JP2007234711A - 光源 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】半導体レーザ(1)と、該レーザからの励起光を導光する第1の光導波路(2)と、該光導波路からの光を吸収して励起光よりも長波長の自然放出光を出射する第2の光導波路(3)と、該光導波路からの光を外部に導光する第3の光導波路(4)と、第2、第3の光導波路間に設けられた波長選択素子(7)と偏光子(6)とを備え、波長選択素子よりも半導体レーザ側と外部への出射側との間で共振器(k)が形成されており、自然放出光を共振器によって発振させたレーザ光を出射する光源であって、第2の光導波路の形状を機械的に固定することにより前記発振レーザ光の波長を設定し、且つ特性を安定させる。
【選択図】図1
Description
また、広帯域な波長から基本波を生成した場合、励起光よりも長波長の自然放出光を共振器によって発振させたレーザ光の波長を必ずしも所望の波長に設定することが出来ない場合があり、そのため構成する部品の形態を変えたり、微調整をしたりする必要があるという問題があった。また基本波の波長を0.1nm単位で設定することは非常に難しいという問題があった。また基本波では、複数の波長にエネルギーが分散するという、いわゆる縦モード割れの現象が多く、結果としてパワーロスが大きいという問題があった。また基本波の光路に波長選択素子を挿入し、設定波長における半値幅をシャープにする工程で、基本波長と波長選択素子が持つ波長とがマッチングしない場合は、共振光のパワーを最大値に出来ないという問題があった。
本発明は、上記従来技術が有する各種問題点を解決するためになされたものであり、適切な波長を有する基本波、例えば、光源の出力波長として、530nm〜600nm帯の波長の基本波である1060nm〜1200nm帯の広帯域な波長光の生成が可能で、また発振されるレーザ光の波長安定性、ノイズ特性改善を実現することが可能で、更に励起光よりも長波長の自然放出光を共振器によって発振させたレーザ光の波長を0.1nm単位で設定し、出射することが可能で、より実用に供する光源を提供することを目的としている。
曲げられた光ファイバ内を光が伝播する場合(図7(b))は、第2のクラッド層(33)で反射する角度が鋭角になり、多くの反射を繰り返す為、境界面を反射し進む光(b’)は直線に近いファイバ内を光が伝播する場合(図7(a))の境界面を反射し進む光(b)と比較して伝搬する光路が長くなる。
また915nmの励起光が、Yb添加ダブルクラッドファイバ(3)を透過することによりエネルギー準位に変異が生じ1060nm〜1200nm帯に変換される。この場合、Ybとの結合が多いほど効率の良い変換が起きる。従って、光を伝搬する光路が長くなると結合回数が増え、効率の良い変換ができる事になる。
また効率の良い変換効率を得る方法としては、上記光伝搬光路を長くする方法の他に、Yb添加ダブルクラッドファイバの長さを長くする方法、又はYbの添加濃度を上げる方法等がある。これらの方法の内、光ファイバを長くすることが最も効果的であるが光ファイバ価格が高額な事もあり、光ファイバを曲げる事、すなわち、環状光ファイバ体とする、又は円柱状の固形物に巻き付けることにより補完するのが理想的である。
また、本発明の光源によれば、半導体レーザから出力された波長915nmのレーザ光から第1,第2,第3の光導波路、および共振器により530nm〜600nm帯の波長の基本波である1060nm〜1200nm帯の広帯域な波長光を生成することができるようになる。また励起光よりも長波長の自然放出光を共振器によって発振させたレーザ光の波長を0.1nm単位で設定し、出射することが可能となる。また波長選択素子のバンドパス機能により、任意の半値幅の狭いシャープな波長域のレーザ光を生成することができるようになる。そして、本発明の光源のレーザ光を波長変換素子(例えばPPLN)に導光させ、SHG光を発生させることができるようになる。
従って、本発明の光源は、レーザ顕微鏡、蛍光分析装置等に必要とされる530nm〜600nm帯の波長を生成する基本波として使用することが可能となり、結果として、従来分析が難しい種々のたんぱく質等の蛍光分析が出来るようになる。従って、本発明は産業上に寄与する効果が極めて大である。
半導体レーザは、励起用のレーザ光を出力するもので、希土類の発振波長に依存する波長(例えばYb(イットリビウム)は900nm〜1000nm)を出力する。例えば、波長915nmで数百mW〜5W程度のレーザ光を出力するものが好ましい。
また前記第1の光導波路は、半導体レーザから出力された励起光を、効率良く第2の光導波路に導光するために用いられる。なお光導波路としては光ファイバ、平面光導波回路等が用いられる。光ファイバの場合はMFD(モードフィールド直径)が大きいものが好ましく、例えばコア径が50μm以上400μm以下のマルチモード光ファイバ(以下、MMFともいう)を用いることにより励起用のレーザ光を効率良く第2の光導波路に導光することができる。前記マルチモード光ファイバの構造は例えばコア径100μm、クラッド径125μmである。
また前記第2の光導波路は、第1の光導波路から出射される励起光を吸収して励起光よりも長波長の自然放出光を放出し、特定波長に変換するために用いられる光導波路であり、例えば希土類添加ファイバが挙げられる。この第2の光導波路は、例えば波長915nmのレーザ光を入射し、光エネルギー準位の変換により、1060nm〜1200nm帯の広帯域な波長光に変換する。
また前記第3の光導波路は、第2の光導波路から出射される特定波長光を入射し、外部に導光するために用いられる光導波路である。なおこの光導波路は特定波長光の偏波面を保持したまま伝送できることが好ましく、例えば偏波保持光ファイバが挙げられる。該偏波保持光ファイバ(以下、PMFともいう)を用いることにより、例えば1060nm〜1200nm帯の波長光の偏波面を保持し、外部、例えば次段の非線形光学結晶に導光することができる。前記偏波保持光ファイバとしては、クラッド層に応力付与部を設けたもの、クラッド層の長手方向に孔を設けたもの、コアを楕円形に成形したものなどが挙げられる。
また前記波長選択素子は、誘電体多層膜フィルタまたはエタロンフィルタの少なくとも一方で構成されていることが好ましい。前記誘電体多層膜フィルタとしてはバンドパスフィルタが挙げられる。
また前記波長選択素子は、例えば波長1060nm〜1200nm帯の中から特定の波長を選定し、共振波長を設定するものであり、結果として、半値幅の狭いシャープな波長を生成することができる。なお波長選択素子は、1枚でも良いが、所望の特性を得るために複数枚であっても良い。
また前記共振器は、波長選択素子よりも半導体レーザ側と外部への出射側との間で形成される。具体的には、前記共振器の入射端面は、例えば第1の光導波路の出射端面または第2の光導波路の入射端面の少なくとも一方に施されたフィルターデバイスからなり、レーザ発振させるための一方の共振器ミラーとして使用される。また前記共振器の出射端面は、例えば第3の光導波路の入射端面または出射端面の少なくとも一方に施されたフィルターデバイスからなり、レーザ発振させるためのもう一方の共振器ミラーとして使用される。共振器により励起光よりも長波長の自然放出光を発振させ、例えば波長1060nm〜1200nm帯の広帯域な波長光を生成して、外部へ出射することができる。また前記フィルターデバイスとしては、例えば誘電体多層膜が挙げられる。
また前記第2の光導波路の形状を機械的に固定する方法としては、例えば、第2の光導波路の光ファイバを50〜60mmΦの輪取りにした環状光ファイバ体を、紐で縛り固定する方法、或いは接着剤で固定する方法等が挙げられる。
そして本例の光源では、例えば半導体レーザから出力された波長915nmのレーザ光から第1,第2,第3の光導波路、および共振器により、530nm〜600nm帯の波長の基本波である1060nm〜1200nm帯の広帯域な波長光を生成することができる。また励起光よりも長波長の自然放出光を共振器によって発振させたレーザ光の波長を0.1nm単位で設定し、出射することが可能である。また波長選択素子のバンドパス(波長選択)機能により、任意の半値幅の狭いシャープな波長域のレーザ光を生成することができる。そして、第1観点の光源のレーザ光を波長変換素子(例えばPPLN)に導光させ、SHG光を発生させることができる。
また前記第2の光導波路の形状を機械的に固定することにより、該光導波路にストレスが掛かって形状が固定され、伸縮しなくなるので、外的環境変化の影響を少なくすることができる。その結果、発振させたレーザ光の波長が変化しなくなるので、波長安定性、ノイズ特性が改良され、より実用に供する光源となる。
また本発明の光源の最良の形態例2としては、前記第2観点に記載した光源であり、前記第2の光導波路の形状を機械的に固定し、また第2の光導波路の温度を制御したものである。
第2の光導波路の温度制御は、ペルチェ素子またはヒータと温度調節器を用いて該光導波路の温度を設定し、且つ一定温度に保つことにより所望の波長のレーザ光を設定することができる。例えば10℃の温度上昇で、長波長側へ1nmの変動が可能であるので、所望の波長のレーザ光となるように第2の光導波路の温度を計算して設定すればよい。
そして本例の光源では、前記1例の光源と同様の作用・効果を奏する。また、温度制御により、レーザ光の波長の設定においては、更に微妙な設定が可能である。
また本発明の光源の最良の形態例3としては、前記第3観点に記載した光源であり、前記第2の光導波路として、例えば希土類添加ダブルクラッドファイバ(以下、ダブルクラッドファイバと略記する)を好ましく用いることができる。そして、例えば波長915nmのレーザ光を吸収して自然放出光を放出し、光エネルギー準位の変換により、効率良く1060nm〜1200nm帯の広帯域な波長光に変換することができる。
また本発明の光源の最良の形態例4としては、前記第2の光導波路が光ファイバの場合、該光ファイバの形状を機械的に固定する方法として、前記第4観点に記載した何れかの方法を好ましく用いることができる。前記糸、紐又はテープの材質、寸法等は特に限定されず、任意のものが使用できる。また前記粘着テープも任意のものが使用できる。また前記接着剤又は樹脂も任意のものが使用でき、例えば、室温硬化型、熱硬化型のシリコーンゴム、もしくはエポキシ樹脂をベースとした接着剤が挙げられる。また前記板状体としては、ゴム板、プラスチック樹脂板等が挙げられるが、2枚の板状体のうち片方の板状体を板状のヒータとし、他方の板状体をシリコーンゴム板とすればより好ましい。また前記固形物としてはプラスチック樹脂を用いることができる。なお固定された環状光ファイバ体を更に2枚の板状体の間に挟み固定する方法を用いると固定がより確実となるので好ましい。
以下、本発明の内容を、図に示す実施の形態により更に詳細に説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の光源の第1例を示す略図である。図2は、本発明の光源の光ファイバ接続部を示す拡大図である。図3は、本発明の光源において、第2の光導波路の形状を機械的に固定する方法の3例を示す略図であり、同図(a)は光ファイバを環状に輪取りした環状光ファイバ体を糸、紐又はテープで固定した例、同図(b)は光ファイバを8の字状に輪取りした8の字状輪取り体の中点を基準に折り返した環状光ファイバ体を粘着テープで固定した例、また同図(c)は光ファイバを円柱状の固形物に巻き付け、接着剤で固定した例を示す。図4は、本発明の光源の第2例を示す略図である。図5は、本発明の光源の第2例の要部を示す略図である。図6は、光ファイバを固定した場合と、光ファイバを固定しない場合の、次段の第二高調波の出力変動を示すグラフ図である。また図7は、光ファイバ内を励起光が伝搬する状態を説明するための略図であり、同図(a)は直線に近い光ファイバ内を励起光が伝搬する場合、また同図(b)は曲げられた光ファイバ内を励起光が伝搬する場合を示す。
これらの図において、1は半導体レーザ、2は第1の光導波路(マルチモード光ファイバ(MMF))、2bは共振器反射面(誘電体多層膜、第1の光導波路の出射端面)、3は第2の光導波路(光ファイバ、希土類添加ダブルクラッドファイバ(ダブルクラッドファイバ))、3aは8の字状輪取り体、3’は環状光ファイバ体(環状ダブルクラッドファイバ体)、4は第3の光導波路(偏波保持光ファイバ(PMF))、4aは共振器反射面(誘電体多層膜(光学薄膜)、第3の光導波路の入射端面)、5a,5bはレンズユニット(斜めカットレンズ)、6は偏光子、7は波長選択素子(誘電体多層膜フィルタ又はエタロン)、11は糸、紐又はテープ、11’は粘着テープ、12は円柱状の固形物、13は接着剤又は樹脂、21は第1の光導波路(MMF)のコア、22は第1の光導波路(MMF)のクラッド層、31は第2の光導波路(ダブルクラッドファイバ)のコア、32は第2の光導波路(ダブルクラッドファイバ)の第1のクラッド層、33は第2の光導波路(ダブルクラッドファイバ)の第2のクラッド層、41は第3の光導波路(PMF)のコア、42は第3の光導波路(PMF)のクラッド層、100,200は光源、aは8の字状輪取り体の中点、b,b’は境界面を反射し進む光、cは温度調節器(サーミスタ温度調節器)、dはサーミスタ体、hはヒータ(板状ヒータ)、kは共振器、sはシリコーンゴム板、またyは誘電体多層膜である。
実施例1の光源(100)は、半導体レーザ(1)と、半導体レーザから出力される励起光を導光するための第1の光導波路(2)と、第1の光導波路から出射される励起光を吸収して励起光よりも長波長の自然放出光を出射する第2の光導波路(3)と、第2の光導波路から出射される光を外部に導光するための第3の光導波路(4)と、前記第2の光導波路(3)と第3の光導波路(4)の間に設けられた一つの波長選択素子(7)とを備え、波長選択素子(7)よりも半導体レーザ側と外部への出射側との間で共振器(k)が形成されており、前記自然放出光を共振器によって発振させたレーザ光を出射する。
また、前記第2の光導波路(3)の形状を機械的に固定することにより前記発振させたレーザ光の波長を設定し、且つ特性を安定させる。
なお、前記共振器(k)は、具体的には、第1の光導波路(2)の出射端面(2b)に設けた誘電体多層膜(y)を一方の共振器反射面とし、また第3の光導波路の入射端面(4a)に設けた誘電体多層膜(y)をもう一方の共振器反射面として形成されている。また第2の光導波路(3)と第3の光導波路(4)の間には、第2及び第3の光導波路を光学的に結合するためのレンズユニット(5a),(5b)が設けられ、また波長選択素子(7)とレンズユニット(5b)の間には偏光子(6)が設けられている。
以下、更に実施例1の光源(100)の構成について詳細に述べる。
前記半導体レーザ(1)としては、波長915nmで1000mWのレーザ光を出力する半導体レーザを用いた。
また前記第1の光導波路(2)としては、コア(21)径が100μm、クラッド層(22)径が125μmとコア径が大口径のマルチモード光ファイバを用いた。なおマルチモード光ファイバとしては、コア径が50μm以上400μm以下のものを用いることができる。
また前記第2の光導波路(3)としては、コア(31)径が6μm、その外側に設けられた第1のクラッド層(32)径が125μm、また第2のクラッド層(33)径が250μmで、コア層に希土類のYbが添加されたダブルクラッドファイバを用いた。なお前記ダブルクラッドファイバとしては、コア材料が希土類(Yb又はEr)添加の石英、コア径が5μm以上100μm以下、第1クラッド材料が石英、第1クラッド層径がコア径以上1000μm以下、第2クラッド材料が石英もしくは樹脂、第2クラッド層径が第1クラッド層径以上、2000μm以下のものを用いることができる。そして第1の光導波路(2)から出射される励起光、例えば波長915nmのレーザ光を吸収して励起光よりも長波長の自然放出光、例えば1060〜1200nm帯の広帯域な波長光を出射する。
また前記第2の光導波路(3)の形状を機械的に固定する方法としては、図3(a)に示すように、ダブルクラッドファイバ(3)をΦ50〜60mmの環状に輪取りした環状光ファイバ体(環状ダブルクラッドファイバ体)(3’)の2箇所を紐(11)で縛り固定する方法を用いた。なお、紐の替わりに糸、又はテープでも良い。
また前記第3の光導波路(4)としては、コア(41)径が6μm、その外側に設けられたクラッド層(42)径が125μmで、クラッド層(42)に応力付与部(図示せず)を設けた偏波保持光ファイバを用いた。なおこの偏波保持光ファイバ(4)の詳細は、コア材料が石英(屈折率はコア>クラッド)、コア径が5μm以上100μm以下、クラッド材料が石英(屈折率はコア>クラッド)、クラッド層径がコア径以上250μm以下、クラッド層にパンダ型の応力付与部を設けたものである。
そして前記第3の光導波路(4)として偏波保持光ファイバを用いることにより、1060nm〜1200nm帯の波長の偏波面を保持し、図示しない外部、例えば次段の非線形光学結晶に導光することができた。なお非線形光学結晶は、例えば入力される1060nm〜1200nm帯の波長をその二倍周期である530nm〜600nm帯にして出力することができるものである。
また前記波長選択素子(7)としては、ガラス基板上に適宜な透過反射率の反射透過膜を設けた1枚の誘電体多層膜フィルタで構成し、透過帯域の半値幅が3nm以下で、かつ中心波長の透過率が80%以上のバンドパスフィルタを用いた。そして前記波長選択素子(7)により、波長1060nm〜1200nm帯の中から特定の波長を選定し、共振波長を設定することができた。結果として、半値幅の狭いシャープな波長を生成することができた。また前記波長選択素子(7)は、透過光に対して、該波長選択素子の相対位置を調整することにより、任意の共振波長を設定させることができた。
また前記共振器(k)としては、前記第1の光導波路の出射端面(2b)の誘電体多層膜(y)と第3の光導波路の入射端面(4a)の誘電体多層膜(y)との間に形成した共振器(k)の他に、第1の光導波路の出射端面の誘電体多層膜と第3の光導波路の出射端面の誘電体多層膜との間、第2の光導波路の入射端面の誘電体多層膜と第3の光導波路の入射端面の誘電体多層膜との間、または第2の光導波路の入射端面の誘電体多層膜と第3の光導波路の出射端面の誘電体多層膜との間に形成した共振器でも良い。
また前記レンズユニット(5a),(5b)としては、斜めカットレンズを用いた。この他、平凸レンズ、分布屈折率レンズ、GIF、または非球面レンズを用いることができる。またレンズ材質は石英または硝子(BK7、ホウ珪酸硝子等)である。そして前記レンズユニット(5a),(5b)により第2、第3の光導波路(3),(4)、波長選択素子(7)及び偏光子(6)は光学的に接続された。また異径光ファイバの光学的接続を可能にした。
また前記偏光子(6)としては、ガラス偏光子を用いた。なお、偏光子(6)の替わりに波長板を用いてもよい。なお偏光子(6)を用い、第2,第3光導波路(3),(4)の偏波面を合わせることにより出力光の消光比特性を向上させることができる。
また、前記第2の光導波路(3)の形状を機械的に固定する方法としては、上記図3(a)に示す方法のほかに、図3(b)に示すように、光ファイバ(3)を8の字状に輪取りした8の字状輪取り体(3a)の中点(a)を基準に折り返した環状光ファイバ体(3’)を粘着テープ(11’)で固定する方法、図3(c)に示すように、光ファイバを円柱状の固形物(12)に巻き付け、接着剤又は樹脂(13)で固定する方法、特に図示しないが、前記環状光ファイバ体(3’)を接着剤又は樹脂で固定する方法、或は前記環状光ファイバ体(3’)又は上記何れかの方法により固定された環状光ファイバ体を2枚の板状体の間に挟み更に固定する方法を用いることができる。
実施例2の光源(200)は、実施例1の光源(100)の構成と要部は同じであるが、前記第2の光導波路(3)の形状を機械的に固定し、また第2の光導波路の温度を制御することにより前記発振させたレーザ光の波長を設定し、且つ特性を安定させているものである。
より詳しくは、図5に示すように、第2の光導波路のダブルクラッドファイバ(3)をΦ50〜60mmの環状に輪取りにして環状光ファイバ体(環状ダブルクラッドファイバ体)(3’)とし、動かないように熱伝導性の良いシリコーンゴム板(s)と板状のヒータ(h)の間に挟み固定した。また第2の光導波路(3)の温度を制御する方法として、温度調節器(c)にサーミスタ温度調節器を用い、サーミスタ体(d)を環状光ファイバ体(3’)の中心部に取り付け、板状ヒータ(h)への通電を入切した。また設定温度は35℃〜70℃とした。
波長安定性の試験として、光ファイバを固定した場合の光源(実施例1の光源(100))と、光ファイバを固定しない場合の光源(実施例1において、光ファイバを固定しない光源)を次段の非線形光学結晶に導光し、第二高調波(緑色光)を出力させ、その出力の変動を測定した。その結果を図6のグラフ図に示す。
図6から明らかなように光ファイバを固定した場合は時間の経過による出力の変動がなかった。一方光ファイバを固定しない場合は時間の経過による出力の変動が大きかったので実用に供することは難しい。
また前記第2の光導波路(3)の形状を機械的に固定することにより、波長安定性及びノイズ特性が良好となった。
また実施例2の光源(200)では、実施例1の光源(100)と同様の作用・効果が得られた。また光ファイバの温度制御により、レーザ光の波長の設定において、光ファイバ固定のみよりも更に微妙な設定が可能になった。
2 第1の光導波路(マルチモード光ファイバ(MMF))
2b 共振器反射面(誘電体多層膜、第1の光導波路の出射端面)
3 第2の光導波路(光ファイバ、希土類添加ダブルクラッドファイバ(ダブルクラッドファイバ))
3a 8の字状輪取り体
3’ 環状光ファイバ体(環状ダブルクラッドファイバ体)
4 第3の光導波路(偏波保持光ファイバ(PMF))
4a 共振器反射面(誘電体多層膜(光学薄膜)、第3の光導波路の入射端面)
5a レンズユニット(斜めカットレンズ)
5b レンズユニット(斜めカットレンズ)
6 偏光子
7 波長選択素子(誘電体多層膜フィルタ又はエタロン)
11 糸、紐又はテープ
11’ 粘着テープ
12 円柱状の固形物、
13 接着剤又は樹脂
21 第1の光導波路(MMF)のコア
22 第1の光導波路(MMF)のクラッド層
31 第2の光導波路(ダブルクラッドファイバ)のコア
32 第2の光導波路(ダブルクラッドファイバ)の第1のクラッド層
33 第2の光導波路(ダブルクラッドファイバ)の第2のクラッド層
41 第3の光導波路(PMF)のコア
42 第3の光導波路(PMF)のクラッド層
100,200 光源
a 8の字状輪取り体の中点
b,b’ 境界面を反射し進む光
c 温度調節器(サーミスタ温度調節器)
d サーミスタ体
h ヒータ(板状ヒータ)
k 共振器
s シリコーンゴム板
y 誘電体多層膜
Claims (4)
- 半導体レーザと、半導体レーザから出力される励起光を導光するための第1の光導波路と、第1の光導波路から出射される励起光を吸収して励起光よりも長波長の自然放出光を出射する第2の光導波路と、第2の光導波路から出射される光を外部に導光するための第3の光導波路と、第2の光導波路と第3の光導波路の間に設けられた少なくとも1つ以上からなる波長選択素子と偏光子とを備え、波長選択素子よりも半導体レーザ側と外部への出射側との間で共振器が形成されており、前記自然放出光を共振器によって発振させたレーザ光を出射する光源であって、
前記第2の光導波路の形状を機械的に固定することにより前記発振させたレーザ光の波長を設定し、且つ特性を安定させることを特徴とする光源。 - 半導体レーザと、半導体レーザから出力される励起光を導光するための第1の光導波路と、第1の光導波路から出射される励起光を吸収して励起光よりも長波長の自然放出光を出射する第2の光導波路と、第2の光導波路から出射される光を外部に導光するための第3の光導波路と、第2の光導波路と第3の光導波路の間に設けられた少なくとも1つ以上からなる波長選択素子と偏光子とを備え、波長選択素子よりも半導体レーザ側と外部への出射側との間で共振器が形成されており、前記自然放出光を共振器によって発振させたレーザ光を出射する光源であって、
前記第2の光導波路の形状を機械的に固定し、また第2の光導波路の温度を制御することにより前記発振させたレーザ光の波長を設定し、且つ特性を安定させることを特徴とする光源。 - 前記第2の光導波路は、コア層と、その外側に設けられた2層以上のクラッド層を有し、また少なくともコア層に希土類元素が添加された光ファイバであることを特徴とする請求項1または2に記載の光源。
- 前記第2の光導波路が光ファイバであり、該光ファイバの形状を機械的に固定する方法として、光ファイバを環状に輪取りした環状光ファイバ体、或は光ファイバを8の字状に輪取りした8の字状輪取り体の中点を基準に折り返した環状光ファイバ体を糸、紐又はテープで縛り固定する方法、前記環状光ファイバ体を粘着テープで固定する方法、前記環状光ファイバ体を接着剤又は樹脂で固定する方法、前記環状光ファイバ体或は上記何れかの方法により固定された環状光ファイバ体を更に2枚の板状体の間に挟み固定する方法、または光ファイバを円柱状の固形物に巻き付け、接着剤又は樹脂で固定する方法のうちの何れかの方法を用いたことを特徴とする請求項1、2または3に記載の光源。
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