JP2005324981A - 被覆粒状物 - Google Patents

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Abstract

【課題】施用直後のみならず長期に亘って粒状物の浮上を防止し、更に取扱時の粉立ちを防止した被覆粒状物を提供する。
【解決手段】樹脂からなる被覆層を有する生物活性物質の粒状物であって、被覆層が生物活性物質粒子表面を直接被覆する溶出コントロール層、及び溶出コントロール層の外側に位置するオーバーコート層の少なくとも二層からなり、オーバーコート層が水性エマルジョンを主成分とし無機系コロイドゾル及び無機フィラーの何れか一方または両方を含有する被覆粒状物。
【選択図】なし。

Description

本発明は生物活性物質の粒状物の表面に特定の物質で被膜を形成した被覆粒状物に関する。詳しくは、特定の物質の被膜によって、生物活性物質の溶出コントロールに影響を与えることなく、粒状物の初期浮上を完全に防止すると共に長期に亘る浮上を防止し、更に被覆粒状物のバルクブレンド時や農業従事者等のユーザーが被覆粒状物を使用する際の粉立ちを防止した被覆粒状物に関する。
溶出または放出(以下、溶出とする)の制御、吸湿防止、固結防止、飛散防止等を目的とした、樹脂の被覆層を有する肥料や農薬等の生物活性物質の被覆粒状物が実用化されている。被覆粒状物の使用場面はその用途によって様々であるが、被覆肥料や被覆農薬等は水田や水耕栽培をはじめとして水中で使用される場合も多い。これら被覆粒状物は、その被膜の多くが親水性の乏しい樹脂からなり、水との親和性に乏しく撥水性が強いため、例えば水田等において用いる際に浮上しやすいと云った性質を有していた。またそればかりでなく、畑に施用した場合であっても、潅水や降雨によって土壌表面に露出しやすい傾向があった。
上記の浮上を長期に亘って防止するため、被覆粒状物の被膜に親水性を付与する方法が検討されてきた。樹脂の被膜に永続的な親水性を付与する技術として、界面活性剤を樹脂被膜に分散させ更に被膜表面に微粉末を付着させた被覆肥料が開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、樹脂被膜の表面にHLBが6から16の界面活性剤と微粉末を付着させた被覆肥料(例えば、特許文献2参照)、界面活性剤を樹脂被膜に分散させ更に被膜表面にSiOダストを付着させた被覆肥料(例えば、特許文献3参照)、更に樹脂被膜の表面に界面活性剤とSiOダストを付着させた被覆肥料(例えば、特許文献4参照)、金属粉を肥料の表面に添加した被覆肥料(例えば、特許文献5参照)、アニオン系界面活性剤を粒子表面に添着させた被覆肥料(例えば、特許文献6参照)が開示されている。
これらの技術により、樹脂被膜の親水性は改善されたが、上記の浮上を防止するのに十分とは言えなかった。そこで、樹脂被膜の表面に、湿式法で合成された特定比表面積を有する含水無晶形二酸化ケイ素微粉末を付着させた被覆粒状物(例えば、特許文献7参照)、またケイ素酸化物で表面処理され特定の表面シラノール基個数と特定比表面積とを有する被覆粒状肥料(例えば、特許文献8参照)が開示されている。これらの被覆粒状物等は、潅水時の浮上が長期に亘って防止されるが、翌年に水田土壌を耕運し水張りする際等に土壌に残留する被膜材料の一部が水面に浮上する場合がある。これを改善するため、更に土壌団粒化材、または酸価及び水酸基価の何れかが1000mg/g以上の樹脂で被覆する技術が開示されている(例えば、特許文献9参照)が、十分とは言えなかった。
特公昭60−29679号公報 特公昭60−20359号公報 特公昭64−9278号公報 特公昭63−23160号公報 特開昭55−23045号公報 特開昭56−120597号公報 特開平10−130014号公報 特開2001−328890号公報 特開2002−249392号公報
本発明らは、施用直後のみならず長期に亘って粒状物の浮上を防止し、更に粒状物取扱時の粉立ちを防止した被覆粒状物を提供することを課題とする。
本発明者は、前記従来技術の問題点を改善するべく鋭意検討した。その結果、樹脂からなる被覆層を有する生物活性物質の粒状物であって、被覆層が生物活性物質粒子表面を直接被覆する溶出コントロール層、及び溶出コントロール層の外側に位置するオーバーコート層の少なくとも二層からなり、オーバーコート層が水性エマルジョンを主成分とし無機系コロイドゾル及び無機フィラーの何れか一方または両方を含有する被覆粒状物が上記問題点を改善できることを見出し、この知見に基づき本発明を完成するに至った。
本発明は、以下から構成される。
(1)樹脂からなる被覆層を有する生物活性物質の粒状物であって、被覆層が生物活性物質粒子表面を直接被覆する溶出コントロール層、及び溶出コントロール層の外側に位置するオーバーコート層の少なくとも二層からなり、オーバーコート層が水性エマルジョンを主成分とし無機系コロイドゾル及び無機フィラーの何れか一方または両方を含有する被覆粒状物。
(2)オーバーコート層を構成する水性エマルジョンがアクリル樹脂である前記(1)記載の被覆粒状物。
(3)無機系コロイドゾルの固体平均粒子径が10〜200nmである前記(1)または(2)項記載の被覆粒状物。
(4)無機フィラーの比表面積が1〜500m/gである前記(1)〜(3)項のいずれか1項記載の被覆粒状物。
(5)無機フィラーがシリカ系化合物、ハイドロタルサイト系化合物、リチウム・アルミニウム複合水酸化物塩系化合物から選ばれる少なくとも1種である前記(1)〜(4)項のいずれか1項記載の被覆粒状物。
(6)溶出コントロール層を構成する樹脂がオレフィン系重合体である前記(1)〜(5)項のいずれか1項記載の被覆粒状物。
本発明の被覆粒状物は被覆生物活性粒状物であり、該被覆生物活性粒状物は、施用直後のみならず更に翌年であっても、被覆生物活性物質及びその被膜材料の浮上を抑制することができ、極めて有用な被覆粒状物である。
以下、本発明に係わる被覆粒状物について詳細に説明する。
本発明の被覆粒状物は、樹脂からなる被覆層を有する生物活性物質の粒状物であって、被覆層が、生物活性物質粒子表面を直接被覆する溶出コントロール層及び溶出コントロール層の外側に位置するオーバーコート層の少なくとも二層からなる。オーバーコート層は水性エマルジョンを主成分とし、無機系コロイドゾル及び無機フィラーの何れか一方または両方含有する。主成分とは最も多い成分をいう。
本発明において、生物活性物質とは、農作物、有用植物、農産物等の植物体の育成、保護の目的で用いられるものであり、使用目的に応じて増収、農作物の高品質化、病害防除、害虫防除、有害動物防除、雑草防除、更には、農作物の生育促進、生育抑制、矮化等の効果をもたらすものであって、具体的には肥料、農薬、微生物等を挙げることができる。特に、生物活性物質が肥料または農薬であると、その使用目的に対して比較的高い効果が得られる。
本発明の被覆粒状物に使用される生物活性物質粒子が含有する生物活性物質の含有割合は特に限定されるものではないが、0.01〜100重量%の範囲であることが好ましく、特に、生物活性物質が以下に挙げるような肥料である場合には、60〜100重量%であることが好ましく、生物活性物質が以下に挙げるような農薬である場合には、0.01〜50重量%の範囲であることが好ましい。
前記の肥料としては、窒素質肥料、燐酸質肥料、加里質肥料のほか、植物必須要素のカルシウム、マグネシウム、硫黄、鉄、微量要素やケイ素等を含有する肥料を挙げることができる。窒素質肥料の例としては、硫酸アンモニア、尿素、硝酸アンモニアのほか、イソブチルアルデヒド縮合尿素、アセトアルデヒド縮合尿素が挙げられる。燐酸質肥料の例としては、過燐酸石灰、熔成リン肥、焼成リン肥が挙げられる。加里質肥料の例としては、硫酸加里、塩化加里、ケイ酸加里肥料が挙げられる。肥料の形態としては特に限定されない。また、肥料の三要素(窒素、リン酸、加里)の合計成分量が30%以上の高度化成肥料や配合肥料、更には、有機質肥料でもよい。また、硝酸化成抑制材や農薬を添加または付着させた肥料でもよい。
前記の農薬としては、病害防除剤、害虫防除剤、有害動物防除剤、雑草防除剤、植物生長調節剤を挙げることができ、これらであればその種類に制限なく使用することができる。ここで、病害防除剤とは、農作物等を病原微生物の有害作用から保護するために用いられる薬剤であり、主として殺菌剤が挙げられる。害虫防除剤とは、農作物等の害虫を防除する薬剤であり、主として殺虫剤が挙げられる。有害動物防除剤とは、農作物等を加害する植物寄生性ダニ、植物寄生性線虫、野鼠、鳥、その他の有害動物を防除するために用いる薬剤である。雑草防除剤とは農作物や樹木等に有害となる草木植物の防除に用いられる薬剤であり、除草剤とも呼ばれる。植物生長調節剤とは、植物の生理機能の増進または抑制を目的に用いられる薬剤である。
農薬は、常温で固体の粉状であることが望ましいが常温で液体であっても良い。また、本発明においては、農薬が水溶性であっても、水難溶性であっても、水不溶性のものであっても用いることができ、特に限定されるものではない。また、農薬は1種であっても、2種以上の複合成分からなるものであっても良い。
本発明の被覆粒状物に使用される生物活性物質粒子は、前述の生物活性物質を1種以上含有するものであれば良いが、本発明の効果を損なわない範囲であれば、上記以外の成分として、クレー、カオリン、タルク、ベントナイト、炭酸カルシウム等の担体や、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、澱粉類等の結合剤を含有するものであっても構わない。また、必要に応じ、例えばポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等の界面活性剤や廃糖蜜、動物油、植物油、水素添加油、脂肪酸、脂肪酸金属塩、パラフィン、ワックス、グリセリン等を含有したものであっても構わない。
生物活性物質粒子の造粒方法としては、押出造粒法、流動層式造粒法、転動造粒法、圧縮造粒法、被覆造粒法、吸着造粒法等を用いることができる。本発明においては、これらの造粒法の何れを使用しても良い。
生物活性物質粒子の粒径は特に限定されるものではないが、例えば、肥料の場合においては1.0〜10.0mmであり、農薬の場合においては0.3〜3.0mmであることが好ましい。これらは篩いを用いることにより、前記範囲内で任意の平均粒径を選択することができる。
生物活性物質粒子の形状は、特に限定されるものではないが、後述の時限放出型の放出機能を発現させるためには球状が好ましい。具体的には、下記式で求められた円形度係数が、好ましくは0.7以上、より好ましくは0.75以上、更に好ましくは0.8以上の球状である。円形度係数の最大値は1であり、1に近づくほど粒子は真円に近づき、粒子形状が真円から崩れるに従って円形度係数は小さくなる。
円形度係数={(4π×粒子の投影面積)/(粒子投影図の輪郭の長さ)
例えば、施用後一定期間生物活性物質の溶出が抑制された溶出抑制期間(以下、d1という)と、施用後一定期間経過後、該生物活性物質の溶出が持続する溶出期間(以下、d2という)とからなる時限溶出型の溶出機能を有する被覆生物活性粒状物では、円形度係数が0.7を下回る生物活性物質粒状物が増えると、該粒状物を用いて得られる時限溶出型の溶出機能を有する被覆生物活性粒状物のd1における溶出抑制が不十分となり、生物活性物質の洩れを生じやすくなる傾向にあるため、生物活性粒状物は0.7以上のものであることが好ましい。
本発明の被覆粒状物の被覆層のうち、溶出コントロール層は生物活性物質粒子表面を直接被覆し、被覆粒状物から生物活性物質を徐々に溶出させる機能を有する。溶出コントロール層に用いることのできる樹脂は、特に限定されるものではなく、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂の何れであってもよい。中でも、環境保全の点で光崩壊性樹脂や生分解性樹脂が好ましい。
熱可塑性樹脂の例としては、オレフィン系重合体、塩化ビニリデン系重合体、ジエン系重合体、ワックス類、ポリエステル、石油樹脂、天然樹脂、油脂及びその変性物を挙げることができる。
オレフィン系重合体としては、密度0.88〜0.93g/cmの低密度ポリエチレン、密度0.94〜0.97g/cmの高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、酢酸ビニル含有量が1〜40重量%以下のエチレン−酢酸ビニル共重合体、及び密度が0.88〜0.94g/cmのエチレン−α−オレフィン共重合、ポリプロピレン、エチレン−ポリプロピレン共重合体、エチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−一酸化炭素共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体、ポリブテン、ブテン−エチレン共重合体、ブテン−プロピレン共重合体、ポリスチレン、エチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタアクリル酸共重合体及びエチレン−メタアクリル酸エステル共重合体が例示できる。塩化ビニリデン系重合体としては、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体、ジエン系重合体の水素化物が例示できる。尚、上記の樹脂はメルトフローレイトや分子量、分子量分布、使用触媒、製造プロセス等は特に限定されるものではない。
ジエン系重合体としては、ブタジエン重合体、イソプレン重合体、クロロプレン重合体、ブタジエン−スチレン共重合体、EPDM重合体、スチレン−イソプレン共重合体等またはブタジエン−エチレン−メタアクリル酸等の3元共重合物が例示できる。
ワックス類としては、密ロウ、木ロウ、パラフィン、ポリエチレンワックス等が例示でき、ポリエステルとしてはポリ乳酸、ポリカプロラクトン等の脂肪族ポリエステルやポリエチレンテレフタレート等の芳香族ポリエステルが例示でき、天然樹脂としては、天然ゴム、ロジン等が例示でき、油脂及びその変性物としては、硬化物、固形脂肪酸及び金属塩等が例示できる。
熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル、エポキシ樹脂、ケイ素樹脂、ウレタン樹脂及び乾性油等を挙げることができる。これらの熱硬化性樹脂は数多くのモノマーの組み合わせが有るが、本発明においては、モノマーの種類や組み合わせは限定されるものではない。また、モノマー同士の重合物の他に、2量体またはポリマー化したもの、またはその混合物の重合物であっても良い。また、種類の異なる複数の樹脂を配合したものであっても良い。
被覆粒状物に長期にわたる生物活性物質の徐放機能、更には時限溶出型の溶出機能が求められる場合には、生物活性物質粒子の表面を透湿性の低い被覆用の樹脂(被膜材料)で完全に被覆し、水分の透過を極僅かに抑えることができる溶出コントロール層を形成させることが必要である。つまり、ピンホールや亀裂の無い溶出コントロール層を形成することが重要である。特に、時限溶出型の徐放機能において、長いd1が必要な場合には、生物活性物質粒子の表面に透湿性の小さな溶出コントロール層を形成させることが有効である。透湿性の小さい溶出コントロール層を表面に形成させることにより、外部に存在する水分を徐々に時間をかけて生物活性物質粒子にまで浸透させることができる。
そのためには、溶出コントロール層を構成する樹脂としては熱可塑性樹脂が有効であり、中でも、オレフィン系重合体、塩化ビニリデン系重合体は本発明に有効である。その中でも、密度0.88〜0.93g/cmの低密度ポリエチレン、密度0.94〜0.97g/cmの高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、酢酸ビニル含有量が1〜40重量%以下のエチレン−酢酸ビニル共重合体、及び密度が0.88〜0.94g/cmのエチレン−α−オレフィン共重合、エチレン−一酸化炭素共重合体、ポリプロピレン及びこれらの混合物は本発明において好ましい樹脂であり、更に、密度0.88〜0.93g/cmの低密度ポリエチレン、密度0.94〜0.97g/cmの高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、及びエチレン−一酸化炭素共重合体は本発明にとって特に好ましい樹脂である。これらの樹脂を用い、後述の方法によりピンホールや亀裂のない被膜を形成することによって、水分の透過量は極僅かとなる。
上記の樹脂には、フィラーとして、タルク、マイカ、セリタイト、ガラスフレーク、各種金属箔、黒鉛、BN(六方晶)、MIO(板状酸化鉄)、板状炭カル、板状水酸化アルミニウム等の板状フィラー、炭酸カルシウム、シリカ、クレー、各種鉱石粉砕品、澱粉等の球状フィラー、硫黄等を添加することができる。
上記の樹脂がフィラーを含む場合、被膜(溶出コントロール層)材料中のフィラーの含有割合は特に限定されるものではないが、5〜90重量%が好ましく、20〜60重量%がより好ましい。フィラーを含有する樹脂を用いる場合の溶出コントロール層におけるフィラー分散の変動係数は、50%以下であることが好ましく、35%以下であることがより好ましい。変動係数が50%以下であると、得られる被覆粒状物間の溶出機能のばらつきは小さくなる傾向にある。変動係数は0に近いほど好ましいが、5%に満たない場合には、下記の変動係数の測定方法では、フィラーの形状による測定誤差のために測定が困難であることから、本発明において変動係数は、好ましくは5〜50%、より好ましくは5〜35%である。
溶出コントロール層におけるフィラー分散の変動係数とは、1粒状物の被膜の切断面において、膜厚方向を縦、膜表面に対して平行方向を横とし、1粒状物の被膜の切断面から任意に、縦×横=20μm×50μmの範囲を10箇所、任意に抽出した20粒について走査型電子顕微鏡で観察し、各箇所に存在するフィラー数を計測し、その計測結果から求めた(該変動係数=標準偏差/平均値×100)ものである。
上記の樹脂には、ポリオールの脂肪酸エステルに代表されるノニオン界面活性剤、非イオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤等から、界面活性剤のエステル化度、アルキル基の鎖長、アルキレンオキサイドの付加モル数及び純度を考慮しつつ選択して使用することができる。
尚、溶出コントロール層を構成する樹脂が界面活性剤を含む場合、界面活性剤の被膜(溶出コントロール層)材料中の含有割合は、特に限定されるものではないが、樹脂に対して0.01〜10重量%が好ましく、0.1〜5重量%がより好ましい。
溶出コントロール層には、被膜材料中の樹脂を分解させるため、種々の有機金属化合物を用いてもよい。有機金属化合物としては、例えば有機金属錯体や有機酸金属塩等が挙げられる。中でも光分解性の調節が容易なことから、鉄錯体やカルボン酸鉄が好ましい。例えば、鉄錯体としては、鉄アセチルアセトナート、鉄アセトニルアセトネート、鉄のジアルキルジチオカルバメート、ジチオホスフェート、キサンテート、及びベンズチアゾール等が挙げられる。カルボン酸鉄としては、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等の鉄化合物が挙げられる。これらは単独で添加しても良いし、2種以上を組み合わせて添加しても良い。被膜材料中の有機金属化合物の割合は、0.0001〜1重量%が好ましく、より好ましくは0.001〜0.5重量%である。上記の割合であれば、被覆粒状物の使用時には所期の崩壊性または分解性が得られ、保管中には当初の品質が維持される。
本発明の被覆粒状物において、生物活性物質粒子表面に溶出コントロール層を形成するための方法は、特に限定されるものではない。例えば、溶融させた樹脂及び添加物(樹脂等という)を粒子表面に噴霧する方法、溶剤に樹脂等を溶解または懸濁させた溶解液またはエマルジョンを生物活性物質粒子表面に噴霧する方法(以下「溶解液噴霧法」という)、樹脂等の粉末を生物活性物質粒子表面に付着させ、その後、溶融して被膜を形成させる方法、モノマーを生物活性物質粒子表面に噴霧し、表面で反応させて樹脂化(被膜化)する方法、更に樹脂等の溶融液または溶解液に、生物活性物質粒子を浸すディップ法等で製造することができる。
中でも、生産効率の高さ、及び得られる被膜の均一性等の面から、転動または流動状態にある生物活性物質粒子に樹脂等の溶解液を噴霧により付着させ、その後に熱風に晒して被膜を形成させる溶解液噴霧法が好ましい。溶解液噴霧法の詳細は、例えば特公昭60−3040号公報の実施例の項に開示されている。
溶出コントロール層の厚さは、樹脂の種類や組成、生物活性物質粒子の大きさ、意図する生物活性物質の溶出パターンによって適宜選択可能であるが、平均で10〜100μmが好ましく、20〜70μmがより好ましい。また、被覆粒状物における溶出コントロール層の重量の割合(被覆率)は、1〜20重量%が好ましく、2〜15重量%がより好ましい。
本発明被覆粒状物の被覆層のうち、オーバーコート層は、溶出コントロール層の外側に位置し、水性エマルジョンを主成分としそれに無機系コロイドゾル及び無機フィラーの何れか一方または両方(以下、親水化剤)を含有させた樹脂からなる。オーバーコート層の外側には親水化剤の少なくとも一部を露出させ、表面を荒くすることで水との親和性を高め、更に親水化剤を水系エマルジョン樹脂で付着させ固定させることにより、被覆粒状物に長期に亘る親水性と浮上防止性を付与することを可能とし、農業従事者等が被覆粒状物を使用する際に粉立ちを防止することも可能となった。
尚、親水性と浮上防止性を高めるため、オーバーコート層の外側に更に親水化剤を付着させても良い。
オーバーコート層に用いることのできる樹脂は、被覆粒状物の表面に露出する無機系コロイドゾル及び無機フィラーの何れか一方または両方を長期に亘って付着させ得る付着力を持ち、かつ溶出コントロール層にも長期に亘って付着させ得る樹脂である。オーバーコート層の外側に付着した撥水防止材が水田や畑中で長期間経過しても剥離しにくくなる。
かかる樹脂としては、重合可能な単量体の一種以上を重合開始剤や界面活性剤の存在下で乳化重合させることにより得られるエマルジョンの中から適宜選択して用いることができる。中でも、アクリル樹脂、アルキドポリエステル樹脂、エポキシ系樹脂、シリコン系樹脂、フッ素系樹脂、ウレタン系樹脂等に例示される水性エマルジョンが取り扱い上好ましい。これらは単独使用でも、併用でもよい。これらの中では、溶出コントロール層との付着性や被覆のし易さ等の効果と費用の面においてアクリル樹脂が最も好ましい。
前記アクリル樹脂のガラス転移温度は35〜80℃が好ましく、40〜70℃がより好ましい。ガラス転移温度が上記の範囲内であれば、無機系コロイドゾルや無機フィラーを混合してオーバーコート層形成用の塗工液を作る場合に、無機質コロイド粒子が数次凝集しにくいため均一な分散状態となりやすく、不良の粒状物の発生が少なく浮上防止率が高い。このようなガラス転移温度のものは、使用する単量体の種類及び使用量(配合量)の選択によって得られる。
本発明のアクリル樹脂に使用する単量体としては特に制限はないが、好ましくは以下の物質を例示することができる。例えば、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシルエチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸2−ヒドロキシルエチル、メタクリル酸グリシジル、ジエチレングリコールジメタクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル系単量体、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等の不飽和カルボン酸系単量体等が挙げられる。
アクリル樹脂の重合方法としては、懸濁重合法及び溶液重合法が用いられる。重合に用いられる重合開始剤及び溶媒等は、特に限定されるものではない。重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、α,α’−アゾビスイソブチロニトリル等の一般的なラジカル重合開始剤が使用できる。溶媒としてはイソプロパノール、メチルエチルケトン、酢酸エチル、トルエン等の一般的な有機溶剤が使用できる。重合に用いられる重合開始剤及び溶媒等は、1種類を使用しても2種類以上を混合して使用しても構わない。
前記オーバーコート層に用いる樹脂には、均一な厚さを有するオーバーコート層を形成し、かつ、被覆粒状物の浮上防止性を高めるため、無機系コロイドゾル及び無機フィラーの何れか一方または両方が添加される。無機系コロイドゾル及び無機フィラーは親水化剤として被膜表面に親水性を付与する機能を果たすものである。
前記無機系コロイドゾルとしては、例えばシリカ、アルミナ、水不溶性リチウムシリケート、水酸化鉄、水酸化スズ、酸化チタン、硫酸バリウム等の無機質水性コロイド粒子を、種々の方法で水または親水性媒体中に分散させた、水性ゾルが挙げられ、中でもシリカゾルとアルミナゾルが好適に用いられる。これらは、単独で用いても併用してもよい。
無機系コロイドゾルの固体平均粒子径が10〜200nmの範囲のものが好ましく、平均粒子径の異なる2種以上のコロイドゾルを、組み合わせて用いてもよい。平均粒子径がこの範囲内であれば、無機系コロイドゾルの分散安定性が良く、不良粒子の生成も少ない。
無機系コロイドゾルの配合量は、前記アクリル樹脂単独、または、アクリル樹脂とウレタン系樹脂及びセルロース混合物に対して固形分重量比で0.8〜3にすることが好ましい。配合量がこの範囲内であれば、添加された無機系コロイドゾル一部がオーバーコート層表面に露出して、充分な初期浮上防止及び長期に渡る浮上防止が発揮でき、被覆粒状物使用時の粉立ち等の影響もない。
前記塗工液には、架橋剤を配合しても良く、架橋剤を添加することによって、樹脂成分が架橋し被膜の耐水性が向上する。この際使用される架橋剤は、特に限定されるものではない。
本発明の被覆粒状物に形成されるオーバーコート層被膜の、無機系コロイドゾル及び無機フィラーの固体粒子部分を除く厚さは10μm以下が好ましく、3μm以下がより好ましい。
前記塗工液には、無機フィラーを添加することができる。前記無機フィラーとしては、天然シリカ(珪石、石英等)、合成シリカ(湿式法、乾式法によって合成されたシリカ)、珪酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム等のシリカ系化合物、アルミノ珪酸カルシウム、アルミノ珪酸ナトリウム、アルミノ珪酸カリウム等のアルミノ珪酸化合物、アルミナ、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウム、アルミン酸カルシウム等のアルミン酸化合物、炭酸カルシウム、下記式(1)、下記式(2)、下記式(3)及び下記式(4)で示されるリチウム・アルミニウム複合水酸化物塩系化合物や下記式(5)で示されるハイドロタルサイト類系化合物等の群から選ばれる1種以上の無機フィラーが挙げられる。
Li(Al)(OH)・(An−1/n・mHO (1)
(式中、An−はn価のアニオン、mは0≦m≦3の範囲にある数、nは1≦n≦3の範囲にある数を示す。)
[AlLi(OH)(An−)・mHO (2)
(式中、An−はn価のアニオン、mは3以下の数を示す。)
[(Al)(Li(1−x)・M2+ )(OH)
・(Si(2y+1) 2−)(1+x)・mHO (3)
(式中、M2+は2価の金属イオン、mは0≦m<5の範囲にある数、xは0≦x<1の範囲にある数、yは2≦y≦4の範囲にある数を示す。)
[(Al)(Li(1−x)・M2+ )(OH)
・(An−2(1+x)/n・mHO (4)
(式中、M2+は2価の金属イオン、An―はn価の陰イオンであり、mは0≦m<5の範囲にある数、xは0.01≦x<1の範囲にある数、nは1≦n≦3の範囲にある数を示す。)
2+ 1−xAl(OH)(An−x/n・mHO (5)
(式中、M2+はMg2+、Ca2+、及びZn2+の中から選ばれた少なくとも1種の2価金属イオンを示し、A1 n−はn価のアニオン、xは0<x<0.5の範囲にある数、mは0≦m≦2の範囲にある数、nは1≦n≦3の範囲にある数を示す。)
これらのなかでシリカ系化合物、ハイドロタルサイト系化合物、リチウム・アルミニウム複合水酸化物塩系化合物を好適に用いることができ、より好ましくはシリカ系化合物であり、合成シリカが最も好ましい。特に、比表面積が100〜500m/gである湿式法により合成された含水無晶形二酸化珪素微粉末であると、被覆粒状物の浮上防止効果が優れ、浮上防止効果の持続性が優れる。一般に湿式法により合成された含水無晶形二酸化珪素は、その粒子表面にシラノール基を約8個/nm有しており、この粒子表面のシラノール基の親水性が浮上防止効果の一因と推測される。現に、湿式法により合成された含水無晶形二酸化珪素であっても、焼成処理を施したものは粒子表面のシラノール基が約2個/nmにまで減少しており、無晶形二酸化珪素を用いた場合、浮上防止効果が低下する傾向がある。また、被覆粒状物が種子や根に接触させて使用される場合は、含水無晶形二酸化珪素のpHが5〜7.4が好ましい。
前記無機フィラーとしては、JIS Z 8830に従って測定される比表面積が1〜500m/g、好ましくは10〜200m/gのものが好適に用いられる。比表面積がこの範囲であれば、粒状物中の無機フィラーと、塗工液中の無機フィラーの相互作用により、塗工被膜の密着性が更に良好になる。
粒状物の塗工液への無機フィラーの添加量は20〜80重量%が好ましく、添加量がこの範囲であれば、添加された無機フィラーの一部がオーバーコート層表面に露出して、充分な初期浮上防止及び長期に渡る浮上防止が発揮でき、無機フィラーの脱落による粉立ちの発生も少ない。無機系コロイドゾルと併用する場合は無機フィラーが前記範囲内であることが好ましい。
オーバーコート層表面を走査型電子顕微鏡(SEM)で5000〜50000倍程度の倍率で表面から観察すると、無機系コロイドゾル及び無機フィラーの一部が表面に露出している事が確認できる。また、エネルギー分散型のX線分析装置(EPMAまたはSEM/EDX)により、無機系コロイドゾル及び無機フィラーを検出する事で確認できる。
また、オーバーコート層に用いられる樹脂には界面活性剤を添加する事ができる。界面活性剤はオーバーコート層中の無機材料の分散を良くすると共に、撥水性の防止に役立つ。界面活性剤としては脂肪酸エステルに代表されるノニオン界面活性剤をあげることができる。界面活性剤の添加量は0.1〜5重量%が好ましく、HLBは15以下が好ましく、11〜13がより好ましい。界面活性剤の添加量が上記の範囲であれば、効果が十分で溶出コントロールに影響することもない。
本発明の被覆粒状物において、オーバーコート層の厚さは、樹脂の種類や組成、生物活性物質粒子の大きさ、オーバーコート層の外側に付着される撥水防止剤の種類や量によって適宜選択可能であるが、平均で1〜30μmが好ましく、3〜20μmがより好ましい。また、被覆粒状物におけるオーバーコート層の重量の割合(被覆率)は、0.1〜3重量%が好ましく、0.5〜2重量%がより好ましい。上記範囲であれば、浮上防止効果が得られ経済性も損なわれない。
溶出コントロール層の外側にオーバーコート層を形成する方法としては、特に限定はなく、ディップコート法、スプレーコート法、刷毛塗り法等の溶出コントロール層の形成方法が使用できる。例えば、転動ドラム、パン、流動層、噴流層、レーディゲミキサー等のような粒子を転動・流動させる装置を用いて溶出コントロール層を有する被覆生物活性物質粒子を加温し、該粒子に、本発明塗工液をスプレー等による噴霧や滴下することによって該粒子に加えた後、該粒子を転動・流動状態のまま熱風等を送気し、塗工液を乾燥して被膜を形成する方法である。これら装置は均一攪拌できる装置が好ましい。
前記塗工液を溶出コントロール層被覆粒状物に塗工した後は、自然乾燥、非加熱風乾燥、加熱熱風乾燥、赤外線乾燥、遠赤外線乾燥、UV硬化等の処理方法が用いられるが、好ましくは熱風乾燥である。熱風乾燥の際の乾燥温度は塗工液の組成により異なり、溶出コントロール層に用いた樹脂の融点または軟化点の5℃以下の温度であれば、特に限定されるものではないが、60〜150℃の範囲である。
本発明においては、オーバーコート層の外側に露出する親水化剤の量を多くして、被覆粒状物の浮上防止効果を高めるため、本発明効果を損なわない範囲でオーバーコート層の上に親水化剤を付着させてもよい。付着処理により、親水化剤は樹脂に付着または粘着して固定されるが、一部は表面に露出した状態を保つ。
付着処理に用いられる親水化剤としては、該無機系コロイドゾル及び該無機フィラーのほか、タルク、クレー、ベントナイト、ピートモス、活性炭粉末、ケイソウ土、酸化鉄の微粉末を挙げることができる。中でも無機フィラーのシリカが好ましい。
本発明の被覆粒状物において、オーバーコート層の外側に少なくとも一部が露出して付着する親水化剤の量は、親水化剤の種類や大きさ等によって適宜選択可能であるが、0.5〜5g/mが好ましい。また、付着される親水化剤の量は、被覆粒状物に対して0.01〜0.7重量%が好ましく、この範囲であれば浮上防止効果が十分であり、オーバーコート層への付着が容易である。また、平衡水分1.5〜15重量%であると吸湿性が良く溶出制御にも影響を与えない範囲で使用できるので好ましい。
オーバーコート層の外側に親水化剤を付着処理する方法としては、特に限定はなく、噴流塔を用いて、噴流状態のオーバーコート層を有する粒子に、熱風中に親水化剤の微粉末を分散させ、オーバーコート層の外側に親水化剤を付着させる方法が挙げられる。また、コーティングドラムに代表されるような通常の防湿または固結防止のための粉体被覆法を用いても、十分な浮上防止効果を得ることができる。物理的な外力によりオーバーコート層に親水化剤の粒子の一部がめり込み、粒子の一部が方面に露出するような付着処理方法が好ましい。
親水化剤のコート層の外側表面への付着処理時の温度等は特に限定するものではないが、付着を効率よく行うためには、オーバーコート層の融着等が起こらない範囲でオーバーコート層の表面温度を上げた状態で付着処理を行う方法が推奨される。この際の温度は特に限定されるものではないが、オーバーコート層に用いた樹脂の融点または軟化点の5℃以下の温度である。
本発明においては、被覆粒状物の初期の親水性を高め浮上を防止するため、付着処理に用いられる親水化剤として、界面活性剤を用いることができる。この場合は土壌中の水に界面活性剤が流亡する恐れがあるので、長期の効果を期待する時は界面活性剤の水溶性に配慮することが必要である。界面活性剤は他の親水化剤と併用しても良い。また、オーバーコート層の樹脂に界面活性剤を添加しても良い。
界面活性剤のHLBは6〜20が好ましく、9〜16が更に好ましい。この界面活性剤は非イオン性界面活性剤、イオン性界面活性剤の何れも用いることができる。非イオン性の界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンフェニルエーテル類、ポリエチレングリコールと脂肪酸のエステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸モノエステル類、ポリオキシエチレンアミン類等が挙げられる。また、イオン性界面活性剤としては、脂肪酸塩類、高級アルコールサルフェート類、アルキルベンゼンスルホン酸塩類等を挙げることができる。
以下、実施例によって本発明を説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。尚、以下の実施例における「%」は特に断りがない限り「重量%」である。
(a)初期浮上率の測定
被覆粒状物100粒をシャーレに入れ、純水をシャーレの壁に沿わせて10ml/minで注水した。50ml注水後水面に浮上している粒子数を初期浮上率とした。
(b)経時後浮上率の測定
目開き2mmの篩で篩い、105℃で3日間乾燥した黒ボク土100gと被覆粒状物100粒子を混合した後500mlポリ瓶に入れ、純水300mlを加えて攪拌し混合した後、40℃90日間恒温水槽で保存した。その後、目開き2mmの篩で篩い、105℃で3日間乾燥した黒ボク土500gの上に全量取り出し、水を除き、土壌ごと30℃で7日間熱風乾燥した。その後1200mlの水をゆっくり注水し、このとき水面に浮上している粒子状の被覆材の数を求めて経時後浮上率とした。
(c)撥水防止剤の表面露出の観察
被覆粒状物の表面を走査型電子顕微鏡で観察し、表面に無機系コロイドゾルまたは無機フィラーの少なくとも一部が露出しているか否かを観察した。この評価基準は次の通りである。
○:被覆粒状物の表面に撥水防止剤が露出している。
×:被覆粒状物の表面に撥水防止剤が露出していない。
(d)剥離試験
被覆粒状物100gを300ml容の三角フラスコに入れ振とう機で1時間振とうした後、被覆粒状物を排出する。三角フラスコの内壁の付着状況を肉眼で観察した。この評価基準は次の通りである。付着が少ないほど、被膜と親水化剤との密着性が良好である。
○:オーバーコート層の剥離がほとんど無く、フラスコ壁面も透明のまま。
×:オーバーコート層の剥離が見られ、フラスコ壁面に濁りあり。
1.生物活性物質粒子の製造
1)一次粒子の製造
尿素を加熱可能な容器に投入し130℃で加熱溶融し尿素溶融液を得た。該尿素溶融液を1時間撹拌後、直径3mmのコック付ガラス管から、容量5Lのステンレス容器中で50℃に加温され液深さ20cmの流動パラフィン液面に滴下し粒状物を得た。流動パラフィン液面からガラス管出口までの高さは20cmであった。この時、得られた尿素粒子が2〜3.5mm程度になるように流量を調節した。次いで該粒状物をヘキサンで洗浄し、乾燥後に粒径2〜3.5mmの篩にかけ一次粒子を得た。
2)二次粒子の製造
高温熱風が下部から上部に向けて流入し、噴流塔の上部に設置されている排ガス用出口から排出されるように循環している、塔径250mm、高さ2000mm、空気噴出口径50mm、円錘角50度の形状を有する噴流塔の内部に、上記で得た一次粒子を噴流塔の側面に設置されている投入口から投入し、一次粒子を噴流状態にする。この際、粒子温度が70℃±2℃になるように、排気温度を測定しながら熱風温度を調節した。熱風流量は流量計で測定しながら調節した。別途、溶解槽において尿素を融解し造粒用尿素融解液を作成した。
造粒が終了するまで溶解槽は常時攪拌した。該造粒用尿素融解液を噴流塔の下部に設置されている開口0.6mmフルコン型一流体ノズルであるスプレーノズルに輸送し、噴流状態にある一次粒子に噴霧し吹き付けた。この時、該造粒用尿素融解液の温度が130℃以下にならないように、溶解槽と溶解槽からスプレーノズルに至るまでの配管とを二重構造にして、蒸気を通して、該被覆材料溶解液を加温しながら輸送した。
前述の造粒操作は、噴流状態にある一次粒子の温度が70℃に達した時点から開始し、噴霧量が投入した一次粒子の20重量%となるまでの所定時間スプレーした後ブロアーを止め、噴流塔1の最下部にある抜き出し口より排出し二次粒子を得た。
3)三次粒子の製造
二次粒子を回転円盤式整粒機(不二パウダル株式会社製、マルメライザーQJ400)に供給し、円形度係数が0.7以上になるまで平滑化処理を行った。処理後、二次粒子を、熱風循環乾燥機を用いて50℃で3日間乾燥し、次いで75℃で4時間乾燥した後に目開き1.0〜4.0mmの篩にかけ分級し三次粒子(生物活性物質粒子)を得た。
得られた生物活性物質粒子(三次粒子)の前述の式による円形度係数は、NIRECO社製のIMAGE ANALYZER LUZEX-FSを用いて測定した。測定はランダムに取り出した粒子100個を用いて行った。測定結果は0.9945であった。
2.生物活性物質粒子の溶出コントロール層形成
図1に示す製造装置を用いて次の方法により溶出コントロール層を形成した。
熱風が噴流塔1の下部から上部に向けて流れ集塵機6を通過し、コンデンサー7でガスを冷却し、溶媒を凝縮回収する。コンデンサー7を通過したガスはブロワー8からヒーター12を通過して加熱され熱風として再度噴流塔1へ導かれるように循環している。塔径450mm、高さ6000mm、空気噴出口径100mm、円錘角50度の形状を有する噴流塔1の内部に、上記で得た三次粒子(生物活性物質粒子)を噴流塔1の側面に設置されている投入口から投入し、三次粒子を噴流状態にする。この際、粒子温度が70℃±2℃になるように、熱風流量及び熱風温度を調節した。熱風流量はブロワー9と整流缶11の間に設置した流量計で測定しながら調節し、熱風温度は、粒子温度や排気温度(噴流塔1上部温度)を測定しながら調節した。他方、溶解槽9に被膜材料組成としてポリエチレン(低密度ポリエチレン、密度0.923g/cm(JIS K 6760)、メルトフローレート(MFR)0.3g/10min.(JIS K 6760))50重量部、コーンスターチ5重量部、タルク(平均粒経10μm)45重量部、鉄アセチルアセトナート錯体0.01重量部の各成分とテトラクロロエチレン1900重量部を投入し、100℃±2℃で1時間混合撹拌することによって樹脂を溶解し、濃度5重量%の均一な被膜材料溶解液を調製した。
被覆が終了するまで溶解槽9は常時攪拌した。該被膜材料溶解液を、噴流塔の下部に設置されている開口0.8mmフルコン型一流体ノズルであるスプレーノズル2に流速150kg/hで輸送し、流動中の生物活性物質粒子に噴霧し吹き付けた。この時、該被膜材料溶解液の温度が80℃以下にならないように、溶解槽9と溶解槽9からスプレーノズル2に至るまでの配管5とを二重構造にしておき、蒸気を通して、該被膜材料溶解液を加温しながら輸送した。
前述の被覆操作は、流動中の生物活性物質粒子の温度が70℃に達した時点から開始し、被覆量が最終の被覆粒状物に対しての12%となるまで行い、その後、粒子温度を70℃±2℃に維持することに留意して熱風の温度調節をしながら10分間熱風のみを吹きつけて乾燥を実施し、乾燥が終了した時点で、被覆された生物活性物質粒子を、噴流塔の最下部にある抜き出し口13より排出し、脱溶媒処理を経て溶出コントロール層を有する生物活性物質粒子を得た。これを被覆粒状物1とする。
3.溶出コントロール層の形成条件
一流体ノズル:出口径0.8mmフルコーン型
粒状尿素 :30kg
被覆中の粒子温度:70℃
溶解温度 :100〜110℃
噴霧液温度 :80〜100℃
熱風温度 :130〜140℃
熱風風量 :440m/hr
スプレー流速:150kg/h
4.生物活性物質粒子のオーバーコート層の形成
1)塗工液の作製
塗工液に用いられるアクリル樹脂は、表1に記載のモノマー配合組成に従い、溶媒としてMEK(メチルエチルケトン)を用い、開始剤としてベンゾイルパーオキサイドをモノマー合計量に対し1重量%使用して、70℃で3時間、更にベンゾイルパーオキサイドを0.5重量%追加して70℃で3時間反応を行って得られた。尚、溶媒中のアクリル樹脂濃度は40重量%になるように調整した。上記の原料の合計重量に重合開始剤を1重量%別途添加した。
Figure 2005324981
上記の原料の合計重量に重合開始剤を1重量%別途添加した。
被膜に用いられる塗工液は、表2に記載の塗工液の配合組成に従い、水/IPA(イソプロピルアルコール)溶剤にて塗工液を得た。
2)塗工処理
2.項で得られた溶出コントロール層を有する生物活性物質粒子(被覆粒状物1)10kgを図2に示した直径60cmの糖衣機の回転容器4に入れ、ブロワー7、ヒーター8、熱風吹込管6より60±5℃の空気を吹き込み該粒子の温度を50±3℃に加温した。30rpmの回転速度で該被覆粒状物1を転動させながら、前記1)で調整しておいた塗工液(オーバーコート層用樹脂含有)をポンプ3を通してスプレーノズル5から0.3kg/minで該粒状物に向けて噴霧し、熱風吹込管6より60±5℃の空気を300m/hで吹き込み、表2記載の被覆率になるまで乾燥し、塗膜を形成して比較例1〜9、実施例1〜15の被覆粒状物を得た。
Figure 2005324981
(略号と成分)
樹脂1:表1の樹脂1、固形分40重量%
樹脂2:表1の樹脂2、固形分40重量%
樹脂3:ウレタン系樹脂、HUX232、旭電化工業製、固形分30重量%
シリカ:コロイダルシリカ、商品名スノーテックスC、日産化学製、平均粒子径15nm、SiO20%
フィラー1:ホワイトカーボン、塩野義製薬製、商品名カープレックス#80−D、比表面積169m/g
フィラー2:タルク、商品名PK50、富士タルク製、比表面積2.24m/g
フィラー3:合成ハイドロタルサイト、商品名DHT−4A、協和化学工業製、比表面積11m/g
フィラー4:銑鉄用溶解炉煙霧中SiOダスト、巴工業製、平均粒子径0.15μm、含水率0.4%、比表面積16〜20m/g
液状分散媒:水/イソプロピルアルコール=3/1(重量比)の混合液
溶出コントロール層を有する生物活性物質粒子の表面を、水性エマルジョンを主成分とし無機系コロイドゾル及び無機フィラーの何れか一方または両方を含有する樹脂で被覆することによって、施用直後は勿論、翌年であっても、被覆生物活性物質及びその被膜材料の浮上を抑制できることが判明した。
被覆肥料、被覆農薬の分野に有用に利用可能である。
被覆に使用する装置のフローシート。 糖衣機の概略図
符号の説明
(図1の符号)
1.噴流塔
2.スプレーノズル
3.粒子
4.熱風
5.溶解液
6.集塵機
7.コンデンサー
8.ブロワー
9.溶解槽
10.ポンプ
11.整流缶
12.ヒーター
13.抜き出し口
(図2の符号)
1:塗工液タンク
2:配管
3:ポンプ
4:回転容器
5:スプレーノズル
6:熱風吹込管
7:ブロワー
8:ヒーター

Claims (6)

  1. 樹脂からなる被覆層を有する生物活性物質の粒状物であって、被覆層が生物活性物質粒子表面を直接被覆する溶出コントロール層、及び溶出コントロール層の外側に位置するオーバーコート層の少なくとも二層からなり、オーバーコート層が水性エマルジョンを主成分とし無機系コロイドゾル及び無機フィラーの何れか一方または両方を含有する被覆粒状物。
  2. オーバーコート層を構成する水性エマルジョンがアクリル樹脂である請求項1記載の被覆粒状物。
  3. 無機系コロイドゾルの固体平均粒子径が10〜200nmである請求項1または2記載の被覆粒状物。
  4. 無機フィラーの比表面積が1〜500m/gである請求項1〜3のいずれか1項記載の被覆粒状物。
  5. 無機フィラーがシリカ系化合物、ハイドロタルサイト系化合物、リチウム・アルミニウム複合水酸化物塩系化合物から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜4のいずれか1項記載の被覆粒状物。
  6. 溶出コントロール層を構成する樹脂がオレフィン系重合体である請求項1〜5のいずれか1項記載の被覆粒状物。



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