JP2002226287A - 高吸水性樹脂被覆生物活性粒状物およびその製造方法 - Google Patents

高吸水性樹脂被覆生物活性粒状物およびその製造方法

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JP2002226287A
JP2002226287A JP2001017339A JP2001017339A JP2002226287A JP 2002226287 A JP2002226287 A JP 2002226287A JP 2001017339 A JP2001017339 A JP 2001017339A JP 2001017339 A JP2001017339 A JP 2001017339A JP 2002226287 A JP2002226287 A JP 2002226287A
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Masami Tachibana
正躬 橘
Takehiko Takahashi
武彦 高橋
Koichi Kukida
浩一 久木田
Yoshihiro Chikami
世始裕 千頭
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 極度に乾燥した土壌であっても、生物活性物
質の所望の放出機能が得られる被覆生物活性粒状物を提
供する。 【解決手段】 高吸水性樹脂をさらに被覆生物活性粒状
物の表面に被覆して高吸水性樹脂被覆生物活性粒状物と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被覆生物活性粒状
物をさらに高吸水性樹脂で被覆した高吸水性樹脂被覆生
物活性粒状物およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】就農人口が減少し、且つ就農者が高齢化
している近年の農業環境においては、肥料や農薬をはじ
めとする生物活性物質の施肥や散布などの作業の省力化
と効率化が求められ、樹脂や硫黄で肥料粒子で代表され
る生物活性粒状物を被覆した被覆肥料や、樹脂で農薬粒
子を被覆した被覆農薬が開発され、その技術内容は特許
公開公報などを通じて既に公開されている。
【0003】被覆肥料としては、例えば特開昭63−1
62593号公報には、作物の吸収にあわせて肥料成分
を適期に供給することができる被覆粒状尿素硝酸加里肥
料が開示され、特開平4−202079号公報には、溶
出開始時期が調節できる重層被覆粒状肥料が開示されて
いる。
【0004】一方、被覆農薬としては、例えば特公昭6
4−5002号公報には、農薬成分の放出を徐放化した
被覆粒状農薬が開示され、特開平6−9303号公報に
は、高吸水膨潤性物質層とオレフィン系重合体層からな
る多層被膜で農薬粒剤を被覆した被覆農薬粒剤が開示さ
れている。これら何れの被覆肥料、被覆農薬も、溶出パ
ターンや溶出速度などの所望の放出機能を発現するよう
設計、製造されたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
被覆肥料や被覆農薬に代表される被覆生物活性粒状物の
各活性物質放出機能は極めて有効なものであるが、該被
覆生物活性粒状物が含水率の低い土壌で使用されたり、
あるいは生物活性物質の溶出期間中に天候の影響等によ
り乾燥状態に置かれた場合に、予定された溶出制御に遅
れが生じることが有る。
【0006】本発明者らは前述の従来技術の問題点に鑑
み鋭意研究を重ねた。その結果、被覆肥料や被覆農薬で
代表される被覆生物活性粒状物をさらに高吸水性樹脂で
被覆すると、得られる高吸水性樹脂被覆生物活性粒状物
が、水分が少ない土壌であっても所望の放出機能を有す
る被覆生物活性粒状物になることを見出し、この知見に
基づいて本発明を完成した。以上の記述から明らかなよ
うに、本発明の目的は、水分が少ない土壌であっても、
生物活性物質の所望の放出機能を有する高吸水性樹脂被
覆生物活性粒状物およびその製造方法を提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は以下の(1)〜
(11)から構成される。 1)ウレタン樹脂以外の被覆材料で被覆された被覆生物
活性粒状物がさらに高吸水性樹脂で被覆されている高吸
水性樹脂被覆生物活性粒状物。
【0008】2)高吸水性樹脂が、アクリル酸塩系重合
体、澱粉グラフト重合体、イソブチレン系重合体より選
ばれた1種以上の樹脂である前記第1項記載の高吸水性
樹脂被覆生物活性粒状物。
【0009】3)高吸水性樹脂が、接着性ゴム、ポリエ
チレンおよびエチレン酢酸ビニル共重合体の中から選ば
れた1種以上を含有する高吸水性樹脂である前記第1項
記載の高吸水性樹脂被覆生物活性粒状物。
【0010】4)被覆生物活性粒状物をさらに高吸水性
樹脂で被覆することを特徴とする高吸水性樹脂被覆生物
活性粒状物の製造方法。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明で使用する被覆生物活性粒
状物の原料である生物活性粒状物とは、生物活性物質を
含有する粒子のことであり、該生物活性粒状物が含有す
る生物活性物質の含有割合は特に限定されるものではな
いが、0.01〜100重量%の範囲であることが好ま
しく、特に、生物活性物質が以下に挙げるような肥料で
ある場合には、60〜100重量%であることが好まし
く、生物活性物質が以下に挙げるような農薬である場合
には、0.01〜50重量%の範囲であることが好まし
い。
【0012】生物活性物質とは、農作物、有用植物、農
産物などの植物体の育成、保護の目的で用いられるもの
であり、使用目的に応じて増収、農作物の高品質化、病
害防除、害虫防除、有害動物防除、雑草防除、更には、
農作物の生育促進、生育抑制、矮化などの効果をもたら
すものであって、具体的には肥料、農薬、微生物等を挙
げることができる。特に被覆生物活性粒状物に用いる場
合、生物活性物質が肥料または農薬であると、その使用
目的に対して比較的高い効果が得られる。
【0013】肥料としては、窒素質肥料、燐酸質肥料、
加里質肥料のほか、植物必須要素のカルシウム、マグネ
シウム、硫黄、鉄、微量要素やケイ素等を含有する肥料
を挙げることができ、具体的には、窒素質肥料として、
硫酸アンモニア、尿素、硝酸アンモニアのほか、イソブ
チルアルデヒド縮合尿素、アセトアルデヒド縮合尿素等
が挙げられ、燐酸質肥料としては過燐酸石灰、熔成リン
肥、焼成リン肥等が挙げられ、加里質肥料としては、硫
酸加里、塩化加里、けい酸加里肥料等が挙げられ、その
形態としては特に限定されない。また、肥料の三要素の
合計成分量が30%以上の高度化成肥料や配合肥料、更
には、有機質肥料でもよい。また、硝酸化成抑制材や農
薬を添加もしくは付着させた肥料でもよい。
【0014】農薬としては、病害防除剤、害虫防除剤、
有害動物防除剤、雑草防除剤、植物生長調節剤を挙げる
ことができ、これらであればその種類に制限なく使用す
ることができる。ここで、病害防除剤とは、農作物等を
病原微生物の有害作用から保護するために用いられる薬
剤であり、主として殺菌剤が挙げられる。害虫防除剤と
は、農作物等の害虫を防除する薬剤であり、主として殺
虫剤が挙げられる。有害動物防除剤とは、農作物等を加
害する植物寄生性ダニ、植物寄生性線虫、野そ、鳥、そ
の他の有害動物を防除するために用いる薬剤である。雑
草防除剤とは農作物や樹木等に有害となる草木植物の防
除に用いられる薬剤であり、除草剤とも呼ばれる。植物
生長調節剤とは、植物の生理機能の増進あるいは抑制を
目的に用いられる薬剤である。
【0015】農薬は、常温で固体の粉状であることが望
ましいが常温で液体であっても良い。また、本発明にお
いては、農薬が水溶性であっても、水難溶性であって
も、水不溶性のものであっても用いることができ特に限
定されるものではない。かかる農薬の具体例を下記に挙
げるが、これらはあくまでも例示であり、これらに限定
されるものではない。また、農薬は1種であっても、2
種以上の複合成分からなるものであっても良い。
【0016】生物活性物質の1つである微生物として
は、病原微生物の繁殖抑制効果のあるものを用いること
ができる。好ましく使用できるものは、抗菌活性物質産
生菌である。具体的には抗菌物質生産能の高いシュード
モナス属細菌であり、例えば抗生物質を生産する菌株と
しては抗生物質ピロールニトリンを生産するシュードモ
ナス・セパシア、抗生物質フェナジンカルボン酸やピロ
ールニトリン、ピオルテオリン、シアン化物、ディアセ
チルフログルシノールなどを生産するシュードモナス
フロルエッセンス、更には土壌中の鉄を病原菌に利用さ
せず、植物にのみ利用できるようにする鉄キレート物質
シデロフォアなどを生産する蛍光性シュードモナス属菌
を挙げることができる。
【0017】その他の微生物としては、バクテリオシン
のアグロシン84を生産するアグロバクテリウム・ラデ
ィオバクターや植物ホルモンなどの生育増進物質を生産
する生育増進性根圏細菌として蛍光性シュードモナスや
バチルス属などが挙げられる。特にCDU分解菌群やス
トレプトマイセス属の菌株は土壌伝染性の病原性糸状菌
に対し顕著な抑止力を有するため好ましく用いられる。
【0018】本発明に使用する被覆生物活性粒状物の原
料である生物活性粒状物は、前述の生物活性物質を1種
以上含有するものであれば良いが、本発明の効果を損な
わない範囲であれば、それ以外の成分として、クレー、
カオリン、タルク、ベントナイト、炭酸カルシウムなど
の担体や、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセ
ルロースナトリウム、澱粉類などの結合剤を含有するも
のであっても構わない。また、必要に応じ、例えばポリ
オキシエチレンノニルフェニルエーテル等の界面活性剤
や廃糖蜜、動物油、植物油、水素添加油、脂肪酸、脂肪
酸金属塩、パラフィン、ワックス、グリセリンなどを含
有したものであっても構わない。
【0019】該生物活性粒状物の造粒方法としては、押
出造粒法、流動層式造粒法、転動造粒法、圧縮造粒法、
被覆造粒法、吸着造粒法等を用いることができる。本発
明においては、これらの造粒法のいずれを使用しても良
いが、押出造粒法が最も簡易である。
【0020】該粒状物の粒径は特に限定されるものでは
ないが、例えば、肥料の場合においては1.0〜10.
0mmであり、農薬の場合においては0.3〜3.0m
mであることが好ましい。これらは篩いを用いることに
より、前記範囲内で任意の平均粒径を選択することがで
きる。
【0021】該粒状物の形状は特に限定されるものでは
ないが、後述の時限放出型の放出機能を発現させるため
には球状のものが好ましい。具体的には、粒子の円形度
合いを知るための尺度である円形度係数を用いるとよ
く、式{(4π×粒子の投影面積)/(粒子投影図の輪郭
の長さ)}によって求められた値が0.7以上のもの
が好ましく、より好ましくは0.75以上であり、更に
好ましくは0.8以上である。円形度係数の最大値は1
であり、1に近づくほど粒子は真円に近づき、粒子形状
が真円から崩れるに従って円形度係数は小さくなる。
【0022】例えば、施用後一定期間生物活性物質の放
出が抑制された放出抑制期間(以下、d1という)と、
施用後一定期間経過後、該生物活性物質の放出が持続す
る放出期間(以下、d2という)とからなる時限放出型
の放出機能を有する被覆生物活性粒状物(以下、時限溶
出型被覆生物活性粒状物という)では、円形度係数が
0.7を下回る生物活性物質粒状物が増えると、該粒状
物を用いて得られる時限放出型の放出機能を有する被覆
生物活性粒状物のd1における放出抑制が不十分とな
り、生物活性物質の洩れを生じやすくなる傾向にあるた
め、生物活性粒状物は全てが0.7以上のものであるこ
とが好ましい。なお上記の円形度係数は、ピアス(PI
AS)−IV(株式会社ピアス製)等の市販の測定機器
を用いることにより測定することができる。
【0023】本発明で用いる被覆生物活性粒状物は前記
生物活性粒状物を以下に示したような樹脂で被覆したも
のであるが、該被覆に使用する樹脂としては、ウレタン
樹脂を除く以外は特に限定されるものではなく、具体的
には、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、エマルジョン等を
挙げることができる。
【0024】熱可塑性樹脂としては具体的に、オレフィ
ン系重合体、塩化ビニリデン系重合体、ジエン系重合
体、ワックス類、ポリエステル、石油樹脂、天然樹脂、
油脂およびその変性物を挙げることができる。
【0025】オレフィン系重合体としては、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、
エチレン−一酸化炭素共重合体、エチレン−ヘキセン共
重合体、エチレン−ブタジエン共重合体、ポリブテン、
ブテン−エチレン共重合体、ブテン−プロピレン共重合
体、ポリスチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エ
チレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体、エチレン−
アクリル酸共重合体、エチレン−メタアクリル酸共重合
体およびエチレン−メタアクリル酸エステル共重合体等
が例示でき、塩化ビニリデン系重合体としては、塩化ビ
ニリデン−塩化ビニル共重合体あるいはジエン系重合体
の水素化物が例示できる。
【0026】ジエン系重合体としては、ブタジエン重合
体、イソプレン重合体、クロロプレン重合体、ブタジエ
ン−スチレン共重合体、EPDM重合体、スチレン−イ
ソプレン共重合体等あるいはブタジエン−エチレン−メ
タアクリル酸等の3元共重合物が例示できる。なお、こ
こで、ポリエチレンは、高密度ポリエチレン(HDP
E)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度
ポリエチレン(LLDPE)、および超低密度ポリエチ
レンの何れであってもよく、メルトフローレ−トや分子
量、分子量分布などは特に限定されるものではない。
【0027】ワックス類としては、密ロウ、木ロウ、パ
ラフィン等が例示でき、ポリエステルとしてはポリ乳
酸、ポリカプロラクトン等の脂肪族ポリエステルやポリ
エチレンテレフタレートなどの芳香族ポリエステルが例
示でき、天然樹脂としては、天然ゴム、ロジン等が例示
でき、油脂及びその変性物としては、硬化物、固形脂肪
酸および金属塩等を例示することができる。
【0028】熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、
アルキド樹脂、不飽和ポリエステル、エポキシ樹脂、ケ
イ素樹脂および乾性油などを挙げることができる。これ
らの熱硬化性樹脂は数多くのモノマーの組み合わせが有
るが、本発明においては、モノマーの種類や組み合わせ
は限定されるものではない。また、モノマー同士の重合
物の他に、2量体あるいはポリマー化したもの、または
その混合物の重合物であっても良い。また、種類の異な
る複数の樹脂を配合したものであっても良い。
【0029】長期にわたる徐放機能、更には時限放出型
の放出機能を有する被覆生物活性粒状物の場合は、粒状
物の表面を透湿性の低い被覆用の樹脂で完全に被覆し、
水分の透過を極僅かに抑えることができる被膜を形成さ
せることが必要である。つまり、ピンホールや亀裂の無
い被膜を形成することが重要である。特に、時限放出型
の徐放機能において、長いd1が必要な場合には、粒状
物の表面に透湿性の小さな被膜を形成させることが有効
である。透湿性の小さい樹脂被膜を該粒状物表面に形成
させることにより、外部に存在する水分を徐々に時間を
かけて生物活性物質を含有する粒状物にまで浸透させる
ことができる。
【0030】そのためには、熱可塑性樹脂を含有する被
覆材料で該粒状物を被覆することが有効であり、さら
に、熱可塑性樹脂のなかでも、オレフィン重合体、オレ
フィン共重合体、塩化ビニリデン重合体、塩化ビニリデ
ン共重合体は本発明に有効である。その中でも、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合
体、エチレン−一酸化炭素共重合体、エチレン−ヘキセ
ン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、プロピレン−
ブテン共重合体及びこれらの混合物は本発明において好
ましい樹脂であり、さらに、ポリエチレン、およびエチ
レン−一酸化炭素共重合体は本発明にとって特に好まし
い樹脂である。これらの被覆材料を用い、ピンホールや
亀裂のない被膜が形成されれば、水分の透過量は極僅か
となる。
【0031】上記の被覆材料には、フィラーとして、タ
ルク、クレー、カオリン、ベントナイト、硫黄、白雲
母、金雲母、雲母状酸化鉄、金属酸化物、珪酸質、ガラ
ス、アルカリ土類金属の炭酸塩、硫酸塩、および澱粉等
を添加することができる。
【0032】該被覆材料がフィラーを含む場合、該被覆
材料に含まれるフィラーの含有割合は特に限定されるも
のではないが、該被覆材料に対して5〜90重量%の範
囲であることが好ましく、より好ましくは30〜80重
量%の範囲である。フィラーを含有する被覆材料を生物
活性物質粒状物の表面に被覆して形成される被膜におけ
るフィラー分散の変動係数は、50%以下であることが
好ましく、さらに好ましくは35%以下である。該変動
係数が50%を越える場合には、被覆生物活性粒状物の
粒子間の放出機能のばらつきが大きくなる傾向にある。
該変動係数は0に近いほど好ましいが、5%に満たない
場合には、下記の変動係数の測定方法では、フィラーの
形状による測定誤差のために測定が困難であることか
ら、本発明において該変動係数は、好ましくは5〜50
%、より好ましくは5〜35%である。
【0033】該被膜におけるフィラー分散の変動係数と
は、1粒状物の被膜の切断面において、膜厚方向を縦、
膜表面に対して平行方向を横とし、1粒状物の被膜の切
断面から任意に、縦×横=20μm×50μmの範囲を
10箇所、任意に抽出した20粒について走査型電子顕
微鏡で観察し、各箇所毎に存在するフィラー数を計測
し、その計測結果から求めた(該変動係数=標準偏差/
平均値×100)ものである。
【0034】また、上記の被覆材料には界面活性剤とし
ては、ポリオールの脂肪酸エステルに代表されるノニオ
ン界面活性剤、非イオン系界面活性剤などを添加するこ
とができる。
【0035】該被覆材料が界面活性剤を含む場合、該被
覆材料に含まれる界面活性剤の含有割合は特に限定され
るものではないが、該被覆材料に対して0.01〜15
重量%の範囲であることが好ましく、より好ましくは
0.1〜5重量%の範囲である。
【0036】本発明で用いる該被覆生物活性粒状物は、
前記生物活性粒状物を予め製造し、該粒状物の表面を前
記の被覆材料で被覆することによって製造するものであ
り、被覆方法は、特に限定されるものではなく、例え
ば、溶融させた被覆材料を該粒状物表面に噴霧する方
法、溶剤に被覆材料を溶解させた被覆材料溶解液を該粒
状物表面に噴霧する方法(以下「溶解液噴霧法」とい
う)、被覆材料の粉体を該粒状物表面に付着させ、その
後、溶融して被膜を形成させる方法、モノマーを該粒状
物表面に噴霧し、該粒状物表面で反応させて樹脂化(被
膜化)する方法、更に、被覆材料の溶融液ないし被覆材
料溶解液に、該粒状物を浸すディップ法などで製造する
ことができる。
【0037】本発明で用いる被覆生物活性粒状物は、何
れの方法で得られたものであっても構わないが、生産効
率の高さや、得られる被膜の均一性などの面から、転動
または流動状態にある該粒状物に該被覆材料溶解液を噴
霧により付着させ、その後に熱風に晒すことにより被膜
を形成させる溶解液噴霧法が好ましい。
【0038】該被覆生物活性粒状物は上記の製造方法で
得ることができるが、詳細にはたとえば特公昭60−3
040号の実施の形態の項に記載の方法に準拠して得る
ことができる。
【0039】本発明は、上記のようにして得られた被覆
生物活性粒状物の表面に、さらに高吸水性樹脂を被覆し
たものである。該被覆生物活性粒状物は、土壌中の水分
に該粒状物の生物活性物質を溶出する。土壌中の水分が
減少すると生物活性物質の溶出が不十分となる。特に、
精密な溶出制御が行える該被覆生物活性物質は透湿速度
で溶出が制御されている。土壌中の水分が不足する場合
は、透湿量が少なくなり溶出に遅れが生じる。該被覆生
物活性粒状物の表面をさらに高吸水性樹脂で被覆するこ
とにより、被覆生物活性粒状物の外側の水分を保持する
ことができ、水分が不足する土壌でも溶出制御に影響が
生じにくくなる。植物栽培に影響の無い程度に溶出制御
された被覆生物活性粒状物として本発明の高吸水性樹脂
被覆生物活性粒状物は使用される。
【0040】ここで水分が不足する土壌とは、土壌の最
大用水量が40%以下の土壌のことをいう。植物を栽培
する状態において、土壌水分は土壌の最大用水量の60
%が好ましい。40%は乾燥状態であり、植物に水分ス
トレスを与える状態となるため、一般的に使用されるこ
との無い水分量である。しかし、植物の生育期間の中
で、気象条件等によりかかる状態が発生する場合があ
る。また、土壌の種類や、地域によりこの様な乾燥状態
が生じることがある。本発明の高吸水性樹脂被覆生物活
性粒状物はこの様な乾燥状態であっても生物活性物質の
溶出機能がそこなわれること無く機能する被覆生物活性
粒状物である。
【0041】本発明で使用する高吸水性樹脂は、自重の
5倍以上の純水を吸収する樹脂のことである。特に吸水
時に溶解性を余り示さずゲル状になるものが好ましい。
具体的には例えば、アクリル酸塩系重合体(例えば、住
友化学工業(株)製スミカゲル(登録商標)S、L、R
タイプ、住友精化(株)製のアクアキープ(登録商標)
10SH、10SHP、10SH−NF(20)、SA
60NTYPE2、積水化成品工業(株)製のアクアメ
イト(登録商標)AQ−200、AQ−200B−0
2、三洋化成工業(株)製のサンフレッシュ(登録商
標)ST−500D、ST−500MPS)、イソブチ
レン系重合体(例えば、(株)クラレ製の登録商標 K
Iゲル−201K、KIゲル−201K−F2、KIゲ
ル溶液システム、KIゲルコンパウンド)、アクリル酸
・ビニルアルコール共重合体、ポリエチレンオキサイド
変性樹脂、澱粉グラフト重合体(例えば、三洋化成工業
(株)製のサンフレッシュ(登録商標)ST−100、
ST−500S、ST−100MPS)、澱粉(例え
ば、馬鈴薯澱粉、トウモロコシ澱粉、甘藷澱粉、可溶性
澱粉)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、CM
C金属塩およびベントナイトが挙げられる。
【0042】これらのうち、吸水量が自重の200〜1
000倍になるものが好ましく、なかでもアクリル酸塩
系重合体、イソブチレン系重合体、澱粉グラフト重合体
が好ましい。該高吸水性樹脂は、上記例示した物質の1
種以上の混合物であっても良く、また高吸水性でない樹
脂との混合により、自重の5倍以上の水を吸収するもの
であっても良い。高吸水性でない樹脂としては、混合で
きる樹脂であれば特に限定されないが、ポリエチレン、
接着性ゴム、エチレン酢酸ビニルが好ましい。接着性ゴ
ムは接着性のある高分子であり、ポリスチレン−ポリイ
ソプレンブロック共重合体などの熱可塑性エラストマ
ー、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリビニルア
ルコールなどの水溶性樹脂、α澱粉などの天然高分子を
例示できる。
【0043】該ポリエチレンとしては、ポリエチレンの
分解性生物、ワックス、酸変性ポリエチレン、高密度ポ
リエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDP
E)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、およ
び超低密度ポリエチレンの何れであってもよく、メルト
フローレ−トや分子量、分子量分布などは特に限定され
るものではない。
【0044】本発明で使用する該高吸水性物質の形状は
特に限定されない。粒状の場合の粒径は、平均粒径で1
〜900μm、なかでも20〜50μmが好ましく、2
0〜30μmがより好ましい。該平均粒径が1μm未満
では、水分の保持力が不足し、200μmを超えると高
吸水性樹脂が剥離しやすくなる。
【0045】該高吸水性樹脂の被覆率は、0.3〜3重
量%が好ましい。さらに好ましくは0.5〜1重量%で
ある。該範囲以下では水分保持力が不足し、水分保持力
はかかる範囲以上であっても本発明の効果が得られる
が、生物活性物質の溶出制御に影響を及ぼすことがあ
る。
【0046】被覆生物活性粒状物に上述の高吸水性樹脂
を被覆する被覆方法としては、付着法、加熱融着法、接
着法等の被覆方法を挙げることができる。付着法とは、
高吸水性樹脂を被覆生物活性粒状物と共に攪拌、接触さ
せることで該高吸水性樹脂を被覆生物活性粒状物の表面
に付着させて被覆する方法である。
【0047】付着装置としてはは転動ドラム、パン、流
動、レディーゲミキサーなどが使用でき、特に均一攪で
きる装置が好ましい。高吸水性樹脂の該高吸水性樹脂被
覆生物活性粒状物からの剥離を少なくするためには、強
い付着力のある高吸水性樹脂を用いることが好ましい。
この場合、高吸水性樹脂を付着した被覆生物活性粒状物
間に固結が生じることがある。該固結を防止するために
は固結防止材を高吸水性樹脂に添加して使用するか該固
結防止材で高吸水性樹脂被覆生物活性粒状物の表面を表
面処理することが好ましい。該固結防止材の種類は特に
本発明の効果に影響することはなく、ロジン、界面活性
剤などの有機化合物や、クレ−、ホワイトカ−ボン、ピ
−トモス等の無機化合物も好適に使用できる。
【0048】また、高吸水性樹脂が溶剤に溶解可能な成
分を含む場合や膨潤等により粘着性が発生するものの場
合は付着力が大きく、乾燥により、粒子間の固結を防止
することができる。付着装置は、高吸水性樹脂溶解液を
被覆生物活性粒状物に噴霧し乾燥できる装置で有れば良
く、さらに好ましくは粒状物間の付着を防止する為に充
分攪拌でき乾燥速度が速い装置を選択することが好まし
い。流動床、転動流動床、噴流装置で溶液を噴霧しなが
ら熱風通気することで付着させる方法が例示できる。該
高吸水性樹脂の溶解液を被覆生物活性粒状物に噴霧付着
させる方法は、均一にかつ強固に付着が可能であり、特
に好ましい方法である。この場合に使用する溶解可能な
成分は、透湿性の高いポリオレフィンが好ましく、さら
にゴム弾性の高い樹脂が高い吸水性を示すので好まし
い。
【0049】該高吸水性樹脂の剥離を防止する為には、
被覆生物活性粒状物の被覆材あるいは高吸水性樹脂に粘
着力のある材料を使用する方法が効果的である。製造中
及び製品保管中に粒子が固結する事を避ける為、固結防
止材を該高吸水性樹脂に添加して使用するか該固結防止
材で表面処理することが好ましい。固結防止材の種類は
特に本発明の効果に影響することは無く、ロジン、界面
活性剤などの有機化合物や、クレー、ホワイトカーボ
ン、ピートモス等の無機化合物がいずれも好適に使用で
きる。
【0050】加熱融着法とは、高吸水性樹脂あるいは被
覆生物活性粒状物の表面被覆材を加熱することにより軟
化させて融着する方法である。該加熱融着法に使用する
装置としては転動ドラム、パン、流動、レディーゲミキ
サーなどが使用でき、特に均一攪できる装置が好まし
い。
【0051】接着法とは、バインダーを用いて高吸水性
樹脂と被覆生物活性粒状物を接着する方法である。バイ
ンダーは特に限定されないが、高吸水性樹脂の吸水と膨
潤を阻害しないものが好ましい。該バインダ−として
は、ポリエチレン、接着性ゴム、エチレン酢酸ビニル等
の樹脂、ポリスチレン−ポリイソプレンブロック共重合
体などの熱可塑性エラストマー、フェノール樹脂などの
熱硬化性樹脂、ポリビニルアルコールなどの水溶性樹
脂、α澱粉などの天然高分子を例示できる。
【0052】接着方法は、被覆生物活性粒状物に上記バ
インダ−の液状物を噴霧したのちもしくは、上記バイン
ダ−を溶剤に溶解した溶液を噴霧したのち、高吸水性樹
脂を液状で噴霧するか紛状で付着させる方法が好まし
い。このとき被覆生物活性粒状物が互いに接着すること
を避ける為、攪拌を充分に行う必要がある。また、固結
防止材として前記した有機化合物や、無機化合物を高吸
水性樹脂に添加して使用するか該固結防止材で表面処理
することが好ましい。粉状の高吸水性樹脂の粒径は5〜
1000μmが好ましい。該範囲以下では粒子の保水力
が少なく、該範囲以上では輸送中などに受ける外力で高
吸水性樹脂が剥離することがある。接着に使用する装置
は、転動ドラム、パン、流動、レディーゲミキサーなど
が使用でき、特に均一攪できる装置が好ましい。
【0053】
【実施例】以下、実施例によって本発明を説明するが、
本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
なお、以下の実施例における「%」は特に断りがない限
り「重量%」である。
【0054】1.生物活性粒状物の製造 1)一次粒状物の製造 尿素を加熱可能な容器に投入し130℃で加熱溶融し尿
素溶融液を得た。該尿素溶融液を1時間撹拌後、20c
mの高さから50℃に加温した深さ20cm容量5Lの
ステンレス容器中の流動パラフィンに、直径3mmのコ
ック付ガラス管から該尿素溶融液を滴下造粒した尿素粒
子が2〜3.5mm程度になるように流量を調節しなが
ら滴下し粒状物を得た。次いで該粒状物をヘキサンで洗
浄し、乾燥後に粒径2〜3.5mmの篩にかけ一次粒状
物を得た。
【0055】2)二次粒状物の製造 塔径250mm、高さ2000mm、空気噴出口径50
mm、円錘角50度の形状を有する噴流塔内へ、高温熱
風が下部から上部に向けて流入し、噴流塔の上部に設置
されている排ガス用出口から排出されるように循環して
いる噴流塔の内部に、上記で得た一次粒状物を噴流塔の
側面に設置されている投入口から投入し、該一次粒状物
を噴流状態にする。この際、流量および熱風温度は、粒
状物温度が70℃±2℃になるように調節し、流量はオ
リフィス流量計で測定しながら調節し、熱風温度は、粒
状物温度、排気温度を測定しながら調節した。別途、溶
解槽において尿素を融解し造粒用尿素融解液を作成し
た。
【0056】造粒が終了するまで溶解槽は常時攪拌し
た。該造粒用尿素融解液を噴流塔の下部に設置されてい
る開口0.8mmフルコン型一流体ノズルであるスプレ
ーノズルに輸送し、噴流状態にある一次粒状物に噴霧し
吹き付けた。この時、該造粒用尿素融解液の温度が13
0℃以下にならないように、溶解槽と溶解槽からスプレ
ーノズルに至るまでの配管とを二重構造にして、蒸気を
通して、該被覆材料溶解液を加温しながら輸送した。
【0057】前述の造粒操作は、噴流状態にある一次粒
状物の粒子温度が70℃に達した時点から開始し、噴霧
量が投入した1次造粒物の20重量%となるまでの所定
時間スプレーした後ブロアーを止め、一次粒状物を噴流
塔1の最下部にある抜き出し口より排出し二次粒状物を
得た。
【0058】3)三次粒状物の製造 該二次粒状物を回転円盤式整粒機(不二パウダル株式会
社製、マルメライザーQJ400)に供給し、円形度係
数が0.7以上になるまで平滑化処理を行った。処理後
該二次粒状物を、熱風循環乾燥機を用いて50℃3日間
乾燥し、次いで75℃4時間乾燥した後に1.0〜4.
0mmの篩にかけ分級し三次粒状物(生物活性粒状物)
を得た。
【0059】得られた生物活性粒状物子(三次粒状物)
の円形度係数は株式会社ピアス製のピアス−IV(PI
AS−IV)を用いて測定した。測定はランダムに取り
出した粒子100個を用いて行った。測定結果は0.9928
であった。
【0060】2.被覆生物活性粒状物の製造 図1に示す製造装置のうち、高吸水性樹脂溶解槽に代え
て被覆用樹脂の溶解槽を用いて次の方法により製造す
る。 塔径250mm、高さ2000mm、空気噴出口
径50mm、円錘角50度の形状を有する噴流塔内へ、
高温熱風が下部から上部に向けて流入し、噴流塔の上部
に設置されている排ガス用出口から排出されるように循
環している噴流塔の内部に、上記で得た三次粒状物(生
物活性粒状物)を噴流塔の側面に設置されている投入口
から投入し、該三次粒状物を噴流状態にする。この際、
熱風流量および熱風温度は、粒状物温度が70℃±2℃
になるように調節し、流量はオリフィス流量計で測定し
ながら調節し、熱風温度は、粒状物温度、排気温度を測
定しながら調節した。他方、溶解槽に被覆材料組成(重
量部)としてポリエチレン(低密度ポリエチレン d=
0.918 [g/cm3](密度 JIS K6760)、MI=22[g/
10min](メルトインディクス JIS K6760))5
0、コーンスターチ5、タルク(平均粒経10μm)45
の各成分とテトラクロロエチレンを投入し、100℃±
2℃で混合撹拌することによって樹脂を溶解し、5重量
%の均一な被覆材料溶解液を調製した。
【0061】被覆が終了するまで溶解槽は常時攪拌し
た。該被覆材料溶解液を、噴流塔の下部に設置されてい
る開口0.8mmフルコン型一流体ノズルであるスプレ
ーノズルに流速0.1kg/minで輸送し、流動中の
生物活性粒状物に噴霧し吹き付けた。この時、該被覆材
料溶解液の温度が80℃以下にならないように、溶解槽
と溶解槽からスプレーノズルに至るまでの配管とを二重
構造にしておき、蒸気を通して、該被覆材料溶解液を加
温しながら輸送した。
【0062】前述の被覆操作は、流動中の生物活性粒状
物の粒状物温度が70℃に達した時点から開始し、被覆
量が被覆生物活性粒状物に対しての12%となるまで行
い、その後、該被覆生物活性粒状物を70℃±2℃に維
持することに留意して熱風の温度調節をしながら10分
間熱風のみを吹きつけて乾燥を実施し、乾燥が終了した
時点で、被覆された生物活性粒状物を、噴流塔の最下部
にある抜き出し口より排出し、被覆生物活性粒状物を得
た。これを比較例1とする。
【0063】3.被覆生物活性粒状物の被覆条件 一流体ノズル:出口径0.8mmフルコーン型 粒状尿素:10kg 被覆中の粒子温度:70℃ 溶解温度:100〜110℃ 噴霧液温度:80〜100℃ 熱風温度:100〜110℃ 熱風風量:240m/hr スプレー流速:0.5kg/min
【0064】4.高吸水性樹脂被覆生物活性粒状物(実
施例1〜10)の製造 図1に示した製造装置を用いて、高吸水性樹脂の組成と
被覆率を後述の表1に示した組成とし、該高吸水性樹脂
を溶剤テトレクロロエチレンに溶解して、濃度1%の溶
解液を調製し、前記2.被覆生物活性粒状物の製造方法
に準拠して、被覆生物活性粒状物の表面に高吸水性樹脂
を被覆し、高吸水性樹脂被覆生物活性粒状物を得た。
【0065】
【表1】 1)三洋化成株式会社製 純水吸水量1000g/g 2)三洋化成株式会社製 純水吸水量400g/g 3)クラレ株式会社製 純水吸水量200g/g
【0066】3.土水比の測定 水中溶出日数の測定 試作サンプルをそれぞれ10gを、200ml水中に浸
漬して25℃に静置する。所定期間後肥料と水に分け、
水中に溶出した尿素を定量分析により求める。肥料には
新水を200ml入れて再び25℃に静置、所定期間後
同様な分析を行なう。この様な操作を反復して水中に溶
出した尿素の溶出累計と日数の関係をグラフ化して溶出
速度曲線を作成し、80%溶出率に至る日数を求め、水
中溶出日数とした。
【0067】土中溶出日数の測定 水田土壌(熊本県水俣市袋、第3紀土壌)を風乾して1
0mesh篩で篩分けして篩下を供試した。乾土250
gに最大容水量の40%の水と高吸水性樹脂被覆生物活
性粒状物の試作サンプル2gを入れ、混合した後500
mlのポリエチレン製のビンに入れて25℃に静置す
る。所定期間後サンプルを含む土壌の全量を10mes
h篩上に移し、水中にてサンプルと土壌を分離する。篩
上に残ったサンプルは一粒ずつ丁寧に拾い上げ、全量乳
鉢に移しすりつぶしメスアップした後乾燥濾過を行い、
濾液中の尿素を分析して被膜内に残存する全尿素量を求
める。この様な操作を反復して土中に溶出した尿素の溶
出累計と日数の関係をグラフ化して溶出速度曲線を作成
し、80%溶出率に至る日数を求め、土中溶出日数とし
た。
【0068】土水比の算出 下記の方法で算出した。 土水比=(土中溶出日数)/(水中溶出日数) 比較例1と実施例1〜13の土水比を求め、表2に示し
た。該土水比が1に近い程、土中でも水中と同じ溶出制
御ができることを示す。
【0069】
【表2】 被覆肥料の表面に高吸水性樹脂を被覆することで、乾燥
土壌であっても水中の場合に近い溶出制御が達成される
ことが判明した。
【0070】
【発明の効果】本発明の高吸水性樹脂被覆生物活性粒状
物は、極度に乾燥した土壌であっても、生物活性物質の
所望の放出機能を維持することができ、極めて有用な被
覆生物活性粒状物である。
【図面の簡単な説明】
【図1】高吸水性樹脂の被覆に使用する装置のフローシ
ート。
【符号の説明】
1.噴流塔 2.粒剤投入口 3.排ガス出口 4.スプレーノズル 5.粒子 6.ポンプ 7.抜き出し口 8.熱交換器 9.オリフィス流量計 10.ブロアー 11.高吸水性樹脂溶解槽 12.高吸水性樹脂溶解液 T1.熱風温度計 T2.粒体温度計 T3.排気温度計 SL.スチーム
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C05C 9/00 C05C 9/00 Fターム(参考) 4G066 AC01B AC10B AC13B AC16B BA05 BA36 CA43 DA07 EA13 4H011 AA01 AB01 AB03 AC01 AC04 AC06 AE02 BA01 BB21 BC02 BC19 BC20 DA04 DC06 DC10 DF01 DF02 DH02 DH25 DH27 4H061 AA01 AA02 BB15 DD04 DD18 EE01 EE22 EE35 EE36 FF08 FF15 GG15 GG18 GG23 GG26 GG27 GG43 GG70 HH02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ウレタン樹脂以外の被覆材料で被覆された
    被覆生物活性粒状物がさらに高吸水性樹脂で被覆されて
    いる高吸水性樹脂被覆生物活性粒状物。
  2. 【請求項2】高吸水性樹脂が、アクリル酸塩系重合体、
    澱粉グラフト重合体、イソブチレン系重合体より選ばれ
    た1種以上の樹脂である請求項1記載の高吸水性樹脂被
    覆生物活性粒状物。
  3. 【請求項3】高吸水性樹脂が、接着性ゴム、ポリエチレ
    ンおよびエチレン酢酸ビニル共重合体の中から選ばれた
    1種以上を含有する高吸水性樹脂である請求項1記載の
    高吸水性樹脂被覆生物活性粒状物。
  4. 【請求項4】被覆生物活性粒状物が、被覆肥料粒子であ
    る請求項1記載の高吸水性樹脂被覆生物活性粒状物。
  5. 【請求項5】被覆生物活性粒状物を高吸水性樹脂で被覆
    することを特徴とする高吸水性樹脂被覆生物活性粒状物
    の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100463313B1 (ko) * 2002-02-22 2004-12-23 배석찬 유기 고흡수 수지 비료의 제조방법
EP2747557A4 (en) * 2011-08-25 2015-05-13 Dow Agrosciences Llc PESTICIDE COMPOSITION HAVING INCREASED RETENTION OF ACTIVE INGREDIENT IN PEST CONTROL ZONES

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