JP2012091159A - 気流式粉体処理装置及び方法 - Google Patents

気流式粉体処理装置及び方法 Download PDF

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Abstract

【課題】機械的な回転部分のない気流式の粉体処理装置において、高品質の粉体製品を効率よく製造できるようにする。
【解決手段】原料の粉体が供給される本体1に設けられた処理槽3の下方中央部にノズル10を備え、このノズル10から噴出する高速の気流により、処理槽3内の粉体を流動させて混合等の処理を行なう気流式粉体処理装置において、前記ノズル10の流路13に、流れ方向である下方から上方へかけて断面積が漸次縮径するコンバージェント部15と、最も小さく絞られたスロート部16と、急激に拡径するフレア部17とを順次配設し、コンバージェント部15の上流側の流路13へ気流を流入させる渦巻状の給気路19,20を設け、フレア部17から処理槽3へ噴出した気流が旋回渦流となるようにする。
【選択図】図3

Description

この発明は、電気機器や電子部品、自動車部品、医薬品、化粧品等に用いられる粉体の製造に際し、原料の混合や乾燥、コーティング、造粒、微粉体の表面改質、例えば球形化等の処理に使用される気流式粉体処理装置及び方法に関するものである。
従来より、医薬品や粉末冶金、電子材料等の原料である粉体等を混合する混合装置として、V字状の容器や二つの円錐体を底面側で接合した形状の容器に原料を供給して、容器を回転させる容器回転式のものが知られている。ところが、この型式のものでは、凝集性の強い微粉体を十分に分散することが困難である。
また、原料を供給する混合槽内に高速で回転する羽根を設け、羽根の回転により原料を攪拌して混合する羽根回転式のものも知られている。ところが、この型式のものでは、羽根の回転による混合槽内の温度上昇や羽根への粉体の固着の問題のほか、羽根の磨耗による製品の汚れ(コンタミネーション)の問題がある。また、羽根の回転軸のシール技術や高速で回転する部材のバランス調整等の高度な技術も必要となる。
また、混合槽内に貯留された比較的大きなサイズの樹脂ペレット等の原料を、槽下部から瞬間的に上方へ気流を吹き込むことにより流動させて混合する気流式のものも知られている。しかしながら、この型式のものでは、流動が瞬間的であるため、原料の分散が困難であり、精密な混合ができないという問題がある。
その他、気流式のものとして、下記特許文献1には、円筒形容器の外周部に複数本のノズルを設け、ノズルから空気と原料とを容器の接線方向に噴出させ、容器内に旋回渦流を生じさせて原料を混合するものが記載されている。しかしながら、この型式のものでは、十分な旋回力を発生させるため、大量の圧縮空気を噴出する必要があり、上方へ舞い上がった微粉体を繰り返して混合することができないという問題がある。
また、電子写真方式のプリンターに使用されるトナーは、ジェット粉砕機等による粉砕法により製造した場合、円形度が0.90〜0.93程度で、その粒子形状が不規則となっている。なお、化学的な重合法で製造した場合には、円形度が0.96以上で比較的均一な球状の粒子を得ることができるが、依然として粉砕法で製造される場合も多い。
このため、粉砕法で得られたトナーを球形化する要請があり、そのための機械式装置として、高速で回転する羽根に粒子を衝突させることで丸くするものや、高速で回転する羽根と外壁との僅少なクリアランスで粒子を摩砕するものが使用されているが、これらの装置では、円形度が0.01〜0.02向上する程度である。
また、不規則な形状のトナーの粒子を熱風と接触させることで丸くする熱気流式球形化装置が実用化されており、これによると円形度を0.96以上とすることもできるが、この方式の装置では、トナーに含まれるワックスが染み出して粒子同士が結着したり、ワックス成分が剥落したりすることがあり、これが感光ドラムに貼り付いて画像汚れが発生しやすくなる等の問題がある。
特公平1−24532号公報
このように、従来の装置では、いずれの方式のものであっても、原料を十分に分散・解砕して混合等の処理を行なったり、微粒子を分散状態で球形化することが難しく、また、容器回転式や羽根回転式の場合、回転部分のメンテナンスに手間がかかることもあった。
そこで、この発明は、機械的な回転部分のない気流式の粉体処理装置において、高品質の粉体製品を効率よく製造できるようにすることを課題とする。
上記課題を解決するため、この発明は、原料の粉体が供給される本体に設けられた処理槽の下方中央部にノズルを備え、このノズルから噴出する高速の気流により、処理槽内の粉体を流動させて混合等の処理を行なう気流式粉体処理装置において、前記ノズルの流路に、流れ方向である下方から上方へかけて断面積が漸次縮径するコンバージェント部と、最も小さく絞られたスロート部と、急激に拡径するフレア部とを順次配設し、コンバージェント部の上流側の流路へ気流を流入させる渦巻状の給気路を設け、フレア部から処理槽へ噴出した気流が旋回渦流となるようにしたのである。
また、前記ノズルの流路に、副原料を供給する副ノズルを、前記ノズルと軸線が一致するように設け、溶液等の副原料が加速された旋回渦流によりマイクロミストとなってフレア部から処理槽内へ噴霧されるようにしたのである。
また、前記フレア部の周面は、流れ方向へ所定の曲率半径で拡径するように連続する曲面とし、強力な旋回渦流が形成されるようにしたのである。
そして、上記気流式粉体処理装置を使用し、そのノズルの流路に流入させた気流がコンバージェント部からスロート部へかけて断面積の減少に伴い圧縮された後、フレア部で膨張しながら加速され、旋回渦流となって処理槽へ吹き出し、処理槽内の粉体が旋回渦流により分散作用を受け、粉体に対し混合や球形化等の処理が行われるようにしたのである。
この発明に係る気流式粉体処理装置では、特殊な形状のノズルを使用することにより、微小な圧力・流量で処理槽の下部に旋回気流を形成することができ、ナノ・サブミクロン径の微粒子の凝集体を十分に分散して混合することができるほか、微粒子の球形化等の表面改質処理を効率よく行うことができる。
また、副ノズルから供給される副原料を、原料の粉体と共にノズルで加速して噴出し、処理槽内の旋回渦流で繰り返し混合・分散作用を受けさせることにより、精密な混合やコーティング等の処理が可能となる。
また、機械的な回転部分がなく、気流を使用しているため、コンタミネーションや温度上昇の発生が問題とならず、製造コストが安価であり、メンテナンスの手間がかかることもなく、粉塵爆発を起こしやすい微粒子や水分を嫌う微粒子のほか、酸化、窒化、炭化を嫌う微粒子、弱熱性の微粒子の処理も可能となる。
この発明の実施形態に係る気流式粉体処理装置の全体断面図 同上の変形例を示す全体断面図 同上の本体下部の拡大断面図 図3の(a)S部拡大断面図、(b)S部の変形例を示す拡大断面図 図3の(a)A−A断面図、(b)B−B断面図、(c)C−C断面図 同上の気流式粉体処理装置の配管系統図 大容量化した気流式粉体処理装置の下部構造の一態様を示す(a)平面図、(b)B−B断面図 大容量化した気流式粉体処理装置の下部構造の他態様を示す(a)平面図、(b)B−B断面図 粉砕法により得られたトナー粒子の(a)処理前の状態を示す図、(b)処理後の状態を示す図 熱球形化したトナー粒子の(a)処理前の状態を示す図、(b)処理後の状態を示す図 同上のトナー粒子の(a)処理前の表面状態を示す図、(b)処理後の表面状態を示す図
以下、この発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
この気流式粉体処理装置では、図1に示すように、本体1の構成部材として、ノズルユニット2、処理槽3、集塵部4及び排気部5が下方から上方へ順次設けられている。集塵部4には原料供給口6が、処理槽3には処理品排出口7がそれぞれ設けられ、排気部5には、排気口8及びフィルター逆洗パイプ9が設けられている。処理品排出口7は、ハンドル操作により処理槽3との連通・遮断が切り替えられる。
また、処理槽3内には、後述のよう発生した旋回渦流を整流させると共に、舞い上がる微粉体を積極的に処理槽3の下部へ下降させて循環させるため、逆円錐状のホッパー3aを設けることもある。
なお、図2に示すように、集塵部4のケースを省略し、後述するフィルター21を処理槽3の蓋に配列する装置構成としてもよい。
ノズルユニット2は、図3に示すように、処理槽3の下部に位置するノズル10の下方に、偏平な円柱状の給気体11,12を設けた構成とされている。ノズル10及び給気体11,12には、下方から上方へかけて流路13が形成され、流路13には、添加剤等の副原料を供給する副ノズル14がノズル10と軸線を一致させて設けられている。
流路13の上部には、図4に示すように、下方から上方へかけて断面積が漸次縮径して円錐状周面をなすコンバージェント部15と、最も小さく絞られたスロート部16と、急激に拡径するフレア部17とが順次配設され、副ノズル14の先端穴14aは、スロート部16に臨むコンバージェント部15に位置している。副ノズル14の先端穴14aの直径Dは、スロート部16の直径Dよりもかなり小さくなっている。
図4(a)に示すように、ノズル10の突出部18の先端が噴出口となるように形成されたフレア部17の周面は、流れ方向へ滑らかに連続する曲面となっており、その曲率半径Rは、スロート部16側から噴出口側まで略一定となっている(図中の曲面を指す矢線は、当該曲率部分の位置のみを示す)。
なお、図4(b)に示すように、フレア部17の周面の曲率半径Rよりも、その外側に連続する膨出部18aの曲率半径Rが大きくなるようにしてもよい。一般的には、スロート部16の直径Dとフレア部17の曲率半径R,Rとの関係がD≦R<Rとなるようにすると、後述する旋回渦流が強力に形成される。また、曲率半径が連続的に順次大きくなるようにしても同様の効果が得られる。
また、図4(a)に示すノズル10において、フレア部17を形成する突出部18の外周は、曲率半径がRの凹入した曲面とされ、フレア部17の噴出口の周縁で突出部18が外側に反るように尖っており、後述するミストが液滴となることを防止している。
そして、図5に示すように、給気体11,12には、コンバージェント部15の上流側の流路13へ気流を流入させる渦巻状の給気路19,20がそれぞれ設けられている。これらの給気路19,20は、少なくともいずれか一方を使用し、必要に応じて、後述する旋回渦流を交互に逆向きに発生させるため、互いに逆巻きとなっている。
また、図1及び図2に示すように、集塵部4にはフィルター21が設けられ、図1に示す装置では、排気部5のフィルター逆洗パイプ9から間欠的に送り込まれる高圧気流によりフィルター21が清掃される。
これらのフィルター21としては、プラスチック製のものを使用するのが好ましい。繊維質のものを使用すると、製品にコンタミネーションとして繊維が混入するおそれがあるからである。
このような気流式粉体処理装置には、図6に示すような系統で配管が接続される。この配管系統において、圧縮空気の空気源から気流式粉体処理装置に向かう配管22には、必要に応じて空気を加熱できるようにヒーターが設けられ、配管22から分岐した各配管23,24がそれぞれノズルユニット2の給気路19,20に接続されている。また、ヒーターより上流側で配管22から分岐した配管25が排気部5のフィルター逆洗パイプ9に接続されている。
また、原料の粉体を処理槽3に供給するための配管26が原料供給口6に接続され、スラリー貯留槽から副原料のスラリー溶液を吸い出すポンプを介設した配管27が副ノズル14に接続されている。
上記のような気流式粉体処理装置では、原料となる2種類以上の粉体の混合や乾燥、微粉体への溶液添加や溶液中の微粒子による粉体の表面改質等の処理を行なう。
この気流式粉体処理装置を運転する際には、処理槽3に原料となる粉体を供給し、一定の圧力に設定された圧縮空気を、図5に示すように、給気路19又は20を介してノズルユニット2の流路13に接線方向から導入する。これに伴い、流路13には、副ノズル14の周りに旋回渦流が発生する。
ここで、圧縮空気の圧力は、一般的に、大気圧より大きく、最大でも0.6MPaまでとする。なお、好ましい圧力は、少ない流量で旋回渦流を形成できる0.2〜0.4MPaである。
そして、図1乃至図3に示すように、流路13を流れる高圧空気は、ノズル10のコンバージェント部15からスロート部16へかけて断面積の減少に伴い圧縮された後、フレア部17で曲率が変化する周面沿いに膨張しながら加速され、高速で旋回する渦流を形成し、勢いよく処理槽3へ吹き出す。
また、この旋回渦流の中心部は、処理槽3の内部の空気を巻き込んで高速に回転するため圧力が減少し、固体粒子が懸濁したスラリー溶液等の溶液を、副ノズル14から吸引作用により噴出させて、処理槽3内に容易に供給することができる。
このとき、供給される溶液は、スロート部16からフレア部17へかけて加速された旋回渦流によりアトマイズ(霧化)されて、微小なマイクロミストとなり、このマイクロミストがフレア部17からノズル10の上面に沿って処理槽3内へ噴霧され、処理槽3の下部で旋回する粉体の表面に付着し、粉体がコーティングされる。
なお、一般的に、粒径がある程度の大きさを有する粉体と極めて小径の微粒子とを処理槽3で混合する場合、微粒子は気流により浮遊して旋回流から遊離してしまうという問題があるが、このようにスラリーとして添加する場合には、ミストに含まれて粉体に付着するため、上記のような問題が生じない。
その後、処理槽3内の粉体は、旋回渦流で周壁内面に沿って巻き上がり、処理槽3の上部で旋回渦流の中心部に流れ込み、沈降して、再度旋回気流により分散作用を受け、上述の処理が施される。
また、処理槽3から集塵部4へ吹き上がった一部の気流は、フィルター21により濾過されて、舞い上がった微粉体が除去され、図1に示す装置では、排気部5の排気口8から排出され、図2に示す装置では、フィルター21から直接外部へ排出される。
上記のような処理において、流路13への圧縮空気の導入に際しては、通常、給気路19,20のいずれか一方が使用されるが、粉体の流動性が悪い場合には、給気路19,20を交互に切り替えることにより、流路13から処理槽3へ至る旋回渦流の旋回方向を交互に反転させて処理を繰り返し、粉体に剪断及び旋回作用を受けさせ、また、処理槽3から粉体を排出する際にも、給気路19,20を交互に切り替える。
このような処理により、ナノ・サブミクロン径の微粒子が添加剤の場合でも、分散状態で粉体の表面に均一に添加剤を付着させて、コーティングすることができる。
また、圧縮空気の導入路である配管22に設けたヒーター(図6参照)を使用して、給気路19,20へ送り込む空気を一定温度に加熱することにより、粉体にコーティングされたミストを乾燥させることもできる。なお、混合処理等の操作のように、ヒーターを使用しない場合もある。
ところで、上記のような気流式粉体処理装置は、例示したように、粉体にコーティング処理を施す場合のほか、処理槽3内に形成される高速の旋回渦流を利用して、2種類以上の粉体を分散させて精密に効率よく混合することができ、また、副ノズル14から吐出される溶液の噴霧、給気路19,20へ送り込まれる圧縮空気のヒーターによる加熱機能を利用して、造粒処理や乾燥処理を行なうことができる。
さらに、特殊な形状をしたノズル10により、微小な圧力及び流量で処理槽3の下部を中心とした強力な旋回渦流を形成するので、微粒子を飛散させることなく球形化等の表面改質処理を短時間に効率よく行うことができ、処理時間を適宜設定することで、球形化の度合いを任意にコントロールすることができるほか、凝集して粗大化した粒子を本来の大きさの一次粒子まで分散することができる。
また、圧縮空気のヒーターにより供給される空気を一定温度に加温して、例えば樹脂微粉体の球形化に際し、その表面の滑らかさを変化させることができる。但し、この場合、ノズル部10で溶着が発生しない温度以下に調整する必要がある。
なお、溶液を添加する場合、上記のような副ノズル14に代えて、シリンジを使用して供給してもよく、粘度が高い溶液やスラリーを添加する場合、ロータリー式ポンプで定量供給することもできる。
また、給気路19,20へ送り込む気体は、空気だけでなく、種々の不活性ガス、除湿ガス、混合ガス等を任意に選択することができる。
一例として、ヘリウムガスを使用すると、ヘリウムガスは、気体密度が小さく、音速が1000m/sであることから、ノズル10により容易にマッハ3程度の流速を得ることができ、混合等の処理時間を短縮することができる。
また、ヘリウムガス等の不活性ガスを利用すると、粉体が酸化しやすい物質や静電気を帯びやすい(粉塵爆発を起こしやすい)ものであっても、特に高度な技術を要することなく、安全に混合や乾燥等の処理を行なうことができ、ガスのほぼ全量を回収して再利用することもできる。
なお、この気流式粉体処理装置は、各処理操作を回分式に行なうものであるが、原料投入から混合・造粒・乾燥等の各処理及び処理品排出の連続操作が終了した後、次工程へ処理品を供給するための貯留タンクとして、処理槽3を利用することもできる。
また、多量の粉体を処理する量産型の装置においては、図7及び図8に示すように、処理槽3を、例えば容量150l程度まで大型化して、その下部のノズルユニット2に複数のノズル10を設けるようにすればよい。
この場合、図7に示すように、ノズル10を処理槽3の底面中央部に配置すると共に、その周囲に均等に間隔をあけて配置する形式が考えられる。この形式では、旋回渦流の干渉を防止するため、中央部のノズル10を周囲のノズル10よりも高い位置に設け、副原料のスラリー溶液等を均一に散布するため、副原料を供給する副ノズル14を中央部のノズル10に設けるとよい。
また、図8に示すように、ノズル10を処理槽3の底面に周方向に均等に間隔をあけて同心円状に配置し、ノズル10へ気流を流入させる給気路19,20をノズル10の中心側へかけて上方へ傾斜させ、ノズル10から気流が接線方向に近い大きな径の渦流となって噴出し、全体のノズル10により、処理槽3の周壁内面に沿った旋回渦流が形成されるようにしてもよい。
上記構成の気流式粉体処理装置を使用して、下記のような処理を行なった。
◎原料の粉体:炭酸カルシウム(10メッシュ)
◎添加する溶液:ポリエチレングリコール(PEG200)をエタノールで10%に希釈したものを10ml/minで処理槽へ供給
◎圧縮空気量:200l/min(0.2MPa)を電熱ヒーター(6kw)を用いて100℃の一定温度に加熱して処理槽へ供給
そして、溶液を10ml供給した後、10分間混合・乾燥させたところ、表面がポリエチレングリコールでコーティングされた無機粉体を得ることができた。
同様に、上記構成の気流式粉体処理装置を使用して、下記のような処理を行なった。
◎原料の粉体:トナー(平均粒子径8μm、粉砕法により得られた不規則な粒子形状のもの)
◎添加する溶液:エタノール溶媒中にシリカ微粉末(日本アエロジル製R972)をトナー重量の1wt%分散させたスラリー
◎圧縮空気量:200l/min(0.2MPa)を電熱ヒーター(6kw)を用いて50℃の一定温度に加熱して処理槽へ供給
その後、10分間混合・乾燥させたところ、表面が微小シリカで覆われたトナーを得ることができた。
同様に、上記構成の気流式粉体処理装置を使用して、下記のような処理を行なった。
◎原料の粉体:ポリエチレン樹脂ペレット(粒子径2〜3mm)
◎添加する溶液:赤色顔料ブリリアントカーミンの8%のイソプロピルアルコール溶液
◎圧縮空気量:200l/min(0.2MPa)を電熱ヒーター(6kw)を用いて50℃の一定温度に加熱して処理槽へ供給
そして、溶液を先端穴14aの直径Dが0.3mmの副ノズル14から適時吸引させることでミスト化させて処理槽3へ噴霧したところ、時間の経過に伴い、顔料に着色されたポリエチレン樹脂を得ることができた。また、その粉体は、アルコールが揮発された乾燥粉であった。
また、上記構成の気流式粉体処理装置を使用して、下記のような球形化処理を行った。
◎原料の粉体:トナー(平均粒子径7.683μm[コールターカウンター]、平均円形度0.926[マルバーン社FPIA−3000]、粉砕法により得られた不規則な粒子形状のもの)
◎圧縮空気量:280l/min(0.14MPa)を電熱ヒーター(6kw)を用いて50℃の一定温度に加熱して処理槽へ供給
◎運転パターン:間欠工程で5秒運転/0.1秒停止、連続工程で60秒運転のパターンを繰り返し
◎運転時間:30分
◎フィルター逆洗間隔:3秒
◎フィルター逆洗圧力:0.4MPa
その後、微粉を除去すると、図9(a)に示すように、不規則な形状であったトナーの粒子が、図9(b)に示すように、円形度が向上して、平均円形度0.948となり、その表面が滑らかになった。また、凝集した状態の粗大粒子が分散され、シャープな粒度分布が得られた。
また、熱気流式球形化装置で球形化処理を行ったトナー粒子に対し、上記構成の気流式粉体処理装置を使用して、下記のように、さらに処理を行い、表面のワックスの変化を観察した。
◎原料の粉体:トナー(平均粒子径8.295μm[コールターカウンター]、平均円形度0.976[マルバーン社FPIA−3000]、熱気流により球形化処理を行ったもの)
◎圧縮空気量:280l/min(0.14MPa)を電熱ヒーター(6kw)を用いて50℃の一定温度に加熱して処理槽へ供給
◎運転パターン:間欠工程で5秒運転/0.1秒停止、連続工程で60秒運転のパターンを繰り返し
◎運転時間:30分
◎フィルター逆洗間隔:3秒
◎フィルター逆洗圧力:0.4MPa
その後、微粉を除去すると、図10(a)に示すように、粒子同士の結着等で粗大化した粒子が散見される状態から、図10(b)に示すように、異常な粒子がほとんど見られず、球形化が進んで均斉度の高い粒子が揃った状態となった。
また、図11(a)に示すように、粒子の表面に染み出したワックスが塊状となって点在する状態から、図11(b)に示すように、塊状のワックスが分離され、殆ど見られない状態となった。
1 本体
2 ノズルユニット
3 処理槽
3a ホッパー
4 集塵部
5 排気部
6 原料供給口
7 処理品排出口
8 排気口
9 フィルター逆洗パイプ
10 ノズル
11,12 給気体
13 流路
14 副ノズル
14a 先端穴
15 コンバージェント部
16 スロート部
17 フレア部
18 突出部
18a 膨出部
19,20 給気路
21 フィルター
22〜27 配管

Claims (4)

  1. 原料の粉体が供給される本体(1)に設けられた処理槽(3)の下方中央部にノズル(10)を備え、このノズル(10)から噴出する高速の気流により、処理槽(3)内の粉体を流動させて混合等の処理を行なう気流式粉体処理装置において、
    前記ノズル(10)の流路に、流れ方向である下方から上方へかけて断面積が漸次縮径するコンバージェント部(15)と、最も小さく絞られたスロート部(16)と、急激に拡径するフレア部(17)とを順次配設し、コンバージェント部(15)の上流側の流路(13)へ気流を流入させる渦巻状の給気路(19,20)を設け、フレア部(17)から処理槽(3)へ噴出した気流が旋回渦流となるようにしたことを特徴とする気流式粉体処理装置。
  2. 前記ノズル(10)の流路(13)に、副原料を供給する副ノズル(14)を、前記ノズル(10)と軸線が一致するように設けたことを特徴とする請求項1に記載の気流式粉体処理装置。
  3. 前記フレア部(17)の周面は、流れ方向へ所定の曲率半径で拡径するように連続する曲面としたことを特徴とする請求項1又は2に記載の気流式粉体処理装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の気流式粉体処理装置を使用し、そのノズル(10)の流路(13)に流入させた気流がコンバージェント部(15)からスロート部(16)へかけて断面積の減少に伴い圧縮された後、フレア部(17)で膨張しながら加速され、旋回渦流となって処理槽(3)へ吹き出し、処理槽(3)内の粉体が旋回渦流により分散作用を受け、粉体に対し混合や球形化等の処理が行われるようにしたことを特徴とする気流式粉体処理方法。
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