JP2012092239A - 硬化性組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】ジブチル錫化合物を用いた場合と同等以上の貯蔵安定性を有する硬化性組成物の提供。
【解決手段】加水分解性シリル基を有し主鎖を構成する繰り返し単位としてオキシアルキレン基を繰り返し単位の総モル数の50%以上の量で含むポリオキシアルキレン重合体と、所定の式で表されるエステル化合物で表面処理された炭酸カルシウムと、オクチル系錫化合物とを含有し、
前記炭酸カルシウムの含有量が、前記ポリオキシアルキレン重合体100質量部に対して50〜200質量部である硬化性組成物。
【選択図】なし
【解決手段】加水分解性シリル基を有し主鎖を構成する繰り返し単位としてオキシアルキレン基を繰り返し単位の総モル数の50%以上の量で含むポリオキシアルキレン重合体と、所定の式で表されるエステル化合物で表面処理された炭酸カルシウムと、オクチル系錫化合物とを含有し、
前記炭酸カルシウムの含有量が、前記ポリオキシアルキレン重合体100質量部に対して50〜200質量部である硬化性組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、硬化性組成物に関する。
加水分解性シリル基を有するポリオキシアルキレン重合体を含有する硬化性組成物は、接着剤やシーリング剤として使用することが知られている(例えば、特許文献1および2参照。)。
また、このような硬化性組成物においては、硬化触媒としてチタネート系化合物(チタン系エステル類)や錫化合物等を配合することが知られているが、ロッテルダム条約等により、錫化合物のうち、ジブチル錫化合物(例えば、ジブチル錫ジラウレート等)が規制されることが予定されている。
また、このような硬化性組成物においては、硬化触媒としてチタネート系化合物(チタン系エステル類)や錫化合物等を配合することが知られているが、ロッテルダム条約等により、錫化合物のうち、ジブチル錫化合物(例えば、ジブチル錫ジラウレート等)が規制されることが予定されている。
本発明者は、ジブチル錫化合物に替えて炭素数の長いジオクチル錫ジラウレート等を使用した系を検討したところ、この系においては、ジブチル錫化合物を用いた系よりも貯蔵安定性に劣ることを明らかとした。
そこで、本発明は、ジブチル錫化合物を用いた場合と同等以上の貯蔵安定性を有する硬化性組成物を提供することを目的とする。
そこで、本発明は、ジブチル錫化合物を用いた場合と同等以上の貯蔵安定性を有する硬化性組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、所定の錫化合物とともに、特定のエステル化合物で表面処理された炭酸カルシウムを併用することにより、ジブチル錫化合物を用いた場合と同等以上の貯蔵安定性を有することを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(5)を提供する。
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(5)を提供する。
(1)加水分解性シリル基を有し主鎖を構成する繰り返し単位としてオキシアルキレン基を繰り返し単位の総モル数の50%以上の量で含むポリオキシアルキレン重合体と、下記式(I)で表されるエステル化合物で表面処理された炭酸カルシウムと、オクチル系錫化合物とを含有し、
上記炭酸カルシウムの含有量が、上記ポリオキシアルキレン重合体100質量部に対して50〜200質量部である硬化性組成物。
(式(I)中、R1は、炭素数8〜20のアルキル基を表し、複数のR1はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
上記炭酸カルシウムの含有量が、上記ポリオキシアルキレン重合体100質量部に対して50〜200質量部である硬化性組成物。
(2)上記炭酸カルシウムの総質量に対する上記エステル化合物の質量が1〜15質量%である上記(1)に記載の硬化性組成物。
(3)上記オクチル系錫化合物が、下記式(II)で表される錫化合物である上記(1)または(2)に記載の硬化性組成物。
(式(II)中、R2およびR3は、それぞれ独立に炭素数5〜12のアルキル基を表し、R4およびR5は、それぞれ独立に炭素数1〜18のアルキル基を表す。)
(4)更に、上記ポリオキシアルキレン重合体100質量部に対して下記式(III)で表されるN−シリルアミド化合物を0.2〜30質量部含有する上記(1)〜(3)のいずれかに記載の硬化性組成物。
(R6−CONH)4-n−Si−R7 n ・・・(III)
(式中、nは、0、1、2または3を表し、R6は、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数5〜21の炭化水素基を表し、nが0、1または2のとき、複数のR6はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、R7は、炭素数1〜3のアルキル基またはアルコキシ基を表し、nが2または3のとき、複数のR7はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
(R6−CONH)4-n−Si−R7 n ・・・(III)
(式中、nは、0、1、2または3を表し、R6は、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数5〜21の炭化水素基を表し、nが0、1または2のとき、複数のR6はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、R7は、炭素数1〜3のアルキル基またはアルコキシ基を表し、nが2または3のとき、複数のR7はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
(5)更に、エポキシ樹脂と、カルボニル化合物およびポリアミンを反応させることによって得られるケチミンとを含有し、
上記エポキシ樹脂の含有量が、上記ポリオキシアルキレン重合体100質量部に対して3〜100質量部であり、
上記ケチミンが有するイミノ基の量が、上記エポキシ樹脂が有するエポキシ基に対して、0.5〜1.5当量である上記(1)〜(4)のいずれかに記載の硬化性組成物。
上記エポキシ樹脂の含有量が、上記ポリオキシアルキレン重合体100質量部に対して3〜100質量部であり、
上記ケチミンが有するイミノ基の量が、上記エポキシ樹脂が有するエポキシ基に対して、0.5〜1.5当量である上記(1)〜(4)のいずれかに記載の硬化性組成物。
以下に示すように、本発明によれば、ジブチル錫化合物を用いた場合と同等以上の貯蔵安定性を有する硬化性組成物を提供することができる。
本発明の硬化性組成物は、加水分解性シリル基を有し主鎖を構成する繰り返し単位としてオキシアルキレン基を繰り返し単位の総モル数の50%以上の量で含むポリオキシアルキレン重合体と、上記式(I)で表されるエステル化合物で表面処理された炭酸カルシウムと、オクチル系錫化合物とを含有し、上記炭酸カルシウムの含有量が上記ポリオキシアルキレン重合体100質量部に対して50〜200質量部である硬化性組成物である。
以下に、本発明の硬化性組成物が含有する各成分について詳細に説明する。
以下に、本発明の硬化性組成物が含有する各成分について詳細に説明する。
〔ポリオキシアルキレン重合体〕
本発明の硬化性組成物が含有するポリオキシアルキレン重合体は、加水分解性シリル基を有し主鎖を構成する繰り返し単位としてオキシアルキレン基を繰り返し単位の総モル数の50%以上の量で含む重合体である。
本発明の硬化性組成物が含有するポリオキシアルキレン重合体は、加水分解性シリル基を有し主鎖を構成する繰り返し単位としてオキシアルキレン基を繰り返し単位の総モル数の50%以上の量で含む重合体である。
上記ポリオキシアルキレン重合体が有する上記加水分解性シリル基としては、例えば、アルコキシシリル基が挙げられ、具体的には、下記式(1)で表される官能基が挙げられる。
上記式(1)中、R6およびR7はそれぞれ独立に炭素数1〜8の分岐していてもよいアルキル基を表し、mは1〜3の整数を表し、mが2または3である際の複数のR6はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、mが1である際の複数のR7はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
ここで、炭素数1〜8の分岐していてもよいアルキル基としては、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基等が挙げられる。中でも、メチル基、エチル基、プロピル基が好ましい。
また、mは、2または3であるのが好ましい。
ここで、炭素数1〜8の分岐していてもよいアルキル基としては、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基等が挙げられる。中でも、メチル基、エチル基、プロピル基が好ましい。
また、mは、2または3であるのが好ましい。
本発明においては、上記ポリオキシアルキレン重合体は、上記加水分解性シリル基を有するが、硬化性に優れ、粘度と可撓性のバランスに優れるという理由から、重合体1分子あたり1〜4個有しているのが好ましい。
また、上記ポリオキシアルキレン重合体は、上記加水分解性シリル基を上記ポリオキシアルキレン重合体の主鎖の末端におよび/または側鎖として結合させることができ、硬化物の破断強度、破断伸度に優れるという理由から、上記加水分解性シリル基を主鎖の両末端に結合させるのが好ましい。なお、上記加水分解性シリル基の結合は、主鎖と直接にまたは有機基(例えば、酸素原子、窒素原子、硫黄原子のようなヘテロ原子を有してもよい炭化水素基等)を介して結合することができる。
また、上記ポリオキシアルキレン重合体は、上記加水分解性シリル基を上記ポリオキシアルキレン重合体の主鎖の末端におよび/または側鎖として結合させることができ、硬化物の破断強度、破断伸度に優れるという理由から、上記加水分解性シリル基を主鎖の両末端に結合させるのが好ましい。なお、上記加水分解性シリル基の結合は、主鎖と直接にまたは有機基(例えば、酸素原子、窒素原子、硫黄原子のようなヘテロ原子を有してもよい炭化水素基等)を介して結合することができる。
一方、上記ポリオキシアルキレン重合体の主鎖は、主鎖を構成する繰り返し単位としてオキシアルキレン基を繰り返し単位の総モル数の50%以上の量で含むものであり、その具体例としては、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン等が挙げられ、接着性や親水性等を考慮して適宜選択することができる。
また、上記ポリオキシアルキレン重合体の主鎖は、ホモポリマーまたは共重合体であってもよい。
更に、上記ポリオキシアルキレン重合体の主鎖は、直鎖状および分岐状のいずれであってもよく、主鎖が直鎖状の場合は硬化物の伸びに優れ、主鎖が分岐状の場合はより強靭な硬化物を得ることができる。
また、上記ポリオキシアルキレン重合体の主鎖は、ホモポリマーまたは共重合体であってもよい。
更に、上記ポリオキシアルキレン重合体の主鎖は、直鎖状および分岐状のいずれであってもよく、主鎖が直鎖状の場合は硬化物の伸びに優れ、主鎖が分岐状の場合はより強靭な硬化物を得ることができる。
上述した加水分解性シリル基および主鎖を有する上記ポリオキシアルキレン重合体としては、硬化性に優れ、粘度が良好となる理由から、下記式(2)で表される重合体が好適に例示される。
上記式(2)中、R6およびR7ならびにmは、上記(1)で説明したものと同様であり、R8およびR9は、それぞれ独立に炭素数1〜5の分岐していてもよいアルキレン基を表し、lは9〜900の整数を表し、複数のR8はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
また、pは、1〜5の整数を表し、Aは、原料として使用される、ポリオキシアルキレンモノオールまたはポリオキシアルキレンポリオールを製造する際に用いられる開始剤の残基を表す。
ここで、炭素数1〜5の分岐していていもよいアルキレン基としては、具体的には、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン(プロピレン)基、テトラメチレン(ブチレン)基、ペンタメチレン(ヘプチレン)基、−CH2CH(CH3)−、−CH2CH(C2H5)−、−CH2C(CH3)2−、−CH2CH(CH=CH2)−等が挙げられる。中でも、エチレン基、プロピレン基が好ましい。
また、上記開始剤は特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。
また、pは、1〜5の整数を表し、Aは、原料として使用される、ポリオキシアルキレンモノオールまたはポリオキシアルキレンポリオールを製造する際に用いられる開始剤の残基を表す。
ここで、炭素数1〜5の分岐していていもよいアルキレン基としては、具体的には、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン(プロピレン)基、テトラメチレン(ブチレン)基、ペンタメチレン(ヘプチレン)基、−CH2CH(CH3)−、−CH2CH(C2H5)−、−CH2C(CH3)2−、−CH2CH(CH=CH2)−等が挙げられる。中でも、エチレン基、プロピレン基が好ましい。
また、上記開始剤は特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。
本発明においては、上記ポリオキシアルキレン重合体の数平均分子量は、硬化性および貯蔵安定性に優れ、粘度と可撓性のバランスに優れるという理由から、3000〜50000であるのが好ましく、10000〜30000であるのがより好ましい。
また、本発明においては、上記ポリオキシアルキレン重合体は、硬化性および貯蔵安定性に優れ、粘度を適正なものとすることができるという理由から、ウレタン結合、ウレア結合を含まないのが好ましい。
本発明においては、上記ポリオキシアルキレン重合体の製造方法は特に限定されず、例えば、ポリオキシアルキレンモノオールおよび/またはポリオキシアルキレンポリオール〔例えば、A−[(OR8)l−OH]pで表される化合物(式中、R8、l、pおよびAは上記式(2)と同義である。)等〕と、ハロゲン化不飽和炭化水素基〔例えば、R10−Xで表される化合物(式中、R10は炭素原子数1〜10の不飽和結合を有する炭化水素基を表し、Xは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子を表す。)等〕とを反応させ、不飽和結合を有するポリオキシアルキレン化合物(例えば、A−[(OR8)l−O−R10]pで表される化合物等)を得ることができる。
次に、不飽和結合を有するポリオキシアルキレン化合物を白金ビニルシロキサン錯体のような白金触媒の存在下においてヒドロアルコキシシラン〔例えば、HSi(OR6)3で表される化合物(式中、R6は上記式(1)と同義である。)等〕と反応させることによってアルコキシシリル基を有するポリオキシアルキレン重合体を製造することができる。
なお、白金触媒は、ヒドロシラン化合物と不飽和炭化水素基との反応に使用できるものであれば、従来公知のものを適宜使用することができる。
次に、不飽和結合を有するポリオキシアルキレン化合物を白金ビニルシロキサン錯体のような白金触媒の存在下においてヒドロアルコキシシラン〔例えば、HSi(OR6)3で表される化合物(式中、R6は上記式(1)と同義である。)等〕と反応させることによってアルコキシシリル基を有するポリオキシアルキレン重合体を製造することができる。
なお、白金触媒は、ヒドロシラン化合物と不飽和炭化水素基との反応に使用できるものであれば、従来公知のものを適宜使用することができる。
また、本発明においては、上記ポリオキシアルキレン重合体として市販品を用いることができ、例えば、カネカ社製のMSポリマーS−202、MSポリマーS−203、MSポリマーS−303、サイリルSAT30、サイリルSAT200、サイリルSAT350、サイリルSAT−400およびEST−280;旭硝子社製のエクセスターES2410、エクセスターES2410およびエクセスターES3430;等を用いることができる。
〔炭酸カルシウム〕
本発明の硬化性組成物が含有する炭酸カルシウムは、下記式(I)で表されるエステル化合物で表面処理された炭酸カルシウム(以下、「エステル処理炭酸カルシウム」ともいう。)である。
本発明の硬化性組成物が含有する炭酸カルシウムは、下記式(I)で表されるエステル化合物で表面処理された炭酸カルシウム(以下、「エステル処理炭酸カルシウム」ともいう。)である。
上記式(I)中、R1は、炭素数8〜20のアルキル基を表し、複数のR1はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
ここで、R1の炭素数8〜20のアルキル基としては、具体的には、例えば、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基(ラウリル基)、n−オクタデシル基(ステアリル基)、n−ノナデシル基、n−エイコシル基等が挙げられる。
ここで、R1の炭素数8〜20のアルキル基としては、具体的には、例えば、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基(ラウリル基)、n−オクタデシル基(ステアリル基)、n−ノナデシル基、n−エイコシル基等が挙げられる。
本発明においては、上記エステル処理炭酸カルシウムの含有量は、上記ポリオキシアルキレン重合体100質量部に対して50〜200質量部であり、60〜190質量部であるのがより好ましく、70〜170質量部であるのが更に好ましい。
上記エステル処理炭酸カルシウムの含有量が上記範囲であると、後述するオクチル系錫化合物を用いた場合であってもジブチル錫化合物を用いた場合と同等以上の貯蔵安定性を発現することができる。
上記エステル処理炭酸カルシウムの含有量が上記範囲であると、後述するオクチル系錫化合物を用いた場合であってもジブチル錫化合物を用いた場合と同等以上の貯蔵安定性を発現することができる。
また、上記エステル処理炭酸カルシウムの総質量に対する上記エステル化合物の質量は、1〜15質量%であるのが好ましい。
本発明においては、上記炭酸カルシウムとして市販品を用いることができ、例えば、シーレッツ200(エステル化合物の質量:1〜15質量%、丸尾カルシウム社製)、シーレッツ300(エステル化合物の質量:1〜15質量%、丸尾カルシウム社製)等を用いることができる。
〔オクチル系錫化合物〕
本発明の硬化性組成物が含有するオクチル系錫化合物(硬化触媒)は特に限定されず、その具体例としては、ジオクチル錫ジクロライド、ジオクチル錫ジステアレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジアセテート、ジオクチル錫バーサテート、ジオクチル錫ビス(オクチルマレート)、ジオクチル錫ビスイソオクチルチオグリコレート、オクチル酸錫、ジオクチル錫オキサイド、下記式(II)で表される錫化合物等が挙げられる。
これらのうち、硬化が速く、また常温で液体であり、混合性が良いという理由から、下記式(II)で表される錫化合物であるのが好ましい。
本発明の硬化性組成物が含有するオクチル系錫化合物(硬化触媒)は特に限定されず、その具体例としては、ジオクチル錫ジクロライド、ジオクチル錫ジステアレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジアセテート、ジオクチル錫バーサテート、ジオクチル錫ビス(オクチルマレート)、ジオクチル錫ビスイソオクチルチオグリコレート、オクチル酸錫、ジオクチル錫オキサイド、下記式(II)で表される錫化合物等が挙げられる。
これらのうち、硬化が速く、また常温で液体であり、混合性が良いという理由から、下記式(II)で表される錫化合物であるのが好ましい。
式(II)中、R2およびR3は、それぞれ独立に炭素数5〜12のアルキル基を表し、R4およびR5は、それぞれ独立に炭素数1〜18のアルキル基を表す。
ここで、R2およびR3の炭素数5〜12のアルキル基としては、具体的には、例えば、n−ペンチル基、n−オクチル基、n−ドデシル基等の直鎖状のアルキル基;イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、1−メチルヘプチル基、2−エチルヘキシル基等の分岐状のアルキル基;が挙げられる。
また、R4およびR5の炭素数1〜18のアルキル基としては、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基(ラウリル基)、n−オクタデシル基(ステアリル基)等が挙げられる。
ここで、R2およびR3の炭素数5〜12のアルキル基としては、具体的には、例えば、n−ペンチル基、n−オクチル基、n−ドデシル基等の直鎖状のアルキル基;イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、1−メチルヘプチル基、2−エチルヘキシル基等の分岐状のアルキル基;が挙げられる。
また、R4およびR5の炭素数1〜18のアルキル基としては、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基(ラウリル基)、n−オクタデシル基(ステアリル基)等が挙げられる。
上記式(II)で表される錫化合物としては、具体的には、例えば、ジオクチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジラウレート(DODL)、ジオクチル錫バーサテート、ジオクチル錫ビス(オクチルマレート)等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明においては、上記オクチル系錫化合物の含有量は、硬化性および貯蔵安定性に優れるという理由から、上記ポリオキシアルキレン重合体100質量部に対して0.1〜3.0質量部であるのが好ましい。
〔N−シリルアミド化合物〕
本発明の硬化性組成物は、貯蔵安定性がより良好となる理由から、下記式(III)で表されるN−シリルアミド化合物を含有するのが好ましい。
(R6−CONH)4-n−Si−R7 n ・・・(III)
(式中、nは、0、1、2または3を表し、R6は、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数5〜21の炭化水素基を表し、nが0、1または2のとき、複数のR6はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、R7は、炭素数1〜3のアルキル基またはアルコキシ基を表し、nが2または3のとき、複数のR7はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
本発明の硬化性組成物は、貯蔵安定性がより良好となる理由から、下記式(III)で表されるN−シリルアミド化合物を含有するのが好ましい。
(R6−CONH)4-n−Si−R7 n ・・・(III)
(式中、nは、0、1、2または3を表し、R6は、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数5〜21の炭化水素基を表し、nが0、1または2のとき、複数のR6はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、R7は、炭素数1〜3のアルキル基またはアルコキシ基を表し、nが2または3のとき、複数のR7はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
上記式(III)中、R6としては、具体的には、例えば、フェニル基、トリル基などのアリール基;ベンジル基などのアルキルアリール基;ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ペンタデシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基などのアルキル基;オレイン酸残基、リノール酸残基、リノレン酸残基などの酸残基;等が挙げられ、中でも、フェニル基、ペンタデシル基、ヘプタデシル基およびオレイン酸残基が好適に挙げられる。
また、R7は、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基であり、中でも、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基が好ましい。
また、R7は、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基であり、中でも、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基が好ましい。
上記式(III)で表されるN−シリルアミド化合物としては、具体的には、例えば、N−トリメチルシリルオレイン酸アミド、N−トリメチルシリルステアリン酸アミド等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明においては、上記式(III)で表されるN−シリルアミド化合物の含有量は、貯蔵安定性が更に良好となる理由から、上記ポリオキシアルキレン重合体100質量部に対して0.2〜30質量部であるのが好ましく、1〜10質量部であるのがより好ましい。
〔エポキシ樹脂/ケチミン〕
本発明の硬化性組成物は、貯蔵安定性に優れ、硬化後の耐熱性およびせん断強度が良好となる理由から、エポキシ樹脂およびケチミンを含有するのが好ましい。
本発明の硬化性組成物は、貯蔵安定性に優れ、硬化後の耐熱性およびせん断強度が良好となる理由から、エポキシ樹脂およびケチミンを含有するのが好ましい。
<エポキシ樹脂>
本発明の硬化性組成物に所望により含有するエポキシ樹脂は、1分子中にエポキシ基を2個以上有する化合物であれば特に限定されない。
上記エポキシ樹脂としては、具体的には、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ヘキサヒドロビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールA、ピロカテコール、レゾルシノール、クレゾールノボラック、テトラブロモビスフェノールA、トリヒドロキシビフェニル、ビスレゾルシノール、ビスフェノールヘキサフルオロアセトン、テトラメチルビスフェノールF、ビキシレノール等の多価フェノールとエピクロルヒドリンとの反応によって得られるグリシジルエーテル型;グリセリン、ネオペンチルグリール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の脂肪族多価アルコールとエピクロルヒドリンとの反応によって得られるポリグリシジルエーテル型;p−オキシ安息香酸、β−オキシナフトエ酸等のヒドロキシカルボン酸とエピクロルヒドリンとの反応によって得られるグリシジルエーテルエステル型;フタル酸、メチルフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラハイドロフタル酸、ヘキサハイドロフタル酸、エンドメチレンテトラハイドロフタル酸、エンドメチレンヘキサハイドロフタル酸、トリメリット酸、重合脂肪酸等のポリカルボン酸から誘導されるポリグリシジルエステル型;アミノフェノール、アミノアルキルフェノール等から誘導されるグリシジルアミノグリシジルエーテル型;アミノ安息香酸から誘導されるグリシジルアミノグリシジルエステル型;アニリン、トルイジン、トリブロムアニリン、キシリレンジアミン、ジアミノシクロヘキサン、ビスアミノメチルシクロヘキサン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン等から誘導されるグリシジルアミン型;さらにエポキシ化ポリオレフィン、グリシジルヒダントイン、グリシジルアルキルヒダントイン、トリグリシジルシアヌレートが挙げられる。
本発明の硬化性組成物に所望により含有するエポキシ樹脂は、1分子中にエポキシ基を2個以上有する化合物であれば特に限定されない。
上記エポキシ樹脂としては、具体的には、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ヘキサヒドロビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールA、ピロカテコール、レゾルシノール、クレゾールノボラック、テトラブロモビスフェノールA、トリヒドロキシビフェニル、ビスレゾルシノール、ビスフェノールヘキサフルオロアセトン、テトラメチルビスフェノールF、ビキシレノール等の多価フェノールとエピクロルヒドリンとの反応によって得られるグリシジルエーテル型;グリセリン、ネオペンチルグリール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の脂肪族多価アルコールとエピクロルヒドリンとの反応によって得られるポリグリシジルエーテル型;p−オキシ安息香酸、β−オキシナフトエ酸等のヒドロキシカルボン酸とエピクロルヒドリンとの反応によって得られるグリシジルエーテルエステル型;フタル酸、メチルフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラハイドロフタル酸、ヘキサハイドロフタル酸、エンドメチレンテトラハイドロフタル酸、エンドメチレンヘキサハイドロフタル酸、トリメリット酸、重合脂肪酸等のポリカルボン酸から誘導されるポリグリシジルエステル型;アミノフェノール、アミノアルキルフェノール等から誘導されるグリシジルアミノグリシジルエーテル型;アミノ安息香酸から誘導されるグリシジルアミノグリシジルエステル型;アニリン、トルイジン、トリブロムアニリン、キシリレンジアミン、ジアミノシクロヘキサン、ビスアミノメチルシクロヘキサン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン等から誘導されるグリシジルアミン型;さらにエポキシ化ポリオレフィン、グリシジルヒダントイン、グリシジルアルキルヒダントイン、トリグリシジルシアヌレートが挙げられる。
これらのうち、硬化性に優れ、粘度と可撓性のバランスに優れるという理由から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂が好ましい。
エポキシ樹脂はそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
エポキシ樹脂はそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明においては、上記エポキシ樹脂の含有量は、上記ポリオキシアルキレン重合体100質量部に対して3〜100質量部であるのが好ましく、硬化性および貯蔵安定性により優れ、粘度と可撓性のバランスにも優れ、硬化後の耐熱性およびせん断強度がより良好となる理由から、10〜50質量部であるのがより好ましい。
<ケチミン>
本発明の硬化性組成物に所望により含有するケチミンは、カルボニル化合物とポリアミンとを反応させることによって得られる化合物であれば特に限定されないない。
なお、ケチミンが有する1つのイミノ基(−N=)は湿気と反応して加水分解することで1級のアミンになり、1個または2個のエポキシ基と反応することができる。
本発明の硬化性組成物に所望により含有するケチミンは、カルボニル化合物とポリアミンとを反応させることによって得られる化合物であれば特に限定されないない。
なお、ケチミンが有する1つのイミノ基(−N=)は湿気と反応して加水分解することで1級のアミンになり、1個または2個のエポキシ基と反応することができる。
(カルボニル化合物)
ケチミンの製造の際に使用されるカルボニル化合物は、下記式(IV)で表されるカルボニル化合物であるのが好ましい。
ケチミンの製造の際に使用されるカルボニル化合物は、下記式(IV)で表されるカルボニル化合物であるのが好ましい。
上記式(IV)中、R11は炭素数1〜6のアルキル基を表し、R12はメチル基またはエチル基を表し、R13は水素原子、メチル基またはエチル基を表し、R14は水素原子またはアルキル基を表し、qは1または2を表す。
また、R11およびR12は互いに結合して環構造を形成することができ、R11およびR14は互いに結合して環構造を形成することができる。
また、R11およびR12は互いに結合して環構造を形成することができ、R11およびR14は互いに結合して環構造を形成することができる。
また、上記式(IV)中、R11の炭素数1〜6のアルキル基は直鎖状および分岐状のいずれであってもよく、その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1,2,2−トリメチルプロピル基、1−エチル−1−メチルプロピル基、1−エチル−2−メチルプロピル基が挙げられる。
また、R14としてのアルキル基は特に限定されず、例えば、上記の炭素数1〜6のアルキル基が挙げられる。
また、R14としてのアルキル基は特に限定されず、例えば、上記の炭素数1〜6のアルキル基が挙げられる。
上記カルボニル化合物としては、具体的には、例えば、メチルイソプロピルケトン(MIPK)、メチルt−ブチルケトン(MTBK)、メチルシクロヘキシルケトン、メチルシクロヘキサノンのような上記式(IV)中のqが1でありR14がアルキル基であるケトン;上記式(IV)中のqが2であるケトン:上記式(IV)中のqが1でありR14が水素原子であるアルデヒド化合物が挙げられる。
これらのうち、硬化性および貯蔵安定性に優れるという理由から、上記式(IV)中のqが1でありR14がアルキル基であるケトンが好ましく、メチルイソプロピルケトン(MIPK)、メチルt−ブチルケトン(MTBK)、メチルシクロヘキシルケトン、メチルシクロヘキサノンがより好ましい。
これらのうち、硬化性および貯蔵安定性に優れるという理由から、上記式(IV)中のqが1でありR14がアルキル基であるケトンが好ましく、メチルイソプロピルケトン(MIPK)、メチルt−ブチルケトン(MTBK)、メチルシクロヘキシルケトン、メチルシクロヘキサノンがより好ましい。
(ポリアミン)
ケチミンの製造の際に使用されるポリアミンは、アミノ基を2個以上有する化合物であれば特に限定されず、例えば、下記式(V)で表される化合物が挙げられる。
R−(CH2−NH2)s (V)
ケチミンの製造の際に使用されるポリアミンは、アミノ基を2個以上有する化合物であれば特に限定されず、例えば、下記式(V)で表される化合物が挙げられる。
R−(CH2−NH2)s (V)
上記式(V)中、Rは、例えば、酸素原子、窒素原子、硫黄原子のようなヘテロ原子を有してもよい炭化水素基を表し、sは2以上の整数を表す。
ここで、Rは、硬化性および貯蔵安定性に優れるという理由から、炭素数1〜10であるのが好ましい。
また、sは、入手が容易な2〜4であるのが好ましい。
ここで、Rは、硬化性および貯蔵安定性に優れるという理由から、炭素数1〜10であるのが好ましい。
また、sは、入手が容易な2〜4であるのが好ましい。
上記ポリアミンとしては、具体的には、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、1,2−ジアミノプロパンのような脂肪族ポリアミン;サンテクノケミカル社製のジェファーミンEDR148のようなポリエーテル骨格のジアミン;1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、1−シクロヘキシルアミノ−3−アミノプロパン、3−アミノメチル−3,3,5−トリメチル−シクロヘキシルアミン、三井東圧化学(株)製のNBDA(ノルボルナンジアミン)に代表されるノルボルナン骨格のジアミン、N−アミノエチルピペラジンのような脂環式炭化水素基を有するポリアミン;芳香族ポリアミン;メタキシリレンジアミン、テトラメチルキシリレンジアミンのような芳香族炭化水素基に結合する脂肪族炭化水素基を有するポリアミン;ポリアミドの分子末端にアミノ基を有するポリアミドアミンが挙げられる。
これらのうち、硬化性に優れ、エポキシ樹脂との貯蔵安定性に優れるという理由から、ヘキサメチレンジアミン(HMDA)、NBDAが好ましい。
これらのうち、硬化性に優れ、エポキシ樹脂との貯蔵安定性に優れるという理由から、ヘキサメチレンジアミン(HMDA)、NBDAが好ましい。
カルボニル化合物とポリアミンとの組み合わせとしては、硬化性と貯蔵安定性のバランスに優れるという理由から、メチルイソプロピルケトン(MIPK)とヘキサメチレンジアミン(HMDA)との組み合わせ、メチルイソプロピルケトン(MIPK)とNBDAとの組み合わせが好ましい。
ケチミンはそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
ケチミンはそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明においては、上記ケチミンが有するイミノ基の量が、上記エポキシ樹脂が有するエポキシ基に対して、0.5〜1.5当量であるのが好ましく、貯蔵安定性がより良好となり、硬化後の耐熱性に優れるという観点から、0.7〜1.0当量であるのがより好ましい。
本発明の硬化性組成物には、上述した成分の他に、ヒュームドシリカ、水、アミノ基置換アルコキシシラン化合物またはその誘導体、難燃剤、添加剤(例えば、充填剤、可塑剤、老化防止剤など)等を含有することができる。
これらの任意成分としては、特許文献2(特許第4450107号公報)の[0050]〜[0066]段落に記載されたものを用いることができる。
これらの任意成分としては、特許文献2(特許第4450107号公報)の[0050]〜[0066]段落に記載されたものを用いることができる。
本発明の硬化性組成物の製造方法は、特に限定されず、例えば、上述の各成分を減圧し窒素雰囲気下において混合ミキサー等の撹拌装置を用いて十分混練し、均一に分散させて製造する方法が挙げられる。
本発明の硬化性組成物は、室温(5〜35℃)で硬化することができるが、硬化速度をさらに速めるためにより高温での硬化も可能である。
また、本発明の硬化性組成物は、例えば、大気中の湿気、組成物に含有することができる充填剤のような成分中に含まれる水分、被着体に付着させた水分等によっても硬化することができる。
また、本発明の硬化性組成物は、例えば、大気中の湿気、組成物に含有することができる充填剤のような成分中に含まれる水分、被着体に付着させた水分等によっても硬化することができる。
本発明の硬化性組成物の用途としては、例えば、接着剤、シーリング材、コーティング材、プライマー、塗料、ポッティング材が挙げられる。
本発明の硬化性組成物は、各種電気・電子分野用、建築物用、自動車用、土木用等に使用可能である。
本発明の硬化性組成物は、エアコン、ファンヒーター、送風機、除湿機、加湿器に使用することができる。
また、本発明の硬化性組成物は、難燃性製品の部品接着に使用することができる。難燃性製品としては、例えば、スピーカー、ビデオカセットプレイヤー、テレビ、ラジオ、自動販売機、冷蔵庫、パーソナルコンピューター、カード型電池、ビデオカメラ、カメラ、自動車部品、精密機器等が挙げられる。
また、本発明の硬化性組成物は、高圧部品、高圧となりうる回路やその周辺で使用される部品の接着、長時間連続運転される電器製品内の接着に適用することができる。これらの部品としては、例えば、コネクター、スイッチ、リレー、電線ケーブル、フライバックトランス、偏向ヨーク等が挙げられる。
本発明の硬化性組成物は、各種電気・電子分野用、建築物用、自動車用、土木用等に使用可能である。
本発明の硬化性組成物は、エアコン、ファンヒーター、送風機、除湿機、加湿器に使用することができる。
また、本発明の硬化性組成物は、難燃性製品の部品接着に使用することができる。難燃性製品としては、例えば、スピーカー、ビデオカセットプレイヤー、テレビ、ラジオ、自動販売機、冷蔵庫、パーソナルコンピューター、カード型電池、ビデオカメラ、カメラ、自動車部品、精密機器等が挙げられる。
また、本発明の硬化性組成物は、高圧部品、高圧となりうる回路やその周辺で使用される部品の接着、長時間連続運転される電器製品内の接着に適用することができる。これらの部品としては、例えば、コネクター、スイッチ、リレー、電線ケーブル、フライバックトランス、偏向ヨーク等が挙げられる。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1〜4および比較例1〜6)
下記第1表に示す成分を、下記第1表に示す割合(質量部)で配合し、プラネタリーミキサーを用いて混合して硬化性組成物を調製した。
下記第1表に示す成分を、下記第1表に示す割合(質量部)で配合し、プラネタリーミキサーを用いて混合して硬化性組成物を調製した。
<粘度>
(1)初期
得られた硬化性組成物の調製直後の粘度を測定した。
ここで、粘度は、20℃下、BS型粘度計(7号ローター)を用い、回転速度10rpmで計測される粘度(Pa・s)である。
(2)70℃×3日
得られた硬化性組成物を70℃で3日間放置した後に、初期と同様の方法で粘度を測定した。
(3)粘度変化率
粘度(初期)に対する粘度値(70℃×3日)の変化率(%)を算出した。
(1)初期
得られた硬化性組成物の調製直後の粘度を測定した。
ここで、粘度は、20℃下、BS型粘度計(7号ローター)を用い、回転速度10rpmで計測される粘度(Pa・s)である。
(2)70℃×3日
得られた硬化性組成物を70℃で3日間放置した後に、初期と同様の方法で粘度を測定した。
(3)粘度変化率
粘度(初期)に対する粘度値(70℃×3日)の変化率(%)を算出した。
<チクソインデックス>
(1)初期
得られた硬化性組成物の調製直後のチクソインデックス(以下、単に「TI」と略す。)値を測定した。
ここで、TI値は、20℃下、BS型粘度計(No.7ロータ)を用い、回転速度1rpmおよび10rpmで計測される粘度(Pa・s)の比より求められる[TI値=(1rpmでの粘度)/(10rpmでの粘度)]である。
(2)70℃×3日
得られた硬化性組成物を70℃で3日間放置した後に、初期と同様の方法でTI値を測定した。
(3)TI保持率
TI値(初期)に対するTI値(70℃×3日)の保持率(%)を算出した。
(1)初期
得られた硬化性組成物の調製直後のチクソインデックス(以下、単に「TI」と略す。)値を測定した。
ここで、TI値は、20℃下、BS型粘度計(No.7ロータ)を用い、回転速度1rpmおよび10rpmで計測される粘度(Pa・s)の比より求められる[TI値=(1rpmでの粘度)/(10rpmでの粘度)]である。
(2)70℃×3日
得られた硬化性組成物を70℃で3日間放置した後に、初期と同様の方法でTI値を測定した。
(3)TI保持率
TI値(初期)に対するTI値(70℃×3日)の保持率(%)を算出した。
上記第1表中の各成分は、以下のものを使用した。
・ポリオキシアルキレン重合体:S−203(加水分解性シリル基:ジメトキシシリル、数平均分子量:14000、主鎖形状:直鎖、粘度:16Pa・s、カネカ社製)
・エポキシ樹脂:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(EP−4100E、エポキシ当量:188、アデカ社製)
・脂肪酸処理炭酸カルシウム:カルファイン200(丸尾カルシウム社製)
・ウレタン処理炭酸カルシウム:ビスコライトMBP(白石カルシウム社製)
・エステル処理炭酸カルシウム:シーレッツ200(エステル化合物の質量:1〜15質量%、丸尾カルシウム社製)
・N−シリルアミド化合物:下記方法により合成したN−トリメチルシリルオレイン酸アミド
・ケチミン:エピキュアH−30(アミン価:265〜305、ジャパンエポキシレジン社製)
・ジブチル錫化合物:(C4H9)2Sn[OSi(OC2H5)3]2(U−303、日東化成社製)
・ジオクチル錫化合物:ジオクチル錫ジアセテート(U−820、日東化成社製)
・ポリオキシアルキレン重合体:S−203(加水分解性シリル基:ジメトキシシリル、数平均分子量:14000、主鎖形状:直鎖、粘度:16Pa・s、カネカ社製)
・エポキシ樹脂:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(EP−4100E、エポキシ当量:188、アデカ社製)
・脂肪酸処理炭酸カルシウム:カルファイン200(丸尾カルシウム社製)
・ウレタン処理炭酸カルシウム:ビスコライトMBP(白石カルシウム社製)
・エステル処理炭酸カルシウム:シーレッツ200(エステル化合物の質量:1〜15質量%、丸尾カルシウム社製)
・N−シリルアミド化合物:下記方法により合成したN−トリメチルシリルオレイン酸アミド
・ケチミン:エピキュアH−30(アミン価:265〜305、ジャパンエポキシレジン社製)
・ジブチル錫化合物:(C4H9)2Sn[OSi(OC2H5)3]2(U−303、日東化成社製)
・ジオクチル錫化合物:ジオクチル錫ジアセテート(U−820、日東化成社製)
<N−トリメチルシリルオレイン酸アミドの合成>
オレイン酸アミド800gに、トルエン400gおよびサッカリン0.5gを加え、100℃に加熱溶解した。これにヘキサメチルジシラザン260gを滴下し、滴下終了後、130℃で4時間加熱した。その後、未反応のヘキサメチルジシラザンおよびトルエンを減圧留去し、N−トリメチルシリルオレイン酸アミド1003gを得た。N−トリメチルシリルオレイン酸アミドが合成されていることは、IRスペクトル、1H−NMRスペクトルおよびMSスペクトルにより確認した。
オレイン酸アミド800gに、トルエン400gおよびサッカリン0.5gを加え、100℃に加熱溶解した。これにヘキサメチルジシラザン260gを滴下し、滴下終了後、130℃で4時間加熱した。その後、未反応のヘキサメチルジシラザンおよびトルエンを減圧留去し、N−トリメチルシリルオレイン酸アミド1003gを得た。N−トリメチルシリルオレイン酸アミドが合成されていることは、IRスペクトル、1H−NMRスペクトルおよびMSスペクトルにより確認した。
上記第1表に示す結果から、ジブチル錫化合物をジオクチル錫化合物に替えて、エステル処理炭酸カルシウム以外の表面処理炭酸カルシウムを用いて調製した比較例2および3の硬化性組成物は、比較例1で調製した硬化性組成物よりもTI保持率が大幅に下回り、貯蔵安定性に劣ることが分かった。
また、比較例1〜3に対して更にエポキシ樹脂およびケチミンを含有して調製した比較例4〜6においても、比較例1〜3と同様の関係があることが分かった。
また、比較例1〜3に対して更にエポキシ樹脂およびケチミンを含有して調製した比較例4〜6においても、比較例1〜3と同様の関係があることが分かった。
これに対し、ジオクチル錫化合物とともにエステル処理炭酸カルシウムを用いて調製した実施例1の硬化性組成物は、比較例2および3で調製した硬化性組成物よりもTI保持率が高く、粘度変化率も低いため、貯蔵安定性に優れていることが分かり、また、ジブチル錫化合物を用いて調製した比較例1の硬化性組成物と比較しても意外にも粘度変化率が低くなり、貯蔵安定性に優れていることが分かった。
また、実施例1の硬化性組成物に対して更にエポキシ樹脂およびケチミンを用いて調製した実施例2の硬化性組成物は、比較例5および6で調製した硬化性組成物よりもTI保持率が高く、粘度変化率も低いため、貯蔵安定性に優れていることが分かり、また、ジブチル錫化合物を用いて調製した比較例4の硬化性組成物と比較しても意外にも粘度変化率が低くなり、貯蔵安定性に優れていることが分かった。
更に、実施例1および2の硬化性組成物に対して更にN−シリルアミド化合物を用いて調製した実施例3および4の硬化性組成物は、いずれも貯蔵安定性がより良好となることが分かった。
また、実施例1の硬化性組成物に対して更にエポキシ樹脂およびケチミンを用いて調製した実施例2の硬化性組成物は、比較例5および6で調製した硬化性組成物よりもTI保持率が高く、粘度変化率も低いため、貯蔵安定性に優れていることが分かり、また、ジブチル錫化合物を用いて調製した比較例4の硬化性組成物と比較しても意外にも粘度変化率が低くなり、貯蔵安定性に優れていることが分かった。
更に、実施例1および2の硬化性組成物に対して更にN−シリルアミド化合物を用いて調製した実施例3および4の硬化性組成物は、いずれも貯蔵安定性がより良好となることが分かった。
Claims (5)
- 加水分解性シリル基を有し主鎖を構成する繰り返し単位としてオキシアルキレン基を繰り返し単位の総モル数の50%以上の量で含むポリオキシアルキレン重合体と、下記式(I)で表されるエステル化合物で表面処理された炭酸カルシウムと、オクチル系錫化合物とを含有し、
前記炭酸カルシウムの含有量が、前記ポリオキシアルキレン重合体100質量部に対して50〜200質量部である硬化性組成物。
- 前記炭酸カルシウムの総質量に対する前記エステル化合物の質量が1〜15質量%である請求項1に記載の硬化性組成物。
- 前記オクチル系錫化合物が、下記式(II)で表される錫化合物である請求項1または2に記載の硬化性組成物。
- 更に、前記ポリオキシアルキレン重合体100質量部に対して下記式(III)で表されるN−シリルアミド化合物を0.2〜30質量部含有する請求項1〜3のいずれかに記載の硬化性組成物。
(R6−CONH)4-n−Si−R7 n ・・・(III)
(式中、nは、0、1、2または3を表し、R6は、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数5〜21の炭化水素基を表し、nが0、1または2のとき、複数のR6はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、R7は、炭素数1〜3のアルキル基またはアルコキシ基を表し、nが2または3のとき、複数のR7はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。) - 更に、エポキシ樹脂と、カルボニル化合物およびポリアミンを反応させることによって得られるケチミンとを含有し、
前記エポキシ樹脂の含有量が、前記ポリオキシアルキレン重合体100質量部に対して3〜100質量部であり、
前記ケチミンが有するイミノ基の量が、前記エポキシ樹脂が有するエポキシ基に対して、0.5〜1.5当量である請求項1〜4のいずれかに記載の硬化性組成物。
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