JP4283349B2 - 孔版印刷装置の多色両面印刷方法 - Google Patents

孔版印刷装置の多色両面印刷方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、両面印刷可能な孔版印刷装置を用いた多色両面印刷方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年では、用紙の節約あるいはファイルの増大防止等の理由により、用紙の両面に印刷を行う両面印刷が増加する傾向にある。片面印刷用の孔版印刷装置で、両面印刷を行う場合には、給紙部に積載した用紙を印刷部に給送し、一面に印刷を行った後に用紙を裏返して再度印刷部に給送し、他面に印刷を行うことで両面印刷を行っていた。このように両面印刷は、2回の通紙を行うので、正味の印刷時間においても片面印刷に比べて2倍の時間を要し、時間がかかりすぎるという問題点があった。
【0003】
そこで、片面印刷用の孔版印刷装置を2つ直列に配置して、用紙の両面に印刷画像をそれぞれ転写する孔版印刷装置が、特開平8−85661号公報、特開平8−90893号公報に開示されている。また、第1の版胴と、第2の版胴と、両版胴の間に配設されて両版胴に接触する転写胴とを有し、第1の版胴の画像と、第2の版胴から転写胴に転写された画像とを、第1の版胴と転写胴との接触部において、用紙の両面にそれぞれ転写する孔版印刷装置が特開平8−118774号公報に開示されている。さらに、一対の版胴を対向させて配設し、各版胴同士を互いに圧接させることにより、1工程で用紙の両面に画像をそれぞれ転写する孔版印刷装置が、特開平6−71996号公報、特開平6−135111号公報に開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述の各公報にそれぞれ開示された孔版印刷装置は、用紙表面印刷用の版胴と用紙裏面印刷用の版胴との2つの版胴を有している。これらの版胴は、それらの配設位置の相違によって、インキ供給手段等の構成が互いに相違しており、互換性がない。よって、用紙両面に多色印刷を行う場合には、上記各版胴を互いに交換することができない。そこで、これらの孔版印刷装置で用紙に多色印刷を行う場合には、まず、用紙表面印刷用の版胴と、この版胴と同色のインキを用いた用紙裏面印刷用の版胴との2つの版胴を孔版印刷装置の本体に装着し、用紙両面に同色の画像を印刷する。次に、各版胴を別色の版胴にそれぞれ交換し、用紙に別色の画像を重ねて印刷する。この動作を繰り返すことによって、多色の両面印刷が完成する。
【0005】
例えば、黒色と赤色の2色で印刷を行う場合について説明すると、まず、孔版印刷装置の本体に2つの黒色印刷用の版胴を装着し、用紙表面に印刷される黒画像に対応するマスタを一方の版胴に、用紙裏面に印刷される黒画像に対応するマスタを他方の版胴にそれぞれ巻装し、これら2つの黒色印刷用の版胴により、用紙の両面に黒色の画像を印刷する。次に、2つの黒色印刷用の版胴を2つの赤色印刷用の版胴にそれぞれ交換し、用紙表面に印刷される赤画像に対応するマスタを一方の版胴に、用紙裏面に印刷される赤画像に対応するマスタを他方の版胴にそれぞれ巻装し、これら2つの赤色印刷用の版胴により、黒色の画像が印刷された用紙の両面に赤色の画像を重ねて印刷することによって、黒色と赤色の2色の両面印刷が完成する。
【0006】
このために用紙に多色印刷を行う場合には、1色につき2つの版胴が必要になる。例えば、黒色と赤色の2色で印刷を行う場合には、黒色で用紙両面に印刷するための2つの版胴と、赤色で用紙両面に印刷するための2つの版胴との計4つの版胴、すなわち、2つの黒色印刷用の版胴と2つの赤色印刷用の版胴との合計4つの版胴が必要になる。
【0007】
したがって、両面印刷可能な孔版印刷装置で用紙に多色印刷する場合には、色の種類の増加に伴い使用する版胴の数が増加し、コストがかかるという問題点がある。よって、本発明の目的は、多色両面印刷時に使用する版胴数の増加を抑え、版胴にかかるコストを抑制できる多色両面印刷方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、第1の版胴と第2の版胴とを用い、用紙の両面に多色画像を印刷する孔版印刷装置の多色両面印刷方法において、操作方法を表示する表示装置を有し、第1の版胴には第1の色のインキが、第2の版胴には第1の色とは異なる第2の色のインキがそれぞれ用いられ、上記表示装置の表示に基づき、用紙の表面に形成される第1の色の表面画像に対応したマスタを製版して第1の版胴に巻装すると共に用紙の裏面に形成される第2の色の裏面画像に対応したマスタを製版して第2の版胴に巻装する表面/裏面製版巻装工程を行い、上記各版胴に対して用紙を圧接させて用紙の両面に互いに異なる色の単色画像を形成する転写工程を行った後、第1の色の裏面画像に対応したマスタを製版して第1の版胴に巻装すると共に第2の色の表面画像に対応したマスタを製版して第2の版胴に巻装する裏面/表面製版巻装工程を行い、上記各版胴に対して上記用紙を反転させた状態で圧接させて用紙の両面に2色画像を形成する反転転写工程を行う方法である。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の孔版印刷装置の多色両面印刷方法において、さらに上記反転転写工程後、上記表示装置の表示に基づき交換された第3の色のインキが用いられる第1の版胴に対して第3の色の表面画像に対応したマスタを製版して第1の版胴に巻装すると共に未製版のマスタを第2の版胴に巻装する表面製版/裏面未製版工程を行い、上記各版胴に対して両面に2色画像が形成された用紙を圧接させて用紙の表面に3色画像を形成する転写工程を行った後、第3の色の裏面画像に対応したマスタを製版して第1の版胴に巻装する裏面製版/表面未製版工程を行い、上記各版胴に対して上記用紙を反転させた状態で圧接させて用紙の両面に3色画像を形成する反転転写工程を行う方法である。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の孔版印刷装置の多色両面印刷方法において、さらに上記表面/裏面製版巻装工程、上記裏面/表面製版工程、上記転写工程、上記反転転写工程、上記表面製版/裏面未製版工程、上記裏面製版/表面未製版工程をそれぞれ組み合わせて繰り返し行う方法である。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の第1の実施形態を示す孔版印刷装置1の概略側面図である。同図において、孔版印刷装置1は、画像読取部2、給紙部3、第1製版部4、第2製版部5、第1排版部6、第2排版部7、排紙部8、印刷部9、制御部10から主に構成されている。
【0013】
筐体23の上部には画像読取部2が配設されている。画像読取部2は、原稿を載置するコンタクトガラス11、原稿を搬送する原稿搬送ローラ対12及び原稿搬送ローラ13、搬送される原稿をガイドするガイド板14,15、原稿をコンタクトガラス11に沿って搬送する原稿搬送ベルト16、読み取られた原稿の排出方向を切り換える切換板17、原稿画像を走査して読み取る反射ミラー18,19及び蛍光灯20、走査された画像を集束するレンズ21、集束された画像を処理するCCD等の画像センサ22、画像を色毎に分解する図示しない色分解センサ等から主に構成されている。なお、画像を色毎に分解する手段としては、色分解センサの他に、カラーセンサやフィルタ方式を採用したものがある。
【0014】
筐体23の右辺中段には給紙部3が配設されている。給紙部3は、用紙Pを積載する給紙トレイ24、用紙Pを1枚ずつ給送する給紙コロ25及び分離コロ26,27、給送される用紙Pをガイドするガイド板28,29、給送された用紙Pの先端をくわえ込んでタイミングを取った後に給送するレジストローラ対30、レジストローラ対30によって給送される用紙Pをガイドするガイド板31,32等から主に構成されている。
【0015】
給紙部3の上方には第1製版部4が配設されている。第1製版部4は、マスタ33をロール状に巻成してなるマスタロール34、マスタ33を加熱穿孔製版するサーマルヘッド35、マスタ33をサーマルヘッド35に押圧しつつ搬送し、サーマルヘッド35と共に第1の製版手段を構成するプラテンローラ36、マスタ33を切断する切断手段37、マスタ33を搬送する第1のマスタ搬送手段であるマスタ搬送ローラ対38,39等から主に構成されている。
【0016】
マスタロール34は、その芯部34aを図示しない支持部材に回転自在に支持されている。プラテンローラ36は、図示しないステッピングモータによって回転駆動される。切断手段37は、可動刃37aが固定刃37bに対して回転移動あるいは上下動する。
【0017】
筐体23の左辺中段には第2製版部5が配設されている。第2製版部5は、第1製版部4と同様に、マスタ40をロール状に巻成してなり、芯部41aを図示しない支持部材に回転自在に支持されたマスタロール41、サーマルヘッド42、図示しないステッピングモータによって回転駆動され、サーマルヘッド42と共に第2の製版手段を構成するプラテンローラ43、可動刃44aと固定刃44bとからなる切断手段44、第2のマスタ搬送手段であるマスタ搬送ローラ対45,46等から主に構成されている。
【0018】
第2製版部5の上方には第1排版部6が配設されている。第1排版部6は、上排版部材47、下排版部材48、排版ボックス49、圧縮板50等から主に構成されている。
【0019】
上排版部材47は、駆動ローラ51、従動ローラ52、無端ベルト53から構成され、駆動ローラ51が図1において時計回り方向に回転することにより無端ベルト53が図の矢印方向に移動する。下排版部材48も上排版部材47と同様に駆動ローラ54、従動ローラ55、無端ベルト56から構成されており、駆動ローラ54が図1において反時計回り方向に回転することにより無端ベルト56が図の矢印方向に移動する。また、下排版部材48は図示しない移動手段によって移動自在に設けられており、図1に示す位置と駆動ローラ54の外周面が後述する版胴79の外周面に当接する位置とに選択的に位置決めされる。使用済みマスタを貯容する排版ボックス49は、筐体23に対して着脱自在に設けられている。排版ボックス49の内部に使用済みマスタを押し込む圧縮板50は、図示しない昇降手段によって上下動自在に支持されている。
【0020】
第2製版部5の右下方には第2排版部7が配設されている。第2排版部7は、第1排版部6と同様に、上排版部材57、下排版部材58、排版ボックス59、圧縮板60等から主に構成されている。
【0021】
上排版部材57及び下排版部材58は、上排版部材47及び下排版部材48と同様に、駆動ローラ61、従動ローラ62、無端ベルト63、並びに駆動ローラ64、従動ローラ65、無端ベルト66からそれぞれ構成され、各駆動ローラ61,64の回転により各無端ベルト63,66が図の矢印方向に移動する。また、下排版部材58は図示しない移動手段によって移動自在に設けられており、図1に示す位置と駆動ローラ64の外周面が後述する版胴80の外周面に当接する位置とに選択的に位置決めされる。排版ボックス59は筐体23に対して着脱自在であり、圧縮板60は図示しない昇降手段によって上下動される。
【0022】
第2製版部5と第1排版部6との間には排紙部8が配設されている。排紙部8は、剥離爪67,68、ガイド板69,70、排紙搬送部材71、排紙トレイ72から主に構成されている。
【0023】
版胴79の外周面上より印刷済みの用紙Pを剥離する剥離爪67は、筐体23の図示しない側板に回動自在に支持されており、その先端を版胴79の外周面に対して進退自在に設けられている。また、剥離爪68も剥離爪67と同様に筐体23の図示しない側板に回動自在に支持されており、その先端を版胴80の外周面に対して進退自在に設けられている。筐体23の図示しない側板に固着されたガイド板69,70は、剥離爪67,68によって剥離された印刷済みの用紙Pの搬送をガイドする。駆動ローラ73、従動ローラ74、無端ベルト75、吸引ファン76から構成される排紙搬送部材71は、吸引ファン76の吸引力によって無端ベルト75上に用紙Pを吸引し、駆動ローラ73の回転によって用紙Pを図1の矢印方向に搬送する。排紙搬送部材71によって搬送される用紙Pをその上面に積載する排紙トレイ72は、用紙Pの幅方向(用紙Pの搬送方向と直交する方向)に移動自在な一対のサイドフェンス77とエンドフェンス78とを有しており、折り畳むことによって筐体23の内部に収納可能に構成されている。
【0024】
筐体23の中央部には印刷部9が配設されている。印刷部9は、第1の版胴としての版胴79、第2の版胴としての版胴80、版胴駆動手段81等から主に構成されている。
【0025】
版胴79は、インキ供給パイプを兼ねた支軸82をその中心に有しており、その外周面に第1のマスタ支持板である多孔性支持板83を、また、内部に第1のインキ供給手段としてのインキ供給手段84と第1のインキローラ移動手段としてのインキローラ移動手段91とを有している。
【0026】
図2に示すように、支軸82の両端部寄りには、左右対称の形状を呈するフランジ85,85が、軸受を介して回転自在に取り付けられている。フランジ85は、図3、図4に示すように、その周面の一部に平面部85aを有しており、その円心部には支軸82の外形よりも大きく形成された穴部85bが穿設されている。また、フランジ85の内部には、フランジ85の外形と相似形状のカム部85cが形成されている。
【0027】
各フランジ85,85には、図5に示すように、各カム部85c,85cの内側に同形のギヤ87,142がそれぞれ取り付けられており、各フランジ85,85は、各ギヤ87,142に取り付けられた軸受88,88によって支軸82にそれぞれ回転自在に取り付けられている。
【0028】
各フランジ85,85は、各平面部85a,85aが同一平面となるように支軸82に取り付けられており、各平面部85a,85a上には、一端に曲げ部86bを有するステージ部86がネジ止め等の方法によって取り付けられる。ステージ部86上には、鈎型の爪部86a,86aが所定の間隔をおいて2個固着されている。
【0029】
各フランジ85,85の外周面上には、多孔性支持板83が、その両側端部を当接させる形で巻装されている。薄い金属板で構成され、表面に多数の穿孔を有する多孔性支持板83は、その先端部の各爪部86a,86aと対応する位置に穴部83a,83aを有しており、各穴部83a,83aを各爪部86a,86aに引っかけ、後端部を各フランジ85,85の各周面と曲げ部86bとの間に挟まれている。この構成により、多孔性支持板83は、版胴79の内部より版胴79の半径方向に応力を受けた場合に、その周面が容易にフランジ85の周面から膨出することが可能となっている。
【0030】
また、多孔性支持板83の外周面には、図6に示すように、メッシュスクリーン89が巻装されている。樹脂あるいは金属網体からなるメッシュスクリーン89の一端には、薄い板状の取付板89aが取り付けられており、他端には薄い板状の可動板89bが取り付けられている。取付板89aは、ネジ止め等によってステージ部86上に固定されており、可動板89bは、引張バネ89c,89cを介してステージ部86上に移動自在に取り付けられている。この構成により、メッシュスクリーン89は、多孔性支持板83と同様にフランジ85の周面からの膨出が可能となっている。
【0031】
ステージ部86上には、マスタ33の先端を挟持するクランパ90が配設されている。ステージ部86に基端を回動自在に支持されたクランパ90は、その自由端部に図示しないマグネットを有しており、ステージ部86に対して磁着可能に設けられている。このクランパ90は、版胴79が筐体23にセットされた場合に、所定の位置において図示しない開閉手段によって開閉される。
【0032】
図5、図7に示すように、版胴79の内部にはインキ供給手段84とインキローラ移動手段91とが配設されている。インキ供給手段84は、ベース92,92、第1支持部材93、インキローラ支持部材としての第2支持部材94、第1のインキローラとしてのインキローラ95、ドクターローラ96等から主に構成されており、インキローラ移動手段91は、支持板97、ソレノイド98、ストッパ99等から主に構成されている。
【0033】
板材からなるベース92は、各フランジ85,85の内側に位置する支軸82上に、所定の間隔をおいて2個配設され、2個の取付部材100,100によって支軸82にそれぞれ固定されている。
【0034】
各ベース92,92間には、第1支持部材93が配設されている。第1支持部材93は、図8に示すように、穴93bを有する耳部93a,93aをその両側端部に有しており、その中央部には、揺動軸102が挿通固定される穴93cが穿設されている。第1支持部材93は、各穴93b,93b間に挿通される支持軸101によって、各ベース92,92に回動自在に支持されている。また、ベース92と第1支持部材93との間には、各端部をベース92と第1支持部材93とにそれぞれ固定された引張バネ104が張設されており、この引張バネ104の付勢力によって第1支持部材93には支持軸101を中心に、図7において反時計回り方向の回動付勢力が付与されている。引張バネ104の付勢力は、引張バネ89c,89cの付勢力よりも強くなるように設定されている。
【0035】
第2支持部材94は、各ベース92,92の外側に配設された2枚の側板94a,94aと、各側板94a,94aを連結する補強部材94bと、各側板94a,94a間に設けられた係止棒94cとから主に構成されている。第2支持部材94は、補強部材94bの中央に配設された軸受94dによって揺動軸102に揺動自在に支持されている。
【0036】
各側板94a,94a間にはインキローラ95が配設されている。インキローラ95は、支軸95aによって各側板94a,94aに回転自在に支持されており、図示しない駆動手段によって版胴79と同方向に回転駆動される。また、支軸95aの両端には、カム部85cと当接するカムフォロア95b,95bが配設されている。インキローラ95は、各カムフォロア95b,95bが各カム部85c,85cの凸部と当接したときに、その外周面が多孔性支持板83の内周面より離間し、各カムフォロア95b,95bが各カム部85c,85cの凸部を離れたときに、その外周面が各フランジ85,85の外周面より突出するように構成されている。
【0037】
インキローラ95の近傍にはドクターローラ96が配設されている。その外周面をインキローラ95の外周面に近接配置されたドクターローラ96は各側板94a,94aに回転自在に支持されており、図示しない駆動手段によってインキローラ95と逆方向に回転駆動される。インキローラ95の外周面とドクターローラ96の外周面との近接部において、支軸82及び後述するインキ供給パイプ129を介して供給されたインキによって、楔状のインキ溜まり96aが形成される。
【0038】
インキ溜まり96aの上方には、インキ溜まり96aのインキ量を検知するインキ量検知手段としてのセンサ170が配設されている。センサ170は図示しない固定部材によって側板94aに固定されている。
【0039】
支持板97は、取付部材100と同様の図示しない取付部材によって各ベース92,92間の略中央部に位置する支軸82上に固定されている。支持板97には、ソレノイド98、ストッパ99、センサ152が取り付けられている。
【0040】
L字形状を呈し、その一端99aが外方へ鈎型に折れ曲がって形成され、係止棒94cと係合可能であるストッパ99は、支軸103によってその曲折部99bを支持板97に回動自在に取り付けられており、一端99aと曲折部99bとの間に形成された長孔99cにおいて、ソレノイド98のプランジャ98aと接続されている。ストッパ99は図示しない付勢手段によって付勢されており、ストッパ99には、支軸103を中心に、図7において時計回り方向の回動付勢力が付与されている。マイクロスイッチであるセンサ152は、係止棒94cの位置からインキローラ95の位置を検知する。
【0041】
版胴79の下方には版胴80が配設されている。版胴80は、インキ供給パイプを兼ねた支軸105をその中心に有しており、その外周面に第2のマスタ支持板である多孔性支持板106を、また、内部に第2のインキ供給手段としてのインキ供給手段107と第2のインキローラ移動手段としてのインキローラ移動手段108とを有している。版胴80は、多孔性支持板106の外周面が多孔性支持板83の外周面より所定の間隔(2〜3mm程度)だけ離間した位置に配設される。
【0042】
支軸105の両端部寄りには、フランジ85と略同形状で略左右対称の形状を呈するフランジ109,110が、軸受を介して回転自在に取り付けられている。フランジ109,110は、フランジ85と比較すると、図5に示すように、その中央部内側にボス109a,110aを有している点において相違し、平面部(図示せず)を有する点及びカム部109b,110bをそれぞれ有する点において一致している。各ボス109a,110aには同形のギヤ111,143がそれぞれ取り付けられており、フランジ109はギヤ111に取り付けられた軸受112によって、また、フランジ110はギヤ143に取り付けられた軸受112及びフランジ110に取り付けられた軸受113によって支軸105にそれぞれ回転自在に取り付けられている。
【0043】
各フランジ109,110は、フランジ85,85と同様に、各平面部が同一平面となるように支軸105に取り付けられており、各平面部上には図示しない爪部とクランパ114を有するステージ部が取り付けられている。また、各フランジ109,110の外周面上には、版胴79と同様に、多孔性支持板106と図示しないメッシュスクリーンとが、各フランジ109,110の外周面より膨出可能に巻装されている。
【0044】
版胴80の内部にはインキ供給手段107とインキローラ移動手段108とが配設されている。インキ供給手段107は、ベース115、インキローラ支持部材116、第2のインキローラとしてのインキローラ117、ドクターローラ118から主に構成されており、インキローラ移動手段108は、支持部材119、ソレノイド120、ストッパ121等から主に構成されている。
【0045】
ベース115は、図9に示すように、両側端部に側壁部115a,115aを有しており、各側壁部115a,115aには、略U字形状を呈し、支軸105が嵌合可能な溝115bがそれぞれ形成されている。また、各側壁部115a,115a間の前端部側には、各側壁部115a,115aの倒れを防止する棒状の補強部材115cが取り付けられると共に、ベース115の前端中央部には切欠部115dが形成されている。ベース115は、各溝115b,115bを支軸105に嵌合させた状態で、取付部材100と同様の図示しない取付部材によって固定される。
【0046】
インキローラ支持部材116は、各側壁部115a,115aの外側に配設された2枚の側板116a,116aと、各側板116a,116aを繋ぐ連結棒116bと、各側板116a,116a間に設けられた係止棒116cとから主に構成されており、支持軸122によってベース115に揺動自在に支持されている。また、ベース115とインキローラ支持部材116との間には、各端部をベース115とインキローラ支持部材116とにそれぞれ固定された引張バネ123が張設されており、この引張バネ123の付勢力によって、インキローラ支持部材116には支持軸122を中心に、図7において時計回り方向の回動付勢力が付与されている。引張バネ123の付勢力は、引張バネ104の付勢力よりも強くなるように設定されている。
【0047】
各側板116a,116a間にはインキローラ117が配設されている。インキローラ117は、支軸117aによって各側板116a,116aに回転自在に支持されており、図示しない駆動手段によって版胴80と同方向に回転駆動される。また、支軸117aの両端には、各カム部109b,110bと当接するカムフォロア117b,117bが配設されている。インキローラ117は、各カムフォロア117b,117bが各カム部109b,110bの凸部と当接したときに、その外周面が多孔性支持板106の内周面より離間し、各カムフォロア117b,117bが各カム部109b,110bの凹部と当接したときに、その外周面が各フランジ109,110の外周面より突出するように構成されている。
【0048】
インキローラ117の近傍にはドクターローラ118が配設されている。その外周面をインキローラ117の外周面に近接配置されたドクターローラ118は各側板116a,116aに回転自在に支持されており、図示しない駆動手段によってインキローラ117と逆方向に回転駆動される。インキローラ117の外周面とドクターローラ118の外周面との近接部において、支軸105及び後述するインキ供給パイプ130を介して供給されたインキによって、楔状のインキ溜まり118aが形成される。
【0049】
インキ溜まり118aの上方には、インキ溜まり118aのインキ量を検知するインキ量検知手段としてのセンサ171が配設されている。センサ171は図示しない固定部材によって側板116aに固定されている。
【0050】
板材を折り曲げて形成した支持部材119は、ネジ止め等によってベース115の内面に取り付けられており、支持部材119にはソレノイド120が取り付けられている。
【0051】
ストッパ121は、図10に示すように、脚部121a,121a、突出部121b、舌片121c、連結棒121dを一体的に有しており、ベース115に固定されたブラケット124,124に、支軸125によって各脚部121a,121aを回動自在に支持されている。また、各脚部121a,121aと各ブラケット124,124との間には引張バネ126,126が張設されており、ストッパ121には、支軸125を中心に、図7において反時計回り方向の回動付勢力が付与されている。突出部121bは、各脚部121a,121aを一体的に繋ぐべく、各脚部121a,121aより突出形成されており、各脚部121a,121aとの接続部における段差部において係止棒116cと係合可能な形状に形成されている。舌片121cは突出部121bと一体形成されており、後述するようにインキローラ支持部材116が回動する際に、係止棒116cと当接可能な位置に設けられている。連結棒121dは、その両端を各脚部121a,121aの略中央部にそれぞれ固着されており、連結棒121dには、一端をソレノイド120のプランジャ120aに回動自在に支持された作動片127の他端に設けられたピン127aが係合している。作動片127は、ソレノイド120に取り付けられた取付部材128の支軸128aに回動自在に支持されている。
【0052】
各版胴79,80の内部には、各支軸82,105から各インキ溜まり96a,118aにインキを供給するインキ供給パイプがそれぞれ配設されている。各インキ供給パイプは、1箇所の供給口と分岐した4箇所の吐出口とを有しており、図示しないインキパックから各版胴79,80用のインキポンプ300A,300B(図13参照)によって供給されたインキをインキ溜まり96aとインキ溜まり118aとにそれぞれ供給する。
【0053】
各版胴79,80は、図5に示すように、筐体23の側板133に固着された位置決め部材134,134に各支軸82,105の一端をそれぞれ位置決め固定されており、各支軸82,105の他端を筐体23に対して着脱自在の側板135を介して取付部材136,136に取り付けられることにより、筐体23に位置決め取り付けられている。また、各支軸82,105の一端側の各フランジ85,109の外側には、各フランジ85,109と一体的に各支軸82,105に回転自在に支持された歯付プーリ137,144が軸受138,138を介して設けられており、支軸82の他端側のフランジ85の外側には、支軸82に回転自在に支持された、側板135との隙間を確保するためのスペーサ139が、軸受140を介してフランジ85と一体的に設けられている。
【0054】
さらに、版胴79の内部には、歯付プーリ137に伝達された回転力を、ギヤ87,142を介して一端側のフランジ85から他端側のフランジ85へ伝達するための伝達部材141が配設されている。伝達部材141は、各ベース92,92に回転自在に支持された支軸141a及び支軸141aの両端に固着されたギヤ141b,141cとから構成され、ギヤ141bがギヤ87と、ギヤ141cがギヤ142とそれぞれ噛合するように配設されている。また、版胴80の内部には、歯付プーリ144に伝達された回転力を、ギヤ111,143を介してフランジ109からフランジ110へ伝達するための伝達部材145が配設されている。伝達部材145は、各側壁部115a,115aに回転自在に支持された支軸145a及び支軸145aの両端に固着されたギヤ145b,145cとから構成され、ギヤ145bがギヤ111と、ギヤ145cがギヤ143とそれぞれ噛合するように配設されている。
【0055】
版胴80の右下方には版胴駆動手段81が配設されている。版胴駆動手段81は、図11に示すように、互いに逆方向に回転する2個のモータ146,147から主に構成されており、各モータ146,147の各出力軸146a,147aには歯付プーリ148,149がそれぞれ取り付けられている。歯付プーリ148と歯付プーリ137との間及び歯付プーリ149と歯付プーリ144との間にはタイミングベルト150,151が掛け渡されており、これにより各版胴79,80は各モータ146,147の回転力を伝達され、互いに同期して逆方向に回転駆動される。
【0056】
ここで、版胴79,80の着脱動作について簡単に説明する。まず、各支軸82,105の他端を取付部材136,136からそれぞれ取り外し、筐体23から側板135を取り外す。次に、各支軸82,105の一端を位置決め部材134,134からそれぞれ取り外すことによって、版胴79,80を筐体23からそれぞれ取り外す。このとき、歯付プーリ137からタイミングベルト150を、歯付プーリ144からタイミングベルト151をそれぞれ取り外す。各版胴79,80を他のインキ色の版胴に交換することによって、多色両面印刷を行うことができる。
【0057】
筐体23の前面上部には、操作パネル153が配設されている。操作パネル153は、図12に示すように、製版スタートキー154、印刷スタートキー155、試し刷りキー156、ストップキー157、テンキー158、クリアキー159、拡大縮小キー160、印刷速度設定キー161、連写キー162、7セグメントLEDからなる表示装置163、LCDからなる表示装置164の周知の構成の他、印刷モードを両面印刷モード、表片面印刷モード、裏片面印刷モードの何れかに切り換える印刷モード切換キー165と、印刷モードを表示するLEDからなる印刷モード表示手段166とを有している。
【0058】
筐体23の内部下方には、制御部10が配設されている。制御部10は、CPU、ROM、RAM等を有する周知のマイクロコンピュータである制御手段169より主に構成されており、孔版印刷装置1の動作を制御する。
【0059】
図13は、本実施形態に用いられる制御手段169の制御ブロック図を示している。制御手段169は、画像読取部2からの画像データ信号、センサ152からの出力信号、インキ量検知センサからの出力信号及び操作パネル153からの制御信号をそれぞれ受け、ROMに記憶された孔版印刷装置1の動作プログラムに基づいて、給紙部3、第1製版部4、第2製版部5、第1排版部6、第2排版部7、排紙部8、インキポンプ300A,300B、印刷部9の制御を行う。なお、印刷部9では、各モータ146,147を有する版胴駆動手段81と、ソレノイド98を有するインキローラ移動手段91と、ソレノイド120を有するインキローラ駆動手段108とがそれぞれ制御される。
【0060】
次に、上述の孔版印刷装置1の両面印刷動作を説明する。まず、単色の両面印刷動作について説明する。例えば、黒色のインキをそれぞれ用いた各版胴79,80で用紙Pの両面に印刷する動作について説明する。
印刷動作に先立ち、オペレータにより印刷モード切換キー165が押されて両面印刷モードが選択される。その後、オペレータによって、2枚の原稿が図示しない原稿受け台にセットされ、製版スタートキー154が押されると、モータ146が作動して版胴79が反時計回り方向に回転し、版胴79の外周面上に巻装されている使用済みマスタ167が上排版部材47及び下排版部材48によって剥離され、使用済みマスタ167は排版ボックス49内に収納された後に圧縮板50によって圧縮される。版胴79の回転と同時にモータ147が作動して版胴80が時計回り方向に回転を開始し、版胴80の外周面上に巻装されている使用済みマスタ168は、上排版部材57及び下排版部材58によって版胴80の外周面上より剥離されて排版ボックス59内に搬送され、圧縮板60によって圧縮される。その後、各版胴79,80が給版待機位置まで回転して停止し、排版動作が完了する。
【0061】
画像読取部2では原稿画像の読取動作が行われる。排版動作完了後、原稿搬送ローラ対12が回転を開始し、図示しない原稿の上部の1枚がコンタクトガラス11上を搬送される。原稿画像の読み取りは、蛍光灯20によって露光された反射光を反射ミラー18,19によって反射することにより行われ、読み取られた原稿画像はレンズ21で集光された後に画像センサ22に入射されて光電変換され、光電変換された電気信号は筐体23内の図示しないA/D変換器に入力される。画像を読み取られた原稿は、原稿搬送ベルト16及び原稿搬送ローラ13によって原稿搬送ベルト16の上部に配設された図示しない原稿トレイに排出される。
【0062】
原稿読取動作に並行して、第1製版部4では製版動作が行われる。排版動作完了後、プラテンローラ36とマスタ搬送ローラ対38,39がそれぞれ回転を開始し、マスタロール34からマスタ33が引き出される。引き出されたマスタ33は、サーマルヘッド35を通過する際に製版される。サーマルヘッド35の表面に整列配置された複数の発熱素子は、A/D変換器及びその他の図示しない製版基板で各種処理を施された後に送られてきたデジタル画像信号に応じて各々選択的に発熱し、マスタ33の熱可塑性樹脂フィルムを加熱溶融穿孔する。
【0063】
そして、プラテンローラ36を回転駆動する図示しないステッピングモータのステップ数より、マスタ33の先端がステージ部86とクランパ90との間の所定位置まで到達したと制御手段169が判断すると、図示しない開閉手段に動作信号が送られてクランパ90が回動し、ステージ部86とクランパ90とでマスタ33の先端を挟持する。
【0064】
その後、版胴79がマスタ33の搬送速度と同じ周速度で図1の時計回り方向に回転し、マスタ33の版胴79への巻装動作が行われる。そして、図示しないステッピングモータのステップ数より、1版分の製版が完了したと制御手段169が判断すると、プラテンローラ36及びマスタ搬送ローラ対38,39の回転が停止すると共に、可動刃37aが回転移動してマスタ33が切断される。切断されたマスタ33は版胴79の回転動作によって引き出され、版胴79が再びホームポジションに到達すると制御手段169からの指令によってモータ146が停止して、版胴79が位置決めされる。
【0065】
版胴79の位置決め後、原稿搬送ローラ対12が再び回転を開始し、残り1枚の原稿がコンタクトガラス11上を搬送され、上述と同様に読み取られる。読み取られた原稿は、図示しない原稿トレイに排出される。この実施形態では2枚の原稿よりそれぞれ画像を読み取ったが、1枚の原稿の両面から画像を読み取る場合には、一方の面の読取完了後、原稿搬送ベルト16及び原稿搬送ローラ13が回転すると同時に切換板17が図示しない機構により反時計回り方向に回動することで、原稿の進行方向が変更されて再度コンタクトガラス11上に導かれ、他方の面が読み取られるように構成されている。
【0066】
原稿読取動作に並行して、第2製版部5では第1製版部4と同様に製版動作が行われる。排版動作完了後、プラテンローラ43とマスタ搬送ローラ対45,46がそれぞれ回転を開始し、マスタロール41からマスタ40が引き出される。引き出されたマスタ40は、上述と同様にサーマルヘッド42を通過する際に製版される。
【0067】
そして、プラテンローラ43を回転駆動する図示しないステッピングモータのステップ数より、マスタ40の先端が所定位置まで到達したと制御手段169が判断すると、図示しない開閉手段に動作信号が送られてクランパ114が回動し、ステージ部とクランパ114とでマスタ40の先端を挟持する。
【0068】
その後、版胴80がマスタ40の搬送速度と同じ周速度で図1の反時計回り方向に回転し、マスタ40の版胴80への巻装動作が行われる。そして、図示しないステッピングモータのステップ数より、1版分の製版が完了したと制御手段169が判断すると、プラテンローラ43及びマスタ搬送ローラ対45,46の回転が停止すると共に、可動刃44aが回転移動してマスタ40が切断される。切断されたマスタ40は版胴80の回転動作によって引き出され、版胴80が再びホームポジションに到達すると制御手段169からの指令によってモータ147が停止して、版胴80が位置決めされる。
【0069】
各版胴79,80への給版動作が完了すると同時に、給紙コロ25、分離コロ26,27が回転すると共に各モータ146,147が作動を開始し、給紙トレイ24上に積載されている用紙Pの最上位の1枚がレジストローラ対30に向けて分離給送されると共に各版胴79,80が低速で回転を開始する。分離給送され、その先端をレジストローラ対30にくわえ込まれた用紙Pは、レジストローラ対30が所定のタイミングで回転することにより、各版胴79,80間に給送される。
【0070】
一方、各版胴79,80の内部では、図示しない駆動手段によってそれぞれ回転駆動された各インキローラ95,117が、各版胴79,80の回転に伴って同時に揺動する。
ソレノイド98への通電を行いつつ版胴79(各フランジ85,85)を回転させ、各カム部85c,85cの凸部が各カムフォロア95b,95bと当接してインキローラ95が図7中で上方に移動し、ストッパ99の一端99aと係止棒94cとの間に隙間が発生すると、プランジャ98aが吸引されてストッパ99が支軸103を中心に図7の反時計回り方向に回動される。その後、各カムフォロア95b,95bが各カム部85c,85cの凸部を通過すると、第1支持部材93と第2支持部材94とが引張バネ104の付勢力によって支持軸101を中心に図7の反時計回り方向に回動する。この回動によりインキローラ95の外周面が多孔性支持板83と当接し、多孔性支持板83及びメッシュスクリーン89が図7中で下方に向けて膨出する。このとき、センサ152からの信号により、インキローラ95が揺動されたことを制御手段169が確認する。
【0071】
また、ソレノイド120への通電を行いつつ版胴80(各フランジ109,110)を回転させ、各カム部109b,110bの凸部が各カムフォロア117b,117bと当接してインキローラ117が図7中で下方に移動し、ストッパ121の突出部121bと係止棒116cとの間に隙間が発生すると、プランジャ120aが吸引されてストッパ121が支軸125を中心に図7の時計回り方向に回動される。その後、各カムフォロア117b,117bが各カム部109b,110bの凸部を通過すると、インキローラ支持部材116が引張バネ123の付勢力によって支持軸122を中心に図7の時計回り方向に回動する。この回動によりインキローラ117の外周面が多孔性支持板106と当接し、多孔性支持板106及び図示しないメッシュスクリーンが図7中で上方に向けて膨出する。
【0072】
この各インキローラ95,117の揺動動作よりやや遅れて、レジストローラ対30から各版胴79,80間に向けて用紙Pが給送される。これにより、多孔性支持板83,多孔性支持板106、メッシュスクリーン89、図示しないメッシュスクリーン、マスタ33、マスタ40及び用紙Pを介してインキローラ95とインキローラ117とが当接し、用紙Pの両面に印刷画像が転写される。なお、この当接時において、第2支持部材94が揺動軸102を中心に揺動することによりインキローラ95が揺動し、軸方向におけるインキローラ117との当接が均一に行われる。インキローラ95とインキローラ117との当接状態を図5及び図14に示す。
【0073】
両面に印刷画像を転写された用紙Pは剥離爪67または剥離爪68によって版胴79または版胴80の外周面上より剥離され、各ガイド板69,70を通って排紙搬送部材71によって搬送され、排紙トレイ72上に排出される。
【0074】
印刷後も各版胴79,80は回転を継続する。各インキローラ95,117の揺動後、制御手段169からの指令により各ソレノイド98,120への通電が断たれ、各ストッパ99,121は、それぞれの付勢手段の付勢力により図14に二点鎖線で示す、各係止棒94c,116cに当接する位置にそれぞれ移動する。
【0075】
そして、版胴79の回転により各カムフォロア95b,95bが各カム部85c,85cの凸部と再び当接すると、第1支持部材93と第2支持部材94とが支持軸101を中心に図14の時計回り方向に回動する。この回動によって係止棒94cとストッパ99の一端99aとの当接が解除されると、ストッパ99が図示しない付勢手段の付勢力によって回動して図7に示す位置に復帰する。
【0076】
同様に、版胴80の回転により各カムフォロア117b,117bが各カム部109b,110bの凸部と再び当接すると、インキローラ支持部材116が支持軸122を中心に図14の反時計回り方向に回動し、係止棒116cとストッパ121の舌片121cとの当接が解除されることにより、ストッパ121が引張バネ126,126の付勢力によって回動して図7に示す位置に復帰する。
【0077】
その後、各版胴79,80がホームポジションまで回転して停止し、版付動作が完了する。版付動作が完了して孔版印刷装置1が印刷待機状態となった後、オペレータによって試し刷りキー156が押されると、版付動作と同様に給紙トレイ24上の最上位の1枚の用紙Pが給紙コロ25及び分離コロ26,27によって引き出され、レジストローラ対30にその先端をくわえ込まれると共に、制御手段169から指令が送られて各モータ146,147が作動を開始し、各版胴79,80が高速で回転駆動される。レジストローラ対30は、版付動作と同じタイミングで高速回転している各版胴79,80間に用紙Pを給送する。給送された用紙Pはその両面に黒色画像をそれぞれ転写され、剥離爪67または剥離爪68によって版胴79または版胴80の外周面より剥離された後、排紙搬送部材71によって搬送されて排紙トレイ72上に排出される。各版胴79,80は再びホームポジションに復帰し、試し刷り動作が完了する。
【0078】
この試し刷りによって印刷画像の濃度や位置を確認し、これらを操作パネル153上の各種キーで調整して再度試し刷りを行った後、テンキー158で印刷枚数を表示装置163に置数し、印刷速度設定キー161で印刷速度を設定した後に印刷スタートキー155を押すことにより、給紙部3より用紙Pが連続的に送られて印刷動作が行われる。
【0079】
上述の印刷動作時において、インキ溜まり96a,インキ溜まり118aのインキ量が減少すると、センサ170あるいはセンサ171から制御手段169へ信号が出力される。信号を受けた制御手段169が図示しないインキポンプを作動させることにより、図示しないインキパックからのインキが、支軸82,105やインキ供給パイプを介してインキ溜まり96aあるいはインキ溜まり118aに供給される。
【0080】
次に、単色の表面印刷動作を行う表片面印刷モードが選択された場合を説明する。
1枚の原稿を図示しない原稿受け台にセットし、オペレータによって製版スタートキー154が押されると、両面印刷時と同様に、第1排版部6と第2排版部7とにおいて各版胴79,80の外周面上から使用済みマスタ167,168を剥離廃棄する排版動作が行われる。また、画像読取部2では原稿画像の読取動作が行われる。
【0081】
原稿読取動作に並行して製版動作が行われる。第1製版部4では両面印刷時と同様に製版動作が行われ、製版されたマスタ33が版胴79の外周面上に巻装されるが、第2製版部5では製版動作が行われず、版胴80の外周面上には未製版のマスタ40が巻装される。
【0082】
各版胴79,80への給版動作完了後、給紙部3から1枚の用紙Pが給送されると共に各版胴79,80が低速で回転を開始する。用紙Pはレジストローラ対30でタイミングを取られた後、各版胴79,80間に向けて給送される。
【0083】
各版胴79,80の回転により各インキローラ95,117が揺動し、膨出した各多孔性支持板83,106に用紙Pが挟持されることで、用紙Pに印刷画像が転写される。このとき、マスタ40が未製版のため、用紙Pには、その上面側にのみマスタ33に製版された画像が転写される。上面に印刷画像を転写された用紙Pは剥離爪67によって版胴79の外周面より剥離され、排紙搬送部材71によって搬送されて排紙トレイ72上に排出される。
【0084】
各版胴79,80がホームポジションで停止して版付動作が完了した後、試し刷りキー156が押されることにより上述と同様に試し刷りが行われ、さらにその後、印刷スタートキー155が押されることにより印刷動作が行われる。
【0085】
次に、単色の裏面印刷動作を行う裏片面印刷モードが選択された場合を説明する。
1枚の原稿を図示しない原稿受け台にセットし、オペレータによって製版スタートキー154が押されると、第1排版部6と第2排版部7とにおいて排版動作が行われ、画像読取部2では原稿画像の読取動作が行われる。
【0086】
原稿読取動作に並行して製版動作が行われる。第2製版部5では両面印刷時と同様に製版動作が行われ、製版されたマスタ40が版胴80の外周面上に巻装されるが、第1製版部4では製版動作が行われず、版胴79の外周面上には未製版のマスタ33が巻装される。
【0087】
各版胴79,80への給版動作完了後、給紙部3から1枚の用紙Pが給送されると共に各版胴79,80が低速で回転を開始する。用紙Pはレジストローラ対30でタイミングを取られた後、各版胴79,80間に向けて給送される。
【0088】
各版胴79,80の回転により各インキローラ95,117が揺動し、膨出した各多孔性支持板83,106に用紙Pが挟持されることで、用紙Pに印刷画像が転写される。このとき、マスタ33が未製版のため、用紙Pには、その下面側にのみマスタ40に製版された画像が転写される。下面に印刷画像を転写された用紙Pは剥離爪68によって版胴80の外周面より剥離され、排紙搬送部材71によって搬送されて排紙トレイ72上に排出される。
【0089】
その後、試し刷りキー156が押されることにより上述と同様に試し刷りが行われ、さらにその後、印刷スタートキー155が押されることにより印刷動作が行われる。
【0090】
次に、多色両面印刷方法について説明する。まず、基本的な多色両面印刷、すなわち、用紙Pの両面にA色、B色の2色の画像をそれぞれ印刷する場合と、用紙Pの両面にA色、B色、C色の3色の画像をそれぞれ印刷する場合について説明する。これらの基本的な多色両面印刷方法の工程を図15に示す。また、図15において、従来の多色両面印刷方法と本発明の多色両面印刷方法とを比較するために、従来の多色両面印刷方法による工程も示す。
【0091】
まず、用紙Pの両面にA色、B色、例えば、黒色、赤色の2色の画像をそれぞれ印刷する場合について詳細に説明する。
印刷動作に先立ち、版胴の交換を行う。通常、孔版印刷装置1に装着されている版胴79,80には、黒色印刷用の版胴がそれぞれ用いられている。そこで、版胴80のみを赤色印刷用の版胴に交換する。すなわち、版胴79が黒色印刷用の版胴となり、版胴80が赤色印刷用の版胴となり、各版胴79,80に互いに異なる色のインキを用いることになる。
【0092】
オペレータは、用紙Pの両面に印刷する黒色、赤色の2色の画像の原稿、すなわち、表面黒色原稿、裏面黒色原稿、表面赤色原稿、裏面赤色原稿の4つの原稿をそれぞれ用意し、これらを表面黒色原稿、裏面赤色原稿、裏面黒色原稿、表面赤色原稿の順で読み取られるように、図示しない原稿受け台にセットする。オペレータによって製版スタートキー154が押されると、第1排版部6と第2排版部7とにおいてそれぞれ排版動作が行われ、画像読取部2では表面黒色原稿、裏面赤色原稿の画像読取動作が順次行われる。
【0093】
画像読取動作に並行して製版動作が行われる。第1製版部4では、両面印刷時の製版動作と同様に、表面黒色原稿の画像に対応するマスタ33の製版動作が行われ、製版されたマスタ33が版胴79の外周面上に巻装される。第2製版部5では、両面印刷時の製版動作と同様に、裏面赤色原稿の画像に対応するマスタ40の製版動作が行われ、製版されたマスタ40が版胴80の外周面上に巻装される。版胴79,80へのマスタ33,40の巻装が完了し、版胴79,80が再びホームポジションに到達すると、版胴79,80はそれぞれ停止して、版胴79,80がそれぞれ位置決めされる。表面黒色原稿に対応するマスタ33を製版し、このマスタ33を版胴79に巻装する動作が黒色印刷時の表面製版巻装工程であり、裏面赤色原稿に対応するマスタ40を製版し、このマスタ40を版胴80に巻装する動作が赤色印刷時の裏面製版巻装工程である。これらの2つの工程を併せた工程が2色印刷時の表面/裏面製版巻装工程である。
【0094】
各版胴79,80への給版動作完了後、給紙部3からの用紙Pの給送が開始されるとともに、各版胴79,80が低速で回転をそれぞれ開始する。用紙Pはレジストローラ対30でタイミングを取られた後、各版胴79,80間に向けて給送される。
【0095】
各版胴79,80の回転により各インキローラ95,117が揺動し、膨出した各多孔性支持板83,106に用紙Pが挟持されることで、用紙Pの表面に黒色原稿の画像が、その裏面に赤色原稿の画像がそれぞれ転写される。版胴79により用紙Pの表面に黒色印刷を行い、版胴80により用紙Pの裏面に赤色印刷を行う動作が転写工程である。
【0096】
両面に画像をそれぞれ転写された用紙Pは、剥離爪67または剥離爪68によって版胴79または版胴80の外周面上より剥離され、排紙搬送部材71によって搬送されて排紙トレイ72上に排出される。
【0097】
各版胴79,80がホームポジションで停止して版付動作が完了した後、試し刷りキー156が押されることにより上述と同様に試し刷りが行われ、さらにその後、テンキー158で印刷枚数を表示装置163に置数し、印刷スタートキー155が押されることにより、給紙部3から用紙Pが連続的に送られて印刷動作が行われる。
【0098】
上述の表面黒色印刷と裏面赤色印刷とが行われたときの用紙印刷状態を説明する説明図を図16(a)に示す。同図において、符号Paは用紙Pの表面を、符号Pbは用紙Pの裏面を、符号P1は印刷後の用紙を、符号P1aは用紙P1の表面を、符号P1bは用紙P1の裏面をそれぞれ示す。用紙Pを一度各版胴79,80間に通紙することによって、用紙表面P1aに黒色原稿の画像が、用紙裏面P1bに赤色原稿の画像がそれぞれ印刷される。この状態が図15中の本発明における第1の印刷の状態である。
【0099】
置数された印刷枚数の印刷が終了すると、表示装置164に、「印刷済み用紙を反転して給紙トレイにセットし、再度製版スタートキーを押して下さい」という表示を行う。そこで、オペレータは、上述の印刷動作により印刷された用紙P1をその表裏を反転して給紙部3の給紙トレイ24にセットし、製版スタートキー154を押す。
【0100】
オペレータによって製版スタートキー154が押されると、第1排版部6と第2排版部7とにおいてそれぞれ排版動作が行われ、画像読取部2では裏面黒色原稿、表面赤色原稿の画像読取動作が順次行われる。
【0101】
画像読取動作に並行して製版動作が行われる。第1製版部4では、上述の製版動作と同様に、裏面黒色原稿の画像に対応するマスタ33の製版動作が行われ、製版されたマスタ33が版胴79の外周面上に巻装される。第2製版部5では、上述の製版動作と同様に、表面赤色原稿の画像に対応するマスタ40の製版動作が行われ、製版されたマスタ40が版胴80の外周面上に巻装される。版胴79,80へのマスタ33,40の巻装が完了し、版胴79,80が再びホームポジションに到達すると、版胴79,80はそれぞれ停止して、版胴79,80がそれぞれ位置決めされる。裏面黒色原稿に対応するマスタ33を製版し、このマスタ33を版胴79に巻装する動作が黒色印刷時の裏面製版巻装工程であり、表面赤色原稿に対応するマスタ40を製版し、このマスタ40を版胴80に巻装する動作が赤色印刷時の表面製版巻装工程である。これらの2つの工程を併せた工程が2色印刷時の裏面/表面製版巻装工程である。
【0102】
各版胴79,80への給版動作完了後、給紙部3からの用紙P1の給送が開始されるとともに、各版胴79,80が低速で回転をそれぞれ開始する。用紙Pはレジストローラ対30でタイミングを取られた後、各版胴79,80間に向けて給送される。
【0103】
各版胴79,80の回転により各インキローラ95,117が揺動し、膨出した各多孔性支持板83,106に用紙P1が挟持されることで、用紙P1の両面に画像がそれぞれ転写される。このとき、用紙P1は、その表裏を予め反転されているので、用紙P1の表面に赤色原稿の画像が、その裏面に黒色原稿の画像がそれぞれ転写される。版胴79により用紙P1の裏面に黒色印刷を行い、版胴80により用紙P1の表面に赤色印刷を行う動作が反転転写工程である。
両面に画像を転写された用紙P1は、剥離爪67または剥離爪68によって版胴79または版胴80の外周面上より剥離され、排紙搬送部材71によって搬送されて排紙トレイ72上に排出される。
【0104】
上述の表面赤色印刷と裏面黒色印刷とが行われたときの用紙印刷状態を説明する説明図を図16(b)に示す。同図において、符号P2は印刷後の用紙を、符号P2aは用紙P2の表面を、符号P2bは用紙P2の裏面をそれぞれ示す。今回の印刷により用紙P2の用紙表面P2aには赤色画像が、その用紙裏面P2bには黒色画像がそれぞれ印刷されている。
【0105】
したがって、最初の印刷により、用紙表面Paに黒色画像が、用紙裏面Pbに赤色画像がそれぞれ印刷され、次の印刷により、用紙表面P1aに赤色画像が、用紙裏面P1bに黒色画像がそれぞれ重ねて印刷されるので、用紙Pの両面に黒色、赤色の2色の多色両面印刷を行うことができる。また、通常の孔版印刷装置1の版胴79,80には、黒色印刷用の版胴がそれぞれ用いられているが、この孔版印刷装置1で黒色、赤色の2色の多色両面印刷する場合には、赤色印刷用の版胴を1つ追加するだけで、用紙Pの両面に黒色、赤色の2色の画像を印刷することができ、多色両面印刷時に使用する版胴数の増加を抑えることができ、版胴にかかるコストも抑えることができる。
【0106】
次に、用紙Pの両面にA色、B色、C色、例えば、黒色、赤色、青色の3色の画像をそれぞれ印刷する場合について詳細に説明する。図15に示すように、A色、B色(黒色、赤色)の2色の画像の印刷動作については、上述のA色、B色(黒色、赤色)の2色の画像の印刷動作と同様なので、その説明を省略し、相違するC色の印刷について説明する。図15に示すように、本発明では、用紙両面にC色の画像の印刷を行うために、第1の版胴と第2の版胴のうちいずれか一方に製版されたマスタを巻装して2回の片面印刷動作を行う。このとき、他方の版胴には、未製版のマスタを巻装する。また、2回目の片面印刷動作時には用紙表裏を反転して印刷を行う。
【0107】
以下詳細に説明する。黒色、赤色の2色の画像の印刷を行い、置数された印刷枚数の印刷が終了すると、表示装置164に、「版胴を交換し、印刷済み用紙を反転して給紙トレイにセットして下さい」という表示を行う。そこで、オペレータは、版胴79,80のうちいずれか一方を交換する。本実施形態では、版胴79を青色印刷用の版胴に交換する。すなわち、版胴79が青色印刷用の版胴となり、版胴80は赤色印刷用の版胴の状態を維持し、各版胴79,80は、互いに異なる色のインキを用いることになる。また、オペレータは、黒色、赤色の2色の画像が印刷された用紙P2をその表裏を反転して給紙部3の給紙トレイ24にセットする。
【0108】
版胴の交換と用紙セットが完了すると、表示装置164に、「印刷モードを切り換え、原稿をセットし、再度製版スタートキーを押して下さい」という表示を行う。版胴79により青色印刷を行うので、印刷動作に先立ち、オペレータは、印刷モード切換キー165を押して表片面印刷モードを選択する。その後、オペレータは、用紙P2の両面に印刷する青色の画像の原稿、すなわち、表面青色原稿、裏面青色原稿をそれぞれ用意し、これらを表面青色原稿、裏面青色原稿の順で読み取られるように、図示しない原稿受け台にセットし、製版スタートキー154を押す。
【0109】
オペレータによって製版スタートキー154が押されると、第1排版部6と第2排版部7とにおいてそれぞれ排版動作が行われ、画像読取部2では表面青色原稿の画像読取動作が行われる。
【0110】
原稿読取動作に並行して製版動作が行われる。第1製版部4では、上述の製版動作と同様に、表面青色原稿の画像に対応するマスタ33の製版動作が行われ、製版されたマスタ33が版胴79の外周面上に巻装されるが、第2製版部5では、製版動作が行われず、版胴80の外周面上には未製版のマスタ40が巻装される。この表面青色原稿に対応するマスタ33を製版し、このマスタ33を版胴79に巻装する動作が青色印刷時の表面製版巻装工程であり、この工程に未製版のマスタ40を版胴80に巻装する動作を併せた工程が表面製版/裏面未製版巻装工程である。
【0111】
各版胴79,80への給版動作完了後、給紙部3からの用紙P2の給送が開始されるとともに、各版胴79,80が低速で回転をそれぞれ開始する。用紙P2はレジストローラ対30でタイミングを取られた後、各版胴79,80間に向けて給送される。
【0112】
各版胴79,80の回転により各インキローラ95,117が揺動し、膨出した各多孔性支持板83,106に用紙P2が挟持されることで、用紙P2に画像が転写される。このとき、マスタ40が未製版のため、用紙P2の用紙表面P2aにのみマスタ33に製版された表面青色原稿の画像が転写される。この転写動作が、青色印刷時の転写工程である。用紙表面P2aに画像を転写された用紙P2は、剥離爪67によって版胴79の外周面より剥離され、排紙トレイ72上に排出される。
【0113】
置数された印刷枚数の印刷が終了すると、表示装置164に、「印刷済み用紙を反転して給紙トレイにセットし、再度製版スタートキーを押して下さい」という表示を行う。そこで、オペレータは、用紙表面P2aに青色画像を印刷された用紙P2を、その表裏を反転して給紙部3の給紙トレイ24にセットし、製版スタートキー154を押す。
【0114】
オペレータによって製版スタートキー154が押されると、第1排版部6と第2排版部7とにおいてそれぞれ排版動作が行われ、画像読取部2では表面青色原稿の画像読取動作が行われる。
【0115】
以下、上述の表片面印刷時と同様に、製版動作、巻装動作、印刷動作がそれぞれ行われ、用紙P2の用紙裏面P2bにのみマスタ33に製版された裏面青色原稿の画像が転写され、この用紙P2は、剥離爪67によって版胴79の外周面より剥離され、排紙トレイ72上に排出される。なお、上記製版動作及び上記巻装動作における、裏面青色原稿に対応するマスタ33を製版し、このマスタ33を版胴79に巻装する動作が青色印刷時の裏面製版巻装工程であり、この工程に未製版のマスタ40を版胴80に巻装する動作を併せた工程が裏面製版/表面未製版巻装工程である。
【0116】
したがって、両面に黒色、赤色の2色の画像が印刷された用紙P2の表面及び裏面に、青色画像が順次重ねて印刷されるので、用紙両面に黒色、赤色、青色の3色の画像の多色両面印刷を行うことができる。
【0117】
なお、上述の印刷動作では、青色原稿の画像を転写するために版胴79を用いたが、この版胴79の代わりに版胴80を用いて、裏片面印刷モードを選択して印刷を行ってもよい。この場合には、黒色、赤色の2色の画像の印刷が終了した後に、用紙P2の表裏を反転せずに各版胴79,80間に通紙する。すなわち、マスタに製版された原稿画像と用紙の印刷面とが常に対応するようにして印刷を行う。よって、3色の画像を印刷する場合において、上述の2色画像の印刷終了後に、裏片面印刷モードを選択することによって、用紙の反転転写工程を省くことができる。
【0118】
次に、用紙Pの両面に4色以上の画像をそれぞれ印刷する場合について説明する。4色以上の画像を印刷する場合には、印刷画像の色数が偶数である場合と、奇数である場合とがある。
まず、印刷画像の色数が、4色以上であり、かつ、偶数である場合について説明する。この場合には、用紙Pの両面に2色の画像をそれぞれ印刷する偶数色時の印刷動作、すなわち、上述した2色画像の基本的な印刷動作を繰り返して行えばよい。例えば、印刷画像の色数が6色である場合には、偶数色時の印刷動作を3回繰り返して行うことによって、用紙Pの両面に6色の画像の多色両面印刷を行うことができる。
【0119】
次に、印刷画像の色数が、4色以上であり、かつ、奇数である場合について説明する。この場合には、用紙Pの両面に3色の画像をそれぞれ印刷する奇数色時の印刷動作、すなわち、上述した3色画像の基本的な印刷動作と、上述の偶数色時の印刷動作とを組み合わせて印刷する。例えば、印刷画像の色数が7色である場合には、上述の奇数色時の印刷動作を1回行い、その後に、上述の偶数色時の印刷動作を2回繰り返して行うことによって、用紙Pの両面に7色の画像の多色両面印刷を行うことができる。なお、このとき、奇数色時の印刷動作と偶数色時の印刷動作との印刷順番は特に関係なく、例えば、偶数色時の印刷動作を複数回行った後に、奇数色時の印刷動作を行ってもよい。
【0120】
したがって、印刷画像の色数が4色以上である場合には、上述した表面/裏面製版巻装工程、裏面/表面製版巻装工程、転写工程、反転転写工程を、印刷画像の色数に基づいて繰り返し行うことによって、用紙両面に4色以上の画像の多色両面印刷を行うことができる。
【0121】
さらに、用紙Pの表面と裏面とに印刷される画像の色数が異なる場合、例えば、用紙Pの表面に3色(A色、B色、C色)の画像が、その裏面に5色(A色、B色、D色、E色、F色)の画像がそれぞれ印刷され、この用紙Pの両面にそれぞれ印刷される印刷画像の色のうち2色(A色、B色)が同色である場合について説明する。
【0122】
この場合には、まず、用紙Pの両面にそれぞれ印刷される印刷画像の色のうち同色である色数を調べ、この色数が2または3である場合には、上述の基本的な多色両面印刷を行い、残りの色の印刷については、1色につき2回の片面印刷動作を行う。また、用紙Pの両面の印刷画像の色のうち同色である色数を調べ、この色数が4色以上、かつ、偶数である場合には、上述の偶数色時の印刷動作を繰り返し行い、色数が4色以上、かつ、奇数である場合には、上述の奇数色時の印刷動作と偶数色時の印刷動作を組み合わせて印刷を行い、残りの色の印刷については、1色につき2回の片面印刷動作を行う。
【0123】
以上説明したように、用紙Pの両面に2色の画像をそれぞれ印刷する場合、用紙Pの両面に3色の画像をそれぞれ印刷する場合、用紙Pの両面に4色以上の画像をそれぞれ印刷する場合、用紙Pの表面と裏面とに印刷される画像の色数が異なる場合のいずれの場合でも、各版胴79,80に互いに異なる色のインキを用い、用紙Pの表裏を反転して印刷を行い、あるいはこの印刷動作を繰り返し行うことによって、用紙Pの両面に同色画像が印刷される。したがって、印刷画像の色数と同数の版胴数で多色両面印刷を行え、印刷画像の画像色1色につき版胴が1つですむので、印刷画像の色数が増加しても、版胴の増加数はその増加した色数と同数ですみ、多色両面印刷時に使用する版胴数の増加を抑えることができ、版胴にかかるコストも抑えることができる。
【0124】
また、図15に示すように、印刷画像の色が2色である場合に、従来の多色両面印刷方法では、1色につき版胴が2つ必要であり、計4つ必要であった。すなわち、A色印刷用の第1の版胴、第2の版胴と、B色印刷用の第1の版胴、第2の版胴との計4つ必要であった。これに対し、本発明の多色両面印刷方法では、1色につき版胴が1つですみ、計2つで多色両面印刷を行うことができる。同様に、印刷画像の色が3色である場合には、従来の多色両面印刷方法では、6つの版胴を必要とするのに対し、本発明の多色両面印刷方法では、3つの版胴ですみ、計3つで多色両面印刷を行うことができる。したがって、本発明の多色両面印刷方法では、従来の多色両面印刷方法で使用した版胴の半分の数、換言すると、印刷画像の色数と同数の数の版胴で多色両面印刷を行うことができ、多色両面印刷時に使用する版胴数の増加を抑えることができる。
【0125】
第1の実施形態において、黒色、赤色の2色の画像を用紙Pに印刷するためには、表面黒色原稿、裏面黒色原稿、表面赤色原稿、裏面赤色原稿の4つの原稿から画像を読み取っていた。この方法だと、1枚の原稿の両面から画像を読み取る場合、例えば、原稿の両面に黒色、赤色の2色の画像がある場合には、表面黒色原稿、裏面黒色原稿、表面赤色原稿、裏面赤色原稿の4つの原稿を用意する必要がある。そこで、このような手間を省くために、1枚の原稿の両面から画像を読み取る場合には、原稿の表裏を自動的に反転して、原稿読取を行える画像読取装置を使用する。
【0126】
図1に示す画像読取部2は、原稿搬送ローラ対12、原稿搬送ローラ13、ガイド板14,15、原稿搬送ベルト16及び切換板17等の構成から原稿を反転して読み取ることができる機能を有している。そこで、画像読取部2を用いて、原稿の両面の黒色、赤色の2色の画像を読み取る読取動作について説明する。
【0127】
まず、原稿を画像読取部2の図示しない原稿受け台にセットして、製版スタートキー154を押す。排版動作完了後、原稿搬送ローラ対12が回転を開始し、図示しない原稿が、その表面をコンタクトガラス11に対向してコンタクトガラス11上を搬送される。この搬送中に、原稿の表面を色分解して、原稿表面から黒色画像を読み取る。この読み取られた黒色画像は、電気信号に変換された後、第1製版部4に送られる。
【0128】
一方、黒色画像を読み取られた原稿は、原稿搬送ベルト16及び原稿搬送ローラ13によってガイド板15に沿って搬送されるが、原稿搬送ベルト16及び原稿搬送ローラ13が回転すると同時に切換板17が図示しない機構により反時計回り方向に回転することで、原稿の進行方向が変更されて再度コンタクトガラス11上に導かれる。コンタクトガラス11上を搬送される際に、原稿の裏面を色分解して、原稿裏面から赤色画像を読み取る。この読み取られた赤色画像は、電気信号に変換された後、第2製版部5に送られる。赤色画像を読み取られた原稿は、原稿搬送ベルト16及び原稿搬送ローラ12によって原稿搬送ベルト16の上部に配設された図示しない原稿受け台に戻される。原稿は、その表裏を反転された状態で戻されている。
【0129】
この後、印刷部9において印刷が行われ、置数された印刷枚数の印刷が終了し、再度、オペレータが製版スタートキー154を押す。排版動作完了後、図示しない原稿の裏面がコンタクトガラス11に対向して、原稿がコンタクトガラス11上を搬送されるこの搬送中に、原稿の裏面を色分解して、原稿裏面から黒色画像を読み取る。この読み取られた黒色画像は、電気信号に変換された後、第1製版部4に送られる。
【0130】
原稿裏面の黒色画像の読取完了後、原稿搬送ベルト16及び原稿搬送ローラ13が回転すると同時に切換板17が図示しない機構により反時計回り方向に回転することで、原稿の進行方向が変更されて再度コンタクトガラス11上に導かれ、今度は、原稿表面の赤色画像が読み取られる。この読み取られた赤色画像は、電気信号に変換された後、第2製版部5に送られる。赤色画像を読み取られた原稿は、原稿搬送ベルト16及び原稿搬送ローラ12によって原稿搬送ベルト16の上部に配設された図示しない原稿受け台に戻される。
この後、印刷部9において再度、印刷が行われ、置数された印刷枚数の印刷が終了すると、用紙Pの両面に黒色、赤色の2色の多色両面印刷が完成する。
【0131】
また、黒色、赤色の2色の多色両面印刷する場合において、オペレータが手作業で、原稿を画像読取部2に読み取らせる場合には、1枚の原稿の両面から画像を読み取らせてもよいし、表面黒色原稿、裏面黒色原稿、表面赤色原稿、裏面赤色原稿の4つの原稿を用意して読み取らせてもよい。いずれの場合でも、原稿を読み取らせる順序に注意する。すなわち、表面黒色原稿、裏面赤色原稿、裏面黒色原稿、表面赤色原稿の順序で原稿を読み取らせる必要がある。
【0132】
上述の実施形態で説明した孔版印刷装置1では、インキ供給手段84とインキ供給手段107とをそれぞれ移動可能な構成としたが、何れか一方のインキ供給手段を、そのインキローラの外周面が多孔性支持板の内周面と近接した状態で固定し、他方のインキ供給手段を移動させることにより、双方の多孔性支持板を当接可能とした構成の孔版印刷装置を使用することもできる。この場合、移動側のインキ供給手段をインキ供給手段84と同様に、支軸82あるいは支軸105と直交する方向に設けられた支軸によって揺動自在な構成とする。
【0133】
また、本発明の多色両面印刷方法は、例えば、特開平8−85661号公報、特開平8−90893号公報等に開示されている、片面印刷用の孔版印刷装置を2つ直列に配置して、これらに連続して用紙を通紙して両面印刷を行うタイプの孔版印刷装置に用いることも可能であり、この場合でも、上述の効果と同様の効果を得ることができる。さらに、例えば、特開平8−118774号公報等に開示されている、第1の版胴と第2の版胴と両版胴にそれぞれ接触可能な転写胴とを有し、第1の版胴の画像と、第2の版胴から転写胴に転写された画像とを、第1の版胴と転写胴との接触部において、用紙両面にそれぞれ転写して両面印刷を行うタイプの孔版印刷装置にも用いることも可能である。さらに、例えば、特開平6−71996号公報あるいは特開平6−135111号公報等に開示されている、一方の版胴の支軸を固定し、これに対して他方の版胴を揺動して両面印刷を行うタイプの孔版印刷装置にも用いることも可能である。
【0134】
次に、別の版胴着脱構造について説明する。図17,18は、この版胴着脱構造が適用されたときに用いられる版胴193,194を示している。この版胴193,194は、第1の実施形態で用いた版胴79,80と比較すると、支軸82,105に代えてインキ供給パイプを兼ねた支軸195,196を有する点、歯付プーリ137,144に代えてギヤ228,229を有する点、筐体23に取り付けられ、各モータ146,147の回転駆動力を各ギヤ228,229に伝達する図示しない回転力伝達部材を有する点、各版胴193,194が版胴支持部材197に一体的に支持されている点においてのみ相違し、他の構成は同一であるので、その説明は省略する。
【0135】
各支軸195,196には、その両端部近傍に凹部195a,195a,196a,196aが形成されており、各凹部195a,195a,196a,196aより外側の両端部近傍には、穴部195b,195b,196b,196bが設けられている。また、各支軸195,196には、図示しない回り止め位置決め部材が設けられている。
【0136】
版胴支持部材197は、上版胴支持板198,198、上版胴支持側板199,199、下版胴支持板200,200、下版胴支持側板201,201、連結板202,202,202,202、取手203から主に構成されている。
【0137】
上版胴支持板198,198の中央には、各凹部195a,195aが係合するU字形状の切欠部198a,198aが上方に向けて形成され、下版胴支持板200,200の中央には、各凹部196a,196aが係合する切欠部200a,200aが、中央より一旦右上方に向かった後、右下方に向かう形状に形成されている。上版胴支持板198,198は上版胴支持側板199,199によって一体的に固着されており、下版胴支持板200,200は下版胴支持側板201,201によって一体的に固着されている。上版胴支持側板199,199及び下版胴支持側板201,201は、その上下端部が上版胴支持板198,198及び下版胴支持板200,200の上下端部より突出する状態でそれぞれ取り付けられている。また、一方(印刷装置手前側)の上版胴支持板198と一方の下版胴支持板200、及び他方の上版胴支持板198と他方の下版胴支持板200とは連結板202,202によってそれぞれ一体的に連結されている。一方の上版胴支持板198と一方の下版胴支持板200とを連結する連結板202,202には、取手203の端部がそれぞれ取り付けられている。
【0138】
筐体23には、版胴支持部材197を移動自在に支持するレール204,204,204,204が取り付けられている。レール204は、上版胴支持側板199,199及び下版胴支持側板201,201の突出した上下端部を包み込む形状に形成されている。なお、上版胴支持側板199、下版胴支持側板201、レール204に代えて、抽斗等に用いられるアキュライド(商品名)を用いてもよい。
【0139】
さらに、筐体23の奥には、各版胴193,194が筐体23に装着された場合に各支軸195,196の端部を検知するセンサ205,206,207,208が配設されている。各センサ205,206,207,208は、物体を検知するフィラー205a,206a,207a,208aをそれぞれ有しており、各フィラーが押されたときに信号を出力する。各センサ205,206,207,208からの出力信号は後述する制御手段209に出力される。
【0140】
図19は、この版胴着脱構造が適用された孔版印刷装置1の制御手段209のブロック図を示している。制御手段209は、第1の実施形態で用いられた制御手段169と比較すると、センサ205,206,207,208からの信号を入力される点においてのみ相違している。制御手段209は、各センサ205,206,207,208からの信号が全て入力されたときのみ、孔版印刷装置1の作動を許容する。
【0141】
上記構成に基づき、版胴193,194の着脱動作を説明する。
筐体23の前面にある図示しない扉が開かれ、取手203が把持されて版胴支持部材197が図18の右方に引き出される。各支軸195,196の後端が筐体23より露出した位置において、版胴支持部材197からの各版胴193,194の取り外しが行われる。
【0142】
取り外しには図20に示す取り外し部材210が用いられる。取り外し部材210は、把持部210aと先端が略U字形状に形成された脚部210b,210bとを一体に有している。各脚部210b,210bの先端の曲面は各支軸195,196の外周面と一致しており、その中央には穴部195b,196bと係合可能な突起210cがそれぞれ形成されている。各脚部210b,210bの間隔は各穴部195b,195b及び各穴部196b,196bの間隔と等しくなるように構成されている。
【0143】
版胴193を取り外す場合には、取り外し部材210の把持部210aを把持し、各突起210c,210cと各穴部195b,195bとを係合させて取り外し部材210を上方へ引き上げ、版胴支持部材197より取り外す。また、版胴194を取り外す場合には、各突起210c,210cと各穴部196b,196bとを係合させて取り外し部材210を右斜め上方へと引き上げ、その後、切欠部200aに沿って右斜め下方へとずらすように移動させて取り外す。
【0144】
各版胴193,194を版胴支持部材197に取り付ける場合には、上述の手順とは逆の手順となり、各支軸195,196の各凹部195a,195a,196a,196aが各切欠部198a,198a,200a,200aと係合したときに、図示しない回り止め位置決め部材によって、各支軸195,196は、各穴部195b,195b,196b,196bが図17に示す位置(各版胴193,194の外周面上に設けられた図示しないクランパが互いに対向する位置)となるように位置決めされる。
【0145】
版胴支持部材197が筐体23の内部に押し込まれ、各支軸195,196の先端が位置決め部材134によって位置決めされると、各フィラー205a,206a,207a,208aが各支軸195,196の端部によって押され、各センサ205,206,207,208からの信号が制御手段209に出力されて孔版印刷装置1が待機状態となる。
上述の構成とすることで、色換え作業時の各版胴193,194の交換を容易に行うことができる。
【0146】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1,2,3記載の発明によれば、各版胴に互いに異なる色のインキを用い、用紙の表裏を反転して印刷を行い、あるいはこの印刷動作を繰り返し行うことによって、用紙の両面に画像が印刷される。したがって、印刷画像の色数と同数の版胴数で多色両面印刷を行え、印刷画像の画像色1色につき版胴が1つですむので、印刷画像の色数が増加しても、版胴の増加数はその増加した色数と同数ですみ、多色両面印刷時に使用する版胴数の増加を抑えることができ、版胴にかかるコストも抑えることができる。
【0147】
請求項4記載の発明によれば、印刷画像の色数が多くても、例えば、4色以上であっても、表面/裏面製版巻装工程、裏面/表面製版巻装工程、転写工程、反転転写工程を、印刷画像の色数に基づいて繰り返し行うことによって、印刷画像の色数に応じた多色画像を用紙両面に印刷することができる。また、このときでも、印刷画像の画像色1色につき版胴が1つですむので、印刷画像の色数が増加しても、版胴の増加数はその増加した色数と同数ですみ、多色両面印刷時に使用する版胴数の増加を抑えることができ、版胴にかかるコストも抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】孔版印刷装置の概略側面図である。
【図2】版胴の斜視図である。
【図3】フランジの正面図である。
【図4】フランジの縦断面図である。
【図5】印刷部要部を示す部分断面図である。
【図6】版胴の斜視図である。
【図7】非印刷時の印刷部要部の側面図である。
【図8】第1支持部材の斜視図である。
【図9】ベースの斜視図である。
【図10】ストッパの斜視図である。
【図11】版胴駆動手段を説明する概略図である。
【図12】操作パネルの部分拡大図である。
【図13】制御手段のブロック図である。
【図14】印刷時の印刷部要部の側面図である。
【図15】従来の多色両面印刷方法と本発明の多色両面印刷方法とにおける基本的な多色両面印刷時の工程をまとめた工程図である。
【図16】黒色、赤色の2色の両面印刷方法を用いたときの用紙印刷状態を説明する説明図であり、(a)は、用紙に表面黒色印刷と裏面赤色印刷とを行った状態を、(b)は、用紙に表面赤色印刷と裏面黒色印刷とを行った状態をそれぞれ示す。
【図17】版胴及び版胴支持部材の側面図である。
【図18】版胴及び版胴支持部材の断面図である。
【図19】制御手段のブロック図である。
【図20】取り外し部材の斜視図である。
【符号の説明】
1 孔版印刷装置
33,40 マスタ
79 第1の版胴
80 第2の版胴
169 制御手段
P 用紙

Claims (3)

  1. 第1の版胴と第2の版胴とを用い、用紙の両面に多色画像を印刷する孔版印刷装置の多色両面印刷方法において、
    操作方法を表示する表示装置を有し、第1の版胴には第1の色のインキが、第2の版胴には第1の色とは異なる第2の色のインキがそれぞれ用いられ、上記表示装置の表示に基づき、用紙の表面に形成される第1の色の表面画像に対応したマスタを製版して第1の版胴に巻装すると共に用紙の裏面に形成される第2の色の裏面画像に対応したマスタを製版して第2の版胴に巻装する表面/裏面製版巻装工程を行い、上記各版胴に対して用紙を圧接させて用紙の両面に互いに異なる色の単色画像を形成する転写工程を行った後、第1の色の裏面画像に対応したマスタを製版して第1の版胴に巻装すると共に第2の色の表面画像に対応したマスタを製版して第2の版胴に巻装する裏面/表面製版巻装工程を行い、上記各版胴に対して上記用紙を反転させた状態で圧接させて用紙の両面に2色画像を形成する反転転写工程を行うことを特徴とする孔版印刷装置の多色両面印刷方法。
  2. 請求項1記載の孔版印刷装置の多色両面印刷方法において、
    上記反転転写工程後、上記表示装置の表示に基づき交換された第3の色のインキが用いられる第1の版胴に対して第3の色の表面画像に対応したマスタを製版して第1の版胴に巻装すると共に未製版のマスタを第2の版胴に巻装する表面製版/裏面未製版工程を行い、上記各版胴に対して両面に2色画像が形成された用紙を圧接させて用紙の表面に3色画像を形成する転写工程を行った後、第3の色の裏面画像に対応したマスタを製版して第1の版胴に巻装する裏面製版/表面未製版工程を行い、上記各版胴に対して上記用紙を反転させた状態で圧接させて用紙の両面に3色画像を形成する反転転写工程を行うことを特徴とする孔版印刷装置の多色両面印刷方法。
  3. 請求項1または2記載の孔版印刷装置の多色両面印刷方法において、
    上記表面/裏面製版巻装工程、上記裏面/表面製版工程、上記転写工程、上記反転転写工程、上記表面製版/裏面未製版工程、上記裏面製版/表面未製版工程をそれぞれ組み合わせて繰り返し行うことを特徴とする孔版印刷装置の多色両面印刷方法。
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