JPH10117980A - 高層建築物外壁面清掃装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課 題】 横方向に簡単に移動できる高層建築物外壁
面清掃装置を提供する。 【解決手段】 外壁面に上下方向に延在する複数本のガ
イドレール７を有する高層建築物の屋上に移動可能に配
置された懸架装置と、この懸架装置により懸架され、か
つ前記ガイドレール７に沿って上下動可能なゴンドラ１
とよりなり、このゴンドラ１を前記懸架装置により懸架
される吊りフレーム２と、この吊りフレーム２に横移動
可能であって、かつ両側方より突出可能に支持された可
動フレーム３とからなり、更に前記吊りフレーム２と可
動フレーム３は前記ガイドレール７に夫々案内可能に構
成されている高層建築物外壁面清掃装置。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は高層建築物外壁面清
掃装置、より詳しくは高層ビルの窓等の清掃に用いられ
る高層建築物外壁面清掃装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般に高層ビル等の高層建築物の外壁面
には予め窓等の外壁面を清掃するため所定の間隔を置い
て複数本のガイドレールが上下方向に平行して配置され
ている場合が多く、したがってこのような高層建築物の
外壁面を清掃するときは、屋上に配置され、横移動でき
るクレーンの如き懸架装置からゴンドラを懸架し、この
ゴンドラを前記ガイドレールに沿って上下動しながら作
業員により、又は自動清掃装置により清掃することが行
なわれている。

【０００３】この高層建築物外壁面清掃装置によれば、
ガイドレールに沿って上下動するゴンドラの到達面の清
掃を行なった後、隣接する外壁面を清掃しようとすると
きは、その都度懸架装置によりゴンドラを屋上まで引上
げて、このゴンドラを隣接するガイドレールに係合させ
る作業が必要である。このようにゴンドラを屋上まで引
上げた上で横方向に移動し、次のガイドレールにゴンド
ラを係合させる準備作業が必要であることから、清掃作
業に時間がかかるという問題がある。

【０００４】このような問題を解決するため、所定の清
掃作業終了点においてゴンドラを横方向へ移動すること
が考えられ、その一手段として、ゴンドラ下部にガイド
レールの間隔の２倍の長さを有し、かつ、両端に係合装
置を有するフレームを取付け、この係合装置をガイドレ
ールに係合させてフレームを固定した後、このフレーム
に沿ってゴンドラを横方向へ移動させる考案が実開平６
−１０５０１号公報で提案されている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】前記したような従来の
高層建築物の外壁面清掃装置においては、ゴンドラを隣
りのガイドレールの位置に移動しようとする場合は、ま
ずゴンドラをガイドレールに係合固定した状態でゴンド
ラの下方に設けてあるガイドフレームを、ゴンドラを移
動しようとする隣りのガイドレールの方に突出移動さ
せ、次いでこれをガイドレールに係合固定した後に、ゴ
ンドラをこのガイドレールに沿って１間隔分分だけ横移
動することになる。

【０００６】従って、その移動はゴンドラの一側面のガ
イドレールの間隔に相等する距離に過ぎず、もし、横方
向に複数分離れた位置にあるガイドレールにゴンドラを
移動しようとすれば、ゴンドラとガイドフレームに設け
られた係合装置を交互にガイドレールに脱着を繰り返す
必要があり、しかも高所でのこのような操作は面倒であ
るばかりでなく、時間を要するという問題があった。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は前記従来技術の
問題点を解決するためになされたものであって、外壁面
に上下方向に延在する複数本のガイドレールを有する高
層建築物の屋上に移動可能に配置された懸架装置と、こ
の懸架装置により懸架され、かつ前記ガイドレールに沿
って上下動可能なゴンドラとよりなり、このゴンドラを
前記懸架装置により懸架される吊りフレームと、この吊
りフレームに横移動可能であって、かつ両側方より突出
可能に支持された可動フレームとからなり、更に前記吊
りフレームと可動フレームは前記ガイドレールに夫々案
内可能に構成されている高層建築物外壁面清掃装置を提
供するものである。

【０００８】そして好ましくは、ゴンドラを少なくとも
２本のガイドレールに沿って上下動するよう構成される
とともに、このゴンドラを構成する吊りフレームと可動
フレームとには夫々、高層建造物の外壁面に向って出没
し、かつ先端にガイドレールに嵌合するガイドローラ等
のガイドと係合固定する部材を有するガイドアームが配
置される。

【０００９】前記のように構成した高層建築物外壁面清
掃装置において、ガイドレールに沿って上下動して所定
面を清掃した後、ゴンドラを横方向へ移動させようとす
るときは、吊りフレームをガイドレールに固定した状態
で、可動フレームの左右何れかの方向へ移動させ、この
可動フレームをガイドレールに固定した後、吊りフレー
ムを可動フレーム側に移動させることとなる。

【００１０】このとき可動フレームは、吊りフレームの
両側に夫々突出可能なように構成されているため、吊り
フレームをガイドレールに係合固定した状態で可動フレ
ームを、例えば左側から右側に突出させてガイドレール
に係合固定することができるので、１回の吊りフレーム
と可動フレームのガイドレールへの着脱により、左右に
夫々ガイドレール間隔の２倍移動可能となり、清掃面の
許容範囲が広くなり、その作業効率を向上させることが
できる。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下図１乃至図を参照して本発明
による高層建築物外壁面清掃装置の一実施例を説明す
る。図１はゴンドラ１の正面図、図２は図１のＸ−Ｘ線
矢視平面図、図３は図１のＹ−Ｙ線断面図、図４は同斜
視図である。ゴンドラ１は吊りフレーム２と、この吊り
フレーム２に支持されて横移動する可動フレーム３とよ
り構成され、吊りフレーム２はワイヤー４により高層建
築物５の屋上に配置された図示しないクレーン等の懸架
装置により懸架されている。この高層建築物５の外壁面
６には上下方向に延在するガイドレール７が間隔Ｌを有
するように複数本配置されている。

【００１２】ゴンドラ１を構成する吊りフレーム２内に
は上下に夫々案内部材８，８ａを介して横方向に、即ち
図１の矢印ａ−ａ′方向へ移動可能なように可動フレー
ム３が支持されている。この可動フレーム３の横移動装
置は、特には図示しないが例えばラックアンドピニオン
方式やボールねじ方式又は油圧シリンダ装置等が適宜選
択される。

【００１３】そして可動フレーム３には清掃ユニット９
が取付けられるとともに、先端にガイドローラ等の前記
ガイドレール７に係合する係合部材１０を有するガイド
アーム１１が上下に間隔Ｌ₁ を有するように２本及びガ
イドレール７の間隔Ｌを有するように左右に２本、計４
本が設けられている。一方、吊りフレーム２にも可動フ
レーム３と同様にガイドローラ等の係合部材１２を有す
るガイドアーム１３が４本設けられ、これらのガイドア
ーム１１，１３は図示しないが、夫々外壁面６に向かっ
て、例えば油圧機構等により出没可能なように構成され
ている。

【００１４】前記構成による高層建築物外壁面清掃装置
の操作は次のようにして行う。 Ａ）吊りフレーム２の上下に設けられたガイドアーム１
１を突出させ、先端のガイドローラ等の係合部材１０を
ガイドレール７に嵌合させ、懸架装置を操作してゴンド
ラ１を上下方向に移動させ、清掃ユニット９又は作業員
により外壁面６を清掃して行く。

【００１５】Ｂ）そして図５に示すように、ガイドレー
ル７ａ，７ｂ間の外壁面６ａ清掃が終了した位置からガ
イドレール７ｂ，７ｃ間にゴンドラ１を移動させようと
するるときは、先ず移動装置を作動させて可動フレーム
３を矢印ａ′方向に移動させてガイドレール７ｂ，７ｃ
間に位置させる。そして可動フレーム３に設けられたガ
イドアーム１３を突出させてガイドローラからなる係合
部材１２をガイドレール７ｂ，７ｃに嵌合し、この可動
フレーム３を固定する。

【００１６】Ｃ）次に図６に示すように吊りフレーム２
のガイドアーム１１を引込み、その先端部に設けてある
係合部材１０をガイドレール７ａ，７ｂから解除する。
そして移動装置によりこの吊りフレーム２を矢印ａ′方
向へ移動させて可動フレーム３と重ね、次いでガイドア
ーム１１を突出させてガイドローラからなる係合部材１
０をガイドレール７ｂ，７ｃに嵌合して固定する。

【００１７】前記のように可動フレーム３と吊りフレー
ム２を重ねる操作中にこの吊りフレムー２を吊っている
ワイヤ４がガイドレール７ａ，７ｂに対して斜めになる
が、この状態を避けるために高層建築物５の屋上に配置
されたクレーン等の懸架装置を横移動する。この横移動
操作は前記吊りフレーム２の横移動中でも横移動が終了
した後でも行うことができる。

【００１８】Ｄ）そして可動フレーム３のガイドアーム
１３を引き込んだ後、図示しない懸架装置によりこのゴ
ンドラ１を上動方向へ移動させることによりガイドレー
ル７ｂ，７ｃ間の外壁面６ｂの清掃を行なうのである。 Ｅ）一方、図６乃至図８に示すように、ガイドレール７
ａ，７ｂ間の外壁面６ａの清掃が終了した後に、ゴンド
ラ１をガイドレール７ｂ，７ｃではなく、更に隣りのガ
イドレール７ｃ，７ｄ間に移送してその間の外壁面６ｃ
を清掃しようとする場合は、図７に示すように先ず前記
と同様にして可動フレーム３を移動させてガイドレール
７ｂ，７ｃにガイドアーム１３の係合部材１２を固定す
る。

【００１９】Ｆ）次いで図８に示すように吊りフレーム
２を移動装置により矢印ａ′方向にガイドレール７ｃ，
７ｄ間にまで移動させて固定する。然る後、ガイドレー
ル７ｃ，７ｄに固定されている吊りフレーム２に対して
可動フレーム３を引き込んでガイドレール７ｃ，７ｄ間
まで移送する。そして懸架装置によりこのゴンドラ１を
上下方向に移動させることによりガイドレール７ｃ，７
ｄ間の外壁面６ｃを清掃することができるのである。

【００２０】勿論このゴンドラ１の移動は矢印ａ方向へ
の移動も可能であり、そのため、あるガイドレール７に
固定された吊りフレーム２に対して可動フレーム３は左
右両側に突出するように横移動してガイドレール７へ固
定することができるため、例えば図７〜図９を参照して
理解できるように可動フレーム３を仲介役として、吊り
フレーム２を横移動することができるため、この吊りフ
レーム２と可動フレーム３とをガイドレール７への１回
の着脱操作により、ガイドレール７の間隔の２倍の位置
まで移動させることができるのである。

【００２１】なお、本発明は前記実施例に限定されるも
のではなく、例えば吊りフレーム２及び可動フレーム３
に設けられるガイドアーム１１，１３は適宜選定した装
置を使用することができる。

【００２２】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
による高層建築物外壁面清掃装置によれば、高層建築物
の屋上から懸架されるゴンドラを吊りフレームと、この
吊りフレーム内に水平方向に移動可能であって、かつ水
平方向両側に夫々突出可能なように支持された可動フレ
ームとより構成したため、風力等による揺動を抑制しな
がら横方向への移動範囲が広くなり、その結果、清掃作
業効率を向上させることができるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による高層建築物外壁面清掃装置の正面
図である。

【図２】図１におけるＸ−Ｘ線矢視平面図である。

【図３】図１におけるＹ−Ｙ線矢視側面図である。

【図４】同清掃装置の斜視図である。

【図５】本発明による高層建築物外壁面清掃装置の第１
移動行程説明図である。

【図６】本発明による高層建築物外壁面清掃装置の第２
移動行程説明図である。

【図７】本発明による高層建築物外壁面清掃装置の第３
の移動行程説明図である。

【図８】本発明による高層建築物外壁面清掃装置の第４
の移動行程説明図である。

【図９】本発明による高層建築物外壁面清掃装置の第５
の移動行程説明図である。

【符号の説明】

１ ゴンドラ ２ 吊りフレーム ３ 可動フレーム ４ ワイヤー ５ 高層建築物 ６ 外壁面 ７ ガイドレール ８ スライド部 ９ 清掃ユニット １０，１２ 係合部材
（ガイドローラ） １１，１３ ガイドアーム

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 外壁面に上下方向に延在する複数本のガ
   イドレールを有する高層建築物の屋上に移動可能に配置
   された懸架装置と、この懸架装置により懸架され、かつ
   前記ガイドレールに沿って上下動可能なゴンドラとより
   なり、 このゴンドラを前記懸架装置により懸架される吊りフレ
   ームと、この吊りフレームに横移動可能であって、かつ
   両側方より突出可能に支持された可動フレームとからな
   り、更に前記吊りフレームと可動フレームは前記ガイド
   レールに夫々案内可能に構成されている高層建築物外壁
   面清掃装置。
2. 【請求項２】 ゴンドラを少なくとも２本のガイドレー
   ルに沿って上下動可能に構成された請求項１記載の高層
   建築物外壁面清掃装置。
3. 【請求項３】 吊りフレームと可動フレームとに、夫々
   外壁面に向って出没し、かつ先端にガイドレールに嵌合
   する部材を有するガイドアームを設けてなる請求項１及
   び２記載の高層建築物外壁面清掃装置。