JP4739505B2 - 被覆生物活性粒状物およびその製造方法 - Google Patents
被覆生物活性粒状物およびその製造方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は被覆生物活性粒状物およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
就農人口が減少し、且つ就農者が高齢化している近年の農業環境においては、肥料や農薬をはじめとする生物活性物質の施肥や散布などの作業の省力化と効率化が求められ、樹脂や硫黄で肥料粒子を被覆した被覆肥料や、樹脂で農薬粒子を被覆した被覆農薬が開発され、その技術内容は特許などを通じて既に公開されている。
【0003】
被覆肥料としては、例えば特開昭63−162593号公報には、作物の吸収にあわせて肥料成分を適期に供給することができる被覆粒状尿素硝酸加里肥料が開示され、特開平4−202079号公報には、溶出開始時期が調節できる重層被覆粒状肥料が開示されている。
【0004】
一方、被覆農薬としては、例えば特公昭64−5002号公報には、農薬成分の放出を徐放化した被覆粒状農薬が開示され、特開平6−9303号公報には、高吸水膨潤性物質層とオレフィン系重合体層からなる多層被膜で農薬粒剤を被覆した被覆農薬粒剤が開示されている。
それら何れの被覆肥料、被覆農薬も、溶出パターンや溶出速度などの所望の放出機能を発現するよう設計、製造されたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これら被覆肥料や被覆農薬に代表される被覆生物活性粒状物の各活性物質放出機能は極めて有効なものであるが、製造から使用に至るまでの間に、該被覆生物活性粒状物の被膜が過度の物理的な衝撃を受けるような場合には、所望の放出機能が得られない場合があった。
【0006】
また、被覆生物活性物質に含まれる生物活性物質の濃度を上げることを目的として被膜を薄くした場合には、過度の物理的衝撃を受けない場合であっても所望の放出機能が得られない場合があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは前述の従来技術の問題点に鑑み鋭意研究を重ねた。その結果、デューロメータD硬さが54〜71の範囲である樹脂を含有する被膜材料で生物活性物質粒子の表面を被覆した被覆生物活性粒状物であれば、該被覆生物活性粒状物の被膜が過度の物理的な衝撃を受けるような場合、もしくは被膜を薄くした場合であっても所望の放出機能が得やすいことを見出し、この知見に基づいて本発明を完成させた。
【0008】
以上の記述からも明らかなように本発明の目的は、被覆生物活性粒状物の被膜が過度の物理的な衝撃を受けるような場合、もしくは被膜を薄くした場合であっても所望の放出機能が得やすい被覆生物活性粒状物、並びにその製造方法を提供することにある。
【0009】
本発明は以下の(1)〜(7)の構成からなる。
1)生物活性物質粒子の表面が、デューロメータD硬さが54〜71の範囲である、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンおよび高密度ポリエチレンから選ばれた1種または2種以上の熱可塑性樹脂を含有する被膜材料で被覆された被覆生物活性粒状物。
【0014】
2)熱可塑性樹脂が、0.920〜0.940g/cm3の範囲の密度を有する前記第1項記載の被覆生物活性粒状物。
【0015】
3)熱可塑性樹脂が、0.1〜7g/10minの範囲のメルトフローレイトを有する前記第1項記載の被覆生物活性粒状物。
【0016】
4)熱可塑性樹脂が、8〜26MPaの範囲の引張破断強度を有する前記第1項記載の被覆生物活性粒状物。
【0017】
5)熱可塑性樹脂が、93〜118℃の範囲のビカット軟化温度を有する前記第1項記載の被覆生物活性粒状物。
【0018】
6)生物活性物質粒子の表面に、被膜材料を溶剤に溶解させた被膜材料溶解液を付着させ、該生物活性物質粒子の表面に被膜を形成させる被覆生物活性粒状物の製造方法において、被膜材料と溶剤とを混合撹拌する温度における該被膜材料溶解液の粘度が0.5〜40[mPa・s]の範囲であることを特徴とする前記第1項〜第5項の何れか1項記載の被覆生物活性粒状物の製造方法。
【0019】
7)生物活性物質粒子の表面に被膜材料を溶剤に溶解させた被膜材料溶解液を付着させ、該生物活性物質粒子の表面に被膜を形成させる被覆生物活性粒状物の製造方法において、被膜材料と溶剤とを混合撹拌する温度における該被膜材料溶解液の粘度が0.5〜40[mPa・s]の範囲であり、且つ下記工程を順に20〜160回繰り返し行うことを特徴とする前記第1項〜第5項の何れか1項記載被覆生物活性粒状物の製造方法。
(1)膜厚が0.1〜6μmになる量の被膜材料溶解液を、生物活性物質粒子の表面に付着させる工程。
(2)被膜を形成させる工程。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明で使用する生物活性物質粒子とは、生物活性物質を含有する粒子のことであり、該生物活性物質粒子が含有する生物活性物質の含有割合は特に限定されるものではないが、0.01〜100重量%の範囲であることが好ましく、特に、生物活性物質が以下に挙げるような肥料である場合には、60〜100重量%であることが好ましく、生物活性物質が以下に挙げるような農薬である場合には、0.01〜50重量%の範囲であることが好ましい。
【0021】
生物活性物質とは、農作物、有用植物、農産物などの植物体の育成、保護の目的で用いられるものであり、使用目的に応じて増収、農作物の高品質化、病害防除、害虫防除、有害動物防除、雑草防除、更には、農作物の生育促進、生育抑制、矮化などの効果をもたらすものであって、具体的には肥料、農薬、微生物等を挙げることができる。特に被覆生物活性粒状物に用いる場合、生物活性物質が肥料または農薬であると、その使用目的に対して比較的高い効果が得られる。
【0022】
肥料としては、窒素質肥料、燐酸質肥料、加里質肥料のほか、植物必須要素のカルシウム、マグネシウム、硫黄、鉄、微量要素やケイ素等を含有する肥料を挙げることができる。具体的には、窒素質肥料として硫酸アンモニア、尿素、硝酸アンモニアのほか、イソブチルアルデヒド縮合尿素、アセトアルデヒド縮合尿素等が挙げられ、燐酸質肥料としては過燐酸石灰、熔成リン肥、焼成リン肥等が挙げられ、加里質肥料としては硫酸加里、塩化加里、ケイ酸加里肥料等が挙げられ、その形態としては特に限定はない。また、肥料の三要素の合計成分量が30%以上の高度化成肥料や配合肥料、更には、有機質肥料でもよい。また、硝酸化成抑制材や農薬を添加した肥料でもよい。
【0023】
農薬としては、病害防除剤、害虫防除剤、有害動物防除剤、雑草防除剤、植物生長調節剤を挙げることができ、これらであればその種類に制限なく使用することができる。
病害防除剤とは、農作物等を病原微生物の有害作用から保護するために用いられる薬剤であり、主として殺菌剤が挙げられる。害虫防除剤とは、農作物等の害虫を防除する薬剤であり、主として殺虫剤が挙げられる。有害動物防除剤とは、農作物等を加害する植物寄生性ダニ、植物寄生性線虫、野そ、鳥、その他の有害動物を防除するために用いる薬剤である。雑草防除剤とは農作物や樹木等に有害となる草木植物の防除に用いられる薬剤であり、除草剤とも呼ばれる。植物生長調節剤とは、植物の生理機能の増進あるいは抑制を目的に用いられる薬剤である。
【0024】
農薬は、常温で固体の粉状であることが望ましいが常温で液体であっても良い。また、本発明においては、農薬が水溶性であっても、水難溶性であっても、水不溶性のものであっても用いることができ特に限定されるものではない。
農薬としてその具体例を下記に挙げるが、これらはあくまでも例示であり、これらに限定されるものではない。また、農薬は1種であっても、2種以上の複合成分からなるものであっても良い。
【0025】
例えば、1−(6−クロロ−3−ピリジルメチル)−N−ニトロイミダゾリジン−2−イリデンアミン、O,O−ジエチル−S−2−(エチルチオ)エチルホスホロジチオエート、1,3−ビス(カルバモイルチオ)−2−(N,N−ジメチルアミノ)プロパン塩酸塩、2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチル−7−ベンゾ〔b〕フラニル=N−ジブチルアミノチオ−N−メチルカルバマート、(2−イソプロピル−4−メチルピリミジル−6)−ジエチルチオホスフェート、5−ジメチルアミノ −1,2,3−トリチアンシュウ酸塩、O,O−ジプロピル−O−4−メチルチオフェニルホスフェート、
【0026】
エチル=N−〔2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチルベンゾフラン−7−イルオキシカルボニル(メチル)アミノチオ〕−N−イソプロピル−β−アラニナート、1−ナフチル−N−メチルカーバメート、2−イソプロポキシフェニル−N−メチルカーバメート、ジイソプロピル−1,3−ジチオラン−2−イリデン−マロネート、5−メチル−1,2,4−トリアゾロ〔3,4−b〕ベンゾチアゾール、1,2,5,6−テトラヒドロピロロ〔3,2,1−ij〕キノリン−4−オン、3−アリルオキシ−1,2−ベンゾイソチアゾール−1,1−ジオキシド、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸のナトリウム塩、ジメチルアミン塩またはエチルエステル。
【0027】
2−メチル−4−クロロフェノキシ酢酸のナトリウム塩またはエチル、ブチルエステル。2−メチル−4−クロロフェノキシ酪酸のナトリウム塩またはエチルエステル。α−(2−ナフトキシ)プロピオンアニリド、S−1−メチル−1−フェニルエチル=ピペリジン−1−カルボチオアート、S−(4−クロロベンジル)−N,N−ジエチルチオカーバメート、5−ターシャリーブチル−3−(2,4−ジクロル−5−イソプロポキシフェニル)−1,3,4−オキサジアゾリン−2−オン、
【0028】
2−〔4−(2,4−ジクロロベンゾイル)−1,3−ジメチルピラゾール−5−イルオキシ〕アセトフェノン、4−(2,4−ジクロロベンゾイル)−1,3−ジメチル−5−ピラゾリル−p−トルエンスルホネート、3−イソプロピル−2,1,3−ベンゾ−チアジアジノン−(4)−2,2−ジオキシドまたはそのナトリウム塩、2−クロロ−4−エチルアミノ−6−イソプロピルアミノ−s−トリアジン、
【0029】
2−メチルチオ−4−エチルアミノ−6−(1,2−ジメチルプロピルアミノ)−s−トリアジン、2−メチルチオ−4,6−ビス(エチルアミノ)−s−トリアジン、2−メチルチオ−4,6−ビス(イソプロピルアミノ)−s−トリアジン、1−(α,α−ジメチルベンジル)−3−(パラトリル)尿素、メチル=α−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イルカルバモイルスルファモイル)−ο−トルアート、
【0030】
2−ベンゾチアゾール−2−イルオキシ−N−メチルアセトアニリド、1−(2−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イルスルホニル)−3−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル尿素、S−ベンジル=1,2−ジメチルプロピル(エチル)チオカルバマート、2−クロロ−N−(3−メトキシ−2−テニル)−2´,6´−ジメチルアセトアニリド等を挙げることができる。
【0031】
更に、農薬として、植物が接触した後に植物によって合成され、植物体内に蓄積する低分子の抗菌性物質であるファイトアレキシンを誘導する物質を挙げることができる。
微生物としては、病原微生物の繁殖抑制効果のあるものを用いることができる。具体的にはトリコデルマ属(トリコデルマ・リグノーラム、トリコデルマ・ビィリディなど)、グリオクラディウム属(グリオクラディウム・ビレンスなど)、セファロスポリウム属、コニオシリウム属、スポリデスミウム属、ラエティサリア属などの糸状菌、アグロバクテリウム属(アグロバクテリウム・ラディオバクター)、バチルス属(バチルス・ズブチリス)、シュードモナス属(シュードモナス・セパシア、シュードモナス・グルメ、シュードモナス・グラディオリ、シュードモナス・フロルエッセンス、シュードモナス・アウレオファシエンス、シュードモナス・プチダなど)、キサントモナス属、エルビニア属、アースロバクター属、コリネバクテリウム属、
【0032】
エンテロバクター属、アゾトバクター属、フラボバクテリウム属、ストレプトマイセス属(ストレプトマイセス・アクロモゲナス、ストレプトマイセス・ファエオパーピュレンス、ストレプトマイセス・ヒグロスコピカス、ストレプトマイセス・ニトロスポレンス、ストレプトマイセス・バーネンシスなど)、アクチノプラネス属、アルカリゲネス属、アモルフォスポランギウム属、セルロモナス属、マイクロモノスポラ属、パスチュリア属、ハフニア属、リゾビウム属、ブラディリゾビウム属、セラティア属、ラストニア属(ラストニア・ソラナセアラム)などの細菌および放線菌を挙げることができる。
【0033】
これらの中で好ましく使用できるものは、抗菌活性物質産生菌である。具体的には抗菌物質生産能の高いシュードモナス属細菌であり、例えば抗生物質を生産する菌株としては抗生物質ピロールニトリン(対ダイコン苗立枯病菌)を生産するシュードモナス・セパシア、抗生物質フェナジンカルボン酸(対コムギ立枯病菌)やピロールニトリン、ピオルテオリン(対ワタ苗立枯病菌、キュウリ苗立枯病菌)、シアン化物(タバコ黒根病菌)、ディアセチルフログルシノール(対コムギ立枯病菌)などを生産するシュードモナス フロルエッセンス、更には土壌中の鉄を病原菌に利用させず、植物にのみ利用できるようにする鉄キレート物質シデロフォア(シュードバクチン、蛍光性シデロフォア:ピオベルディン)などを生産する蛍光性シュードモナス属菌(シュードモナス・プチダ、シュードモナス・フロルエッセンスなど)を挙げることができる。
【0034】
その他の微生物としては、バクテリオシンのアグロシン84(対根頭がんしゅ病菌)を生産するアグロバクテリウム・ラディオバクターや植物ホルモンなどの生育増進物質を生産する生育増進性根圏細菌(PGPR)として蛍光性シュードモナス(シュードモナス・プチダ、シュードモナス・フロルエッセンスなど)やバチルス属などが挙げられる。
特にCDU分解菌群(シュードモナス属、アースロバクター属、コリネバクテリウム属、アグロバクテリウム属など)やストレプトマイセス属の菌株(例えば特公平5−26462号公報に開示の微工研寄託第10533号)は土壌伝染性の病原性糸状菌に対し顕著な抑止力を有するため好ましく用いられる。
【0035】
本発明に使用する生物活性物質粒子は、前述の生物活性物質を1種以上含有するものであれば良いが、本発明の効果を損なわない範囲であれば、それ以外の成分として、クレー、カオリン、タルク、ベントナイト、炭酸カルシウムなどの担体や、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、澱粉類などの結合剤を含有するものであっても構わない。また、必要に応じ、例えばポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等の界面活性剤や廃糖蜜、動物油、植物油、水素添加油、脂肪酸、脂肪酸金属塩、パラフィン、ワックス、グリセリンなどを含有したものであっても構わない。
【0036】
該粒子の造粒方法としては、押出し造粒法、流動層式造粒法、転動造粒法、圧縮造粒法、被覆造粒法、吸着造粒法等を用いることができる。本発明においては、これらの造粒法のいずれを使用しても良いが、押し出し造粒法が最も簡易である。
【0037】
該粒子の粒径は特に限定されるものではないが、例えば、肥料の場合においては1.0〜10.0mmであり、農薬の場合においては0.3〜3.0mmであることが好ましい。これらは篩いを用いることにより、前記範囲内で任意の粒径を選択することができる。
【0038】
該粒子の形状は特に限定されるものではないが、後述の時限放出型の放出機能を発現させるためには球状のものが好ましい。具体的には、粒子の円形度合いを知るための尺度である円形度係数を用いるとよく、式{(4π×粒子の投影面積)/(粒子投影図の輪郭の長さ)2}によって求められた値が0.7以上のものが好ましく、より好ましくは0.75以上であり、更に好ましくは0.8以上である。円形度係数の最大値は1であり、1に近づくほど粒子は真円に近づき、粒子形状が真円から崩れるに従って円形度係数は小さくなる。
【0039】
例えば、施用後一定期間生物活性物質の放出が抑制された放出抑制期間(以下「d1」と記述する。)と、施用後一定期間経過後放出が持続する放出期間(以下「d2」と記述する。)とからなる時限放出型の放出機能を有する被覆生物活性粒状物(以下「時限溶出型被覆生物活性粒状物」と記述する。)において、円形度係数が0.7を下回る生物活性物質粒子が増えると、該粒子を用いて得られる時限放出型の放出機能を有する被覆生物活性粒状物のd1における放出抑制が不十分となり、生物活性物質の洩れを生じやすくなる傾向にあるため、本発明に用いる生物活性物質粒子は全てが0.7以上のものであることが好ましい。なお上記の円形度係数は、PIAS−IV(株式会社ピアス製)等の市販の測定機器を用いることにより測定することができる。
【0040】
本発明に使用する被膜材料は、デューロメータD硬さが54〜71の範囲である樹脂を含有するものである。被膜材料が含有する樹脂のデューロメータD硬さが54〜71の範囲であれば、製造から使用に至るまでの間に、該被覆生物活性粒状物の被膜が過度の物理的な衝撃を受けるような場合にも、所望の放出機能が得やすい。さらに、被覆生物活性物質に含まれる生物活性物質の濃度を上げることを目的として被膜を薄くした場合も同様である。なお、デューロメータD硬さはJIS K7215の方法によって測定することができる。
【0041】
該被膜材料が含有する該樹脂は、1種類でもよく、また、2種以上を用いても良い。また該被膜材料は、本発明の効果を損なわない範囲であれば、デューロメータD硬さが54〜71の範囲外である樹脂を含有するものであっても良い。さらに該被膜材料は、本発明の効果を損なわない範囲であれば、フィラーや界面活性剤などを含有するものであっても良い。
【0042】
該被膜材料に含まれるデューロメータD硬さが54〜71の範囲である樹脂の含有割合は特に限定されるものではないが、該被膜材料に対して10〜100重量%の範囲であることが好ましく、より好ましくは20〜100重量%の範囲である。該被膜材料に含まれるデューロメータD硬さが54〜71の範囲である樹脂の割合が10重量%以上であれば、製造から使用に至るまでの間に、該被覆生物活性粒状物の被膜が過度の物理的な衝撃を受けるような場合にも、所望の放出機能が得やすい。
【0043】
該被膜材料がフィラーを含む場合、該被膜材料に含まれるフィラーの含有割合は特に限定されるものではないが、該被膜材料に対して5〜90重量%の範囲であることが好ましく、より好ましくは30〜80重量%の範囲である。
【0044】
該被膜材料が界面活性剤を含む場合、該被膜材料に含まれる界面活性剤の含有割合は特に限定されるものではないが、該被膜材料に対して0.01〜15重量%の範囲であることが好ましく、より好ましくは0.1〜5重量%の範囲である。
【0045】
本発明に使用する樹脂は、デューロメータD硬さが54〜71の範囲である樹脂であれば特に限定されるものではなく、具体的には、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、エマルジョン等を挙げることができる。
【0046】
熱可塑性樹脂としては具体的に、オレフィン系重合体、塩化ビニリデン系重合体、ジエン系重合体、ワックス類、ポリエステル、石油樹脂、天然樹脂、油脂およびその変性物、ウレタン樹脂を挙げることができる。
【0047】
オレフィン系重合体としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−一酸化炭素共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体、エチレン−ブタジエン共重合体、ポリブテン、ブテン−エチレン共重合体、ブテン−プロピレン共重合体、ポリスチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタアクリル酸共重合体およびエチレン−メタアクリル酸エステル共重合体等が例示でき、塩化ビニリデン系重合体としては、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体あるいはジエン系重合体の水素化物が例示できる。
【0048】
なお、本発明におけるポリエチレンは、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、および超低密度ポリエチレンの何れであってもよく、メルトフローレイトや分子量、分子量分布などは特に限定されるものではない。
【0049】
ジエン系重合体としては、ブタジエン重合体、イソプレン重合体、クロロプレン重合体、ブタジエン−スチレン共重合体、EPDM重合体、スチレン−イソプレン共重合体等あるいはブタジエン−エチレン−メタアクリル酸等の3元共重合物が例示できる。
【0050】
ワックス類としては、蜜ロウ、木ロウ、パラフィン等が例示でき、ポリエステルとしてはポリ乳酸、ポリカプロラクトン等の脂肪族ポリエステルやポリエチレンテレフタレートなどの芳香族ポリエステルが例示でき、天然樹脂としては、天然ゴム、ロジン等が例示でき、油脂及びその変性物としては、硬化物、固形脂肪酸および金属塩等を例示することができる。
【0051】
熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、フラン樹脂、キシレン・ホルムアルデヒド樹脂、ケトンホルムアルデヒド樹脂、アミノ樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル、エポキシ樹脂、ケイ素樹脂、ウレタン樹脂、および乾性油などを挙げることができる。
これらの熱硬化性樹脂は数多くのモノマーの組み合わせが有るが、本発明においては、モノマーの種類や組み合わせは限定されるものではない。また、モノマー同士の重合物の他に、2量体あるいはポリマー化したもの、またはその混合物の重合物であっても良い。
また、種類の異なる複数の樹脂を配合したものであっても良い。
【0052】
フェノール樹脂としては、フェノール、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾール、2,4-キシレノール、2,3-キシレノール、3,5-キシレノール、2,5-キシレノール、2,6-キシレノール、および3,4-キシレノールなどのフェノール類から選ばれた1種以上と、ホルムアルデヒドに代表されるアルデヒド類から選ばれた1種以上との縮合反応によって得られたものを使用することができる。
【0053】
フラン樹脂の代表的なものとしてフェノール・フルフラール樹脂、フルフラール・アセトン樹脂、およびフルフリルアルコール樹脂などを挙げることができる。
キシレン・ホルムアルデヒド樹脂は、o-キシレン、m-キシレン、p-キシレン、およびエチルベンゼンなどのキシレン類から選ばれた1種以上と、ホルムアルデヒドに代表されるアルデヒド類から選ばれた1種以上との縮合反応によって得られたものを使用することができる。
【0054】
ケトンホルムアルデヒド樹脂としては、アセトン・ホルムアルデヒド樹脂、シクロヘキサノン・ホルムアルデヒド樹脂、アセトフェノン・ホルムアルデヒド樹脂、および高級脂肪族ケトン・ホルムアルデヒド樹脂などを挙げることができる。
【0055】
アミノ樹脂としては、尿素、メラミン、チオ尿素、グアニジン、ジシアンジアミド、グアナミン類、およびアニリンなどのアミノ基含有モノマーから選ばれた1種以上と、ホルムアルデヒドとの縮合反応によって得られたものを挙げることができる。
【0056】
アルキド樹脂は非転化型、転化型のどちらでもよく、グリセリン、ペンタエリスリトール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ソルビトール、マンニトール、およびトリメチロールプロパンなどの多価アルコールから選ばれた1種以上と、無水フタル酸、イソフタル酸、マレイン酸、フマル酸、セバシン酸、アジピン酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、ジフェン酸、1,8-ナフタリル酸、またテルペン油、ロジン、不飽和脂肪酸とマレイン酸の付加物などの多塩基酸から選ばれた1種以上とを縮合させて得られたものを挙げることができる。
【0057】
また、アルキド樹脂を変性させる際に使用する脂肪油または脂肪酸としては、アマニ油、大豆油、エゴマ油、魚油、桐油、ヒマワリ油、クルミ油、オイチシカ油、ヒマシ油、脱水ヒマシ油、蒸留脂肪酸、綿実油、ヤシ油、およびそれらの脂肪酸、またはグリセリンとエステル交換したモノグリセリドを挙げることができる。このほかロジン、エステルロジン、コーパル、フェノールレジン等の樹脂変成物も使用することができる。
【0058】
不飽和ポリエステルとしては、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、3,6-エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、アジピン酸、セバシン酸、テトラクロル無水フタル酸、および3,6-エンドジクロルメチレンテトラクロルフタル酸などの有機酸から選ばれた1種以上と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、水素化ビスフェノールA、2,2-ビス(4-オキシエトキシフェニル)プロパン、および2,2-ビス(4-オキシプロポキシフェニル)プロパンなどのポリオールから選ばれた1種以上とを縮合反応させて得られたものを挙げることができる。
【0059】
更に、該不飽和ポリエステルの硬化促進を目的として、スチレン、ビニルトルエン、ジアリルフタレート、メタクリル酸メチル、トリアリルシアヌル酸、およびトリアリルリン酸などのビニルモノマーから選ばれた1種以上とを縮合時に加えて得られたものも使用することができる。
【0060】
エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型、ノボラック型、ビスフェノールF型、テトラビスフェノールA型、およびジフェノール酸型のエポキシ樹脂を挙げることができる。
【0061】
さらに、ポリエステル樹脂をウレタン化したものなど、複合化した樹脂を使用することも可能である。
【0062】
ウレタン樹脂としては、トリレンジイソシアナート、3,3'-ビトリレン-4,4'-ジイソシアナート、ジフェニルメタン-4,4'-ジイソシアナート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアナート、3,3'-ジメチル-ジフェニルメタン-4,4'-ジイソシアナート、メタフェニレンジイソシアナート、トリフェニルメタントリイソシアナート、2,4-トリレンジイソシアナート、トリジンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、キシレンジイソシアナート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアナート、水添キシレンジイソシアナート、およびナフタリン-1,5-ジイソシアナートなどのジイソシアナートから選ばれた1種以上と、ポリオキシプロピレンポリオール、ポリオキシエチレンポリオール、アクリロニトリル-プロピレンオキシド重合物、スチレン-プロピレンオキシド重合物、ポリオキシテトラメチレングリコール、アジピン酸-エチレングリコール、アジピン酸-ブチレングリコール、アジピン酸-トリメチロールプロパン、グリセリン、ポリカプロラクトンジオール、ポリカーボネートジオール、ポリブタジエンポリオール、およびポリアクリラートポリオールなどのポリオールから選ばれた1種以上とを、ポリ付加重合させることによって得られたものを挙げることができる。
【0063】
長期にわたる徐放機能、更には時限放出型の放出機能の達成には、粒子の表面を透湿性の低い樹脂で完全に被覆し、水分の透過を極僅かに抑えることができる被膜を形成させることが必要である。つまり、ピンホールや亀裂の無い被膜を形成することが重要である。特に、時限放出型の徐放機能において、長いd1が必要な場合には、粒子の表面に透湿性の小さな被膜を形成させることが有効である。透湿性の小さい樹脂被膜を該粒子表面に被覆することにより、外部に存在する水分を徐々に時間をかけて生物活性物質を含有する粒子にまで浸透させることができる。
【0064】
そのためには、熱可塑性樹脂を含有する被膜材料で該粒子を被覆することが有効であり、さらに、熱可塑性樹脂のなかでも、オレフィン重合体、オレフィン共重合体、塩化ビニリデン重合体、塩化ビニリデン共重合体は本発明に有効である。その中でも、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−一酸化炭素共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体及びこれらの混合物は本発明において好ましい樹脂であり、さらに、ポリエチレン、およびエチレン−一酸化炭素共重合体は本発明にとって特に好ましい樹脂である。
これらの被膜材料を用い、ピンホールや亀裂のない被膜が形成されれば、水分の透過量は極僅かとなる。
【0065】
本発明に使用する被膜材料が含有するデューロメータD硬さが54〜71の範囲である樹脂は前述の通りであるが、該樹脂の密度は特に限定されるものではないが0.920〜0.940g/cm3の範囲であることが好ましい。
【0066】
また、該樹脂のメルトフローレイトは特に限定されるものではないが、生物活性物質粒子表面の該被膜材料による被覆の容易さの面、さらに本発明の効果の面から0.1〜7g/10minの範囲であることが好ましい。
【0067】
また、該樹脂の引張破断強度は特に限定されるものではないが、本発明の効果の面から8〜26MPaの範囲であることが好ましい。
【0068】
さらに、樹脂のビカット軟化温度は特に限定されるものではないが、生物活性物質粒子表面の該被膜材料による被覆の容易さの面、さらに本発明の効果の面から93〜118℃の範囲であることが好ましい。
【0069】
本発明に使用できるフィラーとしては、タルク、クレー、カオリン、ベントナイト、硫黄、白雲母、金雲母、雲母状酸化鉄、金属酸化物、珪酸質、ガラス、アルカリ土類金属の炭酸塩、硫酸塩、および澱粉等を挙げることができる。
【0070】
フィラーを含有する被膜材料を生物活性物質粒子の表面に被覆して形成される被膜におけるフィラー分散の変動係数は、50%以下であることが好ましく、さらに好ましくは35%以下である。該変動係数が50%を越える場合には、被覆生物活性粒状物の粒子間の放出機能のばらつきが大きくなる傾向にある。該変動係数は0に近いほど好ましいが、5%に満たない場合には、下記の変動係数の測定方法では、フィラーの形状による測定誤差のために測定が困難であることから、本発明において該変動係数は、好ましくは5〜50%、より好ましくは5〜35%である。
【0071】
該被膜におけるフィラー分散の変動係数とは、1粒子の被膜の切断面において、膜厚方向を縦、膜表面に対して平行方向を横とし、1粒子の被膜の切断面から任意に、縦×横=20μm×50μmの範囲を10箇所、任意に抽出した20粒について走査型電子顕微鏡で観察し、各箇所毎に存在するフィラー数を計測し、その計測結果から求めた(該変動係数=標準偏差/平均値×100)ものである。
【0072】
本発明に使用できる界面活性剤としては、ポリオールの脂肪酸エステルに代表されるノニオン界面活性剤、非イオン系界面活性剤などを挙げることができる。
【0073】
被覆生物活性粒状物は、生物活性物質粒子を予め製造し、該粒子の表面を被膜材料で被覆することによって製造することが出来る。
生物活性物質粒子の表面を被膜材料で被覆する方法は、特に限定されるものではなく、例えば、溶融させた被膜材料を該粒子表面に噴霧する方法、溶剤に被膜材料を溶解させた被膜材料溶解液を該粒子表面に噴霧する方法(以下「溶解液噴霧法」と云う)、被膜材料の粉体を該粒子表面に付着させ、その後溶融する方法、モノマーを該粒子表面に噴霧し、該粒子表面で反応させ樹脂化(被膜化)する方法、更に、被膜材料の溶融液ないし被膜材料溶解液に、該粒子を浸すディップ法などを挙げることができる。
【0074】
本発明の被覆生物活性粒状物は、何れの方法で得られたものであっても構わないが、生産効率の高さや、得られる被膜の均一性などの面から、転動または流動状態にある該粒子に該被膜材料溶解液を噴霧により付着させ、その後に熱風に晒すことにより被膜を形成させる方法(以下「溶解液噴霧法」と云う)が好ましい。
【0075】
その際の被膜材料溶解液の粘度は0.5〜40[mPa・s]の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは0.5〜30[mPa・s]の範囲であることが好ましい。該粘度が0.5〜40[mPa・s]の範囲であれば、被膜材料がフィラーを含有する場合であっても、被膜内におけるフィラーの分散性が良好である。粘度は溶液濃度により調節することができる。
【0076】
さらに本発明においては、被膜の形成は一度の操作で行うよりも、複数回に分けて被膜を形成することが好ましく、具体的には、下記工程を順に20〜160回繰り返し行うことが好ましい。
(1)層厚で0.1〜6μmになる量の被膜材料溶解液を、生物活性物質粒子の表面に付着させる工程。
(2)被膜を形成させる工程。
【0077】
該溶解液噴霧法に使用し得る被覆装置の一例について、図1に示した噴流装置を参照しながら説明する。該溶解液噴霧法においては、無機フィラー等の溶剤に不溶な材料を、被膜材料溶解液中に均一に分散させるため被膜材料溶解液の撹拌を強力に行うことが好ましい。
【0078】
この噴流装置は、噴流状態にある粒子3に対し、被膜材溶解液を配管5経由で輸送、スプレーノズル2により噴霧し、粒子3の表面に吹き付けて、該表面を被覆すると同時並行的に、高温気体を噴流塔1に下部からガイド管6へ流入させ、該高速熱風流によって、該粒子表面に付着している被膜材溶解液中の溶剤を瞬時に蒸発乾燥させるものである。
噴霧時間は被膜材料溶解液の樹脂濃度、及び該溶液のスプレー速度、被覆率等により異なるが、これらは目的に応じて適宜選択されるべきものである。
【0079】
図1に示した噴流装置以外の本発明に使用し得る被覆装置としては、流動層型または噴流層型の被覆装置として、特公昭42−24281号公報及び特公昭42−24282号公報に開示の、ガス体により粒子の噴水型流動層を形成せしめ、中心部に生ずる粒子分散層にコーティング剤を噴霧する装置を挙げることができ、回転型の被覆装置としては、特開平7−31914号公報及び特開平7−195007号公報に開示の、ドラムの回転によりドラム内周に具えたリフタによって粉粒体を上方に移送した後に落下させ、落下中の粉粒体表面にコーティング剤を塗布し、被膜を形成させる装置を挙げることができる。
【0080】
該溶解液噴霧法で被覆生物活性粒状物を製造場合、使用する溶剤は特に限定されるものではないが、被膜材料が含有する樹脂の種類毎に各溶剤に対する溶解特性が異なることから、使用する樹脂に併せて溶剤を選択すればよい。
例えば、樹脂としてオレフィン重合体、オレフィン共重合体、塩化ビニリデン重合体、塩化ビニリデン共重合体などを用いる場合には、塩素系溶剤や炭化水素系溶剤が好ましく、その中でもテトラクロロエチレン、トリクロロエチレン、トルエンを用いた場合には、緻密で均一な被膜が得られることから特に好ましい溶剤である。
【0081】
本発明の被覆生物活性粒状物に対する被膜の割合(以下「被覆率」と云う。)は特に限定されるものではない。被覆肥料や被覆農薬の場合であればその被覆率は10〜20重量%程度であり、その被覆率においては充分に本発明の効果を確認することができる。
被覆率が5重量%〜10重量%未満の何れか場合であれば、本発明の効果は顕著に現れ、さらに、被覆率が1〜5重量%未満の場合であれば本発明の効果をより顕著に確認することができる。
【0082】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるべきものではない。尚、以下の実施例における「%」は特に断りがない限り「重量%」である。
1.生物活性物質粒子の製造
1)一次粒状物の製造尿素を加熱可能な容器に投入し130℃で加熱溶融し尿素溶融液を得た。該尿素溶融液を1時間撹拌後、20cmの高さから50℃に加温した深さ20cm容量5Lのステンレス容器中の流動パラフィンに、直径3mmのコック付ガラス管から該尿素溶融液を滴下造粒した尿素粒子が2〜3.5mm程度になるように流量を調節しながら滴下し粒状物を得た。次いで該粒状物をヘキサンで洗浄し、乾燥後に粒径2〜3.5mmの篩にかけ一次粒状物を得た。
【0083】
2)二次粒状物の製造
使用した被覆装置を図1に示した。塔径250mm、高さ2000mm、空気噴出口径50mm、円錘角50度の形状を有する噴流塔1内へ、高温熱風を下部から上部に向けて流入した。高温熱風はブロアー10から送風され、オリフィス流量計9を通り、熱交換器8によって高温に加熱されて噴流塔1に流入され、噴流塔1の上部に設置されている排ガス用出口3から排出される。この高温熱風が循環している噴流塔1の内部に、一次粒状物を噴流塔1の側面に設置されている投入口2から10Kg投入し、図1に示されるように一次粒状物5を噴流状態にした。この際、流量および熱風温度は、粒状物温度が70℃±2℃になるように調節し、流量はオリフィス流量計で測定しながら調節し、熱風温度は、T1の熱風温度、T2の粒状物温度、T3の排気温度を測定しながら調節した。
【0084】
二次粒状物の製造は、流量(オリフィス流量計9)4m3/min、熱風温度(熱風温度T1)100℃±2℃、一次粒状物温度(粒子温度T2)70±2℃で実施した。また別途、溶解槽11において尿素を130〜135℃の温度で融解し造粒用尿素融解液12を得た。
【0085】
造粒が終了するまで溶解槽11は常時攪拌した。該造粒用尿素融解液12をポンプ6によって噴流塔1の下部に設置されている開口0.8mmフルコン型一流体ノズルであるスプレーノズル4に流速0.1kg/minで輸送し、噴流状態にある一次粒状物5に噴霧し吹き付けた。この時、該造粒用尿素融解液12の温度が130℃以下にならないように、溶解槽11と溶解槽11からスプレーノズル4に至るまでの配管とを二重構造にしておき、蒸気を通して、該被膜材料溶解液12を加温しながら輸送した。
【0086】
前述の造粒操作は、噴流状態にある一次粒状物5の粒子温度T2が70℃に達した時点から開始し、噴霧量が投入した1次造粒物の20重量%となるまでの所定時間スプレーした後ブロアー10を止め、一次粒状物5を噴流塔1の最下部にある抜き出し口7より排出し二次粒状物を得た。
【0087】
3)三次粒状物の製造
該二次粒状物を回転円盤式整粒機(不二パウダル株式会社製、マルメライザーQJ400)に供給し、下記運転条件で円形度係数が0.7以上になるまで平滑化処理を行った。処理後該二次粒状物を、熱風循環乾燥機を用いて50℃3日間乾燥し、次いで75℃4時間乾燥した後に1.0〜4.0mmの篩にかけ分級し三次粒状物(生物活性物質粒子)を得た。
【0088】
回転円盤整粒機運転条件
運転方式 :回分式
運転時間 :3min
目皿ピッチ:1mm
回転数 :788rpm/min
仕込量 :3kg(1回当たり)
得られた生物活性物質粒子(三次粒状物)の円形度係数は株式会社ピアス製のピアス−IV(PIAS−IV)を用いて測定した。測定はランダムに取り出した粒子100個を用いて行った。測定結果は0.9928であった。
【0089】
2.被覆生物活性粒状物(比較例1〜5、実施例1〜5)の製造
「1.生物活性物質粒子の製造」で得られた生物活性物質粒子に被覆を行う方法について説明する。使用した被覆装置を図1に示した。
塔径250mm、高さ2000mm、空気噴出口径50mm、円錘角50度の形状を有する噴流塔1内へ、高温熱風を下部から上部に向けて流入した。高温熱風はブロアー10から送風され、オリフィス流量計9を通り、熱交換器8によって高温に加熱されて噴流塔1に流入され、噴流塔1の上部に設置されている排ガス用出口3から排出される。この高温熱風が循環している噴流塔1の内部に、生物活性物質粒子を噴流塔1の側面に設置されている投入口2から10Kg投入し、図1に示されるように該生物活性物質粒子5を流動させた。この際、該熱風の流量はオリフィス流量計で測定しながら調節し、温度は、T1の熱風温度、T2の粒剤温度、T3の排気温度を測定しながら調節した。
【0090】
被覆生物活性粒状物の製造においては、流量(オリフィス流量計9)4m3/min、熱風温度(熱風温度T1)100℃±2℃、生物活性物質粒子温度(粒子温度T2)70±2℃で実施した。他方、溶解槽11に表1に示した樹脂50重量部、コーンスターチ5重量部、タルク(平均粒経10μm)45重量部の割合である被膜材料とテトラクロロエチレンを投入し、100℃±2℃で混合撹拌することによって樹脂を溶解し、1.5重量%の均一な被膜材料溶解液12を得た。
【0091】
被覆が終了するまで溶解槽11は常時攪拌した。該被膜材料溶解液12を、ポンプ6によって噴流塔1の下部に設置されている開口0.8mmフルコーン型一流体ノズルであるスプレーノズル4に流速0.1kg/minで輸送し、流動中の生物活性物質粒子5に噴霧し吹き付けた。この時、該被膜材料溶解液12の温度が80℃以下にならないように、溶解槽11と溶解槽11からスプレーノズル4に至るまでの配管とを二重構造にしておき、蒸気を通して、該被膜材料溶解液12を加温しながら輸送した。
【0092】
前述の被覆操作は、流動中の税物活性物質粒子5の粒子温度T2が70℃に達した時点から開始し、被膜が被覆生物活性粒状物に対しての12%となるまで行い、その後、該被覆生物活性粒状物を70℃±2℃に維持することに留意して熱風の温度調節をしながら10分間熱風のみを吹きつけて乾燥を実施し、乾燥が終了した時点で、ブロアー10を止め、被覆された生物活性物質粒子5を、噴流塔1の最下部にある抜き出し口7より排出し、比較例1〜5および実施例1〜5を得た。
【0093】
被覆条件
一流体ノズル:出口径0.8mmフルコーン型
粒状尿素:10kg
被覆中の粒子温度:70℃
溶解温度:100〜110℃
噴霧液温度:80〜100℃
熱風温度:100〜110℃
熱風風量:240m3/hr
スプレー流速:0.5kg/min
とした。
【0094】
【表1】
【0095】
本発明におけるデューロメータD硬さ、MFR(メルトフローレイト)、d(密度)、引張破壊強度、ビカット軟化温度とは、JISK7215に準じて測定した値である。
2):低密度ポリエチレン:東ソー株式会社製ペトロセン292
3):低密度ポリエチレン:東ソー株式会社製ペトロセン342
4):直鎖状低密度ポリエチレン:東ソー株式会社製ニポロン−LM75
5):直鎖状低密度ポリエチレン:東ソー株式会社製ニポロン−LM55
1):直鎖状低密度ポリエチレン:東ソー株式会社製ニポロン−Z7P04A
6):低密度ポリエチレン:東ソー株式会社製ペトロセン173R
7):低密度ポリエチレン:東ソー株式会社製ペトロセン219
8):直鎖状低密度ポリエチレン:東ソー株式会社製ニポロン−Z7P02A
9):低密度ポリエチレン:東ソー株式会社製ペトロセンLW04
10):高密度ポリエチレン:東ソー株式会社製ニポロンハード4000
【0098】
5.被膜損傷試験
22×22cmのポリエチレン製袋に比較例1〜5および実施例1〜5の被覆生物活性粒状物をそれぞれ1kgずつ入れ、該ポリエチレン製袋の開口部をヒートシールして落下サンプルを得、この落下サンプルを高さ2mより30回コンクリート面上に落下させ、各被覆生物活性粒状物に物理的衝撃を加えた。
【0099】
各落下サンプルの内容物であり物理的衝撃を加えた被覆生物活性粒状物と、物理的衝撃を何ら加えていない比較例1〜5および実施例1〜5の被覆生物活性粒状物をそれぞれ10gずつ50mL容量のビーカーに入れ、予め25℃恒温槽の中に入れておいたインキ(G9620AN,横河北辰電機社製)希釈液(2g/1000ml純水)を、該被覆生物活性粒状物が完全に浸漬するまで加えそのまま2時間静置した。2時間経過後該被覆生物活性粒状物をろ過回収した。
【0100】
続いて該被覆生物活性粒状物に付着したインクを水洗後、70℃の温風で該被覆生物活性粒状物の乾燥を行い、インキで着色されたものと被膜が崩壊したものとを取り除いてその重量を測定した。そして、下記に示す式によって着色率(%)を算出した。結果は表2に示した。
着色率=(着色粒子重量)/(供試被覆生物活性物質重量)×100
以上の着色率の算出に際し、5回の繰り返し実験により各々測定を行って測定ごとの着色率を算出し、最終的にそれらの平均値をもって該当試料の着色率とした。
【0101】
6.3日目溶出率の測定
物理的衝撃なし及び物理的衝撃ありの試作被覆粒状肥料それぞれ10gを、200ml水中に浸漬して25℃に静置する。24時間経過後肥料と水に分け、水中に溶出した尿素を定量分析により求めることにより、破損処理による被膜の損傷の程度を評価した。結果を表2に示す。
【0102】
【表2】
【0103】
【発明の効果】
本発明の被覆生物活性粒状物は、被膜が過度の物理的な衝撃を受けるような場合、もしくは被膜を薄くした場合であっても所望の放出機能が得やすい。
【図面の簡単な説明】
【図1】噴流層のフローシートの図
【符号の説明】
1.噴流塔
2.粒剤投入口
3.排ガス出口
4.スプレーノズル
5.粒子
6.ポンプ
7.抜き出し口
8.熱交換器
9.オリフィス流量計
10.ブロアー
11.溶解槽
12.被膜材料の混合溶解液
T1.熱風温度計
T2.粒体温度計
T3.排気温度計
SL.スチーム
Claims (7)
- 生物活性物質粒子の表面が、デューロメータD硬さが54〜71の範囲である、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンおよび高密度ポリエチレンから選ばれた1種または2種以上の熱可塑性樹脂を含有する被膜材料で被覆された被覆生物活性粒状物。
- 熱可塑性樹脂が、0.920〜0.940g/cm3の範囲の密度を有する請求項1記載の被覆生物活性粒状物。
- 熱可塑性樹脂が、0.1〜7g/10minの範囲のメルトフローレイトを有する請求項1記載の被覆生物活性粒状物。
- 熱可塑性樹脂が、8〜26MPaの範囲の引張破断強度を有する請求項1記載の被覆生物活性粒状物。
- 熱可塑性樹脂が、93〜118℃の範囲のビカット軟化温度を有する請求項1記載の被覆生物活性粒状物。
- 生物活性物質粒子の表面に、被膜材料を溶剤に溶解させた被膜材料溶解液を付着させ、該生物活性物質粒子の表面に被膜を形成させる被覆生物活性粒状物の製造方法において、被膜材料と溶剤とを混合撹拌する温度における該被膜材料溶解液の粘度が0.5〜40[mPa・s]の範囲であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項記載の被覆生物活性粒状物の製造方法。
- 生物活性物質粒子の表面に被膜材料を溶剤に溶解させた被膜材料溶解液を付着させ、該生物活性物質粒子の表面に被膜を形成させる被覆生物活性粒状物の製造方法において、被膜材料と溶剤とを混合撹拌する温度における該被膜材料溶解液の粘度が0.5〜40[mPa・s]の範囲であり、且つ下記工程を順に20〜160回繰り返し行うことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項記載被覆生物活性粒状物の製造方法。
(1)膜厚が0.1〜6μmになる量の被膜材料溶解液を、生物活性物質粒子の表面に付着させる工程。
(2)被膜を形成させる工程。
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