JP4014239B2 - 微粉体の作製法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はペイント用の顔料や射出成形に適する金属微粉体や無機物または有機物微粉体の製法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ペイント用顔料や射出成形に使用する材料は粒径が10〜20μm程度の微粉体である。目的とする粉体物質が金属である場合、該物質の溶湯を10〜20μmに微粉化することは通常のガスアトマイザ−で可能ではあるが、製品の僅か一部分にすぎず、非能率で実用的ではない。数百気圧に加圧した水ジェットアトマイザーでは平均粒径が10μm以下の微粉も可能であるが、酸化されて品質が劣化する。
【0003】
一方、無機物、有機物のなかには凝集した状態でもせいぜい1μm程度のものが多く、該物質をペイント用顔料または射出成形に適する微粉体にするには10〜20μmまで造粒する必要がある。このための在来工法として転動造粒法とスプレ−ドライヤ−法ががあり、中でも微粉造粒に適するとされるスプレ−ドライヤ−法でも数十μmまでが限度で、しかも歩留りが悪い。スプレ−ドライヤ−法は更に代表的な二つの処理法に区分され、その一つは液またはスラリ−を回転円盤に滴下して遠心力で飛散させる方法、他はノズルから流下する液またはスラリ−にガスを吹き付けて飛散させる方法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
遠心力を利用する微粉化では、回転デスク径、回転数、溶湯またはスラリ−分散媒の表面張力と粘性および回転体表面への濡れ性等の因子が関係する。特に回転デスク径と回転数は第一義的な要因であり、大きい遠心力程微細化に有利なことは勿論であるが、さりとて40,000〜50,000 rpmという高速回転で、しかも径が10cm以上もあるような回転デスクの採用は遠心力に対抗する材質強度やモ−タ−への負荷の大きさに制限されて実用的ではないとされている。一方ガスの吹付けも噴射後、ガスは急速に3次元的に拡散するから柱状に流下する溶湯またはスラリ−に対して厚さ方向の剪断力が足りず、特に粘性や表面張力が大きい溶融金属については本発明が意図する粒度への微粉化が不十分な状況にある。現時点では上記何れの方法も数十μmが限度とされている。
【0005】
本発明はペイント用顔料や射出成形に適する金属微粉体および無機物または有機物微粉体の製造に関して在来技術の問題点を解決し、本発明が意図する粒度の微粒子を作製する方法とそのための装置を提供する。ここで、本発明が言う微粉化は使用目的に適した粒度への微粉体化を意味し、しがって或る種の無機物、有機物に対しては造粒となり、溶融金属等に対しては微粉砕になる。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明によればその目的は下記のようにして達成される。すなわち、
【0007】
(1)目的とする粉体物質の融体を膜厚1000μm以下の液膜流とし、この液膜流に対して該液膜流が剪断されるに十分な量のガス膜流をガス速度100 m/sec以上のもとで両膜流同志が交差するように衝突させること、
【0008】
(2)その際、目的とする粉体物質の融体が金属溶湯からなり、その液膜流が粒径200μm以下の液滴の集合からなる液滴膜流であり、この液滴膜流と好ましくは90°ないし90°に近い角度で交差するようにガスを膜状に噴射させること、
【0009】
(3)また、目的とする粉体物質が1μm、もしくは1μm以下の超微粉体の場合は該物質を適切な分散媒に懸濁させてスラリ−とし、該スラリ−を膜厚1000μm以下の液膜流もしくは液滴の集合からなる液滴膜流とし、この液膜流もしくは液滴膜流に対し該液膜流もしくは液滴膜流が剪断されるに十分な量のガス膜流をガス流速100 m/sec以上、好ましくは1000m/sec 以上の速度で両膜流同志を90°ないし90oに近い角度で交差するように衝突させること、
【0010】
(4)そのための装置として、目的とする粉体物質の融体もしくはスラリ−を貯留する容器と、この容器に取り付けられノズルと、このノズルから吐出する該融体もしくはスラリ−の吐出流をその中心部で受けるように配置された回転デスクと、この回転デスクを取り巻くように配置されたガス噴射用の環状ノズルとからなる微粉体の製造装置を使用すること。
【0011】
【発明の実施の形態】
衝突によるガス運動量変化の時間に対する微分が液膜または液滴に及ぼすガスの力であり、その液膜または液滴面への垂直分力をガスによる液膜の剪断力とすれば同一のガス流速ではガスが膜流へ90°の角度で噴射される時、最大の剪断力が得られる。しかし、ノズルから離れたガスはノズルの構造により、またガス自体においても3次元的に急速に拡散するのでガスが液膜または液滴と接触している間も時間的、局所的に変化し、微粉化に有効な実際の剪断力はこのような局所的に作用するガス運動量の変化の差、即ち衝突力の差に依存すると考えられる。しかしその力はガスノズルからの距離の3乗に半比例して減衰すると推定されるので、融体もしくはスラリ−分散媒の物性に応じた膜厚とノズル位置が選択されねばならない。
【0012】
またこの場合、ガスの流量と流速が過大になると衝突で微細化した液滴が撥ね飛ばされ、飛散した液滴がガスの噴射ノズルや融体またはスラリ−の注湯口もしくは吐出口に沈積してトラブルの原因になる。この状況はガス噴射の条件および膜流に対する噴射の角度を90°から適宜偏倚させることで調節し、更に別途ノズルを用意してガスを吹き付け、強制的に進路を変更させることもある。ガスは不活性ガスを使用し、通常は溶融金属の微粉化でも 7〜8 kgf/cm2 程度の圧力の噴射で足りるが、対象となる融体、スラリ−の物性で調節される。この場合、ガス圧が高い程、微粉化する。
【0013】
融体またはスラリ−を周端から膜状もしくは液滴膜状に放出させ、しかもその厚さまで制御するには回転デスクのサイズ, 回転数, 材質等関係する多くの要因の中で、特に融体もしくはスラリ−がデスク周端近くを或る角度を持って上昇し、重力の影響を受けながら周端をデスクの接線方向に離れる時の角度が15°を中心にして±5°の範囲において水平方向より上向きにあるように調節することが大切である。しかし、場合によっては、デスクの接線方向を水平より下側にすることで、ガスとの交差角度を90oに近くすることも可能であり、液膜や液滴流とガスノズルとの距離を近づけることにより、より微粉化を進行させることができる。
【0014】
回転デスクの断面構造は凹凸何れでも良く、形状を限定するものではないが、前記の条件を満たすものとして図1及び図2のそれぞれ3で示すような周端に傾斜が付いた「つば」を持つ薄皿状の回転デスクが推奨される。膜流の厚さの制御は生産すべき粉体の材質と粒径に関連し、いかなる材質のいかなる粒径を求めるかで決まる。水または有機溶媒系の分散媒を使用するスラリ−では厚さ1000μm以上の液膜でも可能であるが、粘性や表面張力が1桁以上も違う溶融金属塩や溶融金属等の場合には200μmもしくはそれ以下の程度まで回転デスクで予備粉砕された液滴膜流であることが望ましい。膜厚の制御は融体またはスラリ−の供給量制御と回転デスクの回転数制御とによって行われるが、この制御が同時に回転デスク周辺を離れる原料の融体またはスラリ−の速度を決め、またそれによって液膜と液滴膜の違いを生ずる。
【0015】
図1は本発明を実施するのに好適な装置を示すものである。
図1において、容器8内の融体もしくはスラリ−9はストッパ−10を経て注湯口または吐出口7から回転デスク面3の中心部に供給される。高周波誘導加熱コイル4によって回転デスク1を非接触的に加熱してデスク上での溶融金属の凝固を防ぐ手段も採用される。また注湯ノズル6も同様、5の高周波誘導加熱コイルで加熱できるので凝固による詰まりを防ぎながら注湯口を回転デスク直上まで延ばすことができ、滴下によって起こる飛散を抑制できる。
【0016】
回転デスク1は適当な回転手段(図示せず)によって回転軸の回りに回転され、「つば」をもった薄皿状の回転面3の中心部に供給された対象となる粉体の融体またはスラリ−はデスク回転の遠心力でデスク周端から放出される。デスクは必要に応じて高周波誘導加熱4で加熱することもできる。デスク周辺を取り巻いて高圧ガス用の気室があり、ガス供給源(図示せず)から該気室に送られたガスは、回転デスク周辺に接近して置かれたノズル2から噴射され、該噴射流がデスクからの液もしくは液滴の膜流と好ましくは90°ないしそれに近い角度で交差するようにする。ノズルは環状ノズルで、ガスは回転デスクを取り巻くリング状の膜状態で噴射されるから、回転デスクの全円周にわたって前記両膜流の交差による該膜流間の衝突が実施される。
【0017】
本発明実施に必要な上記各条件は図1の装置によリ、下記のような試験結果から決定されたものである。
【0018】
(試験例1)
Sn−37%Pb組成の合金をアルミナ容器8内に高周波誘導加熱で溶解、300℃で注湯ノズル6から、図1に3で示す表面形状のチタンからなる50mmφ回転デスク中心部へ流下した。環状ノズルからガス噴射することなく、デスクから空間に放出された粒子について各粒径の比率を注湯量とデスク回転数をパラメ−タとして試験した。デスク周端から放出される金属粒子はデスク回転数 30,000 rpm において、注湯量1〜2kg/minのとき(条件Aと言う)、100μm以下が86%を占めた。上記以上の注湯量および 30,000 rpm 以下のデスク回転数(条件Bと言う)においては−100μmの比率は減少し、注湯量3kg/min、デスク回転数 20,000 rpm では−100μmの比率は37%であった。
【0019】
次に液滴膜流から2mm下方の位置にノズル先端を置いて、窒素を噴射し、噴射速度を変えて試験した。200μm以下が大部分を占める液滴膜流の放出条件、即ち注湯量2kg/min、デスク回転数 30,000 rpm (前記の条件A)において、膜流の水平に対する上向き角度を略17°、ガス量を2Nm3/minのもとで、ガス流速を400〜2000m/sec の範囲で試験した。結果を表1に示した。800〜2000m/sec のガス速度で好結果が得られた。とくにガス流速が1000m/sec を越えると微粉の飛散が始まり、2000m/sec では更に微粉化が進む結果、−45μm粒子の収量は78%になった。以上の結果からガス流速は800〜2000m/sec の範囲とし、好ましくは1000m/sec 以上であることが判明した。1000m/sec における−45μm粒子の歩留りは62%、その部分の平均粒径は12μmであった。
【0020】
一方、100μmを越える液滴が多い条件、即ち、注湯量3kg/min、デスク回転数 20,000 rpm (前記の条件B)ではガス流速1000m/sec でも−45μm粒子の歩留りが悪かった。そこで、回転デスク周端から放出されるときの液滴を100μm以下、ガス速度は主に1000m/sec を保持しながら、ガス流量の影響を検討した。その結果を表2に示した。表2にはガス噴射なしの比較例も挙げたが、−45μm粒子は殆んど生成しない。表2に見られるように、条件Bでもガス流量が多いほど、微粉化が歩留りよく製造できる。
【0021】
図4は、これらの一連の試験において、形成した液滴径と製造された粉体の粒径との関係を、ガス速度1000m/sec の場合について整理したものである。
【0022】
【表2】
【0023】
次に、ノズル先端の設置位置を検討した。膜流から1、5、10、20または50mm下方に離れた位置にノズル先端を設置し、上方の液滴膜流に向けて窒素を噴射した。その結果を、前記2mm位置の結果も含めて、表3に示した。液滴径100μm以下、ガス流速1000m/sec 、その他は総て上記条件のもとで試験したところ、1〜10mmの範囲は−45μm粒子の歩留りが略60%であるが、1mmでは膜流の多少の変動も厳格に管理する必要がり、10mmの場合はその平均粒径がやや増加する傾向にある。50mm位置まで可能であるが、20、50mm位置の採用はそれを必要とする場合に限られる。
【0024】
なお、この試験で窒素ボンベの圧力調節弁の指示は7〜8kgf/cm2 であり、ガス流速2000m/sec 、ガス流量3Nm3/min、また1000m/sec 、ガス流量4N/minの場合でも圧力調節弁の指示は10kgf/cm2 に過ぎなかった。
【0025】
【表3】
【0026】
(試験例2)
凝集してしている状態で約1μmの酸化銅を水で70wt%のスラリ−とし、分散剤および造粒剤としてアクリル系樹脂を1wt%加えてパ−ルミルで均一に混合した。このスラリ−を断面形状が図1の3と同じ50mmφ、SUS製の回転デスクの中心部へ流下した。スラリ−の供給量を1〜5kg/minの範囲で、デスク回転数を変え、デスク周端から放出される液膜の状況を環状噴射ノズルを取り外して側面から高速度撮影した。結果を表4に示す。
【0027】
【表4】
【0028】
表4に見られるように、デスク回転数4000〜7000rpm の範囲、およびスラリ−の供給量2〜3kg/minの条件下でスラリ−は液膜状となり、膜厚は1000μm以下であった。前記範囲以下の回転数、または前記以上のスラリ−供給量では膜厚は1000μmを越えた。また、前記範囲以上のデスク回転数およぴ前記以下のスラリ−供給量ではデスク周端からのスラリ−放出は液膜流から液滴膜流に変化した。
【0029】
次に、ガス噴射ノズルの先端をスラリ−液膜流または液滴膜流から10mmおよび5mm下方に慣れた位置に置き、デスク周端から15°、水平より上向きに放出された膜流に窒素を流速50〜2000m/sec の範囲で噴射した。膜厚1000μmの液膜流、液滴膜流の条件において、200℃に保持されたホッパ−内に放出された45μm以下の粒子の歩留りとその平均粒径を表5に示した。
【0030】
【表5】
【0031】
表5に見られるように、ノズル位置10mmおよび5mmの二箇所ともガス流速100m/sec 以上で−45μm粒子が回収され、ガス流速の増加につれて歩留りも増加した。ガス流速1000m/sec では−45μm粒子の歩留りは60%以上となった。液膜厚が1000μmを越えると微粉化が進まず、−45μmの収量は40%程度に低下した。以上の状況はノズル位置10mm、5mmともに同じであるが、ガス流速1000m/sec を越えると、5mmのノズル位置の方が粒子の微細化効果が良好であった。この結果から、スラリ−の場合は、厚さ1000μm以下の液膜流、もしくは液滴の集合からなる液滴膜流とし、ガス流速100以上m/sec の範囲、好ましくは1000m/sec 以上が望ましい。
【0032】
以上は、本発明は回転デスクの周端から放出された膜流と交差するように回転デスク1を取り巻く環状ノズル2から不活性ガスを膜状に噴射させるものであるが、同じ条件は容器の側壁に設けたスリットから噴出する膜流とそれに交差するガス流によって実現することも出来る。またスリットの代わりにスリットのように配列した多数の微細な孔により、その孔径を調節することによって求めることも出来る。更に円錐形の吐出口から円錐状の膜流を噴射させ、吐出口の周囲に配設した環状ガスノズルによっても実現できる。いずれの場合もガスノズルの先端位置が大切で、先端から液膜流までの距離は好ましくは50mm 以下とし、これより大きいと微粉の粒径分布は粗大化の傾向をとる。なお,使用するガスとしては窒素ガスや空気の他にも各種のものが適用可能である。
【0033】
【実施例】
(実施例1)
図1の装置によってSn−37%Pb組成の合金をアルミナ容器8内で高周波誘導加熱して溶融させ、融点183℃より約150℃高い330℃に保持した。注湯ノズル6は内径3mm、外径8mm、長さ10cmのSUS製パイプを断熱材で被覆し、その上に高周波誘導加熱用コイル5を巻いたものである。環状ガスノズル2は回転デスク1を取り巻いて設置し、1000m/sec の流速でノズル先端から2mm上方の位置にある液滴膜流に略垂直に窒素を噴射した。ガス流量は2Nm3/minとした。デスクは50mmφで、ジルコニアのプラズマ溶射膜を付けたTi製で、図1の3と同型の周辺に「つば」のある薄皿型構造のものを高周波誘導加熱コイル4で約300℃に予熱した。デスクから10mmの距離に注湯口7を置いて溶融金属が流下する際のデスクからの飛散を防止した。注湯用ノズル6を高周波誘導加熱で300℃とし、金属溶湯をアルミナ容器の底部にある2mmφの孔からストッパ−10を経て2kg/minで注湯した。デスク1は30,000rpm に設定してデスク周辺から水平方向より略15°上向きに約100μm以下の液滴の集合からなる厚さ約1000μmの膜状で放出し、これをガス噴射で更に微粉化した。
【0034】
上記条件で作製した合金粉は−45μmの粒子の歩留りが62%で、その平均粒径は12μmであった。
【0035】
(実施例2)
表6の各金属を高周波誘導加熱でアルミナ容器内に溶融し、それぞれ各金属の融点より100℃高く保持した。注湯ノズル6は内径3mm、外径8mm、長さ10cmのカ−ボンパイプを断熱材で被覆し、高周波誘導加熱用コイルを巻いて対応するそれぞれの金属の融点より100℃高い温度に加熱した。注湯速度を1kg/minに、ガス噴射ノズル先端の位置を液滴膜流から5mm離れた下方に設定した以外は実施例1と同じ条件である。表6にその実施結果を示した。
【0036】
【表6】
【0037】
(実施例3)
凝集して平均粒径が約1μmである酸化銅を水に加えて70wt% のスラリ−とし、分散剤および造粒剤としてアクリル系樹脂を1wt% 加えてパ−ルミル(図示せず)で均一に混合した。このスラリ−をテフロンコ−トしたSUS製容器の底から1mmφの孔を通して3 kg/min で、プロパンを燃焼して200℃の雰囲気に保つ回転デスク上に滴下した。デスク断面は実施例1と同型の50mmφのSUS製、回転数は 6,000 rpm, 水平方向に対し約12°上向きに放出された膜流に、デスクを取り巻く環状ノズルから空気をスラリ−膜流に対し10mm離れた下方の位置から略90°の角度で噴射した。ガス流量は3 Nm3/min、ガス流速が1000m/sec の条件で−45μm粒子の歩留りは64%、その部分の平均粒径は14μmであった。
【0038】
【発明の効果】
本発明は膜状に広がる液膜または液滴膜を作る第1段階とこの膜流に対し高速で不活性ガスを衝突させる第2段階の二つの過程から成り、それによって従来工法では得られない粒度範囲の微粉体を高収率で作製することができる。第1段階の膜流の作成に消費するエネルギ−は少なく、例えば遠心力も少なくて済むので回転デスクの大きさ、材質に対する制限は大幅に軽減出来るとともにモ−タ−の負担も軽くなる。しかも第1段階によって第2段階は非常に効率化され、ガスの噴射圧が10kgf/cm2 以下という低い圧力でも微粉体の粒度を下げるとともに製品の歩留りを上げることがきる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を実施するのに好適な装置の略断面図である。
【図2】図1の装置における回転デスクおよび環状ノズル部分を示す略断面図である。
【図3】図2の略平面図である。
【図4】本発明法に従って形成した液膜の液滴径と、得られた粉体の平均粒径の関係(ガス速度1000m/secでガス噴射した場合)を示す図である。
【符号の説明】
1 回転デスク
2 環状ガス噴射ノズル
3 頭の開いたV型回転デスク面
4 回転デスク加熱用高周波誘導コイル
5 注湯ノズル加熱用高周波誘導コイル
6 融体またはスラリ−導入用ノズル
7 融体またはスラリ−吐出口
8 融体またはスラリ−容器
9 融体またはスラリ−
10 ストッパ−
【表1】
Claims (4)
- 金属溶湯を薄皿状の回転デスク中心部へ流下して15°±5°の範囲において水平方向より上向きな膜厚1000μm以下の液膜流とし、この液膜流に対して該液膜流を剪断するに十分な量のガス膜流を該液膜流下方の位置からガス速度100m/sec以上のもとで両膜流同志が略垂直に交差するように衝突させることからなる前記金属の微粉体の作製法。
- 前記液膜流が粒径200μm以下の液滴の集合からなる液滴膜流である請求項1に記載の前記金属の微粉体の作製法。
- 前記ガスが不活性ガスである請求項1または2に記載の前記金属の微粉体の作製法。
- 金属溶湯を貯留する容器と、この容器に取り付けられたノズルと、このノズルから吐出する該金属溶湯の吐出流をその中心部で受け15°±5°の範囲において水平方向より上向きな液膜流を形成するように配置された薄皿状の回転デスクと、この回転デスクを取り巻くように配置され該液膜流に下方から略垂直に交差するガスを噴射するガス噴射用環状ノズルとからなる前記金属の微粉体の製造装置。
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