JPH10115718A - 光ファイバ心線又はケーブルの輪取り用具及び輪取り方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光ファイバ心線を、捻じれを入れることな
く、コンパクトに、簡単に輪取りできるようにする。 【解決手段】 光ファイバ心線Ｆを、８の字形の一方の
ループを形成するように案内する第１のガイド部材２Ａ
と、他方のループを形成するように案内する第２のガイ
ド部材２Ｂとを連結部３を介して折り畳み可能に連結す
る。第１のガイド部材２Ａと第２のガイド部材２Ａを平
面状に展開し、そこに光ファイバ心線Ｆを８の字形に輪
取りした後、第１のガイド部材２Ａと第２のガイド部材
２Ｂを折り畳むことにより８の字形の光ファイバ心線Ｆ
を単一ループ状にする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバ心線又
はケーブルの輪取り用具と、それを用いた輪取り方法に
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、光ファイバ心線の余長を余長収納
ケースなどに収納する場合は、光ファイバ心線を単一ル
ープ状に輪取りして余長収納ケースなどに収納するのが
一般的である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし光ファイバ心線
を単一ループ状に輪取りすると、光ファイバ心線に１巻
きにつき１回の捻じりが入るため、光ファイバに捻じり
歪みが生じ、損失増加が発生するおそれがあるという問
題がある。

【０００４】光ファイバ心線を捻じれが入らないように
輪取りするには、８の字形に輪取りすればよい。しかし
光ファイバ心線の許容曲げ半径は変わらないため、光フ
ァイバ心線を８の字形に輪取りすると、輪取りした光フ
ァイバ心線の収納スペースが単一ループ状に輪取りした
場合のほぼ２倍になるという問題がある。以上のような
問題は光ファイバケーブルの余長を輪取りする場合など
にも存在する。

【０００５】本発明の目的は、以上のような問題点に鑑
み、光ファイバ心線又はケーブルを、捻じれを入れるこ
となく、コンパクトに、簡単に輪取りすることができる
輪取り用具と、それを用いた輪取り方法を提供すること
にある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この目的を達成する本発
明の輪取り用具は、光ファイバ心線又はケーブルを、８
の字形の一方のループを形成するように案内する第１の
ガイド部材と、他方のループを形成するように案内する
第２のガイド部材とが折り畳み可能に連結されているこ
とを特徴とするものである。

【０００７】また本発明による輪取り方法は、上記の輪
取り用具を用い、第１のガイド部材と第２のガイド部材
を平面的に展開した状態で、そこに光ファイバ心線又は
ケーブルを８の字形に輪取りした後、第１のガイド部材
と第２のガイド部材を折り畳むことにより８の字形の光
ファイバ心線又はケーブルを交差部で折り畳んで単一ル
ープ状にまとめることを特徴とするものである。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照して詳細に説明する。 〔実施形態１〕図１ないし図３は本発明の第１の実施形
態を示す。この輪取り用具１は、第１のガイド部材２Ａ
と、第２のガイド部材２Ｂと、この両者を連結する連結
部３とから構成されている。

【０００９】第１のガイド部材２Ａは、図１に示すよう
に、平板部４Ａの上面に短い円筒部５Ａを一体に設け、
円筒部５Ａの上端に外方に向けて複数の突片６Ａを一体
に設けたものである。第２のガイド部材２Ｂも同様に、
平板部４Ｂ、円筒部５Ｂおよび突片６Ｂから構成されて
いる。円筒部５Ａ、５Ｂは連結部３側の一部の周壁が切
り欠かれているが、この切欠きはあってもなくてもよ
い。

【００１０】第１のガイド部材２Ａは、光ファイバ心線
Ｆを８の字形に輪取りするときに、８の字形の一方のル
ープを形成するように案内するものであり、第２のガイ
ド部材２Ｂは同じく他方のループを形成するように案内
するものである。円筒部５Ａ、５Ｂは、そのときに、光
ファイバ心線Ｆの曲げ半径を許容範囲内に規制するもの
であり、突片６Ａ、６Ｂは光ファイバ心線Ｆの飛び出し
を防止するものである。

【００１１】連結部３と平板部４Ａ、４Ｂとの境界は折
り曲げ部７Ａ、７Ｂとなっている。この輪取り用具は、
折り曲げ部７Ａ、７Ｂで折り曲げることにより図２のよ
うに折り畳めるようになっている。連結部３の幅は、図
２からも明らかなように円筒部５Ａ、５Ｂの各々の高さ
の２倍に設定されている。

【００１２】次に、この輪取り用具１を用いた光ファイ
バ心線の輪取り方法を説明する。まず図１のように第１
のガイド部材２Ａと第２のガイド部材２Ｂを平面的に展
開した状態で、そこに光ファイバ心線Ｆを８の字形に輪
取りする。この状態では光ファイバ心線Ｆに捻じりは入
らない。必要長の輪取りが終えたら、第１のガイド部材
２Ａと第２のガイド部材２Ｂを図２のように折り畳む。
すると８の字形の光ファイバ心線Ｆはその交差部を境に
して折り畳まれ、単一ループ状になる。したがって輪取
り寸法は８の字形の場合のほぼ半分になる。また折り畳
んでも光ファイバ心線Ｆに捻じりや折れ曲がりが入るこ
ともない。この後は、光ファイバ心線Ｆを単一ループ状
に保ったまま、輪取り用具１を開いて輪取り用具１から
取り外し、余長収納ケースに収納する。

【００１３】なお、輪取り用具１で輪取りした光ファイ
バ心線Ｆは、余長収納ケースに移し替えずに、そのまま
の状態で保管することもできる。その場合は、輪取り用
具１に折り畳んだ状態を保持する止め具を設けておくと
よい。

【００１４】この輪取り用具１の各部の寸法は、図３の
ように、Ｄ₁ ：光ファイバ心線Ｆの許容曲げ径（円筒部
５Ａ、５Ｂの外径）、Ｄ₂ ：突片６Ａ、６Ｂの先端の包
絡円の直径、Ｌ：円筒部５Ａ、５Ｂの中心から８の字形
の交差部までの距離、とすると、次の関係が成り立つよ
うに設定することが好ましい。

【００１５】

【数１】（１／２）πＤ₁ ＋２√｛Ｌ² ＋（Ｄ₁ ／２）
² ｝＞πＤ₂ ²

【００１６】〔実施形態２〕次に、図４〜図６を参照し
て本発明の第２の実施形態を説明する。この輪取り用具
１も、第１のガイド部材２Ａと、第２のガイド部材２Ｂ
と、連結部３で構成され、折り曲げ部７Ａ、７Ｂで折り
曲げて折り畳み可能となっているものであるが、第１お
よび第２のガイド部材２Ａ、２Ｂの構造が前記実施形態
のものと異なっている。

【００１７】すなわち第１および第２のガイド部材２
Ａ、２Ｂは、光ファイバ心線Ｆを案内する部分が、複数
の心線受け部８で構成されているものである。各心線受
け部８は、図６（Ａ）に示すように、平板部４Ａ、４Ｂ
にコの字形のスリット９を入れて弾性舌片１０を形成
し、この弾性舌片１０上に、９０°より小さい角度α₁
で外方に傾いた外傾突片１１と、９０°より若干小さい
角度で内方に傾いた内傾突片１２を一体に形成したもの
である。外傾突片１１を外方に傾けてあるのは、光ファ
イバ心線Ｆを８の字形に巻きつけるときに光ファイバ心
線Ｆが飛び出さないようにするためである。

【００１８】外傾突片１１の基端から先端までの長さは
連結部３の幅とほぼ同じになっており、内傾突片１２の
先端部の平板部４Ａ、４Ｂからの高さは連結部３の幅よ
り大きくなっている。このため、この輪取り用具１を図
５のように折り畳むと、内傾突片１２の先端部が向かい
側の平板部４Ａ又は４Ｂに突き当たって押されるため、
弾性舌片１０が図６（Ｂ）のように変形し、このため外
傾突片１１が起き上がってほぼ直立する（α₂ ≒９０
°）ようになっている。なお心線受け部８は、輪取り用
具１を図５のように折り畳んだときに互いにぶつかり合
わないように、図４のように平板部４Ａと４Ｂで位置を
ずらして形成されている。

【００１９】この輪取り用具１を用いた光ファイバ心線
の輪取り方法は、第１の実施形態とほぼ同様であるが、
この輪取り用具１は、図５のように折り畳んだときに、
内傾突片１２の先端部が押され、弾性舌片１０がたわん
で、外傾突片１１が平板部４Ａ、４Ｂに対しほぼ直角に
なるため、第１のガイド部材２Ａ側の光ファイバ心線Ｆ
のループと第２のガイド部材２Ｂ側の光ファイバ心線Ｆ
のループを一まとめにするときに、その作業を容易に行
うことができる。

【００２０】〔その他の実施形態〕以上の実施形態では
光ファイバ心線を輪取りする場合について説明したが、
本発明は光ファイバケーブルの余長を輪取りする場合に
も同様に適用できるものである。

【００２１】

【発明の効果】以上説明したように本発明の輪取り用具
を使用すれば、光ファイバ心線又はケーブルを、ねじり
を入れることなくコンパクトに輪取りすることができる
ので、光ファイバ心線又はケーブルの余長の収納、保管
等に便利である。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明に係る輪取り用具の第１の実施形態を
展開した状態で示す斜視図。

【図２】 図１の輪取り用具の折り畳んだ状態を示す正
面図。

【図３】 図１の輪取り用具の各部の寸法を示す平面
図。

【図４】 本発明に係る輪取り用具の第２の実施形態を
展開した状態で示す平面図。

【図５】 図４の輪取り用具の折り畳んだ状態を示す断
面図。

【図６】 （Ａ）は図４の輪取り用具を展開したときの
心線受け部の状態を、（Ｂ）は折り畳んだときの心線受
け部の状態を示す斜視図。

【符号の説明】

Ｆ：光ファイバ心線 １：輪取り用具 ２Ａ：第１のガイド部材 ２Ｂ：第２のガイド部材 ３：連結部 ４Ａ、４Ｂ：平板部 ５Ａ、５Ｂ：円筒部 ６Ａ、６Ｂ：突片 ７Ａ、７Ｂ：折り曲げ部 ８：心線受け部 ９：スリット １０：弾性舌片 １１：外傾突片 １２：内傾突片

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高野 貞明 東京都新宿区西新宿三丁目19番２号 日本 電信電話株式会社内 (72)発明者 袋井 博樹 東京都品川区西五反田５丁目23番８号 株 式会社正電社内 (72)発明者 田辺 悦男 東京都品川区西五反田５丁目23番８号 株 式会社正電社内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】光ファイバ心線又はケーブルを、８の字形
   の一方のループを形成するように案内する第１のガイド
   部材と、他方のループを形成するように案内する第２の
   ガイド部材とが折り畳み可能に連結されていることを特
   徴とする光ファイバ心線又はケーブルの輪取り用具。
2. 【請求項２】請求項１記載の輪取り用具の第１のガイド
   部材と第２のガイド部材を平面状に展開し、そこに光フ
   ァイバ心線又はケーブルを８の字形に輪取りした後、第
   １のガイド部材と第２のガイド部材を折り畳むことによ
   り８の字形の光ファイバ心線又はケーブルを単一ループ
   状にまとめることを特徴とする光ファイバ心線又はケー
   ブルの輪取り方法。