JP2004292319A - 被覆粒状物 - Google Patents

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浩一 久木田
Yoshihiro Chikami
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Abstract

【課題】施用直後のみならず長期に亘って、潅水時、湛水時に被覆粒状物またはその被覆材の一部が水面に浮上し難い被覆粒状物を提供する。
【解決手段】樹脂からなる被覆層を有する生物活性物質の粒状物であって、被覆層が、生物活性物質粒子表面を直接被覆する溶出コントロール層、並びに溶出コントロール層の外側に位置し酸化ケイ素粉末及びタルク粉末を含有する樹脂からなるオーバーコート層の少なくとも2層からなり、かつオーバーコート層の外側に酸化ケイ素粉末及びタルク粉末の何れか一方または両方の少なくとも一部が露出していることを特徴とする被覆粒状物。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は被覆粒状物に関する。詳しくは、施用直後のみならず長期に亘って、潅水時、湛水時に被覆粒状物またはその被覆材の一部が水面に浮上し難い被覆粒状物に関する。
【0002】
【従来の技術】
溶出または放出の制御、吸湿防止、固結防止、飛散防止等を目的とした、樹脂の被覆層を有する肥料や農薬等の生物活性物質の被覆粒状物が実用化されている。被覆粒状物の使用場面はその用途によって様々であるが、被覆肥料や被覆農薬等は水田や水耕栽培をはじめとして水中で使用される場合も多い。これら被覆粒状物は、その被膜の多くが親水性の乏しい樹脂からなり、水との親和性に乏しく撥水性が強いため、例えば水田等において用いる際にまたは潅水時に浮上しやすいと云った性質を有していた。またそればかりでなく、畑に施用した場合であっても、潅水や降雨によって土壌表面に露出しやすい傾向があった。
【0003】
上記の潅水時の浮上を長期に亘って防止するため、被覆粒状物の被膜に親水性を付与する方法が検討されてきた。樹脂の被膜に永続的な親水性を付与する技術として、界面活性剤を樹脂被膜に分散させ更に被膜表面に微粉末を付着させた被覆肥料が開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、樹脂被膜の表面にHLBが6から16の界面活性剤と微粉末を付着させた被覆肥料(例えば、特許文献2参照)、界面活性剤を樹脂被膜に分散させ更に被膜表面にSiOダストを付着させた被覆肥料(例えば、特許文献3参照)、更に樹脂被膜の表面に界面活性剤とSiOダストを付着させた被覆肥料(例えば、特許文献4参照)が開示されている。
【0004】
これらの技術により、樹脂被膜の親水性は改善されたが、上記の潅水時の浮上を防止するのに十分とは言えなかった。このため、樹脂被膜の表面に、湿式法で合成された特定比表面積を有する含水無晶形二酸化ケイ素微粉末を付着させた被覆粒状物(例えば、特許文献5参照)、またケイ素酸化物で表面処理され特定の表面シラノール基個数と特定比表面積とを有する被覆粒状肥料(例えば、特許文献6参照)が開示されている。これらの被覆粒状物等は、潅水時の浮上が長期に亘って防止されるが、例えば、翌年に水田土壌を耕運し水張りする際等に土壌に残留する被覆材の一部が水面に浮上する場合がある。これを改善するため、更に土壌団粒化材、または酸価及び水酸基価の何れかが1000mg/g以上の樹脂で被覆する技術が開示されている(例えば、特許文献7参照)が、十分とは言えなかった。
【0005】
【特許文献1】
特公昭60−29679号公報
【特許文献2】
特公昭60−20359号公報
【特許文献3】
特公昭64−9278号公報
【特許文献4】
特公昭63−23160号公報
【特許文献5】
特開平10−130014号公報
【特許文献6】
特開2001−328890号公報
【特許文献7】
特開2002−249392号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、施用直後のみならず長期に亘って、潅水時、湛水時に被覆粒状物またはその被覆材の一部が水面に浮上し難い被覆粒状物を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、前記課題を解決するため鋭意検討を行った。その結果、樹脂からなる被覆層を有する生物活性物質の粒状物であって、被覆層が、生物活性物質粒子表面を直接被覆する溶出コントロール層、並びに溶出コントロール層の外側に位置し酸化ケイ素粉末及びタルク粉末を含有する樹脂からなるオーバーコート層の少なくとも2層からなり、かつオーバーコート層の外側に酸化ケイ素粉末及びタルク粉末の何れか一方または両方の少なくとも一部が露出していることを特徴とする被覆粒状物によって前記課題が解決されることを知り、その知見に基づいて本発明を完成した。
【0008】
本発明は以下によって構成される。
(1)樹脂からなる被覆層を有する生物活性物質の粒状物であって、被覆層が、生物活性物質粒子表面を直接被覆する溶出コントロール層、並びに溶出コントロール層の外側に位置し酸化ケイ素粉末及びタルク粉末を含有する樹脂からなるオーバーコート層の少なくとも2層からなり、かつオーバーコート層の外側に酸化ケイ素粉末及びタルク粉末の何れか一方または両方の少なくとも一部が露出していることを特徴とする被覆粒状物。
【0009】
(2)オーバーコート層を構成する樹脂がスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体であることを特徴とする(1)項記載の被覆粒状物。
【0010】
(3)オーバーコート層の外側に撥水防止剤が付着されたことを特徴とする(1)または(2)項記載の被覆粒状物。
【0011】
(4)撥水防止剤が酸化ケイ素粉末であることを特徴とする(3)項記載の被覆粒状物。
【0012】
(5)オーバーコート層が界面活性剤を含有することを特徴とする(1)〜(4)項のいずれか1項記載の被覆粒状物。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を以下に説明する。
本発明の被覆粒状物は、樹脂からなる被覆層を有する生物活性物質の粒状物であって、被覆層が、生物活性物質粒子表面を直接被覆する溶出コントロール層、並びに溶出コントロール層の外側に位置し酸化ケイ素粉末及びタルク粉末を含有する樹脂からなるオーバーコート層の少なくとも2層からなり、かつオーバーコート層の外側に酸化ケイ素粉末及びタルク粉末の何れか一方または両方の少なくとも一部が露出している。
【0014】
本発明において、生物活性物質とは、農作物、有用植物、農産物等の植物体の育成、保護の目的で用いられるものであり、使用目的に応じて増収、農作物の高品質化、病害防除、害虫防除、有害動物防除、雑草防除、更には、農作物の生育促進、生育抑制、矮化等の効果をもたらすものであって、具体的には肥料、農薬、微生物等を挙げることができる。特に被覆生物活性粒状物に用いる場合、生物活性物質が肥料または農薬であると、その使用目的に対して比較的高い効果が得られる。
【0015】
本発明の被覆粒状物に使用される生物活性物質粒子が含有する生物活性物質の含有割合は特に限定されるものではないが、0.01〜100重量%の範囲であることが好ましく、特に、生物活性物質が以下に挙げるような肥料である場合には、60〜100重量%であることが好ましく、生物活性物質が以下に挙げるような農薬である場合には、0.01〜50重量%の範囲であることが好ましい。
【0016】
前記の肥料としては、窒素質肥料、燐酸質肥料、加里質肥料のほか、植物必須要素のカルシウム、マグネシウム、硫黄、鉄、微量要素やケイ素等を含有する肥料を挙げることができ、具体的には、窒素質肥料として、硫酸アンモニア、尿素、硝酸アンモニアのほか、イソブチルアルデヒド縮合尿素、アセトアルデヒド縮合尿素等が挙げられ、燐酸質肥料としては過燐酸石灰、熔成リン肥、焼成リン肥等が挙げられ、加里質肥料としては、硫酸加里、塩化加里、ケイ酸加里肥料等が挙げられ、その形態としては特に限定されない。また、肥料の三要素の合計成分量が30%以上の高度化成肥料や配合肥料、更には、有機質肥料でもよい。また、硝酸化成抑制材や農薬を添加または付着させた肥料でもよい。
【0017】
前記の農薬としては、病害防除剤、害虫防除剤、有害動物防除剤、雑草防除剤、植物生長調節剤を挙げることができ、これらであればその種類に制限なく使用することができる。ここで、病害防除剤とは、農作物等を病原微生物の有害作用から保護するために用いられる薬剤であり、主として殺菌剤が挙げられる。害虫防除剤とは、農作物等の害虫を防除する薬剤であり、主として殺虫剤が挙げられる。有害動物防除剤とは、農作物等を加害する植物寄生性ダニ、植物寄生性線虫、野鼠、鳥、その他の有害動物を防除するために用いる薬剤である。雑草防除剤とは農作物や樹木等に有害となる草木植物の防除に用いられる薬剤であり、除草剤とも呼ばれる。植物生長調節剤とは、植物の生理機能の増進または抑制を目的に用いられる薬剤である。
【0018】
農薬は、常温で固体の粉状であることが望ましいが常温で液体であっても良い。また、本発明においては、農薬が水溶性であっても、水難溶性であっても、水不溶性のものであっても用いることができ特に限定されるものではない。かかる農薬の具体例を下記に挙げるが、これらはあくまでも例示であり、これらに限定されるものではない。また、農薬は1種であっても、2種以上の複合成分からなるものであっても良い。
【0019】
本発明の被覆粒状物に使用される生物活性物質粒子は、前述の生物活性物質を1種以上含有するものであれば良いが、本発明の効果を損なわない範囲であれば、上記以外の成分として、クレー、カオリン、タルク、ベントナイト、炭酸カルシウム等の担体や、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、澱粉類等の結合剤を含有するものであっても構わない。また、必要に応じ、例えばポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等の界面活性剤や廃糖蜜、動物油、植物油、水素添加油、脂肪酸、脂肪酸金属塩、パラフィン、ワックス、グリセリン等を含有したものであっても構わない。
【0020】
生物活性物質粒子の造粒方法としては、押出造粒法、流動層式造粒法、転動造粒法、圧縮造粒法、被覆造粒法、吸着造粒法等を用いることができる。本発明においては、これらの造粒法の何れを使用しても良いが、押出造粒法が最も簡易である。
【0021】
生物活性物質粒子粒径は特に限定されるものではないが、例えば、肥料の場合においては1.0〜10.0mmであり、農薬の場合においては0.3〜3.0mmであることが好ましい。これらは篩いを用いることにより、前記範囲内で任意の平均粒径を選択することができる。
【0022】
生物活性物質粒子の形状は、特に限定されるものではないが、後述の時限放出型の放出機能を発現させるためには球状が好ましい。具体的には、下記式で求められた円形度係数が、好ましくは0.7以上、より好ましくは0.75以上、更に好ましくは0.8以上の球状である。円形度係数の最大値は1であり、1に近づくほど粒子は真円に近づき、粒子形状が真円から崩れるに従って円形度係数は小さくなる。
円形度係数={(4π×粒子の投影面積)/(粒子投影図の輪郭の長さ)
【0023】
例えば、施用後一定期間生物活性物質の放出が抑制された放出抑制期間(以下、d1という)と、施用後一定期間経過後、該生物活性物質の放出が持続する放出期間(以下、d2という)とからなる時限放出型の放出機能を有する被覆生物活性粒状物(以下、時限溶出型被覆生物活性粒状物という)では、円形度係数が0.7を下回る生物活性物質粒状物が増えると、該粒状物を用いて得られる時限放出型の放出機能を有する被覆生物活性粒状物のd1における放出抑制が不十分となり、生物活性物質の洩れを生じやすくなる傾向にあるため、生物活性粒状物は全てが0.7以上のものであることが好ましい。
【0024】
本発明の被覆粒状物の被覆層のうち、溶出コントロール層は生物活性物質粒子表面を直接被覆し、被覆粒状物から生物活性物質を徐々に溶出させる機能を有する。溶出コントロール層に用いることのできる樹脂は、特に限定されるものではなく、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂の何れであってもよい。中でも、環境保全の点で光崩壊性樹脂や生分解性樹脂が好ましい。
【0025】
熱可塑性樹脂としては具体的に、オレフィン系重合体、塩化ビニリデン系重合体、ジエン系重合体、ワックス類、ポリエステル、石油樹脂、天然樹脂、油脂及びその変性物を挙げることができる。
【0026】
オレフィン系重合体としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−一酸化炭素共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体、エチレン−ブタジエン共重合体、ポリブテン、ブテン−エチレン共重合体、ブテン−プロピレン共重合体、ポリスチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタアクリル酸共重合体及びエチレン−メタアクリル酸エステル共重合体等が例示でき、塩化ビニリデン系重合体としては、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体またはジエン系重合体の水素化物が例示できる。
【0027】
ジエン系重合体としては、ブタジエン重合体、イソプレン重合体、クロロプレン重合体、ブタジエン−スチレン共重合体、EPDM重合体、スチレン−イソプレン共重合体等またはブタジエン−エチレン−メタアクリル酸等の3元共重合物が例示できる。尚、ここで、ポリエチレンは、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、及び超低密度ポリエチレンの何れであってもよく、メルトフローレ−トや分子量、分子量分布等は特に限定されるものではない。
【0028】
ワックス類としては、密ロウ、木ロウ、パラフィン等が例示でき、ポリエステルとしてはポリ乳酸、ポリカプロラクトン等の脂肪族ポリエステルやポリエチレンテレフタレート等の芳香族ポリエステルが例示でき、天然樹脂としては、天然ゴム、ロジン等が例示でき、油脂及びその変性物としては、硬化物、固形脂肪酸及び金属塩等を例示することができる。
【0029】
熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル、エポキシ樹脂、ケイ素樹脂、ウレタン樹脂及び乾性油等を挙げることができる。これらの熱硬化性樹脂は数多くのモノマーの組み合わせが有るが、本発明においては、モノマーの種類や組み合わせは限定されるものではない。また、モノマー同士の重合物の他に、2量体またはポリマー化したもの、またはその混合物の重合物であっても良い。また、種類の異なる複数の樹脂を配合したものであっても良い。
【0030】
被覆粒状物に長期にわたる生物活性物質の徐放機能、更には時限放出型の放出機能が求められる場合には、生物活性物質粒子の表面を透湿性の低い被覆用の樹脂で完全に被覆し、水分の透過を極僅かに抑えることができる溶出コントロール層を形成させることが必要である。つまり、ピンホールや亀裂の無い溶出コントロール層を形成することが重要である。特に、時限放出型の徐放機能において、長いd1が必要な場合には、生物活性物質粒子の表面に透湿性の小さな溶出コントロール層を形成させることが有効である。透湿性の小さい溶出コントロール層を表面に形成させることにより、外部に存在する水分を徐々に時間をかけて生物活性物質粒子にまで浸透させることができる。
【0031】
そのためには、溶出コントロール層を構成する樹脂としては熱可塑性樹脂が有効であり、中でも、オレフィン重合体、オレフィン共重合体、塩化ビニリデン重合体、塩化ビニリデン共重合体は本発明に有効である。その中でも、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−一酸化炭素共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体及びこれらの混合物は本発明において好ましい樹脂であり、更に、ポリエチレン、及びエチレン−一酸化炭素共重合体は本発明にとって特に好ましい樹脂である。これらの樹脂を用い、後述の方法によりピンホールや亀裂のない被膜を形成することによって、水分の透過量は極僅かとなる。
【0032】
上記の樹脂には、フィラーとして、タルク、クレー、カオリン、ベントナイト、硫黄、白雲母、金雲母、雲母状酸化鉄、金属酸化物、珪酸質、ガラス、アルカリ土類金属の炭酸塩、硫酸塩、及び澱粉等を添加することができる。
【0033】
上記の樹脂がフィラーを含む場合、フィラーの含有割合は特に限定されるものではないが、樹脂に対して5〜90重量%が好ましく、30〜80重量%がより好ましい。フィラーを含有する樹脂を用いる場合の溶出コントロール層におけるフィラー分散の変動係数は、50%以下であることが好ましく、35%以下であることがより好ましい。変動係数が50%以下であると、得られる被覆粒状物の間の放出機能のばらつきは小さくなる傾向にある。変動係数は0に近いほど好ましいが、5%に満たない場合には、下記の変動係数の測定方法では、フィラーの形状による測定誤差のために測定が困難であることから、本発明において変動係数は、好ましくは5〜50%、より好ましくは5〜35%である。
【0034】
溶出コントロール層におけるフィラー分散の変動係数とは、1粒状物の被膜の切断面において、膜厚方向を縦、膜表面に対して平行方向を横とし、1粒状物の被膜の切断面から任意に、縦×横=20μm×50μmの範囲を10箇所、任意に抽出した20粒について走査型電子顕微鏡で観察し、各箇所毎に存在するフィラー数を計測し、その計測結果から求めた(該変動係数=標準偏差/平均値×100)ものである。
【0035】
また、溶出コントロール層を構成する樹脂には、界面活性剤として、ポリオールの脂肪酸エステルに代表されるノニオン界面活性剤、非イオン系界面活性剤等を添加することができる。
尚、溶出コントロール層を構成する樹脂が界面活性剤を含む場合、界面活性剤の含有割合は、特に限定されるものではないが、樹脂に対して0.01〜15重量%が好ましく、0.1〜5重量%がより好ましい。
【0036】
本発明の被覆粒状物において、生物活性物質粒子表面に溶出コントロール層を形成するための方法は、特に限定されるものではなく、例えば、溶融させた樹脂及び添加物(樹脂等という)を粒子表面に噴霧する方法、溶剤に樹脂等を溶解または懸濁させた溶解液またはエマルジョンを生物活性物質粒子表面に噴霧する方法(以下「溶解液噴霧法」という)、樹脂等の粉末を生物活性物質粒子表面に付着させ、その後、溶融して被膜を形成させる方法、モノマーを生物活性物質粒子表面に噴霧し、表面で反応させて樹脂化(被膜化)する方法、更に、樹脂等の溶融液または溶解液に、生物活性物質粒子を浸すディップ法等で製造することができる。
【0037】
中でも、生産効率の高さ、及び得られる被膜の均一性等の面から、転動または流動状態にある生物活性物質粒子に樹脂等の溶解液を噴霧により付着させ、その後に熱風に晒して被膜を形成させる溶解液噴霧法が好ましい。溶解液噴霧法の詳細は、例えば特公昭60−3040号公報の実施例の項に開示されている。
【0038】
溶出コントロール層の厚さは、樹脂の種類や組成、生物活性物質粒子の大きさ、意図する生物活性物質の溶出パターンによって適宜選択可能であるが、平均で10〜100μmが好ましく、20〜70μmがより好ましい。また、被覆粒状物における溶出コントロール層の重量の割合(被覆率)は、1〜20重量%が好ましく、2〜15重量%がより好ましい。
【0039】
本発明の被覆粒状物の被覆層のうち、オーバーコート層は、溶出コントロール層の外側に位置し酸化ケイ素粉末及びタルク粉末を含有する樹脂からなる。オーバーコート層の外側には酸化ケイ素粉末及びタルク粉末の何れか一方または両方の少なくとも一部が露出して、撥水防止剤の働きをし、被覆粒状物に長期に亘る親水性と浮上防止性を付与する。尚、親水性と浮上防止性を高めるため、オーバーコート層の外側に更に撥水防止剤を付着させても良い。
オーバーコート層に用いることのできる樹脂は、被覆粒状物の表面に露出する酸化ケイ素粉末及びタルク粉末を長期に亘って付着し得る付着力を持ち、かつ溶出コントロール層にも長期に亘って付着し得る樹脂である。更にオーバーコートに用いられる樹脂には粘着性が有ることが好ましい。オーバーコート層の外側に付着した撥水防止材が水田や畑中で長期間経過しても剥離しにくくなる。特に劣化または分解後に粘着性が増加する樹脂は環境中で撥水防止材の剥離を防ぐと共に、土壌を付着して更に撥水防止効果を高める。
【0040】
かかる樹脂は、通常、ホットメルト接着剤として使用される樹脂から適宜選択して用いられることができる。中でも、軟化点が50〜100℃の樹脂が好ましく、製造または保管中に被覆粒状物が固結しない程度の粘着力が有る樹脂が好ましい。例としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリイソプレン、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、天然ゴム、及びポリエチレンを挙げることができる。中でもSISは、生分解性を有し、分解して粘着性が増すため好ましい。これらは単独使用でも、併用でもよい。
【0041】
前記オーバーコート層に用いる樹脂には、均一な厚さを有するオーバーコート層を形成し、かつ、被覆粒状物の浮上防止性を高めるため、酸化ケイ素粉末及びタルク粉末が添加される。酸化ケイ素粉末は、撥水防止効果が高く、オーバーコート層に添加された酸化ケイ素粉末の一部がオーバーコート層表面に露出することによって、被覆粒状物に撥水防止効果を付与する。また、タルク粉末は、斑の無いオーバーコート層を形成させ、一部がオーバーコート層表面に露出することによって、被覆粒状物に撥水防止効果を付与する。
また、オーバーコート層に用いる樹脂には、必要に応じて酸化ケイ素粉末及びタルク粉末以外のクレー、ベントナイト、ピートモス微粉末等の無機物微粉末等を添加してもよい。
【0042】
オーバーコート層に用いる樹脂に対する酸化ケイ素粉末及びタルク粉末の添加量は、樹脂:酸化ケイ素:タルクの配合比率(重量比)が、10〜30:0〜50:20〜90が好適である。これによって、添加された酸化ケイ素やタルクの粉末の一部がオーバーコート層表面に露出して、撥水防止剤として機能する。
オーバーコート層表面を走査型電子顕微鏡(SEM)で5000〜50000倍程度の倍率で表面から観察すると、酸化ケイ素やタルクの粉末の一部が表面に露出している事が確認できる。また、エネルギー分散型のX線分析装置(EPMAまたはSEM/EDX)により、酸化ケイ素やタルクを検出する事で確認できる。
【0043】
また、オーバーコート層に用いられる樹脂には界面活性剤を添加する事ができる。界面活性剤はオーバーコート層中の無機材料の分散を良くすると共に、撥水性の防止に役立つ。界面活性剤としては脂肪酸エステルに代表されるノニオン界面活性剤をあげることができる。界面活性剤の添加量は0.1〜5重量%が好ましく、HLBは15以下が好ましく、11〜13がより好ましい。界面活性剤の添加量が上記の範囲であれば、効果が十分で溶出コントロールに影響することもない。
【0044】
本発明の被覆粒状物において、オーバーコート層の厚さは、樹脂の種類や組成、生物活性物質粒子の大きさ、オーバーコート層の外側に付着される撥水防止剤の種類や量によって適宜選択可能であるが、平均で1〜30μmが好ましく、3〜20μmがより好ましい。また、被覆粒状物におけるオーバーコート層の重量の割合(被覆率)は、0.5〜5重量%が好ましく、0.8〜3重量%がより好ましい。
【0045】
溶出コントロール層の外側にオーバーコート層を形成する方法としては、特に限定はなく、溶出コントロール層の形成方法が使用できるが、それ以外にも、加熱融着法、接着法等の被覆方法を挙げることができる。付着法とは、樹脂を溶出コントロール層を有する被覆生物活性物質粒子と共に攪拌、接触させて樹脂を粒子の表面に付着させて被覆する方法である。付着装置としては転動ドラム、パン、流動、噴流塔、レディーゲミキサー等が使用でき、特に均一攪拌できる装置が好ましい。例えば、転動状態にある溶出コントロール層を有する被覆生物活性物質粒子を加温し、溶解液を粒子に加えた後、粒子を転動状態のまま熱風等を送気し溶解液を乾燥して被覆する装置を用いることができる。
【0046】
本発明においては、オーバーコート層の外側に露出する撥水防止剤の量を多くして、被覆粒状物の撥水防止効果を高めるため、更にオーバーコート層の上に撥水防止材を付着させることが好ましい。付着処理により、撥水防止剤は樹脂に付着または粘着して固定されるが、一部は表面に露出した状態を保つ。
付着処理に用いられる撥水防止剤としては、酸化ケイ素、タルク、クレー、ベントナイト、ピートモス、活性炭粉末、ケイソウ土、酸化鉄の微粉末を挙げることができる。中でも酸化ケイ素が好ましい。特に、撥水防止剤が、比表面積が100から500m/gである湿式法により合成された含水無晶形二酸化ケイ素微粉末であると、被覆粒状物の浮上防止効果が優れ、浮上防止効果の持続性が優れる。一般に湿式法により合成された含水無晶形二酸化ケイ素は、その粒子表面にシラノール基を約8個/nm有しており、この粒子表面のシラノール基の親水性が浮上防止効果の一因と推測される。現に、湿式法により合成された含水無晶形二酸化ケイ素であっても、焼成処理を施したものは粒子表面のシラノール基が約2個/nmにまで減少しており、無晶形二酸化ケイ素を用いた場合、浮上防止効果が低下する傾向がある。また、被覆粒状物が種子や根に接触させて使用される場合は、含水無晶形二酸化ケイ素のpHが5〜7.4が好ましい。
【0047】
酸化ケイ素粉末及びタルク粉末等の撥水防止剤の平均粒径は、長期的付着性と親水性付与の観点から、D97(コールターカウンター法)=4.8〜37.8μmが好ましく、かつD80=2.5〜17.4μmがより好ましく、かつD80=1〜7.5が更に好ましい。発明の被覆粒状物において、オーバーコート層の外側に少なくとも一部が露出して付着される撥水防止剤の量は、撥水防止剤の種類や大きさ等によって適宜選択可能であるが、0.5〜5g/mが好ましい。また、付着される撥水防止剤の量は、被覆粒状物質に対して0.01〜0.7重量%が好ましく、この範囲であれば浮上防止効果が十分であり、オーバーコート層への付着が容易である。また、平衡水分1.5〜15重量%であると吸湿性が良く溶出制御にも影響を与えない範囲で使用できるので好ましい。
【0048】
オーバーコート層の外側に撥水防止剤を付着処理する方法としては、特に限定はなく、例えば、噴流塔を用いて、噴流状態のオーバーコート層を有する粒子に、熱風中に撥水防止剤の微粉末を分散させ、オーバーコート層の外側に撥水防止剤を付着させる方法が挙げられる。また、コーティングドラムに代表されるような通常の防湿または固結防止のための粉体被覆法を用いても、充分な浮上防止効果を得ることができる。物理的な外力によりオーバーコート層に撥水防止剤の粒子の一部がめり込み、粒子の一部が方面に露出するような付着処理方法が好ましい。
撥水防止剤のコート層の外側表面への付着処理時の温度等は特に限定するものではないが、付着を効率よく行うためには、オーバーコート層の融着等が起こらない範囲でオーバーコート層の表面温度を上げた状態で付着処理を行う方法が推奨される。この際の温度は特に限定されるものではないが、オーバーコート層に用いた樹脂の融点または軟化点の5℃以下の温度である。
【0049】
本発明においては、被覆粒状物の初期の親水性を高め浮上を防止するため、付着処理に用いられる撥水防止剤として、界面活性剤を用いることができる。この場合は土壌中の水に界面活性剤が流亡する恐れがあるので、長期の効果を期待する時は界面活性剤の水溶性に配慮することが必要である。界面活性剤は他の撥水防止剤と併用しても良い。また、オーバーコート層の樹脂に界面活性剤を添加しても良い。
界面活性剤のHLBは6〜20が好ましく、9〜16が更に好ましい。この界面活性剤は非イオン性界面活性剤、イオン性界面活性剤の何れも用いることができる。非イオン性の界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンフェニルエーテル類、ポリエチレングリコールと脂肪酸のエステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸モノエステル類、ポリオキシエチレンアミン類等が挙げられる。また、イオン性界面活性剤としては、脂肪酸塩類、高級アルコールサルフェート類、アルキルベンゼンスルホン酸塩類等を挙げることができる。
【0050】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
尚、以下の実施例における「%」は特に断りがない限り「重量%」である。
(a)初期浮上率の測定
被覆粒状物100粒をシャーレに入れ、純水をシャーレの壁に沿わせて10ml/minで注水した。50ml注水後水面に浮上している粒子数を初期浮上率とした。
【0051】
(b)経時後浮上率の測定
目開き2mmの篩で篩い、105℃で3日間乾燥した黒ボク土100gと被覆粒状物100粒子を混合した後500mlポリ瓶に入れ、純水300mlを加えて攪拌し混合した後、40℃で90日間恒温水槽で保存した。その後、目開き2mmの篩で篩い、105℃で3日間乾燥した黒ボク土500gの上に全量取り出し、水を除き、土壌ごと30℃で7日間熱風乾燥した。その後1200mlの水をゆっくり注水し、このとき水面に浮上している粒子状の被覆材の数を求めて経時後浮上率とした。
【0052】
(c)撥水防止剤の表面露出の観察
被覆粒状物の表面を走査型電子顕微鏡で観察し、表面に酸化ケイ素粉末またはタルク粉末の少なくとも一部が露出しているか否かを観察し、露出している物を○、露出していない被覆粒状物を×と分類した。
【0053】
1.生物活性物質粒子の製造
1)一次粒子の製造
尿素を加熱可能な容器に投入し130℃で加熱溶融し尿素溶融液を得た。該尿素溶融液を1時間撹拌後、20cmの高さから50℃に加温した深さ20cm、容量5Lのステンレス容器中の流動パラフィンに、直径3mmのコック付ガラス管から尿素溶融液を滴下し粒状物を得た。この時、得られた尿素粒子が2〜3.5mm程度になるように流量を調節した。次いで該粒状物をヘキサンで洗浄し、乾燥後に粒径2〜3.5mmの篩にかけ一次粒子を得た。
【0054】
2)二次粒子の製造
高温熱風が下部から上部に向けて流入し、噴流塔の上部に設置されている排ガス用出口から排出されるように循環している、塔径250mm、高さ2000mm、空気噴出口径50mm、円錘角50度の形状を有する噴流塔の内部に、上記で得た一次粒子を噴流塔の側面に設置されている投入口から投入し、一次粒子を噴流状態にする。この際、粒子温度が70℃±2℃になるように、排気温度を測定しながら熱風温度を調節した。熱風流量はオリフィス流量計で測定しながら調節した。別途、溶解槽において尿素を融解し造粒用尿素融解液を作成した。
【0055】
造粒が終了するまで溶解槽は常時攪拌した。該造粒用尿素融解液を噴流塔の下部に設置されている開口0.8mmフルコン型一流体ノズルであるスプレーノズルに輸送し、噴流状態にある一次粒子に噴霧し吹き付けた。この時、該造粒用尿素融解液の温度が130℃以下にならないように、溶解槽と溶解槽からスプレーノズルに至るまでの配管とを二重構造にして、蒸気を通して、該被覆材料溶解液を加温しながら輸送した。
【0056】
前述の造粒操作は、噴流状態にある一次粒子の温度が70℃に達した時点から開始し、噴霧量が投入した1次粒子の20重量%となるまでの所定時間スプレーした後ブロアーを止め、一次粒子を噴流塔1の最下部にある抜き出し口より排出し二次粒子を得た。
【0057】
3)三次粒子の製造
二次粒子を回転円盤式整粒機(不二パウダル株式会社製、マルメライザーQJ400)に供給し、円形度係数が0.7以上になるまで平滑化処理を行った。処理後、二次粒子を、熱風循環乾燥機を用いて50℃で3日間乾燥し、次いで75℃で4時間乾燥した後に目開き1.0〜4.0mmの篩にかけ分級し三次粒子(生物活性物質粒子)を得た。
【0058】
得られた生物活性物質粒子(三次粒子)の前述の式による円形度係数は、NIRECO社製のIMAGE ANAJYZER LUZEX−FSを用いて測定した。測定はランダムに取り出した粒子100個を用いて行った。測定結果は0.9928であった。
【0059】
2.生物活性物質粒子の溶出コントロール層形成
図1に示す製造装置を用いて次の方法により溶出コントロール層を形成した。高温熱風が下部から上部に向けて流入し、噴流塔の上部に設置されている排ガス用出口から排出されるように循環している、塔径250mm、高さ2000mm、空気噴出口径50mm、円錘角50度の形状を有する噴流塔の内部に、上記で得た三次粒子(生物活性物質粒子)を噴流塔の側面に設置されている投入口から投入し、三次粒子を噴流状態にする。この際、粒子温度が70℃±2℃になるように、熱風流量及び熱風温度を調節した。熱風流量はオリフィス流量計9で測定しながら調節し、熱風温度は、粒子温度T2、排気温度T3を測定しながら調節した。他方、溶解槽11に被覆材料組成としてポリエチレン(低密度ポリエチレン、密度0.918g/cm(JIS K 6760)、メルトフローレート(MFR)22g/10min.(JIS K 6760))50重量部、コーンスターチ5重量部、タルク(平均粒経10μm)45重量部の各成分とテトラクロロエチレン1900重量部を投入し、100℃±2℃で1時間混合撹拌することによって樹脂を溶解し、濃度5重量%の均一な被覆材料溶解液を調製した。
【0060】
被覆が終了するまで溶解槽は常時攪拌した。該被覆材料溶解液を、噴流塔の下部に設置されている開口0.8mmフルコン型一流体ノズルであるスプレーノズルに流速0.1kg/minで輸送し、流動中の生物活性物質粒子に噴霧し吹き付けた。この時、該被覆材料溶解液の温度が80℃以下にならないように、溶解槽と溶解槽からスプレーノズルに至るまでの配管とを二重構造にしておき、蒸気を通して、該被覆材料溶解液を加温しながら輸送した。
【0061】
前述の被覆操作は、流動中の生物活性物質粒子の温度が70℃に達した時点から開始し、被覆量が最終の被覆粒状物に対しての12%となるまで行い、その後、粒子温度を70℃±2℃に維持することに留意して熱風の温度調節をしながら10分間熱風のみを吹きつけて乾燥を実施し、乾燥が終了した時点で、被覆された生物活性物質粒子を、噴流塔の最下部にある抜き出し口より排出し、溶出コントロール層を有する生物活性物質粒子を得た。これを被覆粒状物1とする。
【0062】
3.溶出コントロール層の形成条件
一流体ノズル:出口径0.8mmフルコーン型
粒状尿素 :10kg
被覆中の粒子温度:70℃
溶解温度 :100〜110℃
噴霧液温度 :80〜100℃
熱風温度 :100〜110℃
熱風風量 :240m/hr
スプレー流速:0.5kg/min
【0063】
4.生物活性物質粒子のオーバーコート層の形成1
2.項で得られた溶出コントロール層を有する生物活性物質粒子(被覆粒状物1)10kgを図2に示した直径60cmの糖衣機の回転パン4に入れ、ポンプ3、スプレーノズル5、熱風吹込管6より60±5℃の空気を吹き込み該粒子の温度を50±3℃に加温した。30rpmの回転速度で該被覆生物活性粒状物を転動させながら、予め、ポリビニルアルコール系土壌団粒化材(クラレ株式会社商品名:PVA−217 重合度:1700 ケン化度:87〜89%)50重量部、タルク(平均粒経10μm)50重量部を液タンク1内で40℃の水に攪拌しながら溶解して3重量%濃度に調製しておいた溶解液を、該粒状物に向けて200mlづつ添加し、熱風吹込管6より60±5℃の空気を300m/hrで吹き込み被覆率1重量%になるまで乾燥し被覆粒状物2を得た。
【0064】
5.生物活性物質粒子のオーバーコート層の形成2
2.項で得られた被覆粒状物1を10kgを用い、表1の組成のオーバーコート層用樹脂をテトラクロロエチレンに投入して作製した濃度0.4重量%の被覆液を用いて、表2に示した被覆率としたこと以外は「2.生物活性物質粒子の溶出コントロール層形成」「3.溶出コントロール層の形成条件」に準じて被覆して被覆粒状物3〜12を得た。
【0065】
【表1】
表1
Figure 2004292319
タルク:富士タルク株式会社製 PK50
シリカ1:銑鉄用溶解炉煙霧中SiOダスト(巴工業株式会社製 平均粒径0.15μm 含水率0.4% 比表面積16−20cm2/g)
シリカ2:ホワイトカーボン(商品名:カープレックス−80D シオノギ製薬株式会社製)
SIS:ポリスチレン・ポリイソプレン・ポリスチレンブロック共重合樹脂(商品名:クレイトンD TR1107P シェルジャパン株式会社製)
IR:ポリイソプレン樹脂(日本合成ゴム株式会社製)
EVA:エチレン酢酸ビニル共重合樹脂(d=0.95[g/cm](密度 JIS K6760) MFR=2[g/10min](メルトフローレート JIS K6760) 酢酸ビニル含量25重量%)
界面活性剤:ポリオキシエチレンモノステアレート HLB8.0(商品名 ノニオンS−2 日本油脂株式会社製)
【0066】
6.撥水防止剤の付着1
2.項で得られた被覆粒状物1、4.項で得られたオーバーコート層を有する被覆粒状物2、または5.項で得られた被覆粒状物3〜12の10kgを、別個に図2に示した直径60cmの糖衣機の回転パン4に入れ、ポンプ3、スプレーノズル5、熱風吹込管6を閉止して630rpmの回転速度で転動させながら、ホワイトカーボン(商品名:カープレックス−80D シオノギ製薬株式会社製)を0.5重量%添加し5分間転動攪拌して、表2に示す被覆粒状物12〜25を得た。
【0067】
7.撥水防止剤の付着2
5.項で得られた被覆粒状物7を使用し、撥水防止剤にSiOダスト(銑鉄用溶解炉煙霧中ダスト)を用いる以外は「6.撥水防止剤の付着1」に準じて製造し、表2に示す被覆粒状物26を得た。
【0068】
実施例1〜21、比較例1〜5
得られた被覆粒状物1〜26の初期浮上率と経時後浮上率を試験した。試験結果を表2に示した。
【0069】
【表2】
表2
Figure 2004292319
【0070】
【発明の効果】
本発明の被覆粒状物は、施用直後のみならず翌年であっても、被覆粒状物及びその被覆材の浮上を抑制することができ、極めて有用な生物活性物質の被覆粒状物である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の被覆粒状物の溶出コントロール層形成に使用する装置のフローシート。
【符号の説明】
1.噴流塔
2.粒剤投入口
3.排ガス出口
4.スプレーノズル
5.粒子
6.ポンプ
7.抜き出し口
8.熱交換器
9.オリフィス流量計
10.ブロアー
11.溶解槽
12.溶解液
T1.熱風温度計
T2.粒体温度計
T3.排気温度計
SL.スチーム
【図2】本発明の被覆粒状物のオーバーコート層被覆層形成に使用する装置のフローシート。
【符号の説明】
1:液タンク
2:配管
3:ポンプ
4:回転パン
5:スプレーノズル
6:熱風吹込管

Claims (5)

  1. 樹脂からなる被覆層を有する生物活性物質の粒状物であって、被覆層が、生物活性物質粒子表面を直接被覆する溶出コントロール層、並びに溶出コントロール層の外側に位置し酸化ケイ素粉末及びタルク粉末を含有する樹脂からなるオーバーコート層の少なくとも2層からなり、かつオーバーコート層の外側に酸化ケイ素粉末及びタルク粉末の何れか一方または両方の少なくとも一部が露出していることを特徴とする被覆粒状物。
  2. オーバーコート層を構成する樹脂がスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体であることを特徴とする請求項1記載の被覆粒状物。
  3. オーバーコート層の外側に撥水防止剤が付着されたことを特徴とする請求項1または2記載の被覆粒状物。
  4. 撥水防止剤が酸化ケイ素粉末であることを特徴とする請求項3記載の被覆粒状物。
  5. オーバーコート層が界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の被覆粒状物。
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