JPH0710914A - 光重合開始剤、これを含有するエネルギー線硬化性組成物及びその硬化物 - Google Patents

光重合開始剤、これを含有するエネルギー線硬化性組成物及びその硬化物

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JPH0710914A
JPH0710914A JP17591893A JP17591893A JPH0710914A JP H0710914 A JPH0710914 A JP H0710914A JP 17591893 A JP17591893 A JP 17591893A JP 17591893 A JP17591893 A JP 17591893A JP H0710914 A JPH0710914 A JP H0710914A
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JP17591893A
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Tetsuya Abe
哲也 安倍
Kazuhiko Ishii
一彦 石井
Minoru Yokoshima
実 横島
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Nippon Kayaku Co Ltd
Original Assignee
Nippon Kayaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】相容性に優れ、透明で硬化性に優れ、硬化塗膜
の光沢が良好で、硬化塗膜の臭気が小さく、優れた物性
の硬化物を得ることができる新規な光重合開始剤、これ
を含有する樹脂組成物を提供する。 【構成】カチオン重合性物質と特定のオニウム塩である
光重合開始剤を含有するエネルギー線硬化性組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な特定な構造を有す
るオニウム塩である光重合開始剤、これを含有するエネ
ルギー線の照射により硬化が可能なエネルギー線硬化性
組成物及びその硬化物に関する。
【0002】
【従来の技術】光重合性組成物は印刷インキ、塗料、コ
ーティング、液状レジストインキ等の分野において、省
エネルギー,省スペース、無公害性等の要請から盛んに
研究され、実用化が検討されてきた。しかしこれらの研
究の大部分は二重結合のラジカル重合反応に基づくもの
であった。カチオン重合性物質、例えばエポキシ樹脂
は、物性的には優れた材料であるが光重合をさせること
は困難で、今までアクリル変性することにより二重結合
を導入した材料が主に使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】光によりエポキシ樹脂
を硬化されるのに、例えば米国特許第3794576号
には感光性芳香族ジアゾニウム塩を光重合開始剤として
使用し光照射により光重合開始剤を分解し、ルイス酸を
放出することによりエポキシ樹脂を重合する方法が提案
されている。しかしながら芳香族ジアゾニウム塩は光分
解によりルイス酸と同時に窒素ガスを放出し、そのため
にエポキシ樹脂が15μ以上になると塗膜が発泡し、厚
塗りの用途には適さない。更に、又、エポキシ樹脂との
混合物は光が存在しない時でも、徐々に硬化が進行する
等、保存安定性に問題があり、一液性の組成物とはなり
えない。上記のジアゾニウム塩系開始剤の欠点を克服す
べく、種々検討がなされ、厚塗り性及び保存安定性の改
良された技術として、芳香族スルホニウム塩系や芳香族
ヨードニウム塩系開始剤及びそれらを含有する硬化性樹
脂組成物が特公昭52−14278号公報、特公昭52
−14277号公報、特開昭54−53181号公報、
特公昭59−19581号公報等に開示されている。し
かしながら、これらの芳香族オニウム塩を含有する組成
物はジアゾニウム塩に比較し硬化性が乏しいという欠点
を有し、又芳香族スルホニウム塩の場合は、硬化物の臭
気が問題となっていた。かかる欠点を克服するべく、特
開昭56−55420号公報等に、特定の基を有する芳
香族スルホニウム塩が提案されている。しかし、上記の
欠点は、いくらか解消されるものの十分ではない。又、
光重合性組成物の使用される分野が拡大するにつれて、
市場の要求に対応するために、新規な光重合開始剤、そ
れを含有する組成物の提供は重要である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題を解決するため鋭意研究の結果、新規な光重合開始剤
を開発し、これを用いた組成物は、保存安定性、相容
性、(特に各種ビニルエーテルと本発明の光重合開始剤
との相容性)、硬化性に優れ、その硬化物は臭気が少な
いエネルギー線硬化性組成物を提供することに成功し
た。すなわち、本発明は、
【0005】1.式(1)で示されるオニウム塩である
光重合開始剤、
【0006】
【化6】
【0007】(但し、式中Xは式(2)で示されるスル
ホニオ基
【0008】
【化7】
【0009】(R1 〜R10はそれぞれ水素原子、ハロゲ
ン原子、ニトロ基、アルコキシ基、C1 〜C25の脂肪族
基、C6 〜C18の置換基で置換されていてもよいフェニ
ル基、フェノキシ基、フェニルカルボニル基またはチオ
フェノキシ基、少なくとも1個の水酸基を有するC1
25の脂肪族基、
【0010】
【化8】
【0011】で表される基を含むC3 〜C25の脂肪族基
のいずれかから選択される基、R11は水素原子またはメ
チル基である。)Yは式(2)で示される基、または水
素原子、n=1〜2、Zは式(3)または式(4)で示
され
【0012】
【化9】
【0013】
【化10】
【0014】Mは、ホウ素原子、リン原子、ヒ素原子ま
たはアンチモン原子、Qはハロゲン原子、mは4〜6で
ある。) 2.カチオン重合性物質と第1項記載の光重合開始剤を
含有することを特徴とするエネルギー線硬化性組成物及
びその硬化物に関する。
【0015】本発明のオニウム塩である光重合開始剤
は、(1)出発原料として下記の構造式の4,4′−ジ
(フェニルチオ)−ベンゾフェノン
【0016】
【化11】
【0017】と置換または非置換ジフェニルスルホキシ
ド化合物を公知のスルホニウム塩の生成反応を利用する
方法(以下(1)法という)、(2)相当する置換及び
非置換のスルホニウム塩をあらかじめ合成し、その後置
換基を変換、導入する方法(以下(2)法という)のい
ずれかにより合成することができる。先ず(1)法を具
体的に説明すると、4,4′−ジ(フェニルチオ)−ベ
ンゾフェノンと置換または非置換ジフェニルスルホキシ
ド化合物(例えば、ジフェニルスルホキシド、4,4′
−ジフルオロジフェニルスルホキシド、2,2′−ジフ
ルオロジフェニルスルホキシド、3,3′−ジフルオロ
ジフェニルスルホキシド、4,2′−ジフルオロジフェ
ニルスルホキシド、4,4′−ジブロムジフェニルスル
ホキシド、4,4′−ジクロロジフェニルスルホキシ
ド、2,2′−ジクロロジフェニルスルホキシド、4,
4′−ジブロムジフェニルスルホキシド、2,2′,
4,4′−テトラクロロジフェニルスルホキシド、4,
4′−ジメチルジフェニルスルホキシド、4,4′−ジ
エチルスルホキシド、4,4′−ジメトキシジフェニル
スルホキシド、4−メチルチオジフェニルスルホキシ
ド、4−フェニルチオジフェニルスルホキシド、4−フ
ェニルカルボニルジフェニルスルホキシド、4−ベンジ
ルオキシジフェニルスルホキシド等)を公知の方法、例
えば脱水剤(例えば、五酸化リン、濃硫酸、無水酢酸
等)中で、常温−150℃で縮合反応を行い、次いで、
これら反応液を式(3)又は式(4)(例えば、NaSb
F6、NaPF6 、NaAsF6、NaBF4 、NaSbF5OH、KSbF6 、KP
F6、KAsF6 、KSbF5OH 等)の水溶液に滴下し、スルホニ
ウム塩であるオニウム塩を得ることができる。本発明の
光重合開始剤を製造する(1)法の好ましい方法では
4,4′−ジ(フェニルチオ)−ベンゾフェノン、1モ
ルに対して、置換または非置換ジフェニルスルホキシド
化合物を1〜2.5モルの範囲で反応させるのがよい。
【0018】次に(2)法を具体的に説明すると、
(1)法で合成したスルホニウム塩例えば、構造式
【0019】
【化12】
【0020】
【化13】
【0021】
【化14】
【0022】で示される化合物等のハライド化合物と公
知の方法、例えば、塩基性化合物(例えば、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム等)の存在下、大過剰のモノ又
はポリアルコール類(例えば、メタノール、エタノー
ル、カルビトール、エチレングリコール、ポリエチレン
グリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリ
メチロールプロパン、1,4−ブタンジオール、シクロ
ヘキサンジオール、モノヒドロキシエチルチオール等)
を室温〜150℃で反応させることにより、前記ハライ
ド化合物のハライド部が、例えば−OCH3 、−OC2
5 、(OCH2 CH2)2 OCH3 、−OCH2 CH2
−OH、(OCH2 CH2)3 OH
【0023】
【化15】
【0024】
【化16】
【0025】
【化17】
【0026】
【化18】
【0027】
【化19】
【0028】−O−CH2 CH2 CH2 CH2 −OH等
の置換基に変換されたオニウム塩を得ることができる。
又、(2)法によって得られた、置換基が水酸基を有す
る置換基に変換された化合物をさらにその水酸基にラク
トン類(例えば、ε−カプロラクトン等)や、酸類(例
えば、酢酸、無水酢酸等)を公知の方法で反応させたオ
ニウム塩も本発明に含まれる。
【0029】本発明に用いられるカチオン重合性物質と
しては、例えばエポキシ樹脂、スチレン、ビニルエーテ
ル等のカチオン重合性ビニルエーテル化合物、更には、
スピロオルソエステル、ビシクロオルソエステル、スピ
ロオルソカーボナートのような環状エーテル類が挙げら
れる。エポキシ樹脂としては、従来、公知の芳香族エポ
キシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、
更にはエポキシド単量体、エピサルファイド単量体類が
挙げられる。
【0030】ここで、芳香族エポキシ樹脂として例示す
れば、少なくとも1個の芳香族核を有する多価フェノー
ルまたはそのアルキレンオキサイド付加体のポリグリシ
ジルエーテルであって、例えばビスフェノールA、ビス
フェノールF、ビスフェノールS等のビスフェノール化
合物またはビスフェノール化合物のアルキレンオキサイ
ド(例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイ
ド、ブチレンオキサイド等)付加体とエピクロルヒドリ
ンとの反応によって製造されるグリシジルエーテル類、
ノボラック型エポキシ樹脂類(例えば、フェノール・ノ
ボラック型エポキシ樹脂、クレゾール・ノボラック型エ
ポキシ樹脂、臭素化フェノール・ノボラック型エポキシ
樹脂等)、トリスフェノールメタントリグリシジルエー
テル等が挙げられる。また、脂環式エポキシ樹脂とし
て、具体的な例としては、3,4−エポキシシクロヘキ
シルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキ
シレート、ビス−(3,4−エポキシシクロヘキシルメ
チル)アジペート、2−(3,4−エポキシシクロヘキ
シル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキ
サノン−メタ−ジ−オキサン、ビス(2,3−エポキシ
シクロペンチル)エーテル、EHPE−3150(ダイ
セル化学工業(株)製、脂環式エポキシ樹脂、軟化点7
1℃)等が挙げられる。更に脂肪族エポキシ樹脂の例と
しては、脂肪族多価アルコールまたはそのアルキレンオ
キサイド付加物のポリグリシジルエーテルがあり、その
代表例としては、1,4−ブタンジオールのジグリシジ
ルエーテル、1,6−ヘキサンジオールのジグリシジル
エーテル、グリセリンのトリグリシジルエーテル、トリ
メチロールプロパンのトリグリシジルエーテル、ポリエ
チレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレン
グリコールのジグリシジルエーテル、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、グリセリン等の脂肪族多価
アルコールに1種または2種以上のアルキレンオキサイ
ンド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド)を
付加することにより得られるポリエーテルポリオールの
ポリグリシジルエーテルが挙げられる。更にエポキシド
単量体類の例としては、脂肪族高級アルコールのモノグ
リシジルエーテルやフェノール、クレゾール、ブチルフ
ェノールまたはこれらにアルキレンオキサイドを付加す
ることにより得られるポリエーテルアルコールのモノグ
リシジルエーテル等が挙げられる。
【0031】カチオン重合性ビニル化合物としては、例
えば、トリエチレングリコール、ジビニルエーテル、テ
トラエチレングリコールジビニルエーテル、シクロヘキ
サン−1,4−ジメチロールジビニルエーテル、1,4
−ブタンジオールジビニルエーテル
【0032】
【化20】
【0033】
【化21】
【0034】及びウレタンポリビニルエーテル(例え
ば、ALLIED−SIGNAL社製、VECtomer 2010) 等が挙げられる。また、これらカチオン重合性有機材料
は単独又は2種以上の混合物として使用される。本発明
の硬化性組成物は、100重量部のカチオン重合性物質
に対して0.01〜20重量部、より好ましくは0.1
〜10重量部の前記の式(1)で示されるオニウム塩の
光重合開始剤を必須の成分とするが適当な割合は、カチ
オン重合性物質の性質やエネルギー線の種類、照射量、
所望の硬化時間、温度、湿度、塗膜厚などさまざまな要
因を考慮することによって決定される。カチオン重合性
物質への光重合開始剤の溶解を容易にするため、あらか
じめ光重合開始剤を溶剤類(例えば、プロピレンカーボ
ネート、カルビトール、カルビトールアセテート、γブ
チロラクトン等)に溶解し使用することができる。本発
明の硬化性組成物は、カチオン重合性物質及び光重合開
始剤を混合、溶解あるいは混練等の方法により調製する
ことができる。
【0035】本発明の硬化性組成物は、紫外線等のエネ
ルギー線を照射することにより0.1秒〜数分後に指触
乾燥状態あるいは溶媒不溶性の状態に硬化することがで
きる。適当なエネルギー線としては、光重合開始剤の分
解を誘発するエネルギーを有する限りいかなるものでも
よいが、好ましくは高、低圧水銀ランプ、キセノンラン
プ、殺菌灯、レーザー光などから得られる2000オン
グストローム〜7000オングストロームの波長を有す
る電磁波エネルギーや電子線、X線、放射線等の高エネ
ルギー線を使用する。エネルギー線への暴露は、エネル
ギー線の強度によるが、通常は0.1秒〜10秒程度で
十分である。しかし比較的厚い塗装物についてはそれ以
上の時間をかけるのが好ましいことがある。エネルギー
線照射後0.1秒〜数分後には、ほとんどの組成物はカ
チオン重合により指触乾燥するが、カチオン重合反応を
促進するために加熱を併用することも場合によっては好
ましい。
【0036】本発明の組成物には、さらにカチオン重合
を損わない範囲で希釈のための溶剤や、改質のための非
反応性の樹脂や(メタ)アクリル酸エステル化合物(例
えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型
エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の
反応物であるエポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン
(メタ)アクリレート、ポリエステルポリ(メタ)アク
リレート等のオリゴマーや、2−ヒドロキシ(メタ)ア
クリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アク
リレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレ
ート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等
のモノマー等)を配合することができる。(メタ)アク
リル酸エステル化合物を使用する場合には、光ラジカル
重合開始剤(例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフ
ェニルケトン、アセトフェノンジメチルケタール、ベン
ゾイルメチルエーテル等)を使用するのが好ましい。ま
た例えば、電気特性を改良する目的などのため有機カル
ボン酸や酸無水物を使用したり、あるいはゴム弾性をも
たせるなどの目的でポリマールその他の可とう性プレポ
リマーを混合することができる。
【0037】本発明の組成物は、通常透明な液状として
使用されるものであるが、用途によっては不活性な顔
料、染料、充填剤、静電防止剤、難燃剤、消泡剤、流動
調整剤、増感剤、促進剤、光安定剤等を混合して用いら
れる。本発明の組成物は金属、木材、ゴム、プラスチッ
ク、ガラス、セラミック製品等に使用することができ
る。さらに本発明の具体的な用途としては、塗料、コー
ティング剤、インキ、レジスト、液状レジスト、イン
キ、接着剤、成形材料、注型材料、パテ、ガラス繊維含
浸剤、目止め剤等が挙げられる。
【0038】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。なお実施例中の部は重量部である。 (式(1)で示されるオニウム塩である光重合開始剤の
実施例) 実施例1 4,4′−ジ(フェニルチオ)−ベンゾフェノン39.
8部 ジフェニルスルホキシド40.4部、五酸化リン39.
8部及び溶媒としてメタンスルホン酸398部を仕込
み、80℃に加熱し、攪拌しながら3時間反応を行い次
いで、この反応混合物を攪拌しながら、NaSbF6
水溶液861.1部(水809.4部にNaSbF651.7
部を溶解したもの。)に少しずつ滴下し、析出した白色
の固体をろ過し、乾燥し次いで、イソプロパノール96
0部に加熱(70℃)溶解し、0℃まで冷却し、ろ別
し、乾燥後、白色の固体104.9部を得た。生成物の
融点は145〜155℃であった。生成物の構造は、下
記のものであり、元素分析の結果は計算値にほぼ一致し
た。
【0039】
【化22】
【0040】 元素 実測値(重量%) 計算値(重量%) 炭素 47.47 47.45 水素 2.94 2.93 イオウ 10.36 10.34 アンチモン 19.64 19.62 フッ素 18.40 18.38
【0041】実施例2 4,4′−ジ(フェニルチオ)−ベンゾフェノン39.
8部 4,4′−ジフルオロジフェニルスルホキシド47.7
部、濃硫酸190.2部を仕込み、室温で24時間、反
応を行い、次いで、この反応混合物を攪拌しながら、N
aSbF6 の水溶液861.1部(水809.4部にNa
SbF651.7部を溶解したもの。)に少しずつ滴下し、
析出した白色の固体をろ過し、乾燥し、次いで、イソプ
ロパノール960部に加熱(70℃)溶解し、0℃まで
冷却し、ろ別し、乾燥後、白色の固体118.0部を得
た。生成物の融点は163〜173℃であった。生成物
の構造式は、下記のものであり、元素分析の結果は、計
算値にほぼ一致した。
【0042】
【化23】
【0043】 元素 実測値(重量%) 計算値(重量%) 炭素 44.86 44.84 水素 2.48 2.46 イオウ 9.79 9.77 アンチモン 18.56 18.55 フッ素 23.18 23.16
【0044】実施例3 4,4′−ジ(フェニルチオ)−ベンゾフェノン39.
8部、4,4′−ジブロムジフェニルスルホキシド7
2.0部、濃硫酸257.1部を仕込み、室温で24時
間反応を行ない、次いで、この反応混合物を攪拌しなが
ら、NaPF6 の水溶液559.8部(水526.2部
にNaPF6 を33.6部を溶解したもの。)に少しずつ滴
下し、析出した白色の固体をろ過し、乾燥し、次いでイ
ソプロパノール960部に加熱(70℃)溶解し、0℃
まで冷却し、ろ別し乾燥後、白色の固体130.4部を
得た。生成物の融点は137〜144℃であった。生成
物の構造式は、下記のものであり、元素分析の結果は、
計算値にほぼ一致した。
【0045】
【化24】
【0046】 元素 実測値(重量%) 計算値(重量%) 炭素 42.85 42.82 水素 2.37 2.35 イオウ 9.35 9.33 リン 4.54 4.51 臭素 23.27 23.25 フッ素 16.62 16.59
【0047】実施例4 4,4′−ジ(フェニルチオ)−ベンゾフェノン39.
8部、4,4′−ジフルオロジフェニルスルホキシド4
2.8部、濃硫酸190.7部を仕込み、室温で24時
間反応を行い、次いで、この反応混合物を攪拌しなが
ら、NaPF6 の水溶液559.8部(水526.2部
にNaPF6 を33.6部を溶解したもの。)に少しずつ滴
下し、析出した白色の固体をろ過し、乾燥し、次いでイ
ソプロパノール960部に加熱(70℃)溶解し、0℃
まで冷却し、ろ別し乾燥後、白色の固体66.5部を得
た。生成物の融点は197〜204℃であった。生成物
の構造式は、下記のものであり、元素分析の結果は、計
算値にほぼ一致した。
【0048】
【化25】
【0049】 元素 実測値(重量%) 計算値(重量%) 炭素 52.07 52.04 水素 2.86 2.85 イオウ 11.35 11.34 リン 5.49 5.48 フッ素 26.90 26.88
【0050】実施例5 4,4′−ジ(フェニルチオ)−ベンゾフェノン39.
8部、4,4′−ジメチルジフェニルスルホキシド4
6.1部、濃硫酸187.0部を仕込み、室温で24時
間、反応を行い、次いで、この反応混合物を攪拌しなが
ら、NaSbF6 の水溶液861.1部(水809.4
部にNaSbF651.7部を溶解したもの。)に少しずつ滴
下し、析出した白色の固体をろ過し、乾燥し次いでイソ
プロパノール960部に加熱(70℃)溶解し、0℃ま
で冷却し、ろ別し乾燥後、白色の固体81.7部を得
た。生成物の融点は125〜131℃であった。生成物
の構造式は、下記のものであり、元素分析の結果は、計
算値にほぼ一致した。
【0051】
【化26】
【0052】 元素 実測値(重量%) 計算値(重量%) 炭素 49.12 49.10 水素 3.45 3.42 イオウ 9.92 9.89 アンチモン 18.78 18.77 フッ素 17.61 17.58
【0053】実施例6 実施例2で得た化合物13.1部、水酸化ナトリウム
0.4部、1,4−ブタンジオール50部を仕込み、室
温で24時間、反応し、、その後、5℃の水中に注ぎ込
み、白色の固体をろ過し、乾燥し、常温でワックス状の
生成物を14.8部得た。生成物の構造式は、下記のも
のであり、元素分析の結果は、計算値にほぼ一致した。
【0054】
【化27】
【0055】 元素 実測値(重量%) 計算値(重量%) 炭素 49.03 49.01 水素 4.32 4.30 イオウ 8.07 8.05 アンチモン 15.30 15.28 フッ素 14.32 14.31
【0056】実施例7 実施例2で得た化合物13.1部、水酸化ナトリウム
0.8部、エチレングリコール50部を仕込み、室温で
24時間、反応し、その後5℃の水中に注ぎ込み白色の
固体をろ過し、乾燥し、常温で固体の生成物を得た。次
いで上記、生成物13.3部、ε−カプロラクトン8.
2部、塩化第一スズ0.01部を仕込み、120℃で1
5時間反応し、ε−カプロラクトンが反応混合物中、1
%以下であることを確認し反応を終了し、液状の生成物
21.5部を得た。生成物の構造式は、下記のものであ
り、元素分析の結果は計算値にほぼ一致した。
【0057】
【化28】
【0058】 元素 実測値(重量%) 計算値(重量%) 炭素 52.30 52.27 水素 5.58 5.56 イオウ 5.39 5.36 アンチモン 10.20 10.17 フッ素 9.55 9.52
【0059】(組成物の実施例) 実施例8〜21、比較例1〜6 表1及び2に示す配合組成(数値は重量部である。)に
従ってエネルギー線硬化性組成物を配合し、混合溶解し
た。これを、アルミ、テストパネル上に5μに塗布し高
圧水銀灯(80W/cm)で8cmの距離から紫外線を
照射し、硬化させた。調製された組成物の透明性、保存
安定性、指触乾燥性、硬化塗膜の光沢、臭気について試
験した。それらの結果を表1及び2に示す。
【0060】(試験方法) 透明性:組成物の透明性を目視判定した。 ○・・・・完全に透明である △・・・・わずかににごりあり ×・・・・白ダクしている ××・・・・すぐに分離する 保存安定性:組成物を40℃で3ケ月間保存し、安定性
を調査した。 ○・・・・全く変化していない △・・・・やや増粘している ×・・・・ゲル化している 指触乾燥性:指触乾燥するまでの照射量(mJ/cm2)を測
定した。 光沢:指触乾燥するまでの照射量(mJ/cm2)を照射した
後、硬化塗膜の表面を目視判定した。 ○・・・・光沢が良好である △・・・・ややくもりがある ×・・・・全く光沢がない
【0061】臭気:塗布面に1000mJ/cm2照射した
後、硬化塗膜の表面の臭気を観察した。 ○・・・・全く臭気がない △・・・・わずかに臭気がある ×・・・・臭気がある ××・・・・臭気が強い
【0062】
【表1】 表1−1 実 施 例 8 9 10 11 12 13 14 実施例1で得た光重合開始剤 1.5 実施例2で得た光重合開始剤 1.5 実施例3で得た光重合開始剤 1.5 実施例4で得た光重合開始剤 1.5 実施例5で得た光重合開始剤 1.5 実施例6で得た光重合開始剤 1.5 実施例7で得た光重合開始剤 1.5 化合物 1 *1 化合物 2 *2 化合物 3 *3 セロキサイド2021*4 80 80 80 80 80 80 80 EHPE−3150 *5 20 20 20 20 20 20 20 透明性 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 保存安定性 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 指触乾燥性(mJ/cm2) 23 23 69 46 23 23 30 光沢 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 臭気 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
【0063】注 *1 化合物1:トリフェニルスル
ホニウムヘキサフルオロホスフェート *2 化合物2:ジフェニル−4−チオフェノキシフ
ェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート *3 化合物3:4,4′−ビス〔ビス(p−2−ヒ
ドロキシエトキシフェニル)スルホニオ〕フェニルスル
フィドビスヘキサフルオロホスフェート *4 セロキサイド2021:ダイセル化学工業
(株)製、脂環式エポキシ樹脂 *5 EHPE−3150:ダイセル化学工業(株)
製、脂環式エポキシ樹脂
【0064】
【表2】 表2−1 実 施 例 15 16 17 18 19 20 21 実施例1で得た光重合開始剤 1.0 実施例2で得た光重合開始剤 1.0 実施例3で得た光重合開始剤 1.0 実施例4で得た光重合開始剤 1.0 実施例5で得た光重合開始剤 1.0 実施例6で得た光重合開始剤 1.0 実施例7で得た光重合開始剤 1.0 化合物 1 化合物 3 VEctomer 2010 *6 25 25 25 25 25 VEctomer 4020 *7 60 25 25 25 25 25 60 トリエチレングリコール ジビニルエーテル 10 10 10 10 10 透明性 ○ ○ ○ ○ ○ △ ○ 保存安定性 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 指触乾燥性(mJ/cm2) 12 12 23 23 12 12 12 光沢 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 臭気 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
【0065】注 *6 VEctomer2010:ALLIED-S
IGNAL 社製、芳香族ウレタンビニルエーテル *7 VEctomer4020:ALLIED-SIGNAL 社製 下記の構造式を有する脂肪族エステルビニルエーテル
【0066】
【化29】
【0067】*8 組成物は相容性が悪く、混合後す
ぐに分離してしまい1000mJ/cm2以上の紫外線を照射して
も硬化しない。
【0068】表1及び2の結果から明らかなように、本
発明の光重合開始剤を含有した組成物は、相容性に優
れ、透明で硬化性に優れ、硬化塗膜の光沢が良好であ
り、硬化塗膜の臭気が小さい。
【0069】
【発明の効果】本発明の光重合開始剤を含有したエネル
ギー線硬化性組成物は、相容性に優れ、透明で硬化性に
優れ、硬化塗膜の光沢が良好で、硬化塗膜の臭気も小さ
く、優れた物性の硬化物を得ることができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式(1)で示されるオニウム塩である
    光重合開始剤。 【化1】 (但し、式中Xは式(2)で示されるスルホニオ基 【化2】 (R1 〜R10はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、ニト
    ロ基、アルコキシ基、C1 〜C25の脂肪族基、C6 〜C
    18の置換基で置換されていてもよいフェニル基、フェノ
    キシ基、フェニルカルボニル基またはチオフェノキシ
    基、少なくとも1個の水酸基を有するC1 〜C25の脂肪
    族基、 【化3】 で表わされる基を含むC3 〜C25の脂肪族基のいずれか
    から選択される基、R11は水素原子またはメチル基であ
    る。)、Yは式(2)で示されるスルホニオ基または水
    素原子、n=1〜2、Zは式(3)または式(4)で示
    され、 【化4】 【化5】 Mはホウ素原子、リン原子、ヒ素原子またはアンチモン
    原子、Qはハロゲン原子、mは4〜6である。)
  2. 【請求項2】カチオン重合性物質と請求項1記載の光重
    合開始剤を含有することを特徴とするエネルギー線硬化
    性組成物。
  3. 【請求項3】請求項2記載の組成物の硬化物。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6462638B2 (en) 1997-07-04 2002-10-08 Murata Manufacturing Co., Ltd. Complex electronic component
CN100361998C (zh) * 2004-06-22 2008-01-16 三井化学株式会社 离子性化合物和含有该化合物的树脂组合物及其用途
WO2011040531A1 (ja) 2009-10-01 2011-04-07 日立化成工業株式会社 有機エレクトロニクス用材料、有機エレクトロニクス素子、有機エレクトロルミネセンス素子、及びそれを用いた表示素子、照明装置、表示装置
WO2011052327A1 (ja) 2009-10-26 2011-05-05 株式会社Adeka 芳香族スルホニウム塩化合物
WO2011132702A1 (ja) 2010-04-22 2011-10-27 日立化成工業株式会社 有機エレクトロニクス材料、重合開始剤及び熱重合開始剤、インク組成物、有機薄膜及びその製造方法、有機エレクトロニクス素子、有機エレクトロルミネセンス素子、照明装置、表示素子、並びに表示装置
WO2014136900A1 (ja) 2013-03-08 2014-09-12 日立化成株式会社 イオン性化合物を含有する処理液、有機エレクトロニクス素子、及び有機エレクトロニクス素子の製造方法

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