JPH10212307A - エネルギー線硬化性組成物及びその硬化物 - Google Patents

エネルギー線硬化性組成物及びその硬化物

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JPH10212307A
JPH10212307A JP2983697A JP2983697A JPH10212307A JP H10212307 A JPH10212307 A JP H10212307A JP 2983697 A JP2983697 A JP 2983697A JP 2983697 A JP2983697 A JP 2983697A JP H10212307 A JPH10212307 A JP H10212307A
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Nobuo Taniguchi
信雄 谷口
Minoru Yokoshima
実 横島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】硬化性に優れ、その硬化物が、光沢に優れた新
規なエネルギー線硬化性組成物を提供する。 【解決手段】カチオン重合性物質(A)と波長360〜
500nmの領域における最大モル吸光係数が100以
上であるスルホニウム塩(B)とフェノチアジン化合物
(C)を含有することを特徴とするエネルギー線硬化性
組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エネルギー線硬化
性組成物及びその硬化物に関し、更に詳しくは、光照射
又は光照射と必要に応じて熱により硬化するカチオン重
合性組成物及び硬化物に関する。特に顔料を含む組成物
において、硬化性に優れたエネルギー線硬化性組成物及
びその硬化物に関する。
【0002】
【従来の技術】光照射によりエポキシ化合物などのカチ
オン重合性化合物を硬化させる触媒及びその組成物の例
は、特開昭50−151997号公報、特開昭50−1
58680号公報等に記載されている。加熱によりエポ
キシ化合物などのカチオン重合性化合物を硬化させる触
媒及びその組成物が記載されているものとして、特開昭
56−152833号公報、特開昭58−37003号
公報、特開昭63−223002号公報等が知られてい
る。また、光照射及び熱によりエポキシ化合物などのカ
チオン重合性化合物を硬化させる触媒及びその組成物に
ついて、特開平2−196812号公報に記載されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記に述べたように、
光照射又は光照射と必要に応じて熱により硬化する性質
を有するエポキシ化合物などのカチオン重合性化合物を
含有する組成物に関しては、種々検討されているが、顔
料を含有する組成物に関してはその硬化性が不十分であ
り、改善の提案も余りなされていない。光重合性組成物
の使用分野が拡大するにつれて、市場の要求に対応する
ために、新規な光重合性組成物の提供が望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題を解決するため鋭意研究の結果、カチオン重合性物質
を含有する組成物において、特定のスルホニウム塩とフ
ェノチアジン化合物を含有させることにより、硬化性に
優れ、特に顔料を含有する組成物においても硬化性の優
れたエネルギー線硬化性組成物が得られることを見出し
本発明を完成させた。すなわち、本発明は、(1)カチ
オン重合性物質(A)と波長360〜500nmの領域
における最大モル吸光係数が100以上であるスルホニ
ウム塩(B)とフェノチアジン化合物(C)を含有する
ことを特徴とするエネルギー線硬化性組成物、(2)ス
ルホニウム塩(B)がチオキサントン構造を有するスル
ホニウム塩である(1)のエネルギー線硬化性組成物、
(3)顔料(D)を含有する(1)または(2)のエネ
ルギー線硬化性組成物、(4)(1)ないし(3)の何
れか一項に記載の組成物の硬化物、(5)(4)に記載
の硬化物皮膜を有する物品、に関する。
【0005】本発明の組成物において、好ましいカチオ
ン重合性物質(A)の具体例としては、例えばエポキシ
基を有する化合物、ビニル型化合物、スピロオルソカー
ボネート化合物等があげられる。エポキシ基を有する化
合物の例としては、例えばビスフェノールA、ビスフェ
ノールF等のビスフェノールとエピクロルヒドリンの反
応物であるビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノール
・ノボラック等のノボラック樹脂とエピクロルヒドリン
の反応物であるノボラック型エポキシ樹脂、トリスフェ
ノールメタン型エポキシ樹脂、フェニルグリシジルエー
テル、多価アルコール類のポリグリシジルエーテル等の
グリシジルエーテル化合物、3,4−エポキシシクロヘ
キシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカーボ
キシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)
アジペート、ビニルシクロヘキセンジオキシド、2−
〔3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−
3,4−エポキシ〕シクロヘキサンメタジオキサン、
1,2−エポキシ−p−ビニルシクロヘキセン等の脂環
式エポキシ化合物等を挙げることができる。
【0006】ビニル型化合物の例としては、例えばスチ
レン、α−メチルスチレン、p−クロロメチルスチレン
等のスチレン類;n−ブチルビニルエーテル、イソブチ
ルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒ
ドロキシブチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニ
ルエーテル等のアルキルビニルエーテル類;アリルビニ
ルエーテル、1−オクタヒドロナフチルビニルエーテル
等のアルケニルビニルエーテル類;エチニルビニルエー
テル、1−メチル−2−プロペニルビニルエーテル等の
アルキニルビニルエーテル類;フェニルビニルエーテ
ル、p−メトキシフェニルビニルエーテル等のアリール
ビニルエーテル類;ブタンジオールジビニルエーテル、
トリエチレングリコールジビニルエーテル、シクロヘキ
サンジオールジビニルエーテル、トリメチロールプロパ
ントリビニルエーテル等のアルキルポリビニルエーテル
類;1,4−ベンゼンジメタノールジビニルエーテル、
m−フェニレンビス(エチレングリコール)ジビニルエ
ーテル等のアラルキルジビニルエーテル類;ハイドロキ
ノンジビニルエーテル、レゾルシノールジビニルエーテ
ル等のアリールジビニルエーテル類:ポリエステルポリ
ビニルエーテル類:ポリウレタンビニルエーテル類等が
ある。
【0007】スピロオルソカーボネート化合物の例とし
ては、例えば、1,5,7,11−テトラオキサスピロ
〔5 ,5〕ウンデカン、3,9−ジベンジル−1,5,
7,11−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン等
や1,4,6−トリオキサスピロ〔4,4〕ノナン、2
−メチル−1,4−6−トリオキサスピロ〔4,4〕)
ナン、1,4,6−トリオキサスピロ〔4,5〕デカン
等のスピロオルソエステル化合物等があげられる。
【0008】これらのカチオン重合性物質(A)は単独
若しくは2種以上を併用して用いても差し支えない。ま
た、これらのカチオン重合性物質(A)のうち特にエポ
キシ基を有する化合物が好んで使用される。
【0009】本発明で用いる波長360〜500nmの
領域において最大モル吸光係数が100以上であるスル
ホニウム塩(B)は、光カチオン重合開始剤として作用
するもので、光照射により分解し、カチオン重合を開始
するものである。その例としては、チオキサントン構造
を有するスルホニウム塩、アンスラキノン構造を有する
スルホニウム塩、アクリドン構造を有するスルホニウム
塩等を挙げることができる。チオキサントン構造を有す
るスルホニウム塩の例としては例えば、下記の一般式
(1)
【0010】
【化1】
【0011】(式中、R1 、R2 は、それぞれ独立に水
素原子、アルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシアルキ
ルオキシ基又はアルコキシ基を表し、R3 〜R5 は、そ
れぞれ独立し、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基又
はアルコキシ基を表し、XはSbF6、PF6 又はB(C6F5) を
表す。)で示される化合物が挙げられる。ここでアルキ
ル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピ
ル基、イソプロピル基、ブチル基等のC1 〜C15のアル
キル基が挙げられる。ハロゲン原子としては、例えば、
F、Cl、Br、I等が挙げられる。アルコキシ基とし
ては、例えばメトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等の
1 〜C5 のアルコキシ基が挙げられる。ヒドロキシア
ルキルオキシ基としては、例えば、ヒドロキシメチルオ
キシ基、ヒドロキシエチルオキシ基等のC1〜C5 のヒ
ドロキシアルキルオキシ基が挙げられる。式(1)で示
される化合物の具体例を表1に挙げる。
【0012】
【表1】 表1 化合物No. R1 2 3 4 5 X 1−1 −CH3 −CH3 −H −C2H5 −C2H5 PF6 1−2 −CH3 −CH3 −H −C2H5 −C2H5 SbF6 1−3 −F −F −H −C2H5 −C2H5 SbF6 1−4 −CH3 −CH3 −H −C3H7(iso) −H PF6 1−5 −F −F −H −C3H7(iso) −H PF6 1−6 −F −F −H −C3H7(iso) −H SbF6 1−7 -OC2H4OH -OC2H4OH −H −C3H7(iso) −H PF6 1−8 −OCH3 −OCH3 −H −C3H7(iso) −H B(C6F5)4 1−9 −H −H −Cl −H -OC4H9 PF6 1−10 −H −H −Cl −H -OC4H9 SbF6 1−11 −F −F −H −Cl −H PF6 1−12 −F −F −H −Cl −H SbF6 1−13 −CH3 −CH3 −H −Cl −H PF6 1−14 −CH3 −CH3 −H −Cl −H B(C6F5)4 1−15 −H −H −H −Cl −H PF6
【0013】又、アンスラキノン構造を有するスルホニ
ウム塩の例としては例えば下記の一般式(2)
【0014】
【化2】
【0015】(式中、R6 、R7 は、それぞれ水素原
子、アルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシアルキル
基、又はアルコキシ基を表わし、XはSbF6、PF6 又はB
(C6F5)4を表す。)で示される化合物が挙げられる。こ
こでアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、
n−プロピル基、ブチル基等のC1 〜C5 のアルキル基
が挙げられ、ハロゲン原子としては、例えばF、Cl、
Br、I等が挙げられる。又アルコキシ基としては、例
えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イ
ソプロポキシ基等のC1 〜C5 のアルコキシ基が挙げら
れる。更にヒドロキシアルキルオキシ基としては、例え
ば、ヒドロキシメチルオキシ基、ヒドロキシエチルオキ
シ基、ヒドロキシブチルオキシ基等のC1 〜C5 のヒド
ロキシエルキルオキシ基が挙げられる。式(2)の化合
物の具体例を表2に挙げる。
【0016】
【表2】 表2 化合物No. 置換位置 R6 7 X 2−1 1 −CH3 −CH3 PF6 2−2 1 −CH3 −CH3 SbF6 2−3 1 −F −F SbF6 2−4 1 −F −F PF6 2−5 1 −F −F B(C6F5)4 2−6 1 −H −H B(C6F5)4 2−7 2 −OC2H4OH −OC2H4OH PF6
【0017】注)置換位置としてはアントラキノン骨格
上の硫黄原子の結合位置のことである。
【0018】更にアクリドン構造を有するスルホニウム
塩の例としては例えば下記の一般式(3)
【0019】
【化3】
【0020】(式中、R8 、R10、R11は、それぞれ水
素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基又は
ヒドロキシアルキルオキシ基を、R9 はアルキル基を、
XはSbF6、PF6 又はB(C6F5)4を表す。)で示される化合
物が挙げられる。ここでアルキル基としては、例えば、
メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル
基、t−ブチル基等のC1 〜C5 のアルキル基が挙げら
れる。アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エ
トキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基等のC
1 〜C5 のアルコキシ基が挙げられる。ヒドロキシエチ
ルオキシ基としては、例えば、ヒドロキシメチルオキシ
基、ヒドロキシエチルオキシ基、ヒドロキシブチルオキ
シ基等のC1 〜C5 のヒドロキシアルキルオキシ基が挙
げられる。ハロゲン原子としては、例えば、F、Cl、
Br、I等が挙げられる。式(3)の化合物具体例を表
3に挙げる。
【0021】
【表3】 表3 化合物No. R8 9 1011 X 3−1 −Cl −(n-C4H9) −F −F SbF6 3−2 −Cl −(n-C4H9) −F −F PF6 3−3 −Cl −(n-C4H9) −H −H B(C6F5)4 3−4 −Cl −(n-C3H7) −CH3 −CH3 SbF6 3−5 −Cl −(n-C3H7) −CH3 −CH3 PF6 3−6 −Cl −(n-C4H9) −OCH3 −OCH3 SbF6 3−7 −Cl −(n-C4H9) -OCH2CH2OH -OCH2CH2OH PF6
【0022】これらのスルホニウム塩以外にも、例えば
特開平8−165290号公報に記載されているスルホ
ニウム塩が例示される。本発明で使用する上記の(B)
成分としては、波長360〜500nmの領域における
最大モル吸光係数が100以上、より好ましくは100
0以上、特に好ましくは2000以上であるものがよ
い。波長360〜500nmの領域で吸収が無かった
り、モル吸光係数が100以下の場合、特に顔料を含む
組成物においては、硬化しなかったりあるいは硬化が遅
くなるという問題が生ずるおそれがある。
【0023】これらのスルホニウム塩のうち特に好まし
いものとしては、例えば、前記表におけるNo.1−
5、No.1−6、No.1−7、No.1−8、N
o.1−9、No.1−10、No.1−11、No.
1−12等のチオキサントン構造を有するスルホニウム
塩が挙げられる。
【0024】本発明の(C)成分であるフェノチアジン
骨格を有するフェノチアジン化合物は、本発明の組成物
の硬化性、特に顔料を含む組成物において硬化性をより
向上させるのに寄与する成分である。(C)成分の具体
例としては、フェノチアジン、2−クロロフェノチアジ
ン、2−(トリフルオロメチル)フェノチアジン、2−
アセチルフェノチアジン、2−メトキシフェノチアジ
ン、2−クロロ−10−(3−ジメチルアミノプロピ
ル)−フェノチアジン、10−(2−ジエチルアミノプ
ロピル)フェノチアジン等が挙げられる。
【0025】これらのフェノチアジン化合物のうち特に
好ましいものとしては、例えば、フェノチアジン等が挙
げられる。
【0026】本発明では、任意成分として顔料(D)を
使用することが出来る。使用しうる顔料(D)の具体例
としては、例えば、カーボッブラック、黄鉛、モリブデ
ン、ベンガラ、二酸化チタンあるいは酸化アルミニウム
で被覆されたルチル型二酸化チタン等の無機顔料、シア
ニングリーン、シアニンブルー、ハンザイエロー、ベン
ジジンイエロー、ブリリアントカーミン6B、レークレ
ッドC、パーマネントレッドF5R等の有機顔料等を挙
げることができる。
【0027】本発明のエネルギー線硬化性組成物の各成
分(A)〜(D)の使用割合は、(A)成分は、本発明
の組成物中、34.7〜99.7重量%が好ましく、特
に好ましくは49.7〜99.7重量%である。(B)
成分は、本発明の組成物中、0.3〜15重量%が好ま
しく、特に好ましくは1〜10重量%である。(C)成
分は、本発明の組成物中、0.01〜5重量%が好まし
く、特に好ましくは0.05〜3重量%である。(D)
成分は、通常0〜70重量%、好ましくは10〜60重
量%である。
【0028】本発明のエネルギー線硬化性組成物は、重
合を損わない範囲で希釈のため溶媒や改質のための樹脂
類(例えば、アクリルポリマー、ポリウレタンポリマ
ー、ポリエステルエラストマー、ポリ塩化ビニルポリマ
ー、アクリロニトリルゴム等)、また例えば、電気特性
を改良する目的で有機カルボン酸や酸無水物を使用した
り、あるいはゴム弾性をもたせるなどの目的でポリオー
ルその他の可とう性プレポリマーを混合することがで
き、更に、染料、充填剤、帯電防止剤、難燃剤、消泡
剤、流動調整剤、光安定剤、カップリング剤、有機溶剤
等を混合して用いることができる。
【0029】本発明のエネルギー線硬化性組成物は
(A)〜(C)成分を、更に必要に応じて(D)成分更
には他の成分を、混合、溶解、分散、混練することによ
り調製することができる。
【0030】本発明の硬化性組成物は、基材に膜厚が好
ましくは1〜100μm、より好ましくは2〜50μm
となるように塗布後、紫外線等のエネルギー線を照射す
ることにより0.1秒〜数分後に指触乾燥状態あるいは
溶媒不溶性の状態に硬化することができる。基材として
は、例えば金属、木材、紙、ゴム、プラスチック、ガラ
ス、セラミック等でつくられた製品等があげられる。本
発明の硬化性組成物の基材への塗布方法としては、例え
ばスクリーン印刷、乾式オフセット印刷等の印刷法、ロ
ールコータ、スピンコータ、パーコータ等のコータを用
いる方法等があげられる。適当なエネルギー線として
は、高圧水銀灯、低圧水銀灯、キセノランプ、メタルハ
ライドランプ、殺菌灯、レーザー光などから得られる2
00nm〜500nmの波長を有するエネルギー線を使
用するのが好ましい。エネルギー線への暴露は、エネル
ギー線の強度によるが、通常0.1秒〜10秒程度で十
分である。しかし、比較的厚い塗装物については、それ
以上の時間をかけるのが好ましい。エネルギー線照射後
0.1秒〜数分後には重合により硬化するが、重合反応
を促進するために、エネルギー線照射時またはエネルギ
ー線照射後加熱することも出来る。
【0031】本発明の組成物の具体的な用途としては、
例えば食缶等の金属缶用のホワイトインキ、各種印刷イ
ンキ、塗料、レジストインキ、目止め剤、接着剤等が挙
げられる。本発明の組成物の硬化皮膜を有する物品の例
としては、例えば食缶用缶等の金属缶があげられる。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に具体的に説
明する。なお、実施例中の部は、重量部である。 実施例1〜3、比較例1、2 表4に示す配合組成(数値は重量部である。)に従って
各成分を配合し、三本ロールミルで混練し本発明のエネ
ルギー線硬化性組成物を得た。これをアルミニウム板の
上に10μの厚さにバーコーターで塗布し、メタルハラ
イドランプ(80w/cm2)で8cmの距離から紫外線を15
0mJ/cm2 照射し硬化させた。調製された各組成物
の硬化性、硬化塗膜の光沢について試験した。それらの
結果を表4に示す。
【0033】硬化性:硬化塗膜を24時間放置後、メチ
ルエチルケトンを染め込ませた脱脂綿でラビングして塗
膜に変化がない回数を測定した。 光 沢:硬化塗膜の表面を目視判定した。 ○・・・・光沢が良好である。 △・・・・ややくもりがある。 ×・・・・全く光沢がない。
【0034】
【表4】 表4 実施例 比較例 1 2 3 1 2 (A)成分 3,4−エポキシシクロヘキシル メチル−3,4−エポキシシクロ ヘキサンカーボキシレート 84 68 84 84 84 ビスフェノールAジグリシジル エーテル 20 (B)成分 化合物No.1−5 3 3 化合物No.1−6 3 化合物No.1−11 3 フェノチアジン 0.1 0.1 0.1 (D)成分 その他 二酸化チタン(ルチル型) 100 100 100 100 100 UVI−6990 *1 6 ポリエステル樹脂 *2 10 6 10 10 10 界面活性剤(L−7604)*3 0.4 0.4 0.4 0.4 0.4 硬化性(ラビング回数) 100回 100 回 100 回 5回 1回 以上 以上 以上 光沢 ○ ○ ○ ○ ×
【0035】 注) *1 UVI−6990:ユニオンカーバイド(株)製、光カチオ ン重合開始剤。プロピレンカーボネート50%希釈品、波長 360nm以上での吸収なし。 *2 ポリエステル樹脂:東洋紡績社製「バイロン200」分子量 2000〜3000。 *3 L−7604:日本ユニカー社製、界面活性剤。 *4 化合物No.1−5:光カチオン重合開始剤、波長384n mでモル吸光係数5000。 *5 化合物No.1−6:光カチオン重合開始剤、波長nmでモ ル吸光係数。 *6 化合物No.1−11:光カチオン重合開始剤、波長387 nmでモル吸光係数4580。
【0036】表4の結果から明らかなように、本発明の
エネルギー線硬化性組成物は、顔料を含有する組成にお
いても、紫外線による硬化性、及び得られた硬化物の光
沢等に優れている。
【0037】
【発明の効果】本発明のエネルギー線硬化性組成物は、
波長360〜500nmの領域における最大モル吸光係
数が100以上であるスルホニウム塩(B)とフェノチ
アジン化合物(C)を併用することにより、特に顔料系
で硬化性にすぐれ、光沢等に優れた硬化物を与える。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カチオン重合性物質(A)と波長360〜
    500nmの領域における最大モル吸光係数が100以
    上であるスルホニウム塩(B)とフェノチアジン化合物
    (C)を含有することを特徴とするエネルギー線硬化性
    組成物。
  2. 【請求項2】スルホニウム塩(B)がチオキサントン構
    造を有するスルホニウム塩である請求項1のエネルギー
    線硬化性組成物。
  3. 【請求項3】顔料(D)を含有する請求項1または2の
    エネルギー線硬化性組成物。
  4. 【請求項4】請求項1ないし3の何れか一項に記載のエ
    ネルギー線硬化性組成物の硬化物。
  5. 【請求項5】請求項4に記載の硬化物皮膜を有する物
    品。
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