JPS649278B2

JPS649278B2 -

Info

Publication number: JPS649278B2
Application number: JP54159632A
Authority: JP
Inventors: Toshio Fujita; Hideaki Matsuoka; Shigemitsu Yoshida
Original assignee: Chisso Corp
Current assignee: JNC Corp
Priority date: 1979-12-08
Filing date: 1979-12-08
Publication date: 1989-02-16
Also published as: JPS5684391A

Description

【発明の詳細な説明】

本発明は、被覆粒状肥料とその製法に関し、更
に詳しくは、本発明は被覆粒状肥料の表面に特定
の無機物微粉末を付着させた該肥料とその製法に
関する。被覆粒状肥料は、その使用時、即ち、一作中の
施肥後の肥効を適正に持続させ、施肥効率の向上
と施肥の省力を目的とする肥料で、施用中肥効成
分が徐々に放出されるように撥水性材料で被覆さ
れている。該材料としては各種の樹脂又はワツク
ス類又はイオウが良く知られている。ところで、
被覆粒状肥料がかゝる撥水性材料で被覆されてい
ることに起因する欠点すなわち技術問題が新に生
じるに至つた。その技術問題とは、該被覆粒状肥料の水中浮上
性（以下浮上性という）である。かゝる浮上性
は、該肥料が湛水田に施肥された場合のみなら
ず、畑作若しくは果樹等の園芸作物においても、
降雨や潅水により、露出した該肥料粒子が浮上移
動して肥効のかたより、甚だしくは該肥料の流亡
すらひきおこす。かゝる浮上性をなくす為には、被覆粒状肥料の
表面に親水性を付与して撥水性を減少させ若しく
はなくすればよい。本発明者の一人を含む他の発
明者等は、この目的の為該肥料の表面に界面活性
剤を塗布し、若しくは該被覆を構成する被膜に界
面活性剤を混合したが未だ充分な成果を得ること
ができなかつた。そこで更に、被覆粒状肥料の表
面に、無機充填材等からなる微粉末を付着させ、
前記の界面活性剤の使用（被膜中への混合）と併
用することにより、該浮上性の問題を一応解決
し、特願昭54−69432号（特開昭55−162495号）
として出願した。ところが、其の後の研究により、該浮上性解決
のための微粉末処理には、該被膜に粘着性を発現
させる必要があるが、その為該被覆粒状肥料を流
動状態又は転動状態下に加温することは、被膜の
破損を避ける為には温和な条件下に徐々に行なう
必要があり、いきおい態率的な製造すなわち態率
的な微粉末処理ができないことが明らかになつ
た。また、微粉末の使用量もなるべく少量ですま
せることが望ましい。本発明者等は、この目的の為に特別の加温なし
でも付着可能であり、若しくは加温しつつ遂次付
着の可能な微粉末又は付着方法につき種々探索し
た結果、該微粉末として銑鉄、鉄合金若しくは金
属けい素製造用融解炉から発生する煙霧中に存在
する主としてSiO₂よりなる微粉末（以下SiO₂ダ
ストという）を使用すれば、前記目的を達成でき
ることを発見して本発明を完成した。以上の詳述から明らかなように、本発明の目的
は、第１に浮上性のない被覆粒状肥料とその製法
を提供することであり、第２に、被覆面への付着
材の使用量が比較的に少く、かつ能率的な被覆の
可能な該肥料の製法を提供するにある。本発明の第１の発明は、界面活性剤を混合した
樹脂組成物を用いて粒状肥料の表面を被覆し、該
被覆表面に更にSiO₂ダストを付着させてなる被
覆粒状肥料である。また、本発明の第２の発明
は、不活性気体中で転動状態、流動状態若しくは
噴流状態に維持された被覆粒状肥料にSiO₂ダス
トを該転動状態、流動状態若しくは該噴流状態に
維持するための該空気中に分散させて混合するこ
とを特徴とする被覆粒状肥料の表面に該SiO₂ダ
ストを付着させる方法。以下に両発明の構成と効
果に付詳細に説明する。本発明に使用する界面活性剤は同一分子内に親
水性基と親油性基を併有する界面活性を有する物
質で、本発明に使用する樹脂組成物（以下本発明
の樹脂組成物）中に均一に混合し分散させること
ができるものであればよく、市販のアニオン系界
面剤例えばアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム、カチオン系界面活性剤例えば高級アルキルア
ミン塩酸塩、ポリオキシエチレンアミン類、非イ
オン系界面活性剤例えばポリオキシエチレンアル
キルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフ
エニルエーテル類、ポリオキシエチレングリコー
ルと脂肪酸とのエステル類、高級アルコールサル
フエート類、両性界面活性剤例えば高級アルキル
アミノ酸が使用できる。本発明に使用する樹脂組成物中の樹脂として
は、天然樹脂例えば、ロジン、シエラツク、ワツ
クス類例えば、パラフインワツクス、ポリエチレ
ンワツクス、ポリプロピレンワツクス、熱硬化性
樹脂例えば、フエノールホルマリン樹脂、尿素樹
脂、アルキツド樹脂、熱可塑性樹脂例えば、ポリ
オレフイン樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体樹
脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリエステル樹脂
等であつて、使用時に溶融状、溶液状、乳濁液
状、微粉末状等で本発明の樹脂組成物として均一
に混合可能なものであれば使用できる。本発明の樹脂組成物には、必須成分としての前
記界面活性剤および樹脂の他下記の無機充填材、
顔料若しくは有機質微粉末（以下無機充填材等と
いう）が使用でき、該樹脂組成物により形成され
る被膜の性質を調整でき樹脂の使用量を節減でき
るので望ましい。かゝる無機充填材等には、けい
そう土、クレー、酸性白土、タルク、炭酸カルシ
ウム、イオウ等の無機充填材、チタン白、酸化バ
リウム、カーボンブラツク、ホワイトカーボン等
の顔料、木粉、魚粉等の有機質微粉末が使用でき
る。本発明の樹脂組成物は、必須成分としては前記
界面活性剤と樹脂又は界面活性剤、樹脂および無
機充填剤等を均一に混合したもので、均一な混合
のためには、該樹脂が、溶融状、溶液状若しくは
乳濁液状であつてもよい。本発明の樹脂組成物の組成は、界面活性剤と樹
脂の２成分の場合は、樹脂99.9重量％ないし90重
量％に対し界面活性剤0.01重量％ないし10重量％
（以下％はすべて重量％を意味する）、好ましくは
樹脂99.5％ないし95％界面活性剤0.5ないし５％
である。界面活性剤がこれらの下限値に満たない
と本発明の肥料の非浮上性が不充分となることが
あり、上限値を超えても格別の効果はない。本発明の樹脂組成物が、界面活性剤、樹脂およ
び無機充填材の三成分の場合は組成物中における
無機充填材の使用割合は１％ないし90％好しくは
10％ないし70％である。無機充填材の使用割合が
これらの下限値に満たないと該材の添加効果が失
われ若しくは不充分であり、上限値を超えると被
覆困難若しくは被膜が破損し易い等の問題が生じ
る。本発明の樹脂組成物による粒状肥料の被覆方法
は、公知方法に従う。例えば粒状肥料の転動下に
該組成物の溶液を噴霧し、若しくは粉状肥料を流
動若しくは噴流状態において該組成物を分散させ
た状態で混合する等である（例えば特公昭54−
3104、特開昭51−75674、特公昭37−15832、特公
昭49−46478、特公昭45−922）。被覆条件は、具
体的方法および使用する樹脂組成物の物性および
被覆率により大巾に異るが、３分ないし３時間、
室温ないし100℃で被覆および必要な溶剤回収が
可能である。本発明の被覆粒状肥料に使用する粒状肥料は、
例えば、尿素、リン安、硫酸カリのような単独の
肥料粒子を用いてもよく、二種類以上の肥料粒子
を混合造粒したいわゆる化成肥料を用いてもよ
い。粒径には制限はないが0.5〜５mm好ましくは
１〜３mmが使用し易い。本発明に使用するSiO₂ダストは、前述のよう
に銑鉄、鉄合金若しくは金属けい素製造用融解炉
から発生する煙霧中に存在する主としてSiO₂よ
りなる微粉末である。このものは、球状で無定形
の平均粒径0.05〜0.15μ程度の極めて微細な粒子
で主成分であるSiO₂の他にFe₂O₃、Al₂O₃、CaO、
Ｃ、MgO等を含み、中性ないし微アルカリ性を
示す。SiO₂ダストを更に焼成して含有する炭素
を除去し脱色したものも使用できるが、本発明の
効果としては差異がない。 SiO₂ダストの被覆粒状肥料への付着方法は、
前記樹脂組成物を用いて被覆した被覆粒状肥料を
転動装置、流動化装置又は噴流槽に入れ、空気、
窒素ガス若しくは炭酸ガスのような不活性気体を
用いて、該粒状肥料を例えば室温下に転動状態、
流動状態若しくは噴流状態に保持し、所定量の
SiO₂ダストを投入し若しくは遂次供給する前記
不活性気体に分散させて前記流動層若しくは噴流
槽に供給して該粒状肥料の被膜表面にSiO₂ダス
トを均一に付着させる。付着量を多くするには例
えば供給する不活性気体を加熱して該粒状肥料を
加熱し、該被膜表面を適宜軟化させて行う。付着
処理時間は0.5分ないし３時間好ましくは１分な
いし１時間で処理温度は、限定されないが例えば
10℃〜100℃で実施できる。SiO₂ダストの付着量
は前記被覆肥料に対し0.01％〜５％好ましくは
0.1〜１％で、10℃〜室温のような温度でも付着
処理の開始が可能である。本発明の第２の発明に
おいて必要な加熱が迅速に行えること、好ましい
付着量が、0.1〜１％のように少くてよいことが、
他の付着材では得られないSiO₂ダスト独自の効
果である。この点を前記本発明の一人を含む他の発明者等
の先願発明特願昭54−69432号（特開昭55−
162495号）であつて、付着材としてけいそう土円
を使用するものと比較する。例えば被覆材として
低密度ポリエチレン95重量部（以下部はすべて重
量部を意味する）、エチレン酢酸ビニル共重合体
５部、ヘキサオキシエチレンノニフエニルエーテ
ル１部からなる組成物を用いて製造した被覆粒状
肥料にけいそう土を付着させ撥水性をなくし永続
的親水性付与に必要な処理温度は70〜75℃を要し
た。一方、けいそう土に換えて本発明に係る
SiO₂ダストを用いた場合、処理温度30℃で同一
目的を達成できた。本発明に使用するSiO₂ダストは、また、本発
明者等の先願発明で使用する他の付着材例えばけ
いそう土と混合して使用することもできる。混合
使用するとSiO₂ダストの不活性気体への分散が
良好となるが、室温内外（例えば10℃〜35℃）の
ような比較的低温では、けいそう土は被覆粒状肥
料に殆んど付着しない。その後35℃〜70℃のよう
に昇温させることによりけいそう土部分の付着も
可能となる。本発明（第１及び第２の発明）の効
果は、該付着物の50％以上がSiO₂ダストである
場合にも明確である。けいそう土に代えて他の付
着材例えばタルク、炭酸カルシウム等をSiO₂ダ
ストと混合して使用できる。本発明の第１の発明に独自の効果は、極めて少
量のSiO₂ダストの付着で被覆粒状肥料の浮上性
を防止できること（後述実施例２参照）であり、
本発明の第２の発明に独自の効果は、10℃ないし
室温のような、他の付着材の付着は不可能のよう
な温度でも容易にかつ短時間に撥水性のない被覆
粒状肥料の製造が可能なことである。本発明の被覆粒状肥料に親水性が付与されたこ
と（若しくは浮上性が防止できたこと）の効果
は、次のような試験により容易に評価し、確認で
きる。即ち、本発明の粒状肥料を少量容器に入
れ、その上に静かに注水する。親水性が付与され
た粒子は表面が濡れ易く直に水中沈むが、撥水性
の粒子は、水の表面張力によつて沈降できず、浮
上する。なお、付着の不完全なSiO₂ダストはこ
の注水により被覆粒状肥料から分離して沈降し、
浮上性防止に寄与できない。本発明の被覆粒状肥
料上のSiO₂ダストは表面に融着させたものでな
い場合であつても独自の付着力により強固に付着
しているので、製造後直ちに注水試験した場合の
みならず、長期間保存後にもこの親水性（浮上性
のないこと）が保持される。以下、実施例、比較
例により本発明を説明する。実施例の肥料はすべ
て尿素を用いたが、これは本発明を限定するもの
ではない。実施例１本例では被覆肥料表面にSiO₂ダスト其他微粉
体を付着する方法を示す。第１図は以下の実施例
に於いて微粉体を付着させるために用いた噴流装
置である。１は噴流塔で塔径250mm、高さ2000mm
で、肥料投入口２、排ガス排出口３を有する。噴
流用空気はブロアー７から送られ、オリフイス流
量計６、加熱器５空気噴出口（径50mm）を経て噴
流塔に至るが、流量は流量計、温度は加熱器およ
び温度計T₁，T₂およびT₃で管理され、排ガスは
排出口から塔外に導かれる。表面に付着させる被
覆肥料は投入口から所定の空気量を流しながら入
れる。被処理被覆粒体が所定の温度になつたら微
粉体ホツパー８に入れられている微粉体をマイク
ロフイーダー９で微粉体分散器１０に送る。微粉
体分散器は微粉体と接する部分で高速度の空気が
噴出する構造になつており、微粉体はこゝで空気
に均一に分散され噴流塔に至り塔内で循環中の粒
子と気柱内で接し表面に付着する。所定の付着量
に達したらマイクロフイーダーを止め、圧力空気
およびブロアーを止めて抜出口４から抜出す。なお本実施例では何れも下記の基本条件を保持
しつゝ処理した。熱風量４m²／min 投入量 10Kg 肥料粒度５−7mesh 微粉体供給速度 50ｇ／min 実施例２、比較例１付着材としてSiO₂ダスト（実施例）又はけい
そう土（比較例）を用いた以外は前例と同様に実
施した。第１図の装置を用い、粒状尿素に樹脂組
成物として低密度ポリエチレン95部、エチレン酢
酸ビニル共重合体５部、界面活性剤（ヘキサオキ
シエチレンノニルフエニルエーテル）１部からな
るもので被覆した被覆粒状肥料に夫夫SiO₂ダス
トを0.15％（対肥料）、けいそう土を0.3％（対肥
料）供給して、30℃、40℃、50℃、60℃、70℃、
75℃および80℃の各温度で夫夫１分処理して
SiO₂ダスト又はけいそう土を付着させた。付着後の各付着処理品各５ｇを直径15.5cm、高
さ３cmのシヤーレーに入れ適当量の水を該シヤー
レーの壁に沿つて静に注水して浮上した肥料粒子
の粒数の割合（浮上率）を求めた。結果を第１表
に示す。同表に明らかなように、実施例２（Run
No.１〜７）は、付着処理温度が室温に近い（30
℃）のものも含めて充分な浮上性防止効果が得ら
れたが、けいそう土を用いた比較例２では、60℃
以下では実質的に効果がなく、70℃でも極めて不
充分であつた。なお、けいそう土を用い、浮上率
の高いRunNo.１〜４においては、注水したシヤー
レー底部に被覆粒状尿素から分離沈降したけいそ
う土があることを観察できた。

【表】実施例３本例ではSiO₂ダストの使用量とSiO₂ダスト付
着率ならびに浮上率の関係を試験した。すなわ
ち、実施例２で使用した被覆粒状肥料に夫々
0.01、0.1、0.5および１％に相当するSiO₂ダスト
を噴流槽中で粒子温度50℃に保持した該粒状肥料
に供給して１分処理し付着させた。得られた付着
処理品について実施例２と同様の方法で付着率を
求めた。結果を第２表に示す。なお、表中の
SiO₂ダスト付着率は処理前後の重量増加により
求めたが、この付着処理条件下での付着率の上限
は約0.4％と考えられる。第２表に明らかなよう
に付着率0.01％以上で実用上充分な浮上率防止効
果が得られる。

【表】実施例４本例では、界面活性剤の使用量と浮上率の関係
を試験した。すなわち、低密度ポリエチレン95
部、エチレン―酢酸ビニル共重合体５部と界面活
性剤（オクタオキシエチレンノニルフエニルエー
テル）が夫々、０、0.1、0.5、1.0、5.0および10
部からなる被覆用組成物で被覆された被覆粒状尿
素をつくり、これを何れも50℃に保持し、該肥料
の0.15％に相当するSiO₂ダストを供給して表面に
付着させた。ついで、該付着処理品を実施例と同
様の方法で浮上率を測定した。結果を第３表に示
す。同表に明らかなように界面活性剤の使用量
0.1％以上で実用上充分な浮上率防止効果が得ら
れる。

【表】実施例５本例では、被覆用樹脂組成物に樹脂と界面活性
剤以外の無機充填材、イオウ等を大量に混合した
場合であつても、本発明による製造が可能であ
り、所期の効果が得られることを示す。すなわ
ち、低密度ポリエチレン（第４表中ではPE）、エ
チレン酢酸ビニル共重合体（第４表中ではEVA）
と界面活性剤（オクタオキシエチレンノニルフエ
ニルエーテル）（第４表中ではS.A）からなる組
成物に夫々所定量のタルク（粉末）若しくはイオ
ウ（粉末）を混合した組成物で粒状尿素を被覆し
た被覆粒状肥料に0.15％のSiO₂ダストを50℃で其
他実施例１の条件で供給して付着させた。結果を
第４表に示す。

【表】同表に明らかなように、被膜中に大量のタル
ク、イオウのような材料を混合した場合にも、浮
上性の防止が可能である。実施例６、比較例２本例では本発明に浮上性防止効果が永続的であ
ることを示す。ポリエチレン（27部）；エチレン
―酢酸ビニル（３部）；タルク（70部）；界面活性
剤（ヘキサオキシエチレンノニルフエニルエーテ
ル）（0.3部）からなる被膜の被覆尿素のSiO₂ダス
トによる表面処理品（本例）と、対比のため
SiO₂ダストを付着せず、また、被膜内に添加す
る代りに同じ界面活性剤を噴霧用ノズルにて0.01
％に相当する量を付着させたもの（比較例２）を
製造した。浮上防止効果の永続性を調べるため実
施例２の浮上率測定法により注水して一日放置し
たのち全量の水を除き、再度静かに注水する操作
を反復継続した。被覆粒子の表面に界面活性剤を
塗布した比較例２のものは最初は浮上率０％であ
つたが一度水を更新すると表面の界面活性剤はほ
とんど水中に溶け系外に除かれるため撥水防止効
果が失なわれ、浮上率100％となつた。それに反
して本例のものは６ケ月経ても浮上率は０％であ
り永続性があることが認められた。実施例７本実施例では、転動型装置で被覆肥料を転動さ
せ、SiO₂ダストを加えて付着させた場合も本発
明の効果が得られることを示す。容量200のコンクリートミキサーに実施例２
と同一の被覆材で被覆された粒状尿素100Kgを投
入し、外部加熱で粒子温度を55℃に保持し転動さ
せつつ、SiO₂ダスト200ｇを該機内に空気10に
分散せつつ投入し５分間転動させて該粒状尿素の
表層にSiO₂ダストを付着させた。このものにつ
き実施例２で行つた浮上率の測定法に基いて浮上
率を測定したが浮上する粒子は認められなかつ
た。また、このものにつき実施例６で行つた方法
に準じて付着処理効果の永続性確認試験を行い、
該永続性のあることを確認した。

【図面の簡単な説明】

第１図は実施例１に於いて用いられた微粉体を
被覆肥料表面に付着させるために用いた装置の概
略縦断面図、第２図はマイクロフイーダーと微粉
体分散器の部分を拡大して示す概略縦断面図であ
る。１……噴流塔、１′……空気噴出口、２……肥
料投入口、３……排ガス排出口、４……肥料取出
口、５……熱交換器、６……オリフイス流量計、
７……ブロワー、８……微粉体ポツパー、９……
マイクロフイーダー、１０……微粉体分散器。

Claims

【特許請求の範囲】１界面活性剤を混合した樹脂組成物を用いて粒
状肥料の表面を被覆し、該被覆表面に更にSio₂ダ
ストを付着させてなる被覆粒状肥料。２界面活性剤がアニオン系、カチオン系、両性
もしくはノニオン系の界面活性剤から選ばれた１
以上の界面活性剤であり、樹脂組成物中における
混合比率が、0.01重量％ないし10重量％である特
許請求の範囲第１項に記載の被覆粒状肥料。３使用する樹脂が、天然樹脂、ワツクス類、熱
硬化性合成樹脂若しくは熱可塑性合成樹脂から選
ばれた１以上の樹脂であり、樹脂組成物中におけ
る混合比率が99.99重量％ないし10重量％である
特許請求の範囲第１項に記載の被覆粒状肥料。４使用する樹脂組成物中に、無機充填剤、顔料
若しくは有機質微粉末から選ばれた１以上のもの
を混合し、それからの合計量の樹脂組成物中にお
ける混合比率が１重量％ないし95重量％である特
許請求の範囲第１項に記載の被覆粒状肥料。５使用するSiO₂ダストは、銑鉄、鉄合金若し
くは金属けい素製造用融解炉からの煙霧中に存在
する主としてSiO₂よりなる微粉体であり、付着
させる量は、被覆粒状肥料に対して0.005重量％
ないし10重量％である特許請求の範囲第１項に記
載の被覆粒状肥料。６不活性気体中で転動状態、流動状態若しくは
噴流状態に維持された被覆粒状肥料にSiO₂ダス
トを該転動状態、流動状態若しくは該噴流状態に
維持するための該気体中に分散させて混合するこ
とを特徴とする被覆粒状肥料の表面に該SiO₂ダ
ストを付着させる方法。７被覆粒状肥料の被膜が天然樹脂、ワツクス
類、熱硬化性合成樹脂若しくは熱可塑性合成樹脂
から選ばれた１以上の樹脂99.99重量％ないし90
重量％とアニオン系、カチオン系、両性もしく
はノニオン系の界面活性剤から選ばれた１以上の
界面活性剤の0.01重量％ないし10重量％である組
成物を用いたものからなる特許請求の範囲第６項
に記載の方法。８被覆粒状肥料を流動状態若しくは噴流状態に
維持する為の気体が、空気、窒素若しくは炭酸ガ
スであり、SiO₂ダストを付着させる温度が10℃
ないし100℃である特許請求の範囲第６項に記載
の方法。