JPH10138626A - 孔版印刷装置 - Google Patents

孔版印刷装置

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JPH10138626A
JPH10138626A JP29406396A JP29406396A JPH10138626A JP H10138626 A JPH10138626 A JP H10138626A JP 29406396 A JP29406396 A JP 29406396A JP 29406396 A JP29406396 A JP 29406396A JP H10138626 A JPH10138626 A JP H10138626A
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JP
Japan
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paper
printing
plate
printing paper
plate cylinder
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Application number
JP29406396A
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English (en)
Inventor
Yoshihiko Kudo
芳彦 工藤
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Tohoku Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Tohoku Ricoh Co Ltd
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Publication date
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  • Separation, Sorting, Adjustment, Or Bending Of Sheets To Be Conveyed (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 印刷面の汚れを抑えつつ印刷用紙を確実に剥
離、搬送することができる1工程両面印刷が可能な孔版
印刷装置の提供を目的とする。 【解決手段】 マスタ33を挟持するクランパー90を
外周面に有する回転自在な第1の版胴79と、マスタ4
0を挟持するクランパー114を外周面に有する回転自
在な第2の版胴80と、各版胴79,80の外周面を互
いに接離させる接離手段91,108と、各版胴79,
80の外周面に、各版胴79,80の当接開始位置の前
後にわたり印刷用紙Pの先端部を挟持する用紙剥離部材
167,168とを具備する孔版印刷装置1。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、穿孔製版されたマ
スタから滲出したインキを印刷用紙に転移させて印刷画
像を得る孔版印刷装置に関し、詳しくは1工程両面印刷
を行うことが可能な孔版印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】多孔性の支持円筒体に樹脂あるいは金属
網体のメッシュスクリーンを複数層巻装した構成の回転
自在な版胴と、熱可塑性樹脂フィルム(厚み1〜3μm
程度のものが一般的である)に和紙繊維または合成繊維
あるいは和紙繊維と合成繊維とを混抄したものからなる
多孔性支持体を貼り合わせたラミネート構造のマスタと
を用い、マスタの熱可塑性樹脂フィルム面をサーマルヘ
ッドで加熱穿孔製版した後に版胴に巻装し、版胴内部に
設けられたインキ供給手段より版胴の内周面にインキを
供給して、プレスローラー等の押圧手段で印刷用紙を版
胴に押圧することにより、版胴開孔部、マスタ穿孔部よ
り滲出したインキを印刷用紙に転移させて印刷を行うデ
ジタル式感熱孔版印刷がよく知られている。
【0003】この孔版印刷においては、近年、印刷用紙
の節約あるいはファイルの増大防止等の理由により、印
刷用紙の両面に印刷を行う両面印刷が増加する傾向にあ
る。この両面印刷を通常の印刷装置を用いて行う場合に
は、給紙部に積載した印刷用紙を印刷部に給送し、一面
に印刷を行った後に印刷用紙を裏返して再度印刷部に給
送し、他面に印刷を行うことで両面印刷物が得られるわ
けであるが、一度排紙された印刷用紙を再度給紙部にセ
ットしたり、片面印刷後の印刷用紙を揃える等の作業が
面倒であるという問題点があった。
【0004】また、印刷終了後の印刷物はインキが十分
に乾燥しておらず、すぐに裏面に印刷を行おうとすると
搬送ローラーやプレスローラー等が画像部に押し付けら
れて印刷画像が汚れたり乱れたりするため、大抵の場
合、数時間以上経過してから裏面への印刷を行い、特に
ベタ画像部がある場合には長時間の乾燥が必要で、翌日
になってから裏面への印刷が行われていた。
【0005】このように両面印刷においては、印刷用紙
の裏面に印刷を行うまでに長時間印刷用紙を乾燥させね
ばならず、しかも2回の印刷動作を行うので、正味の印
刷時間においても片面印刷に比して2倍の時間を要し、
時間がかかりすぎるという問題点があった。
【0006】そこで、一対の版胴を対向させて配設し、
各版胴同士を互いに圧接させることにより、1工程で印
刷用紙の両面に印刷画像を形成することが可能な孔版印
刷装置が、例えば特開平6−71996号公報、特開平
6−135111号公報に開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述の孔版印刷装置で
は、両面に印刷画像を転写された印刷用紙が、各版胴の
後方にそれぞれ配置された剥離爪によって版胴外周面よ
り剥離され、ガイド板等を通って用紙搬送ベルト及びこ
の用紙搬送ベルトに印刷用紙を吸引する吸引ファン等か
らなる排紙搬送装置によって排紙トレイに排出される構
成となっている。
【0008】印刷用紙は、版胴外周面より剥離される際
に必ず上または下の剥離爪に接触しながら剥離されるた
め、剥離爪に接触した側の面には筋状の接触痕が付着し
てしまい、また、ガイド板等を通過する際にも、ガイド
板に印刷面が接触することによって印刷面が汚れてしま
う。
【0009】また、剥離爪は版胴との間に僅かな隙間を
設けて配設されているため、印刷用紙のベタ画像部等、
高濃度の画像部の配置によっては印刷用紙を版胴から剥
離しきれず、版胴と剥離爪との隙間に印刷用紙が入り込
んでしまい、印刷用紙の巻き上がり、巻き下がりといっ
た不具合を生じる場合がある。
【0010】また、従来の用紙搬送ベルト及び吸引ファ
ン等からなる排紙搬送装置においては、印刷用紙の移動
速度、すなわち版胴の周速度よりも僅かに速い速度で搬
送ベルトを回転移動させながら、同時に吸引ファンによ
って搬送ベルトに用紙を吸引し、用紙に弛みが発生しな
いように搬送しているため、結果的に搬送ベルトに接触
する印刷面が搬送ベルトによって擦られ、印刷面に擦れ
汚れが発生してしまうという問題点がある。
【0011】本発明は、上記問題点を解決し、印刷面の
汚れを抑えつつ印刷用紙を確実に剥離、搬送することが
できる1工程両面印刷が可能な孔版印刷装置の提供を目
的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
マスタを挟持するクランパーを外周面に有する回転自在
な第1の版胴と、第1の版胴と所定の間隔をもって配置
され、マスタを挟持するクランパーを外周面に有する回
転自在な第2の版胴と、前記各版胴の外周面を互いに接
離させる接離手段とを具備する1工程両面印刷が可能な
孔版印刷装置において、前記各版胴の外周面に、前記各
版胴の当接開始位置の前後にわたり、印刷用紙の先端部
を挟持する用紙剥離部材を設けたことを特徴とする。
【0013】請求項2記載の発明は、マスタを挟持する
クランパーを外周面に有する回転自在な第1の版胴と、
第1の版胴と所定の間隔をもって配置され、マスタを挟
持するクランパーを外周面に有する回転自在な第2の版
胴と、前記各版胴の外周面を互いに接離させる接離手段
とを具備し、印刷用紙の両面の少なくとも先端及び両側
端に余白部を残しつつ、該印刷用紙の両面に1工程で印
刷画像を転写可能な孔版印刷装置において、前記各版胴
の外周面に、前記各版胴の当接開始位置の前後にわた
り、前記印刷用紙の先端の前記余白部を挟持する用紙剥
離部材を設けたことを特徴とする。
【0014】請求項3記載の発明は、請求項1記載の孔
版印刷装置において、さらに、前記当接開始位置の後方
において、前記印刷用紙の両側端部と当接しつつ前記印
刷用紙を搬送する回転自在な排紙ローラー対を少なくと
も1対有する排紙搬送手段を具備することを特徴とす
る。
【0015】請求項4記載の発明は、請求項3記載の孔
版印刷装置において、さらに、前記排紙ローラー対のう
ちの少なくとも1対は、その回転軸線が、前記印刷用紙
に対して両側方への偏倚力を付与する向きに、前記印刷
用紙の搬送方向と直交する方向に対して傾斜して配設さ
れていることを特徴とする。
【0016】請求項5記載の発明は、請求項2記載の孔
版印刷装置において、さらに、前記当接開始位置の後方
において、前記印刷用紙の両側端の前記余白部と当接し
つつ前記印刷用紙を搬送する回転自在な排紙ローラー対
を少なくとも1つ有する排紙搬送手段を具備することを
特徴とする。
【0017】請求項6記載の発明は、請求項5記載の孔
版印刷装置において、さらに、前記排紙ローラー対のう
ちの少なくとも一対は、その回転軸線が、前記印刷用紙
に対して両側方への偏倚力を付与する向きに、前記印刷
用紙の搬送方向と直交する方向に対して傾斜して配設さ
れていることを特徴とする。
【0018】請求項7記載の発明は、請求項4または請
求項6記載の孔版印刷装置において、さらに、前記傾斜
の角度が45度以下であることを特徴とする。
【0019】請求項8記載の発明は、請求項3ないし請
求項7のうちの何れか1つに記載の孔版印刷装置におい
て、さらに、前記排紙ローラー対の、各排紙ローラー間
の間隔を前記印刷用紙の幅に応じて変化させる排紙ロー
ラー移動手段を有することを特徴とする。
【0020】請求項9記載の発明は、請求項1ないし請
求項8のうちの何れか1つに記載の孔版印刷装置におい
て、さらに、前記各用紙剥離部材が可撓性を有する薄板
であることを特徴とする。
【0021】請求項10記載の発明は、請求項1ないし
請求項9のうちの何れか1つに記載の孔版印刷装置にお
いて、さらに、前記各用紙剥離部材が前記印刷用紙を挟
持する円弧状の挟持部をそれぞれ有することを特徴とす
る。
【0022】
【実施例】図1は、本発明の一実施例に用いられる孔版
印刷装置1の概略側面図を示している。同図において、
孔版印刷装置1は、画像読取部2、給紙部3、第1製版
部4、第2製版部5、第1排版部6、第2排版部7、排
紙部8、印刷部9、制御部10から主に構成されてい
る。
【0023】筐体23の上部には画像読取部2が配設さ
れている。画像読取部2は、原稿を載置するコンタクト
ガラス11、原稿を搬送する原稿搬送ローラー対12及
び原稿搬送ローラー13、搬送される原稿をガイドする
ガイド板14,15、原稿をコンタクトガラス11に沿
って搬送する原稿搬送ベルト16、読み取られた原稿の
排出方向を切り換える切換板17、原稿画像を走査して
読み取るための反射ミラー18,19及び蛍光灯20、
走査された画像を集束するレンズ21、集束された画像
を処理するCCD等の画像センサー22等から主に構成
されている。
【0024】筐体23の右辺中段には給紙部3が配設さ
れている。給紙部3は、印刷用紙Pの幅に合わせて移動
可能な一対のサイドガイド76を有する給紙トレイ2
4、印刷用紙Pを1枚ずつ給送する給紙コロ25及び分
離コロ26,27、給送される印刷用紙Pをガイドする
ガイド板28,29、給送された印刷用紙Pの先端をく
わえ込んでタイミングを取った後に給送するレジストロ
ーラー対30、レジストローラー対30によって給送さ
れる印刷用紙Pをガイドするガイド板31,32等から
主に構成されている。サイドガイド76には、その位置
より印刷用紙Pのサイズを検出する図示しないセンサー
が設けられており、このセンサーからの出力信号は、後
述する制御手段169に入力される。
【0025】給紙部3の上方には第1製版部4が配設さ
れている。第1製版部4は、マスタ33をロール状に巻
成してなるマスタロール34、マスタ33を加熱穿孔製
版するサーマルヘッド35、マスタ33をサーマルヘッ
ド35に押圧しつつ搬送するプラテンローラー36、マ
スタ33を切断する切断手段37、マスタ33を搬送す
るマスタ搬送ローラー対38,39等から主に構成され
ている。
【0026】マスタロール34は、その芯部34aを図
示しない支持部材に回転自在に支持されている。プラテ
ンローラー36は、図示しないステッピングモーターに
よって回転駆動される。切断手段37は、可動刃37a
が固定刃37bに対して回転移動あるいは上下動する。
サーマルヘッド35は、マスタ33を製版する際に、製
版された画像が印刷用紙Pに転写されたとき、少なくと
も印刷用紙Pの用紙搬送方向先端部と両側端部とに余白
が形成されるように、後述する制御手段169によって
その作動が制御される。
【0027】筐体23の左辺中段には第2製版部5が配
設されている。第2製版部5は、第1製版部4と同様
に、マスタ40をロール状に巻成してなり、芯部41a
を図示しない支持部材に回転自在に支持されたマスタロ
ール41、サーマルヘッド42、図示しないステッピン
グモーターによって回転駆動されるプラテンローラー4
3、可動刃44aと固定刃44bとからなる切断手段4
4、マスタ搬送ローラー対45,46等から主に構成さ
れている。サーマルヘッド42も、サーマルヘッド35
と同様に、マスタ40を製版する際に、製版された画像
が印刷用紙Pに転写されたとき、少なくとも印刷用紙P
の用紙搬送方向先端部と両側端部とに余白が形成される
ように、後述する制御手段169によってその作動が制
御される。
【0028】第2製版部5の上方には第1排版部6が配
設されている。第1排版部6は、上排版部材47、下排
版部材48、排版ボックス49、圧縮板50等から主に
構成されている。
【0029】上排版部材47は、駆動ローラー51、従
動ローラー52、無端ベルト53から構成され、駆動ロ
ーラー51が図1において時計回り方向に回転すること
により無端ベルト53が図の矢印方向に移動する。下排
版部材48も上排版部材47と同様に駆動ローラー5
4、従動ローラー55、無端ベルト56から構成されて
おり、駆動ローラー54が図1において反時計回り方向
に回転することにより無端ベルト56が図の矢印方向に
移動する。また、下排版部材48は図示しない移動手段
によって移動自在に設けられており、図1に示す位置と
駆動ローラー54の外周面が後述する版胴79の外周面
に当接する位置とに選択的に位置決めされる。印刷済み
マスタを貯容する排版ボックス49は、筐体23に対し
て着脱自在に設けられている。排版ボックス49の内部
に印刷済みマスタを押し込む圧縮板50は、図示しない
昇降手段によって上下動自在に支持されている。
【0030】第2製版部5の右下方には第2排版部7が
配設されている。第2排版部7は、第1排版部6と同様
に、上排版部材57、下排版部材58、排版ボックス5
9、圧縮板60等から主に構成されている。
【0031】上排版部材57及び下排版部材58は、上
排版部材47及び下排版部材48と同様に、駆動ローラ
ー61、従動ローラー62、無端ベルト63、並びに駆
動ローラー64、従動ローラー65、無端ベルト66か
らそれぞれ構成されており、各駆動ローラー61,64
の回転により各無端ベルト63,66が図の矢印方向に
移動する。また、下排版部材58は図示しない移動手段
によって移動自在に設けられており、図1に示す位置と
駆動ローラー64の外周面が後述する版胴80の外周面
に当接する位置とに選択的に位置決めされる。印刷済み
マスタを貯容する排版ボックス59は筐体23に対して
着脱自在であり、圧縮板60は図示しない昇降手段によ
って上下動される。
【0032】第2製版部5と第1排版部6との間には排
紙部8が配設されている。排紙部8は、排紙搬送手段6
7と排紙トレイ72とから主に構成されている。排紙搬
送手段67は、図2、図3に示すように、ベース68、
排紙ガイド板69,70、モーター71、排紙ローラー
73a,73b,74a,74b,75a,75b、排
紙ガイドスライドベース175,176、モーター17
2,173等から主に構成されている。
【0033】中央に穴部68aを有するベース68は、
図示しない取付部材によって筐体23の図示しない側板
に取り付けられており、その下面には、排紙ローラー移
動手段としてのモーター71を収納したケース174が
取り付けられている。
【0034】ベース68上には、排紙ガイド板69を支
持する略L字状の排紙ガイドスライドベース175と、
排紙ガイド板70を支持する略T字状の排紙ガイドスラ
イドベース176とが配設されている。各排紙ガイドス
ライドベース175,176は、排紙ガイド板69,7
0を支持する支持部175a,176aと、これと直交
する方向に延出した延出部175b,176bとを有し
ており、各延出部175b,176bには長穴175
c,176cが形成されている。各排紙ガイドスライド
ベース175,176はベース68上に植設された4本
のガイドピン177を各長穴175c,176cに2本
ずつ係合され、ベース68上をスライド自在に支持され
ている。また、各延出部175b,176bにはラック
175d,176dが互いに向き合うように形成されて
いる。各ラック175d,176dにはモーター71の
出力軸71aに固着されたピニオンギヤ178が噛合し
ており、モーター71が回転駆動されることにより各排
紙ガイドスライドベース175,176の排紙ガイド板
69,70を支持する部位が互いに接近・離間するよう
に構成されている。
【0035】排紙ガイド板69は、図4に示すように、
脚部69a,69bを有するコ字形状の板材から形成さ
れており、先端69cを斜め下方に折り曲げられ、一方
の脚部69bの一部を上方に向けて折り返されて複数の
ガイド部69dが形成されている。排紙ガイド板70も
排紙ガイド板69と同様に脚部70a,70b、先端7
0c、複数のガイド部70dを有しており、排紙ガイド
板69と対称の形状に形成されている。
【0036】排紙ガイド板69は、底面69eを複数の
ガイドブロック179上に載置されている。複数のガイ
ドブロック179は、図示しない付勢手段を介して排紙
ガイドスライドベース175に取り付けられている。排
紙ガイド板70も排紙ガイド板69と同様に、図示しな
い付勢手段を介して排紙ガイドスライドベース176に
取り付けられた図示しないガイドブロック上に底面70
eを載置されている。
【0037】排紙ガイド板69の上方には、ブラケット
180にそれぞれ回転自在に支持された排紙ローラー7
3a,74a,75aが、排紙ガイド板70の上方に
は、ブラケット181にそれぞれ回転自在に支持された
排紙ローラー75a,75b,75cがそれぞれ配設さ
れている。各ブラケット180,181は各排紙ガイド
スライドベース175,176に取り付けられている。
排紙ローラー73aと排紙ローラー73b、排紙ローラ
ー74aと排紙ローラー74b、排紙ローラー75aと
排紙ローラー75bとでそれぞれ排紙ローラー対が構成
されている。
【0038】各排紙ローラー73a,73b,74a,
74b,75a,75bは支軸73c,73d,74
c,74d,75c,75dでそれぞれ支持されてお
り、各排紙ローラーの同軸上にはプーリー73e,73
f,74e,74f,75e,75fがそれぞれ配設さ
れている。各支軸は、図3に示すように、各排紙ローラ
ーの回転軸線である中心軸線Xが、印刷用紙Pの搬送方
向と直交する方向の軸線Yに対して角度αだけ傾斜して
配設されている。傾斜の角度αは45度以下であれば何
度でもよい。
【0039】排紙ローラー75aの近傍には、モーター
172を支持し、排紙ガイドスライドベース175に取
り付けられたモーターブラケット182が、また、排紙
ローラー75bの近傍には、モーター173を支持し、
排紙ガイドスライドベース176に取り付けられたモー
ターブラケット183がそれぞれ配設されている。各モ
ーターブラケット182,183には、支軸184a,
185aの一端に固着されたギヤ184,185がそれ
ぞれ回転自在に支持されており、各ギヤ184,185
は、各モーター172,173の出力軸に固着されたピ
ニオンギヤ172a,173aと噛合している。各支軸
184a,185aの他端にはプーリー184b,18
5bがそれぞれ取り付けられている。プーリー184
b,75e間、プーリー75e,74e間、プーリー7
4e,73e間、プーリー185b,75f間、プーリ
ー75f,74f間、プーリー74f,73f間にはそ
れぞれ無端ベルト186が掛け渡されている。
【0040】上述の構成より、モーター71が作動する
と、各排紙ガイドスライドベース175,176、及び
これに取り付けられた各ブラケット180,181、各
モーターブラケット182,183が接近・離間する。
そして、各モーター172、173が作動すると、各排
紙ローラー73a,73b,74a,74b,75a,
75bが回転する。各モーター71,172,173の
作動は、後述する制御手段169によって制御される。
【0041】排紙搬送手段67によって搬送される印刷
用紙Pをその上面に積載する排紙トレイ72は、印刷用
紙Pの幅方向(印刷用紙Pの搬送方向と直交する方向)
に移動自在な一対のサイドフェンス77とエンドフェン
ス78とを有しており、折り畳むことによって筐体23
の内部に収納可能に構成されている。
【0042】筐体23の中央部には印刷部9が配設され
ている。印刷部9は、第1の版胴としての版胴79、第
2の版胴としての版胴80、版胴駆動手段81等から主
に構成されている。
【0043】版胴79は、インキ供給パイプを兼ねた支
軸82をその中心に有しており、その外周面に多孔性支
持板83を、また、内部にインキ供給手段84と接離手
段としてのインキローラー移動手段91とを有してい
る。
【0044】図5に示すように、支軸82の両端部寄り
には、左右対称の形状を呈するフランジ85,85が、
軸受を介して回転自在に取り付けられている。フランジ
85は、図6、図7に示すように、その周面の一部に平
面部85aを有しており、その円心部には支軸82の外
形よりも大きく形成された穴部85bが穿設されてい
る。また、フランジ85の内部には、フランジ85の外
形と相似形状のカム部85cが形成されている。
【0045】各フランジ85,85には、図8に示すよ
うに、各カム部85c,85cの内側に同形のギヤ8
7,142がそれぞれ取り付けられており、各フランジ
85,85は、各ギヤ87,142に取り付けられた軸
受88,88によって支軸82にそれぞれ回転自在に取
り付けられている。
【0046】各フランジ85,85は、各平面部85
a,85aが同一平面となるように支軸82に取り付け
られており、図5に示すように、各平面部85a,85
a上には、一端に曲げ部86bを有するステージ部86
がネジ止め等の方法によって取り付けられる。ステージ
部86上には、鈎型の爪部86a,86aが所定の間隔
をおいて2個固着されている。
【0047】各フランジ85,85の外周面上には、多
孔性支持板83が、その両側端部を当接させる形で巻装
されている。薄い金属板で構成され、表面に多数の穿孔
を有する多孔性支持板83は、その先端部の各爪部86
a,86aと対応する位置に穴部83a,83aを有し
ており、各穴部83a,83aを各爪部86a,86a
に引っかけ、後端部を各フランジ85,85の各周面と
曲げ部86bとの間に挟まれている。この構成により、
多孔性支持板83は、版胴79の内部より版胴79の半
径方向に応力を受けた場合に、その周面が容易にフラン
ジ85の周面から膨出することが可能となっている。
【0048】また、多孔性支持板83の外周面には、図
9に示すように、メッシュスクリーン89が巻装されて
いる。樹脂あるいは金属網体からなるメッシュスクリー
ン89の一端には、薄い板状の取付板89aが取り付け
られており、他端には薄い板状の可動板89bが取り付
けられている。取付板89aは、ネジ止め等によってス
テージ部86上に固定されており、可動板89bは、引
張バネ89c,89cを介してステージ部86上に移動
自在に取り付けられている。この構成により、メッシュ
スクリーン89は、多孔性支持板83と同様にフランジ
85の周面からの膨出が可能となっている。
【0049】ステージ部86上には、マスタ33の先端
を挟持するクランパー90が配設されている。ステージ
部86に基端を回動自在に支持されたクランパー90
は、その自由端部に図示しないマグネットを有してお
り、ステージ部86に対して磁着可能に設けられてい
る。このクランパー90は、版胴79が所定の位置に停
止したとき図示しない開閉手段によって開閉される。
【0050】クランパー90の上部には用紙剥離部材と
しての剥離板167が配設されている。樹脂や金属等の
可撓性を有する薄板からなる剥離板167は、その一端
に、版胴79の外周面に対して凸となる円弧状を呈した
挟持部167aを有しており、挟持部167aがクラン
パー90の自由端側となる向きに、他端側をクランパー
90の上面に固着されている。剥離板167は、挟持部
167aが、版胴79上に巻装される製版済みマスタ3
3の非画像領域であって、給紙部3より給送される印刷
用紙Pの先端余白部と対応する位置となるように位置決
めされている。
【0051】図8、図10に示すように、版胴79の内
部にはインキ供給手段84とインキローラー移動手段9
1とが配設されている。インキ供給手段84は、ベース
92,92、第1支持部材93、第2支持部材94、イ
ンキローラー95、ドクターローラー96等から主に構
成されており、インキローラー移動手段91は、支持板
97、ソレノイド98、ストッパー99等から主に構成
されている。
【0052】板材からなるベース92は、各フランジ8
5,85の内側に位置する支軸82上に、所定の間隔を
おいて2個配設され、2個の取付部材100,100に
よって支軸82にそれぞれ固定されている。
【0053】各ベース92,92間には、第1支持部材
93が配設されている。第1支持部材93は、図11に
示すように、穴93bを有する耳部93a,93aをそ
の両側端部に有しており、その中央部には、揺動軸10
2が挿通固定される穴93cが穿設されている。第1支
持部材93は、各穴93b,93b間に挿通される支持
軸101によって、各ベース92,92に回動自在に支
持されている。
【0054】また、ベース92と第1支持部材93との
間には、各端部をベース92と第1支持部材93とにそ
れぞれ固定された引張バネ104が張設されており、こ
の引張バネ104の付勢力によって第1支持部材93に
は、支持軸101を中心に、図10において反時計回り
方向の回動付勢力が付与されている。引張バネ104の
付勢力は、引張バネ89c,89cの付勢力よりも強く
なるように設定されている。
【0055】第2支持部材94は、各ベース92,92
の外側に配設された2枚の側板94a,94aと、各側
板94a,94aを連結する補強部材94bと、各側板
94a,94a間に設けられた係止棒94cとから主に
構成されている。第2支持部材94は、補強部材94b
の中央に配設された軸受94dによって揺動軸102に
揺動自在に支持されている。
【0056】各側板94a,94a間にはインキローラ
ー95が配設されている。インキローラー95は、支軸
95aによって各側板94a,94aに回転自在に支持
されており、図示しない駆動手段によって版胴79と同
方向に回転駆動される。また、支軸95aの両端には、
カム部85cと当接するカムフォロア95b,95bが
配設されている。インキローラー95は、各カムフォロ
ア95b,95bが各カム部85c,85cの凸部と当
接したときに、その外周面が多孔性支持板83の内周面
より離間し、各カムフォロア95b,95bが各カム部
85c,85cの凸部を離れ凹部と当接したときに、そ
の外周面が各フランジ85,85の外周面より突出する
ように構成されている。
【0057】インキローラー95の近傍にはドクターロ
ーラー96が配設されている。その外周面をインキロー
ラー95の外周面に近接配置されたドクターローラー9
6は各側板94a,94aに回転自在に支持されてお
り、図示しない駆動手段によってインキローラー95と
逆方向に回転駆動される。インキローラー95の外周面
とドクターローラー96の外周面との近接部において、
支軸82及び後述するインキ供給パイプ129を介して
供給されたインキによって、楔状のインキ溜まり96a
が形成される。
【0058】インキ溜まり96aの上方には、インキ溜
まり96aのインキ量を検知するセンサー170が配設
されている。センサー170は図示しない固定部材によ
って側板94aに固定されている。
【0059】支持板97は、取付部材100と同様の図
示しない取付部材によって各ベース92,92間の略中
央部に位置する支軸82上に固定されている。支持板9
7には、ソレノイド98、ストッパー99、及び係止棒
94cの位置からインキローラー95の位置を検知す
る、反射型のセンサー152が取り付けられている。
【0060】L字形状を呈し、その一端99aが外方へ
鈎型に折れ曲がって形成され、係止棒94cと係合可能
であるストッパー99は、支軸103によってその曲折
部99bを支持板97に回動自在に取り付けられてお
り、一端99aと曲折部99bとの間に形成された長孔
99cにおいて、ソレノイド98のプランジャ98aと
接続されている。ストッパー99は図示しない付勢手段
によって付勢されており、ストッパー99には、支軸1
03を中心に、図10において時計回り方向の回動付勢
力が付与されている。
【0061】版胴79の下方には版胴80が配設されて
いる。版胴80は、インキ供給パイプを兼ねた支軸10
5をその中心に有しており、その外周面に多孔性支持板
106を、また、内部にインキ供給手段107と接離手
段としてのインキローラー移動手段108とを有してい
る。版胴80は、多孔性支持板106の外周面が多孔性
支持板83の外周面より所定の間隔(2〜5mm程度)
だけ離間した位置に配設される。
【0062】支軸105の両端部寄りには、フランジ8
5と略同形状で略左右対称の形状を呈するフランジ10
9,110が、軸受を介して回転自在に取り付けられて
いる。フランジ109,110は、フランジ85と比較
すると、図8に示すように、その中央部内側にボス10
9a,110aを有している点において相違し、平面部
(図示せず)を有する点及びカム部109b,110b
をそれぞれ有する点において一致している。各ボス10
9a,110aには同形のギヤ111,143がそれぞ
れ取り付けられており、フランジ109はギヤ111に
取り付けられた軸受112によって、また、フランジ1
10はギヤ143に取り付けられた軸受112及びフラ
ンジ110に取り付けられた軸受113によって支軸1
05にそれぞれ回転自在に取り付けられている。
【0063】各フランジ109,110は、フランジ8
5,85と同様に、各平面部が同一平面となるように支
軸105に取り付けられており、各平面部上には図示し
ない爪部とクランパー114を有するステージ部が取り
付けられている。また、各フランジ109,110の外
周面上には、版胴79と同様に、多孔性支持板106と
図示しないメッシュスクリーンとが、各フランジ10
9,110の外周面より膨出可能に巻装されている。
【0064】クランパー114の上部には、剥離板16
7と同様の、挟持部168aを有する剥離板168が配
設されている。剥離板168も剥離板167と同様に、
挟持部168aが、版胴80上に巻装される製版済みマ
スタ40の非画像領域であって、給紙部3より給送され
る印刷用紙Pの先端余白部と対応する位置となるように
位置決めされている。各剥離板167,168には、図
21に示すように、各版胴79,80が回転したときに
各排紙ローラー73a,73b及び各排紙ガイド板6
9,70との干渉を防止するための切欠部167b,1
68bが、給送される印刷用紙Pのサイズに対応して複
数形成されている。
【0065】版胴80の内部にはインキ供給手段107
とインキローラー移動手段108とが配設されている。
インキ供給手段107は、ベース115、インキローラ
ー支持部材116、インキローラー117、ドクターロ
ーラー118から主に構成され、インキローラー移動手
段108は、支持部材119、ソレノイド120、スト
ッパー121等から主に構成されている。
【0066】ベース115は、図12に示すように、両
側端部に側壁部115a,115aを有しており、各側
壁部115a,115aには、略U字形状を呈し、支軸
105が嵌合可能な溝115bがそれぞれ形成されてい
る。また、各側壁部115a,115a間の前端部側に
は、各側壁部115a,115aの倒れを防止する棒状
の補強部材115cが取り付けられると共に、ベース1
15の前端中央部には切欠部115dが形成されてい
る。ベース115は、各溝115b,115bを支軸1
05に嵌合させた状態で、取付部材100と同様の図示
しない取付部材によって固定される。
【0067】インキローラー支持部材116は、各側壁
部115a,115aの外側に配設された2枚の側板1
16a,116aと、各側板116a,116aを繋ぐ
連結棒116bと、各側板116a,116a間に設け
られた係止棒116cとから主に構成されており、支持
軸122によってベース115に揺動自在に支持されて
いる。また、ベース115とインキローラー支持部材1
16との間には、各端部をベース115とインキローラ
ー支持部材116とにそれぞれ固定された引張バネ12
3が張設されており、この引張バネ123の付勢力によ
って、インキローラー支持部材116には支持軸122
を中心に、図10において時計回り方向の回動付勢力が
付与されている。引張バネ123の付勢力は、引張バネ
104の付勢力よりも強くなるように設定されている。
【0068】各側板116a,116a間にはインキロ
ーラー117が配設されている。インキローラー117
は、支軸117aによって各側板116a,116aに
回転自在に支持されており、図示しない駆動手段によっ
て版胴80と同方向に回転駆動される。また、支軸11
7aの両端には、各カム部109b,110bと当接す
るカムフォロア117b,117bが配設されている。
インキローラー117は、各カムフォロア117b,1
17bが各カム部109b,110bの凸部と当接した
ときに、その外周面が多孔性支持板106の内周面より
離間し、各カムフォロア117b,117bが各カム部
109b,110bの凹部と当接したときに、その外周
面が各フランジ109,110の外周面より突出するよ
うに構成されている。
【0069】インキローラー117の近傍にはドクター
ローラー118が配設されている。その外周面をインキ
ローラー117の外周面に近接配置されたドクターロー
ラー118は各側板116a,116aに回転自在に支
持されており、図示しない駆動手段によってインキロー
ラー117と逆方向に回転駆動される。インキローラー
117の外周面とドクターローラー118の外周面との
近接部において、支軸105及び後述するインキ供給パ
イプ130を介して供給されたインキによって、楔状の
インキ溜まり118aが形成される。
【0070】インキ溜まり118aの上方には、インキ
溜まり118aのインキ量を検知するセンサー171が
配設されている。センサー171は図示しない固定部材
によって側板116aに固定されている。
【0071】板材を折り曲げて形成した支持部材119
は、ネジ止め等によってベース115の内面に取り付け
られており、支持部材119にはソレノイド120が取
り付けられている。
【0072】ストッパー121は、図13に示すよう
に、脚部121a,121a、突出部121b、舌片1
21c、連結棒121dを一体的に有しており、ベース
115に固定されたブラケット124,124に、支軸
125によって各脚部121a,121aを回動自在に
支持されている。また、各脚部121a,121aと各
ブラケット124,124との間には引張バネ126,
126が張設されており、ストッパー121には、支軸
125を中心に、図10において反時計回り方向の回動
付勢力が付与されている。突出部121bは、各脚部1
21a,121aを一体的に繋ぐべく、各脚部121
a,121aより突出形成されており、各脚部121
a,121aとの接続部における段差部において係止棒
116cと係合可能な形状に形成されている。舌片12
1cは突出部121bと一体形成されており、後述する
ようにインキローラー支持部材116が回動する際に、
係止棒116cと当接可能な位置に設けられている。連
結棒121dは、その両端を各脚部121a,121a
の略中央部にそれぞれ固着されており、連結棒121d
には、一端をソレノイド120のプランジャ120aに
回動自在に支持された作動片127の他端に設けられた
ピン127aが係合している。作動片127は、ソレノ
イド120に取り付けられた取付部材128に回動自在
に支持されている。
【0073】各版胴79,80の内部には、各支軸8
2,105から各インキ溜まり96a,118aに向け
てインキを供給するインキ供給パイプ129,130が
配設されている。
【0074】インキ供給パイプ129は、図14に示す
ように、供給口129aと分岐した4箇所の吐出口12
9bとを有しており、図示しない固定部材によって支軸
82に取り付けられている。供給口129aと支軸82
とには、可撓性を有する接続パイプ131の両端が連通
しており、図示しないインキパックから図示しないイン
キポンプによって供給されたインキは、支軸82、接続
パイプ131、インキ供給パイプ129を介してインキ
溜まり96aに供給される。
【0075】インキ供給パイプ130は、図15に示す
ように、供給口130aと分岐した4箇所の吐出口13
0bとを有しており、図示しない固定部材によってベー
ス115に取り付けられている。供給口130aには、
一端を支軸105に連通された可撓性を有する接続パイ
プ132の他端が連通しており、図示しないインキパッ
クから図示しないインキポンプによって供給されたイン
キは、支軸105、接続パイプ132、インキ供給パイ
プ130を介してインキ溜まり118aに供給される。
【0076】各版胴79,80は、図8に示すように、
筐体23の側板133に固着された位置決め部材13
4,134に各支軸82,105の一端をそれぞれ位置
決め固定されており、各支軸82,105の他端を筐体
23に対して着脱自在の側板135を介して固定部材1
36,136に固定されることにより、筐体23に位置
決め固定されている。また、各支軸82,105の一端
側の各フランジ85,109の外側には、各フランジ8
5,109と一体的に各支軸82,105に回転自在に
支持された歯付プーリー137,144が軸受138,
138を介して設けられており、支軸82の他端側のフ
ランジ85の外側には、支軸82に回転自在に支持され
た、側板135との隙間を確保するためのスペーサー1
39が、軸受140を介してフランジ85と一体的に設
けられている。
【0077】さらに、版胴79の内部には、歯付プーリ
ー137に伝達された回転力を、ギヤ87,142を介
して一端側のフランジ85から他端側のフランジ85へ
伝達するための伝達部材141が配設されている。伝達
部材141は、各ベース92,92に回転自在に支持さ
れた支軸141a及び支軸141aの両端に固着された
ギヤ141b,141cから構成され、ギヤ141bが
ギヤ87と、ギヤ141cがギヤ142とそれぞれ噛合
するように配設されている。また、版胴80の内部に
は、歯付プーリー144に伝達された回転力を、ギヤ1
11,143を介してフランジ109からフランジ11
0へ伝達するための伝達部材145が配設されている。
伝達部材145は、各側壁部115a,115aに回転
自在に支持された支軸145a及び支軸145aの両端
に固着されたギヤ145b,145cから構成され、ギ
ヤ145bがギヤ111と、ギヤ145cがギヤ143
とそれぞれ噛合するように配設されている。
【0078】版胴80の右下方には版胴駆動手段81が
配設されている。版胴駆動手段81は、図16に示すよ
うに、正逆転可能で互いに逆方向に回転駆動される2個
のモーター146,147から主に構成されており、各
モーター146,147の各出力軸146a,147a
には歯付プーリー148,149がそれぞれ取り付けら
れている。歯付プーリー148と歯付プーリー137と
の間、及び歯付プーリー149と歯付プーリー144と
の間にはタイミングベルト150,151がそれぞれ掛
け渡されており、これにより各版胴79,80は各モー
ター146,147の回転力を伝達され、互いに同期し
て逆方向に回転駆動される。
【0079】筐体23の上部前面には、操作パネル15
3が配設されている。操作パネル153は、図17に示
すように、製版スタートキー154、印刷スタートキー
155、試し刷りキー156、ストップキー157、テ
ンキー158、クリアキー159、拡大縮小キー16
0、印刷速度設定キー161、連写キー162、7セグ
メントLEDからなる表示装置163、LCDからなる
表示装置164等の周知の構成の他、印刷モードを両面
印刷モード、表片面印刷モード、裏片面印刷モードの何
れかに切り換える印刷モード切換キー165と、印刷モ
ードを表示するLEDからなる印刷モード表示手段16
6とを有している。
【0080】筐体23の内部下方には制御部10が配設
されている。制御部10は、CPU、ROM、RAM等
を有する周知のマイクロコンピューターである制御手段
169より主に構成されており、孔版印刷装置1の動作
を制御する。
【0081】図18は、本実施例に用いられる制御手段
169の制御ブロック図を示している。制御手段169
は、画像読取部2からの画像データ信号、各センサー1
52,170,171からの動作信号、操作パネル15
3からの制御信号、サイドガイド76に設けられた図示
しないセンサーからの出力信号を受け、ROMに記憶さ
れた孔版印刷装置1の動作プログラムに基づいて、給紙
部3、第1製版部4、第2製版部5、第1排版部6、第
2排版部7、モーター71及びモーター172,173
を有する排紙部8、図示しないインキポンプ、及び各モ
ーター146,147を有する版胴駆動手段81とソレ
ノイド98を有するインキローラー移動手段91とソレ
ノイド120を有するインキローラー駆動手段108と
を具備する印刷部9の制御を行う。
【0082】上述の構成に基づいて、以下に孔版印刷装
置1の動作を説明する。印刷動作に先立ち、オペレータ
ーにより印刷モード切換キー165が押されて印刷モー
ドが選択される。先ず、両面印刷モードが選択された場
合を説明する。2枚の原稿が図示しない原稿受け台にセ
ットされ、印刷用紙Pが給紙トレイ24にセットされて
サイドガイド76が印刷用紙Pの幅に合わせられた後、
オペレーターによって製版スタートキー154が押され
ると、モーター146が作動して版胴79が図1におい
て反時計回り方向に回転すると共に図示しない移動手段
が作動して下排版部材48が移動し、版胴79の外周面
に巻装されている印刷済みマスタが上排版部材47及び
下排版部材48によって剥離搬送される。剥離された印
刷済みマスタは排版ボックス49内に収納された後、圧
縮板50によって圧縮される。版胴79の回転と同時に
モーター147が作動し、版胴80が図1において時計
回り方向に回転すると共に図示しない移動手段が作動し
て下排版部材58が移動し、版胴80の外周面に巻装さ
れている印刷済みマスタは、上排版部材57及び下排版
部材58によって版胴80の外周面より剥離されて排版
ボックス59内に搬送され、圧縮板60によって圧縮さ
れる。その後、各版胴79,80が給版待機位置まで回
転して停止し、排版動作が完了する。
【0083】画像読取部2では原稿画像の読取動作が行
われる。排版動作と並行して原稿搬送ローラー対12が
回転を開始し、図示しない原稿の上部の1枚がコンタク
トガラス11上を搬送される。原稿画像の読み取りは、
蛍光灯20によって露光されて反射した反射光を反射ミ
ラー18,19によって反射することにより行われ、読
み取られた原稿画像はレンズ21で集光された後に画像
センサー22に入射されて光電変換され、光電変換され
た電気信号は筐体23内の図示しないA/D変換器に入
力される。画像を読み取られた原稿は、原稿搬送ベルト
16及び原稿搬送ローラー13によって原稿搬送ベルト
16の上部に配設された図示しない原稿トレイに排出さ
れる。
【0084】原稿読取動作に並行して、第1製版部4で
は製版動作が行われる。排版動作完了後、プラテンロー
ラー36とマスタ搬送ローラー対38,39がそれぞれ
回転を開始し、マスタロール34からマスタ33が引き
出される。引き出されたマスタ33はサーマルヘッド3
5を通過する際に製版される。サーマルヘッド35の表
面に整列配置された複数の発熱素子は、A/D変換器及
びその他の図示しない製版基板で各種処理を施された後
に送られてきたデジタル画像信号に応じて各々選択的に
発熱し、マスタ33の熱可塑性樹脂フィルムを加熱溶融
穿孔する。
【0085】プラテンローラー36を回転駆動する図示
しないステッピングモーターのステップ数より、マスタ
33の先端がステージ部86とクランパー90との間の
所定位置まで到達したと制御手段169が判断すると、
図示しない開閉手段に動作信号が送られてクランパー9
0が回動し、ステージ部86とクランパー90とでマス
タ33の先端を挟持する。
【0086】その後、版胴79がマスタ33の搬送速度
と同じ周速度で図1において時計回り方向に回転し、マ
スタ33の版胴79への巻装動作が行われる。そして、
図示しないステッピングモーターのステップ数より、1
版分の製版が完了したと制御手段169が判断すると、
プラテンローラー36及びマスタ搬送ローラー対38,
39の回転が停止すると共に可動刃37aが回転移動し
てマスタ33が切断される。切断されたマスタ33は版
胴79の回転動作によって引き出され、版胴79が再び
ホームポジションに到達すると制御手段169からの指
令によってモーター146が停止して、版胴79が位置
決めされる。
【0087】1枚目の原稿読取後、原稿搬送ローラー対
12は回転を継続し、残り1枚の原稿がコンタクトガラ
ス11上を搬送され、先の原稿と同様に読み取られた
後、図示しない原稿トレイに排出される。この実施例で
は2枚の原稿よりそれぞれ画像を読み取ったが、1枚の
原稿の両面から画像を読み取る場合には、一方の面の読
取完了後、原稿搬送ベルト16及び原稿搬送ローラー1
3が回転すると同時に切換板17が図示しない機構によ
り反時計回り方向に回動することで、原稿の進行方向が
変更されて再度コンタクトガラス11上に導かれ、他方
の面が読み取られるように構成されている。
【0088】2枚目の原稿読取動作に並行して、第2製
版部5では第1製版部4と同様に製版動作が行われる。
排版動作完了後、プラテンローラー43とマスタ搬送ロ
ーラー対45,46がそれぞれ回転を開始し、マスタロ
ール41からマスタ40が引き出される。引き出された
マスタ40は、マスタ33と同様にサーマルヘッド42
を通過する際に製版される。
【0089】そして、プラテンローラー43を回転駆動
する図示しないステッピングモーターのステップ数よ
り、マスタ40の先端が所定位置まで到達したと制御手
段169が判断すると、図示しない開閉手段に動作信号
が送られてクランパー114が回動し、ステージ部とク
ランパー114とでマスタ40の先端を挟持する。
【0090】その後、版胴80がマスタ40の搬送速度
と同じ周速度で図1において反時計回り方向に回転し、
マスタ40の版胴80への巻装動作が行われる。そし
て、図示しないステッピングモーターのステップ数よ
り、1版分の製版が完了したと制御手段169が判断す
ると、プラテンローラー43及びマスタ搬送ローラー対
45,46の回転が停止すると共に、可動刃44aが回
転移動してマスタ40が切断される。切断されたマスタ
40は版胴80の回転動作によって引き出され、版胴8
0が再びホームポジションに到達すると制御手段169
からの指令によってモーター147が停止して、版胴8
0が位置決めされる。
【0091】各版胴79,80への給版動作が完了する
と同時に、給紙コロ25、分離コロ26,27が回転す
ると共に各モーター146,147が再び作動を開始
し、給紙トレイ24上に積載されている印刷用紙Pの最
上位の1枚がレジストローラー対30に向けて分離給送
されると共に、各版胴79,80が低速で回転を開始す
る。分離給送され、その先端をレジストローラー対30
にくわえ込まれた印刷用紙Pは、レジストローラー対3
0が所定のタイミングで回転することにより、各版胴7
9,80間に給送される。
【0092】各モーター146,147の回転開始と同
時に制御手段169から各モーター172,173に作
動信号が出力され、各モーター172,173が同時に
同期して回転を開始する。これにより各排紙ローラー7
3a,73b,74a,74b,75a,75bが同期
して回転する。
【0093】一方、各版胴79,80の内部では、図示
しない駆動手段によってそれぞれ回転駆動された各イン
キローラー95,117が、各版胴79,80の回転に
伴い各カム部85c,85c,109b,110bの形
状に沿って同時に揺動する。
【0094】ソレノイド98への通電を行いつつ版胴7
9(各フランジ85,85)を回転させ、各カム部85
c,85cの凸部が各カムフォロア95b,95bと当
接してインキローラー95が図10において上方に向け
て移動し、ストッパー99の一端99aと係止棒94c
との間に隙間が発生すると、プランジャ98aが吸引さ
れてストッパー99が支軸103を中心に図10におい
て反時計回り方向に回動される。その後、各カムフォロ
ア95b,95bが各カム部85c,85cの凸部を通
過すると、第1支持部材93と第2支持部材94とが引
張バネ104の付勢力によって支持軸101を中心に図
10において反時計回り方向に回動する。この回動によ
りインキローラー95の外周面が多孔性支持板83と圧
接し、多孔性支持板83及びメッシュスクリーン89が
図10において下方に向けて膨出する。このとき、セン
サー152からの信号により、インキローラー95が揺
動されたことを制御手段169が確認する。
【0095】また、ソレノイド120への通電を行いつ
つ版胴80(各フランジ109,110)を回転させ、
各カム部109b,110bの凸部が各カムフォロア1
17b,117bと当接してインキローラー117が図
10において下方に向けて移動し、ストッパー121の
突出部121bと係止棒116cとの間に隙間が発生す
ると、プランジャ120aが吸引されてストッパー12
1が支軸125を中心に図10において時計回り方向に
回動される。その後、各カムフォロア117b,117
bが各カム部109b,110bの凸部を通過すると、
インキローラー支持部材116が引張バネ123の付勢
力によって支持軸122を中心に図10において時計回
り方向に回動する。この回動によりインキローラー11
7の外周面が多孔性支持板106と圧接し、多孔性支持
板106及び図示しないメッシュスクリーンが図10に
おいて上方に向けて膨出する。
【0096】この各インキローラー95,117の揺動
動作とほぼ同時に、レジストローラー対30から各版胴
79,80間に向けて印刷用紙Pが給送される。このと
き、剥離板167の挟持部167aと剥離板168の挟
持部168aとが、図19に示すように、各版胴79,
80の回転に伴って給送された印刷用紙Pの先端余白部
を互いに挟み込む形で挟持する。その後、さらに各版胴
79,80が回転することにより、多孔性支持板83、
多孔性支持板106、メッシュスクリーン89、図示し
ないメッシュスクリーン、マスタ33、マスタ40及び
印刷用紙Pを介してインキローラー95とインキローラ
ー117とが圧接し、印刷用紙Pの両面に印刷画像が転
写される。なお、この圧接時において、第2支持部材9
4が揺動軸102を中心に揺動することによりインキロ
ーラー95が揺動し、軸方向におけるインキローラー1
17との圧接が均一に行われる。インキローラー95と
インキローラー117との圧接状態を図8及び図20に
示す。
【0097】印刷用紙Pは、その両面に印刷画像を転写
されながら、挟持部167aと挟持部168aとによっ
てその先端余白部を挟持されることにより、版胴79及
び版胴80の外周面より剥離される。その後、さらに各
版胴79,80が回転することにより、印刷用紙Pの先
端余白部は各挟持部167a,168aに挟持されつ
つ、各排紙ローラー73a,73bと各排紙ガイド板6
9,70との当接部に向けて搬送される。
【0098】ここで、各挟持部167a,168aが、
各版胴79,80の当接開始位置の前後にわたって印刷
用紙Pの先端を挟持する過程を、図19を参照して詳細
に説明する。
【0099】各版胴79,80がホームポジションより
互いに逆方向に回転駆動されると、図19−1、図19
−2に示すように、印刷用紙Pの先端余白部が各版胴7
9,80の当接開始位置の前方において各挟持部167
a,168aに挟持される。さらに各版胴79,80が
回転すると、各剥離板167,168は可撓性を有する
薄板であるため、図19−3ないし図19−6に示すよ
うに、各版胴79,80の当接開始位置の前後にわたっ
て各剥離板167,168が撓み、各版胴79,80の
回転を妨げることなく、その弾性力によって印刷用紙P
を挟持する。
【0100】さらに各版胴79,80が回転すると、図
19−7に示すように、印刷用紙Pの先端が各排紙ロー
ラー73a,73bと各排紙ガイド板69,70との当
接部に到達する。このとき、印刷用紙Pの先端は、まだ
各挟持部167a,168aによって挟持されているの
で、印刷用紙Pの先端部を確実に各排紙ローラー73
a,73bと各排紙ガイド板69,70との間に送り込
むことができる。
【0101】印刷用紙Pの先端が各排紙ローラー73
a,73bと各排紙ガイド板69,70との当接部に到
達する前に、サイドガイド76に設けられた図示しない
センサーからの信号が制御手段169に入力され、制御
手段169は、この信号に基づいてモーター71に作動
信号を出力する。モーター71が作動すると、ピニオン
ギヤ178、ラック175d,176dを介して各排紙
ガイドスライドベース175,176が移動し、各排紙
ガイドスライドベース175,176は、各排紙ローラ
ー73a,73b,74a,74b,75a,75bと
各排紙ガイド板69,70とで印刷用紙Pの両側端余白
部を挟持可能となる位置に位置決めされる。これによ
り、印刷用紙Pのサイズが変更されても、各排紙ローラ
ー及び各排紙ガイド板の位置を自動的に印刷用紙Pの幅
と合致させることができる。
【0102】各排紙ローラー73a,73bと各排紙ガ
イド板69,70との当接部に先端をくわえ込まれた印
刷用紙Pは、各排紙ローラー73a,73bの回転力に
より下流側へと送られる。このとき、各排紙ローラー7
3a,73bの中心軸線Xが角度αで外側に向けて傾斜
しているため、印刷用紙Pには図3に矢印Aで示すよう
な外側への偏倚力が付与され、印刷用紙Pは常に張られ
た状態で、スキュー、弛み等の発生を防止されつつ搬送
される。
【0103】さらに各版胴79,80が回転すると、図
19−8に示すように、印刷用紙Pの先端余白部から各
剥離板167,168がそれぞれ離隔し、印刷用紙Pは
その両側端余白部を各排紙ローラー73a,73b,7
4a,74b,75a,75bと各排紙ガイド板69,
70に順次挟持されつつ、外側への偏倚力を付与されな
がら各排紙ガイド板69,70に沿って搬送され、排紙
トレイ72上に排出される。なお、図19−2ないし図
19−8にいては、各クランパー90,114の図示を
省略している。
【0104】印刷後も各版胴79,80は回転を継続す
る。各インキローラー95,117の揺動後、制御手段
169からの指令により各ソレノイド98,120への
通電が断たれ、各ストッパー99,121は、それぞれ
の付勢手段の付勢力により図20に二点鎖線で示す、各
係止棒94c,116cに当接する位置にそれぞれ移動
する。
【0105】そして、版胴79の回転により各カムフォ
ロア95b,95bが各カム部85c,85cの凸部と
再び当接すると、第1支持部材93と第2支持部材94
とが支持軸101を中心に図20の時計回り方向に回動
する。この回動によって係止棒94cとストッパー99
の一端99aとの当接が解除されると、ストッパー99
が図示しない付勢手段の付勢力によって回動して図10
に示す位置に復帰する。
【0106】同様に、版胴80の回転により各カムフォ
ロア117b,117bが各カム部109b,110b
の凸部と再び当接すると、インキローラー支持部材11
6が支持軸122を中心に図20の反時計回り方向に回
動し、係止棒116cとストッパー121の舌片121
cとの当接が解除されることにより、ストッパー121
が引張バネ126,126の付勢力によって回動して図
10に示す位置に復帰する。
【0107】その後、各版胴79,80がホームポジシ
ョンまで回転して停止し、版付動作が完了する。版付動
作が完了して孔版印刷装置1が印刷待機状態となった
後、オペレーターによって試し刷りキー156が押され
ると、版付動作と同様に給紙トレイ24上の最上位の1
枚の印刷用紙Pが給紙コロ25及び分離コロ26,27
によって引き出され、レジストローラー対30にその先
端をくわえ込まれると共に、制御手段169から指令が
送られて各モーター146,147が作動を開始し、各
版胴79,80が高速で回転駆動される。レジストロー
ラー対30は、版付動作と同じタイミングで高速回転し
ている各版胴79,80間に印刷用紙Pを給送する。給
送された印刷用紙Pはその両面に印刷画像を転写されな
がら、各挟持部167a,168aによってその先端余
白部を挟持されることにより版胴79及び版胴80の外
周面より剥離された後、その両側端余白部を各排紙ロー
ラー73a,73b,74a,74b,75a,75b
と各排紙ガイド板69,70に順次挟持されつつ、外側
への偏倚力を付与されながら各排紙ガイド板69,70
に沿って搬送され、排紙トレイ72上に排出される。各
版胴79,80は再びホームポジションに復帰し、試し
刷り動作が完了する。
【0108】この試し刷りによって印刷画像の濃度や位
置を確認し、これらを操作パネル153上の各種キーで
調整して再度試し刷りを行った後、テンキー158で印
刷枚数を表示装置163に置数し、印刷速度設定キー1
61で印刷速度を設定して印刷スタートキー155を押
すことにより、給紙部3より印刷用紙Pが連続的に送ら
れ、各ソレノイド98,120への通電がなされたまま
各版胴79,80がそれぞれ高速で回転駆動されて印刷
動作が行われる。
【0109】上述の印刷動作時において、インキ溜まり
96a,インキ溜まり118aのインキ量が減少する
と、センサー170あるいはセンサー171から制御手
段169へ信号が出力される。信号を受けた制御手段1
69が図示しないインキポンプを作動させることによ
り、図示しないインキパックからのインキが支軸82,
105、接続パイプ131,132、インキ供給パイプ
129,130を介してインキ溜まり96aあるいはイ
ンキ溜まり118aに供給される。
【0110】上記構成とすることにより、各剥離板16
7,168の挟持部167a,168a間に印刷用紙P
の先端余白部が挟持され、印刷用紙Pが各版胴79,8
0の外周面より剥離されるので、剥離爪を設ける必要が
なく、これにより、印刷面に剥離爪が接触することによ
って生じる接触痕(爪跡汚れ)の発生を防止することが
できる。また、印刷された印刷用紙Pの両側端余白部を
排紙搬送手段67が挟持して搬送するので、印刷面に搬
送ベルト等が接触することに起因する擦れ汚れの発生を
防止することができる。
【0111】次に、表片面印刷モードが選択された場合
を説明する。1枚の原稿を図示しない原稿受け台にセッ
トし、オペレーターによって製版スタートキー154が
押されると、両面印刷時と同様に、第1排版部6と第2
排版部7とにおいて各版胴79,80の外周面から印刷
済みマスタを剥離廃棄する排版動作が行われる。また、
画像読取部2では原稿画像の読取動作が行われる。
【0112】原稿読取動作に並行して製版動作が行われ
る。第1製版部4では両面印刷時と同様に製版動作が行
われ、製版されたマスタ33が版胴79の外周面に巻装
されるが、第2製版部5では製版動作は行われず、版胴
80の外周面には未製版のマスタ40が巻装される。
【0113】各版胴79,80への給版動作完了後、給
紙部3から1枚の印刷用紙Pが給送されると共に各版胴
79,80が低速で回転を開始する。印刷用紙Pはレジ
ストローラー対30でタイミングを取られた後、各版胴
79,80間に向けて給送される。
【0114】各版胴79,80の回転により各インキロ
ーラー95,117が揺動し、膨出した各多孔性支持板
83,106に印刷用紙Pが挟持されることで、印刷用
紙Pに印刷画像が転写される。このときマスタ40が未
製版のため、印刷用紙Pにはその上面側にのみマスタ3
3に製版された画像が転写される。
【0115】印刷用紙Pは、その上面に印刷画像を転写
されながら、各挟持部167a,168a間にその先端
余白部を挟持されることにより版胴79の外周面より剥
離され、その両側端余白部を各排紙ローラー73a,7
3b,74a,74b,75a,75bと各排紙ガイド
板69,70に順次挟持されつつ、外側への偏倚力を付
与されながら各排紙ガイド板69,70に沿って搬送さ
れ、排紙トレイ72上に排出される。
【0116】各版胴79,80がホームポジションで停
止して版付動作が完了した後、試し刷りキー156が押
されることにより上述と同様に試し刷りが行われ、さら
にその後、印刷スタートキー155が押されることによ
り印刷動作が行われる。
【0117】次に、裏片面印刷モードが選択された場合
を説明する。1枚の原稿を図示しない原稿受け台にセッ
トし、オペレーターによって製版スタートキー154が
押されると、第1排版部6と第2排版部7とにおいて各
版胴79,80の外周面から印刷済みマスタを剥離廃棄
する排版動作が行われ、画像読取部2では原稿画像の読
取動作が行われる。
【0118】原稿読取動作に並行して製版動作が行われ
る。第2製版部5では両面印刷時と同様に製版動作が行
われ、製版されたマスタ40が版胴80の外周面に巻装
されるが、第1製版部4では製版動作は行われず、版胴
79の外周面には未製版のマスタ33が巻装される。
【0119】各版胴79,80への給版動作完了後、給
紙部3から1枚の印刷用紙Pが給送されると共に各版胴
79,80が低速で回転を開始する。印刷用紙Pはレジ
ストローラー対30でタイミングを取られた後、各版胴
79,80間に向けて給送される。
【0120】各版胴79,80の回転により各インキロ
ーラー95,117が揺動し、膨出した各多孔性支持板
83,106に印刷用紙Pが挟持されることで、印刷用
紙Pに印刷画像が転写される。このときマスタ33が未
製版のため、印刷用紙Pにはその下面側にのみマスタ4
0に製版された画像が転写される。
【0121】印刷用紙Pは、その下面に印刷画像を転写
されながら、各挟持部167a,168a間にその先端
余白部を挟持されることにより版胴80の外周面より剥
離され、その両側端余白部を各排紙ローラー73a,7
3b,74a,74b,75a,75bと各排紙ガイド
板69,70に順次挟持されつつ、外側への偏倚力を付
与されながら各排紙ガイド板69,70に沿って搬送さ
れ、排紙トレイ72上に排出される。
【0122】その後、試し刷りキー156が押されるこ
とにより上述と同様に試し刷りが行われ、さらにその
後、印刷スタートキー155が押されることにより印刷
動作が行われる。
【0123】上記実施例では、排紙ローラー73a,7
3bからなる排紙ローラー対と、排紙ローラー74a,
74bからなる排紙ローラー対と、排紙ローラー75
a,75bからなる排紙ローラー対とを有し、各排紙ロ
ーラーの回転軸線を用紙搬送方向と直交する方向に対し
て傾斜して配設した排紙搬送手段67を用いたが、排紙
搬送手段としてはこれに限られず、排紙ローラー対を少
なくとも1対以上有するものであればよい。本実施例と
同様に、排紙ローラー対のうちの少なくとも1対以上
が、その回転軸線を用紙搬送方向と直交する方向に対し
て傾斜して配設されたものがより好ましい。
【0124】上記実施例に用いた孔版印刷装置1では、
インキ供給手段84とインキ供給手段107とをそれぞ
れ移動可能な構成としたが、何れか一方のインキ供給手
段を、そのインキローラーの外周面が多孔性支持板の内
周面と近接した状態で固定し、他方のインキ供給手段を
移動させることにより、双方の多孔性支持板を当接可能
とした構成の孔版印刷装置を使用することもできる。こ
の場合、移動側のインキ供給手段をインキ供給手段84
と同様に、支軸82あるいは支軸105と直交する方向
に設けられた支軸によって揺動自在な構成とする。
【0125】上記実施例では、各版胴79,80の支軸
82,105を固定したまま両面印刷を行う孔版印刷装
置1を用いたが、本発明はこれに限られず、例えば特開
平6−71996号公報、あるいは特開平6−1351
11号公報等に開示されているような、一方の版胴の支
軸を固定し、これに対して他方の版胴を揺動して両面印
刷を行うタイプの孔版印刷装置に適用することも可能で
ある。
【0126】
【発明の効果】請求項1、請求項2記載の発明によれ
ば、用紙剥離部材が各版胴の当接開始位置の前後にわた
り印刷用紙の先端部を挟持するので、剥離爪を用いるこ
となく印刷用紙を各版胴の外周面より剥離することがで
き、版胴への印刷用紙の巻き付きを防止することができ
ると共に、剥離爪やガイド板等による印刷用紙の汚損を
防止して良好な印刷物を得ることができる。
【0127】請求項3、請求項5記載の発明によれば、
印刷用紙の両側端部と当接しつつこの印刷用紙を搬送す
る排紙ローラー対を有する排紙搬送手段により、用紙中
央の印刷画像を搬送ベルト等によって擦ることなく印刷
用紙を搬送することができ、印刷画像の擦れ汚れを防止
することにより良好な印刷物を得ることができる。
【0128】請求項4、請求項6記載の発明によれば、
その回転軸線が、印刷用紙に対して両側方への偏倚力を
付与する向きに、用紙搬送方向と直交する方向に対して
傾斜して配設された排紙ローラー対を有する排紙搬送手
段により、印刷用紙へのスキュー、弛み等の発生を防止
し、常に良好な印刷物を得ることができる。
【0129】請求項7記載の発明によれば、傾斜の角度
を45度以下とすることにより、印刷用紙を搬送するに
必要な搬送力を確保することができる。
【0130】請求項8記載の発明によれば、排紙ローラ
ー移動手段が、排紙ローラー対の各排紙ローラー間の間
隔を印刷用紙の幅に応じて変化させることにより、印刷
用紙のサイズが変更されても良好に排紙を行うことがで
きる。
【0131】請求項9記載の発明によれば、各用紙剥離
部材が可撓性を有する薄板であるので、各版胴の当接開
始位置の前後にわたって各用紙剥離部材が撓み、各版胴
の回転を妨げることなく、その弾性力によって印刷用紙
を挟持することができ、印刷用紙の巻き上がりや巻き下
がりの発生を防止すると共に、爪跡汚れの発生を防止し
て良好な印刷物を得ることができる。
【0132】請求項10記載の発明によれば、各用紙剥
離部材が印刷用紙を挟持する円弧状の挟持部をそれぞれ
有するので、各版胴の位相が若干ずれた場合であっても
印刷用紙を水平に挟持することができ、各版胴からの印
刷用紙の剥離を確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を採用した孔版印刷装置の概
略側面図である。
【図2】本発明の一実施例としての排紙搬送手段を説明
する側面図である。
【図3】本発明の一実施例としての排紙搬送手段を説明
する上面図である。
【図4】本発明の一実施例としての排紙搬送手段の排紙
ガイド板を示す正面図である。
【図5】本発明の一実施例に用いられる版胴要部を示す
斜視図である。
【図6】本発明の一実施例に用いられる版胴のフランジ
の正面図である。
【図7】本発明の一実施例に用いられる版胴のフランジ
の側面図である。
【図8】本発明の一実施例における印刷時の印刷部要部
を示す部分側断面図である。
【図9】本発明の一実施例に用いられる版胴を示す斜視
図である。
【図10】本発明の一実施例における非印刷時の印刷部
要部を示す側面図である。
【図11】本発明の一実施例に用いられる第1支持部材
を示す斜視図である。
【図12】本発明の一実施例に用いられるベースを示す
斜視図である。
【図13】本発明の一実施例に用いられるストッパーを
示す斜視図である。
【図14】本発明の一実施例に用いられるインキ供給パ
イプを示す斜視図である。
【図15】本発明の一実施例に用いられるインキ供給パ
イプを示す斜視図である。
【図16】本発明の一実施例に用いられる版胴駆動手段
を示す概略図である。
【図17】本発明の一実施例に用いられる操作パネルを
示す図である。
【図18】本発明の一実施例に用いられる制御手段のブ
ロック図である。
【図19】本発明の一実施例における印刷時の印刷部要
部及び印刷用紙の状態を示す動作図である。
【図20】本発明の一実施例における印刷時の印刷部要
部を示す側面図である。
【図21】本発明の一実施例に用いられる用紙剥離部材
を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 孔版印刷装置 33,40 マスタ 67 排紙搬送手段 71 排紙ローラー移動手段(モーター) 73a,73b,74a,74b,75a,75b 排
紙ローラー 79 第1の版胴 80 第2の版胴 83,106 外周面(多孔性支持板) 90,114 クランパー 91,108 接離手段(インキローラー移動手段) 167,168 用紙剥離部材 167a,168a 挟持部 X 回転軸線(中心軸線) Y 印刷用紙の搬送方向と直交する方向の軸線 α 傾斜の角度

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マスタを挟持するクランパーを外周面に有
    する回転自在な第1の版胴と、第1の版胴と所定の間隔
    をもって配置され、マスタを挟持するクランパーを外周
    面に有する回転自在な第2の版胴と、前記各版胴の外周
    面を互いに接離させる接離手段とを具備する1工程両面
    印刷が可能な孔版印刷装置において、 前記各版胴の外周面に、前記各版胴の当接開始位置の前
    後にわたり、印刷用紙の先端部を挟持する用紙剥離部材
    を設けたことを特徴とする孔版印刷装置。
  2. 【請求項2】マスタを挟持するクランパーを外周面に有
    する回転自在な第1の版胴と、第1の版胴と所定の間隔
    をもって配置され、マスタを挟持するクランパーを外周
    面に有する回転自在な第2の版胴と、前記各版胴の外周
    面を互いに接離させる接離手段とを具備し、印刷用紙の
    両面の少なくとも先端及び両側端に余白部を残しつつ、
    該印刷用紙の両面に1工程で印刷画像を転写可能な孔版
    印刷装置において、 前記各版胴の外周面に、前記各版胴の当接開始位置の前
    後にわたり、前記印刷用紙の先端の前記余白部を挟持す
    る用紙剥離部材を設けたことを特徴とする孔版印刷装
    置。
  3. 【請求項3】前記当接開始位置の後方において、前記印
    刷用紙の両側端部と当接しつつ前記印刷用紙を搬送する
    回転自在な排紙ローラー対を少なくとも1対有する排紙
    搬送手段を具備することを特徴とする請求項1記載の孔
    版印刷装置。
  4. 【請求項4】前記排紙ローラー対のうちの少なくとも1
    対は、その回転軸線が、前記印刷用紙に対して両側方へ
    の偏倚力を付与する向きに、前記印刷用紙の搬送方向と
    直交する方向に対して傾斜して配設されていることを特
    徴とする請求項3記載の孔版印刷装置。
  5. 【請求項5】前記当接開始位置の後方において、前記印
    刷用紙の両側端の前記余白部と当接しつつ前記印刷用紙
    を搬送する回転自在な排紙ローラー対を少なくとも1つ
    有する排紙搬送手段を具備することを特徴とする請求項
    2記載の孔版印刷装置。
  6. 【請求項6】前記排紙ローラー対のうちの少なくとも一
    対は、その回転軸線が、前記印刷用紙に対して両側方へ
    の偏倚力を付与する向きに、前記印刷用紙の搬送方向と
    直交する方向に対して傾斜して配設されていることを特
    徴とする請求項5記載の孔版印刷装置。
  7. 【請求項7】前記傾斜の角度が45度以下であることを
    特徴とする請求項4または請求項6記載の孔版印刷装
    置。
  8. 【請求項8】前記排紙ローラー対の、各排紙ローラー間
    の間隔を前記印刷用紙の幅に応じて変化させる排紙ロー
    ラー移動手段を有することを特徴とする請求項3ないし
    請求項7のうちの何れか1つに記載の孔版印刷装置。
  9. 【請求項9】前記各用紙剥離部材が可撓性を有する薄板
    であることを特徴とする請求項1ないし請求項8のうち
    の何れか1つに記載の孔版印刷装置。
  10. 【請求項10】前記各用紙剥離部材が前記印刷用紙を挟
    持する円弧状の挟持部をそれぞれ有することを特徴とす
    る請求項1ないし請求項9のうちの何れか1つに記載の
    孔版印刷装置。
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