JP2004002158A - 被覆粒状肥料 - Google Patents

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福本 達磨
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Abstract

【課題】本発明は施肥された環境下において肥料成分の溶出が制御された被覆粒状肥料に存し、詳しくは保存中の安定性に優れ、且つ溶出後の皮膜が速やかに崩壊および分解することにより、周辺環境への負荷を軽減した被覆粒状肥料を提供する。
【解決手段】粒状肥料の表面を、オレフィンのホモポリマーと、エチレンと炭素数が3以上のオレフィンのコポリマーおよび有機金属化合物を含む皮膜で被覆された被覆粒状肥料。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は施肥された環境下において肥料成分の溶出が制御された被覆粒状肥料に存し、詳しくは保存中の安定性に優れ、且つ溶出後の皮膜が速やかに崩壊および分解することにより、周辺環境への負荷を軽減した被覆粒状肥料に存する。
【0002】
【従来技術】農作物の栽培には、その生長段階に応じた肥料が必要であり、その必要時期に合わせるために従来から元肥、追肥等、作物の収穫までに数回の施肥を行ってきた。近年、農業が近代化され、また農業人口の減少に伴い、より手間の掛からない、施肥回数が少なくて済む肥料の開発が求められ、肥料成分の溶出を作物の養分要求特性に適合させるように制御すべく様々な肥料が開発された。
【0003】
例えば、土壌中に施肥された肥料成分の溶出を物理的に制御するために、粒状肥料の表面を高分子樹脂皮膜で被覆する検討が広く実施され、そのうち幾つかは実用化されている。具体的には、皮膜材料として低透湿性のポリオレフィン樹脂を使用し、肥料成分の溶出曲線が直線となるリニヤー型溶出タイプや、S字曲線となるシグモイド型溶出タイプ等の様々なタイプがあり、作物の生育に合わせた施肥管理が可能となる(例えば特許文献1参照)。
【0004】
しかしながら近年、かかるポリオレフィン樹脂が非分解性であるため、被覆粒状肥料が投入された圃場で皮膜殻が蓄積し、さらにはこの殻が圃場域外へ流出し、その結果、生態系に蓄積するなどの環境負荷が懸念されている。そこで、ポリオレフィン樹脂に生分解性資材を添加し、皮膜を崩壊に至らしめる技術が提案されている。例えば生分解性資材として糖重合体及びその誘導体を添加する方法(特許文献2参照)や、脂肪族ポリエステルを添加する方法(特許文献3参照)がある。しかし、これらは被覆材の多くを占めるポリオレフィン樹脂の分解を促進するものではなく、生分解性資材の増加に伴い土壌中の溶出制御性が不安定となる欠点がある。
【0005】
さらに、生分解性樹脂を皮膜の主成分とする技術も提案され、その生分解性樹脂として、変性天然ゴム用いたり(特許文献4参照)や種々の脂肪族ポリエステル類を用いる方法(特許文献5、6参照)が知られているが、これらは樹脂の透湿性が高いため、溶出停滞期を有するシグモイド型の溶出タイプを創製できないことや、土壌中での生分解速度が大きく、溶出制御性が不安定となる欠点がある。
【0006】
また、皮膜材料に生分解性を付与させ、かつ長期間にわたる溶出制御性を維持する目的で、低分子量のポリエチレン、石油ワックス類およびパラフィンワックスなどを皮膜の主成分とする技術が提案されている(特許文献7、8参照)。しかし、これらは皮膜材料の融点が低く、成膜中に肥料粒子同士が融着して成膜が困難となり、皮膜の力学的強度、つまり耐衝撃性、耐磨耗性に乏しいために、物理的な衝撃により皮膜が損傷しやすくなる結果、溶出制御性が不安定となり、本来期待した溶出制御ができないなどの欠点がある。
【0007】
一方、皮膜材自体を何らかの作用によって崩壊または分解する技術も検討されているが、各々に問題があり、これを解決するに至っていない。
例えば、光分解性樹脂を皮膜の主成分とする技術が提案され、光分解性樹脂としてエチレン・一酸化炭素共重合体を用いるもの(特許文献9参照)、ビニルケトン共重合体を用いるもの(特許文献10参照)、オレフィン類・一酸化炭素・オレフィン性不飽和化合物共重合体を用いるもの(特許文献11参照)、さらに、金属錯体などの光分解剤を皮膜に分散させるもの(特許文献12、13参照)、そして澱粉と有機金属化合物を用いるもの(特許文献14参照)などが挙げられる。これらは被覆粒状肥料が日光等に露光している条件下でのみ分解するため、皮膜殻の圃場での蓄積及び圃場域外への流出を回避できるものではない。また製法上皮膜中の光分解剤の分散性が悪いため、崩壊または分解速度にばらつきが生じ易く、溶出制御性が変化してしまうという問題があるだけでなく、製品保存時の安定性および環境中での分解性を両立できるものではない。
【0008】
また、ポリオレフィン系樹脂に酸化分解反応を促進する物質を含有した皮膜に、昇華性物質を用いる技術(特許文献15参照)、水溶性且つ非昇華性微粉体を用いる技術(特許文献16参照)、そして生分解性ポリエステル微粒子を分散させる技術(特許文献17参照)が提案されている。しかしながら、これらは土壌系内において被覆粒状肥料が期中の過酷な温度と湿度の変化に感応しやすいため酸化分解を受けやすく、安定した溶出制御を維持することは困難である。
【0009】
【特許文献1】特公昭54−3104号公報
【特許文献2】特開平11−322479号公報
【特許文献3】特開平9−263476号公報
【特許文献4】特開昭59−92989号公報
【特許文献5】特公平7−505号公報
【特許文献6】特開平10−7484号公報
【特許文献7】特開平11−71192号公報
【特許文献8】特開平11−263689号公報
【特許文献9】特公平2−23516号公報
【特許文献10】特公平7−506号公報
【特許文献11】特開平6−56568号公報
【特許文献12】特開平10−231191号公報
【特許文献13】特開平11−43391号公報
【特許文献14】特開平8−333185号公報
【特許文献15】特開平10−1386号公報
【特許文献16】特開平9−309783号公報
【特許文献17】特開平9−309784号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、力学的強度に優れた皮膜を有し、且つ製品保存中の皮膜の変質・破損等により溶出制御性が変化することなく、長期間にわたり施肥環境下における溶出制御性が良好であり、溶出後の皮膜が自然環境下で速やかに崩壊または分解することにより、環境への負荷を軽減した被覆粒状肥料を提供することである。
【0011】
【発明を解決するための手段】本発明者らは、上述の課題を解決するために鋭意検討した結果、被覆粒状肥料における皮膜材料として、オレフィンのホモポリマーとエチレンと炭素数が3以上のオレフィンのコポリマーおよび有機金属化合物を含む皮膜で被覆することにより、製品保存中の安定性および皮膜の力学的強度に優れ、溶出後の皮膜の崩壊性および分解性も付与できるという、上述したような課題を解決する被覆粒状肥料となることを見い出し、本発明に至った。
【0012】
即ち本発明は、オレフィンのホモポリマーとエチレンと炭素数が3以上のオレフィンのコポリマーおよび有機金属化合物を含む皮膜で被覆することを特徴とする被覆粒状肥料に存する。
また、本発明において被覆粒状肥料の皮膜が「崩壊する」または「分解する」とは、主に光、特に紫外線を含む日光等に曝されることによって劣化するメカニズムを意味し、適当な温度と湿度の条件下で空気中の酸素により酸化される化学的メカニズムや、土壌中の微生物により皮膜中の高分子材料が低分子化され、最終的に水と二酸化炭素に分解される生物学的メカニズム、さらには農耕地土壌における土壌耕運・解砕時の皮膜への物理的衝撃、温度と湿度の変化による土壌の圧縮膨張、および植物根の皮膜への侵入等による皮膜崩壊等の物理的メカニズムをも含む。例えばこの様な化学的、物理的メカニズムにより皮膜強度が粒子形状を維持できない程度まで減少し、さらには皮膜が極小片化に至る程度まで崩壊した状態であれば、粒子状態のままで土壌中に残留することがなく、浮上等により系外へ流出することが抑制されるので、実質的には環境負荷の心配はなくなる。ここで極小片化した皮膜は、これらに微生物がより繁殖しやすくなるため、生物的メカニズムによる分解が促進され、最終的に消失する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明につき詳細に説明する。
本発明の被覆粒状肥料においては、皮膜材料としてポリマーを用いる。このポリマーは被覆粒状肥料表面に形成される皮膜の基本材料であり、オレフィンのホモポリマーを用いる。ホモポリマーとしては任意のものが使用可能であり、具体的には例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン等が挙げられる。中でも成形加工性および工業的にポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂が適当である。またこれらの樹脂は、単独でも、2種以上の混合物として用いることも可能である。
【0014】
また本発明では先述のホモポリマー(第1成分のホモポリマー)に、第2成分のポリマーとしてエチレンと炭素数が3以上のオレフィンのコポリマーを用いてもよい。この第2成分をのポリマー用いることで、第1成分のホモポリマーの改質がはかれるので好ましい。つまり、本発明において用いる第2成分であるコポリマーは、その構造上、非結晶もしくは低結晶性の共重合体の様に低密度で柔軟性に富んでいるものが好ましく、この第2成分と第1成分であるホモポリマーとを混合し皮膜を形成することによって、皮膜強度、特に耐衝撃性、耐磨耗性が著しく向上し、製品保存中や施肥機などの物理的、機械的な摩擦や衝撃などによる皮膜の損傷を防止できるので好ましい。また皮膜を薄膜化しても強度が維持できるので、経済的にも有利である。
【0015】
第2成分のコポリマーにおいて、炭素数が3以上のオレフィンの種類は特に限定されないが、例えばプロピレン、1−ブテン、イソブテン、1−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、2−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、4−メチル−1−ヘキセン、5−メチル−1−ヘキセン、1−オクテン、5−メチル−1−ヘプテン、1−ドデセン、1−オクタドデセンなどが挙げられる。中でも、第1成分のポリエチレンやポリプロピレンとの相溶性が高いプロピレン、1−ブテン、イソブテン等が好ましい。これらのオレフィンは、単独でも、2種類以上を用いてエチレンと共重合させたコポリマーとして用いてもよい。
【0016】
第2成分のコポリマーにおける炭素数が3以上のオレフィンの含有量が少ないと、コポリマーの物性に近づくため、皮膜全体の耐衝撃強度が低下する場合がある。また逆に多いと皮膜全体が柔らかくなり、ピンホールなどの皮膜欠陥が生じたり皮膜全体の透湿性が増加し溶出制御が困難となる場合がある。これらのことから、コポリマー中における炭素数が3以上のオレフィンの割合は0.1〜50モル%、中でも1〜10モル%であることが好ましい。同様に、皮膜を構成する樹脂成分中の第2成分の含有量は、10〜80重量%、好ましくは30〜65重量%である。尚、エチレンと炭素数が3以上のオレフィンのコポリマーを本発明の目的を損なわない範囲で、一種または二種以上を任意の割合で併用してもよい。
【0017】
また本発明の粒状被覆肥料被膜材料として、先述の第2成分のコポリマーと併用して、撥水化処理した澱粉(以下「撥水化澱粉」ということがある。)を用いてもよい。この撥水化澱粉を用いることによって、本発明の粒状被覆肥料を土中へ施肥後、被膜中の撥水化澱粉が徐々に生分解を受け、皮膜の崩壊性および分解性が向上するので好ましい。天然物から採れた、いわゆる未処理の澱粉は自然環境下において数日で生分解してしまうので、このような未処理澱粉を皮膜中に含有した被覆肥料は、施肥後間もなく皮膜中の澱粉が生分解し、溶出制御性が不安定になる。本発明においては撥水化澱粉を用いることによって、施肥後長期間に亘って溶出制御性が安定で、且つ溶出後の皮膜の崩壊性および分解性に優れた被覆肥料を提供することができる点で、好ましい。
【0018】
また撥水化処理澱粉を用いることによって皮膜表面が低透湿性となる。この低透湿性によって、施肥後、被覆粒状肥料中の肥料成分の溶出が一定期間抑制され、その後急激に溶出するので、シグモイド型溶出タイプの被覆粒状肥料とする際に、撥水化澱粉を用いることが好ましい。
撥水処理澱粉の原料となる、いわゆる未処理澱粉の原材料は任意である。具体的には例えばトウモロコシ、タピオカ、馬鈴薯、甘藷、小麦、米、サゴなどが一般的である。特に生産性、加工性、生分解性に優れたトウモロコシ由来の澱粉が好ましい。本発明でいう撥水化澱粉は、これらの作物から採取し精製した澱粉を、化学的な処理によって撥水化し、且つ室温下での水に対する溶解度を低減した澱粉およびその誘導体をいう。
【0019】
撥水化処理の方法は任意であるが、澱粉の無水グルコース残基の水酸基に反応性に富む種々の官能基を結合させる方法が一般的である。例えば、硫酸、硝酸、リン酸、コハク酸などの無機酸および有機酸またはその塩類を反応させて得られるエステル化澱粉や、メチル化、カルボキシルメチル化、ヒドロキシメチル化などのアルキル化処理または一級、二級、三級アルキルアミンや四級アルキルアンモニウム塩を導入して得られるエーテル化澱粉や、澱粉にホルマリン、アルデヒド、リン酸を作用させることにより澱粉の水酸基間に多官能基を結合させて得られる架橋澱粉、および澱粉にポリアクリルアマイド、ポリアクリル酸、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリロニトリルなどの有機高分子物質を化学的に結合させて得られるグラフト化澱粉が挙げられる。
【0020】
中でも、エステル化澱粉およびエーテル化澱粉については、撥水化処理が比較的容易であるので、好ましい。撥水性の程度は導入する官能基の疎水性に依存するが、目的に応じてこれらの官能基を修飾することができる。なお、ここでいう撥水性とは、水75mlに対し、撥水化澱粉5gを100mlメスシリンダーに入れ、20回激しく振蕩した後、1時間静置したときの撥水化澱粉の沈降体積をいい、得られた測定値については、数値が低いほど撥水性が大きいことを示す。
【0021】
撥水性の程度は大きいほど好ましいが、大きすぎると、皮膜の崩壊性または分解性の効果が充分に発現しない場合がある。このことから、澱粉の撥水性は10ml未満が、中でも0.1〜0.5mlであることが好ましい。
本発明の被覆粒状肥料における皮膜中の撥水化澱粉の含有量は適宜選択すればよいが、少な過ぎると初期の溶出防止期間が確保できず、逆に多過ぎると皮膜全体が撥水性となる結果、施肥時に肥料粒が浮上し系外へ流出する場合がある。これらのことから、撥水化澱粉の含有量は皮膜重量に対して1〜50%が好ましく、さらに5〜30%が好ましい。
【0022】
また、撥水化澱粉の平均粒子径は使用する原料種に依存するが、皮膜の連続性を阻害せず、且つ澱粉粒子同士が凝集を起こさない程度の均一粒子径であることが好ましく、例えば膜厚の1/2以下の平均粒子径が好ましい。また、これらの撥水化澱粉は、本発明の目的を損なわない範囲で一種または二種以上を任意の割合で併用してもよい。
【0023】
以上のように、撥水化澱粉の処理の程度、皮膜中における含有量、平均粒子径および添加方法を適宜設定することにより、種々のシグモイド型溶出タイプを有する被覆肥料を目的に応じて調製することができる。
本発明における有機金属化合物とは従来公知の有機金属化合物を意味し、例えば有機金属錯体や有機酸金属塩等が挙げられる。中でも有機酸金属塩、特に一般式RCOOnM(Rは飽和または不飽和の炭化水素基を、Mは金属を、nは金属Mのイオン化数を示す。)で示されるカルボン酸塩が好ましい。
【0024】
このカルボン酸塩としては例えば、Rが直鎖アルキル基や分岐鎖含有アルキル基等である飽和脂肪酸;Rが直鎖アルキレン基、分岐アルキレン基、アルキン基等である不飽和脂肪酸;及びアルカンジ、トリ、テトラ、及びペンタエン酸等の環状脂肪酸が挙げられる。中でもRが炭素数が5〜22の飽和脂肪酸および不飽和脂肪酸であるものが好ましく、具体的にはカプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸などが挙げられる。また金属としては特に限定されないが、Be、Mg、Ca等のアルカリ金属や、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu等の遷移金属が好ましいく、中でもFe等の遷移金属が好ましい。
【0025】
これらの有機金属化合物は、ポリオレフィン樹脂の光、特に太陽光による劣化を促進し、自然環境下で崩壊または分解する性質を与えることが知られている。一方で、ポリオレフィン樹脂の空気中の酸素による酸化劣化を促進したり、逆に樹脂の応力などによる亀裂劣化を防止する効果も知られている。従って、所望する皮膜の劣化速度にあわせて、これらカルボン酸と金属を適宜各々選択すればよい。
【0026】
例えば、ポリオレフィン樹脂を光、特に太陽光により劣化させ、自然環境下で崩壊または分解に至らしめるようにするためにはカルボン酸塩として、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、オレイン酸等のカルボン酸類を、また金属部分としてMn、Fe、Co等を用いることが好ましい。またこれらの化合物中における金属の酸化数は特に限定されないが、化合物として最も安定な酸化数であることが好ましい。
【0027】
これらの中でも具体的にはミリスチン酸鉄、パルミチン酸鉄、ステアリン酸鉄、アラキン酸鉄、ミリスチン酸マンガン、パルミチン酸マンガン、ステアリン酸マンガン、オレイン酸マンガン、ミリスチン酸コバルト、パルミチン酸コバルト、ステアリン酸コバルト、オレイン酸コバルトが好ましい。特に施肥環境中での皮膜の崩壊性と製品保存中の安定性を両立することが可能なミリスチン酸鉄、パルミチン酸鉄、ステアリン酸鉄、アラキン酸鉄が好ましく、これらの化合物における鉄の酸化数は2〜4価であり、中でも3価が好ましい。
【0028】
有機金属化合物は、充分な機能を発現させるために出来るだけ高純度のものを用いることが好ましい。本発明においては、本発明の被覆粒状肥料の保存中における安定性と環境中での皮膜の崩壊性または分解性を両立することができれば、複数種の有機金属化合物を任意の割合で用いてもよい。
有機金属化合物の純度は、低すぎると充分な効果を奏しない場合があるので高いほど好ましいが、中でも50%以上、より好ましくは70%以上、さらに好ましくは95%以上である。
【0029】
皮膜中における有機金属化合物の含有量は任意だが、少な過ぎると皮膜の崩壊性または分解性な効果を得ることができず、逆に多すぎる必要以上に劣化が促進されるため、製品保存中に皮膜が劣化し溶出制御が困難となる場合がある。これらのことから、皮膜中における有機金属化合物の含有量は0.1重量%未満、好ましくは0.01〜0.05重量%である。
【0030】
さらに、これらの有機金属化合物は、その効果を充分発揮できるように皮膜中に均一に分散させることが好ましい。例えば、本発明における樹脂成分と有機金属化合物を適当な有機溶媒に完全に溶解させ、肥料粒にスプレー展着させた場合には、形成される皮膜中にこれらの有機金属化合物が均一に分散されるので好ましい。
【0031】
皮膜の膜厚は、所望の溶出制御性、保存安定性、皮膜強度および分解性等によって適宜選択できる。膜厚が薄過ぎると経済的に有利であるが、皮膜の強度が弱く、剥離や欠損が生じやすい。逆に膜厚が厚過ぎると皮膜の強度、初期の溶出防止性および長期間に亘る溶出制御性に優れるが、経済的に不利である。一般的には30〜300μm、更には40〜200μm、特に45〜175μmとするのが好ましい。中でも水稲用の緩効性肥料とする際には50〜200μm、特に50〜140μmとするのが好ましい。
【0032】
本発明における被覆粒状肥料の皮膜の被覆率(被覆される肥料粒の重量に対する皮膜の重量%)は通常、6〜25重量%、好ましくは7〜20重量%の範囲である。被覆率は、被覆粒状肥料の皮膜膜厚、肥料粒子径およびその比重を測定することにより、計算によって求めることができる。
本発明においては、先述の皮膜中に無機充填剤を含有させてもよい。無機充填材を本発明の被覆粒状肥料の被覆中に含有させることで、被覆粒状肥料の溶出制御調整や、温度依存性低減および皮膜の崩壊速度を制御することができるので好ましい。
【0033】
無機充填剤としては任意のものを使用できるが、例えばタルク、クレー、マイカ、モンモリロナイト、ベントナイト、活性白土、セピオライト、イモゴライト、セリサイト、ガラス繊維、ガラスビーズ、ガラスフレーク、シリカ系バルン、シリカ、珪藻土、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化スズ、フェライト類、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、ドーソナイト、ハイドロタルサイト、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、石膏繊維、ケイ酸カルシウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、炭素バルン、木炭粉末、各種金属粉、金属箔、弁柄、アルミニウムボレート、炭化ケイ素、ホウ酸亜鉛、ホウ酸アルミニウム、黒鉛、リサージ、イオウなどが挙げられる。
【0034】
中でも、皮膜強度を向上させる目的等で添加量を増加させても被覆粒状肥料の溶出制御性への影響が小さいもの、例えばタルク、クレー、マイカ、シリカ、炭酸カルシウムなどが好ましい。皮膜中の無機充填材の添加量は任意であるが、皮膜重量に対して10〜80重量%の範囲が好ましく、更には20〜75重量%、特に30〜70重量%とするのが好ましい。無機充填材の添加量が多過ぎると皮膜強度が極端に低下し、溶出制御性が低下する場合があり、逆に添加量が少な過ぎると充分な効果を得ることができない場合がある。また無機充填材は皮膜の連続性を阻害せず、且つ無機充填剤同士が凝集を起こさない程度の平均粒子径であることが好ましく、例えば膜厚の1/2以下の平均粒子径が好ましい。また、これらの無機充填材は、本発明の目的を損なわない範囲で一種または二種以上を任意の割合で併用してもよい。
【0035】
また先述の無機充填剤と同様に、本発明の被覆粒状肥料の溶出速度を制御する目的で皮膜中に界面活性剤を含有させてもよい。界面活性剤としてはカチオン系、アニオン系、ノニオン系、及び両性界面活性剤の何れの任意のもの、およびこれらの混合物等を使用できる。中でも溶出制御の調整が容易で且つ被覆粒状肥料の保存安定性に優れたノニオン系界面活性剤が好ましい。ノニオン系界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリコールエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、アルキロールアマイド、ソルビタン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル等が挙げられる。中でも、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルが、少量の添加で溶出制御が行えるので特に好ましい。
【0036】
界面活性剤のHLBは任意であるが、通常3〜20であればよい。皮膜中の界面活性剤の添加量は任意であるが、皮膜重量に対して0.01〜20重量%の範囲が好ましく、更には0.05〜15重量%、特に0.1〜10重量%であることが好ましい。界面活性剤の添加量が多過ぎると皮膜の親水性が高くなるため、溶出制御性が低下する場合があり、逆に添加量が少な過ぎると溶出速度の制御に充分な効果を得ることができない場合がある。
【0037】
更に、本発明の被覆粒状肥料皮膜の分解性を促進する目的で、皮膜中に生分解性資材を含有させてもよい。生分解性資材としては、自然界において微生物が関与して低分子化合物に分解されるものであればよい。例えば、3−ヒドロキシブチレートと3−ヒドロキシバリレートからなる共重合ポリエステル、バクテリアセルロース等に代表される微生物生産型樹脂、ポリアミノ酸、ポリグルタミン酸、ポリリジン、セルロース、澱粉、キチン・キトサン、アルギン酸、グルテン、コラーゲン、カードラン、プルラン、デキストラン、ゼラチン、リグニン、キサンタンガム、天然ゴム等に代表される天然化合物型樹脂、及びエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ジプロピレングリコール等のジオール類から選ばれる1種とコハク酸、テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸等のジカルボン酸から選ばれる1種との脱水縮合により得られる脂肪族ポリエステル類、ポリε−カプロラクトン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸等に代表される化学合成型樹脂が挙げられる。これらは一種又は二種以上を任意の割合で併用してもよい。添加量としては、溶出制御性、分解性、保存安定性を考慮して適宜決定されるが、概ね皮膜中の樹脂全体に対して0.05〜50重量%、好ましくは0.1〜20重量%、特に好ましくは0.5〜10重量%である。
【0038】
また本発明の効果を損ねない範囲に於いて、被覆粒状肥料の保存安定性を考慮し、光安定剤や酸化防止剤を皮膜中に添加してもよい。例えば、芳香族アミン系、フェノール系、サリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ニッケル系、シアノアクリレート系、オキザリックアシッドアニリド系、ヒンダートアミン系などが挙げられる。その添加量は、溶出制御性、保存安定性を考慮して適宜決定され、通常皮膜重量に対して0.001〜10重量%、好ましくは0.01〜1重量%程度である。
【0039】
上述の様な添加物以外にも、皮膜中に他の肥料成分、農薬、植物生理活性物などの農業資材、または植物の生長促進物質などを添加してもよく、それらの資材の皮膜中の分散状態も適宜選択すればよい。さらに皮膜の撥水性により該被覆肥料が浮上する場合は、浮上防止のために皮膜表面に上述したような界面活性剤を添着等によって添加することが好ましい。添加量は溶出制御性、分解性、保存安定性、および皮膜の力学的強度を考慮して適宜選択すればよいが、通常、皮膜重量に対して0.1〜5.0重量%、好ましくは0.01〜3.0重量%程度である。
【0040】
本発明の被覆粒状肥料に用いる肥料成分粒子としては従来公知の任意ものを使用でき、例えば尿素、硫安、塩安、硝安、石灰窒素、燐安、過燐酸石灰、重過石、重焼燐、塩加、硫加等の単肥の他に、N、P、KO等の2成分以上からなる化成肥料、およびこれらを2種以上複合したバルクブレンド肥料が挙げられる。中でも溶出制御の観点から、肥料成分が高く肥効が最も顕著に現れる尿素が特に好ましい。また、肥料自体に溶出制御性のあるイソブチリデンジウレアなどの化合物型緩効性肥料を用いるとさらに多様な溶出制御性が得られるので好ましい。
【0041】
肥料成分粒子の粒子径は任意であるが、通常0.5〜15mm、好ましくは1〜5mmである。肥料成分粒子の形状も任意であるが、真球性が高い程、被覆均一性が高くなるので好ましい。
本発明の被覆粒状肥料においては、上述した各項の好ましい範囲を組み合わせることで、保存中に皮膜の変質により溶出制御性を変化させることなく、長期間にわたり土壌中での溶出制御性が良好で、且つ溶出後の皮膜が土壌内外の自然環境下で崩壊または分解し、環境への負荷を低減できるので好ましい。具体的には、オレフィンのコポリマーと、エチレンと炭素数が3以上のオレフィンのコポリマーおよび/または撥水化処理した澱粉、および有機金属化合物を含む皮膜中に無機充填材を含有する被覆粒状肥料である。特に、有機金属化合物の含有量が、皮膜重量に対して0.1%未満、好ましくは0.01〜0.05%のとき、製品保存中での安定性と溶出後の皮膜の崩壊性または分解性を両立することができる。
【0042】
本発明の被覆粒状肥料の製造方法及び装置は、従来公知被覆肥料製造技術のうち、任意のものを適宜選択して採用すればよい。例えば装置自体の運動に付随して粒状物質を攪拌する回転ドラム式、回転パン式、回転落下式、気流で粒状物質を攪拌する流動式等の各型の被覆装置を用いた方法が挙げられる。中でも被覆中の粒状肥料を主として気流により攪拌し、肥料粒子に対する衝撃が小さい噴流層、流動層を用いる方法が好ましい。粒状肥料表面への被覆材の適用は、一般的に被覆材またはその皮膜溶液を噴霧することによって行い、噴霧には一流体もしくは二流体スプレーノズルを用いる。中でも噴霧粒子径が細かく、より均一に成膜できる二流体スプレーノズルが好ましい。また被覆均一性をより高くするために、スプレー位置を適宜変更できる装置が好ましい。
【0043】
皮膜の被覆方法としては一般的に、溶剤を使用する方法(以下「溶剤法」と言うことがある。)と、溶剤を使用しない方法(以下「無溶剤法」と言うことがある。)とに分けられる。
溶剤法では用いる被覆材を溶剤に溶解及び/または分散した溶解液または分散液を肥料表面に噴霧後、瞬時に溶剤を乾燥させる方法で、被覆均一性が高くなるので好ましい。溶剤法で用いる溶剤種は任意であり、被覆材を溶解及び/または分散可能なものであればよい。具体的には、クロロホルム、ジクロロメタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等に代表される塩素化炭化水素系溶剤、ヘキサン、オクタン、トルエン、キシレン、ベンゼン、エチルシクロヘキサン等に代表される炭化水素系溶剤が好ましい。また先述の生分解資材を使用する場合は、水、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、アセトン、メチルイソブチルケトン、アセトニトリル、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキサイド等に代表される極性溶剤を用いればよい。
【0044】
これら溶剤の除去および被覆材の乾燥は熱乾燥風下で実施されるが、そのガス種としては、空気のほかに窒素ガス、炭酸ガスなどの不活性ガスや、これらの混合ガス等が挙げられる。
一方無溶剤法は、具体的には被覆材の溶融物または溶融分散物を肥料表面に噴霧して被覆する方法や、さらには被覆後、表面を加熱溶融させて被覆均一性を高める方法が挙げられる。これらは溶媒を使用しないので安全性、経済性、環境負荷低減の面で好ましい。
【0045】
本発明の皮膜の被覆においては、各製造条件の好適な範囲を選択することで、均一な皮膜を形成し、かつ溶出制御性に優れた被覆肥料を提供することができる。以下、溶剤法における製造条件について説明する。
本発明の被覆粒状肥料を溶媒法にて製造する際、用いる溶解液または分散液の全重量に対する被覆材の重量(以下「液濃度」と言うことがある。)は任意であるが、液濃度を高くすることで溶剤の使用量が低減し、被覆時間が短くなるので生産性の面からも好ましい。尚、用いる溶解液または分散液の粘度が高く、成膜中にスプレーノズル部で被覆材が閉塞し成膜が困難となる場合は、使用するスプレーノズルおよび噴霧圧力に応じて、適当な噴霧状態が得られる粘度になるように適宜調整すればよい。これらの観点から液濃度は好ましくは0.1〜30重量%、さらに好ましくは0.5〜25重量%、最も好ましくは1〜20重量%である。
【0046】
この溶解液または分散液の肥料粒子への時間当たりの噴霧量(スプレー速度)は、被覆均一性、生産性、および溶剤種により適宜選択すればよい。一般に噴霧量を多くし過ぎる(スプレー速度を早くし過ぎる)と溶剤の乾燥が不充分となり肥料粒同士が融着し易くなるので所望の成膜が困難となる場合がある。更には噴霧時間が短くなる結果、皮膜の均一性が低下する。逆に噴霧量が少なすぎる(スプレー速度が遅すぎる)と噴霧液のミスト径が小さくなるため、肥料粒子に展着する前に被覆材が乾燥し、肥料表面での展着性が悪化する結果、皮膜の均一性が低下する場合がある。さらに被覆効率が低下し生産性の面からも好ましくない。
【0047】
これらの観点から、粒状肥料1kgに対し、1分間あたりのスプレー速度は、例えば溶解または分散液における液濃度が5重量%の場合には25〜300g/分・Kg、好ましくは80〜250g/分・kgである。
被覆を行う際の肥料粒子の表面温度(以下、「品温」ということがある。)および熱乾燥風量は特に限定されず、肥料粒子が融着することなく均一に混合され、安定した転動または噴流状態を維持し、かつ溶剤の除去および被覆材の乾燥が良好である範囲であればよい。しかし品温については影響を受け易く、一般に、高すぎると成膜中に皮膜材が軟化または溶融する結果、肥料粒同士が融着し成膜性が悪化する場合がある。逆に低すぎると乾燥が不充分となり成膜不良となる場合がある。
【0048】
これらの観点から、例えば噴霧する液の溶媒としてテトラクロロエチレンを使用する場合の品温は、好ましくは40〜130℃の範囲であり、更に好ましくは50〜110℃、最も好ましくは60〜90℃である。
先述の無機充填剤や界面活性剤は、本発明の被覆粒状肥料の被覆方法において、オレフィンのホモポリマーと、エチレンと炭素数が3以上のオレフィンのコポリマーおよび/または撥水性の澱粉、および有機金属化合物を含む皮膜溶液中に、無機充填剤および/または界面活性剤を溶解または分散させて使用する方法が一般的である。但し、乾燥風とともにそのまま肥料粒に展着または付着させてもよい。また皮膜中での分散状態は目的に応じて適宜選択されるが、通常は皮膜の均一性を重視して均一に分散させることが好ましい。例えば無機充填剤は皮膜強度を制御するため、界面活性剤においては被覆肥料粒の浮上防止を抑制するために、皮膜の外殻に分散させるなどの濃度勾配があってもよい。
【0049】
本発明の被覆粒状肥料の用途は特に限定されるものではなく、作物の養分要求特性に合わせて適宜選択される。例えば、シグモイド型の溶出パターンを示す被覆窒素肥料は、生育中期に窒素の追肥が必要な水稲の栽培で好適に使用される。また、リニアー型の溶出パターンを示す被覆窒素肥料は、水稲その他の作物の生育初期の元肥で好適に使用される。さらに、溶出制御期間が1年以上の被覆肥料は、樹木などの生育期間が長期にわたる永年植物に好適に使用される。
【0050】
【実施例】
以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
本発明においては、実施例で得られた被覆粒状肥料について、被覆率、欠陥粒子数、水中溶出特性および皮膜の引張強度の測定を実施した。さらに、これらの被覆粒状肥料について、保存安定性および皮膜の崩壊性を評価した。なお、使用した各皮膜素材は以下の通りである。
・ホモポリマー;
低密度ポリエチレン(日本ポリケム社製、LA320、密度0.92g/cm、メルトフローレート1.1g/10min、融点112℃、数平均分子量(Mn)17900、重量平均分子量(Mw)88800)
・コポリマー;
エチレン−1−ブテン共重合体(三井化学社製、タフマーA4085、密度0.88g/cm、メルトフローレート3.6g/10min、数平均分子量(Mn)29900、重量平均分子量(Mw)70000)
・有機金属化合物;
ステアリン酸鉄(III)(キシダ化学社製、試薬グレード、純度99%以上)
・無機充填材;
タルク(松村産業社製、ハイフィラー#5000PJ、平均粒子径1.8μm)
・界面活性剤;
ノニオン系ポリオキシエチレンアルキルエーテル(東邦化学工業社製、ペグノールST−12、HLB14.5)
【0051】
(1)被覆肥料の製造(実施例1)
皮膜材料の主成分ポリマーの第1成分として低密度ポリエチレン330g、第2成分としてエチレン−1−ブテン共重合体330g、ステアリン酸鉄(III)0.165g、タルク990g、およびポリオキシエチレンアルキルエーテル61.05gをテトラクロロエチレン25850gに溶解させ、この溶液(液濃度6.2重量%、液温度90℃)27561gを、粒径2.8〜3.4mmの尿素粒15000gに流動層式コーティング装置を使用し、スプレー速度88.9g/分・kg、品温60℃で噴霧被覆し、皮膜の平均膜厚79.5μm、被覆率10.8%(対尿素粒重量)の被覆粒状肥料16620gを得た。上記の流動層式コーティング装置においては、槽内に充填した粒状肥料を、装置下部より導入される熱乾燥風および装置底部に設置される攪拌浴で流動させながら、これに被覆肥料を溶解または分散した噴霧液を噴霧後、さらに熱乾燥風にて溶剤を除去し、被覆材を乾燥することにより実施した。
【0052】
(実施例2)
ステアリン酸鉄(III)0.4125gを使用した以外は、実施例1と同様の方法により、皮膜の平均膜厚79.5μm、被覆率10.8%(対尿素粒重量)の被覆粒状肥料16620gを得た。
(実施例3)
ステアリン酸鉄(III)0.825gを使用した以外は、実施例1と同様の方法により、皮膜の平均膜厚79.5μm、被覆率10.8%(対尿素粒重量)の被覆粒状肥料16620gを得た。
(実施例4)
低密度ポリエチレンを21.1g、エチレン−1−ブテン共重合体を2.6g、ステアリン酸鉄(III)を0.022g、撥水化澱粉を10.6g、およびタルク9.7gを
テトラクロロエチレン836gに溶解させ、この溶液(液濃度5重量%、液温度90℃)880gを、粒径2.8〜3.4mmの尿素粒400gに流動層式コーティング装置を使用し、スプレー速度142g/分・kg、品温60℃で噴霧被覆し、皮膜の平均膜厚73.6μ、被覆率11%(対尿素粒重量)の被覆粒状肥料440gを得た。
【0053】
(比較例1)
低密度ポリエチレン330g、エチレン−1−ブテン共重合体330g、タルク990g、およびポリオキシエチレンアルキルエーテル61.05gを使用した以外は、実施例1と同様の方法により皮膜の平均膜厚79.5μm、被覆率10.7%(対尿素粒重量)の被覆粒状肥料16605gを得た。
(比較例2)
低密度ポリエチレン17.6g、ステアリン酸鉄(III)0.011gおよびタルク26.4gをテトラクロロエチレン836gに溶解させ、この溶液(液濃度5重量%、液温度90℃)880gを、粒径2.8〜3.4mmの尿素粒400gに流動層式コーティング装置を使用し、スプレー速度142g/分・kg、品温60℃で噴霧被覆し、皮膜の平均膜厚73.6μ、被覆率11%(対尿素粒重量)の被覆粒状肥料440gを得た。
【0054】
(2)被覆肥料の被覆率の測定
被覆粒状肥料10gを秤取り、小型粉砕器で粉砕した後、水を加えて尿素を溶解させ、皮膜のみを濾過回収した。さらにこの皮膜を乾燥した後秤量し、次式から被覆率を算出した。
被覆率(%)=(皮膜重量[g]/(10−皮膜重量)[g])×100
【0055】
(3)被覆肥料の欠陥粒子数の測定
被覆肥料10g(総粒子数約470個)を試験管に秤取り、インク10cc加え、40℃の恒温水中で1時間放置した後、被覆肥料を濾過回収する。被覆肥料に付着したインクを水洗すると皮膜の欠陥部分にインクの色が残るので、これにより欠陥皮膜を有する粒子を区別できる。欠陥粒子の数が多いほど、皮膜の強度が弱いかまたは被覆均一性が悪いため、皮膜の一部が損傷しやすく、施肥後の溶出制御が困難となる。従って、欠陥粒子数は少ないほど好ましい。
【0056】
(4)被覆肥料の皮膜強度測定
被覆粒状肥料の皮膜の一部に微小孔を開け、水洗にて内部の肥料成分を完全に除去した後、常温、真空条件下にて該皮膜を完全に乾燥させた。さらに得られた皮膜粒子の中心部に糸を通し、図1のように両端を結びあわせ測定用サンプルとした。続いて、強度測定装置(島津EZtest−20N)の両フックに、測定用サンプルの糸を固定し、20mm/minの速度で一方に荷重を掛け、肥料粒子の破断点での重量を測定した。各サンプルにつき10粒測定し、それらの最大値と最小値を除いた平均値を皮膜強度(g/粒)とした。また、皮膜の強度を測定することで、保存時、流通時、機械施肥時の被覆肥料粒同士の摩擦や衝撃による皮膜の剥離や損傷、および溶出後の皮膜の崩壊または分解の程度の指標となる。なお、ここでいう皮膜強度とは、本測定法により測定した皮膜の引張り破断強度をいう。
【0057】
本発明者等は、先に被覆肥料の皮膜強度と、皮膜の崩壊性に高い相関性があることを見出している(特開平11−322479)。これによれば、皮膜強度が大きくなると崩壊の程度が小さくなり、逆に皮膜強度が小さくなると崩壊の程度が顕著となる傾向を示し、具体的には、皮膜強度が50g/粒未満であると皮膜に亀裂が生じやすくなる。従って、製造直後の被覆肥料における皮膜強度が50g/粒未満であると、保存時や流通時さらに施肥時における被覆肥料粒同士の摩擦や衝撃等により、皮膜の一部が亀裂または剥離し、溶出制御の機能を維持できない場合がある。一方皮膜強度が300g/粒より大きいと、溶出後の皮膜の崩壊または分解は期待できない。以上のことから、製造直後における皮膜強度は、50g/粒〜300g/粒が良い。
【0058】
(5)ポリマーの分子量分布測定
被覆粒状肥料粒を半分に切断し、蒸留水に一晩浸漬させ内部の肥料成分を完全に除去した。皮膜をオルトジクロロベンゼンに溶解した後、以下の条件によりGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフ)法により測定した。本測定法により、皮膜中のポリマーの平均分子量が得られるので、皮膜の安定性および劣化の程度を把握することができる。即ち、平均分子量が低下した場合、ポリマーの分子構造が切断され皮膜が劣化していることを示している。
機種;Waters150C、サンプル濃度;10mg/10ml、サンプル注入量;0.2ml、流速;1ml/min、カラム;AD806M、カラム温度;140℃、検出器;IR3.42μ。
なお、皮膜素材である原料ポリマーについても、上記の条件に基づき測定した。
【0059】
(6)被覆肥料の溶出特性の評価
(1)で製造した被覆肥料を、25℃恒温水中に7g/200ccの割合で投じ、経時的に水中の尿素態窒素を定量した。また、後述する各種評価後の溶出特性の評価についても上記に基づき実施した。
【0060】
以上の実施例1〜4、比較例1で得られた各被覆肥料につき、製造処方、被覆率、欠陥粒子数および皮膜強度の結果を表1に、また比較例2以外について、溶出特性の結果を図まとめた。
【0061】
【表1】
Figure 2004002158
【0062】
表1および図2の結果から、実施例および比較例に挙げるすべてにつき、製造性は良好であり、被覆率、欠陥粒子数ともに目標レベルであった。また、実施例1〜4については、含有している各ステアリン酸鉄(III)の量に対する欠陥粒子数、皮膜強度および溶出特性への影響は殆ど無かった。しかし比較例2では、皮膜強度が50g/粒子未満と極端に小さくて皮膜に亀裂が生じやすく、保存時や流通時、更には施肥時における被覆肥料粒同士の摩擦や衝撃等に耐えられないものであった。
【0063】
<保存安定性試験>
(1)で製造した被覆肥料について、保存安定性を評価するために、肥料袋越UV照射法につき実施した。
(a)肥料袋越UV照射法
厚さ5mm、外寸100×100mm、内寸70×70mmのアルミ製の枠と、100×100mmのUV透過性ガラス(340nmで89.5%透過)および100×100mmの肥料包材(厚さ180μm、白色)を準備した。UV透過性ガラスの上に肥料包材を敷いた後、その上にアルミの枠を置き、枠の中に被覆粒状肥料を摺りきり一杯(約12g)に入れ、その上に肥料包材、さらにUV透過性ガラスを被せた。上下のガラスをクリップで固定し、肥料袋越UV照射用測定サンプルとした。キセノンランプを光源とするウェザーメーターに測定サンプルをセットし、加温、加湿なしの条件で、放射照度0.35W/m(340nm)のUVを12日間(表裏各6日間)照射した。なお、本評価は、被覆肥料を肥料袋に充填し、日光下の屋外で長期間保存した場合を想定したものである。
【0064】
<皮膜崩壊性試験>
(1)で製造した被覆肥料について、皮膜の崩壊性を評価するために、UV直接照射法および日光下照射法につき実施した。
(b)UV直接照射法(a)で使用した冶具を使用し、(a)で肥料包材を使用しない状態をUV直接照射用測定サンプルとした。また、UV照射は(a)と同様の条件で実施した。なお、本評価は、溶出後の皮膜が土壌表層または土壌系外存在下において、長期間日光下に曝された場合を想定したものである。
(c)日光下照射法
被覆粒状肥料2gをポリエチレン製の網パック(60×70mm)に入れ、測定用サンプルとした。内寸400×500cmのコンテナに土壌を充填し、土壌表面に測定用サンプルを並べた。コンテナを日当たりの良い屋外に設置し、夏場(7月30日〜8月29日)の約30日間、日光下に曝した。
【0065】
(a)〜(c)の試験を実施後、皮膜強度、ポリマーの平均分子量および溶出特性につき先述した方法に従い測定した。皮膜強度およびポリマーの平均分子量については、対応する未処理の測定値に対する変化率(初期値を100としたときの保持率)(%)で示し、溶出特性については、80%窒素溶出日数を初期値に対する日間差で示した。これらの結果を表1にまとめた。さらに、溶出特性については、保存安定性試験後の溶出制御特性について、実施例を図3に示した。
【0066】
<保存安定性結果>
表1の結果から、実施例1〜4のように、皮膜中のステアリン酸鉄(III)の含有量が実施例の範囲では、その含有量が増加するに伴い、皮膜強度およびポリマーの平均分子量が低減する傾向にある。しかしながら、図3の結果から、未処理の溶出特性と比較すると、殆ど影響を受けていないことが判る。従って、皮膜中のステアリン酸鉄(III)の含有量が実施例の範囲内で有れば、実質上保存時の安定性は問題ないことは明らかである。
【0067】
<皮膜崩壊性結果>
表1の結果から、実施例1〜4のように、皮膜中のステアリン酸鉄(III)の含有量が実施例の範囲では、その含有量が増加するに伴い、皮膜強度およびポリマーの平均分子量が低減する傾向にある。また、これらは皮膜強度の絶対値が40g/以下であるので、溶出後の皮膜が容易に崩壊または分解することは明らかである。一方、比較例1のように、皮膜中にステアリン酸鉄(III)を含有していない場合、UV照射処理を施しても、皮膜強度およびポリマーの平均分子量が殆ど影響を受けていないので、皮膜の崩壊性または分解性は殆ど期待できないことを示している。
【0068】
以上の結果から、本発明の被覆粒状肥料は、皮膜の力学的強度および保存中の安定性に優れ、施肥環境下における溶出制御性が良好であり、溶出後の皮膜が自然環境下で速やかに崩壊または分解することにより、環境への負荷を軽減した被覆粒状肥料であることがわかる。
これに対し、皮膜中にエチレンと炭素数が3以上のオレフィンのコポリマーを含まない場合は、皮膜の力学的な強度が弱く、保存中に皮膜の一部が剥離または損傷する場合がある。また、皮膜中に有機属化合物を含まない場合は、溶出後の皮膜の崩壊または分解が期待できず、これらは製品保存中の安定性と環境中での皮膜の崩壊性を両立するものではない。
【0069】
【発明の効果】
以上の結果から、本発明の被覆粒状肥料は、保存中の安定性に優れ、施肥環境下における溶出制御性が良好であり、溶出後の皮膜が自然環境下で速やかに崩壊または分解することにより、環境への負荷を軽減する。さらに、皮膜の力学的強度が優れ、他の肥料との配合時や輸送中および機械施肥時などにおいて、皮膜の一部が剥離または欠損等の損傷を受けず、且つ溶出制御性に影響を与えない。即ち、作物の生育期間中は安定した肥効成分の供給機能を有し、且つ製品保存中の安定性と環境中での皮膜の崩壊性を両立するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】皮膜強度測定用のサンプル図である。
【図2】被覆肥料の溶出パターンを示す図である。
【図3】UV照射後の被覆肥料の溶出パターンを示す図である。

Claims (9)

  1. 粒状肥料の表面を、オレフィンのホモポリマーと、エチレンと炭素数が3以上のオレフィンのコポリマー、および有機金属化合物を含む皮膜で被覆された被覆粒状肥料。
  2. 更に皮膜が撥水化処理した澱粉を含有することを特徴とする請求項1に記載の被覆粒状肥料。
  3. オレフィンのホモポリマーがポリエチレンまたはポリプロピレンであることを特徴とする請求項1または2に記載の被覆粒状肥料。
  4. 炭素数が3以上のオレフィンが、プロピレン又は1−ブテンであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の被覆粒状肥料。
  5. 有機金属化合物が飽和脂肪酸または不飽和脂肪酸の金属化合物であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の被覆粒状肥料。
  6. 飽和脂肪酸または不飽和脂肪酸の炭素数が5〜22であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の被覆粒状肥料。
  7. 有機金属化合物の含有量が、皮膜重量に対して0.1%未満であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の被覆粒状肥料。
  8. 有機金属化合物の含有量が、皮膜重量に対して0.01〜0.05%であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の被覆粒状肥料。
  9. 皮膜中に無機充填剤を含有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の被覆粒状肥料。
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