JP2017124957A - 被覆粒状物 - Google Patents

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【課題】施用時に植物油脂を含む樹脂被覆層を有する粒状物の水面への浮上を長期に亘り防止し、かつ施肥経過後も生物活性物質の溶出速度への影響がない被覆粒状物を提供する。【解決手段】本発明に係る被覆粒状物は、植物油脂が含まれた被覆層を有する生物活性物質の粒状物の表面に、沈降性シリカおよびゲルタイプシリカを60:40〜90:10の重量比で含有する含水無結晶系二酸化ケイ素粉体を付着させてなる被覆粒状物であることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は生物活性物質の粒状物の表面に特定の物質で被覆した被覆粒状物に関する。詳しくは該粒状物の初期浮上を完全に防止すると共に長期に亘る浮上を防止した被覆粒状物に関する。
溶出・放出制御、吸湿防止、固結防止、飛散防止等を目的とし、樹脂を主成分とする被膜材で肥料や農薬、医薬などをはじめとする生物活性物質粒子を被覆した、様々な被覆粒状物質が開発され一部実用化されている。被覆粒状物の使用場面はその用途によって様々であるが、被覆肥料や被覆農薬などは水田や水耕栽培をはじめとして水中で使用される場合も多い。これらの被覆粒状物質の被膜はその大部分が親水性の極めて乏しい樹脂を有効成分としていることから、水との親和性に乏しく撥水性が強いため、例えば水田等において用いる際には潅水時に浮上しやすいと云った欠点を有していた。そればかりでなく、畑に施用した場合であっても、潅水や降雨によって土壌表面に露出しやすい傾向があった。
上記の浮上を防止するため、様々な被覆粒状物の被膜に親水性を付与する方法が検討されてきた。樹脂を含む被膜表面に親水性を付与する技術として、界面活性剤を分散させ更に微粉末を付着させた被覆肥料が開示されている(例えば、特許文献1参照)。また被膜の表面にHLBが6から16の界面活性剤と微粉末を付着させた被覆肥料(例えば、特許文献2参照)、界面活性剤を被膜内に分散させ更に被膜表面にSiO2ダストを付着させた被覆肥料(例えば、特許文献3参照)、被膜の表面に界面活性剤とSiO2ダストを付着させた被覆肥料(例えば、特許文献4参照)、金属粉を肥料の表面に添加した被覆肥料(例えば、特許文献5参照)、アニオン性界面活性剤を粒子表面に添着させた被覆肥料(例えば、特許文献6参照)、被膜表面に脂肪酸金属塩と無機粉体を添着した被覆肥料(例えば、特許文献7参照)、被膜の表面に湿式法で合成された特定の比表面積を有する含水無晶形二酸化ケイ素微粉末を付着させた被覆粒状物(例えば、特許文献8参照)、最外層にケイソウ土または平衡水分5〜20重量%の含水無定形二酸化珪素微粉末及び界面活性剤を付着させたポリウレタン樹脂被覆粒状肥料(例えば、特許文献9参照)が開示されている。
特公昭60−29679号公報 特公昭60−20359号公報 特公昭64−9278号公報 特公昭63−23160号公報 特開昭55−23045号公報 特開昭56−120597号公報 特開2009−242195号公報 特開平10−130014号公報 特開2000−128684号公報
これらの技術により被膜の撥水状態は改善されたが、上記の浮上を防止するのに被膜の親水性が十分でない場合もあった。具体的には、被膜材の樹脂成分として植物油脂を用いた場合、上記の処理方法では、被膜表面の撥水性が非常に強いため、継続的に浮上防止の効果が得られない場合があった。また低融点(50℃以下)の界面活性剤を用いた場合、界面活性剤が被膜に浸透して被膜の透湿性を高め被覆粒状物の溶出速度を速めるという問題があった。
本発明は、施用時に植物油脂を含む樹脂被覆層を有する粒状物の水面への浮上を長期に亘り防止し、かつ施肥経過後も生物活性物質の溶出速度への影響がない被覆粒状物を提供することを課題とする。
本発明者らは、前記従来技術の問題点を改善するべく鋭意検討した。その結果、生物活性物質を含む粒状物の表面に植物油脂を含む樹脂被覆層を形成し、その樹脂被覆層(被膜)表面に、湿式法により合成される2種類の含水無晶形二酸化ケイ素粉体、すなわち沈降性シリカとゲルタイプシリカを所定の比率で混合した粉体を付着させることによって上記課題を解決できることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
本発明は、以下から構成される。
(1)植物油脂を含む樹脂被覆層を有する生物活性物質の被覆粒状物の表面に、沈降性シリカおよびゲルタイプシリカを60:40〜90:10の重量比で含有する含水無結晶系二酸化ケイ素粉体を付着させてなる被覆粒状物。
(2)前記樹脂被覆層に含まれる植物油脂の割合が3〜70重量%である、(1)に記載の被覆粒状物。
(3)被覆粒状物全体に対する含水無晶形二酸化ケイ素粉体の割合が0.1重量%〜1.0重量%である、(1)または(2)に記載の被覆粒状物。
(4)沈降性シリカの比表面積が20〜400m2/gである、(1)〜(3)のいずれか1項記載の被覆粒状物。
(5)ゲルタイプシリカの比表面積が200〜1000m2/gである、(1)〜(3)のいずれか1項記載の被覆粒状物。
本発明により、施用時に粒状物の水面への浮上を長期に亘り防止し、施肥経過後も生物活性物質の溶出速度への影響がない有用な被覆粒状物が提供される。
図1は、被覆粒状物を製造するため(すなわち生物活性物質粒子表面に樹脂被覆層を形成するため)に使用する装置のフローシートである。
以下、本発明に係る被覆粒状物について詳細に説明する。
本発明の被覆粒状物は、植物油脂を含む樹脂被覆層を有する生物活性物質の被覆粒状物の表面に、湿式法により合成される2種類の含水無晶形二酸化ケイ素粉体、具体的には、沈降性シリカとゲルタイプシリカを付着させてなる、親水性が改良された被覆粒状物である。
含水無晶形二酸化ケイ素粉体を合成するための湿式法では、一般的にケイ酸ナトリウムと硫酸の中和反応が行われる。沈降性シリカとは、ケイ酸ナトリウムと硫酸の中和反応をアルカリ性のpH領域で進めたときに合成されるシリカであり、比表面積は通常20〜400m2/gである。ゲルタイプシリカとは、ケイ酸ナトリウムと硫酸の中和反応を酸性のpH領域で進めたときに合成されるシリカであり、比表面積は通常200〜1000m2/gである。沈降性シリカはゲルタイプシリカと比較して、凝集反応時間が短いため、一次粒子は大きくBET比表面積は低く、水分吸収速度が速い、細孔直径が大きい等の物理特性を持つ。ゲルタイプシリカは、沈降性シリカと比較して凝集反応時間が長く、一次粒子は小さく、BET比表面積は高い、水分吸収速度が遅い、細孔直径が小さい等の物理特性を持つ。
本発明では、沈降性シリカおよびゲルタイプシリカを所定の重量比で含有する含水無晶形二酸化ケイ素粉体を用いる。このような本発明によって浮上防止効果が良好となる原因として、沈降性シリカとゲルタイプシリカの両方の物理特性がバランスよく発揮されることがあげられる。具体的には、沈降性シリカを被覆粒状物表面に付着させる事で、水分吸収速度が速くなり親水性が付与される。一方、ゲルタイプシリカを被覆粒状物表面に付着させる事で、細孔直径が小さいため植物油脂中の撥水性物質である脂肪酸(低分子量)を保持する事が可能となる。
含水無晶形二酸化ケイ素粉体に含まれる沈降性シリカおよびゲルタイプシリカの重量比は、60:40〜90:10が好ましく、70:30〜80:20がより好ましい。沈降性シリカおよびゲルタイプシリカは、それぞれ単独で調製することが可能であるし、また製品として購入することも可能であるので、それらを混合することにより、上記の所定の重量比を満たす含水無晶形二酸化ケイ素粉体を調製することができる。
また、沈降性シリカおよびゲルタイプシリカを含有する含水無晶形二酸化ケイ素粉体の被覆粒状物全体に対する割合は、0.1重量%〜1.0重量%が好ましく、0.2〜0.5重量%がより好ましい。
本発明において、生物活性物質とは、農作物、有用植物、農産物等の植物体の育成、保護の目的で用いられるものであり、使用目的に応じて増収、農作物の高品質化、病害防除、害虫防除、有害動物防除、雑草防除、更には、農作物の生育促進、生育抑制、矮化等の効果をもたらすものであって、具体的には肥料、農薬、微生物等を挙げることができる。特に、生物活性物質が肥料または農薬であると、その使用目的に対して比較的高い効果が得られる。
本発明の被覆粒状物に使用される生物活性物質粒子に含まれる生物活性物質の割合は特に限定されるものではないが、0.01〜100重量%の範囲であることが好ましく、特に、生物活性物質が以下に挙げるような肥料である場合には、60〜100重量%であることが好ましく、生物活性物質が以下に挙げるような農薬である場合には、0.01〜50重量%の範囲であることが好ましい。
生物活性物質の代表例である肥料としては、窒素質肥料、燐酸質肥料、加里質肥料のほか、植物必須要素のカルシウム、マグネシウム、硫黄、鉄、微量要素やケイ素等を含有する肥料を挙げることができる。窒素質肥料の例としては硫酸アンモニア、尿素、硝酸アンモニアのほか、イソブチルアルデヒド縮合尿素、アセトアルデヒド縮合尿素が挙げられる。燐酸質肥料の例としては過燐酸石灰、熔成リン肥、焼成リン肥が挙げられる。加里質肥料の例としては硫酸加里、塩化加里、ケイ酸加里肥料が挙げられる。肥料の形態としては特に限定されない。また、肥料の三要素(窒素、リン酸、加里)の合計成分量が30%以上の高度化成肥料や配合肥料、更には有機質肥料でもよい。また硝酸化成抑制材や農薬を添加または付着させた肥料でもよい。
生物活性物質のもう一つの代表例である農薬としては、病害防除剤、害虫防除剤、有害動物防除剤、雑草防除剤、植物生長調節剤を挙げることができ、これらであればその種類に制限なく使用することができる。ここで病害防除剤とは、農作物等を病原微生物の有害作用から保護するために用いられる薬剤であり、主として殺菌剤が挙げられる。害虫防除剤とは農作物等の害虫を防除する薬剤であり、主として殺虫剤が挙げられる。有害動物防除剤とは農作物等を加害する植物寄生性ダニ、植物寄生性線虫、野鼠、鳥、その他の有害動物を防除するために用いる薬剤である。雑草防除剤とは農作物や樹木等に有害となる草木植物の防除に用いられる薬剤であり、除草剤とも呼ばれる。植物生長調節剤とは植物の生理機能の増進または抑制を目的に用いられる薬剤である。
農薬は常温で固体の粉状であることが望ましいが常温で液体であってもよい。また本発明においては農薬が水溶性であっても、水難溶性であっても、水不溶性のものであっても用いることができ、特に限定されるものではない。また農薬は1種であっても、2種以上の複合成分からなるものであっても良い。
本発明の被覆粒状物に使用される生物活性物質粒子は、前述の生物活性物質を1種以上含有するものであればよいが、本発明の効果を損なわない範囲であれば上記以外の成分として、クレー、カオリン、タルク、ベントナイト、炭酸カルシウム等の担体や、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、澱粉類等の結合剤を含有するものであっても構わない。また必要に応じ、例えばポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等の界面活性剤や廃糖蜜、動物油、植物油、水素添加油、脂肪酸、脂肪酸金属塩、パラフィン、ワックス、グリセリン等を含有したものであっても構わない。
生物活性物質粒子の造粒方法としては、押出造粒法、流動層式造粒法、転動造粒法、圧縮造粒法、被覆造粒法、吸着造粒法等を用いることができる。本発明においてはこれらの造粒法の何れを使用してもよい。
生物活性物質粒子の粒径は特に限定されるものではないが、例えば肥料の場合においては1.0〜10.0mmであり、農薬の場合においては0.3〜3.0mmであることが好ましい。適切な目開きを有する篩を用いることにより、前記範囲内で任意の粒径を有する(すなわち平均粒径が前記範囲内にある)生物活性物質粒子を選択することができる。
生物活性物質粒子の形状は特に限定されるものではないが、後述の時限放出型の放出機能を発現させるためには球状が好ましい。具体的には下記式で求められた円形度係数が、好ましくは0.7以上、より好ましくは0.75以上、更に好ましくは0.8以上の球状である。円形度係数の最大値は1であり、1に近づくほど粒子は真円に近づき、粒子形状が真円から崩れるに従って円形度係数は小さくなる。
円形度係数={(4π×粒子の投影面積)/(粒子投影図の輪郭の長さ)2
例えば、施用後一定期間生物活性物質の溶出が抑制された溶出抑制期間(以下、d1という)と、施用後一定期間経過後、該生物活性物質の溶出が持続する溶出期間(以下、d2という)とからなる時限溶出型溶出機能を有する被覆生物活性粒状物では、円形度係数が0.7を下回る生物活性物質粒状物が増えると、該粒状物を用いて得られる時限溶出型の溶出機能を有する被覆生物活性粒状物のd1における溶出抑制が不十分となり、生物活性物質の洩れを生じやすくなる傾向にあるため、生物活性粒状物は円形度係数が0.7以上のものであることが好ましい。
被覆粒状物の樹脂被覆層は生物活性物質粒子表面を直接被覆し、被覆粒状物から生物活性物質を徐々に溶出させる機能を有する。本発明における樹脂被覆層は、樹脂に加えて植物油脂を含むことを必須要件とし、必要に応じてそれ以外の任意成分をさらに含んでいてもよい。なお、本明細書では、樹脂被覆層に含まれる植物油脂および植物油脂以外の樹脂を「樹脂類」と称することとする。
樹脂被覆層に含まれる植物油脂の割合は特に限定されるものではないが、樹脂被覆層全体に対して、3〜70重量%が好ましく、10〜50重量%がより好ましい。
植物油脂としてはあまに油、ヒマワリ油、大豆油、トウモロコシ油、オリーブ油、パーム油、ヤシ油、ひまし油(硬化ひまし油を含む。)等の植物から採取した油脂及びその変性物を挙げることができる。
植物油脂以外の樹脂は、特に限定されるものではなく、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂の何れであってもよい。中でも環境保全の点で光崩壊性樹脂または生分解性樹脂を用いるか、それらを混合して用いることが好ましい。
熱可塑性樹脂の例としてはオレフィン系重合体、塩化ビニリデン系重合体、ジエン系重合体、ポリエステル、石油樹脂及びその変性物を挙げることができる。
オレフィン系重合体としては、低密度ポリエチレン(密度0.88〜0.93g/cm3)、高密度ポリエチレン(密度0.94〜0.97g/cm3)、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有量1〜40重量%)、及びエチレン−α−オレフィン共重合体(密度0.88〜0.94g/cm3)、ポリプロピレン、エチレン−ポリプロピレン共重合体、エチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−一酸化炭素共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体、ポリブテン、ブテン−エチレン共重合体、ブテン−プロピレン共重合体、ポリスチレン、エチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタアクリル酸共重合体及びエチレン−メタアクリル酸エステル共重合体が例示できる。塩化ビニリデン系重合体としては、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体、ジエン系重合体の水素化物が例示できる。尚、上記の樹脂はメルトフローレートや分子量、分子量分布、使用触媒、製造プロセス等は特に限定されるものではない。
ジエン系重合体としてはブタジエン重合体、イソプレン重合体、クロロプレン重合体、ブタジエン−スチレン共重合体、EPDM重合体、スチレン−イソプレン共重合体またはブタジエン−エチレン−メタアクリル酸等の3元共重合物が例示できる。
熱硬化性樹脂としてはフェノール樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル、エポキシ樹脂、ケイ素樹脂、ウレタン樹脂及び乾性油等を挙げることができる。これらの熱硬化性樹脂は数多くのモノマーの組み合わせが有るが、本発明においてはモノマーの種類や組み合わせは限定されるものではない。またモノマー同士の重合物の他に、2量体またはポリマー化したもの、またはその混合物の重合物であってもよい。また種類の異なる複数の樹脂を配合したものであってもよい。
樹脂被覆層には、任意でフィラーとして、タルク、マイカ、セリタイト、ガラスフレーク、各種金属箔、黒鉛、BN(六方晶)、MIO(板状酸化鉄)、板状炭酸カルシウム、板状水酸化アルミニウム等の板状フィラー;炭酸カルシウム、シリカ、クレー、各種鉱石粉砕品、澱粉等の球状フィラー;硫黄等を添加することができる。
樹脂被覆層がフィラーを含む場合、その割合は特に限定されるものではないが、樹脂被覆層全体に対して、5〜90重量%が好ましく、20〜60重量%がより好ましい。
樹脂被覆層には、任意で界面活性剤として、ポリオールの脂肪酸エステルに代表されるノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤等を添加することができる。これらの界面活性剤から、エステル化度、アルキル基の鎖長、アルキレンオキサイドの付加モル数及び純度を考慮しつつ、適切な界面活性剤を選択して使用すればよい。
樹脂被覆層が界面活性剤を含む場合、その割合は特に限定されるものではないが、樹脂被覆層全体に対して、0.01〜10重量%が好ましく、0.1〜5重量%がより好ましい。
樹脂被覆層には、そこに含まれる樹脂を分解させるため、任意で種々の有機金属化合物を添加してもよい。有機金属化合物としては、例えば有機金属錯体や有機酸金属塩等が挙げられる。中でも光分解性の調節が容易なことから、鉄錯体やカルボン酸鉄が好ましい。例えば鉄錯体としては鉄アセチルアセトナート、鉄アセトニルアセトネート、鉄のジアルキルジチオカルバメート、ジチオホスフェート、キサンテート、及びベンズチアゾール等が挙げられる。カルボン酸鉄としてはカプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等の鉄化合物が挙げられる。これらは単独で添加してもよいし、2種以上を組み合わせて添加してもよい。樹脂被覆層に含まれる有機金属化合物の割合は、0.0001〜1重量%が好ましく、0.001〜0.5重量%がより好ましい。上記の割合であれば、被覆粒状物の使用後には崩壊性または分解性が得られ、保管中には当初の品質が維持される。
本発明の被覆粒状物において生物活性物質粒子表面に樹脂被覆層を形成するための方法は、特に限定されるものではない。例えば、溶融させた樹脂類(植物油脂及び樹脂)ならびに必要に応じて用いられる上述したような添加物を含む組成物(樹脂等という)を粒子表面に噴霧する方法、溶剤に樹脂等を溶解または懸濁させた溶解液またはエマルジョンを生物活性物質粒子表面に噴霧する方法(以下「溶解液噴霧法」という)、樹脂等の粉末を生物活性物質粒子表面に付着させ、その後溶融して被膜を形成させる方法、モノマーを生物活性物質粒子表面に噴霧し、表面で反応させて樹脂化(被膜化)する方法、更に樹脂等の溶融液または溶解液に生物活性物質粒子を浸すディップ法等で製造することができる。
樹脂被覆層の厚さは樹脂等の種類や組成、生物活性物質粒子の大きさ、意図する生物活性物質の溶出パターンによって適宜選択可能であるが、平均で10〜100μmが好ましく、20〜70μmがより好ましい。また、被覆粒状物全体に対する樹脂被覆層の重量の割合(被覆率)は、1〜20重量%が好ましく、2〜15重量%がより好ましい。
本発明では、上記のようにして生物活性物質粒子表面に樹脂被覆層を形成した後、その表面にさらに、沈降性シリカおよびゲルタイプシリカを所定の重量比で含有する含水無晶形二酸化ケイ素粉体を付着させる。含水無晶形二酸化ケイ素粉体を付着させるための方法は特に限定されるものではなく、被覆粒状物の表面に他の粉体を付着させるのと同様の方法を用いることができる。
以下、実施例によって本発明を説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。尚、以下の実施例における「%」は特に断りがない限り「重量%」である。
1.評価方法
(a)初期浮上率の測定
被覆粒状物100粒をシャーレ(直径90mm、高さ15mm)に入れ、純水をシャーレの中央から20ml/minの速度で注水した。40ml注水後1分間振動を与えた後、水面に浮上している粒子数の割合を初期浮上率とした。
(b)経時後浮上率の測定
(a)で測定した被覆粒状物をシャーレから取り出した後、軽く水分をふき取り、再び(a)の測定を実施し、浮上している粒子数の割合を経時後浮上率とした。
(c)生物活性物質の80%溶出日数の測定
250mlポリビンに被覆粒状物10gと200mlの純水を入れ、一定温度(25℃)のインキュベーターで静置し、一定期間毎に水中に溶出した生物活性物質の濃度を測定した。濃度測定の度に純水は入れ替えを行った。本実施例では生物活性物質として尿素を使用しており、尿素の濃度測定は以下のように行った。塩酸50ml、エタノール250ml、純水700mlを混合し、p−ジメチルアミノベンズアルデヒド2.5gを溶解させ、反応液を調整した。反応液6mlと尿素の溶出液0.5mlを混合し、30分間静置後、分光光度計で420nmにおける吸光度を測定した。濃度既知の尿素水溶液を使用して検量線を作成し、吸光度から尿素の濃度を求めた。この尿素濃度より被覆粒状物から溶出した尿素の割合を求め、グラフにプロットしていき、被覆粒状物に含まれる尿素のうち80%以上が溶出した時点で測定を終了した。そして被覆粒状物に含まれる尿素のうち80%が溶出した日数を、作成したグラフから求めた。
2.生物活性物質粒子の樹脂被覆層の形成
図1に示す製造装置を用いて、次の方法により生物活性物質粒子(粒状尿素)の表面に樹脂被覆層を形成した。製造装置内では、熱風が流動層1の下部から上部に向けて流れ集塵機6を通過し、コンデンサー7でガスを冷却し、溶媒を凝縮回収する。コンデンサー7を通過したガスはブロワー8からヒーター12を通過して加熱され熱風として再度流動層1へ導かれるように循環している。このようなクローズドシステムを採用することで溶媒を外部に排出することはない。
粒子3として、粒状尿素(粒子径2.0〜4.0mm、平均粒径3.3mm、円形度係数0.9)15kgを流動層1の側面に設置されている投入口から投入し、流動層1下部より導入される熱風および流動層1底部に設置される攪拌浴で流動状態にした。この際、粒子温度が60±2℃になるように、熱風流量及び熱風温度を調節した。熱風流量はブロワー9と流動層1の間に設置した流量計で測定しながら調節し、熱風温度は粒子温度や排気温度(流動層1上部温度)を測定しながら調節した。
他方、樹脂被覆層を形成するための樹脂被覆材の組成として、硬化ひまし油30重量部、ポリエチレン(低密度ポリエチレン、密度0.923g/cm3(JIS K 6760)、メルトフローレート(MFR)0.3g/10min.(JIS K 6760))35重量部、コーンスターチ5重量部、タルク(平均粒径10μm)30重量部、ステアリン酸鉄0.01重量部の各成分とテトラクロロエチレン1900重量部を溶解槽9に投入し、100±2℃で30分間混合撹拌することによって樹脂類(硬化ひまし油およびポリエチレン)を溶解し、濃度5重量%の均一な噴霧液5を調製した。被覆が終了するまで溶解槽9は常時攪拌した。
なお、実施例5では被覆層の組成として硬化ひまし油10重量部、ポリエチレン55重量部、実施例6では被覆層の組成として硬化ひまし油50重量部、ポリエチレン15重量部とし、その他の成分及び樹脂被覆層の形成方法は上記同様に実施した。
噴霧液5を流動層の上部に設置されているスプレーノズル2に流速約110kg/hで輸送し、流動中の粒子3(粒状尿素)に噴霧し吹き付けた。噴霧液5に含まれるテトラクロロエチレンはコンデンサー7により凝縮・回収されてタンク11で貯蔵され、溶解槽9へ導かれる。
前述の被覆操作は流動中の粒状尿素の温度が60℃に達した時点から開始し、被覆量が最終の被覆尿素に対して13重量%となるまで行い、その後、粒子温度を60±2℃に維持することに留意して熱風の温度調節をしながら10分間熱風のみを吹き付けて乾燥を実施した。乾燥が終了した時点で被覆された粒状尿素を流動層1の最下部にある抜き出し口13より排出し、脱溶媒処理を経て溶出速度をコントロールする樹脂被覆層を有する被覆尿素を得た。
被覆層の形成条件
粒状尿素 :15kg
被覆中の粒子温度:60℃
溶解温度 :100〜110℃
噴霧液温度 :80〜100℃
熱風温度 :130〜140℃
スプレー流速:108kg/h
3.被覆層表面の親水化処理
(実施例1〜8、比較例1〜10)
2.項で得られた被覆層を有する生物活性物質粒子(被覆尿素)1kgを70℃に加温し、容積6000cm3のポットミキサー(開口部及び底部100mmφ、胴中央部250mmφ、45度傾斜で使用)に投入した。さらに表1の実施例、比較例に示す微粉体をポットミキサーに投入し微粉体を60r/minで5分間転動して付着させ、表面を親水化処理した被覆粒状物を得た。転動中はポットミキサーに温風を当て、周囲温度を70℃に保った。
Figure 2017124957
※溶出速度への影響評価(溶出率80%となる溶出日数の変化の割合で評価、標準品は100日)
影響なし:±0〜5% 影響あり:±5%以上
*沈降性1:エボニックデグザジャパン製、商品名「カープレックス♯80」(沈降性シリカ)
*沈降性2:東ソー・シリカ製、商品名「ER」(沈降性シリカ)
*ゲル1:エボニックデグザジャパン製、商品名「カープレックスBS−306」(ゲルタイプシリカ)
*ゲル2:エボニックデグザジャパン製、商品名「カープレックスBS−304」(ゲルタイプシリカ)
*ゲル3:東ソー・シリカ製、商品名「AZ−200」(ゲルタイプシリカ)
*ゲル4:東ソー・シリカ製、商品名「AZ−400」(ゲルタイプシリカ)
*脂肪酸1、日油製、商品名「マルセル石鹸Tパウダー」
*シリカ1、巴工業製、商品名「SF−CD」(シリカヒューム)
*SA1、日油製、商品名「ノニオンK-230」(融点45℃)
4.評価結果
表1に実施例1〜8、比較例1〜10についての評価結果を示す。実施例1〜8では初期浮上率、経時後浮上率に共に低い値を示した。これに対して比較例1〜4では、沈降性シリカまたはゲルタイプシリカのいずれかを単独で付着させているため、浮上防止効果が弱く、浮上率が高い値を示した。比較例5では、沈降性シリカおよびゲルタイプシリカの重量比が、本発明の要件を満たさない25:75(1:3)であるため、高い浮上率を示した。比較例6では、樹脂被覆層の表面に含水無晶形二酸化ケイ素粉体の代わりに付着させた混合脂肪酸ナトリウムの浮上防止効果が初期では見られたものの、経時後浮上率では高い値を示した。比較例7〜9では混合脂肪酸ナトリウムと各種シリカ(沈降性シリカ、ゲルタイプシリカ、シリカフュームのいずれか1種)を組み合わせて付着したが、比較例6と同様に、経時後浮上率では高い値を示した。比較例10では低融点の界面活性剤とシリカフュームを組み合わせて用いた所、経時後浮上率では高い値を示し、溶出速度については、界面活性剤が被膜に浸透したため、被膜の透湿性が高まり、溶出速度が速くなった。特に60℃で1ヶ月保管した後に溶出速度が速くなっていたことから、保管中に界面活性剤が被膜に浸透したものと考えられる。
1.流動層
2.スプレーノズル
3.粒子
4.熱風
5.噴霧液
6.集塵機
7.コンデンサー
8.ブロワー
9.溶解槽
10.ポンプ
11.タンク
12.ヒーター
13.抜き出し口

Claims (5)

  1. 植物油脂を含む樹脂被覆層を有する生物活性物質の被覆粒状物の表面に、沈降性シリカおよびゲルタイプシリカを60:40〜90:10の重量比で含有する含水無結晶系二酸化ケイ素粉体を付着させてなる被覆粒状物。
  2. 樹脂被覆層に含まれる植物油脂の割合が3〜70重量%である、請求項1に記載の被覆粒状物。
  3. 被覆粒状物全体に対する含水無晶形二酸化ケイ素粉体の割合が0.1重量%〜1.0重量%である、請求項1または2に記載の被覆粒状物。
  4. 沈降性シリカの比表面積が20〜400m2/gである、請求項1〜3のいずれか1項記載の被覆粒状物。
  5. ゲルタイプシリカの比表面積が200〜1000m2/gである、請求項1〜3のいずれか1項記載の被覆粒状物。
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