JPH10113550A - 粒体の被覆装置、及び粒体の被覆方法 - Google Patents

粒体の被覆装置、及び粒体の被覆方法

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JPH10113550A
JPH10113550A JP29118196A JP29118196A JPH10113550A JP H10113550 A JPH10113550 A JP H10113550A JP 29118196 A JP29118196 A JP 29118196A JP 29118196 A JP29118196 A JP 29118196A JP H10113550 A JPH10113550 A JP H10113550A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 噴流被覆装置において、被覆工程中の被膜の
損傷、融解及びこれに伴う変形の発生率を顕著に低下さ
せる。 【解決手段】 筒状で竪型の噴流被覆槽であって、槽底
に絞り(気体噴出口)を設け、該絞りには気体冷却機能
を有し、その中心付近に噴霧ノズルを設けた噴流被覆装
置。 【効果】 冷却機能のない絞りを使用した場合に比較
し、被膜破損率は約1/3〜1/9に減少。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は粒体の被覆装置、及
び被覆方法に関する。更に詳しくは槽内の最下部に気体
を噴出させる絞りを有し、該絞りが冷却機能を有する粒
体の被覆装置、及び該絞りを冷却しつつ被覆操作を行う
粒体の被覆方法に関する。
【0002】
【従来の技術とその問題点】噴流方式を用いた被覆法
は、例えば特公昭38−13896号に記載のように、
円筒状の槽で下部を逆円錐形とし、その先端を水平方向
に切断して気体噴出用の絞りとなし、該オリフィスより
高速な気流体を該槽内に垂直方向に噴出せしめて、槽内
の被覆すべき粒体を吹き上げ、同時に被覆液を吹き付け
る被覆法である。また、特公昭38−2294号では、
粒体を中央噴流部に設けた案内管を通して粒体を吹き上
げ、該管内に設けた噴霧ノズルより被覆液を加える方法
を開示している。これらの被覆法は何れも医薬品の被覆
を対象としたもので、小規模且つ丁寧に被覆する場合に
は好ましい方法であるが、例えば肥料の様に安価且つ大
量の被覆を行う場合には適切な方法とは言い難い。大量
の粒子を被覆するには径の大きな噴流塔を用いる必要が
あるが、噴流塔の径が大きくなると粒子全体が流動状態
となり噴流が形成できなかった。この問題点に対し特公
平2−31039号においては、噴流装置内に粒子が通
過するガイド管を、オリフィス上方に垂直に設けた被覆
装置であって、オリフィスから装置内に不活性気体を送
入するに際し、オリフィスにおける気体の流速を20m
/secから70m/secとし、ガイド管内の流速を
20m/sec以下に調節して被覆を行う方法であれ
ば、噴流塔が大型化しても噴流状態が得られることを開
示している。以上のように噴流方式による被覆方法は様
々な改良が加えられ、品質の向上と装置の大型化が達成
されてきた。粒体の表面における被膜の形成は、該粒体
の表面に付着せしめた溶融液の冷却若しくは樹脂などの
溶液の乾燥による。乾燥による製膜においては瞬時に溶
剤の蒸発を行わせるため、大量の熱量を必要とする。噴
流方式を用いた被覆方法は、噴流を形成させるガスの熱
量で粒体表面に付着した樹脂溶液を瞬時に乾燥させるこ
とが出来るので、非常に熱効率が高く、乾燥による製膜
に適した方法と云える。
【0003】
【本発明が解決しようとする課題】噴流形成ガス及び被
覆液自体は高温であるが、被覆される粒子自体の温度は
溶剤の気化熱により或る一定の温度で平衡に達するため
高温になることはなく、よって融点が比較的低いポリエ
チレンやポリプロピレン等の熱可塑性樹脂を被覆材に用
いても、被覆中の熱による被膜の損傷は無く、更に、被
覆される粒体として比較的融点の低い尿素粒子を用いた
としても、融解及びそれに伴う変形は無いと考えられて
いた。しかしながら、現実には被覆粒状肥料を例にとっ
てみると、被覆後の被膜に数%からものによっては30
%程度ものピンホールが認められ、これが被覆肥料の溶
出変動の一因となっていた。また、噴流形成ガスの温度
が尿素の融点を超える条件で被覆を行った場合には、一
部の粒子に尿素粒子の変形が認められた。この粒子の変
形も溶出変動の一因となっていると考えられる。本発明
者らは上記従来技術の問題点に鑑み、その原因が何処に
あるのか究明に努め、固定相から噴流部に粒子が流れ込
む部分と接する被覆装置本体のうち、噴流形成ガスを噴
出させる絞り部分及びその付近の温度が、噴流形成ガス
温度とほぼ同じ温度にまで上昇していることを発見し
た。そしてこの絞り部分を冷却する機能を従来の噴流被
覆装置に与えたところ、驚くべきことに、被膜の損傷や
粒子の変形が著しく減少することを知見して本発明に到
達した。即ち本発明は、筒型の噴流槽の最下部に槽内
に気体を噴出させるための絞りを設け、該絞りの中心付
近に噴霧ノズルを設けた噴流被覆装置を用い、熱可塑性
樹脂を溶剤に溶解させた樹脂溶液を該ノズルから噴霧さ
せつつ粒体に被膜を形成させる被覆装置であって、該絞
りが冷却機能を備えていることを特徴とする粒体の被覆
装置、及び、該槽の最下部に槽内に気体を噴出させる
ための絞りを設け、該絞りの中心付近に噴霧ノズルを設
けた噴流被覆装置を用い、熱可塑性樹脂を溶剤に溶解さ
せた樹脂溶液を該ノズルから噴霧させつつ粒体に被膜を
形成させる被覆方法であって、該絞りを冷却しつつ被覆
操作を行う粒体の被覆方法である。そしてその目的とす
るところは、融点が比較的低いポリエチレンやポリプロ
ピレン等の熱可塑性樹脂を被覆材に用い、更に被覆され
る粒体として比較的融点の低い尿素等の粒子を用いたと
しても、被覆工程中の熱による被膜の損傷や、融解及び
それに伴う変形の発生率が著しく低く、安定した溶出機
能を有する被覆粒状物質が製造できる粒体の被覆装置及
び粒体の被覆方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は以下に記載の
(1)から(6)の構成からなる。 (1)筒型の噴流槽の最下部に該槽内に気体を噴出させ
るための絞りを設け、該絞りの中心付近に噴霧ノズルを
設けた噴流被覆装置を用い、熱可塑性樹脂を溶剤に溶解
させた樹脂溶液を該ノズルから噴霧させつつ該槽内で噴
流状態に保持された粒体に被膜を形成させることを可能
にしてなる被覆装置であって、該絞りが冷却機能を備え
ていることを特徴とする粒体の被覆装置。
【0005】(2)絞りがオリフィス、又はベンチュリ
である前記第1項に記載の粒体の被覆装置。
【0006】(3)絞り内部に冷媒の経路を有すること
を特徴とする前記第1及び2項に記載の粒体の被覆装
置。
【0007】(4)絞り下部に冷却管を接触するように
設置したことを特徴とする前記第1及び2項に記載の粒
体の被覆装置。
【0008】(5)絞りの周囲に冷媒用ジャケットを設
けたことを特徴とする前記第1及び2項に記載の粒体の
被覆装置。
【0009】(6)筒型の噴流槽の最下部に該槽内に気
体を噴出させるための絞りを設け、該絞りの中心付近に
噴霧ノズルを設けた噴流被覆装置を用い、熱可塑性樹脂
を溶剤に溶解させた樹脂溶液を該ノズルから噴霧させつ
つ該槽内で噴流状態に保持された粒体に被膜を形成させ
る被覆方法であって、該絞りを冷却しつつ被覆操作を行
う粒体の被覆方法。
【0010】以下に本発明の詳細を記述する。本発明で
使用する筒型の噴流槽は中心軸が垂直の槽である。本発
明の被覆装置はこの槽内の下端部に気体を噴出させるた
めの絞りを設け、該絞りに噴流用気体送入管を接続した
ものであり、更に該絞りの中心付近に噴霧ノズルを設け
たものである。該槽の形状は特に限定するものではな
く、断面の形状が円形であっても多角形のものであって
も構わない。また該槽の下端は平面であっても良く、逆
錐状であっても良い。しかしながら、該槽の下端が平面
の場合には粒子を噴流状体にした場合、下端の一部分で
粒子の循環が悪くなることから逆錐状であることが好ま
しく、更に粒子の循環の均一性の面から云えば、該槽の
断面の形状は円形であることが望ましい。また、該槽下
端の絞りには別途種々のオリフィス板やベンチュリを挿
入できるようにしたものであっても良い。
【0011】更に、本発明の被覆装置には該絞りの上方
に垂直方向にガイド管を設けたものであっても良い。該
ガイド管の形状としては、パイプ、パイプに穿孔したも
の或いは金網を筒状にしたもの等が挙げられる。本発明
においては形状や材質は特に限定するものではないが、
被覆時の被膜の損傷を最小限に抑えたい場合には、孔や
突起物のない平滑なパイプを用いることが好ましい。こ
の際ガイド管は該絞り上方に垂直方向に固定若しくは懸
垂される。
【0012】噴霧ノズルの位置は該絞りの中心軸とほぼ
一致する位置であれば良く、該絞りよりも高い位置であ
っても、低い位置であっても良い。ノズルの位置、形状
は噴霧液体の性状、運転条件等によって適宜決定すれば
よい。
【0013】絞り部分風速は噴出気体量と絞り口径で決
められるが、ガイド管内の風速も同じ手法で換算するこ
とが出来る。ガイド管と絞り部分の間隔は粒体の循環を
妨げない範囲で選定することが好ましい。ガイド管の口
径は絞り口径の1.2から4.0倍、好ましくは1.5
から3.0倍とするのがよい。本発明においては絞り部
分における気体の流速、及びガイド管内における気体の
流速は特に限定するものではないが、品質の安定のため
には絞りから装置内に不活性気体を送入するに際の、絞
り部分における気体の流速を20m/secから70m
/secとし、ガイド管内の流速を20m/sec以下
に調節して被覆を行う方法が推奨される。本発明に用い
る気体は粒体及び溶剤の性質に際し不活性のものであれ
ば良く、特に限定されるものではない。本発明における
気体を噴出させるための絞りの形状は特に限定されるも
のではない。例えば槽の下端を逆錐状とし、槽の最下端
の噴流形成ガス道入管との接合部がすぼまった様な、槽
の形状の一部を絞りとしても良く、一般に用いられてい
るように、オリフィス板やベンチュリノズル等を用いて
も構わない。通常噴流塔においては、被覆する粒子の粒
径や密度によって噴流化速度が異なり、被覆液の濃度や
噴霧量によって風量が変わるため、絞り径の変更が可能
なオリフィス板若しくはベンチュリノズルを用いる方が
望ましい。絞りの冷却の程度は被膜の樹脂成分の軟化点
以下、及び粒子の軟化点以下となる温度であれば十分で
あり特に限定するものではない。
【0014】本発明においては該絞り部分が冷却可能な
ものであれば、その冷却方法を特に限定するものではな
い。しかしながら装置として該絞り部を高い冷却効率を
保ちつつ冷却する形状として、具体的には該絞り内部
に冷媒の経路を設ける、該絞り下部に冷却管を接触す
るような状態で設置する、該絞りの周囲に冷媒用ジャ
ケットを設ける等の方法が挙げられる。特に限定するも
のではないが、該絞り部分がオリフィス板の場合には
、の方法が有効であり、ベンチュリノズルの場合に
は、の方法が有効である。上記、、の冷却方
法は単独であっても良く、複数組み合わせても良い。
【0015】被覆肥料を例にとってみると、これまでの
製品には被覆後の被膜に数%から、ものによっては30
%程度ものピンホールが認められ、これが被覆肥料の溶
出変動の一因となっていた。また、噴流形成ガスの温度
が尿素の融点を超える条件で被覆を行った場合には、一
部の粒子に尿素粒子の変形が認められた。この粒子の変
形も溶出変動の一因になっている。本発明者らはその原
因が、固定相から噴流部に粒子が流れ込む部分と接する
被覆装置本体のうち、噴流形成ガスを噴出させる絞り部
分及びその極周辺の温度が、噴流形成ガス温度とほぼ同
じ温度にまで上昇していることに起因していると考え
た。
【0016】噴流形成ガス及び被覆液自体は高温である
が、被覆される粒子は溶剤が気化する際の気化熱によ
り、或る一定の温度で平衡に達するため粒子自体が高温
になることはなく、よって融点が比較的低いポリエチレ
ンやポリプロピレン等の熱可塑性樹脂を被覆材に用いて
も、被覆中の熱による被膜の損傷は無く、更に、被覆さ
れる粒体として比較的融点の低い尿素粒子を用いたとし
ても、融解及びそれに伴う変形は無いと考えられてい
た。現実に、ポリエチレンを主成分とした被覆粒状尿素
の製造においては、被覆を受けた直後や固定相の粒子の
温度はポリエチレンの軟化点以下の温度で平衡に達して
いる。これに対して噴流塔における絞り部分は溶剤の気
化などによる冷却作用が皆無であり、装置の冷却作用と
云えば装置表面から大気への放熱のみであり、絞り部分
及びその極周辺の温度は、噴流形成ガス温度とほぼ同じ
温度にまで上昇している。このような状況から、本発明
者らはあくまでも推測の域を出ないものの、被膜の損傷
や粒子の変形は、固定相の粒子の一部が噴流直前に高温
の該絞り部分と接触する際に起こっていると考えてい
る。従って本発明は噴流形成ガスの温度が、被膜に用い
る熱可塑性樹脂の軟化点、融点を大きく上回る条件で被
覆を行う場合に有効である。
【0017】本発明においては被覆液として熱可塑性樹
脂を溶剤に溶解させた樹脂溶液を用いる。熱可塑性樹脂
としては、ポリオレフィン及びその共重合体とポリ塩化
ビニリデン及びその共重合体が挙げられる。好ましいポ
リオレフィン及びその共重合体としてはポリエチレン、
ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体、エチ
レン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・一酸化炭素共重
合体、エチレン・酢酸ビニル・一酸化炭素共重合体、エ
チレン・アクリレート共重合体、エチレン・メタクリル
酸共重合体、ゴム系樹脂、ポリスチレン、ポリメチルメ
タアクリレート等が挙げられ、好ましいポリ塩化ビニリ
デン及びその共重合体としては、ポリ塩化ビニリデン、
塩化ビニリデン・塩化ビニル共重合体等が挙げられる。
更に、ポリ−2−ハイドロキシ−2−アルキル酢酸、ポ
リ−3−ハイドロキシ−3−アルキルプロピオン酸等に
代表されるの生分解性ポリエステルも挙げることが出来
る。
【0018】これらの被覆材は有機溶剤に溶解させた状
態で、噴流状態にある粒子に噴霧し被覆を行う。本発明
は上記樹脂の貧溶媒液を用い、瞬間乾燥によって被膜を
形成する製膜法において特に有効である。上記樹脂の貧
溶媒を用いて瞬間乾燥する場合には、樹脂と有機溶剤と
の組み合わせにおいて、熱時には良く溶け、冷時には樹
脂が析出してゼリー状となる性質を有するものがよく、
この方法による被膜は非常に緻密な被膜を形成し特に好
ましい。上記以外の被覆材としてはタルクに代表される
無機フィラーや、界面活性剤等を用いることもできる。
これら被覆材は溶剤に溶解・分散され、噴霧用ノズルに
送られ被覆に共される。
【0019】本発明の被覆装置において用いる粒子は特
に限定されるものではないが、本発明の被覆装置による
被覆は、粒子に含まれる活性成分が溶出速度を調節する
必要性のあるものに対して特に有効である。活性成分と
は具体的には、尿素、硫安、塩安、硝安、塩化加里、硫
酸加里、硝酸加里、硝酸ソーダ、燐酸アンモニア、燐酸
加里、燐酸石灰、キレート鉄、酸化鉄、塩化鉄、ホウ
酸、ホウ砂、硫酸マンガン、塩化マンガン、硫酸亜鉛、
硫酸銅、モリブデン酸ナトリウム、モリブデン酸アンモ
ニウム、OMUP(クロチリデンジウレア)、IBDU
(イソブチリデンジウレア)やオキザマイド等の肥料、
殺虫剤、殺菌剤、除草剤等の農薬等が挙げられるが、こ
れらに限定するものではない。粒子は活性成分の1種以
上の粒状物であっても良く、更には活性成分の1種以上
とベントナイト、ゼオライト、タルク、クレー、ケイソ
ウ土等の不活性担体からなる粒状物であっても良い。更
には前述の活性成分粒子を樹脂や無機物で被覆したもの
であっても構わない。
【0020】
【発明の効果】本発明は槽の最下部に槽内に気体を噴出
させるための絞りを設け、該絞りの中心付近に噴霧ノズ
ルを設けた噴流被覆装置を用い、熱可塑性樹脂を溶剤に
溶解させた樹脂溶液を該ノズルから噴霧させつつ粒体に
被膜を形成させる被覆装置であって、該絞りが冷却機能
を備えていることを特徴とする粒体の被覆装置、及び、
槽の最下部に槽内に気体を噴出させるための絞りを設
け、該絞りの中心付近に噴霧ノズルを設けた噴流被覆装
置を用い、熱可塑性樹脂を溶剤に溶解させた樹脂溶液を
該ノズルから噴霧させつつ粒体に被膜を形成させる被覆
方法であって、該絞りを冷却しつつ被覆操作を行う粒体
の被覆方法である。そして融点が比較的低いポリエチレ
ンやポリプロピレン等の熱可塑性樹脂を被覆材に用い、
更に被覆される粒体として比較的融点の低い尿素等の粒
子を用いたとしても、被覆中の熱による被膜の損傷や、
融解及びそれに伴う変形の発生が著しく低く、安定した
溶出機能を有する被覆粒状物質が製造できると云った顕
著な効果を有する。特に噴流形成ガスの温度が、被膜に
用いる熱可塑性樹脂の軟化点、融点を大きく上回る条件
で被覆を行う場合に有効である。
【0021】
【本発明の実施例】以下実施例をもって本発明の構成と
効果を説明するが、本発明は以下に記載の実施例に限定
されるものではない。
【0022】1.被覆装置 本発明の比較例であり、実施例の基本構造たる被覆装置
を図1に示した。図1において1は噴流塔、2は被覆さ
れる粒体の投入口、3は粒体投入口バルブ、4は噴流空
気噴出用の絞り、5は噴霧ノズル、6は被覆粒体の抜き
出し口、7は噴流及び乾燥に用いた空気の排出管、8は
空気加熱器、9は流量計、10はブロアー、11は被覆
液調整槽、12は蒸気加熱用ジャケット、13は被覆液
供給ポンプ、14はガイド管である。塔径は450m
m、ガイド管径は120mmである。図2から7に本発
明に使用される冷却機能を有する絞りを例示した。15
は冷媒の経路、16はオリフィス板、17は冷却用ジャ
ケット、18はベンチュリノズルである。図2から5は
本発明に使用可能な絞りを真上から見た図、及び真横か
ら見た図である。
【0023】図2はオリフィス板の内部に冷媒の通過経
路を設けたものであり、図3はオリフィス板の下部に冷
媒の通過経路を接触する状態に設置したものである。図
2及び図3においては冷媒の通過経路が丸い管状となっ
ているが、通過経路の形状及び配置方法、密度等は特に
限定するものではない。更に図4の様に冷媒を充填、通
過させるべくオリフィス板を中空としたものであっても
良い。図5はベンチュリノズルの外周に冷却用ジャケッ
トを取り付けたものであり、図6はベンチュリノズルの
内部に図2同様冷媒の通過経路を螺旋状に設けたもので
ある。更に図7は図4同様ベンチュリノズルの内部を中
空としたものである。云うまでもないことではあるが、
本発明の絞りの形状は上記の記載に限定されるものでは
ない。本発明の実施例においては図2若しくは図5に示
した絞りを用い、比較例には冷却機能の無いオリフィス
を用いた。
【0024】2.本発明の実施例及び比較例サンプルの
試作 被覆操作はブロアー10より所定の風量と温度に保持し
た空気を噴流塔に送りながら所定量の粒体を投入する。
次いで塔内の粒体が所定の温度に達したら、被覆液供給
ポンプより樹脂溶液(被覆液)を所定の速度で所定時間
送り、所定の被覆率とした後ブロアー10を止めて被覆
粒体抜き出口6より被覆粒体を抜き出す。但し、実施例
においては絞りを冷却し絞りの接粒部の温度を70℃に
維持しつつ被覆操作を行った。 被覆液組成 ポリエチレン(低密度ポリエチレン、d=0.918、MI=22) 6重量部 エチレン・酢酸ビニル共重合体(VAc=15wt%、MI=7.0) 3 〃 タルク(平均粒径10μm) 11 〃 トルエン 400 〃
【0025】本製造例では下記の基本条件を維持しつつ
所定の被覆率が10wt%に達するまで被覆を行なった。 一流体ノズル:開口0.8mmフルコン型 熱風量 :450Nm3 /h 熱風温度 :100±2℃若しくは130±2℃、各
試験区においてどの熱風温度で被覆したかは表1に記載
した。 樹脂溶融温度:100±2℃ 肥料 :尿素 肥料投入量 :40kg 供試溶剤 :トルエン 噴流部の粒子温度:70±3℃ *被覆液はポンプ5より送られてノズルに至るが、80
℃以下に温度が低下しないように配管を二重管にして蒸
気を流しておく。
【0026】3.被膜損傷確認試験 試作した本発明の被覆肥料サンプルそれぞれ10gを2
00ml水中に浸漬して25℃に静置する。所定期間後
肥料と水に分け、水中に溶出した尿素を定量分析により
求める。肥料には新水を200ml入れて再び25℃に
静置、所定期間後同様な分析を行なう。この様な操作を
反復して水中に溶出した尿素の溶出累計と日数の関係を
グラフ化して溶出速度曲線を作成し、80%溶出率に至
る日数を知ることが出来る。表1に溶出試験の結果を示
す。表の初期溶出量とは溶出開始後24時間経過後の溶
出率である。この24時間に溶出した量(初期溶出量)
により、被膜の損傷具合を判断した。表1の結果からも
明らかなように、本発明の実施例においては溶出開始2
4時間経過後の溶出量は僅かであり、被膜の損傷が軽微
であったことが分かる。これに対し比較例においては2
4時間溶出が6〜8%もあり、被膜の溶出制御機能が明
らかに損なわれている。
【0027】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の装置の基本構造を示す。
【図2】本発明に係るオリフィス板の構造説明図であ
る。
【図3】本発明に係るオリフィス板の別の構造説明図で
ある。
【図4】本発明に係るオリフィス板の別の構造説明図で
ある。
【図5】本発明に係るオリフィス板の別の構造説明図で
ある。
【図6】本発明に係るオリフィス板の別の構造説明図で
ある。
【図7】本発明に係るオリフィス板の別の構造説明図で
ある。
【符号の説明】
1 噴流塔 2 粒体投入口 3 粒体投入口バルブ 4 噴流空気噴出用絞り 5 噴霧ノズル 6 被覆粒体抜き出し口 7 空気排出管 8 空気加熱器 9 流量計 10 ブロアー 11 被覆液調整槽 12 蒸気加熱用ジャケット 13 被覆液供給ポンプ 14 ガイド管 15 冷媒の経路 16 オリフィス板 17 冷却用ジャケット 18 ベンチュリノズル

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒型の噴流槽の最下部に該槽内に気体を
    噴出させるための絞りを設け、該絞りの中心付近に噴霧
    ノズルを設けた噴流被覆装置を用い、熱可塑性樹脂を溶
    剤に溶解させた樹脂溶液を該ノズルから噴霧させつつ該
    槽内で噴流状態に保持された粒体に被膜を形成させるこ
    とを可能にしてなる被覆装置であって、該絞りが冷却機
    能を備えていることを特徴とする粒体の被覆装置。
  2. 【請求項2】 絞りがオリフィス、又はベンチュリであ
    る請求項1に記載の粒体の被覆装置。
  3. 【請求項3】 絞り内部に冷媒の経路を有することを特
    徴とする請求項1及び2に記載の粒体の被覆装置。
  4. 【請求項4】 絞り下部に冷却管を接触するように設置
    したことを特徴とする請求項1及び2に記載の粒体の被
    覆装置。
  5. 【請求項5】 絞りの周囲に冷媒用ジャケットを設けた
    ことを特徴とする請求項1及び2に記載の粒体の被覆装
    置。
  6. 【請求項6】 筒型の噴流槽の最下部に該槽内に気体を
    噴出させるための絞りを設け、該絞りの中心付近に噴霧
    ノズルを設けた噴流被覆装置を用い、熱可塑性樹脂を溶
    剤に溶解させた樹脂溶液を該ノズルから噴霧させつつ該
    槽内で噴流状態に保持された粒体に被膜を形成させる被
    覆方法であって、該絞りを冷却しつつ被覆操作を行う粒
    体の被覆方法。
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