JP4318944B2 - 厚膜用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物、厚膜ホトレジスト積層体、厚膜レジストパターンの製造方法及び接続端子の製造方法 - Google Patents
厚膜用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物、厚膜ホトレジスト積層体、厚膜レジストパターンの製造方法及び接続端子の製造方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、厚膜用ポジ型化学増幅型ホトレジスト組成物、厚膜ホトレジスト積層体、厚膜レジストパターンの製造方法及び接続端子の製造方法に関するものである。さらに詳しくは、本発明は、回路基板の製造や、回路基板に実装するCSP(チップサイズパッケージ)等の電子部品の製造において、バンプやメタルポストなどの接続端子、配線パターン等の形成に好適に用いられる厚膜用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物、厚膜ホトレジスト積層体、厚膜レジストパターンの製造方法及び接続端子の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、精密微細加工技術の主流となっているホトファブリケーションとは、感光性樹脂組成物を加工物表面に塗布して塗膜を形成し、ホトリソグラフィー技術によって塗膜をパターニングし、これをマスクとして化学エッチング、電解エッチング及び/又は電気メッキを主体とするエレクトロフォーミングを行って、半導体パッケージ等の各種精密部品を製造する技術の総称である。
近年、電子機器のダウンサイジングに伴い、半導体パッケージの高密度実装技術が進み、パッケージの多ピン薄膜実装化、パッケージサイズの小型化、フリップチップ方式による2次元実装技術、3次元実装技術に基づいた実装密度の向上が図られている。このような高密度実装技術においては、接続端子として、例えば、パッケージ上に突出したバンプ等の突起電極(実装端子)や、ウエーハ上のペリフェラル端子から延びる再配線と実装端子とを接続するメタルポストなどが基板上に高精度に配置される。
【0003】
上記のようなホトファブリケーションに使用される材料として厚膜用ホトレジストがある。厚膜用ホトレジストは、厚膜ホトレジスト層を形成するものであり、例えば、メッキ工程によるバンプやメタルポストの形成などに用いられている。バンプやメタルポストは、例えば、支持体上に膜厚約20μmの厚膜ホトレジスト層を形成し、所定のマスクパターンを介して露光し、現像して、バンプやメタルポストを形成する部分が選択的に除去(剥離)されたレジストパターンを形成し、この除去された部分(非レジスト部)に銅などの導体をメッキによって埋め込んだ後、その周囲のレジストパターンを除去することにより形成することができる。
厚膜用ホトレジストとしては、パンプ形成用や配線形成用として用いられるキノンジアジド基含有化合物を有するポジ型感光性樹脂組成物が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
一方、従来のキノンジアジド基含有化合物を有するポジ型感光性樹脂組成物よりも高感度な感光性樹脂組成物として、酸発生剤を含む化学増幅型ホトレジストが知られている。化学増幅型ホトレジストの特徴は、放射線照射(露光)により、酸発生剤から酸が発生し、露光後の加熱処理により酸の拡散が促進されて、樹脂組成物中のベース樹脂等に対し酸触媒反応を起こし、そのアルカリ溶解性を変化させることである。
化学増幅型レジストには、放射線照射により、アルカリ不溶であったものがアルカリ可溶化するポジ型と、アルカリ可溶であったものがアルカリ不溶化するネガ型とがある。これらのうち、ポジ型のものとしてメッキ用化学増幅型ホトレジスト組成物が開示されている(例えば、特許文献2、特許文献3参照。)。
【0005】
上記のような厚膜用ホトレジスト組成物に対する要求項目としては、10μm以上の膜厚が形成できること、基板に対する密着性を有すること、バンプを形成するためのメッキを行う際に、耐メッキ液性およびメッキ液に対する良好な濡れ性を有していること、メッキによって得られる金属組成物がレジストパターンの形状に対応していること、メッキ処理後に剥離液により容易に剥離されること等である。また、メッキ技術の高度化により、複数回のメッキ工程や、より厳しい条件でのメッキ工程が必要になり、複数回のメッキ工程にも耐えられるような、メッキ工程そのものに対する耐性も求められている。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−258479号公報
【特許文献2】
特開2001−281862号公報
【特許文献3】
特開2001−281863号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献2及び3に記載された従来の化学増幅型レジスト組成物を使用して厚膜レジスト層を作成した場合、ホトレジスト組成物のメッキに対する応力耐性が十分でないために、メッキ処理により得られる金属層が膨らみ、良好なメッキ生成物のパターンを得ることが困難であった。また、耐メッキ液性も十分でなく、メッキ工程中やメッキ処理後の洗浄中のレジストに欠けやクラックが生じ、複数回のメッキ工程を同じレジストパターンで行うのは困難であった(耐メッキ性に劣る。)。
また、特許文献1に記載された耐メッキ性に優れたナフトキノンジアジド基含有化合物を有する感光性樹脂組成物では、より高感度にすることが困難であった。
【0008】
本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、メッキによる生成物の形状が良好でかつ安定し、応力耐性、耐メッキ液性、及び耐メッキ性に優れ、接続端子等の製造に好適な厚膜用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物、厚膜ホトレジスト積層体、これを用いた厚膜レジストパターンの製造方法及び接続端子の製造方法を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、ポジ型の厚膜用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物において、酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大する樹脂として、特定の構造の構成単位を有する樹脂を用いることによって、上記課題を解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明の第一の発明は、支持体上に、膜厚10〜150μmの厚膜ホトレジスト層を形成するために用いられる厚膜用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物であって、(A)活性光線又は放射線照射により酸を発生する化合物、(B)酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大する樹脂、及び(C)アルカリ可溶性樹脂(下記一般式(1)で表される構成単位を含む共重合体からなる樹脂を除く。)を含有し、前記(B)成分が、(b1)下記一般式(1):
【0011】
【化2】
(式中、R1は水素原子又はメチル基、R2はメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、又は直鎖状若しくは枝分かれ状のペンチル基を示し、Xはそれが結合している炭素原子と共に炭素数5乃至20の炭化水素環を形成する。)
【0012】
本発明の第二の発明は、支持体と、前記厚膜用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物からなる膜厚10〜150μmの厚膜ホトレジスト層とが積層されていることを特徴とする厚膜ホトレジスト積層体である。
【0013】
本発明の第三の発明は、前記厚膜ホトレジスト積層体を得る積層工程と、該厚膜ホトレジスト積層体に選択的に活性光線又は放射線を照射する露光工程と、該露光工程後に現像して厚膜レジストパターンを得る現像工程とを含むことを特徴とする厚膜レジストパターンの製造方法である。
【0014】
本発明の第四の発明は、前記厚膜レジストパターン製造方法を用いて得られる厚膜レジストパターンの非レジスト部に、導体からなる接続端子を形成する工程を含むことを特徴とする接続端子の製造方法である。
【0015】
なお、「構成単位」とは、重合体を構成するモノマー単位を示す。また、(メタ)アクリル酸とは、メタクリル酸、アクリル酸の一方または両方を示す。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
(A)活性光線又は放射線照射により酸を発生する化合物:
本発明に用いられる(A)活性光線又は放射線照射により酸を発生する化合物(以下、(A)成分という。)は、酸発生剤であり、光により直接若しくは間接的に酸を発生する化合物であれば特に限定されない。
具体的には、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−ピペロニル−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(2−フリル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(5−メチル−2−フリル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(5−エチル−2−フリル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(5−プロピル−2−フリル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(3,5−ジメトキシフェニル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(3,5−ジエトキシフェニル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(3,5−ジプロポキシフェニル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(3−メトキシ−5−エトキシフェニル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(3−メトキシ−5−プロポキシフェニル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(3,4−メチレンジオキシフェニル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−s−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(3−ブロモ−4メトキシ)フェニル−s−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(2−ブロモ−4メトキシ)フェニル−s−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(2−ブロモ−4メトキシ)スチリルフェニル−s−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(3−ブロモ−4メトキシ)スチリルフェニル−s−トリアジン、2‐(4‐メトキシフェニル)‐4,6‐ビス(トリクロロメチル)‐1,3,5‐トリアジン、2‐(4‐メトキシナフチル)‐4,6‐ビス(トリクロロメチル)‐1,3,5‐トリアジン、2‐[2‐(2‐フリル)エテニル]‐4,6‐ビス(トリクロロメチル)‐1,3,5‐トリアジン、2‐[2‐(5‐メチル‐2‐フリル)エテニル]‐4,6‐ビス(トリクロロメチル)‐1,3,5‐トリアジン、2‐[2‐(3,5‐ジメトキシフェニル)エテニル]‐4,6‐ビス(トリクロロメチル)‐1,3,5‐トリアジン、2‐[2‐(3,4‐ジメトキシフェニル)エテニル]‐4,6‐ビス(トリクロロメチル)‐1,3,5‐トリアジン、2‐(3,4‐メチレンジオキシフェニル)‐4,6‐ビス(トリクロロメチル)‐1,3,5‐トリアジン、トリス(1,3‐ジブロモプロピル)‐1,3,5‐トリアジン、トリス(2,3‐ジブロモプロピル)‐1,3,5‐トリアジン等のハロゲン含有トリアジン化合物およびトリス(2,3‐ジブロモプロピル)イソシアヌレート等の下記の一般式(2)で表されるハロゲン含有トリアジン化合物;
【0017】
【化3】
【0018】
(式中、R3〜R5は、それぞれ同一であっても異なってもよく、ハロゲン化アルキル基を示す)
【0019】
α−(p−トルエンスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−2,4−ジクロロフェニルアセトニトリル、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−2,6−ジクロロフェニルアセトニトリル、α−(2−クロロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、下記一般式(3)で表される化合物;
【0020】
【化4】
【0021】
(式中、R6は、一価〜三価の有機基、R7は置換、未置換の飽和炭化水素基、不飽和炭化水素基または芳香族性化合物基を示し、nは1〜3の自然数を示す。ここで芳香族性化合物基とは、芳香族化合物に特有な物理的・化学的性質を示す化合物の基を指し、例えばフェニル基、ナフチル基などの芳香族炭化水素基や、フリル基、チエニル基などの複素環基が挙げられる。これらは環上に適当な置換基、例えばハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基などを1個以上有していてもよい。また、R7は炭素数1〜4のアルキル基が特に好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が挙げられる。特にR6が芳香族性化合物基、R7が低級アルキル基の化合物が好ましい。上記一般式で表わされる酸発生剤としては、n=1の時、R6がフェニル基、メチルフェニル基、メトキシフェニル基のいずれかであって、R7がメチル基の化合物、具体的にはα−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−フェニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−(p−メチルフェニル)アセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−(p−メトキシフェニル)アセトニトリルが挙げられる。n=2の時、上記一般式で表わされる酸発生剤としては、具体的には下記化学式で表される酸発生剤が挙げられる。)
【0022】
【化5】
【0023】
ビス(p‐トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1,1‐ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4‐ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン等のビススルホニルジアゾメタン類;p‐トルエンスルホン酸2‐ニトロベンジル、p‐トルエンスルホン酸2,6‐ジニトロベンジル、ニトロベンジルトシレート、ジニトロベンジルトシレート、ニトロベンジルスルホネート、ニトロベンジルカルボネート、ジニトロベンジルカルボネート等のニトロベンジル誘導体;ピロガロールトリメシレート、ピルガロールトリトシレート、ベンジルトシレート、ベンジルスルホネート、N−メチルスルホニルオキシスクシンイミド、N−トリクロロメチルスルホニルオキシスクシンイミド、N−フェニルスルホニルオキシマレイミド、N−メチルスルホニルオキシフタルイミド等のスルホン酸エステル;N−ヒドロキシフタルイミド、N−ヒドロキシナフタルイミド等のトリフルオロメタンスルホン酸エステル;ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロフォスフェート、(4‐メトキシフェニル)フェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(p‐tert‐ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロフォスフェート、(4‐メトキシフェニル)ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、(p‐tert‐ブチルフェニル)ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート等のオニウム塩;ベンゾイントシレート、α‐メチルベンゾイントシレートなどのベンゾイントシレート類;その他のジフェニルヨードニウム塩、トリフェニルスルホニウム塩、フェニルジアゾニウム塩、ベンジルカルボネート等が挙げられる。
【0024】
前記の中でも、(A)成分として、一般式(4):
R−SO2O−N=C(CN)− (4)
(式中、Rは置換もしくは無置換の、例えば炭素数1〜8のアルキル基またはアリール基である)
で表されるオキシムスルホネート基を少なくとも2個有する化合物、とくに一般式(5):
R−SO2O−N=C(CN)−A−C(CN)=N−OSO2−R (5)(式中、Aは二価の、例えば置換または未置換の炭素数1〜8のアルキレン基または芳香族性化合物基であり、Rは置換もしくは無置換の、例えば炭素数1〜8のアルキル基またはアリール基である)
で表される化合物が好ましい。ここで芳香族性化合物基とは、芳香族化合物に特有な物理的・化学的性質を示す化合物の基を指し、例えばフェニル基、ナフチル基などの芳香族炭化水素基や、フリル基、チエニル基などの複素環基が挙げられる。これらは環上に適当な置換基、例えばハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基などを1個以上有していてもよい。さらに前記一般式においてAがフェニレン基、Rが例えば炭素数1〜4の低級アルキル基であるのがさらに好ましい。
【0025】
この(A)成分は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
その配合量は、(B)成分と(C)成分との合計質量100質量部に対し、0.1〜20質量部、好ましくは0.2〜10質量部とされる。0.1質量部以上とすることにより、十分な感度が得られる様になり、20質量部以下とすることにより溶剤に対する溶解性がよく、均一な溶液が得られ、保存安定性が向上する傾向がある。
【0026】
(B)酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大する樹脂:
本発明の厚膜用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物に用いられる(B)酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大する樹脂(以下、(B)成分という。)は、(b1)下記一般式(1):
【化6】
(式中、R1は水素原子又はメチル基、R2は低級アルキル基を示し、Xはそれが結合している炭素原子と共に炭素数5乃至20の炭化水素環を形成する。)
で表される構成単位(以下、(b1)単位という。)を含む共重合体からなる樹脂である。
【0027】
(b1)単位:
(イ)単位は、上記一般式(1)で表される構成単位である。
上記一般式(1)において、R1は水素原子又はメチル基である。
R2で示される低級アルキル基は、直鎖状及び枝分かれ状のいずれであってもよく、その例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、各種ペンチル基などが挙げられるが、これらの中で、高コントラストで、解像度、焦点深度幅などが良好な点から、炭素数2〜4の低級アルキル基が好適である。
【0028】
また、Xはそれが結合している炭素原子と共に炭素数5乃至20の単環式または多環式の炭化水素環を形成する。
単環式炭化水素環としては、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等を例示することができる。
多環式炭化水素環としては2環式炭化水素環、3環式炭化水素環、4環式炭化水素環等を例示できる。具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等の多環式炭化水素環などが挙げられる。
Xが、それが結合している炭素原子と共に形成する、炭素数5乃至20の炭化水素環としては、上記のうち特にシクロヘキサン環、およびアダマンタン環が好ましい。
【0029】
このような、上記一般式(1)で表される構成単位の好ましい具体例としては、下記のものを挙げることができる。
【0030】
【化7】
【0031】
【化8】
【0032】
【化9】
【0033】
(b1)単位としては、上記一般式(1)で表される構成単位のうち1種を用いてもよいが、構造の異なる2種以上の構成単位を用いてもよい。
【0034】
さらに、(B)成分は、前記(b1)構成単位、および(b2)エーテル結合を有する重合性化合物から誘導された構成単位を含む共重合体からなる樹脂であることが好ましい。(b2)成分を含むことによって、現像時の基板との密着性、耐メッキ液性が良好となる。
【0035】
(b2)単位:
(b2)単位は、エーテル結合を有する重合性化合物から誘導された構成単位である。
エーテル結合を有する重合性化合物としては、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等のエーテル結合およびエステル結合を有する(メタ)アクリル酸誘導体等のラジカル重合性化合物を例示することができ、好ましくは、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレートである。これらの化合物は単独もしくは2種以上組み合わせて使用できる。
【0036】
さらに、(B)成分には、物理的、化学的特性を適度にコントロールする目的で他の重合性化合物をモノマーとして含むことができる。ここで「他の重合性化合物」とは、前出の(b1)単位および(b2)単位以外の重合性化合物の意味である。この様な重合性化合物としては、公知のラジカル重合性化合物や、アニオン重合性化合物が挙げられる。例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などのモノカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などのジカルボン酸、2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸、2−メタクリロイルオキシエチルマレイン酸、2−メタクリロイルオキシエチルフタル酸、2−メタクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸などのカルボキシル基およびエステル結合を有するメタクリル酸誘導体等のラジカル重合性化合物;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル類;フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸アリールエステル類;マレイン酸ジエチル、フマル酸ジブチルなどのジカルボン酸ジエステル類;スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、クロロメチルスチレン、ビニルトルエン、ヒドロキシスチレン、α−メチルヒドロキシスチレン、α−エチルヒドロキシスチレンなどのビニル基含有芳香族化合物;酢酸ビニルなどのビニル基含有脂肪族化合物;ブタジエン、イソプレンなどの共役ジオレフィン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのニトリル基含有重合性化合物;塩化ビニル、塩化ビニリデンなどの塩素含有重合性化合物;アクリルアミド、メタクリルアミドなどのアミド結合含有重合性化合物を挙げることができる。
【0037】
(B)成分中における(b1)単位の含有量は、10〜90質量%が好ましく、さらに好ましくは30〜70質量%がよい。90質量%を超えると、感度が低下する傾向があり、10質量%未満では残膜率が低下する傾向がある。
【0038】
(B)成分中における(b2)単位の含有量は、10〜90質量%が好ましく、さらに好ましくは30〜70質量%がよい。90質量%を超えると、残膜率が低下する傾向があり、10質量%未満では現像時の基板との密着性、耐メッキ液性が悪化する傾向がある。
【0039】
また、(B)成分のポリスチレン換算質量平均分子量(以下、質量平均分子量という。)は、好ましくは10,000〜600,000であり、より好ましくは50,000〜600,000であり、さらに好ましくは230,000〜550,000である。質量平均分子量が600,000を超えると剥離性が低下する。質量平均分子量が10,000より小さいとレジスト膜が十分な強度を得られず、メッキ時のプロファイルの膨れ、クラックの発生を引き起こすおそれがある。また、質量平均分子量が230,000より小さいとクラック耐性が低下する傾向がある。
(B)成分は、上記(b1)単位を有するため、露光前後のアルカリに対する溶解変化(コントラスト)が高い。
【0040】
さらに、(B)成分は分散度が1.05以上の樹脂であることが好ましい。ここで、分散度とは、質量平均分子量を数平均分子量で除した値のことである。分散度が1.05より小さいと、メッキに対する応力耐性が弱くなり、メッキ処理により得られる金属層が膨らみやすくなるため好ましくない。
【0041】
上記(B)成分の配合量は、(B)成分及び(C)成分の合計質量100質量部に対し、5〜95質量部、好ましくは10〜90質量部とされる。5質量部以上とすることにより、メッキ時にクラックが発生しにくくなるため好ましく、95質量部以下とすることにより感度が向上する傾向があるため好ましい。
【0042】
(C)アルカリ可溶性樹脂:
本発明の厚膜用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物に用いられる(C)アルカリ可溶性樹脂(前記一般式(1)で表される構成単位を含む共重合体からなる樹脂を除く。)(以下、(C)成分という。)としては、従来化学増幅型レジストにおけるアルカリ可溶性樹脂として公知のものの中から任意のものを適宜選択して用いることができる。これらのうち、特に、(c1)ノボラック樹脂、(c2)ヒドロキシスチレン構成単位とスチレン構成単位とを有する共重合体、及び(c3)アクリル樹脂から選ばれる1種以上の樹脂を含有することが好ましく、さらに、(c1)ノボラック樹脂及び/または(c2)ヒドロキシスチレン構成単位とスチレン構成単位との共重合体を含有することが好ましい。これは、塗布性、現像速度を制御することが容易であるからである。
【0043】
(c1)ノボラック樹脂:
(c1)成分であるノボラック樹脂は、例えばフェノール性水酸基を持つ芳香族化合物(以下、単に「フェノール類」という。)とアルデヒド類とを酸触媒下で付加縮合させることにより得られる。
この際、使用されるフェノール類としては、例えばフェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール、o−ブチルフェノール、m−ブチルフェノール、p−ブチルフェノール、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、2,3,5−トリメチルフェノール、3,4,5−トリメチルフェノール、p−フェニルフェノール、レゾルシノール、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、ピロガロール、フロログリシノール、ヒドロキシジフェニル、ビスフェノールA、没食子酸、没食子酸エステル、α−ナフトール、β−ナフトール等が挙げられる。
またアルデヒド類としては、例えばホルムアルデヒド、フルフラール、ベンズアルデヒド、ニトロベンズアルデヒド、アセトアルデヒド等が挙げられる。
【0044】
付加縮合反応時の触媒は、特に限定されるものではないが、例えば酸触媒では、塩酸、硝酸、硫酸、蟻酸、蓚酸、酢酸等が使用される。
特に、フェノール類としてm−クレゾールのみを用いたノボラック樹脂は、現像プロファイルが特に良好であり好ましい。
【0045】
(c2)ヒドロキシスチレン構成単位とスチレン構成単位とを有する共重合体:
本発明に用いられる(c2)成分は、少なくともヒドロキシスチレン構成単位とスチレン構成単位とを有する共重合体である。すなわち、ヒドロキシスチレン構成単位とスチレン構成単位とからなる共重合体や、ヒドロキシスチレン構成単位及びスチレン構成単位とそれら以外の構成単位とからなる共重合体である。
【0046】
ヒドロキシスチレン構成単位としては、例えば、p−ヒドロキシスチレン等のヒドロキシスチレン、α−メチルヒドロキシスチレン、α−エチルヒドロキシスチレン等のα−アルキルヒドロキシスチレン等のヒドロキシスチレン構成単位が挙げられる。
スチレン構成単位としては、例えば、スチレン、クロロスチレン、クロロメチルスチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等が挙げられる。
【0047】
(c3)アクリル樹脂:
(c3)成分であるアクリル樹脂は、アルカリ可溶性のアクリル樹脂であれば特に限定されないが、特に、エーテル結合を有する重合性化合物から誘導された構成単位、およびカルボキシル基を有する重合性化合物から誘導された構成単位を含有するものが好ましい。
エーテル結合を有する重合性化合物としては、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等のエーテル結合及びエステル結合を有する(メタ)アクリル酸誘導体等を例示することができ、好ましくは、2−メトキシエチルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレートである。これらの化合物は単独もしくは2種以上組み合わせて使用できる。
【0048】
カルボキシル基を有する重合性化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などのモノカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などのジカルボン酸、2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸、2−メタクリロイルオキシエチルマレイン酸、2−メタクリロイルオキシエチルフタル酸、2−メタクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸などのカルボキシル基及びエステル結合を有する化合物等を例示することができ、好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸である。これらの化合物は単独もしくは2種以上組み合わせて使用できる。
【0049】
本発明の厚膜用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物には、上記(A)〜(C)成分に加えて、(c4)ビニル樹脂を含有させてもよい。
(c4)ビニル樹脂:
(c4)成分であるビニル樹脂は、ポリ(ビニル低級アルキルエーテル)であり、下記一般式(6)で表されるビニル低級アルキルエーテルの単独または2種以上の混合物を重合することにより得られる(共)重合体からなる。
【0050】
【化10】
【0051】
(上記一般式(6)において、R8 は炭素数1〜5の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基を示す。)
【0052】
一般式(6)において、炭素数1〜5の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、n−ペンチル基、i−ペンチル基等を挙げることができる。これらのアルキル基のうち、メチル基、エチル基、i−ブチル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。本発明において、特に好ましいポリ(ビニル低級アルキルエーテル)は、ポリ(ビニルメチルエーテル)である。
【0053】
上記(C)成分の配合量は、(B)成分及び(C)成分の合計質量100質量部に対し、5〜95質量部、好ましくは10〜90質量部とされる。5質量部以上とすることにより、クラック耐性を向上させることができ、95質量部以下とすることにより現像時の膜減りを防ぐことができる傾向がある。
【0054】
(D)酸拡散制御剤:
本発明の厚膜用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物には、レジストパターン形状、引き置き安定性等の向上のために、さらに(D)酸拡散制御剤(以下、(D)成分という。)を含有させることが好ましい。
(D)成分としては、従来化学増幅型レジストにおける酸拡散制御剤として公知のものの中から任意のものを適宜選択して用いることができる。特に、(d1)含窒素化合物を含有させることが好ましく、さらに必要に応じて、(d2)有機カルボン酸又はリンのオキソ酸若しくはその誘導体を含有させることができる。
【0055】
(d1)含窒素化合物:
(d1)成分である含窒素化合物としては、例えば、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリベンジルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、エチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノジフェニルアミン、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピオンアミド、ベンズアミド、ピロリドン、N−メチルピロリドン、メチルウレア、1,1−ジメチルウレア、1,3−ジメチルウレア、1,1,3,3−テトラメチルウレア、1,3−ジフェニルウレア、イミダゾール、ベンズイミダゾール、4−メチルイミダゾール、8−オキシキノリン、アクリジン、プリン、ピロリジン、ピペリジン、2,4,6−トリ(2−ピリジル)−S−トリアジン、モルホリン、4−メチルモルホリン、ピペラジン、1,4−ジメチルピペラジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等を挙げることができる。
これらのうち、特にトリエタノールアミンのようなアルカノールアミンが好ましい。
これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(d1)成分は(B)成分及び(C)成分の合計質量100質量%に対して、通常0〜5質量%の範囲で用いられ、特に0〜3質量%の範囲で用いられることが好ましい。
【0056】
(d2)有機カルボン酸又はリンのオキソ酸若しくはその誘導体:
有機カルボン酸としては、例えば、マロン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、安息香酸、サリチル酸などが好適であり、特にサリチル酸が好ましい。
リンのオキソ酸若しくはその誘導体としては、リン酸、リン酸ジ‐n‐ブチルエステル、リン酸ジフェニルエステルなどのリン酸又はそれらのエステルのような誘導体、ホスホン酸、ホスホン酸ジメチルエステル、ホスホン酸‐ジ‐n‐ブチルエステル、フェニルホスホン酸、ホスホン酸ジフェニルエステル、ホスホン酸ジベンジルエステルなどのホスホン酸及びそれらのエステルのような誘導体、ホスフィン酸、フェニルホスフィン酸などのホスフィン酸及びそれらのエステルのような誘導体が挙げられ、これらの中で特にホスホン酸が好ましい。
これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(d2)成分は、(B)成分及び(C)成分の合計質量100質量%に対して、通常0〜5質量%の範囲で用いられ、特に0〜3質量%の範囲で用いられることが好ましい。
また、(d2)成分は、(d1)成分に対して同量用いられることが好ましい。これは、(d2)成分と(d1)成分とが塩を形成して安定化するためである。
【0057】
本発明の厚膜用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物には、本質的な特性を損なわない範囲で、さらに所望により混和性のある添加物、例えばレジスト膜の性能を改良するための付加的樹脂、可塑剤、接着助剤、安定剤、着色剤、界面活性剤などの慣用されているものを添加含有させることができる。
【0058】
さらに、本発明の厚膜用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物は、粘度調整のため有機溶剤を適宜配合することができる。前記有機溶剤としては具体的には、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソアミルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン類;エチレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアセテート、ジプロピレングリコール又はジプロピレングリコールモノアセテートのモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル又はモノフェニルエーテルなどの多価アルコール類及びその誘導体;ジオキサンのような環式エーテル類;及び乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類を挙げることができる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
【0059】
例えばスピンコート法を用いて、好ましくは10μm以上の膜厚を得るためには、これらの溶剤の使用量は、厚膜用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物における固形分濃度が30質量%から65質量%になる範囲とすることが好ましい。固形分濃度が30質量%未満の場合は、接続端子の製造に好適な厚膜を得ることが困難であり、65質量%を超えると組成物の流動性が著しく悪化し、取り扱いが困難な上、スピンコート法では、均一なレジストフィルムが得られにくい。
【0060】
本発明の厚膜用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物の調製は、例えば、上記各成分を通常の方法で混合、攪拌するだけでよく、必要に応じディゾルバー、ホモジナイザー、3本ロールミルなどの分散機を用い分散、混合させてもよい。また、混合した後で、さらにメッシュ、メンブレンフィルターなどを用いてろ過してもよい。
【0061】
本発明の厚膜用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物は、支持体上に、10〜150μm、より好ましくは20〜120μm、さらに好ましくは20〜80μmの膜厚の厚膜ホトレジスト層を形成するのに適している。
【0062】
次に、本発明の厚膜ホトレジスト積層体は、支持体上に前記厚膜用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物からなる厚膜ホトレジスト層が積層されているものである。
支持体としては、特に限定されず、従来公知のものを用いることができ、例えば、電子部品用の基板や、これに所定の配線パターンが形成されたものなどを例示することができる。該基板としては、例えば、シリコン、窒化シリコン、チタン、タンタル、パラジウム、チタンタングステン、銅、クロム、鉄、アルミニウムなどの金属製の基板やガラス基板などが挙げられる。配線パターンの材料としては、例えば銅、ハンダ、クロム、アルミニウム、ニッケル、金などが用いられる。
【0063】
上記のような厚膜ホトレジスト積層体は、例えば以下のようにして製造することができる。
すなわち、上述したように調製した厚膜用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物の溶液を支持体上に塗布し、加熱により溶媒を除去することによって所望の塗膜を形成する。被処理支持体上への塗布方法としては、スピンコート法、スリットコート法、ロールコート法、スクリーン印刷法、アプリケーター法などの方法を採用することができる。本発明の組成物の塗膜のプレベーク条件は、組成物中の各成分の種類、配合割合、塗布膜厚などによって異なるが、通常は70〜150℃で、好ましくは80〜140℃で、2〜60分間程度である。
【0064】
本発明の厚膜ホトレジスト層の膜厚は、10〜150μm、好ましくは20〜120μm、より好ましくは20〜80μmの範囲であることが望ましい。
【0065】
そして、このようにして得られた厚膜ホトレジスト積層体を用いてレジストパターンを形成するには、得られた厚膜ホトレジスト層に、所定のパターンのマスクを介して、活性光線または放射線、例えば波長が300〜500nmの紫外線または可視光線を選択的に照射(露光)する。
ここで活性光線とは、酸を発生するために酸発生剤を活性化させる光線を意味する。放射線の線源としては、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、アルゴンガスレーザーなどを用いることができる。ここで放射線とは、紫外線、可視光線、遠紫外線、X線、電子線、イオン線などを意味する。放射線照射量は、組成物中の各成分の種類、配合量、塗膜の膜厚などによって異なるが、例えば超高圧水銀灯使用の場合、100〜10,000mJ/cm2である。
【0066】
そして、露光後、公知の方法を用いて加熱することにより酸の拡散を促進させて、この露光部分の厚膜ホトレジスト層のアルカリ溶解性を変化させる。
ついで、例えば、所定のアルカリ性水溶液を現像液として用いて、不要な部分を溶解、除去して所定のレジストパターンを得る。現像液としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノナンなどのアルカリ類の水溶液を使用することができる。また前記アルカリ類の水溶液にメタノール、エタノールなどの水溶性有機溶媒や界面活性剤を適当量添加した水溶液を現像液として使用することもできる。
現像時間は、組成物各成分の種類、配合割合、組成物の乾燥膜厚によって異なるが、通常1〜30分間であり、また現像の方法は液盛り法、ディッピング法、パドル法、スプレー現像法などのいずれでも良い。現像後は、流水洗浄を30〜90秒間行い、エアーガンや、オーブンなどを用いて乾燥させる。
【0067】
そして、このようにして得られたレジストパターンの非レジスト部(アルカリ現像液で除去された部分)に、例えばメッキなどによって金属などの導体を埋め込むことにより、メタルポストやバンプ等の接続端子を形成することができる。なお、メッキ処理方法はとくに制限されず、従来から公知の各種方法を採用することができる。メッキ液としては、とくにハンダメッキ、銅メッキ、金メッキ、ニッケルメッキ液が好適に用いられる。
残っているレジストパターンは、最後に、定法に従って、剥離液等を用いて除去する。
【0068】
【実施例】
以下本発明の実施例を説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。また、特記しない限り、部は質量部、%は質量%を示す。
[合成例1]
<(B−1)酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大する樹脂の合成>
攪拌装置、還流器、温度計、滴下槽のついたフラスコを窒素置換した後、溶媒としてプロピレングリコールメチルエーテルアセテートを仕込み、攪拌を始めた。その後、溶剤の温度を80℃まで上昇させた。滴下槽に重合触媒として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、(b1)として1−エチルシクロヘキシルメタクリレート構成単位20質量%、および(b2)として2−エトキシエチルアクリレート構成単位80質量%を仕込み、重合触媒が溶解するまで攪拌した後、この溶液をフラスコ内に3時間均一滴下し、引き続き80℃で5時間重合を行った。その後、室温まで冷却し、質量平均分子量350,000の樹脂(B−1)を得た。
【0069】
[合成例2]
<(B−2)酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大する樹脂の合成>
(b1)として1−エチルシクロヘキシルメタクリレート構成単位50質量%、および(b2)として2−エトキシエチルアクリレート構成単位50質量%とを用いたほかは、合成例1と同様にして質量平均分子量350,000の樹脂(B−2)を得た。
[合成例3]
<(B−3)酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大する樹脂の合成>
(b1)として1−エチルシクロヘキシルメタクリレート構成単位80質量%、および(b2)として2−エトキシエチルアクリレート構成単位20質量%とを用いたほかは、合成例1と同様にして質量平均分子量350,000の樹脂(B−3)を得た。
【0071】
[合成例7]
<(B−7)酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大する樹脂の合成>
(b1)として1−エチルシクロヘキシルメタクリレート構成単位50質量%、および(b2)として2−エトキシエチルアクリレート構成単位50質量%とを用いたほかは、合成例1と同様にして質量平均分子量50,000の樹脂(B−7)を得た。
[合成例8]
<(B−8)酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大する樹脂の合成>
(b1)として1−エチルシクロヘキシルメタクリレート構成単位50質量%、および(b2)として2−エトキシエチルアクリレート構成単位50質量%とを用いたほかは、合成例1と同様にして質量平均分子量500,000の樹脂(B−7)を得た。
【0072】
[合成例9]
<(c1)ノボラック樹脂の合成>
m−クレゾールとp−クレゾールとを質量比60:40の割合で混合し、これにホルマリンを加え、シュウ酸触媒を用いて常法により縮合してクレゾールノボラック樹脂を得た。この樹脂に対して分別処理を施し、低分子領域をカットして質量平均分子量15,000のノボラック樹脂を得た。この樹脂を(C−1)とする。
[合成例10]
<(c2)ヒドロキシスチレン構成単位とスチレン構成単位とを有する共重合体の合成>
構成単位として、ヒドロキシスチレン単位75質量%とスチレン単位25質量%とを用いたほかは、合成例1と同様にして、質量平均分子量3,000の樹脂(C−2)を得た。
[合成例11]
<(c3)アクリル樹脂の合成>
構成単位として、2−メトキシエチルアクリレート130質量部、ベンジルメタクリレート50質量部、およびアクリル酸20質量部を用いたほかは、合成例1と同様にして、質量平均分子量250,000の樹脂(C−3)を得た。
[合成例12]
<(c4)ビニル樹脂の合成>
ポリ(ビニルメチルエーテル)(質量平均分子量50,000)のメタノール溶液(東京化成工業(株)製、濃度50質量%)をロータリーエバポレーターを用いてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶媒置換して、濃度50質量%の溶液として(C−4)を得た。
【0073】
[実施例1〜3、実施例4(参考例)、実施例5〜10]
<厚膜用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物の調整>
表1に示す各成分をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに混合して均一溶液とした後、孔径1μmのメンブレンフィルターをとおして濾過し、厚膜用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物を得た。
(A)成分である酸発生剤としては、以下の2種類を用いた。
(A−1):(5−プロピルスルホニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)−(2−メチルフェニル)アセトニトリル
(A−2):下記[化11]で表される化合物
【0074】
【化11】
【0075】
また、表1において、(D−1)はサリチル酸を表し、(D−2)はトリエタノールアミンを表す。なお、表1中の数値は各成分の質量部を表わす。
【0076】
【表1】
【0077】
[比較例1]
<厚膜用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物の調整>
(A)酸発生剤:上記[化11]で表される化合物 ;3質量部
(B)成分:ヒドロキシスチレン単位67モル%とスチレン単位22モル%と1−エチルシクロヘキシルメタクリレート単位11モル%とからなる質量平均分子量8,000の共重合体67質量部と、ヒドロキシスチレン単位67モル%とスチレン単位29モル%と、1−エチルシクロヘキシルメタクリレート4モル%とからなる共重合体33質量部との混合樹脂 ;100質量部
(d1)トリエタノールアミン ;0.1質量部
(d2)フェニルホスホン酸 ;0.1部
上記各成分を、乳酸エチル300質量部に溶解し、さらにフッ素系界面活性剤[商品名「Fluorad FC−171」(スリーエム社製)]を全量に対して1.0質量%添加したのち、孔径0.2μmのメンブレンフィルターをとおしてろ過し、ポジ型レジスト組成物を得た。
【0078】
[試験例1]
上記実施例及び比較例で製造したポジ型の化学増幅型ホトレジスト組成物を用いて下記に示す特性評価を行った。
・相溶性
各組成物をそれぞれ室温にて12時間混合、攪拌し、攪拌直後および攪拌後12時間経過後の溶解状態を目視にて観察した。分散状態を下記の評価基準で判定した。
○:12時間攪拌後に組成物が、均一に分散することが目視で確認された。
△:12時間攪拌後に組成物が、均一に分散するが長時間静置により相分離した。
×:12時間攪拌後に組成物が、均一に分散していない。
【0079】
・塗布性
5インチの金スパッタリングウエーハ(金基板)上にスピンナーを用いて、各組成物を1000rpmにて25秒間塗布した後、110℃で6分間ホットプレート上で加熱した。形成された塗膜を目視で観察し、塗布性を下記の評価基準で判定した。
〇:得られた塗膜にムラがなく均一である。
△:得られた塗膜の平坦性が悪く、均一でない。
×:得られた塗膜にピンホールやはじき等のムラがある。
【0080】
・現像・解像性
5インチの金スパッタリングウェーハ上にスピンナーを用いて、各組成物を、膜厚約20μmとなるように、1800rpmにて25秒間塗布後、110℃で6分間ホットプレート上でプレベークして厚膜ホトレジスト積層体を形成した。
膜厚約65μmの塗膜の場合、800rpmにて25秒間塗布後、110℃で1分間ホットプレート上でプレベークし、さらに800rpmにて25秒間塗布後、110℃で12分間プレベークして厚膜ホトレジスト積層体を形成した。
また、膜厚約120μmの塗膜の場合、800rpmにて25秒間塗布後、110℃で1分間ホットプレート上でプレベークし、さらに500rpmにて25秒間塗布後、110℃で1分間ホットプレート上でプレベークし、さらに500rpmにて25秒間塗布後、110℃で20分間プレベークして厚膜ホトレジスト積層体を形成した。
上記で得られた厚膜ホトレジスト積層体を、ステッパー(Nikon社製、NSR-2005i10D)を用いて解像度測定用のパターンマスクを介して、それぞれを100〜10,000mJ/cm2の範囲で段階的に紫外線露光を行った。露光後、70℃で5分間加熱し、これを、現像液(商品名PMERシリーズ、P−7G、東京応化工業社製)で現像した。
この後、流水洗浄し、窒素ブローしてパターン状硬化物を得た。これを顕微鏡で観察し、現像・解像性を下記の評価基準で判定した。
○:アスペクト比が2以上のパターンが前記いずれかの露光量で形成し、残渣が認められない場合。
×:アスペクト比が2未満のパターンが形成していない、または、残渣が認められた場合。
なお、アスペクト比は、(パターン上のレジスト高さ÷パターン上のレジスト幅)を示す。
【0081】
・耐メッキ性
「現像・解像性評価」で得られたパターン状硬化物を有する基板を試験体として、酸素プラズマでアッシング処理後、亜硫酸金メッキ液に65℃で40分間浸漬し、流水洗浄し、被処理試験体を得た。光学顕微鏡または電子顕微鏡を用いて、被処理試験体上に形成されたバンプとパターン状硬化物の状態を観察し、パターン状硬化物のメッキ液に対する耐性、形成されたパンプの形状、パターン状硬化物のメッキ処理工程に対する耐性を下記の評価基準で判定した。
〇:形成されたバンプとパターン状硬化物の状態に特に変化が無く良好
×:パターン状硬化物にクラックや膨らみや欠けが生じる、またはパターン状硬化物の表面が荒れている。
【0082】
・バンプ形状
「耐メッキ性評価」と同様の操作で被処理試験体を得、形成されたバンプとパターン状硬化物の状態を光学顕微鏡または電子顕微鏡を用いて観察し、形成されたバンプの形状を下記の評価基準で判定した。また、バンプ形状が良好である場合には、基板とバンプの角度とマスク寸法に対する誤差比率を測定した。
○:バンプの形状がパターン状硬化物に依存(追随)し、良好。
×:パンプの形状がパターン状硬化物に依存せず、膨らみが生じている。
【0083】
・剥離性
「現像・解像性評価」で得られたパターン状硬化物を有する基板を試験体として、70℃にて攪拌中の剥離液(東京応化工業社製ストリッパー104)に10分間浸漬した後、アルコールでリンス液洗浄してパターン状硬化物を剥離し、目視観察あるいは光学顕微鏡で観察し下記の基準で評価した。
〇:パターン状硬化物の残渣が認められない。
×:パターン状硬化物の残渣が認められた。
【0084】
・感光性
5インチのシリコンウエーハ上、各種膜厚の塗膜を形成し、解像度測定用のパターンマスクを介して、ステッパー(Nikon社製、NSR-2005i10D)を用いて100〜10,000mJ/cm2の範囲で分割露光した。これを、現像液(商品名PMERシリーズ、P−7G、東京応化工業社製)で現像した。この後、流水洗浄し、窒素ブローしてパターン状硬化物を得た。これを顕微鏡で観察し、アスペクト比2以上のパターンを形成し、残渣が認められなくなる露光量、すなわちパターンを形成するのに必要な最低限の露光量を測定した。
【0085】
実施例1〜3、実施例4(参考例)、実施例5〜10、および比較例1で調製したポジ型ホトレジスト組成物について、上記の各試験を行い評価した。結果を表2に示す。
【0086】
【表2】
【0087】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、メッキによる生成物の形状が良好で耐メッキ性に優れ、かつ高コントラストであって、接続端子等製造に好適な厚膜用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物、厚膜ホトレジスト積層体、これを用いた厚膜レジストパターンの製造方法及び接続端子の製造方法が提供される。
Claims (8)
- 支持体上に、膜厚10〜150μmの厚膜ホトレジスト層を形成するために用いられる厚膜用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物であって、
(A)活性光線又は放射線照射により酸を発生する化合物、(B)酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大する樹脂、及び(C)アルカリ可溶性樹脂(下記一般式(1)で表される構成単位を含む共重合体からなる樹脂を除く。)を含有し、
前記(B)成分が、(b1)下記一般式(1):
で表される構成単位を含む共重合体からなる樹脂を含有することを特徴とする厚膜用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物。 - 前記(B)成分が、前記(b1)構成単位、および(b2)エーテル結合を有する重合性化合物から誘導された構成単位を含む共重合体からなる樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の厚膜用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物。
- 前記(B)成分及び(C)成分の合計質量100質量部に対して、前記(A)成分を0.1〜20質量部、前記(B)成分を5〜95質量部、及び前記(C)成分を5〜95質量部の割合で含有することを特徴とする請求項1または2に記載の厚膜用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物。
- 前記(C)成分が、(c1)ノボラック樹脂、(c2)ヒドロキシスチレン構成単位とスチレン構成単位とを有する共重合体、及び(c3)アクリル樹脂から選ばれる1種以上の樹脂を含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の厚膜用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物。
- さらに、(D)酸拡散制御剤を含有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の厚膜用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物。
- 支持体と、請求項1乃至5のいずれかに記載の厚膜用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物からなる膜厚10〜150μmの厚膜ホトレジスト層とが積層されていることを特徴とする厚膜ホトレジスト積層体。
- 請求項6に記載の厚膜ホトレジスト積層体を得る積層工程と、該厚膜ホトレジスト積層体に選択的に活性光線又は放射線を照射する露光工程と、該露光工程後に現像して厚膜レジストパターンを得る現像工程とを含むことを特徴とする厚膜レジストパターンの製造方法。
- 請求項7に記載の厚膜レジストパターン製造方法を用いて得られる厚膜レジストパターンの非レジスト部に、導体からなる接続端子を形成する工程を含むことを特徴とする接続端子の製造方法。
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