重合開始剤として2.1重量部のCPI−101A(アンチモン系、サンアプロ社製)をさらに添加し、混合して樹脂組成物を得た。樹脂組成物が100μm厚になるようにヨシミツ精機社製ドクターブレード YD−3型を用いて、フィルム状にした。フィルム状にした樹脂組成物に、メタルハライドランプを用いて6000mJ/cm2の紫外線を照射し、80℃、1時間の後硬化処理をすることで樹脂硬化物を得た。
実施例1で作製した樹脂組成物にカチオン系光重合開始剤として2.1重量部のCPI−101A(アンチモン系、サンアプロ社製)をさらに添加し、混合して樹脂組成物を得た。樹脂組成物が100μm厚になるようにヨシミツ精機社製ドクターブレード YD−3型を用いて、フィルム状にした。フィルム状にした樹脂組成物に、メタルハライドランプを用いて6000mJ/cm2の紫外線を照射し、80℃、1時間の後硬化処理をすることで樹脂硬化物を得た。
〔実施例6〕
実施例1で作製した樹脂組成物の代わりに実施例2で作製した樹脂組成物を用いた以外は実施例5と同様にして樹脂硬化物を得た。
実施例1で作製した樹脂組成物の代わりに実施例2で作製した樹脂組成物を用いた以外は実施例5と同様にして樹脂硬化物を得た。
〔実施例7〕
実施例1で作製した樹脂組成物の代わりに実施例3で作製した樹脂組成物を用い、CPI−101Aを2.0重量部とした以外は実施例5と同様にして樹脂硬化物を得た。
実施例1で作製した樹脂組成物の代わりに実施例3で作製した樹脂組成物を用い、CPI−101Aを2.0重量部とした以外は実施例5と同様にして樹脂硬化物を得た。
〔実施例8〕
実施例1で作製した樹脂組成物の代わりに実施例4で作製した樹脂組成物を用い、CPI−101Aを2.2重量部とした以外は実施例5と同様にして樹脂硬化物を得た。
実施例1で作製した樹脂組成物の代わりに実施例4で作製した樹脂組成物を用い、CPI−101Aを2.2重量部とした以外は実施例5と同様にして樹脂硬化物を得た。
〔実施例22〕
実施例1で作製した樹脂組成物の代わりに実施例21で作製した樹脂組成物を用いた以外は実施例5と同様にして樹脂硬化物を得た。
実施例1で作製した樹脂組成物の代わりに実施例21で作製した樹脂組成物を用いた以外は実施例5と同様にして樹脂硬化物を得た。
〔比較例4〕
実施例1で作製した樹脂組成物の代わりに比較例1で作製した樹脂組成物を用い、CPI−101Aを2.0重量部とした以外は実施例5と同様にして樹脂硬化物を得た。
実施例1で作製した樹脂組成物の代わりに比較例1で作製した樹脂組成物を用い、CPI−101Aを2.0重量部とした以外は実施例5と同様にして樹脂硬化物を得た。
〔比較例5〕
実施例1で作製した樹脂組成物の代わりに比較例2で作製した樹脂組成物を用い、CPI−101Aを2.0重量部とした以外は実施例5と同様にして樹脂硬化物を得た。
実施例1で作製した樹脂組成物の代わりに比較例2で作製した樹脂組成物を用い、CPI−101Aを2.0重量部とした以外は実施例5と同様にして樹脂硬化物を得た。
〔比較例6〕
実施例1で作製した樹脂組成物の代わりに比較例3で作製した樹脂組成物を用い、CPI−101Aを2.3重量部とした以外は実施例5と同様にして樹脂硬化物を得た。
実施例1で作製した樹脂組成物の代わりに比較例3で作製した樹脂組成物を用い、CPI−101Aを2.3重量部とした以外は実施例5と同様にして樹脂硬化物を得た。
〔比較例17〕
実施例1で作製した樹脂組成物の代わりに比較例16で作製した樹脂組成物を用い、CPI−101Aを2.0重量部とした以外は実施例5と同様にして樹脂硬化物を得た。
実施例1で作製した樹脂組成物の代わりに比較例16で作製した樹脂組成物を用い、CPI−101Aを2.0重量部とした以外は実施例5と同様にして樹脂硬化物を得た。
<樹脂硬化物の性状評価>
(FT−IR法による硬化率の測定)
FT−IR(フリーエ変換赤外線分光分析)法により、硬化前の樹脂組成物および硬化後の樹脂硬化物のエポキシ基を測定した。装置にはThermo SCIENTIFIC社製NICOLET iS10を用いた。硬化前の樹脂組成物のエポキシ基のピークの高さから硬化後の樹脂硬化物のエポキシ基のピークの高さへの減少率を硬化率として算出した。波長1508/cm付近のベンゼン環のピークの高さを基準にとり、波長914/cm付近のエポキシ基のピークの高さから、硬化前の樹脂組成物および硬化後の樹脂硬化物のエポキシ基の標準化したピークの高さを算出した。硬化率が90%以上を◎、70%以上90%未満を○、50%以上70%未満を△、50%未満を×とした。
(FT−IR法による硬化率の測定)
FT−IR(フリーエ変換赤外線分光分析)法により、硬化前の樹脂組成物および硬化後の樹脂硬化物のエポキシ基を測定した。装置にはThermo SCIENTIFIC社製NICOLET iS10を用いた。硬化前の樹脂組成物のエポキシ基のピークの高さから硬化後の樹脂硬化物のエポキシ基のピークの高さへの減少率を硬化率として算出した。波長1508/cm付近のベンゼン環のピークの高さを基準にとり、波長914/cm付近のエポキシ基のピークの高さから、硬化前の樹脂組成物および硬化後の樹脂硬化物のエポキシ基の標準化したピークの高さを算出した。硬化率が90%以上を◎、70%以上90%未満を○、50%以上70%未満を△、50%未満を×とした。
(ガラス転移点(Tg)の測定(DSC))
装置には、DSC(示差走査熱量計 ASC7000S、ブルカー・エイエックス社製)を使用した。サンプルを樹脂硬化物15mgとし、−100〜200℃の温度領域で10℃/minで昇温と冷却を2回繰り返して測定した。2回目の昇温時の変曲点をTgとした。Tgが120℃以上のときを◎、100℃以上120℃未満のときを○、100℃未満のときを△、測定不可のときを×とした。
装置には、DSC(示差走査熱量計 ASC7000S、ブルカー・エイエックス社製)を使用した。サンプルを樹脂硬化物15mgとし、−100〜200℃の温度領域で10℃/minで昇温と冷却を2回繰り返して測定した。2回目の昇温時の変曲点をTgとした。Tgが120℃以上のときを◎、100℃以上120℃未満のときを○、100℃未満のときを△、測定不可のときを×とした。
〔実施例9〕
実施例1で作製した樹脂組成物、カチオン系光重合開始剤として5.2重量部のCPI−310B(ボレート系、サンアプロ社製)、無機化合物として57.6重量部のマイカ、およびシランカップリング剤として5.2重量部の3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(エポキシ変性)をニーダーにより混練分散した。その後、加圧ろ過を行い、封止剤組成物を得た。その後、封止剤組成物が100μm厚になるようにヨシミツ精機社製ドクターブレード YD−3型を用いてフィルム状にした。フィルム状にした封止剤組成物に、メタルハライドランプを用いて6000mJ/cm2の紫外線を照射し、80℃、1時間の後硬化処理をすることで封止剤硬化物を得た。
実施例1で作製した樹脂組成物、カチオン系光重合開始剤として5.2重量部のCPI−310B(ボレート系、サンアプロ社製)、無機化合物として57.6重量部のマイカ、およびシランカップリング剤として5.2重量部の3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(エポキシ変性)をニーダーにより混練分散した。その後、加圧ろ過を行い、封止剤組成物を得た。その後、封止剤組成物が100μm厚になるようにヨシミツ精機社製ドクターブレード YD−3型を用いてフィルム状にした。フィルム状にした封止剤組成物に、メタルハライドランプを用いて6000mJ/cm2の紫外線を照射し、80℃、1時間の後硬化処理をすることで封止剤硬化物を得た。
〔実施例10〕
5.2重量部のCPI−310Bの代わりに9.4重量部のCPI−101Aを用い、57.6重量部のマイカの代わりに52.4重量部のタルクを用い、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランを9.4重量部とした以外は実施例9と同様にして封止剤硬化物を得た。
5.2重量部のCPI−310Bの代わりに9.4重量部のCPI−101Aを用い、57.6重量部のマイカの代わりに52.4重量部のタルクを用い、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランを9.4重量部とした以外は実施例9と同様にして封止剤硬化物を得た。
〔実施例11〕
5.2重量部のCPI−310Bの代わりに9.4重量部のCPI−200K(リン系、サンアプロ社製)を用い、57.6重量部のマイカの代わりに47.1重量部のアルミナを用い、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランの代わりに3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランを用い、ニーダーの代わりに3本ロールを用いた以外は実施例9と同様にして封止剤硬化物を得た。
5.2重量部のCPI−310Bの代わりに9.4重量部のCPI−200K(リン系、サンアプロ社製)を用い、57.6重量部のマイカの代わりに47.1重量部のアルミナを用い、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランの代わりに3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランを用い、ニーダーの代わりに3本ロールを用いた以外は実施例9と同様にして封止剤硬化物を得た。
〔実施例12〕
実施例1で作製した樹脂組成物の代わりに実施例2で作製した樹脂組成物を用い、マイカを57.1重量部とし、ニーダーの代わりに3本ロールを用いた以外は実施例9と同様にして封止剤硬化物を得た。
実施例1で作製した樹脂組成物の代わりに実施例2で作製した樹脂組成物を用い、マイカを57.1重量部とし、ニーダーの代わりに3本ロールを用いた以外は実施例9と同様にして封止剤硬化物を得た。
〔実施例13〕
実施例1で作製した樹脂組成物の代わりに実施例2で作製した樹脂組成物を用い、5.2重量部のCPI−310Bの代わりに9.3重量部のCPI−101Aを用い、57.6重量部のマイカの代わりに51.9重量部のタルクを用い、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランを9.3重量部とし、ニーダーの代わりに3本ロールを用いた以外は実施例9と同様にして封止剤硬化物を得た。
実施例1で作製した樹脂組成物の代わりに実施例2で作製した樹脂組成物を用い、5.2重量部のCPI−310Bの代わりに9.3重量部のCPI−101Aを用い、57.6重量部のマイカの代わりに51.9重量部のタルクを用い、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランを9.3重量部とし、ニーダーの代わりに3本ロールを用いた以外は実施例9と同様にして封止剤硬化物を得た。
〔実施例14〕
実施例1で作製した樹脂組成物の代わりに実施例2で作製した樹脂組成物を用い、5.2重量部のCPI−310Bの代わりに5.0重量部のCPI−200K(リン系、サンアプロ社製)を用い、57.6重量部のマイカの代わりに46.7重量部のアルミナを用い、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランの代わりに3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランを用いた以外は実施例9と同様にして封止剤硬化物を得た。
実施例1で作製した樹脂組成物の代わりに実施例2で作製した樹脂組成物を用い、5.2重量部のCPI−310Bの代わりに5.0重量部のCPI−200K(リン系、サンアプロ社製)を用い、57.6重量部のマイカの代わりに46.7重量部のアルミナを用い、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランの代わりに3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランを用いた以外は実施例9と同様にして封止剤硬化物を得た。
〔実施例15〕
実施例1で作製した樹脂組成物の代わりに実施例3で作製した樹脂組成物を用い、CPI−310Bを5.0重量部とし、マイカを55.0重量部とし、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランを5.0重量部とした以外は実施例9と同様にして封止剤硬化物を得た。
実施例1で作製した樹脂組成物の代わりに実施例3で作製した樹脂組成物を用い、CPI−310Bを5.0重量部とし、マイカを55.0重量部とし、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランを5.0重量部とした以外は実施例9と同様にして封止剤硬化物を得た。
〔実施例16〕
実施例1で作製した樹脂組成物の代わりに実施例3で作製した樹脂組成物を用い、5.2重量部のCPI−310Bの代わりに9.0重量部のCPI−101Aを用い、57.6重量部のマイカの代わりに50.0重量部のタルクを用い、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランを9.0重量部とした以外は実施例9と同様にして封止剤硬化物を得た。
実施例1で作製した樹脂組成物の代わりに実施例3で作製した樹脂組成物を用い、5.2重量部のCPI−310Bの代わりに9.0重量部のCPI−101Aを用い、57.6重量部のマイカの代わりに50.0重量部のタルクを用い、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランを9.0重量部とした以外は実施例9と同様にして封止剤硬化物を得た。
〔実施例17〕
実施例1で作製した樹脂組成物の代わりに実施例3で作製した樹脂組成物を用い、5.2重量部のCPI−310Bの代わりに9.0重量部のCPI−200Kを用い、57.6重量部のマイカの代わりに45.0重量部のアルミナを用い、5.2重量部の3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランの代わりに5.0重量部の3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランを用い、ニーダーの代わりに3本ロールを用いた以外は実施例9と同様にして封止剤硬化物を得た。
実施例1で作製した樹脂組成物の代わりに実施例3で作製した樹脂組成物を用い、5.2重量部のCPI−310Bの代わりに9.0重量部のCPI−200Kを用い、57.6重量部のマイカの代わりに45.0重量部のアルミナを用い、5.2重量部の3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランの代わりに5.0重量部の3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランを用い、ニーダーの代わりに3本ロールを用いた以外は実施例9と同様にして封止剤硬化物を得た。
〔実施例18〕
実施例1で作製した樹脂組成物の代わりに実施例4で作製した樹脂組成物を用い、CPI−310Bを5.5重量部とし、マイカを60.0重量部とし、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランを5.5重量部とした以外は実施例9と同様にして封止剤硬化物を得た。
実施例1で作製した樹脂組成物の代わりに実施例4で作製した樹脂組成物を用い、CPI−310Bを5.5重量部とし、マイカを60.0重量部とし、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランを5.5重量部とした以外は実施例9と同様にして封止剤硬化物を得た。
〔実施例19〕
実施例1で作製した樹脂組成物の代わりに実施例4で作製した樹脂組成物を用い、5.2重量部のCPI−310Bの代わりに9.8重量部のCPI−101Aを用い、57.6重量部のマイカの代わりに54.5重量部のタルクを用い、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランを9.8重量部とした以外は実施例9と同様にして封止剤硬化物を得た。
実施例1で作製した樹脂組成物の代わりに実施例4で作製した樹脂組成物を用い、5.2重量部のCPI−310Bの代わりに9.8重量部のCPI−101Aを用い、57.6重量部のマイカの代わりに54.5重量部のタルクを用い、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランを9.8重量部とした以外は実施例9と同様にして封止剤硬化物を得た。
〔実施例20〕
実施例1で作製した樹脂組成物の代わりに実施例4で作製した樹脂組成物を用い、5.2重量部のCPI−310Bの代わりに9.8重量部のCPI−200Kを用い、57.6重量部のマイカの代わりに49.1重量部のアルミナを用い、5.2重量部の3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランの代わりに5.5重量部の3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランを用い、ニーダーの代わりに3本ロールを用いた以外は実施例9と同様にして封止剤硬化物を得た。
実施例1で作製した樹脂組成物の代わりに実施例4で作製した樹脂組成物を用い、5.2重量部のCPI−310Bの代わりに9.8重量部のCPI−200Kを用い、57.6重量部のマイカの代わりに49.1重量部のアルミナを用い、5.2重量部の3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランの代わりに5.5重量部の3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランを用い、ニーダーの代わりに3本ロールを用いた以外は実施例9と同様にして封止剤硬化物を得た。
〔実施例23〕
実施例1で作製した樹脂組成物の代わりに実施例21で作製した樹脂組成物を用い、CPI−310Bを5.2重量部とし、マイカを57.1重量部とした以外は実施例9と同様にして封止剤硬化物を得た。
実施例1で作製した樹脂組成物の代わりに実施例21で作製した樹脂組成物を用い、CPI−310Bを5.2重量部とし、マイカを57.1重量部とした以外は実施例9と同様にして封止剤硬化物を得た。
〔実施例24〕
実施例1で作製した樹脂組成物の代わりに実施例21で作製した樹脂組成物を用い、5.2重量部のCPI−310Bの代わりに9.4重量部のCPI−101Aを用い、57.6重量部のマイカの代わりに52.0重量部のタルクを用い、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランを9.4重量部とした以外は実施例9と同様にして封止剤硬化物を得た。
実施例1で作製した樹脂組成物の代わりに実施例21で作製した樹脂組成物を用い、5.2重量部のCPI−310Bの代わりに9.4重量部のCPI−101Aを用い、57.6重量部のマイカの代わりに52.0重量部のタルクを用い、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランを9.4重量部とした以外は実施例9と同様にして封止剤硬化物を得た。
〔実施例25〕
実施例1で作製した樹脂組成物の代わりに実施例21で作製した樹脂組成物を用い、5.2重量部のCPI−310Bの代わりに9.4重量部のCPI−200Kを用い、57.6重量部のマイカの代わりに46.8重量部のアルミナを用い、5.2重量部の3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランの代わりに5.2重量部の3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランを用い、ニーダーの代わりに3本ロールを用いた以外は実施例9と同様にして封止剤硬化物を得た。
実施例1で作製した樹脂組成物の代わりに実施例21で作製した樹脂組成物を用い、5.2重量部のCPI−310Bの代わりに9.4重量部のCPI−200Kを用い、57.6重量部のマイカの代わりに46.8重量部のアルミナを用い、5.2重量部の3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランの代わりに5.2重量部の3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランを用い、ニーダーの代わりに3本ロールを用いた以外は実施例9と同様にして封止剤硬化物を得た。
〔比較例7〕
実施例1で作製した樹脂組成物の代わりに比較例1で作製した樹脂組成物を用い、CPI−310Bを5.0重量部とし、マイカを55.0重量部とし、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランを5.0重量部とした以外は実施例9と同様にして封止剤硬化物を得た。
実施例1で作製した樹脂組成物の代わりに比較例1で作製した樹脂組成物を用い、CPI−310Bを5.0重量部とし、マイカを55.0重量部とし、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランを5.0重量部とした以外は実施例9と同様にして封止剤硬化物を得た。
〔比較例8〕
実施例1で作製した樹脂組成物の代わりに比較例1で作製した樹脂組成物を用い、5.2重量部のCPI−310Bの代わりに9.0重量部のCPI−101Aを用い、57.6重量部のマイカの代わりに50.0重量部のタルクを用い、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランを9.0重量部とした以外は実施例9と同様にして封止剤硬化物を得た。
実施例1で作製した樹脂組成物の代わりに比較例1で作製した樹脂組成物を用い、5.2重量部のCPI−310Bの代わりに9.0重量部のCPI−101Aを用い、57.6重量部のマイカの代わりに50.0重量部のタルクを用い、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランを9.0重量部とした以外は実施例9と同様にして封止剤硬化物を得た。
〔比較例9〕
実施例1で作製した樹脂組成物の代わりに比較例1で作製した樹脂組成物を用い、5.2重量部のCPI−310Bの代わりに9.0のCPI−200Kを用い、57.6重量部のマイカの代わりに45.0重量部のアルミナを用い、5.2重量部の3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランの代わりに5.0重量部の3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランを用い、ニーダーの代わりに3本ロールを用いた以外は実施例9と同様にして封止剤硬化物を得た。
実施例1で作製した樹脂組成物の代わりに比較例1で作製した樹脂組成物を用い、5.2重量部のCPI−310Bの代わりに9.0のCPI−200Kを用い、57.6重量部のマイカの代わりに45.0重量部のアルミナを用い、5.2重量部の3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランの代わりに5.0重量部の3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランを用い、ニーダーの代わりに3本ロールを用いた以外は実施例9と同様にして封止剤硬化物を得た。
〔比較例10〕
実施例1で作製した樹脂組成物の代わりに比較例2で作製した樹脂組成物を用い、CPI−310Bを5.1重量部とし、マイカを56.1重量部とし、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランを5.1重量部とした以外は実施例9と同様にして封止剤硬化物を得た。
実施例1で作製した樹脂組成物の代わりに比較例2で作製した樹脂組成物を用い、CPI−310Bを5.1重量部とし、マイカを56.1重量部とし、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランを5.1重量部とした以外は実施例9と同様にして封止剤硬化物を得た。
〔比較例11〕
実施例1で作製した樹脂組成物の代わりに比較例2で作製した樹脂組成物を用い、5.2重量部のCPI−310Bの代わりに9.2重量部のCPI−101Aを用い、57.6重量部のマイカの代わりに51.0重量部のタルクを用い、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランを9.2重量部とし、ニーダーの代わりに3本ロールを用いた以外は実施例9と同様にして封止剤硬化物を得た。
実施例1で作製した樹脂組成物の代わりに比較例2で作製した樹脂組成物を用い、5.2重量部のCPI−310Bの代わりに9.2重量部のCPI−101Aを用い、57.6重量部のマイカの代わりに51.0重量部のタルクを用い、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランを9.2重量部とし、ニーダーの代わりに3本ロールを用いた以外は実施例9と同様にして封止剤硬化物を得た。
〔比較例12〕
実施例1で作製した樹脂組成物の代わりに比較例2で作製した樹脂組成物を用い、5.2重量部のCPI−310Bの代わりに9.2重量部のCPI−200Kを用い、57.6重量部のマイカの代わりに45.9重量部のアルミナを用い、5.2重量部の3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランの代わりに5.1重量部の3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランを用いた以外は実施例9と同様にして封止剤硬化物を得た。
実施例1で作製した樹脂組成物の代わりに比較例2で作製した樹脂組成物を用い、5.2重量部のCPI−310Bの代わりに9.2重量部のCPI−200Kを用い、57.6重量部のマイカの代わりに45.9重量部のアルミナを用い、5.2重量部の3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランの代わりに5.1重量部の3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランを用いた以外は実施例9と同様にして封止剤硬化物を得た。
〔比較例13〕
実施例1で作製した樹脂組成物の代わりに比較例3で作製した樹脂組成物を用い、CPI−310Bを5.9重量部とし、マイカを64.4重量部とし、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランを5.9重量部とし、ニーダーの代わりに3本ロールを用いた以外は実施例9と同様にして封止剤硬化物を得た。
実施例1で作製した樹脂組成物の代わりに比較例3で作製した樹脂組成物を用い、CPI−310Bを5.9重量部とし、マイカを64.4重量部とし、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランを5.9重量部とし、ニーダーの代わりに3本ロールを用いた以外は実施例9と同様にして封止剤硬化物を得た。
〔比較例14〕
実施例1で作製した樹脂組成物の代わりに比較例3で作製した樹脂組成物を用い、5.2重量部のCPI−310Bの代わりに10.5重量部のCPI−101Aを用い、57.6重量部のマイカの代わりに58.5重量部のタルクを用い、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランを10.5重量部とした以外は実施例9と同様にして封止剤硬化物を得た。
実施例1で作製した樹脂組成物の代わりに比較例3で作製した樹脂組成物を用い、5.2重量部のCPI−310Bの代わりに10.5重量部のCPI−101Aを用い、57.6重量部のマイカの代わりに58.5重量部のタルクを用い、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランを10.5重量部とした以外は実施例9と同様にして封止剤硬化物を得た。
〔比較例15〕
実施例1で作製した樹脂組成物の代わりに比較例3で作製した樹脂組成物を用い、5.2重量部のCPI−310Bの代わりに10.5重量部のCPI−200Kを用い、57.6重量部のマイカの代わりに52.7重量部のアルミナを用い、5.2重量部の3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランの代わりに5.9重量部の3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランを用いた以外は実施例9と同様にして封止剤硬化物を得た。
実施例1で作製した樹脂組成物の代わりに比較例3で作製した樹脂組成物を用い、5.2重量部のCPI−310Bの代わりに10.5重量部のCPI−200Kを用い、57.6重量部のマイカの代わりに52.7重量部のアルミナを用い、5.2重量部の3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランの代わりに5.9重量部の3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランを用いた以外は実施例9と同様にして封止剤硬化物を得た。
〔比較例18〕
実施例1で作製した樹脂組成物の代わりに比較例16で作製した樹脂組成物を用い、CPI−310Bを5.0重量部とし、マイカを55.0重量部とし、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランを5.0重量部とし、ニーダーの代わりに3本ロールを用いた以外は実施例9と同様にして封止剤硬化物を得た。
実施例1で作製した樹脂組成物の代わりに比較例16で作製した樹脂組成物を用い、CPI−310Bを5.0重量部とし、マイカを55.0重量部とし、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランを5.0重量部とし、ニーダーの代わりに3本ロールを用いた以外は実施例9と同様にして封止剤硬化物を得た。
〔比較例19〕
実施例1で作製した樹脂組成物の代わりに比較例16で作製した樹脂組成物を用い、5.2重量部のCPI−310Bの代わりに9.0重量部のCPI−101Aを用い、57.6重量部のマイカの代わりに50.0重量部のタルクを用い、5.2重量部の3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランの代わりに9.0重量部の3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを用いた以外は実施例9と同様にして封止剤硬化物を得た。
実施例1で作製した樹脂組成物の代わりに比較例16で作製した樹脂組成物を用い、5.2重量部のCPI−310Bの代わりに9.0重量部のCPI−101Aを用い、57.6重量部のマイカの代わりに50.0重量部のタルクを用い、5.2重量部の3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランの代わりに9.0重量部の3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを用いた以外は実施例9と同様にして封止剤硬化物を得た。
〔比較例20〕
実施例1で作製した樹脂組成物の代わりに比較例16で作製した樹脂組成物を用い、5.2重量部のCPI−310Bの代わりに9.0重量部のCPI−200Kを用い、57.6重量部のマイカの代わりに45.0重量部のアルミナを用い、5.2重量部の3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランの代わりに5.0重量部の3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランを用いた以外は実施例9と同様にして封止剤硬化物を得た。
実施例1で作製した樹脂組成物の代わりに比較例16で作製した樹脂組成物を用い、5.2重量部のCPI−310Bの代わりに9.0重量部のCPI−200Kを用い、57.6重量部のマイカの代わりに45.0重量部のアルミナを用い、5.2重量部の3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランの代わりに5.0重量部の3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランを用いた以外は実施例9と同様にして封止剤硬化物を得た。
<封止剤硬化物の性状評価>
(カップ法による水分透過率(WVTR)の測定)
厚さ100μm、直径6cmの封止剤硬化物を用いて水分透過率を測定した。7gの塩化カルシウム(キシダ化学社製)を封止剤硬化物とパラフィンで封入し、温度40℃、湿度90%下で24時間静置して重量増加量を測定した。WVTRは以下の式で算出した。
(カップ法による水分透過率(WVTR)の測定)
厚さ100μm、直径6cmの封止剤硬化物を用いて水分透過率を測定した。7gの塩化カルシウム(キシダ化学社製)を封止剤硬化物とパラフィンで封入し、温度40℃、湿度90%下で24時間静置して重量増加量を測定した。WVTRは以下の式で算出した。
WVTR(g/(m2・day))=増加質量(g)/0.03×0.03×3.14(m2)×1(day)
WVTRが4.5g/(m2・day)未満のときを◎、4.5g/(m2・day)以上6.5g/(m2・day)未満のときを○、6.5g/(m2・day)以上15.5g/(m2・day)未満のときを△、15.5g/(m2・day)以上のとき、または硬化不良による測定不可のときを×とした。
WVTRが4.5g/(m2・day)未満のときを◎、4.5g/(m2・day)以上6.5g/(m2・day)未満のときを○、6.5g/(m2・day)以上15.5g/(m2・day)未満のときを△、15.5g/(m2・day)以上のとき、または硬化不良による測定不可のときを×とした。
以上のように、実施例1〜4、21は、結晶抑制に優れることが認められた。また、この実施例1〜4、21のいずれかの樹脂組成物を用いた実施例5〜8、22の封止剤硬化物は、硬化率およびガラス転移点が高いことが認められた。さらに、実施例1〜4、21のいずれかの樹脂組成物を用いた実施例9〜20、および23〜25の封止剤硬化物は、水分透過率が低いことが認められた。一方、比較例3の樹脂組成物は実施例と同等の結晶抑制を示した。しかしながら、この比較例3の樹脂組成物を用いた比較例6の封止剤硬化物は、硬化率が低く、ガラス転移点が測定不可能であるほど低い点で劣り、比較例3の樹脂組成物を用いた比較例13〜15の封止剤硬化物は、水分透過率が高い点で劣る。また、比較例4、5および17の封止剤硬化物は実施例と同等の硬化率およびガラス転移点を示し、比較例7〜9および18〜20の封止剤硬化物は実施例と同等の水分透過率を示した。しかしながら、この比較例4、5、7〜9、および17〜20のいずれかの封止剤硬化物に用いられている比較例1、2および16の樹脂組成物は、結晶抑制に劣る。
本発明は、有機ELディスプレイにおいても好適に用いられる封止剤、接着剤、コート剤として利用することができる。
Claims (7)
- 上記式(1)および式(2)中、上記Rは、ビスフェニレン基であることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
- 請求項1または2に記載の化合物を含むことを特徴とする樹脂組成物。
- 請求項1もしくは2に記載の化合物、または、請求項3もしくは4に記載の樹脂組成物を含むことを特徴とする封止剤。
- 重合開始剤、無機化合物およびシランカップリング剤からなる群より選択される少なくとも1種類以上の成分をさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の封止剤。
- 上記重合開始剤が光重合開始剤であることを特徴とする請求項6に記載の封止剤。
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