JPWO2016132413A1 - スルホニウムボレート塩、酸発生剤及び硬化性組成物 - Google Patents

スルホニウムボレート塩、酸発生剤及び硬化性組成物 Download PDF

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Abstract

Sb等の毒性の高い元素を含まず、熱あるいは光などの活性エネルギー線に対して、高い感度を有し、かつエポキシ化合物等のカチオン重合性化合物との配合物における貯蔵安定性の優れたスルホニウムボレート塩を提供する。本発明は、一般式(1)で示されるスルホニウムボレート塩及び該スルホニウムボレート塩を含有することを特徴とする酸発生剤等である。〔式(1)中、R1はアルキル基を、R2は、下記一般式(2)で表されるベンジル基を表す。〕

Description

本発明は、第1にスルホニウムボレート塩に関し、第2に、酸発生剤に、より詳しくは、熱あるいは光、電子線又はX線等の活性エネルギー線を作用させてカチオン重合性化合物を硬化する際に好適な特定のスルホニウムボレート塩を含有する酸発生剤に関する。本発明は、第3に、当該酸発生剤を含有する硬化性組成物およびこれを硬化させて得られる硬化体に関する。
従来、熱あるいは光、電子線又はX線等の活性エネルギー線を作用させてエポキシ化合物などのカチオン重合性化合物を硬化させるカチオン重合開始剤として、スルホニウム塩が知られている。
ところで、これらの明細書に記載されているカチオン重合開始剤は、アニオンとして、BF 、PF 、AsF 、SbF を含有するが、カチオン重合開始性能はアニオンの種類で異なり、BF <PF <AsF <SbF の順に良くなる。しかし、重合開始能の良いAsF ,SbF を含有するカチオン重合開始剤はAs、Sbの毒性の問題から使用用途が限定され、SbF 塩が光造形などの限定された用途で使用されているのみである。そのため、一般的には重合開始能が劣るPF 塩が利用されているが、PF 塩は、例えば、SbF 塩と同程度の硬化速度を得るには、後者の10倍近い量を添加する必要があり、未反応の開始剤、開始剤を溶解するために必要に応じて使用される溶剤または開始剤の分解物の残存量が多くなるため、硬化物の物性が損なわれること、また開始剤の分解によって副生するHF量が多くなることから、基材や設備などが腐食されやすいことなどの問題がある。このため毒性金属を含まず、SbF 塩に匹敵するカチオン重合開始能を有するカチオン重合開始剤が強く求められていた。このため、近年、SbF にかえて、フッ素原子が炭素原子に結合しており、かつホウ素原子を有するカウンターアニオンを有するスルホニウムボレート塩が、カチオン重合開始剤として用いられてきている。(特許文献5,6,7,8)
特開平2−196812 特開平3−17101 特開平3−237107 特開平3−205405 特開2008−303167 特開2010−132614 特開2012−153642 特開2010−201611
特許文献5〜8に記載されたスルホニウムボレート塩は、熱に対する活性に優れるものの、室温での安定性に乏しく、カチオン重合性化合物との配合物におけるポットライフが短いといった欠点がある。
したがって、本発明の第1の目的は、Sb等の毒性の高い元素を含まず、かつカチオン重合能とカチオン重合性化合物との配合物における保存安定性に優れる新たなスルホニウム塩を提供することである。
本発明の第2の目的は、Sb等の毒性の高い元素を含まず、かつカチオン重合能とカチオン重合性化合物との配合物における保存安定性に優れるスルホニウムボレート塩を含んでなる新たな酸発生剤を提供することである。
本発明の第3の目的は、上記酸発生剤を利用した硬化性組成物および硬化体を提供することである。
本発明者は、下記の式(1)で示すスルホニウムボレート塩が上記目的に好適であることを見出した。すなわち、本発明は式(1)で示されるスルホニウムボレート塩を提供する。
Figure 2016132413
〔式(1)中、Rはアルキル基を、Rは、下記一般式(2)で表されるベンジル基を表す。〕
Figure 2016132413
〔式(2)中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子または電子吸引性基を表し、かつR〜Rのハメット置換基定数σ値の合計が0.43以上であるものを表す。〕
また本発明は、上記のスルホニウムボレート塩を含有することを特徴とする酸発生剤である。
また本発明は、上記酸発生剤とカチオン重合性化合物とを含んでなる硬化性組成物である。
更に本発明は、上記硬化性組成物を硬化させて得られることを特徴とする硬化体である。
本発明のスルホニウムボレート塩は、Sb等の毒性の高い元素を含まず、かつカチオン重合能とカチオン重合性化合物との配合物における保存安定性に優れる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
式(1)において、Rにおけるアルキル基としては、炭素数1〜18の直鎖アルキル基(メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−オクチル、n−デシル、n−ドデシル、n−テトラデシル、n−ヘキサデシル及びn−オクタデシル等)、炭素数1〜18の分枝鎖アルキル基(イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、イソヘキシル及びイソオクタデシル)、及び炭素数3〜18のシクロアルキル基(シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル及び4−デシルシクロヘキシル等)等が挙げられる。
これらのうち、反応性の観点から、好ましくは炭素数1〜4の直鎖アルキル基であり、特に好ましくはメチル基である。
式(1)において、Rは、上記一般式(2)で表されるベンジル基を表す。式(2)中、R〜Rは、それぞれ独立に電子求引性基を表し、かつR〜Rのハメット置換基定数σ値の合計が0.43以上であるものを表す。
〜Rにおける電子吸引性基とは、本発明ではハメットの置換基定数σ値が正の値の置換基を表す。ハメットのσ値については、例えば、都野雄甫の総説(有機合成化学第23巻第8号(1965)p631−642)、湯川泰秀訳「クラム有機化学〔II〕第4版」p.656(廣川書店)等に詳しく説明されている。なお、本発明において電子吸引性基をσ値により規定しているが、上記文献に記載の既知の値がある置換基のみに限定されるものではない。
σ値が正の値の電子吸引性基としては、m−アルコキシ基、m−ヒドロキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、アシロキシ基、アシル基、シアノ基、ニトロ基、スルホニル基が挙げられる。前記R〜Rで表される置換基は、R〜Rのハメットの置換基定数σ値の合計が0.43以上になるように選択すればよい。
〜Rのハメットの置換基定数σ値の合計は、貯蔵安定性の観点から、0.70以上が好ましい。上限については、通常3.00以下であり、2.00以下が好ましい。
上記電子吸引性基における、m−アルコキシ基としては、m−メトキシ、m−エトキシ、m−ノルマルプロポキシ、m−イソプロポキシ、m−ノルマルブトキシ、m−イソブトキシ、m−tertブトキシ等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等が挙げられる。
ハロゲン化アルキル基としては、アルキル基中の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されたパーフルオロアルキル基が挙げられ、該アルキル基としては、直鎖アルキル基(メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル及びオクチル等)、分枝鎖アルキル基(イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル及びtert−ブチル等)及びシクロアルキル基(シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシル等)等が挙げられる。
アシロキシ基としては、アセトキシ、ブタノイルオキシ及びベンゾイルオキシ等が挙げられる。
アシル基としては、アセチル、エタノイル、プロパノイル、ブタノイル、ピバロイル及びベンゾイル等が挙げられる。
スルホニル基としては、メタンスルホニル、ベンゼンスルホニル、トルエンスルホニル、トリフルオロメタンスルホニル及びジフルオロメタンスルホニル等が挙げられる。
のうち、好ましくはp−ニトロベンジル基、m−ニトロベンジル基、p−シアノベンジル基、m−シアノベンジル基、p−トリフルオロメチルベンジル基、m−トリフルオロメチルベンジル基、ペンタフルオロベンジル基、3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル基、2,4−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル基または2,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル基である。
本発明のスルホニウムボレート塩の製造方法としては、以下の反応式に従って製造することができる。
Figure 2016132413
なお、反応式中のR、Rは式(1)における定義に同じである。Xは、ハロゲン原子を表し、Mはアルカリ金属(リチウム、ナトリウム及びカリウム等)カチオンを表す。MXはアルカリ金属カチオンとハロゲンアニオンとの塩を表す。
上記反応式中、第1段目の反応は、無溶剤下で行ってもよいし、必要により水または有機溶媒、およびその混合物中で行ってもよい。反応温度は、使用する溶媒の沸点にもよるが−20〜80℃程度である。反応時間は、1〜数十時間程度である。
第2段目の反応は、第1段目の反応に引き続いて行ってもよいし、スルホニウムハライドを単離(必要に応じて精製)してから行ってもよい。スルホニウムハライドと、アルカリ金属カチオンとテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートとの塩の水溶液とを混合・撹拌して、複分解反応を行い、析出する固体をろ別するか、又は分離した油状物を有機溶媒で抽出して有機溶媒を除去することにより、本発明のスルホニウムボレート塩は固体あるいは粘調な液体として得られる。得られる固体又は粘稠液体は必要に応じて適当な有機溶媒で洗浄するか、再結晶法もしくはカラムクロマトグラフィー法により精製することができる。
本発明のスルホニウムボレート塩の化学構造は、一般的な分析手法(たとえば、H−、11B−、13C−、19F−、31P−核磁気共鳴スペクトル、赤外吸収スペクトル及び/又は元素分析等)によって同定することができる。
本発明のスルホニウムボレート塩は、酸発生剤として好適である。酸発生剤とは、加熱または光照射によりその化学構造が分解し、酸を発生するものをいう。発生した酸は、エポキシドの硬化反応等の触媒として使用することができる。
本発明の酸発生剤は、本発明のスルホニウムボレート塩をそのまま使用してもよいし、これに他の酸発生剤を含有させて使用してもよい。
他の酸発生剤を含有する場合、他の酸発生剤の含有量(モル%)は、本発明のスルホニウムボレート塩の総モル数に対して、1〜100が好ましく、さらに好ましくは5〜50である。
他の酸発生剤としては、オニウム塩(スルホニウム、ヨードニウム、セレニウム、アンモニウム及びホスホニウム等)並びに遷移金属錯体イオンと、アニオンとの塩等の従来公知のものが含まれる。
本発明の酸発生剤は、カチオン重合性化合物への溶解を容易にするため、あらかじめカチオン重合を阻害しない溶剤に溶かしておいてもよい。
溶剤としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、1,2−ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート及びジエチルカーボネートなどのカーボネート類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソアミルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン類;エチレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアセテート、ジプロピレングリコール、及びジプロピレングリコールモノアセテートのモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル、又はモノフェニルエーテルなどの多価アルコール類及びその誘導体;ジオキサンのような環式エーテル類;蟻酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、ピルビン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテートなどのエステル類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類等が挙げられる。
溶剤を使用する場合、溶剤の使用割合は、本発明の酸発生剤100重量部に対して、15〜1000重量部が好ましく、さらに好ましくは30〜500重量部である。使用する溶媒は、単独で使用してもよく、または2種以上を併用してもよい。
本発明の硬化性組成物は、上記の酸発生剤とカチオン重合性化合物とから構成される。
カチオン重合性化合物としては、環状エーテル(エポキシド及びオキセタン等)、エチレン性不飽和化合物(ビニルエーテル及びスチレン等)、ビシクロオルトエステル、スピロオルトカーボネート及びスピロオルトエステル等が挙げられる(特開平11−060996号、特開平09−302269号、特開2003−026993号、特開2002−206017号、特開平11−349895号、特開平10−212343号、特開2000−119306号、特開平10−67812号、特開2000−186071号、特開平08−85775号、特開平08−134405号、特開2008−20838、特開2008−20839、特開2008−20841、特開2008−26660、特開2008−26644、特開2007−277327、フォトポリマー懇話会編「フォトポリマーハンドブック」(1989年、工業調査会)、総合技術センター編「UV・EB硬化技術」(1982年、総合技術センター)、ラドテック研究会編「UV・EB硬化材料」(1992年、シーエムシー)、技術情報協会編「UV硬化における硬化不良・阻害原因とその対策」(2003年、技術情報協会)、色材、68、(5)、286−293(1995)、ファインケミカル、29、(19)、5−14(2000)等)。
エポキシドとしては、公知のもの等が使用でき、芳香族エポキシド、脂環式エポキシド及び脂肪族エポキシドが含まれる。
芳香族エポキシドとしては、少なくとも1個の芳香環を有する1価又は多価のフェノール(フェノール、ビフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェノールノボラック、クレゾールノボラック及びこれらの臭素化物又はこれらのアルキレンオキシド付加体した化合物)のグリシジルエーテル、及び少なくとも1個の芳香環を有する1価又は多価のカルボン酸(フタル酸及び3−メチルフタル酸等)のグリシジルエステル(ジグリシジルフタレート及びジグリシジル−3−メチルフタレート等)が挙げられる。
脂環式エポキシドとしては、少なくとも1個のシクロヘキセンやシクロペンテン環を有する化合物を酸化剤でエポキシ化することによって得られる化合物(3、4−エポキシシクロヘキシルメチル−3、4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、等)が挙げられる。
脂肪族エポキシドとしては、脂肪族多価アルコール又はこのアルキレンオキシド付加体のポリグリシジルエーテル(1、4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1、6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル等)、脂肪族多塩基酸のポリグリシジルエステル(ジグリシジルテトラヒドロフタレート等)、長鎖不飽和化合物のエポキシ化物(エポキシ化大豆油及びエポキシ化ポリブタジエン等)が挙げられる。
オキセタンとしては、公知のもの等が使用でき、例えば、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、2−エチルヘキシル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−ヒドロキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−ヒドロキシプロピル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、1、4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、オキセタニルシルセスキオキセタン及びフェノールノボラックオキセタン等が挙げられる。
エチレン性不飽和化合物としては、公知のカチオン重合性単量体等が使用でき、脂肪族モノビニルエーテル、芳香族モノビニルエーテル、多官能ビニルエーテル、スチレン及びカチオン重合性窒素含有モノマーが含まれる。
脂肪族モノビニルエーテルとしては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル及びシクロヘキシルビニルエーテル等が挙げられる。
芳香族モノビニルエーテルとしては、2−フェノキシエチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル及びp−メトキシフェニルビニルエーテル等が挙げられる。
多官能ビニルエーテルとしては、ブタンジオール−1、4−ジビニルエーテル及びトリエチレングリコールジビニルエーテル等が挙げられる。
スチレンとしては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メトキシスチレン及びp−tert−ブトキシスチレン等が挙げられる。
カチオン重合性窒素含有モノマーとしては、N−ビニルカルバゾール及びN−ビニルピロリドン等が挙げられる。
ビシクロオルトエステルとしては、1−フェニル−4−エチル−2、6、7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン及び1−エチル−4−ヒドロキシメチル−2、6、7−トリオキサビシクロ−[2.2.2]オクタン等が挙げられる。
スピロオルトカーボネートとしては、1,5,7,11−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン及び3、9−ジベンジル−1,5,7,11−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン等が挙げられる。
スピロオルトエステルとしては、1,4,6−トリオキサスピロ[4.4]ノナン、2−メチル−1,4,6−トリオキサスピロ[4.4]ノナン及び1,4,6−トリオキサスピロ[4.5]デカン等が挙げられる。
これらのカチオン重合性化合物のうち、エポキシド、オキセタン及びビニルエーテルが好ましく、さらに好ましくはエポキシド及びオキセタン、特に好ましくは脂環式エポキシド及びオキセタンである。また、これらのカチオン重合性化合物は単独で使用してもよく、または2種以上を併用してもよい。
硬化性成物中の本発明の酸発生剤の含有量は、カチオン重合性化合物100部に対し、0.05〜20重量部が好ましく、さらに好ましくは0.1〜10重量部である。この範囲であると、カチオン重合性化合物の重合がさらに十分となり、硬化体の物性がさらに良好となる。なお、この含有量は、カチオン重合性化合物の性質やエネルギー線の種類と照射量、温度、硬化時間、湿度、塗膜の厚み等のさまざまな要因を考慮することによって決定され、上記範囲に限定されない。
本発明の硬化性組成物には、必要に応じて、公知の添加剤(増感剤、顔料、充填剤、帯電防止剤、難燃剤、消泡剤、流動調整剤、光安定剤、酸化防止剤、密着性付与剤、イオン補足剤、着色防止剤、溶剤、非反応性の樹脂及びラジカル重合性化合物等)を含有させることができる。
本発明の硬化性組成物には、基本的に増感剤の必要がないが、硬化性を補完するものとして、必要により、増感剤を含有できる。このような増感剤としては、公知(特開平11−279212号及び特開平09−183960号等)の増感剤等が使用でき、アントラセン{アントラセン、9,10−ジブトキシアントラセン、9,10−ジメトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン、9,10−ジプロポキシアントラセン等};ピレン;1,2−ベンズアントラセン;ペリレン;テトラセン;コロネン;チオキサントン{チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン及び2,4−ジエチルチオキサントン等};フェノチアジン{フェノチアジン、N−メチルフェノチアジン、N−エチルフェノチアジン、N−フェニルフェノチアジン等};キサントン;ナフタレン{1−ナフトール、2−ナフトール、1−メトキシナフタレン、2−メトキシナフタレン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、及び4−メトキシ−1−ナフトール等};ケトン{ジメトキシアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、4’−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン及び4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド等};カルバゾール{N−フェニルカルバゾール、N−エチルカルバゾール、ポリ−N−ビニルカルバゾール及びN−グリシジルカルバゾール等};クリセン{1,4−ジメトキシクリセン及び1,4−ジ−α−メチルベンジルオキシクリセン等};フェナントレン{9−ヒドロキシフェナントレン、9−メトキシフェナントレン、9−ヒドロキシ−10−メトキシフェナントレン及び9−ヒドロキシ−10−エトキシフェナントレン等}等が挙げられる。
増感剤を含有する場合、増感剤の含有量は、酸発生剤100部に対して、1〜300重量部が好ましく、さらに好ましくは5〜200重量部である。
顔料としては、公知の顔料等が使用でき、無機顔料(酸化チタン、酸化鉄及びカーボンブラック等)及び有機顔料(アゾ顔料、シアニン顔料、フタロシアニン顔料及びキナクリドン顔料等)等が挙げられる。
顔料を含有する場合、顔料の含有量は、酸発生剤100部に対して、0.5〜400000重量部が好ましく、さらに好ましくは10〜150000重量部である。
充填剤としては、公知の充填剤等が使用でき、溶融シリカ、結晶シリカ、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸マグネシウム、マイカ、タルク、ケイ酸カルシウム及びケイ酸リチウムアルミニウム等が挙げられる。
充填剤を含有する場合、充填剤の含有量は、酸発生剤100部に対して、50〜600000重量部が好ましく、さらに好ましくは300〜200000重量部である。
帯電防止剤としては、公知の帯電防止剤等が使用でき、非イオン型帯電防止剤、アニオン型帯電防止剤、カチオン型帯電防止剤、両性型帯電防止剤及び高分子型帯電防止剤が挙げられる。
帯電防止剤を含有する場合、帯電防止剤の含有量は、酸発生剤100部に対して、0.1〜20000重量部が好ましく、さらに好ましくは0.6〜5000重量部である。
難燃剤としては、公知の難燃剤等が使用でき、無機難燃剤{三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、酸化錫、水酸化錫、酸化モリブデン、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、赤燐、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム及びアルミン酸カルシウム等};臭素難燃剤{テトラブロモ無水フタル酸、ヘキサブロモベンゼン及びデカブロモビフェニルエーテル等};及びリン酸エステル難燃剤{トリス(トリブロモフェニル)ホスフェート等}等が挙げられる。
難燃剤を含有する場合、難燃剤の含有量は、酸発生剤100部に対して、0.5〜40000重量部が好ましく、さらに好ましくは5〜10000重量部である。
消泡剤としては、公知の消泡剤等が使用でき、アルコール消泡剤、金属石鹸消泡剤、リン酸エステル消泡剤、脂肪酸エステル消泡剤、ポリエーテル消泡剤、シリコーン消泡剤及び鉱物油消泡剤等が挙げられる。
流動調整剤としては、公知の流動性調整剤等が使用でき、水素添加ヒマシ油、酸化ポリエチレン、有機ベントナイト、コロイド状シリカ、アマイドワックス、金属石鹸及びアクリル酸エステルポリマー等が挙げられる。
光安定剤としては、公知の光安定剤等が使用でき、紫外線吸収型安定剤{ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノン、サリチレート、シアノアクリレート及びこれらの誘導体等};ラジカル補足型安定剤{ヒンダードアミン等};及び消光型安定剤{ニッケル錯体等}等が挙げられる。
酸化防止剤としては、公知の酸化防止剤等が使用でき、フェノール系酸化防止剤(モノフェノール系、ビスフェノール系及び高分子フェノール系等)、硫黄系酸化防止剤及びリン系酸化防止剤等が挙げられる。
密着性付与剤としては、公知の密着性付与剤等が使用でき、カップリング剤、シランカップリング剤及びチタンカップリング剤等が挙げられる。
イオン補足剤としては、公知のイオン補足剤等が使用でき、有機アルミニウム(アルコキシアルミニウム及びフェノキシアルミニウム等)等が挙げられる。
着色防止剤としては、公知の着色防止剤が使用でき、一般的には酸化防止剤が有効であり、フェノール系酸化防止剤(モノフェノール系、ビスフェノール系及び高分子フェノール系等)、硫黄系酸化防止剤及びリン系酸化防止剤等が挙げられる。
消泡剤、流動調整剤、光安定剤、酸化防止剤、密着性付与剤、イオン補足剤又は、着色防止剤を含有する場合、各々の含有量は、酸発生剤100部に対して、0.1〜20000重量部が好ましく、さらに好ましくは0.5〜5000重量部である。
溶剤としては、カチオン重合性化合物の溶解や硬化性組成物の粘度調整のために使用できれば制限はなく、上記酸発生剤の溶剤として挙げたものが使用できる。
溶剤を含有する場合、溶剤の含有量は、酸発生剤100部に対して、50〜2000000重量部が好ましく、さらに好ましくは200〜500000重量部である。
非反応性の樹脂としては、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリブタジエン、ポリカーボナート、ポリスチレン、ポリビニルエーテル、ポリビニルブチラール、ポリブテン、スチレンブタジエンブロックコポリマー水添物、(メタ)アクリル酸エステルの共重合体及びポリウレタン等が挙げられる。これらの樹脂の数平均分子量は、1000〜500000が好ましく、さらに好ましくは5000〜100000である(数平均分子量はGPC等の一般的な方法によって測定された値である。)。
非反応性の樹脂を含有する場合、非反応性の樹脂の含有量は、酸発生剤100部に対して、5〜400000重量部が好ましく、さらに好ましくは50〜150000重量部である。
非反応性の樹脂を含有させる場合、非反応性の樹脂をカチオン重合性化合物等と溶解しやすくするため、あらかじめ溶剤に溶かしておくことが望ましい。
ラジカル重合性化合物としては、公知{フォトポリマー懇話会編「フォトポリマーハンドブック」(1989年、工業調査会)、総合技術センター編「UV・EB硬化技術」(1982年、総合技術センター)、ラドテック研究会編「UV・EB硬化材料」(1992年、シーエムシー)、技術情報協会編「UV硬化における硬化不良・阻害原因とその対策」(2003年、技術情報協会)}のラジカル重合性化合物等が使用でき、単官能モノマー、2官能モノマー、多官能モノマー、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート及びウレタン(メタ)アクリレートが含まれる。
ラジカル重合性化合物を含有する場合、ラジカル重合性化合物の含有量は、酸発生剤100部に対して、5〜400000重量部が好ましく、さらに好ましくは50〜150000重量部である。
ラジカル重合性化合物を含有する場合、これらをラジカル重合によって高分子量化するために、熱又は光によって重合を開始するラジカル重合開始剤を使用することが好ましい。
ラジカル重合開始剤としては、公知のラジカル重合開始剤等が使用でき、熱ラジカル重合開始剤(有機過酸化物、アゾ化合物等)及び光ラジカル重合開始剤(アセトフェノン系開始剤、ベンゾフェノン系開始剤、ミヒラーケトン系開始剤、ベンゾイン系開始剤、チオキサントン系開始剤、アシルホスフィン系開始剤等)が含まれる。
ラジカル重合開始剤を含有する場合、ラジカル重合開始剤の含有量は、ラジカル重合性化合物100部に対して、0.01〜20重量部が好ましく、さらに好ましくは0.1〜10重量部である。
本発明の硬化性組成物は、カチオン重合性化合物、酸発生剤及び必要により添加剤を、室温(20〜30℃程度)又は必要により加熱(40〜90℃程度)下で、均一に混合溶解するか、またはさらに、3本ロール等で混練して調製することができる。
本発明の硬化性組成物は、加熱またはエネルギー線を照射することにより硬化させて、硬化体を得ることができる。
エネルギー線としては、本発明のスルホニウムボレート塩の分解を誘発するエネルギーを有する限りいかなるものでもよいが、低圧、中圧、高圧若しくは超高圧の水銀灯、メタルハライドランプ、LEDランプ、キセノンランプ、カーボンアークランプ、蛍光灯、半導体固体レーザ、アルゴンレーザ、He−Cdレーザ、KrFエキシマレーザ、ArFエキシマレーザ又はFレーザ等から得られる紫外〜可視光領域(波長:約100〜約800nm)のエネルギー線が好ましい。なお、エネルギー線には、電子線又はX線等の高エネルギーを有する放射線を用いることもできる。
エネルギー線の照射時間は、エネルギー線の強度や硬化性組成物に対するエネルギー線の透過性に影響を受けるが、常温(20〜30℃程度)で、0.1秒〜10秒程度で十分である。しかしエネルギー線の透過性が低い場合や硬化性組成物の膜厚が厚い場合等にはそれ以上の時間をかけるのが好ましいことがある。エネルギー線照射後0.1秒〜数分後には、ほとんどの硬化性組成物はカチオン重合により硬化するが、必要であればエネルギー線の照射後、室温(20〜30℃程度)〜150℃で数秒〜数時間加熱しアフターキュアーすることも可能である。
硬化させるための加熱方法としては、例えば、熱循環式加熱、赤外線加熱、高周波加熱等従来公知の方法を用いることができる。
硬化に必要な加熱温度は、硬化が十分に進行し、基材を劣化させない範囲であれば特に限定されるものではないが、好ましくは50℃から250℃、より好ましくは80℃から200℃の範囲であり、加熱時間は加熱温度に依存するものの、生産性の面から数分から数時間が好ましい。
本発明の硬化性組成物の具体的な用途としては、塗料、コーティング剤、インキ、インクジェットインキ、ポジ型レジスト、レジストフィルム、液状レジスト、ネガ型レジスト、MEMS用レジスト、ポジ型感光性材料、ネガ型感光性材料、各種接着剤、成形材料、注型材料、パテ、ガラス繊維含浸剤、目止め材、シーリング材、封止材、光半導体(LED)封止材、光導波路材料、ナノインプリント材料、光造用、及びマイクロ光造形用材料等が挙げられる。
以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれに限定されることは意図するものではない。なお、以下特記しない限り、部は重量部、%は重量%を意味する。
〔製造例1〕 4−(エチルチオ)フェノールの合成
4−ヒドロキシベンゼンチオール5.00g(0.04モル)、ヨードエタン6.18g(0.04モル)をアセトン20mlに溶解させ、炭酸カリウム6.02g(0.44モル)を加え、40℃で10時間反応させた。反応後、酢酸エチル20mlを加えイオン交換水50mlで3回洗浄し、溶媒を除去することにより4−(エチルチオ)フェノール4.84gを得た。
〔製造例2〕 4−(プロピルチオ)フェノールの合成
ヨードエタン6.18gの代わりにヨードプロパン6.62gを用いて製造例1に記載された方法に従って合成した。
〔製造例3〕 4−(ブチルチオ)フェノールの合成
ヨードエタン6.18gの代わりにヨードブタン7.29gを用いて製造例1に記載された方法に従って合成した。
〔実施例1〕 酸発生剤A−1の合成
p−ニトロベンジルブロマイド2.16g(0.01モル)、4−(メチルチオ)フェノール1.40g(0.01モル)をメタノール15mlに溶解させ、50℃で12時間撹拌した。イオン交換水30ml、酢酸エチル15mlを加え30分撹拌したのち分液し、酢酸エチル層を除去した。水層に等モルのナトリウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートを含む水溶液70g、酢酸エチル30mlを室温下で混合し、そのまま3時間撹拌した。酢酸エチル層を分液操作にて水で3回洗浄した後、ロータリーエバポレーターにより溶媒を留去することにより、白色固体8.22g得た。1H−NMRによりこの白色固体が酸発生剤A−1であることを確認した。A−1の構造は表1に記載した。
〔実施例2〕 酸発生剤A−2の合成
p−ニトロベンジルブロマイド2.16gの代わりにm−ニトロベンジルブロマイド2.16gを用いて実施例1に記載された方法に従って調製した。酸発生剤A−2の構造は表1に記載した。
〔実施例3〕 酸発生剤A−3の合成
p−ニトロベンジルブロマイド2.16gの代わりにp−シアノベンジルブロマイド1.96gを用いて実施例1に記載された方法に従って調製した。酸発生剤A−3の構造は表1に記載した。
〔実施例4〕 酸発生剤A−4の合成
p−ニトロベンジルブロマイド2.16gの代わりにm−シアノベンジルブロマイド1.96gを用いて実施例1に記載された方法に従って調製した。酸発生剤A−4の構造は表1に記載した。
〔実施例5〕 酸発生剤A−5の合成
p−ニトロベンジルブロマイド2.16gの代わりにp−トリフルオロメチルベンジルブロマイド2.39gを用いて実施例1に記載された方法に従って調製した。酸発生剤A−5の構造は表1に記載した。
〔実施例6〕 酸発生剤A−6の合成
p−ニトロベンジルブロマイド2.16gの代わりにm−トリフルオロメチルベンジルブロマイド2.39gを用いて実施例1に記載された方法に従って調製した。酸発生剤A−6の構造は表1に記載した。
〔実施例7〕 酸発生剤A−7の合成
p−ニトロベンジルブロマイド2.16gの代わりにペンタフルオロベンジルブロマイド2.61gを用いて実施例1に記載された方法に従って調製した。酸発生剤A−7の構造は表1に記載した。
〔実施例8〕 酸発生剤A−8の合成
p−ニトロベンジルブロマイド2.16gの代わりに3,5−トリフルオロメチルベンジルブロマイド3.07gを用いて実施例1に記載された方法に従って調製した。酸発生剤A−8の構造は表1に記載した。
〔実施例9〕 酸発生剤A−9の合成
p−ニトロベンジルブロマイド2.16gの代わりに2,4−トリフルオロメチルベンジルブロマイド3.07gを用いて実施例1に記載された方法に従って調製した。酸発生剤A−9の構造は表1に記載した。
〔実施例10〕 酸発生剤A−10の合成
p−ニトロベンジルブロマイド2.16gの代わりに2,5−トリフルオロメチルベンジルブロマイド3.07gを用いて実施例1に記載された方法に従って調製した。酸発生剤A−10の構造は表1に記載した。
〔実施例11〕 酸発生剤A−11の合成
4−(メチルチオ)フェノール1.40gの代わりに製造例1で合成した4−(エチルチオ)フェノール1.54gを用いて実施例1に記載された方法に従って調製した。酸発生剤A−11の構造は表1に記載した。
〔実施例12〕 酸発生剤A−12の合成
4−(メチルチオ)フェノール1.40gの代わりに製造例2で合成した4−(プロピルチオ)フェノール1.65gを用いて実施例1に記載された方法に従って調製した。酸発生剤A−12の構造は表1に記載した。
〔実施例13〕 酸発生剤A−13の合成
4−(メチルチオ)フェノール1.40gの代わりに製造例3で合成した4−(ブチルチオ)フェノール1.82gを用いて実施例1に記載された方法に従って調製した。酸発生剤A−13の構造は表1に記載した。
〔比較例1〕酸発生剤H−1の合成
p−ニトロベンジルブロマイド2.16gの代わりに塩化ベンジル1.27gを用いて実施例1に記載された方法に従って調製した。酸発生剤H−1の構造は表1に記載した。
〔比較例2〕酸発生剤H−2の合成
p−ニトロベンジルブロマイド2.16gの代わりにp−フルオロベンジルクロリド1.45gを用いて実施例1に記載された方法に従って調製した。酸発生剤H−2の構造は表1に記載した。
〔比較例3〕酸発生剤H−3の合成
p−ニトロベンジルブロマイド2.16gの代わりにp−クロロベンジルクロリド1.61gを用いて実施例1に記載された方法に従って調製した。酸発生剤H−3の構造は表1に記載した。
〔比較例4〕酸発生剤H−4の合成
p−ニトロベンジルブロマイド2.16gの代わりにp−ブロモベンジルブロマイド2.50gを用いて実施例1に記載された方法に従って調製した。酸発生剤H−4の構造は表1に記載した。
〔比較例5〕4−ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(H−5)の合成
4−ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウム クロライド 1.92g(0.01モル)をジクロロメタン15mlに分散させ、に等モルのナトリウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートを含む水溶液等70gを室温下で混合し、そのまま3時間撹拌した。ジクロロメタン層を分液操作にて水で3回洗浄した後、ロータリーエバポレーターに移して溶媒を留去することにより、4−ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートを得た。
〔比較例6〕
4−アセトキシフェニルジメチルスルホニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(H−6)の合成
比較例5で合成した 4−ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートを6.00g(0.01モル)をアセトニトリル100mlに溶解させ、10℃以下でトリエチルアミン1.22g(0.012モル)を加え、30分後、塩化アセチル0.95g(0.012モル)を滴下する。3時間撹拌後、副生するトリエチルアミンの塩酸塩をろ過して除き、ロータリーエバポレーターに移して溶媒を留去することにより、4−アセトキシフェニルジメチルスルホニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートを得た。
Figure 2016132413
(熱硬化性組成物の調製及びこの評価)
本発明の酸発生剤および比較例の化合物を、表2に示した配合量でプロピレンカーボネートに溶解した後、カチオン重合性化合物であるエポキシド(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ジャパンエポキシレジン社製、エピコート828)に表2の配合量(重量部)で均一混合して、熱硬化性組成物(実施例C1〜C10、比較例C1〜C6)を調製した。
Figure 2016132413
<ゲルタイム(熱硬化性)>
上記で得た熱硬化性組成物を、JISK5909の手法に準じてゲルタイムを測定した。
これらの結果を表3に示した。
<貯蔵安定性>
上記で得た熱硬化性組成物を遮光下40℃で1週間保存した後、配合試料の粘度を測定し、下記基準により評価した。これらの結果を表3に示した。
(評価基準)
×:1週間後の粘度変化が2.0倍以上。
○:1週間後の粘度変化が2.0倍未満。
◎:2週間後の粘度変化が2.0倍未満。
Figure 2016132413
表3の結果からわかるように、本発明のスルホニウムボレート塩は比較用のスルホニウムボレート塩に比べて熱硬化性と貯蔵安定性のバランスに優れていることが分かった。
本発明のスルホニウムボレート塩は、塗料、コーティング剤、インキ、インクジェットインキ、ポジ型レジスト(回路基板、CSP、MEMS素子等の電子部品製造の接続端子や配線パターン形成等)、レジストフィルム、液状レジスト、ネガ型レジスト(半導体素子等の表面保護膜、層間絶縁膜、平坦化膜等の永久膜材料等)、MEMS用レジスト、感光性材料、各種接着剤、成形材料、注型材料、パテ、ガラス繊維含浸剤、目止め材、シーリング材、封止材、光半導体(LED)封止材、ナノインプリント材料、光造用、マイクロ光造形用材料等に使用される酸発生剤として好適に用いられる。

Claims (5)

  1. 下記一般式(1)で示されるスルホニウムボレート塩。
    Figure 2016132413
    〔式(1)中、Rはアルキル基を、Rは、下記一般式(2)で表されるベンジル基を表す。〕
    Figure 2016132413
    〔式(2)中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子または電子吸引性基を表し、かつR〜Rのハメット置換基定数σ値の合計が0.43以上であるものを表す。〕
  2. 式(1)中のRがp−ニトロベンジル基、m−ニトロベンジル基、p−シアノベンジル基、m−シアノベンジル基、p−トリフルオロメチルベンジル基、m−トリフルオロメチルベンジル基、ペンタフルオロベンジル基、3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル基、2,4−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル基、2,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル基のいずれかである請求項1に記載のスルホニウムボレート塩。
  3. 請求項1または2に記載のスルホニウムボレート塩を含有することを特徴とする酸発生剤。
  4. 請求項3に記載の酸発生剤とカチオン重合性化合物とを含んでなる硬化性組成物。
  5. 請求項4に記載の硬化性組成物を硬化させて得られることを特徴とする硬化体。
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