JPH11208090A - 孔版印刷装置の用紙剥離装置及びその用紙剥離方法 - Google Patents

孔版印刷装置の用紙剥離装置及びその用紙剥離方法

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JPH11208090A
JPH11208090A JP1680298A JP1680298A JPH11208090A JP H11208090 A JPH11208090 A JP H11208090A JP 1680298 A JP1680298 A JP 1680298A JP 1680298 A JP1680298 A JP 1680298A JP H11208090 A JPH11208090 A JP H11208090A
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ejection
sheet
paper
plate cylinder
plate
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JP1680298A
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Inventor
Yoshihiko Kudo
芳彦 工藤
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Tohoku Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Tohoku Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 両面印刷が可能な孔版印刷装置、あるいは片
面印刷用の孔版印刷装置において、印刷面の汚れを抑
え、かつ、用紙を確実に剥離することができる用紙剥離
装置を提供すること。 【解決手段】 第1の版胴79と第2の版胴80とを有
する1工程両面印刷が可能な孔版印刷装置1の用紙剥離
装置190において、第1の版胴79に巻装されたマス
タ33と印刷された用紙Pとの間に向かって気体を噴出
する第1の噴出手段191と、第2の版胴80に巻装さ
れたマスタ40と用紙Pとの間に向かって気体を噴出す
る第2の噴出手段192と、各噴出手段191,192
に気体をそれぞれ供給する気体供給手段193と、各噴
出手段191,192の噴出圧をそれぞれ制御する制御
手段169とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、孔版印刷装置の用
紙剥離装置に関する。
【0002】
【従来の技術】1工程で用紙の片面に印刷画像を形成す
る孔版印刷装置としては、多孔性の版胴に製版されたマ
スタを巻き付け、給紙部から送られる用紙を版胴に対し
てプレスローラで押圧し、インキを版胴の開孔部分より
滲み出させて印刷を行い、印刷された用紙を剥離爪で剥
離している。この剥離爪は、マスタを破損しないよう
に、マスタとに僅かな間隙を持って版胴の周部に近接さ
れている。このため、インキの粘着力が強い(特にベタ
画像)の場合、用紙の先端部に印刷画像が形成された場
合、用紙がカールしている場合、静電気による貼り付き
が発生した場合等には、剥離爪で用紙を剥離できず、巻
き上がりという現象が発生してしまう。この現象を防止
するために、剥離爪の代わりに用紙剥離部材を用いた技
術が特開平4−307285号公報に開示されている。
この技術によれば、用紙剥離部材の先端より空気をマス
タと用紙との間に吹出して、用紙を版胴から剥離する。
【0003】ところで、近年では、用紙の節約あるいは
ファイルの増大防止等の理由により、用紙の両面に印刷
を行う両面印刷が増加する傾向にある。上述の片面印刷
用の孔版印刷装置で、両面印刷を行う場合には、給紙部
に積載した用紙を印刷部に給送し、一面に印刷を行った
後に用紙を裏返して再度印刷部に給送し、他面に印刷を
行うことで両面印刷物が得られるわけであるが、一度排
紙された用紙を再度給紙部にセットしたり、片面印刷後
の用紙を揃える等の作業が面倒であるという問題点があ
った。そこで、一対の版胴を対向させて配設し、各版胴
同士を互いに圧接させることにより、1工程で用紙の両
面に印刷画像を形成することが可能な孔版印刷装置が、
例えば特開平6−71996号公報、特開平6−135
111号公報に開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
両面印刷可能な孔版印刷装置においても、上述の片面印
刷用の孔版印刷装置と同様の問題点がある。すなわち、
剥離爪は版胴との間に僅かな隙間を設けて配設されてい
るため、インキの粘着力が強い(特にベタ画像)の場
合、用紙の先端部に印刷画像が形成された場合、用紙が
カールしている場合、静電気による版胴への張り付きが
発生した場合等には、用紙を版胴から剥離しきれず、版
胴と剥離爪との隙間に用紙が入り込んでしまい、用紙の
巻き上がり、あるいは、巻き下がりといった現象、すな
わち、用紙ジャムを生じるという問題点がある。
【0005】そこで、特開平4−307285号公報に
開示されている技術を両面印刷の孔版印刷装置に適用す
ることが考えられるが、この場合には、用紙剥離部材に
よって、用紙の用紙剥離部材に対応する部分のみを強制
的に剥離するため、特に、用紙幅方向にわたってベタ画
像が形成された場合や、用紙の先端部に印刷画像が形成
された場合には、用紙両側端部を版胴から剥離すること
が困難となり、ジャムが発生するおそれがある。また、
用紙剥離部材に対応する用紙の部分に遅れて用紙剥離部
材に対応していない用紙の部分が徐々に剥離され、用紙
剥離部材に対応していない用紙の部分が版胴に接触して
いる時間が長くなるので、用紙に印刷された画像に濃度
ムラが生じるおそれもある。
【0006】また、各版胴の外周面に、各版胴の当接開
始位置の前後にわたり、用紙の先端部を挟持する可撓性
の薄板からなる用紙剥離部材をそれぞれ設けた構成が提
案されており、この構成によれば、各用紙剥離部材によ
って用紙の先端部を挟持して、用紙を版胴から剥離して
いる。しかしながら、この場合には、用紙の先端部を挟
持しているので、用紙の先端部に大きな余白部を設定す
る必要があり、用紙の先端部には印刷画像を形成するこ
とができない。また、用紙剥離部材が画像面を挾持した
場合には、画像面のインキが用紙剥離部材に付着し、次
の用紙の先端部を汚してしまうという問題点が発生す
る。
【0007】さらに、用紙剥離部材は版胴の外周面に設
けられているので、用紙に対する印刷画像の前後移動
(天地移動)を行って、互いの版胴の回転位相がずれる
と、各用紙剥離部材の相対位置もずれて、用紙の挾持力
が低下して、用紙の剥離性能も低下する。また、版胴の
回転位相のずれが大きくなると、用紙の剥離が困難にな
る。
【0008】したがって、いずれの場合でも、用紙の確
実な剥離が困難になるという問題点や、用紙の印刷面が
汚れるという問題点がある。よって、本発明の目的は、
両面印刷が可能な孔版印刷装置、あるいは片面印刷用の
孔版印刷装置において、印刷面の汚れを抑え、かつ、用
紙を確実に剥離することができる用紙剥離装置を提供す
ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
第1の版胴と第2の版胴とを有する1工程両面印刷が可
能な孔版印刷装置の用紙剥離装置において、第1の版胴
に巻装されたマスタと印刷された用紙との間に向かって
気体を噴出する第1の噴出手段と、第2の版胴に巻装さ
れたマスタと用紙との間に向かって気体を噴出する第2
の噴出手段と、各噴出手段に気体をそれぞれ供給する気
体供給手段と、各噴出手段の噴出圧をそれぞれ制御する
制御手段とを有する構成である。
【0010】請求項2記載の発明は、請求項1記載の孔
版印刷装置の用紙剥離装置において、第1の噴出手段
が、用紙搬送方向の両版胴の当接位置の下流であって、
かつ、第1の版胴の外周面近傍に、該版胴の軸線方向に
沿ってそれぞれ配設された複数の第1の噴出部材を有
し、第2の噴出手段が、用紙搬送方向の両版胴の当接位
置の下流であって、かつ、第2の版胴の外周面近傍に、
該版胴の軸線方向に沿ってそれぞれ配設された複数の第
2の噴出部材を有し、第1の噴出部材と第2の噴出部材
とが交互に配置されている構成である。
【0011】請求項3記載の発明は、請求項2記載の孔
版印刷装置の用紙剥離装置において、用紙に印刷される
画像を検出する画像検出手段からの情報に基づいて、制
御手段が、第1の噴出部材及び第2の噴出部材の各噴出
圧をそれぞれ独立して制御する構成である。
【0012】請求項4記載の発明は、請求項2または3
記載の孔版印刷装置の用紙剥離装置において、各噴出部
材は、用紙をマスタから剥離する剥離爪としての機能を
それぞれ有する構成である。
【0013】請求項5記載の発明は、第1の版胴と、第
2の版胴と、用紙搬送方向の両版胴の当接位置の下流で
あって、かつ、第1の版胴の外周面近傍に配置された第
1の噴出手段と、用紙搬送方向の両版胴の当接位置の下
流であって、かつ、第2の版胴の外周面近傍に配置され
た第2の噴出手段とを有する1工程両面印刷が可能な孔
版印刷装置の用紙剥離方法であって、両面印刷時に、第
1の噴出手段によって、第1の版胴に巻装されたマスタ
と印刷された用紙との間に向かって気体を噴出するとと
もに、第2の噴出手段によって、第2の版胴に巻装され
たマスタと上記用紙との間に向かって気体を噴出して、
各マスタのうちいずれか一方に貼り付いた用紙を該マス
タから剥離する用紙剥離方法である。
【0014】請求項6記載の発明は、請求項5記載の孔
版印刷装置の用紙剥離方法において、印刷速度が基準の
印刷速度よりも速いとき、両噴出手段の噴出時期をこの
速度差に応じて基準の噴出時期よりも早くし、印刷速度
が基準の印刷速度よりも遅いとき、両噴出手段の噴出時
期をこの速度差に応じて基準の噴出時期よりも遅くする
用紙剥離方法である。
【0015】請求項7記載の発明は、請求項5または6
記載の孔版印刷装置の用紙剥離方法において、用紙に印
刷される画像を検出する画像検出手段からの情報に基づ
いて、両噴出手段の噴出圧を調整する用紙剥離方法であ
る。
【0016】請求項8記載の発明は、請求項7記載の孔
版印刷装置の用紙剥離方法において、用紙の片面または
両面の先端部に画像が印刷されると判断したとき、画像
が印刷される紙面側に位置する噴出手段の噴出圧を基準
の噴出圧よりも高くする用紙剥離方法である。
【0017】請求項9記載の発明は、請求項7または8
記載の孔版印刷装置の用紙剥離方法において、用紙の片
面または両面の先端部にベタ画像が印刷されると判断し
たとき、ベタ画像が印刷される紙面側に位置する噴出手
段の噴出圧を基準の噴出圧よりも高くする用紙剥離方法
である。
【0018】請求項10記載の発明は、請求項7,8ま
たは9記載の孔版印刷装置の用紙剥離方法において、用
紙の両面にベタ画像が印刷されると判断したとき、用紙
の各面におけるベタ画像の面積を互いに比較し、ベタ画
像の面積が大きい紙面側に位置する噴出手段の噴出圧を
他方の噴出手段の噴出圧よりも高くする用紙剥離方法で
ある。
【0019】請求項11記載の発明は、請求項7,8,
9または10記載の孔版印刷装置の用紙剥離方法におい
て、第1の噴出手段及び第2の噴出手段が、各版胴の軸
線方向に沿ってそれぞれ配設された複数の噴出部材を有
する孔版印刷装置の用紙剥離方法であって、用紙の片面
または両面の先端部に部分的にベタ画像が印刷されると
判断したとき、ベタ画像が印刷される紙面側に位置する
噴出手段の各噴出部材のうち、ベタ画像の位置に対応す
る噴出部材の噴出圧を他の噴出部材の噴出圧よりも高く
する用紙剥離方法である。
【0020】請求項12記載の発明は、第1の版胴と、
第2の版胴と、用紙搬送方向の両版胴の当接位置の下流
であって、かつ、第1の版胴の外周面近傍に配置された
第1の噴出手段と、用紙搬送方向の両版胴の当接位置の
下流であって、かつ、第2の版胴の外周面近傍に配置さ
れた第2の噴出手段とを有する1工程両面印刷が可能な
孔版印刷装置の用紙剥離方法であって、片面印刷時に、
画像が印刷される紙面側に位置する噴出手段によって、
製版されたマスタと印刷された用紙との間に向かって気
体を噴出して、用紙をマスタから剥離する用紙剥離方法
である。
【0021】請求項13記載の発明は、請求項12記載
の孔版印刷装置の用紙剥離方法において、印刷速度が基
準の印刷速度よりも速いとき、噴出手段の噴出時期をこ
の速度差に応じて基準の噴出時期よりも早くし、印刷速
度が基準の印刷速度よりも遅いとき、噴出手段の噴出時
期をこの速度差に応じて基準の噴出時期よりも遅くする
用紙剥離方法である。
【0022】請求項14記載の発明は、請求項12また
は13記載の孔版印刷装置の用紙剥離方法において、用
紙に印刷される画像を検出する画像検出手段からの情報
に基づいて、噴出手段の噴出圧を調整する用紙剥離方法
である。
【0023】請求項15記載の発明は、請求項14記載
の孔版印刷装置の用紙剥離方法において、用紙の先端部
に画像が印刷されると判断したとき、噴出手段の噴出圧
を基準の噴出圧よりも高くする用紙剥離方法である。
【0024】請求項16記載の発明は、請求項14また
は15記載の孔版印刷装置の用紙剥離方法において、用
紙の先端部にベタ画像が印刷されると判断したとき、噴
出手段の噴出圧を基準の噴出圧よりも高くする用紙剥離
方法である。
【0025】請求項17記載の発明は、請求項14,1
5または16記載の孔版印刷装置の用紙剥離方法におい
て、第1の噴出手段及び第2の噴出手段が、各版胴の軸
線方向に沿ってそれぞれ配設された複数の噴出部材を有
する孔版印刷装置の用紙剥離方法であって、用紙の先端
部に部分的にベタ画像が印刷されると判断したとき、噴
出手段の各噴出部材のうち、ベタ画像の位置に対応する
噴出部材の噴出圧を他の噴出部材の噴出圧よりも高くす
る用紙剥離方法である。
【0026】請求項18記載の発明は、用紙搬送方向の
画像転写部の下流であって、かつ、版胴の外周面近傍に
配置され、版胴の軸線方向に沿ってそれぞれ配設された
複数の噴出部材を有する孔版印刷装置の用紙剥離方法で
あって、用紙先端部に部分的にベタ画像が印刷されると
判断したとき、各噴出部材のうち、ベタ画像の位置に対
応する噴出部材の噴出圧を他の噴出部材の噴出圧よりも
高くすることを特徴とする孔版印刷装置の用紙剥離方
法。
【0027】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施形態に用
いられる孔版印刷装置1の概略側面図を示している。同
図において、孔版印刷装置1は、画像検出手段としての
画像読取部2、給紙部3、第1製版部4、第2製版部
5、第1排版部6、第2排版部7、排紙部8、印刷部
9、制御部10から主に構成されている。
【0028】筐体23の上部には、画像読取部2が配設
されている。画像読取部2は、原稿を載置するコンタク
トガラス11、原稿を搬送する原稿搬送ローラ対12及
び原稿搬送ローラ13、搬送される原稿をガイドするガ
イド板14,15、原稿をコンタクトガラス11に沿っ
て搬送する原稿搬送ベルト16、読み取られた原稿の排
出方向を切り換える切換板17、原稿画像を走査して読
み取るための反射ミラー18,19及び蛍光灯20、走
査された画像を集束するレンズ21、集束された画像を
処理するCCD等の画像センサ22から主に構成されて
いる。画像センサ22は、後述する制御手段169に接
続されており、この画像センサ22からの画像信号は、
制御手段169に入力される。
【0029】筐体23の図中、右側中段には、給紙部3
が配設されている。給紙部3は、用紙Pの幅に合わせて
移動可能な一対のサイドガイド76を有する給紙トレイ
24、用紙Pを1枚ずつ給送する給紙コロ25及び分離
コロ26,27、給送される用紙Pをガイドするガイド
板28,29、給送された用紙Pの先端をくわえ込んで
タイミングを取った後に給送するレジストローラ対3
0、レジストローラ対30によって給送される用紙Pを
ガイドするガイド板31,32等から主に構成されてい
る。サイドガイド76には、その位置より用紙Pのサイ
ズを検出する図示しないセンサが設けられており、この
センサからの出力信号は、後述する制御手段169に入
力される。
【0030】給紙部3の上方には、第1製版部4が配設
されている。第1製版部4は、マスタ33をロール状に
巻成してなるマスタロール34、マスタ33を加熱穿孔
製版するサーマルヘッド35、マスタ33をサーマルヘ
ッド35に押圧しつつ搬送するプラテンローラ36、マ
スタ33を切断する切断手段37、マスタ33を搬送す
るマスタ搬送ローラ対38,39等から主に構成されて
いる。
【0031】マスタロール34は、その芯部34aを図
示しない支持部材に回転自在に支持されている。プラテ
ンローラ36は、図示しないステッピングモータによっ
て回転駆動される。切断手段37は、可動刃37aが固
定刃37bに対して回転移動あるいは上下動する。
【0032】筐体23の図中、左側中段には、第2製版
部5が配設されている。第2製版部5は、第1製版部4
と同様に、マスタ40をロール状に巻成してなり、芯部
41aを図示しない支持部材に回転自在に支持されたマ
スタロール41、サーマルヘッド42、図示しないステ
ッピングモータによって回転駆動されるプラテンローラ
43、可動刃44aと固定刃44bとからなる切断手段
44、マスタ搬送ローラ対45,46等から主に構成さ
れている。
【0033】第2製版部5の上方には、第1排版部6が
配設されている。第1排版部6は、上排版部材47、下
排版部材48、排版ボックス49、圧縮板50等から主
に構成されている。
【0034】上排版部材47は、駆動ローラ51、従動
ローラ52、無端ベルト53から構成され、駆動ローラ
51が図1において時計回り方向に回転することにより
無端ベルト53が図の矢印方向に移動する。下排版部材
48も上排版部材47と同様に駆動ローラ54、従動ロ
ーラ55、無端ベルト56から構成されており、駆動ロ
ーラ54が図1において反時計回り方向に回転すること
により無端ベルト56が図中の矢印方向に移動する。ま
た、下排版部材48は、図示しない移動手段によって移
動自在に設けられており、図1に示す位置と駆動ローラ
54の外周面が後述する第1の版胴としての版胴79の
外周面に当接する位置とに選択的に位置決めされる。印
刷済みマスタを貯容する排版ボックス49は、筐体23
に対して着脱自在に設けられている。排版ボックス49
の内部に印刷済みマスタを押し込む圧縮板50は、図示
しない昇降手段によって上下動自在に支持されている。
【0035】第2製版部5の図中、右下方には、第2排
版部7が配設されている。第2排版部7は、第1排版部
6と同様に、上排版部材57、下排版部材58、排版ボ
ックス59、圧縮板60等から主に構成されている。
【0036】上排版部材57及び下排版部材58は、上
排版部材47及び下排版部材48と同様に、駆動ローラ
61、従動ローラ62、無端ベルト63、並びに駆動ロ
ーラ64、従動ローラ65、無端ベルト66からそれぞ
れ構成されており、各駆動ローラ61,64の回転によ
り各無端ベルト63,66が図中の矢印方向に移動す
る。また、下排版部材58は、図示しない移動手段によ
って移動自在に設けられており、図1に示す位置と駆動
ローラ64の外周面が後述する第2の版胴としての版胴
80の外周面に当接する位置とに選択的に位置決めされ
る。印刷済みマスタを貯容する排版ボックス59は、筐
体23に対して着脱自在であり、圧縮板60は、図示し
ない昇降手段によって上下動される。
【0037】第2製版部5と第1排版部6との間には、
排紙部8が配設されている。排紙部8は、用紙剥離装置
190(図2参照)、排紙搬送手段67、排紙トレイ7
2から主に構成されている。
【0038】用紙剥離装置190は、図1〜4に示すよ
うに、版胴79に巻装されたマスタと印刷された用紙P
との間に向かって気体を噴出する第1の噴出手段191
と、版胴80に巻装されたマスタと用紙Pとの間に向か
って空気を噴出する第2の噴出手段192と、各噴出手
段191,192に空気をそれぞれ供給する気体供給手
段としての空気供給手段193とから主に構成されてい
る。なお、本実施形態では、気体として最も容易に使用
できる空気を用いているが、空気に限らず、ガス等を用
いてもよい。
【0039】第1の噴出手段191は、用紙搬送方向の
両版胴79,80の当接位置の下流であって、かつ、版
胴79の外周面近傍に配置されている。第1の噴出手段
191は、版胴79の軸線方向に沿ってそれぞれ配設さ
れた第1の噴出部材としての3つの用紙剥離部材191
a,191b,191cを有している。用紙剥離部材1
91a,191b,191cは、版胴79の軸線方向に
平行な軸194にそれぞれ固定されている。軸194
は、側板133,135に回動可能に支持されており、
駆動手段167、例えば、ソレノイドにより回動され
る。駆動手段167による軸194の回動により、用紙
剥離部材191a,191b,191cは、版胴79の
外周面から離間する位置と、この外周面に近接する位置
とに移動される。また、駆動手段167は、後述する制
御手段169によりその作動を制御される。
【0040】用紙剥離部材191a,191b,191
cは、互いに同形状であるので、以下、用紙剥離部材1
91aについて説明する。図5(a),(b)に示すよ
うに、用紙剥離部材191aの先端部は、略円錐状に形
成され、さらにその先端には、剥離爪a1が設けられて
いる。剥離爪a1は、周知の剥離爪と同様の機能を有し
ている。用紙剥離部材191aの内部には、空気通路a
2が形成されており、この空気通路a2の一方は、用紙
剥離部材191aの先端部に、その他方は、用紙剥離部
材191aの側面に設けられた接続口a3にそれぞれ開
口している。接続口a3には、後述するホース199a
が接続されている。
【0041】第2の噴出手段192は、用紙搬送方向の
両版胴79,80の当接位置の下流であって、かつ、版
胴80の外周面近傍に配置されている。すなわち、第2
の噴出手段192は、第1の噴出手段191の下方であ
って、この第1の噴出手段191に対向して配置されて
いる。第2の噴出手段192は、版胴79の軸線方向に
沿ってそれぞれ配設された第2の噴出部材としての2つ
の用紙剥離部材192a,192bを有している。用紙
剥離部材192a,192bは、版胴80の軸線方向に
平行な軸195にそれぞれ固定されている。軸195
は、側板133,135に回動可能に支持されており、
駆動手段168、例えば、ソレノイドにより回動され
る。駆動手段168による軸195の回動により、用紙
剥離部材192a,192bは、版胴80の外周面から
離間する位置と、この外周面に近接する位置とに移動さ
れる。駆動手段168は、後述する制御手段169によ
りその作動を制御される。
【0042】図2,3に示すように、用紙剥離部材19
2aは、用紙剥離部材191a,191bの間に、用紙
剥離部材192bは、用紙剥離部材191b,191c
の間にそれぞれ配置されている。すなわち、用紙剥離部
材191a,191b,191c,192a,192b
は、交互に配置されている。用紙剥離部材192a,1
92bも、用紙剥離部材191a,191b,191c
と同様の形状に形成されている。
【0043】図1に示すように、孔版印刷装置1の下部
には、空気供給手段193が配設されている。空気供給
手段193は、図2に示すように、用紙剥離部材191
a,191b,191c,192a,192bに空気を
供給する空気供給部196と、この空気供給部196を
駆動する駆動部197と、空気供給部196による空気
供給圧を調整する圧力調整部198とから主に構成され
ている。
【0044】空気供給部196は、各用紙剥離部材19
1a,191b,191c,192a,192bにそれ
ぞれ対応する空気供給部196a〜196eから構成さ
れており、圧力調整部198は、これら空気供給部19
6a〜196eにそれぞれ対応する圧力調整部198a
〜198eから構成されている。空気供給部196a〜
196eは、互いに同様の構成であるので、空気供給部
196aについて説明し、その他の空気供給部196b
〜196eの説明は省略する。また、圧力調整部198
a〜198eも、互いに同様の構成であるので、圧力調
整部198aについて説明し、その他の圧力調整部19
8b〜198eの説明は省略する。
【0045】空気供給部196aは、図6に示すよう
に、一方が開口し、他方が密閉され、密閉側がホース1
99aを介して用紙剥離部材192aに接続されるシリ
ンダ200aと、周面に気密用のパッキン201aが設
けられたピストン202aと、シリンダ200a内を外
部と連通する通気孔203aと、この通気孔203aを
開閉する弁204aとから構成されている。弁204a
は、ピストン202aの圧縮時に通気孔203aを閉
じ、吸気時に開く一方向性の弁である。また、ピストン
202aのシリンダ200aの開口側に対面する端面に
は、連結レバー取付部205aが形成されている。
【0046】この構成より、シリンダ200a〜200
e内でピストン202a〜202eをそれぞれ往復移動
することによって、シリンダ200a〜200e内の空
気を圧縮し、この空気をホース199a〜199eを介
して用紙剥離部材192a,192b,191a,19
1b,191cにそれぞれ供給し、空気を用紙剥離部材
192a,192b,191a,191b,191cの
各先端からそれぞれ噴出する。
【0047】ところで、用紙剥離部材191a〜191
c,192a,192bは、印刷された用紙P毎に空気
を噴出しなければならないので、印刷速度が速くなる
と、用紙剥離部材191a〜191c,192a,19
2bからの噴出間隔もこれに応じて早くする必要があ
る。用紙剥離部材191a〜191c,192a,19
2bからの噴出間隔を早くするには、シリンダ200a
〜200e内において、ピストン202a〜202eの
往復移動を速くしなければならない。また、この逆に、
印刷速度が遅くなると、用紙剥離部材191a〜191
c,192a,192bからの噴出間隔もこれに応じて
遅くする必要があり、シリンダ200a〜200e内に
おいて、ピストン202a〜202eの往復移動を遅く
しなければならない。
【0048】ここで、ピストン移動速度が変化した場合
におけるピストン移動位置と、このピストン移動位置に
おける噴出圧との関係を図7に示す。同図において、ピ
ストン移動速度が予め設定された基準速度である場合の
噴出圧の特性を線A1、ピストン移動速度が基準速度よ
りも遅い場合の噴出圧の特性を線A2、ピストン移動速
度が基準速度よりも速い場合の噴出圧の特性を線A3で
それぞれ示す。また、線A1における最大噴出圧発生位
置を点B1、線A2における最大噴出圧発生位置を点B
2、線A3における最大噴出圧発生位置を点B3でそれ
ぞれ示す。
【0049】図7から明らかなように、ピストン移動速
度が変化すると、その速度変化に応じてピストン位置に
よる噴出圧及び最大噴出圧発生位置も変化する。すなわ
ち、ピストン移動速度が基準速度よりも遅いときには、
線A2で示すように、噴出圧が基準速度時の噴出圧より
も低下するとともに、基準速度時の最大噴出圧発生位置
よりも以前に最大噴出圧を発生する。すなわち、基準速
度時の最大噴出圧発生位置の手前の位置で最大噴出圧を
発生する。一方、ピストン移動速度が基準速度よりも速
いときには、線A3で示すように、噴出圧が基準速度時
の噴出圧よりも高くなるとともに、基準時速度の最大噴
出圧発生位置よりも遅くれて最大噴出圧を発生する。す
なわち、基準速度時の最大噴出圧発生位置を通過した位
置で最大噴出圧を発生する。
【0050】そこで、ピストン移動速度の変化により最
大噴出圧発生位置が変化しても、最大噴出圧を最適な時
期で発生するために、ピストンの移動開始位置をピスト
ン移動速度の変化に応じて補正する。すなわち、印刷速
度が遅くなり、ピストン移動速度を遅くした場合には、
この場合における最大噴出圧発生位置が基準速度時の最
大噴出圧発生位置の手前の位置となるので、ピストンの
移動開始位置を点C1まで戻して、最大噴出圧発生位置
を基準速度時の最大噴出圧発生位置(点B1)に合致さ
せる。なお、このときの噴出圧の特性は図中、線A21
となる。また、印刷速度が速くなり、ピストン移動速度
を速くした場合には、この場合における最大噴出圧発生
位置が基準速度時の最大噴出圧発生位置を通過した位置
となるので、ピストンの移動開始位置を点C2まで進め
て、最大噴出圧発生位置を基準速度時の最大噴出圧発生
位置(点B1)に合致させる。なお、このときの噴出圧
の特性は図中、線A31となる。
【0051】したがって、印刷速度の変化により、ピス
トン移動速度を変化させた場合には、この速度変化に応
じてピストンの移動開始位置を点C1,C2にそれぞれ
補正する。これらの補正によって、印刷速度が変化した
場合の最大噴出圧発生時期をそれぞれ調整して、最大噴
出圧を最適な時期で発生させる。なお、ピストンの移動
開始位置の補正は、ピストン移動速度に応じて段階的に
行ってもよいし、連続的に行ってもよい。
【0052】圧力調整部198aは、図6に示すよう
に、連結レバー取付部205aに一端がピン206aで
枢着された連結レバー207aと、搖動端が連結レバー
207aの他端にピン208aで枢着され、中間部にコ
ロ209aと係合する長穴210aが形成されたリンク
レバー211aと、一端が図示しない支持板にピン21
2aで回動自在に枢着され、中間部にリンクレバー21
1aの基端がピン213aで枢着され、他端に扇形ギヤ
214aが形成された回動レバー215aと、扇形ギヤ
214aに噛合するウォーム216aと、駆動軸にウォ
ーム216aが固定された駆動モータ217aと、回動
レバー215aの上下方に位置し、同レバー215aの
位置を検知する位置検知センサ218a,219aとか
ら構成されている。回動レバー215aは、位置検知セ
ンサ219aに検知されている位置、すなわち、図中、
実線で示す位置が基準位置である。駆動モータ217a
と位置検知センサ218a,219aは、後述する制御
手段169に接続されている。なお、図2において、ウ
ォーム216a、駆動モータ217a及び位置検知セン
サ218a,219aの図示を省略している。
【0053】この構成より、駆動モータ217aが作動
すると、ウォーム216aの回転により、回動レバー2
15aが位置検知センサ218aに検知されるまで、回
動レバー215aをピン212aを中心にして反時計回
り方向に回転する。回動レバー215aの回転によっ
て、ピン213aからコロ209aまでの間隔と、コロ
209aからピン208aまでの間隔との比率が変化
し、図6に二点鎖線で示すように、コロ209aを中心
としたリンクレバー211aの揺動角が大きくなり、ピ
ストン202aのストロークが長くなる。ピストン20
2aのストロークの延長により、ピストン202aの移
動時の移動速度を速くでき、噴出圧を高圧とすることが
できる。駆動モータ217aの作動は、後述する制御手
段169によって制御される。
【0054】コロ209aは、ギヤ220aの半径方向
の一部に突設された偏心ピン221aに取り付けられて
いる。ギヤ220aには、アイドラギヤ222aが噛合
している。図2に示すように、ギヤ220a〜220e
は、1本の軸223にそれぞれ固定されており、アイド
ラギヤ222a〜222eも、1本の軸224にそれぞ
れ固定されている。軸224には、アイドラギヤ222
a〜222eの他にアイドラギヤ222fが固定されて
おり、このアイドラギヤ222fには、駆動モータ22
5の駆動軸に固定された駆動ギヤ226が噛合してい
る。ギヤ220a〜220e、アイドラギヤ222a〜
222f、駆動ギヤ226及び駆動モータ225によっ
て駆動部197が構成されている。
【0055】排紙搬送手段67は、図3,4に示すよう
に、ベース68、排紙ガイド板69,70、モータ7
1、排紙ローラ73a,73b,74a,74b,75
a,75b、排紙ガイドスライドベース175,17
6、モータ172,173から主に構成されている。
【0056】中央に穴部68aを有するベース68は、
図示しない取付部材によって筐体23の図示しない側板
に取り付けられており、その下面には、モータ71を収
納したケース174が取り付けられている。
【0057】ベース68上には、排紙ガイド板69を支
持する略L字状の排紙ガイドスライドベース175と、
排紙ガイド板70を支持する略T字状の排紙ガイドスラ
イドベース176とがそれぞれ配設されている。各排紙
ガイドスライドベース175,176は、排紙ガイド板
69,70を支持する支持部175a,176aと、こ
れと直交する方向に延出した延出部175b,176b
とを有しており、各延出部175b,176bには、長
穴175c,176cが形成されている。各排紙ガイド
スライドベース175,176は、ベース68上に植設
された4本のガイドピン177を各長穴175c,17
6cに2本ずつ係合され、ベース68上をスライド自在
に支持されている。また、各延出部175b,176b
には、ラック175d,176dが互いに向き合うよう
に形成されている。各ラック175d,176dには、
モータ71の出力軸71aに固着されたピニオンギヤ1
78が噛合しており、モータ71が回転駆動されること
により各排紙ガイドスライドベース175,176の排
紙ガイド板69,70を支持する部位が互いに接近・離
間するように構成されている。
【0058】排紙ガイド板69は、その底面を複数のガ
イドブロック179上に載置されている。複数のガイド
ブロック179は、図示しない付勢手段を介して排紙ガ
イドスライドベース175に取り付けられている。排紙
ガイド板70も排紙ガイド板69と同様に、図示しない
付勢手段を介して排紙ガイドスライドベース176に取
り付けられた図示しないガイドブロック上にその底面を
載置されている。
【0059】排紙ガイド板69の上方には、ブラケット
180にそれぞれ回転自在に支持された排紙ローラ73
a,74a,75aが、排紙ガイド板70の上方には、
ブラケット181にそれぞれ回転自在に支持された排紙
ローラ75a,75b,75cがそれぞれ配設されてい
る。各ブラケット180,181は、各排紙ガイドスラ
イドベース175,176に取り付けられている。排紙
ローラ73aと排紙ローラ73b、排紙ローラ74aと
排紙ローラ74b、排紙ローラ75aと排紙ローラ75
bとでそれぞれ排紙ローラ対が構成されている。
【0060】各排紙ローラ73a,73b,74a,7
4b,75a,75bは、支軸73c,73d,74
c,74d,75c,75dでそれぞれ支持されてお
り、各排紙ローラの同軸上には、プーリ73e,73
f,74e,74f,75e,75fがそれぞれ配設さ
れている。各支軸は、図3に示すように、各排紙ローラ
の回転軸線である中心軸線Xが、用紙Pの搬送方向と直
交する方向の軸線Yに対して角度αだけ傾斜して配設さ
れている。傾斜の角度αは、45度以下であれば何度で
もよい。
【0061】排紙ローラ75aの近傍には、モータ17
2を支持し、排紙ガイドスライドベース175に取り付
けられたモータブラケット182が、また、排紙ローラ
75bの近傍には、モータ173を支持し、排紙ガイド
スライドベース176に取り付けられたモータブラケッ
ト183がそれぞれ配設されている。各モータブラケッ
ト182,183には、支軸184a,185aの一端
に固着されたギヤ184,185がそれぞれ回転自在に
支持されており、各ギヤ184,185は、各モータ1
72,173の出力軸に固着されたピニオンギヤ172
a,173aと噛合している。各支軸184a,185
aの他端には、プーリ184b,185bがそれぞれ取
り付けられている。プーリ184b,75e間、プーリ
75e,74e間、プーリ74e,73e間、プーリ1
85b,75f間、プーリ75f,74f間、プーリ7
4f,73f間にはそれぞれ無端ベルト186が掛け渡
されている。
【0062】上述の構成より、モータ71が作動する
と、各排紙ガイドスライドベース175,176及びこ
れに取り付けられた各ブラケット180,181、各モ
ータブラケット182,183が接近・離間する。そし
て、各モータ172、173が作動すると、各排紙ロー
ラ73a,73b,74a,74b,75a,75bが
回転する。各モータ71,172,173の作動は、後
述する制御手段169によって制御される。
【0063】排紙搬送手段67によって搬送される用紙
Pをその上面に積載する排紙トレイ72は、用紙Pの幅
方向(用紙Pの搬送方向と直交する方向)に移動自在な
一対のサイドフェンス77とエンドフェンス78とを有
しており、折り畳むことによって筐体23の内部に収納
可能に構成されている。
【0064】筐体23の中央部には、印刷部9が配設さ
れている。印刷部9は、版胴79、版胴80及び版胴駆
動手段81から主に構成されている。
【0065】版胴79は、インキ供給パイプを兼ねた支
軸82をその中心に有しており、その外周面に多孔性支
持板83を、また、内部にインキ供給手段84と接離手
段としてのインキローラ移動手段91とを有している。
【0066】図8に示すように、支軸82の両端部寄り
には、左右対称の形状を呈するフランジ85,85が、
軸受を介して回転自在に取り付けられている。フランジ
85は、図9,10に示すように、その周面の一部に平
面部85aを有しており、その円心部には支軸82の外
形よりも大きく形成された穴部85bが穿設されてい
る。また、フランジ85の内部には、フランジ85の外
形と相似形状のカム部85cが形成されている。
【0067】各フランジ85,85には、図11に示す
ように、各カム部85c,85cの内側に同形のギヤ8
7,142がそれぞれ取り付けられており、各フランジ
85,85は、各ギヤ87,142に取り付けられた軸
受88,88によって支軸82にそれぞれ回転自在に取
り付けられている。
【0068】各フランジ85,85は、各平面部85
a,85aが同一平面となるように支軸82に取り付け
られており、図8に示すように、各平面部85a,85
a上には、一端に曲げ部86bを有するステージ部86
がネジ止め等の方法によって取り付けられる。ステージ
部86上には、鈎型の爪部86a,86aが所定の間隔
をおいて2個固着されている。
【0069】各フランジ85,85の外周面上には、多
孔性支持板83が、その両側端部を当接させる形で巻装
されている。薄い金属板で構成され、表面に多数の穿孔
を有する多孔性支持板83は、その先端部の各爪部86
a,86aと対応する位置に穴部83a,83aを有し
ており、各穴部83a,83aを各爪部86a,86a
に引っかけ、後端部を各フランジ85,85の各周面と
曲げ部86bとの間に挟まれている。この構成により、
多孔性支持板83は、版胴79の内部より版胴79の半
径方向に応力を受けた場合に、その周面が容易にフラン
ジ85の周面から膨出することが可能となっている。
【0070】また、多孔性支持板83の外周面には、図
12に示すように、メッシュスクリーン89が巻装され
ている。樹脂あるいは金属網体からなるメッシュスクリ
ーン89の一端には、薄い板状の取付板89aが取り付
けられており、他端には薄い板状の可動板89bが取り
付けられている。取付板89aは、ネジ止め等によって
ステージ部86上に固定されており、可動板89bは、
引張バネ89c,89cを介してステージ部86上に移
動自在に取り付けられている。この構成により、メッシ
ュスクリーン89は、多孔性支持板83と同様にフラン
ジ85の周面からの膨出が可能となっている。
【0071】ステージ部86上には、マスタ33の先端
を挟持するクランパ90が配設されている。ステージ部
86に基端を回動自在に支持されたクランパ90は、そ
の自由端部に図示しないマグネットを有しており、ステ
ージ部86に対して磁着可能に設けられている。このク
ランパ90は、版胴79が所定の位置に停止したとき図
示しない開閉手段によって開閉される。
【0072】図11,13に示すように、版胴79の内
部にはインキ供給手段84とインキローラ移動手段91
とがそれぞれ配設されている。インキ供給手段84は、
ベース92,92、第1支持部材93、第2支持部材9
4、インキローラ95、ドクターローラ96から主に構
成されており、インキローラ移動手段91は、支持板9
7、ソレノイド98、ストッパ99から主に構成されて
いる。
【0073】板材からなるベース92は、各フランジ8
5,85の内側に位置する支軸82上に、所定の間隔を
おいて2個配設され、2個の取付部材100,100に
よって支軸82にそれぞれ固定されている。
【0074】各ベース92,92間には、第1支持部材
93が配設されている。第1支持部材93は、図14に
示すように、穴93bを有する耳部93a,93aをそ
の両側端部に有しており、その中央部には、揺動軸10
2が挿通固定される穴93cが穿設されている。第1支
持部材93は、各穴93b,93b間に挿通される支持
軸101によって、各ベース92,92に回動自在に支
持されている。
【0075】また、ベース92と第1支持部材93との
間には、各端部をベース92と第1支持部材93とにそ
れぞれ固定された引張バネ104が張設されており、こ
の引張バネ104の付勢力によって第1支持部材93に
は、支持軸101を中心に、図13において反時計回り
方向の回動付勢力が付与されている。引張バネ104の
付勢力は、引張バネ89c,89cの付勢力よりも強く
なるように設定されている。
【0076】第2支持部材94は、各ベース92,92
の外側に配設された2枚の側板94a,94aと、各側
板94a,94aを連結する補強部材94bと、各側板
94a,94a間に設けられた係止棒94cとから主に
構成されている。第2支持部材94は、補強部材94b
の中央に配設された軸受94dによって揺動軸102に
揺動自在に支持されている。
【0077】各側板94a,94a間にはインキローラ
95が配設されている。インキローラ95は、支軸95
aによって各側板94a,94aに回転自在に支持され
ており、図示しない駆動手段によって版胴79と同方向
に回転駆動される。また、支軸95aの両端には、カム
部85cと当接するカムフォロア95b,95bが配設
されている。インキローラ95は、各カムフォロア95
b,95bが各カム部85c,85cの凸部と当接した
ときに、その外周面が多孔性支持板83の内周面より離
間し、各カムフォロア95b,95bが各カム部85
c,85cの凸部を離れ凹部と当接したときに、その外
周面が各フランジ85,85の外周面より突出するよう
に構成されている。
【0078】インキローラ95の近傍には、ドクターロ
ーラ96が配設されている。その外周面をインキローラ
95の外周面に近接配置されたドクターローラ96は各
側板94a,94aに回転自在に支持されており、図示
しない駆動手段によってインキローラ95と逆方向に回
転駆動される。インキローラ95の外周面とドクターロ
ーラ96の外周面との近接部において、支軸82及び図
示しないインキ供給パイプを介して供給されたインキに
よって、楔状のインキ溜まり96aが形成される。
【0079】インキ溜まり96aの上方には、インキ溜
まり96aのインキ量を検知するセンサ170が配設さ
れている。センサ170は図示しない固定部材によって
側板94aに固定されている。
【0080】支持板97は、取付部材100と同様の図
示しない取付部材によって各ベース92,92間の略中
央部に位置する支軸82上に固定されている。支持板9
7には、ソレノイド98、ストッパ99、及び係止棒9
4cの位置からインキローラ95の位置を検知する、反
射型のセンサ152が取り付けられている。
【0081】L字形状を呈し、その一端99aが外方へ
鈎型に折れ曲がって形成され、係止棒94cと係合可能
であるストッパ99は、支軸103によってその曲折部
99bを支持板97に回動自在に取り付けられており、
一端99aと曲折部99bとの間に形成された長孔99
cにおいて、ソレノイド98のプランジャ98aと接続
されている。ストッパ99は図示しない付勢手段によっ
て付勢されており、ストッパ99には、支軸103を中
心に、図13において時計回り方向の回動付勢力が付与
されている。
【0082】版胴79の下方には版胴80が配設されて
いる。版胴80は、インキ供給パイプを兼ねた支軸10
5をその中心に有しており、その外周面に多孔性支持板
106を、また、内部にインキ供給手段107と接離手
段としてのインキローラ移動手段108とを有してい
る。版胴80は、多孔性支持板106の外周面が多孔性
支持板83の外周面より所定の間隔(2〜5mm程度)
だけ離間した位置に配設される。
【0083】支軸105の両端部寄りには、フランジ8
5と略同形状で略左右対称の形状を呈するフランジ10
9,110が、軸受を介して回転自在に取り付けられて
いる。フランジ109,110は、フランジ85と比較
すると、図11に示すように、その中央部内側にボス1
09a,110aを有している点において相違し、平面
部(図示せず)を有する点及びカム部109b,110
bをそれぞれ有する点において一致している。各ボス1
09a,110aには同形のギヤ111,143がそれ
ぞれ取り付けられており、フランジ109はギヤ111
に取り付けられた軸受112によって、また、フランジ
110はギヤ143に取り付けられた軸受112及びフ
ランジ110に取り付けられた軸受113によって支軸
105にそれぞれ回転自在に取り付けられている。
【0084】各フランジ109,110は、フランジ8
5,85と同様に、各平面部が同一平面となるように支
軸105に取り付けられており、各平面部上には図示し
ない爪部とクランパ114を有するステージ部が取り付
けられている。また、各フランジ109,110の外周
面上には、版胴79と同様に、多孔性支持板106と図
示しないメッシュスクリーンとが、各フランジ109,
110の外周面より膨出可能に巻装されている。
【0085】版胴80の内部にはインキ供給手段107
とインキローラ移動手段108とがそれぞれ配設されて
いる。インキ供給手段107は、ベース115、インキ
ローラ支持部材116、インキローラ117、ドクター
ローラ118から主に構成され、インキローラ移動手段
108は、支持部材119、ソレノイド120、ストッ
パ121から主に構成されている。
【0086】ベース115は、図15に示すように、両
側端部に側壁部115a,115aを有しており、各側
壁部115a,115aには、略U字形状を呈し、支軸
105が嵌合可能な溝115bがそれぞれ形成されてい
る。また、各側壁部115a,115a間の前端部側に
は、各側壁部115a,115aの倒れを防止する棒状
の補強部材115cが取り付けられるとともに、ベース
115の前端中央部には切欠部115dが形成されてい
る。ベース115は、各溝115b,115bを支軸1
05に嵌合させた状態で、取付部材100と同様の図示
しない取付部材によって固定される。
【0087】インキローラ支持部材116は、各側壁部
115a,115aの外側に配設された2枚の側板11
6a,116aと、各側板116a,116aを繋ぐ連
結棒116bと、各側板116a,116a間に設けら
れた係止棒116cとから主に構成されており、支持軸
122によってベース115に揺動自在に支持されてい
る。また、ベース115とインキローラ支持部材116
との間には、各端部をベース115とインキローラ支持
部材116とにそれぞれ固定された引張バネ123が張
設されており、この引張バネ123の付勢力によって、
インキローラ支持部材116には支持軸122を中心
に、図13において時計回り方向の回動付勢力が付与さ
れている。引張バネ123の付勢力は、引張バネ104
の付勢力よりも強くなるように設定されている。
【0088】各側板116a,116a間には、インキ
ローラ117が配設されている。インキローラ117
は、支軸117aによって各側板116a,116aに
回転自在に支持されており、図示しない駆動手段によっ
て版胴80と同方向に回転駆動される。また、支軸11
7aの両端には、各カム部109b,110bと当接す
るカムフォロア117b,117bが配設されている。
インキローラ117は、各カムフォロア117b,11
7bが各カム部109b,110bの凸部と当接したと
きに、その外周面が多孔性支持板106の内周面より離
間し、各カムフォロア117b,117bが各カム部1
09b,110bの凹部と当接したときに、その外周面
が各フランジ109,110の外周面より突出するよう
に構成されている。
【0089】インキローラ117の近傍には、ドクター
ローラ118が配設されている。その外周面をインキロ
ーラ117の外周面に近接配置されたドクターローラ1
18は、各側板116a,116aに回転自在に支持さ
れており、図示しない駆動手段によってインキローラ1
17と逆方向に回転駆動される。インキローラ117の
外周面とドクターローラ118の外周面との近接部にお
いて、支軸105及び図示しないインキ供給パイプを介
して供給されたインキによって、楔状のインキ溜まり1
18aが形成される。
【0090】インキ溜まり118aの上方には、インキ
溜まり118aのインキ量を検知するセンサ171が配
設されている。センサ171は図示しない固定部材によ
って側板116aに固定されている。
【0091】板材を折り曲げて形成した支持部材119
は、ネジ止め等によってベース115の内面に取り付け
られており、支持部材119にはソレノイド120が取
り付けられている。
【0092】ストッパ121は、図16に示すように、
脚部121a,121a、突出部121b、舌片121
c、連結棒121dを一体的に有しており、ベース11
5に固定されたブラケット124,124に、支軸12
5によって各脚部121a,121aを回動自在に支持
されている。また、各脚部121a,121aと各ブラ
ケット124,124との間には引張バネ126,12
6が張設されており、ストッパ121には、支軸125
を中心に、図13において反時計回り方向の回動付勢力
が付与されている。突出部121bは、各脚部121
a,121aを一体的に繋ぐべく、各脚部121a,1
21aより突出形成されており、各脚部121a,12
1aとの接続部における段差部において係止棒116c
と係合可能な形状に形成されている。舌片121cは突
出部121bと一体形成されており、後述するようにイ
ンキローラ支持部材116が回動する際に、係止棒11
6cと当接可能な位置に設けられている。連結棒121
dは、その両端を各脚部121a,121aの略中央部
にそれぞれ固着されており、連結棒121dには、一端
をソレノイド120のプランジャ120aに回動自在に
支持された作動片127の他端に設けられたピン127
aが係合している。作動片127は、ソレノイド120
に取り付けられた取付部材128に回動自在に支持され
ている。
【0093】各版胴79,80の内部には、各支軸8
2,105から各インキ溜まり96a,118aに向け
てインキを供給するインキ供給パイプがそれぞれ配設さ
れている。各インキ供給パイプは、1箇所の供給口と分
岐した4箇所の吐出口とを有しており、図示しないイン
キパックから図示しないインキポンプによって供給され
たインキをインキ溜まり96aとインキ溜まり118a
とにそれぞれ供給する。各版胴79,80は、図11に
示すように、筐体23の側板133に固着された位置決
め部材134,134に各支軸82,105の一端をそ
れぞれ位置決め固定されており、各支軸82,105の
他端を筐体23に対して着脱自在の側板135を介して
固定部材136,136に固定されることにより、筐体
23に位置決め固定されている。また、各支軸82,1
05の一端側の各フランジ85,109の外側には、各
フランジ85,109と一体的に各支軸82,105に
回転自在に支持された歯付プーリ137,144が軸受
138,138を介して設けられており、支軸82の他
端側のフランジ85の外側には、支軸82に回転自在に
支持された、側板135との隙間を確保するためのスペ
ーサー139が、軸受140を介してフランジ85と一
体的に設けられている。
【0094】さらに、版胴79の内部には、歯付プーリ
137に伝達された回転力を、ギヤ87,142を介し
て一端側のフランジ85から他端側のフランジ85へ伝
達するための伝達部材141が配設されている。伝達部
材141は、各ベース92,92に回転自在に支持され
た支軸141a及び支軸141aの両端に固着されたギ
ヤ141b,141cから構成され、ギヤ141bがギ
ヤ87と、ギヤ141cがギヤ142とそれぞれ噛合す
るように配設されている。また、版胴80の内部には、
歯付プーリ144に伝達された回転力を、ギヤ111,
143を介してフランジ109からフランジ110へ伝
達するための伝達部材145が配設されている。伝達部
材145は、各側壁部115a,115aに回転自在に
支持された支軸145a及び支軸145aの両端に固着
されたギヤ145b,145cから構成され、ギヤ14
5bがギヤ111と、ギヤ145cがギヤ143とそれ
ぞれ噛合するように配設されている。
【0095】版胴80の右下方には版胴駆動手段81が
配設されている。版胴駆動手段81は、図17に示すよ
うに、正逆転可能で互いに逆方向に回転駆動される2個
のモータ146,147から主に構成されており、各モ
ータ146,147の各出力軸146a,147aには
歯付プーリ148,149がそれぞれ取り付けられてい
る。歯付プーリ148と歯付プーリ137との間及び歯
付プーリ149と歯付プーリ144との間には、タイミ
ングベルト150,151がそれぞれ掛け渡されてお
り、これにより各版胴79,80は各モータ146,1
47の回転力を伝達され、互いに同期して逆方向に回転
駆動される。
【0096】筐体23の前面上部には、操作パネル15
3が配設されている。操作パネル153は、図18に示
すように、製版スタートキー154、印刷スタートキー
155、試し刷りキー156、ストップキー157、テ
ンキー158、クリアキー159、拡大縮小キー16
0、印刷速度設定キー161、連写キー162、7セグ
メントLEDからなる表示装置163、LCDからなる
表示装置164の周知の構成の他、印刷モードを両面印
刷モード、表片面印刷モード、裏片面印刷モードの何れ
かに切り換える印刷モード切換キー165と、印刷モー
ドを表示するLEDからなる印刷モード表示手段166
とを有している。
【0097】筐体23の内部下方には、制御部10が配
設されている。制御部10は、CPU、ROM、RAM
等を有する周知のマイクロコンピュータである制御手段
169より主に構成されており、孔版印刷装置1の動作
を制御する。
【0098】図19は、本実施形態に用いられる制御手
段169の制御ブロック図を示している。制御手段16
9は、画像読取部2からの画像データ信号、各センサ1
52,170,171及び位置検知センサ218a〜2
18e,219a〜219eからの動作信号、操作パネ
ル153からの制御信号、サイドガイド76に設けられ
た図示しないセンサからの出力信号を受け、ROMに記
憶された孔版印刷装置1の動作プログラムに基づいて、
給紙部3、第1製版部4、第2製版部5、第1排版部
6、第2排版部7、モータ71とモータ172,173
を有する排紙部8、図示しないインキポンプ、印刷部
9、駆動手段167,168及び駆動モータ217a〜
217e,225を有する空気供給手段193の制御を
行う。なお、印刷部9では、各モータ146,147を
有する版胴駆動手段81と、ソレノイド98を有するイ
ンキローラ移動手段91と、ソレノイド120を有する
インキローラ駆動手段108とがそれぞれ制御される。
【0099】上述の構成に基づいて、以下、孔版印刷装
置1の動作を説明する。印刷動作に先立ち、オペレータ
により印刷モード切換キー165が押されて印刷モード
が選択される。まず、両面印刷モードが選択された場合
を説明する。
【0100】2枚の原稿が図示しない原稿受け台にセッ
トされ、用紙Pが給紙トレイ24にセットされてサイド
ガイド76が用紙Pの幅に合わせられた後、オペレータ
によって製版スタートキー154が押されると、モータ
146が作動して版胴79が図1において反時計回り方
向に回転するとともに、図示しない移動手段が作動して
下排版部材48が移動し、版胴79の外周面に巻装され
ている印刷済みマスタが上排版部材47及び下排版部材
48によって剥離搬送される。剥離された印刷済みマス
タは排版ボックス49内に収納された後、圧縮板50に
よって圧縮される。版胴79の回転と同時にモータ14
7が作動し、版胴80が図1において時計回り方向に回
転するとともに、図示しない移動手段が作動して下排版
部材58が移動し、版胴80の外周面に巻装されている
印刷済みマスタは、上排版部材57及び下排版部材58
によって版胴80の外周面より剥離されて排版ボックス
59内に搬送され、圧縮板60によって圧縮される。そ
の後、各版胴79,80が給版待機位置まで回転して停
止し、排版動作が完了する。なお、本実施形態では、版
胴79により用紙Pの表面に印刷を、版胴80により用
紙Pの裏面に印刷をそれぞれ行う。
【0101】画像読取部2では1枚目の原稿の画像の読
取動作が行われる。排版動作と並行して原稿搬送ローラ
対12が回転を開始し、1枚目の原稿がコンタクトガラ
ス11上を搬送される。原稿画像の読み取りは、蛍光灯
20によって露光されて反射した反射光を反射ミラー1
8,19によって反射することにより行われ、読み取ら
れた原稿画像はレンズ21で集光された後に画像センサ
22に入射されて光電変換され、光電変換された電気信
号は筐体23内の図示しないA/D変換器に入力され
る。画像を読み取られた原稿は、原稿搬送ベルト16及
び原稿搬送ローラ13によって原稿搬送ベルト16の上
部に配設された図示しない原稿トレイに排出される。
【0102】原稿読取動作に並行して、第1製版部4で
は製版動作が行われる。排版動作完了後、プラテンロー
ラ36とマスタ搬送ローラ対38,39がそれぞれ回転
を開始し、マスタロール34からマスタ33が引き出さ
れる。引き出されたマスタ33はサーマルヘッド35を
通過する際に製版される。サーマルヘッド35の表面に
整列配置された複数の発熱素子は、A/D変換器及びそ
の他の図示しない製版基板で各種処理を施された後に送
られてきたデジタル画像信号に応じて各々選択的に発熱
し、マスタ33の熱可塑性樹脂フィルムを加熱溶融穿孔
する。
【0103】プラテンローラ36を回転駆動する図示し
ないステッピングモータのステップ数より、マスタ33
の先端がステージ部86とクランパ90との間の所定位
置まで到達したと制御手段169が判断すると、図示し
ない開閉手段に動作信号が送られてクランパ90が回転
し、ステージ部86とクランパ90とでマスタ33の先
端を挟持する。
【0104】その後、版胴79がマスタ33の搬送速度
と同じ周速度で図1において時計回り方向に回転し、マ
スタ33の版胴79への巻装動作が行われる。そして、
図示しないステッピングモータのステップ数より、1版
分の製版が完了したと制御手段169が判断すると、プ
ラテンローラ36及びマスタ搬送ローラ対38,39の
回転が停止するとともに、可動刃37aが回転移動して
マスタ33が切断される。切断されたマスタ33は、版
胴79の回転動作によって引き出され、版胴79が再び
ホームポジションに到達すると制御手段169からの指
令によってモータ146が停止して、版胴79が位置決
めされる。
【0105】1枚目の原稿読取後、原稿搬送ローラ対1
2は回転を継続し、残り1枚の原稿がコンタクトガラス
11上を搬送され、先の原稿と同様に読み取られた後、
図示しない原稿トレイに排出される。本実施形態では2
枚の原稿よりそれぞれ画像を読み取ったが、1枚の原稿
の両面から画像を読み取る場合には、一方の面の読取完
了後、原稿搬送ベルト16及び原稿搬送ローラ13が回
転すると同時に切換板17が図示しない機構により反時
計回り方向に回転することで、原稿の進行方向が変更さ
れて再度コンタクトガラス11上に導かれ、他方の面が
読み取られるように構成されている。
【0106】2枚目の原稿読取動作に並行して、第2製
版部5では第1製版部4と同様に製版動作が行われる。
排版動作完了後、プラテンローラ43とマスタ搬送ロー
ラ対45,46がそれぞれ回転を開始し、マスタロール
41からマスタ40が引き出される。引き出されたマス
タ40は、マスタ33と同様にサーマルヘッド42を通
過する際に製版される。
【0107】そして、プラテンローラ43を回転駆動す
る図示しないステッピングモータのステップ数より、マ
スタ40の先端が所定位置まで到達したと制御手段16
9が判断すると、図示しない開閉手段に動作信号が送ら
れてクランパ114が回転し、ステージ部とクランパ1
14とでマスタ40の先端を挟持する。
【0108】その後、版胴80がマスタ40の搬送速度
と同じ周速度で図1において反時計回り方向に回転し、
マスタ40の版胴80への巻装動作が行われる。そし
て、図示しないステッピングモータのステップ数より、
1版分の製版が完了したと制御手段169が判断する
と、プラテンローラ43及びマスタ搬送ローラ対45,
46の回転が停止するとともに、可動刃44aが回転移
動してマスタ40が切断される。切断されたマスタ40
は版胴80の回転動作によって引き出され、版胴80が
再びホームポジションに到達すると制御手段169から
の指令によってモータ147が停止して、版胴80が位
置決めされる。
【0109】各版胴79,80への給版動作と同時に、
制御手段169は、画像読取部2からの画像データ信号
に基づいて次の各判断を行う。 用紙Pの片面または両面の用紙搬送方向における先端
部に画像が印刷されるかどうかを判断する。換言する
と、用紙Pの先端部に余白部が少ないかどうかを判断す
る。 各原稿にベタ画像があるかどうかを判断し、ベタ画像
がある場合には、そのベタ画像が印刷される用紙Pの用
紙搬送方向における先端部にベタ画像が印刷されるかど
うかを判断する。特に、ベタ画像が用紙幅方向にわたっ
て印刷されるかどうかを判断する。 上記において、用紙Pの先端部のベタ画像が、用紙
幅方向において部分的に存在しているかどうかを判断す
る。 両原稿にベタ画像があるかどうかを判断し、両原稿に
ベタ画像がある場合には、それらの面積を互いに比較し
て、いずれのベタ画像の面積が大きいかを判断する。
【0110】制御手段169は、上述の4つの判断に基
づいて、用紙剥離時の空気供給手段193による空気供
給圧(噴出圧)を設定する。この設定について以下、説
明する。において、用紙Pの表面の先端部に画像が印
刷されると判断した場合、において、用紙Pの表面の
先端部にベタ画像が印刷されると判断した場合、にお
いて、用紙Pの表面のベタ画像の面積が裏面のベタ画像
の面積よりも大きいと判断した場合には、制御手段16
9が、駆動モータ217c〜217eを作動して、回動
レバー215c〜215eを位置検知センサ218c〜
218eにそれぞれ検知されるまで回転する。これらの
回動レバー215c〜215eの回転によって、ピスト
ン202c〜202eのストロークが延長され、用紙剥
離部材191a〜191cからの噴出圧が高圧となるよ
うに設定される。このとき、用紙剥離部材192a,1
92bからの噴出圧は基準圧に設定される。
【0111】において、用紙Pの裏面の先端部に画像
が印刷されると判断した場合、において、用紙Pの裏
面の先端部にベタ画像が印刷されると判断した場合、
において、用紙Pの裏面のベタ画像の面積が表面のベタ
画像の面積よりも大きいと判断した場合には、制御手段
169が、駆動モータ217a,217bを作動して、
回動レバー215a,215bを位置検知センサ218
a,218bにそれぞれ検知されるまで回転する。これ
らの回動レバー215a,215bの回転によって、ピ
ストン202a,202bのストロークが延長され、用
紙剥離部材192a,192bからの噴出圧が高圧とな
るように設定される。このとき、用紙剥離部材191a
〜191cからの噴出圧は基準圧に設定される。
【0112】において、用紙Pの両面の先端部に画像
が印刷されると判断した場合、において、用紙Pの両
面の先端部にベタ画像が印刷されると判断した場合、
,において、用紙Pの一方面の先端部に画像が、用
紙Pの他方面の先端部にベタ画像がそれぞれ印刷される
と判断した場合には、制御手段169が、駆動モータ2
17a〜217eを作動して、回動レバー215a〜2
15eの全てを位置検知センサ218a〜218eにそ
れぞれ検知されるまで回転する。これらの回動レバー2
15a〜215eの回転によって、ピストン202a〜
202eのストロークが延長され、用紙剥離部材191
a〜191c,192a,192bからの噴出圧が高圧
となるように設定される。
【0113】において、用紙Pの先端部に部分的にベ
タ画像が印刷されると判断した場合(図22参照)に
は、制御手段169が、用紙剥離部材191a〜191
c,192a,192bのうち、ベタ画像の位置に対応
する用紙剥離部材の駆動モータを作動して、回動レバー
を位置検知センサに検知されるまで回転する。これらの
回動レバーの回転によって、ピストンのストロークが延
長され、ベタ画像の位置に対応する用紙剥離部材からの
噴出圧が高圧となるように設定される。このとき、残り
の用紙剥離部材、すなわち、ベタ画像の位置に対応して
いない用紙剥離部材からの噴出圧は基準圧に設定され
る。
【0114】例えば、図22に示す場合には、制御手段
169が、用紙剥離部材191a〜191c,192
a,192bのうち、ベタ画像の位置に対応する用紙剥
離部材191cの駆動モータ217eを作動して、回動
レバー215eを位置検知センサ218eに検知される
まで回転する。この回動レバー215eの回転によっ
て、ピストン202eのストロークが延長され、ベタ画
像の位置に対応する用紙剥離部材191cからの噴出圧
が高圧となるように設定される。このとき、残りの用紙
剥離部材191a,191b,192a,192bから
の噴出圧は基準圧に設定される。
【0115】よって、制御手段169は、画像読取部2
からの画像データ信号に基づいて、用紙剥離部材191
a〜191c,192a,192bからの噴出圧を基準
圧と高圧のうちいずれかにそれぞれ設定する。用紙Pの
両面の先端部に画像やベタ画像が印刷されない場合に
は、制御手段169は、用紙剥離部材191a〜191
c,192a,192bからの噴出圧を基準圧の状態を
維持する。また、用紙Pの先端部に部分的にベタ画像が
印刷される場合には、ベタ画像に対応する用紙剥離部材
からの噴出圧のみを高圧に設定する。
【0116】各版胴79,80への給版動作が完了する
と同時に、給紙コロ25、分離コロ26,27が回転す
るとともに、各モータ146,147が再び作動を開始
し、給紙トレイ24上に積載されている用紙Pの最上位
の1枚がレジストローラ対30に向けて分離給送される
とともに、各版胴79,80が低速で回転を開始する。
分離給送され、その先端をレジストローラ対30にくわ
え込まれた用紙Pは、レジストローラ対30が所定のタ
イミングで回転することにより、各版胴79,80間に
給送される。
【0117】各モータ146,147の回転開始と同時
に制御手段169から各モータ172,173に作動信
号が出力され、各モータ172,173が同時に同期し
て回転を開始する。これにより各排紙ローラ73a,7
3b,74a,74b,75a,75bが同期して回転
する。
【0118】一方、各版胴79,80の内部では、図示
しない駆動手段によってそれぞれ回転駆動された各イン
キローラ95,117が、各版胴79,80の回転に伴
い各カム部85c,85c,109b,110bの形状
に沿って同時に揺動する。
【0119】図13において、ソレノイド98への通電
を行いつつ版胴79(各フランジ85,85)を回転さ
せ、各カム部85c,85cの凸部が各カムフォロア9
5b,95bと当接してインキローラ95が図中、上方
に向けて移動し、ストッパ99の一端99aと係止棒9
4cとの間に隙間が発生すると、プランジャ98aが吸
引されてストッパ99が支軸103を中心に図中、反時
計回り方向に回転される。その後、各カムフォロア95
b,95bが各カム部85c,85cの凸部を通過する
と、第1支持部材93と第2支持部材94とが引張バネ
104の付勢力によって支持軸101を中心に図中、反
時計回り方向に回転する。この回転によりインキローラ
95の外周面が多孔性支持板83と圧接し、多孔性支持
板83及びメッシュスクリーン89が図中、下方に向け
て膨出する。このとき、センサ152からの信号によ
り、インキローラ95が揺動されたことを制御手段16
9が確認する。
【0120】また、図13において、ソレノイド120
への通電を行いつつ版胴80(各フランジ109,11
0)を回転させ、各カム部109b,110bの凸部が
各カムフォロア117b,117bと当接してインキロ
ーラ117が図中、下方に向けて移動し、ストッパ12
1の突出部121bと係止棒116cとの間に隙間が発
生すると、プランジャ120aが吸引されてストッパ1
21が支軸125を中心に図中、時計回り方向に回転さ
れる。その後、各カムフォロア117b,117bが各
カム部109b,110bの凸部を通過すると、インキ
ローラ支持部材116が引張バネ123の付勢力によっ
て支持軸122を中心に図中、時計回り方向に回転す
る。この回転によりインキローラ117の外周面が多孔
性支持板106と圧接し、多孔性支持板106及び図示
しないメッシュスクリーンが図中、上方に向けて膨出す
る。
【0121】この各インキローラ95,117の揺動動
作と略同時に、レジストローラ対30から各版胴79,
80間に向けて用紙Pが給送される。その後、各版胴7
9,80が回転することにより、多孔性支持板83、多
孔性支持板106、メッシュスクリーン89、図示しな
いメッシュスクリーン、マスタ33、マスタ40及び用
紙Pを介してインキローラ95とインキローラ117と
が圧接し、用紙Pの両面に画像が転写される。なお、こ
の圧接時において、第2支持部材94が揺動軸102を
中心に揺動することによりインキローラ95が揺動し、
軸方向におけるインキローラ117との圧接が均一に行
われる。インキローラ95とインキローラ117との圧
接状態を図11及び図20に示す。
【0122】一方、制御手段169が駆動手段167を
作動することにより、軸194が回転されて、用紙剥離
部材191a〜191cは、クランパ90との接触を避
けるために、一時的に版胴79の外周面から離間する。
クランパ90との接触を回避した後、用紙剥離部材19
1a〜191cは、版胴79の外周面に接近する。用紙
剥離部材192a,192bも同様に、駆動手段168
が作動することにより、クランパ114との接触を避け
るために、一時的に版胴80の外周面から離間して、再
度、版胴80の外周面に接近する。
【0123】用紙Pは、インキローラ95とインキロー
ラ117との圧接部を通過する際に、その両面に画像を
転写される。用紙Pは、その両面に転写される画像に応
じて各版胴79,80のうちのいずれか一方の版胴の外
周面に貼り付く。用紙Pは、各版胴79,80のうちの
いずれか一方の版胴の外周面に貼り付いた状態で、その
先端がインキローラ95とインキローラ117との圧接
部を通過する。この用紙Pの先端が圧接部を通過するタ
イミング、換言すると、用紙Pの先端部が用紙剥離部材
191a〜191c、あるいは用紙剥離部材192a,
192bに接近するタイミングに合わせて、制御手段1
69が駆動モータ225を駆動してピストン202a〜
202eの移動を開始し、用紙剥離部材191a〜19
1cによって用紙Pの表面側から、用紙剥離部材192
a,192bによって用紙Pの裏面側から空気を用紙P
の両面と各版胴79,80との間にそれぞれ噴出する。
このときの空気噴出の流れを図21に示す。これらの空
気噴出により、用紙Pの先端が、貼り付いていた各版胴
79,80の外周面から剥離される。その後も引き続い
て空気噴出が続行され、用紙Pの先端部は、図21に示
すように、波状に腰付けされて、各版胴79,80の外
周面から剥離される。用紙Pが波状に腰付けされること
によって、各版胴79,80の外周面からの剥離性を向
上でき、用紙Pが各版胴79,80の外周面から均一に
剥離されて、用紙Pの印刷画像の濃度ムラを防止でき
る。なお、用紙剥離部材191a〜191c,192
a,192bの各噴出圧は、上述したように、画像読取
部2からの画像データ信号に基づいて基準圧と高圧のう
ちいずれか一方にそれぞれ設定されている。
【0124】剥離された用紙Pの先端は、各排紙ローラ
73a,73bと各排紙ガイド板69,70との間に送
り込まれるが、用紙Pの先端が各排紙ローラ73a,7
3bと各排紙ガイド板69,70との当接部に到達する
前に、サイドガイド76に設けられた図示しないセンサ
からの信号が制御手段169に入力され、制御手段16
9は、この信号に基づいてモータ71に作動信号を出力
する。モータ71が作動すると、ピニオンギヤ178、
ラック175d,176dを介して各排紙ガイドスライ
ドベース175,176が移動し、各排紙ガイドスライ
ドベース175,176は、各排紙ローラ73a,73
b,74a,74b,75a,75bと各排紙ガイド板
69,70とで用紙Pの両側端余白部を挟持可能となる
位置に位置決めされる。これにより、用紙Pのサイズが
変更されても、各排紙ローラ及び各排紙ガイド板の位置
を自動的に用紙Pの幅と合致させることができる。
【0125】各排紙ローラ73a,73bと各排紙ガイ
ド板69,70との当接部に先端をくわえ込まれた用紙
Pは、各排紙ローラ73a,73bの回転力により用紙
搬送方向の下流側へと送られる。このとき、各排紙ロー
ラ73a,73bの中心軸線Xが角度αで外側に向けて
傾斜しているため、用紙Pには図3に矢印Dで示すよう
な外側への偏倚力が付与され、用紙Pは常に張られた状
態で、スキュー、弛み等の発生を防止されつつ搬送され
る。
【0126】さらに、用紙Pは、その両側端余白部を各
排紙ローラ73a,73b,74a,74b,75a,
75bと各排紙ガイド板69,70に順次挟持されつ
つ、外側への偏倚力を付与されながら各排紙ガイド板6
9,70に沿って搬送され、排紙トレイ72上に排出さ
れる。
【0127】ここで、画像読取部2からの画像データ信
号に基づいた噴出圧設定及び用紙剥離動作についていく
つかの具体例を説明する。まず、用紙Pの表面の先端部
に画像が印刷された場合について説明する。この場合に
は、用紙Pは版胴79の外周面に貼り付く。そして、制
御手段169により、用紙剥離部材191a〜191c
からの噴出圧が高圧に設定されるので、用紙剥離時に、
用紙Pが貼り付いた側から高圧の噴出圧で空気が噴出さ
れる。したがって、用紙Pは、その表面の先端部に画像
が転写されたため版胴79の外周面に貼り付くが、用紙
Pの先端部を版胴79の外周面から容易に剥離すること
ができる。
【0128】次に、用紙Pの裏面の先端部にベタ画像が
印刷された場合について説明する。この場合には、用紙
Pは、その裏面の先端部にベタ画像が転写されたため版
胴80の外周面に貼り付くが、制御手段169により、
用紙剥離部材192a,192bからの噴出圧が高圧に
設定され、用紙剥離時に、用紙Pが貼り付いた側から高
圧の噴出圧で空気が噴出されるので、用紙Pの先端部を
版胴80の外周面から容易に剥離することができる。
【0129】さらに、用紙Pの両面にベタ画像が印刷さ
れる場合において、これらのベタ画像の面積を互いに比
較し、表面のベタ画像の面積が裏面の面積よりも大きい
ときについて説明する。この場合には、用紙Pは、その
表面のベタ画像の面積が大きいため版胴79の外周面に
貼り付くが、制御手段169により、用紙剥離部材19
1a〜191cからの噴出圧が高圧に設定され、用紙剥
離時に、用紙Pが貼り付いた側から高圧の噴出圧で空気
が噴出されるので、用紙Pを版胴79の外周面から容易
に剥離することができる。
【0130】さらに、図22に示すように、用紙Pの表
面の先端部に部分的にベタ画像が印刷されると判断した
場合について説明する。この場合には、用紙Pのベタ画
像の部分が版胴79の外周面に貼り付く。しかし、制御
手段169により、ベタ画像の位置に対応する用紙剥離
部材191cからの噴出圧が高圧に設定されるので、用
紙剥離時に、ベタ画像の位置に対応する部分に高圧の噴
出圧で空気が噴出される。このとき、残りの用紙剥離部
材191a,191b,192a,192bからは基準
圧の噴出圧で空気が噴出される。したがって、用紙Pの
版胴79の外周面に貼り付く力が部分的に強くても、用
紙Pを版胴79の外周面から均一に剥離できる。
【0131】印刷後も各版胴79,80は回転を継続す
る。各インキローラ95,117の揺動後、制御手段1
69からの指令により各ソレノイド98,120への通
電が断たれ、各ストッパ99,121は、それぞれの付
勢手段の付勢力により図20に二点鎖線で示す、各係止
棒94c,116cに当接する位置にそれぞれ移動す
る。
【0132】そして、版胴79の回転により各カムフォ
ロア95b,95bが各カム部85c,85cの凸部と
再び当接すると、第1支持部材93と第2支持部材94
とが支持軸101を中心に図20の時計回り方向に回転
する。この回転によって係止棒94cとストッパ99の
一端99aとの当接が解除されると、ストッパ99が図
示しない付勢手段の付勢力によって回転して図13に示
す位置に復帰する。
【0133】同様に、版胴80の回転により各カムフォ
ロア117b,117bが各カム部109b,110b
の凸部と再び当接すると、インキローラ支持部材116
が支持軸122を中心に図20の反時計回り方向に回転
し、係止棒116cとストッパ121の舌片121cと
の当接が解除されることにより、ストッパ121が引張
バネ126,126の付勢力によって回転して図13に
示す位置に復帰する。したがって、用紙剥離部材191
a〜191c,192a,192bから空気が噴出され
ることによって、用紙Pが各版胴79,80の外周面よ
り剥離されるので、用紙Pが各版胴79,80の外周面
のうちいずれか一方に貼り付いていても、用紙Pを確実
に剥離でき、用紙ジャムの発生を防止できる。また、剥
離爪が用紙Pの印刷面に接触することによって生じる接
触痕(爪跡汚れ)の発生も防止できる。
【0134】通常では、空気噴出により用紙Pを剥離で
きるが、何らかの原因により空気噴出による用紙Pの剥
離ができなかった場合には、用紙剥離部材191a〜1
91c,192a,192bの先端に剥離爪a1〜e1
がそれぞれ形成されているので、この場合には、これら
の剥離爪a1〜e1により用紙Pを版胴から剥離するこ
とができ、剥離不能による用紙ジャムの発生を防止でき
る。
【0135】また、用紙Pの片面または両面の先端部に
画像が印刷された場合、用紙Pの片面または両面の先端
部にベタ画像が印刷された場合、用紙Pの両面にベタ画
像が印刷された場合には、用紙Pが各場合に応じて各版
胴79,80のうちいずれか一方に貼り付くが、各場合
に応じて、用紙剥離部材191a〜191c,192
a,192bからの噴出圧がそれぞれ設定され、用紙P
が貼り付いた側から高圧の噴出圧で空気が噴出されるの
で、用紙Pを貼り付いた各版胴79,80の外周面から
容易に剥離することができ、用紙ジャムの発生を防止で
きる。
【0136】さらに、用紙Pの片面または両面の先端部
に部分的にベタ画像が印刷された場合には、用紙Pのベ
タ画像の部分が各版胴79,80の外周面に貼り付く
が、用紙剥離部材191a〜191c,192a,19
2bのうちベタ画像の位置に対応する用紙剥離部材から
の噴出圧が高圧に設定され、ベタ画像の位置に対応する
部分に高圧の噴出圧で空気が噴出されるので、用紙Pの
ベタ画像の部分を各版胴79,80の外周面から容易に
剥離することができ、用紙Pを各版胴79,80の外周
面から均一に剥離できる。
【0137】その後、各版胴79,80がホームポジシ
ョンまで回転して停止し、版付動作が完了する。版付動
作が完了して孔版印刷装置1が印刷待機状態となった
後、オペレータによって試し刷りキー156が押される
と、版付動作と同様に給紙トレイ24上の最上位の1枚
の用紙Pが給紙コロ25及び分離コロ26,27によっ
て引き出され、レジストローラ対30にその先端をくわ
え込まれるとともに、制御手段169から指令が送られ
て各モータ146,147が作動を開始し、各版胴7
9,80が高速で回転駆動される。レジストローラ対3
0は、版付動作と同じタイミングで高速回転している各
版胴79,80間に用紙Pを給送する。給送された用紙
Pは、その両面に画像を転写された後、用紙剥離部材1
91a〜191c,192a,192bからの空気噴出
によって、貼り付いた各版胴79,80の外周面より剥
離される。その後、用紙Pは、その両側端余白部が各排
紙ローラ73a,73b,74a,74b,75a,7
5bと各排紙ガイド板69,70に順次挟持されつつ、
外側への偏倚力を付与されながら各排紙ガイド板69,
70に沿って搬送され、排紙トレイ72上に排出され
る。各版胴79,80は再びホームポジションに復帰
し、試し刷り動作が完了する。
【0138】この試し刷りによって印刷画像の濃度や位
置を確認し、このとき、印刷画像の位置がずれていた場
合には、操作パネル153上の各種キーを操作すること
によって、用紙Pに印刷された画像のうち画像位置がず
れている側の各版胴79,80の位置を調整し、すなわ
ち、天地移動し、画像位置を所望の位置に修正する。天
地移動を行って、互いの版胴の回転位相がずれても、用
紙Pの剥離性を維持でき、用紙Pを確実に各版胴79,
80の外周面から容易に剥離できる。また、印刷画像の
濃度を調整する場合も、操作パネル153上の各種キー
を操作して、画像濃度を所望の濃度に修正する。各調整
後、再度試し刷りを行い、印刷画像の濃度や位置を確認
する。
【0139】印刷画像の濃度や位置の調整終了後、テン
キー158で印刷枚数を表示装置163に置数し、印刷
速度設定キー161で印刷速度を設定して印刷スタート
キー155を押すことにより、給紙部3より用紙Pが連
続的に送られ、各ソレノイド98,120への通電がな
されたまま各版胴79,80がそれぞれ設定された速度
で回転駆動されて印刷動作が行われる。このとき、印刷
速度が予め設定された基準速度よりも高速に設定された
場合には、図7に示した特性図に基づいて、ピストン2
02a〜202eの移動開始位置を進める。すなわち、
駆動モータ225の作動時期を基準時の作動時期よりも
早めて、ピストン202a〜202eの移動開始位置を
進めておく。このように、印刷速度の高速化に応じて、
用紙剥離部材191a〜191c,192a,192b
の噴出時期を早めるとともに、最大噴出圧発生時期を調
整することによって、常に最適な噴出時期、かつ、最大
噴出圧で空気が噴出され、用紙Pの剥離性を維持でき
る。
【0140】印刷速度が予め設定された基準速度よりも
低速に設定された場合には、図7に示した特性図に基づ
いて、ピストン202a〜202eの移動開始位置を戻
す、すなわち、駆動モータ225の作動時期を基準時の
作動時期よりも遅くして、ピストン202a〜202e
の移動開始位置を戻しておく。このように、印刷速度の
低速化に応じて、用紙剥離部材191a〜191c,1
92a,192bの噴出時期を遅くするとともに、最大
噴出圧発生時期を調整することによって、常に最適な噴
出時期、かつ、最大噴出圧で空気が噴出され、用紙Pの
剥離性を維持できる。なお、駆動モータ225の作動時
期は、各版胴79,80のホームポジションを検出する
センサからの信号に基づいて検出される。
【0141】したがって、印刷速度が変化しても、この
速度変化に対応して、用紙剥離部材191a〜191
c,192a,192bの噴出時期及び最大噴出圧発生
時期がそれぞれ調整されるので、用紙剥離時に空気を噴
出した際に、最大噴出圧を用紙剥離に最適なタイミング
で発生でき、用紙Pの剥離性を維持でき、用紙Pを各版
胴79,80の外周面から容易に剥離できる。
【0142】次に、片面印刷モードが選択された場合に
ついて説明する。片面印刷モードには、表片面印刷モー
ドと裏片面印刷モードとがあるが、用紙剥離時の動作
は、互いに同様なので、表片面印刷モード時の用紙剥離
動作について主に説明する。
【0143】まず、オペレータにより印刷モード切換キ
ー165が押されて、表片面印刷モードが選択される。
1枚の原稿を図示しない原稿受け台にセットし、オペレ
ータによって製版スタートキー154が押されると、両
面印刷時と同様に、第1排版部6と第2排版部7とにお
いて各版胴79,80の外周面から印刷済みマスタを剥
離廃棄する排版動作が行われる。また、画像読取部2で
は原稿画像の読取動作が行われる。
【0144】原稿読取動作に並行して製版動作が行われ
る。第1製版部4では両面印刷時と同様に製版動作が行
われ、製版されたマスタ33が版胴79の外周面に巻装
されるが、第2製版部5では製版動作は行われず、版胴
80の外周面には未製版のマスタ40が巻装される。
【0145】各版胴79,80への給版動作完了後、給
紙部3から1枚の用紙Pがレジストローラ対30に向け
て給送されるとともに、各版胴79,80が低速で回転
を開始する。用紙Pは、レジストローラ対30でタイミ
ングを取られた後、各版胴79,80間に向けて給送さ
れる。
【0146】各版胴79,80の回転により各インキロ
ーラ95,117が揺動し、膨出した各多孔性支持板8
3,106に用紙Pが挟持されることで、用紙Pに印刷
画像が転写される。このときマスタ40が未製版のた
め、用紙Pには、その上面側にのみマスタ33に製版さ
れた画像が転写される。
【0147】用紙Pは、その表面に印刷画像を転写され
ることによって、版胴79の外周面に貼り付く。用紙P
の先端が用紙剥離部材191a〜191cに接近する
と、制御手段169が駆動モータ225を駆動してピス
トン202c〜202eの移動を開始し、用紙剥離部材
191a〜191cによって、空気が用紙Pと版胴79
の外周面との間にそれぞれ噴出される。これらの空気噴
出により、用紙Pの先端が、貼り付いていた版胴79の
外周面から剥離される。その後も引き続いて空気噴出が
続行され、用紙Pは、版胴79の外周面から剥離され
る。したがって、用紙Pを版胴79から容易に剥離でき
る。なお、このとき用紙剥離部材192a,192bか
らも空気が噴出される。
【0148】版胴79の外周面から剥離された用紙Pの
先端は、各排紙ローラ73a,73bと各排紙ガイド板
69,70との間に送り込まれ、その両側端余白部を各
排紙ローラ73a,73b,74a,74b,75a,
75bと各排紙ガイド板69,70に順次挟持されつ
つ、外側への偏倚力を付与されながら各排紙ガイド板6
9,70に沿って搬送され、排紙トレイ72上に排出さ
れる。
【0149】各版胴79,80がホームポジションで停
止して版付動作が完了した後、試し刷りキー156が押
されることにより上述と同様に試し刷りが行われ、さら
に、その後、印刷スタートキー155が押されることに
より印刷動作が行われる。
【0150】なお、用紙剥離部材191a〜191cの
各噴出圧は、画像読取部2からの画像データ信号に基づ
いて基準圧と高圧のうちいずれか一方にそれぞれ設定さ
れている。この噴出圧の設定は、両面印刷時の噴出圧設
定と略同様に行われており、まず、制御手段169が次
の各判断を行う。
【0151】用紙Pの用紙搬送方向における先端部に
画像が印刷されるかどうかを判断する。換言すると、用
紙Pの先端部に余白部が少ないかどうかを判断する。 用紙Pの用紙搬送方向における先端部にベタ画像が印
刷されるかどうかを判断する。特に、ベタ画像が用紙幅
方向にわたって印刷されるかどうかを判断する。 上記において、用紙Pの先端部のベタ画像が、用紙
幅方向において部分的に存在しているかどうかを判断す
る。
【0152】次に、制御手段169は、上述の3つの判
断に基づいて、用紙剥離時の空気供給手段193による
空気供給圧(噴出圧)を設定する。において、用紙P
の先端部に画像が印刷されると判断した場合、におい
て、用紙Pの先端部にベタ画像が印刷されると判断した
場合には、制御手段169が、駆動モータ217c〜2
17eを作動して、回動レバー215c〜215eを位
置検知センサ218c〜218eにそれぞれ検知される
まで回転する。これらの回動レバー215c〜215e
の回転によって、用紙剥離部材191a〜191cから
の噴出圧が高圧となるように設定される。
【0153】において、用紙Pの先端部に部分的にベ
タ画像が印刷されると判断した場合には、制御手段16
9が、用紙剥離部材191a〜191cのうち、ベタ画
像の位置に対応する用紙剥離部材の駆動モータを作動し
て、回動レバーを位置検知センサに検知されるまで回転
する。これらの回動レバーの回転によって、ベタ画像の
位置に対応する用紙剥離部材からの噴出圧が高圧となる
ように設定される。このとき、残りの用紙剥離部材、す
なわち、ベタ画像の位置に対応していない用紙剥離部材
からの噴出圧は基準圧に設定される。
【0154】上述したように、噴出圧が画像読取部2か
らの画像データ信号に基づいて設定されることにより、
片面印刷時において、用紙Pの先端部に画像またはベタ
画像が印刷された場合でも、用紙Pを版胴79の外周面
から容易に剥離することができ、用紙ジャムの発生を防
止できる。また、用紙Pの先端部に部分的にベタ画像が
印刷された場合でも、ベタ画像の位置に対応する部分に
高圧の噴出圧で空気が噴出されるので、用紙Pのベタ画
像の部分を版胴79の外周面から容易に剥離することが
でき、用紙Pを版胴79の外周面から均一に剥離でき
る。
【0155】印刷動作を行う前には、印刷速度設定キー
161で印刷速度が設定される。この設定による印刷速
度が、予め設定された基準速度よりも高速に設定された
場合には、両面印刷時と同様に、図7に示した特性図に
基づいて、ピストン202c〜202eの移動開始位置
を進める。また、上記設定による印刷速度が、予め設定
された基準速度よりも低速に設定された場合には、図7
に示した特性図に基づいて、ピストン202c〜202
eの移動開始位置を戻す。このように、設定された印刷
速度に応じて、用紙剥離部材191a〜191cの噴出
時期及び最大噴出圧発生時期をそれぞれ調整することに
よって、最大噴出圧を常に用紙剥離に最適なタイミング
で発生でき、用紙Pの剥離性を維持できるとともに、用
紙Pを版胴79の外周面から容易に剥離できる。
【0156】裏片面印刷モードが選択された場合には、
原稿読取動作に並行して、第2製版部5で両面印刷時と
同様に製版動作が行われ、製版されたマスタ40が版胴
80の外周面に巻装される。その一方、第1製版部4で
は製版動作は行われず、版胴79の外周面には、未製版
のマスタ33が巻装される。この裏片面印刷には、用紙
Pが版胴80に貼り付くので、用紙剥離部材192a,
192bの噴出圧を画像読取部2からの画像データ信号
に基づいて設定し、その噴出時期を印刷速度に基づいて
調整する。
【0157】上述の実施形態で説明した孔版印刷装置1
では、インキ供給手段84とインキ供給手段107とを
それぞれ移動可能な構成としたが、何れか一方のインキ
供給手段を、そのインキローラの外周面が多孔性支持板
の内周面と近接した状態で固定し、他方のインキ供給手
段を移動させることにより、双方の多孔性支持板を当接
可能とした構成の孔版印刷装置を使用することもでき
る。この場合、移動側のインキ供給手段をインキ供給手
段84と同様に、支軸82あるいは支軸105と直交す
る方向に設けられた支軸によって揺動自在な構成とす
る。
【0158】また、本発明の用紙剥離装置は、例えば、
特開平6−71996号公報あるいは特開平6−135
111号公報等に開示されている、一方の版胴の支軸を
固定し、これに対して他方の版胴を揺動して両面印刷を
行うタイプの孔版印刷装置に適用することも可能であ
り、この場合でも、上述の効果と同様の効果を得ること
ができる。
【0159】上述の実施形態では、1工程で両面印刷が
可能である形式の孔版印刷装置1に、本発明の用紙剥離
装置190を適用した場合について説明したが、孔版印
刷装置として、片面印刷用の孔版印刷装置に本発明の用
紙剥離装置を適用してもよい。この場合について以下説
明する。
【0160】片面印刷用の孔版印刷装置は、画像検出手
段としての画像読取部、給紙部、製版部、、排版部、排
紙部、印刷部、制御部から主に構成されている。印刷部
は、多孔性の版胴と、プレスローラあるいは圧胴からな
る押圧手段とから構成されている。この片面印刷用の孔
版印刷装置は、製版部で製版されたマスタを版胴の外周
面に巻き付け、給紙部から送られる用紙を版胴に対して
押圧手段で押圧し、インキを版胴の開孔部分より滲み出
させて印刷を行う。
【0161】排紙部は、用紙剥離装置、排紙搬送手段及
び排紙トレイから主に構成されている。排紙搬送手段及
び排紙トレイは、上述の実施形態で説明した排紙搬送手
段67及び排紙トレイ72とそれぞれ同様の構成であ
る。
【0162】用紙剥離装置は、版胴に巻装されたマスタ
と印刷された用紙との間に向かって気体を噴出する噴出
手段と、この噴出手段に空気をそれぞれ供給する気体供
給手段としての空気供給手段とから主に構成されてい
る。
【0163】噴出手段は、用紙搬送方向の画像転写部、
すなわち、押圧手段が版胴に接触する部分の下流であっ
て、かつ、版胴の外周面近傍に配置されており、第1の
噴出手段191と同様の構成である。すなわち、噴出手
段は、版胴の軸線方向に平行な軸にそれぞれ固定されて
いる3つの用紙剥離部材を有している。
【0164】空気供給手段は、3つの用紙剥離部材に空
気を供給する空気供給部と、この空気供給部を駆動する
駆動部と、空気供給部による空気供給圧を調整する圧力
調整部とから主に構成されており、空気供給手段193
から空気供給部196a,196b及び圧力調整部19
8a,198bを除いた構成と略同様の構成である。す
なわち、片面印刷用の孔版印刷装置に用紙剥離装置を適
用した場合には、用紙剥離装置は、図2に示す用紙剥離
装置190から第2の噴出手段192及び第2の噴出手
段192に関する空気供給部196a,196b及び圧
力調整部198a,198bを除いた構成となる。
【0165】次に、印刷時の用紙剥離動作について説明
する。まず、画像読取部において原稿画像の読取動作が
行われる。この画像読取部からの画像データ信号に基づ
いて、制御手段が次の〜の判断を行う。 用紙の用紙搬送方向における先端部に画像が印刷され
るかどうかを判断する。換言すると、用紙の先端部に余
白部が少ないかどうかを判断する。 用紙の用紙搬送方向における先端部にベタ画像が印刷
されるかどうかを判断する。特にベタ画像が用紙幅方向
にわたって印刷されるかどうかを判断する。 上記において、用紙の先端部のベタ画像が、用紙幅
方向において部分的に存在しているかどうかを判断す
る。
【0166】次に、制御手段は、上述の3つの判断に基
づいて、用紙剥離時の空気供給手段による空気供給圧
(噴出圧)を設定する。において、用紙の先端部に画
像が印刷されると判断した場合、において、用紙の先
端部にベタ画像が印刷されると判断した場合には、制御
手段によって、3つの用紙剥離部材からの噴出圧が高圧
となるように設定される。において、用紙の先端部に
部分的にベタ画像が印刷されると判断した場合には、制
御手段によって、3つの用紙剥離部材のうちベタ画像の
位置に対応する用紙剥離部材からの噴出圧のみが高圧と
なるように設定される。このとき、残りの用紙剥離部
材、すなわち、ベタ画像の位置に対応していない用紙剥
離部材からの噴出圧は基準圧に設定される。
【0167】一方、用紙が給紙部から版胴と押圧手段と
の間に向けて給送され、押圧手段によって用紙が版胴に
押圧されて、マスタに製版された画像が用紙に転写され
る。用紙は、印刷画像を転写されることによって、版胴
の外周面に貼り付く。
【0168】用紙の先端が用紙剥離部材に接近すると、
用紙剥離部材から、空気が用紙と版胴の外周面との間に
それぞれ噴出される。このときの各用紙剥離部材からの
噴出圧は、上述の設定により設定されている。これらの
空気噴出により、用紙の先端が、貼り付いていた版胴の
外周面から剥離される。その後も引き続いて空気噴出が
続行され、用紙は、版胴の外周面から剥離される。した
がって、用紙を版胴から容易に剥離できる。版胴の外周
面から剥離された用紙は、排紙搬送手段によって搬送さ
れ、排紙トレイ上に排出される。
【0169】したがって、噴出圧が画像読取部からの画
像データ信号に基づいて設定されることにより、用紙の
先端部に画像またはベタ画像が印刷された場合でも、用
紙を版胴の外周面から容易に剥離することができ、用紙
ジャムの発生を防止できる。また、用紙の先端部に部分
的にベタ画像が印刷された場合でも、ベタ画像の位置に
対応する部分に高圧の噴出圧で空気が噴出されるので、
用紙のベタ画像の部分を版胴の外周面から容易に剥離す
ることができ、用紙を版胴の外周面から均一に剥離でき
る。
【0170】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1,5の発
明によれば、第1及び第2の噴出手段から印刷された用
紙と各版胴の外周面(マスタ)の間に向かって気体が噴
出されることによって、用紙が各版胴の外周面より剥離
されるので、用紙が各版胴の各外周面のうちいずれか一
方に貼り付いていても、用紙を確実に剥離でき、用紙ジ
ャムの発生を防止できる。また、用紙印刷面への汚損の
発生も防止でき、良好な印刷物を得ることができる。
【0171】請求項2の発明によれば、用紙が波状に腰
付けされることによって、各版胴の外周面からの剥離性
を向上でき、用紙が各版胴の外周面から均一に剥離され
て、用紙の印刷画像の濃度ムラを防止できる。
【0172】請求項3,7の発明によれば、用紙に印刷
される画像を検出する画像検出手段からの情報に基づい
て、用紙が各版胴のうちいずれかの外周面に貼り付くか
を検出し、両噴出手段の噴出圧を制御するので、両噴出
手段の噴出圧の的確な制御を行うことができる。
【0173】請求項4の発明によれば、何らかの原因に
より気体噴出による用紙の剥離ができなかった場合に、
各噴出部材が剥離爪として機能するので、用紙を版胴か
ら剥離することができ、用紙ジャムの発生を防止でき
る。
【0174】請求項6の発明によれば、印刷速度が変化
しても、この速度変化に対応して、各噴出手段の噴出時
期が調整されるので、用紙剥離時に気体を噴出した際
に、最大噴出圧を用紙剥離に最適なタイミングで発生で
き、用紙の剥離性を維持でき、用紙を版胴の外周面から
容易に剥離できる。
【0175】請求項8の発明によれば、用紙の片面また
は両面の先端部に画像が印刷された場合、用紙が版胴の
外周面に貼り付いた側、すなわち、先端部に画像が印刷
された紙面側から高圧の噴出圧で気体が噴出されるの
で、用紙を各版胴の外周面から容易に剥離することがで
き、用紙ジャムの発生を防止できる。
【0176】請求項9の発明によれば、用紙の片面また
は両面の先端部にベタ画像が印刷された場合、用紙が版
胴の外周面に貼り付いた側、すなわち、先端部にベタ画
像が印刷された紙面側から高圧の噴出圧で気体が噴出さ
れるので、用紙を各版胴の外周面から容易に剥離するこ
とができ、用紙ジャムの発生を防止できる。
【0177】請求項10の発明によれば、用紙の両面に
ベタ画像が印刷された場合、用紙の各面におけるベタ画
像の面積を互いに比較することによって、用紙が各版胴
のうちいずれかの外周面に貼り付くかを検出し、用紙が
版胴の外周面に貼り付いた側から高圧の噴出圧で気体が
噴出されるので、用紙を各版胴の外周面から容易に剥離
することができ、用紙ジャムの発生を防止できる。
【0178】請求項11の発明によれば、用紙の片面ま
たは両面の先端部に部分的にベタ画像が印刷された場
合、ベタ画像の位置に対応する噴出部材により、ベタ画
像に向けて高圧の噴出圧で気体が噴出されるので、ベタ
画像の版胴の外周面に貼り付く貼付力が他の部分よりも
強くても、この部分を版胴の外周面から容易に剥離で
き、用紙を版胴の外周面から均一に剥離できる。
【0179】請求項12,14の発明によれば、片面印
刷時に、用紙の画像が転写される紙面側に位置する噴出
手段から気体が噴出されることによって、用紙が版胴の
外周面より剥離されるので、用紙を容易に剥離でき、用
紙ジャムの発生を防止できる。また、用紙印刷面への汚
損の発生も防止でき、良好な印刷物を得ることができ
る。
【0180】請求項13の発明によれば、片面印刷時
に、印刷速度が変化しても、この速度変化に対応して、
用紙の画像が転写される紙面側に位置する噴出手段の噴
出時期が調整されるので、用紙剥離時に気体を噴出した
際に、最大噴出圧を用紙剥離に最適なタイミングで発生
でき、用紙を版胴の外周面から容易に剥離できる。
【0181】請求項15の発明によれば、片面印刷時
に、用紙の先端部に画像が印刷された場合、この画像が
印刷された紙面側の噴出手段から高圧の噴出圧で気体が
噴出されるので、用紙を版胴の外周面から容易に剥離す
ることができ、用紙ジャムの発生を防止できる。
【0182】請求項16の発明によれば、片面印刷時
に、用紙の先端部にベタ画像が印刷された場合、このベ
タ画像が印刷された紙面側の噴出手段から高圧の噴出圧
で気体が噴出されるので、用紙を版胴の外周面から容易
に剥離することができ、用紙ジャムの発生を防止でき
る。
【0183】請求項17の発明によれば、片面印刷時
に、用紙の先端部に部分的にベタ画像が印刷された場
合、ベタ画像の位置に対応する噴出部材により、ベタ画
像に向けて高圧の噴出圧で気体が噴出されるので、ベタ
画像の版胴の外周面に貼り付く力が他の部分よりも強く
ても、この部分を版胴の外周面から容易に剥離でき、用
紙を版胴の外周面から均一に剥離できる。
【0184】請求項18の発明によれば、片面印刷用の
孔版印刷装置において、用紙の先端部に部分的にベタ画
像が印刷された場合、ベタ画像の位置に対応する噴出部
材により、ベタ画像に向けて高圧の噴出圧で気体が噴出
されるので、ベタ画像の版胴の外周面に貼り付く力が他
の部分よりも強くても、この部分を版胴の外周面から容
易に剥離でき、用紙を版胴の外周面から均一に剥離でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】孔版印刷装置の概略構成図である。
【図2】用紙剥離装置の概略構成図である。
【図3】排紙搬送手段の拡大平面図である。
【図4】排紙搬送手段の拡大側面図である。
【図5】用紙剥離部材の拡大図であり、(a)はその平
面図、(b)はその側面図である。
【図6】空気供給手段の拡大側面図である。
【図7】ピストン移動速度が変化した場合におけるピス
トン移動位置と、このピストン移動位置における噴出圧
との関係を示す特性図である。
【図8】版胴の要部の斜視図である。
【図9】版胴のフランジの正面図である。
【図10】版胴のフランジの側面図である。
【図11】印刷時の印刷部要部の部分側断面図である。
【図12】版胴の斜視図である。
【図13】非印刷時の印刷部要部の側面図である。
【図14】第1支持部材の斜視図である。
【図15】ベースの斜視図である。
【図16】ストッパの斜視図である。
【図17】版胴駆動手段の概略構成図である。
【図18】操作パネルの平面図である。
【図19】制御手段のブロック図である。
【図20】印刷時の印刷部要部の側面図である。
【図21】空気噴出時の用紙と用紙剥離部材の斜視図で
ある。
【図22】空気噴出時のベタ画像がある用紙と用紙剥離
部材の斜視図である。
【符号の説明】
1 孔版印刷装置 33,40 マスタ 79 版胴(第1の版胴) 80 版胴(第2の版胴) 169 制御手段 190 用紙剥離装置 191 第1の噴出手段 191a〜191c 用紙剥離部材(第1の噴出部材) 192 第2の噴出手段 192a,192b 用紙剥離部材(第2の噴出部材) a1,b1,c1,d1,e1 剥離爪 193 空気供給手段(気体供給手段) 196 空気供給部 197 駆動部 198 圧力調整部 P 用紙

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の版胴と第2の版胴とを有する1工程
    両面印刷が可能な孔版印刷装置の用紙剥離装置におい
    て、 第1の版胴に巻装されたマスタと印刷された用紙との間
    に向かって気体を噴出する第1の噴出手段と、 第2の版胴に巻装されたマスタと上記用紙との間に向か
    って気体を噴出する第2の噴出手段と、 上記各噴出手段に気体をそれぞれ供給する気体供給手段
    と、 上記各噴出手段の噴出圧をそれぞれ制御する制御手段
    と、 を有することを特徴とする孔版印刷装置の用紙剥離装
    置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の孔版印刷装置の用紙剥離装
    置において、 第1の噴出手段が、用紙搬送方向の上記両版胴の当接位
    置の下流であって、かつ、第1の版胴の外周面近傍に、
    該版胴の軸線方向に沿ってそれぞれ配設された複数の第
    1の噴出部材を有し、 第2の噴出手段が、用紙搬送方向の上記両版胴の当接位
    置の下流であって、かつ、第2の版胴の外周面近傍に、
    該版胴の軸線方向に沿ってそれぞれ配設された複数の第
    2の噴出部材を有し、 第1の噴出部材と第2の噴出部材とが交互に配置されて
    いることを特徴とする孔版印刷装置の用紙剥離装置。
  3. 【請求項3】請求項2記載の孔版印刷装置の用紙剥離装
    置において、 上記用紙に印刷される画像を検出する画像検出手段から
    の情報に基づいて、上記制御手段が、第1の噴出部材及
    び第2の噴出部材の各噴出圧をそれぞれ独立して制御す
    ることを特徴とする孔版印刷装置の用紙剥離装置。
  4. 【請求項4】請求項2または3記載の孔版印刷装置の用
    紙剥離装置において、 上記各噴出部材は、上記用紙を上記マスタから剥離する
    剥離爪としての機能をそれぞれ有することを特徴とする
    孔版印刷装置の用紙剥離装置。
  5. 【請求項5】第1の版胴と、第2の版胴と、用紙搬送方
    向の上記両版胴の当接位置の下流であって、かつ、第1
    の版胴の外周面近傍に配置された第1の噴出手段と、用
    紙搬送方向の上記両版胴の当接位置の下流であって、か
    つ、第2の版胴の外周面近傍に配置された第2の噴出手
    段とを有する1工程両面印刷が可能な孔版印刷装置の用
    紙剥離方法であって、 両面印刷時に、第1の噴出手段によって、第1の版胴に
    巻装されたマスタと印刷された用紙との間に向かって気
    体を噴出するとともに、第2の噴出手段によって、第2
    の版胴に巻装されたマスタと上記用紙との間に向かって
    気体を噴出して、上記各マスタのうちいずれか一方に貼
    り付いた上記用紙を該マスタから剥離することを特徴と
    する孔版印刷装置の用紙剥離方法。
  6. 【請求項6】請求項5記載の孔版印刷装置の用紙剥離方
    法において、 印刷速度が基準の印刷速度よりも速いとき、上記両噴出
    手段の噴出時期をこの速度差に応じて基準の噴出時期よ
    りも早くし、印刷速度が基準の印刷速度よりも遅いと
    き、上記両噴出手段の噴出時期をこの速度差に応じて基
    準の噴出時期よりも遅くすることを特徴とする孔版印刷
    装置の用紙剥離方法。
  7. 【請求項7】請求項5または6記載の孔版印刷装置の用
    紙剥離方法において、 上記用紙に印刷される画像を検出する画像検出手段から
    の情報に基づいて、上記両噴出手段の噴出圧を調整する
    ことを特徴とする孔版印刷装置の用紙剥離方法。
  8. 【請求項8】請求項7記載の孔版印刷装置の用紙剥離方
    法において、 上記用紙の片面または両面の先端部に画像が印刷される
    と判断したとき、上記画像が印刷される紙面側に位置す
    る上記噴出手段の噴出圧を基準の噴出圧よりも高くする
    ことを特徴とする孔版印刷装置の用紙剥離方法。
  9. 【請求項9】請求項7または8記載の孔版印刷装置の用
    紙剥離方法において、 上記用紙の片面または両面の先端部にベタ画像が印刷さ
    れると判断したとき、上記ベタ画像が印刷される紙面側
    に位置する上記噴出手段の噴出圧を基準の噴出圧よりも
    高くすることを特徴とする孔版印刷装置の用紙剥離方
    法。
  10. 【請求項10】請求項7,8または9記載の孔版印刷装
    置の用紙剥離方法において、 上記用紙の両面にベタ画像が印刷されると判断したと
    き、上記用紙の各面における上記ベタ画像の面積を互い
    に比較し、上記ベタ画像の面積が大きい紙面側に位置す
    る上記噴出手段の噴出圧を他方の上記噴出手段の噴出圧
    よりも高くすることを特徴とする孔版印刷装置の用紙剥
    離方法。
  11. 【請求項11】請求項7,8,9または10記載の孔版
    印刷装置の用紙剥離方法において、 第1の噴出手段及び第2の噴出手段が、上記各版胴の軸
    線方向に沿ってそれぞれ配設された複数の噴出部材を有
    する孔版印刷装置の用紙剥離方法であって、 上記用紙の片面または両面の先端部に部分的にベタ画像
    が印刷されると判断したとき、上記ベタ画像が印刷され
    る紙面側に位置する上記噴出手段の上記各噴出部材のう
    ち、上記ベタ画像の位置に対応する上記噴出部材の噴出
    圧を他の上記噴出部材の噴出圧よりも高くすることを特
    徴とする孔版印刷装置の用紙剥離方法。
  12. 【請求項12】第1の版胴と、第2の版胴と、用紙搬送
    方向の上記両版胴の当接位置の下流であって、かつ、第
    1の版胴の外周面近傍に配置された第1の噴出手段と、
    用紙搬送方向の上記両版胴の当接位置の下流であって、
    かつ、第2の版胴の外周面近傍に配置された第2の噴出
    手段とを有する1工程両面印刷が可能な孔版印刷装置の
    用紙剥離方法であって、 片面印刷時に、画像が印刷される紙面側に位置する上記
    噴出手段によって、製版されたマスタと印刷された用紙
    との間に向かって気体を噴出して、上記用紙を上記マス
    タから剥離することを特徴とする孔版印刷装置の用紙剥
    離方法。
  13. 【請求項13】請求項12記載の孔版印刷装置の用紙剥
    離方法において、 印刷速度が基準の印刷速度よりも速いとき、上記噴出手
    段の噴出時期をこの速度差に応じて基準の噴出時期より
    も早くし、印刷速度が基準の印刷速度よりも遅いとき、
    上記噴出手段の噴出時期をこの速度差に応じて基準の噴
    出時期よりも遅くすることを特徴とする孔版印刷装置の
    用紙剥離方法。
  14. 【請求項14】請求項12または13記載の孔版印刷装
    置の用紙剥離方法において、 上記用紙に印刷される画像を検出する画像検出手段から
    の情報に基づいて、上記噴出手段の噴出圧を調整するこ
    とを特徴とする孔版印刷装置の用紙剥離方法。
  15. 【請求項15】請求項14記載の孔版印刷装置の用紙剥
    離方法において、 上記用紙の先端部に画像が印刷されると判断したとき、
    上記噴出手段の噴出圧を基準の噴出圧よりも高くするこ
    とを特徴とする孔版印刷装置の用紙剥離方法。
  16. 【請求項16】請求項14または15記載の孔版印刷装
    置の用紙剥離方法において、 上記用紙の先端部にベタ画像が印刷されると判断したと
    き、上記噴出手段の噴出圧を基準の噴出圧よりも高くす
    ることを特徴とする孔版印刷装置の用紙剥離方法。
  17. 【請求項17】請求項14,15または16記載の孔版
    印刷装置の用紙剥離方法において、 第1の噴出手段及び第2の噴出手段が、上記各版胴の軸
    線方向に沿ってそれぞれ配設された複数の噴出部材を有
    する孔版印刷装置の用紙剥離方法であって、 上記用紙の先端部に部分的にベタ画像が印刷されると判
    断したとき、上記噴出手段の上記各噴出部材のうち、上
    記ベタ画像の位置に対応する上記噴出部材の噴出圧を他
    の上記噴出部材の噴出圧よりも高くすることを特徴とす
    る孔版印刷装置の用紙剥離方法。
  18. 【請求項18】用紙搬送方向の画像転写部の下流であっ
    て、かつ、版胴の外周面近傍に配置され、上記版胴の軸
    線方向に沿ってそれぞれ配設された複数の噴出部材を有
    する孔版印刷装置の用紙剥離方法であって、 用紙先端部に部分的にベタ画像が印刷されると判断した
    とき、上記各噴出部材のうち、上記ベタ画像の位置に対
    応する上記噴出部材の噴出圧を他の上記噴出部材の噴出
    圧よりも高くすることを特徴とする孔版印刷装置の用紙
    剥離方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006116913A (ja) * 2004-10-25 2006-05-11 Tohoku Ricoh Co Ltd 孔版印刷装置
JP2006212982A (ja) * 2005-02-04 2006-08-17 Tohoku Ricoh Co Ltd 孔版印刷装置

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