JPH10114136A - 孔版印刷装置 - Google Patents

孔版印刷装置

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Publication number
JPH10114136A
JPH10114136A JP27224296A JP27224296A JPH10114136A JP H10114136 A JPH10114136 A JP H10114136A JP 27224296 A JP27224296 A JP 27224296A JP 27224296 A JP27224296 A JP 27224296A JP H10114136 A JPH10114136 A JP H10114136A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plate
plate cylinder
master
peripheral surface
ink
Prior art date
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Pending
Application number
JP27224296A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomoya Otomo
知也 大友
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tohoku Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Tohoku Ricoh Co Ltd
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Publication date
Application filed by Tohoku Ricoh Co Ltd filed Critical Tohoku Ricoh Co Ltd
Priority to JP27224296A priority Critical patent/JPH10114136A/ja
Publication of JPH10114136A publication Critical patent/JPH10114136A/ja
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  • Inking, Control Or Cleaning Of Printing Machines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 騒音、濃度差を生じることなく安定した画質
の印刷物を得ることができる1工程両面印刷が可能であ
り、片面印刷時においても、無駄なマスタの使用を抑制
すると共に、装置内部の汚損、画像の滲みや裏移りの発
生を防止することができる孔版印刷装置を提供する。 【解決手段】 第1版胴Aの支軸Kと第2版胴Bの支軸
Mとの間の距離Lを変化させることなく、第1マスタ支
持板Cと第2マスタ支持板Dとを接離させることによ
り、各マスタ支持板C,D間において印刷用紙の両面
に、第1マスタ支持板CとプレスローラーJとの間にお
いて印刷用紙の表面に、また、第2マスタ支持板Dとプ
レスローラーIとの間において印刷用紙の裏面に印刷を
行うことが可能な孔版印刷装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、穿孔されたマスタ
を巻装して両面印刷あるいは片面印刷を行う孔版印刷装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より簡便な印刷方法として、デジタ
ル式感熱孔版印刷が知られている。これは、微細な発熱
素子が一列に配置されたサーマルヘッドを感熱孔版マス
タ(以下、「マスタ」という)に接触させ、パルス的に
発熱素子に通電させながらマスタを搬送することで画像
情報に応じてマスタを加熱溶融穿孔し、このマスタを多
孔性円筒状の版胴の外周面に巻装した後、穿孔した部分
よりインキを透過させて印刷用紙に転移させることによ
り印刷画像を転写するものである。
【0003】この孔版印刷においては、近年、印刷用紙
の消費量を低減させるため、印刷用紙の両面に印刷を行
う両面印刷が印刷の大部分を占めるようになってきた。
この両面印刷は、給紙部に積載した印刷用紙を印刷部に
通紙し、一面に印刷をした後に印刷用紙を裏返して通紙
し、他面に印刷をすることで両面印刷物が得られるわけ
であるが、一度排紙された印刷用紙を再度給紙部にセッ
トしたり、片面印刷後の印刷用紙を揃える等の作業が面
倒であるという問題点があった。
【0004】また、印刷終了後の印刷物はインキが十分
に乾燥していないため、すぐに裏面に印刷しようとする
と、搬送ローラーやプレスローラー等が画像部に押し付
けられ、印刷画像が汚れたり乱れたりするため、大抵の
場合、数時間以上経過してから裏面への印刷を行い、特
に、ベタ画像部がある場合には長時間乾燥させることが
必要で、翌日になってから裏面への印刷が行われてい
た。
【0005】このように両面印刷は、裏面に印刷を行う
まで長時間待たねばならず、しかも2回の通紙を行うの
で、正味の印刷時間においても片面印刷に比べて2倍の
時間を要し、時間がかかりすぎるという問題点があっ
た。
【0006】そこで、一対の版胴を対向させて配設し、
各版胴同士を互いに圧接させることにより1工程で両面
印刷物を得る孔版印刷装置が特開平6−71996号公
報及び特開平6−135111号公報に開示されてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述の孔版印
刷装置では、両面印刷を実施する場合には従来よりも効
率化を図ることができるものの、一方の版胴が揺動して
他方の版胴と当接する構造となっているため、両面印刷
時において版胴同士の接触により騒音が生じると共に、
回転むらが発生して印刷物の画質が安定しないという問
題点がある。
【0008】また、片面印刷を実施する場合には、非画
像形成側の版胴の外周面に未製版マスタを巻装して印刷
を行うため、1版分のマスタが無駄になると共に、非画
像形成側の版胴の内部では、インキが消費されないまま
インキ供給部において連続的に練られるためにインキの
粘度が低下し、版胴内部はもとより孔版印刷装置内部を
広く汚損してしまうという問題点がある。
【0009】さらに、粘度が低下したインキは、印刷用
紙に転移されても画像の滲みや裏移りの発生、あるいは
印刷用紙が版胴に巻き付いて発生する排紙不良という不
具合を引き起こす他、その後の両面印刷時においては表
面と裏面とで画像に濃度差が生じてしまう。
【0010】本発明は、上記問題点を解決し、騒音を発
することなく、かつ、濃度差を生じることなく安定した
画質の印刷物を得ることができる1工程両面印刷が可能
であり、片面印刷時においても、無駄なマスタの使用を
抑制すると共に、装置内部の汚損、画像の滲みや裏移り
の発生を防止することができる孔版印刷装置の提供を目
的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
可撓性を有する第1のマスタ支持板を具備する第1の版
胴と、可撓性を有する第2のマスタ支持板を具備し、第
1の版胴にその周面を近接させて配設された第2の版胴
と、第1の版胴の内部に設けられた、第1のマスタ支持
板の内周面に圧接して回転可能な第1のインキローラー
を有する第1のインキ供給手段と、第2の版胴の内部に
設けられた、第2のマスタ支持板の内周面に圧接して回
転可能な第2のインキローラーを有する第2のインキ供
給手段とを具備し、第1または第2のインキローラー
は、第1または第2のインキ供給手段に、第1または第
2のマスタ支持板の内周面にその外周面が近接または接
触し、かつ、第1または第2のマスタ支持板が第2また
は第1のマスタ支持板と接触しない待機位置と、前記内
周面にその外周面が圧接して第1または第2のマスタ支
持板が膨出し、この膨出により第1または第2のマスタ
支持板が第2または第1のマスタ支持板と圧接する作動
位置とに選択的に移動自在に支持され、第1の版胴と第
2の版胴との間に印刷用紙が通紙されたときに、前記一
方のインキローラーを前記待機位置より前記作動位置へ
と移動させ、第1または第2のマスタ支持板を膨出させ
ることにより、第1及び第2のマスタ支持板を前記印刷
用紙を介して互いに圧接させる第1の制御手段を具備す
る孔版印刷装置であって、前記一方のインキローラーを
有する一方の版胴と対応する他方の版胴の非画像形成部
に相当する版胴外周部に、前記一方の版胴のマスタ支持
板と圧接するプレスローラーが配設されていることを特
徴とする。
【0012】請求項2記載の発明は、可撓性を有する第
1のマスタ支持板を具備する第1の版胴と、可撓性を有
する第2のマスタ支持板を具備し、第1の版胴にその周
面を近接させて配設された第2の版胴と、第1の版胴の
内部に設けられ、第1のマスタ支持板の内周面にその外
周面が近接または接触し、かつ、第1のマスタ支持板が
第2のマスタ支持板と接触しない第1の待機位置と、前
記内周面にその外周面が圧接して第1のマスタ支持板が
膨出し、この膨出により第1のマスタ支持板が第2のマ
スタ支持板と圧接する第1の作動位置とを選択的に占め
る第1のインキローラーを有し、第1の版胴にインキを
供給する第1のインキ供給手段と、第2の版胴の内部に
設けられ、第2のマスタ支持板の内周面にその外周面が
近接または接触し、かつ、第2のマスタ支持板が第1の
マスタ支持板と接触しない第2の待機位置と、前記内周
面にその外周面が圧接して第2のマスタ支持板が膨出
し、この膨出により第2のマスタ支持板が第1のマスタ
支持板と圧接する第2の作動位置とを選択的に占める、
第1のインキローラーと対向する第2のインキローラー
を有し、第2の版胴にインキを供給する第2のインキ供
給手段と、第1のインキローラーを第1の待機位置より
第1の作動位置に移動させる第1のインキローラー移動
手段と、第2のインキローラーを第2の待機位置より第
2の作動位置に移動させる第2のインキローラー移動手
段と、第1の版胴と第2の版胴との間に印刷用紙が通紙
されたときに、第1及び第2のインキローラー移動手段
を作動させて第1及び第2のインキローラーを第1及び
第2の作動位置にそれぞれ移動させ、第1及び第2のマ
スタ支持板をそれぞれ膨出させることにより、第1及び
第2のマスタ支持板を前記印刷用紙を介して互いに圧接
させる第2の制御手段とを具備することを特徴とする孔
版印刷装置であって、第1の版胴の非画像形成部に相当
する版胴外周部に設けられた、第2のマスタ支持板と圧
接する第1のプレスローラーか、若しくは第2の版胴の
非画像形成部に相当する版胴外周部に設けられた、第1
のマスタ支持板と圧接する第2のプレスローラーのうち
の少なくとも一つを具備することを特徴とする。
【0013】請求項3記載の発明は、請求項1または請
求項2記載の孔版印刷装置において、さらに、第1及び
第2の版胴は、孔版印刷装置本体に着脱自在な版胴支持
部材に支持されていることを特徴とする。
【0014】請求項4記載の発明は、可撓性を有する第
1のマスタ支持板を具備する第1の版胴と、可撓性を有
する第2のマスタ支持板を具備し、第1の版胴にその周
面を近接させて配設された第2の版胴と、第1の版胴の
内部に設けられ、第1のマスタ支持板の内周面にその外
周面が近接または接触し、かつ、第1のマスタ支持板が
第2のマスタ支持板と接触しない第1の待機位置と、前
記内周面にその外周面が圧接して第1のマスタ支持板が
膨出し、この膨出により第1のマスタ支持板が第2のマ
スタ支持板と圧接する第1の作動位置とを選択的に占め
る第1のインキローラーを有し、第1の版胴にインキを
供給する第1のインキ供給手段と、第2の版胴の内部に
設けられ、第2のマスタ支持板の内周面にその外周面が
近接または接触し、かつ、第2のマスタ支持板が第1の
マスタ支持板と接触しない第2の待機位置と、前記内周
面にその外周面が圧接して第2のマスタ支持板が膨出
し、この膨出により第2のマスタ支持板が第1のマスタ
支持板と圧接する第2の作動位置とを選択的に占める、
第1のインキローラーと対向する第2のインキローラー
を有し、第2の版胴にインキを供給する第2のインキ供
給手段と、第1のインキローラーを第1の待機位置より
第1の作動位置に移動させる第1のインキローラー移動
手段と、第2のインキローラーを第2の待機位置より第
2の作動位置に移動させる第2のインキローラー移動手
段と、第1の版胴及び第2の版胴をそれぞれ回転自在に
支持する版胴支持部材と、前記版胴支持部材に、第1の
版胴のみが装着されたときには印刷モードを片面印刷モ
ードに、第1及び第2の版胴の双方が装着されたときに
は印刷モードを両面印刷モードに切り換える印刷モード
切換手段と、印刷用紙に画像を転写するプレスローラー
を有し、前記プレスローラーを、前記片面印刷モード時
には第1の版胴の外周面に近接する押圧位置に、前記両
面印刷モード時には第2の版胴の外周面より離間する退
避位置に選択的に移動させるプレスローラー移動手段
と、前記片面印刷モード時において、前記プレスローラ
ー移動手段を作動させて前記プレスローラーを前記押圧
位置に移動させ、第1の版胴と前記プレスローラーとの
間に印刷用紙が通紙されたときに、第1のインキローラ
ー移動手段を作動させることにより第1のインキローラ
ーを第1の作動位置に移動させ、第1のマスタ支持板を
膨出させることにより該マスタ支持板と前記プレスロー
ラーとを前記印刷用紙を介して圧接させ、前記両面印刷
モード時において、前記プレスローラー移動手段を作動
させて前記プレスローラーを前記退避位置に移動させ、
第1の版胴と第2の版胴との間に印刷用紙が通紙された
ときに、第1及び第2のインキローラー移動手段を作動
させて第1及び第2のインキローラーを第1及び第2の
作動位置にそれぞれ移動させ、第1及び第2のマスタ支
持板をそれぞれ膨出させることにより、第1及び第2の
マスタ支持板を前記印刷用紙を介して互いに圧接させる
第3の制御手段とを具備することを特徴とする。
【0015】請求項5記載の発明は、可撓性を有する第
1のマスタ支持板を具備する第1の版胴と、可撓性を有
する第2のマスタ支持板を具備し、第1の版胴にその周
面を近接させて配設された第2の版胴と、第1の版胴の
内部に設けられ、第1のマスタ支持板の内周面にその外
周面が近接または接触し、かつ、第1のマスタ支持板が
第2のマスタ支持板と接触しない第1の待機位置と、前
記内周面にその外周面が圧接して第1のマスタ支持板が
膨出し、この膨出により第1のマスタ支持板が第2のマ
スタ支持板と圧接する第1の作動位置とを選択的に占め
る第1のインキローラーを有し、第1の版胴にインキを
供給する第1のインキ供給手段と、第2の版胴の内部に
設けられ、第2のマスタ支持板の内周面にその外周面が
近接または接触し、かつ、第2のマスタ支持板が第1の
マスタ支持板と接触しない第2の待機位置と、前記内周
面にその外周面が圧接して第2のマスタ支持板が膨出
し、この膨出により第2のマスタ支持板が第1のマスタ
支持板と圧接する第2の作動位置とを選択的に占める、
第1のインキローラーと対向する第2のインキローラー
を有し、第2の版胴にインキを供給する第2のインキ供
給手段と、第1のインキローラーを第1の待機位置より
第1の作動位置に移動させる第1のインキローラー移動
手段と、第2のインキローラーを第2の待機位置より第
2の作動位置に移動させる第2のインキローラー移動手
段と、第2の版胴を回転自在に支持する版胴支持部材
と、印刷モードを片面印刷モードまたは両面印刷モード
に設定する印刷モード設定手段と、印刷用紙に画像を転
写するプレスローラーを有し、前記プレスローラーを、
前記片面印刷モード時には第1の版胴の外周面に近接す
る押圧位置に、前記両面印刷モード時には第2の版胴の
外周面より離間する退避位置に選択的に移動させるプレ
スローラー移動手段と、第2の版胴と前記版胴支持部材
とを、第2の版胴の外周面が第1の版胴の外周面に近接
する両面印刷位置と、第2の版胴の外周面が第1の版胴
の外周面から離間する片面印刷位置とに選択的に移動さ
せる版胴移動手段と、前記片面印刷モードが選択された
場合には、前記版胴移動手段を作動させて第2の版胴と
前記版胴支持部材とを前記片面印刷位置に移動させた
後、前記プレスローラー移動手段を作動させて前記プレ
スローラーを前記押圧位置に移動させ、第1の版胴と前
記プレスローラーとの間に印刷用紙が通紙されたとき
に、第1のインキローラー移動手段を作動させて第1の
インキローラーを第1の作動位置に移動させ、第1のマ
スタ支持板を膨出させることにより該マスタ支持板と前
記プレスローラーとを前記印刷用紙を介して圧接させ、
前記両面印刷モードが選択された場合には、前記プレス
ローラー移動手段を作動させて前記プレスローラーを前
記退避位置に移動させた後、前記版胴移動手段を作動さ
せて第2の版胴と前記版胴支持部材とを前記両面印刷位
置に移動させ、第1の版胴と第2の版胴との間に印刷用
紙が通紙されたときに、第1及び第2のインキローラー
移動手段を作動させて第1及び第2のインキローラーを
第1及び第2の作動位置にそれぞれ移動させ、第1及び
第2のマスタ支持板をそれぞれ膨出させることにより、
第1及び第2のマスタ支持板を前記印刷用紙を介して互
いに圧接させる第4の制御手段とを具備することを特徴
とする。
【0016】請求項6記載の発明は、請求項1ないし請
求項5のうちの何れか一つに記載の孔版印刷装置におい
て、さらに、第1の版胴に巻装されるマスタを製版する
第1の製版手段と、第1の製版手段による製版済みマス
タを第1の版胴に向けて搬送する第1のマスタ搬送手段
と、第2の版胴に巻装されるマスタを製版する第2の製
版手段と、第2の製版手段による製版済みマスタを第2
の版胴に向けて搬送する第2のマスタ搬送手段とを具備
することを特徴とする。
【0017】請求項7記載の発明は、請求項4または請
求項5記載の孔版印刷装置において、さらに、第1の版
胴に巻装されるマスタを製版する第1の製版手段と、第
1の製版手段による製版済みマスタを第1の版胴に向け
て搬送する第1のマスタ搬送手段と、第2の版胴に巻装
されるマスタを製版する第2の製版手段と、第2の製版
手段による製版済みマスタを第2の版胴に向けて搬送す
る第2のマスタ搬送手段とを具備し、前記印刷モードが
片面印刷モードの場合には、前記制御手段は第2の製版
手段及び第2のマスタ搬送手段の作動をそれぞれ停止さ
せることを特徴とする。
【0018】請求項8記載の発明は、請求項1ないし請
求項7のうちの何れか一つに記載の孔版印刷装置におい
て、さらに、第1及び第2のマスタ支持板は、金属製の
多孔性薄板であることを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の孔版印刷装置は、図1に
示すように、可撓性を有する第1マスタ支持板Cを具備
する第1版胴Aと、可撓性を有する第2マスタ支持板D
を具備し、第1版胴Aにその周面を近接させて配設され
た第2版胴Bと、第1版胴Aの内部に設けられた、第1
マスタ支持板Cの内周面に圧接して回転可能な第1イン
キローラーGを有する第1インキ供給手段Eと、第2版
胴Bの内部に設けられた、第2マスタ支持板Dの内周面
に圧接して回転可能な第2インキローラーHを有する第
2インキ供給手段Fと、第1版胴Aの非画像形成部に相
当する版胴外周部に配設された回転自在なプレスローラ
ーIと、第2版胴Bの非画像形成部に相当する版胴外周
部に配設された回転自在なプレスローラーJとを具備
し、第1インキローラーG及び第2インキローラーH
は、第1インキ供給手段E及び第2インキ供給手段F
に、第1マスタ支持板Cまたは第2マスタ支持板Dの内
周面にその外周面が近接または接触し、かつ、第1マス
タ支持板Cまたは第2マスタ支持板Dが第2マスタ支持
板Dまたは第1マスタ支持板Cと接触しない待機位置
(図1に実線で示す)と、前記内周面にその外周面が圧
接して第1マスタ支持板Cまたは第2マスタ支持板Dが
膨出し、この膨出により第1マスタ支持板Cまたは第2
マスタ支持板Dが第2マスタ支持板Dまたは第1マスタ
支持板Cと圧接する作動位置(図1に二点鎖線で示す)
とに選択的に移動自在にそれぞれ支持されている。
【0020】そして、両面印刷時には、第1版胴Aと第
2版胴Bとの間に印刷用紙が通紙されたときに、第1イ
ンキローラーGまたは第2インキローラーHの少なくと
も一方を前記待機位置より前記作動位置へと移動させ、
第1マスタ支持板Cまたは第2マスタ支持板Dの少なく
とも一方を膨出させることにより、第1マスタ支持板C
及び第2マスタ支持板Dを前記印刷用紙を介して互いに
圧接させて印刷用紙の両面に画像を印刷し、表片面印刷
時には、図2に示すように、プレスローラーJが第1版
胴Aと対応する位置で第2版胴Bを固定し、第1版胴A
と第2版胴Bとの間に印刷用紙が通紙されたときに、第
1インキローラーGを前記待機位置より前記作動位置へ
と移動させ、第1マスタ支持板Cを印刷用紙を介してプ
レスローラーJに圧接させて印刷用紙の表面に画像を印
刷し、裏片面印刷時には、図3に示すように、プレスロ
ーラーIが第2版胴Bと対応する位置で第1版胴Aを固
定し、第1版胴Aと第2版胴Bとの間に印刷用紙が通紙
されたときに、第2インキローラーHを前記待機位置よ
り前記作動位置へと移動させ、第2マスタ支持板Dを前
記印刷用紙を介してプレスローラーIに圧接させて印刷
用紙の裏面に画像を印刷する。
【0021】つまり、本願発明によれば、第1版胴Aの
支軸Kと第2版胴Bの支軸Mとの間の距離Lを変化させ
ることなく、第1マスタ支持板Cと第2マスタ支持板D
とを接離させることにより、各マスタ支持板C,D間に
おいて印刷用紙の両面に、第1マスタ支持板Cとプレス
ローラーJとの間において印刷用紙の表面に、また、第
2マスタ支持板DとプレスローラーIとの間において印
刷用紙の裏面に印刷を行うことが可能となる。以下、実
施例にて詳細に説明する。
【0022】
【実施例】図4は、本発明の第1の実施例を採用した孔
版印刷装置の概略側面図である。同図において、孔版印
刷装置1は、画像読取部2、給紙部3、第1製版部4、
第2製版部5、第1排版部6、第2排版部7、排紙部
8、印刷部9、制御部10から主に構成されている。
【0023】筐体23の上部には画像読取部2が配設さ
れている。画像読取部2は、原稿を載置するコンタクト
ガラス11、原稿を搬送する原稿搬送ローラー対12及
び原稿搬送ローラー13、搬送される原稿をガイドする
ガイド板14,15、原稿をコンタクトガラス11に沿
って搬送する原稿搬送ベルト16、読み取られた原稿の
排出方向を切り換える切換板17、原稿画像を走査して
読み取るための反射ミラー18,19及び蛍光灯20、
走査された画像を集束するレンズ21、集束された画像
を処理するCCD等の画像センサー22等から主に構成
されている。
【0024】筐体23の右辺中段には給紙部3が配設さ
れている。給紙部3は、印刷用紙Pを積載する給紙トレ
イ24、印刷用紙Pを1枚ずつ給送する給紙コロ25及
び分離コロ26,27、給送される印刷用紙Pをガイド
するガイド板28,29、給送された印刷用紙Pの先端
をくわえ込んでタイミングを取った後に給送するレジス
トローラー対30、レジストローラー対30によって給
送される印刷用紙Pをガイドするガイド板31,32等
から主に構成されている。
【0025】給紙部3の上方には第1製版部4が配設さ
れている。第1製版部4は、マスタ33をロール状に巻
成してなるマスタロール34、マスタ33を加熱穿孔製
版するサーマルヘッド35、マスタ33をサーマルヘッ
ド35に押圧しつつ搬送し、サーマルヘッド35と共に
第1の製版手段を構成するプラテンローラー36、マス
タ33を切断する切断手段37、マスタ33を搬送する
第1のマスタ搬送手段であるマスタ搬送ローラー対3
8,39等から主に構成されている。
【0026】マスタロール34は、その芯部34aを図
示しない支持部材に回転自在に支持されている。プラテ
ンローラー36は、図示しないステッピングモーターに
よって回転駆動される。切断手段37は、可動刃37a
が固定刃37bに対して回転移動あるいは上下動する。
【0027】筐体23の左辺中段には第2製版部5が配
設されている。第2製版部5は、第1製版部4と同様
に、マスタ40をロール状に巻成してなり、芯部41a
を図示しない支持部材に回転自在に支持されたマスタロ
ール41、サーマルヘッド42、図示しないステッピン
グモーターによって回転駆動され、サーマルヘッド42
と共に第2の製版手段を構成するプラテンローラー4
3、可動刃44aと固定刃44bとからなる切断手段4
4、第2のマスタ搬送手段であるマスタ搬送ローラー対
45,46等から主に構成されている。
【0028】第2製版部5の上方には第1排版部6が配
設されている。第1排版部6は、上排版部材47、下排
版部材48、排版ボックス49、圧縮板50等から主に
構成されている。
【0029】上排版部材47は、駆動ローラー51、従
動ローラー52、無端ベルト53から構成され、駆動ロ
ーラー51が図4において時計回り方向に回転すること
により無端ベルト53が図の矢印方向に移動する。下排
版部材48も上排版部材47と同様に駆動ローラー5
4、従動ローラー55、無端ベルト56から構成されて
おり、駆動ローラー54が図4において反時計回り方向
に回転することにより無端ベルト56が図の矢印方向に
移動する。また、下排版部材48は図示しない移動手段
によって移動自在に設けられており、図4に示す位置と
駆動ローラー54の外周面が後述する版胴79の外周面
に当接する位置とに選択的に位置決めされる。使用済み
マスタを貯容する排版ボックス49は、筐体23に対し
て着脱自在に設けられている。排版ボックス49の内部
に使用済みマスタを押し込む圧縮板50は、図示しない
昇降手段によって上下動自在に支持されている。
【0030】第2製版部5の右下方には第2排版部7が
配設されている。第2排版部7は、第1排版部6と同様
に、上排版部材57、下排版部材58、排版ボックス5
9、圧縮板60等から主に構成されている。
【0031】上排版部材57及び下排版部材58は、上
排版部材47及び下排版部材48と同様に、駆動ローラ
ー61、従動ローラー62、無端ベルト63、並びに駆
動ローラー64、従動ローラー65、無端ベルト66か
らそれぞれ構成されており、各駆動ローラー61,64
の回転により各無端ベルト63,66が図の矢印方向に
移動する。また、下排版部材58は図示しない移動手段
によって移動自在に設けられており、図4に示す位置と
駆動ローラー64の外周面が後述する版胴80の外周面
に当接する位置とに選択的に位置決めされる。排版ボッ
クス59は筐体23に対して着脱自在であり、圧縮板6
0は図示しない昇降手段によって上下動される。
【0032】第2製版部5と第1排版部6との間には排
紙部8が配設されている。排紙部8は、剥離爪67,6
8、ガイド板69,70、排紙搬送部材71、排紙トレ
イ72から主に構成されている。
【0033】版胴79の外周面上より印刷済みの印刷用
紙Pを剥離する剥離爪67は、筐体23の図示しない側
板に回動自在に支持されており、その先端を版胴79の
外周面に対して進退自在に設けられている。また、剥離
爪68も剥離爪67と同様に筐体23の図示しない側板
に回動自在に支持されており、その先端を版胴80の外
周面に対して進退自在に設けられている。筐体23の図
示しない側板に固着されたガイド板69,70は、剥離
爪67,68によって剥離された印刷済みの印刷用紙P
の搬送をガイドする。駆動ローラー73、従動ローラー
74、無端ベルト75、吸引ファン76から構成される
排紙搬送部材71は、吸引ファン76の吸引力によって
無端ベルト75上に印刷用紙Pを吸引し、駆動ローラー
73の回転によって印刷用紙Pを図の矢印方向に搬送す
る。排紙搬送部材71によって搬送される印刷用紙Pを
その上面に積載する排紙トレイ72は、印刷用紙Pの幅
方向(印刷用紙Pの搬送方向と直交する方向)に移動自
在な一対のサイドフェンス77とエンドフェンス78と
を有しており、折り畳むことによって筐体23の内部に
収納可能に構成されている。
【0034】筐体23の中央部には印刷部9が配設され
ている。印刷部9は、第1の版胴としての版胴79、第
2の版胴としての版胴80、版胴駆動手段81等から主
に構成されている。
【0035】版胴79は、インキ供給パイプを兼ねた支
軸82をその中心に有しており、その外周面に第1のマ
スタ支持板である多孔性支持板83を、また、内部に第
1のインキ供給手段としてのインキ供給手段84と第1
のインキローラー移動手段としてのインキローラー移動
手段91とを有している。
【0036】図5に示すように、支軸82の両端部寄り
には、左右対称の形状を呈するフランジ85,85が、
軸受を介して回転自在に取り付けられている。フランジ
85は、図6、図7に示すように、その周面の一部に平
面部85aを有しており、その円心部には支軸82の外
形よりも大きく形成された穴部85bが穿設されてい
る。また、フランジ85の内部には、フランジ85の外
形と相似形状のカム部85cが形成されている。
【0037】各フランジ85,85には、図8に示すよ
うに、各カム部85c,85cの内側に同形のギヤ8
7,142がそれぞれ取り付けられており、各フランジ
85,85は、各ギヤ87,142に取り付けられた軸
受88,88によって支軸82にそれぞれ回転自在に取
り付けられている。
【0038】各フランジ85,85は、各平面部85
a,85aが同一平面となるように支軸82に取り付け
られており、図5に示すように、各平面部85a,85
a上には、一端に曲げ部86bを有するステージ部86
がネジ止め等の方法によって取り付けられる。ステージ
部86上には、鈎型の爪部86a,86aが所定の間隔
をおいて2個固着されている。
【0039】各フランジ85,85の外周面上には、多
孔性支持板83が、その両側端部を当接させる形で巻装
されている。薄い金属板で構成され、表面に多数の穿孔
を有する多孔性支持板83は、その先端部の各爪部86
a,86aと対応する位置に穴部83a,83aを有し
ており、各穴部83a,83aを各爪部86a,86a
に引っかけ、後端部を各フランジ85,85の各周面と
曲げ部86bとの間に挟まれている。この構成により、
多孔性支持板83は、版胴79の内部より版胴79の半
径方向に応力を受けた場合に、その周面が容易にフラン
ジ85の周面から膨出することが可能となっている。
【0040】また、多孔性支持板83の外周面には、図
9に示すように、メッシュスクリーン89が巻装されて
いる。樹脂あるいは金属網体からなるメッシュスクリー
ン89の一端には、薄い板状の取付板89aが取り付け
られており、他端には薄い板状の可動板89bが取り付
けられている。取付板89aは、ネジ止め等によってス
テージ部86上に固定されており、可動板89bは、引
張バネ89c,89cを介してステージ部86上に移動
自在に取り付けられている。この構成により、メッシュ
スクリーン89は、多孔性支持板83と同様にフランジ
85の周面からの膨出が可能となっている。
【0041】ステージ部86上には、マスタ33の先端
を挟持するクランパー90とプレスローラー240とが
配設されている。ステージ部86に基端を回動自在に支
持されたクランパー90は、その自由端部に図示しない
マグネットを有しており、ステージ部86に対して磁着
可能に設けられている。このクランパー90は、版胴7
9が筐体23にセットされた場合に、所定の位置におい
て図示しない開閉手段によって開閉される。外周面がゴ
ムからなるプレスローラー240は、その両端をステー
ジ部86に回転自在に支持されている。プレスローラー
240の軸方向長さは、メッシュスクリーン89の幅よ
りもやや小さくなるように設定されている。
【0042】図8、図10に示すように、版胴79の内
部にはインキ供給手段84とインキローラー移動手段9
1とが配設されている。インキ供給手段84は、ベース
92,92、第1支持部材93、インキローラー支持部
材としての第2支持部材94、第1のインキローラーと
してのインキローラー95、ドクターローラー96等か
ら主に構成されており、インキローラー移動手段91
は、支持板97、ソレノイド98、ストッパー99等か
ら主に構成されている。
【0043】板材からなるベース92は、各フランジ8
5,85の内側に位置する支軸82上に、所定の間隔を
おいて2個配設され、2個の取付部材100,100に
よって支軸82にそれぞれ固定されている。
【0044】各ベース92,92間には、第1支持部材
93が配設されている。第1支持部材93は、図11に
示すように、穴93bを有する耳部93a,93aをそ
の両側端部に有しており、その中央部には、揺動軸10
2が挿通固定される穴93cが穿設されている。第1支
持部材93は、各穴93b,93b間に挿通される支持
軸101によって、各ベース92,92に回動自在に支
持されている。また、ベース92と第1支持部材93と
の間には、各端部をベース92と第1支持部材93とに
それぞれ固定された引張バネ104が張設されており、
この引張バネ104の付勢力によって第1支持部材93
には支持軸101を中心に、図10において反時計回り
方向の回動付勢力が付与されている。引張バネ104の
付勢力は、引張バネ89c,89cの付勢力よりも強く
なるように設定されている。
【0045】第2支持部材94は、各ベース92,92
の外側に配設された2枚の側板94a,94aと、各側
板94a,94aとを連結する補強部材94bと、各側
板94a,94a間に設けられた係止棒94cとから主
に構成されている。第2支持部材94は、補強部材94
bの中央に配設された軸受94dによって揺動軸102
に揺動自在に支持されている。
【0046】各側板94a,94a間にはインキローラ
ー95が配設されている。インキローラー95は、支軸
95aによって各側板94a,94aに回転自在に支持
されており、図示しない駆動手段によって版胴79と同
方向に回転駆動される。また、支軸95aの両端には、
カム部85cと当接するカムフォロア95b,95bが
配設されている。インキローラー95は、各カムフォロ
ア95b,95bが各カム部85c,85cの凸部と当
接したときに、その外周面が多孔性支持板83の内周面
より離間し、各カムフォロア95b,95bが各カム部
85c,85cの凸部を離れたときに、その外周面が各
フランジ85,85の外周面より突出するように構成さ
れている。
【0047】インキローラー95の近傍にはドクターロ
ーラー96が配設されている。その外周面をインキロー
ラー95の外周面に近接配置されたドクターローラー9
6は各側板94a,94aに回転自在に支持されてお
り、図示しない駆動手段によってインキローラー95と
逆方向に回転駆動される。インキローラー95の外周面
とドクターローラー96の外周面との近接部において、
支軸82及び後述するインキ供給パイプ129を介して
供給されたインキによって、楔状のインキ溜まり96a
が形成される。
【0048】インキ溜まり96aの上方には、インキ溜
まり96aのインキ量を検知するインキ量検知手段とし
てのセンサー170が配設されている。センサー170
は図示しない固定部材によって側板94aに固定されて
いる。
【0049】支持板97は、取付部材100と同様の図
示しない取付部材によって各ベース92,92間の略中
央部に位置する支軸82上に固定されている。支持板9
7には、ソレノイド98、ストッパー99、センサー1
52が取り付けられている。
【0050】L字形状を呈し、その一端99aが外方へ
鈎型に折れ曲がって形成され、係止棒94cと係合可能
であるストッパー99は、支軸103によってその曲折
部99bを支持板97に回動自在に取り付けられてお
り、一端99aと曲折部99bとの間に形成された長孔
99cにおいて、ソレノイド98のプランジャ98aと
接続されている。ストッパー99は図示しない付勢手段
によって付勢されており、ストッパー99には、支軸1
03を中心に、図10において時計回り方向の回動付勢
力が付与されている。マイクロスイッチであるセンサー
152は、係止棒94cの位置からインキローラー95
の位置を検知する。
【0051】版胴79の下方には版胴80が配設されて
いる。版胴80は、インキ供給パイプを兼ねた支軸10
5をその中心に有しており、その外周面に第2のマスタ
支持板である多孔性支持板106を、また、内部に第2
のインキ供給手段としてのインキ供給手段107と第2
のインキローラー移動手段としてのインキローラー移動
手段108とを有している。版胴80は、多孔性支持板
106の外周面が多孔性支持板83の外周面より所定の
間隔(5〜7mm程度)だけ離間した位置に配設され
る。
【0052】支軸105の両端部寄りには、フランジ8
5と略同形状で略左右対称の形状を呈するフランジ10
9,110が、軸受を介して回転自在に取り付けられて
いる。フランジ109,110は、フランジ85と比較
すると、図8に示すように、その中央部内側にボス10
9a,110aを有している点において相違し、平面部
(図示せず)を有する点及びカム部109b,110b
をそれぞれ有する点において一致している。各ボス10
9a,110aには同形のギヤ111,143がそれぞ
れ取り付けられており、フランジ109はギヤ111に
取り付けられた軸受112によって、また、フランジ1
10はギヤ143に取り付けられた軸受112及びフラ
ンジ110に取り付けられた軸受113によって支軸1
05にそれぞれ回転自在に取り付けられている。
【0053】各フランジ109,110は、フランジ8
5,85と同様に、各平面部が同一平面となるように支
軸105に取り付けられており、各平面部上には図示し
ない爪部、クランパー114、回転自在なプレスローラ
ー241を有するステージ部が取り付けられている。ま
た、各フランジ109,110の外周面上には、版胴7
9と同様に、多孔性支持板106と図示しないメッシュ
スクリーンとが、各フランジ109,110の外周面よ
り膨出可能に巻装されている。
【0054】版胴80の内部には、インキ供給手段10
7とインキローラー移動手段108とが配設されてい
る。インキ供給手段107は、ベース115、インキロ
ーラー支持部材116、第2のインキローラーとしての
インキローラー117、ドクターローラー118から主
に構成されており、インキローラー移動手段108は、
支持部材119、ソレノイド120、ストッパー121
等から主に構成されている。
【0055】ベース115は、図12に示すように、両
側端部に側壁部115a,115aを有しており、各側
壁部115a,115aには、略U字形状を呈し、支軸
105が嵌合可能な溝115bがそれぞれ形成されてい
る。また、各側壁部115a,115a間の前端部側に
は、各側壁部115a,115aの倒れを防止する棒状
の補強部材115cが取り付けられると共に、ベース1
15の前端中央部には切欠部115dが形成されてい
る。ベース115は、各溝115b,115bを支軸1
05に嵌合させた状態で、取付部材100と同様の図示
しない取付部材によって固定される。
【0056】インキローラー支持部材116は、各側壁
部115a,115aの外側に配設された2枚の側板1
16a,116aと、各側板116a,116aを繋ぐ
連結棒116bと、各側板116a,116a間に設け
られた係止棒116cとから主に構成されており、支持
軸122によってベース115に揺動自在に支持されて
いる。また、ベース115とインキローラー支持部材1
16との間には、各端部をベース115とインキローラ
ー支持部材116とにそれぞれ固定された引張バネ12
3が張設されており、この引張バネ123の付勢力によ
って、インキローラー支持部材116には支持軸122
を中心に、図10において時計回り方向の回動付勢力が
付与されている。引張バネ123の付勢力は、引張バネ
104の付勢力よりも強くなるように設定されている。
【0057】各側板116a,116a間にはインキロ
ーラー117が配設されている。インキローラー117
は、支軸117aによって各側板116a,116aに
回転自在に支持されており、図示しない駆動手段によっ
て版胴80と同方向に回転駆動される。また、支軸11
7aの両端には、各カム部109b,110bと当接す
るカムフォロア117b,117bが配設されている。
インキローラー117は、各カムフォロア117b,1
17bが各カム部109b,110bの凸部と当接した
ときに、その外周面が多孔性支持板106の内周面より
離間し、各カムフォロア117b,117bが各カム部
109b,110bの凹部と当接したときに、その外周
面が各フランジ109,110の外周面より突出するよ
うに構成されている。
【0058】インキローラー117の近傍にはドクター
ローラー118が配設されている。その外周面をインキ
ローラー117の外周面に近接配置されたドクターロー
ラー118は各側板116a,116aに回転自在に支
持されており、図示しない駆動手段によってインキロー
ラー117と逆方向に回転駆動される。インキローラー
117の外周面とドクターローラー118の外周面との
近接部において、支軸105及び後述するインキ供給パ
イプ130を介して供給されたインキによって、楔状の
インキ溜まり118aが形成される。
【0059】インキ溜まり118aの上方には、インキ
溜まり118aのインキ量を検知するインキ量検知手段
としてのセンサー171が配設されている。センサー1
71は図示しない固定部材によって側板116aに固定
されている。
【0060】板材を折り曲げて形成した支持部材119
は、ネジ止め等によってベース115の内面に取り付け
られており、支持部材119にはソレノイド120が取
り付けられている。
【0061】ストッパー121は、図13に示すよう
に、脚部121a,121a、突出部121b、舌片1
21c、連結棒121dを一体的に有しており、ベース
115に固定されたブラケット124,124に、支軸
125によって各脚部121a,121aを回動自在に
支持されている。また、各脚部121a,121aと各
ブラケット124,124との間には引張バネ126,
126が張設されており、ストッパー121には、支軸
125を中心に、図10において反時計回り方向の回動
付勢力が付与されている。突出部121bは、各脚部1
21a,121aを一体的に繋ぐべく、各脚部121
a,121aより突出形成されており、各脚部121
a,121aとの接続部における段差部において係止棒
116cと係合可能な形状に形成されている。舌片12
1cは突出部121bと一体形成されており、後述する
ようにインキローラー支持部材116が回動する際に、
係止棒116cと当接可能な位置に設けられている。連
結棒121dは、その両端を各脚部121a,121a
の略中央部にそれぞれ固着されており、連結棒121d
には、一端をソレノイド120のプランジャ120aに
回動自在に支持された作動片127の他端に設けられた
ピン127aが係合している。作動片127は、ソレノ
イド120に取り付けられた取付部材128に回動自在
に支持されている。
【0062】各版胴79,80の内部には、各支軸8
2,105から各インキ溜まり96a,118aに向け
てインキを供給するインキ供給パイプ129,130が
配設されている。
【0063】インキ供給パイプ129は、図14に示す
ように、供給口129aと分岐した4箇所の吐出口12
9bとを有しており、図示しない固定部材によって支軸
82に取り付けられている。供給口129aと支軸82
とには、可撓性を有する接続パイプ131の両端が連通
しており、図示しないインキパックから第1のインキ供
給部材である図示しないインキポンプによって供給され
たインキは、支軸82、接続パイプ131、インキ供給
パイプ129を介してインキ溜まり96aに供給され
る。
【0064】インキ供給パイプ130は、図15に示す
ように、供給口130aと分岐した4箇所の吐出口13
0bとを有しており、図示しない固定部材によってベー
ス115に取り付けられている。供給口130aには、
一端を支軸105に連通された可撓性を有する接続パイ
プ132の他端が連通しており、図示しないインキパッ
クから第2のインキ供給部材である図示しないインキポ
ンプによって供給されたインキは、支軸105、接続パ
イプ132、インキ供給パイプ130を介してインキ溜
まり118aに供給される。
【0065】各版胴79,80は、図8に示すように、
筐体23の側板133に固着された位置決め部材13
4,134に各支軸82,105の一端をそれぞれ位置
決め固定されており、各支軸82,105の他端を筐体
23に対して着脱自在の側板135を介して固定部材1
36,136に固定されることにより、筐体23に位置
決め固定されている。また、各支軸82,105の一端
側の各フランジ85,109の外側には、各フランジ8
5,109と一体的に各支軸82,105に回転自在に
支持された歯付プーリー137,144が軸受138,
138を介して設けられており、支軸82の他端側のフ
ランジ85の外側には、支軸82に回転自在に支持され
た、側板135との隙間を確保するためのスペーサー1
39が、軸受140を介してフランジ85と一体的に設
けられている。
【0066】さらに、版胴79の内部には、歯付プーリ
ー137に伝達された回転力を、ギヤ87,142を介
して一端側のフランジ85から他端側のフランジ85へ
伝達するための伝達部材141が配設されている。伝達
部材141は、各ベース92,92に回転自在に支持さ
れた支軸141a及び支軸141aの両端に固着された
ギヤ141b,141cから構成され、ギヤ141bが
ギヤ87と、ギヤ141cがギヤ142とそれぞれ噛合
するように配設されている。また、版胴80の内部に
は、歯付プーリー144に伝達された回転力を、ギヤ1
11,143を介してフランジ109からフランジ11
0へ伝達するための伝達部材145が配設されている。
伝達部材145は、各側壁部115a,115aに回転
自在に支持された支軸145a及び支軸145aの両端
に固着されたギヤ145b,145cから構成され、ギ
ヤ145bがギヤ111と、ギヤ145cがギヤ143
とそれぞれ噛合するように配設されている。
【0067】版胴80の右下方には版胴駆動手段81が
配設されている。版胴駆動手段81は、図16に示すよ
うに、正逆転可能で互いに逆方向に回転駆動される2個
のモーター146,147から主に構成されており、各
モーター146,147の各出力軸146a,147a
には歯付プーリー148,149がそれぞれ取り付けら
れている。歯付プーリー148と歯付プーリー137と
の間、及び歯付プーリー149と歯付プーリー144と
の間にはタイミングベルト150,151が掛け渡され
ており、これにより各版胴79,80は各モーター14
6,147の回転力を伝達され、互いに同期して逆方向
に回転駆動される。
【0068】筐体23の上部前面には、操作パネル15
3が配設されている。操作パネル153は、図17に示
すように、製版スタートキー154、印刷スタートキー
155、試し刷りキー156、ストップキー157、テ
ンキー158、クリアキー159、拡大縮小キー16
0、印刷速度設定キー161、連写キー162、7セグ
メントLEDからなる表示装置163、LCDからなる
表示装置164等の周知の構成の他、印刷モードを両面
印刷モード、表片面印刷モード、裏片面印刷モードの何
れかに切り換える印刷モード設定手段としての印刷モー
ド切換キー165と、印刷モードを表示するLEDから
なる印刷モード表示手段166とを有している。
【0069】筐体23の内部下方には制御部10が配設
されている。制御部10は、CPU、ROM、RAM等
を有する周知のマイクロコンピューターである制御手段
169より主に構成されており、孔版印刷装置1の動作
を制御する。
【0070】図18は、第1の実施例に用いられる制御
手段169の制御ブロック図を示している。制御手段1
69は、画像読取部2からの画像データ信号、各センサ
ー152,170,171からの動作信号、操作パネル
153からの制御信号を受け、ROMに記憶された孔版
印刷装置1の動作プログラムに基づいて給紙部3、第1
製版部4、第2製版部5、第1排版部6、第2排版部
7、排紙部8、図示しないインキポンプ、及びモーター
146,147を有する版胴駆動手段81とソレノイド
98を有する第1のインキローラー移動手段91とソレ
ノイド120を有する第2のインキローラー移動手段1
08とを具備する印刷部9の制御を行う。
【0071】上述の構成に基づいて、以下に孔版印刷装
置1の動作を説明する。印刷動作に先立ち、オペレータ
ーにより印刷モード切換キー165が押されて印刷モー
ドが選択される。先ず、両面印刷モードが選択された場
合を説明する。
【0072】2枚の原稿を図示しない原稿受け台にセッ
トし、オペレーターによって製版スタートキー154が
押されると、モーター146が作動して版胴79が図4
の反時計回り方向に回転し、版胴79の外周面上に巻装
されている使用済みマスタ167が上排版部材47及び
下排版部材48によって剥離され、使用済みマスタ16
7は排版ボックス49内に収納された後に圧縮板50に
よって圧縮される。版胴79の回転と同時にモーター1
47が作動して版胴80が図4の時計回り方向に回転を
開始し、版胴80の外周面上に巻装されている使用済み
マスタ168は、上排版部材57及び下排版部材58に
よって版胴80の外周面上より剥離されて排版ボックス
59内に搬送され、圧縮板60によって圧縮される。そ
の後、各版胴79,80が給版待機位置まで回転して停
止し、排版動作が完了する。
【0073】画像読取部2では原稿画像の読取動作が行
われる。排版動作と並行して原稿搬送ローラー対12が
回転を開始し、図示しない原稿の上部の1枚がコンタク
トガラス11上を搬送される。原稿画像の読み取りは、
蛍光灯20によって露光されて反射した反射光を反射ミ
ラー18,19によって反射することにより行われ、読
み取られた原稿画像はレンズ21で集光された後に画像
センサー22に入射されて光電変換され、光電変換され
た電気信号は筐体23内の図示しないA/D変換器に入
力される。画像を読み取られた原稿は、原稿搬送ベルト
16及び原稿搬送ローラー13によって原稿搬送ベルト
16の上部に配設された図示しない原稿トレイに排出さ
れる。
【0074】原稿読取動作に並行して、第1製版部4で
は製版動作が行われる。排版動作完了後、プラテンロー
ラー36とマスタ搬送ローラー対38,39がそれぞれ
回転を開始し、マスタロール34からマスタ33が引き
出される。引き出されたマスタ33は、サーマルヘッド
35を通過する際に製版される。サーマルヘッド35の
表面に整列配置された複数の発熱素子は、A/D変換器
及びその他の図示しない製版基板で各種処理を施された
後に送られてきたデジタル画像信号に応じて各々選択的
に発熱し、マスタ33の熱可塑性樹脂フィルムを加熱溶
融穿孔する。
【0075】そして、プラテンローラー36を回転駆動
する図示しないステッピングモーターのステップ数よ
り、マスタ33の先端がステージ部86とクランパー9
0との間の所定位置まで到達したと制御手段169が判
断すると、図示しない開閉手段に動作信号が送られてク
ランパー90が回動し、ステージ部86とクランパー9
0とでマスタ33の先端を挟持する。
【0076】その後、版胴79がマスタ33の搬送速度
と同じ周速度で図4の時計回り方向に回転し、マスタ3
3の版胴79への巻装動作が行われる。そして、図示し
ないステッピングモーターのステップ数より、1版分の
製版が完了したと制御手段169が判断すると、プラテ
ンローラー36及びマスタ搬送ローラー対38,39の
回転が停止すると共に、可動刃37aが回転移動してマ
スタ33が切断される。切断されたマスタ33は版胴7
9の回転動作によって引き出され、版胴79が再びホー
ムポジションに到達すると制御手段169からの指令に
よってモーター146が停止して、版胴79が位置決め
される。
【0077】版胴79の位置決め後、原稿搬送ローラー
対12が再び回転を開始し、残り1枚の原稿がコンタク
トガラス11上を搬送され、上述と同様に読み取られ
る。読み取られた原稿は、図示しない原稿トレイに排出
される。この実施例では2枚の原稿よりそれぞれ画像を
読み取ったが、1枚の原稿の両面から画像を読み取る場
合には、一方の面の読取完了後、原稿搬送ベルト16及
び原稿搬送ローラー13が回転すると同時に切換板17
が図示しない機構により反時計回り方向に回動すること
で、原稿の進行方向が変更されて再度コンタクトガラス
11上に導かれ、他方の面が読み取られるように構成さ
れている。
【0078】原稿読取動作に並行して、第2製版部5で
は第1製版部4と同様に製版動作が行われる。排版動作
完了後、プラテンローラー43とマスタ搬送ローラー対
45,46がそれぞれ回転を開始し、マスタロール41
からマスタ40が引き出される。引き出されたマスタ4
0は、上述と同様にサーマルヘッド42を通過する際に
製版される。
【0079】そして、プラテンローラー43を回転駆動
する図示しないステッピングモーターのステップ数よ
り、マスタ40の先端が所定位置まで到達したと制御手
段169が判断すると、図示しない開閉手段に動作信号
が送られてクランパー114が回動し、ステージ部とク
ランパー114とでマスタ40の先端を挟持する。
【0080】その後、版胴80がマスタ40の搬送速度
と同じ周速度で図4の反時計回り方向に回転し、マスタ
40の版胴80への巻装動作が行われる。そして、図示
しないステッピングモーターのステップ数より、1版分
の製版が完了したと制御手段169が判断すると、プラ
テンローラー43及びマスタ搬送ローラー対45,46
の回転が停止すると共に、可動刃44aが回転移動して
マスタ40が切断される。切断されたマスタ40は版胴
80の回転動作によって引き出され、版胴80が再びホ
ームポジションに到達すると制御手段169からの指令
によってモーター147が停止して、版胴80が位置決
めされる。
【0081】各版胴79,80への給版動作が完了する
と同時に、給紙コロ25、分離コロ26,27が回転す
ると共に各モーター146,147が作動を開始し、給
紙トレイ24上に積載されている印刷用紙Pの最上位の
1枚がレジストローラー対30に向けて分離給送される
と共に各版胴79,80が低速で回転を開始する。分離
給送され、その先端をレジストローラー対30にくわえ
込まれた印刷用紙Pは、レジストローラー対30が所定
のタイミングで回転することにより、各版胴79,80
間に給送される。
【0082】一方、各版胴79,80の内部では、図示
しない駆動手段によってそれぞれ回転駆動された各イン
キローラー95,117が、各版胴79,80の回転に
伴って同時に揺動する。
【0083】ソレノイド98への通電を行いつつ版胴7
9(各フランジ85,85)を回転させ、各カム部85
c,85cの凸部が各カムフォロア95b,95bと当
接してインキローラー95が図10の上方に移動し、ス
トッパー99の一端99aと係止棒94cとの間に隙間
が発生すると、プランジャ98aが吸引されてストッパ
ー99が支軸103を中心に図10の反時計回り方向に
回動される。その後、各カムフォロア95b,95bが
各カム部85c,85cの凸部を通過すると、第1支持
部材93と第2支持部材94とが引張バネ104の付勢
力によって支持軸101を中心に図10の反時計回り方
向に回動する。この回動によりインキローラー95の外
周面が多孔性支持板83と当接し、多孔性支持板83及
びメッシュスクリーン89が図10の下方に向けて膨出
する。このとき、センサー152からの信号により、イ
ンキローラー95が揺動されたことを制御手段169が
確認する。
【0084】また、ソレノイド120への通電を行いつ
つ版胴80(各フランジ109,110)を回転させ、
各カム部109b,110bの凸部が各カムフォロア1
17b,117bと当接してインキローラー117が図
10の下方に移動し、ストッパー121の突出部121
bと係止棒116cとの間に隙間が発生すると、プラン
ジャ120aが吸引されてストッパー121が支軸12
5を中心に図10の時計回り方向に回動される。その
後、各カムフォロア117b,117bが各カム部10
9b,110bの凸部を通過すると、インキローラー支
持部材116が引張バネ123の付勢力によって支持軸
122を中心に図10の時計回り方向に回動する。この
回動によりインキローラー117の外周面が多孔性支持
板106と当接し、多孔性支持板106及び図示しない
メッシュスクリーンが図10の上方に向けて膨出する。
【0085】この各インキローラー95,117の揺動
動作よりやや遅れて、レジストローラー対30から各版
胴79,80間に向けて印刷用紙Pが給送される。これ
により、多孔性支持板83,多孔性支持板106、メッ
シュスクリーン89、図示しないメッシュスクリーン、
マスタ33、マスタ40及び印刷用紙Pを介してインキ
ローラー95とインキローラー117とが当接し、印刷
用紙Pの両面に印刷画像が転写される。なお、この当接
時において、第2支持部材94が揺動軸102を中心に
揺動することによりインキローラー95が揺動し、軸方
向におけるインキローラー117との当接が均一に行わ
れる。インキローラー95とインキローラー117との
当接状態を図8及び図19に示す。
【0086】両面に印刷画像を転写された印刷用紙Pは
剥離爪67または剥離爪68によって版胴79または版
胴80の外周面上より剥離され、各ガイド板69,70
を通って排紙搬送部材71によって搬送され、排紙トレ
イ72上に排出される。
【0087】印刷後も各版胴79,80は回転を継続す
る。各インキローラー95,117の揺動後、制御手段
169からの指令により各ソレノイド98,120への
通電が断たれ、各ストッパー99,121は、それぞれ
の付勢手段の付勢力により図19に二点鎖線で示す、各
係止棒94c,116cに当接する位置にそれぞれ移動
する。
【0088】そして、版胴79の回転により各カムフォ
ロア95b,95bが各カム部85c,85cの凸部と
再び当接すると、第1支持部材93と第2支持部材94
とが支持軸101を中心に図19の時計回り方向に回動
する。この回動によって係止棒94cとストッパー99
の一端99aとの当接が解除されると、ストッパー99
が図示しない付勢手段の付勢力によって回動して、図1
0に示す位置に復帰する。
【0089】同様に、版胴80の回転により各カムフォ
ロア117b,117bが各カム部109b,110b
の凸部と再び当接すると、インキローラー支持部材11
6が支持軸122を中心に図19の反時計回り方向に回
動し、係止棒116cとストッパー121の舌片121
cとの当接が解除されることにより、ストッパー121
が引張バネ126,126の付勢力によって回動して、
図10に示す位置に復帰する。
【0090】その後、各版胴79,80がホームポジシ
ョンまで回転して停止し、版付動作が完了する。版付動
作が完了して孔版印刷装置1が印刷待機状態となった
後、オペレーターによって試し刷りキー156が押され
ると、版付動作と同様に給紙トレイ24上の最上位の1
枚の印刷用紙Pが給紙コロ25及び分離コロ26,27
によって引き出され、レジストローラー対30にその先
端をくわえ込まれると共に、制御手段169から指令が
送られて各モーター146,147が作動を開始し、各
版胴79,80が高速で回転駆動される。レジストロー
ラー対30は、版付動作と同じタイミングで高速回転し
ている各版胴79,80間に印刷用紙Pを給送する。給
送された印刷用紙Pはその両面に印刷画像を転写され、
剥離爪67または剥離爪68によって版胴79または版
胴80の外周面より剥離された後、排紙搬送部材71に
よって搬送されて排紙トレイ72上に排出される。各版
胴79,80は再びホームポジションに復帰し、試し刷
り動作が完了する。
【0091】この試し刷りによって印刷画像の濃度や位
置を確認し、これらを操作パネル153上の各種キーで
調整して再度試し刷りを行った後、テンキー158で印
刷枚数を表示装置163に置数し、印刷速度設定キー1
61で印刷速度を設定した後に印刷スタートキー155
を押すことにより、給紙部3より印刷用紙Pが連続的に
送られて印刷動作が行われる。
【0092】上述の印刷動作時において、インキ溜まり
96a,インキ溜まり118aのインキ量が減少する
と、センサー170あるいはセンサー171から制御手
段169へ信号が出力される。信号を受けた制御手段1
69が図示しないインキポンプを作動させることによ
り、図示しないインキパックからのインキが支軸82,
105、接続パイプ131,132、インキ供給パイプ
129,130を介してインキ溜まり96aあるいはイ
ンキ溜まり118aに供給される。
【0093】次に、表片面印刷モードが選択された場合
を説明する。オペレーターにより印刷モード切換キー1
65が押されて表片面印刷モードが選択された後、1枚
の原稿が図示しない原稿受け台にセットされ、製版スタ
ートキー154が押されると、第1排版部6において版
胴79の外周面上から使用済みマスタ167を剥離廃棄
する排版動作が行われる。このとき、第2排版部7では
排版動作が行われず、版胴80の外周面上には使用済み
マスタ168が巻装されたままとなっている。
【0094】排版動作に並行して版胴80が回転駆動さ
れ、版胴80は、プレスローラー241が真上に位置す
る片面印刷位置に位置決めされる。版胴80の位置決め
は、筐体23に取り付けられた図示しないセンサーによ
ってフランジ109,110の位置を検知することによ
り行われる。また、モーター147に代えてステッピン
グモーターを用い、そのステップ数より位置検知を行っ
てもよい。
【0095】画像読取部2では原稿画像の読取動作が行
われ、これに並行して、第1製版部4では両面印刷時と
同様に製版搬送動作が行われるが、第2製版部5では製
版搬送動作は行われない。第1製版部4で製版されたマ
スタ33は版胴79の外周面上に巻装される。
【0096】版胴79への給版動作完了後、給紙部3か
ら1枚の印刷用紙Pが給送されると共に版胴79が低速
で回転を開始する。印刷用紙Pはレジストローラー対3
0でタイミングを取られた後、各版胴79,80間に向
けて給送される。
【0097】版胴79の回転によりインキローラー95
が揺動し、図20に示すように、膨出した多孔性支持板
83とプレスローラー241とに印刷用紙Pが挟持され
ることで、印刷用紙Pにはその上面側にのみマスタ33
に製版された画像が転写される。上面に印刷画像を転写
された印刷用紙Pは剥離爪67によって版胴79の外周
面より剥離され、排紙搬送部材71によって搬送されて
排紙トレイ72上に排出される。
【0098】版胴79がホームポジションで停止して版
付動作が完了した後、試し刷りキー156が押されるこ
とにより上述と同様に試し刷りが行われ、さらにその
後、印刷スタートキー155が押されることにより印刷
動作が行われる。
【0099】次に、裏片面印刷モードが選択された場合
を説明する。オペレーターにより印刷モード切換キー1
65が押されて裏片面印刷モードが選択された後、1枚
の原稿が図示しない原稿受け台にセットされ、製版スタ
ートキー154が押されると、第2排版部7において版
胴80の外周面上から使用済みマスタ168を剥離廃棄
する排版動作が行われる。このとき、第1排版部6では
排版動作が行われず、版胴79の外周面上には使用済み
マスタ167が巻装されたままとなっている。
【0100】排版動作に並行して版胴79が回転駆動さ
れ、版胴79は、プレスローラー240が真下に位置す
る片面印刷位置に位置決めされる。版胴79の位置決め
は、版胴80と同様に、筐体23に取り付けられた図示
しないセンサーによってフランジ85,85の位置を検
知することにより行われるが、モーター146に代えて
ステッピングモーターを用い、そのステップ数より位置
検知を行ってもよい。
【0101】画像読取部2では原稿画像の読取動作が行
われ、これに並行して第2製版部5では製版搬送動作が
行われるが、第1製版部4では製版搬送動作は行われな
い。第2製版部5で製版されたマスタ40は版胴80の
外周面上に巻装される。
【0102】版胴80への給版動作完了後、給紙部3か
ら1枚の印刷用紙Pが給送されると共に版胴80が低速
で回転を開始する。印刷用紙Pはレジストローラー対3
0でタイミングを取られた後、各版胴79,80間に向
けて給送される。
【0103】版胴80の回転によりインキローラー11
7が揺動し、図21に示すように、膨出した多孔性支持
板106とプレスローラー240とに印刷用紙Pが挟持
されることで、印刷用紙Pにはその下面側にのみマスタ
40に製版された画像が転写される。下面に印刷画像を
転写された印刷用紙Pは剥離爪68によって版胴80の
外周面より剥離され、排紙搬送部材71によって搬送さ
れて排紙トレイ72上に排出される。
【0104】その後、試し刷りキー156が押されるこ
とにより上述と同様に試し刷りが行われ、さらにその
後、印刷スタートキー155が押されることにより印刷
動作が行われる。
【0105】このように各支軸82,105が固定され
た構成とすることにより、一方の版胴が揺動して他方の
版胴と当接する構造である従来の両面印刷機における、
印刷時において版胴同士の接触により騒音が生じると共
に、回転むらが発生して印刷物の画質が安定しないとい
う不具合の発生を防止することができる。
【0106】また、非印刷時において各多孔性支持板8
3,106が離間した状態で各インキローラー95,1
17が保持されているので、外部のインキパックよりイ
ンキを供給した後、インキローラーの表面にインキを馴
染ませる場合等、印刷用紙Pを通紙せずに各版胴79,
80を回転駆動する場合において、各版胴79,80の
外周面上に巻装された製版済みのマスタ33,40の表
面を汚損することが防止でき、印刷時における印刷用紙
Pの非画像部の汚損を防止することができる。
【0107】さらに、片面印刷時においては、マスタを
無駄にすることなく片面印刷を行うことができると共
に、版胴内周面のインキが消費されずに連続的に練られ
るという状態とはならないためにインキ粘度の低下を防
止することができ、版胴内部はもとより印刷装置内部を
広く汚損してしまうという不具合の発生を防止すること
ができる。また、片面印刷後に両面印刷を行う際に、粘
度が低下したインキが印刷に供されることがないため、
画像滲みや両面画像の濃度差、あるいは版胴への印刷用
紙付着に伴う排紙不良等の発生を防止することができ
る。
【0108】この第1の実施例では、インキ供給手段8
4とインキ供給手段107とをそれぞれ移動可能な構成
としたが、何れか一方のインキ供給手段を、そのインキ
ローラーの外周面が多孔性支持板の内周面と近接した状
態で固定し、他方のインキ供給手段を移動させることに
より、双方の多孔性支持板を当接可能とした構成とする
こともできる。この場合、移動側のインキ供給手段をイ
ンキ供給手段84と同様に、支軸82あるいは支軸10
5と直交する方向に設けられた支軸によって揺動自在な
構成とする。
【0109】図22、図23は、本発明の第2の実施例
に用いられる版胴193,194を示している。この版
胴193,194は、第1の実施例で用いた版胴79,
80と比較すると、支軸82,105に代えてインキ供
給パイプを兼ねた支軸195,196を有する点、歯付
プーリー137,144に代えてギヤ228,229を
有する点、筐体23に取り付けられ、各モーター14
6,147の回転駆動力を各ギヤ228,229に伝達
する図示しない回転力伝達部材を有する点、及び各版胴
193,194が版胴支持部材197に一体的に支持さ
れている点においてのみ相違し、他の構成は同一であ
る。
【0110】各支軸195,196には、その両端部近
傍に凹部195a,195a,196a,196aが形
成されており、各凹部195a,195a,196a,
196aより外側の両端部近傍には、穴部195b,1
95b,196b,196bが設けられている。また、
各支軸195,196には、図示しない回り止め位置決
め部材が設けられている。
【0111】版胴支持部材197は、上版胴支持板19
8,198、上版胴支持側板199,199、下版胴支
持板200,200、下版胴支持側板201,201、
連結板202,202,202,202、取手203か
ら主に構成されている。
【0112】上版胴支持板198,198の中央には、
各凹部195a,195aが係合するU字形状の切欠部
198a,198aが上方に向けて形成され、下版胴支
持板200,200の中央には、各凹部196a,19
6aが係合する切欠部200a,200aが、中央より
一旦左上方に向かった後、左下方に向かう形状に形成さ
れている。上版胴支持板198,198は上版胴支持側
板199,199によって一体的に固着されており、下
版胴支持板200,200は下版胴支持側板201,2
01によって一体的に固着されている。上版胴支持側板
199,199及び下版胴支持側板201,201は、
その上下端部が上版胴支持板198,198及び下版胴
支持板200,200の上下端部より突出する状態でそ
れぞれ取り付けられている。また、一方(印刷装置手前
側)の上版胴支持板198と一方の下版胴支持板20
0、及び他方の上版胴支持板198と他方の下版胴支持
板200とは連結板202,202によってそれぞれ一
体的に連結されている。一方の上版胴支持板198と一
方の下版胴支持板200とを連結する連結板202,2
02には、取手203の端部がそれぞれ取り付けられて
いる。
【0113】筐体23には、版胴支持部材197を移動
自在に支持するレール204,204,204,204
が取り付けられている。レール204は、上版胴支持側
板199,199及び下版胴支持側板201,201の
突出した上下端部を包み込む形状に形成されている。な
お、上版胴支持側板199、下版胴支持側板201、レ
ール204に代えて、抽斗等に用いられるアキュライド
(商品名)を用いてもよい。
【0114】さらに、筐体23の奥には、各版胴19
3,194が筐体23に装着された場合に各支軸19
5,196の端部を検知するセンサー205,206,
207,208が配設されている。各センサー205,
206,207,208は、物体を検知するフィラー2
05a,206a,207a,208aをそれぞれ有し
ており、各フィラーが押されたときに信号を出力する。
各センサー205,206,207,208からの出力
信号は後述する制御手段209に出力される。
【0115】図24は、第2の実施例に用いられる制御
手段209の制御ブロック図を示している。マイクロコ
ンピューターである制御手段209は、第1の実施例で
用いられた制御手段169と比較すると、センサー20
5,206,207,208からの信号を入力される点
においてのみ相違している。制御手段209は、各セン
サー205,206,207,208からの信号が全て
入力されたときのみ、孔版印刷装置1の作動を許容す
る。
【0116】上記構成に基づき、第2の実施例における
版胴193,194の着脱動作を説明する。筐体23の
前面にある図示しない扉が開かれ、取手203が把持さ
れて版胴支持部材197が図23の右方に引き出され
る。各支軸195,196の後端が筐体23より露出し
た位置において、版胴支持部材197からの各版胴19
3,194の取り外しが行われる。
【0117】取り外しには図25に示す取り外し部材2
10が用いられる。取り外し部材210は、把持部21
0aと先端が略U字形状に形成された脚部210b,2
10bとを一体に有している。各脚部210b,210
bの先端の曲面は各支軸195,196の外周面と一致
しており、その中央には穴部195b,196bと係合
可能な突起210cがそれぞれ形成されている。各脚部
210b,210bの間隔は各穴部195b,195b
及び各穴部196b,196bの間隔と等しくなるよう
に構成されている。
【0118】版胴193を取り外す場合には、取り外し
部材210の把持部210aを把持し、各突起210
c,210cと各穴部195b,195bとを係合させ
て取り外し部材210を上方へ引き上げ、版胴支持部材
197より取り外す。また、版胴194を取り外す場合
には、各突起210c,210cと各穴部196b,1
96bとを係合させて取り外し部材210を左斜め上方
へと引き上げ、その後、切欠部200aに沿って左斜め
下方へとずらすように移動させて取り外す。
【0119】各版胴193,194を版胴支持部材19
7に取り付ける場合には、上述の手順とは逆の手順とな
り、各支軸195,196の各凹部195a,195
a,196a,196aが各切欠部198a,198
a,200a,200aと係合したときに、図示しない
回り止め位置決め部材によって、各支軸195,196
は、図19に示すと同様の位置(各版胴193,194
の外周面上に設けられた図示しないクランパーが互いに
対向する位置)となるように各穴部195b,195
b,196b,196bを位置決めされる。
【0120】版胴支持部材197が筐体23の内部に押
し込まれ、各支軸195,196の先端が位置決め部材
134によって位置決めされると、各フィラー205
a,206a,207a,208aが各支軸195,1
96の端部によって押され、各センサー205,20
6,207,208からの信号が制御手段209に出力
され、孔版印刷装置1が両面印刷実行の待機状態とな
る。
【0121】以下、印刷モード切換キー165が押され
て印刷モードが選択され、1枚あるいは2枚の原稿が図
示しない原稿受け台にセットされた後、製版スタートキ
ー154が押されると、第1の実施例と同様に版付動作
が行われ、その後、印刷スタートキー155が押される
と両面印刷あるいは片面印刷が行われる。
【0122】上述の構成とすることで、各版胴193,
194の交換によって色換え作業を容易に行うことがで
きる。
【0123】図26、図27は、本発明の第3の実施例
に用いられる孔版印刷装置230を示している。この孔
版印刷装置230は、孔版印刷装置1と比較すると、印
刷部9に代えて版胴支持部材197に支持された版胴2
31,232を有する印刷部245を用いる点、筐体2
3に代えてプレスローラー移動手段234を有する筐体
233を用いる点、制御手段169に代えて制御手段2
35を用いる点において相違しており、他の構成は同一
である。
【0124】版胴231,232は、第2の実施例で示
した版胴193,194と同様に、その支軸195,1
96を版胴支持部材197に着脱自在に支持されてい
る。版胴231,232は、版胴193,194と比較
すると、プレスローラー240,241を具備しない点
においてのみ相違し、他の構成は同一である。また、版
胴支持部材197を出し入れする際に開閉される、筐体
233の前面に設けられた図示しない扉には、図示しな
いマイクロスイッチが設けられており、このマイクロス
イッチからの信号は後述する制御手段235に出力され
る。
【0125】プレスローラー移動手段234は、図28
に示すように、プレスローラー236、アーム237,
237、ギヤ238、モーター239から主に構成され
ている。一対のアーム237,237は、それぞれの一
端を支軸242に一体的に固着されており、その近傍に
は補強部材243が一体的に取り付けられている。各ア
ーム237,237の他端間には、表面がゴム等の弾性
体で形成されたプレスローラー236が回転自在に支持
されている。支軸242の略中程にはギヤ238が固着
されており、ギヤ238は、モーター239の出力軸に
取り付けられたギヤ244と噛合している。ステッピン
グモーターであるモーター239は筐体233に取り付
けられており、その作動を後述する制御手段235によ
って制御される。モーター239の作動により、プレス
ローラー236は、図28に実線で示す押圧位置(図2
7に示す位置)と二点鎖線で示す退避位置(図26に示
す位置)とに選択的に位置決めされる。
【0126】図29は、第3の実施例に用いられる制御
手段235の制御ブロック図を示している。マイクロコ
ンピューターである制御手段235は、各センサー20
5,206,207,208からの信号が全て入力され
たときに操作パネル153の印刷モード表示手段166
に信号を送り、印刷モード表示手段166を「両面」に
切り換えて孔版印刷装置230に両面印刷を行わせ、ま
た、センサー207,208からの信号が入力されなか
ったときには、印刷モード表示手段166を「表片面」
に切り換えて孔版印刷装置230に表片面印刷を行わせ
る。この表片面印刷時には、製版スタートキー154が
押されても制御手段235からの動作信号が第2製版部
5、第2排版部7、モーター147には出力されないよ
うにプログラムされている。さらに、制御手段235
は、センサー205,206からの信号が1つでも入力
されなかったときには、孔版印刷装置230の動作を許
容せず、製版スタートキー154及び印刷スタートキー
155からの入力を無効とするようにプログラムされて
いる。また、制御手段235は、図示しないマイクロス
イッチからの信号に基づいてモーター239の作動を制
御する。この第3の実施例では、印刷モード切換キー1
65は用いられず、「裏片面」印刷は行われない。各セ
ンサー205,206,207,208によって印刷モ
ード切換手段が構成されている。
【0127】上記構成に基づき、第3の実施例における
動作を説明する。筐体233の前面にある図示しない扉
が開かれると、図示しないマイクロスイッチがオフとな
り、制御手段235に送られていた信号が途絶える。制
御手段235は、マイクロスイッチからの信号がオフと
なるとモーター239に作動信号を送り、プレスローラ
ー236を図26に示す退避位置に位置決めさせる。
【0128】そして、第2の実施例と同様に、取手20
3が把持されて版胴支持部材197が装置手前側に引き
出される。ここで、両面印刷を行う場合には、版胴支持
部材197に版胴231と版胴232とを装着し、ま
た、片面印刷を行う場合には、版胴支持部材197に版
胴231のみを装着して、版胴支持部材197を筐体2
33の内部に押し込む。
【0129】先ず、版胴支持部材197に版胴231と
版胴232とが装着されて両面印刷が行われる場合を説
明する。
【0130】版胴支持部材197が筐体233の内部に
押し込まれ、各支軸195,196の先端が位置決め部
材134によって位置決めされると、各フィラー205
a,206a,207a,208aが押されて各センサ
ー205,206,207,208からの信号が制御手
段235に出力される。制御手段235は、印刷モード
表示手段166を「両面」に切り換え、両面印刷時の動
作プログラムを読み込む。そして、筐体233前面の扉
が閉じられるとマイクロスイッチがオンされ、制御手段
235に信号が出力される。制御手段235は、各セン
サー205,206,207,208からの信号が全て
入力されている場合にはマイクロスイッチからの信号が
入力されてもモーター239に作動信号を出力せず、プ
レスローラー236は図26に示す退避位置に位置決め
されたままとなっている。
【0131】以下、2枚の原稿が図示しない原稿受け台
にセットされた後、製版スタートキー154が押される
と、第1の実施例と同様に版付動作が行われ、その後、
印刷スタートキー155が押されると両面印刷が行われ
る。
【0132】次に、版胴支持部材197に版胴231の
みが装着されて片面印刷が行われる場合を説明する。
【0133】版胴支持部材197が筐体233の内部に
押し込まれ、支軸195の先端が位置決め部材134に
よって位置決めされると、各フィラー205a,206
aが押されて各センサー205,206からの信号が制
御手段235に出力される。制御手段235は、印刷モ
ード表示手段166を「表片面」に切り換え、表片面印
刷時の動作プログラムを読み込む。そして、筐体233
前面の扉が閉じられるとマイクロスイッチがオンされ、
制御手段235に信号が出力される。制御手段235
は、各センサー205,206からの信号が入力され、
各センサー207,208からの信号が入力されない場
合には、マイクロスイッチからの信号が入力されたとき
にモーター239に作動信号を出力し、プレスローラー
236を図27に示す押圧位置に位置決めさせる。
【0134】1枚の原稿が図示しない原稿受け台にセッ
トされ、製版スタートキー154が押されると、第1排
版部6によって版胴231の外周面から使用済みマスタ
167が剥離される。その後、版胴231が給版待機位
置に位置決めされる。
【0135】画像読取部2では原稿画像の読取動作が行
われ、これに並行して第1製版部4では第1の実施例と
同様に製版搬送動作が行われる。第1製版部4で製版さ
れたマスタ33は版胴231の外周面上に巻装される。
【0136】版胴231への給版動作完了後、給紙部3
から1枚の印刷用紙Pが給送されると共に版胴231が
低速で回転を開始する。印刷用紙Pはレジストローラー
対30でタイミングを取られた後、版胴231とプレス
ローラー236との間に向けて給送される。
【0137】版胴231の回転によりインキローラー9
5が揺動し、膨出した多孔性支持板83とプレスローラ
ー236とに印刷用紙Pが挟持されることで、印刷用紙
Pにはその上面側にマスタ33に製版された画像が転写
される。上面に印刷画像を転写された印刷用紙Pは剥離
爪67によって版胴231の外周面より剥離され、排紙
搬送部材71によって搬送されて排紙トレイ72上に排
出される。
【0138】版胴231がホームポジションで停止して
版付動作が完了した後、試し刷りキー156が押される
ことにより上述と同様に試し刷りが行われ、さらにその
後、印刷スタートキー155が押されることにより印刷
動作が行われる。
【0139】上述の構成とすることにより、片面印刷時
において未製版のマスタを使用せずとも印刷を行うこと
ができ、コストダウンを図ることができると共に、版胴
内周面のインキが消費されずに連続的に練られるという
状態とはならないためにインキ粘度の低下を防止するこ
とができ、版胴内部はもとより印刷装置内部を広く汚損
してしまうという不具合の発生を防止することができ
る。また、片面印刷後に両面印刷を行う際に、粘度が低
下したインキが印刷に供されることがないため、画像滲
みや両面画像の濃度差、あるいは版胴への印刷用紙付着
に伴う排紙不良等の発生を防止することができる。
【0140】図30、図31は、本発明の第4の実施例
に用いられる孔版印刷装置246を示している。この孔
版印刷装置246は、孔版印刷装置230と比較する
と、第2排版部7に代えて第2排版部247を用いる
点、印刷部245に代えて版胴248,249を有する
印刷部250を用いる点、筐体233に代えてプレスロ
ーラー移動手段234と版胴移動手段251(図32参
照)とを有する筐体252を用いる点、制御手段235
に代えて制御手段253を用いる点において相違してお
り、他の構成は同一である。
【0141】第2排版部247は、第2製版部5の下方
であって筐体252の左下隅に配設されている。第2排
版部247は、第2排版部7と同様に、上排版部材25
4、下排版部材255、排版ボックス256、圧縮板2
57等から主に構成されている。
【0142】上排版部材254及び下排版部材255
は、上排版部材57及び下排版部材58と同様に、駆動
ローラー258、従動ローラー259、無端ベルト26
0、並びに駆動ローラー261、従動ローラー262、
無端ベルト263からそれぞれ構成され、各駆動ローラ
ー258,261の回転により各無端ベルト260,2
63が図の矢印方向に移動する。また、下排版部材25
5は図示しない移動手段によって移動自在に設けられて
おり、図31に示す位置と、後述する版胴移動手段25
1の作動によって版胴249が図31に示す片面印刷位
置に位置決めされたときに、駆動ローラー261の外周
面が版胴249の外周面に当接する位置とに選択的に位
置決めされる。排版ボックス256は筐体252に対し
て着脱自在であり、圧縮板257は図示しない昇降手段
によって上下動される。
【0143】版胴231,232と同様の内部構成を有
する版胴248,249は、インキ供給パイプを兼ねた
支軸264,265にそれぞれ回転自在に支持されてお
り、版胴248は、図33に示すように、筐体252の
側板277に固着された位置決め部材278に支軸26
4の一端を位置決めされ、版胴249は、図34に示す
ように、版胴移動手段251の側板279に設けられた
位置決め部材280に支軸265の一端を位置決めされ
る。
【0144】各支軸264,265の一端側には、各版
胴248,249と一体的に各支軸264,265に回
転自在に支持されたギヤ281,282が設けられてお
り、各ギヤ281,282は、ギヤやベルト等の図示し
ない回転力伝達部材を介して版胴駆動手段81からの回
転力を各版胴248,249に伝達する。
【0145】また、各支軸264,265の両端部近傍
には、図33、図34に示すように凹部264a,26
4a,265a,265aが形成されており、各凹部2
64a,264a,265a,265aより外側には、
取り外し部材210の突起210c,210cと係合可
能な穴部264b,264b,265b,265bが設
けられている。各支軸264,265には図示しない回
り止め位置決め部材が設けられている。
【0146】各版胴248,249は、図32に示すよ
うに、上版胴支持部材266と下版胴支持部材267と
によって、筐体252に対してそれぞれ着脱自在に支持
されている。上版胴支持部材266は、上版胴支持板2
68,268、上版胴支持側板269,269、取手2
70から主に構成されており、下版胴支持部材267
は、下版胴支持板271,271、下版胴支持側板27
2,272、取手273から主に構成されている。
【0147】上版胴支持板268,268の中央には各
凹部264a,264aが係合するU字形状の切欠部2
68a,268aが、下版胴支持板271,271の中
央には各凹部265a,265aが係合するU字形状の
切欠部271a,271aがそれぞれ上方に向けて形成
されている。上版胴支持板268,268は上版胴支持
側板269,269によって一体的に連結されており、
下版胴支持板271,271は下版胴支持側板272,
272によって一体的に連結されている。上版胴支持側
板269,269及び下版胴支持側板272,272
は、その上下端部が上版胴支持板268,268及び下
版胴支持板271,271の上下端部より突出する状態
で、上版胴支持板268,268及び下版胴支持板27
1,271にそれぞれ取り付けられている。また、一方
(印刷装置手前側)の上版胴支持板268の中央には取
手270が、一方の下版胴支持板271の中央には取手
273がそれぞれ取り付けられている。
【0148】筐体252には、レール274,274、
センサー275,276、版胴移動手段251が設けら
れている。上版胴支持部材266を水平移動自在に支持
するレール274,274は、上版胴支持側板269,
269の突出した上下端部を包み込む形状に形成されて
いる。筐体252の奥側に配設されたセンサー275,
276はフィラー275a,276aをそれぞれ有して
おり、各フィラーが押されたときに後述する制御手段2
53に向けて信号を出力する。
【0149】版胴移動手段251は、図32、図34に
示すように、モーター283,283、リニアレール2
84,285,286,287、リニアガイド288,
289,290,291、レール292,292、セン
サー293,294等から主に構成されている。
【0150】出力軸にピニオンギヤ283aを取り付け
られた、正逆転可能のステッピングモーターであるモー
ター283は、筐体252の、対角に配置された2本の
リニアレール284,287と対応する位置に2個配設
されている。
【0151】4本のリニアレール284,285,28
6,287は、下版胴支持部材267を取り囲む位置
に、高さ方向に延在するよう配設されており、それぞれ
の底面を筐体252に固着されている。各リニアレール
284,285,286,287の上面には、リニアガ
イド288,289,290,291がそれぞれ取り付
けられている。各リニアガイド288,289,29
0,291は、対応する各リニアレールの上面に沿っ
て、孔版印刷装置246の高さ方向に滑らかに摺動自在
に設けられている。
【0152】各リニアガイド288,289の摺動面と
対向する上面には一方のレール292の両端が、また、
各リニアガイド290,291の上面には他方のレール
292の両端がそれぞれ取り付けられている。さらに、
リニアガイド288,291の側面には、各リニアガイ
ド288,291と同じ長さを有し、ピニオンギヤ28
3aと噛合するラック295がそれぞれ取り付けられて
いる。
【0153】下版胴支持部材267を水平移動自在に支
持するレール292,292は、下版胴支持側板27
2,272の突出した上下端部を包み込む形状に形成さ
れており、互いの間隔が下版胴支持部材267の幅と適
応するように、各リニアレール284,285,28
6,287の配設位置が定められている。また、各レー
ル292,292はレール274,274よりも全長が
長くなるように形成されており、各リニアガイドが各リ
ニアレール上を摺動するときに、各リニアガイドがレー
ル274,274と干渉せず、かつ、摺動後の各リニア
ガイドが上版胴支持部材266の水平移動を妨げないよ
うに構成されている。さらに、各レール292,292
は、図示しない補強部材によって一体的に連結されてお
り、この図示しない補強部材は、版胴移動手段251の
上下動時、及び下版胴支持部材267の水平移動時にお
いて、上版胴支持部材266及び下版胴支持部材267
と干渉しない位置に配設されている。
【0154】筐体252からの下版胴支持部材267の
水平移動は、各リニアガイドが上死点位置を占める、図
32に実線で示す位置(版胴249が図30に示す位
置)においてのみ可能となっている。
【0155】各レール292間の、側板279の奥側に
は、各レール292,292に取り付けられた取付板2
96が配設されており、この取付板296にはセンサー
293,294が取り付けられている。各センサー29
3,294はフィラー293a,294aをそれぞれ有
しており、各フィラーが押されたときに後述する制御手
段253に向けて信号を出力する。
【0156】リニアガイド290の上方には、センサー
297が配設されている。筐体252に取り付けられた
センサー297はフィラー297aを有しており、リニ
アガイド290が上死点位置にあるときにフィラー29
7aが押されて制御手段253に信号を出力する。
【0157】図35は、第4の実施例に用いられる制御
手段253の制御ブロック図を示している。マイクロコ
ンピューターである制御手段253は、画像読取部2か
らの画像データ信号、各センサー152,170,17
1からの動作信号、各センサー275,276,29
3,294,297からの検出信号、操作パネル153
からの制御信号を受け、ROMに記憶された孔版印刷装
置246の動作プログラムに基づいて給紙部3、第1製
版部4、第2製版部5、第1排版部6、第2排版部24
7、排紙部8、図示しないインキポンプ、モーター14
6,147を有する版胴駆動手段81とソレノイド98
を有する第1のインキローラー移動手段91とソレノイ
ド120を有する第2のインキローラー移動手段108
とを具備する印刷部250、及びモーター239,28
3の制御を行う。
【0158】制御手段253は、センサー275,27
6,293,294からの信号全てが入力された場合に
は印刷モードを全てのモードに設定可能とし、少なくと
もセンサー275,276からの信号が入力された場合
には印刷モードを「表片面」若しくは「裏片面」のみ設
定可能とし、センサー275,276からの信号が1つ
でも入力されなかった場合には孔版印刷装置246の動
作を許容しないようにプログラムされている。また、印
刷モードが「表片面」に切り換えられた表片面印刷時に
は、製版スタートキー154が押されても第2製版部
5、第2排版部247、モーター147に動作信号が出
力されないようにプログラムされている。この第4の実
施例では、印刷モードを「裏片面」に切り換えても表片
面印刷と同様の動作となる。
【0159】上記構成に基づき、第4の実施例における
動作を説明する。上版胴支持部材266に版胴248
が、下版胴支持部材267に版胴249がそれぞれ装着
され、各版胴支持部材266,267が筐体252の内
部に押し込まれると、各支軸264,265の先端が位
置決め部材278,280によって位置決めされると共
に各フィラー275a,276a,293a,294a
が押されて、各センサー275,276,293,29
4からの信号が制御手段253に出力され、孔版印刷装
置246が待機状態となる。その後、オペレーターによ
り印刷モード切換キー165が押されて印刷モードが選
択される。
【0160】先ず、両面印刷モードが選択された場合を
説明する。制御手段253は、印刷モード表示手段16
6を「両面」に切り換え、ROMより両面印刷時の動作
プログラムを読み込む。
【0161】2枚の原稿が図示しない原稿受け台にセッ
トされた後、製版スタートキー154が押されると、モ
ーター283,283が作動して下版胴支持部材267
が下方に移動され、下版胴支持部材267は、版胴24
9が図31に示す給版待機位置に位置決めされる。そし
て、第1排版部6と第2排版部247とによって各版胴
248,249の外周面より使用済みマスタ167,1
68が剥離されつつ、画像読取部2において原稿画像が
読み取られた後、第1製版部4と第2製版部5とが作動
して各版胴248,249の外周面に製版済みマスタ3
3,40がそれぞれ巻装される。巻装動作が完了すると
モーター283,283が作動して下版胴支持部材26
7が上方に移動され、版胴249は図30に示す両面印
刷位置に位置決めされる。
【0162】版胴249が両面印刷位置に位置決めさ
れ、リニアガイド290がフィラー297aを押してセ
ンサー297からの信号が制御手段253に入力される
と、給紙部3が作動して1枚の印刷用紙Pが各版胴24
8,249間に向けて給送されると共に、版胴駆動手段
81が作動して各版胴248,249が低速で回転駆動
される。そして、第1の実施例と同様に、膨出した各多
孔性支持板83,106間に印刷用紙Pが挟持されるこ
とで、印刷用紙Pの両面に、同時に画像が転写される。
両面に画像を転写された印刷用紙Pは、剥離爪67ある
いは剥離爪68によって版胴248あるいは版胴249
の外周面より剥離され、排紙搬送部材71によって搬送
されて排紙トレイ72上に排出される。
【0163】各版胴248,249がホームポジション
で停止して版付動作が完了した後、試し刷りキー156
が押されることにより上述と同様に試し刷りが行われ、
さらにその後、印刷スタートキー155が押されること
により印刷動作が行われる。
【0164】次に、片面印刷モードが選択された場合を
説明する。各版胴支持部材266,267が筐体252
の内部に押し込まれ、少なくともセンサー275,27
6からの信号が制御手段253に出力されると、孔版印
刷装置246が待機状態となる。オペレーターにより印
刷モード切換キー165が押されて片面印刷モードが選
択されると、制御手段253は印刷モード表示手段16
6を「表片面」に切り換え、ROMより片面印刷時の動
作プログラムを読み込む。
【0165】1枚の原稿が図示しない原稿受け台にセッ
トされた後、製版スタートキー154が押されると、モ
ーター283,283が作動して下版胴支持部材267
が下方に移動される。そして、下版胴支持部材267が
片面印刷位置に位置決めされると、モーター239が作
動してプレスローラー236が図31に示す押圧位置に
位置決めされる。その後、第1排版部6によって版胴2
48の外周面から使用済みマスタ167が剥離され、版
胴248が給版待機位置に位置決めされる。
【0166】画像読取部2では原稿画像の読取動作が行
われ、これに並行して、第1製版部4が作動して排版後
の版胴248の外周面に製版済みマスタ33が巻装され
る。
【0167】版胴248への給版動作が完了すると、給
紙部3から1枚の印刷用紙Pが版胴248とプレスロー
ラー236との間に向けて給送されると共に、版胴駆動
手段81が作動して版胴248が低速で回転駆動され
る。そして、第3の実施例と同様に、膨出した多孔性支
持板83とプレスローラー236とに印刷用紙Pが挟持
されることで、印刷用紙Pの上面に画像が転写される。
上面に印刷画像を転写された印刷用紙Pは剥離爪67に
よって版胴248の外周面より剥離され、排紙搬送部材
71によって搬送されて排紙トレイ72上に排出され
る。
【0168】版胴248がホームポジションで停止して
版付動作が完了した後、試し刷りキー156が押される
ことにより上述と同様に試し刷りが行われ、さらにその
後、印刷スタートキー155が押されることにより印刷
動作が行われる。
【0169】上述の構成とすることにより、片面印刷時
において未製版のマスタを使用せずとも印刷を行うこと
ができ、コストダウンを図ることができると共に、版胴
内周面のインキが消費されずに連続的に練られるという
状態とはならないためにインキ粘度の低下を防止するこ
とができ、版胴内部はもとより印刷装置内部を広く汚損
してしまうという不具合の発生を防止することができ
る。また、片面印刷後に両面印刷を行う際に、粘度が低
下したインキが印刷に供されることがないため、画像滲
みや両面画像の濃度差、あるいは版胴への印刷用紙付着
に伴う排紙不良等の発生を防止することができる。さら
に、版胴を着脱することなく両面印刷と片面印刷とを切
り換えることができるので、版胴の着脱動作に起因す
る、オペレーターの手や衣服の汚損を防止することがで
きると共に、作業効率を向上させることができる。
【0170】第3及び第4の実施例では、片面印刷時に
おいて、上方の版胴231,248とプレスローラー2
36とを用いて印刷を行う構成としたが、下方の版胴2
32,249とで印刷を行う構成としてもよい。この場
合は各印刷部245,250を下方に配置し、各印刷部
と画像読取部2との間隔を広げ、下方の版胴と画像読取
部2との間にプレスローラー移動手段234を設けるこ
とにより達成される。
【0171】上記各実施例では、図1、図2、あるいは
図3に実線で示すように、待機位置における各インキロ
ーラーG,Hの外周面を、対応するマスタ支持板C,D
の内周面に近接させた構成としたが、図36に示すよう
に、マスタ支持板C,Dの内周面に当接させた構成、あ
るいは図37に示すように、マスタ支持板C,Dの内周
面に圧接させた構成を採用してもよい。
【0172】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、第1の制
御手段が何れか一方のインキローラーを待機位置より作
動位置へと移動させ、第1または第2のマスタ支持板を
膨出させることにより印刷用紙を介して第1及び第2の
マスタ支持板を互いに圧接させるので、両面印刷時にお
いて版胴同士の接触により生じる騒音を防止することが
できると共に回転むらによる画質不良の発生を防止する
ことができる。また、第1の制御手段が第1または第2
のマスタ支持板を膨出させることにより、この膨出した
マスタ支持板と、前記膨出したマスタ支持板を有する版
胴と対向する版胴に設けられたプレスローラーとを、印
刷用紙を介して圧接させるので、片面印刷時において、
無駄なマスタの使用を抑制してコストダウンを図ること
ができると共に、版胴内周面のインキが消費されずに連
続的に練られるという状態を回避してインキ粘度の低下
を防止し、版胴内部はもとより印刷装置内部を広く汚損
してしまうという不具合の発生を防止することができ、
かつ、片面印刷後に両面印刷を行う際に、粘度が低下し
たインキが印刷に供されることがないため、画像滲みや
両面画像の濃度差、あるいは版胴への印刷用紙付着に伴
う排紙不良等の発生を防止することができる。さらに、
非印刷時において各マスタ支持板が離間した状態で各イ
ンキローラーが保持されているので、印刷用紙を通紙せ
ずに各版胴を回転駆動する場合において各版胴の外周面
上に巻装された製版済みのマスタの表面を汚損すること
が防止でき、印刷時における印刷用紙の非画像部の汚損
を防止することができる。
【0173】請求項2記載の発明によれば、第2の制御
手段が第1及び第2のインキローラーを待機位置より作
動位置へとそれぞれ移動させ、第1及び第2のマスタ支
持板をそれぞれ膨出させることにより印刷用紙を介して
互いに圧接させるので、両面印刷時において版胴同士の
接触により生じる騒音を防止することができると共に回
転むらによる画質不良の発生を防止することができる。
また、第2の制御手段が第1及び第2のマスタ支持板を
膨出させることにより、第1のマスタ支持板と第2のプ
レスローラーと、あるいは第2のマスタ支持板と第1の
プレスローラーとを、印刷用紙を介して圧接させるの
で、片面印刷時において、無駄なマスタの使用を抑制し
てコストダウンを図ることができると共に、版胴内周面
のインキが消費されずに連続的に練られるという状態を
回避してインキ粘度の低下を防止し、版胴内部はもとよ
り印刷装置内部を広く汚損してしまうという不具合の発
生を防止することができ、かつ、片面印刷後に両面印刷
を行う際に、粘度が低下したインキが印刷に供されるこ
とがないため、画像滲みや両面画像の濃度差、あるいは
版胴への印刷用紙付着に伴う排紙不良等の発生を防止す
ることができる。さらに、非印刷時において各マスタ支
持板が離間した状態で各インキローラーが保持されてい
るので、印刷用紙を通紙せずに各版胴を回転駆動する場
合において各版胴の外周面上に巻装された製版済みのマ
スタの表面を汚損することが防止でき、印刷時における
印刷用紙の非画像部の汚損を防止することができる。
【0174】請求項3記載の発明によれば、第1及び第
2の版胴が版胴支持部材に支持されているので、印刷時
における色換え作業を容易に行うことができる。
【0175】請求項4記載の発明によれば、第3の制御
手段により、版胴支持部材に第1の版胴のみが装着され
たときには片面印刷が行われ、版胴支持部材に第1及び
第2の版胴が装着されたときには両面印刷が行われるの
で、片面印刷時において無駄なマスタの使用を抑制して
コストダウンを図ることができると共に、版胴内周面の
インキが消費されずに連続的に練られるという状態を回
避してインキ粘度の低下を防止し、版胴内部はもとより
印刷装置内部を広く汚損してしまうという不具合の発生
を防止することができ、かつ、片面印刷後に両面印刷を
行う際に、粘度が低下したインキが印刷に供されること
がないため、画像滲みや両面画像の濃度差、あるいは版
胴への印刷用紙付着に伴う排紙不良等の発生を防止する
ことができ、両面印刷時において版胴同士の接触により
生じる騒音を防止することができると共に、回転むらに
よる画質不良の発生を防止することができる。また、非
印刷時において各マスタ支持板が離間した状態で各イン
キローラーが保持されているので、印刷用紙を通紙せず
に各版胴を回転駆動する場合において各版胴の外周面上
に巻装された製版済みのマスタの表面を汚損することが
防止でき、印刷時における印刷用紙の非画像部の汚損を
防止することができる。
【0176】請求項5記載の発明によれば、第4の制御
手段により、片面印刷モードが選択された場合には、第
2の版胴と版胴支持部材とを片面印刷位置に移動させた
後、プレスローラーを押圧位置に移動させて片面印刷を
行い、両面印刷モードが選択された場合には、前記プレ
スローラーを退避位置に移動させた後、第2の版胴と前
記版胴支持部材とを両面印刷位置に移動させて両面印刷
を行うので、片面印刷時において無駄なマスタの使用を
抑制してコストダウンを図ることができると共に、版胴
内周面のインキが消費されずに連続的に練られるという
状態を回避してインキ粘度の低下を防止し、版胴内部は
もとより印刷装置内部を広く汚損してしまうという不具
合の発生を防止することができ、かつ、片面印刷後に両
面印刷を行う際に、粘度が低下したインキが印刷に供さ
れることがないため、画像滲みや両面画像の濃度差、あ
るいは版胴への印刷用紙付着に伴う排紙不良等の発生を
防止することができ、両面印刷時において版胴同士の接
触により生じる騒音を防止することができると共に、回
転むらによる画質不良の発生を防止することができる。
また、版胴を着脱することなく両面印刷と片面印刷とを
切り換えることができるので、版胴の着脱動作に起因す
る、オペレーターの手や衣服の汚損を防止することがで
きると共に、作業効率を向上させることができる。さら
に、非印刷時において各マスタ支持板が離間した状態で
各インキローラーが保持されているので、印刷用紙を通
紙せずに各版胴を回転駆動する場合において各版胴の外
周面上に巻装された製版済みのマスタの表面を汚損する
ことが防止でき、印刷時における印刷用紙の非画像部の
汚損を防止することができる。
【0177】請求項6記載の発明によれば、第1の製版
手段、第1のマスタ搬送手段、第2の製版手段、第2の
マスタ搬送手段を具備しているので、製版と両面印刷及
び製版と片面印刷とを連続的に行うことができ、片面印
刷時には表片面印刷と裏片面印刷とを切り換えて行うこ
とができる。
【0178】請求項7記載の発明によれば、第3または
第4の制御手段が一方の版胴に対応する製版手段及びマ
スタ搬送手段の作動をそれぞれ停止させるので、版胴が
給版待機位置に位置決めされていない場合にマスタが製
版搬送されてしまうといった製版不良を防止することが
できる。
【0179】請求項8記載の発明によれば、第1及び第
2のマスタ支持板が金属製の多孔性薄板から構成されて
いるので、印刷時における変形や破損を防止することが
でき、印刷装置の耐久性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す印刷部要部の概略側
面図である。
【図2】本発明の実施の形態を示す印刷部要部の概略側
面図である。
【図3】本発明の実施の形態を示す印刷部要部の概略側
面図である。
【図4】本発明の第1の実施例を採用した孔版印刷装置
の概略側面図である。
【図5】本発明の第1の実施例に用いられる版胴を示す
斜視図である。
【図6】本発明の第1ないし第4の実施例に用いられる
フランジの正面図である。
【図7】本発明の第1ないし第4の実施例に用いられる
フランジの側面図である。
【図8】本発明の第1の実施例における両面印刷時の印
刷部要部を示す部分側断面図である。
【図9】本発明の第1の実施例に用いられる版胴を示す
斜視図である。
【図10】本発明の第1の実施例における非印刷時の印
刷部要部を示す側面図である。
【図11】本発明の第1ないし第4の実施例に用いられ
る第1支持部材を示す斜視図である。
【図12】本発明の第1ないし第4の実施例に用いられ
るベースを示す斜視図である。
【図13】本発明の第1ないし第4の実施例に用いられ
るストッパーを示す斜視図である。
【図14】本発明の第1ないし第4の実施例に用いられ
るインキ供給パイプを示す斜視図である。
【図15】本発明の第1ないし第4の実施例に用いられ
るインキ供給パイプを示す斜視図である。
【図16】本発明の第1ないし第4の実施例に用いられ
る版胴駆動手段を説明する概略図である。
【図17】本発明の第1ないし第4の実施例に用いられ
る操作パネルを示す図である。
【図18】本発明の第1の実施例に用いられる制御手段
の制御ブロック図である。
【図19】本発明の第1の実施例における両面印刷時の
印刷部要部を示す側面図である。
【図20】本発明の第1の実施例における表片面印刷時
の印刷部要部を示す側面図である。
【図21】本発明の第1の実施例における裏片面印刷時
の印刷部要部を示す側面図である。
【図22】本発明の第2の実施例に用いられる版胴及び
版胴支持部材の正面図である。
【図23】本発明の第2の実施例に用いられる版胴及び
版胴支持部材の部分側断面図である。
【図24】本発明の第2の実施例に用いられる制御手段
の制御ブロック図である。
【図25】本発明の第2ないし第4の実施例に用いられ
る取り外し部材を示す斜視図である。
【図26】本発明の第3の実施例を採用した孔版印刷装
置の両面印刷時における概略側面図である。
【図27】本発明の第3の実施例を採用した孔版印刷装
置の片面印刷時における概略側面図である。
【図28】本発明の第3及び第4の実施例に用いられる
プレスローラー移動手段を示す斜視図である。
【図29】本発明の第3の実施例に用いられる制御手段
の制御ブロック図である。
【図30】本発明の第4の実施例を採用した孔版印刷装
置の両面印刷時における概略側面図である。
【図31】本発明の第4の実施例を採用した孔版印刷装
置の片面印刷時における概略側面図である。
【図32】本発明の第4の実施例を採用した孔版印刷装
置の印刷部要部の正面図である。
【図33】本発明の第4の実施例に用いられる上版胴支
持部材の上面図である。
【図34】本発明の第4の実施例に用いられる下版胴支
持部材及び版胴移動手段の上面図である。
【図35】本発明の第4の実施例に用いられる制御手段
の制御ブロック図である。
【図36】本発明の他の実施の形態を示す印刷部要部の
概略側面図である。
【図37】本発明の他の実施の形態を示す印刷部要部の
概略側面図である。
【符号の説明】
1,230,246 孔版印刷装置 33,40 マスタ 35,36 第1の製版手段(サーマルヘッド,プラ
テンローラー) 38,39 第1のマスタ搬送手段(マスタ搬送ロー
ラー対) 42,43 第2の製版手段(サーマルヘッド,プラ
テンローラー) 45,46 第2のマスタ搬送手段(マスタ搬送ロー
ラー対) 79,193,231,248 第1の版胴 80,194,232,249 第2の版胴 83 第1のマスタ支持板(多孔性支持板) 84 第1のインキ供給手段 91 第1のインキローラー移動手段 95 第1のインキローラー 106 第2のマスタ支持板(多孔性支持板) 107 第2のインキ供給手段 108 第2のインキローラー移動手段 117 第2のインキローラー 165 印刷モード設定手段(印刷モード切換キー) 169,209,235,253 制御手段 197 版胴支持部材 205,206,207,208 印刷モード切換手
段(センサー) 234 プレスローラー移動手段 236,240,241 プレスローラー 251 版胴移動手段 267 版胴支持部材(下版胴支持部材) P 印刷用紙

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】可撓性を有する第1のマスタ支持板を具備
    する第1の版胴と、 可撓性を有する第2のマスタ支持板を具備し、第1の版
    胴にその周面を近接させて配設された第2の版胴と、 第1の版胴の内部に設けられた、第1のマスタ支持板の
    内周面に圧接して回転可能な第1のインキローラーを有
    する第1のインキ供給手段と、 第2の版胴の内部に設けられた、第2のマスタ支持板の
    内周面に圧接して回転可能な第2のインキローラーを有
    する第2のインキ供給手段とを具備し、 第1または第2のインキローラーは、第1または第2の
    インキ供給手段に、第1または第2のマスタ支持板の内
    周面にその外周面が近接または接触し、かつ、第1また
    は第2のマスタ支持板が第2または第1のマスタ支持板
    と接触しない待機位置と、前記内周面にその外周面が圧
    接して第1または第2のマスタ支持板が膨出し、この膨
    出により第1または第2のマスタ支持板が第2または第
    1のマスタ支持板と圧接する作動位置とに選択的に移動
    自在に支持され、 第1の版胴と第2の版胴との間に印刷用紙が通紙された
    ときに、前記一方のインキローラーを前記待機位置より
    前記作動位置へと移動させ、第1または第2のマスタ支
    持板を膨出させることにより、第1及び第2のマスタ支
    持板を前記印刷用紙を介して互いに圧接させる第1の制
    御手段を具備する孔版印刷装置であって、 前記一方のインキローラーを有する一方の版胴と対応す
    る他方の版胴の非画像形成部に相当する版胴外周部に、
    前記一方の版胴のマスタ支持板と圧接するプレスローラ
    ーが配設されていることを特徴とする孔版印刷装置。
  2. 【請求項2】可撓性を有する第1のマスタ支持板を具備
    する第1の版胴と、 可撓性を有する第2のマスタ支持板を具備し、第1の版
    胴にその周面を近接させて配設された第2の版胴と、 第1の版胴の内部に設けられ、第1のマスタ支持板の内
    周面にその外周面が近接または接触し、かつ、第1のマ
    スタ支持板が第2のマスタ支持板と接触しない第1の待
    機位置と、前記内周面にその外周面が圧接して第1のマ
    スタ支持板が膨出し、この膨出により第1のマスタ支持
    板が第2のマスタ支持板と圧接する第1の作動位置とを
    選択的に占める第1のインキローラーを有し、第1の版
    胴にインキを供給する第1のインキ供給手段と、 第2の版胴の内部に設けられ、第2のマスタ支持板の内
    周面にその外周面が近接または接触し、かつ、第2のマ
    スタ支持板が第1のマスタ支持板と接触しない第2の待
    機位置と、前記内周面にその外周面が圧接して第2のマ
    スタ支持板が膨出し、この膨出により第2のマスタ支持
    板が第1のマスタ支持板と圧接する第2の作動位置とを
    選択的に占める、第1のインキローラーと対向する第2
    のインキローラーを有し、第2の版胴にインキを供給す
    る第2のインキ供給手段と、 第1のインキローラーを第1の待機位置より第1の作動
    位置に移動させる第1のインキローラー移動手段と、 第2のインキローラーを第2の待機位置より第2の作動
    位置に移動させる第2のインキローラー移動手段と、 第1の版胴と第2の版胴との間に印刷用紙が通紙された
    ときに、第1及び第2のインキローラー移動手段を作動
    させて第1及び第2のインキローラーを第1及び第2の
    作動位置にそれぞれ移動させ、第1及び第2のマスタ支
    持板をそれぞれ膨出させることにより、第1及び第2の
    マスタ支持板を前記印刷用紙を介して互いに圧接させる
    第2の制御手段とを具備することを特徴とする孔版印刷
    装置であって、 第1の版胴の非画像形成部に相当する版胴外周部に設け
    られた、第2のマスタ支持板と圧接する第1のプレスロ
    ーラーか、若しくは第2の版胴の非画像形成部に相当す
    る版胴外周部に設けられた、第1のマスタ支持板と圧接
    する第2のプレスローラーのうちの少なくとも一つを具
    備することを特徴とする孔版印刷装置。
  3. 【請求項3】第1及び第2の版胴は、孔版印刷装置本体
    に着脱自在な版胴支持部材に支持されていることを特徴
    とする請求項1または請求項2記載の孔版印刷装置。
  4. 【請求項4】可撓性を有する第1のマスタ支持板を具備
    する第1の版胴と、 可撓性を有する第2のマスタ支持板を具備し、第1の版
    胴にその周面を近接させて配設された第2の版胴と、 第1の版胴の内部に設けられ、第1のマスタ支持板の内
    周面にその外周面が近接または接触し、かつ、第1のマ
    スタ支持板が第2のマスタ支持板と接触しない第1の待
    機位置と、前記内周面にその外周面が圧接して第1のマ
    スタ支持板が膨出し、この膨出により第1のマスタ支持
    板が第2のマスタ支持板と圧接する第1の作動位置とを
    選択的に占める第1のインキローラーを有し、第1の版
    胴にインキを供給する第1のインキ供給手段と、 第2の版胴の内部に設けられ、第2のマスタ支持板の内
    周面にその外周面が近接または接触し、かつ、第2のマ
    スタ支持板が第1のマスタ支持板と接触しない第2の待
    機位置と、前記内周面にその外周面が圧接して第2のマ
    スタ支持板が膨出し、この膨出により第2のマスタ支持
    板が第1のマスタ支持板と圧接する第2の作動位置とを
    選択的に占める、第1のインキローラーと対向する第2
    のインキローラーを有し、第2の版胴にインキを供給す
    る第2のインキ供給手段と、 第1のインキローラーを第1の待機位置より第1の作動
    位置に移動させる第1のインキローラー移動手段と、 第2のインキローラーを第2の待機位置より第2の作動
    位置に移動させる第2のインキローラー移動手段と、 第1の版胴及び第2の版胴をそれぞれ回転自在に支持す
    る版胴支持部材と、 前記版胴支持部材に、第1の版胴のみが装着されたとき
    には印刷モードを片面印刷モードに、第1及び第2の版
    胴の双方が装着されたときには印刷モードを両面印刷モ
    ードに切り換える印刷モード切換手段と、 印刷用紙に画像を転写するプレスローラーを有し、前記
    プレスローラーを、前記片面印刷モード時には第1の版
    胴の外周面に近接する押圧位置に、前記両面印刷モード
    時には第2の版胴の外周面より離間する退避位置に選択
    的に移動させるプレスローラー移動手段と、 前記片面印刷モード時において、前記プレスローラー移
    動手段を作動させて前記プレスローラーを前記押圧位置
    に移動させ、第1の版胴と前記プレスローラーとの間に
    印刷用紙が通紙されたときに、第1のインキローラー移
    動手段を作動させることにより第1のインキローラーを
    第1の作動位置に移動させ、第1のマスタ支持板を膨出
    させることにより該マスタ支持板と前記プレスローラー
    とを前記印刷用紙を介して圧接させ、前記両面印刷モー
    ド時において、前記プレスローラー移動手段を作動させ
    て前記プレスローラーを前記退避位置に移動させ、第1
    の版胴と第2の版胴との間に印刷用紙が通紙されたとき
    に、第1及び第2のインキローラー移動手段を作動させ
    て第1及び第2のインキローラーを第1及び第2の作動
    位置にそれぞれ移動させ、第1及び第2のマスタ支持板
    をそれぞれ膨出させることにより、第1及び第2のマス
    タ支持板を前記印刷用紙を介して互いに圧接させる第3
    の制御手段とを具備することを特徴とする孔版印刷装
    置。
  5. 【請求項5】可撓性を有する第1のマスタ支持板を具備
    する第1の版胴と、 可撓性を有する第2のマスタ支持板を具備し、第1の版
    胴にその周面を近接させて配設された第2の版胴と、 第1の版胴の内部に設けられ、第1のマスタ支持板の内
    周面にその外周面が近接または接触し、かつ、第1のマ
    スタ支持板が第2のマスタ支持板と接触しない第1の待
    機位置と、前記内周面にその外周面が圧接して第1のマ
    スタ支持板が膨出し、この膨出により第1のマスタ支持
    板が第2のマスタ支持板と圧接する第1の作動位置とを
    選択的に占める第1のインキローラーを有し、第1の版
    胴にインキを供給する第1のインキ供給手段と、 第2の版胴の内部に設けられ、第2のマスタ支持板の内
    周面にその外周面が近接または接触し、かつ、第2のマ
    スタ支持板が第1のマスタ支持板と接触しない第2の待
    機位置と、前記内周面にその外周面が圧接して第2のマ
    スタ支持板が膨出し、この膨出により第2のマスタ支持
    板が第1のマスタ支持板と圧接する第2の作動位置とを
    選択的に占める、第1のインキローラーと対向する第2
    のインキローラーを有し、第2の版胴にインキを供給す
    る第2のインキ供給手段と、 第1のインキローラーを第1の待機位置より第1の作動
    位置に移動させる第1のインキローラー移動手段と、 第2のインキローラーを第2の待機位置より第2の作動
    位置に移動させる第2のインキローラー移動手段と、 第2の版胴を回転自在に支持する版胴支持部材と、 印刷モードを片面印刷モードまたは両面印刷モードに設
    定する印刷モード設定手段と、 印刷用紙に画像を転写するプレスローラーを有し、前記
    プレスローラーを、前記片面印刷モード時には第1の版
    胴の外周面に近接する押圧位置に、前記両面印刷モード
    時には第2の版胴の外周面より離間する退避位置に選択
    的に移動させるプレスローラー移動手段と、 第2の版胴と前記版胴支持部材とを、第2の版胴の外周
    面が第1の版胴の外周面に近接する両面印刷位置と、第
    2の版胴の外周面が第1の版胴の外周面から離間する片
    面印刷位置とに選択的に移動させる版胴移動手段と、 前記片面印刷モードが選択された場合には、前記版胴移
    動手段を作動させて第2の版胴と前記版胴支持部材とを
    前記片面印刷位置に移動させた後、前記プレスローラー
    移動手段を作動させて前記プレスローラーを前記押圧位
    置に移動させ、第1の版胴と前記プレスローラーとの間
    に印刷用紙が通紙されたときに、第1のインキローラー
    移動手段を作動させて第1のインキローラーを第1の作
    動位置に移動させ、第1のマスタ支持板を膨出させるこ
    とにより該マスタ支持板と前記プレスローラーとを前記
    印刷用紙を介して圧接させ、前記両面印刷モードが選択
    された場合には、前記プレスローラー移動手段を作動さ
    せて前記プレスローラーを前記退避位置に移動させた
    後、前記版胴移動手段を作動させて第2の版胴と前記版
    胴支持部材とを前記両面印刷位置に移動させ、第1の版
    胴と第2の版胴との間に印刷用紙が通紙されたときに、
    第1及び第2のインキローラー移動手段を作動させて第
    1及び第2のインキローラーを第1及び第2の作動位置
    にそれぞれ移動させ、第1及び第2のマスタ支持板をそ
    れぞれ膨出させることにより、第1及び第2のマスタ支
    持板を前記印刷用紙を介して互いに圧接させる第4の制
    御手段とを具備することを特徴とする孔版印刷装置。
  6. 【請求項6】第1の版胴に巻装されるマスタを製版する
    第1の製版手段と、第1の製版手段による製版済みマス
    タを第1の版胴に向けて搬送する第1のマスタ搬送手段
    と、第2の版胴に巻装されるマスタを製版する第2の製
    版手段と、第2の製版手段による製版済みマスタを第2
    の版胴に向けて搬送する第2のマスタ搬送手段とを具備
    することを特徴とする請求項1ないし請求項5のうちの
    何れか一つに記載の孔版印刷装置。
  7. 【請求項7】第1の版胴に巻装されるマスタを製版する
    第1の製版手段と、第1の製版手段による製版済みマス
    タを第1の版胴に向けて搬送する第1のマスタ搬送手段
    と、第2の版胴に巻装されるマスタを製版する第2の製
    版手段と、第2の製版手段による製版済みマスタを第2
    の版胴に向けて搬送する第2のマスタ搬送手段とを具備
    し、前記印刷モードが片面印刷モードの場合には、前記
    制御手段は第2の製版手段及び第2のマスタ搬送手段の
    作動をそれぞれ停止させることを特徴とする請求項4ま
    たは請求項5記載の孔版印刷装置。
  8. 【請求項8】第1及び第2のマスタ支持板は、金属製の
    多孔性薄板であることを特徴とする請求項1ないし請求
    項7のうちの何れか一つに記載の孔版印刷装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102188907B1 (ko) * 2020-09-21 2020-12-09 박건 무늬 인쇄장치

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