JPH107649A - 光重合開始剤、これを含有するエネルギー線硬化性組成物及びその硬化物 - Google Patents

光重合開始剤、これを含有するエネルギー線硬化性組成物及びその硬化物

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JPH107649A
JPH107649A JP17730896A JP17730896A JPH107649A JP H107649 A JPH107649 A JP H107649A JP 17730896 A JP17730896 A JP 17730896A JP 17730896 A JP17730896 A JP 17730896A JP H107649 A JPH107649 A JP H107649A
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JP17730896A
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Nobuo Taniguchi
信雄 谷口
Minoru Yokoshima
実 横島
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Nippon Kayaku Co Ltd
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Nippon Kayaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】相容性、保存安定性が良好で透明で硬化性に優
れ、硬化塗膜の光沢が良好で臭気が少なく、優れた物性
の硬化物を得ることができる新規な光重合開始剤、これ
を含有する樹脂組成物を提供する。 【解決手段】カチオン重合物質(A)と特定の構造を有
するスルホニウム塩である光重合開始剤(B)を含有す
るエネルギー線硬化性組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な特定の構造
を有するスルホニウム塩、それからなる光重合開始剤、
これを含有するエネルギー線の照射により硬化が可能な
エネルギー線硬化性組成物及びその硬化物に関する。
【0002】
【従来の技術】光重合性組成物は、印刷インキ、塗料、
コーティング、液状レジストインキ等の分野において、
省エネルギー、省スペース、無公害性等の要請から盛ん
に研究され、実用化が検討されてきた。しかし、これら
の研究の大部分は二重結合のラジカル重合反応に基づく
ものであった。カチオン重合性物質、例えばエポキシ樹
脂は、物性的には優れた材料であるが光重合をさせるこ
とは困難で、今までアクリル変性することにより二重結
合を導入した材料が主に使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】光によりエポキシ樹脂
を硬化されるのに、例えば米国特許第3794576号
には感光性芳香族ジアゾニウム塩を光重合開始剤として
使用し光照射により光重合開始剤を分解し、ルイス酸を
放出することによりエポキシ樹脂を重合する方法が提案
されている。しかしながら芳香族ジアゾニウム塩は光分
解によりルイス酸と同時に窒素ガスを放出し、そのため
にエポキシ樹脂の膜厚が15μ以上になると塗膜が発泡
し、厚塗りの用途には適さない。更に、又、エポキシ樹
脂との混合物は光が存在しない時でも、徐々に硬化が進
行する等、保存安定性に問題があり、一液性の組成物と
はいえない。上記のジアゾニウム塩系開始剤の欠点を克
服すべく、種々検討がなされ、厚塗り性及び保存安定性
の改良された技術として芳香族スルホニウム塩系や芳香
族ヨードニウム塩系開始剤及びそれらを含有する硬化性
樹脂組成物が特公昭52−14278号公報、特公昭5
2−14277号公報、特開昭54−53181号公
報、特公昭59−19581号公報等に開示されてい
る。しかしながら、これらの芳香族オニウム塩を含有す
る組成物はジアゾニウム塩に比較し硬化性が乏しいとい
う欠点を有し、又芳香族スルホニウム塩の場合は、硬化
物の臭気が問題となっていた。かかる欠点を克服するべ
く、特開昭56−55420号公報等に、特定の基を有
する芳香族スルホニウム塩が提案されている。しかし、
上記の欠点は、いくらか解消されるものの十分ではな
い。又、光重合組成物の使用される分野が拡大するにつ
れて、市場の要求に対応するために、新規な光重合開始
剤、それを含有する組成物の提供は重要である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題を解決するため鋭意研究の結果、新規な光重合開始剤
を開発し、これを用いた組成物は、保存安定性、相容
性、硬化性に優れ、その硬化物は臭気が少ないエネルギ
ー線硬化性組成物を提供することに成功した。すなわ
ち、本発明は、 (1)式(1)
【0005】
【化3】
【0006】{式中、Xは式(2)で示される基
【0007】
【化4】
【0008】(式中、R1 〜R10は、それぞれ水素原
子、ハロゲン原子、ニトロ基、アルコキシ基、C1 〜C
20の構造中に水酸基、エーテル基、エステル基、(メ
タ)アクリロイル基、エポキシ基あるいはアリル基を有
していても良い脂肪族基、フェニル基、フェノキシ基お
よびチオフェノキシ基のいずれかから選択された基であ
る。R11は水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、ニ
トロ基、C1 〜C1Oのアルキル基のいずれかから選択さ
れた基である。) Zは式(3)、式(4)または式(5) MQP (3) MQP-1 (OH) (4) BYaRb (5) 式(3)及び(4)中Mは、リン原子、ホウ素原子、ヒ
素原子またはアンチモン原子でありQはハロゲン原子で
あり、Pは4〜6の整数である。式(5)中a及びbは
0〜4の範囲の整数であり、ここでa+bは4であり、
Yはaが0〜3である場合にはハロゲン原子(塩素又は
弗素)を表わし、又aが0〜2である場合にはOH基を
表わすこともできる。Rは、CF3 、NO2 、CN等の
ような少なくとも1個の電子吸引基で置換されたフェニ
ル基又は、少なくとも2個のハロゲン原子(特に弗素)
で置換されたフェニル基を表わす。}で示されるスルホ
ニウム塩。 (2)これらの塩からなる光重合開始剤(B)及び (3)カチオン重合性物質(A)と(2)項記載の光重
合開始剤(B)を含有することを特徴とするエネルギー
線硬化性組成物及びその硬化物に関する。
【0009】本発明で用いるカチオン重合性物質(A)
としては、例えば、エポキシ樹脂、スチレン、ビニルエ
ーテル等のカチオン重合性ビニル化合物、更にはスピロ
オルソエステル、ビシクロオルソエステル、スピロオル
ソカーボナートのような環状エーテル類が挙げられる。
エポキシ樹脂としては、従来、公知の芳香族エポキシ樹
脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、更には
エポキシド単量体類、エピサルファイド単量体類が挙げ
られる。ここで、芳香族エポキシ樹脂として例示すれ
ば、少なくとも1個の芳香族核を有する多価フェノール
またはそのアルキレンオキサイド付加体のポリグリシジ
ルエーテルであって、例えばビスフェノールA、ビスフ
ェノールF、ビスフェノールS等のビスフェノール化合
物またはビスフェノール化合物のアルキレンオキサイド
(例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイ
ド、ブチレンオキサイド等)付加体とエピクロロヒドリ
ンとの反応によって製造されるグリシジルエーテル類、
ノボラック型エポキシ樹脂類(例えば、フェノール・ノ
ボラック型エポキシ樹脂、クレゾール・ノボラック型エ
ポキシ樹脂、臭素化フェノール・ノボラック型エポキシ
樹脂等)、トリスフェノールメタントリグリシジルエー
テル等が挙げられる。また、脂環式エポキシ樹脂とし
て、具体的な例としては、3,4−エポキシシクロヘキ
シルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキ
シレート、ビス−(3,4−エポキシシクロヘキシルメ
チル)アジペート、2−(3,4−エポキシシクロヘキ
シル−5,5−スピロー3,4−エポキシ)シクロヘキ
サノン−メタ−ジオキサン、ジス(2,3−エポキシシ
クロベンチル)エーテル、EHPE−3150(ダイセ
ル化学工業株式会社製、脂環式エポキシ樹脂、軟化点7
1℃)等が挙げられる。
【0010】更に脂肪族エポキシ樹脂の例としては、脂
肪族多価アルコールまたはそのアルキレンオキサイド付
加物のポリグリシジルエーテルがあり、その代表例とし
ては、1,4−ブタンジ−オルのジグリシジルエーテ
ル、1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテ
ル、グリセリンのトリグリシジルエーテル、トリメチロ
ールプロパンのトリグリシジルエーテル、ポリエチレン
グリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコ
ールのジグリシジルエーテル、エチレングリコール、プ
ロピレングリコール、グリセリン等の脂肪族多価アルコ
ールに1種または2種以上のアルキレンオキサイド(エ
チレンオキサイド、プロピレンオキサイド)を付加する
ことにより得られるポリエーテルポリオールのポリグリ
シジルエーテルが挙げられる。更にエポキシド単量体類
の例としては、脂肪族高級アルコールのモノグリシジル
エーテルやフェノール、クレゾール、ブチルフェノール
またはこれらにアルキレンオキサイドを付加することに
より得られるポリエーテルアルコールのモノグリシジル
エーテル等が挙げられる。
【0011】カチオン重合性ビニル化合物としては、例
えば、トエエチレングリコールジビニルエーテル、テト
ラエチレングリコールジビニルエーテル、シクロヘキサ
ン−1,4−ジメチロールジビニルエーテル、1,4−
ブタンジオールジビニルエーテル、
【0012】
【化5】
【0013】及び
【0014】
【化6】
【0015】等が挙げられる。また、これらカチオン重
合性有機材料は単独でも2種以上の混合物でもかまわな
い。
【0016】本発明で用いる一般式(1)で表されるス
ルホニウム塩としては、例えば一般式(6)で表される
スルフィド化合物
【0017】
【化7】
【0018】(式中、R11は、前記式(1)中のR11
同一である。)と置換または非置換ジフェニルスルホキ
シド化合物を公知のスルホニウム塩の生成反応を利用す
る方法(以下1)法という)、2)相当する置換及び非
置換のスルホニウム塩をあらかじめ合成し、その後、置
換基を変換、導入する方法(以下2)法という)のいず
れかにより合成することができる。先ず1)法を具体的
に説明すると式(6)で表されるスルフィド化合物は、
ジフェニルスルフィドと安息香酸誘導体(例えば、o−
ニトロ安息香酸、P−ニトロ安息香酸、m−ニトロ安息
香酸、3−ニトロ−4−クロル−安息香酸、3−ニトロ
−4−メトキシ安息香酸等)を溶媒としてメタンスルホ
ン酸に五酸化リンを溶解したものを使用して、脱水縮合
反応を行なうことにより得ることができる。ジフェニル
スルフィド/モルに対して、安息香酸誘導体0.95〜
1.1モルを反応させるのが好ましく、特に好ましく
は、0.99〜1.05モルである。反応温度は10〜
150℃が好ましく、特に好ましくは30〜100℃で
ある。
【0019】このようにして得られた式(6)で表され
るスルフィド化合物と置換または非置換ジフェニルスル
ホキシド化合物(例えば、ジフェニルスルホキシド、
4,4′−ジフルオロジフェニルスルホキシド、2,
2′−ジフルオロジフェニルスルホキシド、3,3′−
ジフルオロジフェニルスルホキシド、4,4′−ジブロ
ムジフェニルスルホキシド、4,4′−ジクロロジフェ
ニルスルホキシド、2,2′,4,4′−テトラクロル
ジフェニルスルホキシド、4,4′−ジメチルジフェニ
ルスルホキシド、4,4′−ジエチルスルホキシド、
4,4′−ジメトキシジフェニルスルホキシド、4,
4′−ジエトキシジフェニルスルホキシド、4−メチル
チオジフェニルスルホキシド等)を公知の方法、例え
ば、脱水剤(例えば、五酸化リン、無水酢酸、濃硫酸
等)と溶媒として、メタンスルホン酸、パーフルオロメ
タンスルホン酸あるいは濃硫酸等を用いて常温〜100
℃で縮合反応を行ない、次いで、これらの反応液を式
(3)、式(4)及び式(5)をアニオン部分とするア
ルカリ金属塩(例えば、NaSbF6 、NaPF6 、N
aAsF6 、NaBF4 、NaSbF5 OH、KSbF
6 、KPF6 、KAsF6 、KSbF5 OH、LiB
(C6 5)4 、LiB(C6 4 CF3)4 、NaB(C
6 5)4、LiBF3 (C6 5)、LiB(C6
3 2)4 、KB(C6 5)4 、KB(C6 5)2
2 等)の水溶液と混合しスルホニウム塩を得ることがで
きる。
【0020】2)法を具体的に説明すると、1)法で合
成したスルホニウム塩、例えば
【0021】
【化8】
【0022】(但し、式(7)中のAは、ハロゲン原
子、Z- は式(3)、式(4)又は式(5)で示され
る。)で示される化合物等を公知の方法、例えば、塩基
性化合物(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、炭酸カリウム等)の存在下、過剰のモノ又はポリア
ルコール類(例えば、メタノール、エタノール、カルビ
トール、エチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロー
ルプロパン、1,4−ブタンジオール、グリシドール、
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒド
ロキシプロピル(メタ)アクリレート、アリルアルコー
ル等)を室温〜150℃で、必要に応じて、ジメチルス
ルホキシド等の有機溶剤の存在下反応させることによ
り、前記ハライド化合物のハライド部が例えば
【0023】
【化9】
【0024】
【化10】
【0025】
【化11】
【0026】等に置換に変換されたスルホニウム塩を得
ることができる。一般式(1)で示される化合物の代表
例としては、表1の化合物を挙げることができるが、こ
れらに限定されるものではない。
【0027】
【表1】
【0028】本発明の硬化性組成物は、100重量部の
カチオン重合性物質(A)に対して、0.01〜20重
量部の前記の式(1)で示されるスルホニウム塩からな
る光重合開始剤(B)を必須の成分とするが、適当な割
合は、カチオン重合性物質やエネルギー線の種類、照射
量、所望の硬化時間、温度、湿度、塗膜厚などさまざま
な要因を考慮することによって決定される。カチオン重
合性物質へのスルホニウム塩の溶解を容易にするため、
あらかじめスルホニウム塩を溶剤類(例えば、プロピレ
ンカーボネート、カルビトール、カルビトールアセテー
ト、ブチロラクトン等)に溶解し使用することができ
る。本発明の硬化性組成物は、カチオン重合性物質及び
スルホニウム塩を混合、溶解あるいは混練等の方法によ
り調製することができる。
【0029】本発明の硬化性組成物は、紫外線等のエネ
ルギー線を照射することにより通常は0.1秒〜数分後
に指触乾燥状態あるいは溶媒不溶性の状態に硬化するこ
とができる。適当なエネルギー線としては、スルホニウ
ム塩またはスルホキソニウム塩の分触を誘発するエネル
ギーを有する限りいかなるものでもよいが、好ましく
は、高、低圧水銀ランプ、キセノンランプ、殺菌灯、レ
ーザー光などから得られる2000オングストローム〜
7000オングストロームの波長を有する電磁波エネル
ギーや電子線、X線、放射線等の高エネルギー線を使用
する。エネルギー線への暴露は、エネルギー線の強度に
よるが、通常は0.1秒〜10秒程度で十分である。し
かし比較的厚い塗装物についてはそれ以上の時間をかけ
るのが好ましい。エネルギー線照射後0.1秒〜数分後
には、ほとんどの組成物はカチオン重合により指触乾燥
するが、カチオン重合反応を促進するためる加熱を併用
することも場合によっては好ましい。本発明の組成物に
は、さらにカチオン重合を損わない範囲で希釈のための
溶剤や、改質のための非反応性の樹脂や(メタ)アクリ
ル酸エステル化合物(例えば、ビスフェノールA型エポ
キシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂
と(メタ)アクリル酸の反応物であるエポキシ(メタ)
アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエ
ステルポリ(メタ)アクリレート等のオリゴマーや、2
−ヒドロキシ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサン
ジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオ
ールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン
トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ
(メタ)アクリレート等のモノマー等)を配合すること
ができる。(メタ)アクリル酸エステル化合物を使用す
る場合には、光ラジカル重合開始剤(例えば、1−ヒド
ロキシシクロヘキシルフェニルケトン、アセトフェノン
ジメチルケタール、ベンゾイルメチルエーテル等)を使
用するのが好ましい。また例えば、電気特製を改良する
目的などのため有機カルボン酸や酸無水物を使用した
り、あるいはゴム弾性をもたせるなどの目的でポリマー
ルその他の可とう性プレポリマーを混合することができ
る。
【0030】本発明の組成物は、通常透明な液状として
使用されるものであるが、用途によっては不活性な顔
料、染料、充填剤、静電防止剤、難燃剤、消泡剤、流動
調整剤、増感剤、促進剤、光安定剤等を混合して用いら
れる。本発明の組成物は金属、木材、ゴム、プラスチッ
ク、ガラス、セラミック製品等に使用することができ
る。さらに本発明の具体的な用途としては、塗料、コー
ティング剤、インキ、レジスト、液状レジスト、接着
剤、成形材料、注型材料、パテ、ガラス繊維含浸剤、目
止め剤等が挙げられる。
【0031】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。なお、実施例中の部は、重量部である。
【0032】(式(1)で表されるスルホニウム塩の合
成例) 合成例1.P−ニトロ安息香酸6.7部、ジフェニルス
ルフィド7.6部及びメタンスルホン酸135部に五酸
リン15部を溶解したもの150部を仕込み、90℃で
攪拌しながら約3時間、反応を行ない、4−(P−ニト
ロベンゾイル)ジフェニルスルフィドを含む反応混合物
を得た。次いで、この反応混合物に無水酢酸6.6部と
4,4′−ジフルオロジフェニルスルホキシド10.0
部を仕込み、80℃で攪拌しながら約5時間、反応を行
ない次いで、この反応混合物を水3000部で希釈し、
25%NaOH水溶液でpH=7まで中和し、不溶解分
をろ過、除去し、次いでろ液にKSbF6 11.8部を
添加し、淡黄色の固体22.2部を得た。生成物の融点
は69〜73℃で元素分析値は、次のとおりであった。 元素 実測値(重量%) 計算値(重量%) 炭素 47.03 46.99 水素 2.60 2.55 イオウ 8.06 8.09 アンチモン 15.37 15.36 フッ素 19.20 19.18 チッ素 1.78 1.77 この製造方法に基づいて、構造式
【0033】
【化12】
【0034】のスルホニウム塩を得た。
【0035】合成例2 合成例1中、KSbF6 11.8部をKPF6 8.0部
に変更した以外は、実施例1と同様にして淡黄色の固体
20.0部を得た。生成物の融点は82〜86℃で元素
分析値は次のとおりであった。 元素 実測値(重量%) 計算値(重量%) 炭素 53.10 53.07 水素 2.90 2.88 イオウ 9.12 9.14 リン 4.40 4.41 フッ素 21.70 21.66 チッ素 1.97 2.00 この製造方法に基づいて構造式
【0036】
【化13】
【0037】のスルホニウム塩を得た。
【0038】合成例3 実施例1で得た化合物5.0部、水酸化ナトリウム0.
8部、エチレングリコール100部を仕込み、60℃で
24時間反応し、その後、水中に注ぎ込み析出しり淡黄
色固体をろ過し、乾燥し常温で固体の生成物を得た。生
成物の構造式は、下記のものであり元素分析の結果は計
算値にほぼ一致した。
【0039】
【化14】
【0040】(組成物の実施例) 実施例1〜3、比較例1〜4 表2に示す配合組成(数値は重量部である。)に従って
エネルギー線硬化性組成物を配合し、混合溶解した。こ
れを、アルミテストパネル上に5μの厚さに塗布し、高
圧水銀灯(80w/cm)で8cmの距離から紫外線を
照射し硬化させた。調製された組成物の透明性、保存安
定性、指触乾燥性、硬化塗膜の光沢、臭気について試験
した。それらの結果を表3に示す。
【0041】透明性:組成物の透明性を目視判定した。 ○・・・・完全に透明である △・・・・わずかににごりあり ×・・・・白ダクしている ××・・・・すぐに分離する 保存安定性:組成物を40℃で3ケ月間保存し、安定性
を調査した。 ○・・・・全く変化していない △・・・・やや増粘している ×・・・・ゲル化している 指触乾燥性:指触乾燥するまでの照射(mJ/cm2) を測定
した。 光沢:指触乾燥するまでの照射量(mJ/cm2) を照射した
後、硬化塗膜の表面を目視判定した。 ○・・・・光沢が良好である △・・・・ややくもりがある ×・・・・全く光沢がない
【0042】臭気:塗布面に1000mJ/cm2照射した
後、硬化塗膜の表面の臭気を観察した。 ○・・・・全く臭気がない △・・・・わずかに臭気がある ×・・・・臭気がある ××・・・・臭気が強い
【0043】
【表2】 表2 実施例 比較例 1 2 3 1 2 3 4 合成例1で得た光重合開始剤 1.5 合成例2で得た光重合開始剤 1.5 合成例3で得た光重合開始剤 1.5 化合物1 *1 1.5 1.5 化合物2 *2 1.5 1.5 ポリエステルビニルエーテル*3 50 50 50 50 シクロヘキサンジメチロール ジビニルエーテル 50 50 50 50 セロキサイド2021 *4 80 80 80 EHPE−3150 *5 20 20 20 透明性 ○ ○ ○ ○ ×× ○ ×× 保存安定性 ○ ○ ○ ○ − ○ − 指触乾燥性(mJ/cm2) 15 10 10 75 − 35 − 光沢 ○ ○ ○ × − × −
【0044】注) *1 化合物1:ジフェニル−4
−チオフェノキシスルホニウムヘキサフルオロホスフィ
ート *2 化合物2:4,4′−ビス〔ビスフェニルスル
ホニオ〕フェニルスルフィドビスヘキサフルオロホスフ
ェート *3 ポリステルジビニルエーテル:構造式
【0045】
【化15】
【0046】*4 セロキサイド2021:ダイセル
化学工業(株)製、脂環式エポキシ樹脂 *5 EHPE−3150:ダイセル化学工業(株)
製、脂環式エポキシ樹脂 表2の結果から明らかなように、本発明の光重合開始剤
を含有した組成物は、相容性、保存安定性に優れ、透明
で硬化性に優れ、硬化塗膜の光沢が良好であり、硬化塗
膜の臭気も小さい。
【0047】
【発明の効果】本発明の光重合開始剤を含有したエネル
ギー線硬化性組成物は、相容性、保存安定性に優れ、透
明で硬化性に優れ、硬化塗膜の光沢が良好で、硬化塗膜
の着色も小さく、優れた物性の硬化物をあたえる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(1) 【化1】 {式中、Xは式(2)で示される基 【化2】 (式中、R1 〜R10は、それぞれ水素原子、ハロゲン原
    子、ニトロ基、アルコキシ基、C1 〜C20の構造中に水
    酸基、エーテル基、エステル基、(メタ)アクリロイル
    基、エポキシ基あるいはアリル基を有していても良い脂
    肪族基、フェニル基、フェノキシ基およびチオフェノキ
    シ基のいずれかから選択された基である。R11は、水素
    原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、ニトロ基、C1
    10のアルキル基のいずれかから選択された基であ
    る。) Zは式(3)、式(4)または式(5) MQP (3) MQP-1 (OH) (4) BYaRb (5) 式(3)及び(4)中Mは、リン原子、ホウ素原子、ヒ
    素原子またはアンチモン原子であり、Qはハロゲン原子
    であり、pは4〜6の整数である。式(5)中a及びb
    は0〜4の範囲の整数であり、ここで、a+bは4であ
    り、Yは、aが0〜3である場合にはハロゲン原子(塩
    素又は弗素)を表わし、またaが0〜2である場合には
    OH基を表わすこともできる。Rは、CF3 、NO2
    CN等のような少なくとも1個の電子吸引基で置換され
    たフェニル基又は、少なくとも2個のハロゲン原子(特
    に弗素)で置換されたフェニル基を表わす。}で示され
    るスルホニウム塩。
  2. 【請求項2】請求項1記載のスルホニウム塩からなる光
    重合開始剤(B)。
  3. 【請求項3】カチオン重合性物質(A)と請求項2記載
    の光重合開始剤(B)を含有することを特徴とするエネ
    ルギー線硬化性組成物。
  4. 【請求項4】請求項3記載の組成物の硬化物。
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