JPH10115354A - 無段変速機における油圧制御装置 - Google Patents
無段変速機における油圧制御装置Info
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Abstract
リ圧が出力可能であって且つ変速時間の制御が可能な無
段変速機における油圧制御装置を提供する。 【解決手段】 レギュレータバルブ22で調圧したライ
ン圧をドライブプーリ5のコントロールバルブ24DRと
ドリブンプーリ7のコントロールバルブ24DNとに入力
し、ソレノイドバルブSOL−B,SOL−Cが出力す
るPB圧及びPC圧で前記ライン圧を調圧してドライブ
プーリ圧PDR及びドリブンプーリ圧PDNを出力する。P
B圧及びPC圧が共に0であるとPDR=PDNになって変
速比がホールドされ、PC圧を0に保ってPB圧を0か
ら増加させると、PDR>PDNになって変速比がOD側に
変化し、PB圧を0に保ってPC圧を0から増加させる
と、PDR<PDNになって変速比がLOW側に変化する。
Description
びドリブンプーリに無端ベルトを巻き掛けてなる無段変
速機に関し、特に、その変速比を油圧で制御するための
油圧制御装置に関する。
機の油圧制御装置の概略を示すもので、オイルポンプの
吐出圧をPHレギュレータバルブ及びPLレギュレータ
バルブで調圧し、両レギュレータバルブが出力する高圧
のPH圧と低圧のPL圧とを四方弁で切り換えることに
より、ドライブプーリにPH圧を供給するとともにドリ
ブンプーリにPL圧を供給して変速比をOD側に変化さ
せ、或いはドライブプーリにPL圧を供給するとともに
ドリブンプーリにPH圧を供給して変速比をLOW側に
変化させるようになっている。そして前記PHレギュレ
ータバルブ及びPLレギュレータバルブは共通のソレノ
イドバルブAにより制御され、前記四方弁はソレノイド
バルブBにより制御される。
のものは、図10(B)に示すように、ソレノイドバル
ブAの制御量が決まるとPH圧及のPL圧の差圧も決ま
ってしまい、ベルト式無段変速機の変速時間を任意に制
御することができなかった。しかも、上記従来のものが
用いている四方弁は、スプールのグルーブとバルブボデ
ィのポートとのオーバラップ量の寸法管理が難しいだけ
でなく、図10(C)に示すように、スプールのストロ
ークに対する出力油圧の変化が急激であるために精密な
変速制御が難しいという問題があった。
で、安定したプーリ圧が出力可能であって且つ変速時間
の制御が可能であり、しかも前記四方弁が不要である無
段変速機における油圧制御装置を提供することを目的と
する。
圧制御装置では、第1、第2ソレノイドバルブに印加す
る電流値を両方とも固定すると、ライン圧が第1、第2
ソレノイドバルブで調圧されずにドライブプーリ圧及び
ドリブンプーリ圧として出力され、変速比がホールドさ
れる。第2ソレノイドバルブに印加する電流値を固定し
て第1ソレノイドバルブに印加する電流値を変化させる
と、第1ソレノイドバルブが出力する第1制御圧が変化
して第1コントロールバルブが出力するドライブプーリ
圧が変化し、両プーリ圧の差圧により変速比が変化す
る。逆に第1ソレノイドバルブに印加する電流値を固定
して第2ソレノイドバルブに印加する電流値を変化させ
ると、第2ソレノイドバルブが出力する第2制御圧が変
化して第2コントロールバルブが出力するドリブンプー
リ圧が変化し、両プーリ圧の差圧により変速比が変化す
る。
圧及びドリブンプーリ圧の差圧が任意に変化するので、
変速時間を制御することができる。またドライブプーリ
圧及びドリブンプーリ圧がそれぞれ第1コントロールバ
ルブ及び第2コントロールバルブによって別個に制御さ
れるので油圧制御系の安定性が向上する。また第1ソレ
ノイドバルブ及び第2ソレノイドバルブの電流値が同時
に変化することがないので、制御手段の負荷が軽減され
る。
ノイドバルブが出力する第3制御圧が変化するとレギュ
レータバルブが出力するライン圧が変化するため、第1
ソレノイドバルブ及び第2ソレノイドバルブの電流値を
固定して変速比をホールドする際に、ライン圧を低下さ
せて油圧負荷を軽減することができる。
よりも低圧の第3制御圧の変化に比例してレギュレータ
バルブが出力するライン圧が変化するため、コントロー
ルバルブのスプールをドライブプーリ圧及び第3制御圧
で相反する方向に付勢することにより、スプールを釣合
い位置に保持してライン圧の変化にプーリ圧の変化を追
従させることができる。このとき、前記追従のための油
圧として、ライン圧よりも低圧の第3制御圧を使用して
いるので、ライン圧を使用する場合に比べてオイルのリ
ーク量を減少させることができる。
ドバルブに印加する電流値を固定するとコントロールバ
ルブが低圧側プーリ圧を出力し、ソレノイドバルブに印
加する電流値を変化させるとコントロールバルブが高圧
側プーリ圧を出力する。高圧側プーリ圧は低圧側プーリ
圧に対して前記変化する電流値に応じた差圧を有するの
で、高圧側プーリ圧の精度は差圧の誤差分だけ低下する
のに対し、制御上高い精度が要求される低圧側プーリ圧
は前記差圧の誤差の影響を受けないため、その精度を維
持することができる。
付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
ので、図1は車両の動力伝達系を示すスケルトン図、図
2はベルト式無段変速機の油圧制御系を示す図、図3は
レギュレータバルブの油圧出力特性を示すグラフ、図4
はコントロールバルブの油圧出力特性を示すグラフであ
る。
変速機Tは平行に配置されたインプットシャフト1及び
アウトプットシャフト2を備えており、エンジンEのク
ランクシャフト3の右端は、フライホイール付きダンパ
ー4を介してインプットシャフト1の左端に接続され
る。
ブプーリ5は、該インプットシャフト1に対して相対回
転自在な固定側プーリ半体51 と、この固定側プーリ半
体5 1 に対して軸方向摺動自在な可動側プーリ半体52
とを備える。可動側プーリ半体52 は、油室6に作用す
る油圧により固定側プーリ半体51 との間の溝幅が可変
である。アウトプットシャフト2に支持されたドリブン
プーリ7は、該アウトプットシャフト2に一体に形成さ
れた固定側プーリ半体71 と、この固定側プーリ半体7
1 に対して軸方向摺動自在な可動側プーリ半体72 とを
備える。可動側プーリ半体72 は、油室8に作用する油
圧により固定側プーリ半体71 との間の溝幅が可変であ
る。そしてドライブプーリ5とドリブンプーリ7との間
に、2条のストラップに多数の押し駒を装着した無端ベ
ルト9が巻き掛けられる。
段を確立する際に係合してインプットシャフト1の回転
を同方向にドライブプーリ5に伝達するフォワードクラ
ッチ10と、後進変速段を確立する際に係合してインプ
ットシャフト1の回転を逆方向にドライブプーリ5に伝
達するリバースブレーキ11とを備えた、遊星歯車機構
よりなる前後進切換機構12が設けられる。
る発進用クラッチ13は、アウトプットシャフト2に相
対回転自在に支持した第1中間ギヤ14を、アウトプッ
トシャフト2と一体のドリブンプーリ7の固定側プーリ
半体71 に結合する。アウトプットシャフト2と平行に
配置された中間軸15に、前記第1中間ギヤ14に噛合
する第2中間ギヤ16が設けられる。ディファレンシャ
ル17のギヤボックス18に設けた入力ギヤ19に、前
記中間軸15に設けた第3中間ギヤ20が噛合する。ギ
ヤボックス18にピニオンシャフト51を介して支持し
た一対のピニオン52,52に、ギヤボックス18に相
対回転自在に支持した左車軸53及び右車軸54の先端
に設けたサイドギヤ55,56が噛合する。左車軸53
及び右車軸54の先端にそれぞれ駆動輪W,Wが接続さ
れる。
ンサS1 、エンジン回転数センサS 2 、吸気負圧センサ
S3 等の信号が入力される。電子制御ユニットUeは前
記各センサS1 〜S3 からの信号に基づいて油圧制御ユ
ニットUhに制御信号を出力し、油圧制御ユニットUh
は前記ドライブプーリ5及びドリブンプーリ7の溝幅、
即ちベルト式無段変速機Tの変速比と、フォワードクラ
ッチ10の係合状態と、リバースブレーキ11の係合状
態と、発進用クラッチ13の係合状態とを制御する。
る。インプットシャフト1の右端に設けられた遊星歯車
機構41は、インプットシャフト1にスプライン結合し
たサンギヤ42と、インプットシャフト1に相対回転自
在に支持した一対の板体よりなるプラネタリキャリヤ4
31 ,432 と、プラネタリキャリヤ431 ,432に
回転自在に支持されて前記サンギヤ42に噛合する3個
のインナーピニオン44…と、プラネタリキャリヤ43
1 ,432 に回転自在に支持されて前記インナーピニオ
ン44…に噛合する3個のアウターピニオン45…と、
アウターピニオン45…に噛合するリングギヤ46と、
リングギヤ46をインプットシャフト1の外周に相対回
転自在に支持するリングギヤ支持部材47とから構成さ
れる。
の作用について説明する。
すると、電子制御ユニットUeからの指令で先ずフォワ
ードクラッチ10が係合し、その結果インプットシャフ
ト1はドライブプーリ5に一体に結合される。続いて発
進用クラッチ13が係合し、エンジンEのトルクがイン
プットシャフト1、ドライブプーリ5、無端ベルト9、
ドリブンプーリ7、アウトプットシャフト2及びディフ
ァレンシャル17を経て駆動輪W,Wに伝達され、車両
は前進発進する。
ると、電子制御ユニットUeからの指令でリバースブレ
ーキ11が係合し、リングギヤ支持部材47及びリング
ギヤ46をケーシングに結合して回転不能に固定する。
回転するサンギヤ42と固定されたリングギヤ46とに
噛合するインナーピニオン44…及びアウターピニオン
45…は、自転しながらプラネタリキャリヤ431 ,4
32 と共に公転する。その結果、プラネタリキャリヤ4
31 ,432 に結合されたドライブプーリ5がインプッ
トシャフト1の回転方向と逆方向に且つ減速されて駆動
されるため、車両は後進発進する。
ブプーリ5の油室6及びドリブンプーリ7の油室8に作
用する油圧を油圧制御ユニットUhで制御することによ
り変速比が無段階に調整される。即ち、ドライブプーリ
5の油室6に作用する油圧に対してドリブンプーリ7の
油室8に作用する油圧を相対的に増加させれば、ドリブ
ンプーリ7の溝幅が減少して有効半径が増加し、これに
伴ってドライブプーリ5の溝幅が増加して有効半径が減
少するため、ベルト式無段変速機Tの変速比はLOWに
向かって無段階に変化する。逆にドリブンプーリ7の油
室8に作用する油圧に対してドライブプーリ5の油室6
に作用する油圧を相対的に増加させれば、ドライブプー
リ5の溝幅が減少して有効半径が増加し、これに伴って
ドリブンプーリ7の溝幅が増加して有効半径が減少する
ため、ベルト式無段変速機Tの変速比はODに向かって
無段階に変化する。
Tの油圧制御ユニットUhの構造を説明する。
ュレータバルブ22を介してPH圧(ライン圧)に減圧
され、このPH圧はモジュレータバルブ23を介してP
M圧(モジュレータ圧)まで更に減圧される。PH圧は
ドライブプーリコントロールバルブ24DRにより調圧さ
れ、ドライブプーリ圧PDRとしてドライブプーリ5の油
室6に伝達される。またPH圧はドリブンプーリコント
ロールバルブ24DNにより調圧され、ドリブンプーリ圧
PDNとしてドリブンプーリ7の油室8に伝達される。
で左向きに付勢されたスプール26を備えており、ポー
トP1 に供給されるPA圧の増加に応じてスプール26
が左動することにより、オイルポンプ57の吐出圧を調
圧してポートP2 からPH圧として出力する。モジュレ
ータバルブ23はスプリング27で左向きに付勢された
スプール28を備えており、レギュレータバルブ22か
らポートP1 に供給されるPH圧を減圧してポートP2
からPM圧として出力する。
イドバルブSOL−Aは、モジュレータバルブ23が出
力するPM圧を元圧として調圧し、レギュレータバルブ
22を制御するPA圧を出力する。図3に示すように、
PA圧が0kPaから450kPaまで変化する間に、
PH圧は700kPaから3200kPaまでリニアに
変化する。
及びドリブンプーリコントロールバルブ24DNは実質的
に同一構造を有するものであり、スプリング29で右向
きに付勢されたスプール30を備える。両コントロール
バルブ24DR,24DNのポートP1 にはPH圧が入力さ
れ、またポートP2 にはPM圧をブリードソレノイドバ
ルブよりなるソレノイドバルブSOL−Bで調圧したP
B圧、或いはPM圧をブリードソレノイドバルブよりな
るソレノイドバルブSOL−Cで調圧したPC圧が入力
される。そしてPB圧或いはPC圧が増加すると、スプ
ール30が左動してポートP3 から両プーリ5,7の油
室6,8に出力されるドライブプーリ圧PDR或いはドリ
ブンプーリ圧PDNが増加する。
ブプーリ圧PDRの変化を示すもので、PB圧が0kPa
から500kPaまで増加すると、ドライブプーリ圧P
DRはPL圧(PH圧−α)からPH圧までリニアに増加
する。尚、ここでPH圧は可変であり、前記ソレノイド
バルブSOL−Aが出力するPA圧の変化に応じて変化
する(図3参照)。ドリブンプーリ圧PDNの変化特性も
前記ドライブプーリ圧PDRの変化特性と同一であり、P
C圧が0kPaから450kPaまで増加すると、ドリ
ブンプーリ圧PDNはPL圧(PH圧−β)からPH圧ま
でリニアに増加する。前記α及びβは定数であって、実
施例では共に1000kPaに設定されいる。
L−B,SOL−Cは、マイクロコンピュータよりなる
電子制御ユニットUeに接続されて制御される。
の作用について説明する。
するとき、ソレノイドバルブSOL−B,SOL−Cが
出力するPB圧及びPC圧を共に0に設定する。その結
果、ドライブプーリ5の油室6に伝達されるドライブプ
ーリ圧PDR及びドリブンプーリ7の油室8に伝達される
ドリブンプーリ圧PDNが何れもPL圧(PH圧−100
0kPa)に等しくなり、両プーリ5,7の溝幅が固定
されて変速比がホールドされる。このとき、ソレノイド
バルブSOL−Aが出力するPA圧を低下させてレギュ
レータバルブ22が出力するPH圧を低下させることに
より、ベルト式無段変速機Tの変速比をホールドしたま
ま、オイルポンプ57の負荷を軽減して燃料消費量を減
少させることができる。
からOD側に変化させるには、ソレノイドバルブSOL
−Cが出力するPC圧を0に保ったまま、ソレノイドバ
ルブSOL−Bが出力するPB圧を0から増加させれば
良い。これにより、ドリブンプーリ圧PDNがPL圧(P
H圧−1000kPa)に保たれたまま、ドライブプー
リ圧PDRがPL圧からPH圧に向けて増加するため、P
H圧が作用するドライブプーリ5の可動側プーリ半体5
2 が固定側プーリ半体51 に接近して溝幅が減少し、且
つPL圧が作用するドリブンプーリ7の可動側プーリ半
体72 が固定側プーリ半体71 から離反して溝幅が増加
し、変速比がLOW側からOD側に変化する。
D側からLOW側に変化させるには、ソレノイドバルブ
SOL−Bが出力するPB圧を0に保ったまま、ソレノ
イドバルブSOL−Cが出力するPC圧を0から増加さ
せれば良い。これにより、ドライブプーリ圧PDRがPL
圧(PH圧−1000kPa)に保たれたまま、ドリブ
ンプーリ圧PDNがPL圧からPH圧に向けて増加するた
め、PH圧が作用するドリブンプーリ7の可動側プーリ
半体72 が固定側プーリ半体71 に接近して溝幅が減少
し、且つPL圧が作用するドライブプーリ5の可動側プ
ーリ半体52 が固定側プーリ半体51 から離反して溝幅
が増加し、変速比がOD側からLOW側に変化する。
圧PDR及びドリブンプーリ圧PDNを別個のソレノイドバ
ルブSOL−A,SOL−B,SOL−Cで調圧するこ
とができるので、油圧制御系の安定性が向上する。また
ソレノイドバルブSOL−B,SOL−Cの一方の出力
油圧を0にして他方の出力油圧を変化させることによ
り、PH圧に対してPL圧が変化するので、PH圧及び
PL圧の差圧を任意に設定して無段変速機Tの変速に要
する時間を制御することができる。更に、2個のソレノ
イドバルブSOL−B,SOL−Cは同時に作動するこ
とがないため、ソレノイドバルブSOL−Aを含めて最
大2個のソレノイドバルブSOL−A,SOL−B,S
OL−Cを同時に作動させれば良く、これにより制御系
を簡素化することができる。
ルのグルーブとバルブボディのポートとのオーバラップ
量の寸法管理が難しく、且つスプールのストロークに対
する出力油圧の変化量が大きいために精密な制御が難し
いという問題があったが、その四方弁を廃止したことに
より上記問題が解決される。更に制御系のフェイルによ
りソレノイドバルブSOL−A,SOL−B,SOL−
Cへの通電が遮断されたとき、ベルト式無段変速機Tの
変速比がそのままホールドされ、OD側或いはLOW側
に急変することが防止される。
もので、図5はベルト式無段変速機の油圧制御系を示す
図、図3はコントロールバルブ24DR,24DNの拡大図
である。
DR,PDNを追従させるためのドライブプーリコントロー
ルバルブ24DR及びドリブンプーリコントロールバルブ
24 DNの構造において第1実施例と異なっており、その
他の構造は第1実施例と実質的に同一である。両コント
ロールバルブ24DR,24DNの構造は同一であるため、
代表としてドライブプーリコントロールバルブ24DRに
ついて説明を行う。
コントロールバルブ24DRを示すものであり、ポートP
1 及びポートP4 にはPH圧が入力され、ポートP2 に
はPB圧が入力され、ポートP5 にはプーリ圧PDRが入
力され、ポートP3 からプーリ圧PDRが出力される。ポ
ートP4 に入力されるPH圧はスプール30を左向きに
付勢し、ポートP5 に入力されるプーリ圧PDRはスプー
ル30を右向きに付勢する。PH圧が作用するスプール
30の受圧面積A1 とし、プーリ圧PDRが作用するスプ
ール30の受圧面積A2 とすると、PH圧がΔPHだけ
増減し、プーリ圧PDRがΔPDRだけ増減したときに、ス
プール30が移動せずに釣合い位置に保たれるには、 A1 ×ΔPH=A2 ×ΔPDR …(1) が成立する必要がある。従って、(1)式において受圧
面積A1 =A2 に設定すれば、ΔPHとΔPDRとを一致
させ、PH圧の変化にプーリ圧PDRの変化を追従させる
ことができる。
2実施例では前記ポートP4 に、PH圧ではなく、ソレ
ノイドバルブSOL−Aが出力するPA圧が入力され
る。つまり、第2実施例は、PH圧の変化にプーリ圧P
DRを追従させるべく、ポートP 4 に入力する圧力とし
て、第1実施例のPH圧に代えてPA圧を用いた点で異
なっている。
PAに対するPH圧の変化量ΔPHの比は一定であり、
従ってKを定数として、 ΔPA=K×ΔPH …(2) が成立する。
がΔPDRだけ増減したときに、スプール30が移動せず
に釣合い位置に保たれるには、 A1 ×ΔPA=A2 ×ΔPDR …(3) が成立する必要がある。式(2)を用いて式(3)を変
形すると、 A1 ×K×ΔPH=A2 ×ΔPDR …(4) が成立する。従って、(1)式において受圧面積A1 ,
A2 を、 A1 ×K=A2 …(5) となるように設定しておけば、ΔPHとΔPDRとを一致
させてPH圧の変化にプーリ圧PDRの変化を追従させる
ことができる。
イルポンプ57の回転数が低下して吐出油量が減少する
ため、電子制御ユニットUeからソレノイドバルブSO
L−Aへの指令値(即ち、レギュレータバルブ22に対
するソレノイドバルブSOL−Aの出力油圧)に係わら
ず、レギュレータバルブ22が出力するPH圧が設定値
を下回ることがある。従って、第1実施例の如く、PH
圧をコントロールバルブ24DRのポートP4 に入力して
PHの変化にプーリ圧PDRを自動追従させようとして
も、設定値を下回ったPH圧にプーリ圧PDRが追従して
PL圧を割り込んでしまう可能性がある。
ールバルブ24DRのポートP4 に入力されるPA圧がP
H圧よりも低いPM圧を元圧としているため、上記不具
合は回避される。なぜならば、エンジンEの低速運転時
にPH圧が設定値を下回っても、PH圧よりも低いPM
圧は設定値に維持されるため、PM圧を元圧とするPA
圧も設定値に維持される。従って、PA圧に基づいてプ
ーリ圧PDRを追従させれば、PH圧の低下によりプーリ
圧PDRが低下してPL圧を割り込むのを回避することが
できる。
P4 に高圧のPH圧を入力するとオイルのリーク量が増
加して油圧低下の要因となるが、前記高圧のPH圧に代
えて低圧のPA圧を使用することにより、オイルのリー
ク量を減少させてオイルポンプ57の負荷を軽減するこ
とができる。
ので、図7はベルト式無段変速機の油圧制御系を示す
図、図8はレギュレータバルブの油圧出力特性を示すグ
ラフ、図9はコントロールバルブの油圧出力特性を示す
グラフである。
は第2実施例の油圧回路(図5参照)と類似しており、
その相違点はレギュレータバルブ22及びコントロール
バルブ24DR,24DNの特性が異なる点と、ソレノイド
バルブSOL−B,SOL−Cとしてブリードソレノイ
ドバルブに代えて三方型デューティソレノイドバルブを
採用した点である。
22が出力するライン圧は、両コントロールバルブ24
DR,24DNのポートP1 ,P1 に入力され、またモジュ
レータバルブ23が出力するPM圧を元圧としてソレノ
イドバルブSOL−Aが出力するPA圧は、レギュレー
タバルブ22のポートP1 と、両コントロールバルブ2
4DR,24DNのポートP4 ,P4 とに入力され、更にP
M圧を元圧としてソレノイドバルブSOL−B,SOL
−Cが出力するPB圧及びPC圧は、両コントロールバ
ルブ24DR,24DNのポートP2 ,P2 にそれぞれ入力
される。
圧は、後述するPL圧に所定の差圧(実施例では100
0kPa)を加算した圧力であって、そのライン圧はソ
レノイドバルブSOL−Aが出力するPA圧によって制
御される。図8に示すように、前記ライン圧はPA圧が
0kPaから500kPaまで変化する間に、1300
kPaから3500kPaまでリニアに変化する。
DNは元圧であるライン圧を調圧してプーリ圧PDR,PDN
として出力するもので、図9(A),(B)に示すよう
に、両コントロールバルブ24DR,24DNは、ソレノイ
ドバルブSOL−B,SOL−Cが出力するPB圧又は
PC圧が0kPaのときに前記PL圧を出力し、PB圧
又はPC圧が450kPaのときに前記ライン圧(PL
圧+差圧)を出力する。つまり、PB圧又はPC圧が0
kPaのとき、PA圧の変化に応じてライン圧(PL圧
+差圧)とプーリ圧PDR,PDN(PL圧)とが変化し、
その際に前記差圧は一定値(1000kPa)に保持さ
れる。そしてPB圧又はPC圧を0kPaから450k
Paまで増加させると、前記差圧が1000kPaから
0kPaまで減少し、最終的にプーリ圧PDR,PDNはラ
イン圧(PL圧+差圧)まで増加する。
変速比をホールドするとき、ソレノイドバルブSOL−
B,SOL−Cが出力するPB圧及びPC圧を共に0に
設定する。その結果、ドライブプーリ5の油室6に伝達
されるドライブプーリ圧PDR及びドリブンプーリ7の油
室14に伝達されるドリブンプーリ圧PDNが何れもPL
圧に等しくなり、両プーリ5,7の溝幅が固定されて変
速比がホールドされる。このとき、ソレノイドバルブS
OL−Aが出力するPA圧を低下させてPL圧を低下さ
せれば、ベルト式無段変速機Tの変速比をホールドした
まま、オイルポンプ57の負荷を軽減して燃料消費量を
減少させることができる。
からOD側に変化させるには、ソレノイドバルブSOL
−Cが出力するPC圧を0に保ったまま、ソレノイドバ
ルブSOL−Bが出力するPB圧を0から増加させれば
良い。これにより、ドリブンプーリ圧PDNがPL圧に保
たれたまま、ドライブプーリ圧PDRがPL圧からライン
圧(PL圧+差圧)に向けて増加するため、変速比がL
OW側からOD側に変化する。逆に、ベルト式無段変速
機Tの変速比をOD側からLOW側に変化させるには、
ソレノイドバルブSOL−Bが出力するPB圧を0に保
ったまま、ソレノイドバルブSOL−Cが出力するPC
圧を0から増加させれば良い。これにより、ドライブプ
ーリ圧PDRがPL圧に保たれたまま、ドリブンプーリ圧
PDNがPL圧からライン圧(PL圧+差圧)に向けて増
加するため、変速比がOD側からLOW側に変化する。
する低圧側のPL圧と高圧側のPH圧とを比較すると、
変速比を精密に制御する上で低圧側のPL圧の精度が重
要である。第2実施例ではレギュレータバルブ22が出
力するPH圧をコントロールバルブ24DR,24DNで差
圧分だけ減圧してPL圧を出力するため、ソレノイドバ
ルブSOL−Aが出力するPA圧の変動によるPH圧の
誤差と、ソレノイドバルブSOL−B,SOL−Cが出
力するPB圧又はPC圧の変動による差圧の誤差とが加
算され、PL圧の精度が低下する場合がある。しかしな
がら、第3実施例では、精度が要求されるPL圧がPA
圧だけに依存するため、PB圧又はPC圧の変動によっ
て精度が低下することがない。一方、第3実施例ではP
H圧はPA圧の変動の影響と、PB圧又はPC圧の変動
の影響とを受けて精度が低下するが、元々PH圧はPL
圧に比べて精度を要求されないため、実質的に問題とな
らない。
が精度を要求されるPL圧に影響を及ぼさないために、
ソレノイドバルブSOL−B,SOL−Cに高精度のブ
リードソレノイドバルブを使用することなく、比較的に
精度の低い三方型デューティソレノイドバルブを使用す
ることができる。そして三方型デューティソレノイドバ
ルブはブリードソレノイドバルブに比べてオイルのリー
ク量が大幅に少ないという特性を有しているため、オイ
ルポンプ57の負荷を軽減するとともに、エンジン回転
数の低下時におけるライン圧の低下を回避することがで
きる。
明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行う
ことが可能である。
明によれば、ライン圧を出力するレギュレータバルブ
と、第1制御圧を出力する第1ソレノイドバルブと、第
1制御圧によりライン圧を調圧してドライブプーリ圧を
出力する第1コントロールバルブと、第2制御圧を出力
する第2ソレノイドバルブと、第2制御圧によりライン
圧を調圧してドリブンプーリ圧を出力する第2コントロ
ールバルブと、第1ソレノイドバルブ及び第2ソレノイ
ドバルブの一方に印加する電流値を固定するとともに他
方に印加する電流値を変化させる制御手段とを備えてい
るので、前記電流値の変化量に応じてドライブプーリ圧
及びドリブンプーリ圧の差圧を任意に変化させて変速時
間を制御することができるだけでなく、ドリブンプーリ
圧及びドリブンプーリ圧がそれぞれ第1コントロールバ
ルブ及び第2コントロールバルブによって別個に制御さ
れるので油圧制御系の安定性が向上し、しかも第1ソレ
ノイドバルブ及び第2ソレノイドバルブの両方が同時に
作動することがないため制御手段の負荷が軽減される。
また、スプールのグルーブとバルブボディのポートとの
オーバラップ量の寸法管理が難しく、しかもスプールの
ストロークに対する出力油圧の変化が急激な四方弁が不
要になるため、プーリ油圧の精密な制御が可能になる。
第3ソレノイドバルブが出力する第3制御圧でレギュレ
ータバルブが出力するライン圧を調圧するので、第1ソ
レノイドバルブ及び第2ソレノイドバルブの電流値をホ
ールドして変速比を固定する際に、ライン圧を低下させ
て油圧負荷を軽減することができる。
レギュレータバルブが出力するライン圧の変化量を該ラ
イン圧よりも低圧の第3制御圧の変化量に比例させ、第
1、第2コントロールバルブのスプールをプーリ圧及び
第3制御圧で相反する方向に付勢して該スプールを釣合
い位置に保持するので、スプールを釣合い位置に保持し
てライン圧の変化にプーリ圧の変化を追従させるための
油圧として、ライン圧よりも低圧の第3制御圧を使用し
てオイルのリーク量を減少させることができる。
印加する電流値が固定される側のソレノイドバルブによ
り制御されるコントロールバルブが出力するプーリ圧が
低圧側プーリ圧であり、印加する電流値が変化する側の
ソレノイドバルブにより制御されるコントロールバルブ
が出力するプーリ圧が、前記低圧側プーリ圧に対して前
記変化する電流値に応じた差圧を有する高圧側プーリ圧
であるので、精度が要求される低圧側プーリ圧が前記差
圧の誤差の影響を受けるのを防止し、変速制御の精度を
高めることができる。
フ
フ
御系を示す図
御系を示す図
フ
フ
明図
Claims (4)
- 【請求項1】 ドライブプーリ(5)及びドリブンプー
リ(7)に無端ベルト(9)を巻き掛けてなり、ドライ
ブプーリ(5)の油室(6)及びドリブンプーリ(7)
の油室(8)にそれぞれドライブプーリ圧(PDR)及び
ドリブンプーリ圧(PDN)を供給することにより、両プ
ーリ(5,7)の溝幅を変化させて変速比を制御する無
段変速機において、 ライン圧を出力するレギュレータバルブ(22)と、 第1制御圧(PB)を出力する第1ソレノイドバルブ
(SOL−B)と、 第1制御圧(PB)によりライン圧を調圧して前記ドラ
イブプーリ圧(PDR)を出力する第1コントロールバル
ブ(24DR)と、 第2制御圧(PC)を出力する第2ソレノイドバルブ
(SOL−C)と、 第2制御圧(PC)によりライン圧を調圧して前記ドリ
ブンプーリ圧(PDN)を出力する第2コントロールバル
ブ(24DN)と、 第1ソレノイドバルブ(SOL−B)及び第2ソレノイ
ドバルブ(SOL−C)の一方に印加する電流値を固定
するとともに他方に印加する電流値を変化させて変速を
行う制御手段(Ue)と、を備えたことを特徴とする無
段変速機における油圧制御装置。 - 【請求項2】 第3ソレノイドバルブ(SOL−A)が
出力する第3制御圧(PA)でレギュレータバルブ(2
2)が出力するライン圧を調圧することを特徴とする、
請求項1記載の無段変速機における油圧制御装置。 - 【請求項3】 レギュレータバルブ(22)が出力する
ライン圧の変化量を該ライン圧よりも低圧の第3制御圧
(PA)の変化量に比例させ、第1、第2コントロール
バルブ(24DR,24DN)のスプール(30)をプーリ
圧(PDR,P DN)及び第3制御圧(PA)で相反する方
向に付勢して該スプール(30)を釣合い位置に保持す
ることを特徴とする、請求項2記載の無段変速機におけ
る油圧制御装置。 - 【請求項4】 印加する電流値が固定される側のソレノ
イドバルブ(SOL−B,SOL−C)により制御され
るコントロールバルブ(24DR,24DN)が出力するプ
ーリ圧(DDR,DDN)が低圧側プーリ圧であり、印加す
る電流値が変化する側のソレノイドバルブ(SOL−
B,SOL−C)により制御されるコントロールバルブ
(24DR,24DN)が出力するプーリ圧(DDR,DDN)
が、前記低圧側プーリ圧に対して前記変化する電流値に
応じた差圧を有する高圧側プーリ圧である、請求項1記
載の無段変速機における油圧制御装置。
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