JP2007112728A - 新規な化合物、酸発生剤、化学増幅型ホトレジスト組成物、レジスト層積層体およびレジストパターン形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】下記一般式(I)で表される化合物。式(I)中、R1−3のうち1つは一般式(Ia)で表される基であり;式中、Yは芳香環から2つの水素原子を除いた基であって、;Zは芳香環から1つの水素原子を除いた基であって、該芳香環は置換基を有していてもよく;YおよびZのうち少なくとも一方における芳香環が、少なくとも1つのアルコキシ基を有する。
【選択図】 なし
Description
近年、電子機器のダウンサイジングに伴い、半導体パッケージの高密度実装技術が進み、パッケージの多ピン薄膜実装化、パッケージサイズの小型化、フリップチップ方式による2次元実装技術、3次元実装技術に基づいた実装密度の向上が図られている。このような高密度実装技術においては、接続端子として、例えば、パッケージ上に突出したバンプ等の突起電極(実装端子)や、ウエーハ上のペリフェラル端子から延びる再配線と実装端子とを接続するメタルポストなどが基板上に高精度に配置される。
接続端子の形成は、例えば、支持体上にホトレジストからなるレジスト層を形成し、所定のマスクパターンを介して露光し、現像して、接続端子を形成しようとする部分が選択的に除去(剥離)されたレジストパターンを形成した後、この除去された部分(非レジスト部)に銅などの導体をメッキによって埋め込み、その周囲のレジストパターンを除去することによって行うことができる。
現在、接続端子の形成において、レジストパターンの形成は、主に、ホトレジストとして例えば特許文献1〜3に記載されるような光重合性の感光性樹脂組成物を用い、露光に365nm以上の長波長領域の光、たとえばg線(436nm)、h線(405nm)、i線(365nm)等の紫外線領域の光を用いて行われている。
化学増幅型ホトレジストに用いられる酸発生剤としては、スルホニウム塩系酸発生剤、ヨ−ドニウム塩系酸発生剤等のオニウム塩系酸発生剤や、オキシムスルホネ−ト系酸発生剤、イミドスルホネ−ト系酸発生剤など様々な提案がなされている。これらの中でも、オニウム塩系酸発生剤は、i線よりも短波長領域の放射線、例えばKrFエキシマレ−ザ−(248nm)やArFエキシマレ−ザ−(193nm)等を用いたホトリソグラフィ−において感度に優れることから、現在、最も一般的に用いられている。
また、オニウム塩系酸発生剤のカチオンとしては、トリフェニルスルホニウム等の疎水性の高いカチオンが一般的に用いられているが、かかるカチオンを有するオニウム塩系酸発生剤は、レジストの各種成分を溶解させるために用いられている有機溶剤(レジスト溶剤)に対する溶解性が低いという問題もある。このようなレジスト溶剤への溶解性の低さは、レジストの経時安定性を低下させ、それに伴って、レジストパターン形状の悪化等を引き起こしてしまう。
そのため、365nm以上の長波長領域でのホトファブリケーションにおいては、実質的に、オニウム塩系酸発生剤を酸発生剤とする化学増幅型ホトレジストは利用できないのが現状である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、365nm以上の長波長領域において高い吸収を示し、365nm以上の長波長領域における感度が高く、有機溶剤への溶解性にも優れた化合物、該化合物からなる酸発生剤、該酸発生剤を含有する化学増幅型ホトレジスト組成物、該化学増幅型ホトレジスト組成物を用いたレジスト層積層体およびレジストパターン形成方法を提供することを目的とする。
すなわち、本発明の第一の態様は、下記一般式(B1)で表される化合物である。
本発明の第三の態様は、(a)酸によりアルカリ溶解性が変化する樹脂、および(b)放射線照射により酸を発生する化合物を含有する化学増幅型ホトレジスト組成物であって、前記(b)放射線照射により酸を発生する化合物が、第二の態様の酸発生剤を含有することを特徴とする化学増幅型ホトレジスト組成物である。
本発明の第四の態様は、支持体上に、第三の態様の化学増幅型ホトレジスト組成物からなるレジスト層が積層されていることを特徴とするレジスト層積層体である。
本発明の第五の態様は、支持体上に化学増幅型ホトレジスト組成物からなるレジスト層を積層して第四の態様のレジスト層積層体を得る積層工程と、該レジスト層積層体に選択的に放射線を照射する露光工程と、該露光工程後に現像してレジストパターンを得る現像工程とを含むことを特徴とするレジストパターン形成方法である。
≪化合物≫
本発明の第一の態様の化合物(以下、化合物(B1)ということがある)は、上記一般式(B1)で表される。
式(B1)中、R1、R2、R3は、それぞれ独立に、上記一般式(B1a)で表される基、アルキル基、または芳香環から1つの水素原子を除いた基である。「芳香環から1つの水素原子を除いた基」において、芳香環は置換基を有していてもよい。
本発明において、R1、R2、R3のうち少なくとも1つは上記一般式(B1a)で表される基である必要がある。式(B1a)で表される基を有することにより、化合物(B1)は、365nm以上の長波長領域において、酸発生剤として用いるのに充分な吸収を示す。
本発明においては、YおよびZのうち少なくとも一方における芳香環が、置換基として、少なくとも1つのアルコキシ基を有する必要がある。特に、YおよびZにおける芳香環の両方がアルコキシ基を有することが好ましい。
アルコキシ基は、R−O−[Rは直鎖状、分岐状または環状の脂肪族炭化水素基である]で表される。Rとしては、特に限定されないが、直鎖状または分岐状のアルキル基が好ましく、直鎖状のアルキル基がさらに好ましい。脂肪族炭化水素基の炭素数は、1〜12が好ましく、1〜4がより好ましい。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。
芳香環に結合するアルコキシ基の数は、特に限定されないが、本発明の効果のためには、1〜3が好ましく、特に1であることが好ましい。
YおよびZにおける芳香環は、アルコキシ基以外の置換基を有していてもよい。アルコキシ基以外の置換基としては、アルキル基、水酸基等が挙げられる。該アルキル基としては、特に限定されず、例えば炭素数1〜12の直鎖状、分岐状または環状のアルキル基が挙げられる。
本発明においては、特に、R1〜R3の「芳香環から1つの水素原子を除いた基」における芳香環が、ベンゼンまたはナフタレンから1つの水素原子を除いた基、すなわちフェニル基またはナフチル基であることがより好ましく、フェニル基であることがさらに好ましい。
本発明においては、特に、X−が、そのアルキル基の水素原子の少なくとも1つがフッ素原子で置換されたフッ素化アルキルスルホン酸イオンであることが好ましく、特に、そのアルキル基の水素原子の全てがフッ素原子で置換されたパーフルオロアルキルスルホン酸イオンであることが好ましい。
フッ素化アルキルスルホン酸イオンのアルキル基の炭素数は、特に限定されないが、発生する酸のかさ高さと酸の拡散長の点で、1〜12が好ましく、1〜4がより好ましい。
R6およびR7におけるアルコキシ基としては、YおよびZにおける芳香環の置換基として挙げたアルコキシ基と同様のものが挙げられる。R6のアルコキシ基とR7のアルコキシ基とは、それぞれ、同じであっても異なっていてもよい。
X−は上記と同様である。
本態様の第二の態様の酸発生剤(以下、酸発生剤(b1)ということがある)は、上記第一の態様の化合物(B1)からなるものである。
酸発生剤(b1)としては、上記化合物(B1)の1種単独から構成されていてもよく、化合物(B1)の2種以上の混合物から構成されていてもよい。
本発明の第三の態様の化学増幅型ホトレジスト組成物は、(a)酸によりアルカリ溶解性が変化する樹脂(以下、(a)成分ということがある)、(b)放射線照射により酸を発生する化合物(以下、(b)成分ということがある)を含有するものであって、前記(b)成分が上記本発明の酸発生剤(b1)を含有することを特徴とするものであり、ネガ型であってもポジ型であってもよい。
(a)成分
化学増幅型ホトレジスト組成物がネガ型である場合、(a)成分は、酸によりアルカリ溶解性が低くなる樹脂であり、一般にネガ型の化学増幅型ホトレジストのベース樹脂として用いられている樹脂であれば特に限定されず、露光に使用する光源に応じて、従来公知のものから任意に選択して使用することが可能である。例えば、ノボラック樹脂を主成分とするものがその特性が良好であることから、一般的に広く用いられている。
特に好ましい(a)成分としては、(イ)ノボラック樹脂、(ロ)ヒドロキシスチレン構成単位を有する重合体から選ばれる1種以上の樹脂からなるものを例示することができる。これは、塗布性、現像速度を制御することが容易であるからである。
この際、使用されるフェノール類としては、例えばフェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール、o−ブチルフェノール、m−ブチルフェノール、p−ブチルフェノール、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、2,3,5−トリメチルフェノール、3,4,5−トリメチルフェノール、p−フェニルフェノール、レゾルシノール、ホドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、ピロガロール、フロログリシノール、ヒドロキシジフェニル、ビスフェノールA、没食子酸、没食子酸エステル、α−ナフトール、β−ナフトール等が挙げられる。
またアルデヒド類としては、例えばホルムアルデヒド、フルフラール、ベンズアルデヒド、ニトロベンズアルデヒド、アセトアルデヒド等が挙げられる。
付加縮合反応時の触媒は、特に限定されるものではないが、例えば酸触媒では、塩酸、硝酸、硫酸、蟻酸、蓚酸、酢酸等が使用される。
上記ノボラック樹脂は、質量平均分子量が3000〜10000、好ましくは6000〜9000、さらに好ましくは7000〜8000の範囲内のものが好ましい。質量平均分子量が3000以上であると、現像後に膜が減る(薄くなる)傾向が充分に抑制でき、また、質量平均分子量が10000以下であると、現像後に残渣が残るのを防止でき、好ましい。
また、前記(ロ)成分の質量平均分子量は、好ましくは5000以下、より好ましくは2000以上4000以下である。これは、質量平均分子量が5000以下であると、解像性に優れる傾向があるためである。
酸により解離しないアルカリ溶解抑制基としては、置換または未置換のベンゼンスルホニルオキシ基、置換または未置換のナフタレンスルホニルオキシ基、置換または未置換のベンゼンカルボニルオキシ基、置換または未置換のナフタレンカルボニルオキシ基などが挙げられ、置換または未置換のベンゼンスルホニルオキシ基の具体例としては、ベンゼンスルホニルオキシ基、クロロベンゼンスルホニルオキシ基、メチルベンゼンスルホニルオキシ基、エチルベンゼンスルホニルオキシ基、プロピルベンゼンスルホニルオキシ基、メトキシベンゼンスルホニルオキシ基、エトキシベンゼンスルホニルオキシ基、プロポキシベンゼンスルホニルオキシ基、アセトアミノベンゼンスルホニルオキシ基などが、また置換または未置換のナフタレンスルホニルオキシ基の具体例として、ナフタレンスルホニルオキシ基、クロロナフタレンスルホニルオキシ基、メチルナフタレンスルホニルオキシ基、エチルナフタレンスルホニルオキシ基、プロピルナフタレンスルホニルオキシ基、メトキシナフタレンスルホニルオキシ基、エトキシナフタレンスルホニルオキシ基、プロポキシナフタレンスルホニルオキシ基、アセトアミノナフタレンスルホニルオキシ基などが好ましい。さらに、置換または未置換のベンゼンカルボニルオキシ基および置換または未置換のナフタレンカルボニルオキシ基としては前記置換または未置換のスルホニルオキシ基をカルボニルオキシ基に置き換えたものが挙げられる。中でも、アセトアミノベンゼンスルホニルオキシ基またはアセトアミノナフタレンスルホニルオキシ基が好ましい。
さらに、(a)成分には物理的、化学的特性を適度にコントールする目的で他の樹脂成分を含有させることができる。例えば(ハ)アクリル樹脂(以下、(ハ)成分という)、(ニ)ビニル樹脂(以下、(ニ)成分という)が挙げられる。
(ハ)成分であるアクリル樹脂は、アルカリ可溶性のアクリル樹脂であれば特に限定されないが、特に、エーテル結合を有する重合性化合物から誘導された構成単位、およびカルボキシル基を有する重合性化合物から誘導された構成単位を含有することが好ましい。
エーテル結合を有する重合性化合物としては、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等のエーテル結合及びエステル結合を有する(メタ)アクリル酸誘導体等を例示することができ、好ましくは、2−メトキシエチルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレートである。これらの化合物は単独もしくは2種以上組み合わせて使用できる。
カルボキシル基を有する重合性化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などのモノカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などのジカルボン酸、2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸、2−メタクリロイルオキシエチルマレイン酸、2−メタクリロイルオキシエチルフタル酸、2−メタクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸などのカルボキシル基及びエステル結合を有する化合物等を例示することができ、好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸である。これらの化合物は単独もしくは2種以上組み合わせて使用できる。
(ニ)成分であるビニル樹脂は、ポリ(ビニル低級アルキルエーテル)であり、下記一般式(I)で表されるビニル低級アルキルエーテルの単独または2種以上の混合物を重合することにより得られる(共)重合体からなる。
本発明において、(b)成分は、上記本発明の酸発生剤(b1)を含有する必要がある。
酸発生剤(b1)は、単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
(b)成分中、酸発生剤(b1)の割合は、本発明の効果のためには、好ましくは50質量%以上、より好ましくは80〜100質量%であり、最も好ましくは100質量%である。
酸発生剤(b2)としては、光により直接若しくは間接的に酸を発生する化合物であって、酸発生剤(b1)に含まれないものであれば特に限定されない。具体的には、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(2−フリル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(5−メチル−2−フリル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(5−エチル−2−フリル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(5−プロピル−2−フリル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(3,5−ジメトキシフェニル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(3,5−ジエトキシフェニル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(3,5−ジプロポキシフェニル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(3−メトキシ−5−エトキシフェニル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(3−メトキシ−5−プロポキシフェニル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(3,4−メチレンジオキシフェニル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−s−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(3−ブロモ−4メトキシ)フェニル−s−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(2−ブロモ−4メトキシ)フェニル−s−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(2−ブロモ−4メトキシ)スチリルフェニル−s−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(3−ブロモ−4メトキシ)スチリルフェニル−s−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(2−フリル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(5−メチル−2−フリル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(3,5−ジメトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、トリス(1,3−ジブロモプロピル)−1,3,5−トリアジン、トリス(2,3−ジブロモプロピル)−1,3,5−トリアジン等のハロゲン含有トリアジン化合物およびトリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート等の下記の一般式で表されるハロゲン含有トリアジン化合物;
本発明に用いられる架橋剤としては、特に制限はなく、公知の任意の化学増幅型ネガ型ホトレジスト組成物に使用されている架橋剤から適宜選択して用いることができる。例えばメラミン樹脂、尿素樹脂、グアナミン樹脂、グリコールウリル−ホルムアルデヒド樹脂、スクシニルアミド−ホルムアルデヒド樹脂、エチレン尿素−ホルムアルデヒド樹脂等が用いられるが、特にアルコキシメチル化メラミン樹脂やアルコキシメチル化尿素樹脂等のアルコキシメチル化アミノ樹脂等が好適に使用できる。
前記アルコキシメチル化アミノ樹脂は、例えば、沸騰水溶液中でメラミンまたは尿素をホルマリンと反応させて得た縮合物を、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール類でエーテル化させ、次いで反応液を冷却して析出させることで製造できる。
前記アルコキシメチル化アミノ樹脂としては、具体的にメトキシメチル化メラミン樹脂、エトキシメチル化メラミン樹脂、プロポキシメチル化メラミン樹脂、ブトキシメチル化メラミン樹脂、メトキシメチル化尿素樹脂、エトキシメチル化尿素樹脂、プロポキシメチル化尿素樹脂、ブトキシメチル化尿素樹脂等が挙げられる。
前記アルコキシメチル化アミノ樹脂は、単独、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
特にアルコキシメチル化メラミン樹脂は、放射線の照射量の変化に対するレジストパターンの寸法変化量が小さく安定したレジストパターンを形成できて好ましい。中でも、メトキシメチル化メラミン樹脂、エトキシメチル化メラミン樹脂、プロポキシメチル化メラミン樹脂およびブトキシメチル化メラミン樹脂が好適である。
有機溶剤として、具体的には、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソアミルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン類;エチレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアセテート、ジプロピレングリコール又はジプロピレングリコールモノアセテートのモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル又はモノフェニルエーテルなどの多価アルコール類及びその誘導体;ジオキサンのような環式エーテル類;及び乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類を挙げることができる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
これらの中でも、本発明の酸発生剤(b1)の溶解性の点から、多価アルコール類及びその誘導体が好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルがより好ましい。
中でも、化学増幅型ホトレジスト組成物を接続端子の製造等に用いる場合には、例えばスピンコート法を用いて、例えば5μm以上の膜厚の厚膜レジスト層を得るためには、化学増幅型ホトレジスト組成物における固形分濃度が30〜65質量%の範囲内となる量が好ましい。固形分濃度が30質量%以上の場合は、接続端子の製造に好適な厚膜を得ることが容易であり、65質量%以下であると組成物の流動性が良好で、取り扱いが容易である上、スピンコート法で均一なレジストフィルムが得られやすい。
ポジ型の場合は、架橋剤が不要である。また、(b)成分及び有機溶剤はネガ型の場合と同様であるが、(a)成分は、酸によりアルカリ溶解性が高くなる樹脂である。この(a)成分としては、一般にポジ型の化学増幅型ホトレジストのベース樹脂として用いられている樹脂であれば特に限定されず、露光に使用する光源に応じて、従来公知のものから任意に選択して使用することが可能である。例えば、アクリル樹脂を主成分とし、そのヒドロキシル基の少なくとも一部が、酸により解離するアルカリ溶解抑制基で置換されたものや、ヒドロキシルスチレン構成単位を有する重合体を主成分とし、そのヒドロキシル基の少なくとも一部が、酸により解離するアルカリ溶解抑制基で置換されたものが好ましい。
特に好ましい(a)成分としては、上述のネガ型と同様の(ロ)ヒドロキシスチレン構成単位を有する重合体、(ハ)アクリル樹脂から選ばれる1種以上の樹脂からなり、そのヒドロキシル基の少なくとも一部が、酸により解離するアルカリ溶解抑制基で置換されたものを例示することができる。これは、塗布性、現像速度を制御することが容易であるからである。
上述のネガ型の例において、架橋剤及び(a)成分を除く(b)成分及び有機溶剤、その他の成分は同じものを使用することができる。
特に、本発明の化学増幅型ホトレジスト組成物は、365nm以上の放射線に対する感度が高いこと、および酸発生剤(b1)の有機溶剤(レジスト溶剤)に対する溶解性が高く、固形分濃度の高いレジスト溶液が得られるため、容易に膜厚が5μm以上の厚膜レジスト層を形成できることから、たとえば後述するように、接続端子の製造等に好適に用いられる。
本発明のレジスト層積層体は、支持体上に、前記化学増幅型ホトレジスト組成物からなるレジスト層が積層されているものである。
支持体としては、特に限定されず、従来公知のものを用いることができ、例えば、電子部品用の基板や、これに所定の配線パターンが形成されたものなどを例示することができる。
該基板としては、例えば、シリコン、窒化シリコン、チタン、タンタル、パラジウム、チタンタングステン、銅、クロム、鉄、アルミニウムなどの金属製の基板やガラス基板などが挙げられる。配線パターンの材料としては、例えば銅、ハンダ、クロム、アルミニウム、ニッケル、金などが用いられる。
特に、支持体が、基板や配線パターンなど、支持体の、少なくともレジスト層側の表面の少なくとも一部に銅が用いられているものである場合、従来は、銅と接触している部分の化学増幅型ホトレジストの働きが銅により阻害され、その部分ですそ引き等の現像不良が生じるといった基板依存性の問題があったが、(b)成分として上記本発明の酸発生剤(b1)を用いることより、基板依存性が低減される。そのため、形状に優れたレジストパターンが形成できる。
被処理基板上への塗布方法としては、スピンコート法、ロールコート法、スクリーン印刷法、アプリケーター法などの方法を採用することができる。
本発明の組成物の塗膜のプレベーク条件は、組成物中の各成分の種類、配合割合、塗布膜厚などによって異なるが、通常は70〜130℃で、好ましくは80〜120℃で、2〜60分間程度である。
本発明のレジストパターン形成方法は、支持体上に本発明の化学増幅型ホトレジスト組成物からなるレジスト層を積層して本発明のレジスト層積層体を得る積層工程と、該レジスト層積層体に選択的に放射線を照射する露光工程と、該露光工程後に現像してレジストパターンを得る現像工程とを含むことを特徴とする。
積層工程は、上記レジスト層積層体の製造と同様に行うことができる。
露光工程は、例えば、ネガ型の化学増幅型ホトレジストを用いる場合、得られたホトレジスト層に、所定のパターンのマスクを介して、放射線、例えば波長が300〜500nmの紫外線または可視光線を選択的に照射(露光)する。これらの放射線の線源としては、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、アルゴンガスレーザーなどを用いることができる。ここで放射線とは、紫外線、可視光線、遠紫外線、X線、電子線などを意味する。本発明は、特に、365nm以上の長波長領域の放射線による露光工程に好適である。
放射線照射量は、組成物中の各成分の種類、配合量、塗膜の膜厚などによって異なるが、例えば超高圧水銀灯(g線(436nm)、h線(405nm)、i線(365nm)等を含む)使用の場合、100〜2000mJ/cm2である。
そして、露光後、公知の方法を用いて加熱することにより酸の発生と拡散を促進させて、この露光部分のホトレジスト層のアルカリ溶解性を変化させる。
ついで、現像工程を行う。現像工程は、例えば、所定のアルカリ性水溶液を現像液として用いることにより行うことができ、現像液により不要な部分を溶解、除去して所定のレジストパタ−ンを得る。
現像液としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ類の水溶液を使用することができる。また前記アルカリ類の水溶液にメタノール、エタノールなどの水溶性有機溶媒や界面活性剤を適当量添加した水溶液を現像液として使用することもできる。
現像時間は、組成物各成分の種類、配合割合、組成物の乾燥膜厚によって異なるが、通常1〜30分間であり、また現像の方法は液盛り法、ディッピング法、パドル法、スプレー現像法などのいずれでも良い。現像後は、流水洗浄を30〜90秒間行い、エアーガンや、オーブンなどを用いて乾燥させる。
なお、メッキ処理方法はとくに制限されず、従来から公知の各種方法を採用することができる。メッキ液としては、とくにハンダメッキ、銅メッキ液が好適に用いられる。
残っているレジストパターンは、最後に、定法に従って、剥離液等を用いて除去する。
また、本発明の化学増幅型ホトレジスト組成物は、基板依存性も低く、使用する基板の種類にかかわらず、形状や精度に優れたレジストパターンが形成できる。すなわち、従来、たとえば支持体の少なくとも一部に銅やアルミニウムなどの金属が用いられているような支持体を用いる場合、金属と接触している部分の化学増幅型ホトレジストに(ネガの場合は膜が抜けない等、ポジの場合は密着不良等の)現像不良が生じるといった基板依存性の問題があったが、(b)成分として本発明の化合物(B1)からなる酸発生剤(b1)を用いることより、基板依存性が低減される。基板依存性の低減効果は、本発明の化合物(B1)が、銅などの金属と反応しやすい基、たとえば−CN等を有していないためと推測される。
さらに、本発明の化合物(B1)の有機溶剤に対する溶解性が高いことから、本発明の化学増幅型ホトレジスト組成物は、レジストの有機溶剤溶液の固形分濃度を高くできるため、膜厚が5μm以上の厚膜レジスト層を形成するのに適している。
また、本発明の化合物(B1)の有機溶剤に対する溶解性が高いことから、本発明の化学増幅型ホトレジスト組成物は、経時安定性にも優れることが期待される。また、それに伴って、性能の経時劣化による感度低下やレジストパターン形状の悪化も防止できると推測される。
<ノボラック樹脂の合成>
m−クレゾールとp−クレゾールとを質量比60:40の割合で混合し、これにホルマリンを加え、シュウ酸触媒を用いて常法により縮合してクレゾールノボラック樹脂を得た。この樹脂に対して分別処理を施し、低分子領域をカットして質量平均分子量8,000のノボラック樹脂を得た。この樹脂を(A−1)とする。
樹脂合成例1で得た樹脂(A−1)90質量部と、上記式(B3)で表される酸発生剤(B−1)3質量部と、架橋剤(ヘキサメトキシメチル化メラミン(三和ケミカル社製、商品名:ニカラックMw−100))10質量部とを、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに混合して均一溶液とした後、孔径1μmのメンブレンフィルタ−をとおして濾過し、固形分濃度50質量%の化学増幅型ネガ型ホトレジスト組成物を得た。
酸発生剤(B−1)3質量部に代えて、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート(酸発生剤(B−2))を3質量部用いた以外は実施例1と同様にして化学増幅型ネガ型ホトレジスト組成物を調製した。
上記合成例1で得た酸発生剤(B−1)、および比較例1で用いた酸発生剤(B−2)について、その溶解性を以下のようにして評価した。その結果を表1に示す。
<溶解性>
5質量%〜1質量%まで1質量%刻みで濃度を変化させて、各酸発生剤のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を調整した。調整後、各溶液を攪拌して各酸発生剤が完全に溶解している濃度を測定した。
まず、5インチの銅スパッタリングウェーハ上に、スピンナーを用いて、膜厚約30μmとなるように化学増幅型ネガ型ホトレジスト組成物を塗布し、110℃で6分間ホットプレート上でプリベークを行ってレジスト層積層体を形成した。次いで、解像度測定用のパターンマスクを介して、ステッパー(キャノン社製、Canon PLA−501F、ghi線マルチ、ハードコンタクト)を用いて、100〜10,000mJ/cm2の範囲で段階的に紫外線露光を行った。露光後、130℃で4分間のPEB(露光後加熱)を行い、これを、現像液(2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液)で7分間現像した。この後、流水洗浄し、窒素ブローしてレジストパターンを得た。その感度、パターン形状、残膜率を以下のようにして評価した。その結果を表2に示す。
なお、本評価の露光にはg線(436nm)、h線(405nm)、i線(365nm)混合光を用いたが、本発明の組成物はi線(365nm)に対する感度が高く、i線(365nm)単独の露光でも同様の効果が得られた。
現像後、ライン幅40μmの密着レジストラインパターンが残る露光量を測定した。
<パターン形状>
光学顕微鏡または電子顕微鏡を用いて、形成されたレジストパターンの形状を観察し、下記の評価基準で判定した。
○:形成されたレジストパターンの形状が矩形
×:形成されたレジストパターンの形状が逆台形形状(丸括弧内の数字はパターンと基板との接触角を表す)
<残膜率>
形成されたレジストパターンの膜厚を測定し、現像前の膜厚に対して膜が残っている割合を残膜率として計算した。
Claims (9)
- 下記一般式(B1)で表される化合物。
- 前記X−が、フッ素化アルキルイオンである請求項1記載の化合物。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物からなる酸発生剤。
- (a)酸によりアルカリ溶解性が変化する樹脂、および(b)放射線照射により酸を発生する化合物を含有する化学増幅型ホトレジスト組成物であって、
前記(b)放射線照射により酸を発生する化合物が、請求項4記載の酸発生剤を含有することを特徴とする化学増幅型ホトレジスト組成物。 - 365nm以上の波長の放射線用である請求項5記載の化学増幅型ホトレジスト組成物。
- 支持体上に、請求項5または6記載の化学増幅型ホトレジスト組成物からなるレジスト層が積層されていることを特徴とするレジスト層積層体。
- 前記支持体が、レジスト層側の表面の少なくとも一部に銅が用いられている支持体である請求項7記載のレジスト層積層体。
- 支持体上に化学増幅型ホトレジスト組成物からなるレジスト層を積層して請求項7または8記載のレジスト層積層体を得る積層工程と、該レジスト層積層体に選択的に放射線を照射する露光工程と、該露光工程後に現像してレジストパターンを得る現像工程とを含むことを特徴とするレジストパターン形成方法。
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