JP3889499B2 - 孔版印刷装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、穿孔されたマスタを巻装して両面印刷あるいは片面印刷を行う孔版印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より簡便な印刷方法として、デジタル式感熱孔版印刷が知られている。これは、微細な発熱素子が一列に配置されたサーマルヘッドを感熱孔版マスタ(以下、「マスタ」という)に接触させ、パルス的に発熱素子に通電させながらマスタを搬送することで画像情報に応じてマスタを加熱溶融穿孔し、このマスタを多孔性円筒状の版胴の外周面に巻装した後、穿孔した部分よりインキを透過させて印刷用紙に転移させることにより印刷画像を転写するものである。
【0003】
この孔版印刷においては、近年、印刷用紙の消費量を低減させるため、印刷用紙の両面に印刷を行う両面印刷が印刷の大部分を占めるようになってきた。この両面印刷は、給紙部に積載した印刷用紙を印刷部に通紙し、一面に印刷をした後に印刷用紙を裏返して通紙し、他面に印刷をすることで両面印刷物が得られるわけであるが、一度排紙された印刷用紙を再度給紙部にセットしたり、片面印刷後の印刷用紙を揃える等の作業が面倒であるという問題点があった。
【0004】
また、印刷終了後の印刷物はインキが十分に乾燥していないため、すぐに裏面に印刷しようとすると、搬送ローラーやプレスローラー等が画像部に押し付けられ、印刷画像が汚れたり乱れたりするため、大抵の場合、数時間以上経過してから裏面への印刷を行い、特に、ベタ画像部がある場合には長時間乾燥させることが必要で、翌日になってから裏面への印刷が行われていた。
【0005】
このように両面印刷は、裏面に印刷を行うまで長時間待たねばならず、しかも2回の通紙を行うので、正味の印刷時間においても片面印刷に比べて2倍の時間を要し、時間がかかりすぎるという問題点があった。
【0006】
そこで、一対の版胴を対向させて配設し、各版胴同士を互いに圧接させることにより1工程で両面印刷物を得る孔版印刷装置が特開平6−71996号公報及び特開平6−135111号公報に開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記各公報に開示された技術では、片面印刷時において、何れか一方の版胴にインキ透過防止用の未製版マスタを巻装させて印刷を行っている。このため、1版分のマスタを未製版で消費することとなりコスト高となると共に、機能上、非常に薄く作られた印刷用のマスタをインキ透過防止用として使用し、大量の片面印刷を行った場合には、マスタが破損してしまうといった問題点がある。
【0008】
本発明は、上記問題点を解決し、コストを低減しつつ大量の片面印刷及び両面印刷が可能な孔版印刷装置の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、用紙搬送路を搬送される印刷用紙の第1の面と対応する位置に配置され、外周面にマスタが巻装される第1の版胴と、前記印刷用紙の第2の面と対応する位置に配置され、外周面にマスタが巻装される第2の版胴とを具備し、前記印刷用紙の片面あるいは両面に印刷を行う孔版印刷装置において、片面印刷専用のマスキングシートを搬送するシート搬送手段を有し、片面印刷時に、前記各版胴の何れか一方に前記マスキングシートを巻装することを特徴とする。
【0010】
請求項2記載の発明は、外周面にマスタが巻装される第1の版胴と、外周面にマスタが巻装される、用紙搬送路を介して第1の版胴と対向配置された第2の版胴と、第1の版胴の外周面と第2の版胴の外周面とを互いに接離させる接離手段とを具備し、前記用紙搬送路を搬送される印刷用紙の片面あるいは両面に印刷を行う孔版印刷装置において、片面印刷専用のマスキングシートを搬送するシート搬送手段を有し、片面印刷時に、前記各版胴の何れか一方に前記マスキングシートを巻装することを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の発明は、可撓性を有する第1のマスタ支持板を具備する第1の版胴と、可撓性を有する第2のマスタ支持板を具備し、第1の版胴にその周面を近接させて配設された第2の版胴と、第1の版胴の内部に設けられた、第1のマスタ支持板の内周面に圧接して回転可能な第1のインキローラーを有する第1のインキ供給手段と、第2の版胴の内部に設けられた、第2のマスタ支持板の内周面に圧接して回転可能な第2のインキローラーを有する第2のインキ供給手段とを具備し、第1または第2のインキローラーは、第1または第2のインキ供給手段に、第1及び第2のマスタ支持板を互いに接触させない待機位置と、第1または第2のマスタ支持板を膨出させ第1及び第2のマスタ支持板を互いに圧接させる作動位置とに選択的に移動自在に支持され、第1の版胴と第2の版胴との間に印刷用紙が通紙された印刷時において、前記少なくとも一方のインキローラーを前記待機位置より前記作動位置へと移動させ、第1または第2のマスタ支持板を膨出させることにより、第1及び第2のマスタ支持板を前記印刷用紙を介して互いに圧接させることで前記印刷用紙の両面あるいは片面に印刷を行う孔版印刷装置であって、片面印刷専用のマスキングシートを搬送するシート搬送手段を有し、片面印刷時に、前記各版胴の何れか一方に前記マスキングシートを巻装することを特徴とする。
【0012】
請求項4記載の発明は、外周面にマスタが巻装され、用紙搬送路を搬送される印刷用紙の第1の面と対応する位置に配設された第1の版胴と、前記用紙搬送路を介して第1の版胴と対向配置され、第1の版胴の外周面に対して接離自在に設けられた第1の押圧手段と、外周面にマスタが巻装され、第1の版胴より用紙搬送方向下流側であって前記印刷用紙の第2の面と対応する位置に配設された第2の版胴と、前記用紙搬送路を介して第2の版胴と対向配置され、第2の版胴の外周面に対して接離自在に設けられた第2の押圧手段とを具備し、前記印刷用紙の片面あるいは両面に印刷を行う孔版印刷装置において、片面印刷専用のマスキングシートを搬送するシート搬送手段を有し、片面印刷時に、前記各版胴の何れか一方に前記マスキングシートを巻装することを特徴とする。
【0014】
【実施例】
図1は、本発明の第1の実施例に用いられる孔版印刷装置1の概略側面図を示している。同図において、孔版印刷装置1は、画像読取部2、給紙部3、第1製版部4、第2製版部5、第1排版部6、第2排版部7、排紙部8、印刷部9、制御部10、シート搬送部167から主に構成されている。
【0015】
筐体23の上部には画像読取部2が配設されている。画像読取部2は、原稿を載置するコンタクトガラス11、原稿を搬送する原稿搬送ローラー対12及び原稿搬送ローラー13、搬送される原稿をガイドするガイド板14,15、原稿をコンタクトガラス11に沿って搬送する原稿搬送ベルト16、読み取られた原稿の排出方向を切り換える切換板17、原稿画像を走査して読み取るための反射ミラー18,19及び蛍光灯20、走査された画像を集束するレンズ21、集束された画像を処理するCCD等の画像センサー22等から主に構成されている。
【0016】
筐体23の右辺中段には給紙部3が配設されている。給紙部3は、印刷用紙Pを積載する給紙トレイ24、印刷用紙Pを1枚ずつ給送する給紙コロ25及び分離コロ26,27、給送される印刷用紙Pをガイドするガイド板28,29、給送された印刷用紙Pの先端をくわえ込んでタイミングを取った後に給送するレジストローラー対30、レジストローラー対30によって給送される印刷用紙Pをガイドするガイド板31,32等から主に構成されている。
【0017】
給紙部3の上方には第1製版部4が配設されている。第1製版部4は、マスタ33をロール状に巻成してなるマスタロール34、マスタ33を加熱穿孔製版するサーマルヘッド35、マスタ33をサーマルヘッド35に押圧しつつ搬送するプラテンローラー36、マスタ33を切断する切断手段37、マスタ33を搬送するマスタ搬送ローラー対38,39等から主に構成されている。
【0018】
マスタロール34は、その芯部34aを図示しない支持部材に回転自在に支持されている。プラテンローラー36は、図示しないステッピングモーターによって回転駆動される。切断手段37は、可動刃37aが固定刃37bに対して回転移動あるいは上下動する。
【0019】
筐体23の左辺中段には第2製版部5が配設されている。第2製版部5は、第1製版部4と同様に、マスタ40をロール状に巻成してなり、芯部41aを図示しない支持部材に回転自在に支持されたマスタロール41、サーマルヘッド42、図示しないステッピングモーターによって回転駆動されるプラテンローラー43、可動刃44aと固定刃44bとからなる切断手段44、マスタ搬送ローラー対45,46等から主に構成されている。
【0020】
第2製版部5の上方には第1排版部6が配設されている。第1排版部6は、上排版部材47、下排版部材48、排版ボックス49、圧縮板50等から主に構成されている。
【0021】
上排版部材47は、駆動ローラー51、従動ローラー52、無端ベルト53から構成され、駆動ローラー51が図1において時計回り方向に回転することにより無端ベルト53が図の矢印方向に移動する。下排版部材48も上排版部材47と同様に駆動ローラー54、従動ローラー55、無端ベルト56から構成されており、駆動ローラー54が図1において反時計回り方向に回転することにより無端ベルト56が図の矢印方向に移動する。また、下排版部材48は図示しない移動手段によって移動自在に設けられており、図1に示す位置と駆動ローラー54の外周面が後述する版胴79の外周面に当接する位置とに選択的に位置決めされる。版胴79の外周面より剥離された使用済みマスタを貯容する排版ボックス49は、筐体23に対して着脱自在に設けられている。排版ボックス49の内部に使用済みマスタを押し込む圧縮板50は、図示しない昇降手段によって上下動自在に支持されている。
【0022】
第2製版部5の右下方には第2排版部7が配設されている。第2排版部7は、第1排版部6と同様に、上排版部材57、下排版部材58、排版ボックス59、圧縮板60等から主に構成されている。
【0023】
上排版部材57及び下排版部材58は、上排版部材47及び下排版部材48と同様に、駆動ローラー61、従動ローラー62、無端ベルト63、並びに駆動ローラー64、従動ローラー65、無端ベルト66からそれぞれ構成されており、各駆動ローラー61,64の回転により各無端ベルト63,66が図の矢印方向に移動する。また、下排版部材58は図示しない移動手段によって移動自在に設けられており、図1に示す位置と駆動ローラー64の外周面が後述する版胴80の外周面に当接する位置とに選択的に位置決めされる。版胴80の外周面より剥離された使用済みマスタを貯容する排版ボックス59は筐体23に対して着脱自在であり、圧縮板60は図示しない昇降手段によって上下動される。
【0024】
第2製版部5と第1排版部6との間には排紙部8が配設されている。排紙部8は、剥離爪67,68、ガイド板69,70、排紙搬送部材71、排紙トレイ72から主に構成されている。
【0025】
版胴79の外周面より印刷済みの印刷用紙Pを剥離する剥離爪67は、筐体23の図示しない側板に回動自在に支持されており、その先端を版胴79の外周面に対して進退自在に設けられている。また、剥離爪68も剥離爪67と同様に筐体23の図示しない側板に回動自在に支持されており、その先端を版胴80の外周面に対して進退自在に設けられている。筐体23の図示しない側板に固着されたガイド板69,70は、剥離爪67,68によって剥離された印刷済みの印刷用紙Pの搬送をガイドする。駆動ローラー73、従動ローラー74、無端ベルト75、吸引ファン76から構成される排紙搬送部材71は、吸引ファン76の吸引力によって無端ベルト75上に印刷用紙Pを吸引し、駆動ローラー73の回転によって印刷用紙Pを図1の矢印方向に搬送する。排紙搬送部材71によって搬送される印刷用紙Pをその上面に積載する排紙トレイ72は、印刷用紙Pの幅方向(印刷用紙Pの搬送方向と直交する方向)に移動自在な一対のサイドフェンス77とエンドフェンス78とを有しており、折り畳むことによって筐体23の内部に収納可能に構成されている。
【0026】
筐体23の中央部には印刷部9が配設されている。印刷部9は、第1の版胴としての版胴79、第2の版胴としての版胴80、版胴駆動手段81等から主に構成されている。
【0027】
版胴79は、インキ供給パイプを兼ねた支軸82をその中心に有しており、その外周面に第1のマスタ支持板である多孔性支持板83を、また、内部に第1のインキ供給手段としてのインキ供給手段84とインキローラー移動手段91とを有している。
【0028】
図2に示すように、支軸82の両端部寄りには、左右対称の形状を呈するフランジ85,85が、軸受を介して回転自在に取り付けられている。フランジ85は、図3、図4に示すように、その周面の一部に平面部85aを有しており、その円心部には支軸82の外形よりも大きく形成された穴部85bが穿設されている。また、フランジ85の内部には、フランジ85の外形と相似形状のカム部85cが形成されている。
【0029】
各フランジ85,85には、図5に示すように、各カム部85c,85cの内側に同形のギヤ87,142がそれぞれ取り付けられており、各フランジ85,85は、各ギヤ87,142に取り付けられた軸受88,88によって支軸82にそれぞれ回転自在に取り付けられている。
【0030】
各フランジ85,85は、各平面部85a,85aが同一平面となるように支軸82に取り付けられており、図2に示すように、各平面部85a,85a上には、一端に曲げ部86bを有するステージ部86がネジ止め等の方法によって取り付けられる。ステージ部86上には、鈎型の爪部86a,86aが所定の間隔をおいて2個固着されている。
【0031】
各フランジ85,85の外周面上には、多孔性支持板83が、その両側端部を当接させる形で巻装されている。薄い金属板で構成され、表面に多数の穿孔を有する多孔性支持板83は、その先端部の各爪部86a,86aと対応する位置に穴部83a,83aを有しており、各穴部83a,83aを各爪部86a,86aに引っかけ、後端部を各フランジ85,85の各周面と曲げ部86bとの間に挟まれている。この構成により、多孔性支持板83は、版胴79の内部より版胴79の半径方向に応力を受けた場合に、その周面が容易にフランジ85の周面から膨出することが可能となっている。
【0032】
また、多孔性支持板83の外周面には、図6に示すように、メッシュスクリーン89が巻装されている。樹脂あるいは金属網体からなるメッシュスクリーン89の一端には、薄い板状の取付板89aが取り付けられており、他端には薄い板状の可動板89bが取り付けられている。取付板89aは、ネジ止め等によってステージ部86上に固定されており、可動板89bは、引張バネ89c,89cを介してステージ部86上に移動自在に取り付けられている。この構成により、メッシュスクリーン89は、多孔性支持板83と同様にフランジ85の周面からの膨出が可能となっている。
【0033】
ステージ部86上には、マスタ33の先端を挟持するクランパー90が配設されている。ステージ部86に基端を回動自在に支持されたクランパー90は、その自由端部に図示しないマグネットを有しており、ステージ部86に対して磁着可能に設けられている。このクランパー90は、版胴79が所定の位置に停止したとき図示しない開閉手段によって開閉される。
【0034】
図5、図7に示すように、版胴79の内部にはインキ供給手段84とインキローラー移動手段91とが配設されている。インキ供給手段84は、ベース92,92、第1支持部材93、第2支持部材94、第1のインキローラーとしてのインキローラー95、ドクターローラー96等から主に構成されており、インキローラー移動手段91は、支持板97、ソレノイド98、ストッパー99等から主に構成されている。
【0035】
板材からなるベース92は、各フランジ85,85の内側に位置する支軸82上に、所定の間隔をおいて2個配設され、2個の取付部材100,100によって支軸82にそれぞれ固定されている。
【0036】
各ベース92,92間には、第1支持部材93が配設されている。第1支持部材93は、図8に示すように、穴93bを有する耳部93a,93aをその両側端部に有しており、その中央部には、揺動軸102が挿通固定される穴93cが穿設されている。第1支持部材93は、各穴93b,93b間に挿通される支持軸101によって、各ベース92,92に回動自在に支持されている。
【0037】
また、ベース92と第1支持部材93との間には、各端部をベース92と第1支持部材93とにそれぞれ固定された引張バネ104が張設されており、この引張バネ104の付勢力によって第1支持部材93には、支持軸101を中心に、図7において反時計回り方向の回動付勢力が付与されている。引張バネ104の付勢力は、引張バネ89c,89cの付勢力よりも強くなるように設定されている。
【0038】
第2支持部材94は、各ベース92,92の外側に配設された2枚の側板94a,94aと、各側板94a,94aを連結する補強部材94bと、各側板94a,94a間に設けられた係止棒94cとから主に構成されている。第2支持部材94は、補強部材94bの中央に配設された軸受94dによって揺動軸102に揺動自在に支持されている。
【0039】
各側板94a,94a間にはインキローラー95が配設されている。インキローラー95は、支軸95aによって各側板94a,94aに回転自在に支持されており、図示しない駆動手段によって版胴79と同方向に回転駆動される。また、支軸95aの両端には、カム部85cと当接するカムフォロア95b,95bが配設されている。インキローラー95は、各カムフォロア95b,95bが各カム部85c,85cの凸部と当接したときに、その外周面が多孔性支持板83の内周面より離間し、各カムフォロア95b,95bが各カム部85c,85cの凸部を離れたときに、その外周面が各フランジ85,85の外周面より突出するように構成されている。
【0040】
インキローラー95の近傍にはドクターローラー96が配設されている。その外周面をインキローラー95の外周面に近接配置されたドクターローラー96は各側板94a,94aに回転自在に支持されており、図示しない駆動手段によってインキローラー95と逆方向に回転駆動される。インキローラー95の外周面とドクターローラー96の外周面との近接部において、支軸82及び後述するインキ供給パイプ129を介して供給されたインキによって、楔状のインキ溜まり96aが形成される。
【0041】
インキ溜まり96aの上方には、インキ溜まり96aのインキ量を検知するセンサー165が配設されている。センサー165は図示しない固定部材によって側板94aに固定されている。
【0042】
支持板97は、取付部材100と同様の図示しない取付部材によって各ベース92,92間の略中央部に位置する支軸82上に固定されている。支持板97には、ソレノイド98、ストッパー99、及び係止棒94cの位置からインキローラー95の位置を検知する、反射型のセンサー152が取り付けられている。
【0043】
L字形状を呈し、その一端99aが外方へ鈎型に折れ曲がって形成され、係止棒94cと係合可能であるストッパー99は、支軸103によってその曲折部99bを支持板97に回動自在に取り付けられており、一端99aと曲折部99bとの間に形成された長孔99cにおいて、ソレノイド98のプランジャ98aと接続されている。ストッパー99は図示しない付勢手段によって付勢されており、ストッパー99には、支軸103を中心に、図7において時計回り方向の回動付勢力が付与されている。
【0044】
版胴79の下方には版胴80が配設されている。版胴80は、インキ供給パイプを兼ねた支軸105をその中心に有しており、その外周面に第2のマスタ支持板である多孔性支持板106を、また、内部に第2のインキ供給手段としてのインキ供給手段107とインキローラー移動手段108とを有している。版胴80は、多孔性支持板106の外周面が多孔性支持板83の外周面より所定の間隔(2〜5mm程度)だけ離間した位置に配設される。
【0045】
支軸105の両端部寄りには、フランジ85と略同形状で略左右対称の形状を呈するフランジ109,110が、軸受を介して回転自在に取り付けられている。フランジ109,110は、フランジ85と比較すると、図5に示すように、その中央部内側にボス109a,110aを有している点において相違し、平面部(図示せず)を有する点及びカム部109b,110bをそれぞれ有する点において一致している。各ボス109a,110aには同形のギヤ111,143がそれぞれ取り付けられており、フランジ109はギヤ111に取り付けられた軸受112によって、また、フランジ110はギヤ143に取り付けられた軸受112及びフランジ110に取り付けられた軸受113によって支軸105にそれぞれ回転自在に取り付けられている。
【0046】
各フランジ109,110は、フランジ85,85と同様に、各平面部が同一平面となるように支軸105に取り付けられており、各平面部上には図示しない爪部とクランパー114を有するステージ部が取り付けられている。また、各フランジ109,110の外周面上には、版胴79と同様に、多孔性支持板106と図示しないメッシュスクリーンとが、各フランジ109,110の外周面より膨出可能に巻装されている。
【0047】
版胴80の内部にはインキ供給手段107とインキローラー移動手段108とが配設されている。インキ供給手段107は、ベース115、インキローラー支持部材116、第2のインキローラーとしてのインキローラー117、ドクターローラー118から主に構成され、インキローラー移動手段108は、支持部材119、ソレノイド120、ストッパー121等から主に構成されている。
【0048】
ベース115は、図9に示すように、両側端部に側壁部115a,115aを有しており、各側壁部115a,115aには、略U字形状を呈し、支軸105が嵌合可能な溝115bがそれぞれ形成されている。また、各側壁部115a,115a間の前端部側には、各側壁部115a,115aの倒れを防止する棒状の補強部材115cが取り付けられると共に、ベース115の前端中央部には切欠部115dが形成されている。ベース115は、各溝115b,115bを支軸105に嵌合させた状態で、取付部材100と同様の図示しない取付部材によって固定される。
【0049】
インキローラー支持部材116は、各側壁部115a,115aの外側に配設された2枚の側板116a,116aと、各側板116a,116aを繋ぐ連結棒116bと、各側板116a,116a間に設けられた係止棒116cとから主に構成されており、支持軸122によってベース115に揺動自在に支持されている。また、ベース115とインキローラー支持部材116との間には、各端部をベース115とインキローラー支持部材116とにそれぞれ固定された引張バネ123が張設されており、この引張バネ123の付勢力によって、インキローラー支持部材116には支持軸122を中心に、図7において時計回り方向の回動付勢力が付与されている。引張バネ123の付勢力は、引張バネ104の付勢力よりも強くなるように設定されている。
【0050】
各側板116a,116a間にはインキローラー117が配設されている。インキローラー117は、支軸117aによって各側板116a,116aに回転自在に支持されており、図示しない駆動手段によって版胴80と同方向に回転駆動される。また、支軸117aの両端には、各カム部109b,110bと当接するカムフォロア117b,117bが配設されている。インキローラー117は、各カムフォロア117b,117bが各カム部109b,110bの凸部と当接したときに、その外周面が多孔性支持板106の内周面より離間し、各カムフォロア117b,117bが各カム部109b,110bの凹部と当接したときに、その外周面が各フランジ109,110の外周面より突出するように構成されている。
【0051】
インキローラー117の近傍にはドクターローラー118が配設されている。その外周面をインキローラー117の外周面に近接配置されたドクターローラー118は各側板116a,116aに回転自在に支持されており、図示しない駆動手段によってインキローラー117と逆方向に回転駆動される。インキローラー117の外周面とドクターローラー118の外周面との近接部において、支軸105及び後述するインキ供給パイプ130を介して供給されたインキによって、楔状のインキ溜まり118aが形成される。
【0052】
インキ溜まり118aの上方には、インキ溜まり118aのインキ量を検知するセンサー166が配設されている。センサー166は図示しない固定部材によって側板116aに固定されている。
【0053】
板材を折り曲げて形成した支持部材119は、ネジ止め等によってベース115の内面に取り付けられており、支持部材119にはソレノイド120が取り付けられている。
【0054】
ストッパー121は、図10に示すように、脚部121a,121a、突出部121b、舌片121c、連結棒121dを一体的に有しており、ベース115に固定されたブラケット124,124に、支軸125によって各脚部121a,121aを回動自在に支持されている。また、各脚部121a,121aと各ブラケット124,124との間には引張バネ126,126が張設されており、ストッパー121には、支軸125を中心に、図7において反時計回り方向の回動付勢力が付与されている。突出部121bは、各脚部121a,121aを一体的に繋ぐべく、各脚部121a,121aより突出形成されており、各脚部121a,121aとの接続部における段差部において係止棒116cと係合可能な形状に形成されている。舌片121cは突出部121bと一体形成されており、後述するようにインキローラー支持部材116が回動する際に、係止棒116cと当接可能な位置に設けられている。連結棒121dは、その両端を各脚部121a,121aの略中央部にそれぞれ固着されており、連結棒121dには、一端をソレノイド120のプランジャ120aに回動自在に支持された作動片127の他端に設けられたピン127aが係合している。作動片127は、ソレノイド120に取り付けられた取付部材128に回動自在に支持されている。
【0055】
各版胴79,80の内部には、各支軸82,105から各インキ溜まり96a,118aに向けてインキを供給するインキ供給パイプ129,130が配設されている。
【0056】
インキ供給パイプ129は、図11に示すように、供給口129aと分岐した4箇所の吐出口129bとを有しており、図示しない固定部材によって支軸82に取り付けられている。供給口129aと支軸82とには、可撓性を有する接続パイプ131の両端が連通しており、図示しないインキパックから図示しないインキポンプによって供給されたインキは、支軸82、接続パイプ131、インキ供給パイプ129を介してインキ溜まり96aに供給される。
【0057】
インキ供給パイプ130は、図12に示すように、供給口130aと分岐した4箇所の吐出口130bとを有しており、図示しない固定部材によってベース115に取り付けられている。供給口130aには、一端を支軸105に連通された可撓性を有する接続パイプ132の他端が連通しており、図示しないインキパックから図示しないインキポンプによって供給されたインキは、支軸105、接続パイプ132、インキ供給パイプ130を介してインキ溜まり118aに供給される。
【0058】
各版胴79,80は、図5に示すように、筐体23の側板133に固着された位置決め部材134,134に各支軸82,105の一端をそれぞれ位置決め固定されており、各支軸82,105の他端を筐体23に対して着脱自在の側板135を介して固定部材136,136に固定されることにより、筐体23に位置決め固定されている。また、各支軸82,105の一端側の各フランジ85,109の外側には、各フランジ85,109と一体的に各支軸82,105に回転自在に支持された歯付プーリー137,144が軸受138,138を介して設けられており、支軸82の他端側のフランジ85の外側には、支軸82に回転自在に支持された、側板135との隙間を確保するためのスペーサー139が、軸受140を介してフランジ85と一体的に設けられている。
【0059】
さらに、版胴79の内部には、歯付プーリー137に伝達された回転力を、ギヤ87,142を介して一端側のフランジ85から他端側のフランジ85へ伝達するための伝達部材141が配設されている。伝達部材141は、各ベース92,92に回転自在に支持された支軸141a及び支軸141aの両端に固着されたギヤ141b,141cとから構成され、ギヤ141bがギヤ87と、ギヤ141cがギヤ142とそれぞれ噛合するように配設されている。また、版胴80の内部には、歯付プーリー144に伝達された回転力を、ギヤ111,143を介してフランジ109からフランジ110へ伝達するための伝達部材145が配設されている。伝達部材145は、各側壁部115a,115aに回転自在に支持された支軸145a及び支軸145aの両端に固着されたギヤ145b,145cから構成され、ギヤ145bがギヤ111と、ギヤ145cがギヤ143とそれぞれ噛合するように配設されている。
【0060】
版胴80の下方には版胴駆動手段81が配設されている。版胴駆動手段81は、図13に示すように、正逆転可能で互いに逆方向に回転駆動される2個のモーター146,147から主に構成されており、各モーター146,147の各出力軸146a,147aには歯付プーリー148,149がそれぞれ取り付けられている。歯付プーリー148と歯付プーリー137との間、及び歯付プーリー149と歯付プーリー144との間にはタイミングベルト150,151が掛け渡されており、これにより各版胴79,80は各モーター146,147の回転力を伝達され、互いに同期して逆方向に回転駆動される。
【0061】
給紙部3の下方にはシート搬送部167が配設されている。シート搬送部167は、マスキングシート168をロール状に巻成してなるシートロール169、マスキングシート168を搬送するシート搬送手段としてのシート搬送ローラー対170,171、マスキングシート168を切断するシート切断手段172、シートガイド板173等から主に構成されている。
【0062】
マスキングシート168は、通常のマスタ(フィルム厚1.2〜3.5μm、特に製版条件、画像条件等により1.2〜2.0μmであることが好ましい)を用いてもよいが、製版を行わないためにその厚さが3.5μm以上であってもよく、むしろ耐刷性、搬送性を向上させる面からも厚いものの方が好ましい。通常のマスタに用いられる和紙層は、インキの保持拡散、フィルム層の保護、マスタ全体の所謂腰出し、強度アップ、インキ滲出量の制御等の機能を有するが、マスキングシート168では、フィルム厚が搬送に十分な厚さを持つ場合には特に和紙層は必要なく、和紙層を設ける場合であっても通常のマスタの和紙層に対して要求されるような特性を持つ必要はない。したがって、マスキングシート168としては、版胴から供給されたインキが浸透することを防止できると共に、耐刷性、搬送性が確保できる材質であれば、通常のマスタの形態にこだわる必要はなく、安価に製作できる材質を用いることができる。具体的には、紙、天然あるいは合成樹脂等が挙げられる。
【0063】
シートロール169は、その芯部169aを図示しない支持部材に回転自在に支持されている。シート搬送ローラー対170,171は、図示しないステッピングモーターによって回転駆動される。切断手段172は、可動刃172aが固定刃172bに対して回転移動あるいは上下動する。筐体23の図示しない側板に固着されたシートガイド板173は、シート搬送ローラー対171から送られてくるマスキングシート168を版胴80へ向けて案内する。
【0064】
筐体23の上部前面には、操作パネル153が配設されている。操作パネル153は、図14に示すように、製版スタートキー154、印刷スタートキー155、試し刷りキー156、ストップキー157、テンキー158、クリアキー159、拡大縮小キー160、印刷速度設定キー161、連写キー162、7セグメントLEDからなる表示装置163、LCDからなる表示装置164、両面印刷と片面印刷とを切り換える印刷モード切換キー174、両面印刷モードと片面印刷モードとを表示するLEDからなる印刷モード表示手段175をその上面に有している。
【0065】
筐体23の内部下方には制御部10が配設されている。制御部10は、CPU、ROM、RAM等を有する周知のマイクロコンピューターより主に構成されており、孔版印刷装置1の動作を制御する。
【0066】
上述の構成に基づいて、以下に孔版印刷装置1の動作を説明する。
印刷動作に先立ち、オペレーターにより印刷モード切換キー174が押されて印刷モードが選択される。先ず、両面印刷モードが選択された場合を説明する。
【0067】
オペレーターは、2枚の原稿を図示しない原稿受け台にセットし、印刷モード表示手段175が「両面」で点灯しているのを確認し、所望する印刷物に合わせて拡大縮小キー160あるいは連写キー162等を押した後、製版スタートキー154を押す。
【0068】
製版スタートキー154が押されると、モーター146が作動して版胴79が図1において反時計回り方向に回転すると共に、図示しない移動手段が作動して下排版部材48が移動し、版胴79の外周面に巻装されている使用済みマスタが上排版部材47及び下排版部材48によって剥離搬送され、使用済みマスタは排版ボックス49内に収納された後に圧縮板50によって圧縮される。
【0069】
版胴79の回転と同時にモーター147が作動して版胴80が図1において時計回り方向に回転すると共に、図示しない移動手段が作動して下排版部材58が移動し、版胴80の外周面に巻装されている使用済みマスタは、上排版部材57及び下排版部材58によって版胴80の外周面より剥離されて排版ボックス59内に搬送され、圧縮板60によって圧縮される。
【0070】
その後、各版胴79,80が、クランパー90,114がマスタ搬送ローラー対39,46とそれぞれ対応する給版待機位置まで回転して停止し、排版動作が完了する。
【0071】
画像読取部2では原稿画像の読取動作が行われる。排版動作完了後、原稿搬送ローラー対12が回転を開始し、図示しない原稿の上部の1枚がコンタクトガラス11上を搬送される。原稿画像の読み取りは、蛍光灯20によって露光されて反射した反射光を反射ミラー18,19によって走査することにより行われ、読み取られた原稿画像はレンズ21で集光された後に画像センサー22に入射されて光電変換され、光電変換された電気信号は筐体23内の図示しないA/D変換器に入力される。画像を読み取られた原稿は、原稿搬送ベルト16及び原稿搬送ローラー13によって原稿搬送ベルト16の上部に配設された図示しない原稿トレイに排出される。
【0072】
原稿読取動作に並行して、第1製版部4では製版動作が行われる。排版動作完了後、プラテンローラー36とマスタ搬送ローラー対38,39がそれぞれ回転を開始し、マスタロール34からマスタ33が引き出される。引き出されたマスタ33は、サーマルヘッド35を通過する際に製版される。サーマルヘッド35の表面に整列配置された複数の発熱素子は、A/D変換器及びその他の図示しない製版基板で各種処理を施された後に送られてきたデジタル画像信号に応じて各々選択的に発熱し、マスタ33の熱可塑性樹脂フィルムを加熱溶融穿孔する。
【0073】
そして、プラテンローラー36を回転駆動する図示しないステッピングモーターのステップ数より、マスタ33の先端がステージ部86とクランパー90との間の所定位置まで到達したと制御部10が判断すると、図示しない開閉手段に動作信号が送られてクランパー90が回動し、ステージ部86とクランパー90とでマスタ33の先端を挟持する。
【0074】
その後、版胴79がマスタ33の搬送速度と同じ周速度で図1の時計回り方向に回転し、マスタ33の版胴79への巻装動作が行われる。そして、図示しないステッピングモーターのステップ数より、1版分の製版が完了したと制御部10が判断すると、プラテンローラー36及びマスタ搬送ローラー対38,39の回転が停止すると共に、可動刃37aが回転移動してマスタ33が切断される。切断されたマスタ33は版胴79の回転動作によって引き出され、版胴79が再びホームポジションに到達すると制御部10からの指令によってモーター146が停止して、版胴79が位置決めされる。
【0075】
版胴79の位置決め後、原稿搬送ローラー対12が再び回転を開始し、残り1枚の原稿がコンタクトガラス11上を搬送され、先の原稿と同様に読み取られた後、図示しない原稿トレイに排出される。この実施例では2枚の原稿よりそれぞれ画像を読み取ったが、1枚の原稿の両面から画像を読み取る場合には、一方の面の読取完了後、原稿搬送ベルト16及び原稿搬送ローラー13が回転すると同時に切換板17が図示しない機構により反時計回り方向に回動することで、原稿の進行方向が変更されて再度コンタクトガラス11上に導かれ、他方の面が読み取られるように構成されている。
【0076】
2枚目の原稿読取動作に並行して、第2製版部5では第1製版部4と同様に製版動作が行われる。排版動作完了後、プラテンローラー43とマスタ搬送ローラー対45,46がそれぞれ回転を開始し、マスタロール41からマスタ40が引き出される。引き出されたマスタ40は、マスタ33と同様にサーマルヘッド42を通過する際に製版される。
【0077】
そして、プラテンローラー43を回転駆動する図示しないステッピングモーターのステップ数より、マスタ40の先端が所定位置まで到達したと制御部10が判断すると、図示しない開閉手段に動作信号が送られてクランパー114が回動し、ステージ部とクランパー114とでマスタ40の先端を挟持する。
【0078】
その後、版胴80がマスタ40の搬送速度と同じ周速度で図1の反時計回り方向に回転し、マスタ40の版胴80への巻装動作が行われる。そして、図示しないステッピングモーターのステップ数より、1版分の製版が完了したと制御部10が判断すると、プラテンローラー43及びマスタ搬送ローラー対45,46の回転が停止すると共に、可動刃44aが回転移動してマスタ40が切断される。切断されたマスタ40は版胴80の回転動作によって引き出され、版胴80が再びホームポジションに到達すると制御部10からの指令によってモーター147が停止して、版胴80が位置決めされる。
【0079】
各版胴79,80への給版動作が完了すると同時に、給紙コロ25、分離コロ26,27が回転すると共に各モーター146,147が再び作動を開始し、給紙トレイ24上に積載されている印刷用紙Pの最上位の1枚がレジストローラー対30に向けて分離給送されると共に、各版胴79,80が低速で回転を開始する。分離給送され、その先端をレジストローラー対30にくわえ込まれた印刷用紙Pは、レジストローラー対30が所定のタイミングで回転することにより、各版胴79,80間に給送される。
【0080】
一方、各版胴79,80の内部では、図示しない駆動手段によってそれぞれ回転駆動された各インキローラー95,117が、各版胴79,80の回転に伴い、各カム部85c,85c,109b,110bの形状に沿って同時に揺動する。
【0081】
ソレノイド98への通電を行いつつ版胴79(各フランジ85,85)を回転させ、各カム部85c,85cの凸部が各カムフォロア95b,95bと当接してインキローラー95が図7の上方に移動し、ストッパー99の一端99aと係止棒94cとの間に隙間が発生すると、プランジャ98aが吸引されてストッパー99が支軸103を中心に図7の反時計回り方向に回動される。その後、各カムフォロア95b,95bが各カム部85c,85cの凸部を通過すると、第1支持部材93と第2支持部材94とが引張バネ104の付勢力によって支持軸101を中心に図7の反時計回り方向に回動する。この回動によりインキローラー95の外周面が多孔性支持板83と圧接し、多孔性支持板83及びメッシュスクリーン89が図7の下方に向けて膨出する。このとき、センサー152からの信号により、インキローラー95が揺動されたことを制御部10が確認する。
【0082】
また、ソレノイド120への通電を行いつつ版胴80(各フランジ109,110)を回転させ、各カム部109b,110bの凸部が各カムフォロア117b,117bと当接してインキローラー117が図7の下方に移動し、ストッパー121の突出部121bと係止棒116cとの間に隙間が発生すると、プランジャ120aが吸引されてストッパー121が支軸125を中心に図7の時計回り方向に回動される。その後、各カムフォロア117b,117bが各カム部109b,110bの凸部を通過すると、インキローラー支持部材116が引張バネ123の付勢力によって支持軸122を中心に図7の時計回り方向に回動する。この回動によりインキローラー117の外周面が多孔性支持板106と圧接し、多孔性支持板106及び図示しないメッシュスクリーンが図7の上方に向けて膨出する。
【0083】
この各インキローラー95,117の揺動動作とほぼ同時に、レジストローラー対30から各版胴79,80間に向けて印刷用紙Pが給送される。これにより、多孔性支持板83、多孔性支持板106、メッシュスクリーン89、図示しないメッシュスクリーン、マスタ33、マスタ40及び印刷用紙Pを介してインキローラー95とインキローラー117とが圧接し、印刷用紙Pの両面に同時に印刷画像が転写される。なお、この圧接時において、第2支持部材94が揺動軸102を中心に揺動することによりインキローラー95が揺動し、軸方向におけるインキローラー117との圧接が均一に行われる。インキローラー95とインキローラー117との圧接状態を図5及び図15に示す。
【0084】
両面に印刷画像を転写された印刷用紙Pは、剥離爪67または剥離爪68によって版胴79または版胴80の外周面上より剥離され、各ガイド板69,70を通って排紙搬送部材71によって搬送され、排紙トレイ72上に排出される。
【0085】
印刷後も各版胴79,80は回転を継続する。各インキローラー95,117の揺動後、制御部10からの指令により各ソレノイド98,120への通電が断たれ、各ストッパー99,121は、それぞれの付勢手段の付勢力により図15に二点鎖線で示す、各係止棒94c,116cに当接する位置にそれぞれ移動する。
【0086】
そして、版胴79の回転により各カムフォロア95b,95bが各カム部85c,85cの凸部と再び当接すると、第1支持部材93と第2支持部材94とが支持軸101を中心に図15の時計回り方向に回動する。この回動によって係止棒94cとストッパー99の一端99aとの当接が解除されると、ストッパー99が図示しない付勢手段の付勢力によって回動して図7に示す位置に復帰する。
【0087】
同様に、版胴80の回転により各カムフォロア117b,117bが各カム部109b,110bの凸部と再び当接すると、インキローラー支持部材116が支持軸122を中心に図15の反時計回り方向に回動し、係止棒116cとストッパー121の舌片121cとの当接が解除されることにより、ストッパー121が引張バネ126,126の付勢力によって回動して図7に示す位置に復帰する。
【0088】
その後、各版胴79,80がホームポジションまで回転して停止し、版付動作が完了する。版付動作が完了して孔版印刷装置1が印刷待機状態となった後、オペレーターによって試し刷りキー156が押されると、版付動作と同様に給紙トレイ24上の最上位の1枚の印刷用紙Pが給紙コロ25及び分離コロ26,27によって引き出され、レジストローラー対30にその先端をくわえ込まれると共に、制御部10から指令が送られて各モーター146,147が作動を開始し、各版胴79,80が高速で回転駆動される。レジストローラー対30は、版付動作と同じタイミングで高速回転している各版胴79,80間に印刷用紙Pを給送する。給送された印刷用紙Pはその両面に同時に印刷画像を転写され、剥離爪67または剥離爪68によって版胴79または版胴80の外周面より剥離された後、排紙搬送部材71によって搬送されて排紙トレイ72上に排出される。各版胴79,80は再びホームポジションに復帰し、試し刷り動作が完了する。
【0089】
この試し刷りによって印刷画像の濃度や位置を確認し、これらを操作パネル153上の各種キーで調整して再度試し刷りを行った後、テンキー158で印刷枚数を表示装置163に置数し、印刷速度設定キー161で印刷速度を設定した後に印刷スタートキー155を押すことにより、給紙部3より印刷用紙Pが連続的に送られ、各ソレノイド98,120への通電がなされたまま各版胴79,80がそれぞれ高速で回転駆動されて印刷動作が行われる。
【0090】
上述の印刷動作時において、インキ溜まり96a,インキ溜まり118aのインキ量が減少すると、センサー165あるいはセンサー166から制御部10へ信号が出力される。信号を受けた制御部10が図示しないインキポンプを作動させることにより、図示しないインキパックからのインキが支軸82,105、接続パイプ131,132、インキ供給パイプ129,130を介してインキ溜まり96aあるいはインキ溜まり118aに供給される。
【0091】
次に、片面印刷モードが選択された場合を説明する。
オペレーターは、1枚の原稿を図示しない原稿受け台にセットし、印刷モード切換キー174を押して印刷モード表示手段175が「片面」で点灯しているのを確認し、所望する印刷物に合わせて拡大縮小キー160あるいは連写キー162等を押した後、製版スタートキー154を押す。
【0092】
製版スタートキー154が押されると、両面印刷時と同様に、各版胴79,80の外周面上から使用済みマスタを剥離廃棄する排版動作が行われる。また、画像読取部2では原稿画像の読取動作が行われる。外周面上より使用済みマスタが剥離された後、版胴79,80は、それぞれ給版待機位置まで回転して停止し、排版動作が完了する。この給版待機位置は、版胴79では両面印刷時と同様にクランパー90がマスタ搬送ローラー対39と対応する位置であるが、版胴80ではクランパー114がシート搬送ローラー対171と対応する位置となるように設定されている。
【0093】
原稿読取動作に並行して製版動作が行われる。第1製版部4では両面印刷時と同様に製版動作が行われ、製版されたマスタ33が版胴79の外周面上に巻装されるが、第2製版部5では製版動作、搬送動作は行われない。これに代わり、シート搬送部167において、マスキングシート168の搬送動作が行われる。
【0094】
版胴80が給版待機位置に位置決めされた後、シート搬送ローラー対170,171がそれぞれ回転を開始し、シートロール169よりマスキングシート168が引き出される。そして、シート搬送ローラー対170を回転駆動する図示しないステッピングモーターのステップ数より、マスキングシート168の先端がシートガイド板173を通ってステージ部とクランパー114との間の所定位置まで到達したと制御部10が判断すると、図示しない開閉手段に動作信号が送られてクランパー114が回動し、ステージ部とクランパー114とでマスキングシート168の先端を挟持する。
【0095】
その後、版胴80がマスキングシート168の搬送速度と同じ周速度で図1の反時計回り方向に回転し、マスキングシート168の版胴80への巻装動作が行われる。そして、シート搬送ローラー対170を回転駆動する図示しないステッピングモーターのステップ数より、1版分の搬送が完了したと制御部10が判断すると、シート搬送ローラー対170,171の回転が停止すると共に可動刃172aが回転移動してマスキングシート168が切断される。切断されたマスキングシート168は版胴80の回転動作によって引き出され、版胴80が再びホームポジションに到達すると制御部10からの指令によってモーター147が停止して、版胴80が位置決めされる。
【0096】
各版胴79,80への給版動作完了後、給紙部3から1枚の印刷用紙Pが給送されると共に各版胴79,80が低速で回転を開始する。印刷用紙Pはレジストローラー対30でタイミングを取られた後、各版胴79,80間に向けて給送される。
【0097】
各版胴79,80の回転により各インキローラー95,117が揺動し、膨出した各多孔性支持板83,106に印刷用紙Pが挟持されることで、印刷用紙Pに印刷画像が転写される。このとき、版胴80の外周面にはマスキングシート168が巻装されているため、版胴80からのインキはマスキングシート168に阻まれて印刷用紙Pには転写されず、印刷用紙Pには、その上面側にのみマスタ33に製版された画像が転写される。上面側に印刷画像が転写された印刷用紙Pは、剥離爪67によって版胴79の外周面上より剥離され、各ガイド板69,70間を通って排紙搬送部材71に送られた後、排紙搬送部材71によって排紙トレイ72上に排出される。
【0098】
各版胴79,80がホームポジションで停止して版付け動作が完了した後、試し刷りキー156が押されることにより上述と同様に試し刷りが行われ、さらにその後、印刷スタートキー155が押されることにより印刷動作が行われる。
【0099】
このように、第1製版部4及び第2製版部5の他に、各版胴79,80のうちの何れか一方の近傍にマスキングシート168を搬送するシート搬送部167を設けることにより、片面印刷時において通常の印刷用マスタを1版分無駄に消費することを防止でき、マスキングシート168として耐久性が高いものや安価なものを使用することにより、特開平6−135111号公報に開示されているような通常のマスタを用いた片面印刷に比較して、コストダウンや耐刷性の向上といった効果を達成することができる。
【0100】
第1の実施例に用いた孔版印刷装置1では、インキ供給手段84とインキ供給手段107とをそれぞれ移動可能な構成としたが、何れか一方のインキ供給手段を、そのインキローラーの外周面が多孔性支持板の内周面と近接した状態で固定し、他方のインキ供給手段を移動させることにより、双方の多孔性支持板を当接可能とした構成の孔版印刷装置を使用することもできる。この場合、移動側のインキ供給手段をインキ供給手段84と同様に、支軸82あるいは支軸105と直交する方向に設けられた支軸によって揺動自在な構成とする。
【0101】
この第1の実施例では、第2の版胴である版胴80側にシート搬送部167を設け、片面印刷時に版胴80にマスキングシート168を巻装させるように構成したが、第1の版胴である版胴79側にシート搬送部167を設け、片面印刷時に版胴79にマスキングシート168を巻装させる構成としてもよい。
【0102】
図16は、本発明の第2の実施例に用いられる孔版印刷装置176の概略側面図を示している。同図において、孔版印刷装置176は、画像読取部177、給紙部178、製版部179、第1排版部180、第2排版部181、排紙部182、印刷部183、制御部184、シート搬送部185等から主に構成されている。
【0103】
筐体186の上部に配設された画像読取部177は、画像読取部2と同様に、原稿を載置するコンタクトガラス、原稿を搬送する原稿搬送ローラー対、搬送される原稿をガイドするガイド板、原稿をコンタクトガラスに沿って搬送する原稿搬送ベルト、読み取られた原稿の排出方向を切り換える切換板、原稿画像を走査して読み取るための反射ミラー及び蛍光灯、走査された画像を集束するレンズ、集束された画像を処理するCCD等の画像センサー等から主に構成されている。
【0104】
筐体186の中央下部に配設された給紙部178は、印刷用紙Pを積載する給紙トレイ187、印刷用紙Pを1枚ずつ給送する給紙コロ188及び分離パッド189、給送される印刷用紙Pをガイドするガイド板190,191、給送された印刷用紙Pの先端をくわえ込んでタイミングを取った後に給送するレジストローラー対192等から主に構成されている。
【0105】
筐体186の右辺中央に配設された製版部179は、マスタ193をロール状に巻成してなるマスタロール194、サーマルヘッド195、プラテンローラー196、切断手段197、マスタ搬送ローラー対198、マスタガイド板237等から主に構成されている。
【0106】
筐体186の中央上部に配設された第1排版部180は、上排版ローラー199、下排版ローラー200、排版ボックス201等から主に構成されている。上排版ローラー199は図示しない駆動手段により図16において時計回り方向に回転駆動され、下排版ローラー200は図示しない駆動手段により図16において反時計回り方向に回転駆動されると共に、図示しない移動手段によって、図16に示す位置と外周面が後述する版胴213の外周面に当接する位置とに選択的に移動される。版胴213の外周面より剥離された使用済みマスタを貯容する排版ボックス201は、筐体186に対して着脱自在に設けられている。
【0107】
筐体186の左辺下部に配設された第2排版部181は、第1排版部180と同様に、上排版ローラー202、下排版ローラー203、排版ボックス204等から主に構成されている。
【0108】
上排版ローラー202及び下排版ローラー203は、上排版ローラー199及び下排版ローラー200と同様に図示しない駆動手段によってそれぞれ回転駆動される。また、下排版ローラー203は図示しない移動手段によって、図16に示す位置と外周面が後述する版胴214の外周面に当接する位置とに選択的に移動される。版胴214の外周面より剥離された使用済みマスタを貯容する排版ボックス204は、筐体186に対して着脱自在に設けられている。
【0109】
第1排版部180と第2排版部181との間には排紙部182が配設されている。排紙部182は、剥離爪205,206、排紙搬送部材207、排紙トレイ208から主に構成されている。
【0110】
版胴214の外周面より印刷済みの印刷用紙Pを剥離する剥離爪205は、後述する排紙搬送部材207に回動自在に支持されており、その先端を版胴214の外周面に対して進退自在に設けられている。剥離爪206は筐体186の図示しない側板に回動自在に支持されており、その先端を版胴213の外周面に対して進退自在に設けられている。駆動ローラー209、従動ローラー210、無端ベルト211、吸引ファン212から構成される排紙搬送部材207は、吸引ファン212の吸引力によって無端ベルト211上に印刷用紙Pを吸引し、駆動ローラー209の回転によって印刷用紙Pを図16の矢印方向に搬送する。排紙トレイ208は排紙搬送部材207によって搬送される印刷用紙Pをその上面に積載する。
【0111】
筐体186の中央部には印刷部183が配設されている。印刷部183は、第1の版胴としての版胴213、第2の版胴としての版胴214、版胴駆動手段215、接離手段216等から主に構成されている。
【0112】
版胴213は支軸217を中心に回転自在に設けられており、その外周面には図示しない多孔性支持板、図示しないメッシュスクリーン、図示しないステージ部上に設けられた開閉自在のクランパー218が、また内部にはインキ供給手段219が設けられている。支軸217は、後述する接離手段216により移動可能に支持されている。
【0113】
インキ供給手段219はインキローラー220、ドクターローラー221、インキ供給パイプ222等から主に構成されている。インキローラー220は、版胴213内の図示しない側板間に回転自在に支持されており、図示しない駆動手段によって版胴213と同方向に回転駆動される。インキローラー220の近傍にはドクターローラー221が配設されている。その外周面をインキローラー220の外周面に近接配置されたドクターローラー221は、版胴213内の図示しない側板間に回転自在に支持されており、図示しない駆動手段によってインキローラー220と逆方向に回転駆動される。インキローラー220の上方には、版胴213の外部に設けられたインキパック内のインキを版胴213内に導くインキ供給パイプ222が配設されている。インキ供給パイプ222を通って供給されたインキは、インキローラー220の外周面とドクターローラー221の外周面との近接部において、楔状のインキ溜まり221aを形成する。
【0114】
版胴213の下方には版胴214が配設されている。版胴214は支軸223を中心に回転自在に設けられており、版胴213と同様に、その外周面には図示しない多孔性支持板、図示しないメッシュスクリーン、図示しないステージ部上に設けられた開閉自在のクランパー224が、また内部にはインキ供給手段225が設けられている。支軸223は、筐体186の図示しない側板間に取り付けられている。
【0115】
インキ供給手段225は、インキローラー226、ドクターローラー227、インキ供給パイプ228から主に構成されている。インキローラー226は、版胴214内の図示しない側板間に回転自在に支持されており、図示しない駆動手段によって版胴214と同方向に回転駆動される。インキローラー226の近傍の、版胴214内の図示しない側板間に配設されたドクターローラー227は、その外周面をインキローラー226の外周面に近接させて配置されており、図示しない駆動手段によってインキローラー226と逆方向に回転駆動される。ドクターローラー227の上方には、版胴214の外部に設けられたインキパック内のインキを版胴214内に導くインキ供給パイプ228が配設されている。インキ供給パイプ228を通って供給されたインキは、インキローラー226の外周面とドクターローラー227の外周面との近接部において、楔状のインキ溜まり227aを形成する。
【0116】
版胴214の右方には版胴駆動手段215が配設されている。版胴駆動手段215は、版胴駆動手段81と同様に、正逆転可能で互いに逆方向に回転駆動される図示しない2個のモーターから主に構成されており、各モーターの出力は、各モーターの出力軸に取り付けられた歯付プーリー、各版胴213,214の側端に設けられた図示しないフランジに取り付けられた歯付プーリー、各歯付プーリー間に掛け渡されたタイミングベルトを介して各版胴213,214に伝達され、これにより各版胴213,214が互いに同期して逆方向に回転駆動される。
【0117】
版胴213の近傍には接離手段216が設けられている。接離手段216は、図17に示すように、揺動アーム229,229、カム230、保持手段231から主に構成されている。
【0118】
長腕229aと短腕229bとを有し、曲折部229cにおいて略く字形状に曲折形成された揺動アーム229,229は、版胴213の両側端に設けられた図示しないフランジの外側にそれぞれ配設されている。各揺動アーム229,229は、各曲折部229c,229cにおいて揺動軸232によって一体的に連結されており、揺動軸232は筐体186の図示しない側板に回動自在に支持されている。各長腕229a,229aの略中央には支軸217が固着されており、一方の短腕229bの端部には、回転自在なカムフォロア233が取り付けられている。
【0119】
各長腕229a,229aの端部には、揺動軸232を中心に、各揺動アーム229,229を図17において反時計回り方向に回動させる向きに付勢する引張バネ234,234の一端がそれぞれ取り付けられている。各引張バネ234,234の他端は、筐体186の図示しない側板にそれぞれ固着されている。
【0120】
カムフォロア233の下方には、支軸230aによって回転自在に支持されたカム230が配設されている。外周部にカムフォロア233と当接する凸部を有するカム230は、版胴駆動手段215から回転力を伝達され、版胴213と同期して回転駆動される。カム230は、各版胴213,214の周面上に設けられたクランパー218,224等の障害物が互いに干渉しないように凸部の位置が定められており、この凸部は、版胴213がホームポジションに位置決めされたときにカムフォロア233と当接する。
【0121】
さらに、カム230は、その凸部がカムフォロア233と当接したときに版胴213と版胴214との間に3〜5mm程度の隙間が生じる高さに形成され、凸部以外の外形は、カムフォロア233の当接が解除されて引張バネ234の付勢力により揺動アーム229が図17において反時計回り方向に回動し、版胴213の外周面と版胴214の外周面とが圧接したときに、カムフォロア233から離間する形状に形成されている。
【0122】
揺動アーム229の左上方には保持手段231が配設されている。保持手段231は、保持アーム235とソレノイド236とから主に構成されている。
保持アーム235は、その中央部において支軸235aに回動自在に支持されており、その一端に鈎型の係止爪235bを有している。この係止爪235bは、一方の長腕229aの先端に形成された切欠部229dと係合可能となっている。保持アーム235の他端は、ソレノイド236のプランジャ236aに連結されている。保持アーム235には図示しない引張バネの一端が取り付けられており、保持アーム235には、支軸235aを中心に、図17において反時計回り方向の回動付勢力が付与されている。
【0123】
製版部179の下方にはシート搬送部185が配設されている。シート搬送部185は、シート搬送部167と同様に、マスキングシート238をロール状に巻成してなるシートロール239、マスキングシート238を搬送するシート搬送手段としてのシート搬送ローラー対240,241、マスキングシート238を切断するシート切断手段242、シートガイド板243等から主に構成されている。
【0124】
マスキングシート168と同様のマスキングシート238をロール状に巻成してなるシートロール239は、その芯部239aを図示しない支持部材に回転自在に支持されている。シート搬送ローラー対240,241は、図示しないステッピングモーターによって回転駆動される。シート切断手段242は、可動刃242aが固定刃242bに対して回転移動あるいは上下動する。筐体186の図示しない側板に固着されたシートガイド板243は、シート搬送ローラー対241から送られてくるマスキングシート238を版胴214へ向けて案内する。
【0125】
筐体186の上部前面には、孔版印刷装置1と同様の操作パネル153が配設されている。
【0126】
筐体186の右辺下部には制御部184が配設されている。制御部184は、CPU、ROM、RAM等を有する周知のマイクロコンピューターより主に構成されており、孔版印刷装置176の動作を制御する。
【0127】
上述の構成に基づいて、以下に孔版印刷装置176の動作を説明する。
先ず、印刷モード切換キー174が押されて両面印刷モードが選択された場合を説明する。オペレーターは、2枚の原稿を図示しない原稿受け台にセットし、印刷モード表示手段175が「両面」で点灯しているのを確認し、所望する印刷物に合わせて拡大縮小キー160あるいは連写キー162等を押した後、製版スタートキー154を押す。
【0128】
製版スタートキー154が押されると、版胴駆動手段215が作動して版胴213が図16において反時計回り方向に回転すると共に、図示しない移動手段が作動して下排版ローラー200が移動し、版胴213の外周面に巻装されている使用済みマスタが上排版ローラー199及び下排版ローラー200によって剥離搬送され、使用済みマスタは排版ボックス201内に収納される。
【0129】
版胴213の回転と同時に版胴214が図16において時計回り方向に回転すると共に、図示しない移動手段が作動して下排版ローラー203が移動し、版胴214の外周面に巻装されている使用済みマスタは、上排版ローラー202及び下排版ローラー203によって版胴214の外周面より剥離されて排版ボックス204内に搬送される。
【0130】
その後、各版胴213,214がクランパー218,224がマスタガイド板237近傍に位置する給版待機位置まで回転して停止し、排版動作が完了する。
【0131】
画像読取部177では原稿画像の読取動作が行われる。読み取られた原稿画像は光電変換された後、筐体186内の図示しないA/D変換器に入力される。画像を読み取られた原稿は図示しない原稿トレイに排出される。
【0132】
原稿読取動作に並行して、製版部179では製版動作が行われる。排版動作完了後、プラテンローラー196とマスタ搬送ローラー対198がそれぞれ回転を開始し、マスタロール194からマスタ193が引き出される。引き出されたマスタ193は、サーマルヘッド195を通過する際に、A/D変換器及びその他の図示しない製版基板で各種処理を施された後に送られてきたデジタル画像信号に応じて穿孔製版される。
【0133】
そして、プラテンローラー196を回転駆動する図示しないステッピングモーターのステップ数より、マスタ193の先端が図示しないステージ部とクランパー218との間の所定位置まで到達したと制御部184が判断すると、図示しない開閉手段に動作信号が送られてクランパー218が回動し、マスタ193の先端が挟持される。
【0134】
その後、版胴213がマスタ193の搬送速度と同じ周速度で図16の時計回り方向に回転し、マスタ193の版胴213への巻装動作が行われる。そして、図示しないステッピングモーターのステップ数より、1版分の製版が完了したと制御部184が判断すると、プラテンローラー196及びマスタ搬送ローラー対198の回転が停止すると共に切断手段197が作動してマスタ193が切断される。切断されたマスタ193は版胴213の回転動作によって引き出され、版胴213が再びホームポジションに到達すると制御部184からの指令によって版胴駆動手段215が停止して、版胴213が位置決めされる。
【0135】
版胴213の位置決め後、残り1枚の原稿が先の原稿と同様に読み取られた後、図示しない原稿トレイに排出される。この実施例では2枚の原稿よりそれぞれ画像を読み取ったが、孔版印刷装置1と同様に、1枚の原稿の両面から画像を読み取る構成を採用することもできる。
【0136】
2枚目の原稿読取動作に並行して、製版部179では上述と同様に製版動作が行われる。製版されたマスタ193は版胴214へと送られ、プラテンローラー196を回転駆動する図示しないステッピングモーターのステップ数より、マスタ193の先端が所定位置まで到達したと制御部184が判断すると、図示しない開閉手段に動作信号が送られてクランパー224が回動し、マスタ193の先端が挟持される。
【0137】
その後、版胴214がマスタ193の搬送速度と同じ周速度で図16の反時計回り方向に回転し、マスタ193の版胴214への巻装動作が行われる。そして、図示しないステッピングモーターのステップ数より、1版分の製版が完了したと制御部184が判断すると、プラテンローラー196及びマスタ搬送ローラー対198の回転が停止すると共に、切断手段197が作動してマスタ193が切断される。切断されたマスタ193は版胴214の回転動作によって引き出され、版胴214が再びホームポジションに到達すると制御部184からの指令によって版胴駆動手段215が停止して、版胴214が位置決めされる。
【0138】
各版胴213,214への給版動作が完了すると同時に、給紙コロ188が回転すると共に版胴駆動手段215が再び作動を開始し、給紙トレイ187上に積載されている印刷用紙Pの最上位の1枚がレジストローラー対192に向けて分離給送されると共に、各版胴213,214が低速で回転を開始する。分離給送され、その先端をレジストローラー対192にくわえ込まれた印刷用紙Pは、レジストローラー対192が所定のタイミングで回転することにより、各版胴213,214間に給送される。
【0139】
一方、各版胴213,214の回転と同期して、版胴駆動手段215から回転力を伝達されてカム230が回転駆動されると共にソレノイド236に通電がなされる。ソレノイド236に通電され、プランジャ236aが吸引されると、保持アーム235が図17において時計回り方向に回動し、係止爪235bと切欠部229dとの係合状態が解除される。そして、カム230の回転に伴いその凸部が移動することにより、カム230とカムフォロア233との当接状態が解除され、揺動アーム229,229が引張バネ234の付勢力によって揺動軸232を中心に図17において反時計回り方向に回動し、版胴213が揺動する。
【0140】
版胴213の揺動動作よりやや遅れて、レジストローラー対192から各版胴213,214間に向けて印刷用紙Pが給送される。これにより、各メッシュスクリーン、各マスタ193及び印刷用紙Pを介して版胴213の図示しない多孔性支持板と版胴214の図示しない多孔性支持板とが圧接し、印刷用紙Pの両面に印刷画像が転写される。
【0141】
両面に印刷画像を転写された印刷用紙Pは、剥離爪205または剥離爪206によって版胴214または版胴213の外周面より剥離され、排紙搬送部材207によって搬送され、排紙トレイ208上に排出される。
【0142】
印刷後も各版胴213,214は回転を継続する。そして、各版胴213,214がホームポジションまで回動し、カム230の凸部がカムフォロア233と再び当接すると、ソレノイド236への通電が断たれ、保持アーム235が図示しない引張バネの付勢力によって回動して図17に示す位置に復帰して版付動作が完了する。
【0143】
版付動作が完了して孔版印刷装置176が印刷待機状態となった後、オペレーターによって試し刷りキー156が押されると、版付動作と同様に給紙トレイ187上の最上位の1枚の印刷用紙Pが給紙コロ188によって引き出され、レジストローラー対192にその先端をくわえ込まれると共に、制御部184から指令が送られて版胴駆動手段215が作動を開始し、各版胴213,214が高速で回転駆動される。レジストローラー対192は、版付動作と同じタイミングで高速回転している各版胴213,214間に印刷用紙Pを給送する。給送された印刷用紙Pはその両面に印刷画像を転写され、剥離爪205または剥離爪206によって版胴214または版胴213の外周面より剥離された後、排紙搬送部材207によって搬送されて排紙トレイ208上に排出される。各版胴213,214は再びホームポジションに復帰し、試し刷り動作が完了する。
【0144】
この試し刷りによって印刷画像の濃度や位置を確認し、これらを操作パネル153上の各種キーで調整して再度試し刷りを行った後、テンキー158で印刷枚数を表示装置163に置数し、印刷速度設定キー161で印刷速度を設定して印刷スタートキー155を押すことにより、給紙部178より印刷用紙Pが連続的に送られ、ソレノイド236への通電がなされたまま各版胴213,214がそれぞれ高速で回転駆動されると共に、互いに接離動作を繰り返して印刷動作が行われる。
【0145】
次に、片面印刷モードが選択された場合を説明する。
オペレーターは、1枚の原稿を図示しない原稿受け台にセットし、印刷モード切換キー174を押して印刷モード表示手段175が「片面」で点灯しているのを確認し、所望する印刷物に合わせて拡大縮小キー160あるいは連写キー162等を押した後、製版スタートキー154を押す。
【0146】
製版スタートキー154が押されると、両面印刷時と同様に、各版胴213,214の外周面上から使用済みマスタを剥離廃棄する排版動作が行われる。また、画像読取部177では原稿画像の読取動作が行われる。外周面上より使用済みマスタが剥離された後、版胴213,214はそれぞれ給版待機位置まで回転して停止し、排版動作が完了する。この給版待機位置は、版胴213では両面印刷時と同様にクランパー218がマスタガイド板237と対応する位置であるが、版胴214ではクランパー224がシートガイド板243と対応する位置となるように設定されている。
【0147】
原稿読取動作に並行して製版動作が行われる。製版部179では両面印刷時と同様に製版動作が行われ、製版されたマスタ193が版胴213の外周面上に巻装される。外周面上に製版されたマスタ193を巻装された版胴213は、再びホームポジションに位置決めされる。
【0148】
版胴213の位置決め後、あるいは製版動作に並行して、シート搬送部185においてシート搬送ローラー対240,241がそれぞれ回転を開始し、シートロール239よりマスキングシート238が引き出される。引き出されたマスキングシート238は、シートガイド板243を通ってステージ部とクランパー224との間に送られ、制御部184から図示しない開閉手段に動作信号が送られることで版胴214の外周面上に挟持される。
【0149】
その後、版胴214がマスキングシート238の搬送速度と同じ周速度で図16の反時計回り方向に回転し、マスキングシート238の版胴214への巻装動作が行われる。そして、シート搬送ローラー対240を回転駆動する図示しないステッピングモーターのステップ数より、1版分の搬送が完了したと制御部184が判断すると、シート搬送ローラー対240,241の回転が停止すると共に可動刃242aが回転移動し、マスキングシート238が切断される。切断されたマスキングシート238は版胴214の回転によって引き出され、版胴214が再びホームポジションに到達すると制御部184からの指令によって版胴駆動手段215が停止し、版胴214が位置決めされる。
【0150】
各版胴213,214への給版動作完了後、給紙部178から1枚の印刷用紙Pが給送されると共に各版胴213,214が低速で回転を開始する。印刷用紙Pはレジストローラー対192でタイミングを取られた後、各版胴213,214間に向けて給送される。
【0151】
各版胴213,214と同期してカム230が回転駆動されると共にソレノイド236に通電がなされることで版胴213が揺動し、この揺動動作よりやや遅れてレジストローラー対192から各版胴213,214間に向けて印刷用紙Pが給送される。これにより版胴213と版胴214とが圧接し、印刷用紙Pに印刷画像が転写される。このとき、版胴214の外周面にはマスキングシート238が巻装されているため、版胴214からのインキはマスキングシート238に阻まれて印刷用紙Pには転写されず、印刷用紙Pには、その上面側にのみマスタ193に製版された画像が転写される。上面側に印刷画像が転写された印刷用紙Pは、剥離爪206によって版胴213の外周面より剥離され、排紙搬送部材207によって搬送されて排紙トレイ208上に排出される。
【0152】
印刷後も各版胴213,214は回転を継続する。そして、各版胴213,214がホームポジションまで回転し、カム230の凸部がカムフォロア233と再び当接すると、ソレノイド236への通電が断たれ、保持アーム235が図示しない引張バネの付勢力によって回動して図17に示す位置に復帰して版付動作が完了する。
【0153】
版付動作完了後、試し刷りキー156が押されることにより上述と同様に試し刷りが行われ、さらにその後、印刷スタートキー155が押されることにより印刷動作が行われる。
【0154】
この第2の実施例では、片面印刷時に第2の版胴である版胴214にマスキングシート238を巻装させるように構成したが、片面印刷時に第1の版胴である版胴213にマスキングシート238を巻装させる構成としてもよい。
【0155】
図18は、本発明の第3の実施例に用いられる孔版印刷装置244の概略側面図を示している。同図において、孔版印刷装置244は、図示しない画像読取部、給紙部245、第1製版部246、第2製版部247、第1排版部248、第2排版部249、第1印刷部250、第2印刷部251、用紙搬送部252、排紙部253、シート搬送部254、制御部255等から主に構成されている。
【0156】
孔版印刷装置244の図示しない筐体の右辺中段に配設された給紙部245は、印刷用紙Pを積載する図示しない給紙トレイ及び分離給送装置、レジストローラー対256、レジストローラー対256より送られる印刷用紙Pの先端を検知する用紙検知センサー257等から主に構成されている。用紙検知センサー257からの信号は制御部255に入力される。
【0157】
筐体の中央下部に配設された第1製版部246は、マスタ258をロール状に巻成してなるマスタロール259、サーマルヘッド260、プラテンローラー261、可動刃262aと固定刃262bとからなる切断手段262、マスタガイド板263等から主に構成されている。
【0158】
筐体の左辺上部に配設された第2製版部247も、第1製版部246と同様に、マスタ264をロール状に巻成してなるマスタロール265、サーマルヘッド266、プラテンローラー267、可動刃268aと固定刃268bとからなる切断手段268、マスタガイド板269等から主に構成されている。
【0159】
給紙部245の下方に配設された第1排版部248は、上排版ローラー270、下排版ローラー271、排版ボックス272等から主に構成されている。上排版ローラー270は図示しない駆動手段により図18において反時計回り方向に回転駆動され、下排版ローラー271は図示しない駆動手段により図18において時計回り方向に回転駆動されると共に、図示しない移動手段によって、図18に示す位置と外周面が後述する版胴276の外周面に当接する位置とに選択的に移動される。排版ボックス272は筐体に対して着脱自在である。
【0160】
第2製版部247の下方に配設された第2排版部249は、第1排版部248と同様に、上排版ローラー273、下排版ローラー274、排版ボックス275等から主に構成されている。
【0161】
上排版ローラー273及び下排版ローラー274は、上排版ローラー270及び下排版ローラー271と同様に図示しない駆動手段によってそれぞれ回転駆動される。また、下排版ローラー274は図示しない移動手段によって、図18に示す位置と外周面が後述する版胴285の外周面に当接する位置とに選択的に移動される。排版ボックス275は筐体に対して着脱自在に設けられている。
【0162】
第1排版部248の左方には第1印刷部250が配設されている。第1印刷部250は第1の版胴としての版胴276、第1の押圧手段としてのプレスローラー277等から主に構成されている。
【0163】
版胴276は、インキ供給パイプを兼ねた支軸278を中心に回転自在に設けられており、その外周面には多孔性支持板、メッシュスクリーン、ステージ部279及びクランパー280が、また内部にはインキ供給手段281が設けられている。
【0164】
インキ供給手段281はインキローラー282、ドクターローラー283、インキ供給パイプ284等から主に構成されている。インキローラー282は図示しない駆動手段によって版胴276と同方向に回転駆動される。ドクターローラー283は図示しない駆動手段によってインキローラー282と逆方向に回転駆動される。インキ供給パイプ284を通って供給されたインキは、インキローラー282の外周面とドクターローラー283の外周面との近接部において、楔状のインキ溜まり283aを形成する。
【0165】
版胴276の上方にはプレスローラー277が配設されている。支軸277aに回転自在に支持されたプレスローラー277は、図示しない揺動手段によって揺動され、その外周面を版胴276の外周面より離間した図の実線位置と、版胴276の外周面に圧接した図の二点鎖線位置とに選択的に位置決めされる。
【0166】
第2排版部249の右方には第2印刷部251が配設されている。第2印刷部251は第2の版胴としての版胴285、第2の押圧手段としてのプレスローラー286等から主に構成されている。
【0167】
版胴285も版胴276と同様にインキ供給パイプを兼ねた支軸287を中心に回転自在に設けられており、その外周面上にステージ部288及びクランパー289を、内部にインキ供給手段290を有している。
【0168】
インキ供給手段290はインキ供給手段281と同様に、版胴285と同方向に回転駆動されるインキローラー291、インキローラー291とは逆方向に回転駆動されるドクターローラー292等から主に構成されており、支軸287を通って供給されたインキは、インキローラー291の外周面とドクターローラー292の外周面との近接部において、楔状のインキ溜まり292aを形成する。
【0169】
版胴285の下方には、支軸286aに回転自在に支持されたプレスローラー286が配設されている。プレスローラー286は図示しない揺動手段によって揺動され、その外周面を版胴285の外周面より離間した図の実線位置と、版胴285の外周面に圧接した図の二点鎖線位置とに選択的に位置決めされる。
【0170】
第1印刷部250と第2印刷部251との間には用紙搬送部252が配設されている。用紙搬送部252は、背面搬送部材293、剥離爪294、送風ファン295、用紙検知センサー296、ガイド板297,298等から主に構成されている。
【0171】
背面搬送部材293は、駆動ローラー299、従動ローラー300、無端ベルト301、吸引ファン302から構成され、吸引ファン302の吸引力によって無端ベルト301に印刷面が下向きとなるように印刷用紙Pを背面吸着しつつ、駆動ローラー299の回転によって図18の矢印方向に搬送する。支軸294aに回動自在に支持された剥離爪294は、その先端を版胴276の外周面に対して進退自在に設けられている。送風ファン295は、剥離爪294の先端近傍に向けて送風を行うように配置されており、剥離爪294による版胴276の外周面からの印刷用紙Pの剥離を補助すると共に、その送風によって版胴276より印刷用紙Pに転写されたインキの乾燥を促す。背面搬送部材293によって搬送された印刷用紙Pの先端を検知する用紙検知センサー296からの信号は、制御部255に入力される。
【0172】
第2排版部249の下方には排紙部253が配設されている。排紙部253は剥離爪303、ガイド板304、排紙搬送部材305、排紙トレイ306等から主に構成されている。支軸303aに回動自在に支持された剥離爪303は、その先端を版胴285の外周面に対して進退自在に設けられている。駆動ローラー307、従動ローラー308、無端ベルト309、吸引ファン310から構成される排紙搬送部材305は、吸引ファン310の吸引力によって無端ベルト309上に印刷用紙Pを吸引しつつ、駆動ローラー307の回転によって図18の矢印方向に搬送する。
【0173】
第1排版部248の下方にはシート搬送部254が配設されている。シート搬送部254は、シート搬送部167と同様に、マスキングシート311をロール状に巻成してなるシートロール312、マスキングシート311を搬送するシート搬送手段としてのシート搬送ローラー対313,314、マスキングシート311を切断するシート切断手段315、シートガイド板316等から主に構成されている。
【0174】
マスキングシート168と同様のマスキングシート311をロール状に巻成してなるシートロール312は、その芯部312aを図示しない支持部材に回転自在に支持されている。シート搬送ローラー対313,314は、図示しないステッピングモーターによって回転駆動される。シート切断手段315は、可動刃315aが固定刃315bに対して回転移動あるいは上下動する。図示しない筐体側板に固着されたシートガイド板316は、シート搬送ローラー対314から送られてくるマスキングシート311を版胴276へ向けて案内する。
【0175】
筐体の上部前面には、孔版印刷装置1と同様の操作パネル153が配設され、筐体の左辺下部には制御部255が、その左方には各版胴276,285を回転駆動する版胴駆動手段317が配設されている。制御部255は、CPU、ROM、RAM等を有する周知のマイクロコンピューターより主に構成されており、孔版印刷装置244の動作を制御する。版胴駆動手段317は、版胴駆動手段81と同様に、正逆転可能で互いに逆方向に回転駆動される2個のモーターから主に構成されており、各版胴276,285を互いに同期させて逆方向に回転駆動する。
【0176】
上述の構成に基づいて、以下に孔版印刷装置244の動作を説明する。
先ず、印刷モード切換キー174が押されて両面印刷モードが選択された場合を説明する。オペレーターは、2枚の原稿を図示しない原稿受け台にセットし、印刷モード表示手段175が「両面」で点灯しているのを確認し、所望する印刷物に合わせて拡大縮小キー160あるいは連写キー162等を押した後、製版スタートキー154を押す。
【0177】
製版スタートキー154が押されると、版胴駆動手段317が作動して版胴276が図18において時計回り方向に回転すると共に、図示しない移動手段が作動して下排版ローラー271が移動し、版胴276の外周面に巻装されている使用済みマスタが剥離廃棄される。
【0178】
版胴276の回転と同時に版胴285が図18において反時計回り方向に回転すると共に、図示しない移動手段が作動して下排版ローラー274が移動し、版胴285の外周面に巻装されている使用済みマスタが剥離廃棄される。
【0179】
その後、各版胴276,285が、クランパー280,289がマスタガイド板263,269近傍に位置する給版待機位置まで回転して停止し、排版動作が完了する。
【0180】
図示しない画像読取部では1枚目の原稿の読取動作が行われ、これに並行して第1製版部246では製版動作が行われる。排版動作完了後、プラテンローラー261が回転を開始し、マスタロール259からマスタ258が引き出される。引き出されたマスタ258はサーマルヘッド260を通過する際に穿孔製版される。
【0181】
そして、プラテンローラー261を回転駆動する図示しないステッピングモーターのステップ数より、マスタ258の先端がステージ部279とクランパー280との間の所定位置まで到達したと制御部255が判断すると、図示しない開閉手段に動作信号が送られてクランパー280が回動し、マスタ258の先端が挟持される。
【0182】
その後、版胴276がマスタ258の搬送速度と同じ周速度で図18の反時計回り方向に回転し、マスタ258の版胴276への巻装動作が行われる。そして、図示しないステッピングモーターのステップ数より、1版分の製版が完了したと制御部255が判断すると、プラテンローラー261の回転が停止すると共に切断手段262が作動してマスタ258が切断される。切断されたマスタ258は版胴276の回転動作によって引き出され、版胴276が再びホームポジションに到達すると制御部255からの指令によって版胴駆動手段317が停止して、版胴276が位置決めされる。
【0183】
版胴276の位置決め後、2枚目の原稿が先の原稿と同様に読み取られた後、図示しない原稿トレイに排出される。この実施例においても、孔版印刷装置1と同様に、1枚の原稿の両面から画像を読み取る構成を採用してもよい。
【0184】
2枚目の原稿読取動作に並行して、第2製版部247では上述と同様に製版動作が行われる。製版されたマスタ264は版胴285へと送られ、プラテンローラー267を回転駆動する図示しないステッピングモーターのステップ数より、マスタ264の先端がステージ部288とクランパー289との間の所定位置まで到達したと制御部255が判断すると、図示しない開閉手段に動作信号が送られてクランパー289が回動し、マスタ264の先端が挟持される。
【0185】
その後、版胴285がマスタ264の搬送速度と同じ周速度で図18の時計回り方向に回転し、マスタ264の版胴285への巻装動作が行われる。そして、図示しないステッピングモーターのステップ数より1版分の製版が完了したと制御部255が判断すると、プラテンローラー267の回転が停止すると共に切断手段268が作動してマスタ264が切断される。切断されたマスタ264は版胴285の回転動作によって引き出され、版胴285が再びホームポジションに到達すると制御部255からの指令によって版胴駆動手段317が停止して、版胴285が位置決めされる。
【0186】
各版胴276,285への給版動作が完了すると同時に、図示しない給紙トレイから1枚の印刷用紙Pが給送され、その先端をレジストローラー対256にくわえ込まれる。そして、レジストローラー対256が回転することにより、印刷用紙Pが版胴276とプレスローラー277との間に向けて給送される。
【0187】
レジストローラー対256より給送された印刷用紙Pの先端が用紙検知センサー257に検知されると、この検知信号が制御部255に送られる。信号を受けた制御部255は、プレスローラー277を揺動させる図示しない揺動手段に動作信号を出力し、プレスローラー277が所定のタイミングで図18の二点鎖線位置に位置決めされる。これにより、印刷用紙Pの下面に版胴276からの画像が転写される。
【0188】
下面に画像を転写された印刷用紙Pは、剥離爪294及び送風ファン295によって版胴276の外周面より剥離されつつ、版胴276の回転力によって背面搬送部材293に向けて搬送される。このとき、送風ファン295の送風によって、下面に転写されたインキの乾燥が助長される。
【0189】
背面搬送部材293に送られた印刷用紙Pは、画像を転写されていない上面を吸引ファン302の吸引力によって無端ベルト301に引き付けられつつ、ガイド板297とガイド板298との間を通って版胴285とプレスローラー286との間に向けて搬送される。
【0190】
背面搬送部材293によって搬送された印刷用紙Pの先端が用紙検知センサー296に検知されると、この検知信号が制御部255に送られる。信号を受けた制御部255は、プレスローラー286を揺動させる図示しない揺動手段に動作信号を出力し、プレスローラー286が所定のタイミングで図18の二点鎖線位置に位置決めされる。これにより、印刷用紙Pの上面に版胴285からの画像が転写される。
【0191】
両面に画像を転写された印刷用紙Pは、剥離爪303によって版胴285の外周面より剥離されつつ、ガイド板304に案内されて排紙搬送部材305へと搬送され、排紙トレイ306上に排出される。
【0192】
その後、各版胴276,285がホームポジションまで回転して停止し、版付動作が完了する。版付動作が完了して孔版印刷装置244が印刷待機状態となった後、オペレーターによって試し刷りキー156が押されると、1枚の印刷用紙がレジストローラー対256にその先端をくわえ込まれて給送され、版付動作時と同様に制御部255から指令が送られて版胴駆動手段317及び各プレスローラー277,286の揺動手段が作動し、印刷用紙Pの両面に印刷画像が転写される。画像を転写された印刷用紙Pが排紙トレイ306に排出された後に各版胴276,285がホームポジションに復帰し、試し刷りが完了する。
【0193】
この試し刷りによって印刷画像の濃度や位置を確認し、これらを操作パネル153上の各種キーで調整して再度試し刷りを行った後、上述の各実施例と同様に印刷スタートキー155が押されることにより印刷動作が行われる。
【0194】
次に、片面印刷モードが選択された場合を説明する。
オペレーターは、1枚の原稿を図示しない原稿受け台にセットし、印刷モード切換キー174を押して印刷モード表示手段175が「片面」で点灯しているのを確認し、所望する印刷物に合わせて拡大縮小キー160あるいは連写キー162等を押した後、製版スタートキー154を押す。
【0195】
製版スタートキー154が押されると、両面印刷時と同様に、各版胴276,285の外周面上から使用済みマスタを剥離廃棄する排版動作が行われる。また、図示しない画像読取部では原稿画像の読取動作が行われる。外周面上より使用済みマスタが剥離された後、版胴276,285はそれぞれ給版待機位置まで回転して停止し、排版動作が完了する。この給版待機位置は、版胴285では両面印刷時と同様にクランパー289がマスタガイド板269と対応する位置であるが、版胴276ではクランパー280がシートガイド板316と対応する位置となるように設定されている。
【0196】
原稿読取動作に並行して、第2製版部247では両面印刷時と同様に製版動作が行われ、製版されたマスタ264が版胴285の外周面上に巻装されるが、第1製版部246では製版動作、搬送動作は行われない。これに代わり、シート搬送部254において、マスキングシート311の搬送動作が行われる。
【0197】
版胴276の位置決め後、シート搬送部254においてシート搬送ローラー対313,314がそれぞれ回転を開始し、シートロール312よりマスキングシート311が引き出される。引き出されたマスキングシート311は、シートガイド板316に案内されてステージ部279とクランパー280との間に送られ、制御部255から図示しない開閉手段に動作信号が送られることで版胴276の外周面上に挟持される。
【0198】
その後、版胴276がマスキングシート311の搬送速度と同じ周速度で図18の反時計回り方向に回転し、マスキングシート311の版胴276への巻装動作が行われる。そして、シート搬送ローラー対313を回転駆動する図示しないステッピングモーターのステップ数より、1版分の搬送が完了したと制御部255が判断すると、シート搬送ローラー対313,314の回転が停止すると共に可動刃315aが回転移動し、マスキングシート311が切断される。切断されたマスキングシート311は版胴276の回転によって引き出され、版胴276が再びホームポジションに到達すると制御部255からの指令によって版胴駆動手段317が停止し、版胴276が位置決めされる。
【0199】
各版胴276,285への給版動作完了後、給紙部245から1枚の印刷用紙Pが給送されると共に各版胴276,285が低速で回転を開始する。印刷用紙Pはレジストローラー対256により版胴276とプレスローラー277との間に向けて給送される。
【0200】
そして、印刷用紙Pの先端が用紙検知センサー257に検知されることでプレスローラー277が揺動し、版胴276とプレスローラー277とが印刷用紙Pを介して圧接されるが、版胴276からのインキはマスキングシート311に阻まれて印刷用紙Pには転写されない。
【0201】
印刷用紙Pは未印刷の状態で背面搬送部材293に送られ、無端ベルト301にその上面を吸引されつつ、ガイド板297,298に案内されて版胴285とプレスローラー286との間に向けて搬送される。
【0202】
そして、印刷用紙Pの先端が用紙検知センサー296に検知されることでプレスローラー286が揺動し、版胴285とプレスローラー286とが印刷用紙Pを介して圧接し、印刷用紙Pの上面にマスタ264に製版された画像が転写される。上面側に印刷画像が転写された印刷用紙Pは、剥離爪303によって版胴285の外周面より剥離され、排紙搬送部材305によって搬送されて排紙トレイ306上に排出される。
【0203】
その後、各版胴276,285がホームポジションまで回転して停止し、版付動作が完了する。版付動作完了後、試し刷りキー156が押されることにより上述と同様に試し刷りが行われ、さらにその後、印刷スタートキー155が押されることにより印刷動作が行われる。
【0204】
この第3の実施例では、第1の版胴である版胴276側にシート搬送部254を設け、片面印刷時に版胴276にマスキングシート311を巻装させるように構成したが、第2の版胴である版胴285側にシート搬送部254を設け、片面印刷時に版胴285にマスキングシート311を巻装させる構成としてもよい。
【0205】
【発明の効果】
本発明によれば、マスキングシートを搬送するシート搬送手段を有するので、1版分のマスタを未製版で消費することなく片面印刷を行うことができ、片面印刷時におけるランニングコストを低減することができる。
【0206】
また、マスキングシートとして各版胴に巻装されるマスタよりも耐久性の高い材質で構成されたものを用いることにより、印刷用のマスタを用いた場合に比較してマスキングシートが破損することなく大量の片面印刷を行うことができ、例えば印刷用のマスタを交換して版替えを行った後に連続して片面印刷を行う場合であってもマスキングシート交換する必要がなく、片面印刷時におけるランニングコストをより一層低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を採用した孔版印刷装置の概略側面図である。
【図2】本発明の第1の実施例に用いられる版胴を示す斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施例に用いられるフランジの正面図である。
【図4】本発明の第1の実施例に用いられるフランジの側面図である。
【図5】本発明の第1の実施例における非印刷時の印刷部要部を示す部分側断面図である。
【図6】本発明の第1の実施例に用いられる版胴を示す斜視図である。
【図7】本発明の第1の実施例における非印刷時の印刷部要部を示す側面図である。
【図8】本発明の第1の実施例に用いられる第1支持部材を示す斜視図である。
【図9】本発明の第1の実施例に用いられるベースを示す斜視図である。
【図10】本発明の第1の実施例に用いられるストッパーを示す斜視図である。
【図11】本発明の第1の実施例に用いられるインキ供給パイプを示す斜視図である。
【図12】本発明の第1の実施例に用いられるインキ供給パイプを示す斜視図である。
【図13】本発明の第1の実施例に用いられる版胴駆動手段を説明する図である。
【図14】本発明の第1ないし第3の実施例に用いられる操作パネルを示す図である。
【図15】本発明の第1の実施例における印刷時の印刷部要部を示す側面図である。
【図16】本発明の第2の実施例を採用した孔版印刷装置の概略側面図である。
【図17】本発明の第2の実施例に用いられる接離手段を説明する図である。
【図18】本発明の第3の実施例を採用した孔版印刷装置の概略側面図である。
【符号の説明】
1,176,244 孔版印刷装置
33,40,193,258,264 マスタ
79,213,276 第1の版胴
80,214,285 第2の版胴
83 第1のマスタ支持板(多孔性支持板)
84 第1のインキ供給手段
95 第1のインキローラー
106 第2のマスタ支持板(多孔性支持板)
107 第2のインキ供給手段
117 第2のインキローラー
168,238,311 マスキングシート
170,171,240,241,313,314 シート搬送手段(シート搬送ローラー対)
216 接離手段
277 第1の押圧手段(プレスローラー)
286 第2の押圧手段(プレスローラー)
P 印刷用紙

Claims (4)

  1. 用紙搬送路を搬送される印刷用紙の第1の面と対応する位置に配置され、外周面にマスタが巻装される第1の版胴と、
    前記印刷用紙の第2の面と対応する位置に配置され、外周面にマスタが巻装される第2の版胴とを具備し、
    前記印刷用紙の片面あるいは両面に印刷を行う孔版印刷装置において、
    片面印刷専用のマスキングシートを搬送するシート搬送手段を有し、
    片面印刷時に、前記各版胴の何れか一方に前記マスキングシートを巻装することを特徴とする孔版印刷装置。
  2. 外周面にマスタが巻装される第1の版胴と、
    外周面にマスタが巻装される、用紙搬送路を介して第1の版胴と対向配置された第2の版胴と、
    第1の版胴の外周面と第2の版胴の外周面とを互いに接離させる接離手段とを具備し、
    前記用紙搬送路を搬送される印刷用紙の片面あるいは両面に印刷を行う孔版印刷装置において、
    片面印刷専用のマスキングシートを搬送するシート搬送手段を有し、
    片面印刷時に、前記各版胴の何れか一方に前記マスキングシートを巻装することを特徴とする孔版印刷装置。
  3. 可撓性を有する第1のマスタ支持板を具備する第1の版胴と、
    可撓性を有する第2のマスタ支持板を具備し、第1の版胴にその周面を近接させて配設された第2の版胴と、
    第1の版胴の内部に設けられた、第1のマスタ支持板の内周面に圧接して回転可能な第1のインキローラーを有する第1のインキ供給手段と、
    第2の版胴の内部に設けられた、第2のマスタ支持板の内周面に圧接して回転可能な第2のインキローラーを有する第2のインキ供給手段とを具備し、
    第1または第2のインキローラーは、第1または第2のインキ供給手段に、第1及び第2のマスタ支持板を互いに接触させない待機位置と、第1または第2のマスタ支持板を膨出させ第1及び第2のマスタ支持板を互いに圧接させる作動位置とに選択的に移動自在に支持され、
    第1の版胴と第2の版胴との間に印刷用紙が通紙された印刷時において、前記少なくとも一方のインキローラーを前記待機位置より前記作動位置へと移動させ、第1または第2のマスタ支持板を膨出させることにより、第1及び第2のマスタ支持板を前記印刷用紙を介して互いに圧接させることで前記印刷用紙の両面あるいは片面に印刷を行う孔版印刷装置であって、
    片面印刷専用のマスキングシートを搬送するシート搬送手段を有し、
    片面印刷時に、前記各版胴の何れか一方に前記マスキングシートを巻装することを特徴とする孔版印刷装置。
  4. 外周面にマスタが巻装され、用紙搬送路を搬送される印刷用紙の第1の面と対応する位置に配設された第1の版胴と、
    前記用紙搬送路を介して第1の版胴と対向配置され、第1の版胴の外周面に対して接離自在に設けられた第1の押圧手段と、
    外周面にマスタが巻装され、第1の版胴より用紙搬送方向下流側であって前記印刷用紙の第2の面と対応する位置に配設された第2の版胴と、
    前記用紙搬送路を介して第2の版胴と対向配置され、第2の版胴の外周面に対して接離自在に設けられた第2の押圧手段とを具備し、
    前記印刷用紙の片面あるいは両面に印刷を行う孔版印刷装置において、
    片面印刷専用のマスキングシートを搬送するシート搬送手段を有し、
    片面印刷時に、前記各版胴の何れか一方に前記マスキングシートを巻装することを特徴とする孔版印刷装置。
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