JP5473241B2 - 被覆粒状物 - Google Patents

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Description

本発明は生物活性物質の粒状物の表面に特定の物質で被膜を形成した被覆粒状物に関する。詳しくは長期保管後も生物活性物質の溶出速度に影響を与えることなく、粒状物の水面への浮上を完全に防止し、更に被覆粒状物のバルクブレンド時や農業従事者等のユーザーが被覆粒状物を使用する際の粉塵の発生量を少なくした被覆粒状物に関する。
溶出または放出(以下、溶出とする)の制御、吸湿防止、固結防止、飛散防止等を目的とした、樹脂組成物の被覆層を有する肥料や農薬等の生物活性物質の被覆粒状物が実用化されている。被覆粒状物の使用場面はその用途によって様々であるが、被覆肥料や被覆農薬等は水田や水耕栽培をはじめとして水中で使用される場合も多い。これら被覆粒状物は、その被膜の多くが親水性の乏しい樹脂組成物からなり、水との親和性に乏しく撥水性が強いため、例えば水田等において用いる際に浮上しやすいと云った性質を有していた。またそればかりでなく、畑に施用した場合であっても、潅水や降雨によって土壌表面に露出しやすい傾向があった。
上記の浮上を防止するため、被覆粒状物の被膜に親水性を付与する方法が検討されてきた。樹脂組成物の被膜に親水性を付与する技術として、界面活性剤を被膜に分散させ更に被膜表面に微粉末を付着させた被覆肥料が開示されている(例えば、特許文献1参照)。また被膜の表面にHLBが6から16の界面活性剤と微粉末を付着させた被覆肥料(例えば、特許文献2参照)、界面活性剤を被膜に分散させ更に被膜表面にSiO2ダストを付
着させた被覆肥料(例えば、特許文献3参照)、被膜の表面に界面活性剤とSiO2ダス
トを付着させた被覆肥料(例えば、特許文献4参照)、金属粉を肥料の表面に添加した被覆肥料(例えば、特許文献5参照)、アニオン性界面活性剤を粒子表面に添着させた被覆肥料(例えば、特許文献6参照)が開示されている。
これらの技術により被膜の親水性は改善されたが、上記の浮上を防止するのに十分でない場合があった。また低融点(50℃以下)の界面活性剤を用いた場合、界面活性剤が被膜に浸透して被膜の透湿性を高め、生物活性物質の溶出速度を速めるという問題があった。
一方、HLBが16を超える界面活性剤を用いる事により界面活性剤の被膜への浸透を抑え、浮上防止効果を維持する技術も開示されており、固体の界面活性剤を用いることもできるとされているが(特許文献7参照)、本明細書中の後記比較例6〜8が示すように、界面活性剤の融点が低いものを用いた場合は界面活性剤の被膜への浸透が十分には防止できず、保存中に溶出速度が速くなった。また特許文献7の実施例に使用されているジアルキルサルフェート系界面活性剤は浮上防止効果が低く(比較例5)、皮膚刺激性や発癌性も危惧されているため、より安全な物質が望ましい。
なお、上記特許文献に開示されている発明において、被膜の表面に付着させるための界面活性剤として、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等のノニオン性界面活性剤や、高級アルコールの硫酸エステル塩等のアニオン性界面活性剤が例示されているものの、脂肪酸金属塩(いわゆる石鹸)を用いることは何ら具体的に記載されていない。
この他に、被膜の表面に湿式法で合成された特定の比表面積を有する含水無晶形二酸化ケイ素微粉末を付着させた被覆粒状物(例えば、特許文献8参照)、また特定の表面シラノール基個数と特定の比表面積とを有するケイ素酸化物で表面処理された被覆粒状肥料(
例えば、特許文献9参照)が開示されている。これらの被覆粒状物等は界面活性剤を用いないため、溶出速度への影響がなく、潅水時の浮上が防止されるが、多量の無機粉体を使用する必要があるため、取り扱い時の粉塵の発生量が多いことが問題であった。さらに、粉塵の発生を防止するため、被膜の表面を水性エマルジョンと無機系コロイドゾル及び無機粉体で被覆した被覆粒状物(例えば、特許文献10参照)が開示されているが、被覆処理に水を使用しているため生物活性物質が吸湿して溶出に影響が出る可能性があり、また多量の資材を使用するため製造コストが高い。
特公昭60−29679号公報 特公昭60−20359号公報 特公昭64−9278号公報 特公昭63−23160号公報 特開昭55−23045号公報 特開昭56−120597号公報 特開平10−167868号公報 特開平10−130014号公報 特開2001−328890号公報 特開2005−324981号公報
本発明は、施用時に粒状物の水面への浮上を防止し、長期保管後も生物活性物質の溶出速度への影響がなく、更に取り扱い時の粉塵の発生量を少なくした被覆粒状物を提供することを課題とする。
前記従来技術の問題点を解決するため鋭意検討した結果、樹脂組成物からなる被覆層を有する生物活性物質の粒状物であって、被覆層の表面に、融点が高く安全性の高い脂肪酸金属塩、または脂肪酸金属塩及び無機粉体を保持させた被覆粒状物が上記課題を解決できることを見出し、この知見に基づき本発明を完成するに至った。
本発明は、以下から構成される。
(1)樹脂組成物からなる被覆層を有する生物活性物質の粒状物であって、被覆層の表面に脂肪酸金属塩を保持させた被覆粒状物。
(2)上記脂肪酸金属塩が、融点が100℃以上で炭素数が8〜22の脂肪酸金属塩またはそれらの混合物であり、被覆粒状物全体に対する当該脂肪酸金属塩の割合が0.01〜0.2重量%である(1)記載の被覆粒状物。
(3)上記脂肪酸金属塩が、オレイン酸金属塩を10重量%以上含む脂肪酸金属塩の混合物である(1)〜(2)のいずれか1項記載の被覆粒状物。
(4)上記脂肪酸金属塩が、ラウリン酸金属塩を10重量%以上含む脂肪酸金属塩の混合物である(1)〜(3)のいずれか1項記載の被覆粒状物。
(5)上記脂肪酸金属塩が脂肪酸ナトリウムまたは脂肪酸カリウムである(1)〜(4)のいずれか1項記載の被覆粒状物。
(6)樹脂組成物からなる被覆層を有する生物活性物質の粒状物であって、被覆層の表面に脂肪酸金属塩及び無機粉体を保持させ、被覆粒状物全体に対する当該無機粉体の割合が0.01〜0.3重量%である(1)〜(5)のいずれか1項記載の被覆粒状物。
(7)上記無機粉体の比表面積が1〜1000m2/gであり、平均粒径が0.1〜10
0μmである(6)記載の被覆粒状物。
(8)上記無機粉体がシリカ系化合物、ハイドロタルサイト系化合物、リチウム・アルミニウム複合水酸化物塩系化合物から選ばれる少なくとも1種である(6)〜(7)のいずれか1項記載の被覆粒状物。
本発明の被覆粒状物は被覆生物活性粒状物であり、施用時に粒状物の水面への浮上を防止し、長期保管後も生物活性物質の溶出速度への影響がなく、更に粒状物取り扱い時の粉塵の発生量が少ない有用な被覆粒状物である。
以下、本発明に係わる被覆粒状物について詳細に説明する。
本発明の被覆粒状物は、樹脂組成物からなる被覆層を有する生物活性物質の粒状物であって、被覆層の表面に脂肪酸金属塩、または脂肪酸金属塩及び無機粉体を付着させた被覆粒状物である。
本発明の被覆粒状物の表面は、脂肪酸金属塩、または脂肪酸金属塩及び無機粉体で覆われており、脂肪酸金属塩や無機粉体により被覆粒状物の表面に親水性を付与し、水面への浮上を防止することを可能にした。また親水性の高い脂肪酸金属塩で処理することで、粉塵の原因となる無機粉体の使用量を従来の2分の1以下に抑えることができ、農業従事者等が被覆粒状物を使用する際、過剰に添加した粉体による粉塵の発生量を少なくすることも可能となった。
前記の脂肪酸金属塩の例としては、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、リシノール酸、アラキジン酸、ベヘン酸、セトレイン酸、エルカ酸等炭素数が8〜22の脂肪酸のナトリウム塩またはカリウム塩等が挙げられ、これらを単体または混合して用いることができる。これらの脂肪酸金属塩は融点が100℃以上の固体であるため、取り扱い時や貯蔵時の温度では分子運動が少なく、被膜に浸透しにくいので、被膜の透湿性等の物性に影響して生物活性物質の溶出速度に影響を与えることがない。
前記の脂肪酸金属塩の中でオレイン酸金属塩やラウリン酸金属塩等は水への溶解性が良いため浮上防止効果が優れている。従って、混合脂肪酸金属塩中にオレイン酸金属塩またはラウリン酸金属塩が10重量%以上含まれていると高い浮上防止効果を期待でき、30重量%以上含まれているとより高い浮上防止効果を期待できる。脂肪酸金属塩としてオレイン酸金属塩またはラウリン酸金属塩のみを用いてもよいが、各種の脂肪酸金属塩を混合して使用する事により、物性や溶解性に幅を持たせることが出来る。
前記の脂肪酸金属塩は被覆粒状物の表面に均一に付着させる必要があり、そのためには平均粒径が0.1〜500μmの範囲であることが好ましく、1〜200μmの範囲である事がより好ましい。平均粒径が0.1μm以下の粒子は、粉塵が発生しやすい。また平均粒径が500μmを超えるような大きな粒子は、被覆層の表面に付着し難いため浮上防止効果の無い粒子が生じる。
前記の脂肪酸金属塩の被覆粒状物全体に対する割合は0.01〜0.2重量%が好ましく、0.03〜0.1重量%がより好ましい。付着量が0.01重量%未満だと十分な浮上防止効果が認められず、付着量を0.2重量%超としても浮上防止効果の上昇は認められず、脂肪酸金属塩自身に起因する粉塵が発生してしまう。
前記の無機粉体としては天然シリカ(珪石、石英等)、シリカフューム、合成シリカ(湿式法、乾式法によって合成されたシリカ。ホワイトカーボンを含む。)、珪酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム等のシリカ系化合物;アルミノ珪酸カルシウム、アルミノ珪酸ナトリウム、アルミノ珪酸カリウム等のアルミノ珪酸化合物;アルミナ、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウム、アルミン酸カルシウム等のアルミン酸化合物;炭酸カルシウム;リチウム・アルミニウム複合水酸化物塩系化合物;ハイドロタルサ
イト類系化合物等の群から選ばれる1種以上の無機粉体が挙げられる。
前記の無機粉体としてはJIS Z 8830に従って測定される比表面積が1〜1000m2/g、好ましくは5〜500m2/g、より好ましくは10〜200m2/gのもの
が好適に用いられる。また平均粒径は0.1〜100μmのものが好ましく、1〜30μmがより好ましい。比表面積、平均粒径がこの範囲であれば、被覆層の表面への付着性が良く、親水性も優れている。比表面積が1未満の場合は親水性改善効果が少なく、100
0m2/gを越える粉体は、凝集粒子等で粒子が脆く、粉塵を生じやすいものが多い。
前記の無機粉体はそれ自身の親水性の他に、脂肪酸金属塩と混合して使用することで粉体の嵩を増やし、被覆粒状物の表面をより均一に処理しやすくする効果がある。また無機粉体は安価であるため、脂肪酸金属塩と混合して使用することで脂肪酸金属塩の添加量を減らし、コストを下げることができる。しかし無機粉体はその付着量が多いほど、被覆粒状物取り扱い時の粉塵の発生量が多くなる。そのため無機粉体を使用する場合、無機粉体の被覆粒状物全体に対する割合は0.01〜0.3重量%とすることが好ましく、0.03〜0.2重量%とすることがより好ましい。
被覆層の表面に脂肪酸金属塩と無機粉体を付着させる方法は特に限定されないが、例えば転動ドラム、パン、ポットミキサー等のような粒子を転動させる装置を用い、被覆粒状物を転動させながら脂肪酸金属塩、または脂肪酸金属塩及び無機粉体を添加し、付着させる方法が挙げられる。付着処理時の温度等は特に限定するものではないが、付着を効率よく行うためには被覆層の融着等が起こらず、生物活性物質の品質に影響のない範囲で被覆層の表面温度を上げた状態で付着処理を行う方法が推奨される。
本発明において生物活性物質とは、農作物、有用植物、農産物等の植物体の育成、保護の目的で用いられるものであり、使用目的に応じて増収、農作物の高品質化、病害防除、害虫防除、有害動物防除、雑草防除、更には農作物の生育促進、生育抑制、矮化等の効果をもたらすものであって、具体的には肥料、農薬、微生物等を挙げることができる。特に生物活性物質が肥料または農薬であると、その使用目的に対して比較的高い効果が得られる。
本発明の被覆粒状物に使用される生物活性物質粒子が含有する生物活性物質の含有割合は特に限定されるものではないが、0.01〜100重量%の範囲であることが好ましく、特に、生物活性物質が以下に挙げるような肥料である場合には、60〜100重量%であることが好ましく、生物活性物質が以下に挙げるような農薬である場合には、0.01〜50重量%の範囲であることが好ましい。
前記の肥料としては窒素質肥料、燐酸質肥料、加里質肥料のほか、植物必須要素のカルシウム、マグネシウム、硫黄、鉄、微量要素やケイ素等を含有する肥料を挙げることができる。窒素質肥料の例としては硫酸アンモニア、尿素、硝酸アンモニアのほか、イソブチルアルデヒド縮合尿素、アセトアルデヒド縮合尿素が挙げられる。燐酸質肥料の例としては過燐酸石灰、熔成リン肥、焼成リン肥が挙げられる。加里質肥料の例としては硫酸加里、塩化加里、ケイ酸加里肥料が挙げられる。肥料の形態としては特に限定されない。また、肥料の三要素(窒素、リン酸、加里)の合計成分量が30%以上の高度化成肥料や配合肥料、更には有機質肥料でもよい。また硝酸化成抑制材や農薬を添加または付着させた肥料でもよい。
前記の農薬としては病害防除剤、害虫防除剤、有害動物防除剤、雑草防除剤、植物生長調節剤を挙げることができ、これらであればその種類に制限なく使用することができる。ここで病害防除剤とは、農作物等を病原微生物の有害作用から保護するために用いられる
薬剤であり、主として殺菌剤が挙げられる。害虫防除剤とは農作物等の害虫を防除する薬剤であり、主として殺虫剤が挙げられる。有害動物防除剤とは農作物等を加害する植物寄生性ダニ、植物寄生性線虫、野鼠、鳥、その他の有害動物を防除するために用いる薬剤である。雑草防除剤とは農作物や樹木等に有害となる草木植物の防除に用いられる薬剤であり、除草剤とも呼ばれる。植物生長調節剤とは植物の生理機能の増進または抑制を目的に用いられる薬剤である。
農薬は常温で固体の粉状であることが望ましいが常温で液体であっても良い。また本発明においては農薬が水溶性であっても、水難溶性であっても、水不溶性のものであっても用いることができ、特に限定されるものではない。また農薬は1種であっても、2種以上の複合成分からなるものであっても良い。
本発明の被覆粒状物に使用される生物活性物質粒子は、前述の生物活性物質を1種以上含有するものであれば良いが、本発明の効果を損なわない範囲であれば上記以外の成分として、クレー、カオリン、タルク、ベントナイト、炭酸カルシウム等の担体や、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、澱粉類等の結合剤を含有するものであっても構わない。また必要に応じ、例えばポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等の界面活性剤や廃糖蜜、動物油、植物油、水素添加油、脂肪酸、脂肪酸金属塩、パラフィン、ワックス、グリセリン等を含有したものであっても構わない。
生物活性物質粒子の造粒方法としては、押出造粒法、流動層式造粒法、転動造粒法、圧縮造粒法、被覆造粒法、吸着造粒法等を用いることができる。本発明においてはこれらの造粒法の何れを使用してもよい。
生物活性物質粒子の粒径は特に限定されるものではないが、例えば肥料の場合においては1.0〜10.0mmであり、農薬の場合においては0.3〜3.0mmであることが好ましい。これらは篩を用いることにより、前記範囲内で任意の平均粒径を選択することができる。
生物活性物質粒子の形状は特に限定されるものではないが、後述の時限放出型の放出機能を発現させるためには球状が好ましい。具体的には下記式で求められた円形度係数が、好ましくは0.7以上、より好ましくは0.75以上、更に好ましくは0.8以上の球状である。円形度係数の最大値は1であり、1に近づくほど粒子は真円に近づき、粒子形状が真円から崩れるに従って円形度係数は小さくなる。
円形度係数={(4π×粒子の投影面積)/(粒子投影図の輪郭の長さ)2
例えば施用後一定期間生物活性物質の溶出が抑制された溶出抑制期間(以下、d1という)と、施用後一定期間経過後、該生物活性物質の溶出が持続する溶出期間(以下、d2という)とからなる時限溶出型の溶出機能を有する被覆生物活性粒状物では、円形度係数が0.7を下回る生物活性物質粒状物が増えると、該粒状物を用いて得られる時限溶出型の溶出機能を有する被覆生物活性粒状物のd1における溶出抑制が不十分となり、生物活性物質の洩れを生じやすくなる傾向にあるため、生物活性粒状物は円形度係数が0.7以上のものであることが好ましい。
本発明の被覆粒状物の被覆層は生物活性物質粒子表面を直接被覆し、被覆粒状物から生物活性物質を徐々に溶出させる機能を有する。被覆層に用いることのできる樹脂は特に限定されるものではなく、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂の何れであってもよい。中でも環境保全の点で光崩壊性樹脂や生分解性樹脂を用いるか、それらを配合して用いるのが好ましい。
熱可塑性樹脂の例としてはオレフィン系重合体、塩化ビニリデン系重合体、ジエン系重合体、ワックス類、ポリエステル、石油樹脂、天然樹脂、油脂及びその変性物を挙げることができる。
オレフィン系重合体としては、密度0.88〜0.93g/cm3の低密度ポリエチレン、密度0.94〜0.97g/cm3の高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、酢酸ビニル含有量が1〜40重量%以下のエチレン−酢酸ビニル共重合体、及び密度が0.88〜0.94g/cm3のエチレン−α−オレフィン共重合体、ポリプロピレン、エチレン−ポリプロピレン共重合体、エチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−一酸化炭素共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体、ポリブテン、ブテン−エチレン共重合体、ブテン−プロピレン共重合体、ポリスチレン、エチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタアクリル酸共重合体及びエチレン−メタアクリル酸エステル共重合体が例示できる。塩化ビニリデン系重合体としては、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体、ジエン系重合体の水素化物が例示できる。尚、上記の樹脂はメルトフローレートや分子量、分子量分布、使用触媒、製造プロセス等は特に限定されるものではない。
ジエン系重合体としてはブタジエン重合体、イソプレン重合体、クロロプレン重合体、ブタジエン−スチレン共重合体、EPDM重合体、スチレン−イソプレン共重合体等またはブタジエン−エチレン−メタアクリル酸等の3元共重合物が例示できる。
ワックス類としては密ロウ、木ロウ、パラフィン、ポリエチレンワックス等が例示でき、ポリエステルとしてはポリ乳酸、ポリカプロラクトン等の脂肪族ポリエステルやポリエチレンテレフタレート等の芳香族ポリエステルが例示でき、天然樹脂としては天然ゴム、ロジン等が例示でき、油脂及びその変性物としては硬化物、固形脂肪酸及び金属塩等が例示できる。
熱硬化性樹脂としてはフェノール樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル、エポキシ樹脂、ケイ素樹脂、ウレタン樹脂及び乾性油等を挙げることができる。これらの熱硬化性樹脂は数多くのモノマーの組み合わせが有るが、本発明においてはモノマーの種類や組み合わせは限定されるものではない。またモノマー同士の重合物の他に、2量体またはポリマー化したもの、またはその混合物の重合物であっても良い。また種類の異なる複数の樹脂を配合したものであっても良い。
上記の樹脂組成物にはフィラーとして、タルク、マイカ、セリタイト、ガラスフレーク、各種金属箔、黒鉛、BN(六方晶)、MIO(板状酸化鉄)、板状炭カル、板状水酸化アルミニウム等の板状フィラー、炭酸カルシウム、シリカ、クレー、各種鉱石粉砕品、澱粉等の球状フィラー、硫黄等を添加することができる。
上記の樹脂組成物がフィラーを含む場合、被膜材料中のフィラーの含有割合は特に限定されるものではないが、5〜90重量%が好ましく、20〜60重量%がより好ましい。
上記の樹脂組成物にはポリオールの脂肪酸エステルに代表されるノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤等から、界面活性剤のエステル化度、アルキル基の鎖長、アルキレンオキサイドの付加モル数及び純度を考慮しつつ選択して使用することができる。
尚、被覆層を構成する樹脂組成物が界面活性剤を含む場合、界面活性剤の被膜材料中の含有割合は、特に限定されるものではないが、樹脂組成物に対して0.01〜10重量%が好ましく、0.1〜5重量%がより好ましい。
被膜材料中の樹脂を分解させるため、種々の有機金属化合物を添加してもよい。有機金属化合物としては、例えば有機金属錯体や有機酸金属塩等が挙げられる。中でも光分解性の調節が容易なことから、鉄錯体やカルボン酸鉄が好ましい。例えば鉄錯体としては鉄アセチルアセトナート、鉄アセトニルアセトネート、鉄のジアルキルジチオカルバメート、ジチオホスフェート、キサンテート、及びベンズチアゾール等が挙げられる。カルボン酸鉄としてはカプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等の鉄化合物が挙げられる。これらは単独で添加してもよいし、2種以上を組み合わせて添加してもよい。被膜材料中の有機金属化合物の割合は、0.0001〜1重量%が好ましく、より好ましくは0.001〜0.5重量%である。上記の割合であれば、被覆粒状物の使用後には崩壊性または分解性が得られ、保管中には当初の品質が維持される。
本発明の被覆粒状物において生物活性物質粒子表面に被覆層を形成するための方法は、特に限定されるものではない。例えば溶融させた樹脂及び添加物(樹脂等という)を粒子表面に噴霧する方法、溶剤に樹脂等を溶解または懸濁させた溶解液またはエマルジョンを生物活性物質粒子表面に噴霧する方法(以下「溶解液噴霧法」という)、樹脂等の粉末を生物活性物質粒子表面に付着させ、その後溶融して被膜を形成させる方法、モノマーを生物活性物質粒子表面に噴霧し、表面で反応させて樹脂化(被膜化)する方法、更に樹脂等の溶融液または溶解液に生物活性物質粒子を浸すディップ法等で製造することができる。
被覆層の厚さは樹脂組成物の種類や組成、生物活性物質粒子の大きさ、意図する生物活性物質の溶出パターンによって適宜選択可能であるが、平均で10〜100μmが好ましく、20〜70μmがより好ましい。また被覆層の被覆率(被覆粒状物全体に対する被覆層の重量の割合)は、1〜20重量%が好ましく、2〜15重量%がより好ましい。
以下、実施例によって本発明を説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
1.評価方法
(a)浮上率の測定
被覆粒状物50粒をシャーレ(直径90mm、高さ15mm)に入れ、純水をシャーレの壁に沿わせて20ml/minで注水した。40ml注水後水面に浮上している粒子数の割合を浮上率とした。
(b)生物活性物質の80重量%溶出日数の測定
ポリビンに被覆粒状物10gと200mlの純水を入れ、一定温度(25℃)のインキュベーターで保管し、一定期間毎に水中に溶出した生物活性物質の濃度を測定した。濃度測定の度に純水は入れ替えを行った。本実施例では生物活性物質として尿素を使用しており、尿素の濃度測定は以下のように行った。塩酸50ml、エタノール250ml、純水700mlを混合し、p−ジメチルアミノベンズアルデヒド2.5gを溶解させ、反応液とした。そして反応液6mlと尿素の溶出液0.5mlを混合し、30分間静置後、分光光度計で420nmの吸光度を測定した。濃度既知の尿素水溶液を使用して検量線を作成し、吸光度から尿素の濃度を求めた。この尿素濃度より被覆粒状物から溶出した尿素の割合を求め、グラフにプロットしていき、被覆粒状物に含まれる尿素のうち80重量%以上が溶出した時点で測定を終了した。そして被覆粒状物に含まれる尿素のうち80重量%が溶出した日数を、作成したグラフから求めた。
(c)60℃で保管後の80重量%溶出日数の測定
被覆粒状物を長期間保管した場合の溶出への影響を調べるため、被覆粒状物を厚さ100μmのポリエチレン袋に密封して60℃で30日間保管した後、前記の方法で80重量
%溶出日数を測定した。
(d)粉塵量の測定
蓋付きのポリプロピレン製容器(幅200mm、奥行き150mm、高さ210mm)の側面(底面から100mmの高さの位置)に穴(直径20mm)を開け、パーティクルカウンター(SIBATA Digital Dust Indicator Model P-5)の吸引口とポリプロピレン
製容器の穴をゴムチューブ(内径15mm、長さ35mm)でつなげた。ポリプロピレン製容器の蓋の中央に被覆粒状物投入のための穴(直径40mm)を開け、空気抜き用の穴(直径15mm)をその横に開けた。そしてポリプロピレン製容器に蓋をして、蓋の中央の穴からロート(脚下径35mm)を用いて被覆粒状物1kgを容器内に投入し、パーティクルカウンターで容器内の粉塵量を1分間測定した。測定値は1分間のカウント数で表される(単位:cpm)。
2.生物活性物質粒子の製造
1)一次粒子の製造
尿素を加熱可能な容器に入れ、130℃で加熱溶融し尿素溶融液を得た。該尿素溶融液を1時間撹拌後、容量5Lのステンレス容器中で50℃に加温した液深さ20cmの流動パラフィン液面に、直径3mmのコック付ガラス管から尿素溶融液を滴下し粒状物を得た。流動パラフィン液面からガラス管出口までの高さは2cmであった。この時、得られた尿素粒子が2〜3.5mm程度になるように流量を調節した。次いで該粒状物をヘキサンで洗浄し、乾燥後に粒径2〜3.5mmの篩にかけ一次粒子を得た。
2)二次粒子の製造
図1に示す製造装置を用いて次の方法により二次粒子を製造した。
高温熱風が下部から上部に向けて流入し、噴流塔1の上部に設置されている排ガス用出口から排出されるように循環している、塔径450mm、高さ6000mm、空気噴出口径100mm、円錘角50度の形状を有する噴流塔1の内部に、上記で得た一次粒子を投入し、一次粒子を噴流状態にする。この際粒子温度が70±2℃になるように、排気温度を測定しながら熱風温度を調節した。熱風流量は流量計で測定しながら調節した。別途、溶解槽9において尿素を融解し造粒用尿素融解液を作成した。
造粒が終了するまで溶解槽9は常時攪拌した。該造粒用尿素融解液を噴流塔1の下部に設置されている開口0.8mmフルコーン型一流体ノズルであるスプレーノズル2に輸送し、噴流状態にある一次粒子に噴霧し吹き付けた。この時該造粒用尿素融解液の温度が130℃以下にならないように、溶解槽9と溶解槽9からスプレーノズル2に至るまでの配管とを二重構造にして蒸気を通し、該被覆材料溶解液を加温しながら輸送した。
前述の造粒操作は、噴流状態にある一次粒子の温度が70℃に達した時点から開始し、噴霧量が投入した一次粒子の20重量%となるまでの所定時間スプレーした後ブロアー8を止め、噴流塔1の最下部にある抜き出し口より排出し二次粒子を得た。
3)三次粒子の製造
二次粒子を回転円盤式整粒機(不二パウダル(株)製、マルメライザーQJ400)に供給し、円形度係数が0.7以上になるまで平滑化処理を行った。処理後、二次粒子を熱風循環乾燥機を用いて50℃で3日間乾燥し、次いで75℃で4時間乾燥した後に目開き2.0〜4.0mmの篩にかけ分級し三次粒子(生物活性物質粒子)を得た。
得られた生物活性物質粒子(三次粒子)の前述の式による円形度係数は、NIRECO社製のIMAGE ANALYZER LUZEX-FSを用いて測定した。測定はランダムに取り出した粒子1
00個を用いて行った。測定結果は0.9943であった。
3.生物活性物質粒子の被覆層形成
図1に示す製造装置を用いて次の方法により被覆層を形成した。
熱風が噴流塔1の下部から上部に向けて流れ集塵機6を通過し、コンデンサー7でガスを冷却し、溶媒を凝縮回収する。コンデンサー7を通過したガスはブロワー8からヒーター12を通過して加熱され熱風として再度噴流塔1へ導かれるように循環している。塔径450mm、高さ6000mm、空気噴出口径100mm、円錘角50度の形状を有する噴流塔1の内部に、上記で得た三次粒子(生物活性物質粒子)を噴流塔1の側面に設置されている投入口から投入し、三次粒子を噴流状態にする。この際、粒子温度が70±2℃になるように、熱風流量及び熱風温度を調節した。熱風流量はブロワー9と整流缶11の間に設置した流量計で測定しながら調節し、熱風温度は粒子温度や排気温度(噴流塔1上部温度)を測定しながら調節した。他方溶解槽9に被膜材料組成としてポリエチレン(低密度ポリエチレン、密度0.923g/cm3(JIS K 6760)、メルトフローレ
ート(MFR)0.3g/10min.(JIS K 6760))50重量部、コーンスターチ5重量部、タルク(平均粒径10μm)45重量部、鉄アセチルアセトナート錯体0.01重量部の各成分とテトラクロロエチレン1900重量部を投入し、100±2℃で1時間混合撹拌することによって樹脂を溶解し、濃度5重量%の均一な被膜材料溶解液を調製した。
被覆が終了するまで溶解槽9は常時攪拌した。該被膜材料溶解液を噴流塔の下部に設置されている開口0.8mmフルコーン型一流体ノズルであるスプレーノズル2に流速150kg/hで輸送し、流動中の生物活性物質粒子に噴霧し吹き付けた。この時該被膜材料溶解液の温度が80℃以下にならないように、溶解槽9と溶解槽9からスプレーノズル2に至るまでの配管5とを二重構造にしておき、蒸気を通して該被膜材料溶解液を加温しながら輸送した。
前述の被覆操作は流動中の生物活性物質粒子の温度が70℃に達した時点から開始し、被覆量が最終の被覆粒状物に対して12重量%となるまで行い、その後、粒子温度を70±2℃に維持することに留意して熱風の温度調節をしながら10分間熱風のみを吹き付けて乾燥を実施し、乾燥が終了した時点で被覆された生物活性物質粒子を噴流塔の最下部にある抜き出し口13より排出し、脱溶媒処理を経て溶出速度をコントロールする被覆層を有する生物活性物質粒子を得た。これを被覆粒状物1とする。
4.被覆層の形成条件
一流体ノズル:出口径0.8mmフルコーン型
粒状尿素 :30kg
被覆中の粒子温度:70℃
溶解温度 :100〜110℃
噴霧液温度 :80〜100℃
熱風温度 :130〜140℃
熱風風量 :440m3/hr
スプレー流速:150kg/h
5.被覆層表面の親水化処理
[実施例1]
3.項で得られた被覆層を有する生物活性物質粒子(被覆粒状物1)1kgを70℃に加温し、容積6000cm3のポットミキサー(開口部及び底部100mmφ、胴中央部
250mmφ、45度傾斜で使用)に投入した。さらに混合脂肪酸ナトリウム(商品名「マルセル石鹸Tパウダー」、日油(株)製。パルミチン酸ナトリウムを約22重量%、ステ
アリン酸ナトリウムを約16重量%、オレイン酸ナトリウムを約42重量%、その他の脂
肪酸ナトリウムを約20重量%含有。)を乳鉢で粉砕後、篩別して粒径63〜180μmにしたもの1gをポットミキサーに投入し、60rpmで5分間転動して付着させ、表面を親水化処理した被覆粒状物を得た。転動中はポットミキサーに温風を当て、周囲温度を70℃に保った。
[実施例2]
3.項で得られた被覆層を有する生物活性物質粒子(被覆粒状物1)1kgを70℃に加温し、容積6000cm3のポットミキサー(開口部及び底部100mmφ、胴中央部
250mmφ、45度傾斜で使用)に投入した。さらに混合脂肪酸ナトリウム(商品名「マルセル石鹸Tパウダー」、日油(株)製)を乳鉢で粉砕後、篩別して粒径63〜180μ
mにしたもの0.5gと、シリカフューム(巴工業(株)製。比表面積20m2/g、平均
粒径1μm。)1gをビーカーの中でスパチュラを使用して混合したものをポットミキサーに投入し、60rpmで5分間転動して付着させ、表面を親水化処理した被覆粒状物を得た。転動中はポットミキサーに温風を当て、周囲温度を70℃に保った。
[実施例3]
前記混合脂肪酸ナトリウムをオレイン酸ナトリウム(商品名「ノンサールON-A」、日油(株)製)を乳鉢で粉砕後、篩別して粒径63〜180μmにしたもの0.5gに替え、前記シリカフュームを1.5gとし、それ以外の条件は実施例2と同様にして処理を行い、表面を親水化処理した被覆粒状物を得た。
[実施例4]
前記シリカフュームをホワイトカーボン(商品名「カープレックス#80」、エボニックデグサジャパン(株)製。比表面積190m2/g、平均粒径8μm。)0.3gに替え
、それ以外の条件は実施例2と同様にして処理を行い、表面を親水化処理した被覆粒状物を得た。
[実施例5]
前記混合脂肪酸ナトリウムを、オレイン酸ナトリウム(商品名「ノンサールON-A」、日油(株)製)を乳鉢で粉砕後、篩別して粒径63〜180μmにしたもの0.5gに替え、前記シリカフュームをホワイトカーボン(商品名「カープレックス#80」、エボニックデグサジャパン(株)製)0.6gに替え、それ以外の条件は実施例2と同様にして処理を行い、表面を親水化処理した被覆粒状物を得た。
[実施例6]
前記混合脂肪酸ナトリウムを、ヤシ脂肪酸カリウム(商品名「ノンサールLK-5」、日
油(株)製。ラウリン酸カリウムを約53重量%、ミリスチン酸カリウムを約15重量%、パルミチン酸カリウムを約11重量%、その他の脂肪酸カリウムを約21重量%含有。)を乳鉢で粉砕後、篩別して粒径63〜180μmにしたもの1gに替え、それ以外の条件は実施例2と同様にして処理を行い、表面を親水化処理した被覆粒状物を得た。
[比較例1]
前記混合脂肪酸ナトリウムの添加量を0.05gに替え、それ以外の条件は実施例1と同様にして処理を行い、表面を親水化処理した被覆粒状物を得た。
[比較例2]
前記混合脂肪酸ナトリウムの添加量を6gに替え、それ以外の条件は実施例1と同様にして処理を行い、表面を親水化処理した被覆粒状物を得た。
[比較例3]
前記混合脂肪酸ナトリウムを、アシルメチルタウリン酸ナトリウム(商品名「ダイヤポンK-SFパウダー」、日油(株)製)を乳鉢で粉砕後、篩別して粒径63〜180μmにしたもの2gに替え、それ以外の条件は実施例1と同様にして処理を行い、表面を親水化処理した被覆粒状物を得た。
[比較例4]
前記混合脂肪酸ナトリウムをホワイトカーボン(商品名「カープレックス#80」、エボニックデグサジャパン(株)製)6gに替え、それ以外の条件は実施例1と同様にして処理を行い、表面を親水化処理した被覆粒状物を得た。
[比較例5]
前記混合脂肪酸ナトリウムをラウリル硫酸ナトリウム(和光純薬工業(株)製)を乳鉢で粉砕後、篩別して粒径63〜180μmにしたもの2gに替え、それ以外の条件は実施例2と同様にして処理を行い、表面を親水化処理した被覆粒状物を得た。
[比較例6〜8]
3.項で得られた被覆層を有する生物活性物質粒子(被覆粒状物1)1kgを70℃に加温し、容積6000cm3のポットミキサー(開口部及び底部100mmφ、胴中央部
250mmφ、45度傾斜で使用)に投入した。さらにホワイトカーボン(商品名「カープレックス#80」、エボニックデグサジャパン(株)製)1gをポットミキサーに投入し
、60rpmで5分間転動して付着させた。転動中はポットミキサーに温風を当て、周囲温度を70℃に保った。その後60rpmで転動させながら濃度2%の界面活性剤水溶液を被覆粒状物にスプレーし、70℃の温風で乾燥させて、表面を親水化処理した比較例6〜8の被覆粒状物を得た。
界面活性剤の種類と添加量は下記の通りである;
比較例6:アルキルエーテルサルフェート・ナトリウム塩(商品名「パーソフトEL」、日油(株)製)を被覆粒状物1に対し0.1重量%添加;
比較例7:ポリオキシエチレンモノステアレート(商品名「ノニオンS-6」、HLB13
.6、融点35℃、日油(株)製)を被覆粒状物1に対し0.1重量%添加;
比較例8:ポリオキシエチレンラウリルエーテル(商品名「ノニオンK-230」、HLB
17.5、融点45℃、日油(株)製)を被覆粒状物1に対し0.1重量%添加。
6.評価結果
表1に実施例1〜6、比較例1〜8についての評価結果を示す。
実施例1〜6では浮上率が低く、溶出速度への影響も小さく、粉塵量も少なかった。比較例1は混合脂肪酸ナトリウムの添加量が少なかったため、浮上率が高かった。比較例2は混合脂肪酸ナトリウムの添加量が多かったため、粉塵量が多かった。比較例3はアシルメチルタウリン酸ナトリウムの効果が弱く、浮上率が高かった。比較例4は多量の無機粉体(ホワイトカーボン)を使用しているため、粉塵量が多かった。比較例5はラウリル硫酸ナトリウムの効果が弱く、浮上率が高かった。比較例6〜8は界面活性剤が被膜に浸透したため、被膜の透湿性が高まり、溶出速度が速くなった。特に60℃で1ヶ月保管した後に溶出速度が速くなっていたことから、保管中に界面活性剤が被膜に浸透したものと考えられる。
Figure 0005473241
被覆層を有する生物活性物質粒子の表面に脂肪酸金属塩、または脂肪酸金属塩及び無機
粉体を付着させることによって、施用時に粒状物の水面への浮上を防止することができ、長期保管後も生物活性物質の溶出速度に対する影響がなく、更に取り扱い時の粉塵の発生量を少なくできることが判明した。
被覆肥料、被覆農薬の分野に有用に利用可能である。
被覆に使用する装置のフローシート。
符号の説明
(図1の符号)
1.噴流塔
2.スプレーノズル
3.粒子
4.熱風
5.溶解液
6.集塵機
7.コンデンサー
8.ブロワー
9.溶解槽
10.ポンプ
11.整流缶
12.ヒーター
13.抜き出し口

Claims (11)

  1. 生物活性物質粒子上に、樹脂組成物からなる被覆層を有し、該被覆層の表面に脂肪酸金属塩が保持された被覆粒状物であって、
    前記被覆層が生物活性物質粒子の粒子表面を直接被覆しており、
    前記脂肪酸金属塩が、融点が100℃以上の固体であり、平均粒径が0.1〜500μmの範囲であって、被覆粒状物全体に対する当該脂肪酸金属塩の割合が0.01〜0.2重量%であることを特徴とする被覆粒状物。
  2. 上記脂肪酸金属塩が炭素数が8〜22の脂肪酸金属塩またはそれらの混合物である請求項1に記載の被覆粒状物。
  3. 上記生物活性物質粒子の下記式で求められる円形度係数が、0.7以上である請求項1または2に記載の被覆粒状物。
    円形度係数={(4π×粒子の投影面積)/(粒子投影図の輪郭の長さ) 2
  4. 上記被覆層の厚さが、平均で10〜100μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の被覆粒状物。
  5. 上記脂肪酸金属塩が、オレイン酸金属塩を10重量%以上含む脂肪酸金属塩の混合物である請求項1〜4のいずれかに記載の被覆粒状物。
  6. 上記脂肪酸金属塩が、ラウリン酸金属塩を10重量%以上含む脂肪酸金属塩の混合物である請求項1〜5のいずれかに記載の被覆粒状物。
  7. 上記脂肪酸金属塩が脂肪酸ナトリウムまたは脂肪酸カリウムである請求項1〜6のいずれかに記載の被覆粒状物。
  8. 上記被覆層の表面に脂肪酸金属塩及び無機粉体が保持されており、被覆粒状物全体に対する当該無機粉体の割合が0.01〜0.3重量%である請求項1〜7のいずれかに記載の被覆粒状物。
  9. 上記無機粉体の比表面積が1〜1000m2/gであり、平均粒径が0.1〜100μmである請求項8に記載の被覆粒状物。
  10. 上記無機粉体がシリカ系化合物、ハイドロタルサイト系化合物、リチウム・アルミニウム複合水酸化物塩系化合物から選ばれる少なくとも1種である請求項8または9に記載の被覆粒状物。
  11. 上記生物活性物質が肥料または農薬である請求項1〜10のいずれかに記載の被覆粒状物。
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